JP2010539142A - 水性二相系中での組換えタンパク質の分離方法 - Google Patents

水性二相系中での組換えタンパク質の分離方法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、コリンアフィニティーを有するポリペプチドの使用に基づいて水溶液中で組換えタンパク質を分配、分離、及び精製する方法である。本発明は、所定の成分を含む2つの水溶液を混合し、最終的に密度の異なる二相に分割することができるという現象に基づく。コリンアフィニティーを有する上記ポリペプチドに融合したタンパク質は、相のうち一方に優先的に局在し、一方、細胞抽出物由来のタンパク質の大部分は逆相に移動する傾向がある。残った不要な材料を排除するための一連の洗浄操作の後、目的のタンパク質に結合したポリペプチドに対するアフィニティーを有する可溶性分子を添加することで、タンパク質の局在を逆転させることができる。本発明は、1又は別の相中における目的のタンパク質又はポリペプチドの存在を簡便に変更する方法を含み、それにより、高い収率及び純度グレードでのその精製を可能にする。本発明は、好ましくはコリン結合ドメインで標識された、組換えタンパク質を分離するための、経済的で、スケールの変更が可能な方法である。

Description

本発明は、水溶性ポリマーに対するさらなるアフィニティーを示し、一方が前記ポリマーを含む二相水性系中におけるポリペプチド又は融合タンパク質の非対称な分布を決定する、コリン結合性のポリペプチド配列を有するポリペプチド又は融合タンパク質の分離方法に関する。本方法を用いると、目的のポリペプチド又はタンパク質の精製に用いることができる簡便なプロセスで、細胞抽出物中に存在する複雑なタンパク質混合物から融合タンパク質を迅速に分離することができる。精製プロセスは、1又は複数の洗浄工程を含み、アフィニティーポリペプチドの天然リガンドを系に添加することで誘導される融合タンパク質分布の逆転により完了する。したがって、本発明を適用することができる分野は、工業的目的、農学的目的、治療的目的、又は生体臨床医学における診断目的や、生命科学分野における研究及び分析ツールとしてのみならず、生命工学的に関心のあるポリペプチド及びタンパク質の生成、分離、及び最終的な精製を含む。
固体支持体中での酵素の固定化は、あらゆるタイプの生体内変換を行うための酵素リアクターの構築するように、クロマトグラフィー技術による精製を進めるための、通常の手法である(非特許文献1)。
そのために、多種多様な共有結合性及び非共有結合性の固定化システムが開発されてきた。確認された事例では、固体支持体との強力且つ特異的な相互作用を可能にするアフィニティーポリペプチド又は「タグ」と目的のタンパク質との融合物を利用することが有用である(非特許文献2及び3)。しかし、固体マトリックス中に酵素を固定化すると、しばしばタンパク質の特徴が構造レベル及び機能レベルで変化することが非常に多い。したがって、例えば支持体の物理化学的特性が、酵素相への基質の拡散又は移動相への生成物の拡散に影響を与え得る。これは酵素の速度定数を変化させ、多くの場合、プロセス効率を低下させ、いずれの場合にも、費用のかかる調整実験が必要となる。
一方、その工業的使用へとクロマトグラフィー法を拡張させるには、材料の圧縮性及びカラムに高圧をかける必要性から基本的に生じる一連の技術的困難が伴う。このため、近年、固体材料の使用に代わる溶液中での新規な方法が開発されている。この点で、水性二相系は、構造的に異なる2種類のポリマーの溶液の混合物又はポリマー(通常ポリエチレングリコール、すなわちPEG)と高濃度の塩の混合物により自然に形成される(非特許文献4〜6)。すぐ後に、どちらも水性である二相系が出現し、これらは平衡にあることが分かる。ポリマー−塩系では、一方の相がポリマーを多く含み、他方の相が塩を多く含むのに対し、2種類のポリマー混合物では、各相が2種類のポリマーの一方を多く含む。これらの混合物の化学物理的特性は広範に研究されており(非特許文献7)、相分離を引き起こす化合物の各々の濃度範囲を示すバイノーダルダイアグラムが作製されている。「タイライン(tie line)」と命名された線は、ひとたび分離した後の各相中の各ポリマーの最終濃度、および各相の相対体積を示す(非特許文献4)。水性二相系は生物学的材料の分離に非常に有用である(非特許文献8及び9)。これらは、生体適合性が高く、表面張力が低く(生体分子の分解を最小限にする)、充填及び産生の容量が大きいといった複数の利点を有し、これらは容易にスケールを変更することができる(非特許文献10及び11)。酵素触媒プロセスでは、酵素相と残部の間で物質(基質及び生成物)が移動し、これは酵素が固体表面上に吸着されている場合よりもはるかに促進される。
更に、これらは経済的な系であり、目的の分子の分配を向上させるための多くの要因を管理することができる。二相間のタンパク質の分配は、問題になっているタンパク質の電荷、サイズ、疎水性等の要因に依存し、一般的に予測の困難な問題である。実際、これらの系の市場への大々的な導入はタンパク質の分配の予測性が低いことで制限されている。しかし、目的のタンパク質と融合させたアフィニティーポリペプチド又は「タグ」を使用することで、1つの相又は別の相中へのそれらの位置をよりよく制御して誘導することができ、水性二相系中でのアフィニティーによる分配が実証されている。
公知のヘキサヒスチジン「タグ」を用いた有望な結果が示されている(非特許文献12及び13)。この系では、あらかじめ金属イオンを用いた共有結合により誘導された、ヒスチジン末端に融合されたタンパク質は主にPEG含有量の多い相へ向かう。同様に、アフィニティーによるそのような分配法におけるチロシン配列(非特許文献14)又はトリプトファン配列(非特許文献15)も研究されてきた。
コリン結合モジュール(CBM、「Choline−binding modules」)は、種々の微生物中に存在するコリン結合タンパク質(CBP)と名付けられたものの一部を形成するポリペプチドファミリーを構成する(非特許文献16)。CBMはCBMで、ループ−フォールドβ型の構造を形成する高度に保存された約20アミノ酸の反復配列からなる(CBRつまり「コリン結合リピート」;Pfamコード PF01473:非特許文献17)、(非特許文献18〜20)。2つの連続するCBRがコリン結合部位を形成する。CBMのコリン及びその構造的アナログへのアフィニティーにより(非特許文献21)、これらのCBMのうちいくつかを用いた効率的な融合タンパク質精製系の設計が可能になった(非特許文献22)。
基本的に、この方法は、融合タンパク質を含む細胞抽出物を、ジエチルアミノエタノール(DEAE)のような第三級又は第四級のアミンで誘導体化した支持体に適用することからなる。このようにして固定化されたタンパク質は、その機能性を維持しており、コリンのような競合リガンドを添加することで容易に溶出することができる。したがって、ここで記載した方法は、LYTAGと命名されたアミダーゼLytAのC末端ドメインを用いた以前の2つの特許(特許文献1及び2)の基礎となるものである。
この方法の利点のうち、特筆すべきは、系の特異性が高く、既に市販されている非常に多様な支持体(樹脂、紙、マルチウェルプレート等)を使用することができ、不適合性をほとんど示さず、また経済的な構成要素(支持体、コリン等)の使用、非毒性、及び関連する環境的不利益がない等の、工業レベルでバイオリアクター中において使用するための効率向上の点から考えて必要な特質を全て有することである。
スペイン特許第2 032 717号明細書 スペイン特許出願公開第200700281号明細書
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本発明の目的は、水性二相系においてLYTAGドメインとの融合タンパク質を分配するためのプロトコールを含み、分配はコリンの添加を介して自在に調節することができる。これにより融合タンパク質の精製の可能性が開け、用途が拡大し、この点で、現行の形態でのLYTAGモジュールを、固相でのアフィニティークロマトグラフィー法におけるアフィニティー「タグ」として提供する。更に、この方法は、LYTAGと同じ構造ファミリーの任意のコリン結合モジュールに拡張することができる。
本発明の目的は、コリン結合性のポリペプチドモジュールと融合したタンパク質の溶液中での分配及び精製方法であって、この方法は、主要な化合物が自然に二相に分配される水性二成分系の使用に基づき、一方の相にはコリン結合ドメイン(CBD)に対するアフィニティーを有する可溶性ポリマーが多く含まれ、他方の相には異なるポリマー又は塩が多く含まれる。
本方法は、図1に示すスキームに従い、基本的に、目的のタンパク質と少なくともコリン結合ドメインとの融合物を過剰発現した細胞培養から得た水性抽出物を、2つに分かれた相中に混合物を分離するのに好ましい適切な濃度及び割合の二成分系の要素と共にインキュベートすることからなる。CBDは溶解ポリマーを含む相にアフィニティーを示すため、相の分離後、融合タンパク質はこのポリマーを多く含む相に優先的に存在し、逆の相およびそれと共に該逆の相に優先的に分配された抽出物からのタンパク質及びその他の不純物を除去することができる。その後、この系に、除去した相と同じ組成の溶液をある体積分添加し、CBDにアフィニティーを有するポリマーを多く含む相と撹拌して混合し、新たに2つの相に分離させる。この洗浄手順を、除去した相中の混入タンパク質が最低限の量になるまで必要な回数繰り返す。この時点で、最後に、除去した相に対応する溶液を、今度は特定ポリマーへのコリン結合ドメインの結合を逆転させる効果を有する最終濃度のコリンを含有する溶液で代え、タンパク質への結合についてポリマーと競合させ、このタンパク質の多い相から逆の相へと特異的な方法で移動させ、その結果、最後の混合及び相分離後、塩又は別のポリマーを含む相に、CBDとの融合タンパク質が高純度グレードで含有される。
本発明の方法は、好ましくは、PEG(3〜15%)及びリン酸カリウム(5〜15%)、例えばそれぞれ15%及び12.5%、の使用を含む。別の好ましい形態では、リン酸カリウムの代わりに他のリン酸塩、硫酸塩、又はクエン酸塩を用いてもよく、これらも、水への溶解性が高く、二相の分離が可能である。成功することが示されているPEGの分子量範囲としては、PEG−6000〜PEG−20000が含まれ、PEG−8000を用いる形態が好ましい形態である(以後、単にPEGという)。
別の好ましい形態は、PEG(3〜15%)溶液及びデキストラン(5〜10%、例えば6%)溶液を使用することで適合された二相を含み、20mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)中で相分離することができる。別の好ましい形態では、デキストランを、デキストランの置換誘導体、又はでんぷん及びその誘導体等の同様な構造の多糖で置き換えることができる。
選択した系に応じて、微生物培養物由来の細胞を遠心して回収し、精製をPEG/リン酸塩系中で実施する場合は好ましくは20mMのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に、PEG/デキストラン系中の場合は好ましくは20mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)に再懸濁する。超音波処理で細胞を溶解した後、細胞残渣を除去するために得られた粗抽出物を遠心し、得られた上清に、各系について記載されている濃度及び割合に達するまで、必要な量のPEG及びリン酸二カリウム又はPEG及びデキストランを添加する。このようにして得られた溶液を穏やかに短時間振盪し、その後二相に分かれる。この分離は混合物を遠心することで促進することができる。
次の工程を実施する前に、例えばポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動分析(SDS−PAGE)、又はコリン結合ドメインを認識する抗体を用いる免疫学的方法により、記載したどちらの系においてもPEGを多く含む相に対応する上相にCBDとの融合タンパク質が存在することを確認することができる。次に、用いる系に応じてリン酸塩又はデキストランを多く含む下相をピペット又はデカンテーション用の漏斗を用いて除去する。その後、相の分離及びその相対体積の維持のために、この混合物に、除去した相と同じ体積分を添加し、その濃度は、問題の系のバイノーダルダイアグラム(Johansson, H.W.a.G., ed. Aqueous Two−Phase Systems. Methods in Enzymology. Vol. 228. 1994)及び使用される試薬の初期濃度に応じた濃度である。
この洗浄プロセスを何回か繰り返した後、目的のタンパク質を多く含む上相の使用を選択することもでき、又はコリンを含有すること以外は同じ組成の溶液で下相を置換する最後の工程を含めてもよい。溶液を混合して、系の2つの特徴的な相が新たに形成された後、CBDとの融合タンパク質は下相に優先的に高純度グレードで存在する。記載した本発明は、組換え発現により産生されたタンパク質を精製するためのクロマトグラフィー用固体支持体の使用の代替法となる。
アフィニティーで分配することによる、LYTAGに融合されたタンパク質の精製。 20℃におけるLYTAG構造へのpHの影響についての遠紫外線中でのCD分析。(A)pH7.0(黒塗りの印)及びpH5(白抜きの印)で記録した波長スペクトル。添加物なし(丸)、10%PEG存在下(三角)、又は140mMコリン存在下。(B)pH滴定後の223nmにおけるCDシグナル。添加物なし(黒丸)、140mMコリン存在下(四角)、及び10%PEG存在下(白丸)。 円偏光二色性で追跡したLYTAGの熱安定性。添加物なし(○)、10%PEG存在下(●)、及び150mMコリン存在下(x)。 二水性相中での精製系及びアフィニティークロマトグラフィーによる精製系の比較ダイアグラム。 それぞれWashD+コリン緩衝液及びWashP+コリン緩衝液で溶出する前(A)及び後(B)の、PEG/デキストラン二相系(左のチューブ)及びPEG/リン酸塩二相系(右のチューブ)中でのタンパク質GFP−LYTAGの分配。C)PEG/リン酸塩中での精製で生じた画分のSDS−PAGEを示す図である。レーン1、REG−1[pALEX2−Ca−GFP]の粗抽出物;レーン2、分子量マーカー;レーン3、アフィニティークロマトグラフィーで得た純粋なタンパク質コントロール;レーン4、PEGを多く含む溶出前の上相;レーン5、リン酸塩を多く含む溶出前の下相;レーン6、溶出後の上相;レーン7、溶出後の下相。 PEG/デキストラン中でのLYTAG−プロテインAの精製で生じた画分のSDS−PAGEを示す図である。(A)レーン1、分子量マーカー;レーン2、REG−1[pX]の粗抽出物;レーン3、PEGを多く含む洗浄前の上相;レーン4、デキストランを多く含む洗浄前の下相;レーン5、第1の洗浄後の上相;レーン6、第1の洗浄後の下相;レーン7、第2の洗浄後の上相:レーン8、第2の洗浄後の下相。(B)レーン1、分子量マーカー;レーン2、第1の溶出後の上相;レーン3、第1の溶出後の下相;レーン4、第2の溶出後の上相;レーン5、第2の溶出後の下相。(C)PEG/リン酸塩中での精製で生じた画分のSDS−PAGEを示す図である。レーン1、分子量マーカー;レーン2、REG−1[pX]の粗抽出物;レーン3、PEGを多く含む溶出前の上相;レーン4、リン酸塩を多く含む溶出前の下相;レーン5、溶出後の上相;レーン6、溶出後の下相。 PEG/デキストラン中でのLYTAG−Lip36の精製で生じた画分のSDS−PAGEを示す図である。(A)レーン1、分子量マーカー;レーン2、REG−1[pALEXb−Lip36]の粗抽出物;レーン3、PEGを多く含む洗浄前の上相;レーン4、デキストランを多く含む洗浄前の下相;レーン5、第1の洗浄後の上相;レーン6、第一の洗浄後の下相;レーン7、第2の洗浄後の上相;レーン8、第2の洗浄後の下相。(B)レーン1、分子量マーカー;レーン2、第1の溶出後の上相;レーン3、第1の溶出後の下相;レーン4、第2の溶出後の上相;レーン5、第2の溶出後の下相。 PEG/デキストラン中でのLYTAG−β−ガラクトシダーゼの精製で生じた画分のSDS−PAGEを示す図である。レーン1、分子量マーカー;レーン2、REG−1[pALEX2c−LacZ]の粗抽出物;レーン3、PEGを多く含む洗浄前の上相;レーン4、デキストランを多く含む洗浄前の下相;レーン5、第1の溶出後の上相;レーン6、第1の溶出後の下相。
本発明の方法の開発の出発点は、水性二相系で一般的に使用されるポリマーポリエチレングリコール(PEG)が、アセチルコリンエステラーゼ等のコリン結合タンパク質と相互作用し、コリンの認識部位に特異的にインターカレートされ、それによって高濃度では酵素の阻害剤として作用することが観察されたことである(Koellner, G., et al., A neutral molecule in a cation−binding site: specific binding of a PEG−SH to acetylcholinesterase from Torpedo californica. J Mol Biol, 2002. 320(4): p.721−5)。S.ニューモニエ(S. pneumoniae)由来のタンパク質LytAのカルボキシル末端(C−LytA)、バクテリオファージCp−1由来のリゾチーム(lisozyme)CPL1等のコリン結合ドメイン、又は、一般的に、種々の微生物に由来するCBMファミリーの任意のコリン結合ドメイン(スペイン特許第2032717号;Swiatlo, E. and e.al, Choline−binding proteins., in The Pneumococcus, E.I. Tuomanen, T.J. Mitchell, and D.A. Morrison, Editors, 2004, American Society for Microbiology: Washington DC. p. 49−60)は、コリンへの天然のアフィニティーを有する構造的及び機能的反復を有する配列を含む。
本発明は、この結合ドメインと相互作用する能力についてのPEGとコリンの間の類似性を考慮したものである。このPEGとコリンの等価性の検証は、最初に、このポリマーの存在下でLYTAGドメイン(C−LytAに由来)の円偏光二色性(circular dichronisum)分析により行うことができる。コリン非存在下及びpH7の水溶液中ではタンパク質LYTAGは一部変性することが分かる(Maestro, B. and J.M. Sanz, Accumulation of partly folded states in the equilibrium unfolding of the pneumococcal choline−binding module C−LytA. Biochem J, 2005. 387(Pt 2): p. 479−88)。その結果、タンパク質LYTAGの円偏光二色性スペクトルは再現性が悪く、サンプルの保存期間及びサンプルが受けた凍結・解凍サイクルの数に依存する。
しかし、コリンを添加するとタンパク質が安定化し、その楕円度が増す(図2A)。コリンに結合するLYTAG構造(Fernandez−Tornero, C., et al., A novel solenoid fold in the cell wall anchoring domain of the pneumococcal virulence factor LytA. Nat Struct Biol, 2001. 8(12): p. 1020−4)によれば、このアミノアルコールは、コリン結合部位に存在する疎水性領域の保護及び最後のフォークを介した二量体化の誘導に必須であり、これによりタンパク質が非常に安定化すると考えられる(Fernandez−Tornero, C., et al., A novel solenoid fold in the cell wall anchoring domain of the pneumococcal virulence factor LytA. Nat Struct Biol, 2001. 8(12): p. 1020−4; Usobiaga, P., et al., Structural organization of the major autolysin from Streptococcus pneumoniae. J Biol Chem, 1996. 271(12): p. 6832−8)。
PEGを10%で添加すると、高濃度のコリンと同様な円偏光二色性(circular dicroism)スペクトルの安定化効果が生まれる(図2A)。このことは、このリガンドの結合部位との同様な相互作用を示している。一般的に、タンパク質の溶解性はその等電点に対応するpH付近で最小となる。これは、正味の電荷が存在しないと疎水性相互作用を介した分子間凝集が起こりやすいからである。この意味で、タンパク質へのリガンドの結合は、タンパク質表面に存在する疎水性領域を隠すのに寄与し得るため、等電点付近のpH値におけるタンパク質の溶解性を上昇させる。
図2Bに示すように、LYTAGタンパク質標品の223nmにおける円偏光二色性シグナルは、6.5〜8.0のpH範囲内では変化せず、pH6.0より下では低下し、pH4.5〜5.5で最小となる。pH5.0のスペクトルは、全ての波長でシグナルの全体的な減少を示す(図2A)と同時にサンプルの吸収の低下を示している(データ示さず)。このことは、LYTAGの溶解性がこのpH範囲で最小であり、タンパク質を凝集させ、可溶性分子群を減少させ、円偏光二色性シグナルが生じやすくなっていることを示唆している。これらの結果は、情報科学的応用を用いて算出されるこのタンパク質の理論的等電点が約5.3(http://www.embl−heidelberg.de/cgi/pi−wrapper.pl)であることに従った予想と一致している。
飽和濃度のコリン(140mM)を添加すると、楕円度が全体的に増加し、2.4〜8.0を含む全てのpH範囲でLYTAGタンパク質が安定化する(図2A及び2B)。このことは、リガンドがなければ露出されているであろう疎水性部位がリガンドの結合で隠されることで凝集が回避されているという仮説を指示している。この仮説の更なる裏付けとして、2%CHAPS又は140mMの2,2−ジメチルプロパノール(DMP)等の低極性添加物でも、pH5.0における円偏光二色性スペクトルが回復することを指摘しておく(データ示さず)。これらの同じアッセイを10%PEG存在下で行って得られる結果もコリンの場合について記載したのと同様であり(図2A及び2B)、このことは、このポリマーがLYTAGタンパク質と相互作用するという仮説を裏付けており、更にその天然リガンドと同様な効果を発揮しており、このことは両方の分子が同じタンパク質領域に結合され得ることを示している。また、このことは、LYTAGタンパク質がDEAE−セルロースカラム中に保持される能力をPEG存在下で失うことからも示され(データ示さず)、このことは、PEGがコリン結合部位中にインターカレートされることでコリンの結合又はDEAE等のアナログの結合が阻害されていることを示している。
最後に、温度の関数として223nmの円偏光二色性シグナルで追跡されるタンパク質の熱安定性を解析し、PEGがLYTAG構造に対してコリンの効果をまね(emulate)かを確認した(図3)。リガンド非存在下では、LYTAGは、中間状態物の蓄積に由来する二相性の移行(biphasic transition)を示す(Maestro, B. and J.M. Sanz, Accumulation of partly folded states in the equilibrium unfolding of the pneumococcal choline−binding module C−LytA. Biochem J, 2005. 387(Pt 2): p. 479−88)。150mMのコリン存在下では、そのような中間状態物の蓄積が避けられ、唯一つのシグモイド型の曲線及び熱安定性が得られ、これは以前に報告されている通りである(Maestro, B. and J.M. Sanz, Accumulation of partly folded states in the equilibrium unfolding of the pneumococcal choline−binding module C−LytA. Biochem J, 2005. 387(Pt 2): p. 479−88)。
PEG存在下での同様なアッセイの実施において、この化合物の添加が中間体効果を引き起こすかを確認した結果、中間状態物は消えたが、変性温度に変化は無かった(図3)。したがって、PEGはコリンの役割をまね(emulate)している。記載の実験は、PEGがコリンと同じコンフォメーション変化を誘導できないことを示しているが、本発明の基礎の1つであるCBDのPEGに対するアフィニティーを証明している。
水相二相系中でLYTAGとの融合物をアフィニティーにより精製する一般的プロトコール
本発明は、LYTAGとPEGの間の相互作用を示す前述の結果に基づき、2つの水相を用いたタンパク質分離系中でこのポリマーを使用した具体的な実施例を提供し、コリン結合ドメインを有するポリペプチドの分離プロトコールの開発を可能にする。
好ましいプロトコールは、分離法を開発するためのPEG/リン酸塩及びPEG/デキストランの組合せを考慮したものである。PEG/リン酸塩系は、pH8.0で、PEG(3〜15%)及びリン酸カリウム(5〜15%)という異なる濃度範囲での自発的な二相への分離を可能にする。相の一方(上相)はPEGを多く含み、別の相(下相)はリン酸塩を多く含む。PEG15%+リン酸塩12.5%の系(pH8.0)(いわゆるExtP緩衝液)は二相間で体積の差が少ないため、最もよく機能する。その一部として、PEG/デキストラン系では、方法は、3〜10%のPEG及び5〜10%のデキストランの使用濃度範囲を含む。前述の系同様、これらの濃度範囲は二相への分割を可能にし、PEGを多く含む相は上相に、デキストランを多く含む相は下相になる。
好ましい濃度は、20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)中にPEG6%及びデキストラン6%(いわゆるExtD緩衝液)であり、また、この二相も二相間の体積差がより少ない。一般的なプロトコールは図1に要約されており、第1に、コリン結合ドメインの少なくとも1つのモジュール、好ましいケースではLYTAG、を含む融合タンパク質を過剰発現する細胞抽出物を得ることからなる。そのような抽出物は、二相の形成に必要な化合物の存在下で遠心することで又は重力により得られ、その最後の場合には、遠心の代わりにデカント用の漏斗を用いてもよい。前述したPEGへのLYTAGのアフィニティーが、このポリマーを含有する上相中へのLYTAG融合物の定量的局在を決定する(以下の詳細な例を参照されたい)。これが過剰であることを確認した後、一連の洗浄を行うが、この洗浄は、下相の除去及び除去された相と常に同じ組成を維持した同体積の新鮮な溶液の添加からなるため、相は依然として分離されている。
文献(Johansson, H.W.a.G., ed. Aqueous Two−Phase Systems. Methods in Enzymology. Vol. 228. 1994)に公開されているバイノーダルダイアグラムからのデータに基づき、前述の好ましい形態の場合には、この新鮮な相の組成は、pH8.0で、1%のPEG及び16%のリン酸カリウムを含む(いわゆるWashP緩衝液)か、20mMのTris−HCl(pH8.0)中に0.5%のPEG及び16%のデキストランを含む(いわゆるWashD緩衝液)。新たに混合して相分離した後、下相をWashP又はWashD緩衝液で置換し、このプロセスを洗浄が終わるまで繰り返す(通常2〜3工程)。この時点で、PEG相中のタンパク質純度は既にかなり高くなり得る。しかし、150mのコリンをWashP又はWashD緩衝液に含めると、リガンド結合部位のPEGを置換する効果を現し、融合タンパク質を特異的に下相に移動させるので、これを電気泳動的な均一性に向けた精製に用いることができる。
記載した発明は、存在するタンパク質のその他の精製系に対するいくつかの利点を提供し、とりわけ、簡便、迅速、且つ経済的な方法であり、穏やかな条件下での精製を可能にする。第1に、この系の多様性が、使用できる幅広い反応物質及び濃度に反映されており、具体的な各場合毎の特定の必要性に合わせることを可能にしている。更に、充填が必要、過剰な充填による圧力の問題等のカラムクロマトグラフィーの典型的な問題が最小限に抑えられ、本方法はいずれの場合にも、固体支持体を用いた方法よりもはるかに迅速且つ簡便である(図4)。一方、毒性要素(ヘキサヒスチジン「タグ」の特定の場合における重金属等)が存在しないため、この二相系は環境に優しいものであるとみなせる。
より技術的な観点からは、アフィニティー化合物へのタンパク質の吸収はより効率的な方法で起こり、樹脂等の表面に基づくアフィニティー支持体と異なり、溶液中のこの1つのポリマーの周囲で起こる。更に、CBD LYTAGとPEGとの相互作用は、広いpH範囲におけるタンパク質の全般的な安定化を誘導し、これらの精製系を中性から離れたpH値で用いる可能性を広げ、この方法で溶出することで、酸性のpHで生じるタンパク質とクロマトグラフィー支持体との間の静電反発力の存在が回避される。したがって、融合タンパク質の生物物理学的特性に関する主要な基準とみられるCBDがPEG及びコリンに示す二重のアフィニティーのおかげで、系中にコリンが存在するかしないかに応じて所望の相での決定された融合物の局在を導くことが可能となる。
一般的規則として、PEG/リン酸塩及びPEG/デキストラン系が、LYTAG等のCBDとの融合物をアフィニティーにより分配するのに先験的に適していると考えられるが、どれを選択するかは、具体的な個々のケースの特徴(全体的な電荷、サイズ、及び疎水性)に大きく依存する。この意味で、個々の具体的な融合タンパク質に系を適合させるため及び収率の向上のために作用し得る種々のパラメータ、すなわち、イオン力、温度、pH、界面活性剤の使用等があるため(Johansson, H.W.a.G., ed. Aqueous Two−Phase Systems. Methods in Enzymology. Vol. 228. 1994)、
本発明は非常に多様である。更に、本発明は、前述したように、PEG/クエン酸塩、PEG/硫酸塩、PEG/でんぷん等の潜在的に有用な代替的二相系も想定しており、それらも使用することができる。可溶性の低いタンパク質の場合、抽出を大容量で実施してサンプルを希釈し、タンパク質の凝集及び沈殿を最小限に抑えることができる。最後に、本方法は、生物学的変換の酵素プロセスに組み込むことができ、その中では、1又は別の相中に酵素を自在に封じ込め(コリン添加の有無で調節)、生成物を逆の相に蓄積させることができ、精製が促進され、生成物による酵素的阻害の可能性が最小限に抑えられる。
LYTAG−GFP融合物の精製
本実施例は、蛍光タンパク質とCBDドメイン、具体的にはLYTAG、との融合物をどのように精製することができるかを示す。本発明のこの具体的実施例のために、バイオメダル社(Biomedal)のLYTAG「キット」の推奨に従い、pALEX2−Caベクター(バイオメダル社製)から作製した発現プラスミドpALEX2−Ca−GFPで形質転換した大腸菌(E.Coli)REG−1株(イスパニアのバイオメダル社製、www.biomedal.com)の培養液400mlを、培地へのサリチル酸塩添加によりGFP−LYTAGタンパク質の発現が誘導されるまで前記培養液を37℃でインキュベートし、緑色蛍光GFP−LYTAGタンパク質との融合物を発現させる。
遠心して細胞を回収し、精製がPEG−リン酸塩系中で実施される場合は20mMのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)20mlに、PEG/デキストラン系の場合は20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁する。超音波処理による細胞の溶解及び遠心による細胞残渣の除去の後、各アリコートに、必要な量を計量したPEG、リン酸カリウム、又はデキストランを添加して前述のExtP緩衝液及びExtD緩衝液を再構成する。この溶液をビーカー中で両方の化合物が完全に再懸濁されるまで穏やかに撹拌し(DNAの断片化を減少させ、最終タンパク質標品中で不純物として存在するのを減少させるため)、室温にて12,000rpmで5分間遠心する(温度に対して感受性がより高いタンパク質の場合は4℃で遠心してもよい)。
LYTAG「タグ」のPEGに対する証明された特異的アフィニティーにより、2つの試験例において、PEGを多く含む相(上相)中に融合タンパク質が蓄積される(図5A)ことを決定する。GFP−LYTAGタンパク質の見られる上相が緑色をしていることから、それが完全にフォールディングされており、機能的であることが確認される。リン酸塩及びデキストランを多く含む下相には、細胞タンパク質の大部分が残っており、上相中のGFP−LYTAG融合物の純度グレードは既にかなり高いものであり得る(図5C)。いずれの場合も、Wash緩衝液にコリンを添加するとGFP−LYTAGタンパク質は下相に溶出する(図5B及び5C)。指摘すべき点として、第1にこれらの図中に示す電気泳動ゲルは、使用した高塩濃度及びポリマーの干渉によるタンパク質の異常な移動性を示している。
タンパク質の溶出は、一回目の抽出では完全ではない(図5C、レーン6)が、コリンを含む新たな新鮮な下相の添加によって引き続き抽出することにより、系中に存在するGFP−LYTAG融合物の大部分を回収することができる(データ示さず)。この特定のタンパク質について、PEG/リン酸塩系がPEG/デキストラン系で達成されるよりもわずかに高い収率(培養液1リットル当たり約5mg)及び純度グレードを提供することを確認することができる。
LYTAG−プロテインA融合物の精製
本実施例は、免疫グロブリンに結合したスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)由来のプロテインAの断片と融合させたC−LytAコリン結合ドメインの融合物を本発明によってどのように精製することができるかを示す。本具体的実施例は、前述の実施例のLYTAG−GFP融合物で記載したのと同じ方法を用いるが、pALEXbベクター(バイオメダル社製)から構築したpALEXb−ProtAプラスミドで形質転換したREG−1株の培養液を用い、PEG/デキストラン(図6A及び6B)及びPEG/リン酸塩(図6C)のような二相系のいずれかを用いて良好な精製を達成する。
前回の場合同様、リン酸塩の代わりにデキストランを用いると洗浄工程の数が増える(この場合は2回)。更に、洗浄後、LYTAG−プロテインAタンパク質はPEG相中でも実質的に純粋なままである。同様に、コリンを含む新鮮な下相を添加すると、デキストラン相中にポリペプチド融合物を局在させることが可能になり、複数回の溶出工程後に基本的に全てのタンパク質が回収される。
LYTAG−Lip36融合物の精製
pALEXbベクター(バイオメダル社製)から構築したpALEXb−Lip36プラスミドで形質転換したREG−1株の培養液を用いること以外は前述の実施例と同様に実施する。この場合、精製はPEG/デキストラン系中でのみ効率的である。図7はまた、このポリマー対を用いる場合に複数回の洗浄が必要であることを示している。収率は培養液1リットル当たり5〜10mgの間で変動する。
LYTAG−βガラクトシダーゼ融合物の精製
本実施例は、pALEX2cベクター(バイオメダル社製)から構築したpALEX2c−LacZプラスミドで形質転換したREG−1株の培養液から発現させた融合LYTAG−β−ガラクトシダーゼを用いること以外は前述と同様の方法で実施する。ベータ−ガラクトシダーゼのような高分子量タンパク質及びオリゴマータンパク質を精製するための二相中の分配系の能力が証明される。この場合、どの相にタンパク質が位置するかという傾向について、LYTAGと融合した部分の生物物理学的特性がコリン結合モジュールよりも支配的である可能性があり得る。
この意味で、おそらくは融合物のサイズが大きいために起こり得る、中間相中に失われる特定のタンパク質が確認され得る。それにも関わらず、図8に示すように、PEGデキストラン系中でハイブリッドタンパク質を許容可能な純度グレードで精製することができる。このようにして精製したタンパク質は、o−1 2 3 4 5 6ニトロフェニルガラクトピラノシド(ONPG)等の合成基質に対してその活性を保持しており(データ示さず)、実施例1に記載したGFP−LYTAG融合物の場合のような構造的安定性及び適切なフォールディングを示している。
培養培地に分泌された、LYTAGに融合されたタンパク質の精製
この場合、酵母等の細菌及びその他の微生物により培養培地中に分泌される組換えタンパク質の精製に本発明を用いることができる。酵母ピキア・パストリス(Pichia pastoris)は、効果的な分泌機構を有し、この性質を、例えばpPIC9ベクター(Pichia Expression Kit、インビトロジェン社製)を用いて細胞外培地へと輸送を方向付けるリーダーペプチドに融合させた目的のタンパク質の産生に利用する。pPIC9−CLYTベクター(Caubin, J., et al., Choline−binding domain as a novel affinity tag for purification of fusion proteins produced in Pichia pastoris. Biotechnol Bioeng, 2001. 74(2): p. 164−71)と同様にこのタンパク質をコリン結合ドメインLYTAGに更に融合すれば、記載した水性二相系の1つを用いて細胞外培地から精製することができる。
そのために、pPIC9−CLYTプラスミドに由来しLYTAGと目的のタンパク質との分泌可能な融合物を発現するコンストラクトで形質転換したP.パストリスのGS115株を、BMGY緩衝培地中にて30℃でOD600が2〜6に達するまで培養してよく、その時点で、炭素源をグリセロール1%(BMGY培地)からメタノール0.5%(BMMY培地)に変更することでLYTAG融合物の発現を誘導する。誘導から15〜24時間後、培養液を遠心し、上清を回収する。この上清は、分泌型のLYTAG融合タンパク質を含むため、前述の実施例で記載した精製系の1つに直接まわすことができ、目的のタンパク質の精製へとプロセスが進められる。
同様に、コリン結合ドメインと融合したタンパク質の培養培地からの精製も、細胞膜周辺腔又は細胞外培地へと融合物を輸送するリーダーペプチドとLYTAG−タンパク質又はタンパク質−LYTAGとの融合物を発現する大腸菌(E.Coli)の細菌培養から行うことができる。
LYTAG−プロテインAを用いた二相中での抗体の精製
プロテインAは、免疫グロブリンへのアフィニティーを示し、この特性は、実施例2に記載した二相系による抗体精製に利用することができる。本実施例では、二相の成分は、精製して20mMのリン酸緩衝液(pH8.0)(PEG/デキストラン系を用いる場合)に透析したLYTAG−プロテインA(5〜10mg/ml)1ml及び目的の抗体を発現するハイブリドーマ(hybridome)培養液の上清19mlの混合物に溶解され得る。上清は20mMのリン酸緩衝液(pH8.0)(PEG/リン酸塩系を用いる場合)又は20mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)(PEG/デキストラン系を用いる場合)に透析する必要がある。
2つの化合物を溶解した後、前述の実施例に記載した条件下での分離、洗浄、及び溶出に進み、最終的に、下相中にプロテインA−抗体複合体を高純度グレードで得ることができる。あるいは、最後の工程で、LYTAG−プロテインA融合物の分離に有利なpH条件及びイオン力を用いて抗体を回収・精製することができ、LYTAG−プロテインA融合物はPEGを多く含む相に保持され、再利用することができる。

Claims (21)

  1. コリンに対するアフィニティーを有するポリペプチド配列との融合タンパク質を分配又は分離する方法であって、
    a)コリンに対するアフィニティーを有する配列との融合ポリペプチドを発現する細胞培養物又は細胞抽出物であって、前記配列が少なくともコリン結合性の構造的モチーフ(CBR又は「コリン結合リピート」;PfamコードPF01473)を含み、好ましくはストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)のアミダーゼLytAのC末端ドメインの1つに由来するものである、細胞培養物又は細胞抽出物;
    b)前記抽出物又は培養物と、ポリエチレングリコ−ル(PEG)及び水中に5%超可溶の塩又はポリマーとの混合物であって、自然に2つの水相に分離する混合物;
    c)ポリエチレングリコール濃度のより高い相中への、コリンアフィニティーを有する前記配列との前記融合ポリペプチドの優先的濃縮
    を特徴とする、方法。
  2. コリンの添加により、PEGが高濃度の相とは異なる相中に融合タンパク質が濃縮されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記二成分系におけるPEGの総濃度が3〜15%であることを特徴とする、請求項1及び2に記載の方法。
  4. 前記二成分系の前記第2の成分が、リン酸塩、クエン酸塩、硫酸塩、又はこれら3種類の塩の混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3に記載の方法。
  5. 前記二成分系の前記第2の成分が、リン酸カリウムを濃度5〜15%で含み、前記混合物のpHが6.0〜9.0の値であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の方法。
  6. 前記二成分系の前記第2の成分が、デキストラン又は誘導体を5〜10%の濃度で含み、混合物のpHが6.0〜9.0の値であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の方法。
  7. 前記二成分系の前記第2の成分が、でんぷん又は誘導体を5〜10%の濃度で含み、混合物のpHが6.0〜9.0の値であることを特徴とする請求項1〜3に記載の方法。
  8. 請求項1〜7に記載の方法であって、前記二成分系が、これらの請求項に記載の成分が添加された、請求項1に記載のコリンアフィニティーを有するポリペプチド配列との融合タンパク質を発現する細胞抽出物又は培養培地から構成されることを特徴とする、請求項1〜7に記載の方法。
  9. 前記細胞抽出物又は前記培養培地が、ハイブリドーマ、カビ、酵母、又は細菌の培養培地に由来することを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記コリンアフィニティーペプチドとの前記融合タンパク質が、得られた二相系のPEGを多く含む相に優先的に蓄積されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記細胞抽出物又は培養培地に由来するもののPEGを多く含む相に蓄積されないタンパク質を、PEGを多く含む相とは逆の相を除くことで除去することができることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、その後、除去されたのと同等の組成及び体積の溶液を添加し、次いで混合及び二相中へ分離し、その後請求項11に従って混入タンパク質を新たに除去することを、混入タンパク質が定量的に排除されるまで繰り返すことのできるプロセスにおいて行うことを特徴とする、請求項11に記載の方法
  13. コリン結合ドメインを有する前記目的のポリペプチド又はタンパク質を精製された形態で得るために、前記目的のタンパク質を含むPEGを多く含む相を直接使用することを特徴とする、請求項10、11、及び12に記載の方法。
  14. 目的のタンパク質を含むPEGを多く含む相を、水相中で目的の反応を触媒する機能を有する任意の種類の酵素リアクター中で用いて、前記PEG濃度のより高い相とは異なる相中に産物を回収することができることを特徴とする、請求項10、11、及び12に記載の方法。
  15. 前記洗浄後に、添加される前記新鮮な溶液がコリンを50mM超の濃度で含み、コリンアフィニティーを有するペプチドとの融合タンパク質のかなりの部分がPEGを多く含まない相へと移動されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  16. 前記目的のタンパク質を含むPEGを多く含む相が、水相中で目的の反応を触媒する機能を有する任意の種類の酵素リアクター中で使用され、50mMを超えるコリンの添加によりPEGを多く含まない相中に保持されているために前記生体触媒を回収することができることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 前記目的のタンパク質を含むPEGを多く含まない相を、このタンパク質を精製された形態で得るために直接使用することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  18. 前記目的のタンパク質を含むPEGを多く含まない相が使用のために分取され、系中において、好ましくは除去されたものと組成及び体積が同様である、一定量の溶液により置換され、その後混合及び二相へ分離することを、PEGを多く含む相から前記目的のタンパク質が定量的に溶出されるまで繰り返すことのできるプロセスにおいて行うことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  19. 以下の要素の少なくともいくつかを含む、請求項1〜18のいくつかに記載のタンパク質精製法を実施するための産物:
    a.塩濃度が5%を超える溶液
    b.PEG濃度が5%を超える溶液
    c.濃度が50mMを超えるコリンの濃縮溶液。
  20. タンパク質、ポリペプチド、又は任意のタンパク質誘導体を分離及び精製するための、請求項1〜18に記載の方法の使用。
  21. 任意のコリン結合ドメインに融合した酵素が仲介する生化学的反応の産物を分離するための、請求項1〜16に記載の方法及び前記請求項の産物の使用。
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