JP2011019402A - 食材の組み合わせ方法と食品の組み合わせ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の食材を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食材の組み合わせ方法と、複数の食品を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食品の組み合わせ方法を提供する。
【解決手段】血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1における食材の組み合わせ方法は、複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する、複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定する。また、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置3における食品の組み合わせ方法は、複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食品に含まれる高GI食品の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、食材の組み合わせ方法と食品の組み合わせ方法に関する。
近年、日本人の糖尿病患者は増加の一途をたどっている。40代以上では、ふたりのうちひとりが糖尿病予備軍とまで言われている。
九州大学医学部は、1961年から福岡県にある久山町在住の40才以上の全住民を対象に継続して介入研究を続けている。久山町において、1988年に、75g経口ブドウ糖負荷試験を用いた健診が行なわれた。この検診では、男性の15.0%、女性の9.9%が糖尿病と診断された。この診断結果から、糖尿病患者は当時の医学界の常識よりはるかに増えていることがわかり、警鐘となった。
1988年以降、九州大学のグループは、日本糖尿病学会が推奨する運動・食事療法を久山町の住民に徹底的に指導して、糖尿病の増加を防ごうと努力した。しかし、2002年の調査では、男性の23.6%、女性の13.4%が糖尿病と診断された。すなわち、1988年よりも糖尿病患者が増加していた。さらに、空腹時血糖値が軽度高値(110〜125mg/dL)、食後2時間血糖値が軽度高値(140〜199mg/dL)の何らかの耐糖能異常を有する糖尿病予備軍を併せると、糖尿病または糖尿病予備軍であると診断された者が男性の59.9%、女性の41.3%に激増していた。
このことは、従来の運動療法と食事療法の指導だけでは、保健事業を何年続けても効果がないことを示唆するものである。運動療法が糖尿病予防にマイナスの影響を与えるとは考えにくい。そのため、指導した食事療法の内容が適切ではなかったと考えられる。
九州大学のグループによって久山町の住民に指導された食事療法は、エネルギー制限・適正PFC比率(三大栄養素の比率)に基づくものであった。
PFC比率(PFCバランス)は、個々の食材のエネルギー量に着目し、総エネルギー量に対するタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の割合を算出したものである。それぞれの割合は下の式によって導かれる。
P=100×(タンパク質総重量)×4(kcal)/総エネルギー量(kcal)
F=100×(脂質総重量)×9(kcal)/総エネルギー量(kcal)
C=100×(炭水化物総重量)×4(kcal)/総エネルギー量(kcal)
日本人の食事摂取基準としては、生活強度や年齢によらず、総たんぱく質(P)が10〜20%、総脂質(F)が15〜25%、総炭水化物(C)が50〜70%であることが好ましいとされている。
しかしながら、上述の九州大学のグループの研究結果によって示されたように、エネルギー制限・適正PFC比率に基づく食事指導だけでは、いくら運動療法を行なっても、糖尿病の増加をくい止めることはできなかった。
これは、従来のエネルギー制限・適正PFC比率に基づく栄養教育では、糖質代謝の改善に効果をもたらすことが難しいためであると考えられる。すなわち、糖尿病の増加をくい止めるためには、食事において摂取される「量」(エネルギー)だけでなく、その食事において摂取される素材の「質」に注目して食事管理を行わなければならないといえる。食事において摂取される素材の「質」としては、例えば、エネルギーの吸収されやすさ、吸収されにくさがある。
そこで、食事において摂取される素材の「質」を評価する指数として、食材や食品を摂取した場合の血糖値の上昇度合いを数値で表したグライセミック・インデックス(以下GI)が注目を集めている。GIは、血糖上昇という食材や食品中の糖質の「生理機能」の違いに着目して、食品中に含まれる糖質を質的に評価するために開発された指標である。
糖質を含む食材や食品は、血糖上昇度(GI)にもとづいて、高GI食材(食品)、中GI食材(食品)、低GI食材(食品)に分類される。例えば、白飯やジャガイモといった食材は高GI食材であり、うどんやサツマイモなどは中GI食材、スパゲッティ、豆類およびナガイモ(yam)などは低GI食材に分類される。同じ糖質量を含んでいる食材(食品)どうしを比較すると、GIが低い食材(食品)は、GIが高い食材(食品)と比べて、摂取されたときに糖がおだやかに吸収される。このように、GIが低い食材は、GIが高い食材と比較して、血糖上昇を抑制する働きが大きい。
GI評価法は、カナダのジェンキンス(Jenkins)博士と(ウォレヴァ)Wolever博士らにより国際的標準化がなされている。また、国際的標準化がなされた評価法に準拠し、ご飯を基準食とした杉山らの手法が、日本国内のGI研究では広く用いられている。
糖尿病患者に対する低GI食材(食品)を活用した栄養教育については、すでに欧米で効果的に行われている。たとえば、アマノ(Amano)外6名、「ダイアベーツ・ケア(Diabetes Care)」、(米国)、2007年、第30巻、p.1874−1876(非特許文献1)に記載されているように、日本でも、栄養教育システムにGIを導入したことについて、効果の判定が試みられている。
このような社会背景の中で、生体調整機能を有する食材(食品)素材の開発が相次いでなされている。特に、主食である米に関しては、ダイエットご飯やダイエット米が開発されている。例えば、特開2003−102408号公報(特許文献1)には、水蒸気加熱によって生米の表面のみを一時的に糊化した後、冷却乾燥させた後に、所定の湿熱処理を行なってレジスタントスターチを生成するダイエット米の製造方法が記載されている。
また、特開2003−210121号公報(特許文献2)には、所定量の生米を包装パックに充填し水蒸気加熱によって可食状態とした後、密封して殺菌処理する包装可食処理工程と、密封状態で所定の湿熱処理を行なうレジスタントスターチ生成工程とで構成されるダイエットご飯パックおよびその製造方法が記載されている。
また、特開2004−147647号公報(特許文献3)には、桑由来抽出物を米などの澱粉含有食品(食材)に添加して加熱調理することによって、澱粉含有食品(食材)を摂取したときに米に由来する糖の吸収を穏やかにする食品(食材)の製造方法と澱粉含有食品(食材)が記載されている。
このように、米を摂取したときに米に由来する糖の吸収を穏やかにするために、これらのダイエット米やダイエットご飯の開発がなされている。
特開2003−102408号公報 特開2003−210121号公報 特開2004−147647号公報
アマノ(Amano)外6名、「ダイアベーツ・ケア(Diabetes Care)」、(米国)、2007年、第30巻、p.1874−1876
しかしながら、特開2003−102408号公報(特許文献1)に記載されている製造方法によって製造されるダイエット米と特開2003−210121号公報(特許文献2)に記載されているダイエットご飯パックを用いて、米やご飯を改良することができても、食事においてご飯だけを摂取することはできない。ご飯(米)だけを摂取するのでは栄養が偏ってしまい、食事として成立しない。また、ダイエット米やダイエットご飯を用いた主食を、副食と食べ合わせた場合の糖質吸収抑制効果については不明である。
さらに、特開2004−147647号公報(特許文献3)に記載されている澱粉含有食品(食材)のように、ある食品(食材)から特定成分を抽出、添加して血糖値抑制効果がみられたとしても、その成分が抽出操作中に濃縮されたり、長期に亘って摂取されたりした場合に、人体にどのような影響を及ぼすかということについて明らかではない。したがって、安全性の点から十分に利用できるものではない。
そこで、この発明の目的は、複数の食材を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食材の組み合わせ方法と、複数の食品を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食品の組み合わせ方法を提供することである。
この発明に従った食材の組み合わせ方法は、高GI食材を含む複数の食材を用いた食材の組み合わせ方法であって、複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定する。
食材とは、例えば、ささみ、ベーコン、食塩、マヨネーズ等、調理されるための材料を表すものとする。
主食と副食を合わせた食事の全体は、複数の食材によって構成される。本発明者らは、血糖値の上昇に影響を及ぼす炭水化物に注目し、種々の検討を重ねた結果、食事において摂取される総糖質量に対する高GI食材の糖質量が、血糖値の上昇度合いに比較的大きな影響を及ぼすことを見出した。また、食事において摂取される総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合を低くすることによって、血糖値の上昇をおだやかにして、血糖値の上昇を抑制することができることを見出した。
このような知見に基づいて、本発明に従った食材の組み合わせ方法は、複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定することによって、複数の食材に高GI食材が含まれていても、組み合わせられた複数の食材の全体が食事において摂取されたときの血糖値の上昇度合いを調整することができる。
このようにすることによって、ダイエット米やダイエットご飯のように食事を構成するそれぞれの食材自体を低GI化しなくても、食事を摂取したときの血糖値の上昇を抑えることができる。食事を低GI食材のみによって構成する必要がないので、通常の食事のように主食と副食を食べ合わせても、血糖値の上昇を抑える効果を得ることができる。また、特定の食材から特定の成分を抽出して別の食材に添加する必要もない。
このようにすることにより、複数の食材を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食材の組み合わせ方法を提供することができる。
この発明に従った食材の組み合わせ方法においては、複数の食材の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%であることが好ましい。
日本人の食事摂取基準のひとつに、三大栄養素のバランス(PFCバランス)がある。これは、摂取総エネルギー中に占める栄養素のエネルギー比率を示したもので、総タンパク質:総脂質:総炭水化物=10〜20%:15〜25%:50〜70%であることが好ましいとされている。PFCバランスは、生活強度、年齢によらず、この範囲に設定されている。
そこで、複数の食材の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%であるようにすることにより、栄養バランスを満たした上で、血糖値の上昇を抑制する効果を有する食材の組み合わせ方法を提供することができる。
この発明に従った食材の組み合わせ方法においては、複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が86%以下であるように、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定することが好ましい。
このようにすることにより、組み合わせられた複数の食材が摂取されたときの血糖値の上昇を確実に抑制することができる。
この発明に従った食品の組み合わせ方法は、高GI食品を含む複数の食品を用いた食品の組み合わせ方法であって、複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食品に含まれる高GI食品の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定する。
食品とは、例えば、ささみのチーズ焼きやごはん等、調理された食材を表すものとする。ごはんのように、単一の食材が調理されてひとつの食品にされてもよいし、ささみのチーズ焼きのように、複数の食材が調理されてひとつの食品にされてもよい。
主食と副食を合わせた食事の全体は、複数の食品によって構成される。本発明者らは、血糖値の上昇に影響を及ぼす炭水化物に注目し、種々の検討を重ねた結果、食事において摂取される総糖質量に対する高GI食品の糖質量が血糖値の上昇度合いに比較的大きな影響を及ぼすことを見出した。また、食事において摂取される総糖質量に対する高GI食品の糖質量の割合を低くすることによって、血糖値の上昇をおだやかにして、血糖値の上昇を抑制することができることを見出した。
このような知見に基づいて、本発明に従った食品の組み合わせ方法は、複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食品に含まれる高GI食品の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定することによって、複数の食材に高GI食品が含まれていても、組み合わせられた複数の食品の全体が食事において摂取されたときの血糖値の上昇度合いを調整することができる。
このようにすることによって、ダイエット米やダイエットご飯のように食事を構成するそれぞれの食品自体を低GI化しなくても、食事を摂取したときの血糖値の上昇を抑えることができる。食事を低GI食品のみによって構成する必要がないので、通常の食事のように主食と副食を食べ合わせても、血糖値の上昇を抑える効果を得ることができる。また、特定の食品から特定の成分を抽出して別の食品に添加する必要もない。
このようにすることにより、複数の食品を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食品の組み合わせ方法を提供することができる。
この発明に従った食品の組み合わせ方法においては、複数の食品の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%であることが好ましい。
このようにすることにより、栄養バランスを満たした上で、血糖値の上昇を抑制する効果を有する食品の組み合わせ方法を提供することができる。
この発明に従った食品の組み合わせ方法においては、複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する高GI食品の糖質量の割合が86%以下であるように、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定することが好ましい。
このようにすることにより、組み合わせられた複数の食品が摂取されたときの血糖値の上昇を確実に抑制することができる。
以上のように、この発明によれば、複数の食材を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食材の組み合わせ方法と、複数の食品を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食品の組み合わせ方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置の制御関連の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置による食材の組み合わせ行程を順に示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置の表示部に表示される表の一例である。 本発明の第1実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置の表示部に表示される表の別の例である。 本発明の第2実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置の制御関連の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置による食材の組み合わせ行程を順に示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置による、食材の組み合わせ行程の別の形態を順に示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置の制御関連の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置による、食品の組み合わせ行程の別の形態を順に示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置の表示部に表示される表の例である。 本発明の第3実施形態に係る血糖上昇抑制対応栄養価計算装置の表示部に表示される表の別の例である。 基準食と、食品群A〜Dの摂取時の血糖値変化、すなわち、血糖上昇曲線を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、食材とは、例えば、ささみ、ベーコン、食塩、マヨネーズ等、調理されるための材料を表すものとする。また、食品とは、例えば、ささみのチーズ焼きやごはん等、調理された食材を表すものとする。ごはんのように、単一の食材が調理されてひとつの食品にされてもよいし、ささみのチーズ焼きのように、複数の食材が調理されてひとつの食品にされてもよい。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る食材の組み合わせ方法によって食材の組み合わせを決定するための血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1は、制御関連の構成として、演算部10と、入力部20と、表示部30とを備える。演算部10は、情報処理部11と、栄養価計算データベース12と、GI値データベース13とを含む。入力部20は、喫食者属性入力部21と、生体情報入力部22と、食材入力部23とを含む。表示部30は、栄養価計算表示部31と、GI判定表示部32とを含む。
使用者は、入力部20の喫食者属性入力部21に、使用者の年齢や性別などを入力し、生体情報入力部22に、使用者の身長、体重、体脂肪率、空腹時血糖値などを入力する。また使用者は、食材入力部23に食材の名称と量とを入力する。また、使用者は、食材入力部23に、食材を用いて調理される食品の名称を入力する。これらの入力を、演算部10を備えるパーソナルコンピュータに接続されたキーボードから行なうことができるように、入力部20が構成されている。
演算部10の栄養価計算データベース12には、様々な食材のエネルギー(kcal)、タンパク質(g)、脂質(g)、炭水化物(g)、各種ミネラル(mg)、各種ビタミン(mg)、飽和・不飽和脂肪酸(g)、食物繊維(g)等が記憶されている。また、各食材について、炭水化物量から食物繊維量を差し引いて得られる糖質量(g)が記憶されている。
演算部10のGI値データベース13には、炭水化物量から食物繊維量を差し引いて得られる糖質量(g)の割合が高い食材が、GIレベルによって高GI食材、中GI食材、低GI食材に分類されて記憶されている。GIレベルは、GI国際表(「インタナショナル・テーブル・オブ・グライセミック・インデックス・アンド・グライセミック・ロード(International table of glycemic index and glycemic load)」、「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション(The American Journal of Clinical Nutrition)、(米国)、2002年、76巻、p.5−56)を参照して決定される。
演算部10の情報処理部11は、入力部20に入力された情報に基づいて、栄養価計算データベース12と、GI値データベース13とを参照し、入力された複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計し、総糖質量を求める。また、求められた総糖質量に対する、複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合を求める。情報処理部11では、さらに、組み合わせられた複数の食材のエネルギー(kcal)、タンパク質(g)、脂質(g)、炭水化物(g)、各種ミネラル(mg)、各種ビタミン(mg)、飽和・不飽和脂肪酸(g)、食物繊維(g)、食塩(g)等の量を計算する。情報処理部11としては、一般に市販されている栄養価計算ソフトが用いられてもよい。
表示部30のGI判定表示部32は、演算部10によって求められた、総糖質量に対する高GI食材の糖質量と、各食材のGIレベル(高GI、中GI,低GI)を表示する。また、栄養価計算表示部31は、組み合わせられた複数の食材のエネルギー(kcal)、タンパク質(g)、脂質(g)、炭水化物(g)、各種ミネラル(mg)、各種ビタミン(mg)、飽和・不飽和脂肪酸(g)、食物繊維(g)、食塩(g)等の量を表示する。また、表示部30は、喫食者属性入力部21と生体情報入力部22に入力された喫食者の情報や、複数の食材の総糖質量、PFCバランス等の他の情報を表示してもよい。
使用者は、表示部30に表示された高GI食材の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定する。例えば、高GI食材の糖質量の割合が比較的高い場合には、使用者は、食材入力部23を操作して、高GI食材の分量を減らしたり、高GI食材を中GI食材や低GI食材に置き換えたりすることができる。
使用者は、例えば、このようにして組み合わされた食材を用いて調理することができる。調理された複数の食材の中には、高GI食材が含まれているとしても、組み合わされた複数の食材全体としての高GIの割合を低くすることによって、複数の食材を摂取したときの血糖上昇を抑制することができる。
血糖上昇抑制対応栄養価計算装置を用いた、具体的な食材の組み合わせ方法の一例について説明する。ここでは、使用者が複数の食品からなる献立を作成する場合について説明する。
図2に示すように、ステップS101では、使用者が、喫食者属性入力部21に喫食者識別情報として、食材を摂食する人の年齢、性別を入力する。情報処理部11では、入力された情報に基づいて、識別情報をもとに一日に必要なエネルギー、栄養成分量などが判別される。
次に、ステップS102では、使用者が、生体情報入力部22に喫食者の生体情報を入力する。特定の個人に対して食材の組み合わせを行う場合、身長、体重、耐糖能異常の有無などの生体指標を入力することができる。
ステップS103では、生体情報入力部22に入力された情報に基づいて、情報処理部11が、喫食者は耐糖能異常がないかどうかを判断する。耐糖能異常がなければ、ステップS104に進む。耐糖能異常があれば、制御処理を終了する。これは、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1は、耐糖能異常発症を予防するために食材を組み合わせるための装置であって、すでに耐糖能異常を有する喫食者については医師の指導による食事管理が必要であるからである。
ステップS104では、使用者が、食材入力部23に、献立に含まれる複数の食品の名称を入力する。
例えば、使用者が「ささみのチーズ焼き」と「ほうれん草の煮浸し」と「焼きジャガイモ」と「ごはん(お茶碗1杯)」を一度の食事の献立にするときには、まず、食材入力部23に、食品名として「ささみのチーズ焼き」と「ほうれん草の煮浸し」と「焼きジャガイモ」と「ごはん(お茶碗1杯)」のそれぞれを入力する。
次に、ステップS105では、各食品に用いる食材の名称と分量とを、ひとつひとつ順番に入力する。まず、「ささみのチーズ焼き」の食材として、「にわとり 若鶏 ささ身」を50g、「ベーコン」を8.8g、「食塩」を0.1g、「黒こしょう」を0.1g、「全卵型マヨネーズ」を5g、「たまねぎ 生」を30g、「スイートコーン ホール 冷凍」を10g、「プロセスチーズ」を10g、用いることを入力する。次に「ほうれん草の煮浸し」の食材として、「ほうれんそう 生」を100g、「濃い口しょうゆ」を8g、「本みりん」を5g、「合成清酒」を3g、「かつお、昆布だし」を60g、用いることを入力する。次に、「焼きジャガイモ」の食材として、「トマトケチャップ」を6g、「生じゃがいも」を100g、用いることを入力する。最後に、「ごはん(お茶碗1杯)」の食材として、「水稲 精白米 飯」を125g用いることを入力する。このようにして、使用者は、食品と食材とを、必要数、ひとつずつ入力する。なお、この実施形態においては、使用者が入力するそれぞれの食材の分量は、1人分の分量であるものとする。
ステップS106では、食品と食材の入力が完了されたかどうかを情報処理部11が判断する。情報処理部11は、例えば、使用者によって入力完了したことが入力されたことによって、入力完了を判断してもよい。
ステップS107では、ステップS104とステップS105で入力された食品の名称、食材の名称、食材の分量に基づいて、献立の内容と、献立に用いられる各食材の栄養価と、GIレベルが表示される。
図3に示すように、表示部30には、献立の内容が一覧にして表示される。栄養価計算表示部31には、献立に含まれる総糖質量(g)、各食材のエネルギー(kcal)、タンパク質(g)、脂質(g)、炭水化物(g)、PFCバランス、各種ミネラル(mg)、各種ビタミン(mg)、飽和・不飽和脂肪酸(g)、食物繊維(g)、食塩(g)等が表示される。このように、使用者は、表示部30の表示を通して、献立に含まれる各栄養の総量と、PFCバランスを確認することができる。
また、献立に含まれる食材のうち、炭水化物量から食物繊維量を差し引いた糖質量が比較的多い食材については、高GI、中GI、低GIのレベルが表示されている。この実施形態においては、図3に示すように、「生じゃがいも」と「水稲 精白米 飯」とが高GI食材、「たまねぎ 生」と「本みりん」と「トマトケチャップ」とが中GI食材、「スイートコーン ホール 冷凍」が低GI食材であることが示されている。
GI判定表示部には、献立全体の総糖質量に対する高GI食材による糖質量の割合とが表示されている。この実施形態においては、図3に示すように、総糖質量は71.6gであり、高GI食材による糖質量の総糖質量に対する割合は0.87(87%)であることが表示されている。
図2に示すように、ステップS108では、使用者は、献立全体の総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合が86%以下であるかどうかを確認する。献立全体の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が86%以下であれば、食材の組み合わせを終了する。献立全体の総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合が86%以下でなければ、ステップS109に進む。
図3に示すように、高GI食材の割合が87%であるので、ステップS109では使用者は、高GI食材の割合が86%以下になるように、食材入力部23に食材の分量を入力し直して食材の分量を変更する。
例えば、「焼きじゃがいも」の食材のうち、高GI食材である「生じゃがいも」を100gから50gに減量する。一方で、「ささみのチーズ焼き」の食材のうち、GIレベルのない「黒こしょう」を0.2gに増量し、「全卵型マヨネーズ」を10gに増量し、中GI食材である「たまねぎ 生」を60gに増量し、低GI食材である「スイートコーン ホール 冷凍」を30gに増量し、GIレベルのない「プロセスチーズ」を20gに増量する。さらに、「ほうれん草の煮浸し」の食材のうち、GIレベルのない「ほうれんそう 生」を200gに増量し、GIレベルのない「濃い口しょうゆ」を16gに増量し、「本みりん」を7.5gに増量し、「合成清酒」を4.5gに増量し、「かつお・昆布だし」を120gに増量する。
図4に示すように、このようにして変更された後には、使用者は表示部30を通して、献立全体の糖質量は最初の入力完了時と同量の71.6gであるが、高GI食材の糖質量の割合が0.76(76%)に低下していることを確認することができる。
一度の変更で高GI食材の糖質量が86%以下にならない場合には、使用者は、何度でも食材の分量を変更したり、食材を削除したりして、高GI食材の糖質量が86%以下になるように調整することができる。
このように、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1では、献立全体の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合を算出して表示する。使用者は、表示された高GI食材の糖質量の割合を、その献立によって食事を摂取した場合の血糖上昇の度合いの指標とすることができる。使用者は、このような指標を用いることによって、血糖上昇をおだやかにするように献立を作成することが簡単になる。このように、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1は、献立作成装置として使用されてもよい。
また、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1は、献立全体として高GI食材の糖質量の割合が86%を超えて高GI食になりそうな場合には、使用者に注意を喚起したり、低GI化するための選択肢を使用者に提示したりする、低GIメニュー作成のプログラム等を動作させてもよい。
以上のように、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1における食材の組み合わせ方法は、高GI食材を含む複数の食材を用いた食材の組み合わせ方法であって、複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定する。
主食と副食を合わせた食事の全体は、複数の食材によって構成される。そこで、複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定することによって、組み合わせられた複数の食材の全体が食事において摂取されたときの血糖値の上昇度合いを調整することができる。
このようにすることによって、ダイエット米やダイエットご飯のように食事を構成するそれぞれの食材自体を低GI化しなくても、食事を摂取したときの血糖値の上昇を抑えることができる。食事を低GI食材のみによって構成する必要がないので、通常の食事のように主食と副食を食べ合わせても、血糖値の上昇を抑える効果を得ることができる。また、特定の食材から特定の成分を抽出して別の食材に添加する必要もない。
このようにすることにより、複数の食材を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食材の組み合わせ方法を提供することができる。
また、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1における食材の組み合わせ方法においては、複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が86%以下であるように、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定する。
このようにすることにより、組み合わせられた複数の食材が摂取されたときの血糖値の上昇を確実に抑制することができる。
(第2実施形態)
図5に示すように、第2実施形態の血糖上昇抑制対応栄養価計算装置2が第1実施形態の血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1(図1)と異なる点としては、演算部10にメニューデータベース14を備え、入力部20にメニュー選択部24を備え、表示部30にメニュー表示部33を備える。メニューデータベース14には、例えば「ささみのチーズ焼き」などの食品名と、それぞれの食品を調理するために用いられる食材の分量の例、例えば、「ささみのチーズ焼き」には「にわとり 若鶏 ささ身 50g」や「ベーコン 8.8g」が用いられることなどが記憶されている。血糖上昇抑制対応栄養価計算装置2は、メニューデータベース14に記憶されているメニューをメニュー表示部33に表示し、使用者がメニュー選択部24を操作して、メニューから喫食する食品の名称を選択すると、その食品を調理するために必要な食材の種類と量とが表示されるように構成されている。
図6に示すように、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置2を用いて食材の組み合わせを決定するときには、第1実施形態と同様に、ステップS201で、使用者が、喫食者属性入力部21に喫食者識別情報として、その食品を摂食する人の年齢、性別を入力する。情報処理部11では、入力された情報に基づいて、識別情報をもとに一日に必要なエネルギー、栄養成分量などが判別される。
次に、ステップS202では、使用者が、生体情報入力部22に喫食者の生体情報を入力する。特定の個人に対して食材の組み合わせを行う場合、身長、体重、耐糖能異常の有無などの生体指標を入力することができる。
ステップS203では、生体情報入力部22に入力された情報に基づいて、情報処理部11が、喫食者は耐糖能異常がないかどうかを判断する。耐糖能異常がなければ、ステップS204に進む。耐糖能異常があれば、制御処理を終了する。
ステップS204では、情報処理部11が、メニュー表示部33にメニューを表示させる。表示されるメニューは、メニューデータベース14に記憶されているメニューであり、季節や場所、喫食者の識別情報に基づいて変更されてもよい。メニュー表示部33には、例えば、メニューとして「ささみのチーズ焼き」「鮭のゴマ焼き」「ナスいりハンバーグ」「ほうれん草の煮浸し」「きのこのサッパリ煮」「大根とニンジンの煮ナマス」「焼きジャガイモ」「大根のベーコン炒め」「カボチャサラダ」「ごはん(お茶碗1杯)」などの食品名が表示される。
ステップS205では、使用者は、メニュー選択部24を操作して、メニュー表示部33に表示されているメニューのうちから少なくとも一つの食品を選択する。使用者は、例えば、「ささみのチーズ焼き」と「ほうれん草の煮浸し」と「焼きジャガイモ」と「ごはん(お茶碗1杯)」の4つの食品を選択する。
ステップS206では、ステップS205でメニューから選択された食品の名称と、その食品を調理するために用いられる食材の名称、食材の分量、各食材の栄養価、各食材のGIレベル、総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合とが表示部30に表示される。表示部30には、第1実施形態と同様に、図3に示す表が表示される。使用者は、表示部30の表示を通して、献立に含まれる各栄養の総量と、PFCバランスを確認することができる。なお、この実施形態においては、表示部30に表示されるそれぞれの食材の分量は、1人分の分量であるものとする。
ステップS207では、使用者は、献立全体の総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合が86%以下であるかどうかを確認する。献立全体の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が86%以下であれば、食材の組み合わせを終了する。献立全体の総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合が86%以下でなければ、ステップS208に進む。
ステップS208では、使用者は、献立全体の総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合が86%になるように、食材入力部23に食材の分量を入力して食材の分量を変更する。このとき、情報処理部11は、メニュー表示部33に、高GI食材があまり含まれていない食品や、高GI食材が含まれない食品を表示させて、使用者にメニューを再び選択させてもよい。
一度の変更で高GI食材の糖質量が86%以下にならない場合には、使用者は、何度でも食材の分量を変更したり、食材を削除したりして、高GI食材の糖質量が86%以下になるように調整することができる。
使用者は、このように構成される血糖上昇抑制対応栄養価計算装置2を、例えば献立作成時に用いることができる。使用者がメニュー選択部24によって表示部30に表示されるメニューからいくつかの食品を選択すると、それぞれの食品を調理するために用いられる食材の名称と量が表示部30に表示される。このように、使用者はメニュー選択部24によって、メニューから食品を選択することができるので、使用者は、ひとつひとつの食材を順に入力する必要がない。
次に、第2実施形態の血糖上昇抑制対応栄養価計算装置2を用いた別の食材の組み合わせ方法について説明する。
図7に示すように、ステップS211で、使用者が、喫食者属性入力部21に喫食者識別情報として、その食材を摂食する人の年齢、性別を入力する。情報処理部11では、入力された情報に基づいて、識別情報をもとに一日に必要なエネルギー、栄養成分量などが判別される。
次に、ステップS212では、使用者が、生体情報入力部22に喫食者の生体情報を入力する。特定の個人に対して食材の組み合わせを行う場合、身長、体重、耐糖能異常の有無などの生体指標を入力することができる。
ステップS213では、生体情報入力部22に入力された情報に基づいて、情報処理部11が、喫食者は耐糖能異常がないかどうかを判断する。耐糖能異常がなければ、ステップS214に進む。耐糖能異常があれば、制御処理を終了する。
ステップS214では、情報処理部11が、メニュー表示部33にメニューを表示させる。表示されるメニューは、メニューデータベース14に記憶されているメニューであり、季節や場所、喫食者の識別情報に基づいて変更されてもよい。表示部30には、たとえば、メニューとして「ささみのチーズ焼き」「鮭のゴマ焼き」「ナスいりハンバーグ」「ほうれん草の煮浸し」「きのこのサッパリ煮」「大根とニンジンの煮ナマス」「焼きジャガイモ」「大根のベーコン炒め」「カボチャサラダ」「ごはん(お茶碗1杯)」などの食品名が表示される。
ステップS215では、使用者は、メニュー選択部24を操作して、メニュー表示部33に表示されているメニューのうちから少なくとも一つの食品を選択する。使用者は、例えば、「ささみのチーズ焼き」と「ほうれん草の煮浸し」と「焼きジャガイモ」と「ごはん(お茶碗1杯)」の4つの食品を選択する。
ステップS216では、ステップS215でメニューから選択された食品の名称と、その食品を調理するために用いられる食材の名称、食材の分量、各食材の栄養価、各食材のGIレベル、総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合とが表示部30に表示される。表示部30には、第1実施形態と同様に、図3に示す表が表示される。使用者は、表示部30の表示を通して、献立に含まれる各栄養の総量と、PFCバランスを確認することができる。図3には、総タンパク質の割合は18%、総脂質の割合は20%、総炭水化物の割合は60%である場合について示されている。
上述のように、PFCバランスは、総エネルギー量に対する総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%であることが好ましいとされている。ステップS217では、使用者は、総エネルギー量に対する総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%であるかどうかを確認する。総エネルギー量に対する総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%であれば、ステップS218に進む。総エネルギー量に対する総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%でなければ、ステップS219に進む。
ステップS219では、使用者は、食材の分量を変更して、総エネルギー量に対する総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%になるように、食材入力部23に各食材の分量を入力する。使用者は、食材の分量を増減させるだけでなく、食材を別の食材と置き換えてもよい。また、ステップS219では、情報処理部11が表示部30に、中GI食材と低GI食材のリストを表示させて、使用者にリストから食材を選択させてもよい。
ステップS218では、使用者は、献立全体の総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合が86%以下であるかどうかを確認する。献立全体の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が86%以下であれば、食材の組み合わせを終了する。献立全体の総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合が86%以下でなければ、ステップS219に進む。
ステップS219では、使用者は、食材の分量を変更する。使用者は、献立全体の総糖質量に対する複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合が86%になるように、食材入力部23に食材の分量を入力する。このとき、メニュー表示部33に、高GI食材があまり含まれていない食品や、高GI食材が含まれない食品を表示させて、使用者にメニューを再び選択させてもよい。
一度の変更で高GI食材の糖質量が86%以下にならない場合には、使用者は、何度でも食材の分量を変更したり、食材を削除したりして、高GI食材の糖質量が86%以下になるように調整することができる。
以上のように、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置2における食材の組み合わせ方法においては、複数の食材の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%であることが好ましい。
日本人の食事摂取基準のひとつに、三大栄養素のバランス(PFCバランス)がある。これは、摂取総エネルギー中に占める栄養素のエネルギー比率を示したもので、タンパク質:脂質:炭水化物=10〜20%:15〜25%:50〜70%であることが好ましいとされている。PFCバランスは、生活強度、年齢によらず、この範囲に設定されている。
そこで、複数の食材の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%であるようにすることにより、栄養バランスを満たした上で、血糖値の上昇を抑制する効果を有する食材の組み合わせ方法を提供することができる。
第2実施形態の血糖上昇抑制対応栄養価計算装置2のその他の構成と効果は、第1実施形態の血糖上昇抑制対応栄養価計算装置1と同様である。
(第3実施形態)
次に、食材ではなく、すでに食材が調理された食品の組み合わせを行なう場合について説明する。例えば、市販されている弁当には、他人が組み合わせた複数の食材を用いて調理された食品が数種類、含まれている。第3実施形態の血糖値上昇抑制対応栄養価計算装置を用いて、このように、すでに組み合わせた複数の食材を用いて調理された複数の食品を組み合わせる方法について説明する。
図8に示すように、本発明に係る食材の組み合わせ方法によって食品の組み合わせを決定するための血糖上昇抑制対応栄養価計算装置3は、第2実施形態の血糖上昇抑制対応栄養価計算装置2(図5)とほぼ同様に構成されている。しかし、第3実施形態の血糖上昇抑制対応栄養価計算装置3では、図5の入力部20の食材入力部23に加えて、食品名とその食品の分量を入力するための食品入力部25を備える。なお、食材入力部23と食品入力部25とがひとつの入力部で兼ねられていてもよい。
また、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置3の演算部10の栄養価計算データベース12には、食品を調理するために用いられる各食材のそれぞれの分量や栄養価だけではなく、その食品を調理するときに一般的に用いられる食材の分量と栄養価の合計が記憶されている。例えば、食品として115gの「ささみのチーズ焼き」については、食材として「にわとり 若鶏 ささ身」50gと、「ベーコン」8.8gと、「食塩」0.1gと、「黒こしょう」0.1gと、「全卵型マヨネーズ」5gと、「たまねぎ 生」30gと、「スイートコーン ホール 冷凍」10gと、「プロセスチーズ」10gとが記憶され、これらの食材を用いて調理された「ささみのチーズ焼き」の総分量(115g)、総エネルギー量(189cal)、総タンパク質量(15.7g)、総脂質量(10.4g)、総炭水化物量(4.9g)、総糖質量(4.1g)、その他、カルシウムやビタミンなどの量が記憶されている。なお、この実施形態においては、栄養価計算データベース12に記憶されているそれぞれの食材の分量は、1人分の分量であるものとする。
また、演算部10のGI値データベース13には、複数の食材から構成されるひとつの食品全体の総糖質量に対する高GI食材による糖質量の割合が高い食品が、高GI食品として記憶されている。高GI食品は、複数の食材から構成されるひとつの食品全体の総糖質量に対する、高GI食材による糖質量の割合に基づいて、食品の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が所定の割合よりも大きい食品を高GI食品として分類されて記憶されている。この実施形態においては、高GI食品は、食品の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が86%よりも大きい食品であるものとする。なお、この実施形態においては、高GIであるかどうかの分類は、食品100g中の糖質が10g以上の食品について行なう。この実施形態においては、食品の総重量中、糖質の重量が10g以下の食品については、高GI食品であるか、高GI食品でないかどうかの分類を行なわない。
以上のように構成されている血糖上昇抑制対応栄養価計算装置3によって、例えば、使用者が購入した弁当に「ささみのチーズ焼き」と「ほうれん草の煮浸し」と「焼きジャガイモ」と「ごはん(お茶碗1杯分)」とが含まれているときに、この弁当に含まれる食品を用いて、食品の組み合わせを行なう場合について説明する。
図9に示すように、ステップS301では、情報処理部11は、メニュー表示部33にメニューを表示させる。表示されるメニューは、メニューデータベース14に記憶されているメニューである。表示部30には、たとえば、メニューとして「ささみのチーズ焼き」「鮭のゴマ焼き」「ナスいりハンバーグ」「ほうれん草の煮浸し」「きのこのサッパリ煮」「大根とニンジンの煮ナマス」「焼きジャガイモ」「大根のベーコン炒め」「カボチャサラダ」「ごはん(お茶碗1杯)」の各食品が表示される。
ステップS302では、使用者はメニュー選択部24を操作して、メニュー表示部33に表示されているメニューのうちから、弁当に含まれている食品を選択する。使用者が購入した弁当には「ささみのチーズ焼き」と「ほうれん草の煮浸し」と「焼きジャガイモ」と「ごはん(お茶碗1杯分)」が含まれているので、使用者はこれらの食品を選択する。
ステップS303では、使用者は、食品入力部25を操作して、弁当に含まれている各食品の分量を入力する。例えば、「ささみのチーズ焼き」が115g、「ほうれん草の煮浸し」が176g、「焼きジャガイモ」が106g、「ごはん(お茶碗1杯)」が125g、含まれていることを入力する。
ステップS304では、ステップS302でメニューから選択された食品の名称と、その食品を調理するために一般的に用いられる食材の名称と、ステップS303で使用者が入力した食品の分量中に含まれる各食材の一般的な分量と各食材の栄養価と、各食材のGIレベル、各食品のGIレベルが表示部30に表示される。
図10に示すように、表示部30には、弁当の内容が一覧にして表示される。栄養価計算表示部31には、弁当に含まれる各食品中の各食材のエネルギー(kcal)、タンパク質(g)、脂質(g)、炭水化物(g)、各種ミネラル(mg)、各種ビタミン(mg)、飽和・不飽和脂肪酸(g)、食物繊維(g)、食塩(g)等が表示される。このように、使用者は、表示部30の表示を通して、献立に含まれる各栄養の総量と、PFCバランスを確認することができる。また、「ささみのチーズ焼き」と「ほうれん草の煮浸し」は、食品100g中に10g以上の糖質を含むが高GI食品ではないことを表すために、例えば「★」の記号が表示され、「焼きジャガイモ」と「ごはん(お茶碗1杯)」は高GI食品であることが表示部30のGI判定表示部32に表示される。また、弁当全体の総糖質量に対する高GI食品の糖質量が88%(0.88)であることが示されている。
図9に示すように、ステップS305では、表示部30に表示された複数の食品の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%の範囲内であるかどうかを確認する。総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%の範囲内であれば、ステップS306に進む。総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%の範囲内でなければ、ステップS307に進む。
ステップS306では、使用者は、複数の食品の全体の総糖質量に対する高GI食品の糖質量の割合が86%以下であるかどうかを確認する。総糖質量に対する高GI食品の糖質量の割合が86%以下であれば、食品の組み合わせを終了する。総糖質量に対する高GI食品の糖質量の割合が86%以下でなければ、ステップS307に進む。
ステップS307では、使用者は、食品入力部25を操作して、食品の分量を変更する。例えば、使用者は、「焼きジャガイモ」の量を半分にして53gにしたり、「ごはん(お茶碗1杯)」の量を8割にして100gにしたりすることができる。
図11に示すように、「焼きジャガイモ」の量を半分にして53gにしたり、「ごはん(お茶碗1杯)」の量を8割にして100gにした場合には、使用者は表示部30を通して、高GI食品の糖質量の割合が0.85(85%)に低下していることを確認することができる。一度の変更で高GI食品の糖質量が86%以下にならない場合には、使用者は、何度でも食品の分量を変更したり、食品を削除したりして、総糖質量に対する高GI食品の糖質量が86%以下になるように調整することができる。
以上のように、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置3における食品の組み合わせ方法は、高GI食品を含む複数の食品を用いた食品の組み合わせ方法であって、複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食品に含まれる高GI食品の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定する。
主食と副食を合わせた食事の全体は、複数の食品によって構成される。そこで、複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する複数の食品に含まれる高GI食品の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定することによって、組み合わせられた複数の食品の全体が食事において摂取されたときの血糖値の上昇度合いを調整することができる。
このようにすることによって、ダイエット米やダイエットご飯のように食事を構成するそれぞれの食品自体を低GI化しなくても、食事を摂取したときの血糖値の上昇を抑えることができる。食事を低GI食品のみによって構成する必要がないので、通常の食事のように主食と副食を食べ合わせても、血糖値の上昇を抑える効果を得ることができる。また、特定の食品から特定の成分を抽出して別の食品に添加する必要もない。
このようにすることにより、複数の食品を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制する効果を有する食品の組み合わせ方法を提供することができる。
また、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置3における食品の組み合わせ方法においては、複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する高GI食品の糖質量の割合が86%以下であるように、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定する。
このようにすることにより、組み合わせられた複数の食品が摂取されたときの血糖値の上昇を確実に抑制することができる。
また、血糖上昇抑制対応栄養価計算装置3における食品の組み合わせ方法においては、複数の食品の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%である。
このようにすることにより、栄養バランスを満たした上で、血糖値の上昇を抑制する効果を有する食品の組み合わせ方法を提供することができる。
本発明の食材の組み合わせ方法によって、本発明の効果の一つである、複数の食材を組み合わせたときに血糖値の上昇を抑制することができることを、以下のようにして確認した。
次に示す食品群A〜Dの4つの食品群を被験者に摂取させて、接取後の血糖値を測定し、食品群によって血糖上昇にどのような違いが現れるかを検討した。
表1は、食品群Aに含まれる食品と食材と、PFCバランスと、GIレベルと、各食材に含まれる栄養の量を示す。
Figure 2011019402
表1に示すように、食品群Aに含まれる食品は、「ささみのチーズ焼き」「ほうれん草の煮浸し」「焼きジャガイモ」「ごはん(お茶碗1杯)」であった。食品群Aは、糖質を多く含む食材としては、「「たまねぎ 生」「スイートコーン ホール 冷凍」「本みりん」「トマトケチャップ」「生じゃがいも」「水稲 精白米 飯」とを含んでいた。そのうち、高GI食材は「水稲 精白米 飯」「生じゃがいも」であった。食品群Aにおいては、総糖質量に対する高GI食材の糖質の割合は87%であった。
表2は、食品群Bに含まれる食品と食材と、PFCバランスと、GIレベルと、各食材に含まれる栄養の量を示す。
Figure 2011019402
表2に示すように、食品群Bに含まれる食品も、「ささみのチーズ焼き」「ほうれん草の煮浸し」「焼きジャガイモ」「ごはん(お茶碗1杯)」であった。食品群Bも、糖質を多く含む食材として、「「たまねぎ 生」「スイートコーン ホール 冷凍」「本みりん」「トマトケチャップ」「生じゃがいも」「水稲 精白米 飯」とを含んでいた。そのうち、高GI食材は「水稲 精白米 飯」「生じゃがいも」であった。食品群Bにおいては、総糖質量に対する高GI食材の糖質の割合は87%であった。食品群Aと食品群Bとは、「水稲 精白米 飯」「生じゃがいも」の量が異なっていた。
表3は、食品群Cに含まれる食品と食材と、PFCバランスと、GIレベルと、各食材に含まれる栄養の量を示す。
Figure 2011019402
表3に示すように、食品群Cに含まれる食品は、「鮭のゴマ焼き」「きのこのサッパリ煮」「大根のベーコン炒め」「ごはん(お茶碗1杯)」でった。食品群Cは、糖質を多く含む食材として「本みりん」「だいこん 根 皮付き 生」「水稲 精白米 飯」を含んでいた。そのうち、高GI食材は「水稲 精白米 飯」であった。食品群Cにおいて、総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合は84%であった。
表4は、食品群Dに含まれる食品と食材と、PFCバランスと、GIレベルと、各食材に含まれる栄養の量を示す。
Figure 2011019402
表4に示すように、食品群Dに含まれる食品は、「ナスいりハンバーグ」「大根とニンジンの煮ナマス」「カボチャサラダ」「ごはん(お茶碗1杯)」であった。食品群Dは、糖質を多く含む食材として、「ナス 生」「馬鈴薯でん粉」「上白糖」「だいこん 根 皮むき 生」「にんじん 皮むき 生」「西洋かぼちゃ 生」「ミニトマト 生」「水稲 精白米 飯」を含んでいた。そのうち、高GI食材は「馬鈴薯でん粉」「水稲 精白米 飯」「上白糖」であった。食品群Dにおいて、総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合は65%であった。
なお、表1〜4に示す食材のGIレベルは、GI国際表を参照して決定されたものである。表1〜4に示すように、食品群A〜Dのそれぞれの食品群について、総糖質量が70g程度になるように調整された。1回の食事で摂取される必要がある糖質量は、70g程度である。そこで、この実施例では、食品群A〜Dのそれぞれの食品が含む総糖質量が70g程度になるように調整した。
これらの食品群A〜Dを摂取した被験者の血糖値の上昇を測定し、各食品群のGIを求めた。GIは、後述するように、70gのグルコース液あるいは白飯などを基準食として摂取した被験者について、摂取後2時間までの血糖値上昇曲線下面積(以下、IAUCとする)から求められた。被験者が摂取した食品A〜Dには、それぞれ、糖質70gが含まれていた。すなわち、食品A〜DのGIは、70gの糖質を摂取後2時間までのIAUCから求められた。
GIを求めるために行われた試験について説明する。被験者には、あらかじめ、ヘルシンキ宣言にのっとり試験の内容を説明し、了解いただいた。試験は、6人以上の被験者に対して行われた。被験者の平均年齢は39.9±7.9歳、平均BMI=23.1±3.6であった。被験者には耐糖能異常のないことを確認した。
なお、試験前日は夜10時以降絶食とし、試験当日は試験が終了するまで検査食以外の飲食物および喫煙を禁止し、できるだけ座位による作業、静かな立ち仕事を行うよう指示した。
試験は、午前8時半から午前9時の間に開始された。まず、被験者は、基準食として糖質70gを含む包装米飯(白飯)(佐藤食品株式会社製「サトウのごはん 新潟産コシヒカリ100%」)を摂取した。その後、被験者の血糖値を評価した。基準食を摂取したときの血糖値の測定を2回行った。採血および血糖値測定には、自己検査用グルコースキット「アキュチェックアビバ」(ロッシュ・ダイアグノスティックス製)を用いた。
基準食の摂取は2回行い、平均して基準値とした。IAUCの算出は空腹時、食品摂取15分後、3分後、45分後、60分後、90分後、120分後の血糖値測定を行い、縦軸にΔ血糖値、横軸に時間をとり、各ポイントを直線で結んだ多角形の面積とした。ただし、空腹時血糖値よりマイナス側に現れる面積は引かなかった。
2回の試験の変動係数(C.V.)(標準偏差/平均)が25%以内であることを確認した上で、平均のIAUCを求めた。(標準偏差/平均)が25%よりも大きい場合は3回目の試験を行い、(標準偏差/平均)がより小さくなるC.V.が25%以内の2データを用いて平均値とした。
また、被験者は、調理後の検査食、すなわち、調理された食品群A〜Dのいずれか1つの食品群と水200mlを一口30回噛んで摂食した。摂食前、摂食後15分、30分、45分、60分、90分、120分の計7回、指先から採血して血糖値の測定を行った。
基準食と同様にして、食品群A〜Dの各食品群についてもIAUCを求めた。GIは、分母に基準食(グルコース液や白飯など)のIAUC、分子に検査食のIAUCで比した値に100を乗じて算出された。検査食の糖質量は、基準食の糖質量とほぼ同量になるよう調製した。
図12に示すように、被験者の血糖値は、基準食と、食品群A〜Dのいずれを摂取した場合にも、摂取後30分〜45分まで上昇し、その後、降下した。
図12に示す血糖上昇曲線から、基準食と、食品群A〜Dのそれぞれの食品群のGIを求めた。各被験者のGI値から平均のGI値を算出すると食品群A〜Dのいずれの食品群でも、基準食のGI(=100)よりも低下していた。食品群AのGIは83±15、食品群BのGI=81±23、食品群CのGIは61±15、食品群DのGIは52±17であった。
高GI、中GI、低GIの分類の基準は、基準食によってレベル範囲が異なる。グルコース液を基準食とする場合には、GIが70以上を高GI、GIが56〜69を中GI、GIが55以下を低GIと分類する。白飯を基準食にする場合にはGIが85以上を高GI、GIが71〜85を中GI、GIが70以下を低GIと分類する。この実施例においては、白飯を基準食とした。
この基準に従って分類すると、GIが83±15の食品群AとGIが81±23の食品群Bとは、食品群全体が高GIであった。また、GIが61±15の食品群Cと、GIが52±17の食品群Dとは、高GI食材が含まれているにも関わらず、食品群全体としては低GIであった。
食品群Aと食品群Bは、どちらも、食品群の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が87%であった。したがって、食品群の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が87%以上であると、食品群全体が高GI化されることがわかった。一方、食品群Cと食品群Dのように、食品群の総糖質量に対する高GI食材の糖質量の割合が86%以下であれば、食品群全体として低GI化できることがわかった。
以上の結果から、高GI食材を含む複数の食材を用いて食材を組み合わせる場合には、複数の食材を構成する各食材の総糖質量に対する、複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定することによって、複数の食品を含む食品群全体のGIを低くすることができることがわかった。特に、食品群Cと食品群Dのように、食品群全体の総糖質に対する高GI食材の糖質量を86%以下にすることによって、食品群全体を低GI化することができた。
また、表1〜4に示すように、PFCバランスを、総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%の適正なバランスにすることによって、栄養バランスを確保しながら、血糖値の上昇を抑制することが可能な食品群を得ることができる。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
この発明の食材の組み合わせ方法と食品の組み合わせ方法は、血糖値の上昇を抑制する効果を有する食材または食品の組み合わせ方法であって、例えば、食品加工業において利用される。

Claims (6)

  1. 高GI食材を含む複数の食材を用いた食材の組み合わせ方法であって、
    前記複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する前記複数の食材に含まれる高GI食材の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定する、食材の組み合わせ方法。
  2. 前記複数の食材の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%である、請求項1に記載の食材の組み合わせ方法。
  3. 前記複数の食材を構成する各食材の糖質量を合計した総糖質量に対する前記高GI食材の糖質量の割合が86%以下であるように、組み合わせられる複数の食材に含まれる各食材の割合を決定する、請求項1または請求項2に記載の食材の組み合わせ方法。
  4. 高GI食品を含む複数の食品を用いた食品の組み合わせ方法であって、
    前記複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する前記複数の食品に含まれる高GI食品の糖質量の割合に基づいて、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定する、食品の組み合わせ方法。
  5. 前記複数の食品の総たんぱく質が10〜20%、総脂質が15〜25%、総炭水化物が50〜70%である、請求項4に記載の食品の組み合わせ方法。
  6. 前記複数の食品を構成する各食品の糖質量を合計した総糖質量に対する前記高GI食品の糖質量の割合が86%以下であるように、組み合わせられる複数の食品に含まれる各食品の割合を決定する、請求項4または請求項5に記載の食品の組み合わせ方法。
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