JP2010539232A - 酸化還元反応によりモノクローナル抗体の結合特異性を改変させる方法 - Google Patents

酸化還元反応によりモノクローナル抗体の結合特異性を改変させる方法 Download PDF

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Abstract

モノクローナル抗体の結合特異性は、モノクローナル抗体を酸化剤または電位にさらすことによって改変される。

Description

本発明はモノクローナル抗体の結合特異性を可逆的に改変させる方法に関する。
本発明者は、正常な個体由来の血液や他の体液には相当数の自己抗体が含まれており、該自己抗体は酸化剤で処理すると自らの抗原を結合できるようになる、という発見を以前に報告している。例として、以下の文献を見られたい。
米国特許出願公開第2005/0260681号明細書 米国特許出願公開第2005/0101016号明細書
Mclntyre, JA."The appearance and disappearance of antiphospholipid antibodies subsequent to oxidation-reduction reactions."Thromb. Res. 2004; 114:579-87. Mclntyre, JA, Wagenknecht, DR, & Faulk, WP."Autoantibodies unmasked by redox reactions."J. Autoimmun 2005; 24:311-17. Mclntyre, JA, Wagenknecht, DR, & Faulk, WP."Redox-reactive autoantibodies: Detection and physiological relevance."Autoimm. Rev. 2006; 5:76-83. Mclntyre, JA, Chapman, J, Shavit, E, Hamilton, RL, DeKosky, ST."Redox-reactive autoantibodies in Alzheimer's patients' cerebrospinal fluids: Preliminary studies."Autommunity, 2007; 40:390-6. Mclntyre, JA, Hamilton, RL, DeKosky, ST."Redox-reactive autoantibodies in cererebrospinal fluids."Ann. N.Y. Acad. Sci. 2007; 1109:296-302.
これらの文献では、正常な個体由来の血液は、多種多様なアイソタイプおよび特異性を有する相当数の自己抗体を含有しているが、これらの自己抗体は該文献中に記載された方法に従って、ある体液または血液が、例えば酸化剤や電流で酸化にさらされる場合にのみ検出できるということが報告されている。血液、血漿、血清、母乳、髄液および精製免疫グロブリン画分などの試料は酸化処理され、その後多様な種類の自己抗原および他の種類の抗原でアッセイされ、酸化により非マスク化されることができるマスク化自己抗体を同定できるということが報告されている。酸化により非マスク化された自己抗体には表2記載の以下のものを含む。
Figure 2010539232
モノクローナル抗体の結合特異性は、酸化剤または直流を使用した、同様な処理によって改変できるということが現在発見されつつある。モノクローナル抗体は一般的に特異抗原のみを結合することを目的とするため、この発見は重要なものである。しかしながら、本明細書中に記載されている方法によれば、モノクローナル抗体の活性のスペクトルは、モノクローナル抗体が結合することを意図された特異抗原以外の抗原も含むように広げることができる。
本発明の一側面によれば、特異抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体を含む組成物を提供すること、およびモノクローナル抗体の結合特異性改変に影響を与えるのに充分な酸化剤または電位に該組成物をさらすことを含む方法が提供される。
本発明の別の側面によれば、モノクローナル抗体を酸化剤または電位にさらすことで改変された結合特異性を有するモノクローナル抗体を含む組成物が提供される。
「対照」と指定された成体ウシ血漿(ABP)含有希釈緩衝液中、および本発明の実施形態により「酸化還元」と指定されたモノクローナル抗体が電位にさらされた後の同一希釈緩衝液中における、抗グリコホリンAモノクローナル抗体の、aPS、aCL、aPEおよびaPC結合プロファイル(光学濃度(OD)により測定)を示すグラフである。同じELISA試験パラメーターが、「対照」と指定されたウシ血清アルブミン(BSA)含有希釈緩衝液、および本発明の実施態様により「酸化還元」と指定されたモノクローナル抗体が電位にさらされた後の同一希釈緩衝液を用いても行われた。 ABP含有緩衝液(対照)中、および本発明の実施態様によりモノクローナル抗体が電位にさらされた後の同一希釈緩衝液(酸化還元)中に希釈されたモノクローナル抗CXCR4抗体のaPS、aCL、aPEおよびaPC結合プロファイル(ODにより測定)を示すグラフである。同様にモノクローナルはBSA含有緩衝液(対照)中、また本発明の実施態様によりモノクローナル抗体が電位にさらされた後の同一緩衝液(酸化還元)中に希釈された。 ABP含有希釈緩衝液(対照)中、および本発明の実施態様によりモノクローナル抗体が電位により処理された後の同一緩衝液(酸化還元)中における、CD63モノクローナル抗体のaPS、aCL、aPEおよびaPC結合プロファイル(ODにより測定)を示すグラフである。同様にモノクローナルは、BSA含有緩衝液(対照)中、および本発明の実施態様によりモノクローナル抗体が電位にさらされた後の同一緩衝液(酸化還元)中に希釈された。 ABP含有希釈緩衝液(対照)中、および本発明の実施態様によりモノクローナル抗体が電位にさらされた後のABP希釈緩衝液中における、ベータ2糖タンパク質−I(β2GP-I)のaPS、aCL、aPEおよびaPC結合量(ODにより測定)を示すグラフである。同様にモノクローナルは、BSA含有緩衝液(対照)中、および本発明の実施態様によりモノクローナル抗体が電位にさらされた後の同一緩衝液(酸化還元)中に希釈された。 凝固因子VIIに対するモノクローナル抗体のaPS、aCL、aPEおよびaPC結合プロファイル(ODにより測定)を示すグラフである。特にこのモノクローナルは酸化改変しにくく、aPLの非マスク化は観測されなかった。 凝固因子IXに対するモノクローナル抗体のaPS、aCL、aPEおよびaPC結合プロファイル(ODにより測定)を示すグラフである。ABP含有希釈緩衝液中において因子IXは負の電化を帯びたリン脂質、PSおよびCLと結合し(対照)、それゆえ陽性モノクローナル抗因子IX反応がaPSやaCLとして見られることに注意されたい。EMFによる酸化還元はABP希釈液中の因子IX結合に対してマスク化効果がなかった。反対に、因子IXが存在しないABS希釈液(対照)中においては、aPL活性は観測されない。しかしながら、酸化還元の後、aPE活性およびaPC活性の両方が非マスク化される。 IgGアイソタイプ対照として商業的に販売されているIgG1モノクローナル抗体のaPS、aCL、aPEおよびaPC結合プロファイル(ODにより測定)を示すグラフである。このグラフにおいて、2つの異なる酸化剤、へミンとEMFとの異なる効果の比較がなされている。詳細は図の説明文で提供される。 図5のように、CD44抗原に対するモノクローナル抗体のaPS、aCL、aPEおよびaPCの結合プロファイル(ODにより測定)を示すグラフである。このモノクローナル抗体は、ヘミンまたはEMFの酸化剤によりその結合活性を大幅には改変しない。該モノクローナルはしかしながら、その細胞表面抗原に結合し続ける。 血小板抗原IIb−IIIaに対するモノクローナル抗体のaPS、aCL、aPEおよびaPC結合プロファイル(ODにより測定)を示すグラフである。ABP含有希釈液(対照)においては、aPSまたはaCLとして活性は見られない。懸濁液中のモノクローナルを本発明の実施態様により電位で処理した後(酸化還元)、aPSおよびaCLのどちらもが該希釈緩衝液を使用することにより示されたように非マスク化された。BSA含有希釈緩衝液(対照)中においては、aPSおよびaCLに対する活性は観察されず、それゆえABP希釈緩衝液中の負の電化を帯びたPSおよびCLにより結合される血漿タンパク質はBSA含有希釈緩衝液中には存在しなかった。モノクローナルの、本発明の実施態様による電位処理(酸化還元)は、BSA含有緩衝液中のaPEおよびaPCシグナルの強度を増加させた。 マウス腫瘍細胞株SP2/0で発見された原形質膜抗原に対して製造されたモノクローナル抗体へのEMF処理の効果を示すグラフである。このモノクローナル抗体は商業的に製造されたモノクローナル抗体製剤に存在し得る独自の変数(proprietary variables)に対する調整という明確な目的のために注文生産された。例えば、商業用モノクローナル抗体の製造者によって使用される懸濁溶液は、モノクローナル増殖培地からの残留物として動物の血清により汚染されている可能性があるのか?このような汚染はマウスモノクローナルのマスク化および/または非マスク化観察を妨げ得る。図10に示すように、その実験計画では、培地そのものの、モノクローナル抗体を含有する培地、EMF処理を行った後の培地およびEMF処理を施した後のモノクローナル抗体を含む培地の検査というものであった。また、さらなる検査のために、Aタンパク質アフィニティーカラム(1.46mg/ml)を使用することにより濃縮されたモノクローナル抗体を利用することができる。図10は全てのaPLの非マスク化は単クローン抗体がEMFで処理された後に検出されること、検出はABP含有希釈緩衝液またはBSA含有希釈緩衝液のいずれかにおいて観察されることを示している。 マウス腫瘍細胞株SP2/0で発見された原形質膜抗原に対して製造されたモノクローナル抗体へのEMF処理の効果を示すグラフである。このモノクローナル抗体は商業的に製造されたモノクローナル抗体製剤に存在し得る独自の変数(proprietary variables)に対する調整という明確な目的のために注文生産された。例えば、商業用モノクローナル抗体の製造者によって使用される懸濁溶液は、モノクローナル増殖培地からの残留物として動物の血清により汚染されている可能性があるのか?このような汚染はマウスモノクローナルのマスク化および/または非マスク化観察を妨げ得る。図10に示すように、その実験計画では、培地そのものの、モノクローナル抗体を含有する培地、EMF処理を行った後の培地およびEMF処理を施した後のモノクローナル抗体を含む培地の検査というものであった。また、さらなる検査のために、Aタンパク質アフィニティーカラム(1.46mg/ml)を使用することにより濃縮されたモノクローナル抗体を利用することができる。図10は全てのaPLの非マスク化は単クローン抗体がEMFで処理された後に検出されること、検出はABP含有希釈緩衝液またはBSA含有希釈緩衝液のいずれかにおいて観察されることを示している。 モノクローナル抗体抗グリコホリンAを使用してEMF酸化を行った際の経時的な効果を示すグラフである。これは図1記載のモノクローナル抗体製剤と同一のものである。図11はEMF処理の最初の一分間に、フローサイトメトリー平均チャネルシフト(mean channel shifts)(MCS)により測定されたこのモノクローナルのその赤血球(RBC)標的膜抗原への結合が下り坂になるということを明示している。しかしながら、フローサイトメトリー用に5秒間隔でアリコートを取得した最初の一分の後、付加的なEMF処理を続けると下方傾向の反転を引き起こし、EMF処理の最初の15〜20秒の後に現れる値と近似するMCS値へと上向きにシフトする。10秒間隔で観測され、図1で示されたaPLの非マスク化の時間と一致するMCSの401から386へのシフトは、フローサイトメトリー実施者によれば重大であるとは考えられない。それにもかかわらず、該シフトはモノクローナルの結合特性に対して甚大な影響を及ぼす。したがって、aPL反応性の非マスク化(改変)はモノクローナルRBC結合特性にほとんど影響しない。しかしながら、EMF酸化工程を1分伸ばせば、最初の一分間のRBCへの結合の下方改変が可逆になることを示している。 図10でも示されたモノクローナル抗体の酸化処理は、非マスク化およびマスク化の時間と温度による可逆改変であるということを示すグラフである。−80℃で保管された場合、EMF処理後のaPL活性に重大な損失はない。一方、37℃で4日間保管した場合aPL反応性の損失を引き起こしたが、aPL反応性はモノクローナル抗体懸濁液に別のEMF処理を施すことで完全に回復(非マスク化)できる。この現象は、酸化された治療用モノクローナル抗体は、炎症部位のような、活性酸素種が発生する領域に現れ得る(非マスク化)ため、インビボでは重大な生理学的不利益がある可能性がある。これらの治療用モノクローナル抗体の非マスク化は、レシピエントにとって望ましくない病態生理学的結果へと導く恐れがある。実際、いくつかの治療用モノクローナル抗体が有害かつ予想外の副作用のために使用から除外されてきたのは、上記したことが原因であろう。 図10でも示されたモノクローナル抗体の酸化処理は、非マスク化およびマスク化の時間と温度による可逆改変であるということを示すグラフである。−80℃で保管された場合、EMF処理後のaPL活性に重大な損失はない。一方、37℃で4日間保管した場合aPL反応性の損失を引き起こしたが、aPL反応性はモノクローナル抗体懸濁液に別のEMF処理を施すことで完全に回復(非マスク化)できる。この現象は、酸化された治療用モノクローナル抗体は、炎症部位のような、活性酸素種が発生する領域に現れ得る(非マスク化)ため、インビボでは重大な生理学的不利益がある可能性がある。これらの治療用モノクローナル抗体の非マスク化は、レシピエントにとって望ましくない病態生理学的結果へと導く恐れがある。実際、いくつかの治療用モノクローナル抗体が有害かつ予想外の副作用のために使用から除外されてきたのは、上記したことが原因であろう。
本発明はモノクローナル抗体の結合特異性を改変する方法に関する。
モノクローナル抗体の「結合特異性を改変する」という用語は、モノクローナル抗体が、以前は特異的に結合できなかった抗原またはリガンドを特異的に結合できるようになるように、酸化や還元分裂などによって変化または改変させられる過程を意味する。例えば抗体活性のスペクトルは、モノクローナル抗体が他の抗原と結合するように広げられ得る。「結合特異性を改変する」という用語はまた、モノクローナル抗体が、以前は特異的に結合できた抗原またはリガンドを特異的に結合できないようになるように、酸化や還元などによって変化または改変させられる過程にも適用されるが、この文脈において、この用語は可逆的な変化を意味するものであり、タンパク質の変性などの永続的で不可逆的変化を意味するものではないことを理解されたい。
「モノクローナル抗体」という用語は、一般的に特定の抗原に対する結合特異性に基づき選択され、その後クローン化されるか、あるいはそれぞれが同一の分子構造を有する一組の抗体分子を産生するために製造される抗体を意味する。多くの抗原に対するモノクローナル抗体が商業的に入手可能である。
本発明の方法では、モノクローナル抗体の結合特異性は該モノクローナル抗体を酸化剤または電流にさらすことで改変される。例えば、モノクローナル抗体の結合特異性は、ここで記載する方法が実行される以前は結合できなかった抗原をモノクローナル抗体が結合できるように改変することができる。
本発明の方法を実行するために酸化剤を使用する場合、酸化剤は生物分子の酸化還元状態を改変できるような化合物であればよい。より詳しくは、酸化剤は、電子供与体として働く他の分子に対する電子受容体として働くことにより還元される能力を有する分子である。適当な酸化剤には、例えば第二鉄と第一鉄状態の間を行ったり来たりできる鉄のような酸化還元が可能な金属などの、酸化還元反応で使用できる配位(遷移)金属を含む多くの化合物が含まれる。他の酸化剤の例としては、ヘミンやクロロフィル分子中の配位マグネシウム金属、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)および過マンガン酸カリウム(KMnO4)が挙げられるが、これらに制限されるものではない。一般的には、遷移金属の酸化剤が使用される場合、モノクローナル抗体と酸化剤との混合物を一定時間、典型的には12〜24時間の間インキュベートしなければならない。酸化剤はモノクローナル抗体の結合特異性を改変するのに充分な濃度で使用されるべきだが、モノクローナル抗体を破壊したり変性したりするほどの濃度で使用されるべきではない。種類が異なるモノクローナル抗体は種々の抗酸化剤と異なった相互作用をするということが発見されている。
本発明の方法を実行するためにDC電流が使用される場合、処理されるべき試料を含む導電性溶液にプラス極とマイナス極を浸漬するなど、あらゆる電流の送達手段で方法を実行してもよい。モノクローナル抗体を含む溶液は、モノクローナル抗体の結合特異性を改変させるのに充分な大きさ、および充分な時間電位にさらされる。溶液を6〜24ボルトの電位の中に数秒から数分さらすことで陽性の結果が得られることがわかっている。さらに長期間電流の中にさらすことは、結合特異性の改変を反転させる結果を招き得る。これは、グリコホリンAモノクローナル抗体およびフローサイトメトリーを使用し、EMF処理の時間に対する赤血球への抗体の反応性を測定することで見られる。図11は最初の60秒間EMF処理が5秒長くなるごとに平均チャネルシフト(MCF)に見られる減少を示している。しかしながら、付加的にEMF処理を1分長く適用すると(合計2分)、下方傾向は反転しMCS値の増加を引き起こす。
特定の理論に縛られることなく、モノクローナル抗体を酸化剤や電流にさらすことで、モノクローナル抗体のFab部分にある抗原結合部位を酸化および/または還元できると考えられている。IVIgにより行われ、モノクローナル抗ニトロチロシン抗体による検出を使用する酸化実験においては、ヘミンにより酸化にさらされたIgGは未処理のIgGよりもよりニトロシリル化されていることが見出されている。したがって、同様の機序がモノクローナル抗体で有効であり得ること、およびモノクローナル抗体の抗原結合部位の改変は、抗原結合部位におけるコンホメーション変化を生み出し得る、抗体の超可変領域内およびその周囲の芳香環含有アミノ酸(例えば、チロシンおよびトリプトシン)の可逆的なニトロシル化により達成されることが理論化され得る。
目的のある特定のモノクローナル抗体が、酸化還元状態を変えることによりで改変し得る結合特異質を有するものであるのかどうか、およびモノクローナル抗体の結合特異性を改変する条件の有効性は、モノクローナル抗体の酸化還元状態を変化させ、例えば該モノクローナル抗体を酸化剤または電流にさらし、その後モノクローナル抗体の結合特異性が改変したかどうかを判断するためにELISAまたは他のリガンド−受容体アッセイを使用することで容易に判断される。言い換えれば、モノクローナル抗体のアッセイは、過程によりモノクローナル抗体の結合特異性が改変されたかどうかを確かめるために、モノクローナル抗体が酸化還元状態の変化にさらされた前と後とに実行することができる。例えば、特定のモノクローナル抗体を改変させるための最善な酸化剤または方法は、単純な実験により容易に決定することができる。実験データは、種々の酸化剤が種々の自己抗体特異性を非マスク化できることを示している。
本発明のさらなる側面は、酸化剤または電流にさらすことで改変されたモノクローナル抗体である。より詳細には以下の実施例で説明するが、以下に示すモノクローナル抗体の結合特異性が、カルジオリピン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルセリンの少なくとも1つに関してその結合プロファイルを変えるように改変できたことがこれまでにわかった。当該モノクローナル抗体とは、抗グリコホリンAモノクローナル抗体、抗CXCR4モノクローナル抗体、CD63モノクローナル抗体、B2GP−Iモノクローナル抗体、抗血小板IIb−IIIaモノクローナル抗体、ガンマ1マウスアイソタイプ対照モノクローナル抗体である。因子IXに対するモノクローナル抗体と同じように、因子VIIに対するモノクローナル抗体やCD44に対するモノクローナル抗体の結合特性の改変はELISA試験に使用される希釈緩衝液に依存していた。
本発明を説明した上で、以下の実施例は、現在知られている本発明を実行するためのベストモードを含む、本発明の詳細な適用を説明するために提供される。これら特定の実施例は本出願に記載されている発明の範囲を制限するものではない。
本明細書に記載することに関し特に断りのない限り、以下の手順が一般的に使用された。250μlのモノクローナル抗体が市販されているバイアルまたはボトルから直接使用された。該モノクローナル抗体はパラフィルムシート上に発泡液として置かれた。黒鉛電極を6〜9ボルトバッテリの正極および負極、もしくは8ボルトの電源(BKプレシジョン(BK Precision)社製)セットに接続され、モノクローナル抗体を含む発泡溶液中に10秒間沈められた。(ここで代わりになる処理として、モノクローナル抗体をヘミンと混合し、その混合物を振動または振とうしながら36℃で12〜24時間インキュベートする処理が使用される。)電流またはヘミンによる処理に続き、モノクローナル抗体の試料を、抗リン脂質抗体の存在を確かめるためにaPL単独の試験結果を提供する総合自家(comprehensive in-house)ELISA aPLフォーマットを使用して試験した。試験手順のさらなる詳細については以下の文献において説明されており、参考として本明細書中に組み込まれる。Wagenknecht, DR, et al., The Evolution, Evaluation and Interpretation of Antiphospholipid Antibody Assays, Clinical Immunology Newsletter, Vol. 15, No.2/3(1995)pp.28-38 および Mclntyre, JA, et al., Frequency and Specificities of Antiphospholipid Antibodies(aPL)in Volunteer Blood Donors, Immunobiology 207(1):59-63, 2003。
1)aPS=抗ホスファチジルセリン、2)aCL=カルジオリピン、3)aPE=ホスファチジルエタノールアミンおよび4)aPC=ホスファチジルコリンの4つのaPL特異性が評価された。各モノクローナル抗体試料は、酸化の前と後とに1/10に希釈され、リン脂質結合血漿タンパクを含む10%の成体ウシ血漿(ABP)か、またはリン脂質結合血漿タンパクを含まない1%のウシ血清アルブミン(BSA)のどちらかを補足したTRIS希釈緩衝液の存在(依存)および非存在(独立)においてそれぞれ評価した。
図7、10および12を除いて、本出願において示された図に使用されるモノクローナル抗体はヒトタンパク質に対するものであり、病院検査室用に商業上製造販売されているものであった。これらマウスモノクローナル抗体は、サブクラスIgG1、IgG2a、IgG2bを表した。それゆえ、IgGサブクラスは全て酸化還元(redox)による改変が可能である。公開されたポリクローナル抗体のデータと同様に、酸化還元反応に続くモノクローナル抗体反応性の非マスク化およびマスク化を検出した。引用されたすべてのELISAデータは三重でなされた。本発明者らは、酸化還元反応に起因する結合の改変を試験するために自家aPL ELISAを使用した。なぜなら本発明者らはこのアッセイを何年も経験しており、本発明者らの実験室では年に何千もの試験が行われているからである。アッセイ手順の記述は上記の文献に見られるだろう。全てのモノクローナル抗体懸濁液は、特に記されていない限りELISAで試験を行う前に1/10に希釈された。
本明細書中に記載された様々な実験により得られたaPL特異性の結果は添付の図面に提供される。陽性/陰性の結果は光学濃度(OD)の観点で表される。本明細書中で結果を説明する場合、「非マスク化」という用語は一般的に、例えばリン脂質抗原への結合の強まりが観測される場合など、モノクローナル抗体の結合特異性の改変が観察される状態を意味する。
実施例1
ヒトグリコホリンAに対するマウスモノクローナルIgG2b抗体を含む製造者の気泡溶液250μlはパラフィルム台に置かれた。溶液を2つの電極(陽極と陰極)を10秒間8ボルトの電源セットに取り付けることで発生する8ボルトのEMFに10秒間さらした。各モノクローナル抗体溶液は以下の結合特異性、すなわち抗ホスファチジルセリン(aPS)、抗カルジオリピン(aCL)、抗ホスファチジルエタノールアミン(aPE)および抗ホスファチジルコリン(aPC)について酸化前後にアッセイされた。対照溶液と酸化還元処理がなされた溶液は、その後それぞれ別々のTRIS希釈緩衝液、1つは10%の成体ウシ血漿(ABP)を補足したもの、もう1つは1%のウシ血清アルブミン(BSA)を補足したものに1/10に希釈されたaPS、aCL、aPEおよびaPC結合特異性についてアッセイされた。EMF処理前(「対照」)およびEMF処理後(「酸化還元」)の抗グリコホリンAモノクローナル抗体のABP含有希釈液およびBSA含有希釈液での結合プロファイルは図1に示されている。図1では、未処理、すなわち対照では、グリコホリンAは抗リン脂質抗体(aPL)活性はもたないが、起電力(EMF)を使用して酸化還元処理をした後、有意なaPL反応性が検出された。aPL検出のためのELISAは、10%の成体ウシ血漿(ABP)を含む希釈液か、1%のウシ血清アルブミン(BSA)を含む希釈液のいずれかの2つのTRIS緩衝液希釈液中で行われた。ABPは、特定のaPLは検出可能となるためにリン脂質結合タンパク質を要求するので、血漿タンパク質で緩衝液を補い、一方リン脂質結合タンパク質と独立したaPLは追加の血漿タンパクなしで結合するであろう。この実施例において、PSへの結合はどちらの緩衝液においても不確かである。PEへの結合はBSA緩衝液中で観測され、このことはaPEが、ABPが存在する場合PEと結合しないことを示唆している。なぜならaPEよりもPEとの結合に高い親和性を有する血漿タンパクにより妨げられているからである。
実施例2
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりにマウス抗CXCR4モノクローナル抗体というCD4陽性細胞のHIV感染の共受容体がモノクローナル抗体として使用されていること以外は実施例1を繰り返した。当該処理および試験の形式は図1と同様である。EMF処理前(「対照」)およびEMF処理後(「酸化還元」)抗CXCR4モノクローナル抗体のABP含有希釈液およびBSA含有希釈液での結合プロファイルは図2に示されている。図2に示されているように、ABP含有希釈緩衝液中ではほとんど活性が見られない。有意なaPC反応性が、BSAを含む緩衝液に希釈された対照試料に見られ、酸化還元処理された試料で増加する。さらに、有意なaPE、aCLおよびaPS反応性は、モノクローナルの酸化、およびBSAを含む緩衝液中への希釈後に現れる。
実施例3
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりにCD63モノクローナル抗体がモノクローナル抗体として使用されたこと以外は実施例1を繰り返した。CD63に対するIgG1モノクローナル抗体のELISA試験形式は、図1および2で記載されているものと同一である。EMF処理前(「対照」)およびEMF処理後(「酸化還元」)のCD63モノクローナル抗体のABP含有希釈液およびBSA含有希釈液の結合プロファイルは図3に示されている。図3で示されているように、当該モノクローナルのEMFによる酸化は単一の改変、すなわち、BSA緩衝液サンプル中におけるaPCの出現を示した。
実施例4
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりに血漿タンパクへのモノクローナル抗体、ベータ2糖タンパク質I(β2GP−I)がモノクローナル抗体として使用されていること以外は実施例1を繰り返した。EMF処理前(「対照」)およびEMF処理後(「酸化還元」)のβ2GP−Iモノクローナル抗体のABP含有希釈液およびBSA含有希釈液での結合プロファイルは図4に示されている。図4の興味深い特徴は、ABPを含む緩衝液である。β2GP−IはBSA希釈緩衝液中には存在しないが、ABP希釈緩衝液中には存在する。β2GP−Iはカルジオリピンと結合し、対照試料で示されるようにモノクローナルによって認識される。しかしながら、EMFによる酸化還元の後、モノクローナルは自身のβ2GP−I抗原を認識できなくなる。それゆえ酸化がモノクローナルのβ2GP−Iに対する結合部位を改変させている。しかしながら、モノクローナルの酸化後、ABP含有希釈緩衝液中のaPE抗体としての反応性およびBSA含有希釈緩衝液中のaPC反応性が存在する。ゆえに、該モノクローナルのaPL反応ではマスク化と非マスク化が同時に存在している。
実施例5
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりに抗因子VIIモノクローナル抗体がモノクローナル抗体として使用されていること以外は実施例1を繰り返した。ABPおよびBSAを含む希釈液の結合プロファイル、また抗因子VIIモノクローナル抗体のEMF処理前(「対照」)およびEMF処理後(「酸化還元」)の結合プロファイルは図5に示されている。図5に示されているように、酸化還元改変はaPL結合に対して観察されなかった。
実施例6
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりに因子IXモノクローナル抗体がモノクローナル抗体として使用されていること以外は、実施例1を繰り返した。EMF処理前(「対照」)およびEMF処理後(「酸化還元」)因子IXモノクローナル抗体のABP含有希釈液およびBSA含有希釈液の結合プロファイルは図6に示されている。図6で示されているように、ABP希釈緩衝液中に存在する因子IXは、対照および酸化還元試料において抗体により同じように認識可能であるという事実により、因子IXに対するIgGモノクローナル抗体は酸化還元処理では改変しない(マスク化)。BSA希釈液中には利用可能な因子IXが存在しないため、対照は陰性だが、aPEとaPCとの両方がEMF酸化還元処理により非マスク化される。
実施例7
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりにマウス対照モノクローナル抗体がモノクローナル抗体として使用されていること以外は実施例1を繰り返した。加えて、代わりとなる酸化処理は上述した条件下でヘミンを用いることにより行われた。より詳細には、ヘミン2.5μl(15.15mg/ml)をモノクローナル抗体溶液0.5mlに添加し、振動台上で36℃で一晩インキュベートした。ヘミンまたはEMF処理前(「対照」)および「EMF」または「ヘミン」処理後のガンマ1マウス対照モノクローナル抗体のABP含有希釈液およびBSA含有希釈液の結合プロファイルは図7に示されている。図7は、モノクローナル結合活性の改変は酸化剤によって影響されることを示している。当該実施例において、ヘミンはaPS、aCLおよびaPE反応性を非マスク化するが、EMF処理ではしなかった。ヘミンおよびEMFはどちらもaPCを非マスク化でき、これはモノクローナルがBSAを含む緩衝液に希釈される際に一番顕著となる。当該グラフ中のモノクローナル抗体はlgGアイソタイプ対照抗体として商業的に販売されており、記録されたその抗原はヒトのレパートリーには見られないタンパク質であるヘモシアニンであった。EMF処理は図1記載のものと同一であった。
実施例8
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりにCD44モノクローナル抗体がモノクローナル抗体として使用されていること以外は実施例1を繰り返した。処理前(「対照」)および「ヘミン」または「EMF」処理後の抗CD44のモノクローナル抗体のABP含有希釈液およびBSA含有希釈液の結合プロファイルは図8に示されている。図8は商業的に生産された抗原CD44に対するIgG1モノクローナル抗体は、図5記載のようにヘミンおよび/またはEMFで処理した際に結合の改変に対して反応しにくいことを示している。
実施例9
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりに抗血小板IIb−IIIaマウスモノクローナル抗体がモノクローナル抗体として使用されていること以外は実施例1を繰り返した。「EMF」処理前(「対照」)および「EMF」処理後(「酸化還元」)のCD63マウスモノクローナル抗体のABPを含む希釈液およびBSAを含む希釈液に関する結合プロファイルは図9に示されている。図9は血小板抗原IIb−IIIaに対して商業的に製造されたIgG1モノクローナルがEMF処理後に非マスク化され、ABP含有希釈液の存在下でaPSおよびaCLとして現れたが、BSA含有希釈液では現れなかったということを示している。この結果に対する適切な説明は、PSおよびCLと結合でき、モノクローナルの酸化でその結合特性が改変されたABP中の血漿抗原の存在である。
実施例10
抗グリコホリンAモノクローナル抗体の代わりにマウス腫瘍細胞株SP2/0に対する注文生産されたモノクローナル抗体がモノクローナル抗体として使用されること以外は実施例1を繰り返した。このモノクローナル抗体(Mab)は培地中に産生され、該培地では全ての構成成分がわかっており、培地の試料は可能性のあるELISA対照が全て行われることを確実にするため、モノクローナル増殖の前後に得た。EMF処理前(「Cntl」)およびEMF処理後(「EMF」)のSP2/0モノクローナル抗体のABP希釈液(図10A)およびBSA希釈液(図10B)に対する結合プロファイルが示される。詳細には、図10(A)はマウス腫瘍細胞株SP2/0に対して製造されたモノクローナル抗体(Mab)のEMF処理の効果を示すグラフである。全ての培地成分はわかっていたため、上図に示されるEMF処理による酸化は当該モノクローナルのaPL反応性を非マスク化する。この図において、左側のEMF+MabはABPを含む希釈緩衝液中に1/10で希釈されたAタンパク質精製モノクローナル(1.46mg/ml)の酸化を表し、ELISAは基質で10分間のみ展開した。残りのELISAの棒グラフは70分間の基質の展開を表している。予期されるように、濃縮せずに酸化されたモノクローナルを含む培地は、陽性結果を出現させるためにはかなり多くの展開時間を必要とする。図10(B)は図10Aで述べられている試料および条件と同一のものを表すが、このグラフにおける希釈緩衝液はBSAを含有している。ABP希釈液と比較した場合にBSA希釈緩衝液中で見られる一番印象的な結果は、aPCのシグナルの増加である。これはABP含有緩衝液におけるaPCと血漿タンパク質間の結合競合、またはaPCの非マスク化を防ぐために非常に効果的なABP含有緩衝液中の酸化防止剤を表わす可能性がある。
実施例11
モノクローナルが自身の赤血球(RBC)標的膜抗原を認識することに対するEMF酸化の影響を調べるため、実施例1で使用された抗グリコホリンAモノクローナル抗体と同一のものを使用した。この実験計画でも250μlのモノクローナル抗体溶液の発泡液をパラフィルム上で使用するが、RBC結合についてフローサイトメトリーにより試験するため、3μlの試料を最初の1分間に5秒間隔で回収した。60秒後、付加的なEMF処理が途切れることなくさらに60秒なされた(EMF時間の合計は2分)。この実験の結果は図11に提供される。詳細には、図11は赤血球(RBC)結合のフローサイトメトリー分析を使用することにより、図1で示された抗グリコホリンAモノクローナル抗体(抗Gly A)製剤と同一のものに対するEMF酸化の時間増加の効果を説明している。EMF処理の最初の1分間、RBC結合アッセイのためにモノクローナル抗体のアリコートが5秒ごとに試料として採取した。EMFを行う前401だった平均チャネルシフト(MCS)は60秒で223まで低下したことが観測された。10秒間で401から386へのMCSが観測され、これは図1記載のaPLを非マスク化するためと見られた。MCSの15の差は、フローサイトメトリーの実施者には重大だとは見なされない。60秒後アリコートが回収され、付加的なEMF酸化が残っているモノクローナル抗体に60秒間適用された。拡大されたEMF酸化時間は合計120秒で、折れ線グラフが示すように、RBCへの結合の低下傾向が逆転し、MCSはEMF酸化にさらして初めの20秒が経過した後のMCSと同値の359になった。
実施例12
図12Aおよび12Bに示されるモノクローナル抗体の結合特性を改変する可逆性は時間と気温に依存する。−80℃で保管された場合、酸化したモノクローナル抗体はそのaPL反応性を保持する。37℃でモノクローナル抗体を保管した場合、aPL結合特異性は急速に失われ、元の酸化されていないaPLの状態へと戻る。しかしながら、もう1つのEMF酸化処理は、37℃で保管されたモノクローナルをもう一度非マスク化する。詳細には、図12に示されているように、酸化されたマウス腫瘍SP2/0に対するモノクローナル抗体を37℃で4日間保管すると、−80度の時には観測されなかったaPL非マスク化活性の喪失が見られる。37℃の試料がもう1つのEMF処理にさらされた場合、aPL反応性はもう一度非マスク化される。残念ながら、この実験においては、ODを読み取る前にaPE培養皿が落下してしまったので左のパネルのヒストグラムはaPEの箇所が空白である。しかしながら、この実験はポリクローナルIgGおよびEMFで何度か行われており、37℃で保管した場合aPEの損失が見られること、2度目のEMF処理の後aPEが回復することが示されている。
当然、本発明の多くの修飾や変更は前述した教示に照らして可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は特別に記載されている以外実施できるということが理解されるべきである。

Claims (12)

  1. モノクローナル抗体の結合特異性を改変する方法であって、モノクローナル抗体を酸化剤または電位にさらすことを含む方法。
  2. 特定の第1抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体を含有する溶液を提供すること、および
    該モノクローナル抗体の結合特異性を改変するのに充分な酸化剤または電位に組成物をさらすこと
    を含む方法。
  3. 前記組成物が酸化剤または電位にさらされた後、前記モノクローナル抗体が第1抗原以外の抗原に対して結合親和性を有するかどうかを決定するために該モノクローナル抗体をスクリーニングすることをさらに含む請求項2記載の方法。
  4. 酸化剤がヘミンである請求項2記載の方法。
  5. 前記組成物を電位にさらすことが、バッテリの正極および負極または電源に接続された電極をモノクローナル抗体を含む溶液にあらかじめ定められた時間沈めることにより実施される請求項2記載の方法。
  6. モノクローナル抗体を含む溶液が、その商業的製造業者の緩衝液、TRIS緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水または培地を含有する請求項2記載の方法。
  7. モノクローナル抗体が、
    マウスモノクローナル因子VII抗体;
    マウスモノクローナルβ2GP−I抗体;
    マウス抗血小板IIb−IIIaモノクローナル抗体;
    CD63マウスモノクローナル抗体;
    マウスモノクローナル因子IX抗体;
    マウスモノクローナルグリコホリンA抗体;
    マウスモノクローナル抗CXCR4抗体;
    ガンマ1マウス対照モノクローナル抗体;
    CD44マウスモノクローナル抗体;および
    マウス腫瘍細胞株SP2/0に対して注文生産されたマウスモノクローナル抗体
    からなる群より選択される請求項2記載の方法。
  8. さらに、改変された結合特異性を有するモノクローナル抗体を溶液から回収することを含む請求項2記載の方法。
  9. 前記モノクローナル抗体が治療剤または治療剤候補であり、前記スクリーニングが、該モノクローナル抗体が酸化条件化で自己抗体活性を有するかどうかを評価するために行われる請求項3記載の方法。
  10. モノクローナル抗体を酸化剤または電位にさらすことにより改変された結合特異性を有するモノクローナル抗体。
  11. モノクローナル抗体の結合特異性が、バッテリの正極および負極または電源に接続された電極をモノクローナル抗体を含む溶液に沈めることにより改変される請求項10記載のモノクローナル抗体。
  12. モノクローナル抗体の結合特異性が、モノクローナル抗体を含む溶液をヘミンと共にインキュベートすることにより改変される請求項10記載のモノクローナル抗体。
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