JP2011023850A - 撮像モジュールの製造方法、撮像モジュールの製造装置、固体撮像装置、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体撮像装置の画出しをせずに、良好な解像度を得ることができるように、撮像モジュールを組み立てる。
【解決手段】解像度を測定可能な解像度測定パターンを固体撮像装置の撮像部の周辺の複数箇所に付しておく。傾斜調整前に、XYZの3軸への移動が可能であるとともに回転も可能なステージ上に固体撮像装置を載置して、撮像装置で解像度測定パターンを撮像することでXY原点調整を行なう(S110)。固体撮像装置に付されている複数箇所の解像度測定パターンを撮像装置で撮像して解像度測定パターンの画像信号を取得し解像度を測定する(S130)。撮影レンズを具備した組立の相手方となる光学ブロックが固体撮像装置の上方に配置されたときに撮影レンズと固体撮像装置が正対するように、複数箇所の解像度測定パターンの画像信号に基づく解像度情報を参照して固体撮像装置の傾斜を調整する(S140〜S150)。
【選択図】図6
【解決手段】解像度を測定可能な解像度測定パターンを固体撮像装置の撮像部の周辺の複数箇所に付しておく。傾斜調整前に、XYZの3軸への移動が可能であるとともに回転も可能なステージ上に固体撮像装置を載置して、撮像装置で解像度測定パターンを撮像することでXY原点調整を行なう(S110)。固体撮像装置に付されている複数箇所の解像度測定パターンを撮像装置で撮像して解像度測定パターンの画像信号を取得し解像度を測定する(S130)。撮影レンズを具備した組立の相手方となる光学ブロックが固体撮像装置の上方に配置されたときに撮影レンズと固体撮像装置が正対するように、複数箇所の解像度測定パターンの画像信号に基づく解像度情報を参照して固体撮像装置の傾斜を調整する(S140〜S150)。
【選択図】図6
Description
本発明は、撮像モジュールの製造方法および製造装置(組立装置)並びに固体撮像装置および撮像装置に関する。より詳細には、固体撮像装置を有する撮像ブロックと撮像レンズ(光学レンズ)を含む光学ブロックを一体化(結合)する撮像モジュールの組立ての手法に関する。
たとえば、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、携帯電話機などの各種機器に撮像装置が組み込まれて使用されている。撮像装置(カメラモジュールを含む)は、CCD(Charge Coupled Device )やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor )などの固体撮像装置やこの固体撮像装置が搭載された基板などで構成される撮像ブロックと、固体撮像装置に画像を結像する撮像レンズを含む光学系を構成する光学ブロックを備える。
撮像装置の製造工程では、光学ブロックと固体撮像装置や固体撮像装置が取り付けられている撮像ブロックを一体化する際には、光軸を合わせて撮影レンズと固体撮像装置の撮像面を正対させることが良好な解像度を得る上で重要である。ここで、撮影レンズと固体撮像装置を正対させるとは、撮像レンズの光軸と直交する平面と固体撮像装置の撮像面を平行にすることを意味する。たとえば、光学ブロックのレンズ鏡胴を固体撮像装置に対して高さを均一に固定することは良好な解像度を得る上で重要である。
固体撮像装置や撮像ブロックと光学ブロックを一体化する組立て手法の一例として、固体撮像装置に検査治具を電気的に接続して映像を出してレンズ固定位置を調整する方法が提案されている(たとえば特許文献1を参照)。
特許文献1の仕組みでは、結合前の光学ブロックおよび撮像ブロックとの相対位置を変更可能に保持し、光学ブロックを撮像ブロックに対して所定の位置に配置する。そして、光学系を通じて固体撮像装置へ所定の測定用光を照射し、光学系を通じて測定用光が照射された固体撮像装置から得られる画像情報に基づき結合前の光学系の固体撮像装置に対する配置を所定条件を満たす配置に調整するようにしている。
つまり、特許文献1の手法では、撮像装置の画出しを、光学ブロックと撮像ブロックを結合させた状態(組立てモジュールと称する)ごとに毎回行なうことになる。そのため、たとえば、特許文献1では、固体撮像装置と検査装置を電気的に接続するテストボードを設けている。テストボードに設けたプローブピンが、固体撮像装置の電極パッドに接触させて、固体撮像装置を駆動して撮像信号を取り出す(画出しと称する)ようにしている。
しかしながら、特許文献1の仕組みでは、固体撮像装置を実際に駆動して撮像信号を取り出す画出しが必要であるから、その画出しのためのデータの読出しなど、固体撮像装置に対しての初期設定が必要になる。この工程の増加により、組立て時間が増大し生産性を低下させる難点がある。
また、特許文献1の仕組みでは、組立てモジュールのタイプが異なれば電極パッドの位置も異なってくる。このことは、組立てモジュールのタイプ別に、電極パッドの位置と対応する位置にプローブピンが配置されたテストボードが必要となることを意味する。そのため、特許文献1の仕組みでは、組立てモジュールのタイプ別に、専用のテストボードが必要となる。加えて、固体撮像装置の電極パッドにプローブを毎回接触するため、プローブの劣化が問題となる。そして、その対処のため、プローブを定期的に交換、メンテナンスする必要があり、設備コストの増大と生産性の低下が発生する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、組立て対象の固体撮像装置からの画出しを行なうことなく、良好な解像度を得ることができるように、光学ブロックと固体撮像装置を一体化させる組立てを行なうことのできる仕組みを提供することを目的とする。
本発明に係る撮像モジュールや固体撮像装置は、固体撮像装置が、撮像部を具備するとともに、撮像部の周辺の複数箇所に解像度を判定可能なパターンが付されているものとする。
本発明に係る撮像モジュールの製造装置は、先ず、撮像部を具備するとともに、撮像部の周辺の複数箇所に解像度を判定可能なパターンが付されている固体撮像装置が載置される台、および、撮影レンズを具備した組立の相手方となる光学ブロックを固体撮像装置に対して予め決められた空間的な位置関係を維持するように保持する保持装置を有し、組立過程において光学ブロックと固体撮像装置の相対位置を変更する相対位置変更装置を備えたものとする。
さらに、台の上方には検査用カメラを設け、また、相対位置変更装置により光学ブロックが固体撮像装置の上方に配置されたときに撮影レンズと固体撮像装置が正対するように、台に載置されている固体撮像装置に付されている複数箇所のパターンを検査用カメラで撮像して得たパターンの画像信号に基づいて固体撮像装置が搭載されている台の傾斜を調整可能な傾斜調整機構とを備えたものとする。
本発明に係る撮像モジュールの製造方法においては、先ず、撮像部の周辺の複数箇所に解像度を判定可能なパターンが付されている固体撮像装置を組立の対象物として用意する。そして、固体撮像装置に付されている複数箇所のパターンを検査用カメラで撮像してパターンの画像信号を取得する。
この後、撮影レンズを具備した組立の相手方となる光学ブロックが固体撮像装置の上方に配置されたときには撮影レンズと固体撮像装置が正対するように、複数箇所のパターンの画像信号に基づいて固体撮像装置の傾斜を調整する。
つまり、本発明においては、解像度を測定可能なパターンを固体撮像装置の撮像部の周辺の複数箇所に付しておき、それを検査用カメラで撮像してパターンの画像信号を取得する。解像度を測定可能なパターンを検査用カメラで撮像すれば、各箇所のパターンの画像信号は解像度を示すことになる。つまり、各箇所のパターンの画像信号から、解像度情報が各箇所について取得できる。
そして、各箇所でのパターンの画像信号(詳しくはそれから特定される解像度情報)を判断指標として使うことで、傾斜調整ができるようになる。たとえば、撮影レンズを具備した組立の相手方となる光学ブロックが固体撮像装置の上方に配置されたときに、撮影レンズと固体撮像装置が正対する場合には、各箇所について同様の測定条件を適用した場合の解像度が、何れの箇所も同じになるようにしておく。この場合において、各箇所でのパターンの画像信号(詳しくはそれから特定される解像度情報)が不均等の場合には、傾いているために撮影レンズと固体撮像装置が正対しないと判断できる。
したがって、各箇所でのパターンの画像信号が同じ状況となるように、詳しくは、それから特定される解像度情報が同じになるように、固体撮像装置の傾きを調整する(傾斜調整を実行する)ことで、撮影レンズと固体撮像装置が正対するように調整できる。
本発明の一態様によれば、固体撮像装置の画出しをすることなく、撮影レンズと固体撮像装置が正対するように、固体撮像装置の傾きを調整できる。その結果、画出しを行なうことなく、良好な解像度を得ることができるように、光学ブロックと固体撮像装置を一体化させることができる。画出しを行なわないので、画出しを行なう特許文献1での仕組みが持つ問題から解放される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行なう。
1.撮像装置(撮像モジュールの概要)
2.組立装置(装置構成)
3.傾斜調整機構
4.組立手順(
5.解像度測定パターン(第1例〜第8例)
6.XY原点調整
7.解像度特性測定処理
8.傾斜調整処理
1.撮像装置(撮像モジュールの概要)
2.組立装置(装置構成)
3.傾斜調整機構
4.組立手順(
5.解像度測定パターン(第1例〜第8例)
6.XY原点調整
7.解像度特性測定処理
8.傾斜調整処理
<撮像装置>
図1は、後述する本実施形態の組立装置によって組立てられる撮像装置の一構成例を示す図である。撮像装置は、CCDやCMOSなどで構成された撮像部とレンズを主要要素として具備する光学系とが纏めてパッケージングされた撮像機能を有する撮像モジュール状の形態をなしている。この撮像モジュールの状態で製品として出荷されることもある。たとえば、銀行のATM(Automatic Teller Machine:現金自動預け払い機)などで使用される指紋検出などに利用される。また、この撮像モジュールから出力される信号を処理する各種の信号処理部も含めて筐体に収められて、たとえばビデオムービーやデジタルスチルカメラなどのいわゆるカメラやカメラシステムとして出荷されることもある。以下では、撮像モジュール状の形態をなしている撮像装置を撮像モジュール801と記す。
図1は、後述する本実施形態の組立装置によって組立てられる撮像装置の一構成例を示す図である。撮像装置は、CCDやCMOSなどで構成された撮像部とレンズを主要要素として具備する光学系とが纏めてパッケージングされた撮像機能を有する撮像モジュール状の形態をなしている。この撮像モジュールの状態で製品として出荷されることもある。たとえば、銀行のATM(Automatic Teller Machine:現金自動預け払い機)などで使用される指紋検出などに利用される。また、この撮像モジュールから出力される信号を処理する各種の信号処理部も含めて筐体に収められて、たとえばビデオムービーやデジタルスチルカメラなどのいわゆるカメラやカメラシステムとして出荷されることもある。以下では、撮像モジュール状の形態をなしている撮像装置を撮像モジュール801と記す。
撮像モジュール801は、光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bを有する。
光学ブロック801Aは、撮影レンズ802、光学ローパスフィルタ804、および、光学系保持部808を有する。光学系保持部808は、可動保持部808A(レンズ鏡筒)と固定保持部808B(光学系ホルダー)を有する。
撮影レンズ802は、レンズ鏡筒として機能する円筒状の可動保持部808A内に保持・固定されている。そして、可動保持部808Aは、円筒状の固定保持部808B内に光軸方向に移動可能に収容されズーム機能が働くように構成されている。
光軸方向に移動可能に収容するに当たっては、たとえば、固定保持部808Bの中心部に形成された円筒部の内周面に嵌合した状態でスライドさせる構造にしてもよい。あるいは、可動保持部808Aの外周と固定保持部808Bの内周面に互いに螺合するネジを形成し、可動保持部808Aを光軸回りに回転させることで、可動保持部808Aを光軸方向にスライドさせる構造にしてもよい。
ズーム機能が不要な場合には、光学ブロック801Aの調整が完了後に、可動保持部808Aと固定保持部808Bが、たとえば紫外線硬化性樹脂などの固定部材(シール剤)によって、紫外線照射による硬化作用で固定される。
光学ローパスフィルタ804は、光学系ホルダーとして機能する固定保持部808B内の、撮影レンズ802を保持している可動保持部808Aと撮像ブロック801Bとの間に保持・固定されている。なお、図中に点線で示すように、光学ローパスフィルタ804と合わせて、赤外光成分を低減させる赤外光カットフィルタ805を固定保持部808B内に保持・固定させてもよい。
撮像ブロック801Bは、CCDやCMOSなどを撮像部810を具備する固体撮像装置1と撮像部保持部811を有する。本実施形態の固体撮像装置1は、光学ブロック801Aと撮像ブロック801B(特に固体撮像装置1)の取付け位置(特に固体撮像装置1の傾き)の調整に資する位置決め用のパターン(解像度測定パターンAMと称する)が撮像部810の周囲の複数箇所に付されている点に特徴がある。この解像度測定パターンAMの詳細については後述する。なお、光学ブロック801Aと撮像ブロック801B(特に固体撮像装置1)の取付け位置の調整後に、その解像度測定パターンAMを除去することを排除するものではない。
撮像部保持部811は、固体撮像装置1を搭載した撮像基板でもよいし、その撮像基板を収容したホルダーでもよい。ここでは、撮像基板811aそのものが撮像部保持部811として機能するものとして説明を続ける。
撮像部保持部811として機能する撮像基板811aは、固定保持部808Bの外形と同じかそれよりも大きな外形を有し、固定保持部808Bの中心位置に固体撮像装置1が搭載されている。
固定保持部808Bと撮像基板811aは、後述する組立装置400にて組立調整が完了後に、たとえば、紫外線硬化性樹脂などからなる固定部材によって、紫外線照射による硬化作用で、固定保持部808Bの下端面が撮像基板811aに固定される(図1(2)参照)。
固体撮像装置1の撮像部810は、複数の単位画素がマトリックス状に形成されている。カラー撮像用の場合、撮影レンズ802の光軸に略垂直に配置される撮像部810の受光面側に色フィルタ群812が設けられる。固体撮像装置1は、受光面を介して入射した光を撮像部810の各単位画素(の信号電荷生成部・光電変換部)で受光し、各単位画素に入射した光強度に応じた電気信号に変換する。
<組立装置>
図2〜図3は、撮像モジュール801の組立て(位置合わせ調整を含む)を行なう本実施形態の組立装置400の構成例を説明する図である。ここで、図2は、本実施形態の組立装置400の全体概要を示す図である。図3は、組立工程における光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bの位置関係を説明する図である。
図2〜図3は、撮像モジュール801の組立て(位置合わせ調整を含む)を行なう本実施形態の組立装置400の構成例を説明する図である。ここで、図2は、本実施形態の組立装置400の全体概要を示す図である。図3は、組立工程における光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bの位置関係を説明する図である。
本実施形態の組立装置400は、撮像モジュール801の組立調整に当たり、固体撮像装置1に設けた解像度測定パターンAMを検査用の撮像装置で読み取り、それによって得られた画像信号を処理して位置合わせ確認と調整を行なう。このため、組立装置400は、移動機構部402と検査部405を備える。図示しないが、組立装置400には、その他にも、たとえば、保持部材供給部や紫外線照射部などが設けられる。組立装置400は、クリーンチャンバ内に収容されている。検査部405は、検査用カメラ470と検査処理装置480を有する。
組立装置400は、後述のように、固体撮像装置1の空間位置調整時や完了後に、光学ブロック801A、撮像ブロック801B、検査用カメラ470の配置関係が調整可能に構成されている。
移動機構部402は、X軸方向(水平方向・横方向)・Y軸方向(垂直方向・縦方向)・Z軸方向(高さ方向・鉛直方向)の3軸へステージを移動可能に構成されたいわゆるXYZステージ402Aと、回転軸を中心に回転可能な回転ステージ402Bを組み合わせたものである。
この例では、XYZステージ402Aは、固定ステージ402A_1(固定台)上に可動ステージ402A_2(可動台)が配置された構成をなしている。そして、XYZステージ402A(の可動ステージ402A_2)の上に回転ステージ402Bが載置されている。ここでは図示していないが、回転ステージ402Bには、固体撮像装置1が実装された撮像基板811aが、固体撮像装置1の中心が回転ステージ402Bの中心とほぼ一致するように搭載されるようにする。中心ズレがあると、後述のXY原点調整や傾斜調整が複雑になることが懸念される。回転ステージ402Bは固体撮像装置1(撮像基板811a)が載置される台として機能し、その載置面は測定用の定盤としても機能するように平面であるとする。
XYZステージ402Aは、回転ステージ402Bの平面の互いに直交するX軸およびY軸の各方向に、台(この例では回転ステージ402B)に載置されている固体撮像装置1(を保持した撮像部保持部811)の検査用カメラ470に対する相対的な位置を移動可能にするものである。
この例では、その機能をXYZステージ402Aで機能させるが、XYZステージ402Aを使用する代りに検査用カメラ470をXYZの各軸方向に移動させる構成にしてもよい。その場合、検査用カメラ470をXYZステージ402Aと同様の構成のものに載置して移動させる構成にすればよい。
XYZステージ402Aには、X軸ヘッド422、Y軸ヘッド424、Z軸ヘッド426が設けられている。回転ステージ402Bには、回転軸ヘッド428が設けられている。各ヘッド422,424,426,428には電子マイクロメータが組み込まれており、電子マイクロメータで取得される移動量の電子データを検査処理装置480に通知する。なお、電子マイクロメータは、そのヘッドに刻まれた目盛りで移動量を読み取ることができるようにもなっている。
X軸ヘッド422は、つまみを回転させることでXYZステージ402AをX軸方向に移動させるもので、そのヘッドに刻まれた目盛りでX軸方向への移動量を読み取ることができるようになっている。このX軸ヘッド422には、自動調整用のために、回転駆動部の一例としてX軸駆動モータ432を取り付け可能に構成されており、検査処理装置480での検査結果に基づいて(連動して)、X軸ヘッド422のつまみが自動で回転されるようになっている。X軸ヘッド422とX軸駆動モータ432を纏めてX軸コントローラXCTRと称する。なお、X軸駆動モータ432を取付けない場合には、検査処理装置480で取得される検査データに基づき検査者が回転軸を手動で操作することでその作業を行なうことになる。
Y軸ヘッド424は、つまみを回転させることでXYZステージ402AをY軸方向に移動させるもので、そのヘッドに刻まれた目盛りでY軸方向への移動量を読み取ることができるようになっている。このY軸ヘッド424には、自動調整用のために、回転駆動部の一例としてY軸駆動モータ434を取り付け可能に構成されており、検査処理装置480での検査結果に基づいて(連動して)、Y軸ヘッド424のつまみが自動で回転されるようになっている。Y軸ヘッド424とY軸駆動モータ434を纏めてY軸コントローラYCTRと称する。なお、Y軸駆動モータ434を取付けない場合には、検査処理装置480で取得される検査データに基づき検査者が回転軸を手動で操作することでその作業を行なうことになる。
Z軸ヘッド426は、つまみを回転させることでXYZステージ402Aをその時点の傾斜角を維持した状態でZ軸方向に移動させるもので、そのヘッドに刻まれた目盛りでZ軸方向への移動量を読み取ることができるようになっている。このZ軸ヘッド426には、自動調整用のために、回転駆動部の一例としてZ軸駆動モータ436を取り付け可能に構成されており、検査処理装置480での検査結果に基づいて(連動して)、Z軸ヘッド426のつまみが自動で回転されるようになっている。Z軸ヘッド426とZ軸駆動モータ436を纏めてZ軸コントローラZCTRと称する。なお、Z軸駆動モータ436を取付けない場合には、検査処理装置480で取得される検査データに基づき検査者が回転軸を手動で操作することでその作業を行なうことになる。
回転軸ヘッド428は、つまみを回転させることで回転ステージ402Bを回転軸であるZ軸を中心に回転させるもので、そのヘッドに刻まれた目盛りで移動量(回転量:角度)を読み取ることができるようになっている。この回転軸ヘッド428には、自動調整用のために、回転駆動部の一例として回転駆動モータ438を取り付け可能に構成されており、検査処理装置480での検査結果に基づいて(連動して)、回転軸ヘッド428のつまみが自動で回転されるようになっている。回転軸ヘッド428と回転駆動モータ438を纏めて回転コントローラRCTRと称する。なお、回転駆動モータ438を取付けない場合には、検査処理装置480で取得される検査データに基づき検査者が回転軸を手動で操作することでその作業を行なうことになる。
また、本実施形態の移動機構部402は、回転ステージ402B上に載置された物体(本例では撮像部保持部811をなす固体撮像装置1を搭載した撮像基板811a)の傾き(傾斜角)を調整するための傾斜調整機構440(傾き調整部)も備えている。本実施形態では、可動ステージ402A_2上に回転ステージ402Bが搭載されている点を考慮して、可動ステージ402A_2の回転ステージ402B側の部材も一体的にしてそれらの傾きを調整することで、回転ステージ402B上に載置された物体の傾き調整を実現するようにしている。
本実施形態では、この傾斜調整機構440についても、回転ヘッド442(図では2つを示す)の回転作用により傾きを調整する構成を採用しており、つまみに刻まれた目盛りで回転量を読み取ることができるようになっている。回転ヘッド442は取得される回転量の電子データを検査処理装置480に通知する。また、回転ヘッド442のそれぞれに対して回転駆動部の一例として傾き調整モータ452を取り付け可能に構成し、検査処理装置480での検査結果に基づいて(連動して)、回転軸が自動で回転されるようになっている。回転ヘッド442と傾き調整モータ452を纏めて傾きコントローラICTRと称する。なお、傾き調整モータ452を取付けない場合には、検査処理装置480で取得される検査データに基づき検査者が回転軸を手動で操作することでその作業を行なうことになる。傾斜調整機構440については後述する。
このような傾斜調整機構440は、一例であって、このような構成に限定されるものではない。たとえば、可動ステージ402A_2に代えて固定ステージ402A_1の傾きを調整してもよいし、固定ステージ402A_1や可動ステージ402A_2の傾きは調整せずに、回転ステージ402Bのみの傾きを調整する構成にしてもよい。
このように、本実施形態の組立装置400は、移動機構部402のこれらの可動機構によって、撮像基板811aに搭載された固体撮像装置1の空間的な位置調整を行なうことができるようになっている。
なお、ここでは、可動ステージ402A_2に対するX軸、Y軸、Z軸の各方向への移動(スライド)機構、回転ステージ402Bの回転機構および傾斜調整機構のそれぞれは、軸の回転作用を利用しているが、このようなものに限定されず、たとえばリニアモータを利用したスライド機構など、様々な変形が可能である。
検査部405の検査用カメラ470としては、前述の撮像モジュール801を利用してもよい。画像を撮像する検査用カメラ470は、撮像基板811aに搭載された固体撮像装置1に付されている解像度測定パターンAMを撮像して、その画像情報を検査処理装置480に渡す。なお、本実施形態の組立調整ではカラーで解像度測定パターンAMを撮像することは不要であり、むしろ、モノクロで撮像した方が好ましい。
検査処理装置480は、検査用カメラ470で取得された画像信号に基づき、位置合わせ用の信号処理をして、その結果に基づき、撮像ブロック801Bの固体撮像装置1の空間位置が予め決められた位置になるように、移動機構部402の各種の可動機構を制御する。
検査処理装置480は、結合前の光学ブロック801Aに対する撮像ブロック801Bの固体撮像装置1の相対的な位置および姿勢、すなわち、配置が、予め決められた条件を満たす配置となるように調整するための情報を取得し、この情報に基づいて、移動機構部402を駆動制御する。
このため検査処理装置480は、たとえば解像度特性測定部482と制御部488と表示部489を有する。制御部488には、各ヘッド422,424,426,428で取得された移動量の電子データが通知される。表示部489は、解像度特性測定部482で測定された複数箇所の解像度測定パターンAMと対応した各解像度特性の情報を提示する解像度特性提示部として機能する。自動調整にする場合には表示部489を備えていなくてもよい。
解像度特性測定部482は、検査用カメラ470から得られる固体撮像装置1に付されている複数箇所の解像度測定パターンAMを撮像した各画像信号に基づいて解像度特性を測定する。解像度特性の測定手法については後述する。
制御部488は、解像度特性測定部482で測定された各解像度測定パターンAMに基づく各解像度特性測定結果が、予め決められた(設定した)閾値外のときには、移動機構部402の傾斜調整機構440により閾値内になるように傾斜角の調整を行なう。なお、好ましくは、複数箇所に設けた各解像度測定パターンAMに基づく各解像度特性測定結果が予め決められた範囲内にあるだけでなく、これらの値が均一になるように、傾斜角を調整することが好ましい。
このことは、各解像度測定パターンAMに基づく各解像度特性測定結果に基づいて固体撮像装置1の傾き具合を判定し、その判定結果に基づいて固体撮像装置1の傾斜角の調整を行なうことを意味している。複数箇所の解像度測定パターンAMに基づく解像度特性測定結果を傾斜角の判定値として利用するのである。この傾斜角の調整手法は、直接的には傾斜角を測定・算出しているのではないが、固体撮像装置1の撮像部810の周囲の複数箇所に設けた各解像度測定パターンAMに基づく各解像度特性測定結果のズレが傾斜角を反映したものとなることに基づいている。
なお、自動調整にしないで検査者が調整作業を行なうようにする場合には、制御部488は、解像度特性測定部482からの解像度特性測定結果や解像度特性測定結果に基づく傾斜角の調整情報(纏めて検査データと称する)を表示部489に表示する。検査者は、表示部489に表示された検査データに基づき、調整作業を行なう。
制御部488はさらに、組立装置400を総合的に制御する。たとえば、固体撮像装置1の空間位置調整時や完了時に、光学ブロック801A、撮像ブロック801B、検査用カメラ470の配置位置関係を調整する。
たとえば、光学ブロック801Aは、保持装置490(レンズ固定装置)で保持された状態で、撮像ブロック801Bの固体撮像装置1の上部に配置可能に構成されている。ここで、光学ブロック801Aは、撮影レンズ802の光軸が固体撮像装置1の撮像面に対して傾きがないように、事前に調整されているものとする。保持装置490は、光学ブロック801Aを移動させて撮像ブロック801Bの固体撮像装置1の上部に配置させる場合でもその関係が崩れないような機構にする。
制御部488は、図3(1)に示すように、固体撮像装置1の空間位置調整時には、検査用カメラ470が撮像ブロック801Bの撮像基板811a(固体撮像装置1)の上方にあり、光学ブロック801Aが撮像ブロック801Bから離れた位置となるようにする。
また、制御部488は、固体撮像装置1の空間位置調整完了後には図3(2),(3)に示すように、光学ブロック801Aが撮像ブロック801B上に配置されるように、光学ブロック801Aまたは撮像ブロック801Bの何れかを移動させる。ここで、光学ブロック801Aを撮像ブロック801B側に移動させる構成を採る場合において、その移動に検査用カメラ470が邪魔になる場合には、図3(3)に示すように、検査用カメラ470が固体撮像装置1(撮像基板811a)から遠ざかる(逃げる)ように構成する。つまり、図3(3)に示す構成では、検査用カメラ470と光学ブロック801Aは、撮像ブロック801B(撮像基板811a)に対して交互に出入りする機能を有している。
以上の説明から理解されるように、移動機構部402と保持装置490により、組立過程において光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bの相対位置を変更する相対位置変更装置が構成される。制御部488は、その相対位置変更装置を制御する。
[電子計算機による構成]
図4は、検査処理装置480における解像度特性測定処理や傾斜調整処理に関わる制御機構の構成例を示すブロック図である。ここでは、パーソナルコンピュータなどの電子計算機を利用して、解像度特性測定処理や傾斜調整処理に関わる制御機構を、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサなどから構築されるより現実的なハードウェア構成を示している。
図4は、検査処理装置480における解像度特性測定処理や傾斜調整処理に関わる制御機構の構成例を示すブロック図である。ここでは、パーソナルコンピュータなどの電子計算機を利用して、解像度特性測定処理や傾斜調整処理に関わる制御機構を、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサなどから構築されるより現実的なハードウェア構成を示している。
すなわち、本実施形態において、検査処理装置480(特に解像度特性測定部482と制御部488)は、たとえば専用のハードウェアで構成してもよいし、たとえば、プロセッサやメモリなど電子計算機が備えるものと同様の機能部を具備し、ソフトウェアでそれらの機能が実現されるように構成してもよい。よって、本実施形態に係る解像度特性測定処理や傾斜調整処理の仕組みを、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体が発明として抽出される。ソフトウェアで解像度特性測定部482や制御部488の機能が実現されるようにすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順や判定基準を容易に変更可能になる。
たとえば、解像度特性測定処理や傾斜調整処理に関わる制御機構を構築するコンピュータシステム900は、CPU(Central Processing Unit )やマイクロプロセッサ(microprocessor)で構成された中央制御部910と、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)、あるいは随時読出し・書込みが可能なメモリであるRAM(Random Access Memory)などを具備する記憶部912と、操作部914と、図示を割愛したその他の周辺部材を有している。
中央制御部910は、コンピュータが行なう演算と制御の機能を超小型の集積回路に集約させたCPUを代表例とする電子計算機の中枢をなすものと同様のものである。ROMには解像度特性測定処理や傾斜調整処理用の制御プログラムなどが格納される。操作部914は、利用者による操作を受け付けるためのユーザインタフェースである。
コンピュータシステム900の制御系としては、CD−ROMやメモリカードなどの外部記録媒体を挿脱可能に構成し、また通信網(たとえば構内LAN)との接続が可能に構成するとよい。このためには、制御系は、中央制御部910や記憶部912の他に、可搬型の記録媒体の情報を読み込む外部データ読出部920や外部との通信インタフェース手段としての通信I/F922を備えるようにするとよい。外部データ読出部920を備えることで外部記録媒体からプログラムのインストールや更新ができる。通信I/F922を備えることで、通信網を介しプログラムのインストールや更新ができる。基本的な解像度特性測定処理や傾斜調整処理の仕組みは専用のハードウェア構成の場合と同様である。
ここでは、解像度特性測定処理や傾斜調整処理に関わる制御機構をコンピュータにてソフトウェア上で実現する構成例で説明しているが、本実施形態の解像度特性測定処理や傾斜調整処理を実現するための制御機構の各部(機能ブロックを含む)の具体的手段は、ハードウェア、ソフトウェア、通信手段、これらの組み合わせ、その他の手段を用いることができ、このこと自体は当業者において自明である。また、機能ブロック同士が複合して1つの機能ブロックに集約されてもよい。また、コンピュータにプログラム処理を実行させるソフトウェアは、組合せの態様に応じて分散してインストールされる。
<傾斜調整機構>
図5は、傾斜調整機構440の構成例を説明する図である。図示する傾斜調整機構440は、交差(たとえば直交)する2軸により可動ステージ402A_2の傾きを変更することで回転ステージ402Bの傾きを調整するように構成している。つまり、固体撮像装置1が載置される回転ステージ402Bに形成された交差する2つの軸のそれぞれを中心として、撮影レンズ802に対する回転ステージ402Bの面を回転可能に構成している。図は、可動ステージ402A_2を平面視した状態で、2軸の配置の仕方を説明するものである。
図5は、傾斜調整機構440の構成例を説明する図である。図示する傾斜調整機構440は、交差(たとえば直交)する2軸により可動ステージ402A_2の傾きを変更することで回転ステージ402Bの傾きを調整するように構成している。つまり、固体撮像装置1が載置される回転ステージ402Bに形成された交差する2つの軸のそれぞれを中心として、撮影レンズ802に対する回転ステージ402Bの面を回転可能に構成している。図は、可動ステージ402A_2を平面視した状態で、2軸の配置の仕方を説明するものである。
図5(1)に示す第1例は、外形がほぼ矩形の可動ステージ402A_2の4つの辺441(441a,441b,441c,441d)のそれぞれ対向する2つの辺の各中心を結ぶ線をX1軸やY1軸とする例である。その原点0は可動ステージ402A_2の中心を通るようにする。そして、X1軸と交差する2つの辺441a,441bの内の何れか一方(図では辺441a)にX軸回転ヘッド442Xが取り付けられ、Y1軸と交差する2つの辺441c,441dの内の何れか一方(図では辺441c)にY軸回転ヘッド442Yが取り付けられている。
X軸回転ヘッド442Xを図示のx方向に回転させると、辺441c側が高くなる一方で辺441d側が低くなるし、逆に、x方向とは反対方向に回転させると、辺441c側が低くなる一方で辺441d側が高くなる。これにより、X1軸を中心に可動ステージ402A_2の傾きが調整される。Y軸回転ヘッド442Yを図示のy方向に回転させると、辺441a側が高くなる一方で辺441b側が低くなるし、逆に、y方向とは反対方向に回転させると、辺441a側が低くなる一方で辺441b側が高くなる。これにより、Y1軸を中心に可動ステージ402A_2の傾きが調整される。これらの組合せにより、可動ステージ402A_2の四辺や四隅の高さを任意に調整できる。
図5(2)に示す第2例は、外形がほぼ矩形の可動ステージ402A_2の4つの頂点443(443a,443b,443c,443d)のそれぞれ対向する2つの頂点を結ぶ線をX2軸やY2軸とする例である。その原点0は可動ステージ402A_2の中心を通るようにする。そして、X2軸上の2つの頂点443a,443bの内の何れか一方(図では頂点443a)にX軸回転ヘッド442Xが取り付けられ、Y2軸と交差する2つの頂点443443c,443dの内の何れか一方(図では頂点443c)にY軸回転ヘッド442Yが取り付けられている。
X軸回転ヘッド442Xを図示のx方向に回転させると、頂点443c側が低くなる一方で頂点443d側が高くなるし、逆に、x方向とは反対方向に回転させると、頂点443c側が高くなる一方で頂点443d側が低くなる。これにより、X2軸を中心に可動ステージ402A_2の傾きが調整される。Y軸回転ヘッド442Yを図示のy方向に回転させると、頂点443a側が高くなる一方で頂点443b側が低くなるし、逆に、y方向とは反対方向に回転させると、頂点443a側が低くなる一方で頂点443b側が高くなる。これにより、Y2軸を中心に可動ステージ402A_2の傾きが調整される。これらの組合せにより、可動ステージ402A_2の四辺や四隅の高さを任意に調整できる。
このように、本実施形態の傾斜調整機構440は、第1例・第2例の何れも、交差する2軸の回転作用を利用して、可動ステージ402A_2と回転ステージ402Bの傾斜角を一体的に調整することで、回転ステージ402B上の物体の傾きを調整する機構である。何れも、2箇所での調整により可動ステージ402A_2の傾きや四辺や四隅の高さを任意に調整できる利点がある。
<組立手順>
図6は、組立装置400における光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bを一体化させて撮像モジュールを組み立てる工程の処理手順(組立手順)を説明するフローチャートである。
図6は、組立装置400における光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bを一体化させて撮像モジュールを組み立てる工程の処理手順(組立手順)を説明するフローチャートである。
前提として、光学ブロック801Aに関しては、撮影レンズ802の光軸が固体撮像装置1の撮像面に対して傾きがないように、事前に調整された後に保持装置490に固定されているものとする(S102)。
作業者は、固体撮像装置1が実装された撮像基板811a(撮像部保持部811)を、移動機構部402の回転ステージ402の中心に固体撮像装置1の中心が配置されるように固定する(S104)。移動機構部402の可動ステージ402A_2のZ軸方向の高さは基準位置Z0に設定しておく。なお、この作業自体も自動化してもよい。
制御部488は、撮像基板811aに実装された固体撮像装置1の表面を、上方の検査用カメラ470にて撮影する。たとえば、はじめに、検査用カメラ470で固体撮像装置1の複数箇所に付されている解像度測定パターンAMの何れか一箇所の解像度測定パターンAMを撮像する。制御部488は、解像度特性測定部482からの解像度特性測定結果に基づき、解像度特性測定結果が予め決められた閾値内になるようにZ軸位置調整(高さ調整)を行なうことでフォーカス合わせを行なう(S108)。Z軸位置調整は、XYZステージ402AのZ軸ヘッド426の回転を利用してもよいし、検査用カメラ470をZ軸方向に移動させてもよい。このフォーカス合わせを仮フォーカス合わせと称する。
次に、制御部488は、検査用カメラ470で撮像される固体撮像装置1上の複数箇所の解像度測定パターンAMの位置(撮像位置)に基づいて、水平垂直位置の調整を行なう(S110)。この水平垂直位置の調整をXY原点調整と称する。XY原点調整は、たとえば、固体撮像装置1のXX軸方向がXYZステージ402A(可動ステージ402A_2)のX軸方向と一致し、固体撮像装置1のYY軸方向がXYZステージ402A(可動ステージ402A_2)のY軸方向と一致するようにすることを意味する。XY原点調整の詳細については後述する。
次に、制御部488は、何れか一箇所の解像度測定パターンAMを撮像して得られる解像度特性測定部482からの解像度特性測定結果に基づき、解像度特性測定結果が予め決められた閾値内になるようにZ軸位置調整(高さ調整)を行なうことでフォーカスを合わせる(S122)。Z軸位置調整は、XYZステージ402AのZ軸ヘッド426の回転を利用してもよいし、検査用カメラ470をZ軸方向に移動させてもよい。このフォーカス合わせを本フォーカス合わせと称する。
次に、制御部488は、固体撮像装置1上の複数箇所の解像度測定パターンAMを検査用カメラ470で順次撮像し、それらにより得られる複数箇所の解像度測定パターンAMを撮像した各画像信号に基づいて解像度特性測定部482により解像度特性を測定する(S130)。解像度特性測定処理の詳細は後述する。
さらに、制御部488は、解像度特性測定部482で測定された各解像度測定パターンAMに基づく各解像度特性測定結果が、予め決められた閾値内であるか否かを判定する(S140)。制御部488は、各解像度特性測定結果が閾値外のときには、閾値内になるように、好ましくは、それぞれの値が均一となるように、移動機構部402の傾斜調整機構440を制御して、固体撮像装置1(撮像基板811a)の傾きを調整する(S150)。傾斜調整処理の詳細は後述する。
たとえば、図は矩形状の固体撮像装置1における四隅(左上、左下、右下、右上)に解像度測定パターンAMが付されている場合で示している。この場合、たとえば、制御部488は、左上→左下→右下→右上の順で、各箇所の解像度測定パターンAMに基づく解像度特性を測定するように解像度特性測定部482を制御する(S132〜S138)。
制御部488は、解像度特性測定結果が閾値外となるものがあるときは(S139−NO)、その状況に合わせて撮像基板811aの傾きを傾斜調整機構440により動かすことにより、固体撮像装置1の傾きがゼロとなるように調整を行なう(S140〜S150)。
制御部488は、ステップS122に戻り、もう一度、左上→左下→右下→右上の各解像度測定パターンAMに基づく解像度特性測定を行ない、各解像度特性測定結果が閾値以内になるまでステップS122〜S139までの処理を繰り返す。
全ての箇所の解像度特性測定結果が閾値内に入ったと判断された場合(S139−YES)、その位置で基板調整位置が確定となる(S160)。制御部488は、この時点で、図3にて説明したように、検査用カメラ470を撮像基板811aの上方から除去し、入れ替えに光学ブロック801Aを撮像基板811aの上方に位置させる。光学ブロック801Aは、常に同じ位置になるように保持装置490で固定されているので、その位置で、光学ブロック801A(の撮影レンズ802)と撮像ブロック801B(の撮像部保持部811に搭載された固体撮像装置1)の位置が確定する。
この後には、光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bは、固体撮像装置1の中心に撮影レンズ802の光軸が位置するように光軸合わせが行なわれた後に紫外線硬化樹脂などの接着剤(固定部材の一例)を塗布して仮固定する。その後に、紫外線硬化樹脂に紫外線照射部より紫外線を照射して硬化させることで、光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bの位置を固定する(S170)。
このような手順において、閾値を小さくするほど、より精度の高い調整となるが、ループ調整を繰り返すことになるので、光学ブロック801Aと撮像ブロック801Bの組立てに要する時間は長くなるというトレードオフの関係にある。
<解像度測定パターン>
図7〜図7Bは、解像度を判定可能なパターンの一例である解像度測定パターンAMの一例を説明する図である。固体撮像装置1の撮像部810外における複数箇所に解像度測定パターンAMを付す。図7(1)にはその全体像が示されている。この例では、矩形状の固体撮像装置1には撮像部810と撮像信号処理部820が設けられており、それらを避けるように、複数箇所に解像度測定パターンAMを付す例で示している。
図7〜図7Bは、解像度を判定可能なパターンの一例である解像度測定パターンAMの一例を説明する図である。固体撮像装置1の撮像部810外における複数箇所に解像度測定パターンAMを付す。図7(1)にはその全体像が示されている。この例では、矩形状の固体撮像装置1には撮像部810と撮像信号処理部820が設けられており、それらを避けるように、複数箇所に解像度測定パターンAMを付す例で示している。
光学ブロック801Aとの位置関係を合わせるためのものであるという点では、特に、撮像部810の周辺の複数箇所に解像度測定パターンAMを配置するのがよい。たとえば撮像部810の四隅に解像度測定パターンAMを付す。左上の解像度測定パターンAMを解像度測定パターンAMLT、左下の解像度測定パターンAMを解像度測定パターンAMLB、右下の解像度測定パターンAMを解像度測定パターンAMRB、右上の解像度測定パターンAMを解像度測定パターンAMRTと記す。
図7(2)には、本実施形態の解像度測定パターンAMに対する比較例のアライメントマークAMZ が示されている。比較例のアライメントマークAMZ は、「L」字や「+」のパターンである。このようなアライメントマークAMZ を読み取った組立調整方法としては、たとえば次のような手法が考えられる。
固体撮像装置1に形成されているアライメントマークAMZ を検査カメラ(検査用カメラ470に相当)で撮影し,水平、垂直、および高さ調整をすることにより、固体撮像装置1の位置を決定して光学ブロック801Aの固定を行なう。
この場合、高さ調整は、固体撮像装置1に付与したアライメントマークAMZ を撮像したときのフォーカス情報を元に調整を行なうことになる。フォーカス調整精度はアライメントマークAMZ のパターン形状にも依存するが、「L」字や「+」では単純なエッジでの合焦調整とならざるを得ず、定量的に四隅が均一な高さになっているかという十分な精度を得ることが困難であると考えられる。四隅で合焦調整をしたとしても、撮像基板811aがどの程度傾いているかを調整する指標が無いためであり、そのため固体撮像装置1と光学ブロック801A(の撮影レンズ802)の傾きを定量的に調整することは困難であると考えられる。
本実施形態の解像度測定パターンAMは、その解像度測定パターンAMを検査用カメラ470で撮像することで、解像度を判定可能なパターンである点に特徴がある。この解像度測定パターンAMは、複数の線または図形の幅と、線または図形が配置されている間隔の組合せで構成する。また、各線や図形の幅の配列順、また、それらの間隔の配列順は、それぞれ任意でもよいが、好ましくは予め決められた方向に漸次変化するようにするとよい。「予め決められた方向」とは、線や図形の配列方向を含むし、線や図形の長手方向も含む意味である。「漸次変化する」とは、段階的も含むし、連続的も含む意味である。
解像度測定パターンAMは、それぞれ異なる複数方向(たとえば主走査方向。副走査方向、斜め方向)の解像度を測定可能に、複数の線や図形を配列しておくのが好ましい。このとき、各順番の線・図形あるいは間隔は、何れの方向にも同じ幅となるようなものであるのがよい。固体撮像装置1の傾斜調整時に、XX軸、YY軸、あるいは斜め方向の解像度の何れを使用するのが好ましいかは、検査用カメラ470の特性に影響する。したがって、複数の方向の解像度を測定可能な解像度測定パターンAMにしておくことは、適正な方を選択し得るので好ましいことになる。以下に、本実施形態の解像度測定パターンAMの例を幾つか例示する。
図7(3)には、解像度を判定可能な本実施形態の解像度測定パターンAMの第1例(解像度測定パターンAM_1)が示されている。第1例の解像度測定パターンAM_1は、無地部分にある線幅を持つ直線(ライン)を、線幅と間隔(スペース)をXX軸方向にそれぞれ段階的に変えて配置したパターンであり、1次元バーコードに似通ったものとなっている。図では5本の線を、その線幅と間隔をXX軸方向における左から右へに、それぞれ段階的に変えて配置したパターンである。この場合、XX軸方向についての解像度のみが測定できる。図示しないが、その配置の方向をYY軸方向にすれば、YY軸方向についての解像度のみが測定できる。また、図示しないが、配置の方向をXX軸方向にしたものと配置の方向をYY軸方向にしたものの2種を並設すれば、XX軸とYY軸の両方向の解像度を同時に測定できる。
図7(4)には、第1例の解像度測定パターンAM_1の詳細が示されている。線幅と間隔については、一例として、図7(4)中の表に示したような形で構成する。すなわち、左から1本目の線幅L1を「1」と規格化して示したとき、2本目の線幅L2を「0.8」、3本目の線幅L3を「0.5」、4本目の線幅L4を「0.3」、5本目の線幅L5を「0.1」としている。そして、1本目の線と2本目の線の間隔S2を「0.8」、2本目の線と3本目の線の間隔S3を「0.5」、3本目の線と4本目の線の間隔S4を「0.3」、4本目の線と5本目の線の間隔S5を「0.1」としている。
なお、ここで示した線幅L_@と間隔S_@(@は線や間隔の番号)の数値例は一例に過ぎず、これに限定するものではない。また、線の本数についてもこの例では5本にしているが、これに限定するものではない。線幅L_@とその間隔S_@が漸次に変化するようなものであればよい。また、図においては、左の線が太く、右の線が細くなるようにしたパターンであるが、これとは逆に、右が太く、左が細くなるように配置してもよい。
また、この例では、線幅L_@と間隔S_@の双方を段階的に変化させるようにしているがこのことも必須ではなく、何れか一方の幅は固定し、他方のみを段階的に変化させるようにしてもよい。どちらを固定してどちらを変化させるかは検査用カメラ470や検査処理装置480の処理特性に合わせればよい。
図7Aには、本実施形態の解像度測定パターンAMの他の例が示されている。たとえば、図7A(1)に示す第2例の解像度測定パターンAM_2は、線をL字に置き換えて、L字の幅と間隔をそれぞれ、XX軸とYY軸のそれぞれに対して段階的に変えて配置したものである。L字が斜めにシフトした状態である。縦の線と横の線を繋いでL字にしたものと考えればよく、このようなパターンでも、XX軸とYY軸の両方向の解像度を同時に測定できる。XX軸とYY軸の両方向の解像度を同時に測定するのに、線の配置の方向をXX軸方向にしたものと線の配置の方向をYY軸方向にしたものの2種を並設する場合に対して1つのパターンでそれを実現できる利点がある。
図7A(2)に示す第3例の解像度測定パターンAM_3は、無地部分にある線幅を持つ直線を、その線幅と間隔をXX軸とYY軸のそれぞれに対して斜め方向にそれぞれ段階的に変えて配置したパターンである。解像度測定パターンAM_1を斜めに配置したものと考えればよい。このようなパターンであれば、XX軸とYY軸の両方向の解像度を同時に測定できるし、斜め方向の解像度も同時に測定できる。後述の他のパターンでもXX軸とYY軸と斜めの各方向の解像度を同時に測定できるものがあるが、この例では単純な線を使用するだけでそれを実現できる利点がある。ただし、XX軸方向やYY軸方向の幅と斜め方向の幅が異なるので、解像度の判定時にはその点を考慮する必要がある。
図7A(3)に示す第4例の解像度測定パターンAM_4は、線を環状の図形(図では円形リング)に置き換えて、図形幅と間隔をそれぞれ、外側から内側に段階的に変えて配置したパターンである。図においては、外側の幅が太く、内側の幅が細くなるようにしているが、これとは逆に、外側の幅が細く、内側の幅が太くなるように配置してもよい。環状の図形は、図のような円形リングに限らず、その形状がたとえば三角や四角などの多角形でもよい。このようなパターンでは、XX軸とYY軸と斜めの各方向の解像度を同時に測定できる。特に、環状の図形を円形にすれば、XX軸とYY軸と斜め方向の各幅を同じにでき、各方向の解像度の測定基準を同じにできる利点がある。
図7A(4)に示す第5例の解像度測定パターンAM_5は、第1例〜第4例の解像度測定パターンAM_1〜AM_4に対する変形例であり、線や図形の幅や間隔を段階的に変化させるのではなくそれぞれ異なる幅や間隔を任意の順に配置しているものである。図示したものは、第1例に対する変形例で示しており、この例では、線を「1番目に太い→1番目に細い→2番目に太い→2番目に細い→…」の順で配置し、また、間隔を「1番目に太い→1番目に細い→2番目に太い→2番目に細い→…」の順で配置している。このように、線・図形の幅や間隔の配置順を任意(バラバラ)にしても、その配置の方向の解像度を測定することができる。
ただし、線・図形の幅や間隔の配置順がバラバラな第5例よりも一定の規則の下に次第に変るように(ここでは段階的に変るように)配置されている方が、それぞれの線や間隔の把握が容易であり、その結果、解像度特性の測定がし易い。
図7B(1)に示す第6例の解像度測定パターンAM_6は、矩形(図では正方形)の図形を、その大きさ(幅)と間隔をそれぞれ、XX軸とYY軸のそれぞれに対して任意の順に配置しているものであり、2次元バーコードに似通ったものとなっている。このようなパターンでも、XX軸とYY軸と斜めの各方向の解像度を同時に測定できる。ただし、配置の自由度は少なく、その影響のため、ライン(行)やカラム(列)の場所によって、解像度の測定値が異なる点に配慮する必要がある。
図7B(2)に示す第7例の解像度測定パターンAM_7は、くさび状の図形(線)を、その幅と間隔がXX軸またはYY軸あるいは斜め方向に滑らかに変化するように配置したものである。つまり、複数のくさびの幅や間隔が、その長手方向に連続的に変化しているものである。ISOチャートやITEテストチャートにおける視覚解像度パターンに似通ったものである。このようなパターンでも、その配置の方向の解像度を測定することができる。解像度の測定手法は、ISOチャートやITEテストチャートにおける視覚解像度パターンを使用する際の手法をそのまま適用できる利点がある。
図7B(3)に示す第8例の解像度測定パターンAM_8は、その配置位置に関して変形したものである。図7(1)の例は、矩形の固体撮像装置1の四隅に解像度測定パターンAMを配置しているが、その配置場所は四隅に限定されないし、その数は4つに限定されない。固体撮像装置1の撮像部810の外周部の複数箇所に解像度測定パターンAMを配置するものであればよい。
この際、固体撮像装置1の傾きを解像度測定パターンAMの撮像信号から取得される解像度測定結果に基づき固体撮像装置1の傾きを判定するという点においては少なくとも一列に並ばない3箇所以上に配置するのがよい。これは、2箇所では、それらを結ぶ線と直交する軸を基準とした傾きしか判定できないからである。また、同様の観点から、何れの場合でも、固体撮像装置1の中心に対して、複数箇所の解像度測定パターンAMが対称に配置されるようにするのがよい。また、固体撮像装置1の撓みを考慮した場合には、さらにその数を増やした方が好ましく、この観点では最低でも4箇所にするのがよい。図示した例は、矩形の固体撮像装置1に対して、その4つの辺縁の各中間部近傍に解像度測定パターンAM_8を付している。1箇所は撮像信号処理部820上に付しているが問題はない。
もちろん、固体撮像装置1の外形形状は典型的には矩形であるが、必ずしも矩形に限ったものではなく、その用途によっては、たとえば円形や楕円形に形成されることもある。そのような場合でも、固体撮像装置1の外形形状に合わせて、中心に対して各位置の解像度測定パターンAMを対称の位置に配置するのがよい。
<XY原点調整>
図8〜図8Aは、ステップS110のXY原点調整の詳細を説明する図である。ここで図8は、このXY原点調整における解像度測定パターンAMの状況を示す図である。図8Aは、XY原点調整の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8〜図8Aは、ステップS110のXY原点調整の詳細を説明する図である。ここで図8は、このXY原点調整における解像度測定パターンAMの状況を示す図である。図8Aは、XY原点調整の処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下では、固体撮像装置1の周辺4箇所に解像度測定パターンAMが付されていて、回転がなく回転ステージ402Bに載置されたときには、それらの内の2個ずつがXX軸方向やYY軸方向に一列に並ぶようになっているものとする。一例として、図8(1),(2)に示すように、矩形の固体撮像装置1の四隅に解像度測定パターンAMが付されているものとする。また、検査用カメラ470の撮像箇所を切り替える際にはXYZステージ402Aの可動機構を利用することで説明するが、XYZステージ402A(つまり固体撮像装置1)は不変にして、検査用カメラ470を移動させるようにしてもよい。
図8(1)は、XY原点調整前の状態で、固体撮像装置1が回転角を持って回転ステージ402Bに載置されている状態を示している。図8(2)は、XY原点調整後の状態で、固体撮像装置1が回転なしで回転ステージ402Bに載置されている状態を示している。
固体撮像装置1上の複数箇所の何れか一箇所の解像度測定パターンAMを撮像し仮フォーカス合わせ(S108)が完了したら、制御部488は、撮像中の解像度測定パターンAMの中心が画面の中心に来るようにX軸コントローラXCTRとY軸コントローラYCTRで調整する(図8(3):S212)。もちろん、作業者がX軸ヘッド422とY軸ヘッド424の各つまみを回転させて調整してもよい。
次に、制御部488は、別の位置の解像度測定パターンAMが撮像されるように、X軸方向およびY軸方向の何れか一方へは移動させずに、他方の軸方向のみに可動ステージ402A_2を移動させる(S214)。たとえば、左上の解像度測定パターンAMLTにて仮フォーカス合わせを行ない画面の中心に来るようにしていた場合には、たとえば、右上の解像度測定パターンAMRTや左下の解像度測定パターンAMLBができるだけ画面の中心にて撮像されるように調整する。
たとえば、右上の解像度測定パターンAMRTを撮像する場合、Y軸コントローラYCTRは不変にしてX軸コントローラXCTRのみでX軸方向のみに可動ステージ402A_2を移動させて解像度測定パターンAMRTの中心が画面の中心(ここでは先ず画面のy軸上に)来るようにする。左下の解像度測定パターンAMLBを撮像する場合、X軸コントローラXCTRは不変にしてY軸コントローラYCTRのみでY軸方向のみに可動ステージ402A_2を移動させて解像度測定パターンAMLBの中心が画面の中心(ここでは先ず画面のx軸上に)来るようにする。
固体撮像装置1が回転なく回転ステージ402Bに載置されたときには、この調整によって、解像度測定パターンAMRT,AMLBは画面の中心に来るはずである。しかしながら、回転されていると画面の中心からズレ、解像度測定パターンAMRTはx軸上には配置されないし(図8(4))、解像度測定パターンAMLBはy軸上には配置されない(図8(5))。
そこで、制御部488は、別の位置の解像度測定パターンAM(この例では解像度測定パターンAMRT,AMLB)の中心のx軸からのズレ量Δx11やy軸からのズレ量Δy11が閾値以下のときはXY原点調整を完了させる(S220−YES)。ズレ量Δx11,Δy11が閾値外となるほどに画面の中心に来ないときには(S220−NO)、制御部488は、固体撮像装置1の回転方向とは逆の方向に回転ステージ402Bを回転させる(S224)。このときの回転量は、たとえば、解像度測定パターンAMRTについてはy軸方向のズレ量Δy11に対して半分(Δy11/2)とし、解像度測定パターンAMLBについてはx軸方向のズレ量Δx11に対して半分(Δx11/2)とする。
回転ステージ402Bの中心が固体撮像装置1の中心となるように載置されていた場合であれば、これによって、解像度測定パターンAMLT,AMRTはX軸(x軸)方向に一列に並び、解像度測定パターンAMLT,AMLBはY軸(y軸)方向に一列に並ぶ。固体撮像装置1のXX軸方向とXYZステージ402AのX軸方向が一致(軸が並行となり)し、固体撮像装置1のYY軸方向とXYZステージ402AのY軸方向が一致し(軸が並行となり)、図8(2)に示すように、固体撮像装置1が回転なしで回転ステージ402Bに載置されたものとなる。
ただし、固体撮像装置1の中心が回転ステージ402Bの中心からズレて載置されている場合には、その影響によりズレが残る。その場合でも、ズレ量が予め定められた閾値内にあれば調整完了とし、ズレ量が閾値外のときには、解像度測定パターンAMLT,AMLBに対して別の位置の解像度測定パターンAMが撮像されるようにして、前述と同様の処理を繰り返す。
たとえば、制御部488は、回転後のズレ量が閾値内のときはXY原点調整を完了させる(S230−YES)。制御部488は、回転後のズレ量が閾値外となるほどに画面の中心に来ないときには(S230−NO)、1回目の調整で現在撮像中の解像度測定パターンAMLB,AMRTの中心が画面の中心に来るようにX軸コントローラXCTRとY軸コントローラYCTRで調整する(図8(6):S232)。もちろん、作業者がX軸ヘッド422とY軸ヘッド424の各つまみを回転させて調整してもよい。
次に、最初の解像度測定パターンAMLTが撮像されるように、X軸方向およびY軸方向の何れか一方へは移動させずに、他方の軸方向のみに可動ステージ402A_2を移動させる(S234)。たとえば、解像度測定パターンAMRTから解像度測定パターンAMLTへの切替えの場合、Y軸コントローラYCTRは不変にしてX軸コントローラXCTRのみでX軸方向のみに可動ステージ402A_2を移動させて解像度測定パターンAMLTの中心が画面の中心(ここでは先ず画面のy軸上に)来るようにする。解像度測定パターンAMLBから解像度測定パターンAMLTへの切替えの場合、X軸コントローラXCTRは不変にしてY軸コントローラYCTRのみでY軸方向のみに可動ステージ402A_2を移動させて解像度測定パターンAMLBの中心が画面の中心(ここでは先ず画面のx軸上に)来るようにする。
そして、制御部488は、このときの解像度測定パターンAMLTの中心のx軸からのズレ量Δx12やy軸からのズレ量Δy12が閾値以下のときはXY原点調整を完了させる(S240−YES)。ズレ量Δx12,Δy12が閾値外のときは、制御部488は、ステップS212に戻り(S240−NO)、解像度測定パターンAMLTに対して別の位置の解像度測定パターンAM(この例では解像度測定パターンAMLB,AMRT:1回目と同じである必要はない)について、1回目と同様の処理を行なう。
そして、制御部488は、このときの解像度測定パターンAMLTの中心のx軸からのズレ量Δx21やy軸からのズレ量Δy21が閾値以下であるかを判定し、範囲外であれば回転ステージ402Bを前述のようにして回転させる(S222)。制御部488は、このようなことを、ズレ量Δx@@,Δy@@が閾値内となるまで繰り返す。以上により、固体撮像装置1のX,Y原点が確定する。
なお、前記の説明では「ズレ量に対して半分」だけ回転ステージ402Bを回転させることとしたが、これは一例であり、これよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。ただし、大きすぎる場合にはズレの全量分変化するように調整することに近づくため収束調整に支障を来たすことが懸念される。一方、小さすぎる場合には繰返しの回数が増え、収束調整に時間が掛ることが懸念される。これらより、回転ステージ402Bを「ズレの半分程度」回転させるのが好適であることが理解される。
<解像度特性測定処理>
図9は、ステップS130での解像度特性測定処理の詳細を説明する図である。図9は、解像度測定パターンAMとそれに基づく撮像信号および解像度特性の測定値の関係を示している。ここでは、第1例の解像度測定パターンAM_1と同様の解像度測定パターンAM_0を使用する場合で説明する。また、移動機構部402(可動ステージ402A_2)のX軸方向を検査用カメラ470の主走査方向とし、Y軸方向を検査用カメラ470の副走査方向として説明する。
図9は、ステップS130での解像度特性測定処理の詳細を説明する図である。図9は、解像度測定パターンAMとそれに基づく撮像信号および解像度特性の測定値の関係を示している。ここでは、第1例の解像度測定パターンAM_1と同様の解像度測定パターンAM_0を使用する場合で説明する。また、移動機構部402(可動ステージ402A_2)のX軸方向を検査用カメラ470の主走査方向とし、Y軸方向を検査用カメラ470の副走査方向として説明する。
解像度測定パターンAM_0は、直線を、その線幅と間隔をX軸方向にそれぞれ段階的に変えて配置したパターンである。すなわち、図9(1)に示すように、解像度測定パターンAM_0は、左から右に行くに従って、線幅L_@と間隔S_@が段階的に狭くなっている。図では、6本の線までしか示していないが、もっと続いているものとする。解像度測定パターンAM_0について検査用カメラ470で取得される画像信号の輝度振幅は、主走査方向に、線と間隔に対応する輝度信号レベルが並んだ画像として取得される。
図9(2)には、検査用カメラ470で解像度測定パターンAM_0について取得される輝度振幅の一例が示されている。ここでは、解像度測定パターンAM_0の線(間隔)を主走査方向に横切る1ラインの振幅をプロットして示している。輝度レベルの高い方が間隔S_@の部分に対応し、輝度レベルの低い方が線L_@の部分に対応する。
図9(2)に示すように、本フォーカス合わせ時の調整精度か完璧であったとしても、検査用カメラ470の撮像解像度特性(光学解像度と信号処理特性の分を含む)により、線幅L_@と間隔S_@が狭くなるにつれて、輝度振幅は小さくなる。図9(2)に点線で示すのは、振幅の上(間隔S_@と対応)と下(線L_@と対応)の各ピーク値をそれぞれ連結した内挿曲線である。解像度特性測定部482は、各間隔S_@や各線L_@の輝度振幅と閾値Ithを比較することで、固体撮像装置1の複数箇所に設けられた各解像度測定パターンAM_0の解像度を測定する。
たとえば、解像度特性測定部482は、間隔S_@と対応する振幅のピーク値を連結した内挿曲線CSと、閾値Ith_Sの交点を解像度判定値DSとして保存する。また、解像度特性測定部482は、線L_@と対応する振幅のピーク値を連結した内挿曲線CLと、閾値Ith_Lの交点の輝度レベルを解像度判定値DLとして保存する。なお、これらの両方を行なってもよいし、何れか一方のみを行なってもよい。
なお、解像度判定値DS,DLの求め方は、内挿曲線CS,CLと閾値Ith_S,Ith_Lの交点を利用することに限定されない。たとえば、閾値Ith_S,Ith_Lを超える直前や直後の間隔S_@や線L_@の番号@を解像度判定値DS,DLとしてもよい。また、閾値Ith_S,Ith_Lも使用しない方法として、たとえば、M番目の間隔S_Mや線L_Mの輝度レベルそのものを利用してもよい。この手法は、後述のプロファイルデータPD_1,PD_2との整合性がよい。
解像度特性測定部482は、この測定を全ての箇所(この例では四隅)の解像度測定パターンAM_0についてそれぞれ行なう。これにより、たとえば、間隔S_@に関して、左上の解像度判定値DSLT、左下の解像度判定値DSLB、右下の解像度判定値DSRB、右上の解像度判定値DSRTが得られ、線S_@に関して、左上の解像度判定値DLLT、左下の解像度判定値DLLB、右下の解像度判定値DLRB、右上の解像度判定値DLRTが得られる。
<傾斜調整処理>
図10〜図11Bは、ステップS140〜S150での傾斜調整処理の詳細を説明する図である。なお、傾斜調整機構440は、前述の第1例を使用する場合で説明する。
図10〜図11Bは、ステップS140〜S150での傾斜調整処理の詳細を説明する図である。なお、傾斜調整機構440は、前述の第1例を使用する場合で説明する。
先ず、図10を参照して、固体撮像装置1の中心が回転ステージ402Bの中心と一致しているとともに、ステップS110でのXY原点調整が完全である場合で説明する。
解像度判定値DS,DL(解像度判定値DSLT,DSLB,DSRB,DSRT同士で、解像度判定値DLLT,DLLB,DLRB,DLRT同士で)に分布がある場合、固体撮像装置1が光学ブロック801Aに対して傾いてしまうことを意味している。「傾いてしまう」とは、撮影レンズ802と固体撮像装置1が正対しないことを意味する。
そこで、制御部488は、複数箇所の解像度測定パターンAM_0に基づき測定された解像度判定値DS,DL(解像度特性測定結果)と閾値を比較して、予め決められた閾値外のものが存在するときには、移動機構部402の傾斜調整機構440を制御して、閾値内になるように、好ましくは、それぞれの値が均一となるように傾斜を調整する。
傾斜の調整は、傾斜調整機構440に備えられている2軸調整機構によって固体撮像装置1(撮像基板811a)の高さ(本例では四隅のZ軸方向の位置)を調整することで実現する。軸を中心に回転させることで高さ(Z軸方向の位置)を調整するので、軸を挟んだ一方側が高くなれば、他方側が低くなる点に配慮する。
また、Z軸方向の高さと輝度レベルの関係を示す第1のプロファイルデータPD_1と、傾斜調整機構440による2軸調整機構の回転量に対しての、固体撮像装置1のサイズに応じた高さ変化量の関係を示す第2のプロファイルデータPD_2に基づき、どの程度回転させるかを決めるとよい。
たとえば、図10(1)に示すように、解像度測定パターンAM_0のM番目の間隔や線に着目し、Z軸方向の高さを段階的に変更して、各高さでの輝度レベルを測定して第1のプロファイルデータPD_1を作成する。たとえば、Z軸方向の基準位置Z0でフォーカスを最適に合わせておくと、そのときのM番目の間隔S_Mの輝度レベルが最大値となるし線L_Mの輝度レベルが最小値となる。これに対して、Z軸方向に基準位置Z0よりも高くなった場合や低くなった場合にはフォーカスがズレるので、M番目の間隔S_Mの輝度レベルは低下するし、M番目の線L_Mの輝度レベルは上昇する。
また、図10(2)に示すように、傾斜調整機構440による2軸調整機構の回転量θに対しての、固体撮像装置1のサイズに応じた各解像度測定パターンAM_0の配置位置のZ軸方向の位置データ(高さ変動)を取得して、第2のプロファイルデータPD_2を作成する。
制御部488は、解像度判定値DS,DLを第1のプロファイルデータPD_1に突き当てて、最適な高さに対するズレ分ΔHを特定し、そのズレ分ΔHを補正するように固体撮像装置1(撮像基板811a)の傾きを傾斜調整機構440により調整する。
この際、解像度判定値DS,DLだけでは、低い方にズレているのか高い方にズレているのかは特定できないので、傾き調整の対象となる少なくとも2箇所の解像度測定パターンAM_0の何れか1つを検査用カメラ470により撮像して、輝度レベルがどちらに変化するかにより高さの調整方向を特定する。また、傾斜調整機構440における回転軸を挟んで一方を高くすると他方が低くなり、一方を低くすると他方が高くなると言うことも考慮して回転角を決める必要がある。
たとえば、前例であれば左上の解像度測定パターンAMLTで本フォーカス合わせを行なっているので、左下や右上を上げるように調整するのと連動して左上が下がり、左下や右上を下げるように調整するのと連動して左上が上がるので、何れにしても、左下や右上を解像度の最適値となるように調整すると、左上の高さが不適切となってしまうことが予想される。
そこで、1つの目安としては、1回目の傾き調整前の高さH1に対して解像度が最大となるまでの回転角Δθ1(つまり高さ調整量ΔH1)に対して半分(Δθ1/2,ΔH1/2)だけ調整する。傾斜調整機構440の傾き調整用の回転軸に対して互いに反対側にある高さ調整対象の解像度測定パターンAM_0が付されている箇所が、回転軸を挟んで対称の位置にあれば、互いに反対方向に半分(Δθ1/2,ΔH1/2)だけ高さが調整される。
このとき、固体撮像装置1の中心が回転ステージ402Bの中心と一致しているとともに、ステップS110でのXY原点調整が完全であれば、可動ステージ402A_2の四隅のZ軸方向の高さの調整の影響が固体撮像装置1の四隅でも同様に現われる。固体撮像装置1においても、四隅は、互いに反対方向に半分だけ高さが調整される。
このことは、図10(3)に示すように、一方は解像度が良好となる方向へ向かうが他方は解像度が低下する方向へ向かい、両者の解像度が揃う方向に調整していることを意味する。このことはさらに、一方の高さと他方の高さが揃う方向に調整していることを意味し、傾きがゼロとなる方向に調整されることを意味する。
因みに、図10(3)では回転ステージ402Bを省略して示している。この点は、後述の同様の図においても同様である。
たとえば、互いに反対方向に半分(ΔH1/2)だけ変化するようにY軸回転ヘッド442Yを回転させることで、たとえば左上と右上の高さが概ね揃う。このとき、左下は左上と同じ方向に高さが変更され、右下は右上と同じ方向に高さが変更されることで、左下と右下の高さが概ね揃う。また、X軸回転ヘッド442Xを回転させることで、たとえば左上と左下の高さが概ね揃う。このとき、右上は左上と同じ方向に高さが変更され、右下は左下と同じ方向に高さが変更されることで、右上と右下の高さが概ね揃う。これら一連の動作により、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さが概ね同じになる(均一化する)。つまり、傾斜角がゼロとなるように調整される。
ただし、固体撮像装置1に撓みがある場合には、その影響によりズレが残る。その場合でも、ズレ量が予め定められた閾値内にあれば調整完了とし、ズレ量が閾値外のときには、ステップS122に戻り、もう一度、左上→左下→右下→右上の各解像度測定パターンAMに基づく解像度特性測定を行ない、同様の手順を繰り返す。
以上のように、本実施形態の仕組みによれば、固体撮像装置1の光学ブロック801Aに対しての傾きがゼロとなるように撮像ブロック801Bについて調整してから、予め光学軸が適正に調整されている光学ブロック801Aと結合させるようにしている。このため、組立ての精度が向上し、解像度の均一性が向上する。撮影レンズ802と固体撮像装置1を正対させることができ、良好な解像度を得ることができるようになる。
画出しをしながらの工法に比べて、本実施形態の仕組みは、画出し用のプローブを必要とせず非接触調整であるため、プローブの寿命から解放される。もちろん、プローブの交換も不要で、プローブ自身の導入を必要としない。
固体撮像装置を実際に駆動して撮像信号を取り出す画出しが不要であるから、その画出しのためのデータの読出しなど、固体撮像装置に対しての初期設定が不要である。よって、特許文献1のように、画出し工程の増加により組立て時間が増大し生産性を低下させるという難点はない。
また、組立装置400は固体撮像装置1に形成した解像度測定パターンAMを検出しているので、この解像度測定パターンAMが付されている固体撮像装置1であれば全てに対応可能となる。画出し工程が不要であるので組立て工程時間を短縮でき、生産性が向上する。
また、判定用の閾値や処理手順などの検査処理装置480での処理に必要なものをプログラムで設定・制御するようにすれば、プログラム変更でそれらの変更に容易に対応できるようになる。たとえば、異なる種類の固体撮像装置1(解像度測定パターンAMの種類の位置だけが異なるものも含む)を搭載した撮像ブロック801Bを同一ロットに混在することも可能であり、生産のフレキシビリティが向上する。
なお、前記の傾斜調整処理の説明では、固体撮像装置1の中心が回転ステージ402Bの中心と一致しているとともに、ステップS110でのXY原点調整が完全であるとしていたが、それらにズレがある場合には、前記の説明と若干異なる点が出てくる。図11〜図11Bを参照して、この点について簡単に説明する。
図11(1)は、固体撮像装置1の中心が回転ステージ402Bの中心と一致しているが、XY原点調整をしない場合や不完全な場合を示している。この場合、図示のように、固体撮像装置1は、回転ステージ402B上で回転して配置された状態にある。そのため、可動ステージ402A_2の四隅のZ軸方向の高さの調整の影響が固体撮像装置1の四隅でも現われるものの、その変化の程度は四隅の何れもが同じにはならず、四隅が互いに反対方向に半分だけ調整されるということにはならない。
したがって、互いに反対方向に半分(ΔH1/2)だけ変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを回転させても、固体撮像装置1の四隅の高さが概ね揃うとは言い切れない。その結果、ステップS122に戻り傾斜調整処理を繰り返す要請度合いが高まる。ただし、このような場合でも、傾斜調整処理を繰り返すことで、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さを概ね同じにすることはできる。
図11(2)は、固体撮像装置1の中心が回転ステージ402Bの中心からズレているが、XY原点調整が完全な場合を示している。この場合、XY原点調整が完全であったとしても、固体撮像装置1の中心が可動ステージ402A_2の原点(回転ステージ402Bの中心と同じ)から左右(X軸方向)にズレる、または上下(Y軸方向)にズレる、または左右(X軸方向)と上下(Y軸方向)にズレる。そのため、四隅はX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yの回転軸を挟んで等距離にはない状態が存在してしまう。そのため、等距離にはない状態のものについて軸を挟んで互いに反対方向に半分(ΔH1/2)だけ変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを回転させても必ずしも四隅の高さが概ね揃うとは言い切れない。
たとえば、図11(2)は、上にのみズレている状態を示しているが、この場合は、X1軸を挟んで、左上と左下、右上と右下がそれぞれ、等距離にはない状態である。そのため、X軸回転ヘッド442Xを挟んで可動ステージ402A_2の上下(左も右も)を互いに反対方向に半分(ΔH1/2)だけ変化するように回転させても、固体撮像装置1の左上と左下や右上と右下の高さが概ね揃うとは言い切れない。その結果、ステップS122に戻り傾斜調整処理を繰り返す要請度合いが高まる。ただし、このような場合でも、傾斜調整処理を繰り返すことで、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さを概ね同じにすることはできる。
図11Aは、固体撮像装置1の中心が回転ステージ402Bの中心からズレているし、XY原点調整なしや不完全な場合を示している。そして、図11A(1)は、ズレの程度が軽微な場合を示し、図11A(2)は、ズレの程度が大きい場合を示している。
図11A(1)に示すようなズレの程度が軽微な場合は、前述の図11(1)と、図11(2)の双方について考慮すればよい。このような場合でも、傾斜調整処理を繰り返すことで、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さを概ね同じにすることはできる。
一方、図11A(2)では、固体撮像装置1の四隅の1つ(図では左下)が、本来あるべき象限(この例では第3象限)ではなく反対側の象限(この例では第4象限)に入り込む程にズレの程度が大きい。この場合、四隅がX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yの回転軸を挟んでそれぞれ異なる象限にあるという前提の元に傾斜調整を行なう前記の説明が適用できない。軸を挟んで互いに反対方向に高さが変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを回転させるということができないからである。
しかしながらこの場合、反対側の象限に入り込んだ隅の部分(図では左下)は、概ね回転軸に近い位置にあるので、X軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを回転させても高さは殆ど変化しない。したがって、残りの3つの隅(この例では左上、右上、右下)に着目して傾斜調整を行なうことで、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さを概ね同じにすることはできる。撓みがなければ、同じ象限の他の隅の高さが、別の象限の残りの2つの隅の高さと一致するように調整することで、反対側の象限に入り込んだ隅の部分の高さも揃う。撓みがある場合でも、同様の手順を繰り返すことで、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さを概ね同じにすることはできる。
図11Bは、固体撮像装置1の全体が、可動ステージ402A_2の何れか1つの象限にある場合を示している。この例では、XY原点調整が不完全な状態で示しているが、XY原点調整が完全な状態であっても後述の事項には変わりがない。
この場合、四隅がX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yの回転軸を挟んでそれぞれ異なる象限にあるという前提の元に傾斜調整を行なう前記の説明が適用できない。固体撮像装置1の四隅が、傾斜調整機構440の調整軸を挟んで互いに反対方向に高さが変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを回転させるということができないからである。
しかしながらこの場合、固体撮像装置1の四隅が全て同じ象限にあるので、高さや解像度の変化の度合いが異なるものの、それらの変化の方向は全て同じとなる。たとえば、撓みがないとした場合、何れか1つの隅に着目してズレの全量分(ΔH1)変化するようにX軸回転ヘッド442Xを回転させて解像度の最適点となるように高さを調整すれば、左上と左下の高さが概ね揃うし、右上と右下の高さが概ね揃う。そして、さらに、何れか1つの隅に着目してズレの全量分(ΔH1)変化するようにY軸回転ヘッド442Yを回転させて解像度の最適点となるように高さを調整すれば、左上と右上の高さが概ね揃うし、左下と右下の高さが概ね揃う。これら一連の動作により、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さが概ね同じになり、傾斜角がゼロとなるように調整される。撓みがある場合でも、同様の手順を繰り返すことで、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さを概ね同じにすることはできる。
なお、事前に固体撮像装置1の可動ステージ402A_2上の載置場所を検査用カメラ470で撮像して特定して、載置場所に応じた傾斜調整を行なうようにしてもよい。すなわち、固体撮像装置1の全体が可動ステージ402A_2の何れか1つの象限にあるのか、固体撮像装置1が可動ステージ402A_2の中心近傍にあるのかを検査用カメラ470で撮像することで特定し、図10での前提の元での傾斜調整を行なうのか、図11Bにて説明した傾斜調整を行なうのかを切り分けるようにしてもよい。中心近傍にある場合には図10での前提の元で、ズレの半分(ΔH1/2)だけ変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを調整するし、固体撮像装置1の全体が可動ステージ402A_2の何れか1つの象限にある場合には図11Bにて説明したようにズレの全量分(ΔH1)変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを調整する。
これは、X軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yによる調整量は、図10にて説明した傾斜調整ではズレの半分(ΔH1/2)であるし、図11Bにて説明した傾斜調整ではズレの全量分(ΔH1)であるという、各回の調整量の違いがあるからである。ただし、このように事前に固体撮像装置1の載置場所を特定することは必須でない。
たとえば、固体撮像装置1の全体が可動ステージ402A_2の何れか1つの象限にある場合でも、図10での前提の元で、ズレの半分(ΔH1/2)だけ変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを調整することを繰返し行なうことで、固体撮像装置1の四隅のZ軸方向の高さが概ね同じになるように収束調整することができる。
これに対して、固体撮像装置1が可動ステージ402A_2の中心近傍にある場合に、図11Bにて説明したようにズレの全量分(ΔH1)変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを調整すると、反対側の隅が調整対象の高さ(解像度)と同じようなズレの状況になり、堂々巡りになることが懸念される。
この点では、事前に固体撮像装置1の可動ステージ402A_2上の載置場所を特定しない場合には、ズレの半分(ΔH1/2)だけ変化するようにX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを調整するのが好ましい。
なお、前記の説明では図10での傾斜調整時には「ズレの半分(ΔH1/2)」だけX軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを回転させることにしたが、これは一例であり、これよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。ただし、大きすぎる場合にはズレの全量分(ΔH1)変化するように調整することに近づくため収束調整に支障を来たすことが懸念される。一方、小さすぎる場合には繰返しの回数が増え、収束調整に時間が掛ることが懸念される。これらより、X軸回転ヘッド442XやY軸回転ヘッド442Yを「ズレの半分程度」回転させるのが好適であることが理解される。
1…固体撮像装置、400…組立装置、402…移動機構部、402A_2…固定ステージ、402A_2…可動ステージ、402B…回転ステージ、402A…XYZステージ、405…検査部、422…X軸ヘッド、424…Y軸ヘッド、426…Z軸ヘッド、428…回転軸ヘッド、432…X軸駆動モータ、434…Y軸駆動モータ、436…Z軸駆動モータ、438…回転駆動モータ、440…傾斜調整機構、442…回転ヘッド、442X…X軸回転ヘッド、442Y…Y軸回転ヘッド、452…傾き調整モータ、470…検査用カメラ、480…検査処理装置、482…解像度特性測定部、488…制御部、489…表示部、490…保持装置、801…撮像モジュール、801A…光学ブロック、801B…撮像ブロック、802…撮影レンズ、808…光学系保持部、810…撮像部、811…撮像部保持部、811a…撮像基板
Claims (15)
- 撮像部を具備するとともに、前記撮像部の周辺の複数箇所に解像度を判定可能なパターンが付されている固体撮像装置が載置される台、および、撮影レンズを具備した組立の相手方となる光学ブロックを前記固体撮像装置に対して予め決められた空間的な位置関係を維持するように保持する保持装置を有し、組立過程において前記光学ブロックと前記固体撮像装置の相対位置を変更する相対位置変更装置と、
前記台の上方に設けられた検査用カメラと、
前記相対位置変更装置により前記光学ブロックが前記固体撮像装置の上方に配置されたときに前記撮影レンズと前記固体撮像装置が正対するように、前記台に載置されている前記固体撮像装置に付されている前記複数箇所の前記パターンを前記検査用カメラで撮像して得た前記パターンの画像信号に基づいて前記固体撮像装置が搭載されている前記台の傾斜を調整可能な傾斜調整機構と、
を備えた撮像モジュールの製造装置。 - 前記傾斜調整機構は、前記固体撮像装置が載置されている前記台に形成された交差する2つの軸のそれぞれを中心として、前記撮影レンズに対する前記台の向きを回転可能に構成されている
請求項1に記載の製造装置。 - 前記台と前記検査用カメラは、前記複数箇所の前記パターンを前記検査用カメラで順に撮像し得るように、前記台の平面内において互いに直交するX軸およびY軸の各方向に、前記台に載置されている前記固体撮像装置の前記検査用カメラに対する相対的な位置を移動可能に構成されており、
前記台は、前記X軸およびY軸が交差する原点を中心に回転可能に構成され、さらに、載置された前記固体撮像装置の撮像面の互いに直交するXX軸およびYY軸が、前記XX軸の方向が前記X軸の方向と一致する方向に調整可能に構成され、前記YY軸の方向が前記Y軸の方向と一致する方向に調整可能に構成されている
請求項1または2に記載の製造装置。 - 前記傾斜調整機構には、前記台の傾斜を調整する駆動部が設けられており、
前記台に載置されている前記固体撮像装置に付されている前記複数箇所の前記パターンを前記検査用カメラで撮像して得た前記パターンの画像信号に基づいて、前記複数箇所の前記パターンと対応した解像度特性を測定する解像度特性測定部と、
前記解像度特性測定部で測定された前記複数箇所の前記パターンと対応した各解像度特性に基づき前記傾斜調整機構の前記駆動部を制御して前記台の傾斜を調整する制御部と、
を備えた請求項1〜3の内の何れか一項に記載の製造装置。 - 前記解像度特性測定部および/または前記制御部は、解像度特性測定処理や傾斜調整処理に関わる機能を、電子計算機によるソフトウェア処理で実行するように構成されている
請求項4に記載の製造装置。 - 前記傾斜調整機構は、前記台の傾斜を手動操作で調整可能に構成されており、
前記台に載置されている前記固体撮像装置に付されている前記複数箇所の前記パターンを前記検査用カメラで撮像して得た前記パターンの画像信号に基づいて、前記複数箇所の前記パターンと対応した解像度特性を測定する解像度特性測定部と、
前記解像度特性測定部で測定された前記複数箇所の前記パターンと対応した各解像度特性の情報を提示する解像度特性提示部と、
を備えた請求項1〜3の内の何れか一項に記載の製造装置。 - 撮像部の周辺の複数箇所に解像度を判定可能なパターンが付されている固体撮像装置を用意し、
前記固体撮像装置に付されている前記複数箇所の前記パターンを検査用カメラで撮像して前記パターンの画像信号を取得し、
撮影レンズを具備した組立の相手方となる光学ブロックが前記固体撮像装置の上方に配置されたときには前記撮影レンズと前記固体撮像装置が正対するように、前記複数箇所の前記パターンの画像信号に基づいて前記固体撮像装置の傾斜を調整する
撮像モジュールの製造方法。 - 前記固体撮像装置を載置する台を用意し、
前記台と前記検査用カメラを、前記台の平面内において互いに直交するX軸およびY軸の各方向に、前記台に載置されている前記固体撮像装置の前記検査用カメラに対する相対的な位置を移動可能に構成するとともに、前記X軸およびY軸が交差する原点を中心に回転可能に構成し、
前記固体撮像装置の傾斜を調整する前に、前記固体撮像装置の前記検査用カメラに対する相対的な位置を移動させることで前記複数箇所の前記パターンを順に撮像しつつ前記台を回転させることで、前記台に載置された前記固体撮像装置の撮像面の互いに直交するXX軸およびYY軸を、前記XX軸の方向が前記X軸の方向と一致する方向に調整し、前記YY軸の方向が前記Y軸の方向と一致する方向に調整する
請求項7に記載の製造方法。 - 画像を撮像する撮像部を備え、
前記撮像部の周辺の複数箇所には、解像度を判定可能なパターンが付されている
固体撮像装置。 - 前記パターンは、複数の線または図形の幅と前記線または図形が配置されている間隔の組合せで構成されている
請求項9に記載の固体撮像装置。 - 前記複数の線または図形の幅の配列順は、その配列方向または長手方向に漸次変化している
請求項10に記載の固体撮像装置。 - 前記複数の線または図形の間隔の配列順は、その配列方向または長手方向に漸次変化している
請求項10または11に記載の固体撮像装置。 - それぞれ異なる複数方向の解像度を測定可能に、前記複数の線または図形が配列されている
請求項10〜12の内の何れか一項に記載の固体撮像装置。 - 前記複数の線または図形の幅、および/または、前記線または図形が配置されている間隔は、同じ順番のものについては前記複数方向の何れにおいても同じである
請求項13に記載の固体撮像装置。 - 撮影レンズを具備した光学ブロックと、
撮影レンズを通して画像を撮像する撮像部を備え、前記撮像部の周辺の複数箇所には、解像度を判定可能なパターンが付されている固体撮像装置と、
を備えた撮像装置。
Priority Applications (1)
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JP2009165332A JP2011023850A (ja) | 2009-07-14 | 2009-07-14 | 撮像モジュールの製造方法、撮像モジュールの製造装置、固体撮像装置、撮像装置 |
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JP2009165332A JP2011023850A (ja) | 2009-07-14 | 2009-07-14 | 撮像モジュールの製造方法、撮像モジュールの製造装置、固体撮像装置、撮像装置 |
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JP2009165332A Pending JP2011023850A (ja) | 2009-07-14 | 2009-07-14 | 撮像モジュールの製造方法、撮像モジュールの製造装置、固体撮像装置、撮像装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2009
- 2009-07-14 JP JP2009165332A patent/JP2011023850A/ja active Pending
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