JP2011006277A - オキシナイトライドガラス繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の各工程を含む、オキシナイトライドガラス繊維の製造方法:
下記組成を含むガラス原料組成物を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
前記ガラス原料組成物に、Si3N4:5〜30部を、総量が100部になるように添加する工程;および
窒素雰囲気下において、Si3N4を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程(ただし、SiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3の全重量はガラス原料組成物の重量の98%〜100%であり、SiO2およびSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。)。
【選択図】なし
Description
ガラス繊維は炭素繊維に比べ、価格などは優れているが、強度、弾性率が劣り比重が大きいため、軽量構造部材としての要求特性を満たさないことがある。
そのため、弾性率を飛躍的に向上する強化繊維として、オキシナイトライドガラスからなる強化繊維(オキシナイトライドガラス繊維)がある。
したがって、従来の方法より低い温度において溶融を可能とすることは、オキシナイトライドガラス繊維の製造効率の向上、コストの低減および品質の向上に資するものである。
すなわち、本発明は、下記の各工程を含む、オキシナイトライドガラス繊維の製造方法に関する:
下記組成を含むガラス原料組成物を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
前記ガラス原料組成物に、金属窒化物であるSi3N4:5〜30部を、総量が100部になるように添加する工程;および
窒素雰囲気下において、前記金属窒化物(Si3N4)を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程(ただし、SiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3の全重量はガラス原料組成物の重量の98%〜100%であり、SiO2およびSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。)。
さらに、本発明は、金属窒化物(Si3N4)を添加した前記ガラス原料組成物中における炭素分の重量割合が1.5%以下である、前記製造方法に関する。
また、本発明は、溶融の温度が1750℃以下である、前記製造方法に関する。
またさらに、本発明は、ガラス原料組成物を調製する工程が、金属酸化物および/または金属水酸化物からなる混合物を1000〜1400℃でか焼してガラス原料組成物を得る工程を含む、前記製造方法に関する。
さらにまた、本発明は、CaOおよびY2O3の総量が35〜55部である、前記製造方法に関する。
また、本発明は、Y2O3の量が5〜12部である、前記製造方法に関する。
Si:24〜34%
Al:7〜11%
Mg:4〜19%
Ca:29〜53%
Y:0〜15%
(ただし、上記%はいずれもオキシナイトライドガラス繊維中の金属分の全重量に対する各金属原子の重量を示す。また、オキシナイトライドガラス繊維の全重量に対する炭素分の重量および窒素分の重量は、それぞれ0〜1%および3〜12%である。)。
また、本発明は、YおよびCaの総重量が、ガラス中の金属分の全重量に対して35〜60%である、前記オキシナイトライドガラス繊維に関する。
さらに、本発明は、Yの重量が、金属分の全重量に対して5〜12%である、前記オキシナイトライドガラス繊維に関する。
下記組成を含むガラス原料組成物を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
前記ガラス原料組成物に、Si、Al、Mg、CaおよびYからの少なくとも1種の金属の窒化物からなる金属窒化物:5〜30部を、総量が100部になるように添加する工程;および
窒素雰囲気下において、前記金属窒化物を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程(ただし、SiO2およびケイ素の窒化物であるSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。)
さらに本発明は、下記の工程を含む、オキシナイトライドガラス繊維の製造方法に関する:
下記組成を含むガラス原料を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
Si3N4:5〜30部;および
窒素雰囲気下において、前記ガラス原料を1750℃以下の温度において溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程
(ただし、SiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3の全重量は、ガラス原料の重量からSi3N4の重量を除いた重量の98%〜100%であり、部はそれぞれ重量部を示す。)。
SiO2+C→Si+CO2
Si3N4+CO2→3SiO2+6CO+2N2↑
(2)ガラス中でカーバイド結合を作っていない遊離炭素粒子はSiO2と、β−SiC結晶を生成させるため、弾性率の低下を引き起こす。
また、本発明の製造方法によれば、ガラス原料の成分として従来頻用されている炭酸塩を使わなくてもよいため、得られるオキシナイトライドガラス繊維は実質的に炭素を含まないものとすることができる。そのため、原料に炭酸塩を使用したオキシナイトライドガラス繊維よりも高い弾性率を達成することができる。
本発明の前記製造方法のうち、Si3N4を添加したガラス原料組成物中における炭素分の重量割合が1.5%以下であるものによれば、同原料組成物中の炭素分の量をより一層小さくすることができる。
本発明の前記製造方法のうち、窒素雰囲気下での溶融の温度が1750℃以下であるものによれば、溶融をより低温で行うことができる。
本発明の前記製造方法のうち、ガラス原料組成物を調製する工程が、金属酸化物および/または金属水酸化物からなる混合物を1000〜1400℃でか焼してガラス原料組成物を得る工程を含むものによれば、溶融・紡糸を行いやすくすることができる。
本発明の前記製造方法のうち、CaOおよびY2O3の総量が35〜55部であるものによれば、より高い弾性率およびより低い溶融温度を達成できる。
本発明の前記製造方法のうち、Y2O3の量が5〜12部であるものによれば、溶融温度を低下せしめる効果が高く、弾性率を向上せしめることができる。
本発明の前記オキシナイトライドガラス繊維のうち、YおよびCaの総重量が、ガラス中の金属分の全重量に対して35〜60%であるものによれば、弾性率をより高くすることができる。
本発明の前記オキシナイトライドガラス繊維のうち、Yの重量が、金属分の全重量に対して5〜12%であるものによれば、低い溶融温度で製造することができる。
また、下記の各工程を含む、オキシナイトライドガラス繊維の製造方法によれば、溶融性に優れた、上記のようなオキシナイトライドガラス繊維を得ることができる。
下記組成を含むガラス原料組成物を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
前記ガラス原料組成物に、Si、Al、Mg、CaおよびYからの少なくとも1種の金属の窒化物からなる金属窒化物:5〜30部を、総量が100部になるように添加する工程;および
窒素雰囲気下において、前記金属窒化物を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程。
(ただし、SiO2およびケイ素の窒化物であるSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。)
下記組成を含むガラス原料を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
Si3N4:5〜30部;および
窒素雰囲気下において、前記ガラス原料を1750℃以下の温度において溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程
(ただし、SiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3の全重量は、ガラス原料の重量からSi3N4の重量を除いた重量の98%〜100%であり、部はそれぞれ重量部を示す。)。
本願において、「実質的に・・・のみからなる」とは、他の成分を意図的に含有させることをせず、対象となっている成分を当該組成物全体の98.0%以上の割合で含むことを意味する。
また、本願において「ガラス原料組成物」とは、他に記載がない限り、本願発明において用いられるガラスの原料の主要成分であるSiO2、Al2O3、MgO、CaO、Y2O3、および、場合によってはその他の金属塩、ならびに不可避的に含有される他の諸成分(炭素分等)からなる、ガラス前駆体である組成物を意味する。
また、本願において「ガラス原料」とは、他に記載がない限り、窒素雰囲気下で溶融する溶融工程に付される直前のガラスの原料を意味する。
下記組成を含むガラス原料組成物を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
前記ガラス原料組成物に、Si3N4:5〜30部を、総量が100部になるように添加する工程;および
窒素雰囲気下において、Si3N4を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程(ただし、SiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3の全重量はガラス原料組成物の重量の98%〜100%であり、SiO2およびSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。)。
(a)上記特定の成分・量からなる組成のガラス原料組成物を調製する工程
(b)ガラス原料組成物に上記一定量の金属窒化物を添加する工程
(c)窒素雰囲気下において、前記金属窒化物を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程
からなる。
これらの工程(a)〜(c)につき、以下に詳述する。
同工程は、上記のとおり規定された金属酸化物を含む特定の組成物(ガラス原料組成物)を調製する工程である。
同工程において配合される成分の種類は限定されないが、製品の物性の面から、各金属の酸化物および/または水酸化物が好ましい。
・BaO、Sb2O3、SrO、Na2O、K2O、La2O3、CeO2、ZrO2、TiO2、B2O3、Cr2O3、PbO、V2O5、SnO2等の金属酸化物、
・熱分解等により上記各金属酸化物(SiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3を含む)となる炭酸塩、水酸化物、硝酸塩、シュウ酸塩等。
SiO2:好ましくは10〜20部であり、より好ましくは12〜18部である。
Al2O3:好ましくは8〜13部であり、より好ましくは9〜12部である。
MgO:好ましくは4〜20部であり、より好ましくは4.5〜19部である。
CaO:好ましくは25〜48部であり、より好ましくは26〜45部である。
同工程は、オキシナイトライドガラス繊維の必須成分である金属窒化物として、Si3N4を添加し、ガラス原料を得る工程である。かかる金属窒化物を添加することにより、弾性率が向上するといった効果が奏される。
同添加工程は、任意の方法で行うことができる。たとえば、ガラス原料組成物にSi3N4をそのまま添加・配合すればよい。ここで、添加・配合に先立ちガラス原料組成物を粉砕する工程を含めたり、添加・配合後に粉砕する工程を含む製造方法は、ガラス原料がより均一になり、後述する溶融・紡糸が行いやすくなるため好ましい。
なお、本発明において用いられる金属窒化物は、とくに限定されず、Si3N4、AlN、Mg3N2、Ca3N2、YN等を用いることができる。これらの金属窒化物のうち、Si3N4が好ましい。Si3N4を用いる場合、SiO2およびSi3N4の総量は上記のとおり30〜40部である。より好ましいSiO2およびSi3N4の総量は32〜39部であり、より好ましくは33〜38部である。
同工程は、オキシナイトライドガラス繊維を調製する最終工程である。
同工程は従来の方法で行うことが可能であるところ、本発明による上記製造方法においては、溶融を1750℃以下といった、従来の製造方法において用いられる温度より低い温度、かつより短い時間にて行うことができる。すなわち、同工程を行う温度は、好ましくは1690℃〜1750℃であり、より好ましくは1700℃〜1740℃である。
紡糸工程は脱酸素雰囲気下にて行われる。脱酸素雰囲気の条件は限定されないが、窒素雰囲気下が好ましい。
下記各金属をそれぞれについて下記に規定された量で含む、オキシナイトライドガラス繊維:
Si:24〜34%
Al:7〜11%
Mg:4〜19%
Ca:29〜53%
Y:0〜15%
(ただし、上記%はいずれもオキシナイトライドガラス繊維中の金属分の全重量に対する各金属原子の重量を示す。また、オキシナイトライドガラス繊維の全重量に対する炭素分の重量および窒素分の重量は、それぞれ0〜1%および3〜12%である。)。
また、本発明によるオキシナイトライドガラス繊維において、好ましい窒素分の重量は5〜12%であり、より好ましくは8〜11%である。
Si:好ましくは27〜33%であり、より好ましくは29〜32%である。
Al:好ましくは8〜10%であり、より好ましくは8.5〜9.5%である。
Mg:好ましくは4〜10%であり、より好ましくは6〜8%である。
Ca:好ましくは5〜12%であり、より好ましくは7〜10%である。
このような、比較的ガラスの溶融性に優れ、優れた物性を備えたオキシナイトライドガラス繊維は、たとえば下記の各工程を含む、オキシナイトライドガラス繊維の製造方法により好適に得ることができる:
下記組成を含むガラス原料組成物を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
前記ガラス原料組成物に、金属窒化物であるSi3N4を必須とし、場合によってはAl、Mg、CaおよびYからの少なくとも1種の金属の窒化物からなる金属窒化物も更に含有し、これらの金属窒化物の合計:5〜30部を、総量が100部になるように添加する工程;および
窒素雰囲気下において、前記金属窒化物を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程(ただし、SiO2およびケイ素の窒化物であるSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。)
なお、作業性の観点から、金属窒化物としては、Si3N4のみであることが好ましい。SiO2およびSi3N4の総量は上記のとおり30〜40部である。より好ましいSiO2およびSi3N4の総量は32〜39部であり、より好ましくは33〜38部である。
下記組成を含むガラス原料を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
金属の窒化物としてSi3N4:5〜30部;および
窒素雰囲気下において、前記ガラス原料を1750℃以下の温度において溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程
(ただし、ガラス原料中のSiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3の全重量は、ガラス原料の重量から前記金属の窒化物(Si3N4)の重量を除いた重量の98%〜100%であり、部はそれぞれ重量部を示す。)。
同製造方法においては、上記において規定される金属の窒化物の添加は、必ずしも他の成分を混合した後に加える必要はない。たとえば、金属の窒化物に、上記各金属酸化物を個別に順次加えてもよいし、上記各金属酸化物の部分的な混合物を逐次加えてもよい。
上記ガラス原料を調製する工程は、上記のとおり規定された金属酸化物を含む特定の組成物を調製する工程である。かかる工程において採用される方法は限定されず、たとえば完全に酸化した場合に上記組成になるようにガラス原料を調製して配合した後、酸化を行うことが例示される。したがって、配合される成分は限定されないが、製造される物性の面から、各金属の酸化物および/または水酸化物が好ましい。
本発明の上記製造方法のうち、ガラス原料が実質的に上記各成分のみからなるものは好ましい。
SiO2:好ましくは10〜20部であり、より好ましくは13〜18部である。
Al2O3:好ましくは8〜13部であり、より好ましくは9〜12部である。
MgO:好ましくは4〜20部であり、より好ましくは4.5〜19部である。
CaO:好ましくは25〜48部であり、より好ましくは26〜45部である。
同工程は従来の方法で行うことが可能であるところ、本発明による上記製造方法においては、溶融を1750℃以下といった、従来の製造方法より低い温度、かつより短い時間にて行うことができる。同工程を行う温度は、好ましくは1690℃〜1750℃であり、より好ましくは1700℃〜1740℃である。
紡糸工程は脱酸素雰囲気下にて行われる。脱酸素雰囲気の条件は限定されないが、窒素雰囲気下が好ましい。
以下に本発明の例を具体的に示すが、かかる例はあくまで例示の目的でのみなされるものであって、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。
また、各例中、「部」は他に指定しない限り重量部を、「%」は重量%を示す。
(方法)
表1に示す重量部になるように、SiO2、Al2O3、MgO、Y2O3、および表1の「Ca塩原料」に示すCa塩(Ca(OH)2、またはCaCO3)を投入し、1400℃で6時間か焼して、6時間放置して冷却後粉砕することによりガラス原料組成物(ガラス前駆体)を得た。それぞれの投入量はガラス原料組成物完全に酸化された場合、表1に示す重量部になるように行った。このガラス原料組成物にSi3N4を表1に示す重量部添加し、全量を100部とし、ガラス原料を得た。
このガラス原料を窒素雰囲気下で1700℃にて6時間加熱してガラス原料を溶融し、窒素雰囲気下で紡糸を行い、フィラメント直径11μmのガラス繊維を得た。なお、1700℃における溶融が明らかに不十分な例については、さらに1780℃〜1800℃における溶融を行った。
EPMA(X線プローブマイクロアナライザ)(EPMA−1610、株式会社島津製作所製)にて組成分析を行った。
EPMA(X線プローブマイクロアナライザ)(EPMA−1610、株式会社島津製作所製)にて組成分析を行った。
窒素雰囲気下で6時間溶融し、冷却後のガラスの塊について、下記の指標による目視判定を行った。
○:1700℃でガラス化し、失透なし
△:1700℃でガラス化するが、失透が認められる
×:1800℃でガラス化しない
オキシナイトライドガラスのフィラメントを作製し、万能試験機(テンシロン万能試験機、株式会社エーアンドディー製)にて測定した。
EPMA(X線プローブマイクロアナライザ)(EPMA−1610、株式会社島津製作所製)にて組成分析を行った。
ケルダール法による逆滴定法にて測定を行った。
また、投入されたCa塩の種類(Ca(OH)2およびCaCO3)のみが異なる例2と例1とを比較すると、例2においてはガラス繊維の引張強度、引張弾性率が例1より優れていた。これは、例2においては、Ca塩原料として炭素分を含むCaCO3を用いなかったため、ガラス繊維中の炭素分の量がより少なかったためであると考えられる。
未測定ではあるが、投入されたCa塩の種類(Ca(OH)2およびCaCO3)のみが異なる、例3と例4、例6と例7、例8と例9、との関係においても同様の傾向にあると推測できる。また、投入されたCa塩の種類としてCaCO3を用いた他の例(例11〜16)においても、投入されたCa塩の種類をCaCO3に換えてCa(OH)2やCaOを用いて、ガラス繊維を得たならば、ガラス繊維中の炭素分の量をより少なくすることができ、引張強度、および引張弾性率をそれぞれ向上することができたと考えられる。
Claims (12)
- 下記の各工程を含む、オキシナイトライドガラス繊維の製造方法:
下記組成を含むガラス原料組成物を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
前記ガラス原料組成物に、Si3N4:5〜30部を、総量が100部になるように添加する工程;および
窒素雰囲気下において、Si3N4を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程(ただし、SiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3の全重量はガラス原料組成物の重量の98%〜100%であり、SiO2およびSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。)。 - Si3N4を添加した前記ガラス原料組成物が実質的に請求項1に記載の各成分のみからなる、請求項1に記載の製造方法。
- Si3N4を添加した前記ガラス原料組成物中における炭素分の重量割合が1.5%以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 窒素雰囲気下での溶融温度が1750℃以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- ガラス原料組成物を調製する工程が、金属酸化物および/または金属水酸化物からなる混合物を1000〜1400℃でか焼してガラス原料組成物を得る工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- CaOおよびY2O3の総量が35〜55部である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- Y2O3の量が5〜12部である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 下記各金属をそれぞれについて下記に規定された量で含む、オキシナイトライドガラス繊維:
Si:24〜34%
Al:7〜11%
Mg:4〜19%
Ca:29〜53%
Y:0〜15%
(ただし、上記%はいずれもオキシナイトライドガラス繊維中の金属分の全重量に対する各金属原子の重量を示す。また、オキシナイトライドガラス繊維の全重量に対する炭素分の重量および窒素分の重量は、それぞれ0〜1%および3〜12%である。)。 - YおよびCaの総重量が、ガラス中の金属分の全重量に対して35〜60%である、請求項8に記載のオキシナイトライドガラス繊維。
- Yの重量が、金属分の全重量に対して5〜12%である、請求項8または9に記載のオキシナイトライドガラス繊維。
- 下記の各工程を含む、請求項8〜10のいずれかに記載のオキシナイトライドガラス繊維の製造方法:
下記組成を含むガラス原料組成物を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
前記ガラス原料組成物に、Si、Al、Mg、CaおよびYからの少なくとも1種の金属の窒化物からなる金属窒化物:5〜30部を、総量が100部になるように添加する工程;および
窒素雰囲気下において、前記金属窒化物を添加した前記ガラス原料組成物を溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程(ただし、SiO2およびケイ素の窒化物であるSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。) - 下記の工程を含む、オキシナイトライドガラス繊維の製造方法:
下記組成を含むガラス原料を調製する工程;
SiO2:0〜25部
Al2O3:5〜15部
MgO :3〜23部
CaO :25〜50部
Y2O3 :0〜15部;
Si3N4:5〜30部;および
窒素雰囲気下において、前記ガラス原料を1750℃以下の温度において溶融し、紡糸してオキシナイトライドガラス繊維を得る工程
(ただし、SiO2、Al2O3、MgO、CaOおよびY2O3の全重量は、ガラス原料の重量からSi3N4の重量を除いた重量の98%〜100%であり、SiO2およびSi3N4の総量は30〜40部である。また、部はそれぞれ重量部を示す。)。
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