JP2010537657A - Pdh活性の測定方法及び前記方法で使用するためのイメージング媒体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出によるPDH活性の測定方法及び前記方法で使用するためのイメージング媒体に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出によるPDH活性の測定方法及び前記方法で使用するためのイメージング媒体に関する。
組織内においては、アデノシン三リン酸(ATP)が複合分子の合成及び(筋肉では)収縮のためのエネルギーを供給する。ATPは、グルコース又は長鎖脂肪酸のような高エネルギー基質の代謝から生成される。筋肉のような酸化組織では、ATPの大部分はクエン酸回路に入るアセチルCoAから生成され、したがってアセチルCoAの供給が酸化組織におけるATP生成の重要な決定因子である。
アセチルCoAは、脂肪酸のβ酸化によって生成されるか、或いは解糖経路によるグルコース代謝の結果として生成される。グルコースからのアセチルCoA生成速度を制御する主要調節酵素は、ピルビン酸塩からアセチルCoA及び二酸化炭素への酸化並びにそれに伴うニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)からその還元形(NADH)への還元を触媒するピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)である。したがって、PDHは酸化的解糖の速度を制御すると共に、炭水化物及び脂質燃料の酸化間のバランスを調節する主要酵素である。
最近、PDH複合体活性の変化が比較的稀な原発性PDH欠損症から糖尿病、飢餓、敗血症及びアルツハイマー病のような病的状態及び死亡の主因にまでわたる多くのヒト疾患の特徴であることが理解されたため、PDH複合体の構造及び機能に対する関心が新たになった。
PDHは、ピルビン酸塩からアセチルCoAへの転化を完了するために必要な3種の酵素活性E1、E2及びE3を含む複数のサブユニットの多重コピーからなるミトコンドリア内の多酵素複合体である(Patel et al.,FASEB J.,4,1990,3224−3233)。E1はピルビン酸塩からの二酸化炭素の不可逆的喪失を触媒し、E2はアセチルCoAを生成し、E3はNADをNADHに還元する。2種の追加酵素活性が複合体に付随している。即ち、3つのセリン残基の位置でE1をリン酸化する特定のキナーゼ、及びリン酸化を逆転させるゆるく会合した特定のホスファターゼである。3つのセリン残基のただ1つがリン酸化されると、E1は不活性になる。活性(脱リン酸化)状態にあるPDHの割合は、キナーゼ(PDHキナーゼ、PDHK)の活性とホスファターゼの活性とのバランスによって決定される。キナーゼの活性は、インビボでは[NADH]/[NAD+]、[アセチルCoA]/[CoA]及び[ATP]/[アデノシン二リン酸(ADP)]のような代謝基質の相対濃度並びにピルビン酸塩自体の利用可能性によって調節できる。
PDHの反応は、解糖、糖新生及び脂肪酸合成の代謝経路をクエン酸回路と相互接続するために役立つ。その結果、PDH活性は各種のアロステリックエフェクター及び共有結合修飾によって高度に調節される。
1型及び2型糖尿病のような疾患状態では、脂質酸化の増加に伴ってグルコースの利用が減少し、これが高血糖の一因となる。1型及び2型糖尿病におけるグルコース利用の減少にはPDH活性の低下が付随する。加えて、PDH活性低下のさらなる結果は、ピルビン酸塩濃度の増加が肝臓での糖新生用の基質としての乳酸塩の利用可能性の増加をもたらすことであり得る。PDH活性の上昇はグルコース酸化速度を増加させ、したがって肝臓でのグルコース生産量の減少に加えて総合グルコース利用を増加させ得ると予想するのは合理的である。
糖尿病の原因となるもう1つの因子はインスリン分泌の障害であって、これには膵臓β細胞でのPDH活性の低下が付随することが証明されている(Zhou et al.,Diabetes 45,1996,580−586)。
グルコースの酸化は、酸素1モルに付き、脂肪酸の酸化より多くのADPを生み出すことができる。心不全やある種の心筋障害、心筋虚血、(間欠性跛行をはじめとする)末梢血管病、大脳虚血や再灌流、筋肉虚弱、高脂血症、アルツハイマー病及びアテローム性動脈硬化症のように、エネルギー要求量がエネルギー供給量を超えている可能性がある状態では、PDH活性を高めることで基質利用のバランスをグルコース代謝に向けてシフトさせることは、ATPレベル、したがってATP機能を維持する能力を改善すると期待できる。
前述の通り、糖尿病状態は、糖新生を抑制しかつ末梢組織でのグルコース処理を促進することでPDH活性化から利益を受けるはずである。このような提案を支持する予備的な証拠がジクロロ酢酸塩(DCA)を用いて得られた。現在、効力及び特異性の改善をもたらすPDHKの新規小分子阻害剤の探求が数年にわたって進行している。
上記の事実から、PDH活性の測定がある種の障害及び疾患の診断において重要な役割を果たすことは明らかである。さらに、PDH活性を測定することは、治療応答(例えば、PDH活性に影響を及ぼす(即ち、PDH活性を高める)薬物での治療に対する応答)の評価及びPDH活性に影響を与える薬物の薬物スクリーニングに際して決定的に重要である。
様々なPDH活性測定方法が知られているが、これらはインビトロ試験及びインビボ試験に大別できる。
国際公開第2004/021000号には、患者試料からPDHを活性状態で免疫沈降させるために使用できる、PDHに対して特異的な抗体が開示されている。PDHの量及び/又は活性状態は、イムノアッセイによってインビトロで測定できる。
インビトロPDH活性試験は、さらに国際公開第99/62506号に開示されている。これらのアッセイは、PDHキナーゼのPCR単離及びクローニングのような時間のかかる調製方法を含む、単離酵素を用いたインビトロアッセイであるか、或いは一次細胞の単離を必要とする細胞アッセイである。
インビボPDH活性は、取り出した組織試料(例えば、筋肉試料又は肝臓試料)を国際公開第99/62506号に記載されたようにして抽出することによりエクスビボアッセイで測定できる。抽出物の一部をブタ心臓から調製したPDHホスファターゼで処理し、未反応試料の活性をStansbie et al.,Biochem.J.154(1976),225の方法で調製した脱リン酸化試料の活性と比較する。
したがって、PDH活性を測定するため(特にPDH活性をインビボで測定するため)の新規で改良された方法に対するニーズが存在している。
国際公開第2006/011810号パンフレット
このたび、13C−MR検出を使用することで、過分極13C−ピルビン酸塩がPDH活性をインビボ及びインビトロで測定するための薬剤として使用できることを見出した。
上述の通り、ピルビン酸塩はクエン酸回路中の前駆体であり、PDHはピルビン酸塩からアセチルCoA及び二酸化炭素(CO2)への酸化を触媒し、後者は重炭酸イオン(HCO3 -)と急速に平衡化する。
過分極13C−ピルビン酸塩からその代謝産物である過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩(131−ピルビン酸塩、131,2−ピルビン酸塩、131,3−ピルビン酸塩又は131,2,3−ピルビン酸塩の場合のみ)及び過分極13C−アラニンへの代謝転化は、MRを用いてヒト及びヒト以外の動物の体内における代謝過程を研究するために使用できることが判明している。131−ピルビン酸塩は、37℃のヒト全血中で約42秒のT1緩和を有する。しかし、過分極13C−ピルビン酸塩から過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンへの転化は、13C−ピルビン酸塩出発化合物及びその代謝産物からの信号検出を可能にするのに十分速いことが判明している。アラニン、重炭酸塩及び乳酸塩の量は、研究対象である組織の代謝状態に依存する。過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンのMR信号強度は、これらの化合物の量及び検出時における分極の残存率に関係しているので、過分極13C−ピルビン酸塩から過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンへの転化をモニターすることにより、非侵襲的なMRイメージング又はMR分光法を用いることでヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程をインビボで調べることが可能となる。
さらに、様々なピルビン酸塩代謝産物に由来するMR信号振幅は、組織の種類に応じて変化するが判明している。アラニン、乳酸塩、重炭酸塩及びピルビン酸塩によって形成される特有の代謝ピークパターンは、検査対象である組織の代謝状態に関するフィンガープリントとして使用でき、したがって健常組織と罹患組織との識別を可能にする。腫瘍イメージング(腫瘍組織は高い代謝活性を示す)のための過分極13C−ピルビン酸塩の使用は、国際公開第2006/011810号に詳述されている。
さらに、心臓イメージングのための過分極13C−ピルビン酸塩の使用は、国際公開第2006/054903号に記載されている。
かくして第1の態様では、本発明は、過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出によるPDH活性の測定方法であって、13C−重炭酸塩の信号及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号を検出する方法を提供する。
図1は、ラットにSTZを注射して1型糖尿病のモデルを誘発する前(「STZ前」)及び後(「STZ後」)における13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比の比較を示している。「*」はp=0.01を表している。 図2は、ラットにおける13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比に対する飢餓(「絶食」)の効果を示している。「**」はp<0.0001を表している。 図3は、高脂肪飼料(「HFF」)で飼育したラットに関する13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比の経時変化(2週目及び4週目)を基線と比較して示している。 図4は、給餌ラット(「給餌対照」)、飢餓ラット(「絶食対照」)、高脂肪飼料で飼育したラット(「高脂肪飼育」)及び糖尿病ラット(「STZ」)に関する活性PDH/総PDH比(%)を示している。 図5は、(Seymourら(Seymour,A.M.& Chatham,J.C.(1997)J Mol Cell Cardiol 29,2771−2778)によって以前に記載されたプロトコルに従い)エクスビボ心臓組織に関して測定したPDH活性と、本発明の方法に従って13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比を測定することで求めたPDH活性との相関関係を示している。 図6は、その上部には、甲状腺機能亢進症の誘発前(「基線」)及び誘発後(7日−T3)にラットで取得した単一平均MRスペクトルを、対照群(7日−対照)で取得されたMRスペクトルと比較して示している。図6の下部には、罹患群(T3)及び対照群(対照)の7日目の13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比(灰色の三角形)が基線(黒色の菱形)と比較して示されている。 図7は、過分極13C−ピルビン酸塩(薄い灰色の棒)又は過分極13C−ピルビン酸塩とリンゴ酸塩の混合物(濃い灰色の棒)の注射後の給餌ラット及び絶食ラットにおける13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩比の比較を示している。
「PDH活性の測定」という用語は、初速度の測定及び速度定数の決定を含むPDH活性の初期測定を意味している。
13C−MR検出」という用語は、13C−MRイメージング又は13C−MR分光法或いは13C−MRイメージングと13C−MR分光法の組合せ(即ち、13C−MR分光イメージング)を意味する。この用語はさらに、様々な時点における13C−MR分光イメージングも意味する。
「イメージング媒体」という用語は、MR活性剤(即ち、イメージング剤)として過分極13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物を意味する。
本発明の方法で使用するイメージング媒体は、インビボ13C−MR検出(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体内での13C−MR検出)用のイメージング媒体として使用できる。さらに、本発明の方法で使用するイメージング媒体は、例えば、いずれもヒト又はヒト以外の動物の身体から導かれる細胞培養物、身体試料(例えば血液又は脳脊髄液)、エクスビボ組織(例えば、生検で得られるエクスビボ組織)又は単離器官に関するインビトロ13C−MR検出用のイメージング媒体としても使用できる。
13C−ピルビン酸塩」という用語は、13Cで同位体濃縮された(即ち、13C同位体の量がそれの天然存在比より多い)13C−ピルビン酸の塩を意味する。
本発明の方法で使用する過分極13C−ピルビン酸塩の同位体濃縮度は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上であり、90%を超える同位体濃縮度が最も好ましい。理想的には、濃縮度は100%である。本発明の方法で使用する13C−ピルビン酸塩は、少なくともC1位置(以下131−ピルビン酸塩と表示する)において同位体濃縮されていなければならない。これは、ピルビン酸塩のC1位置がピルビン酸塩のPDH触媒酸化によって生成される二酸化炭素(したがって重炭酸塩)の一部となるからである。さらに、本発明の方法で使用する13C−ピルビン酸塩は、C1及びC2位置(以下131,2−ピルビン酸塩と表示する)、C1及びC3位置(131,3−ピルビン酸塩と表示する)又はC1、C2及びC3位置(以下131,2,3−ピルビン酸塩と表示する)において同位体濃縮することができる。131−ピルビン酸塩は容易に入手できると共に、37℃のヒト全血中で好適に高いT1緩和(約42秒)を有しているので、C1位置のみでの同位体濃縮が好ましい。
「過分極」及び「分極」という用語は以後は互換的に使用され、0.1%を超え、さらに好ましくは1%を超え、最も好ましくは10%を超える核分極レベルを意味する。
分極レベルは、例えば、固体過分極13C−ピルビン酸塩(例えば、13C−ピルビン酸塩の動的核分極(DNP)によって得られる固体過分極13C−ピルビン酸塩)の固体状態13C−NMR測定によって決定できる。固体状態13C−NMR測定は、好ましくは小さいフリップ角を用いる単パルス取得NMRシーケンスからなる。NMRスペクトル中の過分極13C−ピルビン酸塩の信号強度を、分極プロセス前に取得したNMRスペクトル中の13C−ピルビン酸塩の信号強度と比較する。次いで、分極前後における信号強度の比から分極レベルを計算する。
同様に、溶解した過分極13C−ピルビン酸塩に関する分極レベルは、液体状態NMR測定によって決定できる。この場合にも、溶解した過分極13C−ピルビン酸塩の信号強度を、既知組成の参照試料(例えば、液体のピルビン酸又は水溶液として溶解したピルビン酸ナトリウム)の信号強度と比較する。次いで、任意には相対濃度に関して補正した、過分極13C−ピルビン酸塩及び既知参照試料の信号積分の比から分極レベルを計算する。分極度はまた、過分極が消失した後における同じ13C−ピルビン酸塩試料の熱平衡信号との比較によって決定することもできる。
NMR活性13C核の過分極は、例えば国際公開第98/30918号、同第99/24080号及び同第99/35508号(これらの開示内容はいずれも援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載されている様々な方法によって達成でき、過分極方法には、希ガスからの分極移動、「ブルートフォース(brute force)」、スピン冷凍、パラ水素法及び動的核分極(DNP)がある。
過分極13C−ピルビン酸塩を得るためには、13C−ピルビン酸塩を直接に分極させるか、或いは13C−ピルビン酸を分極させ、次いで分極13C−ピルビン酸を(例えば、塩基での中和により)分極13C−ピルビン酸塩に転化させることが好ましい。
過分極13C−ピルビン酸塩を得るための好適な方法の1つは、国際公開第98/30918号に記載されている過分極希ガスからの分極移動である。非ゼロ核スピンを有する希ガスは、円偏光の使用によって過分極させることができる。過分極希ガス(好ましくはHe又はXe或いはかかるガスの混合物)を用いて13C核の過分極を達成することができる。過分極ガスは気相中にあってもよく、液体/溶媒中に溶解されてもよく、或いは過分極ガス自体を溶媒として使用してもよい。別法として、ガスを冷却固体表面上に凝縮させ、この形態で使用してもよいし、或いは昇華させてもよい。過分極ガスと13C−ピルビン酸塩又は13C−ピルビン酸とを緊密に混合することが好ましい。したがって、室温で液体である13C−ピルビン酸を分極させるならば、過分極ガスを液体/溶媒中に溶解するか、或いはこれを溶媒として使用することが好ましい。13C−ピルビン酸塩を分極させるならば、過分極ガスをピルビン酸塩も溶解する液体/溶媒中に溶解することが好ましい。
過分極13C−ピルビン酸塩を得るための別の好適な方法は、非常に低い温度及び高い磁場での熱力学的平衡化によって13C核に分極を付与するものである。過分極は、NMR分光計の動作磁場及び温度に比べ、非常に高い磁場及び非常に低い温度(ブルートフォース)の使用によって達成される。使用する磁場強度はできるだけ高くすべきであり、好適には1Tより高く、好ましくは5Tより高く、さらに好ましくは15T以上であり、特に好ましくは20T以上である。温度は非常に低くすべきであり、例えば4.2K以下、好ましくは1.5K以下、さらに好ましくは1.0K以下、特に好ましくは100mK以下である。
過分極13C−ピルビン酸塩を得るための別の好適な方法は、スピン冷凍法である。この方法は、スピン冷凍分極による固体化合物又は系のスピン分極をカバーする。かかる系には、三次若しくはそれ以上の対称軸をもつ好適な結晶質常磁性物質(例えば、Ni2+、ランタニド又はアクチニドイオン)がドープされるか、或いは緊密に混合される。共鳴励起磁場を全く加えないので均一な磁場は必要とされず、その計装はDNPのために必要なものより簡単である。このプロセスは、磁場の方向に直角な軸の周りで試料を物理的に回転させることによって実施される。この方法に関する前提条件は、常磁性種が高度に異方性のg因子をもつことである。試料回転の結果として、電子常磁性共鳴が核スピンと接触し、核スピン温度の低下をもたらす。試料回転は、核スピン分極が新たな平衡に達するまで実施される。
好ましい実施形態では、過分極13C−ピルビン酸塩を得るためにDNP(動的核分極)が使用される。DNPでは、分極させるべき化合物中のMR活性核の分極は、不対電子を含む化合物である分極剤又はいわゆるDNP剤によって達成される。DNPプロセス中には、通常はマイクロ波放射の形態でエネルギーが供給され、これがまずDNP剤を励起する。基底状態への崩壊に際して、DNP剤の不対電子から分極させるべき化合物のNMR活性核(例えば、13C−ピルビン酸塩中の13C核)への分極の移動が起こる。一般に、DNPプロセスでは中程度の又は高い磁場及び非常に低い温度が使用されるのであって、例えばDNPプロセスは液体ヘリウム及び約1T以上の磁場中で実施される。別法として、中程度の磁場及び十分な分極増強が達成される任意の温度を使用することもできる。DNP技法は、例えば国際公開第98/58272号及び同第01/96895号に一層詳しく記載されており、これらの開示内容はいずれも援用によって本明細書の内容の一部をなしている。
DNP法によって化合物を分極させるためには、分極させるべき化合物とDNP剤との混合物(「試料」)を調製し、次いでこれを凍結して分極用のDNP分極装置内に固体として挿入するか、或いはDNP分極装置内に液体として挿入すれば非常に低い周囲温度のために前記装置内で凍結する。分極後、凍結した固体過分極試料は、融解又は適当な溶解媒質中への溶解によって急速に液体状態に移行される。溶解が好ましく、凍結過分極試料の溶解プロセス及びそのための好適な装置は国際公開第02/37132号に詳述されている。融解プロセス及び融解用の好適な装置は、例えば国際公開第02/36005号に記載されている。
分極させるべき化合物中に高い分極レベルを得るためには、DNPプロセス中に前記化合物とDNP剤とが緊密に接触している必要がある。凍結又は冷却時に試料が結晶化するならば、それに当てはまらない。結晶化を避けるためには、試料中にガラス形成剤を存在させる必要があり、或いは凍結時に結晶化せずにガラスを形成する化合物を分極用として選択する必要がある。
前述の通り、13C−ピルビン酸又は13C−ピルビン酸塩が過分極13C−ピルビン酸塩を得るための好適な出発原料である。
同位体濃縮された13C−ピルビン酸塩は、例えば13C−ピルビン酸ナトリウムとして商業的に入手できる。別法として、それはS.Anker,J.Biol.Chem.176,1948,1333−1335に記載されたようにして合成できる。
131−ピルビン酸の合成のためには、いくつかの方法が当技術分野で知られている。簡単に述べれば、Seebach et al.,Journal of Organic Chemistry 40(2),1975,231−237には、カルボニル含有出発原料をS,S−アセタール(例えば、1,3−ジチアン又は2−メチル−1,3−ジチアン)として保護及び活性化することに基づく合成経路が記載されている。かかるジチアンをメタレート化し、メチル含有化合物及び/又は13CO2と反応させる。この参考文献中に略述されているような適当な同位体濃縮13C−成分を使用することで、131−ピルビン酸塩、132−ピルビン酸塩又は131,2−ピルビン酸塩を得ることが可能である。次いで、文献中に記載されている通常の方法を用いてカルボニル官能基を遊離させる。異なる合成経路は酢酸から開始するが、酢酸をまず臭化アセチルに転化させ、次いでCu13CNと反応させる。得られたニトリルはアミドを介してピルビン酸に転化される(例えば、S.H.Anker et al.,J.Biol.Chem.176(1948),1333又はJ.E.Thirkettle,Chem.Commun.(1997),1025を参照されたい)。さらに13C−ピルビン酸は、例えば米国特許第6,232,497号に記載された方法又は国際公開第2006/038811号に記載された方法により、商業的に入手できる13C−ピルビン酸ナトリウムへのプロトン付加によって得ることができる。
DNPによる13C−ピルビン酸の過分極は、国際公開第2006/011809号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に詳述されている。簡単に述べれば、13C−ピルビン酸は凍結時にガラスを形成するので、それはDNPのためにそのまま使用できる。DNP後、凍結過分極13C−ピルビン酸を溶解して中和すること(即ち、13C−ピルビン酸塩に転化させること)が必要である。転化のためには、強塩基が必要である。さらに、13C−ピルビン酸は強酸であるので、この強酸中で安定なDNP剤を選択する必要がある。好ましい塩基は水酸化ナトリウムであり、水酸化ナトリウムによる過分極13C−ピルビン酸の転化は過分極13C−ピルビン酸ナトリウムを生じる。これは、インビボMRイメージング及び/又は分光法(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体に関して実施されるMRイメージング及び/又は分光法)のために使用されるイメージング媒体用の好ましい13C−ピルビン酸塩である。
別法として、13C−ピルビン酸塩(即ち、13C−ピルビン酸の塩)をDNPのために使用できる。好ましい塩は、国際公開第2007/111515号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に詳述されているように、NH4 +、K+、Rb+、Cs+、Ca2+、Sr2+及びBa2+、好ましくはNH4 +、K+、Rb+及びCs+、さらに好ましくはK+、Rb+及びCs+、最も好ましくはCs+からなる群からの無機陽イオンを含む13C−ピルビン酸塩である。これらの好ましい13C−ピルビン酸塩の合成法もまた、国際公開第2007/111515号に開示されている。過分極13C−ピルビン酸塩をインビボMRイメージング及び/又は分光法用のイメージング媒体中に使用するならば、NH4 +、K+、Rb+、Cs+、Ca2+、Sr2+及びBa2+からなる群からの無機陽イオンを生理学的に非常によく容認される陽イオン(例えば、Na+又はメグルミン)と交換することが好ましい。これは、陽イオン交換カラムの使用のような当技術分野で公知の方法で行うことができる。
さらに他の好ましい塩は、国際公開第2007/069909号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に詳述されているように、有機アミン又はアミノ化合物の13C−ピルビン酸塩(好ましくは、TRIS−13C−ピルベート又はメグルミン−13C−ピルベート)である。これらの好ましい13C−ピルビン酸塩の合成法もまた、国際公開第2007/069909号に開示されている。
本発明の方法で使用する過分極13C−ピルビン酸塩がDNPによって得られるならば、13C−ピルビン酸又は13C−ピルビン酸塩及びDNP剤を含む分極させるべき試料は、さらに常磁性金属イオンを含み得る。DNPによって分極させるべき組成物中に常磁性金属イオンが存在することは、国際公開第2007/064226号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に詳述されているように、13C−ピルビン酸/13C−ピルビン酸塩中の分極レベルの向上をもたらすことが判明している。
別の実施形態では、本発明の方法で使用するイメージング媒体は過分極13C−ピルビン酸塩及びリンゴ酸塩を含んでいる。かくして第2の態様では、本発明は、リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出によるPDH活性の測定方法であって、13C−重炭酸塩の信号及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号を検出する方法を提供する。
本発明の文脈中における「リンゴ酸塩」という用語は、リンゴ酸の塩を意味する。リンゴ酸塩は過分極していない。
リンゴ酸塩は、好適には分極プロセス後に過分極13C−ピルビン酸塩に添加される。いくつかのリンゴ酸塩添加方法が可能である。分極プロセスが過分極13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物を生じる場合には、リンゴ酸塩を前記液体組成物中に溶解するか、或いは適当な溶媒(好ましくは水性キャリヤー)中のリンゴ酸塩溶液を液体組成物に添加すればよい。分極プロセスが(例えば、DNPを使用した場合に)過分極13C−ピルビン酸塩又は13C−ピルビン酸を含む固体組成物を生じるならば、固体組成物を溶解するために使用する溶媒媒質にリンゴ酸塩を添加して溶解すればよい。例えば、DNP法によって分極させた13C−ピルビン酸塩を、リンゴ酸塩を含む水又は緩衝液のような水性キャリヤー中に溶解してもよいし、或いはDNP法によって分極させた13C−ピルビン酸を、塩基を含む溶解媒質中に溶解してピルビン酸をピルビン酸塩及びリンゴ酸塩に転化させてもよい。別法として、リンゴ酸塩を最終液体組成物(即ち、溶解/融解後の液体組成物或いはDNP剤及び/又は任意の常磁性金属イオンの除去後の液体組成物)に添加してもよい。この場合にも、リンゴ酸塩は固体として液体組成物に添加してもよいし、或いは好ましくは適当な溶媒(例えば、水又は緩衝液のような水性キャリヤー)中に溶解してもよい。リンゴ酸塩の溶解を促進するためには、当技術分野で公知のいくつかの手段(例えば、撹拌、かきまぜ、渦動又は音波処理)を使用できる。しかし、迅速であると共に、混合装置を必要とせずに液体組成物との接触を助ける方法が好ましい。
好適には、リンゴ酸塩はリンゴ酸又はリンゴ酸の塩(好ましくはリン酸ナトリウム)の形態で添加される。本発明の方法で使用するイメージング媒体中における過分極13C−ピルビン酸塩及びリンゴ酸塩の濃度はほぼ等しいか、或いはリンゴ酸塩が13C−ピルビン酸塩より低い濃度又は高い濃度で存在する。例えば、イメージング媒体がxMの13C−ピルビン酸塩を含むならば、それはxM又はほぼxMのリンゴ酸塩、或いはそれより少ないが好ましくはxMの1/10以上のリンゴ酸塩、或いはそれより多いが好ましくはxMの3倍以下のリンゴ酸塩を含む。好ましい実施形態では、本発明の方法で使用するイメージング媒体中におけるリンゴ酸塩の濃度は過分極13C−ピルビン酸塩の濃度にほぼ等しいか又は等しい。「ほぼ等しい濃度」という用語は、13C−ピルビン酸塩濃度の±30%、好ましくは±20%、さらに好ましくは±10%であるリンゴ酸塩濃度を意味する。
リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を使用することで、PDH調節の性質を確認することができる。前述のように、PDKによる酵素複合体の不活性化によってPDHの流れを阻止することができ、或いは最終産物阻害によってPDHの流れを即座に阻止することもできる。NADH/NAD+比又はアセチルCoA/CoA比の増加はPDHによって媒介されるピルビン酸塩酸化を減少させることが証明されており、クレブス回路中へのアセチルCoA取込みのためのオキサロ酢酸塩利用可能性がミトコンドリア内アセチルCoA濃度の基本決定因子である。リンゴ酸塩はグルコースの酸化代謝の中間体であり、アナプレロティック経路を通してオキサロ酢酸塩としてクレブス回路に入って全体的な炭素の流れを増加させることができる。この仮説に束縛されることは望まないが、我々は、リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を投与することにより、PDHに対する最終産物阻害の程度を制限できると共に、PDH活性が高い場合には、本発明の方法によって測定できる酵素複合体を通してのピルビン酸塩の流れを増加させると推測している。PDH活性が低い状況では、我々は、最終産物阻害はあまり重要でなく、イメージング媒体中に存在するリンゴ酸塩は本発明の方法によって測定できる酵素複合体を通してのピルビン酸の流れに影響を及ぼさないという仮説を立てている。
さらに別の実施形態では、イメージング媒体そのものの中にはリンゴ酸塩が存在しないが、本発明の方法で使用するイメージング媒体の投与前にリンゴ酸塩が検査対象の被験体(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体、細胞培養物、血液試料のような身体試料、生検で得られる組織のようなエクスビボ組織或いは単離器官)に投与される。
前述の通り、本発明の方法に係るイメージング媒体は、13C−MR検出によるインビボPDH活性測定(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体におけるPDH活性測定)のためのイメージング媒体として使用できる。この目的のためには、イメージング媒体はヒト又はヒト以外の動物の生体への投与に適した組成物として提供される。かかるイメージング媒体は、MR活性剤である13C−ピルビン酸塩に加えて、水性キャリヤー、好ましくは生理学的に容認されかつ薬学的に許容される水性キャリヤー(例えば、水、緩衝液又は食塩水)を含むことが好ましい。かかるイメージング媒体はさらに、通常の薬学的又は獣医学的キャリヤー又は賦形剤(例えば、ヒト医学又は獣医学における診断用組成物のために常用されているような製剤化補助剤)を含むことができる。
さらに、本発明の方法に係るイメージング媒体は、13C−MR検出による測定(即ち、細胞培養物、血液試料のような身体試料、生検組織のようなエクスビボ組織又は単離器官におけるPDH活性測定)のためのイメージング媒体として使用できる。この目的のためには、イメージング媒体は、例えば細胞培養物、血液試料、生検組織のようなエクスビボ組織又は単離器官への投与に適した組成物として提供される。かかるイメージング媒体は、MR活性剤である13C−ピルビン酸塩に加えて、インビトロ細胞又は組織アッセイに適合しかつそのために使用される溶媒(例えば、DMSO又はメタノール或いは水性キャリヤー及び非水性溶媒を含む溶媒混合物(例えば、DMSOと水又は緩衝液との混合物或いはメタノールと水又は緩衝液との混合物))を含むことが好ましい。当業者には自明の通り、かかるイメージング媒体中には薬学的に許容されるキャリヤー、賦形剤及び製剤化補助剤が存在し得るが、かかる目的のために必要なわけではない。
本発明の方法で使用するイメージング媒体をPDH活性のインビボ測定(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体内での測定)のために使用するならば、前記イメージング媒体は好ましくは前記生体に非経口的に(好ましくは静脈内に)投与される。一般に、検査すべき生体はMR磁石内に配置される。専用の13C−MR RFコイルが、検査対象領域をカバーするように配置される。イメージング媒体の正確な用量及び濃度は、毒性及び投与経路のような一連の因子に依存する。好適には、イメージング媒体は体重1kg当たりピルビン酸塩1mmol以下、好ましくは0.01〜0.5mmol/kg、さらに好ましくは0.1〜0.3mmol/kgの濃度で投与される。投与後400秒未満、好ましくは120秒未満、さらに好ましくは投与後60秒未満に、MRイメージングシーケンス(好ましくは、検査対象体積をエンコードするもの)を複合した周波数及び空間選択的な方法で適用する。MRシーケンスの正確な適用時間は、検査対象体積及び化学種に大きく依存する。
本発明の方法で使用するイメージング媒体をPDH活性のインビトロ測定のために使用するならば、前記イメージング媒体は13C−ピルビン酸塩について1〜100mM、さらに好ましくは20〜90mM、最も好ましくは40〜80mMである。
本発明の方法に従えば、PDH活性は13C−重炭酸塩信号及び任意には13C−ピルビン酸塩信号を検出することで測定できる。かかる測定は、131−ピルビン酸塩について示す下記反応に基づいている。式中、*13C−標識を表している。
スキーム1に従えば、PDH活性の低下は、二酸化炭素生成の減少、したがって13C−重炭酸塩信号の減少となって現れる。生理的pHでは、CO2/重炭酸塩平衡は重炭酸塩に向かってシフトする。
本発明の文脈中における「信号」という用語は、13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩を表す13C−MRスペクトル中のピークの、ノイズに対するMR信号振幅又は積分又はピーク面積をいう。好ましい実施形態では、信号はピーク面積である。
好ましい実施形態では、13C−重炭酸塩及び13C−ピルビン酸塩の信号が検出される。
本発明の方法の好ましい実施形態では、上述した13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号を用いて、PDH活性の指標である代謝プロファイルが生成される。本発明の方法がインビボで(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体内で)実施されるならば、前記代謝プロファイルは全身から導くことができ、例えば全身のインビボ13C−MR検出によって得ることができる。別法として、前記代謝プロファイルは、検査対象領域又は体積(即ち、前記ヒト又はヒト以外の動物の生体の特定組織、器官又は部分)から生成される。
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、上述した13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号を用いて、ヒト又はヒト以外の動物から導かれる細胞培養物中の細胞、血液試料のような身体試料、生検組織のようなエクスビボ組織又は単離器官の代謝プロファイルが生成される。その場合、前記代謝プロファイルはインビトロ13C−MR検出によって生成される。
かくして、好ましい実施形態では、過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出によるPDH活性の測定方法であって、13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号を検出し、前記信号を用いて代謝プロファイルを生成する方法が提供される。
好ましい実施形態では、13C−重炭酸塩及び13C−ピルビン酸塩の信号を用いて前記代謝プロファイルが生成される。
一実施形態では、13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩のスペクトル信号強度を用いて代謝プロファイルが生成される。別の実施形態では、13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩のスペクトル信号積分を用いて代謝プロファイルが生成される。別の実施形態では、13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の個別画像からの信号強度を用いて代謝プロファイルが生成される。さらに別の実施形態では、13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号強度を2以上の時点で求めることで13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の変化速度が計算される。
別の実施形態では、代謝プロファイルは13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の処理信号データ(例えば、多重MR検出の信号パターン(即ち、スペクトル又は画像)から導き出される信号の比、補正信号或いは動力学的又は代謝速度定数情報)を含むか、或いはかかる処理信号データを用いて生成される。かくして、好ましい実施形態では、補正13C−重炭酸塩信号(即ち、13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩信号)が代謝プロファイル中に含まれるか、或いはそれを用いて代謝プロファイルが生成される。さらに別の好ましい実施形態では、補正13C−重炭酸塩/総13C−炭素信号が代謝プロファイル中に含まれるか、或いはそれを用いて代謝プロファイルが生成される。ここで、総13C−炭素信号は13C−重炭酸塩及び13C−ピルビン酸塩の信号の和である。さらに好ましい実施形態では、13C−重炭酸塩とピルビン酸塩との比が代謝プロファイル中に含まれるか、或いはそれを用いて代謝プロファイルが生成される。
本発明に係る方法の好ましい実施形態で生成された代謝プロファイルは、検査すべき生体、生体部分、細胞、組織、身体試料などのPDH活性を表し、得られた前記情報は例えば様々な目的のために以後の段階で使用できる。
これらの目的の1つは、PDH活性を変化させる化合物、好ましくはPDH活性を高める化合物の評価であり得る。PDH活性を高める化合物は、糖尿病、肥満(Curto et al.,Int.J.Obes.21,1997,1137−1142)及び乳酸血症のようなグルコース利用障害に関連する疾患状態の治療に価値を有する可能性がある。さらに、かかる化合物は、(間欠性跛行をはじめとする)末梢血管病、心不全やある種の心筋障害、筋肉虚弱、高脂血症及びアテローム性動脈硬化症のように、組織へのエネルギーリッチ基質の供給が制限される疾患において有用性を有すると期待できる(Stacpoole et al.,N.Engl.J.Med.298,1978,526−530)。PDHを活性化する化合物は、アルツハイマー病を治療するためにも有用であり得る(Gibson et al.,J.Neural.Transm.105,1998,855−870)。
一実施形態では、本発明の方法はインビトロで実施され、得られた情報がPDH活性を変化させる可能性がある薬物の効果を(例えば、薬物発見及び/又はスクリーニングプロセスで)評価するために使用される。かかる実施形態では、本発明の方法は適当な細胞培養物又は組織において実施できる。細胞又は組織を可能性のある薬物と接触させ、本発明の方法に従った13C−MR検出によってPDH活性を測定する。処理細胞又は組織のPDH活性を未処理細胞又は組織のPDH活性と比較することで、可能性のある薬物の効果に関する情報を得ることができる。別法として、処理の前後における細胞又は組織のPDH活性を測定することでPDH活性の変化を求めることができる。かかる薬物効果の評価は例えばマイクロプレート上で実施できるが、これは各種の可能性のある薬物及び/又は可能性のある薬物の様々な用量の並行試験を可能にし、したがってそれを高スループットスクリーニングのために好適なものにするであろう。
別の実施形態では、本発明の方法はインビボで実施され、得られた情報がPDH活性を変化させる可能性がある薬物の効果をインビボで評価するために使用される。かかる実施形態では、本発明の方法は例えば臨床治験において試験動物又は志願者に関して実施できる。試験動物又は志願者に可能性のある薬物を投与し、本発明の方法に従った13C−MR検出によってPDH活性を測定する。処置前及び処置後に(例えば、処置を繰り返しながら一定の期間にわたり)PDH活性の変化を測定することで、可能性のある薬物の効果に関する情報を得ることができる。かかる薬物効果の評価は、前臨床研究(試験動物)又は臨床治験において実施できる。
別の実施形態では、本発明の方法はインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報を用いて疾患に対する治療を受けている罹患患者において治療応答の評価及び/又は治療効果の判定が行われる。例えば、PDH活性を高めると期待される抗糖尿病薬で糖尿病患者を治療する場合、本発明の方法に従ってPDH活性を測定できる。好適には、抗糖尿病薬による治療の開始前及び治療後に(例えば、一定の期間にわたり)、本発明の方法によってPDH活性を測定する。初期PDH活性を治療中及び治療後のPDH活性と比較することで、抗糖尿病薬がPDH活性に対して何らかのプラス効果を示すか否か、そして示すならばその程度はどれくらいかを評価することが可能である。上述の目的のために本発明の方法をインビトロで実施するには、もちろん、治療を受ける患者から適当な試料(例えば、組織試料又は血液試料のような身体試料)が得られることが必要である。前述の通り、本発明の方法で得られた情報は様々な目的のために以後の段階で使用できる。
別の目的は、疾患状態を洞察すること、即ちリスクのある患者の同定、疾患の早期検出、並びに疾患の進行、重篤度及び疾患に関係する合併症の評価であり得る。
かくして、一実施形態では、本発明の方法をインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患を発症するリスクのある患者及び/又は疾患の発症を回避するための予防処置の候補を同定するために使用される。2型糖尿病の診断は、合併症が存在するようになるまで遅れることが多い(Harris et al.,Diabetes Metab.Res.Rev.16,2001,230−236)。早期治療は最も破壊的な合併症のいくつかを防止するものの、現行の2型糖尿病治療方法はまだ不十分であるので、予防は大いに好ましい。リスクのある患者及び/又は低脂肪・低カロリー食や運動を伴うライフスタイルの変化のような予防処置の候補を同定するための最適アプローチはまだ決定されていない。一般的アプローチにはブドウ糖負荷試験及び絶食時血糖測定があるが、リスクのある患者はまだ高血糖でないので、これらの試験では同定されない。したがって、2型糖尿病を発症するリスクのある患者を同定すると共に予防処置の候補を同定するために有用な方法を得ることは有益であろう。本発明の方法は、そのような同定を行うために必要な情報を提供し得る。この実施形態では、本発明の方法を用いることで、最初の時点で初期PDH活性を測定し、続いて一定の期間にわたり一定の頻度で(例えば、半年ごと又は1年ごとに)PDH活性の測定を行うことができる。PDH活性の低下は2型糖尿病の進行を発症するリスクの増加を表すと予想でき、医師は低下速度を用いて予防処置及び/又は治療の開始を決定できる。さらに、経時的なPDH活性測定の結果をブドウ糖負荷試験及び絶食時血糖測定からの結果と組み合わせることができ、組み合わせた結果を用いて予防処置及び/又は治療に関する決定を行うことができる。上述の目的のために本発明の方法をインビトロで実施するには、もちろん、治療を受ける患者から適当な試料(例えば、組織試料又は血液試料のような身体試料)が得られることが必要である。
別の実施形態では、本発明の方法はインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患の早期検出のために使用される。アルツハイマー病をはじめとするいくつかの神経変性疾患に関しては、PDH活性の低下が報告されている。アルツハイマー病に関しては、この効果は脳のある領域に対して特異的であり、頭頂葉及び側頭葉において最も顕著である。かかる神経変性疾患の早期診断は早期介入を可能にするであろう。本発明の方法は、早期診断を行うために必要な情報を提供し得る。この実施形態では、本発明の方法を用いて初期PDH活性を測定してそれを正常PDH活性(即ち、健常被験体におけるPDH活性)と比較するか、或いはある種の神経変性疾患によって冒されることが知られている脳中のある領域における初期PDH活性を測定してそれを前記疾患によって冒されないことが知られている脳中の領域におけるPDH活性と比較することができる。PDH活性は、好ましくは例えばアルツハイマー病に特有の他の臨床マーカー及び/又は症状と組み合わせて早期診断のために使用できる。上述の目的のために本発明の方法をインビトロで実施するには、もちろん、治療を受ける患者から適当な試料(例えば、脳脊髄液)が得られることが必要である。
さらに別の実施形態では、本発明の方法はインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患の進行をモニターするために使用される。これは、例えば治療にいくつかの副作用が伴うため、治療が適用又は推奨されるレベルにまで疾患が進行していない場合の疾患又は障害に関して有用であり得る。かかる状況下では、選択すべき処置は「経過観察」、即ち患者を綿密にモニターして疾患の進行及び悪化の早期検出を行うことである。この実施形態では、本発明の方法を用いることで、初期PDH活性を測定し、続いて一定の期間にわたり一定の頻度でPDH活性の測定を行うことができる。PDH活性の低下は疾患の進行及び悪化を表すと予想でき、医師は前記低下を用いて治療の開始を決定することができる。上述の目的のために本発明の方法をインビトロで実施するには、もちろん、治療を受ける患者から適当な試料(例えば、組織試料又は血液試料のような身体試料)が得られることが必要である。
さらに別の実施形態では、本発明の方法はインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患の重篤度を判定するために使用される。多くの場合、疾患はその発症から時間の経過と共に進行する。症状の種類及び/又は一定の臨床マーカーの所見に応じ、疾患は一定の段階(例えば、初期(軽症期)、中期(中等症期)及び後期(重症期))によって特徴づけられる。ある種の疾患に関しては、さらに細分された段階が常用される。疾患のステージングのためには、ある種の酵素又はタンパク質発現物のような特異的なものばかりでなく血液値や電解質レベルなどの一般的なものを含む各種の臨床マーカーが使用されることが知られている。このような点から見て、PDH活性は、疾患の段階、したがって疾患の重篤度を判定するために(単独で或いは他のマーカー及び/又は症状と組み合わせて)使用される上記のような臨床マーカーであり得る。したがって、本発明の方法を用いて患者におけるPDH活性を定量的に測定し、得られたPDH活性値から患者の疾患のステージングを行うことが可能であり得る。例えば初期、中期及び後期の疾患を有する患者におけるPDH活性を本発明の方法に従って測定し、一定の段階に特有のPDH活性範囲を画定することにより、一定の疾患段階に特有のPDH範囲を確定できる。
さらに別の実施形態では、本発明の方法はインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患に関係する合併症を同定及び評価するために使用される。ある種の疾患(例えば、糖尿病)は、低血糖症、ケトアシドーシス又は非ケトン性高浸透圧性昏睡のような急性のものばかりでなく、心臓血管疾患、腎臓障害及び/又は不全並びに網膜障害をはじめとする長期の器官関連合併症も含む数多くの合併症を引き起こすことがある。糖尿病が心臓又は腎臓のような器官に及ぼす影響の有無及びその程度に応じ、これらの障害に対処しかつ逆転させるように疾患の治療を修正する必要がある。本発明の方法によれば、例えば心臓又は腎臓の上方に配置された表面コイルを用いて実施されるインビボ13C−MR検出により、器官特異的にPDH活性を測定できる。心臓又は腎臓における低いPDH活性は、前記器官が例えば糖尿病によって冒されていることの指標であると予想できる(Huang et al.,Diabetes 52,2003,1371−1376)。
PDH活性は食事状態、酸素利用可能性/状態、インスリン及び各種補助因子のような各種の因子による影響を受けるので、例えば本発明方法の実施に先立って患者に食事計画又は標準化食事を与えることにより、これらの因子を制御することが重要である。また、絶食は13C−重炭酸塩信号の減少をもたらすので、患者を絶食させないことも判明している。
本発明の一態様では、例えばグルコース、脂肪酸又はケトン体の経口又は非経口投与により、PDH活性を制御下で意図的に変調させる。酸素状態は、本発明方法の実施に先立って呼吸ガスに影響を及ぼすことで変調させることができ、或いはストレスの誘発又は灌流の変化によって薬学的に変調させることができる。
別の実施形態では、記載の方法によってPDH活性が測定されるが、これを脂肪酸代謝の定量化の前に、それに続いて、又はそれと同時に行う。前述の通り、アセチルCoAは解糖又は脂肪酸代謝によって生成され、一方から他方へのシフトが多くの疾患状態の一部となる。本発明の方法によってPDH活性を直接測定することに加えて、脂肪酸代謝を測定することによるPDH活性の間接測定も補足的な価値を有するであろう。脂肪酸代謝は、過分極13C−酢酸塩を含むイメージング媒体を投与し、代謝産物である13C−アセチルカルニチン並びに任意には13C−アセチルCoA又は13C−アセチルCoA及び出発化合物の13C−酢酸塩からの信号を13C−MR検出することで定量化できる。
かくして、本発明の別の態様は、過分極13C−ピルビン酸塩及び過分極13C−酢酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出によるPDH活性の測定方法であって、13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号と13C−アセチルカルニチン並びに任意には13C−アセチルCoA又は13C−アセチルCoA及び13C−酢酸塩の信号とを検出する方法である。
本発明のさらに別の態様は、過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出によるPDH活性の測定方法であって、13C−重炭酸塩及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号を検出すると共に、この13C−MR検出の前又は後において、過分極13C−酢酸塩を含むイメージング媒体を用いて13C−MR検出を実施し、13C−アセチルカルニチン並びに任意には13C−アセチルCoA又は13C−アセチルCoA及び13C−酢酸塩の信号を検出する方法である。
過分極13C−ピルビン酸塩及び過分極13C−酢酸塩を含むイメージング媒体はPDH活性の一層正確で完全な測定を可能にすると予想されるので、13C−ピルビン酸塩及び13C−酢酸塩は同時に過分極させかつ投与することができる。
インビボで実施する場合、本発明の方法には解剖学的情報及び/又は(好適であれば)灌流情報を含めることができる。解剖学的情報は、例えば、本発明の方法の前後に適当な造影剤を使用し又は使用せずにプロトン又は13C−MR画像を取得することで得ることができる。
前述のようにリンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含んでなるMRイメージング媒体は新規であり、したがってさらに別の態様では、本発明はリンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含んでなるMRイメージング媒体を提供する。
さらに、前述のように過分極13C−ピルビン酸塩及び過分極13C−酢酸塩を含んでなるMRイメージング媒体は新規であり、したがってさらに別の態様では、本発明は13C−ピルビン酸塩及び過分極13C−酢酸塩を含んでなるMRイメージング媒体を提供する。
上記に詳述された通り、本発明に係るMRイメージング媒体(即ち、リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含んでなるMRイメージング媒体並びに13C−ピルビン酸塩及び過分極13C−酢酸塩を含んでなるMRイメージング媒体)は、13C−MR検出によるPDH活性の測定方法において使用できる。
本発明に係るイメージング媒体は、インビボで(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体内で)イメージング媒体として使用できる。この目的のためには、イメージング媒体はヒト又はヒト以外の動物の生体への投与に適した組成物として提供される。かかるイメージング媒体は、MR活性剤である13C−ピルビン酸塩又は13C−ピルビン酸塩及び13C−酢酸塩又はリンゴ酸塩及びMR活性剤である13C−ピルビン酸塩に加えて、水性キャリヤー、好ましくは生理学的に容認されかつ薬学的に許容される水性キャリヤー(例えば、水、緩衝液又は食塩水)を含むことが好ましい。かかるイメージング媒体はさらに、通常の薬学的又は獣医学的キャリヤー又は賦形剤(例えば、ヒト医学又は獣医学における診断用組成物のために常用されているような製剤化補助剤)を含むことができる。
さらに、本発明に係るイメージング媒体は、インビトロで(即ち、細胞培養物、血液試料のような身体試料、生検組織のようなエクスビボ組織又は単離器官において)イメージング媒体として使用できる。この目的のためには、イメージング媒体は、例えば細胞培養物、血液試料、生検組織のようなエクスビボ組織又は単離器官への投与に適した組成物として提供される。かかるイメージング媒体は、MR活性剤である13C−ピルビン酸塩又は13C−ピルビン酸塩及び13C−酢酸塩又はリンゴ酸塩及びMR活性剤である13C−ピルビン酸塩に加えて、インビトロ細胞又は組織アッセイに適合しかつそのために使用される溶媒(例えば、DMSO又はメタノール或いは水性キャリヤー及び非水性溶媒を含む溶媒混合物(例えば、DMSOと水又は緩衝液との混合物或いはメタノールと水又は緩衝液との混合物))を含むことが好ましい。当業者には自明の通り、かかるイメージング媒体中には薬学的に許容されるキャリヤー、賦形剤及び製剤化補助剤が存在し得るが、かかる目的のために必要なわけではない。
以下、ピルビン酸塩、13C−ピルビン酸塩及び131−ピルビン酸塩という用語は互換的に使用され、いずれも131−ピルビン酸塩を意味する。同じく、ピルビン酸、13C−ピルビン酸及び131−ピルビン酸という用語は互換的に使用され、いずれも131−ピルビン酸を意味する。
実施例1 DNP法によって得られた過分極 13 1 −ピルビン酸塩を含むイメージング媒体の製造
国際公開第98/39277号の実施例7に従って合成したトリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ(ヒドロキシエチル)ベンゾ[1,2−4,5’]ビス−(1,3)ジチオール−4−イル)メチルナトリウム塩(トリチルラジカル)を試験管内の13C−ピルビン酸(40mM)に添加して、トリチルラジカル濃度が15mMの組成物を得た。さらに、国際公開第2007/064226号の実施例4に従って合成した1,3,5−トリス(N−(DO3A−アセトアミド)−N−メチル−4−アミノ−2−メチルフェニル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオンのGdキレート(常磁性金属イオン)の水溶液を調製し、131−ピルビン酸及びトリチルラジカルを含む試験管にこの溶液0.8μl(14.6mM)を添加した。
組成物を試験管から試料カップに移し、試料カップをDNP分極装置内に挿入した。DNP条件下、3.35Tの磁場中において1.2Kでマイクロ波(93.89GHz)を45分間照射して組成物を分極させた。
次いで、組成物を10バールの圧力及び170℃の温度で水酸化ナトリウム、TRIS緩衝剤及びEDTAの水溶液に溶解した。得られたイメージング媒体はpH7.2〜7.9で80mMの過分極131−ピルビン酸ナトリウムを含み、投与中に約30%の分極を有していた。
実施例2 本発明の方法に従った糖尿病動物モデルでのPDH活性の測定
この研究では、I型糖尿病及びインスリン耐性(II型糖尿病の前兆)の両方を調べるために3群の雄Wistarラットを使用した。
実施例3に従い、6頭のラットの第1群で初期PDH活性(基線)を測定した。続いて、調製したばかりのストレプトゾトシン(STZ、50mg/kg体重)を50mM冷クエン酸緩衝液(pH4.5)に溶解した溶液の1回の腹腔内注射によってすべてのラットでI型糖尿病を誘発した。STZ糖尿病誘発から5日後、PDH活性を再び測定し、各ラットをそれ自身の実験対照として使用した。STZ注射の前後における13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比の比較は、前記比の減少、したがってPDH活性の低下を明確に示している(図1)。
次いで、ラットを回復させ、1時間後にペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射で屠殺して組織調製及び血漿分析に供した。心臓、肺、肝臓並びに腓腹筋及びヒラメ筋を迅速に摘出し、直ちにN2冷却アルミニウムトングを用いて凍結し、以後の分析のため−80℃に貯蔵した。心臓を切除した後、約3mlの血液を胸腔から抜き取った。血液を直ちに(4℃で3200rpmで10分間)遠心し、血漿を除去した。血漿の200μlアリコートを分離し、非エステル化脂肪酸(NEFA)分析のためにリポタンパク質リパーゼであるテトラヒドロリポスタチン(THL)を添加した。すべての血漿試料を直ちに凍結し、−80℃で貯蔵した。ABX Penta 400(Horiba ABX Diagnostics社、モンペリエ、フランス)を用いて、血漿グルコース、NEFA(Wako Diagnostics社、リッチモンド、米国)及び3−β−ヒドロキシブチレート(Randox,Co.、アントリム、英国)に関するアッセイを実施した。血漿インスリンはラットインスリンELISA(Mercodia社、ウプサラ、スウェーデン)を用いて測定した。
第2のラット群(n=12)を2つの亜群に分け、各亜群における初期PDH活性(基線)を実施例3に従って測定した。
第1の亜群(「絶食」)は、測定前日の18:00時に食物を取り除くことで、各回のPDH活性測定前に一晩絶食させた。これは、食物を取り除いた時点から14〜18時間の飢餓に相当していた。13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比に対する飢餓の効果を図2に示す。
第2の亜群(「給餌」)では、食物を無制限に供給する給餌状態でPDH活性を測定した。基線PDH活性測定後、すべてのラットを回復させ、1時間後に屠殺し、上述のようにして組織調製及び血漿分析を行った。
第3のラット群(n=7)では、3つの時点(即ち、初期PDH活性(基線)、2週目及び4週目)でPDH活性を実施例3に従って測定した。初期PDH活性(基線)測定後、7頭のラットすべてを55%の飽和脂肪由来カロリーを含む高脂肪飼料で飼育することで、2型糖尿病の前兆であるメタボリックシンドロームモデルを誘発させた。食物は常に無制限に与えた。4週目の時点でのPDH活性測定後、ラットを回復させ、1時間後に屠殺し、上述のようにして組織調製及び血漿分析を行った。図3は、13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比の経時的変化を示している。
Seymourら(Seymour,A.M.& Chatham,J.C.(1997)J Mol Cell Cardiol 29,2771−2778)によって以前に記載されたプロトコルに従い、すべての動物からの心臓組織を分析してPDH酵素の活性画分及び総画分(PDHa及びPDHt)を求めた。図4は、活性形のPDH酵素の比を示している。3群のすべてにおいて、13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比によって測定したPDH活性結果との強い一致を見ることができる。これはさらに、エクスビボ心臓組織に関して測定したPDH活性と13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比によって測定したPDH活性との間の強い相関関係を示す図5によって強調される。
実施例3 13 C−MR検出
実施例3a 動物の前処理
すべてのラットはイソフルオラン(酸素中2%)を用いて麻酔し、加熱マット上に保持した。体温を37℃に保つように注意した。尾静脈中にカテーテルを導入し、次いでラットを自家製の動物取扱いシステム内に配置した。
ECG、呼吸速度及び体温をモニターし、空気加熱を行った。ノーズコーンを介して送達されるイソフルオラン(1.7%)によって麻酔を継続した。
実施例3b 過分極 13 C−ピルビン酸塩の投与
実施例1で製造したイメージング媒体の1cm3を、麻酔したラットに尾静脈カテーテルを通して10秒かけて注射した。
実施例3c 13 C−MRイメージング/分光法
自家製の1H/13Cバタフライコイルをラット胸部の上方に取り付け、心臓からの信号の位置を確認した。Varian Inovaコンソールにインターフェース接続された7T水平ボア型MRスキャナー内にラットを配置した。正確な位置決めは、軸方向プロトンFLASH画像(TE/TR=1.17/2.33、マトリックスサイズ=64×64、FOV=60×60mm、スライス厚さ=2.5mm、励起フリップ角=15°)の取得によって確認した。心臓ゲートシムを用いてプロトン線幅を約120Hzに減少させた。
注射の直前に、ECGゲート法による13C−MRパルス取得分光法シーケンスを開始した。注射後1分間にわたり、60の個別心臓スペクトルを取得した(TR=1秒、励起フリップ角=5°、掃引幅=6000Hz、取得点=2048、周波数はピルビン酸塩信号を中心を合わせた)。
jMRUIソフトウェアパッケージ中で実行されるAMARESアルゴリズムを用いて一連の心臓13C−MRスペクトルを解析した(Naressi et al.,Computers in Biology and Medicine,31(4),2001,269−286及びNaressi et al.,Magnetic Resonance Materials in Physics,Biology and Medicine,12(2−3),2001,141−152)。スペクトルを結合し、次いで取得点の後半分に基づいて基線及びDCを補正した。ピルビン酸塩及び重炭酸塩に対応するピークに、ローレンツ線形状、ピーク周波数、相対位相及び線幅を仮定する先行知識を当てはめた。
各々の一連のスペクトルに関して最大ピルビン酸塩ピーク面積を計算し、それを用いて最大重炭酸塩/ピルビン酸塩比を計算した。これにより、各データセット間における分極の変動が効果的に基準化された。重炭酸塩の動的進行を記述するパラメーター(即ち、出現時間、最大値への時間、及び半最大値への減衰時間)も計算した。
実施例4 甲状腺機能亢進症動物モデルでの本発明の方法によるPDH活性測定
本研究では、心臓代謝に対する甲状腺機能亢進症の効果を調べるために12頭の雄Wistarラット(6頭ずつ2群)を使用した。
すべてのラットにおいて、実施例3に従って初期PDH活性(基線)を測定した。続いて、調製したばかりのトリヨードチロニン(T3、0.2mg/kg体重/日)を腹腔内に7日間注射することで、6頭のラットに甲状腺機能亢進症を誘発した。残り6頭のラットには、食塩水(0.9%)を腹腔内に7日間注射し、対照として使用した。7日間のT3投与後、12頭のラットの各々において本発明の方法で再びPDH活性を測定した。基線及び7日目の両方について、T3投与ラットと対照ラットとの間で13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比を比較した。結果は、T3投与が13C−重炭酸塩/13C−ピルビン酸塩ピーク振幅比の減少を引き起こし、これはPDH活性の低下を表すことを明確に示している(図6)。
24時間後にペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射でラットを屠殺して組織調製に供した。心臓を迅速に摘出し、ほぼ2等分した。一方の半分は直ちにN2冷却アルミニウムトングを用いて凍結し、以後の生化学的分析のため−80℃に貯蔵した。心臓の他方の半分からは無傷のミトコンドリアを単離し、ミトコンドリア機能を評価するために使用した。
実施例5 リンゴ酸塩及び過分極 13 C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる本発明の方法によるPDH活性の測定
過分極13C−ピルビン酸塩の注入がPDH調節の性質を非侵襲的に評価できるかどうかを判定するため、4種の実験条件の各々を用いて6頭の雄Wistarラットを検査した。
この実施例では、リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を使用することでPDH調節の性質を確認した。PDKによる酵素複合体の不活性化によってPDHの流れを阻止することができ、或いは最終産物阻害によってPDHの流れを即座に阻止することもできる。NADH/NAD+比又はアセチルCoA/CoA比の増加はPDHによって媒介されるピルビン酸塩酸化を減少させることが証明されており、もちろん、クレブス回路中へのアセチルCoA取込みのためのオキサロ酢酸塩利用可能性がミトコンドリア内アセチルCoA濃度の基本決定因子である。リンゴ酸塩はグルコースの酸化代謝の中間体であり、アナプレロティック経路を通してオキサロ酢酸塩としてクレブス回路に入って全体的な炭素の流れを増加させることができる。リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を使用すれば、PDHに対する最終産物阻害の程度を低下させ得るという仮説を立てた。PDH活性が高い場合には、13C−MRでの13C−重炭酸塩検出によって測定されるように、これは酵素複合体を通してのピルビン酸塩の流れを増加させるであろう。絶食ラットでは、PDH活性が既に非常に低いため、最終産物阻害は関係せず、リンゴ酸塩の同時注入は検出される13C−重炭酸塩生成に影響を及ぼさないと予想された。
実施例3に記載したプロトコルに従い、給餌状態及び(PDH活性を変調させるための)絶食状態において、40μmolの過分極13C−ピルビン酸塩の単独注入及び(クレブス回路の流れ/アセチルCoAの取込みを操作するための)40μmolの過分極13C−ピルビン酸塩と40μmolのリンゴ酸塩との同時注入を用いて各6頭のラットを検査した。MRスキャナー内のラットに尾静脈を通して過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体又はリンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を注入し、1分間にわたり心臓スペクトルを1秒ごとに取得した。13C−ピルビン酸塩及び13C−重炭酸塩の信号を検出し、13C−ピルビン酸塩から13C−重炭酸塩への転化をモニターし、ピルビン酸塩/重炭酸塩比をPDHの流れのマーカーとして使用した。
リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体の注入は、過分極13C−ピルビン酸塩のみを含むイメージング媒体に比べてPDHの流れを32%増加させたが、これはクレブス回路中への取込みによるアセチルCoAの除去がPDHの流れを増加させたことを表している。過分極13C−ピルビン酸塩のみを注射した絶食ラットでは、給餌ラットに比べてPDHの流れが55%低く、リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を使用した場合にも変化しなかった。この場合、低いPDH活性が追加の酵素の流れを妨げた。図7に示されたこれらの結果は、最終産物阻害が給餌状態でのPDHの流れを制限するのに対し、絶食状態ではPDH活性がピルビン酸塩酸化を調節することを示唆している。結論として、本研究は、過分極MRが代謝状態に関する情報を得るだけでなく代謝調節の詳細を得るために有用であり得るという証拠を提供した。

Claims (17)

  1. 過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出によるPDH活性の測定方法であって、13C−重炭酸塩の信号及び任意には13C−ピルビン酸塩の信号を検出する方法。
  2. 13C−重炭酸塩及び13C−ピルビン酸塩の信号が検出される、請求項1記載の方法。
  3. 当該方法が、ヒト又はヒト以外の動物におけるPDH活性のインビボ測定方法である、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 当該方法が、ヒト又はヒト以外の動物から導かれる細胞培養物、身体試料、エクスビボ組織又は単離器官におけるPDH活性のインビトロ測定方法である、請求項1又は請求項2記載の方法。
  5. 1以上の前記信号を用いて代謝プロファイルが生成される、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 当該方法がインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報がPDH活性を変化させる可能性がある薬物の効果を評価するのに使用される、請求項5記載の方法。
  7. 当該方法がインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が治療に対する応答を評価するため及び/又は疾患に対する治療を受けている罹患患者での治療効果を判定するために使用される、請求項5記載の方法。
  8. 当該方法がインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患を発症するリスクのある患者及び/又は疾患の発症を回避するための予防処置の候補を同定するために使用される、請求項5記載の方法。
  9. 当該方法がインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患の早期検出のために使用される、請求項5記載の方法。
  10. 当該方法がインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患の進行をモニターするために使用される、請求項5記載の方法。
  11. 当該方法がインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患の重篤度を判定するために使用される、請求項5記載の方法。
  12. 当該方法がインビボ又はインビトロで実施され、得られた情報が疾患に関係する合併症を同定及び評価するために使用される、請求項5記載の方法。
  13. 前記イメージング媒体がさらに過分極13C−酢酸塩を含み、さらに13C−アセチルカルニチン並びに任意には13C−アセチルCoA又は13C−アセチルCoA及び13C−酢酸塩の信号が検出される、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。
  14. 過分極13C−ピルビン酸塩を含むイメージング媒体を用いる前記13C−MR検出の前又は後に、過分極13C−酢酸塩を含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出が実施され、13C−アセチルカルニチン並びに任意には13C−アセチルCoA又は13C−アセチルCoA及び13C−酢酸塩の信号が検出される、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。
  15. 前記イメージング媒体がさらにリンゴ酸塩を含む、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。
  16. リンゴ酸塩及び過分極13C−ピルビン酸塩を含んでなるMRイメージング媒体。
  17. 過分極13C−ピルビン酸塩及び過分極13C−酢酸塩を含んでなるMRイメージング媒体。
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