JP2010538007A - グリセロリン酸塩を使用する口腔病変の治療を改善するための方法 - Google Patents
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Abstract
グリセロリン酸塩は、口腔の病変の治癒および迅速な閉合を早めることが見出された。本方法は、グリセロリン酸塩を使用して、口腔病変の治療の改善または口腔病変に関連のある疾患または症状の予防を提供するものである。特に、該方法は、グリセロリン酸カルシウム(CGP)を使用して口腔病変に関連のある疾患または症状の予防を提供する。
Description
(本発明の背景)
毎年多数の患者が、簡単な歯の洗浄から複雑な歯科手術にわたり様々な歯科処置を受けている。これらの多くの方法は、痛みをもたらし、口腔内でコロニー化する1以上の多くの微生物種の微生物感染の機会を与える口腔/歯肉粘膜における破壊を引き起こす。
毎年多数の患者が、簡単な歯の洗浄から複雑な歯科手術にわたり様々な歯科処置を受けている。これらの多くの方法は、痛みをもたらし、口腔内でコロニー化する1以上の多くの微生物種の微生物感染の機会を与える口腔/歯肉粘膜における破壊を引き起こす。
従って、口腔病変の治療を改善するため、痛みの継続時間を減らすため、および口腔病変に関連した疾患または症状を予防するために、新規、簡易かつ比較的安価な手段を開発する必要がある。
(本発明の要約)
本発明において、グリセロリン酸塩が、口腔病変の治療を改善するために使用できることが見出された。この発見は、被検対象における口腔病変に関連のある疾患または症状を予防するための新規手段を提供するものである。
本発明において、グリセロリン酸塩が、口腔病変の治療を改善するために使用できることが見出された。この発見は、被検対象における口腔病変に関連のある疾患または症状を予防するための新規手段を提供するものである。
ある一般的な態様において、本発明の実施態様は、被検対象における口腔病変の治療を改善する方法に関する。該方法は、(a)口腔病変が該被検対象の口腔内にあること、および(b)口腔病変の上でコーティングを形成するように、乾燥粉末、顆粒またはゲルの形態において、または約0.5%〜約75重量%のグリセロリン酸塩を含有する洗口液において、有効量のグリセロリン酸塩を口腔病変に適用すること、を含む。
一実施態様において、本発明は、被検対象における口腔病変に関連した疾患または症状を予防するための方法に関する。本発明の実施態様に関する方法に従って、該方法は、被検対象における口腔病変の治療を改善することを含む。
別の一般的な局面において、本発明の実施態様は、被検対象における口腔病変の治療を改善するためのキットに関する。該キットは、グリセロリン酸塩、および該グリセロリン酸塩を被検対象の口腔病変の治療を改善するために使用するための指示書を含む。
別の態様において、特記しなければ、本発明の態様および利点は、本発明の詳細な説明およびその好ましい実施態様および添付の特許請求の範囲をふくめた下記の開示内容から明らかであろう。
(本発明の詳細な説明)
別途規定がなければ、本明細書に使用された全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者には通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書において、特定の用語が使用されるが、明細書に記載したとおりの意味を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲に使用したとおり、その内容が別途明記されていなくとも、単数形には複数形の意味が包含されることに注意すべきである。
別途規定がなければ、本明細書に使用された全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者には通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書において、特定の用語が使用されるが、明細書に記載したとおりの意味を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲に使用したとおり、その内容が別途明記されていなくとも、単数形には複数形の意味が包含されることに注意すべきである。
口腔病変の治癒および封鎖を早めるか、または改善するために、新たに発見されたグリセロリン酸塩の機能は、口腔病変に関連した疾患または症状、例えば歯科処置によりもたらされた疾患または症状を防止するための新規手段を提供する。これは、全体的な病状(例えば、糖尿病に関連のある患者、HIV患者、または様々な免疫抑制療法を受けている患者)により正常な外傷治癒が遅れる患者にとって特に重要である。発明の実施態様は、口腔病変の治療を促進または改善する、即ち口腔病変を低下する方法、および被検対象における該口腔病変に関連した疾患または症状を予防する方法に関する。該方法は、口腔病変が被検対象の口内にあること、および該障害の治癒を促進させるために有効量のグリセロリン酸塩を該病変に適用すること、これにより正常な自然の「ダム(dam)」としての本来の完全性を修復すること、およびこれにより口腔病変に関連する疾患または症状を予防することを含む。
本発明の実施態様に関する方法は、被検対象における口腔病変の治療を改善する際に有効である。
本明細書に使用したとおり、「口腔病変」、「口腔内の障害」「口腔の病変」および「口の障害」は互換的に使用され、全てのあらゆる創傷、損傷、病理学的変化または症状、または口腔の組織の外傷性の断裂を指す。該病変は、口腔内、または口腔と関連するあらゆる場所、例えば歯茎、頬の内部、喉、口蓋、舌または口唇に存在し得る。口腔内の病変の例示は、痛み、潰瘍、口腔膿瘍、口腔カンジダ症、またはあらゆる口腔創傷であり得る。口腔病変は、炎症、日常的な生活動作、例えば咀嚼、歯磨き、または歯フロス処置、あらゆる歯科処置または口腔処置、例えば抜歯、インプラント、修復等、あらゆる口腔手術、またはその他の疾患または症状からもたらされる。
本明細書で使用したとおり、「口腔病変の治療を改善する」とは、迅速な、良好な、または迅速かつ良好双方の口腔病変の治療を指す。
本発明の実施態様に関する方法は、1以上の上記した口腔病変に関連した疾患または症状を予防する際に有効である。
本明細書で使用したとおり、本明細書で使用した用語「口腔病変と関連のある疾患または症状」とは、口腔病変を原因とする、口腔病変を悪化させる、または口腔病変に関連するあらゆる疾患、障害または症状が挙げられる。強調する必要がある点は、口腔病変と関連のある疾患または症状が、口腔疾患、例えば口腔感染により引き起こされるか、悪化されるか、あるいは関連する疾患または症状であっても、なくても良いということである。通常、一般的な口腔微生物は、口腔内に存在しており、それら自体が口腔症状またはその他の症状をもたらさないが、歯周バリアを破壊させて、例えば口腔病変を介して、全身に血液循環する場合には、身体内の疾患、不全または症状などをもたらすという特有の性質を示す。口腔病変に関連した疾患または症状には、口腔感染自体が挙げられるが、これに限定しない。口腔病変に関連した疾患または症状の例示には、口腔疾患または症状、心臓脈管系疾患または症状、殆どコントロールできない糖尿病、または早産が挙げられるが、これに限定しない。口腔疾患または症状には、歯茎疾患、例えば、歯肉炎、歯周炎または急性の壊死性潰瘍性歯肉炎;または口腔内または口腔に関連のあるあらゆる場所にある痛み、例えば、頬、喉、口蓋、舌または唇の痛みが挙げられるが、これに限定しない。該心臓脈管系疾患または症状には、心内膜炎、卒中、動脈内のアテローム性動脈硬化プラークまたは僧帽弁逸脱が挙げられるが、これに限定するものではない。
本明細書で使用したとおり、用語「口腔病変に関連した疾患または症状を予防すること」は、口腔病変に関連した疾患または症状を停止、緩和、軽減、低下、減少または予防することを意味する。「口腔病変に関連した疾患または症状を予防すること」は、口腔病変と関連のある存在する疾患または症状のさらなる進行または悪化の予防であり得る。「口腔病変に関連した疾患または症状を予防すること」とはまた、口腔病変に関連した疾患または症状の兆候が進行するかまたは観察できる前の予防であり得る。「口腔病変に関連した疾患または症状を予防すること」とは、臨床学的に観察可能な有益な効果をもたらす。臨床学的に観察できる有益な効果とは、口腔病変に関連した存在する疾患または症状の兆候が、さらなる進行または悪化から予防されるか、または兆候が観察出来る前に本発明の組成物を被検対象に投与した場合に、本発明の組成物を投与しないよりも、より低い程度に進行する状態であり得る。該臨床学的に観察できる有益な効果とは、口腔病変に関連した疾患または症状の兆候を、発症することから予防するか、または兆候が観察できる前に本発明の組成物を被検対象に投与する場合に本発明の組成物を投与しないよりもその後の発症の程度が低い状態でもあり得る。
本明細書で使用したとおり、用語「被検対象」とは、処置、観察または実験の対象である動物、好ましくは哺乳動物を指す。被検対象の例示は、ヒト、家畜動物(ウシおよび乳牛、ヒツジ、家禽、ブタ等)、または愛玩動物(イヌ、ネコ、ウシ等)であり得る。
本明細書に使用したとおり、用語「有効量」とは、被検対象の口腔の病変の治癒を促進して、それにより口腔病変に関連した疾患または症状を予防するグリセロリン酸塩の量を意味する。本発明の一実施態様において、有効量のグリセロリン酸塩は、有効量のグリセロリン酸塩を与えなかった該被検対象の創傷を治すためにかかるであろう時間が、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%未満、好ましくは約30-50%未満となるように、被検対象の口腔の創傷の治癒を促進する。グリセロリン酸塩の被検対象の口腔の病変への「有効量」の投与は、上記したとおり、臨床学的に観察可能な有益な効果をもたらす。
当業者には認識されようが、本発明において使用されるべきグリセロリン酸塩の「有効量」は、要因、例えば特定の被検対象、例えば年齢、食事、健康等、口腔病変のサイズ、重症度および、予防しようとする疾患または症状の複雑度、グリセロリン酸塩の投与様式、使用される特定のグリセロリン酸塩などに従って変更できる。標準的方法は、グリセロリン酸塩を被検対象への投与効果を評価するために行われ、こうして当業者は本発明の開示内容から、該被検対象に投与すべき有効量のグリセロリン酸塩を決定できる。
本明細書で使用したとおり、用語「グリセロリン酸塩」とは、グリセロリン酸塩から得られる化合物を指し、この化合物において、1以上のグリセロリン酸塩のリン酸基の水素が、塩基性基、特定の実施態様においては金属イオンにより置換される。本明細書で使用したとおり、用語「グリセロリン酸塩」とは、グリセロールのリン酸エステルのアニオンを指し、ここでグリセロールの炭素原子は、リン酸のリン酸基中の酸素原子と結合する。グリセロリン酸塩は、キラル分子であり得る、即ち重ね合わせることが出来ない鏡像体である2つの形態にて存在できる。本発明には、その範囲内のグリセロリン酸塩の立体化学的に純粋な異性体形態および/またはそのラセミ体が挙げられることが意図される。
特定の実施形態において、本発明の方法は、グリセロリン酸カルシウム(CGP)、グリセロリン酸マグネシウム、グリセロリン酸亜鉛、グリセロリン酸マンガン、グリセロリン酸リチウム、グリセロリン酸銅(II)、グリセロリン酸鉄、グリセロリン酸キニン、グリセロリン酸二ナトリウム、グリセロリン酸二カルシウム、グリセロリン酸バリウム、およびグリセロリン酸ストロンチウムからなる群から選択される1以上のグリセロリン酸塩を利用する。
有効量のグリセロリン酸塩には、使用される特定のグリセロリン酸塩の効果が考慮される。例えば、気分に影響を及ぼし、その潜在的な副作用が心臓および腎臓機能に対して影響を及ぼすので、本発明の実施態様に関する方法においてグリセロリン酸リチウムを使用するためには特別な注意が払われる。有効量には、グリセロリン酸塩のその他の特性、例えば、毒性(例えば、グリセロリン酸銅(II))および味(例えば、グリセロリン酸鉄およびグリセロリン酸キニン)なども考慮される。
好ましい実施態様において、本発明の方法は、グリセロリン酸カルシウムを用いる。本明細書に使用したとおり、用語「グリセロリン酸カルシウム」または「CGP」は、「グリセロホスフェート・カルシウム」としても知られ、その無水形態においてC3H7CaO6Pの分子式を有する化合物を示す。「CGP」は、一水和物および二水和物などの水和物としても存在することもできる。グリセロリン酸カルシウムの例示には、CGPの3つのアイソマー、即ち、β-グリセロリン酸カルシウム塩((HOCH2)2CHOPO3Ca);およびD(+)およびL(-)-α-グリセロリン酸カルシウム塩(HOCH2CH(OH)CH2OPO3Ca)のいずれか1つ、または2以上のあらゆる組み合せが挙げられるが、これらに限定するものではない。
様々な市販製品から入手出来るカルシウムグリセロリン酸塩が本発明において使用できる。一実施態様において、カルシウムグリセロリン酸塩を被検対象に経口投与するために、AkPharma Inc.(Pleasantville、NJ 08232)から購入できる錠剤または粉末形態いずれかのPrelief(登録商標)、即ち食品および飲料中の酸の刺激を低下させる際に使用するための補助食品を本発明において使用できる。他の市販購入し得るCGPには、Astha Laboratories Pvt, Ltd(B-4, Industrial Estate、Sanathnagar, Hyderabad-18, India)およびSeppic Inc.(30 Two Bridges Road, Fairfield, NJ)から入手できるCGPも挙げられる。
別の実施態様において、本発明の方法は、グリセロリン酸カルシウム以外のグリセロリン酸塩を利用する。カルシウムグリセロリン酸塩は、腎臓機能が悪い人または腎不全である人には禁忌である。カルシウムイオンの存在は、特定の薬物、例えばグリセロリン酸塩と併用投与される特定の抗生物質の活性を抑制する。従って、本発明の方法はまた、本明細書に記載したグリセロリン酸のNa、K、Mg、またはSr塩またはその他のカルシウムでないグリセロリン酸塩からなる群から選択される1以上のグリセロリン酸塩を利用する。
グリセロリン酸塩を、1以上の投与経路により口腔の病変に投与できる。一実施態様において、乾燥粉末、顆粒、またはゲルの形態にある有効量のグリセロリン酸塩は、直接的なスプレー、指または器具により、またはコーティングとして(例えば、ガーゼ上で)物理的な移動により、約25%-100重量%のグリセロリン酸塩の最終の局所濃度を達成するために、該病変に直接的に適用される。例えば、グリセロリン酸塩の最終局所濃度は、約25重量%〜約35重量%、約35重量%〜約45重量%、約45重量%〜約55重量%、約55重量%〜約65重量%、約65重量%〜約75重量%、約75重量%〜約85重量%、または約85重量%〜約100重量%であり得る。しかしながら、グリセロリン酸塩の最終局所濃度は、25重量%-100重量%の範囲に限定されない。低濃度のCGP、例えば1%および2重量%は、好ましくは、鼻粘膜経路の炎症に有利に影響し、またさらに口腔粘膜に対しても同様の好ましい効果を示すことが表皮上で十分観察されている。
別の実施態様において、有効量のグリセロリン酸塩は、約0.5重量%〜約75重量%のグリセロリン酸塩を含有する洗口液を口腔に入れることにより該病変に適用される。例えば、洗口液は、約5重量%〜約15重量%、約15重量%〜約25重量%、約25重量%〜約35重量%、約35重量%〜約45重量%、約45重量%〜約55重量%、約55重量%〜約65重量%、または約65重量%〜約75重量%のグリセロリン酸塩を含有する。
有効量グリセロリン酸塩が、口腔の病変に十分な時間適用された後に、グリセロリン酸塩は、嚥下されても、または吐きだされてもよい。
どのような頻度およびどの程度の期間、グリセロリン酸塩が被検対象に投与されるかは処置または予防の型、該被検対象がどの程度グリセロリン酸塩に反応するか、該被検対象と関連した要因、例えば年齢、食事、健康等、口腔病変のサイズ、グリセロリン酸塩に耐用する能力および使用したグリセロリン酸塩の型に依存する。グリセロリン酸塩を、1日あたり複数回まで1つの治療方法に対して投与できる。好ましくは、グリセロリン酸塩を、該被検対象に、日中、例えば、朝食後、昼食後、夕食後および就寝までの複数の間隔をおいて被験対象に投与することができる。
理論にしばられる訳ではないが、グリセロリン酸塩の存在によりもたらされる細胞に対する迅速な修復および置換を理由として、グリセロリン酸塩は、少なくとも部分的には口腔病変と関連のある疾患または症状を予防するために使用できる。口腔内の損傷または病変の治癒が早ければ早い程、口腔病変に関連した全身感染となる傾向が低い。様々な観察から、上皮細胞の再生を促進するためにグリセロリン酸塩が機能することが示唆されているが、例えばUS2004/0037766を参照されたい。上皮細胞の迅速な修復および置換は、とりわけ皮膚表面の修復を加速させる増強されたセラミド合成および炎症性物質が脆弱な細胞壁の間への侵入を防ぐことが出来る堅固となった細胞と細胞との接着を提供する。カルシウムが、堅固な接合、即ち効果的なバリアを形成するように上皮細胞と共に接合する特定構造の形成を促進すると考えられる。カルシウムがなければ、かかる堅固な接合は形成され得ない。
本発明の実施態様に関わる方法は、口腔病変に関連のある疾患または症状に対して特に被害を受けやすい被検対象の集団、例えばヒトにとって特に望まれる。なぜなら、その既存の症状が、口腔病変に関連した疾患または症状を持つかまたは進行させるリスクを高める傾向があるためである。
一実施態様において、グリセロリン酸塩を、糖尿病または他の内分泌の不全、免疫不全、性感染疾患のウイルス感染、炎症性腸疾患、好中球減少症、血液不全等を有する被検対象の口腔病変に適用できる。これらの被検対象は、口腔びらんまたは他の口腔病変となる傾向があり、および/または口腔病変の治癒が遅れることが多い。例えば、コントロールが困難な糖尿病は、細菌感染に対する主要な防御である好中球、即ち白血球細胞を害する。糖尿病に罹っているヒトは、口腔手術の後または他の歯の処置後に迅速に治癒する課題をもつ。これは、該部位への血流が害される可能性があるためである。いずれの感染の型も、血糖レベルの上昇をもたらし、インスリンを増加させる必要性をもたらす。従って、口腔の病変の治癒に関する迅速化は、糖尿病コントロールを改善できる。これらの条件下で、有効量のグリセロリン酸塩を、抗糖尿病剤、例えばインスリン、エクセナチド、プラムリンチド、スルホニルウレア、メグリチニドなどと併用して投与できる。
別の実施態様において、炎症性腸疾患に罹る患者(クローン病または潰瘍性大腸炎)は、その口腔内で潰瘍、びらんおよび組織増殖を経験し得る。これらの患者の一部は、投薬副作用として口腔真菌感染、即ち鵝口瘡を経験するかもしれない。これらの条件下で、有効量のグリセロリン酸塩を、炎症性腸疾患を処置するために使用した1以上の薬剤、例えば抗炎症性薬物、例えば抗ヒスタミン、免疫抑制剤、例えばステロイド投薬、または生物学投薬、例えばインフリキシマブを併用して投与できる。
免疫系を抑制する薬物、例えばステロイド、グルココルチコイドは、創傷治癒を遅延させ得る。免疫抑制療法を受けているヒト、例えば炎症性腸疾患、自己免疫疾患、または臓器または骨髄移植についての処置を受けている人は、口腔病変の治療に長期間を要する、即ち口腔病変に関連した疾患または症状のリスクが増加する。従って、有効量のグリセロリン酸塩を、口腔病変に関連した疾患または症状を予防するために免疫抑制剤の処置下にある患者に投与することができる。
別の実施態様において、有効量のグリセロリン酸塩を、外傷、全ての型の偶発的な事故、例えば分岐状態の組織裂創、または自動車事故、戦傷、酒場での乱闘による顎への殴打、再発性の口腔皮膚問題、例えば、口内乾燥症等による裂傷を有する被検対象の口腔病変に適用できる。
有効量のグリセロリン酸塩もまた、特定の既存の心臓症状を有する被検対象の口腔病変に適用され得る。特定の口腔細菌は、口腔内の病変から血流に侵入することができ、既存の心臓の問題または心臓症状により弱くなった正常または異常な心臓弁または組織に住み着くことができる。これらの場合には、該細菌は、心内膜炎および他の心臓脈管の口腔病変に関連のある疾患または症状をもたらす心臓弁または組織を損傷するかさらに破壊する。歯周炎と関連のある炎症もまた一要因としてはたらき得る。研究により、増加した血管肥厚レベルおよび歯のプラークに見出される細菌の存在との関連性が見出された。
被検対象が心臓脈管の疾患または症状に関するより高いリスクに掛かりやすい既存の心臓の問題または症状の例示には、人工(人工装具)心臓弁、心内膜炎の既往、例えばリューマチ様熱等の症状による心臓弁ダメージ(瘢痕)、先天的な心臓または心臓弁欠損または肥大型心筋症、外科的に形成された全身性肺疾患シャント、心臓弁による僧帽弁逸脱または僧帽弁逆流(漏出)および/または肥厚尖、または心臓弁異常をもたらす心臓移植が挙げられるが、これに限定しない。有効量のグリセロリン酸塩を口腔病変に投与することによる口腔病変の治療を促進化または迅速化は、該リスクを低下させる、即ちかかる既存の心臓の問題または症状を有する被検対象における口腔病変に関連のある心臓脈管の疾患または症状を予防するであろう。
また別の実施態様において、グリセロリン酸塩は、化学療法または治療的放射療法処置の下で被検対象の口腔病変に適用され得る。特定の副作用は、化学療法または治療的放射療法処置により進行し得る、これには口腔および歯茎の痛み、ドライマウス、火傷、剥離または膨張した舌、ならびに感染が挙げられるが、これらに限定するものではない。これらの副作用は、頭部/頸部領域内のあらゆる型の癌について処置を受けている人にとっての大きな問題を課す。様々な濃度のグリセロリン酸塩の溶液/懸濁液は、口腔周辺でゆすがれる(swirled)か、または口腔内にスプレーするか、または噴出(例えばラバーバルブなどにより)されて、周囲環境が後者に対して痛みが伴いすぎる場合に、激しい局所使用(swishing)により操作することが出来ない口腔の一部により容易に到達させることができる。
本発明の特定の実施態様において、口腔粘膜炎を処置および予防するために、グリセロリン酸塩を被検対象に投与できる。粘膜炎とは、通常、癌のための化学療法および放射線療法処置の副作用として消化管内部の粘膜の有痛性の炎症および潰瘍である。口腔および胃腸(GI)粘膜炎は、高用量の化学療法および造血肝細胞移植(HSCT)を受けている100%の患者に影響を及ぼし、放射線療法を受けている頭部および頸部の悪性腫瘍に罹っている悪性腫瘍の80%の患者に影響を及ぼし、そして化学療法を受けている患者の広範囲に影響を及ぼし得る(Rubenstein et al., Cancer. 2004 May 1;100(9 Suppl):2026-46)。約75-85%の骨髄移植レシピエントは、粘膜炎を経験し、このなかで口腔粘膜炎は、最も一般的であり、特にメルファランが使用される場合に最も衰弱させる(Rubenstein et al., 上掲)。口腔粘膜炎は、特に全身に放射療法を受けるHSCTレシピエントのなかでは、重度かつ長期である(Rubenstein et al.、上掲)。グレード3の口腔粘膜炎において、該患者は、固体の食物を食べることができず、グレード4では、該患者はさらに液体物質を摂取することができない(Rubenstein et al., 上掲)。粘膜炎の痛みだけでなく、鎮痛軽減、経鼻胃栄養(例えば、鼻から胃までの摂取用チューブなど)、胃瘻栄養管または非経口栄養を必要とし、この重症な粘膜炎は、口腔細菌に由来する感染に非常に重要な防御に関する破壊をもたらし、深刻かつ生死に関わる/致死性となり得る。消化管粘膜炎は、死亡率および罹患率を増加させ、医療費の増加に関与する(Rubenstein et al.、上掲)。
癌のための化学療法および放射線療法処置のもとで有効量のグリセロリン酸塩を患者に投与することにより、口腔病変の治療が改善され、その後口腔粘膜炎が処置または予防され、さらに口腔粘膜炎と関連のある疾患または症状が予防される。
別の実施態様において、グリセロリン酸塩は、該被検対象が、口腔病変に関連した疾患または症状に対してより影響を受けやすい期間に、処置中の被検対象の口腔病変に適用され得る。かかる方法は、例えば、特定の型の移植処置;関節置換術;透析治療;歯科処置;口腔手術、例えば、へんとう摘出術または咽頭へんとう切除;感染した口腔組織の切開およびドレナージ;器具による気道の検査、例えば、堅い気管支鏡;特定の型の気道に対する手術;胃腸管処置、または泌尿生殖器処置である。
本発明の特定の実施態様において、被検対象の口腔内の病変をもたらす処置の後に、有効量のグリセロリン酸塩を、該病変の治癒を促進させるためおよび口腔病変に関連のある疾患または症状を予防するために該病変に投与する。有効量グリセロリン酸塩を、該病変上にコーティングを形成するように、乾燥粉末、顆粒またはゲルの形態にて、または口腔洗浄中に、約0.5%〜約75重量%のグリセロリン酸塩を含有して、投与できる。口腔病変をもたらす方法、日常的な生活動作、例えば、咀嚼歯磨き、または歯フロス処置;歯科処置;口腔手術、例えばへんとう摘出術または咽頭へんとう切除;感染した口腔組織の切開およびドレナージ;器具による気道の検査、例えば、堅い気管支鏡;および気道に対する手術または胃腸管が挙げられるが、これに限定しない。
歯科処置には、抜歯;手術、歯石除去、歯根移植、プロービング、およびリコールメンテナンスからなる群から選択される歯周処置;歯科インプラント埋入;脱落歯の再植術;根尖(apex)より上の歯内器具類の使用または手術;抗菌性繊維またはストリップの歯肉縁下の埋入;ブラケット以外の歯列矯正用バンドの初期埋入;子宮広間膜内局所麻酔注射;出血が予測される時の歯またはインプラントの予防的洗浄;収縮コードを使用するかまたは使用しない修復歯科;局所麻酔薬注射;根管治療;後の埋入およびビルドアップ;ラバーダムの埋入;手術後の抜糸;取出し可能な義歯または歯列矯正器具の埋入;歯列矯正器具の調整;口腔のラジオグラフ撮影;および乳歯の脱落などが挙げられるが、これに限定しない。
該病変の治癒およびシーリングを促進するため、即ち口腔病変に関連のある疾患または症状を予防するための口腔の病変へのグリセロリン酸塩の適用は、かかる状況のもとで執られる標準的な使用上の注意を伴う。グリセロリン酸塩は、口腔病変に関連のある疾患または症状を処置または予防するために使用できる1以上の別の薬物と併用して投与され得る。グリセロリン酸塩および別の薬物を、同時または連続して、順次投与できる。別の薬物、例えば特定の抗生物質の活性が、グリセロリン酸塩、例えばグリセロリン酸カルシウムにより抑制される場合、かかる別の薬物が、グリセロリン酸塩投与から1-2時間の時間を避けて投与される。別の薬物を、かかる別の薬物に通例的に使用される投与の経路により、該被検対象に投与できる。該別の薬物は、グリセロリン酸塩と共に口腔の病変に投与するために必ずしも必要とされない。
特定の実施形態において、グリセロリン酸塩を、1以上の他の薬剤と併用して投与できる。他の薬剤は、(1)セロトニン受容体拮抗剤;(2)セロトニン受容体アゴニスト;(3)ヒスタミン受容体拮抗剤;(4) ブラジキニン受容体拮抗剤;(5) カリクレイン阻害剤;(6)ニューロキニン1およびニューロキニン2受容体サブタイプアンタゴニストなどのタキキニン受容体拮抗剤;(7) カルシトニン遺伝子関連性ペプチド(CGRP)受容体拮抗剤;(8)インターロイキン受容体拮抗剤;(9) アラキドン酸代謝体の合成経路において活性である酵素阻害剤(a)ホスホリパーゼ阻害剤、例えばPLA2アイソフォーム阻害剤およびPLCγアイソフォーム阻害剤など、(b)シクロオキシゲナーゼ阻害剤および(c)リポキシゲナーゼ阻害剤;(10)プロスタノイド受容体拮抗剤、例えばエイコサノイドEP-1およびEP-4 受容体サブタイプアンタゴニストなど;およびスロンボキサン受容体サブタイプアンタゴニスト;(11)ロイコトリエン受容体拮抗剤、例えばロイコトリエンB4受容体サブタイプアンタゴニスト;およびロイコトリエンD4受容体サブタイプアンタゴニストなど;(12) オピオイド受容体アゴニスト、例えば mu-オピオイド、Δ-オピオイドおよびκオピオイド受容体サブタイプアゴニスト;(13) ブリノセプターアゴニスト;およびアンタゴニスト、例えばP2X受容体拮抗剤など、ならびにP2Y受容体アゴニスト;および(14)アデノシン三リン酸(ATP)-感作カリウムチャンネル開口剤からなる群から選択されるが、これらに限定されるものではない。
別の実施態様において、グリセロリン酸塩を、1以上の抗感染剤と併用して投与できる。特定の実施態様において、グリセロリン酸塩を、予防的に抗生物質処置と併用して投与できる。歯肉組織の触診、歯の歯根尖端周囲領域、または口腔粘膜の穿孔に関する方法の前に、心内膜炎に対する「高リスク患者」であると考えられる被検対象には、予防的に抗生物質処置が為される。例えば、かかる方法の約30〜60分間前に、ペニシリンに対してアレルギー性ではない患者は、約2グラム(g)のセファレキシン、セフラジンまたはアモキシシリンを経口的に服用するか、またはIM/IVにより約1gのセファゾリンまたは2gのアンピシリンを服用できる;ペニシリンに対してアレルギー性の患者は、経口的またはIM/IVにより約600 mg クリンダマイシンを服用できるか、または経口的に約500 mgのアジスロマイシンまたはクラリスロマイシンのいずれかを服用できる;そして該方法の後に有効量のグリセロリン酸塩を病変に投与できる。
本発明は、非限定的な実施例に対して参照して、より良好に理解されるが、当業者が、本実施例は単に本発明の例示であることは当業者には容易に理解されよう。
実施例
歯をヒトの哺乳動物の被検対象から取り出し、通常のパッキング(packing)を適用した。5針(5)の縫い目が存在する。抜歯後のおよそ2時間、該ヒト被検対象は、口腔を軽くすすぎ流し、おおそよ150ミクロンサイズの顆粒の粉末化したCGP顆粒を直接該歯茎に適用し、粉末を湿らせた。CGP粉末を十分適用して、該病変上に光プラスターコーティングを形成する。これを、おおよそ6時間後、夜就寝前と翌朝繰り返した。全ての場合において、該CGPは、15分間以上、そのまま歯肉上で粘着性の塊の状態で残っており、その後ゆっくりと溶解または消失し、安全に嚥下された。抜歯後の期間は腫れや痛みは全くなかった。鏡によるヒト被検対象による自己観察は、抜歯36-48時間以内で歯茎は正常なピンク色であったことを示した。一般的な抜糸の来院時、即ち抜歯7日後に、歯茎創傷の迅速な治癒が歯周病治療専門医により観察された。歯茎は完全に閉じ、約1週間で正常なピンク色となった。歯周病治療専門医は、彼の15年間の診療において今までに一度もこの速さでこの治癒の品質を見たことはなかったとコメントした。
歯をヒトの哺乳動物の被検対象から取り出し、通常のパッキング(packing)を適用した。5針(5)の縫い目が存在する。抜歯後のおよそ2時間、該ヒト被検対象は、口腔を軽くすすぎ流し、おおそよ150ミクロンサイズの顆粒の粉末化したCGP顆粒を直接該歯茎に適用し、粉末を湿らせた。CGP粉末を十分適用して、該病変上に光プラスターコーティングを形成する。これを、おおよそ6時間後、夜就寝前と翌朝繰り返した。全ての場合において、該CGPは、15分間以上、そのまま歯肉上で粘着性の塊の状態で残っており、その後ゆっくりと溶解または消失し、安全に嚥下された。抜歯後の期間は腫れや痛みは全くなかった。鏡によるヒト被検対象による自己観察は、抜歯36-48時間以内で歯茎は正常なピンク色であったことを示した。一般的な抜糸の来院時、即ち抜歯7日後に、歯茎創傷の迅速な治癒が歯周病治療専門医により観察された。歯茎は完全に閉じ、約1週間で正常なピンク色となった。歯周病治療専門医は、彼の15年間の診療において今までに一度もこの速さでこの治癒の品質を見たことはなかったとコメントした。
本発明の実地適用
本発明の実施態様に関わる方法を、インプラント埋入後の複数の患者に適用した。インプラント患者の年齢の範囲は、30-65齢であった。全ての患者は、特記しなければ、断続的な結び目にて4-0シルク縫糸により創傷閉合が為された。患者に、150ミクロン顆粒で5%未満の湿度である乾燥CGPを、手術後の最初の3日間は 1日に3回、おおそよ4時間間隔をあけて、創傷に適用するよう指導した(PerioCell(登録商標)、AkPharma Inc.、Pleasantville、NJ 08232)。粘膜の軟化組織の治癒が観察され、これらの患者において試験した。患者には、CGPについての使用指示書に沿った患者の服薬遵守を術後(post-op)の来院時に報告させ、優良、良好、平均または不良として評価させた。全ての症例ではないが、ほとんどの場合患者は無理なく遵守した。
本発明の実施態様に関わる方法を、インプラント埋入後の複数の患者に適用した。インプラント患者の年齢の範囲は、30-65齢であった。全ての患者は、特記しなければ、断続的な結び目にて4-0シルク縫糸により創傷閉合が為された。患者に、150ミクロン顆粒で5%未満の湿度である乾燥CGPを、手術後の最初の3日間は 1日に3回、おおそよ4時間間隔をあけて、創傷に適用するよう指導した(PerioCell(登録商標)、AkPharma Inc.、Pleasantville、NJ 08232)。粘膜の軟化組織の治癒が観察され、これらの患者において試験した。患者には、CGPについての使用指示書に沿った患者の服薬遵守を術後(post-op)の来院時に報告させ、優良、良好、平均または不良として評価させた。全ての症例ではないが、ほとんどの場合患者は無理なく遵守した。
患者001は、下顎のオーバーデンチャー(overdenture)に対して3本のインプラントを有し、優良な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、優れた組織の接近、非常に僅かな紅斑または浮腫、および化膿がないことを確認した。術後3週間で、患者の該閉合は優れており、完全に治癒しており、組織は堅くピンク色であった。
患者002は、上顎骨インプラント支持オーバーデンチャーに対して4本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、良好な組織の接近、右の犬歯領域での若干の隙間(gap)、全体的に非常に良好な閉合、および化膿がないことを確認した。該創傷の周縁部のみ軽度の紅斑があった。術後4週間で、歯周病治療専門医は、全体の創傷接近にて完全な治癒を確認した。
患者003は、固定した下顎のハイブリッド人工器官に対して5本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、優良な組織接近を有しかつ化膿がない優良な創傷閉合確認した。左側部上で最も遠位のインプラントは、若干のカバースクリューの露出があった。全てのものを埋入させた。該創傷の周縁部にて中程度の紅斑があった。術後4週間で、歯周病治療専門医は、創傷が顕著なピンク色の健康な組織状態で完全に治癒したことを好意的に確認した。その後全てのインプラントを埋入した。
患者004は、上部左小臼歯領域において1本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、美しい創傷接近に満足した。該縁部にて軽度の浮腫と共に軽度の紅斑のみがあった。化膿がないことを確認した。術後1カ月で、歯周病治療専門医は、紅斑または浮腫がない状態での完全な治癒を確認した。完全なインプラントの被覆(coverage)が達成された。
患者005は、下部左の第一臼歯領域において1本のインプラントを有し、優良な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、非常に僅かな認められた歯肉紅斑を有する完全な創傷周縁部の接近を確認した。該インプラントは完全に被覆された。化膿がないことを確認した。術後1カ月で、患者の治癒は完了した。該周縁部は、インプラントが全体に埋入された状態にて緊密であった。
患者006は、下左部小臼歯領域に2本のインプラントおよび下部右側の臼歯領域中に1本のインプラントを有し、平均的な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、左側部において軽度の組織の隙間を確認した。双方のインプラントカバースクリューが露出した。若干の骨の露出を観察した。右側は、認められる組織の隙間が非常に若干ある状態でわずかに良好であった。両側部は、該創傷周縁部にて軽度の紅斑を有した。術後1カ月で、依然として左側部上でカバースクリューの若干の露出があるものの、状態は良くなっているようであった。該周縁部は若干巻いていた。
患者007は、下部右側小臼歯領域において2本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、該創傷の周縁部に隙間が認められない状態で、非常に良くなってきたことに喜んだ。化膿がない状態で該周縁部には軽度の紅斑があった。術後1カ月に、ピンク色で健康な歯肉生成の完全に閉合した創傷を示した。インプラントは双方埋入された。
患者008は、上部右側の小臼歯領域において1本のインプラントを有し、平均的な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、該周縁部に50%以上の隙間を確認した。この患者は、組織および堅組織の創傷治癒を遅らせる2本のタバコ/日を喫煙したことを認めた。認められた化膿の中心領域と共に該創傷の周縁部にて軽度の紅斑があった。3週間後に、この患者のインプラントを取り除き、喫煙による失敗と見なした。禁煙を厳しく指示して、骨移植片をこの部位に設置した。
患者009は、下部右側小臼歯領域において1本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、隙間がない状態にあるすばらしい創傷接近を確認した。軽度紅斑は、該創傷の周縁部で確認された。化膿がなく、該インプラントの完全な被覆が達成された。術後1カ月に、完全な組織の接近が明らかになった。ピンク色の健康な歯肉組織が確認された。
患者010は、上部左側後部領域において2本のインプラントを有し、優良な服薬遵守を報告した。術後1週間での、歯周病治療専門医はすばらしい創傷接近を喜んだ。隙間が確認されず、該インプラントは双方完全に埋入された。局所的な軽度の紅斑が該創傷の周縁部で確認されただけであった。術後1カ月で、歯周病治療専門医は、患者の完全な創傷接近を喜んだ。隙間は確認されなかった。ピンク色の健康な組織を観察した。
患者011は、下部左側臼歯領域において1本のインプラントを有し、平均的な服薬遵守を報告した。全体的に術後一週間で、患者の治癒は良くなった。若干カバースクリューの露出をもたらす近心面にて若干の組織の隙間があった。創傷のその残部は良好に閉合した。組織周辺の軽度の紅斑を確認した。術後1カ月で非常に良くなった。隙間はなく、該縁部での紅斑または浮腫もなく、不快症状もなかった。
患者012は、下部右側臼歯領域において2本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後1週間で、周辺部にわずかな紅斑がない状態で隙間は見られなかった。化膿がないことを確認した。術後1カ月は、紅斑または浮腫がない状態で優れた治癒が認められた。遠位のインプラントのカバースクリューが若干露出した。近心のインプラントは完全に被覆された。不快症状は報告されなかった。
患者013は、インプラント支持オーバーデンチャーに対して下部後部において3本のインプラントを有した。患者は、服薬遵守しなかったことを認めた。術後一週間で、歯周病治療専門医は、非常に質が悪い組織出現を確認した。顕著に骨が露出した状態にある完全な創傷の隙間があった。該創傷の周縁部は、軽度の紅斑様であった。質が悪い組織の治癒を観察した。一週間後、骨上にいくらかの肉芽組織を有しており、わずかに状態は良くなったように見えたが、該治癒は依然として遅かった。顕著に骨が露出したままであった。状態はゆっくりと回復しているが、骨の露出は特に左側部に依然として存在していた。術後約3週間で、状態は最終的にさらに改善した。カバースクリューの露出状態で真ん中および右側のインプラント上に存在する骨の露出はなかった。この治癒処置の間中、患者は顕著な痛みを示した。
患者014は、上顎骨後部において3本のインプラントを有し、優良な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、優れた創傷接近および完全な閉合の状態を非常に喜んだ。患者は、口腔外でおだやかに歯磨きしたが、しかし該創傷の周縁部は、殆ど紅斑を示さなかった。インプラントは全て被覆された。1カ月の検診では、全てのインプラントが埋入した状態で完全な閉合を示した。若干の紅斑が、創傷端部の右側の台の遠位面にて確認されたが、おそらく一時的な衝撃を理由とするものであろう。不快症状は報告されなかった。
患者015は、下部左後部において2本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、歯周病治療専門医は、すばらしい治癒を喜んだ。隙間は確認されなかった。化膿がない状態で軽度紅斑を観察した。双方のインプラントは埋入された。1カ月の検診から、約半分の近心のインプラントは露出したカバースクリューを示したが、遠位のインプラントは完全に埋入された。全体的に良好な接近および紅斑がないことを観察した。不快症状は報告されなかった。
患者016は、下部左側臼歯領域において2本のインプラントを有し、優良な服薬遵守を報告した。術後一週間で、全てのインプラントが埋入された状態で優れた創傷接近が明らかになった。創傷の遠位面の該周縁部にて軽度の紅斑が唯一存在した。化膿がないことを確認した。
患者017は、上部右側において1本および下部左側にもう1本設置した2本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。創傷閉合は、上顎よりも下顎が良好であった。上顎においていくらかの端部の隙間、若干のカバースクリューの露出、および軽度の周縁部の紅斑があった。下顎の外傷は、認められる隙間がない状態で良好に閉合した。紅斑は少なく、該インプラントは全体的に被覆された。軽度の不快症状がその週に唯一確認された。術後1カ月で、全て良好となったようであった。下顎の創傷は完全に閉合した。紅斑または浮腫は存在しなかった。上顎骨インプラント上で若干のカバースクリューの露出があったが、該創傷は全体的に認められる紅斑がなく治癒した。
患者018は、下部右側後部において1本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後2週間で、創傷閉合は、認められる隙間がない状態で回復したようであった。インプラントは完全に被覆された。歯周病治療専門医が次週に休暇をとっていたため、この創傷をクロム被覆したガット縫合糸(chromic gut suture)により閉合した。2週間の時点では、認められる化膿がない状態で該周縁部に軽度の近心の炎症があった。患者は、治療の最初の第一週目に軽度の不快症状のみを訴え、2週間目で不快症状はないこと述べた。術後1カ月で、認められる完全な閉合により良くなったようであった。隙間および紅斑または浮腫は確認されなかった。
患者019は、上顎骨犬歯領域における1本のインプラントを有する。および服薬遵守の不良を報告した。術後1週間で、端が丸まった状態にて創傷周辺で軽度の隙間が見られた。肉芽組織が該隙間を埋めており、そのためカバースクリューが露出した部分はなかった。軽度の紅斑が確認された。一週間目に、軽度の不快症状が報告された。術後1カ月では、良好な閉合が見られた。該インプラントが完全に埋入した状態にあり、隙間は確認されなかった。側切歯の上でのプラークの蓄積より、軽度紅斑が近心面で確認された。不快症状は報告されなかった。
患者020は、上部右側の後部において1本のインプラントを有し、平均的〜良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、認められる若干のカバースクリューの露出と共に該創傷の周縁部で軽度の隙間が見られた。患者は喫煙者であり、このことは上顎骨創傷の不調をより頻繁にもたらす。化膿がないことを確認した。軽度の不快症状のみが確認された。軽度の紅斑は、該創傷の周縁部で確認された。1カ月の検診により、若干のカバースクリューの露出が見られた。全体的に創傷周縁部は良くなったようであった。いくらかの軽度の紅斑が依然として確認された。
患者021は、上顎骨右側後部において2本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。患者は口腔衛生不良を有する。術後一週間で、インプラントが完全に埋入した状態で良好な創傷接近が見られた。境界部分は若干丸まった。患者が高用量のクマディンを服用するため、2つの血栓が創傷周辺に存在した。軽度の紅斑は、該創傷の周縁部の近心および遠位面で確認されたが、これはおそらく隣接した歯に軽度のプラークの蓄積があったためであろう。患者衛生状態が若干改善したため、1ヶ月の検診では、良くなったように見えた。全てのインプラントは被覆され、該創傷の周縁部は完全に接近した。不快症状は確認されなかった。
患者022は、下顎の右側後部において2本のインプラントを有し、優良な服薬遵守を報告した。術後一週間、全てのインプラントが完全に埋入した状態で優れた創傷接近が見られた。不快症状が軽度〜不快症状がないことを確認した。下顎に対して穏やかに歯磨きを行った。軽度の周縁の紅斑を確認した。患者は、口腔衛生が良好であった。化膿がないことを確認した。術後3週間で、完全なインプラントの被覆状態にある優れた治癒が見られた。周縁部の紅斑または不快症状は確認されなかった。
患者023は、上顎骨右側後部において1本のインプラントと共に上顎骨左後部において2本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、右側よりも左側部での良好な治癒が認められた。インプラントが認められる完全な被覆状態にある左側での隙間は観察されなかった。右側部は2本の天然歯の間にあり、左側部は遠位の遊離端(distal extension)であった。右側部は中程度の隙間を示したが、肉芽組織が隙間を埋めていたのでカバースクリューの露出はない。左側部の軽度の紅斑およびより中程度の右側周縁部の紅斑が確認された。不快症状は確認されなかった。術後3週間で、すばらしい創傷接近にて完全な治癒が左側部で確認された。右側部にて若干のカバースクリューの露出があった。軽度の右側の紅斑が確認された。
患者024は、上顎骨左後部において2本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、該創傷の周縁部で若干の隙間が見られた。該端部は丸くなったが、肉芽組織が隙間を埋めていたので、インプラントカバースクリューは暴露されていなかった。軽度から中程度の周縁部の(輪状)紅斑が確認された。患者は、良好〜平均的な口腔衛生状態であった。最初の数日間に軽度の不快症状が確認され、その後1週間で不快症状がなくなった。術後1カ月は、依然として処置を行わねばならなかった。
患者025は、上顎骨右側後部において1本のインプラントを有し、良好な服薬遵守を報告した。術後一週間で、優れた創傷接近が見られた。軽度の紅斑が確認された。患者は、口腔衛生状態が良好であった。軽度の不快症状、しかし改善する不快症状が確認された。インプラントは全体的に埋入された。化膿がないことを確認した。術後1カ月は、依然として処置を行わねばならなかった。
患者026は、上顎骨左後部において1本のインプラントを有し、平均的な服薬遵守を報告した。患者は喫煙者である。術後一週間、若干隙間が交差した状態にて丸くなった外傷境界が見られる。カバースクリューは若干露出した。認められる軽度の周縁の紅斑が確認された。化膿がないことを確認した。一週間、軽度の不快症状があった。患者は、良好〜平均的な口腔衛生状態となった。術後1カ月は、依然として処置を行わねばならなかった。
インプラント治療および全体的なインプラントの成功に関して、外傷治癒と直接的な相関関係があった。2段階方法における最終目的は、出来る限り殆ど隙間がない状態で緊密な創傷接近を達成することである。組織の隙間が殆どない状態から、組織の隙間がない状態にある良好な治癒を示した患者は、術後の不快症状が少ない状態から術後の不快症状がない状態を報告した。これはインプラントの高い成功率と相関した。より軽度から重度の隙間を有する患者は術後の痛みおよび術後の腫れを有することが多い。
上記の少数かつ一般試験を行った歯周病治療専門医は、上記試験結果から重要な有意性が示されたと考えた。CGPに対する使用指示書に沿った良好および優良な服薬遵守と、わずかな組織隙間から組織隙間がない状態、その後の良好な外傷治癒との間に厳格な相関を認めた。例えば、一般的に、優良な服薬遵守の患者は、紅斑がないか非常に小さく、隙間が少なく、より早い時点での良好な創傷閉合を示した。服薬遵守不良の患者は、組織の隙間および遅い外傷治癒に向かう傾向を最も明確に示した。全体として、下顎創傷は、上顎骨創傷よりも良好に治癒することが判った。これは、おそらく、CGPは下顎(重力)上で良好に埋入するという事実に関連するか、または上顎にある該組織がより下方に向かうために閉合することが困難となるという理由に関連するのであろう。
患者の服薬遵守を必要とするあらゆる試験においてよくあることであるが、一次的に結果に関与する試験薬剤であるかどうか、または薬剤が正確に使用されているかどうか、即ちそれ自体、患者の自己管理の習慣にとってのマーカーであるかどうかに関する決定は、結果への一助となる。特定のファクターは、インプラント配置後の組織治癒に関して複雑にする可能性があることは明白である。喫煙は、外傷治癒不良に加え、インプラントの非統合のリスク増加を紛れもなく増大させる主な要因である。糖尿病の病状もまた大きな要因である。糖コントロールが困難な糖尿病は、本来的に走化性欠点を有し、そのため質が悪い創傷治癒となる。さらに、口腔衛生もまた要因となる。
歯周病治療専門医は、PerioCell(登録商標)(CGP)を使用した術後の歯周インプラント患者の試験から得た2つの最も有意な結果を確認した。第一に、迅速な創傷閉合および創傷接近を観察した。PerioCellの使用は、約1.5〜2週間まで治癒時間を短縮した(30%-50%の改善)。第二に、創傷の周縁紅斑の低下を観察した。組織被覆およびインプラントの成功率との間に直接相関があった。
当業者には理解されるであろうが、変更は、本願発明の広範な概念から逸脱せずに上記した実施形態に対して為され得る。従って、本発明は、特許請求の範囲に規定した本発明の精神および範囲内における修飾を包含することを意図しており、開示した特定の実施形態に限定されるものではないと理解されよう。
Claims (25)
- 被検対象における口腔病変の治療を改善するための方法であって、
(a) 該口腔病変が被検対象の口腔内にあること、および
(b) 該口腔病変の上でコーティングを形成するように乾燥粉末、顆粒またはゲルの形態において、または約0.5%−約75重量%のグリセロリン酸塩を含有する口腔洗浄液において、有効量のグリセロリン酸塩を口腔病変に適用すること、
を含む方法。 - 該グリセロリン酸塩が、口腔病変の上でコーティングを形成するように乾燥粉末、顆粒またはゲルの形態において口腔病変に投与され、該コーティングが約25%〜100重量%のグリセロリン酸塩を含有する、請求項1記載の方法。
- 該口腔病変が、歯茎、頬内部、喉、口蓋、舌または唇にある、請求項1記載の方法。
- 該グリセロリン酸塩は、グリセロリン酸カルシウム、グリセロリン酸マグネシウム、グリセロリン酸亜鉛、グリセロリン酸マンガン、グリセロリン酸リチウム、グリセロリン酸銅(II)、グリセロリン酸鉄、グリセロリン酸キニン、グリセロリン酸二ナトリウム、グリセロリン酸二カルシウム、グリセロリン酸バリウム、グリセロリン酸ストロンチウム、およびその組合せ物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
- 該グリセロリン酸塩はグリセロリン酸カルシウムである、請求項4記載の方法。
- 該被検対象はヒト被検対象である、請求項1記載の方法。
- 被検対象における口腔病変に関連した疾患または症状を予防するための方法であって、
請求項1記載の方法により被検対象における口腔病変の治療を改善すること含む方法。 - 口腔病変に関連のある該疾患または該症状が、口腔の疾患または症状、心臓脈管の疾患または症状、制御が困難な糖尿病、または早産である、請求項7記載の方法。
- 該口腔疾患または症状が歯肉炎、歯周炎、急性の壊死性の潰瘍性歯肉炎、または痛みである、請求項8記載の方法。
- 該心臓脈管の疾患または症状が、心内膜炎、卒中、動脈内のアテローム性動脈硬化プラークまたは僧帽弁逸脱である、請求項8記載の方法。
- 口腔病変に関連のある該疾患または症状が口腔粘膜炎である、請求項7記載の方法。
- 該被検対象が、口腔病変に関連のある疾患または症状に関するより高いリスクを有する、請求項7記載の方法。
- 該被検対象が、既存の心臓症状、糖尿病または別の内分泌障害、免疫性障害、性感染症疾患、ウイルス感染、炎症性腸疾患、好中球減少症、血液障害、外傷、全ての型の偶発的な事故、戦傷、酒場の乱闘による頬の殴打、または再発性の口腔皮膚の問題に悩まされている、請求項12記載の方法。
- 既存の心臓症状が、人工心臓弁、心内膜炎の既往、損傷を受けた心臓弁、先天性心疾患、心臓弁欠損、肥大型心筋症、外科的に構成された全身性肺疾患シャント、および僧帽弁逸脱からなる群から選択される、請求項13記載の方法。
- 該被検対象が、放射療法、化学療法または免疫抑制剤の処置中である、請求項12記載の方法。
- 該被検対象が、口腔粘膜炎に罹患している、請求項15記載の方法。
- 該被検対象が、口腔病変に関連のある疾患または症状に罹りやすくなる処置を行っており、該方法は、移植処置、関節置換術、透析治療、歯科処置、口腔手術、感染した口腔組織の切開およびドレナージ、硬質の器具による気道の検査、気道に対する手術、胃腸管処置および泌尿生殖器処置からなる群から選択される、請求項12記載の方法。
- 該処置前に、該被検対象が、セファレキシン、セフラジン、アモキシシリン、セファゾリン、アンピシリン、クリンダマイシン、アジスロマイシンおよびクラリスロマイシンからなる群から選択される抗生物質による予防的処置を受ける、請求項17記載の方法。
- 該被検対象が、鎮痛薬、抗炎症剤、抗感染剤、抗糖尿病剤、およびその組合せ物からなる群から選択される1以上のさらなる薬剤を受容する、請求項1記載の方法。
- 該口腔病変が、日常的な生活動作、歯科処置、口腔手術、感染した口腔組織の切開およびドレナージ、硬質の器具による気道の検査および気道に対する手術からなる群から選択される処置によって生じる、請求項1記載の方法。
- 日常的な生活動作が、咀嚼、歯磨きまたは歯のフロス処理である、請求項20記載の方法。
- 該歯科的処置が、抜歯;手術、歯石除去、歯根移植、プロービング、およびリコールメンテナンスからなる群から選択される歯周処置;歯科インプラント埋入;脱落歯の再植術;根尖(apex)より上の歯内器具類の使用または手術;抗菌性繊維またはストリップの歯肉縁下の埋入;ブラケット以外の歯列矯正用バンドの初期埋入;子宮広間膜内局所麻酔注射;出血が予測される時の歯またはインプラントの予防的洗浄;収縮コードを使用するかまたは使用しない修復歯科;局所麻酔薬注射;根管治療;後の埋入およびビルドアップ;ラバーダムの埋入;手術後の抜糸;取出し可能な義歯または歯列矯正器具の埋入;歯列矯正器具の調整;口腔のラジオグラフ撮影;および乳歯の脱落、からなる群から選択される、請求項20記載の方法。
- 該口腔手術がへんとう摘出術または咽頭へんとう切除である、請求項20記載の方法。
- 該口腔病変が口腔粘膜炎と関連がある、請求項1記載の方法。
- グリセロリン酸塩、および被検対象における口腔病変の治療を改善するために該グリセロリン酸塩を使用するための指示書を含んでいる、被検対象における口腔病変の治療を改善するためのキット。
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