JP2010534198A - 微粒子の調製 - Google Patents

微粒子の調製 Download PDF

Info

Publication number
JP2010534198A
JP2010534198A JP2010516575A JP2010516575A JP2010534198A JP 2010534198 A JP2010534198 A JP 2010534198A JP 2010516575 A JP2010516575 A JP 2010516575A JP 2010516575 A JP2010516575 A JP 2010516575A JP 2010534198 A JP2010534198 A JP 2010534198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stream
chamber
mixing chamber
mixing
stabilizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010516575A
Other languages
English (en)
Inventor
ヴァン・ボクステル,ヘイベルト・アルベルトゥス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Manufacturing Europe BV
Original Assignee
Fujifilm Manufacturing Europe BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Manufacturing Europe BV filed Critical Fujifilm Manufacturing Europe BV
Publication of JP2010534198A publication Critical patent/JP2010534198A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D9/00Crystallisation
    • B01D9/005Selection of auxiliary, e.g. for control of crystallisation nuclei, of crystal growth, of adherence to walls; Arrangements for introduction thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/336Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having three-membered rings, e.g. oxirane, fumagillin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/337Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having four-membered rings, e.g. taxol
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/56Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
    • A61K31/57Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids substituted in position 17 beta by a chain of two carbon atoms, e.g. pregnane or progesterone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/50Microcapsules having a gas, liquid or semi-solid filling; Solid microparticles or pellets surrounded by a distinct coating layer, e.g. coated microspheres, coated drug crystals
    • A61K9/51Nanocapsules; Nanoparticles
    • A61K9/5107Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/513Organic macromolecular compounds; Dendrimers
    • A61K9/5146Organic macromolecular compounds; Dendrimers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyethylene glycol, polyamines, polyanhydrides
    • A61K9/5153Polyesters, e.g. poly(lactide-co-glycolide)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/50Microcapsules having a gas, liquid or semi-solid filling; Solid microparticles or pellets surrounded by a distinct coating layer, e.g. coated microspheres, coated drug crystals
    • A61K9/51Nanocapsules; Nanoparticles
    • A61K9/5192Processes

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

有機化合物を析出させるための方法及び装置であって:(a)有機化合物と該有機化合物のための溶媒とを含む第一の流れを提供し;(b)該有機化合物のための貧溶媒を含む第二の流れを提供し;(c)第二の安定化剤を含む第三の流れを提供し;(d)該第一の流れ及び該第二の流れを混合して、粒子状の形態の該有機化合物の析出物を形成し;そして、(e)工程(d)に続いて、該第三の流れを、粒子状の形態の該析出した有機化合物を含む混合された該第一流れ及び該第二の流れと混合することを含み、その際、該第一の流れ及び/又は該第二の流れは、第一の安定化剤を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、粒子の形態の有機化合物を沈殿させるための方法、及びかかる方法において使用するための装置に関する。
医薬の分野では、医薬品のバイオアベイラビリティに影響を与える可能性があり、それゆえに疾病や内科的疾患を治療する際のそれらの有効性に影響を与える可能性のある数多くの因子が存在する。これらの因子としては、粒径、粒径分布、及び活性成分が挙げられる。バイオアベイラビリティが不充分であることは、医薬組成物、特に水中の溶解性が乏しい活性成分を含有するものを開発する際に遭遇する重大な問題である。水溶性が乏しい医薬品、例えば、約10mg/ml未満の溶解性を有するものは、血液の循環中に吸収される前に消化管から排除される傾向がある。そのうえ、水溶性が乏しい医薬品は、注射針を詰まらせたり、更には患者の極めて小さい血管を詰まらせたりするという点において、静脈内投与が必要とされる場合に困難を生じさせる可能性がある。
粒状の医薬品の溶解速度は、例えば、粒径を小さくしたり、結晶化度を低くしたりすることにより、表面積を増加させることで高められることが知られている。結果として、微細に分割された医薬品を製造する方法が検討されており、医薬組成物において医薬品粒子の寸法や寸法の範囲を制御するために多くの努力が費やされている。例えば、粒径を小さくすることで、医薬品の吸収に影響を与えるために、乾燥製粉手法が使用されている。しかし、慣用的な乾燥製粉において、材料が製粉チャンバーの壁上で固まり始めるときには、微粉度の限界は、多くの場合、100ミクロン(100,000nm)の範囲である。更に粒子寸法を小さくする際には湿式研削が有益であるが、凝集により、多くの場合、粒子寸法の低限界はおよそ10ミクロン(10,000nm)に制限される。
米国特許第4,826,689号(特許文献1)は、有機溶媒中の医薬品の溶液中に水をゆっくり注入することを含む、水不溶性の医薬品の粒子を製造するための方法を記載している。水は、貧溶媒として作用し、例えば、Pluronic F-68又はゼラチンなどの界面活性剤を含有してもよい。このバッチ式の方法は、かなりゆっくりで骨の折れるものと思われる。得られる粒子の多くは、特に小さくはなかった。得られる粒子は、粒子が再溶解し不所望な寸法で再沈殿するのを避けるために有機溶媒からすぐに分離しなければならないことから、特に適しているものではなかった。このことは、粒子がより適したものであった場合には存在しないであろう時間のプレッシャーを生み出した。
米国特許出願公開第2005/0202095A1(特許文献2)は、貧溶媒と所望の化合物を含有する溶媒とをSilversonモデルL4RT-A回転子−固定子などの既製の回転子・固定子装置において混合することにより微粒子を製造するための代替的な方法を記載している。 しかし、得られる粒子は、非常に大きく、例えば、実施例においては、沈殿したグリシン粒子は、4.4ミクロン〜300ミクロンの範囲であった。
米国特許出願番号第2007/071825(特許文献3)は、有機相及び水相を均一化区画へと供給することにより連続的に粒子を製造するための回転子/固定子型の装置を記載している。粒子は、非常に幅広い寸法範囲で製造され、貯蔵の安定性や粒子の再分散性についてのデータは何ら開示されていない。
潜在的に無駄が多く損害を与える製粉に対する必要性が無く、また、詰まらせる可能性のある正確に位置合わせした噴流に対する必要性が無い、粒子寸法の小さい有機化合物、特に薬剤活性物質を調製するための方法に対する必要性が存在する。理想的には、かかる方法は、工業的規模で運転可能であり、迅速であり、過度に複雑ではなく、また、安定な乾燥生成物へと乾燥させてその保管寿命を長くすることができる小さい粒子をもたらす。また、乾燥させた生成物は、投与前に周囲温度で容易に水又は水性溶媒中に再分散可能であり、乾燥前と同様に小さい粒子寸法分布をもつ懸濁液を形成することが望ましい。理想的には、得られる粒子は、粒子の不所望な再溶解又は不所望な寸法での再沈殿を避けるために、それらが形成される液体媒体中から製造業者がそれらの粒子を急いで取り出すことがない程度に安定である。
米国特許第4,826,689号 米国特許出願公開第2005/0202095A1 米国特許出願番号第2007/071825
本発明にしたがえば、 粒子の形態の有機化合物を沈殿させるための方法であって、次の各工程:
(a)有機化合物と該有機化合物のための溶媒とを含む第一の流れを提供する工程;
(b)該有機化合物のための貧溶媒を含む第二の流れを提供する工程;
(c)第二の安定化剤を含む第三の流れを提供する工程;
(d)該第一の流れ及び該第二の流れを混合して、粒子の形態の有機化合物の沈殿物を形成する工程;及び、
(e)工程(d)の後に、該第三の流れを該第一の流れ及び該第二の流れと混合する工程、その際、該第一の流れ及び/又は該第二の流れは第一の安定化剤を含む、
を含む、前記方法が提供される。
図1は、本方法を実施するために使用することができる本発明にしたがった装置の例を示す。 図2は、本装置の好ましい態様の断面図を示す。 図3は、本装置の別の好ましい態様の断面図を示す。 図3Aは、図3に示す装置のより好ましい態様の頂面図である。 図3Bは、図3に示す装置のより好ましい態様の頂面図である。 図4は、図2に示す態様のより詳細な説明の断面図を示す。
1, 1P, 1S, 1P-a, 1P-b, 1S-a, 1S-b: 機械的撹拌手段
2, 2P-a, 2P-b, 2S-a, 2S-b: 軸又はシャフト
3P, 3S: 混合チャンバー
4, 5: 入口
4P: 第一の流れのための沈殿チャンバーへの第一の入口
5P: 第二の流れのための沈殿 チャンバーへの第二の入口
4S: 沈殿 チャンバーの出力を受容するための沈殿 チャンバーの出力を受容するための安定化チャンバーへの第一の入口
5S: 第三の流れのための安定化チャンバーへの第二の入口
6: 出口
6P: 沈殿チャンバーの出口
6S: 安定化チャンバーの出口
7, 7P, 7S: 混合チャンバー壁
8P, 8S: シールプレート
9P-a, 9P-b, 9S-a, 9S-b: 外部マグネット
10: 流体連絡手段
11 : 可動式チャンバー部分
12: ヒンジ
13: 分離壁
本明細書(特許請求の範囲を含む)において、「含む」という動詞とその活用は、非限定的な意味において、その単語に続く項目が含まれるが、具体的に言及していない項目は除外されないことを意味するために使用される。また、一つが存在し、複数の要素のうちただ一つのみが存在することを文脈が明らかに要求しない限り、不定冠詞「a」又は「an」によりある要素を参照することにより、一より多い要素が存在する可能性は除外されない。したがって、不定冠詞「a」又は「an」は通常「少なくとも一つ」を意味する。
本発明の方法により得られる粒子は、非晶質の形態、及び結晶質の形態、すなわち、多形体、水和物及び溶媒和物をはじめとする任意の形態、ならびに、付加塩をはじめとする塩であることができ、非晶質の粒子が非常に好ましい。
この有機化合物は、好ましくは、薬剤活性のある有機化合物, 染料、又は農薬である。また、この有機化合物は、有機金属化合物、例えば、ヘモグロビン、又は塩の形態の有機化合物であってもよい。有機化合物の例としては、ホルモン、タンパク質、ペプチド、炭水化物、アミノ酸、脂質、ビタミン、酵素などの「生体」有機化合物が挙げられる。
本発明の方法にしたがって沈殿させることができる有機化合物は、好ましくは、薬剤活性のある有機化合物である。そのような化合物の分類としては、アナボリックステロイド、中枢神経興奮剤、鎮痛薬、麻酔薬、酸中和剤、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗生物質、抗発癌物質、制癌薬、抗凝血剤、アンチコフォネルジック(anticofonergics)、抗けいれん薬(anticonvulsants)、抗うつ薬、抗糖尿病薬、下痢止め薬、制吐薬、抗てんかん薬、抗真菌薬、駆虫薬、抗ヒスタミン薬、抗ホルモン、抗高血圧症薬、抗低血圧症薬、抗炎症薬、抗ムスカリン薬、抗カビ剤、抗腫瘍薬、抗肥満症薬剤、抗プラーク剤、抗原虫薬、抗精神病薬、防腐薬、抗けいれん薬(anti-spasmotics)、抗トロンビン薬、鎮咳薬、抗ウイルス薬、抗不安薬、収れん薬、β−アドレナリン受容体ブロック薬剤、胆汁酸、ブレスフレッシュナー、気管支鎮痙薬、気管支拡張薬、カルシウムチャンネルブロッカー、強心配糖体、避妊薬、コルチコステロイド、うっ血除去剤、診断薬、消化薬、利尿薬、ドーパミン作用薬、電解質、吐薬、去痰薬、止血薬(haemostatic drugs)、ホルモン、ホルモン補充療法薬、催眠薬、血糖降下薬、免疫抑制薬、インポテンス薬、緩下薬、脂質調節因子、粘液溶解薬、筋弛緩薬、非ステロイド性抗炎症薬、栄養補助食品、鎮痛剤、副交感神経遮断薬、副交感神経作用薬(parasympathicomimetics)、プロスタグランジン、精神刺激剤、向精神薬、鎮静薬、性ステロイド、鎮痙薬、ステロイド、刺激薬、スルホンアミド、交感神経遮断薬、交感神経作用薬(sympathicomimetics)、交感神経作用薬(sympathomimetics)、甲状腺ホルモン薬(thyreomimetics)、抗甲状腺薬(thyreostatic drugs)、血管拡張薬、ビタミン、キサンチン、及びこれらの混合物が挙げられる。制癌薬の分類の特に好ましい有機化合物は、パクリタキセル(paclitaxel)(タキソール(Taxol)としても知られる)である。
本方法は、粒子の形態の薬剤活性のある化合物を調製するために特に有用であるが、例えば、農薬、着色料、化粧料などの他の有機化合物の粒子を提供するために使用することもできる。
好ましくは、本方法から生ずる沈殿させた有機化合物は、1ミクロン未満、より好ましくは700nm未満、特に500nm未満、より特に1500nm未満の平均粒子寸法を有する。好ましくは、沈殿させた沈殿物有機化合物は、単峰形の粒子寸法分布を有する。
薬剤活性のある有機化合物について、腫瘍組織中にトラップされる長期循環性ナノ粒子に関して報告されている最適な寸法は様々である。例えば、100〜200nm、又は更に100nm未満であることができる。エンドサイトーシス(細胞の吸収)に関する最適な寸法は100〜200nmであると考えられる。
好ましくは、沈殿させた粒子の形態の有機化合物は、500nm未満、より好ましくは400nm未満、特に300nm未満、より特に200nm未満のD50を有する。D50は、当技術分野において知られている手法により、例えば、(例えば、Malvern Mastersizer 2000 粒径分析器を用いて)ISO 13320-1にしたがった方法を用いたレーザー回折により、測定することができる。
好ましくは、第一の流れは、安定化を必要とする有機化合物を含有するのはこの流れであることから、第一の安定化剤を含み、有機化合物の安定化は、一般的には、第一の流れが安定化剤を含有しない場合と比較して改良される。
第一の流れ中の各成分の量は、広い限界の間で変動することができ、ある程度は、諸成分の特性と接触させる他の流れの特性とに依存することができる。しかし、典型的には、第一の流れは、溶媒の重量に対して、0.1〜50重量%、より好ましくは0.2〜10重量%の有機化合物を含むことになる。第一の流れ中に含まれる安定化剤の量は、典型的には、溶媒の重量に対して、0.1〜50重量%、より好ましくは0.2〜20重量%である。
いかなる特定の理論に限定することを望むものではないが、安定化剤は、数多くのやり方のうち任意のもので本方法において有用であると考えられる。例えば、安定化剤は、粒子の表面吸着及び粒子の立体反発により粒子凝集を抑制することができる。安定化剤は、粒子表面に対するポリマー吸着により、粒子の成長速度を低くすることができる。安定化剤は、更に、ポリマーの存在のために粘度を増加させることができ、これにより凝集速度を制限する。
第一の流れ及び第三の流れ中、又は、第二の流れ及び第三の流れ中、又は、第一の流れ、第二の流れ、及び第三の流れ中に含まれる安定化剤は、同一でもよいが、好ましくはこれらは同一ではない。好ましくは、安定化剤は、ポリマー安定化剤である。好ましくは、安定化剤のうち少なくとも一種は、両親媒性ポリマー、より好ましくは両親媒性ブロックコポリマー、あるいは、かかるポリマー又はコポリマーを含む混合物である。薬剤調製における使用を意図した有機化合物については、安定化剤は、好ましくは、生体適合性のある両親媒性ブロックコポリマーである。
両親媒性ポリマー、及び実際には、一般に安定化剤は、好ましくは、 有機化合物と貧溶媒、例えば水の両方に対して親和性を有する。有機化合物は水中において低い溶解性を有し、両親媒性ポリマーは、一般的には、水に対する親和性を有する親水性部分と親水性の低い部分、例えば、有機化合物に対する親和性を有する疎水性部分とをもつ。両親媒性ポリマーのうち相対的に親水性の部分は、多くの場合、非イオン性(例えば、ポリエチレンオキシド単位)及び/又はイオン性(例えば、アニオン又はカチオンに荷電された基を有する)であり、親水性の低い部分、又は疎水性の部分は、多くの場合、電気的に中性であり、相対的に非極性である(例えば、ポリアクチド基)。
ブロックコポリマーではない好ましい両親媒性コポリマーとしては、ゼラチン、特に少なくとも2kDaの分子量を有するゼラチンが挙げられる。多くのゼラチン溶液は、室温又は室温より低い温度でゲル化する。本発明の方法により調製される粒子の懸濁液の安定性は、一定の場合、室温より低い温度で、大きく高められる。したがって、一つの態様においては 、ゲル化性のゼラチンを使用するよりも、非ゲル化性のゼラチンを使用することが好ましい。かかるゼラチンの例としては、魚ゼラチン(fish gelatin)、非ゲル化性の組み換えゼラチン(recombinant gelatin)、例えば、ヒドロキシプロリンの存在しない組み換えゼラチン、及び非常に分子量の低い加水分解されたゼラチンが挙げられる。一つの態様においては、ゼラチンは、水中における2重量%溶液として10℃で4時間貯蔵したときにゲル化の特性をまったく示さない。特に好ましいゼラチンは、特に粒子をin vivoで使用することを意図する場合は(例えば、医薬品用途において)BSE又はウイルスの危険性が存在しないことから組み換えゼラチンである。
好ましい態様においては、第一の安定化剤は、両親媒性ブロックコポリマーを含み、第二の安定化剤は、両親媒性コポリマーを含み、例えば、第二の安定化剤は、ゼラチンを含む。一部の態様においては、第二の安定化剤は、両親媒性ブロックコポリマーであってもよい。
両親媒性ブロックコポリマーにおける好ましいブロックタイプ又はブロック長さは、第一の流れ及び第二の流れの化学組成に依存して、また、沈殿後の好ましい平均粒子寸法に依存して、変動することができる。好ましくは、両親媒性 ポリマーは、親水性セグメントと相対的に疎水性のセグメントとを含む。好ましくは、両親媒性ポリマーは、トリブロックコポリマー及びジブロックコポリマーであり、特にジブロックコポリマーである。典型的には、かかるコポリマーは、少なくともひとつの親水性ブロックと少なくともひとつの相対的に疎水性のブロックとを有する。
ポリマーの安定化剤は、特に有機化合物が医薬化合物である場合は、好ましくは生体適合性である。
上述の事項を考慮すると、これまでに説明した好ましい親水性ブロックは、ポリ(エチレングリコール(“PEG”)ブロック及び/又はポリ(エチレングリコール)モノエーテル(“PEGエーテル”)ブロックである。PEG及びPEGエーテル親水性ブロックが好ましい理由のひとつは、これらのブロックを含有する安定化剤は、これらのブロックを欠いている安定化剤よりも体内から放出される迅速性が低い傾向があるからである。そのため有機化合物が例えば制癌医薬品である場合は、安定化剤中にPEG及びPEGエーテル親水性ブロックが存在することにより医薬品が体内に存在する時間を長くすることができ、当該医薬品をより有効にすることができる。
そのうえ、10,000より低い数平均分子量(M)を有する両親媒性ブロックコポリマーを含む第一の安定化剤は、一般的には、より高いMを有するものより良好な安定化特性を有する。
好ましいエーテルは1〜4個の炭素原子を有するが、メチルエーテルが最も好ましい。 好ましい疎水性ブロックは、ポリ(ラクチック−コ−グリコール)酸(“PLGA”)ブロック、ポリ(スチレン)(“PS”)ブロック、ポリ(ブチルアクリレート)ブロック、ポリ(ε−カプロラクトン)ブロック、及び特にポリラクチド(“PLA”)ブロックである。ポリラクチドは、乳酸又はラクチドの重合により形成されるポリエステルである。ポリラクチドは、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、及びポリD1L−ラクチドとして存在する。
好ましい生体適合性の両親媒性ブロックコポリマーとしては、一又はそれより多いPEGブロック及び/又はPEGエーテルブロックと一又はそれより多いポリラクチド(“PLA”)ブロックとを含むコポリマーが挙げられる。PEGブロックは、PLAブロックと比較して相対的に親水性である。
一つの態様においては、PEGブロック及びPEGエーテルブロックは、250〜5000、より好ましくは400〜4000、特に500〜2000、更に特に600〜1500のMを有することが好ましい。Mが750であるPEGにより非常に良い結果が得られた。
別の態様においては、PEGブロック及びPEGエーテルブロックは、250〜5000、より好ましくは500〜4000、特に1000〜3000の数重量平均分子量(number weighted average molecular weight)(M)を有することが好ましい。Mが約2000であるPEGブロック及びPEGエーテルブロックにおり非常に良い結果が得られた。
これゆえに、本発明にしたがった好ましい方法において、両親媒性コポリマーは、M250〜5000のPEGブロック及び/又はM250〜5000のPEG(C1−4アルキル)エーテルブロックを含む両親媒性ブロックコポリマーであり、かかるブロックの好ましいMは、400〜4000、特に500〜2000、更に特に600〜1500、特定的には750である。本発明にしたがった別の好ましい方法において、両親媒性コポリマーは、M250〜5000のPEGブロック及び/又はM250〜5000のPEGブロックの(C1−4アルキル)エーテルを含む両親媒性ブロックコポリマーであり、かかるブロックの好ましいMは、500〜4000、特に1000〜3000、特定的には約2000である。
好ましい態様においては、PLAブロックは、250〜5000、より好ましくは400〜4000、特に500〜2000、より特に600〜1500のMを有する。Mが1000であるPLAブロックにより非常に良好な結果が得られた。別の態様においては、PLAブロックは、250〜5000、より好ましくは500〜4000、特に1000〜3000のMを有することが好ましい。Mが約2000であるPLAブロックにより非常に良い結果が得られた。
特に好ましい両親媒性ブロックコポリマーは、特に前述のMを有する、PEGエーテル及びPLAのジブロックコポリマーであり、各ブロックのMが前述のとおりであるものが好ましい。上述の事項を考慮して、両親媒性ジブロックコポリマーのひとつの好ましいカテゴリーは、ポリ(エチレングリコール) M350〜5000 (C1−4−アルキル)エーテル−ブロック−ポリラクチド M1000〜5000である。かかる両親媒性ジブロックコポリマーの有用な分類の例としては、ポリ(エチレングリコール) M350〜1500 (C1−4−アルキル)エーテル−ブロック−ポリラクチド M500〜2000; ポリ(エチレングリコール) M500〜1100 (C1−4-アルキル)エーテル−ブロック−ポリラクチド M600〜1600; ポリ(エチレングリコール) M600〜900 (C1−4−アルキル)エーテル−ブロック−ポリラクチド M800〜1200; ポリ(エチレングリコール) M700〜900 (C1−4−アルキル)エーテル−ブロック−ポリラクチド M800〜1200; ポリ(エチレングリコール) M700〜900 メチルエーテル−ブロック−ポリラクチド M800〜1200; ポリ(エチレングリコール) M750 (C1−4−アルキル)エーテル−ブロック−ポリラクチド M1000; 及びポリ(エチレングリコール) M750 メチルエーテル−ブロック−ポリラクチド M1000が挙げられる。両親媒性ブロックコポリマーの例としては、ポリ(エチレングリコール) M750 モノメチルエーテル−ブロック−ポリラクチド メチルエーテル M1000; ポリ(エチレングリコール) M2000 モノメチルエーテル−ブロック−ポリラクチドメチルエーテル M2000; ポリ(エチレングリコール) M3000 モノメチルエーテル−ブロック−ポリラクチドメチルエーテル M2000; ポリ(エチレングリコール) M350 メチルエーテル−ブロック−ポリラクチド M1000; ポリ(エチレングリコール) M5000 メチルエーテル−ブロック−ポリ(ラクトン)M〜5,000; ポリ(エチレングリコール) M5000 メチルエーテル−ブロック−ポリ(ε−カプロラクトン) M5,000; ポリ(エチレングリコール) M5000 メチルエーテル−ブロック−ポリ(ε−カプロラクトン) M13,000; 及びポリ(エチレングリコール) M5,000 メチルエーテル−ブロック−ポリ(ε−カプロラクトン) M32,000が挙げられるが、これらはすべてSigma-Aldrich社から商業的に入手可能である。当業者であれば容易に理解するように、「メチルエーテル」とは、PEG鎖の一端にメチル基があることをいう(PLAがPEGにくっつくことを阻害することから両端ではない)。また、「PEGモノメチルエーテル Mn750」におけるようにPEGのMn値は、PEG自体のMnを指し、メチル基の余分なCH基を含まない。
両親媒性ポリマーは、商業的な供給源から入手可能であるか、又は、プロセスにおいて使用するためにその場で合成することができる。ポリ(アルキレングリコール)(PAG)ブロック(例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)ブロック)を伴う好ましい両親媒性ジブロックコポリマーの調製は、数多くのやり方で実施することができる。これらの方法は、(i)疎水性ポリマーをメトキシポリ(アルキレングリコール)、例えば、 メトキシPEG又は別の酸素保護基により保護されたPEGと反応させること(ひとつの末端水酸基が保護され、他方が自由に疎水性ポリマーと反応するように);又は、(ii)メトキシ上か、さもなければ、モノ保護PEGなどのモノ保護PAG上で、疎水性ポリマーを重合させることを含む。いくつかの文献は、後者のタイプの反応をいかに実施するかを教示している。マルチブロックポリマーは、170℃〜200℃でのD,L−ラクチドとPEGのバルク共重合により調製されている(X.M. Deng, et al., J. of Polymer Science: Part C: Polymer Letters, 28, 411- 416 (1990)。三つ及び四つの枝をもつ星形PEG−PLAコポリマーは、開始剤としてオクチル酸第一スズの存在下、160℃にて、星形PEG上でのラクチドの重合により生成されている。K.J. Zhu, et al., J. Polym. Sci., Polym. Lett. Ed., 24,331 (1986), “Preparation, characterization and properties of polylactide (PLA)-poly(ethylene glycol) (PEG) copolymers: a potential drug carrier.”PLA−PEG−PLAのトリブロックコポリマーは、溶媒を使用することなく、ふたつの水酸基末端を含有するPEGの存在下で、触媒としてオクチル酸第一スズを用いて、180〜190℃でのD,L−ラクチドからの開環重合により合成されている。多分散性(Mw対Mnの比)は2〜3の範囲であった。
別の態様では、疎水性ポリマー又はモノマーをアミノ官能基により末端をなすポリ(アルキレングリコール)(Shear Water Polymers, Inc.から入手可能)と反応させて、一般的にはエステル結合より強いアミド結合を形成することができる。
ポリ(アルキレングリコール)、及び特にポリ(エチレングリコール)により末端をなすトリブロック又は他のタイプのブロック両親媒性コポリマーは、上述の反応を用いて、分枝又は他の適するポリ(アルキレングリコール)を用い、反応すべきでない末端基を保護することにより、調製することができる。Shear Water Polymers, Inc.は、多種多様なポリ(アルキレングリコール)誘導体を提供している。例は、トリブロックPEG−PLGA−PEGである。
一つの態様においては、マルチブロック両親媒性コポリマーを使用し、これは、PLA又はPLGAなどの疎水性ポリマーブロックの末端基を適するポリカルボン酸モノマー、例えば、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ブタン−1,1,4−トリカルボン酸、トリカルバリル酸(プロパン−1,2,3−トリカルボン酸)、及びブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸と反応させることにより調製することができる。その際、反応を意図していないカルボン酸基は、当業者に既知の手段により保護する。次いで、保護基を除去し、残っているカルボン酸基をポリ(アルキレングリコール)と反応させる。別の代替的な態様においては、ジ、トリ、又はポリアミンを分枝剤として同様に使用する。
好ましくは、第一の流れ及び/又は第二の流れは、有機化合物のための安定化剤を含有する。第一の安定化剤の溶解性に依存して、第一の流れ又は第二の流れ又は両方に溶解することができる。
溶媒は、有機化合物が溶解又は分散可能である任意の液体であることができる。溶媒は、例えば、極性又は非極性、プロトン性又は非プロトン性、イオン性又は非イオン性である。しかし、好ましくは、溶媒は、有機溶媒であるか又は有機溶媒を含む。好ましくは、溶媒と貧溶媒は混和性である。好ましくは、溶媒は、一又はそれより多い水混和性の有機溶媒を含む。好ましくは、溶媒は、有機化合物が高い溶解性を有するようなものであり、好ましくは20℃で測定して少なくとも10g/lの溶解性を有するようなものである。
有機化合物を含む第一の流れは、単一の溶媒又は複数の溶媒の混合物を含むことができる。有機化合物のための貧溶媒は、好ましくは、20℃の温度、1バールの圧力にて、有機化合物が1重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満の溶解性を有する液体である。好ましくは、貧溶媒は水を含む。溶解性が許すのであれば、第二の流れは、第一の安定化剤を含むことができる。第二の流れ中において使用される貧溶媒は、第一の流れの諸成分、すなわち、有機化合物、溶媒、及び第一の安定化剤に適合するように選択することができる。本方法のために使用される粒子の条件は、どの貧溶媒を使うかという決定にも影響する。貧溶媒を含む第二の流れは、例えば、第一の流れより低い温度(低温沈殿の場合)、第一の流れと異なるイオン強度、又は第一の流れと異なるpHを有する液体であることができる。第二の流れは、一の貧溶媒又は一より多い貧溶媒を含むことができる。貧溶媒の例としては、水、アルコール、及び液体アルカンが挙げられる。特定の液体が貧溶媒であるか否かは、沈殿させる必要のある有機化合物に依存する。更に、第二の流れは、有機化合物のための溶媒を含有するが、第一の流れと第二の流れを混合したときに、有機化合物を沈殿させる第二の流れの能力に悪影響を与えないように、これは一般的にはごく少量で存在する。
一つの態様においては、第一の流れ及び/又は第二の流れは、湿潤剤を含む。
工程(d)において、第一の流れは、第二の流れのフロー中に供給することができ、又は、第二の流れは、第一の流れのフロー中に供給することができる。言い換えれば、「第一の流れ」及び「第二の流れ」という用語は、何らかの特定の順番を意味することを意図したものではなく、単に言及される特定の二つの流れを識別しているにすぎない。
本発明にしたがった好ましい方法において、第二の流れは、ペプタイザー、例えばクエン酸を更に含む。クエン酸は、遊離酸であるか又は塩の形態であることができる。
第二の流れ中におけるペプタイザーの量は、貧溶媒の重量に対して、典型的には0〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。
好ましくは、第二の流れは、第一の流れより速い流速を有する。一つの態様においては、第二の流れは、第一の流れの流速の1.5〜10倍、より好ましくは2〜7倍の流速を有する。しかし、好ましくは、第二の流れは、第一の流れの流速の1.5〜50倍、より好ましくは2〜20倍、特に好ましくは3〜8倍、更により好ましくは約5倍の流速を有する。
第三の流れは、第二の安定化剤、及び好ましくは有機化合物のための貧溶媒を含む。貧溶媒及び安定化剤の例は、これまでに説明している。第三の流れ中の貧溶媒は、第二の流れにおいて使用される貧溶媒と、好ましくは同じものであるが、異なっていてもよい。第三の流れ中における安定化剤は、第一の流れ及び/又は第二の流れ中において使用される安定化剤と、好ましくは異なるが、同じであってもよい。
第三の流れ中における第二の安定化剤の量は、典型的には、第三の流れの重量に対して、0.1〜50重量%、より好ましくは1〜25重量%である。
第三の流れは、混合した第一の流れと第二の流れより低い、それと同様、又はそれより速い流速を有することができる。しかし、好ましくは、第三の流れは、混合した第一の流れと第二の流れの流速と同様か、又は幾分高い流速を有する。例えば、第三の流れの流速の比が、混合した第一の流れと第二の流れの流速の0.1〜10倍、より好ましくは0.5〜10倍、特に0.5〜5倍である場合に、良い結果が得られた。
第一の流れ、第二の流れ、及び第三の流れのうち一つ又はそれより多くは、所望であれば、湿潤剤を含有することができる。一つの態様においては、湿潤剤は生体適合性である。有機化合物が薬剤活性のある化合物である場合にこれは特に有用である。好ましい湿潤剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム、Tween 80、Cremophor A25、Cremophor EL、Pluronic F68、Pluronic L62、Pluronic F88、Span 20、Tween 20、Cetomacrogol 1000、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F127、Brij 78、Klucel、Plasdone K90、Methocel E5、PEG、Triton X100、Witconol-14F、及びEnthos D70-30Cが挙げられる。
生体適合性の湿潤剤としては、ポリエトキシル化ヒマシ油、例えば、Cremophor ELが挙げられる。
混合は、数多くの手段、例えば、乱流、音波処理及び/又は機械的撹拌手段を用いた混合により達成することができる。好ましくは、混合は、例えば以下により詳細に説明するように、機械的撹拌手段の使用を含む。
好ましい態様においては、方法の工程(a)〜(e)連続的な様式で実施する。
工程(e)の後に、沈殿し安定化された粒子状の有機化合物を、連続的又はバッチの様式で収集することができる。
所望であれば、方法は、例えば、噴霧乾燥器及び/又は凍結乾燥を用いて、沈殿した有機化合物を乾燥する工程を含むことができる。乾燥は、多くの場合、良好な貯蔵安定性を提供するために有用であり、典型的には有機溶媒と貧溶媒の除去を伴う。
凍結乾燥の間、沈殿した有機化合物は、存在する溶媒及び貧溶媒とともに冷却され、減圧に供される。結果として、溶媒及び貧溶媒は、沈殿した有機化合物に悪影響を与えることのない非常に緩やかな条件下で、沈殿した有機化合物から蒸発により除去される。
凍結は、ドライアイス、又はより好ましくは液体窒素を用いて実施することができる。好ましい態様においては、凍結乾燥は、沈殿した有機化合物を、存在する溶媒及び存在し得る水とともに、好ましくは滴状の様式で、液体窒素に添加し、その後に、大気圧より低い圧力を用いて蒸発により溶媒及び貧溶媒を除去することを含む。この手法は、一般的には、沈殿した有機化合物の粒子に対してあるとしても殆ど損傷を与えず、簡便かつ安全に取り扱うことができる物理的な形態を提供する。
更に、方法は、場合により、乾燥した沈殿物を液体媒体中に再分散する工程を更に含む。
本発明の方法は、任意の規模で実施することができ、工程(a)〜(e)は、連続的な様式で実施することができる。このやり方において、工業的規模を含めて、所望の粒子状の有機化合物を大量に調製することができる。本方法において、注意深く整列させなければならない噴流を含める必要はない。諸条件は、困難なく分離し再分散することができる小さい粒子を与えるために、調整することができる、
一つの態様においては、工程(d)は、第一の混合チャンバー中において実施し、工程(e)は、第二の混合チャンバー中において実施する。別の態様においては、工程(d)及び工程(e)は、同じ混合チャンバー中において実施する。
別の好ましい態様においては、工程(d)は、密閉型の混合チャンバー中において実施し、工程(e)は、工程(d)において使用するものと同じチャンバーであるか又は異なるチャンバーである密閉型の混合チャンバー中において実施する。
本方法の特に好ましい態様においては:
i.第一の流れは、有機化合物、有機化合物のための水混和性の有機溶媒、及び両親媒性コポリマーを含む第一の安定化剤を含み;
ii.第二の流れは、水及び場合によりクエン酸を含み;
iii.第三の流れは、水及び両親媒性コポリマーを含む第二の安定化剤を含み;そして、
iv.第一の安定化剤は、第二の安定化剤と同一ではない。
方法を開始した後に、第一の流れ及び第二の流れを連続的に沈殿チャンバー中に供給し、工程(d)の後に、粒子の形態である有機化合物の沈殿物を連続的に安定化チャンバー中に供給し、そこで第二の安定化剤を含む第三の流れと混合するという、定常状態に到達することができる。
好ましくは、沈殿チャンバー及び安定化チャンバーの各々における滞留時間は、0.0001秒より長く5秒未満、好ましくは0.001秒より長く3秒未満である。沈殿チャンバー中における滞留時間があまりに長い場合は、その中で形成される極度に細かい粒子が安定化チャンバー中において安定化する前に、より大きい寸法に成長し、平均粒子寸法の分布は、不所望に広くなる可能性がある。滞留時間があまりに短い場合は、核はごくわずかしか形成されない。最適な滞留時間は、有機化合物によって変動し、 簡単な試行錯誤により最適化することができる。
これまでに説明したように、混合は、種々の様式で実施することができる。混合のための好ましい方法は、機械的撹拌手段を用いて混合することを含み、機械的撹拌手段は、任意のやり方で、例えばドライブシャフト又は回転式マグネットにより、駆動することができる。好ましくは、機械的撹拌手段は、混合チャンバー中において回転可能であり、例えば、回転可能な羽を含むことができる。本明細書中で言及する「混合チャンバー」は、文脈が別のことを意味しない限り、工程(d)及び(e)それぞれを実施することができる沈殿チャンバー及び安定化チャンバーを総称的に包含する。羽根は、任意の形態であることができ、任意の縦横比を有することができる。例えば、その高さ対幅の比が同様であるパドルの形態であることができ、又は、例えば、その高さがその幅よりはるかに小さい、ディスクの形態であることができる。幅により、我々は、パドルの回転の中心軸からその最も外側の端までの直径上の距離の2倍を意味する。機械的撹拌手段の体積は、関係する混合チャンバーの体積の少なくとも10%であり99%以下、より好ましくは少なくとも15%であり95%以下であることが好ましい。機械的撹拌手段は、好ましくは、シャフトと、シャフトにより回転させることができる撹拌羽根を含む。撹拌羽根の好ましい寸法は、関係する混合チャンバーの最も小さい半径の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、特に80%〜99%、更に特に80%〜90%である。
工程(d)及び(e)における混合を補助するために、有機化合物の沈殿物及び液相を、混合チャンバー(複数)から、当該混合チャンバーの入口とは反対の端に向き、入口と直接は一直線になっていない出口を通って、放出することが好ましい。例えば、入口は、混合チャンバーの底部部分に位置することができ、出口(複数)は、混合チャンバーの頂部部分に位置することができる。 一つの態様においては、入口は、混合チャンバーの中間線より低い(例えば、30%の高さ又は20%の高さより低い)。出口(複数)は70%の高さよい上であることができる。別の態様においては、出口(複数)は入口を通る流れのフローに対しておよそ直角である(例えば、80〜100°の角度、特に90°の角度)。このやり方において、入口を通って入る流れは、適切に混合することなく出口を通ってすぐに出ることはない。
一つの態様においては、混合チャンバーは一より多い出口を有する。
工程(e)から生ずる沈殿物は、好ましくは、収集容器中に放出する。収集容器は、安定化剤、湿潤剤、非溶媒、溶媒、又はこれらの混合物のうちの一又はそれより多くを含む第二の液相を含むことができる。
別の態様においては、好ましい平均粒子寸法及び/又は平均粒子寸法分布が達成されるまで、有機化合物の沈殿物の熟成を収集容器中において実施する。この修飾又は塾生は、工程(e)の生成物を収集容器中において撹拌することにより達成することができる。修飾又は熟成の間に、平均粒子寸法は増加し得るが、平均粒子寸法分布は通常より狭くなり、これは有利な場合もある。修飾又は熟成は、種々のパラメータ、例えば、温度、pH、又はイオン強度により制御することができる。その結果として、この好ましい態様にお委したがって、本発明にしたがった方法は、更なる工程(f)を含み、工程(e)の生成物を収集容器中に供給して熟成工程に供する。
本発明にしたがった方法の誘導期間の間、貧溶媒を含む第二の流れを連続的なフローにより沈殿チャンバー中に導入し、そこから流体連絡手段(例えば、配管)を介して安定化チャンバーへ、そしてその後に収集容器へと移すことができる。その後に、有機化合物を含む第一の流れを連続的なフローにより沈殿チャンバー中に導入することができ、そこで第二の流れと混合し、有機化合物の過飽和をもたらすことにより、沈殿物及び液相の形成を開始する。「過飽和」という用語は、所与の条件下で、すなわち、溶媒又は溶媒混合物、温度、pH、イオン強度等の下で、飽和より過剰である有機化合物の濃度を言う。液相中において、過飽和は、沈殿チャンバーの外部で本質的に沈殿がまったく起きないレベルまで低減することができる。次いで、沈殿物を安定化チャンバー中に移すことができ、そこで、第三の流れと混合する。この態様においては、安定化チャンバーの初期出力は、定常状態に到達してすべての流れが流れるまで沈殿物をまったく含有しないことから、放出することができる。この態様においては、流れは連続的に供給することから、沈殿物及び液相の連続的な流出が最終的に達成される。誘導期間の後、混合チャンバー中において定常状態に到達し、これは基本的には、各混合チャンバーの内部の混合物の組成が安定していて、時間経過により本質的には変化しないことを意味する。また、混合チャンバー(複数)の流出の組成は安定していて、同様に時間経過により本質的には変化しない。
種々の流れの流入の速度は同一である必要はない。複数の入口を使用する場合、ひとつの流れの速度は、別の流れの速度と異なっていてもよい。しかし、一般的には、流れの供給速度は、例えば、0.01m/s、0.1m/s、又は1m/sである。10m/s又は50m/sより高い速度でさえも使用することができる。しかし、本発明の利点は、比較的低い流れ速度で、小さい粒子沈殿を達成できることである。入口が複数である場合の供給速度は等しい必要はない。対照的に、衝突噴流混合機においては、これらの供給速度が互いに一致していることが重要であり、実際に本質的である。厳密にいえば、衝突噴流混合機において一致させる必要があるのは、供給速度ではなく、両方の流れに関する供給モーメント(質量×速度)である。しかし、この詳細は、本発明において一致していない供給速度又は供給モーメントをもつという自由が明らかな利点であるという基本的議論には影響しない。第一の流れの供給速度の第二の流れに対する比は、1:99〜99:1であることができる。また、第三の流れの供給速度の組み合わせた第一の流れ及び第二の流れに対する比は、1:99〜99:1であることができる。誘導期間の間、安定化チャンバーからの流出を、流出の組成が本質的に一定になるまで、収集する。定常状態に到達したらすぐに、沈殿物及び液相は、例えば、収集容器中において収集することができる。
本発明にしたがった典型的な方法において、第一の流れを提供するが、連続的なフローで第一の入口を介して沈殿チャンバー中に供給することができる。同時に、第二の流れを、同様に連続的なフローで第二の入口を介して沈殿チャンバー中に供給することができる。沈殿チャンバーには、この第一の流れに関して一より多い第一の入口を、また、この第二の流れに関して一より多い第二の入口を提供することができる。次の工程において、第一の流れ及び第二の流れを混合し、前記混合物は、過飽和と沈殿物の結果を提供する。沈殿物及び液相の混合物は、沈殿チャンバーから安定化チャンバーへ、好ましくは連続的なフローで放出する。また、第二の安定化剤を含有する第三の流れを安定化チャンバー中に供給し、そこで沈殿チャンバーの出力と混合する。安定化チャンバーの内容物は、その出口を通って、好ましくは収集(又は受容)容器へと出る。
各混合チャンバー(すなわち、総称的に、沈殿チャンバー及び安定化チャンバー)は、一又はそれより多い出口を有することができる。また、一つの態様においては、入口及び出口(複数)の他に、混合チャンバーにおいて他の開口部は存在しない。これは、溶媒、液体、溶液、粒子等が特定の入口及び出口(複数)を介する以外に混合チャンバーに入ったり出たりすることができないことを意味する。かかるチャンバーは、例えば、「開放型」の混合容器であるビーカーとは対照的に空気に解放されていないことから、多くの場合、「密閉型」混合チャンバーと呼ばれる。
混合チャンバーの寸法は、沈殿を実施する規模に依存する。小規模では、典型的には、0.15〜100cmの容積の混合チャンバーを使用し、中規模では、101〜250cmの容積の混合チャンバーを使用し、大規模では、250cmのより大きい容積の混合チャンバーを使用する。好ましくは、混合チャンバーの寸法は、1cm〜1リットルである。理解されるように、混合チャンバーの容積は、機械的撹拌手段が存在しない容積である。好ましい態様においては、混合チャンバーは密閉型の混合チャンバーである。
好ましくは、少なくともひとつの撹拌羽根を、入ってくる流れの間の物理的障害として作用するように、混合チャンバーの入口の間に配置する。このやり方において、撹拌羽根は、これらの入口を遮断する可能性のある入口での沈殿物形成の機会を低減する。代わりに、流れは「真正面から(head-on)」の様式ではなく円周方向に接触する。
本発明の方法を実施するために使用することができる装置を図1に概略的に示す。
この装置は、図1の左と右にそれぞれ示すように、沈殿チャンバー及び安定化チャンバーを含み、沈殿チャンバーの出口は、流体連絡手段により安定化チャンバーの入口に接続されている。この装置は、本質的には、その開示を参照により本明細書中に援用する米国特許第5,985,535号に開示された装置ふたつを配管又はホースにより接続したものである。
図1において、沈殿チャンバーは、磁気的に駆動される機械的撹拌手段1P-a及び1P-b、頂部方向及び底部方向に向いている回転の中心軸とチャンバー壁7Pの頂部及び底部の開放端を密封する槽壁として機能するシールプレート8Pとを有するチャンバー壁7Pからなる混合チャンバー3Pを含む。チャンバー壁7P及びシールプレート8Pは、磁気的に駆動される機械的撹拌手段を使用する場合は、好ましくは、磁気透過性にすぐれている非磁性材料から作られ、これは、以下により詳細に説明する。撹拌軸2P-a及び2P-bは、外部磁石9P-a, 9P-bに提供され、本質的に互いに反対である混合チャンバー3Pの頂部端及び底部端において外部に配置される。外部磁石9P-a, 9P-bは、チャンバー内部の機械的撹拌手段1P-a, 1P-bに磁力を介して結合される。モータ(示さず)は、外部磁石9P-a及び9P-bを逆方向に駆動する。これにより、機械的撹拌手段1P-a, 1 P-bは混合チャンバー中において逆方向に回転する。安定化チャンバーの部品部分は、沈殿チャンバーの対応する部分と類似しているので、これらの詳細な説明を本明細書中で繰り返す必要はない。
更に、図1において、混合チャンバー3Pには、第一の流れのための第一の入口4P、第二の流れのための第二の入口5P、及びチャンバーの内容物が出るための単一の出口6P、安定化チャンバーの混合チャンバー3Sに配管又はホースの形態の流体連絡手段10により接続されている出口6Pが提供される。入口4P及び5Pは、正反対に対向するように示しているが、本質的に平行な様式で配列させてもよい。混合チャンバー3Pの形状に関して、多くの場合、円筒形状を使用するが、長方形、六角形、及び種々の他の形状も使用することができる。同様に、軸2P-a, 2P-bを介したモータ駆動外部磁石9P-a, 9P-b及び機械的撹拌手段1P-a, 1P-bは、沈殿チャンバー3Pの対向する頂部端及び底部端に配置するものとして示しているが、これらは別の態様では対向する左側及び右側に配置してもよく、又は、混合チャンバーの形状に依存して対角線上に配置してもよい。また、沈殿チャンバー3Pは、反対に回転する機械的撹拌手段の対をより多く含んでもよい。安定化チャンバーの部品部分は沈殿チャンバーの対応する部分と類似しているので、これらの詳細な説明を本明細書中で繰り返す必要はない。
別の態様においては、奇数である磁気駆動の機械的撹拌手段、例えば、1つ、3つ、又は5つの磁気駆動機械的撹拌手段を、沈殿チャンバー及び安定化チャンバーの一方又は両方において使用することができる。そのうえ、対で指向された機械的撹拌手段を単一の撹拌手段と組み合わせて使用することにより、より効率のよい撹拌につながる。
第二の態様にしたがった装置は、沈殿チャンバー及び安定化チャンバー(安定化チャンバーは、沈殿チャンバー上に示される)を含む。機械的撹拌手段1P及び1S、及びシャフト2が混合チャンバー3P及び3S中に存在して、迅速な混合を行う。混合チャンバー3P及び3Sは、壁7を有し、分離壁13により隔てられている。沈殿チャンバーの混合チャンバー3Pは、有機化合物を含む第一の流れのための第一の入口4P、混合チャンバー3Pに接続された入口4P、貧溶媒を含む第二の流れのための第二の入口5P、混合チャンバー3Pに接続された入口5Pを有する。混合された第一の流れ及び第二の流れは、混合チャンバー3Pのための出口6P及び混合チャンバー3Sへの入口4Sにより形成されるチャンネル(このチャンネルは、流体連絡手段を構成する)を通って、安定化チャンバーの混合チャンバー3Sへと流れる。安定化チャンバーの混合チャンバー3Sは、第三の流れのための入口5S、出口6S、及び機械的撹拌手段1Sを有する。説明の目的のため、機械的撹拌手段1P及び1Sは、単一の撹拌羽根として図示しているが、所望であれば、一より多い撹拌羽根又はチャンバー3P及び3Sに対して迅速に可動する他の機械的手段を使用することができる。
入口4P及び4S, 5P及び5Sについて、出口6P及び6Sについて、図2に実際に図示している位置は、説明の目的のためだけに示している。しかし、これらの入口4P及び4S, 5P及び5S、ならびに出口6P及び6Sについて他の位置も実効可能であり、本発明の範囲内である。
一般的には、混合チャンバーは、底部部分及び頂部部分を有する。そのうえ、混合チャンバーを底部部分と頂部部分とに分割する中間線を混合チャンバーを貫いて定義することができる。そのうえ、最も低い底部部分を0%高さ、中間線を50%高さ、最頂部を100%高さと定義することができる。この一般的な混合チャンバーの説明を用いて、入口4P及び4Sならびに5P及び5Sは、好ましくは、中間線より下である混合チャンバーの底部部分、例えば、30%高さ又は20%高さより下で接続する。出口6P及び6Sは、好ましくは、中間線より上である混合チャンバーの上部部分、例えば、70%高さより上に配置する。入口4P及び5P(ならびに4S及び5S)は、互いに正反対に対向させてもよい。また、入口は、本質的に平行な様式で配列させてもよい。また、入口は、より低い底部部分を介して関係するチャンバーに独立に入ってもよい。同様に、出口6P及び6Sは、図2においてチャンバー3P及び3Sの頂部に位置するものとして図示しているが、これらは、関係する混合チャンバーの側壁の任意の高い部分に位置することができ、流体連絡手段10としての配管又はホース(示さず)により接続することができる。
装置には、好ましくは、収集容器が提供されるか、又は収集容器に接続することができる。収集容器は、好ましくは、撹拌手段を含む。場合により、一又はそれより多い混合チャンバーを収集容器により取り囲むことができる。別の態様では、混合チャンバーは、使用者の好みに依存して、収集容器の近傍に、又は、収集容器から離れた位置に配置することができる。装置及び/又は収集容器には、例えば、それぞれ混合チャンバー及び/又は収集容器中において、温度を制御するための手段を提供することができる。かかる制御手段を使用して、例えば、流れの温度を制御することができる。
装置は、 流れをつくるために使用される流体を含む供給槽(示さず)を含むことができる。供給槽は、例えば、ホース又は固定された配管であることができる供給ラインにより、関係するチャンバーに接続することができる。混合チャンバーへの液体の輸送は、ポンプにより連続フローで行うことができる。ポンプは、長期間にわたって安定なフローを提供できる限りは、当技術分野において知られている任意のポンプであることができる。適するポンプは、例えば、プランジャーポンプ、蠕動ポンプ、などである。
チャンバーの形状は、原則として自由に選択することができる。好ましくは、チャンバーは、中心軸の周りに回転して対称である。チャンバーは、互いの距離がxである、ふたつの同一表面、すなわち、ひとつの頂部表面とひとつの底部表面により特定することができる。これらの表面は、任意の形状、例えば、長方形から十二角形まで、又は、適用可能である場合は最小直径Dminである環状であることができる。例えば、正方形の形状を有する混合チャンバーについて、Dminは、対向する側面の間の距離である。この態様においては、xは、Dminより大きいものであることができ、別の態様では、xは、Dminより小さいものであることができる。更なる態様において、頂部表面及び底部表面は、同一である必要はないが、ひとつの表面は、例えば他方より小さい寸法であることができる。チャンバーは、同じ形状又は異なる形状であることができる。チャンバーは、同じ寸法又は異なる寸法であることができる。
別の態様においては、沈殿及び安定化は、同じチャンバー、すなわち、図3に示すような沈殿及び安定化チャンバーの異なる部分において行われる。この態様においては、有機化合物の粒子の形態の沈殿物を形成するための第一の流れ及び第二の流れの混合と、その後の第三の流れと混合した第一の流れ及び第二の流れとの混合との間のタイムラグは、第三の流れのための入口を第一の流れ及び第二の流れのための入口から下流に配置することにより達成される。
図3において、組み合わせた沈殿及び安定化チャンバーは、機械的撹拌手段1、頂部方向及び底部方向の向いている中心軸を有する混合チャンバー壁7を含む。撹拌手段1は、混合チャンバー3の中心に配置され、チャンバーの容積の大きな割合を占有し、モータ(示さず)を用いて撹拌機軸2を介して駆動することができる。入口4P, 5Pは、好ましくは、本質的には、互いに垂直であり、第一の流れ及び第二の流れが、第三の流れと接触する前に、好ましくは迅速に、混ざるように、入口5Sから上流に配置される。しかし、入口4P及び5Pの位置は交換可能であり、すなわち、入口4Pは、その底部を介して混合チャンバー3に入ることができ、入口5Pは側壁を介して混合チャンバー3に入ることができる。別の態様では、入口5Pは、その底部を介して混合チャンバー3に入ることができ、入口4Pは、側壁を介して混合チャンバー3に入ることができる。また、入口4P及び5Pの両方において、側壁から入ることも可能であり、その際、水平面における入口の間の角度は、任意の値であることができるが、好ましくは、90°〜180°である。この態様においては、撹拌機軸又はシャフト2は、混合チャンバー3の出口内に配置される。更に、両方の入口4P及び5Pは、混合チャンバー3の底部部分を介して入ることも可能である。好ましい態様においては、それを介して第二の流れがチャンバーに入る入口5Pは、底部に配置する。この態様においては、チャンバーへの入口における不所望な沈殿が妨げられる。いずれの場合においても、第三の流れのための入口5Sは、第一の流れ及び第二の流れが第三の流れと接触する前に混ざるように、入口5P及び4Pの下流に配置する。
図3の態様において、撹拌手段1の体積は、混合チャンバーの容積の70%〜99%、より好ましくは80%〜98%、特に90%〜96%を占有することが非常に好ましい。このやり方において、第一の流れ及び第二の流れを第三の流れと接触させる前に混ぜることを確実にするのがより簡単である。このため、本発明の好ましい態様においては、沈殿及び安定化チャンバーは、方法の工程(d)を行う上流セクション3P(図3に示す低部部分)と方法の工程(e)を行う下流セクション3S(図3に示す上部部分)とを有する混合チャンバー を含む。図3の態様にしたがった沈殿及び安定化チャンバーは、この態様の装置の上面図を示す図3A及び3Bに示すような可動式部分から構成することができる。このために、チャンバー3 は、ヒンジ12の周りを回転可能であるふたつの可動式チャンバー部分11により形成される。可動式チャンバー部分11は、シャフト2により駆動される機械的撹拌手段1(回転可能なディスクの形態の撹拌羽根)の周りを連動する。
図2に説明する装置のより詳細な図面を図4に示す。この態様は、図3A及び3Bに示すような可動式部分から構成することができる。
図4において、沈殿チャンバー及び安定化チャンバーは、ディスク形態の機械的撹拌手段1P, 1Sを含み、本方法の工程(d)は混合チャンバー3P中において実施され、本方法の工程(e)は混合チャンバー3S中において実施され、チャンバー壁7及び回転可能なシャフト2が存在する。また、この態様においては、撹拌機軸又はシャフト2は、沈殿が起こる混合チャンバー3Pから安定化が起こる混合チャンバー3Sへの単一の出口6P内に位置し、この出口6Pは、安定化チャンバーへの入口としても作用する。安定化が起こるチャンバー3Sは、回転可能なシャフト2の周りに出口6Sを有する。入口4P及び5Pは、好ましくは、本質的には互いに垂直である。しかし、この態様においては、入口4P及び5Pの位置は交換可能であり、またこの態様においては、入口4P及び5Pは、混合チャンバー3Pの底部部分を介して側壁を通って混合チャンバーに入ることができる。好ましい態様においては、第二の流れは、混合チャンバー3Pの底部部分を介して入る。
また、この態様においては、少なくとも、機械的撹拌手段1(この場合においてはディスク形状1P, 1Sを有する)の体積は、混合チャンバーの容積の70%〜99%、より好ましくは80%〜98%、特に90%〜96%を占有することが非常に好ましい。このやり方では、第一の流れ及び第二の流れを、第三の流れと接触させる前に確実に混ぜることがより簡単である。3つ又はそれより多い区画を有する混合チャンバーで、各区画に、単一の軸にくっ付けられた機械的撹拌手段としてディスクが提供されているものを使用することができる。このため、この好ましい態様においては、装置は、少なくとも2つ、3つ、4つ、又はそれより多い、シャフト2により駆動されるディスクの形態の機械的撹拌手段、頂部方向及び底部方向に向いている回転中心軸を有するチャンバー壁7からなる混合チャンバー3を含み、第三の流れのための入口5Sは、第一の流れ及び第二の流れを第三の流れと接触させる前に確実に混ぜるために、入口5P及び4Pから下流に配置される。
本発明の更なる態様にしたがえば、沈殿チャンバー、安定化チャンバー、及び沈殿チャンバーから安定化チャンバーへと流体を輸送するための流体連絡手段10を含む、粒子の形態有機化合物を沈殿させるための装置であって:
(A)沈殿チャンバーは:
i.混合チャンバー3P;
ii.第一の流れを混合チャンバー3P中に受容するための入口4P;
iii.第二の流れを混合チャンバー3P中に受容するための入口5P;
iv.混合チャンバー3P中において第一の流れ及び第二の流れを混合して、有機化合物の粒子の形態の沈殿物を形成するための機械的撹拌手段1P;及び
v.混合チャンバー3Pの内容物を流体連絡手段10を介して安定化チャンバー中に放出するための出口6P
を含み;そして、
(B)安定化チャンバーは:
i.混合チャンバー3S;
ii.混合チャンバー3Pの内容物を混合チャンバー3Pから流体連絡手段10を介して混合チャンバー3S中に受容するための入口4S;
iii.第三の流れを混合チャンバー3S中に受容するための入口5S;
iv.混合チャンバー3Sの内容物を混ぜるための機械的撹拌手段1S;及び、
v.混合チャンバー3Sからの混合チャンバー3Sの内容物を分散させるための出口6S
を含む、前記装置が提供される。
この装置において、混合チャンバー3P及び3Sの内容物を混合するための手段1P及び1Sは、好ましくは、機械的混合手段、例えば、関係するチャンバー内で回転可能である撹拌機である。第一の流れ、第二の流れ、及び第三の流れは、好ましくは、本発明の方法において説明するとおりである。混合は好ましくは迅速である。
好ましくは、一又はそれより多い流れと接触させるチャンバーのすべての部分は、接着物、付着物、堆積物などを防止する材料の層で被覆する。好ましい材料は、相対湿度50%及び温度23℃においてASTM D 570にしたがった水分吸収が1%未満であるものである。かかる材料の適する例としては、フッ素化されたアルケンポリマー及びコポリマー、例えば、ポリビニリデンフルオライドポリテトラフルオロエチレン、及びポリアセタール、 例えば、ポリオキシメチレンが挙げられる。
核生成の開始時において、核は、過飽和流体により囲まれている。二又はそれより多いこれらの粒子が長い間接触してとどまると、それらは一緒に「固まり」、凝集体を形成する。そのうえ、水性媒体中の無機粒子と異なり、有機粒子は、通常、電気的に荷電されていないので、これらの有機粒子は、強い静電気斥力機構をもたない。本発明においては、流体運動により核に課せられる混合チャンバー中における抵抗力/せん断力(drag/shear forces)が粒子の凝集を妨げる。本発明の一つの態様においては、過度の乱流を使用して、周りの流体がなお過飽和でありながら凝集させない値まで粒子間の接触時間を低減する。
本発明にしたがった装置においては、機械的撹拌手段の好ましい直径は、関係する混合チャンバーの最小直径の少なくとも50%、より好ましくは 少なくとも70%、最も好ましくは70〜99%であることが分かった。混合チャンバーの最小直径のおよそ90%〜95%の直径を有する機械的撹拌手段により、非常に良い結果が得られた。別の態様においては、混合チャンバーの最小直径の80%〜90%の直径を有する機械的撹拌手段により非常に良い結果が得られた。
本発明にしたがった装置においては、機械的撹拌手段の体積は、混合チャンバーの容積の70%〜99%、より好ましくは80%〜98%であることが非常に好ましい。このやり方で、第一の流れ及び第二の流れを第三の流れと接触させる前に迅速に混ぜることを確実にするのがより容易となる。
別の態様においては、本発明は、また、図3に図示する一般的なタイプの装置も提供する。
本発明の更なる側面にしたがえば、粒子の形態の有機化合物の沈殿及び安定化のための装置であって:
(i)混合チャンバー;
(ii)混合チャンバー中に存在し、前記チャンバーの容積の70%〜99%を占有する機械的撹拌手段;及び、
(iii)それぞれ第一、第二、及び第三の流れを受容するための混合チャンバーへの第一、第二、及び第三の入口;ここで、第三の入口は、第一の流れ及び第二の流れを第三の流れと接触させる前に迅速に混ぜることができるように、第一及び第二の入口の下流に位置する、
を含む。
本発明においては、混合チャンバー中において対向する機械的撹拌手段を駆動する場合に(すなわち、シャフトが反対の方向に回転する)、撹拌手段を高速で回転させて、迅速な混合を行うことが好ましい。回転速度は、好ましくは、1,000rpm以上、より好ましくは3,000rpm以上、特に5,000rpm以上である。反対に回転する撹拌手段の対は、同じ回転速度又は異なる回転速度で回転させることができる。軸の周りに対称的である機械的撹拌手段の場合は、撹拌速度は、好ましくは、少なくとも500rpm、例えば少なくとも1,000rpm、又は少なくとも5,000rpm、又は更に10,000rpmより高い速度である。今日では、機械的な撹拌機は、20,000rpm又はそれより高い撹拌速度を有するものが商業的に入手可能である。一般的には、撹拌速度が高いほど迅速な混合が良好となるので、撹拌速度について特定の上限はない。非常に高い撹拌速度では、混合のせん断力により、懸濁又は溶液過熱の危険性があり、これは沈殿した粒子又は流体媒体に対して熱的損傷を与え得る。そのような悪影響により、冷却を適用しない限り、特定の化合物又は化学組成について撹拌速度の上限が設定される。
混合チャンバー中における有機化合物の滞留時間は変動することができ、とりわけ、例えば、流れの流入速度、チャンバー内部容積、又は機械的撹拌手段のタイプ、例えば、形状及び寸法の選択を変えさせる。混合の強度と入口及び出口の位置とにより、撹拌手段がバイパスされる機会が決定され、完全に混合される前に、混合されていない流体がチャンバーの残ることになる。混合した流れの混合チャンバー中における滞留時間があまりに短いことは、混合チャンバーの外部に未制御の核形成をもたらし得ることから望ましくない。第三の流れと接触させる前に滞留時間があまりに長いことも、過度な凝集及び成長をもたらし得ることから望ましくない。溶媒及び貧溶媒を、例えば温度ともに、選択して沈殿速度を制御することができる。核形成の時間は、例えば、10−7秒〜10−2秒の範囲であることができる。また、そのような迅速な核形成時間をもたない化合物については、沈殿プロセスの効率が低下することから沈殿チャンバー中における滞留時間はあまりに長くすべきではない。そのうえ、滞留時間が長いと、広い平均粒子寸法分布とより大きな粒子をもたらし得る。特に、沈殿チャンバー及び安定化チャンバーの各々における滞留時間(又は、組合せた沈殿及び安定化チャンバーの面積)は、好ましくは、0.1〜3秒である。核形成がゆっくり、例えば、10−2から10−3秒までで進行する場合においては、諸条件を好ましくは、滞留時間が0.1〜5秒、より好ましくは3秒未満、更により好ましくは1秒未満となるように選択する。
滞留時間tは以下のとおりに計算することができる:
t = V/(a+b)
式中:
Vは、関係するチャンバー中の混合空間の容積である(cm);
a及びbは、関係するチャンバー中への関係する流れの流速である(cm/秒)。
本発明にしたがった方法は、医薬活性のある化合物を小さい平均寸法と狭い粒子寸法分布をもつ粒子状の形態に調製するために非常に適している。小さい医薬粒子は、薬剤において使用するのに非常に適している。本発明の別の利点は、有機化合物が非晶質で非結晶質の形態で沈殿することが多く、再分散速度と溶解速度、及び溶解性に向上がもたらされることである。
本発明の別の側面においては、有機化合物が薬剤活性のある化合物である本発明の方法を実施することを含む、薬剤を製造するための方法を提供する。
好ましくは、この方法は、本方法の生成物を医薬的に許容可能な担体又は賦形剤と混合して、薬剤を与えることを更に含む。
担体又は賦形剤が何であるかということは、医薬的に許容可能であることを条件として、重要ではない。そのような担体及び賦形剤の例としては、製薬産業において広く使用される、希釈剤、添加剤、充填剤。潤滑剤、及び結合剤が挙げられる。
好ましい側面において、薬剤は、錠剤、トローチ粉末、シロップ、パッチ、リポソーム、注射可能な分散液、懸濁液、カプセル、クリーム、軟膏、又はエアゾールの形態である。
したがって、経口用途を意図している薬剤は、現在特許請求の範囲に記載する方法の生成物に加えて、例えば、一又はそれより多い着色剤、甘味料、着香料、及び/又は保存料を含有してもよい(現在特許請求の範囲に記載されている方法は、多くの場合、本明細書中において「活性成分」と簡単に省略されている)。
錠剤又はトローチ処方について適する医薬的に許容可能な担体及び賦形剤としては、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、又は炭酸カルシウムなどの不活性希釈剤、コーンスターチ又はアルゲン酸などの造粒剤及び崩壊剤(disintegrating agents);デンプンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクなどの潤滑剤;エチル−又はプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートなどの保存剤、及びアスコルビン酸などの酸化防止剤が挙げられる。錠剤処方は、それらの崩壊及びその後の活性成分の消化管内への吸収を調節するために、又は、それらの安定性及び/又は外観を改良するために、被覆されていなくても、被覆されていてもよいが、どちらの場合でも、当技術分野において良く知られている慣用的な被覆剤と手順を用いる。
経口用途に関する組成物は、活性成分を不活性の固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合した硬質のゼラチンカプセルの形態、あるいは、活性成分を水又は、落花生油、液体パラフィン、若しくはオリーブ油などの油と混合した軟質ゼラチンカプセルとしての形態であることができる。
水性懸濁液は、一般的には、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアラビアゴムなどの沈殿防止剤;レシチン、又は、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、又は、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又は、エチレンオキシドと脂肪酸及びポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなどのヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、又は、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアートから誘導された部分エステルとの縮合生成物などの分散剤又は湿潤剤のうち一又はそれより多くとともに、溶解したか又は粒子の形態の活性成分を含有する。水性懸濁液は、また、一又はそれより多い保存料(エチル−又はプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートなど)、酸化防止剤(アスコルビン酸など)、着色剤、着香剤、及び/又は甘味料(スクロース、サッカリン、又はアスパルテームなど)を含有してもよい。
油状懸濁液は、活性成分を植物油(落花生油、オリーブ油、ゴマ油、又はココナッツ油など)又は鉱油(液体パラフィンなど)中に懸濁することにより調製することができる。油状懸濁液は、また、密ろう、固形パラフィン、又はセチルアルコールなどの濃化剤含有することができる。これまでに説明したものなどの甘味料、及び着香料を添加して、口に合う経口調製物を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することにより保存することができる。
水の添加による水性懸濁液の調製に適している分散可能な粉末及び顆粒は、一般的には、活性成分を、場合により分散剤又は湿潤剤、沈殿防止剤、及び一又はそれより多い保存剤とともに含有する。適する分散剤又は湿潤剤及び沈殿防止剤は、これまで説明したものにより例示されている。甘味料、着香料、及び着色剤などの追加の賦形剤も存在することができる。
本発明の薬剤は、また、水中油型懸濁液の形態であることができる。油相は、オリーブ油又は落花生油などの植物油、又は、例えば液体パラフィンなどの鉱油、又はこれらのうち任意の混合物であることができる。適する乳化剤は、例えば、アラビアゴム又はトラガカントゴムなどの天然起源のゴム、大豆油、レシチン、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されたエステル又は部分エステルなどの天然起源のホスファチド(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及び、前記部分エステルとポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのエチレンオキシドとの縮合生成物であることができる。乳化剤は、また、甘味料、着香料、及び保存料を含有することができる。
シロップ及びエリキシルは、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アルパルテーム、又はスクロースなどの甘味料により調製することができ、また、粘滑剤、保存料、着香剤及び/又は着色料を含有することができる。
薬剤は、また、滅菌した注射可能な水性又は油状懸濁液であることができ、これまでに説明した一又はそれより多い適切な分散剤又は湿潤剤、及び沈殿防止剤を用いて、既知の手順にしたがって調製することができる。滅菌した注射可能な調製物は、また、非毒性の非経口投与が許容可能な希釈剤又は溶媒中の滅菌した注射可能な溶液又は懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であることができる。
座薬の調製は、活性成分を、常温で固体であり直腸温度で液体である適する非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができるので、溶融して薬剤を放出することになる。適する賦形剤としては、例えば、ココアバター及びポリエチレングリコールが挙げられる。
クリーム、軟膏、ゲル、及び、水性又は油状の溶液又は懸濁液などの局所的調製は、一般的には、当技術分野において良く知られている慣用的な手順を用いて、活性成分を慣用的な局所用途で許容可能な溶剤又は希釈剤と調製することにより得ることができる。
吸入により投与するための薬剤は、本発明の方法により製造された粒子の形態であることができ、粉末自体は、活性成分のみを含むか、あるいは一又はそれより多い生理的に許容可能なラクトースなどの担体により希釈される。次いで、吸入のための粉末は、都合のよいことには、既知のクロモグリク酸ナトリウムの吸入のために使用されているものなどのターボ吸入器とともに使用するために、例えば、1〜50mgの活性成分を含有するカプセル中に保持する。
吸息による投与のための薬剤は、活性成分を、細かく分割された固体として、又は液滴として含有するエアゾールとして調剤するようにアレンジされた慣用的な加圧されたエアゾールの形態であることができる。揮発性のフッ素化された炭化水素又は炭化水素などの慣用的なエアゾール推進剤を使用することができ、エアゾール装置は、都合のよいことには、測定量の活性成分を調剤するようにアレンジする。
処方についての更なる情報について、読者は、Chapter 25.2 in Volume 5 of Comprehensive Medicinal Chemistry (Corwin Hansch; Chairman of Editorial Board), Pergamon Press 1990を参照されたい。
消耗であれば、本方法は、沈殿した薬剤活性のある有機化合物を滅菌する工程更に含むことができる。滅菌の目的は、特に彼らの免疫系が損なわれている場合に、患者に対して害をもたらし得るすべての不所望なバクテリアを殺すことである。典型的な滅菌法としては、照射、0.22ミクロンの滅菌フィルターによる濾過、加熱、及び殺生物剤による処理が挙げられる。
本発明の上述の更なる側面において言及した薬剤活性のある化合物は、本明細書中において既に説明した薬剤活性のある有機化合物のうち任意のもの、特にパクリタキセル、フェノフィブラート、又はシクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)であることができる。
また、本発明は、本発明の方法により得られる薬剤を提供する。
また、本発明は、本発明の方法により得られる薬剤を投与することを含むヒト又は動物を治療する方法を提供する。更に、本発明は、癌を治療するための薬剤を製造するために、本発明の方法により得られる薬剤活性のある有機化合物を使用することを提供する。
本発明をここで以下の比限定的な実施例により説明する。すべての部分及びパーセントは、他に示さない限り、重量基準である。
これらの実施例においては、重量平均した平均粒子寸法D[4,3]、メジアン寸法D50及びD90をMalvern Mastersizer 2000を用いる静的光散乱法により測定した。この場合において、粒子寸法分布は、より小さいミクロンスケール又はナノスケールであることが分かり、散乱−強度−重量平均粒子寸法(単峰形寸法)、Dを、Coulter(登録商標) N4 Plus Submicron Particular Sizerを用いる動的光散乱法を用いて測定した。
以下の実施例における溶解試験の結果は、次の手順に従って得られた:
1.水(20g)を37℃にて、秤量した量の粒状固体に添加して、ガラス瓶中で開始時間t=0にて再溶解した。粒状固体の量は、有機化合物15ミリグラムを含有する(計算値)ように選択した。
2.段階1において調製した水及び粒状固体の混合物を、標準的な超音波浴を用いて超音波処理に30秒間供して、懸濁液を与えた。
3.段階2から生じた懸濁液を、水を含有するガラス製の平底フラスコに移し、溶解を補助するために300rpmの緩やかな撹拌速度で作動させたプロペラ撹拌羽根を用い、温度をサーモスタットで37.0±0.5℃に制御した。フラスコ中の水の量は、水の最終体積が500cmとなるように選択した。
4.規則的な間隔にて、試料をフラスコから採取し、20nmのAl膜フィルターにより濾過し(Whatman Anotop(登録商標) syringe filter)、含有する0.1重量%の酢酸を含有する無水エタノールにより重量基準で2倍に希釈した。濾過は、懸濁液中に存在するすべてのマイクロ−又はナノ−粒子を捕獲することを意図したものであった。この希釈液の添加は、有機化合物の更なる結晶化を防止することを意図したものであった。希釈液中の酢酸の存在は、アルカリ条件下で化学的安定性が限られているパクリタキセルのような化合物の場合に重要である。酸は、媒体中の痕跡量のアルカリ不純物を中和するので、有機化合物の化学的安定性が改良される。
5.ろ液中の有機化合物の濃度の定量分析は、UV/VIS検出器を備えたUltra Performance Liquid Chromatography (UPLC)を用いて測定した。ろ液中に有機化合物が高濃度であることは、有機化合物の多くが再溶解されたことを意味している(すなわち、ろ過により保持された粒子の形態でとどまる化合物が殆どない)。ろ液中に有機化合物が低濃度であることは、有機化合物が殆ど再溶解されなかったことを示している(すなわち、粒子の形態でとどまる化合物の多くがろ液中の溶液として通過する代わりに、ろ過により保持された)。
Mastersizer 2000 Particular sizerを用いて粒子寸法分布を測定する場合、適切な固体屈折率を使用することが重要である。沈殿した有機化合物の固体屈折率は、Saveyn, H., Mermuys, D., Thas, O. and Van der Meeren, P., entitled “Determination of the Refractive Index of Water-Dispersible Granules for use in Laser Diffraction Experiments”, published in particular and Particular Systems Characterisation, 19 (2002), pages 426-432において説明される手順にしたがって測定することができる。例えば、この手順に従うことにより、プレグネノロン、フェノフィブラート、シクロスポリンA、及びパクリタキセルの屈折率の値は、は、それぞれ、1.56、1.52、1.50及び1.51であった。
以下の実施例においては、次の化学物質を使用した:
化学物質は、他に示さない限り、Sigma-Aldrich Co., Zwijndrecht, The Netherlandsから入手した:
taxus brevifoliaからのパクリタキセル、(HPLCにより≧95%)、
プレゴノロン、≧98%、
フェノフィブラート、≧99%粉末、
シクロスポリンA,BioChemika、≧98.5%(TLC)、
テトラヒドロフラン(THF) バイオテク等級 ≧99.9%,阻害剤を含まない、
クエン酸、USP等級、
D−マンニトール、USP等級、
両親媒性ブロックコポリマー
無水エタノール 100% DAB, PH. EUR. をBoom B.V., Meppel, The Netherlandsから入手した、
魚ゼラチン 150kDa(#1313)Norland Products Inc., Cranbury, USAから入手した
加水分解魚ゼラチン 4.2kDa(P6132)Nitta Gelatine Inc., Japanから入手した、使用した水は、脱塩及び濾過法によりその場で精製した。
以下の実施例のすべてにおいて、測定した粒子寸法パラメータD50、D90、及びD[4,3]は、他に示さない限りは、少なくとも15分間安定であった。
実施例において、他に示さない限り、得られる粒子の粒子寸法分布、重量平均寸法D[4,3]、メジアン寸法D50、及びD90(粒子の90%がそれ未満である寸法)をMalvern Mastersizer 2000を用いて測定した。
実施例1
この実施例においては、装置は、沈殿チャンバー及び安定化チャンバーを含み、各チャンバーが米国特許第5,985,535号に記載される一般的なタイプのものであり、沈殿チャンバーの出口が流体接続手段により安定化チャンバーの入口に接続されている装置において、有機化合物であるパクリタキセルを沈殿させた。
(A)第一の流れ−第一のストック溶液の調製
両親媒性ジブロックコポリマーポリ(エチレングリコール) M750 メチルエーテル−ブロック−ポリラクチド M1000(20.0g/l)及び有機化合物であるパクリタキセル(20g/l)をテトラヒドロフラン溶媒中に含む第一のストック溶液を調整した。この溶液の温度を293Kに調節した。
(B)第二の流れ−貧溶媒の調製
クエン酸(10g/l)を精製水中に溶解することにより貧溶媒の第二のストック溶液を調製した。この貧溶媒の温度を273Kに調節した。
(C)第三の流れ−安定化剤溶液の調製
ゼラチン(91.7g/l、4.2kDa分子量、Nittaから入手した加水分解魚ゼラチン)を水中に溶解することにより安定化剤の第三のストック溶液を調製した。次いで、この溶液を273Kに冷やした。
(D)装置
磁気撹拌されるふたつのチャンバーをホースにより接続することにより本発明にしたがった装置を構成した。各々のチャンバーは、米国特許第5,985,535号の図1に記載されるように構成した。第一のチャンバーは沈殿チャンバーであり、第二のチャンバーは安定化チャンバーであり、第一のチャンバーの出口を流体連絡手段としてホースを用いて第二のチャンバーの入口に接続した。各チャンバーは密閉型であり1.5cmの内部容積をもつ(機械的撹拌手段の組み込み前に)円筒形で、ふたつの隔てられた入口、機械的撹拌手段として一対の磁気的に駆動される撹拌羽根、及びひとつの出口をもつ。撹拌羽根の形態の機械的撹拌手段は、チャンバー直径の83%の直径を有していた。機械的撹拌手段の体積は0.8cmであった。
(E)方法
第二のストック溶液(貧溶媒)の流れを100cm/minの速度にてポンプで送ることにより装置を液体で充填した。沈殿チャンバー及び安定化チャンバー中の撹拌羽根を6,000rpmで反対方向に作動させた。
装置が充填されたら、第一の流れ(有機化合物を含有する)を沈殿チャンバー中に20cm/minの速度にてポンプで送り、第三の流れ(第二の安定化剤を含有する)を安定化チャンバー中に120cm/minの速度にてポンプで送った。沈殿チャンバー中の温度は1℃であった。
装置の初期出力はその組成が一定になるまで廃棄し、その後に三つの流れを連続的に装置にポンプで送り、安定化チャンバーからの出力をバッチ式のやり方で収集した。製造の最後に、装置を溶媒にフラッシュ洗浄し、再循環のために洗浄を続けた。
(F)結果−粒子寸法分布
粒子は、単峰形の粒子寸法分布、105nmのD[4,3]、99nmのD50、及び148nmのD90を有することが分かった。
単峰形の寸法は、Coulter(登録商標) N4 Plus Submicron Particle Sizerにより測定して65nmであった。
(G)結果−粒子形態
パクリタキセル粒子の物理的形態は、方法の前に(すなわち、出発材料)、X線粉末回折法(“XRPD”)用いて測定し、方法の生成物を凍結乾燥した後に再び測定した。
XRPDスペクトルは、方法の前は、パクリタキセルは結晶質構造の順位を有することを示した。しかし、方法により得られた凍結乾燥した生成物は、より所望な非晶質の形態であった。
(H)結果−貯蔵安定性試験
粒状懸濁物の平均寸法、Dを、Coulter N4 Plus装置を用いて、0℃にて40時間容器中に置いた前後の両方に測定した。この長時間の間に、粒子寸法において有意な変化はなかった。初期の粒子寸法Dは66nmであり(3回測定、90°、300秒)、最終的な粒子寸法は、71nmであった。粒子寸法分布は狭く、多分散度指標は初めに0.08で、40時間後に0.07であった。
(I)結果−再分散性
凍結乾燥後に、粒子を室温にて水中に分散させ、30秒超音波に供した。得られる懸濁液を目視と、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particle Sizerを用いる寸法測定により調査した。結果は、粒子が平均寸法130nmまで容易に水中に再分散されたことを示した。
(J)結果−溶解速度
本発明の方法により得られた凍結乾燥したパクリタキセルの粒子は、パクリタキセルの未処理の粒子よりもはるかに良好に(0.5時間の溶解後に約7倍高い濃度)37℃にて水中に溶解した。
実施例2
第三のストック溶液中における分子量4.2kDの加水分解魚ゼラチンの代わりに、同一の重量の深海魚ゼラチン(150kD分子量、Norlandから)を使用したことを除いて実施例1の方法を繰り返した。
(A)結果−粒子寸法分布
粒子は、単峰形の粒子寸法分布、109nmのD[4,3]、103nmのD50、及び150nmのD90を有することがわかった。
単峰形の寸法は、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particular Sizerにより測定して88nmであった。粒子寸法分布は狭く、多分散度指標は0.3であった。
(B)結果−貯蔵安定性試験
2時間継続した評価により、粒子寸法の不安定性は示されなかった。
(C)結果−再分散性
凍結乾燥後に、粒子を室温にて水中に分散させ、30秒超音波に供した。得られる懸濁液を目視と、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particle Sizerを用いる寸法測定により調査した。結果は、粒子が平均寸法206nmまで容易に水中に再分散されたことを示した。
(D)結果−溶解速度
本発明の方法により得られた凍結乾燥したパクリタキセルの粒子は、パクリタキセルの未処理の粒子よりもはるかに良好に(0.5時間の溶解後に約9倍高い濃度)37℃にて水中に溶解した。
実施例3
(A)第一のストック溶液が、293Kにて、溶媒としてテトラヒドロフラン中に、両親媒性ブロックコポリマーポリ(エチレングリコール) M2000 メチルエーテル−ブロック−ポリラクチド M2000(60.0g/l)及び有機化合物であるパクリタキセル(60.0g/l)を含み;(B)第二の流れのストック溶液が水中において5g/lのクエン酸を含み;そして、(C)第三のストック溶液を深海魚ゼラチン(150kD分子量)を水(45.9g/l)中に溶解することにより調製したことを除いて実施例1の方法の工程(A)〜(E)を繰り返した。
(F)結果−粒子寸法分布
粒子は、単峰形の粒子寸法分布、235nmのD[4,3]、127nmのD50、及び237nmのD90を有することがわかった。
単峰形の寸法は、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particular Sizerにより測定して170nmであった。粒子寸法分布は狭く、多分散度指標は0.3であり、貯蔵の間変化しなかった。
(G)結果−再分散性
凍結乾燥後に、粒子を室温にて水中に分散させ、75秒超音波に供した。得られる懸濁液を目視と、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particle Sizerを用いる寸法測定により調査した。粒子は、247nmの単峰形寸法まで容易に水中に再分散し、多分散度は0.3であった。
(H)結果−溶解速度
本発明の方法により得られた凍結乾燥したパクリタキセルの粒子は、パクリタキセルの未処理の粒子よりもはるかに良好に(0.5時間の溶解後に約4倍高い濃度)37℃にて水中に溶解した。
実施例4
(A)第一のストック溶液が、293Kにて、エタノール溶媒中、フェノフィブラート(20g/l)と両親媒性ブロックコポリマーポリ(エチレングリコール) M750 メチルエーテル−ブロック−ポリラクチド M1000(4.5g/l)とからなり;(B)第二の流れのストック溶液が水中において5g/lのクエン酸を含み;そして、(C)第三のストック溶液を深海魚ゼラチン(150kD分子量)を水(45.9g/l)中に溶解することにより調製したことを除いて実施例1の方法の工程(A)〜(E)を繰り返した。
(F)結果−粒子寸法分布
粒子は、単峰形の粒子寸法分布、131nmのD[4,3]、122nmのD50、及び206nmのD90を有することがわかった。
単峰形の寸法は、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particular Sizerにより測定して196nmであった。粒子寸法分布は狭く、多分散度指標は0.27であり、貯蔵の間変化しなかった。
(G)結果−再分散性
凍結乾燥後に、粒子を室温にて水中に分散させ、30秒超音波に供した。得られる懸濁液を目視と、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particle Sizerを用いる寸法測定により調査した。粒子は、500nmの単峰形寸法まで容易に水中に再分散し、多分散度は0.7であった。
(H)結果−溶解速度
本発明の方法により得られた凍結乾燥したフェノフィブラートの粒子は、フェノフィブラートの未処理の粒子よりもはるかに良好に37℃にて水中に溶解した。
実施例5
(A)第一のストック溶液が、293Kにて、テトラヒドロフラン溶媒中、シクロスポリンA(10g/l)と両親媒性ブロックコポリマーポリ(エチレングリコール) M750 メチルエーテル−ブロック−ポリラクチド M1000(10.0g/l)とからなり;(B)第二の流れのストック溶液が水中において5g/lのクエン酸を含み;そして、(C)第三の流れのストック溶液を深海魚ゼラチン(150kD分子量)を水(45.9g/l)中に溶解することにより調製したことを除いて実施例1の方法の工程(A)〜(E)を繰り返した。
(F)結果−粒子寸法分布
バッチ式の計測においてミクロン化された粒子が粒子の重量の5%(m/m)未満存在したが、これらは緩く押し固められた最初の粒子の凝集であると考えられた。
235nmのD[4,3]は750nm、D50は124nm、D90は224nmであった。
単峰形の寸法は、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particular Sizerにより測定して109nmであった。粒子寸法分布は狭く、多分散度指標は0.3であり、貯蔵の間変化しなかった。
(G)結果−再分散性
凍結乾燥後に、粒子を室温にて水中に分散させ、240秒超音波に供した。得られる懸濁液を目視と、Coulter(登録商標)N4 Plus Submicron Particle Sizerを用いる寸法測定により調査した。粒子は、157nmの単峰形寸法まで容易に水中に再分散し、多分散度は0.2であった。
(H)結果−溶解速度
本発明の方法により得られた凍結乾燥したシクロスポリンAの粒子は、シクロスポリンA未処理の粒子よりもはるかに良好に37℃にて水中に溶解した。
比較例1〜8
比較例1〜8においては、米国特許第5,985,535号の単一のチャンバー装置を使用し、工程(c)(第二の安定化剤を含む第三の流れを導入する)を省略したことを除いて、実施例1の一般的な方法を繰り返した。これらの比較例において、PEGは、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルをいい、PLAは、ポリラクチドメチルエーテルをいい、ポリカプロラクトンは、ポリ(ε−カプロラクトン)メチルエーテルをいう。より詳細な方法条件は、第四欄に説明する。混合チャンバーBは、チャンバー直径の83%を占有し6000rpmで反対方向に回転する、対向する面にある撹拌羽根を伴う、容積1.5cmの円筒形の混合チャンバーであった。
再分散性は、凍結乾燥した試料が、水中に再導入した場合に、いかに充分にその新しく調製された寸法を取り戻すかを示す。
Figure 2010534198
Figure 2010534198
比較例9−連続撹拌開放槽
エタノール中におけるプレゴネノロンの溶液(34g/l)を沈殿剤として純水を含有する槽(1500cm)に撹拌しながら45秒かけて添加した。添加速度は、1000cm/minであった。撹拌機の回転速度は750rpmであった。添加を開始した後にすぐに濁り度を観察した。
沈殿物は、広い粒子寸法分布を有し、端長さが10μm以上である多くの粒子を含んでいることが分かった。粒子は、14.59μmのD50、36.22μmのD90を有していた。不所望な初期寸法であるため、安定性の測定は行わなかった。
比較例10−チャンバー−安定化剤なし
フェノフィルラートエーテルの代わりにエタノール中プレグネノロン(34g/l)を使用し、水を沈殿剤として使用したことを除いて、比較例1の方法を繰り返した。溶媒溶液及び沈殿剤を275Kでチャンバーに供給した。100cmの生成物をつくるためのバッチ式の添加の総時間は50秒であった。得られた粒子は、チャンバーから出口ポートを通して放出し、冷やした。粒子は、9.17μmのD50及び18.72μmのD90を有していた。結果をまとめる:
Figure 2010534198
Figure 2010534198
Figure 2010534198

Claims (32)

  1. 粒子の形態の有機化合物を沈殿させる方法であって、次の工程:
    (a)有機化合物と該有機化合物のための溶媒とを含む第一の流れを提供する工程;
    (b)該有機化合物のための貧溶媒を含む第二の流れを提供する工程;
    (c)第二の安定化剤を含む第三の流れを提供する工程;
    (d)該第一の流れ及び該第二の流れを混ぜて、粒子の形態の該有機化合物の沈殿物を形成する工程;及び、
    (e)工程(d)の後で、該第三の流れを該混ぜた第一の流れ及び第二の流れと混ぜる工程、その際、該第一の流れ及び/又は該第二の流れが、第一の安定化剤を含む、
    前記方法。
  2. 該第一の安定化剤及び該第二の安定化剤が同一ではない、請求項1記載の方法。
  3. 該安定化剤がポリマー安定化剤である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 該第一の安定化剤及び該第二の安定化剤が両親媒性ポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 該第一の安定化剤が両親媒性ブロックコポリマーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 該両親媒性ポリマーがゼラチンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 該ゼラチンが少なくとも2kDaの分子量を有する、請求項6記載の方法。
  8. 水中2重量%溶液として10℃にて4時間貯蔵したときに、該ゼラチンがゲル化特性を示さない、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 該ゼラチンが、組み換えゼラチンである、請求項6、7、又は8に記載の方法。
  10. 該第一の安定化剤が、PEGエーテルPLA両親媒性ブロックコポリマーを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 該第二の流れが、更に、ペプタイザーを含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 該ペプタイザーがクエン酸を含む、請求項11記載の方法。
  13. 該溶媒が、一種又はそれより多い水混和性有機溶媒を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 該貧溶媒が水を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 工程(d)を第一の混合チャンバー中で実施し、工程(e)を第二の混合チャンバー中で実施する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. (i)該第一の流れが、有機化合物と、該有機化合物のための水混和性有機溶媒と、両親媒性コポリマーを含む安定化剤とを含み;
    (ii)該第二の流れが、水と場合によりクエン酸とを含み;
    (iii)該第三の流れが、水と両親媒性コポリマーを含む第二の安定化剤とを含み;そして、
    (iv)該第一の安定化剤が該第二の安定化剤と同一ではない
    、請求項1記載の方法。
  17. 工程(d)及び工程(e)における該混合を、各々独立して、約0.1ミリ秒〜5秒の間実施する、請求項1〜16に記載の方法。
  18. 工程(d)が密閉型混合チャンバー中で起こり、工程(e)が、工程(d)で使用したものと同じチャンバー又は異なるチャンバーである密閉型チャンバー中で起こる、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記混合を、該混合チャンバーの最小直径の70%〜99%の直径を有する少なくとも一つの機械的撹拌手段が取り付けられたチャンバー中で実施する、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記機械的撹拌手段が、前記迅速な混合の間に少なくとも1000rpmの速度で回転する、請求項19記載の方法。
  21. 沈殿させた有機化合物を乾燥する工程をさらに含む、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  22. 該第一の流れ及び該第二の流れの流速を、工程(d)の間、互いに対して制御する、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 該有機化合物が薬剤活性のある化合物である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  24. 該薬剤活性のある化合物が、パクリタキセル、フェノフィブラート、又はシクロスポリンである、請求項23記載の方法。
  25. 請求項23又は24に記載の方法を実施し、その生成物を薬剤活性のある担体又は賦形剤と混合して薬剤を与えることを含む、薬剤を製造するための方法。
  26. 該薬剤が、錠剤、トローチ、粉末、シロップ、パッチ、リポソーム、散剤、懸濁液、カプセル、クリーム、軟膏、又はエアゾールの形態である、請求項25記載の方法。
  27. 請求項25又は26記載の方法により得られる薬剤。
  28. 粒子の形態の有機化合物を沈殿させるための装置であって、沈殿チャンバー、安定化チャンバー、及び流体を該沈殿チャンバーから該安定化チャンバーへと輸送するための流体連絡手段を含み、
    (A)該沈殿チャンバーが、
    (i)混合チャンバー;
    (ii)第一の流れを該混合チャンバーへと受容するための入口;
    (iii)第二の流れを該混合チャンバーへと受容するための入口;
    (iv)該第一の流れ及び該第二の流れを該混合チャンバー中で混合して粒子の形態の有機化合物の沈殿物を形成するための機械的撹拌手段;及び、
    (v)該混合チャンバーの内容物を該流体連絡手段を介して該安定化チャンバーへと放出するための出口
    を含み、そして、
    (B)該安定化 チャンバーが、
    (i)混合チャンバー;
    (ii)該混合チャンバーからの該混合チャンバーの内容物を流体連絡手段を介して該混合チャンバーへと受容するための入口;
    (iii)第三の流れを該混合チャンバーへと受容するための入口;
    (iv)該混合チャンバーの内容物を混合するための機械的撹拌手段;及び、
    (v)該混合チャンバーからの該混合チャンバーの内容物を分散させるための出口
    を含む、前記装置。
  29. 粒子の形態の有機化合物を沈殿させ安定化させるための装置であって、
    (a)混合チャンバー;
    (b)該混合チャンバー中に存在し、前記チャンバーの容積の70%〜99%を占める機械的撹拌手段;及び、
    (c)それぞれ、第一の流れ、第二の流れ、及び第三の流れを受容するための第三の流れ. 該混合チャンバーへの第一の入口、第二の入口、及び第三の入口、ここで、該第三の入口は、該第三の流れと接触する前に該第一の流れ及び該第二の流れが迅速に混合されるように、該第一の入口及び該第二の入口の下流に配置される、
    を含む、前記装置。
  30. 該混合チャンバーの内容物を迅速に混合するための手段が撹拌翼である、請求項29記載の装置。
  31. 該機械的撹拌手段が当該混合チャンバーの最小直径の70%〜99%の直径を有する、請求項29記載の装置。
  32. 混合チャンバーが密閉型である、請求項28〜31のいずれかに記載の装置。
JP2010516575A 2007-07-20 2008-07-17 微粒子の調製 Pending JP2010534198A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB0714223.5A GB0714223D0 (en) 2007-07-20 2007-07-20 Preparation of fine particles
PCT/GB2008/002450 WO2009013466A1 (en) 2007-07-20 2008-07-17 Preparation of fine particles

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010534198A true JP2010534198A (ja) 2010-11-04

Family

ID=38476728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010516575A Pending JP2010534198A (ja) 2007-07-20 2008-07-17 微粒子の調製

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20100184946A1 (ja)
EP (1) EP2170286A1 (ja)
JP (1) JP2010534198A (ja)
GB (1) GB0714223D0 (ja)
WO (1) WO2009013466A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2010009493A (es) * 2008-02-28 2010-12-20 Rp Scherer Technologies Llc Proceso para minimizar el polimorfismo.
US9775819B2 (en) * 2009-09-16 2017-10-03 R.P. Scherer Technologies, Llc Oral solid dosage form containing nanoparticles and process of formulating the same using fish gelatin
US20130096097A1 (en) * 2010-06-11 2013-04-18 Japan Science And Technology Agency Pharmaceutical multimeric particles, and manufacturing method for same
EP3013790A1 (en) 2013-06-27 2016-05-04 Mylan Laboratories Ltd. Process for the preparation of nepafenac

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1356921A (en) * 1970-04-03 1974-06-19 Agfa Gevaert Preparation of silver halide emulsions
US4107288A (en) * 1974-09-18 1978-08-15 Pharmaceutical Society Of Victoria Injectable compositions, nanoparticles useful therein, and process of manufacturing same
US4826689A (en) * 1984-05-21 1989-05-02 University Of Rochester Method for making uniformly sized particles from water-insoluble organic compounds
FR2608988B1 (fr) * 1986-12-31 1991-01-11 Centre Nat Rech Scient Procede de preparation de systemes colloidaux dispersibles d'une substance, sous forme de nanoparticules
US5000886A (en) * 1987-05-26 1991-03-19 American Cyanamid Company Silicone-hardened pharmaceutical microcapsules and process of making the same
JP2700675B2 (ja) * 1988-12-22 1998-01-21 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀粒子形成装置
ES2078447T3 (es) * 1990-06-15 1995-12-16 Merck & Co Inc Un procedimiento de cristalizacion para mejorar la estructura y el tamaño de los cristales.
US5298335A (en) * 1992-08-28 1994-03-29 P. H. Glatfelter Company Method for making coated paper and a paper coating composition
US5298355A (en) * 1992-11-13 1994-03-29 Eastman Kodak Company Toner composition with semi-crystalline polyester wax and method of preparation
US5543158A (en) * 1993-07-23 1996-08-06 Massachusetts Institute Of Technology Biodegradable injectable nanoparticles
SE9403846D0 (sv) * 1994-11-09 1994-11-09 Univ Ohio State Res Found Small particle formation
JP3705461B2 (ja) * 1996-12-26 2005-10-12 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀乳剤の製造方法及びハロゲン化銀写真乳剤
US6428814B1 (en) * 1999-10-08 2002-08-06 Elan Pharma International Ltd. Bioadhesive nanoparticulate compositions having cationic surface stabilizers
BR0007396A (pt) * 1999-01-29 2001-10-30 Bristol Myers Squibb Co Aparelho e processo de cristalização por jato deimpacto sÈnico
KR100446101B1 (ko) * 2000-12-07 2004-08-30 주식회사 삼양사 수난용성 약물의 서방성 제형 조성물
US6746635B2 (en) * 2001-08-08 2004-06-08 Brown University Research Foundation Methods for micronization of hydrophobic drugs
WO2003033097A2 (en) * 2001-10-17 2003-04-24 E.I. Du Pont De Nemours And Company Rotor-stator apparatus and process for the formation of particles
EP1460897A4 (en) * 2001-12-10 2006-09-13 Spherics Inc PROCESSES AND PRODUCTS SUITED TO THE FORMATION AND ISOLATION OF MICROPARTICLES
GB0219815D0 (en) * 2002-08-24 2002-10-02 Accentus Plc Preparation of small crystals
US20040098839A1 (en) * 2002-11-27 2004-05-27 Pfizer Inc. Crystallization method and apparatus using an impinging plate assembly
AU2004277750B9 (en) * 2003-10-01 2010-07-15 Debio Recherche Pharmaceutique S.A. Device and method for making particles
DE10351087A1 (de) * 2003-10-31 2005-05-25 Bayer Technology Services Gmbh Feste Wirkstoff-Formulierung
US20090306339A1 (en) * 2006-09-19 2009-12-10 Van Boxtel Huibert Albertus Preparation of Fine Particles
WO2008035962A1 (en) * 2006-09-19 2008-03-27 Fujifilm Manufacturing Europe B.V. Process and device for the precipitation of an organic compound

Also Published As

Publication number Publication date
US20100184946A1 (en) 2010-07-22
WO2009013466A1 (en) 2009-01-29
EP2170286A1 (en) 2010-04-07
GB0714223D0 (en) 2007-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wais et al. Nanoformulation and encapsulation approaches for poorly water-soluble drug nanoparticles
JP2010503721A (ja) 微粒子の製造
Chingunpituk Nanosuspension technology for drug delivery
US8137699B2 (en) Process and apparatuses for preparing nanoparticle compositions with amphiphilic copolymers and their use
US8609115B2 (en) High shear application in drug delivery
Yadav et al. Nanosuspension: A promising drug delivery system
CN103251561B (zh) 一种双敏感可崩解式纳米囊泡药物载体制剂及其制备方法
WO2011119262A1 (en) Methods and systems for generating nanoparticles
CN103429267A (zh) 疏水分子诱导的支化聚合物集合体及其用途
CN105232459B (zh) 一种复溶自组装的水难溶性药物聚合物胶束组合物及其制备方法
WO2019148810A1 (zh) 一种口服胰岛素纳米颗粒制剂及其制备方法
Imran et al. Amphiphilic block copolymers–based micelles for drug delivery
Manmode et al. Nanoparticles-tremendous therapeutic potential: a review
CN102327230A (zh) 一种包裹紫杉烷类药物的蛋白纳米颗粒及其制备方法
CN102357077B (zh) 一种包裹难溶性药物的蛋白纳米颗粒及其制备方法
JP2010534198A (ja) 微粒子の調製
CN104667286B (zh) 一种尺寸单分散性聚合物纳米囊泡及其制备方法和应用
WO2008035962A1 (en) Process and device for the precipitation of an organic compound
WO2010046681A1 (en) Nanoparticles
CN102357076A (zh) 一种包裹难溶性药物的蛋白纳米颗粒的制备方法
CN105213307B (zh) 用于粘液渗透的还原响应性靶向高分子胶束及其制备方法
CA2461890C (en) Water soluble nanoparticles of hydrophilic and hydrophobic active materials
Arti et al. Drug nanocrystals as nanocarrier-based drug delivery systems
TWI462752B (zh) 包覆疏水性藥物之膠囊粒子製造方法
Blynskaya et al. Perspectives of the development of pharmaceutical nanotechnology