JP2011029080A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い出力を安定して得ることが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 電解質膜17と、電解質膜17の一方の面17Aに配置されたアノード触媒層11と、電解質膜17の他方の面17Cに配置されたカソード触媒層14と、カソード触媒層14の上に積層された部材のうち、温度変化に関する時定数が最も大きい第1時定数を有する第1部材と、アノード触媒層11の上に積層された部材のうち、温度変化に関する時定数が最も大きく且つ第1時定数より大きい第2時定数を有する第2部材と、を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池を用いた燃料電池の技術に関する。
近年、小型の燃料電池が注目を集めている。特に、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は、小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、有望視されている。
DMFCは、アノードとカソードとの間に電解質膜を挟持させた構造の膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)と、膜電極接合体にメタノールを供給する燃料供給機構と、を備えている。このようなDMFCのアノードでは、導入されたメタノールが酸化分解され、プロトン、電子および二酸化炭素が生成される。一方、カソードでは、空気中の酸素とアノード側から移動してきたプロトンとアノードから外部回路を通じて供給される電子とが反応して水が生成される。また、外部回路を通る電子によって電力が供給される。
燃料としてメタノールを用いた発電反応では、カソードで生成された水を効率よくアノード側に供給し、アノード側での触媒作用に利用することが望まれる。例えば、特許文献1によれば、空気極側の最外面から空気極までの熱抵抗を燃料極側の最外面から燃料極までの熱抵抗よりも小さくする技術が開示されている。
近年、DMFCのさらなる小型化、薄型化に向け開発が進められているが、その小型化、薄型化に伴い、例えば、同様の構成を用いて薄型化し場合等において、DMFCの出力が低下するという問題があった。
特開2008−210548号公報
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高い出力を安定して得ることが可能な燃料電池を提供することにある。
この発明の態様による燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置されたアノード触媒層と、前記電解質膜の他方の面に配置されたカソード触媒層と、前記カソード触媒層の上に積層された部材のうち、温度変化に関する時定数が最も大きい第1時定数を有する第1部材と、前記アノード触媒層の上に積層された部材のうち、温度変化に関する時定数が最も大きく且つ第1時定数より大きい第2時定数を有する第2部材と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、高い出力を安定して得ることが可能な燃料電池を提供することができる。
図1は、この発明の一実施の形態に係る燃料電池の構造を概略的に示す断面図である。 図2は、図1に示した燃料電池における膜電極接合体の一部を概略的に示す斜視図である。 図3は、カソード側に配置された第1時定数を有する第1部材と、アノード側に配置された第1時定数より大きい第2時定数を有する第2部材を有することによる効果の検証結果を示す図である。 図4は、カソード側に配置された第1時定数を有する第1部材と、アノード側に配置された第1時定数より大きい第2時定数を有する第2部材を有することによる効果の検証結果を示す図である。
以下、この発明の一実施の形態に係る燃料電池について図面を参照して説明する。図1に示すように、燃料電池1は、起電部を構成する膜電極接合体(MEA)2と、膜電極接合体2に燃料を供給する燃料供給機構3と、から主として構成されている。
すなわち、燃料電池1において、膜電極接合体2は、アノード触媒層11およびアノード触媒層11の上に配置されたアノードガス拡散層12を有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14およびカソード触媒層14に積層されたカソードガス拡散層15を有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とを備えて構成されている。
アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11には、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14には、PtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒は、これらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。また、触媒は、炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17は、これらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電機能を有するものである。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤(空気あるいは酸素)を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電機能を有するものである。アノードガス拡散層12およびカソードガス拡散層15は、例えばカーボンペーパーなどの導電性を有する多孔質基材によって構成されている。
上述した膜電極接合体2は、集電体18によって挟持されている。この集電体18は、膜電極接合体2に備えられたアノード13と同数のアノード集電体18A、および、膜電極接合体2に備えられたカソード16と同数のカソード集電体18Cを有している。アノード集電体は、アノード13のアノードガス拡散層12に積層されている。また、カソード集電体は、カソード16のカソードガス拡散層15に積層されている。
アノード集電体およびカソード集電体としては、例えば金(Au)、ニッケル(Ni)などの金属材料からなる多孔膜(例えばメッシュ)または箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材などをそれぞれ使用することができる。
膜電極接合体2は、電解質膜17のアノード13側およびカソード16側にそれぞれ配置されたゴム製のOリング等のシール部材19によってシールされており、これにより、膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
膜電極接合体2のカソード16側には、絶縁材料によって形成された板状体20が配置されている。この板状体20は、主に保湿層として機能する。すなわち、この板状体20は、カソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制するとともに、カソード触媒層14への空気の取入れ量を調整し且つ空気の均一拡散を促進するものである。この板状体20は、例えば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンの多孔質体などが挙げられる。
上述した膜電極接合体2は、燃料供給機構3とカバープレート21との間に配置されている。カバープレート21は、外観が略矩形状のものであり、例えばステンレス鋼(SUS)によって形成されている。また、カバープレート21は、酸化剤である空気を取入れるための複数の開口部(空気導入孔)21Aを有している。
燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13に対して燃料を供給するように構成されているが、特に、特定の構成に限定されるものではない。以下に、燃料供給機構3の一例について説明する。
燃料供給機構3は、例えば、箱状に形成された容器30を備えている。この燃料供給機構3は、液体燃料を収容する燃料収容部4と流路5を介して接続されている。容器30の燃料導入口30Aには、流路5が接続されている。燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ供給する燃料供給部31を備えている。ここでは、特に、燃料供給部31が燃料分配板31Aを備えた構成について説明するが、燃料供給部31は他の構成であっても良い。
すなわち、燃料分配板31Aは、1つの燃料注入口32と、複数の燃料排出口33とを有しており、細管34のような燃料通路を介して燃料注入口32と燃料排出口33とを接続した構成である。
膜電極接合体2は、そのアノード13が上述したような燃料分配板31Aの燃料排出口33に対向するように配置されている。カバープレート21は、燃料供給機構3との間に膜電極接合体2を保持した状態で容器30に対してカシメあるいはネジ止めなどの手法により固定されている。これにより、燃料電池(DMFC)1の発電ユニットが構成されている。
燃料供給部31は、燃料分配板31Aと膜電極接合体2との間に燃料拡散室31Bとして機能する空間を形成するような構成であることが望ましい。この燃料拡散室31Bは、燃料排出口33から液体燃料が排出されたとしても気化を促進するとともに、面方向への拡散を促進する機能を有している。
膜電極接合体2と燃料供給部31との間には、少なくとも1つの多孔体、例えば拡散板を配置しても良い。
また、膜電極接合体2と燃料供給部31との間には、膜電極接合体2をアノード13側から支持する支持部材を配置しても良い。さらに、支持部材は、燃料の気化を促進するための多孔質体であっても良い。
さらに、膜電極接合体2と燃料供給部31との間には、アノード13に対する燃料の供給量を制御する燃料絞りを配置しても良い。
燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。なお、液体燃料は、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えば、エタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容される。
さらに、流路5には、ポンプ6が介在していても良い。ポンプ6は、燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。燃料供給部31から膜電極接合体2に供給された燃料は、発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。
この実施の形態の燃料電池1は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ6を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。図1に示す燃料電池1は、例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
この実施の形態の燃料電池1においては、ポンプ6を用いて燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料が間欠的に送液される。ポンプ6で送液された液体燃料は、燃料供給部31を経て膜電極接合体2のアノード13の全面に対して均一に供給される。
すなわち、複数の単セルCの各アノード13の平面方向に対して均一に燃料が供給され、これにより発電反応が生起される。燃料供給用(送液用)のポンプ6の運転動作は、燃料電池1の出力、温度情報、電力供給先である電子機器の運転情報等に基づいて制御することが好ましい。
上述したように、燃料供給部31から放出された燃料は、膜電極接合体2のアノード13に供給される。膜電極接合体2内において、燃料は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は、集電体18を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体18を経由してカソード16に導かれる。(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には、酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせるとともに、膜電極接合体2の電極全体に均一に燃料を供給し、電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
この実施の形態においては、図2に示すように、膜電極接合体2は、単一の電解質膜17の一方の面17Aにおいて間隔をおいて配置された複数のアノード触媒層11及び各アノード触媒層11の上に積層されたアノードガス拡散層12を有するアノード13と、電解質膜17の他方の面17Cにおいてアノード13のそれぞれと対向するように間隔をおいて配置された複数のカソード触媒層14及び各カソード触媒層14の上に積層されたカソードガス拡散層15を有するカソード16と、を備えている。ここでは、アノード13およびカソード16がそれぞれ4個である場合を示している。
これらのアノード13とカソード16との各組み合わせは、それぞれ電解質膜17を挟持し、単セルCをなしている。ここでは、単セルCのそれぞれは、同一平面上において、その長手方向と直交する方向に間隔をおいて並んで配置されている。なお、膜電極接合体2の構造は、この例に限らず他の構造であっても良い。
図2に示したような複数の単セルCを有する膜電極接合体2においては、各単セルCは、図示しない集電体によって電気的に直列に接続されている。
本実施の形態において、燃料電池1は、カソード触媒層14の上に積層された部材、例えば、カソードガス拡散層15、カソード集電体18C、板状体20、カバープレート21などのうち、最も大きい第1時定数を有する第1部材を有する。燃料電池1は、アノード触媒層11の上に積層された部材、例えば、アノードガス拡散層12、アノード集電体18A、燃料分配板31A、容器30などのうち、最も大きく且つ第1時定数より大きい第2時定数を有する第2部材を有する。
ここで、時定数とは、温度が時間変化するとき、初期値から定常値の約63%になるまでに要する時間である。つまり、初期値から定常値までの変化量の内の特定のパーセントまで変化するのに要する時間である。この時定数[t]は、部材の熱抵抗[℃/W]と、部材の熱容量[J/℃]との積で表される。つまり、温度が時間変化するとき、時定数が大きいことは、加熱の系では温度上昇しにくく、放熱の系では温度低下しにくいことに相当する。また、時定数が小さいことは、加熱の系では温度上昇しやすく、放熱の系では温度低下しやすいことに相当する。
この時定数の測定方法について説明する。時定数[t]は、熱抵抗[℃/W]と、熱容量[J/℃]との積である。したがって、時定数[t]は、それぞれの燃料電池1を各部材に分解し、各部材の熱抵抗[℃/W]および熱容量[J/℃]を測定することによって求めることができる。各部材において、燃料電池1の二次元平面視野で燃料電池1の外接円を描いたときに、外接円の中心を含む領域の熱抵抗および熱容量を測定する。熱抵抗R[℃/W]は、R=l/λAと表すことができる。ここで、lは伝熱の長さ[m]、λは熱伝導率[W/m℃]、Aは伝熱面積[m]である。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法によって測定することができる。熱容量c[J/℃]は、c=mCと表すことができる。ここで、m[kg]は質量、C[J/kg℃]は比熱である。比熱は、示差走査型熱量計(DSC)によって測定することができる。
本実施の形態において、膜電極接合体2のアノード13側に配置された第2部材の第2時定数は、膜電極接合体2のカソード16側に配置された第1部材の第1時定数より大きいため、第2部材は第1部材より温度変化しにくい。つまり、第2部材が配置されたアノード13側は、第1部材が配置されたカソード16側より温度変化が小さい。
ここでは、カソード16側に配置された第1部材は、例えば、カバープレート21である。また、アノード13側に配置された第2部材は、例えば、燃料供給機構3の容器30である。つまり、カソード16側に配置されたカバープレート21の第1時定数は、アノード13側に配置された容器30の第2時定数より小さく、カバープレート21は、容器30より温度変化しやすい。
本実施の形態によれば、燃料電池1の発電反応などにより温度が時間変化した場合においても、アノード13側に配置された容器30の第2時定数が大きいため、アノード13側の温度変化が小さい。つまり、アノード13側の温度を適温に保つことができ、燃料供給機構3から供給される液体燃料の気化を比較的安定させることが可能となる。
また、燃料電池1の発電反応などにより温度が時間変化した場合においても、カソード16側に配置されたカバープレート21の第1時定数が小さいため、カソード16側の温度変化が大きい。つまり、カソード16側の温度が上昇しても放熱が促進され、カソード16側の温度を下げることができ、カソード16側で生成した水の過剰な蒸発を抑制することが可能となり、適度な水を安定してアノード13に供給することが可能となる。
したがって、本実施の形態によれば、燃料電池1を運転した際に、発電反応を効率よく生起させることが可能となり、高い出力を安定して得ることが可能となる。
なお、ここでは、カソード触媒層14の上に積層された部材のうち最も高い第1時定数を有する第1部材がカバープレート21であり、アノード触媒層11の上に積層された部材のうち最も高い第2時定数を有する第2部材が容器30である例を説明しているが、この例に限らず、カソード触媒層14の上に積層された部材のうち最も高い第1時定数を有する第1部材およびアノード触媒層11の上に積層された部材のうち最も高い第2時定数を有する第2部材が他の部材であってもよい。
次に、カソード触媒層14の上に積層された部材のうち最も大きい第1時定数を有する第1部材と、アノード触媒層11の上に積層された部材のうち最も大きく第1時定数より大きい第2時定数を有する第2部材と、を有する燃料電池1についての効果を検証した。
実施例1に係る燃料電池1では、アノード13側に配置された第2部材の第2時定数は、カソード16側に配置された第1部材の第1時定数より大きい。第1時定数は、第2時定数の10%以下であり、ここでは実施例1に係る燃料電池1の第2時定数を100とした相対値で表すと3である。
比較例1に係る燃料電池1では、アノード13側に配置された第2部材の第2時定数は、カソード16側に配置された第1部材の第1時定数より小さい。この比較例に適用した第1部材の第1時定数は、実施例1に係る燃料電池1の第2時定数を100とした相対値で表すと36である。また、この比較例に適用した第2部材の第2時定数は、実施例1に係る燃料電池1の第2時定数を100とした相対値で表すと3である。比較例1に係る燃料電池1は、第1実施例に係る燃料電池1の厚さと略同等である。ここで、燃料電池1の厚さとは、カバープレート21の外面(あるいは上面)から容器30の外面(あるいは下面)までの距離である。
実施例1および比較例1に係る燃料電池1について、同一条件で運転させたときの1時間後の出力を測定した。測定結果を図3に示す。
図3に示すように、比較例1に係る燃料電池1の出力は、実施例1に係る燃料電池1の出力を100とした相対値で表すと96.3であり、実施例1に係る燃料電池1によれば、比較例1に係る燃料電池1よりも高い出力を得られることが確認された。
実施例2および比較例2に係る燃料電池1は、実施例1に係る燃料電池1を構成する部材の材料、厚さ等が異なり、実施例1に係る燃料電池1の厚さの約半分の厚さである。なお、実施例2に係る燃料電池1の第1部材の第1時定数は、実施例1に係る燃料電池1の第1部材の第1時定数の約1/5である。
実施例2に係る燃料電池1では、アノード13側に配置された第2部材の第2時定数は、カソード16側に配置された第1部材の第1時定数より大きい。第1時定数は、第2時定数の10%以下であり、ここでは実施例2に係る燃料電池1の第2時定数を100とした相対値で表すと3.33である。
比較例2に係る燃料電池1では、アノード13側に配置された第2部材の第2時定数は、カソード16側に配置された第1部材の第1時定数より小さい。この比較例に適用した第1部材の第1時定数は、実施例2に係る燃料電池1の第2時定数を100とした相対値で表すと88.89である。また、この比較例に適用した第2部材の第2時定数は、実施例1に係る燃料電池1の第2時定数を100とした相対値で表すと5.56である。比較例2に係る燃料電池1は、第2実施例に係る燃料電池1の厚さと略同等である。
実施例2および比較例2に係る燃料電池1について、同一条件で運転させたときの出力を測定した。測定結果を図4に示す。
図4に示すように、比較例2に係る燃料電池1の出力は、実施例2に係る燃料電池1の出力を100とした相対値で表すと97.8であり、実施例2に係る燃料電池1によれば、比較例2に係る燃料電池1より高い出力を得られることが確認された。
上述した本実施形態の燃料電池1は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、燃料を面方向に分散させつつ供給する燃料供給部31は、特に燃料濃度が濃い場合に有効である。このため、各実施形態の燃料電池1は、濃度が80wt%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる。したがって、各実施形態は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液や純メタノールを液体燃料として用いた燃料電池1に好適である。
さらに、上述した各実施形態は、本発明をセミパッシブ型の燃料電池1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、内部気化型の純パッシブ型の燃料電池に対しても適用可能である。
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したりする等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
11…アノード触媒層 14…カソード触媒層 17…電解質膜

Claims (5)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に配置されたアノード触媒層と、
    前記電解質膜の他方の面に配置されたカソード触媒層と、
    前記カソード触媒層の上に積層された部材のうち、温度変化に関する時定数が最も大きい第1時定数を有する第1部材と、
    前記アノード触媒層の上に積層された部材のうち、温度変化に関する時定数が最も大きく且つ第1時定数より大きい第2時定数を有する第2部材と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池。
  2. 第1時定数は、第2時定数の10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記第1部材は、前記アノードに燃料を供給する燃料供給機構との間に、前記電解質膜、前記アノード触媒層および前記カソード触媒層を保持するように配置されたカバープレートであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記第2部材は、前記アノードに燃料を供給する燃料供給機構の容器であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記アノードに供給される燃料は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液または純メタノールであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
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