JP2011006916A - 建物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建物21の外壁21aの外側に間隔をおいて配置された側壁26と、その側壁26に対向するように建物21の外壁21aに設けられた窓28との間に植栽緑化室27を形成する。植栽緑化室27内には植栽を設け、窓28を介して室内側から植栽植物34を見ることができるように構成する。植栽緑化室27内に太陽光を導入するための導光ダクト36を設ける。
【選択図】図3
Description
特許文献1に記載の従来構成では、建物の壁面の外側に所定間隔をおいて格子状の立面体が立設され、この立面体につる性植物を絡ませて登攀させることにより、建物の壁面が覆われている。特許文献2に記載の従来構成では、建物の壁面の外側に壁体が配置され、その壁体には培養土を収容する収容空間が形成されている。壁体の外面にはプランタが取り付けられ、そのプランタの背面開口部が壁体の外面開口部を介して収容空間に連通されている。そして、プランタに栽培された植物により、壁面が緑化されている。特許文献3に記載の従来構成では、建物の壁面の外側に、枠部材と緑化基盤とよりなる緑化ユニットが埋め込まれている。そして、この緑化ユニットの緑化基盤に植栽されることにより、壁面が緑化されている。
特許文献1〜特許文献3に記載の従来構成では、街の景観向上や、太陽光線の照射に伴う建物の温度上昇の抑制を主目的として、建物の壁面の外側に植栽が施されている。このため、植栽に供された植物は建物の外側から観賞できるが、建物の室内側から眺めて、観賞することはできない。
請求項3に記載の発明においては、前記側壁の内側面に植栽を形成するための緑化基盤を設けている。
請求項5に記載の発明においては、前記導光手段には太陽光の不足分を補うための補光手段を設けている。
請求項7に記載の発明においては、前記側壁の外側面に太陽電池パネルを設け、その太陽電池パネル及び前記緑化基盤を側壁に取り付けるための取付金具を共用している。
以下に、この発明を具体化した建物の第1実施形態を、図1〜図6に従って説明する。
図1の建物21は、道路22の東側に面する位置に配置され、その建物21の北側及び南側には別の建物23が隣接状態で配置されている。この実施形態は前記建物21において具体化される。建物21の内部において北側及び南側の壁部には後述の緑化構造24が施され、その緑化構造24の植栽を建物21の室内側から見ることができるように構成されている。
図3及び図5(a)〜(d)に示すように、前記導光ダクト36には植栽植物34と対向するように、複数の光導出口36b及び光導出溝36sが形成されている。導光ダクト36の光導入口36aから光導出口36b及び光導出溝36sに至る内面はすべて光反射面となっている。導光ダクト36の一部には半球状の導光ガイド36cが形成され、その導光ガイド36cの先端に前記導出口36bを構成し、開口側ほど広がる導光筒36dが形成されている。前記光導出溝36sは縦溝状をなし、図5(c)に示すように、その開口幅が下部側ほど広がっている。そして、光導入口36aから導光ダクト36内に導入された太陽光が、導光ダクト36の内面で反射されて光導出口36b及び光導出溝36sから植栽緑化室27内の植物34及びその周囲に向けて照射される。また、図3においては、導光ダクト36は複数階を貫通して設けられているが、このように複数階を貫通したとしても、1本の導光ダクト36の光導出口36bや光導出溝36sは、1つの階の植栽緑化室27に対応して設けられることが好ましい。
(1) この建物21においては、建物21の外壁21aの外側に壁部としての側壁26が間隔をおいて配置され、その側壁26に対向するように建物21の外壁21aに窓28が設けられている。そして、側壁26と窓28との間に形成された植栽緑化室27内に植栽が設けられている。このため、建物21の室内側から窓28を介して、植栽緑化室27内の植栽植物34を観賞することができるとともに、その植物34から放散される香り,フィトンチッドやマイナスイオンを室内側に取り込んでリラックス効果を得ることができる。また、同様に植物34の蒸散に伴う涼気を室内側に取り込むことができ、このため、夏期において冷房を補助することができて、建物21の冷房負荷を低減でき、建物21の省エネルギーを達成できる。
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化した建物の第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態以降の各実施形態及び変更例は、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(9) 側壁26の外側面に緑化基盤51が設けられているため、建物21の美観を向上でき、ひいては都市の美感向上に貢献できる。また、緑化基盤51により、建物21に対する直射日光を遮ることができるとともに、建物21の周囲に対する直射日光の反射を軽減できるため、緑化基盤51を有する建物21及びその周囲の建物の冷房負荷を軽減でき、温暖化防止の一助とすることができる。
次に、この発明を具体化した建物の第3実施形態を説明する。
さて、この第3実施形態においては、図9に示すように、建物21の中央部に壁部としての第1内壁52が設けられるとともに、その第1内壁52に間隔をおいて別の第2内壁53が設けられている。両内壁52,53間に植栽緑化室27が区画されている。従って、その植栽緑化室27内において、第1内壁52の内面には緑化基盤29が取り付けられ、その緑化基盤29には植物34が植栽されている。第2内壁53には開閉可能な窓28が設けられ、その窓28を介して緑化基盤29上の植栽植物34を見ることができるようになっている。
(10) 建物21の中央部に設けられた植栽緑化室27内の植栽植物34を、室内から窓28を介して観賞することができる。
(12) 第2内壁53に窓28を設け、その窓28を通して窓28の外側(第1内壁52側)の植栽植物34を観賞できるため、仮に建物21の室内スペースが狭くても、居住者は開放感を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、この発明を具体化した建物の第4実施形態を説明する。
(14) 植栽緑化室27が吹き抜け構造になっているため、植栽緑化室27に立木のような高い植物34を植栽して生育させることができる。
次に、この発明を具体化した建物の第5実施形態を説明する。
さて、この第5実施形態においては、図11〜図13に示すように、側壁26の内側面に取り付けられた緑化基盤29の内面に、金網等よりなる補助材56が積層配置されている。この構成においては、図11に示すように、プランタ35を用いて緑化基盤29の上端部付近に下垂性の植物34を植栽し、その下垂性植物34を補助材56に這わせて下垂するように生育させることができる。
(15) 緑化基盤29の内面に金網等よりなる補助材56が積層配置されているため、この補助材56を用いて植栽の多様化を図ることができる。
次に、この発明を具体化した建物の第6実施形態を説明する。
さて、この第6実施形態においては、図14に示すように、緑化基盤29が多数の小孔58を有するパンチングボードにより構成されている。そして、緑化基盤29の内面側から任意の小孔58に支持金具57を挿通支持するとともに、その支持金具57にプランタ等の容器を支持することにより、植栽を行うようになっている。
(16) 緑化基盤29がパンチングボードにより構成されているため、小孔58に対する支持金具57の取り付け位置を変更することにより、緑化基盤29に対する植栽位置を任意に変更することができる。
次に、この発明を具体化した建物の第7実施形態を説明する。
さて、この第7実施形態においては、図15に示すように、導光ダクト36の光導入口36aに集光手段としての集光装置59が設けられている。この集光装置59は、回転放物曲面よりなる相似形の第1反射ミラー59aと第2反射ミラー59bとを、焦点59cが同一点となるように対向配置して構成されている。そして、第1反射ミラー59aによって反射して集光された太陽光が焦点59cを経た後、第2反射ミラー59bによって第1反射ミラー59aと同一の反射角で反射されて平行光にされ、導光ダクト36の光導入口36aに導入される。なお、図示しないが、集光装置59の上方には、その集光装置59を覆って、雨水や落ち葉等が第1反射ミラー59a上に落ちることを防ぐための透明板が設けられている。
(17) 導光ダクト36の光導入口36aに集光装置59が設けられているため、その集光装置59により大量の太陽光を効率よく集めて導光ダクト36内に導入することができる。従って、導光ダクト36の数が少なくても、植栽緑化室27内に太陽光を有効に供給できる。
次に、この発明を具体化した建物の第8実施形態を説明する。
さて、この第8実施形態においては、図16に示すように、導光ダクト36が各パイプ状をなしている。また、その導光ダクト36の幹管36Aが屈曲状に形成されて下部側がほぼ水平に形成されるとともに、その幹管36Aの途中に複数の枝管60が分岐されている。そして、光導入口36aから導光ダクト36の幹管36A内に導入された太陽光が、各枝管60において分岐して複数の光導出口に導かれるようになっている。
(18) 導光ダクト36の幹管36Aから枝管60が水平に分岐されているため、1つの光導入口36aから導入された太陽光を複数に分岐して、例えば同一階の複数の植栽緑化室27導くことができる。
この発明の実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図17(a)〜(i)に示すように、導光ガイド36cに対する光導出口36bの位置や形状を変更すること。図17(a)(c)(d)(f)(g)(h)(i)は、光導出口36bの開口側から半球状の導光ガイド36cを見たものである。図17(a)は、図5に示すようなコーン状の導光筒36dの光導出口36bを楕円状にしたものである。図17(b)は導光筒36dを先窄まり形状にしたもので、スポット的な光照射に適する。図17(c)は図17(b)の導光筒36dを導光ガイド36cの中心位置から偏倚させたもの、図17(d)先窄まりの導光筒36dを扁平形状にしたものである。図17(e)〜(i)は、導光筒36dを設けることなく、導光ガイド36cの先端に光導出口36bを形成したもので、それらの光導出口36bは、それぞれ円形,長四角形,楕円形,十字形をなしている。これらの図17(a)〜(i)の構成によれば、照射される光の形や径等の各種の要求に応じて適宜に選択できる。
・ 図19(a)〜(d)に示すように、導光ダクト36(幹管36Aでもよい)の断面形状を変更すること。図19(a)は長四角形、図19(b)はほぼ半円形、図19(c)は三角形、図19(d)楕円形である。これらの形状は、導光ダクト36の配置場所等に応じて選択される。また、これらの形状を導光ダクト36の枝管60に具体化してもよい。
・ 図20(a)(b)に示すように、導光ガイド36cを導光ダクト36(幹管36A,枝管60でもよい)と別体に形成して、導光ガイド36cを導光ダクト36に対して着脱出来きるように構成すること。図20(a)(b)は、導光ダクト36の外側面にボルト71を固定し、導光ガイド36cに形成された孔36gまたは凹部36hをボルト71に外嵌めしてネット72により固定できるようにしている。このように構成すれば、必要に応じて所要の形状あるいは構造の導光ガイド36cを取り付けることができる。
・ 例えば図22(a)〜(c)に示すように、導光ダクト36の幹管36Aから各種の方向へ枝管60を分岐させ、各枝管60に光導出溝36sを形成すること。図22(a)は複数の枝管60を上下方向に間隔をおいて左右方向に分岐させたものである。図22(b)は、上下方向に間隔をおいて左右方向に分岐させた中継管61からさらに下方へ向けて複数の枝管60を平行に分岐させたものである。図22(c)は、複数の枝管60を放射方向へ分岐させたものである。なお、枝管60は、図22(d)(e)に示すように、好適な断面形状のものが選択される。
・ 前記各実施形態において、最上階の植栽緑化室27の天井壁26aとして透光性を有する板材により形成し、最上階の植栽緑化室27内には太陽光が直接照射されるように構成すること。
・ 前記導光ダクト36の補光装置39を光導出口36bとは対向しない位置に設けること。このように構成しても、前記第1実施形態のような補助光を植物34に供給できる。また、補光装置39の光源42として、LED以外のもの、例えばエレクトロルミネッセンスや蛍光ランプを用いること。
さらに、上記実施形態により把握される請求項以外の技術的思想について、以下にそれらの効果とともに記載する。
(B) 前記壁部を建物内の内壁により構成するとともに、前記窓を前記内壁とは別の内壁に設けたことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の建物。
(C) 前記導光ダクトの光導入側に集光手段を設けたことを特徴とする請求項4〜7のうちのいずれか一項に記載に記載の建物。
(D) 植栽緑化室を、建物の外壁と、その外壁の内側に設けられた内壁との間に形成し、内壁に観賞用の窓を設けたことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の建物。
Claims (7)
- 壁部と、その壁部の室内側において壁部に対向する窓との間に植栽緑化室を設け、
その植栽緑化室内に植栽を設けるとともに、その室内に太陽光を導入するための導光手段を設け、前記窓を介して植栽を観賞することができるようにしたことを特徴とする建物。 - 前記壁部を建物の外壁の外側に設けられた側壁により構成するとともに、前記窓を外壁に設けたことを特徴とする請求項1に記載の建物。
- 前記側壁の内側面に植栽を形成するための緑化基盤を設けたことを特徴とする請求項2に記載の建物。
- 前記導光手段を屋外の太陽光を前記植栽緑化室内に導くための導光ダクトにより構成したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の建物。
- 前記導光手段には太陽光の不足分を補うための補光手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の建物。
- 前記補光手段の電源を太陽電池としたことを特徴とする請求項5に記載の建物。
- 前記側壁の外側面に太陽電池パネルを設け、その太陽電池パネル及び前記緑化基盤を側壁に取り付けるための取付金具を共用したことを特徴とする請求項3〜6のうちのいずれか一項に記載の建物。
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