JP2011032559A - 付着物の除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザクリーニングにおいて、エネルギ消費量も抑えつつ短時間に精度良く付着物を除去することができる付着物の除去方法を提供する。
【解決手段】作業者は、周期構造形成装置100を用いて被処理対象物WKの表面に複数の微細な凹凸形状からなる周期構造を形成する。周期構造形成装置100は、ステージ装置106により被処理対象物WKを変位可能に支持しつつ、レーザ光源101からフェムト秒レーザ光L100を照射して被処理対象物WKの表面に周期構造を形成する。一方、作業者は、付着物が付着した被処理対象物WKに対してクリーニング装置200を用いてクリーニングを行なう。クリーニング装置200は、レーザ光源201から出射され被処理対象物WK上に集光するレーザ光L200をガルバノミラー203によって被処理対象物WK上を走査することにより、被処理対象物WKの表面に付着した付着物を剥離させて除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理対象物の表面にレーザ光を照射することにより、被処理対象物の表面に付着した付着物を除去する付着物の除去方法に関する。
従来から、被処理対象物の表面にレーザ光を照射することにより、被処理対象物の表面に付着した付着物を除去する所謂レーザクリーニングが行なわれている。例えば、下記特許文献1には、有機EL(Electro Luminescence)素子の製造に用いる蒸着マスク(被処理対象物)に付着し堆積した蒸着材料を除去するために、蒸着マスクの表面にレーザ光を照射して堆積した蒸着材料を除去する蒸着マスクのクリーニング方法が開示されている。また、下記特許文献2および下記特許文献3には、ゴムや樹脂等の成形に用いる金型(被処理対象物)に付着した残存物を除去するために、成形加工に用いられた後の金型の表面にレーザ光を照射して付着した残存物を除去する金型等のクリーニング方法が開示されている。
特開2006−361934号公報 特開2008−62633号公報 特開平09−122939号公報
しかしながら、このような従来のレーザクリーニング方法においては、付着物の除去は被処理対象物の表面に集光した小径の光スポットによって行なわれるため、付着物の除去に時間が掛かるとともにレーザの照射時間に応じてエネルギ消費量も多くなり作業効率が悪いという問題がある。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、レーザクリーニングにおいて、エネルギ消費量を抑えつつ短時間に精度良く付着物を除去することができる付着物の除去方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明の特徴は、付着物の除去対象である被処理対象物の表面にレーザ光を照射することにより、同被処理対象物の表面に付着した付着物を除去する付着物の除去方法において、付着物が被処理対象物の表面に付着するより前に、同被処理対象物の表面に複数の微細な凹凸形状からなる周期構造を形成する周期構造形成工程と、付着物が付着した被処理対象物の表面に、レーザ光を照射することにより前記付着物を除去する付着物除去工程とを含むことにある。
このように構成した請求項1に係る発明の特徴によれば、付着物の除去対象である被処理対象物の表面には、付着物が付着する前に予め複数の微細な溝状の凹凸形状からなる周期構造が形成されている。このため、付着物は、被処理対象物の表面に形成された周期構造上に付着する。そして、本発明者による実験によれば、レーザ光の出力条件を同じにした場合、周期構造を形成した被処理対象物は、周期構造が形成されていない被処理対象物に比べて短時間に精度良く付着物の除去が行なえることを確認した。すなわち、本発明によれば、被処理対象物の表面に周期構造を形成しておくことにより、従来技術に比べて、エネルギ消費量も抑えつつ短時間に精度良く付着物の除去を行なうことができる。
また、請求項2に係る本発明の他の特徴は、前記付着物の除去方法において、周期構造は、例えば、凸部間の間隔および凸部と凹部との高低差が、それぞれ数nm以上かつ数十μm以下にすることにある。
このように構成した請求項2に係る本発明の他の特徴によれば、被処理対象物の表面に形成される周期構造における凸部と凸部との間隔、および凸部と凹部との高低差は数nm以上かつ数十μm以下に設定される。これにより、本発明者による実験によれば、周期構造上に付着した付着物を精度良く剥離させて被処理対象物の表面上から除去することができる。
また、請求項3に係る本発明の他の特徴は、前記付着物の除去方法において、周期構造は、例えば、レーザ光を用いて形成されることにある。このように構成した請求項3に係る発明の他の特徴によれば、周期構造は、レーザ光によって形成される。この場合、形成される周期構造における凸部と凸部との間隔、および凸部と凹部との高低差はレーザ光の波長および光強度に対応する。すなわち、レーザ光の波長および光強度に対応した形状の周期構造を容易に形成することができる。
また、請求項4に係る本発明の他の特徴は、前記付着物の除去方法において、周期構造は、フェムト秒レーザ光を用いて形成されることにある。このように構成した請求項4に係る発明の他の特徴によれば、被処理対象物の表面に所謂フェムト秒レーザ光を照射することにより複数の微細な溝状の凹凸形状からなる周期構造を形成している。この場合、フェムト秒レーザ光とは、fs(フェムト秒:10−15sec)の極めて短いパルス幅のパルスレーザ光である。これにより、本発明者による実験によれば、凸部と凸部との間隔、および凸部と凹部との高低差が数nm以上かつ数十μm以下の周期構造を熱による変形や損傷を防止しつつ簡単にかつ高精度に成形することができる。
また、請求項5に係る本発明の他の特徴は、前記付着物の除去方法において、被処理対象物は、例えば、金属であることにある。このように構成した請求項5に係る発明の他の特徴によれば、被処理対象物は、金属、具体的には、鉄や金などの重金属、アルミニウムやマグネシウムなどの軽金属またはこれらの合金で構成されている。これにより、本発明者による実験によれば、被処理対象物の表面に精度良く周期構造を形成することができ、結果として付着した付着物を短時間かつエネルギ消費量を抑えて除去することができる。
本発明の一実施形態に用いる周期構造形成装置の主要部の構成を模式的に示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に用いるクリーニング装置の主要部の構成を模式的に示す概略構成図である。
(周期構造形成装置およびクリーニング装置の構成)
以下、本発明に係る付着物の除去方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る付着物の除去方法の実施に用いる周期構造形成装置100の主要部の構成を模式的に示す概略構成図である。また、図2は、本発明に係る付着物の除去方法の実施に用いるクリーニング装置200の主要部の構成を模式的に示す概略構成図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。
まず、周期構造形成装置100について説明する。周期構造形成装置100は、付着物の除去対象である被処理対象物WKの表面に数十〜数百nmの極めて微細な間隔および深さの溝状の凹凸形状が連続して形成された所謂周期構造を形成するための設備である。この周期構造形成装置100は、レーザ光源101を備えている。レーザ光源101は、パルス幅がfs(フェムト秒:10−15sec)台の間隔の極めて短いパルスレーザ光L100を出射する光源である。本実施形態においては、レーザ光源101は、波長が赤外線領域の800nm、パルス幅が120fs、繰り返し周波数が1kHzおよび平均出力が1Wでレーザ光L100を出射するレーザ媒質(例えば、チタンサファイア結晶)で構成されている。
レーザ光源101の光軸上には、1/2波長板102および偏光ビームスプリッタ103がそれぞれ設けられている。1/2波長板102は、入射したレーザ光L100の偏光状態を変化させる(直線偏光のまま振動面を変える)光学素子である。また、偏光ビームスプリッタ103は、入射した光を偏光方向に応じて透過または反射させる偏光光学素子である。具体的には、1/2波長板102を介して入射するレーザ光L100(P偏光)の一部を透過させて集光レンズ104に導くとともに、他の一部(S偏光)を入射方向に直交する方向(図示右側)に反射させて光ストッパ105に導く。これらの1/2波長板102および偏光ビームスプリッタ103によってレーザ光源101から出射されたレーザ光L100の光量(光強度)、換言すれば、パルスエネルギを変化させることができる。
集光レンズ104は、偏光ビームスプリッタ103を透過したレーザ光L100(P偏光)をステージ装置106上に載置された被処理対象物WKの表面に集光するためのシリンドリカルレンズおよび凸レンズなどによって構成された光学レンズ群である。ステージ装置106は、被処理対象物WKをレーザ光源101の光軸に直交する平面内における互いに直交する2方向(X方向およびY方向)にそれぞれ変位させる変位装置であり、被処理対象物WKを磁力により着脱自在に保持するとともに前記2方向に変位するステージ106aを備えて構成されている。
また、この周期構造形成装置100には、レーザ光源101、1/2波長板102、集光レンズ104およびステージ装置106の作動や位置を制御するための制御装置(図示せず)や、各装置の電源となる電源ユニット(図示せず)などを備えているが、本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。
次に、クリーニング装置200について説明する。付着物除去装置200は、付着物が付着した被処理対象物にレーザ光L200を照射することにより、被処理対象物の表面に付着した付着物を除去するための設備である。このクリーニング装置200は、レーザ光源201を備えている。レーザ光源201は、パルス幅がns(ナノ秒:10−9sec)台の間隔の短いパルスレーザ光L200を出射する光源である。本実施形態においては、レーザ光源201は、波長が532nm、パルス幅が10ns、繰り返し周波数が10kHzおよび平均出力が10Wでレーザ光L200を出射する所謂YAG2倍波レーザで構成されている。
レーザ光源201の光軸上には、集光レンズ202およびガルバノミラー203がそれぞれ設けられている。集光レンズ202は、レーザ光源201から出射されたレーザ光L200をワークテーブル204上に載置された被処理対象物WKの表面に集光するためのシリンドリカルレンズおよび凸レンズなどによって構成された光学レンズ群である。ガルバノミラー203は、ワークテーブル204上に載置された被処理対象物WKの表面に集光させるレーザ光L200をワークテーブル204上における互いに直交する2方向(X方向およびY方向)に走査するための2軸走査型の光学ミラーである。ワークテーブル204は、被処理対象物WKを磁力により着脱自在に保持する固定式の載置台である。このワークテーブル204は、クリーニングケース205内に収容されている。
クリーニングケース205は、被処理対象物WKの表面から除去された付着物の周囲への飛散を防止するための箱型の容器である。このクリーニングケース204は、レーザ光源201から出射されたレーザ光L200をクリーニングケース205内のワークテーブル204上に導く石英ガラス製の光学窓205aを備えるとともに、クリーニングケース205内に被処理対象物WKを出し入れするための図示しない開閉式の出入口などを備えて構成されている。このクリーニングケース205内におけるワークテーブル204の縁部上方には、集塵口206が設けられている。集塵口206は、レーザ光L200の照射により被処理対象物WKの表面から除去された付着物を回収するための吸引口である。この集塵口206は、クリーニングケース205の外側に設けられたフィルタ207を介してバキューム装置208に接続されている。
フィルタ207は、被処理対象物WKの表面から除去されて集塵口205を介して回収された付着物を捕捉するための不織布などの濾過部材を備えて構成されている。また、バキューム装置208は、クリーニングケース205内から空気を吸引するためのポンプ装置である。また、このクリーニング装置200は、レーザ光源201、集光レンズ202ガルバノミラー203およびバキューム装置208の作動や位置を制御するための制御装置(図示せず)や、各装置の電源となる電源ユニット(図示せず)などを備えているが、本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。
(付着物の除去方法)
次に、被処理対象物WKに付着した付着物の除去について説明する。本実施形態においては、被処理対象物WKを有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイの製造過程で用いるメタルマスクとする。メタルマスクは、有機ELディスプレイを構成するガラス基板上に蒸着法により有機EL膜をパターニングする際に用いる薄板材であり、厚さが約30μmのインバー材(Fe−Ni合金)で構成されている。このメタルマスクは、有機EL膜のパターニングに繰り返し用いられることによりメタルマスク表面に付着し堆積した蒸着物質を定期的に除去しなければならないものである。
まず、作業者は、被処理対象物WK(メタルマスク)の表面に周期構造を形成する。この周期構造の形成は、公知の方法によって形成される。すなわち、本実施形態においては、前記周期構造形成装置100を用いて被処理対象物WKの表面に周期構造を形成する。具体的には、作業者は、周期構造形成装置100のステージ装置106におけるステージ106a上に周期構造を形成する側の表面をレーザ光源101側に向けた状態で被処理対象物WKを磁気吸着により固定した後、レーザ光源101の作動を制御して被処理対象物WKに対してレーザ光L100を照射する。この場合、被処理対象物WKの表面に照射されるレーザ光L100は、波長が800nm、パルス幅が120fs、繰り返し周波数が1kHzおよび平均出力が1Wの所謂フェムト秒レーザ光である。
被処理対象物WKの表面に前記フェムト秒レーザ光が照射されると、被処理対象物WKの表面には、照射されたレーザ光L100の一部(P偏光成分)と同表面上に生じた表面散乱光とによって光の干渉が生じる。この場合、照射されたレーザ光L100のフルエンス(照射量)がアブレーション閾値(アブレーション:表面が蒸発または侵食によって分解される現象)の近傍であると前記光の干渉部分にアブレーションが生じて極めて微細な凹凸の溝形状が自己組織的に形成される。そして、フェムト秒レーザ光の集光点をオーバラップさせながら走査することにより、被処理対象物WKの表面上に周期構造が形成される。すなわち、作業者は、ステージ装置106の作動を制御してステージ106aをレーザ光L100の焦点に対して相対変位させることにより被処理対象物WKの表面上に周期構造を形成する。
周期構造形成装置100によって被処理対象物WKの表面の全面に周期構造が形成された場合には、作業者は、ステージ106aから被処理対象物WKを取り外す。これにより、レーザ光L100の波長に対応するピッチでかつ同レーザ光L100の強度に対応する深さの凹凸形状からなる溝状の周期構造が形成された被処理対象物WKが得られる。この場合、周期構造の形成にフェムト秒レーザ光を用いているため、被処理対象物WKに加熱による損傷や変形を生じさせることなく簡単にかつ高精度に周期構造が成形される。なお、本実施形態においては、被処理対象物の表面に凸部間のピッチが約800nm、凸部と凹部との高低差が約15nmの周期構造が形成される。この被処理対象物WK(メタルマスク)の表面に周期構造を形成する作業が、本発明に係る周期構造形成工程に相当する。
次に、作業者は、周期構造が形成された被処理対象物WKを有機ELディスプレイの製造に供する。この場合、作業者は、周期構造が形成された被処理対象物WKであるメタルマスクを従来と同様の使用態様で有機ELディスプレイの製造に用いる。そして、有機EL膜のパターニングに繰り返し用いられることにより、被処理対象物WKの表面に蒸着物質が付着・堆積した場合には、作業者は、被処理対象物WKのクリーニング作業を行う。
具体的には、作業者は、蒸着物質が付着したメタルマスクからなる被処理対象物WKをクリーニング装置200のワークテーブル204上に付着物が付着した側(周期構造が形成された側)の表面をレーザ光源201側に向けた状態で磁気吸着により固定する。そして、作業者は、レーザ光源201の作動を制御して被処理対象物WKに対してレーザ光L200を照射する。これにより、被処理対象物WKの表面には、波長が532nm、パルス幅が10ns、繰り返し周波数が10kHzおよび平均出力が10Wのレーザ光L200が照射される。
被処理対象物WKの表面に付着した付着物にレーザ光L200が照射されると、同表面に付着した付着物は剥離して同表面から取り除かれる。この場合、本発明者による実験によれば、周期構造を形成した被処理対象物WKと周期構造を形成しない従来の被処理対象物WKとでは、周期構造を形成した被処理対象物WKの方が同じ照射エネルギのレーザ光L200であれば短時間に付着物を除去することができるとともに、同じ処理時間であればより少ない照射エネルギのレーザ光L200によって付着物を除去することができることを確認した。
このように、レーザ光L200を照射する部分に周期構造を設けることにより付着物が剥離し易くなる原理は不明であるが、2つの物体間に作用するメニスカス力、静電力およびファンデルワース力からなる所謂凝着力の形成範囲が小さくなること、および被処理対象物WKの表面に形成した周期構造が回折格子的に作用、すなわち、入射したレーザ光L200を散乱させることなく多重的に反射させることにより繰り返し付着物および周期構造に照射されるためと考えられる。
作業者は、ガルバノミラー203の作動を制御して被処理対象物WK上に集光するレーザ光L200の焦点を走査することにより、被処理対象物WKの表面上に付着した付着物に対して順次レーザ光L200を照射する。これにより、被処理対象物WKの表面上に付着した付着物が順次除去される。被処理対象物WKの表面から剥離し除去された付着物は集塵口206によって回収される。集塵口206によって回収された付着物は、フィルタ207によって捕捉される。これにより、被処理対象物WKの表面から剥離し除去された付着物がクリーニング装置200の外部に放出されることはない。
クリーニング装置200によって付着物が除去された被処理対象物WKは、作業者によってワークテーブル204から取り外される。これにより、付着物が除去された被処理対象物WKが再度得られる。したがって、作業者は、付着物が除去された被処理対象物WKを前記と同様に、有機ELディスプレイの製造に供する。すなわち、被処理対象物WKであるメタルマスクは、所定の使用回数または損傷するまでの間、前記クリーニングが行なわれることによって繰り返し有機ELディスプレイの製造に用いられる。この被処理対象物WK(メタルマスク)に対するクリーニング作業が、本発明に係る付着物除去工程に相当する。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、付着物の除去対象である被処理対象物WKの表面には、付着物が付着する前に予め複数の微細な溝状の凹凸形状からなる周期構造が形成されている。このため、付着物は、被処理対象物WKの表面に形成された周期構造上に付着する。そして、被処理対象物WKに付着した付着物にレーザ光L200が照射されることにより、従来技術に比べて、エネルギ消費量も抑えつつ短時間に精度良く付着物の除去を行なうことができる。また、被処理対象物WKのクリーニング作業が短時間かつ効率的に行われることにより、結果として、有機ELディスプレイの製造コストを低減させることができるとともに有機ELディスプレイの製造効率を向上させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、被処理対象物WKの表面に複数の微細な凹凸形状からなる溝状の周期構造を形成した。しかし、周期構造の形状およびその大きさは上記実施形態に限定されるものではない。本発明者によれば、凸部の間隔(ピッチ)および凸部と凹部との高低差(深さ)は数nm以上かつ数十μm以下が好適である。なお、周期構造の大きさを数十μm台で形成する場合には、必ずしもフェムト秒レーザ光を用いる必要はなくフェムト秒より長いパルス幅のパルスレーザ光(例えば、ピコ秒レーザ光)を用いることもできる。本発明者による実験によれば、概ね1fs(フェムト秒)〜10ps(ピコ秒)のパルス幅のレーザ光を用いることが好適である。すなわち、被処理対象物WKの表面に周期構造を形成可能なレーザ光であれば、レーザ光の光源の種類(次段落参照)やレーザ光L100の出力条件(波長、パルス幅、繰り返し周波数および平均出力)は上記実施形態に限定されるものではなく、形成する周期構造に応じて適宜設定して用いることができる。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、被処理対象物の表面に付着した付着物を除去するために、波長が532nm、パルス幅が10ns、繰り返し周波数が10kHzおよび平均出力が10Wのレーザ光L200を用いた。しかし、レーザ光L200の波長、パルス幅、繰り返し周波数および平均出力も上記実施形態に限定されるものではなく、被処理対象物WKの表面に付着した付着物を除去可能なものであれば広く用いることができる。本発明者による実験によれば、被処理対象物WKが金属の場合、レーザ光源201としてYAG2倍波レーザの他に、通常(1064nm波長)のYAGレーザ、Arレーザ、Coレーザまたはエキシマレーザなどを用いることができるとともに、レーザ光の出力条件はとしてはパルス幅が0.1〜1μ秒、繰り返し周波数が1〜500kHzおよび平均出力が1〜70Wが適当である。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、被処理対象物WKとしてのメタルマスクを構成する素材としてインバー材を採用した。しかし、メタルマスクは、有機EL膜のパターニングを行える素材で構成されていれば、当然、これに限定されるものではない。例えば、メタルマスクを構成する素材として、ニッケル材、ステンレス材、ガラス材、樹脂材などが考えられる。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、被処理対象物WKは、磁力による吸着によってステージ装置106およびワークテーブル204に保持されるように構成した。しかし、よってステージ装置106およびワークテーブル204が被処理対象物WKを保持する態様は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、よってステージ装置106およびワークテーブル204における被処理対象物WKの載置面に複数の貫通孔を形成しておき、同貫通孔にエア吸引装置を接続することにより負圧によって被処理対象物WKを保持するように構成することもできる。また、被処理対象物WKにテンションを付加することによって被処理対象物WKを張った状態で保持することもできる。また、さらには、処理対象物WKの縁部をクランプ装置で押圧することにより保持することもできる。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、被処理対象物WKに有機ELディスプレイの製造に用いるメタルマスクを適用した例について説明した。しかし、被処理対象物WKは、周期構造が形成可能であってレーザ光L200の照射に耐えられる物質であれば、広く採用することができる。具体的には、鉄や金などの重金属、アルミニウムやマグネシウムなどの軽金属またはこれらの合金などの金属材、半導体、セラミック材、ガラス材、樹脂材、ゴム材または木材などを被処理対象物WKとして採用することができる。すなわち、本発明は、有機ELディスプレイの製造以外の分野、例えば、スクリーン印刷におけるメタルマスクに付着した付着物の除去、各種成形金型における成形面等に付着した付着物の除去または塗装面における塗料の除去など、所謂レーザクリーニングが利用される分野において広く適用することができる。なお、本発明を塗装面における塗料の除去に適用する場合、塗装面に予め周期構造を形成しておくことで塗装面の所謂濡れ性が向上するため、塗料を良好に塗布することができ塗布作業の作業性および仕上がり品質を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、被処理対象物WKの表面に周期構造を形成するために周期構造形成装置100を用いるとともに、被処理対象物WKの表面から付着物を除去するためにクリーニング装置200を用いた。しかし、周期構造形成装置100は、被処理対象物WKの表面に周期構造を形成可能な公知の構成であれば良く、必ずしも、上記実施形態に限定されるものではない。この場合、周期構造は、レーザ光L100以外のものを用いて形成することができる。例えば、ダイヤモンドカッタなどの工具を用いて機械的な切削加工により被処理対象物WKの表面に周期構造を形成することができる。また、クリーニング装置200においても、被処理対象物WKに付着物を除去可能なレーザ光L200を照射できる公知の構成であれば良く、必ずしも、上記実施形態に限定されるものではない。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
100,L200…レーザ光、WK…被処理対象物、100…周期構造形成装置、101…レーザ光源、102…1/2波長板、103…偏光ビームスプリッタ、104…集光レンズ、105…光ストッパ、106…ステージ装置、106a…ステージ、200…クリーニング装置、201…レーザ光源、202…集光レンズ、203…ガルバノミラー、204…ワークテーブル、205…クリーニングケース、205a…光学窓、206…集塵口、207…フィルタ、208…バキューム装置。

Claims (5)

  1. 付着物の除去対象である被処理対象物の表面にレーザ光を照射することにより、同被処理対象物の表面に付着した前記付着物を除去する付着物の除去方法において、
    前記付着物が前記被処理対象物の表面に付着するより前に、同被処理対象物の表面に複数の微細な凹凸形状からなる周期構造を形成する周期構造形成工程と、
    前記付着物が付着した前記被処理対象物の表面に、レーザ光を照射することにより前記付着物を除去する付着物除去工程とを含むことを特徴とする付着物の除去方法。
  2. 請求項1に記載した付着物の除去方法において、
    前記周期構造は、凸部間の間隔および凸部と凹部との高低差が、それぞれ数nm以上かつ数十μm以下であることを特徴とする付着物の除去方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載した付着物の除去方法において、
    前記周期構造は、レーザ光を用いて形成されることを特徴とする付着物の除去方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した付着物の除去方法において、
    前記周期構造は、フェムト秒レーザ光を用いて形成されることを特徴とする付着物の除去方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した付着物の除去方法において、
    前記被処理対象物は、金属であることを特徴とする付着物の除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016115893A (ja) * 2014-12-18 2016-06-23 株式会社Screenホールディングス 基板処理装置および基板処理方法

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