JP2011015370A - アダプタ装置および伝送路評価システム - Google Patents

アダプタ装置および伝送路評価システム Download PDF

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Abstract

【課題】パッド付の伝送路の伝送特性についての評価装置による評価を可能にする、評価装置に接続されるアダプタ装置およびこれを備える伝送路評価システムを実現する。
【解決手段】試験信号が入力された評価対象伝送路2から出力される出力信号に基づき評価対象伝送路2の伝送特性を評価する評価装置3に接続されるアダプタ装置1は、評価対象伝送路2の入力端へ入力される試験信号と同じ信号が入力される入力端を有する基準伝送路11と、評価対象伝送路2の出力端から出力される出力信号から、基準伝送路11の入力端に生じた試験信号の反射成分と評価対象伝送路の入力端に生じた試験信号の反射成分との差を増幅した反射成分増幅信号と、基準伝送路11における試験信号の通過損失分と評価対象伝送路2における試験信号の通過損失分との差を増幅した通過損失分増幅信号と、を減算して生成される信号を評価装置3への評価信号とする生成手段12と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝送路を通過した評価信号を観測することで伝送路の伝送特性を評価する評価装置に接続されるアダプタ装置および伝送路評価システムに関する。
高速シリアル伝送に用いられる伝送路の伝送品質を評価する方法がいくつか提案されている(非特許文献1)。伝送路の周波数領域における評価項目として、TDR(Time Domain Reflectometry)/TDT(Time Domain Transmission)測定器またはネットワークアナライザにより測定および算出されるSパラメータがある。また、伝送路の時間領域における評価項目として、ステップ応答波形から求められる特性インピーダンス、擬似ランダムデータ信号を伝送路に入力したときに得られるアイダイアグラム(Eye Diagram、「アイパターン(Eye Pattern)」とも称する。)、ジッタ(Jitter)量、ビットエラーレート(Bit Error Rate:BER)がある。
図6は、従来一般に用いられている伝送路評価システムを例示する図である。以降、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。評価対象である伝送路2は、同軸ケーブル102を介して、パルスパターンジェネレータ(Pulse Pattern Generator:PPG)101とオシロスコープ3−1もしくはビットエラーレートテスタ(Bit Error Rate Tester:BERT)3−2とに接続される。パルスパターンジェネレータ101が、試験信号である擬似ランダムデータ信号を伝送路2の一端から入力したとき、伝送路2の他端からは出力として、オシロスコープ3−1であるならばアイダイアグラムやジッタ量が、ビットエラーレートテスタ3−2であるならばビットエラーレートが、観測される。
高速シリアル通信におけるジッタの基礎と測定手法の概要、アジレント・テクノロジ社、〔平成21年6月25日検索〕、インターネット<http://cp.literature.agilent.com/litweb/pdf/5989-8674JAJP.pdf>
Sパラメータおよび特性インピーダンスを評価項目とする場合については、伝送路の伝送品質を管理および解析するには特に問題ないが、信号波形の変化に対する特性についてまでも把握するものではないので、実稼動時の伝送特性を把握できているとはいえない。
一方、アイダイアグラム、ジッタ量、もしくはビットエラーレートなどを評価項目とする場合は、実際のデータ通信に用いられている信号に近い擬似ランダムデータ信号を評価信号として用いているので、得られる測定結果は、実稼動時の伝送特性に近いものといえる。伝送路の伝送損失は、反射成分による反射損失と、伝送路を通過する際に生ずる通過損失(伝送路の材質に依存する損失)とに分けられる。伝送路の配線長が短いほど、通過損失は小さくなる。評価対象である伝送路の配線長が長いことにより伝送損失が大きくなる場合、これらアイダイアグラム、ジッタ量およびビットエラーレートなどの各評価項目は、伝送路ごとの明確な差(バラツキ)として現れるので、伝送路ごとの伝送品質の良し悪しを判別しやすい。しかしながら、伝送路の配線長が非常に短く、誘電損失はほとんどゼロ、かつ伝送路の特性インピーダンスの偏差により生ずる反射損失が小さい場合には、これらアイダイアグラム、ジッタ量およびビットエラーレートなどいずれの評価項目についても伝送路固有の差(バラツキ)が現れにくい。
特に、伝送路の一端にパッドが形成されているような伝送媒体が均一でない伝送路(以下、本明細書では「パッド付伝送路」と称する。)は、均一の伝送媒体がからなる伝送路(以下、本明細書では「均一な伝送路」と称する。)に比べて、次の理由により、アイダイアグラム、ジッタ量およびビットエラーレートなどいずれの評価項目についても伝送路固有の差(バラツキ)がさらに現れにくい。図7〜12は、均一な伝送路およびパッド付伝送路のSパラメータの対比について説明する図である。
図7(a)は、特性インピーダンスが50Ωである均一な伝送路をモデル化したシミュレーション回路を示す図であり、図7(b)は、図7(a)に示すシミュレーション回路についてのSパラメータのシミュレーション結果を示す図である。ここで、均一な伝送路であるマイクロストリップラインの線路長を15.0mm、線路幅を50.0μmとする。また、図8(a)は、特性インピーダンスが55Ωである均一な伝送路をモデル化したシミュレーション回路を示す図であり、図8(b)は、図8(a)に示すシミュレーション回路についてのSパラメータのシミュレーション結果を示す図である。ここで、均一な伝送路であるマイクロストリップラインの線路長を15.0mm、線路幅を41.7μmとする。
図9(a)は、特性インピーダンスが50Ωである図7(a)に示す均一な伝送路の一端にパッドが接続された場合をモデル化したシミュレーション回路を示す図であり、図9(b)は、図9(a)に示すシミュレーション回路についてのSパラメータのシミュレーション結果を示す図である。ここで、パッドの大きさを50μm×50μmとする。また、図10(a)は、特性インピーダンスが55Ωである図8(a)に示す均一な伝送路の一端にパッドが接続された場合をモデル化したシミュレーション回路を示す図であり、図10(b)は、図10(a)に示すシミュレーション回路についてのSパラメータのシミュレーション結果を示す図である。ここで、パッドの大きさを50μm×50μmとする。
S11およびS22の各波形はそれぞれ反射特性を表わし、S12およびS21の各波形はそれぞれ通過特性を表す。
図7(b)、図8(b)、図9(b)および図10(b)を比較検討すると、図9(b)および図10(b)ではパッドが接続されたことにより、特性インピーダンスが50Ωのパッド付伝送路および特性インピーダンス55Ωのパッド付伝送路の両方とも、反射特性S11 およびS22はほとんどの周波数領域において底上げされ、周波数全域にわたって悪化しており、特に周波数が高くなるほど悪化することがわかる。また、通過特性S21について見ると、特性インピーダンスが50Ωのパッド付伝送路および特性インピーダンス55Ωのパッド付伝送路の両方とも、パッドのない均一な伝送路と比較して、周波数が高くなると急激に通過損失が大きくなることがわかる。
図11および12は、図7(a)、図8(a)、図9(a)および図10(a)に示す特性インピーダンス50Ωの均一な伝送路およびパッド付伝送路ならびに特性インピーダンス55Ωの均一な伝送路およびパッド付伝送路に関して、反射特性の差「S1150Ω−S1155Ω」の絶対値、および通過特性の差「S2150Ω−S2155Ω」の絶対値を求めたものであり、図11(a)は、図7(b)および図8(b)における反射特性S11の差を表わし、図11(b)は、図9(b)および図10(b)における反射特性S11の差を表わす図である。また、図12(a)は、図7(b)および図8(b)における通過特性S21の差を表わし、図12(b)は、図9(b)および図10(b)における通過特性S21の差を表わす図である。
反射特性の差について、図11(a)および図11(b)に示す特性を比較すると、パッドがない均一な伝送路の場合は、反射特性の差は周波数全域で平均しており、うねりの平均はほぼ一定であるが、パッド付伝送路の場合には、20GHz付近から反射の差が上昇している。
同様に、通過特性の差について、図12(a)および図12(b)に示す特性を比較すると、反射特性の場合とは逆に、通過特性の差は、パッドのない均一な伝送路では周波数とともに上昇するが、パッド付伝送路の場合は平均化している。また、周波数全域にわたって、パッド付伝送路の方がパッドのない均一な伝送路よりも通過特性の差が小さくなっている。
以上より、伝送路とパッドの接続点(段差)により生じた大きな反射により、パッドの反射特性が支配的になり、伝送路自体の通過特性の差が明確に現れにくくなっていることがわかる。このことは、パッド付伝送路は、パッドのない均一な伝送路よりもさらに、上記評価項目についての伝送路の個体ごとの差(バラツキ)が現れにくくなっていることを意味する。例えば、パッド付伝送路について試験信号を入力し、このパッド付伝送路から出力された信号のアイパターンを観測しても、伝送路の個体ごとのアイダイアグラムの違い(伝送特性の差)を識別しにくくなる。つまり、パッドのない均一な伝送路でも上記違いの識別が困難であったものが、伝送路にパッドが接続されることでさらに困難になってしまう。
均一な伝送路であれば上記評価項目についての伝送路の個体ごとの差(バラツキ)が明確に現れるようにするために、伝送路の伝送損失がより大きくなる周波数領域まで達するようパルスパターンジェネレータが出力する評価信号の伝送レートを上げることが考えられる。しかし、パッド付伝送路の場合には、伝送レートを上げても、均一な伝送路のような期待する効果(アイパターンの差)は得られず、アイパターンにより伝送路の特性バラツキを識別することは不可能に近い。
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、パッド付の伝送路の伝送特性についての評価装置による評価を可能にする、評価装置に接続されるアダプタ装置およびこれを備える伝送路評価システムを提供することにある。
上記目的を実現するために、本発明においては、評価対象伝送路の入力端へ試験信号を入力したときに評価対象伝送路の出力端から出力される出力信号に基づき評価対象伝送路の伝送特性を評価する評価装置に接続されるアダプタ装置は、評価対象伝送路の入力端へ入力される試験信号と同じ信号が入力される入力端を有する基準伝送路と、評価対象伝送路の出力端から出力される出力信号から、基準伝送路の入力端で得られた試験信号の反射成分と評価対象伝送路の入力端で得られた試験信号の反射成分との差信号を増幅した反射成分増幅信号と、基準伝送路における試験信号の通過損失分と評価対象伝送路における試験信号の通過損失分との差信号を増幅した通過損失分増幅信号と、を減算して生成される信号を、評価装置へ入力される評価信号として生成する評価信号生成手段と、を備える。
本発明による伝送路評価システムは、上述のアダプタ装置と、アダプタ装置に接続され、試験信号を生成してこれをアダプタ装置に入力するパルスパターンジェネレータと、アダプタ装置に接続され、アダプタ装置から出力される評価信号に基づいて伝送路の伝送特性を評価する評価装置と、を備える。
本発明によるアダプタ装置を、従前の評価装置に接続するだけで容易に、パッドが接続された伝送路の伝送特性についての評価を可能にすることができる。本発明によれば、評価対象がパッドが接続された伝送路であっても、アイダイアグラム、ジッタ量およびビットエラーレートなどいずれの評価項目について、伝送路ごとの明確な差(バラツキ)として現れさせることができるので、伝送路ごとの伝送品質の良し悪しを判別しやすくすることができる。
本発明によるアダプタ装置を示す基本ブロック図である。 本発明の実施例によるアダプタ装置を示す回路図である。 本発明の実施例によるアダプタ装置を用いた場合において評価装置で観測されるアイダイアグラムのシミュレーション結果を示す図であって、評価対象伝送路の特性インピーダンスが50Ωのアイダイアグラムを示す図である。 本発明の実施例によるアダプタ装置を用いた場合において評価装置で観測されるアイダイアグラムのシミュレーション結果を示す図であって、評価対象伝送路の特性インピーダンスが40Ωの場合を示す図である。 本発明の実施例によるアダプタ装置を用いた場合において評価装置で観測されるアイダイアグラムのシミュレーション結果を示す図であって、評価対象伝送路の特性インピーダンスが60Ωの場合を示す図である。 従来一般に用いられている伝送路評価システムを例示する図である。 均一な伝送路およびパッド付伝送路のSパラメータの対比について説明する図であって、図7(a)は、特性インピーダンスが50Ωである均一な伝送路をモデル化したシミュレーション回路を示し、図7(b)は、図7(a)に示すシミュレーション回路についてのSパラメータのシミュレーション結果を示す図である。 均一な伝送路およびパッド付伝送路のSパラメータの対比について説明する図であって、図8(a)は、特性インピーダンスが55Ωである均一な伝送路をモデル化したシミュレーション回路を示し、図8(b)は、図8(a)に示すシミュレーション回路についてのSパラメータのシミュレーション結果を示す図である。 均一な伝送路およびパッド付伝送路のSパラメータの対比について説明する図であって、図9(a)は、特性インピーダンスが50Ωである図7(a)に示す均一な伝送路の一端にパッドが接続された場合をモデル化したシミュレーション回路を示し、図9(b)は、図9(a)に示すシミュレーション回路についてのSパラメータのシミュレーション結果を示す図である。 均一な伝送路およびパッド付伝送路のSパラメータの対比について説明する図であって、図10(a)は、特性インピーダンスが55Ωである図8(a)に示す均一な伝送路の一端にパッドが接続された場合をモデル化したシミュレーション回路を示し、図10(b)は、図10(a)に示すシミュレーション回路についてのSパラメータのシミュレーション結果を示す図である。 均一な伝送路およびパッド付伝送路のSパラメータの対比について説明する図であって、図11(a)は、図7(b)および図8(b)における反射特性S11の差を表わし、図11(b)は、図9(b)および図10(b)における反射特性S11の差を表わす図である。 均一な伝送路およびパッド付伝送路のSパラメータの対比について説明する図であって、図12(a)は、図7(b)および図8(b)における通過特性S21の差を表わし、図12(b)は、図9(b)および図10(b)における通過特性S21の差を表わす図である。
図1は、本発明によるアダプタ装置を示す基本ブロック図である。本発明によるアダプタ装置1は、評価対象伝送路2とこの評価対象伝送路2の伝送特性を評価する評価装置3との間に接続されるものである。アダプタ装置1の測定プローブP3には、伝送特性を評価すべき評価対象伝送路2の入力端が接続され、アダプタ装置1の測定プローブP4には、評価対象伝送路2の出力端が接続されることになる。アダプタ装置1においては、パルスパターンジェネレータ101により、アダプタ装置1の入力ポートInから試験信号が入力され、アダプタ装置1の出力ポートOutから評価装置3へ向けて評価信号が出力される。評価対象伝送路は、パッドが接続された伝送路(パッド付伝送路)である。
アダプタ装置1は、基準伝送路11と評価信号生成手段12とを備える。
基準伝送路11は、評価対象伝送路2の入力端へアダプタ装置1の測定プローブP3を介して入力される試験信号と同じ信号が入力される入力端P1を有する。基準伝送路11は、パッドが接続された伝送路である。
評価信号生成手段12は、評価対象伝送路2の出力端からアダプタ装置1の測定プローブP4を介して出力される出力信号から、基準伝送路11の入力端P1で得られた試験信号の反射成分と評価対象伝送路2の入力端で得られた試験信号の反射成分との差信号を増幅した反射成分増幅信号と、基準伝送路11における試験信号の通過損失分と評価対象伝送路における試験信号の通過損失分との差信号を増幅した通過損失分増幅信号と、を減算して生成される信号を、評価装置へ入力される評価信号として生成する。
なお、評価対象伝送路2の入力端には、アダプタ装置1の測定プローブP3が接続されるので、上記「評価対象伝送路2の入力端で得られた試験信号の反射成分」は、アダプタ装置1の測定プローブP3の位置で検出されるものである。したがって、本明細書では、以下、説明を簡明にするために、「評価対象伝送路2の入力端」は「アダプタ装置1の測定プローブP3」と同位置にあるものと捉え、「評価対象伝送路2の入力端」を参照符号P3で表わすものとする。同様の理由で、「評価対象伝送路2の出力端」を参照符号P4で表わすものとする。
上述の評価信号生成手段12は、第1の差信号生成手段21と、遅延伝送路22と、反射成分増幅手段23と、第1の遅延手段24と、第1の加算手段25と、第2の差信号生成手段26と、第2の遅延手段27と、第2の加算手段28と、通過損失分増幅手段29と、第3の遅延手段30と、第3の加算手段31と、を備える。
第1の差信号生成手段21は、基準伝送路11の入力端P1で得られた試験信号の反射成分と評価対象伝送路2の入力端P3で得られた試験信号の反射成分との差信号を生成する。
遅延伝送路22は、基準伝送路11と同じ信号伝播時間を有する伝送路で構成される。遅延伝送路22には、第1の差信号生成手段21から出力される差信号が入力される。遅延伝送路22は、パッドが接続されていない均一な伝送路であるのが好ましい。なお、遅延伝送路22は、試験信号の帯域内において基準伝送路11と同等の伝送特性を有する、パッドが接続された伝送路であってもよい。
反射成分増幅手段23は、遅延伝送路22から出力される信号を反転増幅もしくは非反転増幅する。反射成分増幅手段23は、評価装置3において観測されるアイダイアグラムのアイの開口率が小さくなるよう、遅延伝送路22から出力される信号を反転増幅もしくは非反転増幅する。このため、反射成分増幅手段23は、入力信号を反転増幅する第1の反転増幅手段と、入力信号を非反転増幅する第1の非反転増幅手段と、反射成分増幅手段23の出力を、第1の反転増幅手段もしくは第1の非反転増幅手段のいずれかの出力に切り替える第1の切替手段と、を有する。なお、第1の反転増幅手段、第1の非反転増幅手段および第1の切替手段については、図1においては図示しないが、詳細については後述する。
第1の遅延手段24は、基準伝送路11の入力端P1から第1の差信号生成手段21、遅延伝送路22および反射成分増幅手段23を経由したときの信号伝播時間に、基準信号路11の入力端P1から基準伝送路11および基準伝送路11の出力端P2を経由したときの信号伝播時間が一致するよう、基準伝送路11の出力端P2から出力される信号を遅延させる。
第1の加算手段25は、第1の遅延手段24から出力される信号と、反射成分増幅手段23から出力される信号と、を加算する。
第2の差信号生成手段26は、評価対象伝送路2から出力される信号と基準伝送路11から出力される信号との差信号を生成する。
第2の遅延手段27は、基準伝送路11の入力端P1から第1の差信号生成手段21、遅延伝送路22、反射成分増幅手段23および第1の加算手段25を経由したときの信号伝播時間に、基準信号路11の入力端P1から基準伝送路11、基準伝送路11の出力端P2および第2の差信号生成手段26を経由したときの信号伝播時間が一致するよう、第2の差信号生成手段26から出力される差信号を遅延させる。
第2の加算手段28は、第2の遅延手段27から出力される信号の反転信号と、第1の加算手段25から出力される信号と、を加算する。
通過損失分増幅手段29は、第2の差信号生成手段26から出力される差信号を反転増幅もしくは非反転増幅する。通過損失分増幅手段29は、評価装置3において観測されるアイダイアグラムのアイの開口率が小さくなるよう、第2の差信号生成手段26から出力される差信号を反転増幅もしくは非反転増幅する。このため、通過損失分増幅手段29は、入力信号を反転増幅する第2の反転増幅手段と、入力信号を非反転増幅する第2の非反転増幅手段と、前記通過損失分増幅手段の出力を、前記第2の反転増幅手段もしくは前記第2の非反転増幅手段のいずれかの出力に切り替える第2の切替手段と、を有する。なお、第2の反転増幅手段、第2の非反転増幅手段および第2の切替手段については、図1においては図示しないが、詳細については後述する。
第3の遅延手段30は、基準伝送路11の入力端P1から第1の差信号生成手段21、遅延伝送路22、反射成分増幅手段23、第1の加算手段25および第2の加算手段28を経由したときの信号伝播時間に、基準信号路11の入力端P1から基準伝送路11、基準伝送路11の出力端P2、第2の差信号生成手段26および通過損失分増幅手段29を経由したときの信号伝播時間が一致するよう、通過損失分増幅手段29から出力される信号を遅延させる。
第3の加算手段31は、第3の遅延手段30から出力される信号と、第2の加算手段28から出力される信号と、を加算し、評価信号を生成する。
上述のようにして生成された評価信号は、アダプタ装置1の出力ポートOutを介して評価装置3へ出力される。評価装置3は、例えば、伝送路においてディジタル信号を伝送する際に生じるジッタをアイダイアグラムで表示するオシロスコープもしくはビットエラーレートテスタである。
本発明によれば、伝送路評価システム10は、上述のアダプタ装置1と、アダプタ装置1に接続され、試験信号を生成してこれをアダプタ装置1に入力するパルスパターンジェネレータ101と、アダプタ装置1に接続され、アダプタ装置1から出力される評価信号に基づいて評価対象伝送路2の伝送特性を評価する評価装置3と、を備える。
図2は、本発明の実施例によるアダプタ装置を示す回路図である。本発明の実施例によるアダプタ装置1は、評価対象伝送路2とこの評価対象伝送路2の伝送特性を評価する評価装置3との間に接続されるものである。
アダプタ装置1の入力ポートInには、パルスパターンジェネレータ(PPG)101が接続される。パルスパターンジェネレータ101は、試験信号である擬似ランダムデータ信号を生成する。
アダプタ装置1の出力ポートOutには、評価装置3として、オシロスコープもしくはビットエラーレートテスタ(BERT)が接続される。評価装置3を用いて、アダプタ装置1の出力ポートOutから評価装置3へ向けて評価信号に基づき、アイダイアグラムの開口度、ジッタ量等を測定し、伝送品質を評価する。
アダプタ装置1の測定プローブP3には、伝送特性を評価すべき評価対象伝送路2の入力端が接続され、アダプタ装置1の測定プローブP4には、評価対象伝送路2の出力端が接続される。本実施例においては、評価対象伝送路2は、パッド(PAD)が接続された伝送路(パッド付伝送路)とする。評価対象伝送路2の特性インピーダンスをZ0とする。
基準伝送路11は、評価対象伝送路2の入力端へアダプタ装置1の測定プローブP3を介して入力される試験信号と同じ信号が入力される入力端P1を有する。デバイダDevider−1の出力端子C1から基準伝送路11の入力端P1までの信号伝播時間と、デバイダDevider−1の出力端子C2から評価対象伝送路2の入力端P3までの信号伝播時間と、は同じとなるように信号線を構成する。ここで、基準伝送路11のテストパスと評価対象伝送路2のテストパスとを同じ伝送特性とするために、基準伝送路11の入力端P1および出力端P2については、評価対象伝送路2に対する測定プローブP3およびP4と同じ部品で構成する。このような構成にすることにより、後述する基準伝送路11と評価対象伝送路2との差信号には、テストパスの影響が現れず、したがって、基準伝送路11と評価対象伝送路2との差信号を増幅しても、その増幅信号にはテストパスの影響が現れない。基準伝送路11は、パッド(PAD)が接続された伝送路(パッド付伝送路)である。本実施例では、基準伝送路11の特性インピーダンスZ0を50Ωとする。
アダプタ装置1の入力ポートInから入力された試験信号は、デバイダDevider−1で2分配される。ここで、デバイダDevider−1の入出力インピーダンスは50Ωとし、デバイダDevider−1の入力信号と各出力信号の大きさは同じものとする。これにより、評価対象伝送路2および基準伝送路11には同じ試験信号が入力されることになる。
デバイダDevider−1により2分配された試験信号は、出力アンプAmp−1およびAmp−2へそれぞれ出力される。出力アンプAmp−1およびAmp−2は、ゲイン(電圧利得)がともに1で、出力インピーダンスが50Ωである。出力アンプAmp−1の出力信号は測定プローブP1を介して基準伝送路11へ入力され、出力アンプAmp−2の出力信号は測定プローブP3を介して評価対象伝送路2へ入力される。ここで、出力アンプAmp−1およびAmp−2の出力信号の大きさをaとする。
図1に示した第1の差信号生成手段21は、図2に示す実施例では、プローブアンプAmp−3およびAmp−4ならびに差動アンプAmp−5で構成される。プローブアンプAmp−3およびAmp−4は、入力インピーダンスZiが極めて高いものとする。プローブアンプAmp−3の入力端子は、測定プローブP1とプローブ対象である基準伝送路11との接続点から非常に近いポイントに実装される。プローブアンプAmp−4の入力端子は、測定プローブP3とプローブ対象である評価対象送線路2との接続点から非常に近いポイントに実装される。プローブアンプAmp−3およびAmp−4の出力インピーダンスは50Ωとし、ゲインは1とする。ここで、測定プローブP1における反射信号の大きさをbp1とし、プローブアンプAmp−3の出力信号の大きさをaa3とする。また、測定プローブP3における反射信号の大きさをbp3とし 、プローブアンプAmp−4の出力信号の大きさをaa4とする。プローブアンプAmp−3の出力信号の大きさaa3およびプローブアンプAmp−4の出力信号の大きさaa4は式1および式2のようにそれぞれ表わされる。
Figure 2011015370
Figure 2011015370
差動アンプAmp−5は、プローブアンプAmp−3の出力信号とプローブアンプAmp−4の出力信号の差信号を生成し、遅延伝送路22へ出力する。差動アンプAmp−5の入出力インピーダンスは50Ωとし、差動利得を1とする。ここで、差動アンプAmp−5の出力信号の大きさaa5は式3のように表わされる。
Figure 2011015370
式3は、プローブアンプAmp−3およびAmp−4ならびに差動アンプAmp−5を構成する第1の差信号生成手段21により、基準伝送路11の入力端P1で得られた試験信号の反射成分と評価対象伝送路2の入力端P3で得られた試験信号の反射成分との差信号が生成されることを示している。
遅延伝送路22は、基準伝送路11と同じ信号伝播時間を有する伝送路で構成される。ここで、遅延伝送路22の通過損失分をLdとする。遅延伝送路22は、パッドが接続されていない均一な伝送路であるのが好ましい。なお、コスト面を考え、遅延伝送路22は、試験信号の帯域内において基準伝送路11と同等の伝送特性を有する、パッドが接続された伝送路としてもよい。
図1に示した反射成分増幅手段23は、図2に示す実施例では、第1の切替手段を構成するスイッチSW−1aおよびSW−1bと、第1の反転増幅手段であるアンプAmp−6aと、第1の非反転増幅手段であるアンプAmp−6bと、ローパスフィルタLPF−1と、で構成される。
アンプAmp−6aおよびアンプAmp−6bは、ともに入出力インピーダンスが50Ωで、ゲインGrをもつ反転増幅器および非反転増幅器である。
スイッチSW−1aとスイッチSW−1bは、それぞれの接点AおよびBが連動して切り替わり、アンプAmp−6aもしくはアンプAmp−6bのいずれかを選択する。具体的には、評価装置3において観測されるアイダイアグラムのアイの開口率が小さくなるよう、アンプAmp−6aもしくはアンプAmp−6bのいずれかに切り替え、遅延伝送路22から出力される信号を反転増幅もしくは非反転増幅する。また、アンプAmp−6aもしくはアンプAmp−6bのゲインを調整すれば、アダプタ装置1の出力ポートOut に接続された評価装置オシロスコープで観測されるアイダイアグラムの開口率を調整することができる。
ここで、スイッチSW−1aおよびスイッチSW−1bの接点がA接点側にあるものとすると、アンプAmp−6の出力信号の大きさaa6 は式4で表わされる。
Figure 2011015370
アンプAmp−6の出力は、ローパスフィルタLPF−1を通過して、適切な周波数帯域(評価対象伝送路の伝送試験に必要な周波数帯域)に制限される。ここで、ローパスフィルタLPF−1の入出力インピーダンスを50Ωとし、損失は通過周波数帯域内においてゼロとする。
図1に示した第1の遅延手段24は、図2に示す実施例では、遅延線Deley−1で構成される。図1に示した第1の加算手段25は、図2に示す実施例では、コンバイナCombiner−1で構成される。
遅延線Deley−1は、基準伝送路11の入力端P1から差動アンプAmp−5のプラス側入力端子C3、スイッチSW−1a、アンプAmp−6aもしくはAmp−6b、スイッチSW−1b、ローパフフィルタLPF−1を経由してコンバイナCombiner−1の入力端子C5に至るまでの信号伝播時間に、基準信号路11の入力端P1から基準伝送路11、基準伝送路11の出力端P2、入力アンプAmp−7を経由してコンバイナCombiner−1の入力端子C6に至るまでの信号伝播時間が一致するよう、基準伝送路11の出力端P2から出力される信号を遅延させるものである。
基準伝送路11から出力された信号は、入力アンプAmp−7を通り、遅延線Delay−1でタイミングを合わせてからコンバイナCombiner−1でローパルフィルタLPF−1の出力信号と加算される。入力アンプAmp−7の入出力インピーダンスを50Ωとし、遅延線Delay−1の入出力インピーダンスを50Ωとする。
ここで、基準伝送路11の通過損失をLr、入力アンプAmp−7のゲインを1とし、また遅延線Delay−1には損失がないものとすると、コンバイナCombiner−1の出力信号の大きさac1は式5で表わされる。
Figure 2011015370
式5は、基準伝送路11の通過信号「a×(1−Lr)」から、基準伝送路11と評価対象伝送路2の反射成分の差「(1−Ld)×(bp1−bp3)」がアンプAmp−6のゲインであるGr倍に増幅された信号が減算されることを示している。
評価対象伝送路2から出力された信号は、入力アンプAmp−8を通過して、50Ωの終端抵抗Rで終端される。入力アンプAmp−8の入出力インピーダンスは50Ωでゲインは1である。ここで、評価対象伝送路2の通過損失をLtとすると、入力アンプAmp−8の出力信号の大きさaa8は式6のように表わされる。
Figure 2011015370
図1に示した第2の差信号生成手段26は、図2に示す実施例では、差動アンプAmp−9で構成される。差動アンプAmp−9は、入力アンプAmp−7の出力信号と入力アンプAmp−8の出力信号との差信号を生成し、デバイダDevider−2 に出力する。差動アンプAmp−9は、入力インピーダンスZiが極めて高いものとする。基準伝送路11の出力端P2から差動アンプAmp−9の入力端子C11までの信号伝播時間と、評価対象伝送路2の出力端P4から差動アンプAmp−9の入力端子C12までの信号伝播時間と、は同じとなるように信号線を構成する。差動アンプAmp−9の出力インピーダンスを50Ωとし、差動電圧利得を1とする。差動アンプAmp−9の出力の大きさaa9は式7のように表わされる。
Figure 2011015370
差動アンプAmp−9からの出力信号はデバイダDevider−2で2分配される。ここで、デバイダDevider−2の入出力インピーダンスは50Ωとし、デバイダDevider−2の各出力信号の大きさは同じものとする。これにより、アンプAmp−10およびスイッチSW−2aには、同じ差動アンプAmp−9からの出力信号が入力されることになる。
デバイダDevider−2により2分配された差動アンプAmp−9からの出力信号は、アンプAmp−10およびスイッチSW−2aにそれぞれ出力される。
図1に示した第2の遅延手段27は、図2に示す実施例では、遅延線Deley−2で構成される。図1に示した第2の加算手段28は、図2に示す実施例では、反転アンプAmp−10およびコンバイナCombiner−2で構成される。
遅延線Deley−2は、基準伝送路11の入力端P1から差動アンプAmp−5のプラス側入力端子C3、スイッチSW−1a、アンプAmp−6aもしくはAmp−6b、スイッチSW−1b、ローパフフィルタLPF−1、コンバイナCombiner−1を経由してコンバイナCombiner−2の入力端子C7に至るまでの信号伝播時間に、基準信号路11の入力端P1から基準伝送路11、基準伝送路11の出力端P2、入力アンプAmp−7、差動アンプAmp−9、デバイダDevider−2、反転アンプAmp−10を経由してコンバイナCombiner−2の入力端子C8に至るまでの信号伝播時間が一致するよう、基準伝送路11の出力端P2から出力される信号を遅延させるものである。
反転アンプAmp−10は、入出力インピーダンスを50Ωとし、利得を1とする。また、遅延線Delay−2の入出力インピーダンスを50Ωとし、通過損失はないものとする。
基準伝送路11から出力された信号は、入力アンプAmp−7、差動アンプAmp−9、デバイダDevider−2、反転アンプAmp−10を通り、遅延線Delay−2でタイミングを合わせてからコンバイナCombiner−2でコンバイナCombiner−1の出力信号と加算される。コンバイナCombiner−2の出力信号の大きさac2は式8で表わされる。
Figure 2011015370
式8は、評価対象伝送路2の通過信号「a×(1−Lt)」から、基準伝送路11と評価対象伝送路2の反射成分の差「(1−Ld)×(bp1−bp3)」がアンプAmp−6のゲインであるGr倍に増幅された信号が減算されることを示している。ここで、式5では、基準伝送路11の通過信号から反射成分の差を減算していたが、式8では評価対象伝送路2の通過信号から反射成分の差を減算していることに注意すべきである。
図1に示した通過損失分増幅手段29は、図2に示す実施例では、第2の切替手段を構成するスイッチSW−2aおよびSW−2bと、第2の非反転増幅手段であるアンプAmp−11aと、第2の反転増幅手段であるアンプAmp−11bと、ローパスフィルタLPF−2と、で構成される。
アンプAmp−11aおよびアンプAmp−11bは、ともに入出力インピーダンスが50Ωで、ゲインGtをもつ非反転増幅器および反転増幅器である。
スイッチSW−2aとスイッチSW−2bは、それぞれの接点AおよびBが連動して切り替わり、アンプAmp−11aもしくはアンプAmp−11bのいずれかを選択する。具体的には、評価装置3において観測されるアイダイアグラムのアイの開口率が小さくなるよう、アンプAmp−11aもしくはアンプAmp−11bのいずれかに切り替え、デバイダDevider−2から出力される信号を反転増幅もしくは非反転増幅する。また、アンプAmp−11aもしくはアンプAmp−11bのゲインを調整すれば、アダプタ装置1の出力ポートOut に接続された評価装置オシロスコープで観測されるアイダイアグラムの開口率を調整することができる。
アンプAmp−11の出力は、ローパスフィルタLPF−2を通過して、適切な周波数帯域(評価対象伝送路の伝送試験に必要な周波数帯域)に制限される。ここで、ローパスフィルタLPF−2の入出力インピーダンスを50Ωとし、損失は通過周波数帯域内においてゼロとする。
図1に示した第3の遅延手段30は、図2に示す実施例では、遅延線Deley−3で構成される。図1に示した第3の加算手段31は、図2に示す実施例では、コンバイナCombiner−3で構成される。
遅延線Deley−3は、基準伝送路11の入力端P1から差動アンプAmp−5のプラス側入力端子C3、スイッチSW−1a、アンプAmp−6aもしくはAmp−6b、スイッチSW−1b、ローパフフィルタLPF−1、コンバイナCombiner−1およびCombiner−2を経由してコンバイナCombiner−3の入力端子C9に至るまでの信号伝播時間に、基準信号路11の入力端P1から基準伝送路11、基準伝送路11の出力端P2、入力アンプAmp−7、差動アンプAmp−9、デバイダDevider−2、スイッチSW−2a、アンプAmp−11aもしくはAmp−11b、スイッチSW−2b、ローパスフィルタLPF−2を経由してコンバイナCombiner−3の入力端子C10に至るまでの信号伝播時間が一致するよう、ローパスフィルタLPF−2から出力される信号を遅延させるものである。遅延線Deley−3は、入出力インピーダンスを50Ωとし、通過損失はゼロとする。
ローパスフィルタLPF−2の出力信号は、遅延線Delay−3でタイミングを合わせてからコンバイナCombiner−3でコンバイナCombiner−2の出力信号と加算される。ここで、スイッチSW−2aおよびSW−2bの接点をB接点、アンプAmp−11の出力信号の大きさをaa11としたとき、コンバイナCombiner−3の出力信号の大きさac3は式9のように表わされる。
Figure 2011015370
式9は、評価対象伝送路2の通過信号「a×(1−Lt)」から、基準伝送路11と評価対象伝送路2の反射成分の差「(1−Ld)×(bp1−bp3)」がアンプAmp−6のゲインであるGr倍に増幅された信号と、基準伝送路11と評価対象伝送路2の通過損失分の差「a×(Lt−Lr)」がアンプAmp−11のゲインであるGt倍に増幅された信号と、を減算することを示している。
コンバイナCombiner−3の出力信号は、出力アンプAmp−12を介して出力ポートOutに出力される。出力アンプAmp−12は、入出力インピーダンスを50Ωとし、利得を1とする。
評価装置3でこの出力信号のアイダイアグラム、ジッタもしくはビットエラーレート(BER)を観測・測定することで、基準伝送路11に対する評価対象伝送路2の伝送特性のバラツキを明確に知ることができる。
本発明の実施例による伝送路評価システム10は、上述のアダプタ装置1と、アダプタ装置1に接続され、試験信号を生成してこれをアダプタ装置1に入力するパルスパターンジェネレータ101と、アダプタ装置1に接続され、アダプタ装置1から出力される評価信号に基づいて評価対象伝送路2の伝送特性を評価する評価装置3と、を備える。
次に、上述の本発明の実施例による伝送路評価システムのシミュレーション結果について説明する。シミュレーションにはザイリンクス社の「Xilinx Virtex−4 RoketIO Simulation Model」(TXモデル)を使用した。基準伝送路の特性インピーダンスを50Ωとし、評価対象伝送路の特性インピーダンスを40Ωおよび60Ωとした。
図3〜5は、本発明の実施例によるアダプタ装置を用いた場合において評価装置で観測されるアイダイアグラムのシミュレーション結果を示す図であって、図3は評価対象伝送路の特性インピーダンスが50Ωのアイダイアグラムを示し、図4は評価対象伝送路の特性インピーダンスが40Ωの場合を示し、図5は評価対象伝送路の特性インピーダンスが60Ωの場合を示す図である。基準伝送路および評価伝送路はパッド付伝送路である。
図4および5に示すように、本発明の実施例によるアダプタ装置により、パッド付伝送路であってもアイ(eye)の大きさに明確な差が現れており、本発明が有効であることが証明された。
本発明は、高速シリアル伝送に用いられる伝送路の伝送品質の評価する際に適用することができる。本発明によるアダプタ装置を、従前の評価装置に接続するだけで容易に、パッド付の伝送路の伝送特性についての評価を可能にすることができる。本発明によれば、評価対象がパッドに接続された伝送路であっても、アイダイアグラム、ジッタ量およびビットエラーレートなどいずれの評価項目について、伝送路ごとの明確な差(バラツキ)として現れさせることができるので、伝送路ごとの伝送品質の良し悪しを判別しやすくすることができる。
1 アダプタ装置
2 評価対象伝送路
3 評価装置
11 基準伝送路
12 評価信号生成手段
21 第1の差信号生成手段
22 遅延伝送路
23 反射成分増幅手段
24 第1の遅延手段
25 第1の加算手段
26 第2の差信号生成手段
27 第2の遅延手段
28 第2の加算手段
29 通過損失分増幅手段
30 第3の遅延手段
31 第3の加算手段
Amp−1、Amp−2、Amp−12 出力アンプ
Amp−3、Amp−4 プローブアンプ
Amp−5、Amp−9 差動アンプ
Amp−6a、Amp−6b、Amp−11a、Amp−11b アンプ
Amp−7、Amp−8 入力アンプ
Amp−10 反転アンプ
Combiner−1、Combiner−2、Combiner−3 コンバイナ
Delay−1、Delay−2、Delay−3 遅延線
Devider−1、Devider−2、Devider−3 デバイダ
In 入力ポート
LPF−1、LPF−2 ローパスフィルタ
Out 出力ポート
P1 基準伝送路の入力端
P2 基準伝送路の出力端
P3、P4 測定プローブ
R 終端抵抗
SW−1a、SW−1b、SW−2a、SW−2b スイッチ

Claims (10)

  1. 評価対象伝送路の入力端へ試験信号を入力したときに前記評価対象伝送路の出力端から出力される出力信号に基づき前記評価対象伝送路の伝送特性を評価する評価装置に接続されるアダプタ装置であって、
    前記評価対象伝送路の入力端へ入力される試験信号と同じ信号が入力される入力端を有する基準伝送路と、
    前記評価対象伝送路の出力端から出力される出力信号から、前記基準伝送路の入力端で得られた前記試験信号の反射成分と前記評価対象伝送路の入力端で得られた前記試験信号の反射成分との差信号を増幅した反射成分増幅信号と、前記基準伝送路における前記試験信号の通過損失分と前記評価対象伝送路における前記試験信号の通過損失分との差信号を増幅した通過損失分増幅信号と、を減算して生成される信号を、前記評価装置へ入力される評価信号として生成する評価信号生成手段と、
    を備えることを特徴とするアダプタ装置。
  2. 前記評価信号生成手段は、
    前記基準伝送路の入力端で得られた前記試験信号の反射成分と前記評価対象伝送路の入力端で得られた前記試験信号の反射成分との差信号を生成する第1の差信号生成手段と、
    前記基準伝送路と同じ信号伝播時間を有する遅延伝送路であって、前記第1の差信号生成手段から出力される前記差信号が入力される遅延伝送路と、
    前記遅延伝送路から出力される信号を反転増幅もしくは非反転増幅する反射成分増幅手段と、
    前記基準伝送路の入力端から前記第1の差信号生成手段、前記遅延伝送路および前記反射成分増幅手段を経由したときの信号伝播時間に、前記基準信号路の入力端から前記基準伝送路を経由したときの信号伝播時間が一致するよう、前記基準伝送路から出力される信号を遅延させる第1の遅延手段と、
    前記第1の遅延手段から出力される信号と、前記反射成分増幅手段から出力される信号と、を加算する第1の加算手段と、
    前記評価対象伝送路から出力される信号と前記基準伝送路から出力される信号との差信号を生成する第2の差信号生成手段と、
    前記基準伝送路の入力端から前記第1の差信号生成手段、前記遅延伝送路、前記反射成分増幅手段および前記第1の加算手段を経由したときの信号伝播時間に、前記基準信号路の入力端から前記基準伝送路および前記第2の差信号生成手段を経由したときの信号伝播時間が一致するよう、前記第2の差信号生成手段から出力される前記差信号を遅延させる第2の遅延手段と、
    前記第2の遅延手段から出力される信号の反転信号と、第1の加算手段から出力される信号と、を加算する第2の加算手段と、
    前記第2の差信号生成手段から出力される前記差信号を反転増幅もしくは非反転増幅する通過損失分増幅手段と、
    前記基準伝送路の入力端から前記第1の差信号生成手段、前記遅延伝送路、前記反射成分増幅手段、前記第1の加算手段および前記第2の加算手段を経由したときの信号伝播時間に、前記基準信号路の入力端から前記基準伝送路、前記第2の差信号生成手段および前記通過損失分増幅手段を経由したときの信号伝播時間が一致するよう、前記通過損失分増幅手段から出力される前記信号を遅延させる第3の遅延手段と、
    前記第3の遅延手段から出力される信号と、第2の加算手段から出力される信号と、を加算し、前記評価信号を生成する第3の加算手段と、
    を備える請求項1に記載のアダプタ装置。
  3. 前記反射成分増幅手段は、前記評価装置において観測されるアイダイアグラムのアイの開口率が小さくなるよう、前記遅延伝送路から出力される信号を反転増幅もしくは非反転増幅する請求項2に記載のアダプタ装置。
  4. 前記反射成分増幅手段は、
    入力信号を反転増幅する第1の反転増幅手段と、
    入力信号を非反転増幅する第1の非反転増幅手段と、
    前記反射成分増幅手段の出力を、前記第1の反転増幅手段もしくは前記第1の非反転増幅手段のいずれかの出力に切り替える第1の切替手段と、
    を有する請求項2または3に記載のアダプタ装置。
  5. 前記通過損失分増幅手段は、前記評価装置において観測されるアイダイアグラムのアイの開口率が小さくなるよう、前記第2の差信号生成手段から出力される前記差信号を反転増幅もしくは非反転増幅する請求項2に記載のアダプタ装置。
  6. 前記通過損失分増幅手段は、
    入力信号を反転増幅する第2の反転増幅手段と、
    入力信号を非反転増幅する第2の非反転増幅手段と、
    前記通過損失分増幅手段の出力を、前記第2の反転増幅手段もしくは前記第2の非反転増幅手段のいずれかの出力に切り替える第2の切替手段と、
    を有する請求項2または5に記載のアダプタ装置。
  7. 前記評価対象伝送路および前記基準伝送路は、パッドが接続された伝送路である請求項1〜6のいずれか一項に記載のアダプタ装置。
  8. 前記遅延伝送路は、前記試験信号の帯域内において前記基準伝送路と同等の伝送特性を有する、パッドが接続された伝送路である請求項7に記載のアダプタ装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のアダプタ装置と、
    前記アダプタ装置に接続され、前記試験信号を生成してこれを前記アダプタ装置に入力するパルスパターンジェネレータと、
    前記アダプタ装置に接続され、前記アダプタ装置から出力される前記評価信号に基づいて前記評価対象伝送路の伝送特性を評価する評価装置と、
    を備えることを特徴とする伝送路評価システム。
  10. 前記評価装置は、前記評価対象伝送路においてディジタル信号を伝送する際に生じるジッタをアイダイアグラムで表示するオシロスコープもしくはビットエラーレートテスタである請求項9に記載の伝送路評価システム。
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