JP2011004573A - ステータまたは分割ステータとその製造方法、およびそのステータまたは分割ステータを備えたモータ - Google Patents

ステータまたは分割ステータとその製造方法、およびそのステータまたは分割ステータを備えたモータ Download PDF

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Abstract

【課題】モータの一層の小型化および高出力化を図るために、コイルの占積率を従来よりもさらに上昇させることができるステータまたは分割ステータとその製造方法、および該ステータまたは分割ステータを備えるモータを提供する。
【解決手段】ヨーク21と該ヨーク21から径方向内側に延出するティース22を備えたステータコア又は分割コア2と、前記ティース22周りに形成されるコイルとを少なくとも備えたステータ又は分割ステータであって、前記コイル3は、周囲に絶縁被膜を有さない裸導線31が前記ティースの径方向に巻回されて複数の導線層311を形成したものであり、隣接する前記導線層間312には、絶縁材4が介層されていることを特徴とする。前記絶縁材4は自己融着性を有する素材で形成されていることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステータまたは分割ステータとその製造方法、およびそのステータまたは分割ステータを備えたモータに関する。
近年、自動車産業や電器産業においては、モータの高出力化、軽量化、小型化への要求が高まってきている。モータの高出力化、軽量化、小型化のためには、コイルの占積率の向上に加えて、モータ内部で発生する各種損失の低減をする必要がある。各種損失としては、コイルにおける導体抵抗損失に起因する銅損、ロータやステータにおける渦電流損失やヒステリシス損失に起因する鉄損などが挙げられる。
また、モータの出力性能を維持したまま小型化するためには、コイルに流れる電流を大きくする必要がある。しかし、コイルに流れる電流を大きくするとモータ内部で発生する熱量が大きくなり、発生した熱量を逃がすことが困難なことから、モータ内部に使用される樹脂材料に悪影響を与え、モータの性能が低下する。つまり、コイルに流すことのできる最大電流値は放熱量との関係から規制を受け、モータの出力性能に応じて、モータの大きさは自ずと決まってしまい、これがモータ小型化の限界点となっている。モータの高出力化と小型化を両立させるためには、モータの放熱性の向上も大きな課題となっている。
ところで、モータを構成するステータにおいて、コイルの形成を含めた製造効率向上の観点から、さらにはコイルの占積率を向上させて出力性能を向上させる観点から、従来の環状のステータを所定角度で分割した分割コアを用い、各分割コアを周方向に組み付けてステータとする分割ステータが用いられることが多い。そして、特許文献1には、分割ステータでのコイルの占積率を高めるために、周囲に絶縁被膜を有する断面多角形の導線からなるコイルの最外層の導線の外周面に位置する頂角部を、潰れた平面部とした分割ステータが記載されている。
また、最近では、特許文献2に記載されるように、コイルの占積率を高めるために、コイルを形成する導線として平角線を用いることも行われている。
特開2009−038905号公報 特開2008−283784号公報
特許文献1に記載の技術を採用することにより、コイルの最外層部分の隙間を排除することでコイルの占積率を向上させることができ、モータの高出力化および小型化を図ることができると期待できる。しかし、ここに記載されるコイルは、周囲に絶縁被膜を有する断面多角形の導線からなるコイルであり、コイル全体としては絶縁被膜が占有する領域が多く、占積率の向上にはなお改善すべき余地が残っている。また、モータの放熱性向上については格別の配慮はなされていない。
特許文献2のように、コイルを形成する導線を、周囲に絶縁被膜を有する平角線とする場合でも、前記特許文献1に記載のものと同様な課題を有するとともに、図7に示すように、周囲に絶縁被膜を有する平角導線(平角線)32を構成する導体321の周りの絶縁被膜322の厚さが、端部322Aと中央部322Bでは、端部322Aが比較して厚くなるという、いわゆるドッグボーン現象が生じるのを回避するのが困難であり、その結果、端部322Aと中央部322Bの間には絶縁被膜によって生じるエアギャップ6が生じ、結果として、コイルとして巻回したときに、図4(a)に示すような導線の積厚増しが起こりやすく、それが銅損の発生原因の一因となる場合が起こり得る。また、エアギャップ6が断熱層として作用するため、コイル内の導線間の熱伝導を妨げ、モータの放熱性向上を妨げる原因となっていた。
また、従来、ステータコアおよび分割コアは、図8に分割コア2の場合を例示するように、薄肉電磁鋼板23を積層して形成され、図5(a)のように、コイル3と分割コア(またはステータコア)2の間には、インシュレータ43と呼ばれる絶縁樹脂が介層されていて、コイル3と分割コア(またはステータコア)2の間の絶縁を図ると同時に、コイル3から分割コア(またはステータコア)2への熱移動の一助となっている。しかし、図5(a)に示すように、インシュレータ43は、分割コア(またはステータコア)2と接する面が平面となっていることと、薄肉電磁鋼板23が積層されて形成された分割コア(またはステータコア)2は、インシュレータ43に接する面は平坦な面とはなりがたいことから、インシュレータ43と、分割コア(またはステータコア)2を形成する電磁鋼板23の間に、図示するように、エアギャップ5ができてしまうことが避けられず、これが、コイル3で発生した熱を分割コア(またはステータコア)2に伝導する妨げとなっていた。
本発明は、上述する問題に鑑みてなされたものであり、モータの一層の小型化および高出力化を図ることができるように、第1の課題は、コイルの占積率を従来よりもさらに向上させることができるステータまたは分割ステータとその製造方法、および該ステータまたは分割ステータを備えるモータを提供することである。また、第2の課題は、導線に平角線を用いる場合の前記したドッグボーン現象による銅損の発生を抑止することのできるステータまたは分割ステータとその製造方法、および該ステータを備えるモータ、を提供することにある。さらに、第3の課題は、モータの放熱性を向上させることで、同じ出力性能であっても、従来よりも小型化が可能なモータを提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明のステータまたは分割ステータは、ヨークと該ヨークから径方向内側に延出するティースを備えたステータコアまたは分割コアと、前記ティース周りに形成されるコイルとを少なくとも備えたステータまたは分割ステータであって、前記コイルは、周囲に絶縁被膜を有さない裸導線が前記ティースの径方向に巻回されて複数の導線層を形成したものであり、隣接する前記導線層間には、絶縁材が介層されていることを特徴とする。
本発明のステータおよび分割ステータに用いられる導線層間に介層する絶縁材は、従来この分野で使用されている樹脂材料からなる絶縁材であってもよい。好ましくは、絶縁材の一部又は全部は、自己融着性を有する素材から形成され、該素材の溶融硬化体により前記導線層間の一部又は全部が閉塞されていることが好ましい。
また、前記導線層間に加えて、さらに、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部が、前記導線層間に介層された自己融着性を有する素材の溶融硬化体により閉塞されていてもよい。
また、本発明のステータおよび分割ステータにおいて、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の絶縁材は、従来インシュレータとして用いられている絶縁材であってもよいが、好ましくは、その一部又は全部が自己融着性を有する素材から形成され、該素材の溶融硬化体により、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部が閉塞されて構成される。また、従来の絶縁材と、自己融着性を有する素材の溶融硬化体との積層体であってもよい。その場合、自己融着性を有する素材の溶融硬化体は、ステータコアまたは分割コアに面する側に配置される。
また、本発明のステータおよび分割ステータに用いられる裸導線は、通常の導線であってもよいが、平角線であることはより好ましい。
本発明のステータまたは分割ステータの製造方法は、ヨークと該ヨークから径方向内側に延出するティースを備えたステータコアまたは分割コアを用意する第1の工程と、周囲に絶縁被膜を有さない裸導線が予め巻回されてなる複数の導線層を有するコイルを前記導線層の積層方向が前記ティースの径方向となるように前記ティースにはめ込む方法、もしくは、前記ティースに前記裸導線を巻回し前記ティースの径方向に複数の導線層を設ける方法、のいずれか一方の方法で、ティース周りにコイルを形成する第2の工程と、を少なくとも備え、前記第2の工程において、導線層間に絶縁材を装入することを特徴とする。
前記製造方法において、分割ステータを製造する場合には、分割コアのティース周りにコイルが形成された分割ステータ要素を周方向に組み付ける第3の工程をさらに備えることを特徴とする。
本発明によるステータまたは分割ステータの製造方法における前記第2の工程において、前記導線層間に装入する前記絶縁材の一部又は全部として、自己融着性を有する素材を用いることができる。その場合には、該素材を導線層間の一部又は全部に装入した後に、該素材の融点温度以上の温度で加熱溶融した該素材の加熱溶融体を導線層間に充填し、冷却して硬化させることにより、前記導線層間の一部又は全部を該素材の溶融硬化体で閉塞する。
前記導線層間に装入した前記自己融着性を有する素材の加熱溶融体を、前記導線層間だけではなく、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部に充填し、冷却して硬化することにより、前記導線層間に加えて、さらに、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部を該素材の溶融硬化体で閉塞することもできる。
また、本発明によるステータまたは分割ステータの製造方法における第2の工程において、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間の絶縁材の一部又は全部として、自己融着性を有する素材を用いることもできる。その場合には、該素材を前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部に装入した後に、該素材の融点温度以上の温度で加熱溶融し、その加熱溶融体を前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部に充填し、冷却して硬化させることにより、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部を該素材の溶融硬化体で閉塞する。
さらに、本発明のステータの製造方法および分割ステータの製造方法において、前記裸導線として、従来の通常の導線を用いることもできるが、好ましくは、平角線が用いられる。
本発明のモータは、本発明のステータ又は分割ステータと、その内部で回転するロータを少なくとも備えていることを特徴とする。
なお、本発明において「自己融着性を有する素材」とは、それが使用されるモータの最高許容温度より高い融点をもち、融点まで加熱すると溶融して加熱溶融体となり得る絶縁性材料をいい、該加熱溶融体が冷却硬化したものを、「溶融硬化体」といっている。自己融着性を有する素材としては、例えば、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10などポリアミド系樹脂などからなるシートあるいはフィルムを例示できる。
本発明のステータ又は分割ステータによれば、周囲に絶縁被膜を有さない裸導線でコイルを形成し、導線層間のみに絶縁材を介層する構成としたことにより、従来、絶縁被膜が占有していた部分を減少させることができるので、コイルの占積率を向上させることができる。また、導線に平角線を用いた場合には、導線に絶縁被膜が形成されておらず、均一な厚みのフィルムなどの絶縁材を導線層に介層することにより、従来のようなドッグボーン現象が生じるのを回避することができる。それにより、積厚が設計値以上に増加するのを抑制することができ、銅損の発生を抑制することができる。
特に、絶縁材として、自己融着性を有する素材の溶融硬化体を用いる場合は、導線層間が溶融硬化体によって埋められるため、断熱層として作用するエアギャップが生じないことにより、コイル内の導線間の熱伝導が良くなり、モータの放熱性が向上する。
さらに、コイルとステータコアの間、もしくは、コイルと分割コアの間、を自己融着性を有する素材の溶融硬化体で閉塞する場合には、コアを構成する電磁鋼板の間のエアギャップにも前記溶融硬化体が入り込むことで、コイルとコアとの間の絶縁材の接触面積を増大させることができ、コイルで発生した熱のコアへの熱伝導量を大きくすることができ、モータの放熱性が向上する。
よって、本発明のステータ又は分割ステータと、その内部で回転するロータとを少なくとも備えたモータは、高出力化を図ることができ、また、同じ定格出力であってもより小型化を図ることができる。
本発明の一態様である分割ステータを構成する分割ステータ要素の一実施形態を示す斜視図である。 図2(a)は図1に示す分割ステータ要素の側面図であり、図2(b)は、図2(a)の一部の拡大図である。 図3(a)は導線層間の絶縁材の全部が自己融着性を有する素材の溶融硬化体によって閉塞されている分割ステータ要素の一実施例を示す側面図であり、図3(b)および(c)は導線層間の絶縁材の一部が自己融着性を有する素材の溶融硬化体によって導線層間の一部が閉塞されている分割ステータ要素の一実施例を示す側面図である。 図4(a)は周囲に絶縁被膜を有する従来の平角線からなるコイルを分割コアに形成した分割ステータ要素の断面図であり、図4(b)は本発明によるコイルであって、周囲に絶縁被膜を有さない平角線からなるコイルを分割コアに形成した分割ステータ要素の断面図である。 図5(a)は従来の分割コアまたはステータコアとコイルの間の拡大断面図であり、図5(b)は本発明による自己融着性を有する素材の溶融硬化体で分割コアとコイルの間を閉塞した場合の分割コアとコイルの間の拡大断面図であり、図5(c)は本発明による自己融着性を有する素材の溶融硬化体で分割コアとコイルの間を閉塞し、かつ従来のインシュレータを併用した場合の分割コアとコイルの間の拡大断面図である。 本発明によるコイルにおいて、その導線層間に絶縁材を装入する工程の一実施形態を説明する図である。 周囲に絶縁被膜を有する従来の平角線の一例を示す断面図である。 従来から用いられている分割コアの斜視図である。
以下、図面を参照して本発明にかかるステータコアおよび分割コアおよびその製造方法を実施の形態に基づき説明する。
図1は、本発明における分割ステータを構成する分割ステータ要素の一実施形態を示す斜視図である。この分割ステータ要素1は、略弧状のヨーク21と該ヨーク21から径方向内側に延出するティース22を備えた分割コア2と、ティース22の周りに形成されたコイル3とを備えている。分割コア2は従来の分割コアと同じであってよく、図8に基づき説明したように、所要枚数の薄肉電磁鋼板を積層して形成される。
前記コイル3は、周囲に絶縁被膜を有さない裸導線31を用いることを条件に、従来の分割コアに用いるコイルと同じであってよい。裸導線31は、断面円形状の裸導線であってもよく、平角線の裸導線であってもよい。図示の例では、図2(a)の側面図に示すように、周囲に絶縁被膜を有さない平角線である裸導線31が前記ティース22の径方向に巻回されて複数の導線層311が形成されている。そして、図2(a)の拡大図である図2(b)に示すように、隣接する前記導線層間312には、樹脂フィルムなど従来公知の材料からなる絶縁材4が介層されている。この構成によれば、裸導線31が周囲に絶縁被膜を有さないことにより、所要容積に対するコイルの占積率を向上させることができる。
特に、コイル3を形成する裸導線31として平角線を用いた場合には、先に図7に基づき、説明したようなドッグボーン現象による、絶縁被膜によって生じていたエアギャップ6をなくすことができるので、図4(a)と図4(b)を比較すればわかるように、同じ導線層数であっても、従来の周囲に絶縁被膜を有する平角線を用いた場合(図4(a))に比べて、図4(b)に示すように、コイルの積厚を、厚さtだけ低減することができるので、銅損の発生を抑止することができる。
前記した絶縁材4は、モータの最高許容温度により選ばれる。例えば、モータ最高許容温度が150℃〜180℃であればポリアミドイミドなどが、180℃〜220℃であれば、ポリイミドなどが使用される。また、絶縁材4の厚さは、得ようとするモータの最高出力により変化するが、最高出力が約100kW程度のモータの場合には、20μm〜60μmが好ましい。20μmより薄いとモータ稼働時の振動や摩擦により、絶縁材が破損する恐れがあり、60μmより厚いと高い絶縁性は確保されるがコイルの占積率が悪くなる。
本発明において、絶縁材4として、好ましくは、絶縁性を有しかつ自己融着性を有する素材が用いられ、その溶融硬化体によってコイル3における前記導線層間が閉塞される。自己融着性を有する素材の加熱溶融体は、コイル3の導線層間に裸導線31同士が触れ合うことによって必然的に生じる避けられないエアギャップにも入りこむことができ、その状態で導線層間での溶融硬化体となるので、導線層間の避けられないエアギャップをなくすあるいは小さくできる。エアギャップは、断熱層として作用するので、そのエアギャップが小さくなることにより、コイル内の導線間の熱伝導量が上がることから、結果的にモータの放熱性の向上に寄与する。
前記コイル3において、図3(a)のように、絶縁材をすべて、自己融着性を有する素材から形成して、すべての導線層間が該素材の溶融硬化体41で閉塞されることが最も好ましいが、図3(b)や図3(c)のように、絶縁材の一部だけを自己融着性を有する素材から形成して、導線層間の一部だけが該素材の溶融硬化体41で閉塞され、残りの部分に、溶融硬化体ではない従来知られた絶縁材42が介層されてもよい。
また、上記分割ステータ要素1において、導線層間に配置した自己融着性を有する素材の加熱溶融体の一部が、あるいはコイル3と分割コア2の間に自己融着性を有する素材を配置してその加熱溶融体が、さらには前記した双方の加熱溶融体が、コイル3と分割コア2の間に充填されて、図5(b)に示すように、その溶融硬化体41でコイル3と分割コア2が閉塞されることによって、図4に示すコイル3と分割コア2の間の絶縁材4が、形成されてもよい。この態様では、図5(a)に示す従来の分割ステータ要素におけるインシュレータ43と分割コア2の間にできていたエアギャップ5の部分にも、自己融着性を有する素材の溶融硬化体41が入り込むことで、コイル3と分割コア2との間の絶縁材4の接触面積を増大させることができる。それにより、コイル3で発生した熱の分割コア2への熱伝導量を大きくすることができ、モータの放熱性を向上させることができる。
上記分割ステータ要素1のさらに他の態様では、絶縁材4として、コイル3に面する側にはインシュレータ43が装着され、導線層間に配置した自己融着性を有する素材の加熱溶融体の一部が、あるいはコイル3と分割コア2の間に配置した自己融着性を有する素材の加熱溶融体が、さらには前記した双方の加熱溶融体が、前記インシュレータ43と分割コア2との間に充填されて、図5(c)に示すように、溶融硬化体41でインシュレータ43と分割コア2の間が閉塞されることによって、絶縁材4が形成されてもよい。この態様でも、コイル3と分割コア2との間の絶縁材4の接触面積を増大させることができるので、コイル3で発生した熱の分割コア2への熱伝導量をより大きくすることができ、モータの放熱性を向上させることができる。
上記のようであり、上記した分割ステータとその内部で回転するロータを少なくとも備えるモータは、高出力、小型化が要求されるハイブリッド自動車や電気自動車の駆動モータに特に好適である。
なお、前記した分割ステータは、基本的に同一形状である複数個の分割ステータ要素1が略円環状に組み付けられ、ティース22の先端面が形成する円筒面内で、ロータが回転する。しかし、複数個の分割ステータ要素1のティース22の先端面が円筒面を形成することを条件に、一部の形状が異なる分割ステータ要素を用いて分割ステータを構成することもできる。例えば、略弧状のヨーク21は、完全な円環の円周の一部分の形状でもよく、楕円環の円周の一部分の形状でもよい。広義に弓なりである形をしていればよい。
次に、上記した分割ステータの製造方法のいくつかの例を、実施の形態に基づき説明する。
[方法1]
まず、第1の工程として、略弧状のヨーク21と該ヨーク21から径方向内側に延出するティース22を備えた分割コア2を作成する。この第1の工程は、従来の分割コアを作る工程と同じであってよい。
次に、第2の工程として、裸導線からなる複数の導線層を有するコイル3を形成し、導線層間に従来知られた適宜の絶縁材4を装入する。用いる裸導線の断面形状は任意であるが、平角線であることは好ましい。さらに、前記分割コア2が前記コイルと接触する面には、従来公知のインシュレータを装着し、装着後に、前記絶縁材4を装入したコイル3を分割コア2のティース22に取り付けて、分割ステータ要素1とする。
次に、第3の工程として、従来法と同様にして、複数個の分割ステータ要素1を略円環状に組み付けて分割ステータとする。
[方法2]
ここでは、絶縁材4として、絶縁性でありかつ自己融着性を有する素材であって、融点が、製造しようとするモータの最高許容温度より高い素材のフィルムまたはシートを用いる。
第1の工程は、方法1と同じである。
第2の工程として、裸導線からなる複数の導線層を有するコイル3を形成し、導線層間に前記した自己融着性を有する素材を装入する。ここでも、用いる裸導線の断面形状は任意であるが、平角線であることは好ましい。次に、前記自己融着性を有する素材を装入したコイルを該素材の融点以上の温度に加熱して素材を溶融させた加熱溶融体を前記導線層間に充填した後、冷却して硬化させ、導線層間を溶融硬化体で閉塞する。そして、前記分割コア2が前記コイルと接触する面に、従来公知のインシュレータを装着し、装着後に、前記絶縁材4を装入したコイル3を、分割コア2のティース22に取り付けて、分割ステータ要素1とする。
次に、第3の工程として、従来法と同様にして、複数個の分割ステータ要素1を略円環状に組み付けて分割ステータとする。
[方法3]
ここでも、絶縁材4として、絶縁性でありかつ自己融着性を有する素材であって、融点が、製造しようとするモータの最高許容温度より高い素材のフィルムまたはシートを用いる。
第1の工程は、方法1と同じである。
第2の工程として、まず、分割コア2のコイル3と接触する面に、従来公知のインシュレータを装着しておく。分割コア2のティース22に裸導線を巻き付けて、複数の導線層を有するコイル3を形成し、導線層間に自己融着性を有する素材を装入する。ここでも、用いる裸導線の断面形状は任意であるが、平角線であることは好ましい。次に、少なくともティース22に形成された前記コイル3を前記素材の融点以上の温度に加熱して素材を溶融させた後、冷却して、導線層間を溶融硬化体で閉塞することで、分割ステータ要素1とする。
次に、第3の工程として、従来法と同様にして、複数個の分割ステータ要素1を略円環状に組み付けて分割ステータとする。
[方法4]
方法4は、前記方法2と3を一部改変した方法である。
第1の工程は、方法1と同じである。
第2の工程として、まず、分割コア2のコイル3の下端面と接触する面のみに従来公知のインシュレータを装着しておく。裸導線からなる複数の導線層を有するコイル3を形成し、導線層間に前記した自己融着性を有する素材を装入することは、方法2と同じであるが、素材を装入するに際して、コイル3の内側となる面に、素材を所定量だけはみ出させておく。次に、そのコイルを分割コア2のティース22に取り付け、取り付けた後、少なくともティース22に形成された前記コイル3を前記素材の融点以上の温度に加熱して前記素材を溶融させる。それにより、前記素材の加熱溶融体は導線層間および分割コア2のティース22とコイル内面との間に充満する。その状態で冷却し、導線層間および分割コア2のティース22とコイル内面との間を溶融硬化体で閉塞することで、分割ステータ要素1とする。
次に、第3の工程として、従来法と同様にして、複数個の分割ステータ要素1を略円環状に組み付けて分割ステータとする。
[方法5]
方法5は方法3と方法4を一部改変した方法である。
第1の工程は方法1と同じである。
第2の工程として、まず、分割コア2のコイル3と接触する面に、従来公知のインシュレータの代わりに、自己融着性を有する素材を装着しておく。分割コア2のティース22に裸導線を巻き付けて、複数の導線層を有するコイル3を形成し、導線層間に自己融着性を有する素材を装入する。次に、分割コア2と前記コイル3を分割コア2とコイルの間に装着した素材および導線層間に装入した素材の融点以上の温度に加熱して両素材を溶融させる。それにより、両加熱溶融体は分割コア2と前記コイル3との間および導線層間に充満する。その状態で冷却して、導線層間および分割コア2とコイル3との間を溶融硬化体で閉塞することで、分割ステータ要素1とする。
次に、第3の工程として、従来法と同様にして、複数個の分割ステータ要素1を略円環状に組み付けて分割ステータとする。
なお、本発明による上記した製造方法において、導線層間に絶縁材を装入するタイミングについては、コイルを作製するのと同時でもよいし、コイルを作製し終えた段階でもよい。また、導線層間に絶縁材を装入する方法も任意であり特に制限はないが、図6に示す方法は、作業性の観点から好適である。すなわち、フィルムまたはシート状の絶縁材4から、図6(a)のように、コイルにおける導線層間の形状となるように切り出した絶縁材装入片44を得、それを、図6(b)のように、矢印で示すように、コイル3の導線層間にそれぞれ装入する。なお、絶縁材装入片44は図6(a)のようにU字型に分割する形態でもよく、一部に少なくとも1箇所の切れ込みを入れた形状でもよい。
また、前記した加熱溶融体を硬化させるための冷却は、適宜の方法で積極的に温度を低下させてもよく、自然冷却によってもよい。
なお、上記の説明では、分割ステータおよびその製造方法について説明したが、全体が1つの略環状体とされている一体型のステータについても、本発明は同様に適用することができる。その場合、特に図示および説明を省略するが、上記した分割コアおよび分割ステータ要素に係る説明を、前記ステータのステータコアおよびステータの一部にそのまま適用すればよい。当然に、一体型のステータでは、すでに略環状となっているため、分割ステータ要素を周方向に組み付ける前記第3の工程が必要ないことは言うまでもない。
1…分割ステータ要素
2…分割コア 21…ヨーク 22…ティース 23…電磁鋼板
3…コイル 31…裸導線 312…導線層間
32…周囲に絶縁被膜を有する導線 321…導体 322…絶縁被膜
4…絶縁材 41…溶融硬化体 42…溶融硬化体ではない絶縁材
43…インシュレータ 44…絶縁材装入片
5…電磁鋼板間のエアギャップ
6…絶縁被膜によるエアギャップ

Claims (12)

  1. ヨークと該ヨークから径方向内側に延出するティースを備えたステータコアまたは分割コアと、前記ティース周りに形成されるコイルとを少なくとも備えたステータまたは分割ステータであって、
    前記コイルは、周囲に絶縁被膜を有さない裸導線が前記ティースの径方向に巻回されて複数の導線層を形成したものであり、隣接する前記導線層間に絶縁材が介層されていることを特徴とするステータまたは分割ステータ。
  2. 前記導線層間の絶縁材の一部又は全部が、自己融着性を有する素材から形成されており、該素材の溶融硬化体により前記導線層間の一部又は全部が閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載のステータまたは分割ステータ。
  3. 前記導線層間に介層された自己融着性を有する素材の溶融硬化体により、前記導線層間に加えて、さらに前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部が閉塞されていることを特徴とする請求項2に記載のステータまたは分割ステータ。
  4. 前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の絶縁材の一部又は全部が、自己融着性を有する素材から形成されており、該素材の溶融硬化体により、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部が閉塞されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のステータまたは分割ステータ。
  5. 前記裸導線が平角線からなる、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のステータ。
  6. ヨークと該ヨークから径方向内側に延出するティースを備えたステータコアまたは分割コアを用意する第1の工程と、
    周囲に絶縁被膜を有さない裸導線が予め巻回されてなる複数の導線層を有するコイルを前記導線層の積層方向が前記ティースの径方向となるように前記ティースにはめ込む方法、もしくは、前記ティースに前記裸導線を巻回し前記ティースの径方向に複数の導線層を設ける方法、のいずれか一方の方法で、ティース周りにコイルを形成する第2の工程と、
    を少なくとも備え、
    前記第2の工程において、導線層間に絶縁材を装入することを特徴とするステータまたは分割ステータの製造方法。
  7. 前記分割ステータの製造方法において、
    分割コアのティース周りにコイルが形成された分割ステータ要素を周方向に組み付ける第3の工程をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の分割ステータの製造方法。
  8. 前記第2の工程において、前記導線層間に装入する絶縁材の一部又は全部として、自己融着性を有する素材を用い、該素材を導線層間に装入した後に、該素材の融点温度以上の温度で加熱溶融した該素材の加熱溶融体を少なくとも導線層間に充填し、冷却して硬化させることにより、前記導線層間の一部又は全部を該素材の溶融硬化体で閉塞することを特徴とする請求項6または7に記載のステータまたは分割ステータの製造方法。
  9. 前記素材の加熱溶融体を導線層間に加えて、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部に充填し、冷却して硬化させることにより、前記導線層間に加えて、さらに、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部を該素材の溶融硬化体で閉塞することを特徴とする請求項8に記載のステータまたは分割ステータの製造方法。
  10. 前記第2の工程において、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部に自己融着性を有する素材を装入した後に、該素材の融点温度以上の温度で加熱溶融した加熱溶融体を前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部に充填し、冷却して硬化させることにより、前記コイルと前記ステータコアの間、もしくは、前記コイルと前記分割コアの間、の一部又は全部を該素材の溶融硬化体で閉塞する工程をさらに含むことを特徴とする請求項6ないし9のいずれか一項に記載のステータまたは分割ステータの製造方法。
  11. 前記裸導線として平角線を用いることを特徴とする、請求項6ないし10のいずれか一項に記載のステータまたは分割ステータの製造方法。
  12. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のステータまたは分割ステータと、その内部で回転するロータと、を少なくとも備えることを特徴とするモータ。
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