JP2011013588A - 感光性ペースト組成物およびパターン形成方法 - Google Patents

感光性ペースト組成物およびパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で、かつ薄膜で、抵抗値が低く、高精細なパターンをガラス基板上に形成可能な感光性ペースト組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)アルミニウム粉末、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)多官能(メタ)アクリレート、(D)光重合開始剤、および(E)フラックスを有する化合物を含有する感光性ペースト組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、感光性ペースト組成物およびパターン形成方法に関する。
近年、回路基板やディスプレイパネルにおけるパターン加工に対して、高密度化および高精細化の要求が高まっている。このような要求が高まっているディスプレイパネルの中でも、特にプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」ともいう。)やフィールドエミッションディスプレイ(以下「FED」ともいう。)などのフラットパネルディスプレイ(以下「FPD」ともいう。)が注目されている。
図1は交流型のPDPの断面形状を示す模式図である。図1において、101および102は対抗配置されたガラス基板、103および111は隔壁であり、ガラス基板101、ガラス基板102、背面隔壁103および前面隔壁111によりセルが区画形成されている。104はガラス基板101に固定された透明電極であり、105は透明電極104の抵抗を下げる目的で該透明電極104上に形成されたバス電極であり、106はガラス基板102に固定されたアドレス電極である。107はセル内に保持された蛍光物質であり、108は透明電極104およびバス電極105を被覆するようガラス基板101の表面に形成された誘電体層であり、109はアドレス電極106を被覆するようガラス基板102の表面に形成された誘電体層であり、110は例えば酸化マグネシウムよりなる保護層である。
上述の構成を有するPDPや図2に示されるFEDに代表されるFPDにおいては、パネルの大型化および高精細化が進んでおり、主にフォトリソグラフィー法による電極の形成方法が用いられている。
一方、導電性材料の抵抗に関し、先行文献1にはプリント回路板の製造の際に、銅の導電性ペーストにフェノール性ヒドロキシル基を有する多価フェノール構造のフラックス活性化合物を添加する事で導通抵抗を小さくする技術が開示されている。
しかし、フラックス活性化合物は添加量が多いと、添加効果が大きくなりパターン精度が悪くなるため、銅の酸化抑制に効果的な量を添加できなかった。そのため、マイグレーションを引き起こし易く、低抵抗化を図ることが出来なかった。
そこで、銅の代替品として銀などの貴金属を用いたが、貴金属である事から高価なためコスト的に問題があった。
特許文献2にはフォトリソグラフィー法において、従来から用いられていた感光性銀ペーストより安価で、金属表面に酸化皮膜を形成することから耐マイグレーション性に優れた感光性アルミニウムペーストの開発が行われている。
特開2009−21149 特開2009−037232
しかし、アルミニウムは銀と比較して非常に酸化されやすいことが知られており、酸化皮膜がアルミニウム同士の接触を妨げることで、低抵抗化を困難にしていた。
そこで、本発明者らは、アルミニウムペーストの更なる低抵抗化を図るために、還元性の高いフラックス等のフェノール性水酸基を有する化合物に着目して感光性ペースト組成物の検討に取り組んだ。
本発明は、薄膜で、抵抗値が低く、高精細なパターンを基板上に形成できる感光性ペースト組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記感光性ペースト組成物を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、フラックスとアルミニウム粉末を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の[1]〜[7]に関する。
[1](A)アルミニウム粉末、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)多官能(メタ)アクリレート、(D)光重合開始剤、および(E)フラックスを含有する感光性ペースト組成物。
[2]さらに、前記(E)成分がフェノール性水酸基を有する化合物である[1]に記載の感光性ペースト組成物。
[3]さらに、前記(E)成分が下記式(1)で表される化合物を含む[1]〜[2]の何れかに記載の感光性ペースト組成物。
Figure 2011013588
(上記式(1)において、Rは炭素数が1〜20のアルキル基を示し、nは0〜4の整数である。)
[4]前記[1]〜[3]の何れかに記載の感光性ペースト組成物であって、前記(E)成分が、レゾルシノール、メチルカテコールおよび4−tert−ブチルカテコールから選ばれた少なくとも1つである感光性ペースト組成物。
[5]前記[1]〜[4]の何れかに記載の感光性ペースト組成物であって、前記(E)成分の含有量が、前記(A)アルミニウム粉末100重量部に対し、1〜20重量部含む感光性ペースト組成物。
[6] 前記[1]〜[5]の何れかに記載の感光性ペースト組成物であって、前記(A)成分は50重量%粒子径(D50)が1〜20μm、かつ平均厚さが0.1〜1μmの範囲にあるフレーク状である感光性ペースト組成物。
[7]前記[1]〜[6]の何れかに記載の感光性ペースト組成物から感光性ペースト層を基板上に形成する工程、該感光性ペースト層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、該感光性ペースト層を現像処理してパターンを形成する工程、および該パターンを焼成処理する工程を含む、パターン形成方法。
本発明によれば、薄膜で、抵抗値が低く、高精細なパターンをガラス基板上に形成できる感光性ペースト組成物が提供される。また、本発明によれば、前記感光性ペースト組成物を用いたパターン形成方法が提供される。
特に、本発明に係る感光性ペースト組成物を用いることにより、低抵抗でかつ高精細なパターンを形成することができ、FPD等の配線を構成する部材の形成、電子部品の高度実装材料の部材の形成、および太陽電池の部材の形成に好適である。特にPDP等に好適に用いられる。
図1は、交流型プラズマディスプレイパネルの断面形状を示す模式図である。 図2は、一般的なフィールドエミッションディスプレイの断面形状を示す模式図である。
以下、本発明に係る感光性ペースト組成物およびパターン形成方法について、詳細に説明する。なお、以下では、前記感光性ペースト組成物を用いて形成される、露光前の層を「感光性ペースト層」ともいう。
〔感光性ペースト組成物〕
本発明に係る感光性ペースト組成物は、以下に説明するアルミニウム粉末(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、多官能(メタ)アクリレート(C)および光重合開始剤(D)、およびフェノール性水酸基を有する化合物(E)フラックスを含有する。また、前記感光性ペースト組成物には、ガラス粉末を配合してもよい。
<アルミニウム粉末(A)>
アルミニウム粉末(A)としては、フレーク状アルミニウム粉末が用いられる。また、アルミニウム粉末(A)として、フレーク状アルミニウム粉末とともに、球状アルミニウム粉末を用いてもよい。アルミニウム粉末に関しては、主に粉末同士が点接触でしか接触しない球状アルミニウム粉末であっても、主に粉末同士が面接触となるフレーク状アルミニウム粉末であってもよい。なお、面接触が生じやすいフレーク状アルミニウム粉末の方が良導電性を示す。
≪フレーク状アルミニウム粉末≫
フレーク状アルミニウム粉末(A1)は、50重量%粒子径(以下「D50」ともいう。)が2〜20μm、かつ平均厚さが0.1〜1μm;好ましくはD50が2.5〜18μm、かつ平均厚さが0.15〜0.9μm;より好ましくはD50が3〜15μm、かつ平均厚さが0.15〜0.8μmの範囲にある。
D50または平均厚さが上記範囲を上回るフレーク状アルミニウム粉末を用いると、高精細なパターンを形成することが困難になることがある。また、D50または平均厚さが上記範囲を下回るフレーク状アルミニウム粉末を用いると、該粉末同士が、膜中で面接触傾向ではなく点接触傾向になるため、低抵抗のパターンを形成することが困難になることがある。
なお、本発明において、50重量%粒子径(D50)は、レーザー回折法により、後述する実施例での測定条件下で測定される場合の値である。また、平均厚さは、SEM観察により、後述する実施例での測定条件下で測定される場合の値である。
フレーク状アルミニウム粉末は、上記要件(D50および平均厚さ)を満足するフレーク状アルミニウム粉末であれば特に限定されないが、例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金およびアルミニウム化合物(但し、酸化アルミニウムを除く。以下同じ。)のフレーク状粉末;貴金属コートおよび貴金属メッキの何れか一方または双方の処理がなされた該フレーク状粉末;脂肪酸により包接された該フレーク状粉末が挙げられる。例えばFPDの配線を構成する電極を形成する場合には、前記例示のフレーク状粉末が好適に用いられるが、特に、JIS K 5906に記載の方法に従って測定されるリーフィング価が小さい(またはリーフィング価がない)、ノンリーフィング型フレーク状粉末が好適に用いられる。また、前記例示のフレーク状粉末は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記貴金属コートおよび貴金属メッキで用いられる貴金属としては、例えば、金、銀、白金、これらの合金が挙げられる。これらの貴金属は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、この貴金属コートおよび貴金属メッキは、従来公知の方法に従って行うことができる。
上記脂肪酸としては、例えば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ぺラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトイル酸、マルガリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセレン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸が挙げられる。これらの脂肪酸の中では、オレイン酸は効率的にアルミニウム粉末を包接および/または修飾することができる。オレイン酸などの脂肪酸を用いて、上記フレーク状粉末を包接および/または修飾することで、ノンリーフィング型のフレーク状粉末を容易に得ることができる。そして、このようなノンリーフィング型のフレーク状アルミニウム粉末を用いることで、感光性ペースト層中に該アルミニウム粉末をより均一に分散することが可能となる。このため、このようにして得られる感光性ペースト層は露光光を反射することなく(すなわち、透過率が向上する)、良好にパターン形成することができる。
≪球状アルミニウム粉末≫
本発明において、フレーク状アルミニウム粉末とともに、球状アルミニウム粉末を用いてもよい。球状アルミニウム粉末は、50重量%粒子径(D50)が1〜20μm、好ましくは1.5〜18μm、さらに好ましくは2〜15μmの範囲にある。なお、本発明において球状アルミニウム粉末の形状とは、フレーク状(燐片状)以外の形状を意味し、特に限定はされない。
D50が上記範囲を上回る球状アルミニウム粉末を用いると、高精細なパターンを形成することが困難になることがある。また、D50が上記範囲を下回る球状アルミニウム粉末を用いると、歩留りが悪く、安価にパターンを形成することが困難になることがある。
球状アルミニウム粉末としては、上記要件(D50)を満足する球状アルミニウム粉末であれば特に限定されないが、例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金およびアルミニウム化合物の球状粉末;貴金属コートおよび貴金属メッキの何れか一方または双方の処理がなされた該球状粉末が挙げられる。例えば、FPDの配線を構成する電極を形成する場合には、前記例示の球状粉末が好適に用いられるが、特に純アルミニウムが好適に用いられる。また、前記例示の球状粉末は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記貴金属コートおよび貴金属メッキで用いられる貴金属としては、例えば、金、銀、白金、これらの合金が挙げられる。これらの貴金属は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪構成比≫
本発明に係る感光性ペースト組成物において、アルミニウム粉末(A)の含有量は、該組成物全体に対して、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜50重量%、さらに好ましくは20〜40重量%の範囲にある。アルミニウム粉末(A)の含有量が前記範囲にあると、導電性に優れたパターンを形成することができる。
なお、アルミニウム粉末の含有量とは、フレーク状アルミニウム粉末のみ用いられる場合には、その固形分換算での含有量を指し;フレーク状アルミニウム粉末と球状アルミニウム粉末とが用いられる場合には、該フレーク状アルミニウム粉末と該球状アルミニウム粉末との固形分換算での含有量の合計(フレーク状アルミニウム粉末+球状アルミニウム粉末)を指す。
また、フレーク状アルミニウム粉末とともに球状アルミニウム粉末を用いてもよく、球状アルミニウム粉末に対するフレーク状アルミニウム粉末の固形分換算での重量比(フレーク状アルミニウム粉末/球状アルミニウム粉末)は、好ましくは100/0〜50/50、より好ましくは100/0〜60/40、さらに好ましくは100/0〜70/30の範囲にある。固形分換算での重量比(フレーク状アルミニウム粉末/球状アルミニウム粉末)が前記範囲にあると、導電性に優れたパターンを形成することができる。
また、本発明に係る感光性ペースト組成物において、アルミニウム粉末(A)とともに、他の金属粉末(例えば、Pt、Au、Ag、Cu、Sn、Ni、Fe、Zn、W、Moおよびこれらの化合物(但し、ガラス粉末を除く。)の粉末。)を、該アルミニウム粉末(A)100重量部に対して、25重量部以内で用いてもよい。
<アルカリ可溶性樹脂(B)>
アルカリ可溶性樹脂(B)は、アルカリ可溶性であれば特に限定されない。なお、本発明において「アルカリ可溶性」とは、目的とする現像処理が可能な程度に、アルカリ性の現像液に溶解する性質をいう。
アルカリ可溶性樹脂(B)としては、以下のアルカリ可溶性官能基含有モノマー(B1)と(メタ)アクリル酸誘導体(B2)との共重合体が好ましい。
≪アルカリ可溶性官能基含有モノマー(B1)≫
アルカリ可溶性官能基含有モノマー(B1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(α−ヒドロキシメチル)アクリレートなどの水酸基含有モノマー類;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基含有モノマー類などの、アルカリ可溶性官能基と不飽和結合とを有するモノマーが挙げられる。
これらのモノマー(B1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらのモノマー(B1)の中では、(メタ)アクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
≪(メタ)アクリル酸誘導体(B2)≫
(メタ)アクリル酸誘導体(B2)としては、アルカリ可溶性官能基含有モノマー(B1)と共重合可能な(メタ)アクリル酸誘導体であれば特に限定されない。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの、上記モノマー(B1)以外の(メタ)アクリレート類が挙げられる。
これらのモノマー(B2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明では、(メタ)アクリル酸誘導体(B2)の代わりに、あるいは(メタ)アクリル酸誘導体(B2)とともに、例えば、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどから得られるポリマーの一方の鎖末端に、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基などの重合性不飽和基を有するマクロモノマーを用いてもよい。
≪アルカリ可溶性樹脂(B)の物性≫
アルカリ可溶性樹脂(B)の重量平均分子量(以下「Mw」ともいう。)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値で、好ましくは5000〜100000、より好ましくは10000〜80000である。Mwは、上記モノマーの共重合割合、連鎖移動剤、重合温度などの条件を適宜選択することにより制御することができる。Mwが前記範囲を上回ると、現像後の膜荒れが発生しやすくなる。また、Mwが前記範囲を下回ると、未露光部の現像液に対する溶解性が低下し、パターンの解像度が低下する場合がある。
アルカリ可溶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0〜120℃、より好ましくは10〜100℃である。ガラス転移温度が前記範囲を下回ると、塗膜にタックを生じやすく、ハンドリングがしにくい傾向にある。また、ガラス転移温度が前記範囲を上回ると、感光性ペースト層とガラス基板などの支持体との密着性が悪くなり、後述する転写フィルムを用いる場合には、該ペースト層を転写できないことがある。なお、ガラス転移温度は、アルカリ可溶性官能基含有モノマー(B1)および(メタ)アクリル酸誘導体(B2)の量を変更することによって適宜調節することがでる。
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は、好ましくは20〜200mgKOH/g、より好ましくは30〜160mgKOH/gである。酸価が前記範囲を下回ると未露光部をアルカリ現像液で速やかに除去しにくく、高精細なパターンを形成することが困難になることがある。また、酸価が前記範囲を上回ると、露光光によって硬化した部分もアルカリ現像液に浸食されやすくなり、高精細なパターンを形成することが困難になることがある。
<多官能(メタ)アクリレート(C)>
本発明に係る感光性ペースト組成物には、下記感光性成分が含まれる。
多官能(メタ)アクリレート(C)としては、例えば、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)タクリレート類;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、ベンジルメルカプタン(メタ)トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの3官能以上の(メタ)アクリレート類;
上記化合物中の芳香環に結合した水素原子のうち、1〜5個が塩素原子または臭素原子に置換されたモノマーが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレート(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤(D)としては、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。また、露光感度を向上させるために、光重合開始剤(D)とともに増感剤を用いてもよい。
光重合開始剤(D)としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、カンファーキノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2'−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのカルボニル化合物;
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド系化合物;
ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン;
エオシンやメチレンブルーなどの光還元性の色素と、アスコルビン酸やトリエタノールアミンなどのフラックスとの組み合せが挙げられる。これらの光重合開始剤(D)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る感光性ペースト組成物において、光重合開始剤(D)の含有量は、多官能(メタ)アクリレート(C)100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜40重量部の範囲にある。光重合開始剤(D)の含有量が前記範囲を上回ると、焼成後の部材(例えば、ディスプレイパネル用部材)の形状が劣化す ることがある。
<フラックス(E)>
本発明においてフラックス(E)としては、フェノール性水酸基を有する化合物であることが好ましい。
フラックス(E)としては、例えば、レゾルシノール、メチルカテコール、t-ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、シキミ酸、サリチル酸、バニリン酸、フェノールフタリン、4−クロロカテコール、4,5−ジクロロカテコール、3,6‐ジクロロカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、4,5‐ジメチルカテコール、3‐メチル‐4,6‐ジメチルカテコール、イソプロピルカテコール、4‐アリルピロカテコール、3,5‐ジ‐tert‐ブチルカテコール、3‐(tert‐ブチル)‐5‐メチルカテコール、3‐プロピルカテコール、3‐ペンチルピロカテコール、3‐シアノカテコール、3‐(アミノメチル)ピロカテコール、4‐[(メチルイミノ)メチル]ピロカテコール、4‐ビニルカテコール、3,4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4‐ジヒドロキシベンジルアルコール、ドーパミン、3’,4’‐ジヒドロキシアセトフェノン、2’,3’‐ジヒドロキシアセトフェノン、3,4‐ジヒドロキシベンジルアミン、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,5‐ジヒドロキシ安息香酸エチル、p‐シメン‐2,3‐ジオール、ピロガロール、及びこれらを組み合わせた誘導体等が挙げられる。
本願の目的を達成するフェノール性水酸基を有する化合物は、分子中にフェノール性水酸基が少なくとも二つ存在する化合物であることが好ましく、下記式(1)の一般式で表される化合物であることが好ましい。また、従来公知のフェノール性水酸基を有する化合物を用いることも可能である。
Figure 2011013588
本願において、上記式(1)で表される化合物の中で、より好ましくは、レゾルシノール、メチルカテコールおよび4−tert−ブチルカテコールが好ましい。
尚、本願に用いられるフラックスとは、酸化抑制機能および酸化皮膜除去機能を有する融剤の事を意図し、フラックス(E)は、ディスプレイパネル用パターン焼成中において還元機能を発現する。
<ガラス粉末>
本発明において、ガラス粉末を用いることが好ましい。ガラス粉末は、本発明に係る感光性ペースト組成物を用いて形成されるパターンの用途(例えば、FPDの部材、電子部品の部材など。)に応じて適宜選択することができる。
ガラス粉末の好適な具体例としては、
1.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素の混合物(PbO−B23−SiO2系)、
2.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素の混合物(ZnO−B23−SiO2系)、
3.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの混合物
(PbO−B23−SiO2−Al23系)、
4.酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素の混合物
(PbO−ZnO−B23−SiO2系)、
5.酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素の混合物
(Bi23−B23−SiO2系)、
6.酸化亜鉛、酸化リン、酸化ケイ素の混合物(ZnO−P25−SiO2系)、
7.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化カリウムの混合物(ZnO−B23−K2O系)、
8.酸化リン、酸化ホウ素、酸化アルミニウムの混合物
(P25−B23−Al23系)、
9.酸化亜鉛、酸化リン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの混合物
(ZnO−P25−SiO2−Al23系)、
10.酸化亜鉛、酸化リン、酸化チタンの混合物(ZnO−P25−TiO2系)、
11.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウムの混合物
(ZnO−B23−SiO2系−K2O系)、
12.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム、酸化カルシウムの混合物(ZnO−B23−SiO2−K2O−CaO系)、
13.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウムの混合物(ZnO−B23−SiO2−K2O−CaO−Al23系)、
14.酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの混合物
(B23−SiO2−Al23系)、
15.酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化ナトリウムの混合物
(B23−SiO2−Na2O系)、が挙げられる。これらの中では、環境に配慮した無鉛ガラスが特に好ましい。
ガラス粉末の平均粒子径は、パターンの形状を考慮して適宜選択される。ガラス粉末の50重量%粒子径(D50)は、好ましくは0.2〜5μm、より好ましくは0.2〜4μm、さらに好ましくは0.5〜3.8μmの範囲にある。また、ガラス粉末の10重量%粒子径(D10)は0.05〜0.5μmの範囲にあることが好ましく、90重量%粒子径(D90)は10〜20μmの範囲にあることが好ましい。ガラス粉末の平均粒子径(D50、D10、D90)が前記範囲にあると、露光工程において、露光光が感光性ペースト層の底部まで充分到達し、高精細なパターンを形成することができる。
なお、本発明において、50重量%粒子径(D50)、10重量%粒子径(D10)および90重量%粒子径(D90)は、レーザー回折法により、後述する実施例での測定条件下で測定される場合の値である。
また、例えばFPDの配線を構成する電極を形成する場合には、ガラス粉末として、(a)軟化点が好ましくは350〜700℃、より好ましくは400〜620℃の範囲にあるガラス粉末(以下「ガラス粉末(a)」ともいう。)を用いることが好ましい。
軟化点が上記範囲を下回るガラス粉末を用いると、感光性ペースト層を露光・現像して形成されるパターンを焼成する工程において、アルカリ可溶性樹脂(B)などの有機物質が完全に分解除去されない段階で該ガラス粉末が溶融してしまうため、電極中に該有機物質の一部が残留することがある。その結果、前記電極が着色されて、その光透過率が低下することがある。一方、軟化点が上記範囲を上回るガラス粉末を用いると、感光性ペースト層を露光・現像して形成されるパターンを焼成する工程において、その温度条件が非常に高くなるため、ガラス基板に歪みなどが発生することがある。
なお、本発明において、ガラス粉末の軟化点は、DSC測定により、後述する実施例での測定条件下で測定される場合の値である。
本発明に係る感光性ペースト組成物において、ガラス粉末の含有量は、該組成物全体に対して、好ましくは0.5〜35重量%、より好ましくは1.0〜25重量%、さらに好ましくは1.5〜20重量%の範囲にある。
特に、ガラス粉末の少なくとも一部がガラス粉末(a)であることが好ましく、該ガラス粉末(a)の含有量は、感光性ペースト組成物全体に対して、好ましくは1.0〜25重量%、より好ましくは1.5〜20重量%の範囲にある。ガラス粉末(a)の含有量が前記範囲にあると、FPDの配線を構成する電極などの部材を形成する場合に好適である。
<添加剤>
本発明に係る感光性ペースト組成物には、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、有機溶媒、密着助剤、溶解促進剤、増感剤、可塑剤、増粘剤、分散剤、無機粒子およびアルカリ可溶性樹脂の沈降防止剤、ならびにレベリング剤などの添加剤を添加してもよい。
≪増感剤≫
増感剤としては、例えば、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールが挙げられる。
これらの増感剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても用いられるものもあり、光重合開始剤との組み合せにより、増感剤であるか光重合開始剤であるかが決定される。
本発明に係る感光性ペースト組成物において、増感剤の含有量は、上記無機粒子100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜3重量部の範囲にある。増感剤の含有量が前記範囲を下回ると、光感度を向上させる効果が発揮されないことがあり、増感剤の含有量が前記範囲を上回ると、露光部の残存率が小さくなり過ぎることがある。
≪紫外線吸収剤≫
本発明に係る感光性ペースト組成物には、紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収効果の高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度のパターンが得られる。紫外線吸収剤としては、有機系染料または無機系顔料を用いることができ、中でも350〜450nmの波長範囲で高い紫外線吸収係数を有する有機系染料または無機系顔料が好ましく用いられる。
有機系染料としては、例えば、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料が挙げられ;無機系顔料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムが挙げられる。これらの中では、FPDの配線を構成する電極を形成する場合には、その信頼性の観点から、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなどの無機系顔料がより好ましい。
無機系顔料は、ガラス粉末100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部の範囲となる量で添加することができる。無機系顔料の添加量が前記範囲を下回ると、紫外線吸収剤の添加効果が小さく、所望の効果が得られないことがある。また、無機系顔料の添加量が前記範囲を上回ると、紫外線吸収剤の添加効果が大きく、感光性ペースト層の底部まで露光光が届かなくなり、パターンを形成できなくなることや成膜強度を保てないことがある。
≪重合禁止剤≫
本発明に係る感光性ペースト組成物には、保存時の熱安定性を向上させるために、重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールが挙げられる。
重合禁止剤は、感光性ペースト組成物全体に対して、好ましくは0.001〜1重量%の範囲となる量で添加することができる。
≪酸化防止剤≫
本発明に係る感光性ペースト組成物には、保存時におけるアルカリ可溶性樹脂(B)の酸化を防ぐために、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニルホスファイトが挙げられる。
酸化防止剤は、感光性ペースト組成物全体に対して、好ましくは0.001〜1重量%の範囲となる量で添加することができる。
≪有機溶媒≫
本発明に係る感光性ペースト組成物には、その粘度を調整するために、有機溶媒を加えてもよい。有機溶媒としては、例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネニルアセテート、リモネン、カルベオール、カルビニルアセテート、シトロネロール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロピルアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸が挙げられる。これらの有機溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒は、感光性ペースト組成物全体に対して、好ましくは15〜40重量%の範囲となる量で添加することができる。
≪密着助剤≫
本発明に係る感光性ペースト組成物には、感光性ペースト層とガラス基板などの支持体との密着性を向上させるために、密着助剤を添加してもよい。密着助剤としては、シラン化合物が好適に用いられる。
シラン化合物としては、例えば、n−プロピルジメチルメトキシシラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−イコサンジメチルメトキシシラン、n−プロピルジエチルメトキシシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメトキシシラン、n−イコサンジエチルメトキシシラン、n−ブチルジプロピルメトキシシラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルメトキシシラン、n−イコサンジプロピルメトキシシラン、
n−プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルエトキシシラン、n−イコサンジメチルエトキシシラン、n−プロピルジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエトキシシラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルエトキシシラン、n−イコサンジエチルエトキシシラン、n−ブチルジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラン、n−イコサンジプロピルエトキシシラン、n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキシシラン、n−イコサンジメチルプロポキシシラン、n−プロピルジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルプロポキシシラン、n−イコサンジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジプロピルプロポキシシラン、n−デシルジプロピルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキシシラン、n−イコサンジプロピルプロポキシシラン、n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、n−イコサンメチルジメトキシシラン、n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシラン、n−イコサンエチルジメトキシシラン、n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジメトキシシラン、n−イコサンプロピルジメトキシシラン、
n−プロピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジエトキシシラン、n−イコサンメチルジエトキシシラン、n−プロピルエチルジエトキシシラン、n−ブチルエチルジエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−イコサンエチルジエトキシシラン、n−ブチルプロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラン、n−イコサンプロピルジエトキシシラン、n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシラン、n−イコサンメチルジプロポキシシラン、n−プロピルエチルジプロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジプロポキシシラン、n−イコサンエチルジプロポキシシラン、n−ブチルプロピルジプロポキシシラン、n−デシルプロピルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポキシシラン、n−イコサンプロピルジプロポキシシラン、
n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−イコサントリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−イコサントリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、n−イコサントリプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,N'−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンが挙げられる。これらのシラン化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る感光性ペースト組成物において、密着助剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂(B)100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の範囲にある。
≪溶解促進剤≫
本発明に係る感光性ペースト組成物には、後述する現像液への充分な溶解性を発現させる目的で、溶解促進剤を添加してもよい。溶解促進剤としては、界面活性剤が好ましく用いられる。このような界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、脂肪酸が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、BM CHIMIE社製「BM−1000」、「BM−1100」;大日本インキ化学工業(株)製「メガファックF142D」、「同F172」、「同F173」、「同F183」;住友スリーエム(株)製「フロラードFC−135」、「同FC−170C」、「同FC−430」、「同FC−431」;旭硝子(株)製「サーフロンS−112」、「同S−113」、「同S−131」、「同S−141」、「同S−145」、「同S−382」、「同SC−101」、「同SC−102」、「同SC−103」、「同SC−104」、「同SC−105」、「同SC−106」が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製「SH−28PA」、「SH−190」、「SH−193」、「SZ−6032」、「SF−8428」、「DC−57」、「DC−190」;信越化学工業(株)製「KP341」;新秋田化成(株)製「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル類が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤の市販品としては、例えば、花王(株)製「エマルゲンA−60」、「A−90」、「A−550」、「B−66」、「PP−99」;共栄社化学(株)製「(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57」、「同No.90」が挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ぺラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトイル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセレン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸が挙げられる。
これらの界面活性剤の中では、現像時に未露光部の除去が容易であることから、ノニオン系界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアリールエーテル類がより好ましく、該ポリオキシエチレンアリールエーテル類の中では、下記式(2)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2011013588
上記式(2)中、R1は炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基であり;pは1〜5の整数であり;sは1〜5の整数、好ましくは2であり;tは1〜100の整数、好ましくは10〜20の整数である。
本発明に係る感光性ペースト組成物において、溶解促進剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂(B)100重量部に対して、好ましくは0.001〜20重量部、より好ましくは0.01〜15重量部、特に好ましくは0.1〜10重量部の範囲にある。溶解促進剤の含有量が前記範囲にあると、後述する現像液への溶解性に優れた感光性ペースト組成物が得られる。
<感光性ペースト組成物の調製>
本発明に係る感光性ペースト組成物は、フレーク状アルミニウム粉末などのアルミニウム粉末(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、多官能(メタ)アクリレート(C)および光重合開始剤(D)、フラックス(E)と、必要に応じて用いられる球状アルミニウム粉末、ガラス粉末および有機溶媒などの添加剤とを所定の組成比となるように調合した後、3本ロールや混練機で均質に混合分散して調製される。
本発明に係る感光性ペースト組成物の粘度は適宜調整可能だが、100〜500000cps(センチ・ポイズ)の範囲にあることが好ましい。
上記感光性ペースト組成物は、上記感光性ペースト組成物からなる感光性ペースト層を基板上に形成する工程(感光性ペースト層形成工程)で得られる感光性ペースト層において、膜厚5μmで波長365nmの光に対する透過率が0.1%以上となることが好ましい。膜厚5μmで波長365nmの光に対する透過率が0.1%未満となる場合、フォトリソグラフィー法によるパターン形成は困難となることがある。
〔パターン形成方法〕
本発明に係るパターン形成方法は、上記感光性ペースト組成物からなる感光性ペースト層を基板上に形成する工程(感光性ペースト層形成工程)、該感光性ペースト層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程(露光工程)、該感光性ペースト層を現像処理してパターンを形成する工程(現像工程)、および該パターンを焼成処理する工程(焼成工程)を含むことを特徴とする。
<感光性ペースト層形成工程>
本工程では、上記感光性ペースト組成物からなる感光性ペースト層を基板上に形成する。感光性ペースト層の形成方法としては、例えば、(i)上記感光性ペースト組成物を基板上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて形成する方法、(ii)上記感光性ペースト組成物を支持フィルム上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて得られる感光性ペースト層を有する転写フィルムを用いて、基板上に該ペースト層を転写する方法などが挙げられる。
(i)上記感光性ペースト組成物を基板上に塗布する方法としては、膜厚が大きく(例えば20μm以上)、かつ均一性に優れた塗膜を効率よく形成することができる方法であれば特に限定されない。例えば、ナイフコータによる塗布方法、ロールコータによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布方法、カーテンコータによる塗布方法、ダイコータによる塗布方法、ワイヤーコータによる塗布方法、スクリーン印刷装置によるスクリーン印刷法が挙げられる。
塗膜の乾燥条件は、乾燥後における有機溶媒の残存割合が2重量%以内となるように適宜調整すればよく、例えば、乾燥温度が50〜150℃、乾燥時間が0.5〜60分程度である。
上記のようにして形成された感光性ペースト層の膜厚は、好ましくは3〜300μm、より好ましくは5〜200μmである。なお、感光性ペースト組成物の塗布をn回繰り返すことで、n層(nは2以上の整数を示す。)の感光性ペースト層を有する積層体を形成してもよい。
(ii)上記感光性ペースト層を有する転写フィルムを用いた転写工程の一例を以下に示す。基板と感光性ペースト層とが接するように、基板と転写フィルムとを重ね合わせ、該転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、該ペースト層から支持フィルムを剥離除去する。これにより、基板上に感光性ペースト層が転写されて密着した状態となる。
上記支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムを形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースが挙げられる。
転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が10〜200℃、加熱ローラによるロール圧が0.5〜10kg/cm2、加熱ローラの移動速度が0.1〜10m/分である。また、上記基板は予熱されていてもよく、その予熱温度は、例えば40〜140℃である。
本発明で用いられる基板としては、例えば、ガラス、セラミック、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料からなる板状部材が挙げられる。これらの中では、耐熱性を有するガラス基板を用いることが好ましい。
<露光工程>
本工程では、上記感光性ペースト層形成工程により基板上に感光性ペースト層を形成した後、露光装置を用いて露光を行う。具体的には、感光性ペースト層に、露光用マスクを介して、紫外線などの露光光を選択的に照射して、該ペースト層にパターンの潜像を形成する。
露光は通常のフォトリソグラフィーで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法を採用することができる。フォトマスクの露光パターンは、目的によって異なるが、例えば10〜500μm幅のストライプまたは格子である。
また、フォトマスクを用いずに、赤色や青色の可視光レーザー光、Arイオンレーザーなどで直接描画する方法を用いてもよい。
露光装置としては、平行光露光機、散乱光露光機、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機などを用いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感光性ペースト層を形成した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
露光光としては、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光が挙げられるが、これらの中では紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが挙げられる。これらの中では超高圧水銀灯が好適である。
露光条件は、塗布厚みによって異なるが、例えば1〜100mW/cm2出力の超高圧水銀灯を用いて0.05〜1分間露光を行う。この場合、波長フィルターを用いて露光光の波長領域を狭くすることによって、光の散乱を抑制し、パターン形成性を向上させることができる。具体的には、i線(365nm)の光をカットするフィルター、あるいは、i線およびh線(405nm)の光をカットするフィルターを用いて、パターン形成性を向上させることができる。
<現像工程>
本工程では、上記露光後、露光部と非露光部との現像液に対する溶解度差を利用して、感光性ペースト層を現像してパターンを形成する。現像方法(例えば、浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法、ブラシ法など)および現像処理条件(例えば、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度など)などは、感光性ペースト層の種類に応じて適宜選択、設定すればよい。
現像工程で用いられる現像液としては、感光性ペースト層中の有機成分を溶解可能な有機溶媒が使用できる。また、前記有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト層中にカルボキシル基などの酸性基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。
上記感光性ペースト層には、フレーク状アルミニウム粉末および、必要に応じて球状アルミニウム粉末、ガラス粉末などの無機粒子が含まれている。このような無機粒子はアルカリ可溶性樹脂(B)により均一に分散されているため、該樹脂(B)を現像液で溶解して洗浄することにより、該無機粒子も同時に除去される。
上記アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
上記アルカリ水溶液のアルカリ濃度は、通常は0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部(未露光部)が除去されず、アルカリ濃度が高すぎると、パターンを剥離させ、あるいは非可溶部(露光部)を腐食するおそれがある。
また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
上記アルカリ水溶液には、ノニオン系界面活性剤や有機溶媒などの添加剤が含有されていてもよい。なお、アルカリ現像液による現像処理がなされた後は、通常は水洗処理が施される。
<焼成工程>
本工程では、現像工程により形成されたパターンに含まれる有機物質を焼失させるために、焼成炉にて該パターンを焼成処理する。
焼成雰囲気は、感光性ペースト組成物や基板の種類によって異なるが、空気、オゾン、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
焼成処理条件は、パターン中の有機物質が焼失されることが必要であるため、通常は、焼成温度が300〜1000℃、焼成時間が10〜90分間程度である。例えば、ガラス基板上にパターンを形成する場合は、焼成温度が350〜600℃、焼成時間が10〜60分程度である。
<加熱工程>
上記感光性ペースト層形成、露光、現像、焼成の各工程中に、乾燥または予備反応の目的で、50〜300℃の加熱工程を導入してもよい。
〔FPD用部材などの製造〕
上記工程を含む本発明に係るパターン形成方法を用いることにより、ディスプレイパネル(FPDなど)の配線を構成する部材(電極など)、電子部品の高度実装材料の部材(回路パターンなど)、および太陽電池部材の部材(配線パターンなど)を形成することができる。特に、本発明に係るパターン形成方法を用いることにより、PDPなどのFPDを好適に製造にすることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例における「部」および「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
まず、物性の測定方法および評価方法について説明する。
〔粒度分布(50重量%粒子径(D50))の測定方法〕
アルミニウム粉末およびガラス粉末の50重量%粒子径(D50)は、回折式粒度分布測定装置(島津製作所(株)製「SALD−2000J」)により測定した値である。
〔粉末の平均厚さの測定方法〕
アルミニウム粉末の平均厚さは、電子顕微鏡装置(SEM)(日立テクノロジー(株)製「S−4300」)により100個実測した平均値である。
〔軟化点の測定方法〕
ガラス粉末の軟化点は、示差走査熱量計(DSC)(TA Instruments製「2910、モジュレイテッドDSC」)により測定した値である。
〔重量平均分子量(Mw)および重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)(以下「Mw/Mn」ともいう。)の測定方法〕
アルカリ可溶性樹脂のMwおよびMw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製「HLC−8220GPC」)により測定したポリスチレン換算の値である。なお、GPC測定は、GPCカラムとして東ソー(株)製「TSKguardcolumn SuperHZM−M」を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒、測定温度40℃の条件で行った。
〔体積抵抗の測定方法〕
下記実施例および比較例で得られた感光性ペースト組成物を、ガラス基板上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を焼成することにより、該ガラス基板上に膜厚5μmの焼成膜を形成した。次に、NPS社製の「Resistivity Proccessor Modelシグマ−5」を用いて、前記焼成膜の体積抵抗(μΩ・cm)を測定した。
〔現像後および焼成後のパターンの評価方法〕
下記実施例および比較例で得られた現像後および焼成後の試験片を切断して、パターン切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製「S4200」)で観察して、パターンの幅および高さを計測し、それぞれを下記基準で評価した。なお、所望の規格は、パターンの幅が100μm、高さが5μm、間隔が100μmである。
◎:所望の規格のもの。
○:所望の規格から±5%以内のもの。
△:所望の規格から±5%を超えて±20%以内のもの。
×:所望の規格から±20%を超えるもの。
〔焼成後のパターン密着性評価〕
下記実施例および比較例で得られた焼成後の試験片を用いて、パターンと支持体であるガラス基板との密着性評価を、以下のように行った。なお、所望の規格は、パターンの幅が100μm、高さが5μm、間隔100μmである。
加熱ローラを用いて、セロテープ(登録商標)(ニチバン社製)を、ガラス基板のパターン形成面に熱圧着した。熱圧着条件は、加熱ローラの表面温度を23℃、ロール圧を4kg/cm2、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板のパターン形成面にセロテープ(登録商標)が転写されて、ガラス基板とセロテープ(登録商標)とが密着した状態となった。このセロテープ(登録商標)をガラス基板より剥離することで、パターンの密着性を評価した。
○:パターン剥れなし。
×:パターン剥れあり。
〔ガラス粉末〕
表2に示す50重量%粒子径(D50)および軟化点を有するガラス粉末(B23−SiO2−Al23系、不定形、軟化点500℃)を用いた。
〔合成例〕
n−ブチルメタクリレート40部、2−エチルヘキシルメタクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、メタクリル酸15部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオン酸)(堺化学工業(株)製)2部、ジヒドロターピネオール150部を攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、これらが均一になるまで攪拌した。
次に、上記モノマーを80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合させた後、室温まで冷却して、SH基を有するアルカリ可溶性樹脂(1)を得た。このアルカリ可溶性樹脂(1)の重合率は98%であり、重量平均分子量は20000(Mw/Mn 1.8)であった。
〔感光性樹脂成分の調製〕
表3に示す組成の感光性樹脂成分を調製した。
Figure 2011013588
Figure 2011013588
Figure 2011013588
TMP:トリメチロールプロパン(プロピオンオキサイド変性)トリアクリレート
MTPMP:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン
DETX:2,4−ジエチルチオキサントン
TNOL:ターピネオール
尚、多官能(メタ)アクリレート(C)の含有量は、露光光に対する感度の点から、感光性樹脂成分全体に対して、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15〜60重量%の範囲にある。多官能(メタ)アクリレート(C)の含有量が前記範囲を上回ると、焼成後の部材(例えば、ディスプレイパネル用部材)の形状が劣化することがある。
Figure 2011013588
実施例1〜6および比較例1は、表3に示す各成分を混合し、感光性樹脂成分を作製した。次いで感光性樹脂成分と表1に示すアルミニウム粉末及び、表2に示すB−SiO系ガラス粉末(不定形、軟化点500℃)と、表4に示す組成と表5に示す添加部数で各フラックス成分を混合し、混練機で混練して感光性アルミ含有ペースト組成物(以下「感光性ペースト」ともいう。)を調製した。
上記感光性ペーストを325メッシュのスクリーンを用いてパネルの試験片(150mm×150mm×1.8mm)上に100mm角の大きさにベタに印刷し、100℃で10分間保持して乾燥した。
×
次に、ネガ型クロムマスク(パターン幅100μm、パターン間隔100μm)を用いて、上面から25mJ/cm出力の超高圧水銀灯により、無機粒子含有感光性ペースト層を紫外線露光した。露光量は600mJ/cmであった。
次に、露光後の感光性ペースト層に、23℃に保持した炭酸ナトリウムの0.5%水溶液を、シャワーで60秒間かけることにより現像した。その後、シャワースプレーを用いて水洗浄し、光硬化していないスペース部分を除去してパネル用ガラス基板上に格子状の感光性ペーストパターンを形成した。次に、得られた感光性ペーストパターンを580℃で30分間焼成して電極パターンを形成した。この焼成後のパターンを上記評価方法により、焼成後のパターンの評価、密着性評価および体積低効率の電気抵抗測定を行った。その結果を表5の実施例1〜6に示す。
次に、比較例1は表3に示す感光性樹脂成分を、表4の組成とフラックス無添加で混練機で混練して感光性ペーストを調製し、実施例1〜6と同様の評価を行った。比較例1の現像後のパターンは、実施例1〜6と同様の形状が得られた。その結果を表6の比較例1に示す。
表6の結果より、フラックスを添加した実施例1〜6は、フラックス無添加の比較例1と比較して、いずれにおいても、体積抵抗率の減少が確認された。
Figure 2011013588
101 ガラス基板、102 ガラス基板、103 背面隔壁、104 透明電極
105 バス電極、106 アドレス電極、107 蛍光物質、108 誘電体層
109 誘電体層、110 保護層、111 前面隔壁、201 ガラス基板、202 ガラス基板、203 絶縁層、204 透明電極、205 エミッタ、206 カソード電極、207 蛍光体、208 ゲート、209 スペーサ

Claims (7)

  1. (A)アルミニウム粉末、
    (B)アルカリ可溶性樹脂、
    (C)多官能(メタ)アクリレート、
    (D)光重合開始剤、および
    (E)フラックス
    を含有する感光性ペースト組成物。
  2. 前記(E)成分がフェノール性水酸基を有する化合物である請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
  3. 前記(E)成分が下記式(1)で表される化合物を含む請求項1〜2の何れかに記載の感光性ペースト組成物。
    Figure 2011013588
    (上記式(1)において、Rは炭素数が1〜20のアルキル基を示し、nは0〜4の整数である。)
  4. 前記(E)成分が、レゾルシノール、メチルカテコールおよび4−tert−ブチルカテコールから選ばれる少なくとも1つである請求項1〜3の何れかに記載の感光性ペースト組成物。
  5. 前記(E)成分の含有量が、前記(A)アルミニウム粉末100重量部に対し、1〜20重量部である請求項1〜4の何れかに記載の感光性ペースト組成物。
  6. 前記(A)成分の50重量%粒子径(D50)が1〜20μm、かつ平均厚さが0.1〜1μmの範囲にあるフレーク状である請求項1〜5の何れかに記載の感光性ペースト組成物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の感光性ペースト組成物から感光性ペースト層を基板上に形成する工程、該感光性ペースト層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、該感光性ペースト層を現像処理してパターンを形成する工程、および該パターンを焼成処理する工程を含む、パターン形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020113795A1 (zh) * 2018-12-03 2020-06-11 深圳市华星光电技术有限公司 负性光刻胶及其应用

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