JP2011001432A - スクリュー式炭化炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化物の品質を良いものとしつつ燃料消費量を抑えるスクリュー式炭化炉を提供すること。
【解決手段】炉体の縦方向に複数のスクリューコンベア12を並べた多段搬送部と、その多段搬送部より下の位置に横方向に複数のスクリューコンベア13を並べた下搬送部とを構成し、スクリューコンベア12,13のトラフ23,25には上方に開口が形成されたものであり、炉体2には、多段搬送部を構成するスクリューコンベア12のトラフ23から放出される乾留ガスに燃焼空気を吹きかけるエア供給手段35が設けられ、そのエア供給手段35から燃焼空気を吹きかけられた乾留ガスが、多段搬送部や下搬送部が周りに存在する炉体2内の燃焼空間10に火炎を発生させ、その火炎によってスクリューコンベア12,13内の原料を加熱するようにしたスクリュー式炭化炉1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化物にする畜糞などの原料を、炭化炉内に設置した複数のスクリューコンベア内を移動させながら加熱して炭化させるスクリュー式炭化炉に関し、特に、低燃費でかつ品質の良い炭化物を生成するためのスクリュー式炭化炉に関する。
畜舎から排出される畜糞尿などの有機性廃棄物については、その有効利用を図るため炭化物にすることが考えられ、近年、様々な炭化物製造装置が提案されている。例えば、図3は、下記特許文献1に記載されたスクリュー式炭化炉を示した図である。このスクリュー式炭化炉100は、炉体102を横切るように、ほぼ水平に配置されたスクリューコンベア111,112,113が縦に複数設けられた多段構造をしている。
ホッパ104から供給された有機性廃棄物(原料)は、最上段のスクリューコンベア111からスクリュー122の回転によって順に下段のスクリューコンベア112,113へと送られる。その間に、炉下部のバーナー108による炎の加熱とともに、開口部135から吹き出す乾留ガスの炎によって直接上段のスクリューコンベア111,112が加熱され、スクリューコンベア内部の原料が炭化する。
特開2001−172639号公報 特開2001−289416号公報
しかし、こうしたスクリュー式炭化炉100では、乾留ガスの火炎によって上段のスクリューコンベア111,112を加熱するようになった後も、最下段のスクリューコンベア113に対しては炉下部のバーナー108の運転を続けて加熱する必要がある。最下段で高温加熱することは、原料の炭化を十分なものとし、品質の良い炭化物を生成することができる点で必要な処理となる。しかし、そのためには、従来のスクリュー式炭化炉100の場合、炉下部のバーナー108を運転し続けることになり、燃料消費量が増大してしまう問題があった。一方、燃料消費量を抑えるため乾留ガスを炉下部に導入することも提案されているが、タールの付着を考慮すると現実的ではない。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、炭化物の品質を良いものとしつつ燃料消費量を抑えるスクリュー式炭化炉を提供することを目的とする。
本発明に係るスクリュー式炭化炉は、トラフ内の原料をスクリューによって搬送する複数の連続するスクリューコンベアが炉体を通して配置され、炉体内で発生する前記原料からの乾留ガスの火炎によって、スクリューコンベア内を移動する原料を更に加熱するものであって、前記スクリューコンベアは、炉体の縦方向に複数のスクリューコンベアを並べた多段搬送部と、その多段搬送部より下の位置に横方向に複数のスクリューコンベアを並べた下搬送部とを構成し、当該スクリューコンベアのトラフには上方に開口が形成されたものであり、前記炉体には、前記多段搬送部を構成するスクリューコンベアのトラフから放出される乾留ガスに燃焼空気を吹きかけるエア供給手段が設けられ、そのエア供給手段から燃焼空気を吹きかけられた乾留ガスが、前記多段搬送部や下搬送部が周りに存在する前記炉体内の燃焼空間に火炎を発生させ、その火炎によって前記スクリューコンベア内の原料を加熱するものであことを特徴とする。
また、本発明に係るスクリュー式炭化炉は、前記スクリューコンベアが、前記多段搬送部より上の位置に横方向に複数のスクリューコンベアを並べた上搬送部を構成するものであることが好ましい。
また、本発明に係るスクリュー式炭化炉は、前記多段搬送部が、複数のスクリューコンベアが前記炉体内の燃焼空間を挟むように左右両側に配置され、前記上搬送部から下搬送部へかけて左右の距離が狭くなるように階段状に各スクリューコンベアが配置されたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスクリュー式炭化炉は、前記下搬送部が、幅広形状の一つのトラフに複数のスクリューが平行に配置され、当該スクリューの間にスクリュー毎の搬送路を構成するガイドが設けられた一体型のスクリューコンベアによって構成されたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスクリュー式炭化炉は、前記下搬送部を構成するスクリューコンベアが、前記炉体の底面に設置されたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスクリュー式炭化炉は、前記上搬送部と多段搬送部との間および前記多段搬送部と下搬送部との間は、それぞれ横引きスクリューコンベアによって連結され、当該横引きスクリューコンベアは、原料を通すボックス内に中央で逆向きになった羽根のスクリューが挿入されたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスクリュー式炭化炉は、前記多段搬送部と下搬送部を連結する横引きスクリューコンベアは、ボックスに満量計を設置し、原料がボックスを満量にした状態で搬送するようにしたものであることが好ましい。
本発明のスクリュー式炭化炉によれば、原料からの乾留ガスによって燃焼空間に火炎を発生させ、その輻射熱を利用して原料を加熱するので、従来のようにトラフを加熱して内部の原料を加熱するよりも炉体内の火炎によって効果的な原料の加熱が行える。そして、多段搬送部のスクリューコンベアによって原料の炭化を行うとともに、更に下搬送部のスクリューコンベアでも原料を加熱して最終炭化処理を行うことができるため、原料の炭化を十分なものとし、品質の良い炭化物を生成することができる。しかも、下搬送部のスクリューコンベアを通る原料に対しても燃焼空間の火炎によって加熱するため、燃料消費量を抑えることができる。
スクリュー式炭化炉の実施形態を示した図である。 鶏糞を原料としてスクリュー式炭化炉で炭化処理を行った場合の分析結果を示した図である。 従来のスクリュー式炭化炉を示した図である。
次に、本発明に係るスクリュー式炭化炉の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は、スクリュー式炭化炉を示した図であり、右半分に側面図を、左半分に断面図を示している。
このスクリュー式炭化炉1は、前述した従来例と同様に、畜糞尿などの有機性廃棄物を原料とし、複数設けられたスクリューコンベア11,12,13に原料を通しながら加熱及び熱分解することによって炭化物を生成するものである。
スクリュー式炭化炉1では、中央部分に燃焼空間10を設けるように、3パターンで配置した各箇所複数のスクリューコンベア11,12,13が炉体2内に配置されている。炉体2は、図示するように横幅寸法を下方に向けて小さくするように傾斜した形状の密閉された筺体であって、炉体を構成する鋼材の内部にキャスタブル材による耐火・耐熱層が設けられている。その炉体2内に、横向きに配置された上段スクリューコンベア11、両サイドにおいて縦方向に多段に配置された中段スクリューコンベア12、そして底面に横向きに配置された下段スクリューコンベア13が組み付けられている。上段スクリューコンベア11は上搬送部を、中段スクリューコンベア12は多段搬送部を、そして下段スクリューコンベア13は下搬送部をそれぞれ構成している。
こうしてスクリューコンベア11,12,13に囲まれた炉体2の中央部分には燃焼空間10が形成され、本実施形態ではこの燃焼空間10に火炎を発生させて原料を加熱するようにしている。スクリュー式炭化炉1には、不図示の乾燥機を通し、ある程度水分が除去された状態の原料がホッパを介して供給される。しかし、依然として水分を含んでいるため、上搬送部を構成する上段スクリューコンベア11は、そうした原料を乾燥するための乾燥工程として、燃焼空間10の直上に配置されている。この場合、燃焼空間10で発生する火炎の熱を直接受けるが、原料の水分の蒸発によってある程度冷やされるため、スクリューコンベア11が過剰に加熱されることはない。
スクリュー式炭化炉1では、4本の上段スクリューコンベア11が高さを揃えて平行に配置され、それぞれに対して不図示のホッパから原料が送り込まれるようになっている。スクリューコンベア11は、樋形状のトラフ21が炉体2の向かい合う壁面を貫通して架設され、軸支されたスクリュー22がトラフ21内にて回転可能に挿入されている。炉体2の外部には駆動手段である不図示のモータが設置され、各スクリューコンベア11のスクリュー22に回転を伝達するように構成されている。
次に、多段搬送部の中段スクリューコンベア12は、上段スクリューコンベア11を通過した原料を受け、その原料を加熱及び熱分解して炭化物を生成する炭化処理工程を構成するものである。複数の中段スクリューコンベア12が、燃焼空間10を挟むようにして左右それぞれに縦方向に並べられ、多段に配置されている。中段スクリューコンベア12の構成は、上段スクリューコンベア11と同様に、樋形状のトラフ23が炉体2の向かい合う壁面を貫通して架設され、軸支されたスクリュー24がトラフ23内に挿入され、不図示のモータの出力を受けて回転するように構成されている。
上段スクリューコンベア11と中段スクリューコンベア12とは、横引きスクリューコンベア15を介して連結されている。横引きスクリューコンベア15は、炉体2の外側に配置され、上段スクリューコンベア11と中段スクリューコンベア12の端部にボックス31が連結されている。そして、ボックス31内には、螺旋状の羽根が中央で方向を逆転させたスクリュー32が回転可能に挿入されている。すなわち、この横引きスクリューコンベア15は、上段スクリューコンベア11を通った原料がボックス31内に落ち、それを逆向きの羽根を持ったスクリュー32によって左右の中段スクリューコンベア12へ分けて送るように構成されている。
中段スクリューコンベア12は、上下方向に4段設けられ、上下の中段スクリューコンベア12同士はシュート17によって連結されている。左右の中段スクリューコンベア12は、それぞれの高さが左右でほぼ揃えられており、同じ高さの中段スクリューコンベア12同士の距離は下方に向けて小さくなるように階段状に配置されている。
更に、炉体2の底面には下搬送部を構成する下段スクリューコンベア13が配置されている。下段スクリューコンベア13は、一つのトラフ25に対して複数のスクリュー26を設けた一体型のスクリューコンベアである。トラフ25は、上段や中段のスクリューコンベア11,12と同様にU字形の樋形状であるが、6つのスクリュー26が入るように横幅の広い幅広形状である。隣り合うスクリュー26は、その間に配置された山形のガイド27で仕切られ、トラフ25内にはスクリュー26毎に複数の搬送路が構成されている。そして、下段スクリューコンベア13の端部には冷却装置へのシュートが連結され、加熱によって高温になっている炭化物の冷却が行われるようになっている。
こうした下段スクリューコンベア13と最下段の中段スクリューコンベア12とは、横引きスクリューコンベア16を介して連結されている。横引きスクリューコンベア16は、炉体2の外側に配置され、中段スクリューコンベア12と下段スクリューコンベア13にボックス33が連結されている。そして、そのボックス33内には、螺旋状の羽根が中央で方向を逆転させたスクリュー34が回転可能に挿入されている。すなわち、この横引きスクリューコンベア16は、中段スクリューコンベア12を通った原料がボックス33内に落ち、それを逆向きの羽根を持ったスクリュー34によって中央側に送る過程で、各スクリュー26の搬送路へと振り分けていくように構成されている。なお、ボックス33には不図示の満量計が設置され、原料がボックス33を満量にした状態で送られるようになっている。
本実施形態のスクリュー式炭化炉1は、炉体2内に高温のガスを発生させ、その輻射熱を利用して各スクリューコンベア11,12,13内の原料を加熱する構成がとられている。すなわち、中段、下段スクリューコンベア12,13を移動する原料からは、それが加熱され炭化する際に可燃性の乾留ガスが放出されるため、この乾留ガスを燃焼させた火炎の輻射熱を利用することとしている。スクリュー式炭化炉1では、炉体2内のスクリューコンベア11,12,13で囲まれた燃焼空間10に乾留ガスの火炎を発生させるようにしている。
そこで、炉体2には、第2段目から第4段目の中段スクリューコンベア12に対し、炉体2を貫通してエア供給管35が設置されている。エア供給管35の吹出口は、トラフ23の上方に向けて燃焼空気を吹き込むように配置され、トラフ23から放出された乾留ガスを燃焼空間10へと流すようにしている。こうしたトラフ23や下段スクリューコンベア13のトラフ25は、上方に大きく開いた開口部が形成され、乾留ガスを上方に放出し易くなっている。また、その開口部は、中段と下段のスクリューコンベア12,13内の原料を、燃焼空間10で発生する火炎の輻射熱によって効果的に加熱できるようにもなっている。
続いて、スクリュー式炭化炉1による炭化物の生成について説明する。このスクリュー式炭化炉1を有する炭化処理システムでは、先ず不図示の乾燥機に畜糞尿などの原料を投入し、ある程度の水分を除去して乾燥させた後、その原料がスクリュー式炭化炉1へと送り込まれる。スクリュー式炭化炉1では、ホッパから上段スクリューコンベア11へと投入され、そこではトラフ21内の原料が回転するスクリュー22によって攪拌されながら一方向へと搬送される。スクリュー式炭化炉1の起動当初は、不図示のバーナーによって炉体2内を加熱する必要があるが、運転が安定することにより乾留ガスの火炎が燃焼空間10に発生し、それによって上段スクリューコンベア11が下方から加熱されることになる。
上段スクリューコンベア11を通る原料は、前述したように乾燥機を通ってはいるが多少の水分を含んでいる。そのため、上段スクリューコンベア11は、燃焼空間10の火炎によってトラフ21が直に加熱されることになるが、原料の水分が蒸発する際に潜熱を奪うことによる冷却効果により、トラフ21が過剰に温度上昇してしまうことはない。そして、乾燥工程の上段スクリューコンベア11では、図面手前側に原料が送られ、その間に下の燃焼空間10の火炎によって加熱され水分が除去される。
その後、原料は、上段スクリューコンベア11から横引きスクリューコンベア15へと落とされる。横4列に設けられた上段スクリューコンベア11から横引きスクリューコンベア15に対し、ボックス31全体に原料が投入されるが、その原料は中央を境にして羽根の向きが逆になったスクリュー32によって左右両側に分けて送られ、左右それぞれの中段スクリューコンベア12へと投入される。
中段スクリューコンベア12では、同じようにトラフ23内の原料が回転するスクリュー24によって攪拌されながら一方向へ送られ、シュート17を介して一段下の中段スクリューコンベア12へと移動する。中段スクリューコンベア12では、こうしたスクリュー24によるトラフ23内の原料の搬送が、上下4段にわたって順に繰り返される。その間、加熱された原料からは可燃性の乾留ガスが発生し、トラフ23から上方へ放出される。一方で、このスクリュー式炭化炉1から排出された高温の排ガスによって外気が加熱され、そうした燃焼空気がエア供給管35から炉体2内へと吹き込まれる。
従って、トラフ23からは乾留ガスが上方に放出され、そこに横から燃焼空気が吹きかけられると、その風圧によって乾留ガスが炉体2の中央へと流れるとともに、酸素を受け取った乾留ガスが燃焼空間10で燃えて火炎を発生させる。このスクリュー式炭化炉1では、炉体2中央の火炎から熱線が放射され、その輻射熱によって燃焼空間10を囲むように配置された中段スクリューコンベア12内の原料が加熱される。その際、トラフ23の上方開口部を通った熱線によって直接原料が加熱される他、トラフ23の加熱を通して原料が加熱されたり、炉体2の壁面を加熱したその壁面からも輻射熱を受け取って加熱される。
中段スクリューコンベア12を移動する間に加熱される原料は、徐々に炭化が進行するとともに乾留ガスを発生させ、その乾留ガスがトラフ23から放出され燃焼空間10に火炎を生じさせる。従って、スクリュー式炭化炉1の運転中は、燃焼空間10に連続して火炎を発生させる一方で、その輻射熱によって新たに乾留ガスを発生させるといった繰り返しが行われる。そして、この中段スクリューコンベア12による炭化工程において加熱された原料が徐々に炭化していく。
最下段の中段スクリューコンベア12まで降りた原料は、横引きスクリューコンベア16へと送られる。横引きスクリューコンベア16では、その原料が中央を境にして羽根の向きが逆になったスクリュー34によって中央側に送られ、下段スクリューコンベア13の横に並んだスクリュー26による6列の搬送路へと振り分けられる。横引きスクリューコンベア16では、ボックス33内を原料が満量の状態になっているため、下段スクリューコンベア13の6列の搬送路へは均等に原料が送られる。
下段スクリューコンベア13は、トラフ25の上方に大きく開口部が設けられており、燃焼空間10の火炎から輻射熱を直接受けた原料が更に加熱される。従って、中段スクリューコンベア12を通過した原料は、更に最終工程の下段スクリューコンベア13でも加熱されることでより炭化が進むことになる。そして、ここでも加熱された原料から乾留ガスが発生し、それが燃焼して火炎となる。このとき、加熱源となる火炎は下段スクリューコンベア13の上方で発生するため、トラフ25が輻射熱を受けて過剰に加熱されることはない。そして、この下段スクリューコンベア13を通った原料は、炭化物となって次の冷却装置へと送られる。
ここで、図2は、水分が20%程度の鶏糞を原料としてスクリュー式炭化炉1で炭化処理を行った場合の分析結果を示した図であり、原料の重量変化と温度変化をグラフにしたものである。特に、0〜t1時が上段スクリューコンベア11を、t1〜t2時が中段スクリューコンベア12を、そしてt2〜t3時が下段スクリューコンベア13を、原料が通過するおよその時間帯である。
このグラフから分かるように、上段スクリューコンベア11を通っている初期段階では、水分を含んでいる原料の温度は沸点までは上昇するものの、その後は炉体2内の雰囲気温度が高くてもあまり急激に温度は上がっていない。そして、中段スクリューコンベア12へ送られ、炭化が徐々に進むに従って原料の温度が急激に上昇し、炭化の最終工程が行われる下段スクリューコンベア13では徐々に温度上昇が緩やかになっている。一方、原料の重量変化は、下段スクリューコンベア11では加熱によって水分が抜けて減少し、その後は乾留ガスが放出され中段スクリューコンベア12を移動する間に減少している。そして、下段スクリューコンベア13では、炭化が進むにつれて乾留ガスの放出が少なくなり、それに応じて原料の重量減少度も小さくなっている。見方を変えると、下段スクリューコンベア13では、炭化物の温度を上げるには高温でかつ多量の熱が必要になることが分かる。
本実施形態のスクリュー式炭化炉1によれば、原料からの乾留ガスによって燃焼空間10に火炎を発生させ、その輻射熱を利用して原料を加熱するようにしたので、従来のようにトラフを加熱して内部の原料を加熱するよりも炉体2内の火炎によって効果的な原料の加熱が行えるようになった。そして、中段スクリューコンベア12は、下のものほど中央の燃焼空間10に近づくように階段状に配置したため、輻射熱によるトラフ23内部の原料を効率良く加熱できるようになっている。また、中段スクリューコンベア12によって原料の炭化を行うとともに、更に下段スクリューコンベア13の原料に対しても高温による最終炭化処理を行うため、原料の炭化を十分なものとし、品質の良い炭化物を生成することができる。
図2のt2〜t3に示すように、下段スクリューコンベア13を通る原料は、重量の減少率が小さくなり温度も上がりにくくなっている。そのため、熱を積極的に加えて350℃以上の高い温度で加熱することが、原料自体の温度を上げて品質の良い炭を生成することにつながる。この点、本実施形態のスクリュー式炭化炉1によれば、燃焼空間10の乾留ガスによる火炎で積極的に加熱することで品質の良い炭を生成することができる。しかも、バーナーを使用するわけではないので燃料消費を抑えることが可能である。そして、特に下段スクリューコンベア13では、原料からの乾留ガスの発生量が少なくなって十分な炭化に時間を要するが、そうした加熱のための燃料を必要としない。
また、下段スクリューコンベア13は、原料の加熱に際してトラフ25を直接火炎によって炙らないため、熱変形を考慮した従来のトラフに比べて材料を安くすることができる。加えて、下段スクリューコンベア13は炉体2の底面に配置されているため、炉体2内部に舞った灰を受けることができる。そのため、従来は炉体の底に溜まってしまう灰を回収する余分な構造や煩わしい作業が必要であったが、そうした問題も解消できる。更に、本実施形態では、エア供給管35から200℃程度に加熱した燃焼空気を送り込むため、スクリュー式炭化炉1における炭化処理のエネルギ効率を良くしている。
以上、本発明に係るスクリュー式炭化炉の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
前記実施形態では、乾燥工程として上段スクリューコンベア11を設けたが、それを省略してスクリュー式炭化炉1へ供給された原料を中段スクリューコンベア12へ送る構造にしてもよい。その際、中段スクリューコンベア12の数を増やしたり、距離を長くすることが考えられる。
また、前記実施形態では、中段スクリューコンベア12を階段状に配置したが、直線的に配置して炉体2の幅を狭くした構成とするようにしてもよい。
また、前記実施形態では、下搬送部を構成する下段スクリューコンベア13が、複数のスクリュー26を一つのトラフ25に構成した一体型のものであるが、上段スクリューコンベア11のように分離したものであってもよい。
1 スクリュー式炭化炉
2 炉体
10 燃焼空間
11 上段スクリューコンベア
12 中段スクリューコンベア
13 下段スクリューコンベア
15,16 横引きスクリューコンベア
21 トラフ
22 スクリュー
35 エア供給管

Claims (7)

  1. トラフ内の原料をスクリューによって搬送する複数の連続するスクリューコンベアが炉体を通して配置され、炉体内で発生する前記原料からの乾留ガスの火炎によって、スクリューコンベア内を移動する原料を更に加熱するスクリュー式炭化炉において、
    前記スクリューコンベアは、炉体の縦方向に複数のスクリューコンベアを並べた多段搬送部と、その多段搬送部より下の位置に横方向に複数のスクリューコンベアを並べた下搬送部とを構成し、当該スクリューコンベアのトラフには上方に開口が形成されたものであり、
    前記炉体には、前記多段搬送部を構成するスクリューコンベアのトラフから放出される乾留ガスに燃焼空気を吹きかけるエア供給手段が設けられ、
    そのエア供給手段から燃焼空気を吹きかけられた乾留ガスが、前記多段搬送部や下搬送部が周りに存在する前記炉体内の燃焼空間に火炎を発生させ、その火炎によって前記スクリューコンベア内の原料を加熱するものであることを特徴とするスクリュー式炭化炉。
  2. 請求項1に記載するスクリュー式炭化炉において、
    前記スクリューコンベアは、前記多段搬送部より上の位置に横方向に複数のスクリューコンベアを並べた上搬送部を構成するものであることを特徴とするスクリュー式炭化炉。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するスクリュー式炭化炉において、
    前記多段搬送部は、複数のスクリューコンベアが前記炉体内の燃焼空間を挟むように左右両側に配置され、前記上搬送部から下搬送部へかけて左右の距離が狭くなるように階段状に各スクリューコンベアが配置されたものであることを特徴とするスクリュー式炭化炉。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載するスクリュー式炭化炉において、
    前記下搬送部は、幅広形状の一つのトラフに複数のスクリューが平行に配置され、当該スクリューの間にスクリュー毎の搬送路を構成するガイドが設けられた一体型のスクリューコンベアによって構成されたものであることを特徴とするスクリュー式炭化炉。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載するスクリュー式炭化炉において、
    前記下搬送部を構成するスクリューコンベアは、前記炉体の底面に設置されたものであることを特徴とするスクリュー式炭化炉。
  6. 請求項3乃至請求項5のいずれかに記載するスクリュー式炭化炉において、
    前記上搬送部と多段搬送部との間および前記多段搬送部と下搬送部との間は、それぞれ横引きスクリューコンベアによって連結され、当該横引きスクリューコンベアは、原料を通すボックス内に中央で逆向きになった羽根のスクリューが挿入されたものであることを特徴とするスクリュー式炭化炉。
  7. 請求項6に記載するスクリュー式炭化炉において、
    前記多段搬送部と下搬送部を連結する横引きスクリューコンベアは、ボックスに満量計を設置し、原料がボックスを満量にした状態で搬送するようにしたものであることを特徴とするスクリュー式炭化炉。
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