JP2011005406A - オゾンによる水処理設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】低建設コスト且つ低運転コストのオゾンによる水処理設備を提供することを課題とする。

【解決手段】本発明は、上記の課題を達成するためにオゾン発生体とオゾン溶解器を共通のオゾン曝気槽に組み込み、発生するすべてのオゾンを処理対象水に溶解させオゾン処理を行う方法を採用する。選択図はオゾン発生体として石英ガラス2重管式オゾン発生体2基を、またオゾン溶解器としてエジェクター2基を用いた例を示す。
処理対象水を処理対象水入口6を経てエジェクター38に導入し、その気体吸引口よりオゾン発生体15で発生させたオゾンガスを引き込み、オゾン気泡8として溶解させる。未溶解のオゾンオゾン発生体15の原料気体入口9よりオゾン発生用放電体15に入り、オゾンガス濃度を増大させて、再びオゾン溶解器5に引き込まれる。このようにして発生した全てのオゾンは処理対象水28に溶解し、浄化水出口7より外部に取り出される。
【選択図】図7

Description

本発明は、上水の原水、井戸水、雨水、湖水、海水などの自然水もしくはプール、風呂、水タンク等に貯留された水を生活用水、産業用水として利用もしくは再利用するために浄化する水処理設備にかかわるものである。
気体状オゾンを水に接触させて水中の有害菌を殺菌し、且つ有害有機物を分解し、脱臭する浄水方法は従来広く行われてきた。
オゾンを水に接触させる典型的な方法は、処理対象とする水をオゾン曝気槽と呼ばれる縦長の水槽に貯留し、その水槽の下部より気泡状のオゾンを散気する方法である。(非特許文献1のP186参照)
オゾンハンドブック:日本オゾン協会編
図1に、従来のオゾンによる上水処理設備の構成例を示す。主要な構成機器は酸素濃縮器1、オゾン発生装置35、オゾン曝気槽2、廃オゾン分解装置37である。
酸素濃縮器1は空気中の酸素を濃縮する装置である。これはオゾンを発生させるために酸素原料を用いることが効率がよいために備えられる設備であるが、酸素発生器を使わないで乾燥空気発生器を備え、乾燥空気にてオゾンを発生させる場合もある。
オゾン発生装置35はオゾン発生体2と交流高電圧電源4から構成される。
オゾン発生体2は誘電体と誘電体もしくは誘電体と金属の間に狭い空隙を設けた構造を持ち、その空隙の間に交流高電圧電源4にて発生させた交流高電圧を負荷し、放電を発生させ、同時にその空隙に酸素濃縮器1より供給される酸素を通過させて、オゾンを発生する。
オゾン曝気槽2は縦長の水槽であり、原水を上部から導入し、下部より取り出す。オゾン発生装置35で発生させたオゾンはオゾン曝気槽2の底部に備えられた散気板7に導かれ、そこからオゾン気泡8として槽内を上昇し、その間下降する原水と接触して、原水を脱臭、殺菌する。
廃オゾン分解装置37はオゾン気泡8の中に残存し、オゾン曝気槽2の上部より排出されるオゾンを分解する。この装置はオゾンが人体に有害であるために必要とされるものである。
以上で述べた上水オゾン処理設備の構成はオゾンを利用した上水設備の全体の中のオゾン処理部分のみを示したものであり、上水設備全体としてはろ過設備も含むより大規模なものである。またオゾン処理部分のみでも、オゾン曝気槽は多段式等オゾンの溶解効率を高めるための種々の工夫がなされている。
近年大型の上水処理設備ではこのようなオゾン処理設備が水の脱臭、美味化および殺菌用塩素の使用量の低減等を目的に実用化が進んでいる。
しかし、中小規模の上水処理設備、規模の小さな井戸水、雨水等の水処理の目的では普及が進んでいない。その最大の原因は一般に装置規模が大きいため建設コストが高価である、また運転コスト、特に電力費も高価であること、である。
本発明は中小規模の上水処理設備もしくは小規模の井戸水、雨水等の水処理設備として、導入しやすい、低建設コスト且つ低運転コストのオゾンによる水処理設備を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を達成するためにオゾン発生体とエジェクター等のオゾン溶解器をオゾン曝気槽の中に組み込み、オゾン曝気槽内においてオゾンガスを循環させ、発生するすべてのオゾンを原水に溶解させオゾン処理を行う方法を採用する。
本発明のオゾン処理設備はオゾン発生体がオゾン曝気槽内に収められ、その冷却がオゾン曝気槽内の処理対象水でなされることから、後述の実施例2、実施例3、実施例4に示すように構造が単純でコンパクトになる。
また生成したオゾンガスが気体状で排気されることはない、すなわち廃オゾンガスが発生しないために廃オゾン分解装置が不要となる。

更に酸素濃縮器で生成した酸素が全てオゾン発生用として利用されるために酸素濃縮器の容量は従来の数分の1程度である。
またオゾン発生体の冷却が処理対象水を用いてなされることから、一般に必要とされるオゾン発生体の冷却水循環系も不要となる。
以上のことから本発明によるオゾンによる上水処理設備は、従来の同様の設備に対して機器の数および容量が削減され、また機器の数の減少に伴って配管等の工事費用も削減されるため、結果として大幅な建設コストの削減が達成される。
酸素濃縮器の容量の低下、オゾン発生用冷却水の不要化などから、所要電力も大幅な削減が可能となる。更にオゾン分解に通常使用される活性炭の使用量も減少し、結果として運転コストの低減が達成される。
以上に記した本発明の効果を特にオゾンによる上水処理設備に関する設計例を挙げて説明する。
日本国内におけるオゾンによる上水処理設備は大部分がカビ臭除去の目的で設置されている。1日の水処理量としては1000〜400,000立方メートル/日程度の範囲である。またカビ臭除去の目的でのオゾン注入率すなわち1立方メートルの水処理に対して注入されるオゾンの量は多くて3グラム/立方メートル(3ミリグラム/リットル)程度である。(非特許文献2 P257)
オゾンを中心とした高度浄水処理技術:山口富雄編・著 三しゅう書房
本発明による設備は特に中小規模の水処理設備において建設コストおよび運転コストに関する優位性が生じると考えられることから設計条件として水処理量10,000m3/日を想定する。稼働時間は20時間として1時間当たりの水処理量は500m3/hrとなる。オゾン注入率は3グラム/立方メートルとするとオゾン発生量は1時間当たりでその500倍の1.5kg/hr必要とされる。

以上を設計条件として後述の実施例4の複数の石英ガラス2重管式オゾン発生体(図4参照)および複数のエジェクターをもちいる場合の設計結果を示す。以下の説明は実施例4を示す図7および図8を参照されたい。

石英ガラス2重管式オゾン発生体として実績のある外径21mm、長さ316mmの機種は1本につき、25g/hrのオゾン発生量であるが、1.5kg/hrのオゾンを発生させるためには、それを60本必要とする。6本×10本の配列とし、ピッチ30mmとすると全体の外形寸法は固定枠を含めて幅250mm、奥行400mm、高さ500mmとなる。

石英ガラス2重管式オゾン発生体の電力消費量は1本あたり、500Wであり、60本で30kWの電力消費量となる。

次にオゾン溶解器としては株式会社IBS社のエジェクターModel4091を採用する。このエジェクターは1本の水処理量が毎分1,722リットルすなわち毎時約100m3であり、5本で毎時500m3の水を処理できるが、余裕を見て6本を使用する。1本の外形は約150mm×300mm×700mmHであり、6本を図7に示すように6角状に並べて全体の外形はφ600×800Hに収まる。

オゾン曝気槽は実績として1m3/hrの水処理量あたり容積3リットルであり、水処理用500m3/hrに対しては約1.5m3の容積となる。寸法は径1mで高さ2mの槽とする。このオゾン曝気槽の内部の下方に上記エジェクターを収納し、石英ガラス2重管式オゾン発生体を上部に収納する。

次にオゾン発生のために必要な酸素量を計算する。必要な酸素量はオゾンの発生に使われる酸素と処理対象水に溶解して流出する酸素の和となる。オゾン1.5kg/hrに使われる酸素の量は毎時1.05m3である。処理対象水に溶解する酸素の量は最大で処理対象流量に酸素の溶解度を乗じたものとなる。酸素の水への溶解度は1気圧20℃で水1ccあたり0.031cc(0℃換算値:非特許文献3 P499)である。オゾン曝気槽の運転圧力を2気圧とすると溶解度は2倍で水1ccあたり0.062ccである。したがって水500m3/hrに溶け込む酸素量は最大で毎時15.5m3である。
オゾン発生分と処理対象水への溶解分を合計すると毎時16.55m3の酸素が必要ということになる。これは毎分約70リットルの酸素発生量に相当する。設計余裕を見て毎分80リットル(標準状態換算)の酸素濃縮器を備えるものとする。
理科年表2005

以上の設計結果をまとめる。水処理量10,000m3/日のオゾンによる水処理施設の主要部はステンレス製で径0.8m×高さ2mのオゾン曝気槽(石英ガラス2重管式オゾン発生体とエジェクターを内蔵)、30kWのオゾン発生用電源、酸素発生量80リットル(標準状態換算)の酸素濃縮器である。

次に上記と比較のためにオゾン発生体とエジェクターをオゾン曝気槽の外部に置くことを前提にした設計結果を示す。
なお、従来の方法としてはエジェクターを用いずにオゾン曝気槽に散気板を置きオゾン気泡を発生させてオゾンを溶解させる方法もあるが、オゾン曝気槽が著しく大きくなるため、ここではエジェクターを用いた場合を比較の対象とする。
オゾン発生体をオゾン曝気槽の外部におく場合には石英ガラス2重管式オゾン発生体をステンレス製密閉容器に収納し、冷却水を流通できる構造とする。この外形寸法は径0.6m×高さ0.8mとなる。
エジェクターは6本を6角形に配置し、外形が径0.7m×高さ1mの容器に収納し配置する。
酸素必要量はオゾン発生量とオゾン濃度より計算される。石英ガラス2重管式オゾン発生体のオゾン濃度は100g/m3(標準状態換算)であり、オゾン発生量は1.5kg/hrであるから、15m3/hr(標準状態換算)の酸素が必要になる。そこで毎分250リットルの酸素濃縮器を備えるものとする。
さらにオゾン曝気槽から排出される廃オゾンを分解するために廃オゾン分解装置が必要となる。この廃オゾン分解器はステンレス容器にキャタラー社の触媒、型式MD−9を充填した触媒充填容器とする。この触媒はオゾンを分解し酸素に戻す作用を有する。出口におけるオゾン濃度を人体に安全な0.1ppmに落とすために、触媒充填量として1時間の廃オゾンガス流量15m3の500分の1すなわち30リットルの触媒を充填する。この触媒充填容器は触媒の劣化に備えて2基を並列にする。
オゾン曝気槽はエジェクターから出たオゾン気泡と処理対象水の混合ガスを受け入れ、オゾンの溶解を促進させると共に、オゾン気泡を処理対象水と分離させる気液分離機能を持たせる必要がある。寸法は径1m×高さ2mとする。
オゾン発生体とエジェクターをオゾン曝気槽の外部におく従来型の水処理設備の設計をまとめる。
必要な主要機器はステンレス製で径0.8m×高さ2mのオゾン曝気槽、石英ガラス2重管式オゾン発生体を収納する径0.6m×高さ0.8mのステンレス容器、径0.7m、高さ1mのエジェクター収納容器、30kWのオゾン発生用電源、酸素発生量250リットル(標準状態換算)の酸素濃縮器、さらに30リットルの触媒充填容器を2基である。
オゾン発生体とエジェクターをオゾン曝気槽の内部に配置する本発明による水処理設備をオゾン発生体とエジェクターをオゾン曝気槽の外部に配置する本発明によらない水処理設備を比較すると次のことが言える。
(1)本発明による水処理設備は、径0.6m×高さ0.8mのオゾン発生体収納容器、径0.7m×高さ1mのエジェクター収納容器のスペースが必要ない。
(2)本発明による水処理設備は、触媒充填量30リットル廃オゾン分解器 2基が必要ない。
(3)本発明による水処理設備は、オゾン発生体収納容器、エジェクター収納容器、廃オゾン分解器がないために配管が単純になる。
(4)本発明による水処理設備は、酸素濃縮器の容量が3分の1以下となる。
(5)上記(1)〜(4)の結果設置スペースは2分の1程度になる。
(6)上記(1)〜(5)の結果建設価格が3分の2以下になる。
(7)本発明による水処理設備は酸素濃縮器の容量が80リットルで電力は8kWであり、本発明によらない酸素濃縮器では25kWである。したがって本発明は17kWの電力の節約になる。
以下に発明を実施するための最良の形態を図を用いて具体的に説明する。
図2は、本発明の請求項1に関る実施例を示す。
主要な構成機器は酸素濃縮器1、オゾン曝気槽2、オゾン発生体3、交流高電圧電源4およびオゾン溶解器5である。
オゾン曝気槽2はステンレス等で作られた密閉構造の円筒形または直方形の容器であり、その内部にオゾン発生体3、オゾン溶解器5を組み込んでいる。
オゾン曝気槽2の内部は上部の気相部を除きオゾン処理対象水で満たされている。酸素濃縮器1で生成した酸素を上部の酸素入口10より上部気相部にを注入し、下部の原水入口6から原水を導入し、下部のオゾン処理水出口7より、オゾン処理水を取り出す。
オゾン溶解器5はオゾンと水を混合してオゾンを溶解させる機能を持つ構成要素である。水入口11、水出口13を備え、その間に気体吸引口13を備える。オゾン溶解器として代表的なものはエジェクターであり図1のオゾン溶解器はエジェクターの断面を示している。エジェクターは一般に液の流路の一部に隘路を設け、その部分の流速を速くすることにより減圧状態として気体を引き込む方式のものである。その他種々の内部構造を備えた無動力のオゾン溶解用機器が実用化されている。またポンプ内にてオゾンと水を混合するオゾン混合用ポンプ等動力を備えた溶解用機器も実用化されている。オゾン溶解器5としては気体吸引力のあるものであれば、これらのいずれもが採用できる。
図2でオゾン溶解器5は、その気体吸引口12がオゾン発生体3のオゾンガス出口9に結合されている。
下部の処理対象水入口から導入された処理対象水はオゾン溶解器5の水入口11よりオゾン溶解器5内に入り、気体吸引口12でオゾン発生用放電管3のオゾンガス出口25からオゾンガスを吸引し、オゾン気泡8と混合した状態で、オゾンガスを溶け込ませながら、水出口13から出てオゾン曝気槽2内の処理対象水28と混合する。
オゾン溶解器5から出た未溶解のオゾン気泡8はオゾン曝気槽3の上部気相部に放出される。
オゾン発生体3は上部に原料気体入口9を、下部にオゾンガス出口25を持つ。原料気体入口9は気相部14に開口され、また、オゾンガス出口25は前述の如くオゾン溶解器5の気体吸引口12に接続している。
オゾン溶解器5に処理対象水が導入されると、オゾン発生体内のオゾンガスが、オゾン溶解器の気体吸引口12よりオゾン溶解器5内に引き込まれ一部が水中に溶解するが、未溶解のオゾンガスは気相部14に放出され、原料気体入口9よりオゾン発生体3に入り、その内部にてオゾン濃度を増大させて再びオゾン溶解器5内に引き込まれる。このようにしてオゾンガスの一部は処理対象水に溶解してオゾン処理水出口よりとり出せれ、未溶解部分はオゾン曝気槽2の内部で循環する。
図2はオゾン発生体3とオゾン溶解器5がオゾン曝気槽2内に垂直に保持され状態を示しているが、本発明による設備の機能を発揮させるためにそれらの方向および取付位置はそれらがオゾン曝気槽内にある限り任意である。
図2の実施例は酸素濃縮器が使用されているが、酸素濃縮器の代わりに液体酸素、ボンベ入り酸素を使用しても同じ効果を得られえる。また特に脱臭目的等で高濃度のオゾンを必要としない場合にはコンプレッサにて室内の空気を導入しても効果が得られる。
図3は、本発明の請求項2に関る実施例を示す。
主要な構成機器は酸素濃縮器1、オゾン曝気槽2、石英ガラス2重管式放電体15、交流高電圧電源4、オゾン溶解器5、レベルスイッチ19および電磁弁16である。
本実施例は実施例1のオゾン発生体が石英ガラス2重管式放電体15とされ、レベルスイッチ19および電磁弁16が加わったもので他は実施例1と同様であり、オゾン処理の機構も実施例1と同様である。従って以下には実施例1で記述のない石英ガラス2重管式放電管15の構造およびレベルスイッチ19と電磁弁16の機構について説明する。
図4に石英ガラス2重管式放電体15の構造を示す。
2本の径の異なる石英ガラス管20、21(以下外側石英ガラス管20、内側石英ガラス管21と称す)が中心軸を一致して同心円筒状に配置され上方の高電圧導入枝管23に溶接されている。
内側石英ガラス管の内部には電解液29が満たされている。またその電解液の中には高電圧電源4の高電圧側配線26と電気的に接続された金属線22が浸漬されている。
また外側石英ガラス管20の両端には枝管により原料気体入口9およびオゾンガス出口25が設けられている。図3に示すようにこの原料気体入口はオゾン曝気槽2の内部の気相部に開口し、オゾンガス出口はオゾン溶解器5の気体吸引口12と接続されている。
この石英ガラス2重管式放電体は図3に示すようにほぼ全体が処理対象水28の内部に浸漬された状態で配置され、また処理対象水28は高電圧電源4のアース側配線18に電気的に接続されている。
高電圧電源を作動させると内側石英ガラス管21と外側石英ガラス管20の間の空隙部29に強い電場が発生し、それにより空気放電が起こり、オゾンが発生する。
図3においてレベルスイッチ19と電磁弁16はオゾン曝気槽2内の水位を一定に保持するために設けられているものである。
オゾン曝気槽2内の水位がレベルスイッチ19の位置まで上がると、レベルスイッチ19が作動し、それに伴って電磁弁16が開放され、酸素が導入され、水位が下げられる。このようにしてほぼ一定の水位が保持される。
オゾン曝気槽2内の水位を一定に保持するための方法として図3のレベルスイッチおよび電磁弁を用いる実施例は一つの例であって、その他の方法たとえばオゾン曝気槽内に流出入する水の流量バランスを調節する方法も採用可能である。
図5は、本発明の請求項3に関る実施例を示す。
主要な構成機器は酸素濃縮器1、オゾン曝気槽2、板状誘電体式オゾン発生体24、交流高電圧電源4、オゾン溶解器5、レベルスイッチ19および電磁弁16である。
本実施例は実施例2の石英ガラス2重管式放電体15を板状誘電体式オゾン発生体24に置き換えたものであり、他は実施例2と同様である。従って以下には実施例2で記述のない板状誘電体式オゾン発生体24について説明する。
図6に板状誘電体式オゾン発生体24の構造を示す。ここで誘電体の材料としてはセラミックもしくはガラスが用いられる。
2枚の同一の四角形状の誘電体板30、31(以下接水誘電体板30、非接水誘電体板31と称す)が支持体34a、34bにより相互の間に空隙部29を形成した状態で平行に配置されている。
非接水誘電体板31の空隙部29と反対の側に導電性膜33が張られ、更にその外側に絶縁板32が被覆され、導電性膜33を外部から電気的に絶縁している。またその導電性膜33は高電圧電源4の高電圧側配線17と電気的に接続されている。
また前記空隙部29に外部より通じる原料気体入口9およびオゾンガス出口管25が設けられている。図5に示すようにこの原料気体入口9はオゾン曝気槽2の内部の気相部14に開口し、オゾンガス出口25はオゾン溶解器5の気体吸引口12と接続されている。
この板状誘電体式オゾン発生体は図5に示すようにほぼ全体が処理対象水28の内部に浸漬された状態で配置され、また処理対象水28は高電圧電源4のアース側配線18に電気的に接続されている。
高電圧電源を作動させると接水誘電体30と非接水誘電体31の間の空隙部29に強い電場が発生し、それにより空気放電が起こり、オゾンが発生する。
図7は、本発明の請求項4に関る実施例を示す。
主要な構成機器は酸素濃縮器1、オゾン曝気槽2、複数の石英ガラス二重管式オゾン発生体15、交流高電圧電源4および複数のエジェクター38である。
本実施例は実施例2に該当するが特に複数の石英ガラス二重管式オゾン発生体15と複数のエジェクター38を備えている。図7では2基の石英ガラス2重管式オゾン発生体15と2基ののエジェクター38を備えているが、これらの基数は処理容量に応じて選択されるもので、原理的には基数に制限はない。
複数の石英ガラス二重管式オゾン発生体15のオゾンガス出口25は1本のオゾン配管40に接続され、さらにオゾン配管から複数のエジェクターの気体吸引口25に接続される。
複数のエジェクター38は水入口11が共通のエジェクター入口ヘッダー39に接続され、処理対象水入口6から供給される処理対象水はエジェクター入口ヘッダー39に入り、複数のエジェクター38に分配される。
複数のエジェクターの各気体吸引口12よりオゾンガスが吸引されオゾン気泡8となり、オゾン曝気槽内に放出される。
複数のエジェクターは多数の場合には円環状に配列することが出来る。図8にその配列の一例を示す。同図は6本のエジェクターを円環状に配列した場合である。6本のエジェクターの気体吸引管は1本のオゾン配管に結合される。
複数のエジェクターを平行に配列することも出来る。図9にその配列の一例を示す。
図8の円環状配列の場合も図9の平行配列の場合も、エジェクター気体吸引用管27の長さおよび内径を等しくすることで、オゾンガス吸引量を均一に出来る。
以上の実施例4に関する説明はオゾン発生体として石英ガラス2重管式オゾン発生体複数を採用したものであるが、板状誘電体式オゾン発生体複数を採用しても同様のオゾンによる水処理設備の構成が可能である。
本発明の飲料用水オゾン処理装置は小規模から大規模まで、広範な規模での設置が可能であり上水の浄化処理に用いられる他、井戸水や雨水等の利用のための浄化処理、プール水の浄化、養殖用水の浄化、水族館の水の浄化、海水淡水化のための殺菌、生活廃水あるいは産業排水の再利用化、湖水の浄化等に利用できる。
従来のオゾンによる上水処理設備の構成をしめす。 本発明の実施例1によるオゾンによる水処理設備の構成をしめす。 本発明の実施例2によるオゾンによる水処理設備の構成をしめす。 本発明の実施例2によるオゾンによる水処理設備の中の石英2重管式放電体の構造をしめす。 本発明の実施例3によるオゾンによる水処理設備の構成をしめす。 本発明の実施例3によるオゾンによる水処理設備の中の板状誘電体式オゾン発生体の構造をしめす。 本発明の実施例4によるオゾンによる水処理設備の構成をしめす。 本発明の実施例4によるエジェクターの円環状配列を示す。 本発明の実施例4によるエジェクターの平行配列を示す。
1 酸素濃縮器
2 オゾン曝気槽
3 オゾン発生体
4 交流高圧電源
5 オゾン溶解器
6 処理対象水入口
7 浄化水出口
8 オゾン気泡
9 原料気体入口
10 酸素入口
11 水入口
12 気体吸引口
13 水出口
14 気相
15 石英ガラス2重管式オゾン発生体
16 電磁弁
17 高電圧側配線
18 アース側配線
19 レベルスイッチ
20 外側石英ガラス管
21 内側石英ガラス管
22 導電性液体
23 高電圧導入用
24 板状誘電体式オゾン発生体
25 オゾンガス出口
26 エジェクター気体吸引用配管
27 アース側配線
28 処理対象水
29 空隙
30 接水誘電体板
31 非接水誘電体板
32 絶縁体板
33 導電性膜
34a 支持体
34b 支持体
35 オゾン発生装置
36 散気板
37 廃オゾン分解装置
38 エジェクター
39 エジェクター入口ヘッダー

Claims (4)

  1. 上水の原水、井戸水、雨水、湖水、海水などの自然水もしくはプール、風呂、水タンク等に貯留された水(以下処理対象水と称す)を生活用水、産業用水として利用もしくは再利用するために浄化する水処理設備であって、次のA〜Eの構造を備え、Fの作用によりオゾンガスを処理対象水に溶解させて、脱臭、有害物質除去もしくは殺菌することを特徴とするオゾンによる水処理設備。
    A 上部に気相部を、下部に処理対象水を蓄え、その内部においてオゾンガスと処理対象水を接触させる機能を有する容器(以下オゾン曝気槽と称す)を備える。
    B 前記Aのオゾン曝気槽の内部に酸素もしくは空気を原料に気体放電によりオゾンを発生する機能を有する構成要素(以下オゾン発生体と称す)を備え、且つオゾン発声体により発生したオゾンガスを吸引して前記オゾン曝気槽内の処理対象水と接触させてオゾンを溶解させる機能を有する構成要素(以下オゾン溶解器と称す)を備える。
    C 前記Bのオゾン発生体は原料気体入口とオゾンガス出口を備え、オゾン溶解器は水入口、水出口および気体吸引口を備える。
    D 前記オゾン発生体の原料気体入口は前記オゾン曝気槽の気相部に開放され、オゾン発生用の原料気体をオゾン曝気槽の気相部より取込める構造を備える。
    E 前記オゾン発生体のオゾンガス出口はオゾン溶解器の気体吸引口に接続されている。
    F 前記オゾン溶解器の水入口に外部より処理対象水が導入されると、気体吸引口にオゾン発生体で発生したオゾンガスが引き込まれ、処理対象水と混合し、オゾンガスの一部は処理対象水に溶解するとともに、未溶解部は前記気相部に放出され、前記オゾン発生体の原料気体入口より、オゾン発生体に入り、オゾン濃度を増加させて、再び前記オゾン溶解器に引き込まれる。
  2. 前記請求項1に該当するオゾンによる水処理設備であって、特にオゾン発生体が次のG〜Iの構造を備え、且つJの方法によりオゾンを発生させることを特徴とするオゾンによる水処理設備。
    G 2本の径の異なる石英ガラス管を用いており、その2本の石英ガラス管の相互の中心軸を一致させ同心円筒状に配置され、され固定されている。
    H 前記2本の石英ガラス管の内側の管の内部には電解液が満たされている。
    I 前記石英ガラス管の大部分が前記オゾン曝気槽の処理対象水中に浸漬された状態で配置される。
    J 交流高電圧電源により発生させる高電圧を前記電解液に通電し、接地側端子を、オゾン曝気槽の処理対象水に通電させて、前記2本の石英ガラス管の間の空隙内に放電を生ぜしめてオゾンを発生させる。
  3. 前記請求項1に該当するオゾンによる水処理設備であって、特にオゾン発生体が次のK〜Mの構造を備え、且つNの方法によりオゾンを発生させることを特徴とするオゾンによる水処理設備。
    K 2枚の誘電体板を相互間に1ミリメートル以下の空隙部が形成されるように平行に配置し、相互の位置を固定している。
    L 前記2枚の誘電体板のうち一方の誘電体板の前記空隙部と反対側の面に導電性の薄膜状物質が張られ、更にその薄膜状物質の外側が絶縁性の膜で被覆されている。
    M オゾン発生体の大部分が前記オゾン曝気槽の水相中に浸漬された状態で配置される。
    N 交流高電圧電源の高電圧側端子を前記導電性の薄膜状物質に接続し、接地側端子を、オゾン曝気槽の処理対象水に接続した状態で交流高電圧電源を作動させて、前記2枚の誘電体板の間の空隙内に放電を生ぜしめてオゾンを発生させる。
  4. 前記請求項2もしくは請求項3に該当するオゾンによる水処理設備であって、特にオゾン発生体およびオゾン溶解器が次のO〜Sの構造を備えることを特徴とするオゾンによる水処理設備。
    O 請求項2に記すオゾン発生体が複数備えられている。
    P オゾン溶解器として複数のエジェクターが備えられている。
    Q 複数のオゾン発生体のオゾンガス出口は共通の1本の配管に結合されている。
    R 前記Qの1本の配管より複数のエジェクターの気体吸引用管に接続されている。
    S 前記Rの気体吸引用管は長さと内径が各エジェクターに対して等しい。
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WO2013078917A1 (zh) * 2011-11-28 2013-06-06 宏远创建有限公司 水离子化分解方法和系统
JP2014104459A (ja) * 2012-11-30 2014-06-09 Nikuni Corp 気体溶解装置

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