JP2011028153A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型化が可能であり、拡大した像を観察者が観察できる表示装置を提供する。
【解決手段】互いに対向する2つの面を有し、面間隔が一方と他方で異なるように該2つの面が形成された導光板と、出射光が、2つの面の間で全反射される位置に配置された表示素子と、2つの面のうち全反射光が出射する側の面に配置された非正反射素子と、非正反射素子からの光を光軸方向に沿って出射するレンズと、を備える。導光板から漏れ出た光束を非正反射素子で屈折させてレンズに入射させることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関するものである。
映像や文字を表示する表示装置(ディスプレイ)として、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイがある。しかし、これらの表示装置は視度の調節が出来ない。高齢化社会の進展に伴って老眼(老視)の高齢者が増えており、視度調節が可能な表示装置、特にフラットパネルディスプレイ(FPD)が望まれている。特に携帯電話の普及やデジタルカメラの普及により、屋外でFPDによる表示を見る機会が増えている。携帯電話やデジタルカメラのFPDを見るときに、いちいち老眼鏡を掛けるのは非常に煩わしい。デジタル一眼レフカメラには、ライブビューモニターとしてFPDが用いられているが、このデジタル一眼レフカメラにおいて、遠方の被写体を見つつ、ライブビューモニターを見るのに、いちいち老眼鏡を掛けたり外したりするのは、実際的ではない。それ以外にもパソコンの液晶画面もいちいち老眼鏡を掛けるのは煩わしい。
従来、このような問題を解決するFPDは存在していない。しかるに、最近ではこのような問題は指摘されつつあり、特許文献1には、フレネルレンズをデジタルカメラのモニターであるFPDの手前に取り付け、このフレネルレンズを介してFPDを覗く電子機器が提案されている。
特開2009−63624号公報
しかしながら、特許文献1記載の電子機器の構成で老眼の補正をする為には、フレネルレンズをFPDから数cmの距離を離す必要がある。そのため、機器の薄型化が困難となる。例えば、3インチ程度の大きさのFPDを見る為には、フレネルレンズの焦点距離は最低でも100mm程度は必要である。一方、Fナンバーは1.3となるため、レンズの性能を維持するのは困難である。さらに、老眼の程度によっては、フレネルレンズをモニターのFPDより100mm近く離す必要がある。例えば、3mまでしかピントが合わない老眼の場合、0.3mの明視距離まで焦点を合わそうとすると3ディオプターの老眼鏡が必要である。このような老眼の場合、フレネルレンズをモニターのFPDから96mm離す必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑みて考案したもので、薄型化が可能な表示装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、互いに対向する2つの面を有し、面間隔が一方と他方で異なるように該2つの面が形成された導光板と、出射光が、前記2つの面の間で全反射される位置に配置された表示素子と、前記2つの面のうち、前記全反射光が出射する側の面に対向して配置された非正反射素子と、非正反射素子からの光を光軸方向に沿って出射するレンズと、を備えることを特徴としている。
本発明に係る表示装置においては、導光板から漏れ出た光束を非正反射素子で屈折させてレンズに入射させることが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、非正反射素子で反射させた光束を導光板に透過させてレンズに入射させることが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、レンズとしてフレネルレンズを用いることが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、表示素子と導光板との距離が可変であることが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、表示素子と導光板の間に焦点調節用のレンズを設けることが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、導光板が光分散性の材料で構成されており、その分散の補償を非正反射素子で行うことが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、導光板が光分散性の材料で構成されており、その分散の補償を表示素子で行うことが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、表示素子が液晶又はミラーを用いたデバイスであることが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、非正反射素子がレンズを兼ねていることが好ましい。
本発明に係る表示装置においては、非正反射素子がホログラフィック素子であることが好ましい。
本発明に係る表示装置は、薄型化が可能な表示装置を提供することができる、という効果を奏する。また、本発明の表示装置は、拡大した像を観察者の視軸にもどすことができる。さらに、本発明の表示装置は、老眼の観察者の眼の負担を軽減し、老眼鏡その他の光学部材を追加することなく観察することができ、また、観察者の視力に合わせた視度調整が可能なフラットな表示装置(FPD)を実現できる。
本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係る表示装置の各構成部材の光学的な関係を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る導光板内に入射した光が楔面で全反射した後に一方の楔面から出射するまでの光路の例を示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係る導光板内に入射した光が楔面で全反射した後に一方の楔面から出射するまでの光路の例を示す展開図である。 本発明の第1実施形態に係る非正反射素子としてのホログラフィック素子の製造に用いる装置の概略構成を示す図である。 (a)は、図5の一部拡大図であり、(b)は、非正反射素子としてのホログラフィック素子に光束を入射したときの反射状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成を示す側面図である。 本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成を示す側面図である。
以下に、本発明に係る表示装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る表示装置100の構成を示す側面図である。
表示装置100は、導光板110、表示素子120、非正反射素子130、及び、レンズ140を備える。
導光板110は、互いに対向する2つの面111aと面111bを有する。面111aと面111bは、面間隔が一方の端部と他方の端部で異なるように形成されている。すなわち、導光板110は楔状となっている。表示素子120は、その出射光が、面111aと面111bの間で全反射される位置に配置されている。これにより、表示素子120からの出射光は、導光板110内において全反射する。非正反射素子130は、面111aと面111bうちの一方の面に対向して配置されている。この一方の面は、全反射光が出射する側の面である。レンズ140は、非正反射素子130からの光を、光軸141の方向に沿って出射する。
導光板110は、透明な材料で構成されている。導光板110には、表示素子120からの出射光が、面111a、111bとは異なる面111cから入射する。面111a、111bは、面111cから遠ざかるほど互いの距離が小さくなるように対向している。なお、本実施形態では、面111a、111b及び面111cは、いずれも平面である。導光板110としては、例えば、米国特許5,993,020号明細書や米国特許6,883,919号明細書記載のものを用いることができる。
表示素子120としては、例えば液晶ディスプレイ、DMD(Digital Micromirror Device)、米国公開特許2009/0103151号公報記載のホログラフィック技術を用いることができる。また、導光板110が光分散性を有する場合には、表示素子120によって、導光板110の分散の補償を行うことができることが好ましい。
非正反射素子130は、例えばホログラフィック素子、回折光学素子(DOE)で構成することができる。この非正反射素子130は、導光板110の面111bに対向するように配置されている。また、非正反射素子130は、面111bに近接して配置されている。また、非正反射素子130に、導光板110において発生する色収差の補正作用を持たせても良い。
レンズ140には、例えばフレネルレンズを用いることができる。レンズ140は、その光軸141が、表示装置100の観察者の瞳50の視軸に沿う(視軸と一致する)ように配置される。したがって、レンズ140からの出射光は観察者の瞳50に入射することとなる。
表示素子120に表示された情報は、光となって表示素子120を出射する。なお、表示素子120の各点から発せられる光は、ある程度の広がりを持つ光束であるが、図では、その光束のうちの1つの光線を使って説明する。表示素子120からの光は、面111cから導光板110内に入射する。この光は、導光板110の面111a、111bで全反射して導光板110内伝わり、面111bから非正反射素子130側へ染み出す(出射する)。面111bから染み出した光は、非正反射素子130によって反射されて、導光板110を透過してレンズ140に入射する。この光は、レンズ140を通過して、観察者の瞳50に入射する。レンズ140から観察者の瞳50へ向かう光の出射方向は、レンズ140の光軸141の方向である。そのため、出射光は観察者の瞳50の視軸に沿って進む。
本実施形態の表示装置100では、導光板110と非正反射素子130を用いることによって光を折り曲げることが可能となる。これにより、非常に薄い光学系が構成される。このため、表示装置100は、レンズ140を含めてもその外径形状を薄くフラットにすることができる。そのため、本実施形態の表示装置100では、拡大した像を表示可能でありながら、LCDのようなフラットパネルディスプレイ(FPD)と同様な薄型表示装置を実現できる。
図2は、表示装置100の各構成部材の光学的な関係を示す図である。
図2に示すように、観察者(瞳50)は、表示素子120に表示された情報121(例えば、映像)を、レンズ140を通して覗いていることになる。すなわち、表示素子120をルーペで拡大して覗いているのと等価である。表示素子120とレンズ140の距離を適切に選択すれば、老眼の人でも、焦点の合った表示素子120上の情報121を見ることが出来る。
図2に示すように、表示素子120を、レンズ140の前側焦点位置Fのややレンズ140よりの位置に、光軸141に垂直に置く。すると、表示素子120に表示された情報121は拡大されて虚像60となる。観察者(瞳50)はこの虚像60を見ることになる。この虚像60は拡大されているので、表示素子120(表示素子の表示面積)は、小さくて良いことになる。そのため、表示素子120を、通常デジタルカメラや携帯電話に搭載されるモニター用のFPDより小さいFPDで済ますことが出来る。その結果、表示装置100を小型化、あるいは薄型化できる。また、コスト的にも有利となる。
ここで、表示装置100の各構成部材の間には、次の式(1)〜(4)の関係が成り立つ。
L’=Z’−P ・・・(1)
Y’=βY ・・・(2)
Figure 2011028153
Figure 2011028153
但し、
L’は観察者の瞳50から虚像60までの距離、
Z’はレンズ140の後側焦点位置F’から虚像60までの距離、
Pはレンズ140の後側焦点位置F’から観察者の瞳50までの距離、
Y’は、拡大された虚像60の情報の大きさ、
βは表示素子120の情報121に対する虚像60の倍率、
Yは、表示素子120に表示された情報121の大きさ、
fはレンズ140の焦点距離、
Zはレンズ140の前側焦点位置Fから表示素子120までの距離、
である。
なお、虚像60から観察者の瞳50に向かう方向がプラス、逆方向がマイナスになる。よって、図2では、ZとPの値の符号はプラス、Z’とL’値の符号はマイナスとなる。
ここで、画面サイズが3インチ程度の従来のFPDを表示装置100に置き換える場合を考える。
この場合従来のFPDの大きさに相当する表示装置100のレンズ140の大きさも同じ3インチ程度とすると、レンズ140の焦点距離は100mm程度が必要となるので、f=100mmとする。そして、表示素子120を、レンズ140の前側焦点位置Fから3mmだけレンズ140寄り、すなわちZ=3mmのところに設ける。また、レンズ140(従来のFPDの表面に相当)と観察者の瞳50の距離を、通常デジタルカメラや携帯電話を見る明視距離の300mmとする。すると、レンズ140の後側焦点位置F’から観察者の瞳50までの距離は200mm(P=200mm)である。
したがって、式(3)より、
Z’=−10000/3=−3333
となり、
式(1)より、
L’=−3333−200=−3533
となる。
すなわち、表示素子120に表示された情報121は、虚像60として、観察者の瞳50の3.5m先に表示されることになる。よって、3ディオプター程度の老眼の人でも焦点の合った情報を見ることが出来る。このとき、式(4)より、
β=100/3=33
であるから、虚像60は表示素子120上の12の像の33倍の大きさとなる。
一般に、目が見るものの大きさは、視角によって決まる。視角とはものを見込む角度uである。例えば、FPD上の映像の大きさを3インチ(約75mm)、FPDまでの距離を300mmとすると、視角uはおおよそ、
u=75/300=0.25(rad)=14(度)
である。
したがって、3.5m先に投影された虚像60の大きさdが、FPD上の映像の大きさと等しく見える為には、視角uが14度であれば良い。したがって、
u=d/3533=0.25(rad)
から、d=883mmとなる。倍率は33倍であるので、このときの表示素子120の映像の大きさは、883/33=26.7mmとなる。すなわち、表示素子120としては、約1インチのデバイスで良いことになる。
次に、導光板110に関して説明する。図3は導光板110内の光線の様子を示す側面図であって、面111cから導光板110内に入射した光が面111a、111bで全反射した後に、一方の面111bから出射するまでの光路の例を示している。図4は導光板110内の光線の様子を示す展開図であって、面111cから導光板110内に入射した光が面111a、111bで全反射した後に一方の面111bから出射するまでの光路の例を示している。
図3に示す例では、導光板110の面111cに入射角θ1で入射する光151は、導光板110の内部で面111a、111bにおいて計2回全反射する。その後、面111bに対する角度が臨界角θc以下になったところで、導光板110の面111bから射出する。
一方、入射角θ1より小さい入射角θ2で導光板110に入射する光152は、導光板110の内部で面111a、111bにおいて計4回全反射する。そして、光線151と同様に、臨界角θcより小さくなったところで、導光板110の面111bから射出する。
このように、導光板110に入射する角度と位置により、光の射出する場所が異なってくる。この様子は、図4のように導光板110を光学的に展開して考えると理解し易い。図4において、半扇形状の外側の曲線は面111cに対応し、各直線は面111a、111bに対応し、最も上側の直線は光が出射する面111bに対応する。各直線は面111a、111bに対応しているので、図4では順に配列されている。
図4に示すように、光が面111cへ入射する角度及び入射する位置によって、導光板110で反射される回数が異なり、導光板110から光が射出する位置も異なる。すなわち、入射角θ3の光161と、θ3よりも大きな入射角θ4の光162とでは、光162の方が導光板110内における直線と交差する回数、すなわち全反射の回数、が多く、出射位置も半扇形状の要側(図4の右側)となっている。
ここで、導光板110は、片側の界面である面111bで光161、162を射出させ、他方の界面である面111aでは常に全反射させるように、面111aには反射コートがされていることが望ましい。但し、図1の構成では、非正反射素子130で反射された光を、導光板110で透過させる必要がある。よって面111aに施すコートは、臨界角に近い角度で入射する光は反射し、垂直に近い角度で入射する光は透過させるコートが望ましい。
また、全反射の回数及び面111bからの出射位置を変更するために、面111a、111bの対向する角度(面111aと面111bがなす角度)を調整することもできる。
つづいて、図5、図6を参照しつつ、非正反射素子130について説明する。ここでは、非正反射素子130としてホログラフィック素子を用いる。図5は、ホログラフィック素子(非正反射素子130)の製造に用いる装置の概略構成を示す図である。図6(a)は、図5の一部拡大図であり、(b)は、ホログラフィック素子(非正反射素子130)に光を入射したときの反射状態を示す図である。
まず、ホログラフィック素子の製造について説明する。図5に示すように、レーザー171からの光束はビームエキスパンダ172によって拡大され平行光束181となる。この光束181は、ビームスプリッタ173で二つの光束182、183に分離される(図では、1つの光線で表されている)。ビームスプリッタ173で反射された光束182はミラー174によって反射されてホログラム材料176に入射する。ビームスプリッタ173を透過した光束183はミラー175によって反射されてホログラム材料176に入射する。
以上の工程により、ホログラム材料176には、2つの光束182、183による干渉縞が形成される。この干渉縞が記録されたホログラム材料176を、ホログラフィック素子として用いることができる。
ここで、図6(a)と図6(b)を使って、非正反射素子130の機能を説明する。図6(a)において、光線183は、ミラー175からホログラム材料176に入射する光線、光線182はホログラム材料176を透過する光線である。一方、図6(b)において、光線191は面111bから非正反射素子130に入射する光線、光線191は非正反射素子130から射出する(反射された)光線である。
図6(a)と図6(b)から分かるように、光183と光182と、光183と光182との位置関係は等しくなっている。そこで、このホログラム材料176を非正反射素子130として用い、非正反射素子130に光線191を入射させると、図6(b)に示すように、干渉縞に応じた回折により非正反射して光線192が所望の方向に射出する。
ここで、ホログラム材料176としては、例えば、光感受性のあるポリビニルカルバゾールなどを主成分とする材料を用いる。このような材料を用いると場合、感光の度合いにより重合が進む度合いが異なる。重合の度合いの変化は、屈折率の変化となるので、これによりホログラムが形成される。ホログラム材料176に厚みを持たせた場合、位相型の体積ホログラムが得られる。体積ホログラムにすることで、理想的には100%の回折効率を得ることが出来る。但し、体積ホログラムは波長選択性が高いので、赤R、緑G、青Bそれぞれの波長でホログラムを作る。そして、3枚重ねて非正反射素子130を形成するとよい。また、表示素子120に用いる光源も、ホログラムを作成したそれぞれの波長のレーザーダイオード(LD)、あるいは、それらの波長を含むLED(Light Emitting Diode)が望ましい。
なお、表示素子120と導光板110との距離を可変とすると、その距離を調整することによって、視度の調節が出来る。また、表示素子120と導光板110との間に焦点調節用のレンズを入れて、それらの間隔を変えることによって調整して良い。
また、上述の例では、導光板110内での全反射回数が数回だが、全反射回数はこれに限定されることなく、例えば、数百回以上とすることもできる。全反射回数は、面111a、111bのとのなす角度、表示素子120から導光板110への入射角度、あるいはその他の条件を調整することによって設定する。
なお、3インチ(75mm)程度の表示デバイスを想定すると、レンズ140と非正反射素子130の大きさは、3インチ以上で、導光板110の大きさも同程度かそれ以上が好ましい。この場合、導光板110の厚さ(図1の左右方向の大きさ)は、面111cで1mm、面111cに対向する面で0.9mm程度とすることが好ましい。
以上述べた、第1実施形態の表示装置100の構成によれば、非常に薄型の表示装置を提供できる。
なお、導光板110から染み出た光を非正反射素子130で反射させ、この反射光を導光板110に透過させてレンズ140に入射させるようにしても良い。これにより、表示素子120から出射した光を効率良くレンズ140に入射できる。そのため、明るく、エネルギー消費量が少なく、かつ、視度調節可能な表示装置を実現できる。
また、レンズ140にフレネルレンズを使用することにより、より薄い視度調節可能な表示装置とすることができる。
また、非正反射素子130にホログラフィック素子を用いることにより、光の利用効率を高めることができる。その結果、明るく、エネルギー消費量が少なく、視度調節可能な表示装置を提供できる。
また、表示素子120と導光板110との距離を可変とすることにより、視度補正の程度を調節することが可能な視度調節可能な表示装置を提供できる。
また、表示素子120と導光板110の間に焦点調節用のレンズを設けることにより、視度補正の程度を調節することが可能となる。
また、導光板の分散の補償を非正反射素子又は表示素子で行うことにより、導光板を光分散性の材料で構成したときに発生する色収差を補正することができる。
また、表示素子120に液晶又はミラーを用いたデバイスを使用することにより、小型軽量で視度調節可能な表示装置を提供できる。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る表示装置200の構成を示す側面図である。
第2実施形態に係る表示装置200においては、導光板210の構成、導光板210に対する表示素子220の配置場所、及び、非正反射素子230の配置場所が第1実施形態に係る表示装置100と異なる。表示素子220、非正反射素子230、及び、レンズ240の構成は、第1実施形態の表示素子120、非正反射素子130、レンズ140と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
導光板210は、楔形部211と平板部212で構成されている。導光板210は、楔形部211と平板部212が折り返し部213で折り返されたような構造を備える。楔形部211は、第1実施形態の導光板110と同様に、互いに対向する2つの面211aと面211bを有する。平板部212は、略平行に互いに対向する2つの面212aと面212bを備える。
導光板210は、導光板110と同様に、透明な材料で構成されている。導光板210には、表示素子220からの出射光が、平板部212の面212a、212bとは異なる面212cから入射する。表示素子220は、その出射光が、導光板210内において、面212a、212b、及び、面211a、211bで全反射される位置に配置されている。非正反射素子230は、楔形部211の一方の面211aに対向するように配置されている。また、非正反射素子230は、面211aに近接して配置されている。レンズ240は、非正反射素子230からの光を、光軸241の方向に沿って出射する。これにより、レンズ240からの出射光は観察者の瞳50に入射することとなる。
表示素子220に表示された情報は、光となって表示素子220を出射する。この光は、面212cから平板部212に入射する。そして、この光は平板部212内で全反射を繰り返しながら、折り返し部213を通って楔形部211内に至る。そして、楔形部211の面211aから染み出した光は、非正反射素子230内で所望の方向に屈折されて、レンズ240に入射する。この光は、レンズ240を通過して、観察者の瞳50に入射する。レンズ240から観察者の瞳50へ向かう光の出射方向は、レンズ240の光軸241の方向である。そのため、観察者は、レンズ240によって表示素子220に表示された情報を見ることが出来る。
本実施形態の表示装置では、表示素子220、導光板210、非正反射素子230、レンズ240、及び、導光板210は、図7に示すようにコンパクトにまとめられている。そのため、本実施形態の表示装置では、一つの薄型表示デバイスを実現することができる。
さらに、本実施形態の表示装置では、導光板110から出射した光を非正反射素子230内で屈折させて、入射面と対向する面からレンズ240側へ出射させる構成を採用している。これにより、導光板210の面211a、211bの対向角度を小さく出来る。その結果、導光板を非常に薄く構成することが出来るので、より薄くフラットな表示装置を提供できる。
また、本実施形態の表示装置では、レンズ240によって遠方の虚像を見ることになるので、老眼の人でもピントの合った情報を見ることが出来る。なお、表示素子220と導光板210の間の距離を変化させるようにしても良い。これによって、視度の大きさを調整することができる。
また、本実施形態の表示装置では、例えば、非正反射素子230とレンズ240を一体成形するようにしても良い。このようにすることによって、非正反射素子130がレンズを兼ねる構成とすることができる。その結果、より一層小型軽量な表示装置を提供できる。
また、本実施形態の表示装置では、導光板210を折り返し部213で折り返す構成としている。これにより、コンパクトな構成を維持しつつ、導光板210内での全反射の回数を増やすことができる。その結果、観察者の瞳50と虚像との間隔を大きくして、表示素子220上の情報に対する虚像の倍率を上げることが可能となる。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る表示装置300の構成を示す側面図である。
第3実施形態に係る表示装置300においては、表示素子320と導光板310との間に視野レンズ321を配している点、及び、導光板310の折り返し部313に反射面314を形成している点が第2実施形態に係る表示装置200と異なる。
表示素子320、非正反射素子330、及び、レンズ340の構成は、第2実施形態の表示素子220、非正反射素子230、レンズ240と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
導光板310は、楔形部311と平板部312で構成されている。導光板310は、楔形部311と平板部312が折り返し部313で折り返されたような構造を備える。楔形部311は、第1実施形態の導光板110と同様に、互いに対向する2つの面311aと面311bを有する。平板部312は、略平行に互いに対向する2つの面面312aと面312bを備える。導光板310は、導光板110と同様に、透明な材料で構成されている。
導光板310の折り返し部313には、反射面314が設けられている。この反射面314によって、平板部312内で全反射した光を楔形部311内へ反射させる。この反射面314は、図8の紙面に垂直な方向にのみ正パワーを持っており、広がってきた光束を平行に戻す。
表示素子320は、その出射光が、導光板310内において、面312a、312b、反射面314、及び、面311a、311bで全反射される位置に配置されている。
視野レンズ321は、図8の紙面内では正のパワーを有し、表示素子320から入射した光束を収束させて平板部312の面312cに入射させる。この入射光束は、平板部312内で面312a、312bで反射しながら、反射面314に至るまで収束を続ける。
非正反射素子330は、楔形部311の一方の面311aに対向するように配置されている。また、非正反射素子230は、面311aに近接して配置されている。レンズ340は、非正反射素子330からの光を、光軸341の方向に沿って出射する。これにより、レンズ340からの出射光は観察者の瞳50に入射することとなる。
表示素子320に表示された情報は、光となって表示素子320を出射する。この光は、視野レンズ321を経て、面312cから平板部312内に入射する。ここで、図8に、各画素から射出した光線の様子を示す。各画素からの光線は視野レンズ321で収斂される。よって、反射面314で反射した光は、それぞれ異なる角度で楔形部311へ入射する。同様のことが、各画素から射出した光束についてもいえる。すなわち、視野レンズ321から出射する光束は収斂した状態で楔形部311内に入射するので、楔形部311内でも収斂する。したがって、反射面314で反射した光束は、それぞれ異なる角度で楔形部311へ入射する。
楔形部311では、入射する光の角度に応じて面311aから射出する光の位置が異なる。従って、図8に示すように、楔形部311から射出するところでは光(表示情報)は大きく広がっている。
一方、視野レンズ321は、図8の紙面に垂直な方向においてパワーが負となっている。そのため、平板部312内に入射した光束は、平板部312を伝わる内に拡大される。すなわち、光束は紙面に垂直な方向で広がっている。反射面314は、紙面に垂直な方向にのみ正パワーを持っている。そのため、平板部312に入射した光束は、平板部312から射出したところでは、広がってきた光束を平行に戻す。
このように、表示素子320上の情報は、図8の紙面内では楔形部311で拡大され、紙面に垂直な方向では、視野レンズ321と反射面314によって拡大される。
したがって、観察者は、レンズ340を通して表示素子320を見ることにより、遠方に拡大された表示情報を見ることが出来る。すなわち、老眼の観察者も焦点の合った表示情報を見ることが出来る。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1又は第2実施形態と同様である。
以上のように、本発明に係る表示装置は、薄型のフラットパネルディスプレイに有用であり、特に、老眼の観察者が使用するフラットパネルディスプレイに適している。
50 瞳
60 虚像
100 表示装置
110 導光板
111a、111b 面
111c 面
120 表示素子
130 非正反射素子
140 レンズ
141 光軸
171 レーザー
172 ビームエキスパンダ
173 ビームスプリッタ
174、175 ミラー
176 ホログラム材料
200 表示装置
210 導光板
211 楔型部
211a、211b 面
212 平板部
212a、212b 面
212c 面
213 折り返し部
220 表示素子
230 非正反射素子
240 レンズ
241 光軸
300 表示装置
310 導光板
311 楔型部
311a、311b 面
312 平板部
312a、312b 面
312c 面
313 折り返し部
314 反射面
320 表示素子
321 視野レンズ
330 非正反射素子
340 レンズ
341 光軸

Claims (11)

  1. 互いに対向する2つの面を有し、面間隔が一方と他方で異なるように該2つの面が形成された導光板と、
    出射光が、前記2つの面の間で全反射される位置に配置された表示素子と、
    前記2つの面のうち前記全反射光が出射する側の面に対向して配置された非正反射素子と、
    前記非正反射素子からの光を光軸方向に沿って出射するレンズと、
    を備えることを特徴とする表示装置。
  2. 前記導光板から漏れ出た光束を前記非正反射素子で屈折させて前記レンズに入射させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記非正反射素子で反射させた光束を前記導光板に透過させて前記レンズに入射させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記レンズがフレネルレンズであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
  5. 前記表示素子と前記導光板との距離が可変であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記表示素子と前記導光板の間に焦点調節用のレンズを設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
  7. 前記導光板が光分散性の材料で構成されており、その分散の補償を前記非正反射素子で行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記導光板が光分散性の材料で構成されており、その分散の補償を前記表示素子で行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
  9. 前記表示素子が液晶又はミラーを用いたデバイスであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
  10. 前記非正反射素子が前記レンズを兼ねていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
  11. 前記非正反射素子がホログラフィック素子であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の表示装置。
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