JP2011032882A - レゾネータ - Google Patents

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Kiyoshi Oshima
清 大島
Naoki Maeno
直樹 前野
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Abstract

【課題】 消音室の開口部分のシール部材を削減する。
【解決手段】 ダクト延長部40の折り返し部41の外周側から図示しないホースクランプによって、導入開口部34に対し、ダクト18が固定される。これにより、導入開口部34とダクト18との間には、ダクト延長部40の一方の端が挟み込まれる。つまり、ダクト18と導入開口部34とを直接的に接続するのではなく、両者の間にダクト延長部40の端を介在させるようにした。このとき、硬質樹脂または金属材料で形成されたダクト18及び導入開口部34に対しダクト延長部40がエラストマで形成されているため、ダクト延長部40が、導入開口部34とダクト18とのシールを兼ねる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関(以下「エンジン」という)の吸気系に設けられるレゾネータに関する。
エンジンにおいては、吸気管路に設けられたエアクリーナを通過することで清浄化された空気が、燃焼室へ供給される。このような吸気系では、吸気管路の長さや径等により決定される低次の固有振動数とエンジンの吸気脈動とが一致すると、吸気音と称される騒音が発生することが知られている。
この騒音を抑制するため、従来、吸気系を構成するダクトの途中に、レゾネータを設けている。レゾネータは、一定容積の消音室及び、この消音室に開口する連通管で構成される。これにより、レゾネータは、消音室の容積、連通管の長さ、連通管の内径によって決まる特定周波数の騒音を抑える。このため、複数の周波数を対象とする場合には、複数の消音室が必要となる。結果として、搭載スペースの確保が難しくなったり、消音室や連通管の種類が多くなったりするという問題があった。
この問題を解決するために、ダクトの湾曲部を包囲するようダクトに連通する第1消音室を形成し、さらに湾曲部内方に第2消音室及び連通手段を備えた消音装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2895407号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、消音室の開口部分とダクトとの隙間をシールする必要がある。これは、ダクト及び消音室が共に金属部材で構成されており、連結部分の気密性が低いためである。連結部分の気密性が低いと、消音効果が低くなる虞がある。また、特許文献1に記載の装置では、ダクトが連通管を兼ねていたり、ダクトから連通管を延設したりしている。そのため、連通管の長さや径を変更したい場合には、ダクトの設計変更が必要となり、ダクトの種類が増えてしまう。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、消音室の開口部分のシール部材を削減でき、また、連通管の設計変更が容易なレゾネータを提供することにある。
請求項1に記載のレゾネータは、開口部が形成された仕切壁により複数の消音室が内部に形成された本体部を備えている。この本体部は、上流側ダクトに接続される導入開口部、及び、エンジン側へ空気を送り出すための送出開口部を有している。
ここでいう「開口部」は、連通口や連通穴と言い換えることもできる。また、上流側ダクトは、外部から取り入れられた空気をそのまま導くものであることが考えられる。あるいは、エアクリーナで清浄化された空気を導くものであることが考えられる。前者の場合、レゾネータの下流側にエアクリーナが配置される。
また、レゾネータは、ダクト延長部を備えている。ダクト延長部は、軟質材料で形成されており、導入開口部から本体部の内部へ延びる。ここで軟質材料は、例えばエラストマであることが考えられる。ここでいうエラストマには、ゴムをはじめ、弾性を有する樹脂材料も含む。
本発明では特に、ダクト延長部は、その端部が上流側ダクトと導入開口部に至る本体部とで挟まれるように配置されている。つまり、上流側ダクトと導入開口部とを直接的に接続するのではなく、両者の間にダクト延長部の端部を介在させるようにしたのである。ここでダクト延長部が軟質材料であるため、ダクト延長部の端部が導入開口部と上流側ダクトとのシールを兼ねる。これにより、シール部材を削減することができる。
また、本発明では、ダクト延長部の途中に仕切壁の開口部に嵌合し消音室に連通する連通管部が形成されている。この連通管部は、ダクト延長部と同一材料で一体成形されている。したがって、連通管部の径を仕切壁の開口部に合わせて設計すれば、連通管部がシールを兼ねる。これにより、シール部材を削減することができる。
さらにまた、本発明では、上流側ダクトとは別のダクト延長部の途中に連通管部が設けられているため、上流側ダクトとは関係なく、ダクト延長部のみの設計変更によって、連通管部の径や長さを変更することができる。これにより、連通管部の設計変更が容易になる。
具体的なレゾネータの構成として、例えば請求項2に示すように、本体部が、第1消音室と第2消音室とを有している構成が例示される。このとき、ダクト延長部は、第1消音室に配置され、連通管にて第2消音室と連通していることが考えられる。
ところで、特許文献1に記載の装置では、ダクトの湾曲部内方に、消音室等が形成されている。しかしながら、湾曲部内方とした場合、スペースが限られるため、消音室の容積等を自由に設計することが困難になる虞がある。
そこで、請求項3に示すように、ダクト延長部が湾曲部を有していることを前提に、湾曲部外方に連通管を形成するようにしてもよい。このように湾曲部外方に連通管を形成し、湾曲部外方に消音室を配置するようにすれば、消音室の容積や連通管の形状等の設計自由度を向上させることができる。
なお、シール部材を削減するという観点からは、請求項4に示すように、送出開口部が、外方へ延びる管部を有し、本体部と一体成形されていることとしてもよい。この場合、外方へ延びる管部に対し例えばエラストマのホースなどを接続するようにすれば、シール部材の削減に寄与する。
本発明の一実施形態としての吸気装置の斜視図である。 本発明の一実施形態としての吸気装置の平面図である。 本発明の一実施形態としての吸気装置の前面図である。 図2のIV−IV線概略断面図である。 吸気装置を構成するレゾネータの概略断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の吸気装置は、車両に搭載されるエンジンの吸気系の一部である外気の導入部分を構成する。図1は、吸気装置1の斜視図である。図2は、上下方向の上方から見た、図1中の矢印J方向の平面図である。図3は、前後方向の前方から見た、図1中の矢印K方向の前面図である。図4は、図2のIV−IV線概略断面図である。
図1に示すように、吸気装置1は、エアクリーナ10と、レゾネータ20とを備えている。空気は、空気取入口11から入り、エアクリーナ10の内部を通過することで清浄化される。その後、レゾネータ20を通過してエンジン側へ送られる。
エアクリーナ10は、箱形状をしており、外気を取り入れる上流側部材12と、レゾネータ側へ清浄化された空気を導く下流側部材13とを有している。上述の空気取入口11は、上流側部材12に設けられており、図2等からわかるように、平たい形状の開口を有している。車両に取り付けられた状態にあっては、この空気取入口11は、車両の前方に向かって開口し、例えばラジエータの上方に位置する。
図4に示すように、上流側部材12と下流側部材13との連結部分16には、流路方向に所定の厚みをもつエレメント17が流路を塞ぐように配置されている。これにより、空気取入口11から導入される空気は、エレメント17の内部を通過し、清浄化されて、下流側部材13へ送られる。
下流側部材13は、図2に示すように、その後部に側方へ延びるダクト18を有している。このダクト18に接続されるのが、レゾネータ20である。
レゾネータ20は、エアクリーナ10の側方に配置されている。図1及び図3から分かるように、前方側は上下方向に平たい形状となっており、後方側では、その厚みが大きくなっている。図5は、レゾネータ20の概略断面図である。図5に示すように、レゾネータ20は、硬質樹脂または金属材料で形成された本体部30と、エラストマで形成されたダクト延長部40とを備えている。
本体部30はその内部に仕切壁31を有し、この仕切壁31によって、本体部30の内部空間が、第1消音室32及び第2消音室33に区画されている。また、本体部30は、その側方に、ダクト18を接続するための導入開口部34を有している。導入開口部34の開口周縁に、外方へ突出する取付部35が形成されている。さらにまた、本体部30は、その後方に、送出開口部36を有している。送出開口部36からは、外方へ延びる管部37が設けられている。なお、管部37には図示しないホースが接続され、このホースを経由して吸入空気がエンジン側へ送出される。
ダクト延長部40は、一方の端に、取付部35に合わせて径方向外側へ折り返された折り返し部41を有している。また、ダクト18は、ダクト延長部40の内側へ嵌合される。そして、折り返し部41の外周側から、図示しないホースクランプによって、導入開口部34に対し、ダクト18が固定される。これにより、導入開口部34とダクト18との間には、ダクト延長部40の一方の端が挟み込まれる。
ダクト延長部40は、導入開口部34から送出開口部36へ向かって湾曲し、第1消音室32に開口している。ダクト延長部40の湾曲部分には、湾曲部外方へ延びる連通管部42が一体成形されている。連通管部42は、仕切壁31の開口部38に嵌合し、第2消音室33に開口している。したがって、第2消音室33は、ダクト延長部40の湾曲部外方に設けられている。
以上詳述したように、本形態では、ダクト延長部40の折り返し部41の外周側から図示しないホースクランプによって、導入開口部34に対し、ダクト18が固定される。これにより、導入開口部34とダクト18との間には、ダクト延長部40の一方の端が挟み込まれる。つまり、ダクト18と導入開口部34とを直接的に接続するのではなく、両者の間にダクト延長部40の端を介在させるようにした。ここで硬質樹脂または金属材料で形成されたダクト18及び導入開口部34に対しダクト延長部40がエラストマで形成されているため、ダクト延長部40が、導入開口部34とダクト18とのシールを兼ねる。これにより、シール部材を削減することができる。
また本形態によれば、ダクト延長部40の湾曲部分には、湾曲部外方へ延びる連通管部42が同一材料で一体成形されている。そして、連通管部42は、仕切壁31の開口部38に嵌合している。これにより、連通管部42が仕切壁31との間のシールを兼ねる。その結果、シール部材を削減することができる。
さらにまた、本形態によれば、ダクト延長部40に連通管部42が形成されているため、ダクト18とは関係なく、ダクト延長部40の設計変更によって連通管部42の長さや径を変更することができる。これにより、連通管部42の設計変更が容易になる。
また、本形態では、ダクト延長部40の湾曲部外方へ延びるように連通管部42が配置され、また、第2消音室33が、湾曲部外方に配置されている。これにより、第1及び第2消音室32、33の容積や連通管部42の形状等の設計自由度を向上させることができる。
さらにまた、本形態では、送出開口部36の開口縁から外方へ延びる管部37が、本体部30と一体成形されている。なお、管部37には図示しないエラストマ材料のホースが接続される。これにより、シール部材が削減される。
以上、本発明は、上述した形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施可能である。
1:吸気装置、10:エアクリーナ、11:空気取入口、12:上流側部材、13:下流側部材、16:連結部分、17:エレメント、18:ダクト、20:レゾネータ、30:本体部、31:仕切壁、32:第1消音室、33:第2消音室、34:導入開口部、35:取付部、36:送出開口部、37:管部、38:開口部、40:ダクト延長部、41:折り返し部、42:連通管部

Claims (4)

  1. 空気を導入する上流側ダクトに接続される導入開口部及びエンジン側へ空気を送り出すための送出開口部を有し、開口部が形成された仕切壁により複数の消音室が内部に形成された本体部と、
    前記導入開口部から前記本体部の内部へ延びる軟質材料で形成されたダクト延長部とを備え、
    前記ダクト延長部は、その端部が前記上流側ダクトと前記導入開口部に至る前記本体部とで挟まれるように配置され、その途中に前記開口部に嵌合し前記消音室に連通する連通管部が形成され、
    前記連通管部は、ダクト延長部と同一材料で一体成形されてなること
    を特徴とするレゾネータ。
  2. 請求項1に記載のレゾネータにおいて、
    前記本体部は、第1消音室と第2消音室とを有し、
    前記ダクト延長部は、前記第1消音室に配置され、前記連通管部にて前記第2消音室と連通していること
    を特徴とするレゾネータ。
  3. 請求項1又は2に記載のレゾネータにおいて、
    前記ダクト延長部は、湾曲部を有し、湾曲部外方に前記連通管部が形成されていること
    を特徴とするレゾネータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレゾネータにおいて、
    前記本体部には、前記送出開口部の開口縁から外方へ延びる管部が一体成形されていること
    を特徴とするレゾネータ。
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