JP2011022016A - 蛍光プローブ、標的分子の検出方法、および免疫グロブリン誘導体 - Google Patents

蛍光プローブ、標的分子の検出方法、および免疫グロブリン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い蛍光性と耐褪色性を有する蛍光プローブ、高感度かつ定量精度の高い標的分子の検出方法、および免疫グロブリン誘導体、を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される蛍光プローブ。(一般式(1)中、Dは蛍光性の置換基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、nは1〜32の自然数を表し、Lはnが1の場合単結合を表し、nが2以上の場合(n+1)価の連結基を表す。Aは縮合反応性あるいは付加反応性の置換基を表す。)
Figure 2011022016

【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光プローブ、標的分子の検出方法、および免疫グロブリン誘導体に関する。
薬剤のスクリーニングや金属イオン、生体分子の検出など、標的分子を検出する手段として蛍光プローブを作用させその蛍光を検出する手段が知られている。特に生体分子の検出には蛍光プローブが用いられることが多く、夾雑物の持つ自家蛍光を避ける為に長波長で励起できる蛍光プローブが求められている。長波長で励起可能な蛍光プローブとしてはシアニン色素類が普及しているが、褪色しやすいという問題があった。
また標的分子の相互作用を調べる方法や標的分子を検出する方法として、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance、以下「SPR」とも記す。)を使用した分光分析法が知られている。例えば、特許文献1には、表面プラズモン共鳴測定及び蛍光測定によって得られた信号を個別に分析することによって、被検体の固相への結合を判定する装置及びその方法が開示されている。
また、下記特許文献2、3、及び5には、表面プラズモン共鳴を用いた2次元イメージング装置が開示され、特許文献4には、表面プラズモン共鳴測定、及び発生した蛍光が生じる第2のプラズモン共鳴を用いた表面プラズモン蛍光顕微鏡が開示され、特許文献6にはプラズモン共鳴蛍光を用いた生体分子相互作用検出装置及び検出方法が開示されている。
これら表面プラズモン共鳴励起蛍光法では、金属基板上に担体や生体分子捕捉物質等を介して固定された蛍光物質に対し、表面プラズモン共鳴によって生じた増強励起光が照射され、発する蛍光を検出する。この方法は伝播励起光を用いた一般的な蛍光分析法に比べ、局所的に強い励起エネルギーを与えることができる優れた方法であるが、それがゆえに得られる蛍光量のばらつきが大きくなり、定量精度が低下するという問題を孕んでいた。
また強いエネルギーを与えることによる色素の褪色が、感度および定量精度の低下を引き起こすという問題があり、これについても改善が求められていた。
特開平10−307141号公報 特開2001−255267号公報 特開2002−116149号公報 特開2004−156911号公報 特開2004−271337号公報 特開2006−208069号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、高い蛍光性と耐褪色性を有する蛍光プローブ、高感度かつ定量精度の高い標的分子の検出方法、および免疫グロブリン誘導体、を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.下記一般式(1)で表されることを特徴とする蛍光プローブ。
Figure 2011022016
((一般式(1)中、Dは下記一般式(2)で表される蛍光性の置換基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、nは1〜32の自然数を表し、Lはnが1の場合単結合を表し、nが2以上の場合(n+1)価の連結基を表す。Aは縮合反応性あるいは付加反応性の置換基を表す。)
Figure 2011022016
(一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子または置換基を表し、R、Rは各々独立に、ハロゲン原子または置換基を表し、X、Xは各々独立に、O、SまたはNR10を表し、R10は置換基を表す。R〜R10のいずれか一つは単結合を表し、一般式(1)中のLに連結している。))
2.Lが親水性の連結基であることを特徴とする前記1に記載の蛍光プローブ。
3.nが2以上8以下であることを特徴とする前記1または2に記載の蛍光プローブ。
4.下記一般式(1)で表される蛍光プローブの蛍光を検出する手段を有することを特徴とする標的分子の検出方法。
Figure 2011022016
((一般式(1)中、Dは下記一般式(2)で表される蛍光性の置換基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、nは1〜32の自然数を表し、Lはnが1の場合単結合を表し、nが2以上の場合(n+1)価の連結基を表す。Aは縮合反応性あるいは付加反応性の置換基を表す。)
Figure 2011022016
(一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子または置換基を表し、R、Rは各々独立に、ハロゲン原子または置換基を表し、X、Xは各々独立に、O、SまたはNR10を表し、R10は置換基を表す。R〜R10のいずれか一つは単結合を表し、一般式(1)中のLに連結している。))
5.前記蛍光を検出する手段が表面プラズモン共鳴励起蛍光法であることを特徴とする前記4に記載の標的分子の検出方法。
6.前記標的分子が生体分子であることを特徴とする前記4または5に記載の標的分子の検出方法。
7.前記一般式(1)で表される蛍光プローブが免疫グロブリン誘導体に結合し、生体分子を検出することを特徴とする前記6に記載の標的分子の検出方法。
8.下記一般式(1)で表される蛍光プローブを結合させ含有させたことを特徴とする免疫グロブリン誘導体。
Figure 2011022016
((一般式(1)中、Dは下記一般式(2)で表される蛍光性の置換基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、nは1〜32の自然数を表し、Lはnが1の場合単結合を表し、nが2以上の場合(n+1)価の連結基を表す。Aは縮合反応性あるいは付加反応性の置換基を表す。)
Figure 2011022016
(一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子または置換基を表し、R、Rは各々独立に、ハロゲン原子または置換基を表し、X、Xは各々独立に、O、SまたはNR10を表し、R10は置換基を表す。R〜R10のいずれか一つは単結合を表し、一般式(1)中のLに連結している。))
9.Lが親水性の連結基であることを特徴とする前記8に記載の免疫グロブリン誘導体。
10.nが2以上8以下であることを特徴とする前記8または9に記載の免疫グロブリン誘導体。
本発明によれば、高い蛍光性と耐褪色性を有する蛍光プローブ、高感度かつ定量精度の高い標的分子の検出方法、および免疫グロブリン誘導体、を提供することができる。
本発明の生体分子検出方法に用いる生体分子検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本実施の生体分子検出方法に用いる生体分子検出装置で使用される検出部の構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔一般式(1)の蛍光プローブ〕
本発明の一般式(1)の蛍光プローブについて説明する。
前記一般式(1)において、Dは下記一般式(2)で表される蛍光性の置換基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、nは1〜32の自然数を表し、Lはnが1の場合単結合を表し、nが2以上の場合(n+1)価の連結基を表す。Aは縮合反応性あるいは付加反応性の置換基を表す。
一般式(2)において、R〜Rは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子または置換基を表し、R、Rは各々独立に、ハロゲン原子または置換基を表し、X、Xは各々独立に、O、SまたはNR10を表し、R10は置換基を表す。R〜R10のいずれか一つは単結合を表し、一般式(1)中のLに連結している。
一般式(2)において、R〜Rで表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、1−プロピルブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、ブテニル基、2−ブテニル基、アリル基等)、シクロアルケニル基(シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクタジエニル基等)、アルキニル基(例えば、アセチレニル基、プロピニル基、ブチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、ペンタセニル基等)、ヘテロ環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジニル基、ピロリル基、2−キノリル基、1−イソキノリル基等の芳香族ヘテロ環基、例えば、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、モルホリニル基、オキサゾリジニル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロチエニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば前述のアルキル基と酸素原子を組み合わせてできるアルコキシ基)、アリールオキシ基(アリール基としては前述のアリール基として挙げたものと同義)、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基(ヘテロ環としては前述のヘテロ環基として挙げたものと同義)、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基(アルコキシ部位は前述のアルコキシ基と同義)、アリールオキシカルボニルオキシ基(アリール部位は前述のアリール基と同義)、アミノ基、アルキルおよびアリールアミノ基(アルキル部位、アリール部位としてはそれぞれ前述のアルキル基、アリール基として挙げたものと同義)、アニリノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(アルコキシ部位は前述のアルコキシ基と同義)、アリールオキシカルボニルアミノ基(アリール部位は前述のアリール基として挙げたものと同義)、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(アルキル部位、アリール部位としてはそれぞれ前述のアルキル基、アリール基として挙げたものと同義)、メルカプト基、アルキルチオ基(アルキル部位は前述したアルキル基と同義)、アリールチオ基(アリール基部位は前述のアリール基として挙げたものと同義)、ヘテロ環チオ基(ヘテロ環としては前述のヘテロ環基として挙げたものと同義)、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基(アルキル部位、アリール部位としてはそれぞれ前述のアルキル基、アリール基として挙げたものと同義)、アシル基、アリールオキシカルボニル基(アリール部位は前述のアリール基として挙げたものと同義)、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部位は前述のアルコキシ基と同義)、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基(アリール部位、ヘテロ環部位は前述のアリール基、ヘテロ環基と同義)、イミド基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基、ホスファト基、スルファト基、ホスホノ基、その他の公知の置換基が挙げられる。
これらの基は更に同義の置換基やハロゲン原子によって置換されていてもよい。これはオリゴエチレングリコール基やオリゴプロピレングリコール基のような繰り返し置換されているものを含む。R〜Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。また上記の置換基が酸性基あるいは塩基性基である場合、イオンとなって塩を作っていても良い。
およびXとはO、SまたはNR10のいずれかであり、R10とはR〜Rと同義の置換基である。X、Xは同一であっても異なっていても良く、いずれもNR10である場合には、複数のR10は同一であっても異なっていても良い。XおよびXはOであることが好ましい。
一般式(1)において、Lで表される2価の連結基の例としては、−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基、−SO−基、−SO−基、−NH−基、−NR10−(R10は前述の置換基)及び下記の基、及びこれらの基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
メチレン基[−CH−]、
エチリデン基[>CHCH]、
イソプロピリデン[>C(CH]、
1,2−エチレン基[−CHCH−]、
1,2−プロピレン基[−CH(CH)CH−]、
1,3−プロパンジイル基[−CHCHCH−]、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CHC(CHCH−]、
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CHC(OCHCH−]、
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CHC(CHOCHCH−]、
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH)CHCH−]、
1,4−ブタンジイル基[−CHCHCHCH−]、
1,5−ペンタンジイル基[−CHCHCHCHCH−]、
オキシジエチレン基[−CHCHOCHCH−]、
チオジエチレン基[−CHCHSCHCH−]、
3−オキソチオジエチレン基[−CHCHSOCHCH−]、
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CHCHSOCHCH−]、
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH)CHCHOCH(CH)CH−]、
3−オキソペンタンジイル基[−CHCHCOCHCH−]、
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCHCHOCHCO−]、
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CHCHCHCHOCHCHCH−]、
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CHCHCHOCHCHCHOCHCH−]、
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基
[−CH(CH)CHCHOCH(CH)CHCHOCH(CH)CH−]、
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CHCHCHOCHC(CHCHCHOCHCH−]、
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CHCHCHOCHC(OCHCHCHOCHCH−]、
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基
[−CHCHCHOCHC(CHOCHCHCHOCHCH−]、
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CHCHCHO−COCHCHCOCH−OCHCH−]、
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CHCHCO−CHOCHCHCHO−COCHCH−]、
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C−]、
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C10−]、
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C10−]、
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C10−]、
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−CO−]
p−フェニレン基[−p−C−]、
m−フェニレン基[−m−C−]、
α,α′−o−キシリレン基[−o−CH−C−CH−]、
α,α′−m−キシリレン基[−m−CH−C−CH−]、
α,α′−p−キシリレン基[−p−CH−C−CH−]、
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH−CO−CH−]、
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH−CS−CH−]、
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C−C(CH−p−C−]。
は親水性基であることが好ましく、例えばスルホ基、スルファト基、ホスホノ基、ホスファト基で置換された連結基やオリゴエチレングリコールやオリゴプロピレングリコール構造を有する連結基が好ましく挙げられ、好ましくはオリゴエチレングリコール構造あるいはオリゴプロピレングリコール構造を有する連結基である。より好ましくはオリゴエチレングリコール構造を有する連結基である。さらにオリゴエチレングリコール構造が、エチレングリコールユニットが2〜50ユニット連なった構造であることが好ましく、4〜30ユニット連なった構造であることが好ましく、10〜25ユニット連なった構造であることが好ましい。
nは自然数であり、1〜16であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。
で表される(n+1)価の連結基としては、Lの2価の連結基から水素原子を(n−1)個取り除き結合手とした基、あるいはR〜R10と同義の置換基から水素原子をn個取り除き結合手とした基が挙げられる。
で表される縮合反応性あるいは付加反応性の置換基とは、異なる分子と縮合反応あるいは付加反応を起こす前駆体となる置換基である。
縮合反応性あるいは付加反応性の置換基としては、例えばカルボキシル基、アミノ基、メルカプト基、スクシンイミジル基、マレイミド基、ヒドロキシ基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。これらは他の分子のアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、ヒドロキシ基等と反応することで、アミド結合、エステル結合、チオールエステル結合、スルフィド結合などの結合を形成する。結合を形成する為の反応は標識反応として当該業者に広く知られており、それら公知の方法に従えばよい。
以下に、一般式(1)で表される蛍光プローブの具体例を挙げるが本発明はこれに限定されない。
Figure 2011022016
Figure 2011022016
Figure 2011022016
Figure 2011022016
本発明の蛍光プローブは一般的なBODIPY合成法であるLindsey法(アルデヒド誘導体とピロールとを酸触媒を用いて縮合させる方法)やアルデヒド誘導体の代わりに酸無水物誘導体を用いる方法、またLiebeskind−Srogl反応(J.Am.Chem.Soc.,2000, 122, 11260−11261)を用いて合成することが可能である。
例えばKMF−7は下記ルートに従い合成できる。
(合成例)
(KMF−7の合成)
(合成経路)
Figure 2011022016
(2の合成)
1(17mmol)、7(67mmol)を300mlのドライエタノールに溶解し、0℃で攪拌した。次にナトリウムエトキシド(20質量%、エタノール溶液、67mmol)を滴下し、2h攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、得られた沈殿をろ取し、洗浄、乾燥した。これをトルエン(60ml)に再溶解し、2h加熱還流した。溶媒を除去し、再結晶後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、2(7mmol)を得た。
(3の合成)
2(5mmol)をエタノール(50ml)に溶解し、NaOH(75mmol)と水(22.5ml)から調製した水溶液を混合、1h加熱還流した。液を塩酸で酸性にして、得られた固体をろ取し、洗浄乾燥を経て、3(4.5mmol)を得た。
(4〜6の合成)
3(2mmol)をトリフルオロ酢酸(3ml)に溶解し、50℃で10min攪拌し、4を合成した。さらに8を加え80℃で1.5h攪拌した。冷却後、氷水で冷やした重曹水に反応液を流し込み、得られた沈殿をろ取洗浄乾燥し、5を得た。クロロホルム(25ml)を加えて攪拌し、BFエーテル錯体(0.5ml)、トリエチルアミン(0.3ml)を添加した後、80℃で30min攪拌した。反応液を濃縮、カラムクロマトグラフィーにより精製し、6(KMF−7)(0.5mmol)を得た。
一般式(1)の蛍光プローブを結合させ含有させることで、さまざまな分子を蛍光法によって検出することが可能であるが、この方法は生体分子の検出方法として適している。生体分子を検出する為には、一般式(1)の蛍光プローブを、生体分子を特異的に認識して吸着する物質(F)(「生体分子捕捉物質」あるいは「被検体捕捉物質」ともいう。例えば抗原に対する抗体(免疫グロブリン)等が挙げられる。)に結合して用いることが好ましい。生体分子捕捉物質(F)に蛍光プローブを結合し、生体分子と相互作用させて、その蛍光を測定することによって標的分子である生体分子の検出が可能となる。
標的分子である生体分子としては、例えばDNA、RNA、タンパク質、糖鎖あるいはこれらの分解物等が挙げられる。「生体分子捕捉物質」としては、これらを特異的に認識し捕捉することのできる相補的なDNAやRNA、免疫グロブリン(抗体とも表す)、レクチン、あるいはインプリントポリマー等が挙げられる。
本発明において生体分子捕捉物質は免疫グロブリン誘導体が好ましい。免疫グロブリン誘導体とは免疫グロブリン、免疫グロブリンの化学修飾体、F(ab’)2フラグメント、Fabフラグメントなどである。
生体分子を捕捉する方法としては、従来公知のアッセイに従えばよく、文献:バイオ検査薬の開発(株式会社シーエムシー出版)、バイオ診断薬の開発・評価と企業(株式会社シーエムシー出版)やその引用文献、イムノアッセイ講義(WEB情報、http://www.shibayagi.co.jp/IA−LECUTURRE/Contents.htm)等が参考になる。本発明においては、イムノアッセイが好ましい。
例えば、後述する検出層に用いるセンサー基板として金基板を選び、サンドイッチイムノアッセイを行う場合には、金基板にカルボキシル基やアミノ基等の反応性基(または反応性基に変換可能な官能基)を有するアルカンチオールを作用させてSAM膜(Self−Assembled Monolayer:「自己組織化単分子膜」ともいう。)を形成し、これに適宜ポリマー等を介し、一次抗体を作用させ固定化する。また、一次抗体に対する反応性基(または反応性基に変換可能な官能基)を備えたポリマーを直接金基板上に固定化し、その上に一次抗体を固定化してもよい。各種反応性基を利用して抗体やポリマーを結合させる際には、スクシンイミジル化を経たアミド化縮合反応や、マレイミド化を経た付加反応等が一般的である。このようにして構成した検出層に抗原を含む溶液を流すことで、固定化した一次抗体によって抗原を捕捉することが可能である。これに対し、さらに標識した二次抗体を含む溶液を作用させることで捕捉された抗原を標識することができる。なお予め抗原と二次抗体とを反応させておいてから該固定化した一次抗体に作用させてもよい。
〔標的分子の検出方法〕
本発明の標的分子の検出方法は一般式(1)の蛍光プローブを、直接あるいは間接的に標的分子に作用させ、蛍光プローブの蛍光を検出することで、標的分子を検出するものである。蛍光を検出する手段としては、蛍光光度計や蛍光顕微鏡、蛍光プレートリーダ、表面プラズモン共鳴励起蛍光法など公知の蛍光検出手段が利用可能である。
本発明の蛍光プローブは、表面プラズモン共鳴励起蛍光法(Surface Plasmon Fluorescence Spectroscopy、以下「SPFS」とも記す。)を利用した標的分子の検出に好適であり、これを例にとって標的分子の検出方法について説明する。
表面プラズモン共鳴励起蛍光法の一般的なプロトコルを以下に示す。この方法は、プリズム(A)と、プリズム表面の金属薄膜及び被検体検出層を有する被検体検出手段(B)と、レーザー発生手段(C)と、第1及び第2光検出手段(D、E)とを備えた装置を用い、レーザー発生手段(C)から薄膜に入射されたレーザー光の反射強度を第1光検出手段(D)で検出し、レーザー発生手段(C)から薄膜に入射されたレーザー光によって薄膜裏面に生じるプラズモン光によって励起された蛍光分子が出力する蛍光を、第2光検出手段(E)で検出する、という手順で行われる。
次にプラズモン光の特性について以下に説明する。
プラズモン光は、レーザー光が金属薄膜に対し全反射条件で照射されたときに、第1光検出手段(D)によって検出される反射光の強度が減衰する入射角領域で薄膜裏面に発生し、その強度はレーザー光の入射角度に依存して変動する。反射光強度の減衰が最大となるときのレーザー光入射角度を第1の入射角度とすると、その近傍でプラズモン光の強度が最大となるが、厳密にはプラズモン光の強度が最大となるときのレーザー光の入射角度(第2の入射角度)は、第1の入射角度よりわずかに低角度となる。この理論値の算出にあたっては、文献:T.Liebermann,W.Knoll,Surface−plasmon field−enhanced fluorescence spectroscopy,Colloids and Surfaces A:Physicochemical and Engineering Aspects 171(2000)115−130やその引用文献等を参考にして算出することができる。
プラズモン光は近接場光であり、その電場強度は金属薄膜からの距離が離れるほど減衰するという特性を有しており、また蛍光分子が金属薄膜のごく近傍に位置する場合、金属薄膜へと励起エネルギーの遷移が起きる。
〔標的分子検出装置〕
以下、本発明に係る標的分子検出装置の構成例について生体分子を検出する場合を例にとって示すが、本発明はこれに限定されない。
図1は、本発明の実施の形態に係る生体分子検出装置の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る生体分子検出装置は、プリズム1と、プリズム1の上に形成された、検出対象の生体分子(以下「被検体」と記す。)を含む試料を保持する被検体検出部(以下「検出部」と記す。)2と、レーザー発生装置3と、レーザー発生装置3から出力されるレーザー光Lの光路上に配置された偏光板41、絞り42、シャッタ43、回転ミラー44及びレンズ45で構成される光制御部4と、光検出手段である第1及び第2CCDカメラ5、6と、第1及び第2フィルター7、8と、を備えている。
図2は、プリズム1の上に形成される検出部2の構成の一例を示す断面図である。プリズム1には、高屈折率の45度直角プリズムを用いることができる。検出部2は、プリズム1の表面にスパッター法あるいは蒸着法により30〜60nm(望ましくは40〜60nm、より望ましくは43〜53nm)の厚さに形成された金薄膜21と、金薄膜21表面上にスペーサ23によって周囲を囲まれて形成された、抗原と反応させる抗体を含む被検体検出層(以下「検出層」ともいう。)24と、石英基板25と、これらを固定する固定具22と、を備えている。ここで、スペーサ23、検出層24及び石英基板25によって、バッファ空間27が形成されており、石英基板25には貫通孔によって流路26a、26bが形成されている。流路26a、26bは、試料溶液をバッファ空間27に注入するために使用され、例えば、試料溶液を、流路26aからチューブ(図示せず。)を介してバッファ空間27に注入し、流路26bから別のチューブ(図示せず。)を介してバッファ空間27から排出させる。検出層24には、抗体を結合させ含有させたSAM膜や高分子材料を用いることができる。抗体はSAM膜や高分子材料の一方の端部に結合されており、SAM膜や高分子材料の他方の端部は、直接若しくは間接に金薄膜21表面に固定されている。高分子材料は複数種類が介在していてもよい。SAM膜としては例えばHOOC−(CH11−SHなどの置換脂肪族チオールで形成された膜、高分子材料としては例えばポリエチレングリコール(polyethylene glycol、以下「PEG」と記す。)やMPCポリマー(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを前駆体とするポリマー)等が挙げられる。これは用時に調製しても、予めこれらを結合させた基板を用いてもよい。
第1CCDカメラ5は、金薄膜による反射レーザー光を観測するためのものであり、第1フィルター7を介して反射レーザー光を受光可能な位置に配置されている。一方、第2CCDカメラ6は、検出層24に含まれている蛍光分子からの蛍光を検出するためのものであり、観測波長に適した蛍光用高感度CCDカメラと第2フィルター8とが、検出部2の上方に設置されている。ここで、第1CCDカメラ5は、少なくとも反射光強度を測定することができればよく、2次元撮像ができなくてもよく、フォトダイオードであってもよい。
レーザー発生装置3には、例えば、He−Neレーザーを使用することができる。また、回転ミラー44は、ミラーの角度を変更することが可能であり、レーザー光Lの金薄膜21への入射角θを、例えば、θ=28〜62(度の範囲で変化させることができる。なお、図1において、レーザー光Lが通過するプリズム表面での光路の屈曲は省略している。
レーザー発生装置3から出力されるレーザー光Lは、偏光板41によってP偏光され、絞り42を通過し、シャッタ43が開いている間、回転ミラー44、レンズ45及びプリズム1を介して検出部2の金薄膜21に入射され、その反射光が、レンズ45及びフィルター7を介して第1CCDカメラ5で測定される。また、検出層24内の蛍光分子からの蛍光は、第2CCDカメラ6で測定される。
〔生体分子の検出方法の詳細な説明〕
次に、本生体分子の検出装置を用いた生体分子の検出方法を、具体例を挙げて説明するが本発明はこれに限定されない。
まず検出部2のバッファ空間27に、PBS緩衝液(燐酸緩衝液pH=7.2)を注入する。
レーザー発生装置3から出力されるレーザー光Lを、回転ミラー44のミラー表面の角度を固定し、上記のようにプリズム1を介して検出部2の金薄膜21に入射させ、その反射光を第1CCDカメラ5で測定し、反射強度を記録する。周知のように、偏光板41を介してP偏光されたレーザー光Lは、金薄膜21中の電子振動とカップリングしてSPR現象を生じた場合、反射光の強度が減少する。この反射光の強度が最低値になるように回転ミラーの角度を調整する(ここからプラズモン光が最大となる入射角となるようにミラー角度を変更しても構わない。)。
バッファ空間27中の検出層24には予め抗体を固定しておき、これに対する抗原を含む溶液を流した後、本発明の蛍光プローブを結合含有させた二次抗体を含む溶液等を流す。
これによって、表面プラズモン共鳴(SPR)によるプラズモン光によって、検出層24内の蛍光分子が励起され、蛍光を発生する。
発生した蛍光を、検出部2の上方に位置する第2CCDカメラ6で測定、即ち2次元撮像する。得られた2次元画像における各画素の輝度が、検出層上の各場所での蛍光強度に対応する。
以上のように、第2CCDカメラ6による蛍光強度の測定によって、検出層24に注入した溶液中の抗原を検出することができる。
なお、プリズム表面に形成される薄膜は、金薄膜に限定されず、その他の金属(銀等)や、金属酸化物(SiO、TiO、Al、AgO等)の薄膜であってもよい。
また、上記では、流路を有する石英基板及びスペーサを備えた検出部を説明したが、これに限定されない。金薄膜表面上に被検体検出層が形成され、被検体の生体分子を保持することができる構造であればよい。
また、上記では1つの検出層を備える場合を説明したが、金薄膜上に、異なる抗体を含む複数の検出層をアレイ状に配列して検出部を形成してもよい。
また、上記においては、1種類の蛍光分子を用いる場合を説明したが、これに限定されず、複数種類の抗体と、抗体の種類毎に、蛍光波長の異なる蛍光分子を結合させ含有させて検出部を形成してもよい。この場合、SPR測定及びSPFS測定は、蛍光分子の種類に応じた波長の異なる複数のレーザー光あるいは各種フィルターを挿入したランプを用いて行う。
また、第一光検出手段はCCDカメラに限定されず、所定の波長のレーザー光を測定可能なものであればよい。例えばフォトダイオード等を用いることができる。同様に第2光検出手段も、上記したCCDカメラに限定されず、所定の波長の蛍光を測定可能なものであればよい。例えば光電子増倍管等を用いてもよい。
照射する光源としては直進性のある形で光線を取り出せる光源であればよく、半導体レーザーでもLEDでもランプでも構わない。
照射光を走査する方法としては、回転ミラーに限定されず、光源そのものをステージコントローラー等で走査させてもかまわない。
プリズムの形状としては、90度の三角プリズムに限定されず、60度の三角プリズムや半円柱のプリズムを用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
<抗体修飾>
(比較の標識抗体溶液の調製)
抗AFPモノクローナル抗体(1D5、2.5mg/ml、日本医学臨床検査研究所販売)を40μl、1M炭酸水素ナトリウム水溶液を10μl、比較の蛍光プローブCy5(monofunctiional NHS ester(GEヘルスケア社製))を0.5mg、PBS緩衝液を5ml混合、2時間反応を行うことで、比較の蛍光色素を含む比較の蛍光プローブが結合された比較の標識抗体溶液(比較の蛍光標識抗体のPBS緩衝液)を得た。これをスピンカラムによって精製し、アッセイに用いた。
Figure 2011022016
(本発明の標識抗体溶液の調製)
WSC(Water Soluble Carbodiimide、即ち、1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide, hydrochloride)を10mg、HOSu(N−ヒドロキシスクシンイミド)を5mg、本発明の蛍光プローブKMF−1〜KMF−12をそれぞれ0.5μmol、DMF(ジメチルホルムアミド)1mlを混合し、抗AFPモノクローナル抗体(1D5、2.5mg/ml、日本医学臨床検査研究所販売)40μlをPBS緩衝液5mlで希釈した溶液に加え、2時間反応を行うことで、本発明の蛍光色素(一般式(2))を含む本発明の蛍光プローブが結合された本発明の標識抗体溶液(本発明の蛍光標識抗体のPBS緩衝液)をそれぞれ得た。これをスピンカラムによって精製し、アッセイに用いた。
(蛍光強度の評価)
標識抗体溶液をPBS緩衝液で希釈して0.5nMに調製し、蛍光強度(励起光633nm)を測定した。蛍光強度は比較の標識抗体溶液を1として計算し、1.2倍以上であるものを◎、1.2倍未満から1倍であるものを○、1倍未満であるものを×とした。
結果を表1に示す。
<表面プラズモン共鳴励起蛍光を利用した免疫測定>
(検出部の作製)
図2に示したように、プリズム1として、高屈折率の45度直角プリズムであるSCHOTT GLASS社製のLaSFN9(屈折率n=1.85)を用い、その底面にスパッター法により膜厚約48nmの金薄膜21を形成し、流路26a、26bが形成された石英基板25を、厚さ2mmのシリコンゴムのスペーサ23で挟んで金薄膜21の上に設置した。これに、ポンプを用いて、PBS緩衝液(りん酸緩衝液、pH=7.2)を注入した。このときのセル容積はおよそ160μlであった。
次にHS−(CH10−COOHの0.5mM・PBS緩衝液を調製し、このPBS緩衝液をポンプにより、石英基板25を形成した段階の検出部に注入して1夜放置し、金薄膜21の表面に自己組織化膜を形成させた。
<サンプルの測定>
レーザーは633nmのHeNeレーザーを用いた。
前述のとおりに検出部の作製を行った後に、第1CCDに照射される反射光強度が最小となるようにレーザー入射光角度を調整して、第2CCDを用いて上方から検出部のレーザー照射範囲中心部の0.2mm角を観察し、このときの第2CCDのカウント値を0点として調整した。
その後、検出部にN−ヒドロキシスクシンイミドが25mM、WSC(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide, hydrochloride)が50mMとなるように調製したPBS緩衝液を注入し30分作用させた後、抗AFPモノクローナル抗体(1D5、2.5mg/ml、日本医学臨床検査研究所販売)5μg/mlを注入し、30分作用させた。その後1%BSA−PBS緩衝液(1質量%牛血清アルブミン−PBS緩衝液)を40分作用させ、ブロッキングを行ったのち、PBS緩衝液を注入し30分洗浄した。
次に、抗原としてのAFP−PBS緩衝液(α−フェトプロテイン、100ng/ml)2.5mlを循環させながら30分間反応させ、後、0.05質量%Tween20−PBS緩衝液(Tween20:Polyoxyethylene(20)Sorbitan Monolaurate)で5分洗浄した後、標識抗体溶液(表1に記載の種類、8.5μg/ml)2.5mlを循環させながら20分作用させた。その後PBS緩衝液にて洗浄し、10分後第2CCDから観察したときのカウント値を計測した。またこの時点から5分間のカウント値の最大値と最小値の差を算出し、アッセイシグナルに対してのばらつきを観測した。
次にアッセイシグナルを観測した時点から30分後の第2CCDのカウント値を計測した。これにより30分露光し続けた時の有効な色素の残存率を算出した。
結果を表1に示す。
Figure 2011022016
表1から明らかなように、本発明を用いることで1つの生体分子当たりの蛍光強度を大幅に上げることができ、また測定値のばらつきも抑制できる。つまり従来の表面プラズモン共鳴励起蛍光法(SPFS法)に比べて高感度、高精度に生体分子の検出を行うことが可能となった。また本発明を用いることでプラズモン光による励起条件下でも、従来の標識に比べ、有効な色素の残存率を向上させることが出来た。
1 プリズム
2 被検体検出部
3 レーザー発生装置
4 光制御部
5 第1CCDカメラ
6 第2CCDカメラ
7 第1フィルター
8 第2フィルター
21 金薄膜
22 固定具
23 スペーサ
24 被検体検出層
25 石英基板
26a、26b 流路
27 バッファ空間
41 偏光板
42 絞り
43 シャッタ
44 回転ミラー
45 レンズ

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする蛍光プローブ。
    Figure 2011022016
    ((一般式(1)中、Dは下記一般式(2)で表される蛍光性の置換基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、nは1〜32の自然数を表し、Lはnが1の場合単結合を表し、nが2以上の場合(n+1)価の連結基を表す。Aは縮合反応性あるいは付加反応性の置換基を表す。)
    Figure 2011022016
    (一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子または置換基を表し、R、Rは各々独立に、ハロゲン原子または置換基を表し、X、Xは各々独立に、O、SまたはNR10を表し、R10は置換基を表す。R〜R10のいずれか一つは単結合を表し、一般式(1)中のLに連結している。))
  2. が親水性の連結基であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光プローブ。
  3. nが2以上8以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光プローブ。
  4. 下記一般式(1)で表される蛍光プローブの蛍光を検出する手段を有することを特徴とする標的分子の検出方法。
    Figure 2011022016
    ((一般式(1)中、Dは下記一般式(2)で表される蛍光性の置換基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、nは1〜32の自然数を表し、Lはnが1の場合単結合を表し、nが2以上の場合(n+1)価の連結基を表す。Aは縮合反応性あるいは付加反応性の置換基を表す。)
    Figure 2011022016
    (一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子または置換基を表し、R、Rは各々独立に、ハロゲン原子または置換基を表し、X、Xは各々独立に、O、SまたはNR10を表し、R10は置換基を表す。R〜R10のいずれか一つは単結合を表し、一般式(1)中のLに連結している。))
  5. 前記蛍光を検出する手段が表面プラズモン共鳴励起蛍光法であることを特徴とする請求項4に記載の標的分子の検出方法。
  6. 前記標的分子が生体分子であることを特徴とする請求項4または5に記載の標的分子の検出方法。
  7. 前記一般式(1)で表される蛍光プローブが免疫グロブリン誘導体に結合し、生体分子を検出することを特徴とする請求項6に記載の標的分子の検出方法。
  8. 下記一般式(1)で表される蛍光プローブを結合させ含有させたことを特徴とする免疫グロブリン誘導体。
    Figure 2011022016
    ((一般式(1)中、Dは下記一般式(2)で表される蛍光性の置換基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、nは1〜32の自然数を表し、Lはnが1の場合単結合を表し、nが2以上の場合(n+1)価の連結基を表す。Aは縮合反応性あるいは付加反応性の置換基を表す。)
    Figure 2011022016
    (一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子または置換基を表し、R、Rは各々独立に、ハロゲン原子または置換基を表し、X、Xは各々独立に、O、SまたはNR10を表し、R10は置換基を表す。R〜R10のいずれか一つは単結合を表し、一般式(1)中のLに連結している。))
  9. が親水性の連結基であることを特徴とする請求項8に記載の免疫グロブリン誘導体。
  10. nが2以上8以下であることを特徴とする請求項8または9に記載の免疫グロブリン誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2015194663A1 (ja) * 2014-06-20 2017-04-20 コニカミノルタ株式会社 表面プラズモン共鳴励起増強蛍光分光(spfs)用センサーチップ、spfs測定法、およびspfs用キット
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US11858950B2 (en) 2019-11-04 2024-01-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Compound and film and photoelectric diode and organic sensor and electronic device

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