JP2010534120A - 粉末設計用空中粒子操作を用いるレーザ熱分解反応器 - Google Patents

粉末設計用空中粒子操作を用いるレーザ熱分解反応器 Download PDF

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Abstract

【課題】
【解決手段】
レーザ熱分解装置が、不活性ガスや表面改質組成物などの組成物を高速で導入するジェット入口を使用することにより空中で生成物無機粒子を設計することができる。強い混合の条件下で、粒子凝集を低減させながら無機粒子の流れを操作することができる。これらの強い混合装置は、所望の高い結晶化度を実現するまで結晶成長を維持するように急冷プロセスを減速させることにより比較的ゆっくり本質的に成長する構造を有する高品質結晶を形成する際に有効であることがわかっている。また、所望の無機粒子表面化学的性質を設計するために、粒子の表面化学的性質を流れの中で操作することもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ビームによって促進される反応を伴う流れ内の粒子生成に関し、生成物粒子流を他のガスと混合して粉末極限特性に影響を与える。本発明はさらに、反応器内で合成された粒子と組成物を空中で混合するように設計された反応器装置に関する。
様々な分野における進歩が、多くの種類の新たな材料に対する需要を生み出している。特に、無機粒子は、たとえば、電子デバイス、光学デバイスおよび電子光学デバイスを含めた様々な商品の製造において使用することができる。同様に、技術的進歩により、コストを低く抑えながらデバイスの性能を向上させるために、加工パラメータについての公差が厳しい材料加工の向上に対する需要が増加している。
小型化が続くと、材料加工も同様に、構造の寸法に関してより厳しい公差の範囲に入る。電流集積回路技術では既に、加工寸法についてサブミクロンスケールの公差を必要とする。機械的、電気的および光学デバイスの一体部品への圧密が、単一構造に取り込まれる異なる組成物に関する材料加工についてのさらなる需要を生み出している。したがって、特定の用途に適している選択した性質を有するナノスケール材料に対する需要がある。
第1の態様において、本発明は、反応室と、前駆体送達システムと、光源と、生成物流導管と、第1の改質素子とを備える反応器に関する。前駆体送達システムは、反応室内へと向いているノズルに動作可能に接続されている無機前駆体源を備え、ノズルは、細長い寸法を特徴とする非円形開口部を有する。光源は、光反応ゾーンにおいてノズルからの流れと交差するよう反応室を通して光線を送達するように構成される。生成物流導管は、細長い側面およびその細長い側面間の幅を特徴とする非円形断面を有する。一般に、導管は、光反応ゾーンから流れる粒子状生成物を受けるように構成される。第1の改質素子は、混合流を生成物流導管へと向かわせるように構成され、また第1の改質素子は、流体源に接続されている1つまたは複数の入口を備え、入口の総面積は、第1の改質素子における生成物流導管の断面積の約0.15倍以下である。
さらなる態様において、本発明は、反応器内の生成物粒子の流れの温度を加減して生成物粒子の結晶構造を制御する方法に関する。この方法は、不活性ガスを生成物粒子の流れと混合することを含み、不活性ガスの温度が、所望の粒子結晶構造を実現するように選択される。粒子は、反応物質の流れの反応によって流れ内で合成され、反応は、光反応ゾーンにおける強光ビームによって促進される。流れは、反応物質入口から、生成物粒子が流れ内で連続している光反応ゾーンを通って粒子捕集器へと進む。通常、捕集した粒子の測定可能な結晶構造は、不活性ガスとの混合によって変化する。
他の態様において、本発明は、粒子をコーティングすることなく表面化学的性質を改質するための方法に関する。この方法は、選択した組成物を生成物粒子の流れと混合することを含み、組成物は、流れの化学的性質を変化させて無機粒子の改質された表面化学的性質をもたらすように選択される。粒子は、反応物質の流れの反応によって流れ内で合成され、反応は、光反応ゾーンにおける強光ビームによって促進される。流れは、反応物質入口から、生成物粒子が流れ内で連続している光反応ゾーンを通って粒子捕集器へと進む。
選択した組成物を生成物の流れの中の無機粒子と混合することが可能となるように修正したレーザ熱分解装置の概略部分側面図である。 シート状の流れに基づくハイスループットのための細長い反応物質入口を有するレーザ熱分解反応室の概略側面図である。 ガス送達サブシステムと、蒸気送達サブシステムと、混合サブシステムとを有する反応物質送達システムの概略側面図である。 断面がエアロゾル送達システムの上面図を示す挿入部分の4−4線に沿って切り取られた、エアロゾル送達システムの断面正面図である。 図4の挿入部分の5−5線に沿って切り取られた、図4のエアロゾル送達システムの断面側面図である。 レーザ熱分解を行うための細長い反応室のさらなる実施形態の斜視図である。 図6の反応室の破断側面図である。 粒子輸送部が4つの改質ステーションを有する細長い反応物質ノズルを伴うレーザ熱分解装置の別の実施形態を示す図である。 図8のレーザ熱分解装置の粒子輸送部の断面斜視図である。 図9の粒子輸送部接続を粒子捕集システムと接続する接続カラーの斜視図である。 図10の11−11線に沿った、図10のカラーの断面図である。 改質素子を通る流れと組成物を混合するための入口ジェットを有する改質素子の第1の構成を示す図である。 入口ジェットを有する改質素子の代替の構成を示す図である。 図15の線14−14に沿った、ナイフスリットに基づく改質素子の断面上面図である。 図14の線15−15に沿った、図14の改質素子の断面側面図である。 TiOの合成を含む1セットの粒子生成実験についての、混合流の関数としての捕集速度のプロットを示す図である。 6つの異なる混合流量についての、時間の関数としての流れ導管温度のプロットを示す図である。 図16の粒子生成実験についての、混合流量の関数としてのBET粒子表面積のプロットを示す図である。 8セットの粒子合成実験についての、混合流の関数としての、プロセスガス流に対する混合流の比率のプロットを示す図である。 9回の粒子合成実験についての、混合ガス流量の関数としての粒子捕集速度のプロットである。 図20の9回の粒子合成実験についての、混合ガス流量の関数としてのBET粒子表面積のプロットである。 図20の粒子合成実験の8回分についての、混合ガス流量の関数としてのTiOの結晶相のプロットである。 TiOナノ粒子合成の3回の試験に使用する混合流の、合計32標準リットル/分(slm)を占める窒素ガスおよび清浄乾燥空気の量のプロットを示す図である。 図23の3回の試験についての清浄乾燥空気の流れの関数としての粒子捕集速度のプロットを示す図である。 図23の3回の粒子合成試験についてのTiOの結晶相のプロットを示す図である。 図23の3回の粒子合成試験によるサンプルについての3つのX線回折図形のプロットを示す図である。 TiOナノ粒子合成の5回の試験に使用する混合流の、合計32標準リットル/分(slm)を占める窒素ガスおよび清浄乾燥空気の量のプロットを示す図である。 図27の5回の粒子合成試験についての清浄乾燥空気の流れの関数としての粒子捕集速度のプロットを示す図である。 図27の5回の粒子合成試験についての清浄乾燥空気の流れの関数としてのBET粒子表面積のプロットを示す図である。 図27の5回の粒子合成試験についてのTiOの結晶相のプロットを示す図である。 図27の5回の粒子合成試験によるサンプルについてのX線回折図形のプロットを示す図である。 図30に示すサンプルの繰返しについての結晶相のプロットを示す図である。 室温混合ガスについての、また加熱混合ガスについての混合ガス流量の関数としての、粒子捕集速度のプロットを示す図である。 室温混合ガスについての、また加熱混合ガスについての混合ガス流量の関数としての、BET粒子表面積のプロットを示す図である。 室温混合ガスについての、また加熱混合ガスについての混合ガス流量の関数としての、流路内の位置における温度のプロットを示す図である。 特定の実施形態用の非加熱混合ガスについての混合流の関数としての結晶相のプロットを示す図である。 図36を作成するために使用する条件に対応する一実施形態についての、加熱混合ガスについての混合流の関数としての結晶相のプロットを示す図である。 非加熱混合ガスを用いて合成した代表的なTiOサンプルの透過型電子顕微鏡写真を示す図である。 の関数としての、図38からの粒子についての粒径分布のプロットを、最小二乗対数正規適合のプロットと共に示す図である。
レーザ熱分解反応器内で合成した粒子の空中操作を効果的に使用して、選択した所望の性質を有する粒子を、粉末として反応器から捕集する粒子向けに形成することができる。たとえば、不活性ガスを生成物の流れと混合して、生成物粒子の流れの温度を調整することができる。不活性ガスは、粒子のさらなる熱操作に影響を及ぼすように選択した温度を有することができる。粒子の加熱または冷却は、結晶構造など粒子の結果として得られる特性に影響を及ぼすことができ、また流体の粒子との混合により、平均粒径、均一性および/または表面積などの仕様に合わせて結果として得られる粉末の特徴を設計することができるように、粒子凝集を抑制することができる。
一部の実施形態においては、粒子を、粒子表面化学的性質を改質することができる組成物と空中で相互作用させるが、この相互作用は、表面改質を適切な条件下で進めることができるように熱操作の前および/または後に行うことができる。ハイスループットを実現しながら、生成物の流れに沿って選択した位置で生成物粒子の流れと素早く混合するための組成物の導入に関する柔軟性を提供するように、適切な装置を効果的に設計することができる。
レーザ熱分解は、反応室を通って入口から出口へと流れが進む、流れに基づく技術である。流れの経路に沿って、光反応ゾーンで反応が起こる。入口は、流れを開始するために1つまたは複数の入口を通して反応室へと反応物質の流れを送達する反応物質送達システムに液体連通接続されている。光反応ゾーンは、光ビームが反応物質の流れと相互作用する領域と重なる。光ビームからのエネルギーは流れに吸収され、流れの中で反応を促進し、粒子が形成される。生成物粒子は捕集器へと流れ続ける。一般的に、ポンプまたは他のマスフローデバイスは、粒子が選択した特性を有するように、システムを通して流れを維持し、反応器内の圧力を所望の範囲内に維持する。本明細書中で説明するとおり、光反応ゾーンより下流の生成物の流れの温度の操作は、捕集した粒子の性質に影響を及ぼすように強力な技法となることができる。
無機粒子の生成のためのレーザ熱分解の成功した適用についての基本的特徴が、1種または複数種の適切な金属/半金属前駆体を含有する反応物質蒸気の生成である。高い電子親和力を有する(1種または複数種の)元素の源も設けるべきである。たとえば、金属/半金属酸化物に関しては、酸素元素を金属/半金属前駆体内で結合させること、および/または分子酸素など別個の酸素源によって供給することができる。同様に、金属前駆体および/または酸素源が適切な放射吸収体でなければ、追加の放射吸収体を反応物質流に添加することができる。
レーザ熱分解においては、反応物質の流れがレーザビームなど強い光ビームによって熱分解される。レーザビームは便利なエネルギー源であるが、他の強い光源をレーザ熱分解において使用することもできる。レーザ熱分解により、そうでなければ動力学的または熱力学的に好ましくないことがある反応を安定させるまたは引き起こすエネルギー源がもたらされ、そうでなければ実現が困難である材料および/または材料相の形成が可能となる。反応物質の流れが光ビームから離れると、無機粒子は急冷される。
注目の生成物には、非晶質材料、結晶性材料およびこれらの組合せが含まれる。非晶質材料は、結晶性材料において見られる秩序と非常に類似していることがある短距離秩序を有する。結晶性材料においては、この短距離秩序が、結晶性材料と非晶質材料とを区別する長距離秩序の構成単位を備える。言い換えると、非晶質材料に見られる短距離秩序構成単位の並進対称性により、結晶格子を画定する長距離秩序が作り出される。たとえば、石英ガラスは、不規則な結合角で結合している(SiO4−四面体で構成される非晶質材料である。四面体の不規則性により短距離秩序がもたらされるが、結合角の不規則性により長距離秩序が阻まれる。対照的に、石英は、結晶格子をもたらす長距離秩序を形成するように規則的な結合角で結合している同じ(SiO4−で構成される結晶性シリカ材料である。一般に、結晶形は、類似の非晶質形よりも低いエネルギー状態にある。エネルギーの緩和により、長距離秩序の形成に向かう駆動力がもたらされる。言い換えると、十分な原子移動度および時間があれば、長距離秩序を生じることができる。
レーザ熱分解においては、反応プロセスにおいて広範囲の無機材料を形成することができる。動力学的原理に基づき、急冷速度がより速いと結晶化が抑制され、非晶質粒子を保持することができるが、急冷速度がより遅いと、さらなる時間と共に熱エネルギーをもたらすことができ、これらは結晶性粒子の形成に有利に働く。粒子が反応ゾーンを通過した後に粒子からの熱エネルギーの除去を加速することによって、より速い急冷を実現することができる。加えて、一部の前駆体は非晶質粒子の生成に有利に働くが、他の前駆体は、類似または同等の化学量論の結晶性粒子の生成に有利に働く。低いレーザ出力もまた、非晶質粒子の形成に有利に働く。非晶質酸化物の形成については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Vanadium Oxide Nanopartucles」であるKambeらの米国特許第6,106,798号にさらに記載されている。しかしながら、結晶性材料が燐光体用途には特に興味深く、本明細書中に具体的に記載されている燐光体粒子の結晶性が高い。
レーザ熱分解プロセスについての従来の理解に基づき、粒子は光反応ゾーン、一部の実施形態においては、後に続く自己伝搬発熱反応ゾーンから流れ出た後に急冷される。これが当てはまるのであるが、本明細書中で説明する実験に基づき図面はいくらか不完全である。粒子の化学量論は一般に、空間的拡がりが非常に小さい光反応ゾーンにおいては固定されている。さらに、特定の結晶構造に向けての駆動力も、この反応ゾーンにおいて開始される。しかしながら、多くの材料が、ある特定の化学量論について異なる様々の利用可能な結晶構造を有し、これら結晶構造の一部は、結晶化プロセスを反応ゾーンから外へ広げるかなりの動力学的時間枠を形成のために有することがある。熱条件は急冷により光反応ゾーンの外で変化するため、変化する条件により、特定の結晶構造の形成に向けての駆動力が対応して変化することがある。したがって、介入なしでは、結果として得られた結晶化度が、主要な結晶構造に加えて非晶質ドメインまたは代替の結晶構造を有する一部の結晶構造について悪くなることがある。したがって、生成物の流れの操作が、粒子の性質にかなりの影響を及ぼすことができる。
流れの熱操作は一般に、選択した温度の不活性ガスの送達により行うことができる。熱操作の別の様相は、不活性ガスの送達の位置に関連する。流量が時間および位置と相互に関連があるため、不活性ガスの導入の位置は、反応ゾーンを越える粒子発生の時間に関連する。不活性ガスの容量および温度が、流れの熱負荷の変化を決定する。以下でさらに説明するように、迅速で完全な混合が生じる条件下で、生成物の流れと混合した組成物を送達することができる。
一部の実施形態においては、約10ミリ秒(ms)以内に粒子形成が起こることがある。一方、一部の実施形態において、約25ms〜約100ms以上の程度の時間スケールで結晶形成が起こることがある。ゆっくりと結晶構造を形成するために、急速冷却が、著しいひずみ、多数の欠陥等で特徴付けられる結晶品質の低下を招くことがある。一部の実施形態においては、急速結晶形成と同様の温度で、共有結合の、すなわち、所謂硬い凝集体の形成が起こる。しかしながら、後により容易に分離すると考えられている、弱いまたは「軟らかい」、たとえば、ファンデルワールス結合の凝集体が、生成物の流れの中で適正な条件下においてより低温で生じることがある。不活性加熱ガスを使用すると粒子が加熱されることにより、ブラウン凝集および後の強い凝集を抑制するために粒子を希釈しながら、改善された結晶形成を実現することができる。十分な希釈が実現されると、大部分が軟らかい凝集体がその固有の熱損失機構により生じるまで温度が下がる前に、所望の性質を形成するための時間が提供される。ルチル型二酸化チタン、すなわち、チタニアまたはTiOの形成が、本明細書中に記載のプロセスによって改善することができる結晶形成の特定の例である。これら粒子向けに良質の結晶構造が形成されると、粒子は、結晶格子に対応する表面にファセットを形成している。これらの表面は透過型電子顕微鏡写真(TEM)像で明らかである。
粒子の表面特性は、それら粒子のさらなる処理に強く影響を及ぼす。結晶性の高い粒子では、表面が結晶構造を終端し、これがひずみとなることもある。特に、表面は、架橋酸素原子、たとえば、Mが結晶の金属/半金属であるM−O−M、表面がほとんどまたは全くひずみなしで終端するように金属/半金属原子に結合している酸素原子またはハロゲン原子に結合しているHなどの一価原子など、ひずみを発生せる末端基を含むことがある。表面化学的性質は、反応条件および反応物質の流れの中の化学物質の関数となることがある。粒子表面化学的性質の改質は、流れに対する適切な組成物の導入により空中で行うことができる。粒子の熱操作を使用して粒子温度を維持、上昇または低下させることにより、望ましくない凝集を低減させるよう粒子を相応じて希釈しながら表面化学的性質の後の改質を容易にすることができる。同様に、改質化合物を適切な温度で導入して、得られた粒子表面改質を支援することができる。
良い混合条件下における組成物の混合により、凝集を低減させることができると共に、生成物の流れを熱的に操作することおよび/または表面化学的性質を改質することもできる。並進エネルギーを他の粒子に移動させることおよび/または内部エネルギーに変換することができる場合、生成物流中における非弾性衝突により凝集が起こることがある。組成物を生成物流と強く混合することにより流れが希釈され、生成物粒子間の衝突により凝集が生じることを著しく困難にする並進エネルギーが加わる。粒子を捕集器近くでさらに冷却する場合、後に続く粒子の「冷却」捕集では粒子間に非常に弱い引力しか生じず、これら引力は分散プロセス中に回避される可能性が高いと考えられている。したがって、強い混合の条件下で流れの中の生成物粒子を組成物と混合することにより、捕集した粒子の品質をさらに向上させることができる。
装置は一般に、反応ゾーンより下流の生成物粒子の流れの操作を容易にするように設計される。組成物は一般に、反応ゾーンより下流の適切な位置で、流れに沿って操作素子にある1つまたは複数の入口を通して導入する。入口は一般に、生成物流による流れとの混合を生成物流による流れよりもはるかに高速度で生じさせる向きで組成物を導入するように構成する。たとえば、入口は、改善された混合を得るために生成物の流れに対して直交に、または生成物の流れに対して上方にわずかに傾斜させて混合組成物を導入するように構成することができる。生成物流速度に対して高速度をもたらしながら、体積生成物流の流れに対して適度な体積入口流を得るためには、混合ステーションにおける入口の面積は一般に、生成物流の流れを制限する装置の面積よりもはるかに小さくてよい。
一部の実施形態においては、入口が一般に、強い混合の条件下で流れに流体組成物を導入する複数のジェットを備える。入口は、適切な供給源と、また必要に応じて、組成物の温度を調節する適切な熱温度調節器とに、動作可能に接続される。ジェットの直径およびこれらジェットを通る流れは、優れた混合を提供するように選択することができる。特に、ジェットの直径および流量により、ジェットを通る流体の速度は一般に比較的高く、その結果得られた混合物が、添加した流体によって運ばれるエネルギーにより十分に混合されるようになる。一部の実施形態においては、入口が、高速度で入口組成物を提供し、また生成物の流れとの優れた混合を生じさせるように運動量を提供する小さいオリフィス領域を同様に有する細いナイフスリットを備える。ナイフスリット、小さいオリフィスジェット等の組合せを必要に応じて使用して、所望の混合度を実現することができる。
レーザ熱分解プロセスを用いてより高いスループットを得るために、細長い反応物質入口を有する装置を設計した。この細長い反応物質入口は、シート状の反応物質の流れが光ビームを通過して対応するシート状の生成物の流れを形成するように位置合わせされている。この生成物の流れの操作は、生成物の流れの幾何学的形状を相応じて考慮すべきである。特に、反応ゾーンからの流れを受け取るように相応じて構成される流路の周りに、1つまたは複数の不活性ガス入口を構成することができる。流路の周囲に分布している入口と共に適宜位置する場合、入口により、生成物粒子の流れのその非円形幾何学的形状との優れた混合が生じる。
反応室は、反応ゾーンの周りに構成することができる。一部の実施形態においては、この室を、室内の死空間(dead volume)を比較的少なくして任意の遮蔽ガスを含む流れの寸法に合うように作製することができる。死空間は、流れを再循環させる場所を提供することがあり、これらの場所では、粒子が凝集し焼結して望ましくない程に大きくなった後、生成物の流れに再び混入されてしまう、または死空間の隣接表面を汚染してしまうことがある。また、反応室を流れに合わせることにより、装置全体の寸法を縮小することができると共に、装置の設置面積および装置に取り込まれる材料の量も縮小することができる。
一般に、装置は、反応物質送達システムと、反応室と、生成物粒子操作素子と、捕集システムとを備える。反応物質送達システムは一般に、1種または複数種の反応物質用の貯蔵容器を備えるが、反応物質と組み合わさった希釈ガスを提供するために不活性ガス源をさらに有することができる。反応物質送達システムと反応室との間の界面は一般に、その界面にある入口またはノズルによりはっきりしている。この入口またはノズルにより、反応室内の流れが始まる。流れの形状は一般に、入口/ノズルの形状および寸法の影響を強く受ける。
反応室は、反応室を横切る光ビーム路を有し、反応物質の流れと相互作用するように構成される。輪郭が比較的はっきりしている反応ゾーンは、光ビームと反応物質の流れとが交差する領域と重なる。反応ゾーンの正確な境界は、反応条件および特定の反応物質によって決まるが、光駆動反応は一般に、比較的小さい領域内で短時間に完了する。
捕集器は、流れから粒子を捕獲するための構造を備える。捕獲した粒子はその後、所望の用途に向けることができる。適切な捕集器では、フィルタ処理したプレナムから生成物プレナムを分離するためにある形の膜を使用することができ、静電捕集器では流れから粒子を取り去ることができるが、捕獲のために他の適切な機構を使用することもできる。ポンプまたは他の物質移動デバイス全般を使用して、システム内の流れおよび所望の圧力を維持する。
結果として得られる性質を設計するための生成物粒子の操作に関して、システムの光反応ゾーンから捕集器までの部分は、これらの機能を果たす場所である。専用の装置向けの操作素子が単一の生成物を繰り返し形成するように固定の構成でシステムを設計することができる。しかしながら、他の実施形態においては、システムが、装置内で特定の生成物を選択することができるように、混合プロセスのタイミングに対してパラメータを選択する能力を備える。特に、装置は複数の操作素子を備えることができ、所望の特定の操作および反応ゾーンからの時間に対する操作のタイミングに基づき選択した、これら操作素子の一部のみを使用することができる。操作素子全体は、反応ゾーンより下流の反応室に沿って、または捕集器に通じる粒子輸送部の別個の部分に沿って位置することができる。
無機粒子としては一般に、単体型におけるまたは化合物における金属および/または半金属元素が挙げられる。具体的には、無機粒子として、たとえば、元素金属または元素半金属、すなわち、イオン化していない元素、これらの合金、金属/半金属酸化物、金属/半金属窒化物、金属/半金属炭化物、金属/半金属硫化物、金属/半金属ケイ酸塩、金属/半金属リン酸塩、あるいはこれらの組合せを挙げることができる。半金属とは、金属と非金属との間の中間の、または金属と非金属とを含めた化学的性質を示す元素である。半金属元素としては、ケイ素、ホウ素、ヒ素、アンチモンおよびテルルが挙げられる。これらの金属または半金属という用語を、限定なしで使用する場合には、これらの用語は、任意の酸化状態で単体型の、または組成物中の金属または半金属元素を指す。金属または半金属組成物について言及するとき、これは、電気的中性をもたらすように対応する元素を有する酸化型の、すなわち、非単体型の1種または複数種の金属半金属元素を有する任意の組成物を指す。元素金属または元素半金属についての言及は、元素の単体型、すなわち未酸化のMを指す。ここで、Mは金属/半金属を示す。
金属/半金属組成物、たとえば、金属/半金属酸化物の粒子の望ましい収集物は、1ミクロン以下の平均直径を有し、粒径の分布が狭い高い均一性を有することができる。所望のサブミクロン金属/半金属組成物粒子を生成するために、レーザ熱分解を効果的に使用することができる。具体的には、レーザ熱分解が、平均粒径の分布が狭いサブミクロン(平均直径約1ミクロン未満)およびナノスケール(平均直径約100nm未満)の金属/半金属組成物粒子を効率的に製造するための優れたプロセスであることがわかっている。本明細書中に記載されている手法を用いて多種多様な異なる種類の無機粒子を製造することができる。
レーザ熱分解においては、粒子が光反応ゾーンから現れ急速に冷却される。光反応ゾーンにおける条件が、粒子を特定の化学量論および結晶構造へと後押しする。しかしながら、一部の動力学的に限定された結晶構造では、粒子が特定の結晶構造を構築するために適度な時間を要する。急速冷却のため、結晶構造が完全に形成される前に、粒子構造が凍結して特定の構造となってしまうことがある。さらに、表面化学的性質は、反応ゾーン内の流れの性質によって決まるが、これらの反応条件もまた、化学量論および結晶構造に影響を及ぼす。したがって、結晶構造や表面化学的性質など所望の性質を有する粒子を得るために、特に所望のレベルのスループットを獲得しながら、光反応ゾーンにおける条件を操作することによりこれらの生成物粒子の特性を完全に決定することは困難であることがある。
光反応ゾーンを通り過ぎた流れの中の粒子の熱操作により、捕集した粒子の結晶構造を変えるまたは改善することができることがわかっている。特に、選択した温度で不活性ガスを添加して、粒子の結晶形が高品質結晶構造へと完全に形を成すことができるよう冷却を増進させるまたは熱を加えることができる。この継続した結晶構築は、所望の形と競合して他の相が生じないように、また非晶質領域が凍結して粒子とならないように結晶構造を完全に構築するために有用となることがある。同様に、効率的に空中で焼きなましすることによる粒子から格子欠陥が生じることがある。粒子の捕集後の別個の加熱ステップにより無機粒子の結晶構造を変えることおよび/または改善することができるが、これには別個の処理ステップが含まれ、一部の結晶構造は捕集後加熱ステップでは形成することが困難であり、また加熱プロセス条件は一般に、望ましくない粒子融合を回避するために一定の範囲にわたって制御すべきである。したがって、捕集後加熱ステップを削減するまたはなくすことが望ましい。
同様に、粒子の表面化学的性質を、捕集後のさらなる処理のための所望の性質を粒子が有するように空中で選択することもできる。反応ゾーンにおける化学的性質も前駆体組成も一般に、生成物粒子の表面化学的性質を決める。したがって、粒子の表面化学的性質は、熱および/または化学的操作により流れの中で影響を受けることがある。たとえば、表面で反応して所望の表面末端基を形成することができる所望の元素を流れに寄与するように、組成物を流れに添加することができる。たとえば、水は、金属/半金属酸化物粒子を終端させることができる−OH基を寄与することができ、アンモニアは、窒化物粒子を終端させるための−NH基を寄与することができ、Xがハロゲン、F、Cl、BrまたはI原子であるHXおよびXは、様々な粒子の種類を終端させるためのハロゲン原子を寄与することができる。
表面化学的性質を設計するための不活性ガスおよび/または組成物の添加は、流れとの非常に優れた混合を提供するよう比較的高速度で組成物を導入する入口を通して行うことができる。流れとの優れた混合により、流れへの添加によって設計される生成物粒子の性質に関して、結果の均一性が対応して向上する。しかしながら、流れへの高速組成物の導入により、生成物ガスと迅速に混ざる混合流へと比較的高レベルの並進運動エネルギーも生成され、粒子濃度が希釈され、一時的に粒子の凝集が抑制される。具体的には、十分な非弾性衝突により並進エネルギーが流れの中の補助粒子の内部エネルギーまたは並進エネルギーに変換されなければ、凝集は生じず、流れのエネルギー中の相対並進エネルギー全体が増大する場合には凝集は起こりにくい。したがって、捕集のために粒子がより完全に冷却されるまで、粒子の凝集を大幅に減少させることができる。
要約すると、光反応ゾーンのすぐ下流のレーザ熱分解装置の流れに、強く混合する組成物を注入することができると、極めて幅広い用途で生成物粒子の性質を調整することができるようになる。一部の実施形態においては、これによりスループットが増大して、生成物粒子の性質を犠牲にすることなくより高い生成速度が実現される。他の諸実施形態においては、これにより、粒子を空中で操作できなければ生成が困難または不可能であることがある粒子が生成される。同時に、強く混合する組成物を流れに導入するとさらに、望ましくない粒子凝集を減少させる、または一時的に抑制することができると共に、凝集体におけるネッキング(necking)を削減するまたは排除することができる。混合すると、反応器流出液におけるホットスポットの形成が抑制され、通常の火炎熱分解反応器からはよく観測される著しく大きい粒子の「尾」を排除するまたは強く抑制することができる。
空気粒子操作を伴うレーザ熱分解装置
本明細書中に記載のレーザ熱分解装置は、反応ゾーンより下流の装置内で添加剤組成物を生成物の流れとうまく混合するように構成される。添加剤組成物は、流れの熱管理を行うために一部の実施形態では不活性ガスであってよい。追加または代替の諸実施形態においては、生成物粒子の表面化学的性質を改質するために添加剤組成物を選択することができる。光反応ゾーンより下流の流れに沿った所望の位置に組成物を送達して所望の生成物設計を実現するように1つまたは複数の入口を構成することができる。さらに、複数の改質素子を使用して、流れに沿った異なる位置で複数の改質ステップを行うことができる。流れとの優れた混合を提供するように、(1つまたは複数の)高速度の入口を構成することができる。
空中粒子設計用の反応装置は、無機粒子を形成するために反応を提供し、また最終生成物の性質を設計するために生成物無機粒子を後の空中組成物と混合する流路を収容する。反応物質送達部は、無機粒子形成用の前駆体を含む流れを開始する。また、この反応装置は一般に、生成物無機粒子が形成される光反応ゾーンより下流で適切な組成物を生成物の流れと混合するためのシステムなど、補助システムと整合している。無機粒子が所望の性質について設計されると、捕集器が流れから生成物無機粒子を分離して空中プロセスを終了させる。空中コーティング材料の塗布については、参照により本明細書中に援用される、題名が「In−Flight Modifications of Inorganic Particles Within a Reaction Product Flow」であるChiruvoluらの同時係属特許出願第11/438,477号にさらに記載されている。この同時係属出願には、粒子を急冷するために不活性ガスを生成物の流れと混合することについて記載されているが、この出願には、本明細書に記載されている粒子設計についても、生成物の流れとの高レベルの混合を提供する(1つまたは複数の)高運動量の入口の改良についても教示されていない。本明細書中に記載されている無機粒子改質と平行してコーティング材料の塗布を実施することもでき、その場合上記’477号出願に記載されているようにコーティング態様を実施する。
上述のように、流れは、ある点から別の点への物質の正味の移動に関連する。一般に、空中処理に関連する装置内の流路は、1つまたは複数の無機粒子反応物質前駆体入口から捕集器システムへと延びる。流れに沿って、無機粒子が合成され、また無機粒子は、所望の最終的な特性を有するように設計される。一般に、相対負圧デバイスを使用して、流路に沿って装置内を通る流れを維持するが、装置への組成物送達により発生する正圧から流れを維持することもできる。適切な相対負圧デバイスとして、たとえば、ポンプ、送風器、アスピレータ/ベンチュリ管、圧縮器、エジェクタ等が挙げられる。複数の無機粒子前駆体入口がある場合には、無機粒子生成の前にこれら入口からの流れを組み合わせるが、この組合せには、たとえば、単一のノズルを通して送達することが困難である反応物質の組合せを、または光反応ゾーンに入る前はあまり反応しないように、混合すると反応性となる反応物質の組合せを含めることができる。
レーザ熱分解は、強い放射、たとえば、反応物質の流れと交差する放射によって形成される反応領域を離れた後の生成物無機粒子の急速冷却と共に光によって促進される化学反応を導くための標準的な用語となった。しかしながら、この名称は、強いインコヒーレント光や他の電磁ビームなどの非レーザ源からの放射がレーザに取って代わることができるという意味では誤称である。また、この反応は、熱による分解という意味では熱分解ではない。このレーザ熱分解反応は、反応物質の発熱燃焼によって単に熱駆動されるわけではない。実際には、一部の実施形態においては、熱分解による火炎とは全く対照的に反応から可視光発光が観測されない条件下でレーザ熱分解反応を行うことができる。
反応条件により、レーザ熱分解によって生成される粒子の品質を決定することができる。レーザ熱分解の反応条件は、所望の性質を有する無機粒子を生成するために、比較的正確に制御することができる。たとえば、反応室圧力、反応物質の流量、組成および濃度、放射強度、放射エネルギー/波長、不活性希釈ガスまたは反応流中のガスの種類および濃度、反応物質の流れの温度は、たとえば、反応ゾーンにおける反応物質/生成物の飛行時間および急冷速度を変えることによって、生成物粒子の組成および他の性質に影響を及ぼすことができる。したがって、特定の実施形態においては、具体的な反応条件のうちの1つまたは複数を制御することができる。ある種の粒子を生成するための適切な反応条件は、一般に特定の装置の設計に依存する。反応条件と得られる粒子との間の関係についての全般的観察をいくらか行うことができる。
光出力を増大させると、反応領域における反応温度が上昇すると共に、急冷速度がより速くなる。急速な急冷速度は、熱平衡近くのプロセスでは得られないことがある、より高いエネルギー位相の生成に有利に働く傾向にある。同様に、室圧を上昇させることも、より高いエネルギー位相の生成に有利に働く傾向にある。また、酸素源、窒素源、硫黄源または反応物質流中の他の二次反応物質源として働く反応物質の濃度を増大させると、酸素、窒素、硫黄または他の二次反応物質それぞれの量を増大させた粒子の生成に有利に働く。
反応物質流の反応物質速度は粒径と逆相関があり、反応物質速度を増大させると粒径がより小さくようになっている。粒径を決定する際の有意因子は、凝縮して生成物粒子となる生成物組成物の濃度である。凝縮性生成物組成物の濃度が低下すると一般に、粒径が減少する。凝縮性生成物の濃度は、不凝縮性の、たとえば、不活性の組成物による希釈によって、もしくは不凝縮性組成物に対する凝縮性生成物の比率を固定して圧力を変えること、一般に濃度の減少をもたらす減圧と対応する粒径の減少とによって、またその逆によって、またはこれらを組み合わせることによって、あるいは他の任意の適切な手段によって制御することができる。
レーザ熱分解中の光パワーもまた無機粒子径に影響を及ぼし、光パワーの増大は、特に融解温度がより高い材料についてより小さい粒子の形成に有利に働く。また、粒子の成長動力学も、得られる粒子の寸法に大きな影響及ぼす。言い換えると、異なる形態の生成物組成物には、比較的類似した条件下で他の相とは異なる寸法の粒子を形成する傾向がある。同様に、組成が異なる粒子の集団が形成される条件下では、各粒子集団は一般に、それぞれに特徴のある狭い粒径分布を有する。
注目の無機粒子としては、たとえば、非晶質粒子、結晶性粒子、これらの組合せおよびこれらの混合物が挙げられる。非晶質無機粒子は、結晶性材料に見られる短距離秩序と非常に類似していることがある短距離秩序を有する。結晶性材料においては、この短距離秩序が、結晶性材料と非晶質材料とを区別する長距離秩序の構成単位を備える。言い換えると、非晶質材料に見られる短距離秩序構成単位の並進対称性により、結晶格子を画定する長距離秩序が作り出される。一般に、結晶形は、類似の非晶質形よりも低いエネルギー状態にある。これにより、長距離秩序の形成に向かう駆動力がもたらされる。言い換えると、十分な原子移動度および時間があれば、長距離秩序を生じることができる。粒子の表面特性または化学的性質は、たとえば、反応物質の組成も光反応ゾーンにおける反応器の性質も含めた反応条件の影響を受けることがある。さらに、合成後の化学環境のさらなる改質の有無に左右されない熱操作技法により、表面化学的性質を適宜設計することができる。
レーザ熱分解においては、反応プロセスにおいて広範囲の無機粒子を形成することができる。動力学的原理に基づき、急冷速度がより速いと、非晶質粒子の形成に有利に働くが、急冷速度がより遅いと、長距離秩序がする時間が成長する時間があるため、結晶性粒子の形成に有利に働く。反応ゾーンを通り抜ける反応物質流速度がより速いと、より速い急冷を実現することができる。加えて、一部の前駆体は非晶質粒子の生成に有利に働くが、他の前駆体は、類似または同等の化学量論の結晶性粒子の生成に有利に働く。非晶質金属酸化物粒子および結晶性金属酸化物粒子の形成については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Vanadium Oxide Nanopartucles」であるKambeらの米国特許第6,106,798号にさらに記載されている。
光駆動反応プロセスにおいて所望の無機粒子を形成するために、1種または複数種の前駆体により一般に、所望の組成の範囲内の1種または複数種の金属/半金属元素が供給される。反応物質流は一般に、ホスト材料を形成するために(1種または複数種の)所望の金属元素と、加えてまたはあるいは(1種または複数種の)半金属とを含み、任意選択で、所望の組成の生成物無機粒子を生成するために(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤を適当な割合で含む。さらに、追加の適当な(1種または複数種の)前駆体/(1種または複数種の)反応物質が、生成物無機粒子への取り込むための他の(1種または複数種の)元素を供給することもできる。反応物質流の組成を(1つまたは複数の)反応条件と共に調整して、組成および構造に関して所望の生成物粒子を生成することができる。特定の反応物質および反応条件に基づくと、生成物粒子が、反応物質流と同じ割合の金属/半金属元素を有していないことがある。というのも、これらの元素は、粒子への取込みの効率、すなわち、未反応材料に対する収率が異なることがあるからである。しかしながら、各元素の取込み量は、反応物質の流れの中のその元素の量の関数であり、取込みの効率を本明細書中の教示に基づき実験的に評価して、所望の組成物を得ることができる。本明細書中に記載されている放射駆動反応用の反応物質ノズルの設計は、反応物質の流れが大きい高収率向けに設計されている。
レーザ熱分解の性能については、光ビームから吸収されるエネルギーにより、すさまじい速度、制御された(1つまたは複数の)条件下における発熱反応によって一般に発熱する速度で何度も温度が上昇する。このプロセスは一般に非平衡条件を含むが、温度については、吸収領域におけるエネルギーに基づき大体説明することができる。レーザ熱分解は、エネルギー源が反応を開始する燃焼反応器におけるプロセスとは定性的に異なり、発熱反応によって発生するエネルギーによって反応が促進される。したがって、粒子捕集のための光駆動プロセスをレーザ熱分解と称するが、この光駆動プロセスは、反応によって発生するエネルギーでなく放射ビームから吸収されるエネルギーによって反応が促進されるため、従来の熱分解ではない。必要に応じて、反応ゾーンを制限されたままとなるように流れを改質することができる。
適切なハイスループット反応器設計を用いて、高い無機粒子生成速度を実現することができる。本明細書中に記載されている反応物質送達構成に基づく粒子生成速度により、少なくとも約0.1g/h、一部の実施形態においては少なくとも約10g/h、一部の実施形態においては少なくとも約50g/hの(1つまたは複数の)範囲内の、他の諸実施形態においては少なくとも約100g/hの(1つまたは複数の)範囲内の、さらなる諸実施形態においては少なくとも約250g/hの(1つまたは複数の)範囲内の、追加の諸実施形態においては1時間当たり少なくとも約1キログラム(kg/h)の(1つまたは複数の)範囲内の、一般には少なくとも約10kg/hまでの1つまたは複数の)範囲内の粒子生成速度を得ることができる。これら特定の値の範囲内の粒子生成速度のさらなる値が考えられ、また本開示の範囲内あることが当業者には理解されよう。
一般に、これらの高い生成速度は、流れの中の、生成物無機粒子に取り込まれる金属/半金属核の部分によって評価されるように、比較的高い反応収率を得ながら実現することができる。一般に、この収率は、制限反応物質に基づき少なくとも約30パーセントの(1つまたは複数の)範囲内、反応物質の流れの中の金属/半金属核に基づき、他の諸実施形態においては少なくとも約50パーセントの(1つまたは複数の)範囲内、さらなる諸実施形態においては少なくとも約65パーセントの(1つまたは複数の)範囲内、他の諸実施形態においては少なくとも約80パーセントの(1つまたは複数の)範囲内、追加の諸実施形態においては少なくとも約95パーセントの(1つまたは複数の)範囲内であってよい。これら特定の値の範囲内の収率のさらなる値が考えられ、また本開示の範囲内あることが当業者には理解されよう。
本明細書中に記載されているレーザ熱分解装置は一般に、1つまたは複数の粒子改質素子またはステーションを備える。改質素子は一般に、所望のレベルの混合を提供するよう生成物の流れに沿った合理的な位置に設置する。一部の実施形態においては、装置が、流れに沿った位置の対応する選択により改質組成物の導入のためのタイミングを選択することができるように、かつ/または流れに沿った複数の位置で改質組成物の導入が行われるように、流れに沿った異なる位置に位置する複数の改質素子を有する。
一部の実施形態においては、これらの素子は一般に、粒子の性質を効率的に設計することができるよう非常に短時間で組成物を生成物の流れとうまく混合するために、複数の離隔した入口ジェットを備える。これら離隔した入口ジェットは、生成物粒子の流れの周囲に対称的に設置してもしなくてもよい。追加の、または代替の諸実施形態においては、改質素子が、強く混合する組成物を流れに導入するために1つまたは複数のナイフスリット等を備えることができる。同様に、ジェットとナイフスリットとの組合せを使用して、所望のレベルの均一性を得ることができる。
一般に、光反応ゾーンにおける条件によって生成物粒子の性質を決定することができるように、また生成物粒子が全般的に均一となるように、改質組成物の生成物粒子の流れとの混合は光反応ゾーンにおける反応条件と干渉すべきではない。したがって、光反応ゾーンにおける反応条件との干渉を回避するために、改質素子における流れの条件を、たとえば、総流量および設計に関して適宜選択することができる。特定の反応プロセス向けにさらなる実験的調整を行うこともできる。
改質素子は、光反応ゾーンより下流の反応室内に位置する、または生成物の流れを受け取り生成物の流れを捕集器へと向かわせるように反応室に取り付けられている粒子輸送部と整合させることができる。一部の実施形態においては、反応器と粒子輸送部との間に明確な境界がないことがあるが、これらの部分の間の区分の表記は、本明細書中に記載されている処理の多くの特徴を特定する際には重要ではないことがある。改質部は生成物流導管を伴うことができ、この生成物流導管は反応室または粒子輸送部の一部であってもよく、側面が細長いこと、および隣接する細長い側面の間の厚さが著しく薄いことを特徴とする。以下に説明する具合的な諸実施形態は、細長い側面をもって特徴とする細長い寸法を有する生成物流導管を伴うこのような実施形態に関する。
図1を参照すると、改質無機粒子生成システム100が、レーザ熱分解装置102と、粒子輸送部104と、捕集システム106とを備える。レーザ熱分解装置102は、反応室120と、強光送達装置122と、反応物質送達部124と、任意選択の粒子改質部126とを備える。反応室120は、無機粒子の形成のための反応を制限する。反応室120は、反応物質入口130と、光入口導管132と、光入口導管132と共に光ビーム路136を形成する光出口導管134と、光ビーム路136と反応物質入口130からの反応物質の流路との交差部近く、また交差部と全体的に重なる反応ゾーン138とを備える。反応室120は、入口ノズルまたは放射源であってよい1つおよび/または複数の改質素子140における粒子改質部126と整合わせることができる。
商業的量の生成物粒子を生成するのに適しているレーザ熱分解システムは、シート状の反応物質の流れが反応ゾーンに流れ込んで生成物の流れの中にシート状の生成物粒子を形成するように、光ビーム伝搬の方向に沿って細長い入口を有することができる。一般に、基本的に反応物の流れ全体が光ビームを通過する。適度に長いランタイムにわたって高品質粒子を効率よく生成することが可能であるこれらのシステムにより、大きいスループットが実現可能である。大きいスループットのための反応室設計については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Efficient Production of Particles By Chemical Reaction」であるBiらの米国特許第5,958,348号にさらに記載されている。反応室120は、より高いスループットの実現のために、細長い反応物質入口を用いて構成されている。
反応室120の部分図を概略的に図2に示す。図2は、シート状の反応物質の流れ150からシート状の生成物の流れ148を生成する反応室120を示している。この室は、反応ゾーンの少し上から切り取ってこの図に示してある。反応物入口152は主室154に通じている。反応物入口152は、主室154の形状と全体的に一致している。反応物入口152は、反応物質送達部124に接続されている。遮蔽ガス入口158が反応物質入口152の両側に位置することができる。遮蔽ガス入口を使用して、室壁と反応物質または生成物との接触を抑制するように反応物質の流れの両側に一面を覆う不活性ガスを形成する。
図2を参照すると、管状部分132、134が主室154から延在している。管状部分132、134はそれぞれ、反応室150を通り抜ける光ビーム路168を画定するように光源164およびビームダンプ/照度計166と接続している。管状部分132、134は、光学部品の汚染を低減させるために、管状部分132、134への不活性ガス導入用の不活性ガス入口170、172と備えることができる。不活性ガス入口170、172全体が、適切な不活性ガス源に接続されている。
細長い反応室154および反応物質入口152の寸法は、高い効率で生成物組成物が生成されるように設計することができる。反応ゾーンは、反応物質の流れの光ビーム路との交差部近くの反応室内に位置する。反応物質入口152についての合理的な細長い寸法は、出力が数キロワットの範囲にあるCOレーザと共に使用する場合、約5mm〜約2メートル、またはさらなる諸実施形態においては約2センチメートル〜約1メートルである。一般に、この入口は通常、約1mm〜約10センチメートル(cm)、さらなる諸実施形態においては約2mm〜約2cmの厚さを有する。さらに、厚さで割った細長い寸法である入口開口部のアスペクト比は、約2〜約1000、他の諸実施形態においては約5〜約200の範囲に及ぶことができる。入口寸法およびアスペクト比のさらなる範囲が考えられ、また本開示の範囲内あることが、当業者には理解されよう。
矩形の入口として示してあるが、細長い反応物質入口の縁部および角部は、細長い流れの一般的性質を維持しながらいくらか丸くすることができる。このシステムを通り抜けて得られる流れは、最初の反応物質の流れを反映した寸法を有するが、広がることで流れおよび遮蔽ガスを拡張することも、バッフルを使用して広がりを制限することおよび/または流れをさらに制約することもできる。細長いノズル向けの代替のノズル設計については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Reactant Nozzles Within Flowing Reactors」であるGardnerらの米国特許第6,919,054号に記載されている。代替の諸実施形態においては、円形の入口を使用することができ、この円形の入口は、火炎反応器(flame reactor)および熱反応器に適していることがある。無機粒子の空中改質(in flight modification)に適応させることができる、ハイスループットレーザ熱分解向けの代替の構成については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Particle Production Apparatus」であるMossoらの米国特許出願公開第2005/020036号に記載されている。
図1を参照すると、強光送達装置122は通常、強光源164と、光入口導管132に接続されている適切な光学素子とを備えることができる。ビームダンプ166を光出口導管134に接続して、光ビーム路を終端させることができる。レーザまたは集束アーク灯など他の強い放射源用いることで、様々な光周波数によりレーザ熱分解を行うことができる。いくつかの望ましい光源が電磁スペクトルの赤外線部分で作動するが、スペクトルの可視光または紫外線領域など、他の波長を使用することもできる。強い紫外光源としてエキシマレーザを使用することもできる。COレーザが特に好都合な光源である。市販のCOレーザが、ワット〜かなりのキロワットの範囲で入手可能である。適切なビームダンプ/電力計も市販されている。光送達装置122はさらに、ミラー、レンズ、ウィンドウなど、適切な光学部品を備えることができる。特に、強光源164から反応室120への入口光路は円柱レンズを備えることができ、この円柱レンズは、ページの下からページの上に向かって反応物質の流れに沿った図1に示す寸法方向にビームがより細くなるように1つの寸法方向に、一般には反応物質の流れ沿った寸法方向に集光する。円柱レンズを有する図1に示す実施形態においては、反応物のより厚い流れが光ビームを通過してスループットを増大させることができるように、ビームはページの面に垂直には集束することはない。
反応物質送達部124は、反応物質の流れを反応室120へと送達するために反応物質入口130と整合するように構成される。反応物質送達部124は、ガス状反応物質、蒸気反応物質、エアロゾル反応物質またはこれらの組合せを送達するために、適切な溜め、ノズル、注射器等を備えることができる。金属/半金属前駆体組成物など多くの前駆体組成物を、気体/蒸気として反応室に送達することができる。ガス状送達用の適切な前駆体組成物には通常、適度な蒸気圧、すなわち、所望の量の前駆体気体/蒸気を反応物質流に入れるために十分な蒸気圧を有する組成物が含まれる。必要に応じて、液体または固体前駆体組成物を保持する容器を加熱(冷却)して、前駆体の蒸気圧を上昇(低下)させることができる。固体前駆体は一般に、加熱することにより十分な蒸気圧が生じる。一部の実施形態においては、キャリアガスを液体前駆体の中を通して泡立て、所望の量の前駆体蒸気の送達を容易にすることができる。同様に、キャリアガスを固体前駆体の上で通過させて、前駆体蒸気の送達を容易にすることができる。あるいはまたは加えて、液体前駆体をフラッシュ蒸発器に向かわせて、選択した蒸気圧の組成物を供給することもできる。フラッシュ蒸発器を使用して非ガス状の前駆体の流れを制御すると、反応室への前駆体送達について高レベルの制御を行うことができる。
しかしながら、もっぱら気体相/蒸気相の反応物質を使用することは、好都合に使用することができる前駆体組成物の種類に対して挑戦的であることがある。したがって、金属/半金属前駆体などの前駆体を含有するエアロゾルをレーザ熱分解室へ導入するための技術を開発してきた。反応系を流すための改良型エアロゾル送達装置については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Reactant Delivery Apparatuses」であるGardnerらの米国特許第6,193,936号に記載されている。一部の実施形態においては、エアロゾルは、(1種もしくは複数種の)不活性ガスおよび/または(1種もしくは複数種の)ガス状反応物質を含むことができるガスの流れに混入している。適切なエアロゾル発生器としては一般に、たとえば、超音波ノズル、静電噴霧システム、圧力流アトマイザ、発泡性アトマイザ、ガスアトマイザ、圧力流アトマイザ、スピルリターンアトマイザ、ガスブラスト式アトマイザ、二液式内部混合式アトマイザ、シンプレックスアトマイザ、二液式外部混合式アトマイザ、ベンチュリ型アトマイザまたはこれらの組合せが挙げられる。モデル8700−120など、噴霧表面および適切な広帯域超音波発生器を有する超音波ノズルが、Sono−Tek Corporation、Milton、NYから入手可能である。適切なガスアトマイザが、Spraying Systems、Wheaton、ILから入手可能である。
複数種の金属/半金属元素を含む諸実施形態では、金属/半金属元素をすべて蒸気として、すべてエアロゾルとして、またはこれらの任意の組合せとして送達することができる。複数種の金属/半金属元素をエアロゾルとして送達する場合、単一エアロゾルとして反応物質の流れへと送達するための単一溶媒/分散剤内に、前駆体を溶解/分散させることができる。あるいは、別々にエアロゾルへと形成した複数種の溶液/分散液内で複数種の金属/半金属元素を送達することができる。複数種のエアロゾルの発生は、好都合な前駆体が共通の溶媒/分散剤に容易に可溶/分散可能とならない場合に役立つことがある。これら複数種のエアロゾルは、共通のノズルを通して反応室へと送達するための共通のガスの流れに導入することができる。あるいは、反応物質が反応ゾーンに入る前に反応室内で混ざるように、エアロゾルおよび/または蒸気反応物質を別々に反応室へと送達するための複数の反応物質入口を使用することができる。レーザ熱分解室へと送達するための複数の反応物質入口については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Multiple Reactant Nozzle For A Flowing Reactor」であるReitzらの米国特許出願公開第2002/0075126A号にさらに記載されている。
加えて、高純度材料の生成では、蒸気およびエアロゾル反応物質の組合せを使用することが望ましいことがある。一部の実施形態においては、蒸気/ガス反応物質全体を、エアロゾル送達組成物について低コストで容易に入手可能な純度よりも高い純度で供給することができる。同時に一部の元素、特に希土類の(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、ならびに一部の遷移金属は、蒸気の形では好都合に送達することができない。したがって、一部の実施形態においては、生成物組成物用の材料の大多数を蒸気/ガスの形で送達することができるが、他の元素はエアロゾルの形で送達する。蒸気とエアロゾルは、たとえば、反応室への導入前および/または単一の反応物質入口もしくは複数の入口を通しての反応室への送達後に、反応に向けて混ぜ合わせることができる。
また、一部の実施形態においては二次反応物質を使用して、反応室内の酸化/還元条件を変えること、および/または非金属/半金属元素またはその一部を反応生成物に寄与することができる。粒子は、一部の実施形態において、1種または複数種の非(金属/半金属)元素をさらに含む。たとえば、注目の一部の組成物は、酸化物、窒化物、炭化物、硫化物またはこれらの組合せである。酸化物の形成には、酸素源も反応物質流中に存在すべきであり、他の適当な非(金属/半金属)元素源を供給して他の組成物を形成することができる。
酸化物の形成用の酸素源として働く適切な二次反応物質として、たとえば、O、CO、NO、HO、CO、O等およびこれらの混合物が挙げられる。分子酸素を空気として供給することができる。一部の実施形態においては、金属/半金属前駆体組成物は、生成物粒子中の酸素のすべてまたは一部が金属/半金属前駆体によって寄与されるように酸素を含む。同様に、エアロゾル送達用の溶媒/分散剤として使用する液体も同様に、二次反応物質、たとえば、酸素を反応に寄与することができる。言い換えれば、1種または複数種の金属/半金属前駆体が酸素を含む場合、および/または溶媒/分散剤が酸素を含む場合には、生成物粒子に酸素を供給するための別個の二次反応物質、たとえば、蒸気反応物質が必要とされないことがある。反応器内の条件は、金属/半金属酸化物粒子を生成するためには十分に酸化性となるべきである。
一般に、二次反応物質組成物は、放射反応ゾーンに入る前に(1種また複数種の)金属/半金属前駆体と著しく反応すべきではない。というのはこれにより、より大きな粒子が形成されること、および/または入口ノズルが損傷を受けることがあるためである。同様に、複数種の金属/半金属前駆体を使用する場合、これらの前躯体は、放射反応ゾーンに入る前に著しく反応すべきではない。反応物質が自発的に反応する場合には、金属/半金属前駆体と、二次反応物質および/または異なる金属/半金属前駆体とを、光ビームに到達する直前に混ざり合うように、別々の反応物質入口またはノズルで反応室へと送達することができる。
反応物質流に含めるための(1種または複数種の)赤外線吸収体としては、C、イソプロピルアルコール、NH、SF、SiHおよびOが挙げられる。Oおよびイソプロピルアルコールは、赤外線吸収体として作用することも酸素源として作用することもできる。(1種または複数種の)赤外線吸収体など(1種または複数種の)放射吸収体は、放射ビームからエネルギーを吸収することができ、このエネルギーを他の反応物質に寄与して熱分解を促進することができる。
不活性遮蔽ガスを使用して、反応物質室部品と接触する反応物質および生成物分子の量を低減することができる。キャリアガスとして、および/または反応減速材として、不活性ガスを反応物質流に導入することもできる。適切な不活性ガスとしては一般に、たとえば、Ar、He、N(多くの反応向け)、特定の反応に対して適切に不活性である他のガス、またはこれらの組合せが挙げられる。
図1の反応物質入口130への蒸気/ガス状反応物質の送達に適している反応物質送達部の一実施形態を、図3に概略的に示す。図3に示すように、反応物質送達装置200は、共に混合サブシステム206を連結するガス送達サブシステム202および蒸気送達サブシステム204を備える。ガス送達サブシステム202は、ガスを反応室へ送達するためのガスシリンダなど、1つまたは複数のガス源を備えることができる。図3に示すように、ガス送達サブシステム202は、反応物質ガス源210、212と、不活性ガス源214と、反応前駆体が強光を十分には吸収しない場合にレーザ熱分解用の光吸収ガスを供給することができる任意選択の光吸収ガス源231とを備える。他の諸実施形態においては、このガス送達サブシステムが、所望の反応物質ガスおよび/または他のガスを要望通りに選択することができるように、複数の異なるガス源を備えることができる。
これらのガスはガスマニホルド218において組み合わさり、このガスマニホルド218においてガスは混ざることができる。ガスマニホルドは、安全のために圧力安全弁220を有することができる。不活性ガス源214を使用して、光を室120へと向かわせるために、また室120から向かわせるために使用する管状部分132、134内に不活性ガス供給することもできる。マスフローコントローラを使用して、ガスマニホルド218へのガスの流れを調節することができる。
蒸気送達サブシステム204は、複数のフラッシュ蒸発器230、232、234を備える。3つのフラッシュ蒸発器と共に示してあるが、蒸気送達サブシステムは、所望の無機粒子を形成するための反応器への送達用に選択することができる所望の数の蒸気前駆体を提供するために、たとえば、フラッシュ蒸発器を1つ、フラッシュ蒸発器を2つ、フラッシュ蒸発器を4つまたはそれ以上備えることができる。各フラッシュ蒸発器を液溜めに接続して、液体前駆体を適切な量を供給することができる。適切なフラッシュ蒸発器は、たとえば、MKS Equipmentから入手可能であるが、容易に入手可能な部品から構築することもできる。これらのフラッシュ蒸発器は、特定の前駆体の選択した分圧を送達するようにプログラミングすることができる。フラッシュ蒸発器からの蒸気はマニホルド236へと向けられ、このマニホルド236はこれらの蒸気を共通供給ライン238へと向けられる。これらの蒸気前駆体はマニホルド236および共通供給ライン238内で混ざる。フラッシュ蒸発器を固体前駆体送達装置に置き換えることができ、この固体前駆体送達装置は固体を加熱して蒸気を生成することができ、蒸気はその後、必要に応じてキャリアガスと共に送達することができる。キャリアガスは、たとえば、赤外線吸収体、二次反応物質、不活性ガスまたはこれらの混合物であってよい。
ガス送達サブシステム202からのガス組成物および蒸気送達サブシステム204からの蒸気組成物は、混合サブシステム206内で混ざり合う。混合サブシステム206は、ガス送達サブシステム202および蒸気送達サブシステム204からの流れを混ぜ合わせるマニホルドであってよい。混合サブシステム206においては、異なる圧力における異なる蒸気およびガスの組合せ流の混合を改善するように、流入物(input)を配向させることができる。この混合ブロックは、より低い圧力源への逆流を低減させるために斜めの終端部を有することができる。導管250は、混合サブシステム206から反応室120へと通じる。
反応物質送達部200は、再装備することなく特定の無機粒子組成物を調整するために、様々な前駆体および他の反応物質を有する供給に基づく選択した反応物質組成物を送達するように構成することができる。というのは、多数の前駆体供給物を同時に反応物質送達部内で1つにまとまることができるからである。複合材料および/またはドープ材料の形成では、かなりの数の反応物質源と、任意選択で別個の反応物質ダクトとを、反応物質/前駆体送達のために使用することができる。たとえば、25個もの反応物質源および/またはダクトが考えられるが、原則として、より大きな数を使用することができる。
図3を参照すると、前駆体蒸気のいずれの凝縮も低減または解消するために、熱コントローラ252を使用して、蒸気送達サブシステム204、混合サブシステム206および/または導管250を通して伝導ヒータ等により様々な成分の温度を制御することができる。適切な熱コントローラは、Omega Engineering社(Stamford、CT)製のモデルCN132である。前駆体の流れ全体は、United Instruments社(Westbury、NY)製のDX5コントローラによって制御/監視することができる。DX5計器は、1種または複数種の蒸気/ガス前駆体の流れを制御するマスフローコントローラ(Mykrolis Corp.、Billerica、MA)と整合させることができる。この反応物質送達部の自動化は、Brooks−PRI Automation社(Chelmsford、MA)製のコントローラと一体化することができる。
上述のように、反応物質流は1種または複数種のエアロゾルを含むことができる。これらのエアロゾルは、反応室への注入前に、反応室内または反応室の外で形成することができる。エアロゾルを反応室への注入前に生成する場合、ガス状/蒸気反応物質のために使用する入口に匹敵する反応物質入口を通してエアロゾルを導入することができる。複合組成を有する無機粒子の形成では、追加のエアロゾル発生器および/または蒸気/ガス源を組み合わせて、反応物質流内に所望の前駆体組成物を供給することができる。
エアロゾル送達装置を使用すると、固体前駆体組成物を、溶媒に組成物を溶解させることによって送達することができる。あるいは、粉末状前駆体組成物を、エアロゾル送達用の液体/溶媒に分散させることもできる。液体前駆体組成物を、原液、複数液体分散液または溶液からエアロゾルとして送達することができる。エアロゾル反応物質を使用して、かなりの反応物質スループットを得ることができる。溶媒/分散剤は、得られる溶液/分散液の所望の性質を実現するように選択することができる。適切な溶媒/分散剤として、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、他の有機溶媒、金属/半金属前駆体自体およびこれらの混合物が挙げられる。溶媒は、得られる粒子が所望の純度レベルを有するように、所望のレベルの純度を有するべきである。イソプロピルアルコールなど一部の溶媒は、COレーザを光源として使用する場合には反応物流内で追加の光吸収組成物を不要とすることができるほど、COレーザからの赤外光の重要な吸収体である。
エアロゾル送達用の前駆体組成物は、通常は約0.1モル濃度を超える(1つまたは複数の)範囲内の濃度で溶液に溶解させる。一般に、溶液中の前駆体の濃度を増大させると、反応室を通り抜ける反応物質のスループットが増大する。しかしながら、濃度が増大するにつれて、所望の寸法よりも大きい寸法を有する液滴をエアロゾルが有することがあるほど、溶液の粘性がより高くなることがある。溶液を加熱することにより、溶解度を増大させ、また粘度を低下させて、エアロゾル液滴寸法を増大させることなく生成速度を増大させることができる。したがって、溶液濃度の選択は、適切な溶液濃度を選択する際に因子の均衡を伴うことがある。
溶媒が存在するエアロゾルとして前駆体を送達する場合、溶媒全体を、気相反応が起こるように、反応室内で放射(たとえば、光)ビームによって急速に蒸発させることができる。加えて、溶媒全体は、送達時に光ビームに到達する前に蒸発することもできる。適当な条件下では、溶媒を急速に追い払うことができないエアロゾルに基づく他の手法とは対照的に、得られる粒子がそれほど多孔質ではないことがある。したがって、レーザ熱分解反応の基本的特徴は、エアロゾルの存在によって本質的に不変となることがある。それにもかかわらず、反応条件は、エアロゾルの存在の影響を受ける。レーザ熱分解粒子生成のためのエアロゾル反応物質の使用については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Optical Materials And Optical Devices」であるHorneらの米国特許第6,849,334号に記載されている。
ガス/蒸気と共にエアロゾル反応物質を送達するように構成されている反応物質送達ノズルの一実施形態を、図4および図5に示す。入口ノズル280は、その下面282で反応室と接続している。入口ノズル280は、反応室に入口ノズル280を固定するためにボルトで下面282に留められているプレート284を備える。入口ノズル280は、内側ノズル286および外側ノズル288を備える。内側ノズル286は、ノズルの最上部に、たとえば、対オリフィス内部混合アトマイザ290を有することができる。適切なガスアトマイザが、Spraying Systems、Wheaton、ILから入手可能である。この対オリフィス内部混合アトマイザ290は、薄いシート状のエアロゾルおよびガス状組成物を生成するように扇形状を有する。液体を、管292を通してアトマイザに供給し、反応室への導入用のガスを、管294を通してアトマイザに導入する。ガスの液体との相互作用が液滴形成を援助する。
外側ノズル288は、室部分296と、漏斗部分298と、送達部分300とを備える。室部分296は、内部ノズル286のアトマイザを保持する。漏斗部分298は、エアロゾルおよびガス状組成物お送達部分300へと向かわせる。送達部分300は、図4の挿入部分に示す矩形の反応物質開口部302へと通じている。反応物質開口部302は、レーザ熱分解用反応室への反応物質入口を形成する。外側ノズル288は、外側ノズル内に集まる任意の液体を除去するためのドレン304を備える。外側ノズル288は、反応物質開口部302を取り囲む遮蔽ガス開口部308を形成する外壁306で覆われている。管310を通して不活性遮蔽ガスを導入する。1つまたは複数のエアロゾル発生器を用いて細長い反応室へとエアロゾルを導入するためのさらなる諸実施形態については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Reactant Delivery Apparatuses」であるGardnerらの米国特許第6,193,936号に記載されている。
図1を参照すると、粒子改質部126は1つまたは複数の改質素子140備えることができ、改質素子140のそれぞれは入口または放射源であってよい。入口は、適当な組成物供給システムに動作可能に接続することができる。生成物無機粒子を有する流れに対して所望の運動量を伴って、不活性ガスや表面改質組成物などの組成物を送達するように、入口を配向することができる。より具体的には、流れを妨害することなく素早く完全に粒子と混ざるように、組成物を送達することができる。適切な入口については以下にさらに説明する。
図1を参照すると、流れ部104は、レーザ熱分解装置102を捕集器システム106と接続し、また導管等を備える。一部の実施形態においては、この流れ部が、流れを捕集器へと向かわせる導管である。流れ部104が改質素子を備えていない場合、粒子改質はすべて反応室、たとえば、レーザ熱分解室により開始される。その後流れ部104は、粒子の性質のさらなる操作なしで反応室からの粒子を捕集器システムへと運ぶ。しかしながら、他の諸実施形態においては、流れ部104が1つまたは複数の改質素子を備える。
特に、一部の実施形態においては、図1を参照すると、流れ部104が、組成物の送達または放射源からの放射との相互作用にそれぞれ携わる1つまたは複数の改質素子320を備える。各入口全体が、所望の組成物を含む蒸気および/またはエアロゾルを送達するために、溜めを有する組成物供給素子と連通している。適切な放射源については上述されているが、以下に詳細に説明する。流れ部104は、流れの方向の変化により、または収縮など、流れが利用可能な断面積の変化により、レーザ熱分解装置102とは区別することができる。一部の実施形態においては、レーザ熱分解装置102と流れ部104との間に明確な境界がないことがあり、境界を都合良く概念的に選択することができる。流れ部の導管は真っすぐであっても、または捕集システムに到達するように必要に応じて流れの向きを変えるために曲がっていてもよい。加えて、断面積寸法は、無機粒子合成反応器と流れ/改質部との間で比較的一定のままであってもそうでなくてもよく、反応室の流れが細長い場合であっても、導管はその長さの一部にわたって円形断面を有することができる。
図1は2つの改質素子を有する流れ部を示しているが、1、2、3、4、5、7、8、9、10またはそれ以上の改質素子を有する流れ部を構成することができる。改質素子の数、それら改質素子の相対的な位置決めおよび個々の改質素子の構成は、所望の生成物粒子の性質を実現するように設計することができる。一般に、流れ/コーティングシステムの流れに沿った長さは、所望の改質素子の設置のための所望の空間を提供するように選択することができる。反応室内に設置するための改質素子の順序および位置決めを選択する際に考慮すべき因子は通常、流れ部内における順序および設置を評価するために同様に関連している。
加えて、図1は導管を有する流れ部104を示し、この導管は、導管に沿った流れに垂直なほぼ一定の断面積を有するが、流れ部104の導管は方向を変える。一方、流れ部が、以下にさらに説明するように、流れに垂直な断面積を変えることができる。導管のテーパリングにより流れ内の密度を増大させることができ、これにより流れ内における粒子の凝集をいくらか制御することができる。必要に応じて、流れを制御して流れ内に流動層反応器を効果的に形成することにより、粒子の捕集前にさらに凝集を制御することができる。流れを流動層反応器に向かわせることについては、参照により本明細書中に援用される、題名が「NanoStructured Composite Particles and Corresponding Processes」であるChiruvoluらの2006年5月22日に出願された同時係属米国特許出願第11/438,468号にさらに記載されている。
図1を参照すると、捕集システム106は、捕集器330と、負圧デバイス332と、スクラバ334とを備え、これらの構成要素間の流れを結合する導管を有することができる。捕集器330は、たとえば、フィルタ、バッグ捕集器、静電捕集器等であってよい。適切なフィルタとしては、たとえば、フラットフィルタまたは円筒形フィルタが挙げられる。一部の実施形態においては、捕集器は、共に参照により本明細書中に援用される、題名が「Nanocrystalline Materials」であるParkerらの米国特許第5,874,684号および題名が「Particle Collection Apparatus And Associated Methods」であるGardnerらの米国特許第6,270,732号に記載されているような、粒子生成を妨害することなく連続捕集するためのバッグ捕集器であってよい。適切な負圧デバイスとしては、たとえば、ポンプ、送風器、アスピレータ/ベンチュリ管、圧縮器、エジャクタ等が挙げられる。Leybold Vacuum Products、Export、PAから入手可能なポンプや、モデルQDP80などのEdwards社製の乾燥回転ポンプなどの真空ポンプが市販されている。任意選択のスクラバ334を使用して、フィルタ処理した流れから環境に有害な化合物を取り除くことにより、それら化合物の大気中への放出を削減することができる。適切なスクラバとしては、たとえば、インラインSodasorb(登録商標)(W.R.Grace)塩素トラップが挙げられる。
反応室内の圧力は通常、圧力計を用いて測定することができる。たとえば、マノメータを圧力計として使用することができる。マノメータは、圧力に対して正確な線形応答を提供する。一部の実施形態においては、圧力計がコントローラに接続されている。反応室内の圧力を監視するために、また捕集システムと共にフィードバックループを用いて反応室内の圧力を指定範囲内に維持するために、コントローラを使用することができる。フィードバックループの作業は、捕集システムの構造設計に依存し、たとえば、弁の調節、排気速度および/またはフィルタのパルス速度を、コントローラによる自動調節と共に含むことがある。コントローラと整合させるための適切な自動弁が、Edwards Vacuum Products、Wilmington、MAから入手可能である。手動弁を使用する場合には、コントローラはオペレータに適宜手動弁を調節するよう通知することができる。
無機粒子生成システムの一実施形態を図6および図7に示す。これらの図においては、反応室と流れ部との間に明確な移行部はない。したがって、生成物粒子の流れは、流れが捕集器へと移行するまで決して流れ部への移行によって妨害されることはない。反応ゾーンを有する反応室と改質素子を有する流れ領域との間の移行点を自由裁量で決定することができる。
図6および図7を参照すると、熱分解反応システム400が、反応室402と、粒子捕集システム404と、レーザ406とを備える。反応室402は、反応物質送達システム408が反応室402と接続している反応室402の底部に、反応物入口414を備える。この実施形態においては、反応物質が反応室の底部から送達される一方、生成物が反応室の最上部から捕集されるが、代替の諸実施形態においては、この流れ構成を反転させることもできる。遮蔽ガス導管416が、反応物質入口414の前後に位置する。不活性ガスを、ポート418を通じて遮蔽ガス導管へと向かわせる。遮蔽ガス導管は、反応物402の内壁に沿って遮蔽ガスを方向付けて、反応物質ガスまたは生成物の壁との会合を抑制する。
反応室402は、図6において「d」で示す1つの寸法に沿って細長い。レーザビーム路420が、主室426から管424に沿って変位するウィンドウ422を通って反応室に入り、反応室402の細長い方向を横切る。レーザビームは管428を通り抜け、ウィンドウ430から出る。一実施形態においては、管424および428がウィンドウ422および430を主室から約11インチ変位させる。レーザビームはビームダンプ432において終端する。作動中、レーザビームは、反応物質入口414を通じて生成される反応物質流と交差する。改質素子434が、反応ゾーンより上流に主室426に沿って位置する。
主室426の最上部は、粒子捕集システム404へと開いている。粒子捕集システム404は、主室426からの流れを受けるように、主室426の最上部に接続されている出口ダクト434を備える。出口ダクト434は、反応物質流の平面からの生成物粒子を円筒形フィルタ436へと運ぶ。フィルタ436は一方の端部にシールを有し、フィルタ436の他方の端部はディスク440に締結されている。ディスク440の中心には通気口が、フィルタ436の中心へのアクセスを提供するように固定されている。使用中、通気口は、ダクトによってポンプ等に取り付けられる。したがって、生成物粒子が、反応室402からポンプへの流れによってフィルタ436に捕捉される。
流れ部が1つの寸法に沿ってテーパ状である無機粒子生成システムの代替実施形態を図8に示す。図8を参照すると、熱分解反応システム450が、反応室452と、粒子移送素子454と、粒子捕集システム456とを備えている。反応室452は、反応物質送達システム468が反応室452と接続している反応室452の底面466で、入口ノズル464と整合されている。粒子移送素子454は、上面470に沿って反応室452と接続している。この実施形態においては、反応物質が反応室の底部から送達される一方、生成物が反応室の上部から捕集される。入口ノズル464は中央反応物質チャネルを有し、遮蔽ガス導管が、図2に示す構成と類似している中央反応物質チャネルの前後に隣接している。
第1のライト管480が、光ビーム路が方向付けられて反応室の細長い長さに沿って反応室を通るように構成されている。第1のライト管480は、テーブル上面483と平行な方向に沿って集光しないが上面470から反応室452の底面466への法線に沿って配向されている方向に沿って焦点を合わせるように配向された円柱レンズ482を備える。不活性ガスを、ガス管484から第1の管482へと向かわせて、光路を清浄に保つ。第1のライト管480は、フランジ486にある光源と直接的または間接的に接続している。光ビーム路は、反応室450を通って第2のライト管490と続く。第2のライト管490は、ビームを照度計/ビームダンプ494へと向かわせるウィンドウ492が終端である。作動時、通常COレーザからの光ビームは、入口ノズル464から生成される反応物質流と交差する。
粒子移送素子454の断面図を、上面470を形成する反応室452の上板496と共に図9に示す。装置の閲覧を容易にするために、支持構造の一部は図示していない。粒子移送素子454が、取付板500と、流れ導管502と、冷却カラー504とを備える。取付板500は、粒子移送素子454を上板496にしっかり締結して締め付ける。
この実施形態においては、流れ導管502が、内部流路508と、流れ導管502に沿った異なる選択した高さに4つの対称混合ステーション510、512、514、516とを備える。各混合ステーションは、2つの対称的に位置するガス入口520を備える。混合ステーション510は対称区画522、544を有し、混合ステーション512は対称区画526、528を有し、混合ステーション514は対称区画530、532を有し、混合ステーション516は対称区画534、536を有する。各区画522〜536は、ガスポート520に液体連通接続されている。また、各区画522〜536は、各区画を内部流路508と液体連通接続する複数のジェット540に接続されている。ジェット540の一部を図9に表示する。
使用時、ポート520を通じて送達されるガスが、ジェット540を通る制限された流れを背圧として区画522〜536を加圧する。ジェット540を通じてのガスの加圧送達により、以下にさらに説明するように、流れ内で所望のレベルの優れた混合がもたらされる。流れ導管502はさらにサンプリングポート542を備え、これらサンプリングポート542を通じて流れ内の生成物粒子を、流れに沿った特定の位置における試験用に取り去ることできる。
冷却カラー504は、締結バンド550を有する流れ導管502に気密シールにより固定されているが、他の実施形態においては、流れカラー504を溶接するか、あるいは締結して気密シール状態を形成することができる。図10および図11は、流れ導管502とは別にした冷却カラー504を示す。冷却カラー504は、流れ導管502と捕集システム456との間の流れを提供する中央チャネル562を有する円筒形素子560を備える。取付フランジ564、566が、円筒形素子560から延在し、冷却カラーを装置へと取り付ける。ガスラインと接続するためにかしめロック(swage−lock)取付具など適当な取付具を有する2つの対称的に位置するガスポート580、582に接続されている気密空洞570を形成するために、ガス室構造568が円筒形素子560の中心周辺に取り付けられている。円筒形素子560は、空洞570の内部へと液体連通接続されている2つのガスジェット584(一方のみを示す)を有し、空洞570へと送達される加圧ガスを、ジェット584を通じて中央チャネル562へと送達することができるようにする。
冷却カラー504の中央チャネル562は、粒子捕集システム404内へと通じている。粒子捕集システム404は、流管590と、捕集室592と、容器594とを供える。流管590は、冷却カラー504と捕集室592との間に流体接続をもたらす。捕集室592は、清浄なプレナムから生成物プレナムを分離するためにフレキシブルバッグを使用する単一のバッグ捕集器である。バックパルスシステム596が、バッグの膜からの取り去った生成物粉末に、粉末が捕集室592の底部へと落下するように、ガスの予備のバックパルスを提供する。捕集室594の底部は、取り外し可能に容器594に接続されている弁598と接続されている。弁598が開いている際には、粉末は容器594へと落下することができる。容器594を取り外し取り換えるために、弁598を閉めることができる。捕集室594もまた、スクラバおよびポンプに通常接続されている通気口600へと通じている。必要に応じて、単一のバッグ捕集器の代わりに他の捕集システムを使用することもできる。
ガス状組成物などの流体組成物を流れに送達する改質素子を、図1〜図11の実施形態に関して上で全般的に説明してきた。概して、改質素子は、光反応ゾーンからの生成物の流れと混ざるように高運動量の流れを配向するために、小領域の入口を組み込むことができる。高運動量の流れにより、混合の目的に関して優れた性能に向けた非常に急速な混合がもたらされる。それら自体が影響を受けている生成物の流れ内におけるプロセスが、急速時間枠において行われることがあるため、急速な混合が通常は望ましい。生成物粒子が対応して捕集時に非常に均一であるように、非常に短い時間枠内で流れ全体にわたって均一な性質を得ることも、混合にとっては通常望ましい。
管型熱反応器からの反応を熱改質するための、冷却ガスの導入については、参照により本明細書中に援用される、題名が「Turbulent Mixing Aerosol Nanoparticle Reactor and Method of Operating the Same」であるHohingaらの米国特許出願公開第2006/0024435号に記載されている。対照的に、レーザ熱分解反応器内における反応は非常に急速に冷却するが、レーザ熱分解反応器内においてさえも、生成物粒子の性質上、流れの熱改質が非常に重大な影響をもたらすことがある。加えて、特定の反応の性質は、反応および所望の生成物の性質が熱的調節に影響を及ぼすことができるように、生成物の流れの熱的条件に影響を及ぼす。さらに、高生成速度向けのレーザ熱分解装置には、円柱状に対称な流れ導管がなくてもよいが、これにより流れの幾何学的形状に従って混合入口を適合させるための新たな構成が必要となる。
生成物の流れに対する混合組成物について高運動量を実現するためには、特定の改質素子に付随する(1つまたは複数の)入口の面積は通常、生成物流導管の断面積の約0.15倍以下、他の諸実施形態においては約0.1倍以下、さらなる諸実施形態においては生成物流導管の断面積の約0.02倍以下であってよい。(1つまたは複数の)入口の断面積のさらなる範囲が考えられ、また本開示の範囲内あることが当業者には理解されよう。
また、混合組成物が光反応ゾーンを通る流れの性質を大幅には変えないことが望ましい。流れの性質への下流効果は、混合流れの容積および改質素子の位置の影響を受けることがある。改質素子が光反応ゾーンに近づくにつれ、かなりの運動量の下流側の混合入口からの流れの量を低減させることが特に望ましいことがある。直交する流れのコリメーションおよび/またはわずかに上流側へ入口に角度を付けることにより、下流運動量の低減を実現することができる。一部の実施形態においては、うまく平行にした添加剤組成物流は、流れが別の流れまたは構造と相互作用しない場合には、入口から10センチメートルの距離の断面積で10倍以下に、またさらなる諸実施形態においては5倍以下に広がる。
改質素子は通常、生成物無機粒子を伴う流路へと改質流体を向かわせるように構成される1つまたは複数の入口を備える。一般に、図12〜図15に関して以下に示すように、流れ導管の細長い面の両側に対で設置することができる2つまたはそれ以上の入口を備えることが望ましい。これらの入口は、流れ導管の牢側に互いに正反対に設置されていてもされていなくてもよい。適切な入口として、たとえば、所望の小領域の細いナイフスリット、ノズルジェット等が挙げられる。
細いナイフスリットは、生成物流と直交する非常にうまく平行にした流れを生成するように、またはわずかに上流側へ角度を有するように設計することができる。EXAIR Corp.Cincinnati,OHからのSuper Air Knife(商標)など、市販されているユニットをこの流れシステムに組み込むことも、またはユニットを適宜構築することもできる。一部の実施形態においては、ナイフスリットの間隙は0.025インチ以下、他の諸実施形態においては0.010インチ以下、さらなる諸実施形態においては約0.0002〜0.005インチであってよい。比較的均一な混合を得るために、ナイフスリットは、生成物導管の周囲の少なくとも約10パーセント、また他の諸実施形態においては生成物導管の周囲の少なくとも約20パーセントで延在する。スリット間隙の、また上記明示的範囲内の導管周囲の被覆率(coverage)のさらなる範囲が考えられ、また本開示の範囲内あることが当業者には理解されよう。
さらなる諸実施形態においては、改質素子が高速ジェットである。拡散または乱流渦混合と比較して速い時間スケールで混合を実現するために、比較的低速の生成物流に添加剤流体を注入するための高速流体ジェットを用いる。急速混合は、より均一な生成物粒子を実現するとともに、流路のより小さい部分内における改質に対応する粒子改質をより迅速に実現するために重要となることがある。高速流は、添加剤流体との混合後に粒子凝集が低減されるように、混合流にも、また希釈流にもエネルギーを添加する。
改質素子は通常、細長い、すなわち、非円形かつ非正方の断面を有する流れ導管と整合するように構成される。ジェットは、得られる生成物粒子粉末がより均一となるよう、流路断面の細長い寸法に沿ってほぼ均等な混合をもたらすように構成することができる。ジェットのこの構成はジェットの数の選択を伴い、これらのジェットをその後、通常流路の両側にほぼ等間隔で位置決めすることができる。ジェットの数およびジェットの寸法の選択基準を以下に示す。一般に、ジェットは、うまく平行にした流体ジェットを生成するノズルを、または噴霧を生成するピンホールを備えることができる。
改質素子の2つの実施形態を、図12および図13に断面図で示す。図12を参照すると、流れ導管600が、導管の細長い各側面にジェット602を9個備える改質素子と整合している。各ジェット602は、流れ導管の壁を貫通するピンホールによって形成されている。流体供給導管604が各ジェット602に接続されている。一般に、各流体供給導管内の圧力は、一定の混合を提供するために、互いにほぼ等しくなるように選択する。
代替実施形態を図13に示す。図13を参照すると、流れ導管610が、やはり流れ導管610の細長い各側面に沿ってジェット612を9個備える改質素子と整合している。流体送達マニホルド614、616は、流れ導管のそれぞれの側面上のジェットと関連している。付属品622、624で流体供給管等と接続している流体入口618、620を通してそれぞれ送達マニホルド614、616に流体が供給される。
円形断面を有する流路へのジェットを用いる強い混合の条件を決定するためのパラメータについては、参照により本明細書中に援用される、題名が「Turbulent Mixing Aerosol NanoParticle Reactor and Method of Operating Same」であるHolungaらの米国特許出願公開第2006/0024435A号に記載されている。(’435出願)に記載されている。図12を参照すると、図中「t」と印が付けられている、流路断面のより小さい寸法を、’435出願における計算の際の直径の大まかな代替として使用することができる。次いで、所望の強い混合を提供するジェットの適切な流量および直径について概算することができる。その後、隣接するジェット間の間隔を、小さい流路寸法「t」の0.5〜1.5の間で見積もることができる。
断面が円形でない本明細書中に記載されている流路について、ジェット以外の他の入口形状により高運動量の入口の概念を適応させて、生成物の流れの中に強い混合状態を生成することができる。上述のように、うまく平行にした流れを有する優れた混合状態を提供するために、ナイフスリットを好都合に使用することができる。一実施形態を図14および図15に示す。図14および図15を参照すると、流れ導管640が、流れ導管のそれぞれの側面に取り付けられている2つのナイフスリット系642および644を有する。各ナイフスリット系642、644は、混合組成物をナイフスリット系に送達するための管状接続部646、648をそれぞれ有する。ナイフスリット系642、644は、うまく平行にした流れを非常に狭いスリット650を通して流れ導管640の断面にわたって送達するように構成することができる。
改質素子において流れと混合される組成物は、流れにおける熱的条件を操作するために使用する不活性ガスであってよい。一般に、この組成物は、たとえば、ガス、蒸気、原液、液体分散液、液体ブレンド、エアロゾルおよびこれらの組合せを含むことができる任意の流体であってよい。一般に、流れの特定の組成に基づき適切な不活性ガスを選択することができる。一般に受け入れ可能な不活性ガスの一部の例が上述されている。熱的性質を制御するために、所望の温度で不活性ガスを注入することができ、これは、室温を上回る加熱または室温を下回る冷却を伴う。適切な温度制御装置を、改質素子に流体を供給した装置に組み込むことができ、熱制御素子が改質素子自体に内蔵されていてもされていなくてもよい。
一部の実施形態においては、粒子の表面特性を改質する組成物を(1つまたは複数の)混合入口を通して送達するように改質素子を構成する。たとえば、組成物は、粒子表面に−OH基を寄与するための水、粒子表面に沿ってハロゲンを寄与するための、XがハロゲンであるHX、粒子表面を変形させる架橋結合を助長する表面化学的性質を改質するために、流れからの元素と反応してそれら元素を無効にする捕捉剤、または他の適切な表面改質組成物を含むことができる。表面改質化合物は、所望の混合を実現するために、送達用の不活性ガスで希釈することができる。酸化を完全にするために酸素を添加することも、表面を不動態化するために水素を添加することも、または後に分散技術を容易にすることができる表面終端を提供する他の試薬を添加することもできる。
上述のように、一部の改質部は放射源を備えることができる。適切な放射源としては、たとえば、電子ビーム、コロナ放電または電磁放射源が挙げられる。クライストロンまたは他の電子ビーム源を、これらの用途に適合させることもできる。赤外線、可視光、マイクロ波、紫外線、X線およびこれらの組合せなど、適切な電磁放射を使用することができる。参照により本明細書中に援用される、題名が「Ultraviolet Light Emitting Diode」であるEmersonらの米国特許第6,734,033号に記載されているような紫外線発光ダイオード、可視光における幅広いダイオードおよび他の光源、参照により本明細書中に援用される、題名が「IR Laser Based High Intensity Light」であるMachiらの米国特許第6,783,260号に記載されているような赤外線ダイオード、参照により本明細書中に援用される、題名が「Microwave Generator With Virtual Cathode」であるDurandの米国特許出願公開第2004−0245932A号に記載されているようなマイクロ波など、適切な光源を使用して所望の波長を送達することができる。
無機粒子の性質
特に興味のある諸実施形態において、無機粒子の平均直径は約1ミクロン以下にすぎない。捕集したサブミクロン/ナノスケール粒子群が、一次粒子について、約500nm以下、一部の実施形態においては約250nm以下、さらなる諸実施形態においては約2nm〜約100nm、あるいは約2nm〜約75nm、または約2nm〜約50nmの平均直径を有することがある。これら具体的な範囲内にある他の範囲が考えられ、また本開示の範囲内あることが当業者には理解されよう。粒径は、透過型電子顕微鏡法によって評価される。非球形粒子では、粒子についての直径測定値が、粒子の主軸に沿った長さ測定値の平均に基づいている。
一次粒子は、概ね球状の肉眼的形態を有することができるが、ロッド形状、プレート形状または他の非球形形状を有することもできる。内実を見ると、結晶性粒子が、基本(underlying)結晶格子に対応するファセットを有することがある。非晶質粒子は一般に球形面を有することができる。一部の実施形態においては、粒子の主軸に沿った最短距離に対する主軸に沿った最長距離の平均アスペクト比は、約2以下、さらなる諸実施形態においては約1.5以下であってよい。明示的範囲内のアスペクト比のさらなる範囲が考えられ、また本開示の範囲内あることが当業者には理解されよう。
これらの粒子は通常、顕微鏡写真において観察されるように、サブミクロンスケールの粒子に対応する表面積を有する。さらに、粒子は、寸法が小さいことおよび材料の質量当たりの表面積が大きいことによる特有の性質を示すことがある。たとえば、紫外可視分光法によると、結晶性ナノスケールTiO粒子の吸収スペクトルは、バルクTiO粒子の吸収スペクトルに対してシフトしている。
一次粒子は、高い寸法均一度を有することができる。レーザ熱分解により通常、粒経範囲が非常に狭い粒子が生じする。レーザ熱分解用に反応物質のエアロゾル送達を用いると、粒経の分布は、特に反応条件に敏感である。それにもかかわらず、反応条件を適切に制御した場合、エアロゾル送達システムを用いて非常に狭い粒経分布を得ることができる。透過型電子顕微鏡写真の調査からわかるように、一次粒子は通常、一次粒子の少なくとも約95パーセント、他の諸実施形態においては少なくとも約99パーセントの直径が、平均直径の少なくとも約40パーセント、また平均直径の約160パーセント以下となるように寸法の分布を有する。さらなる諸実施形態においては、一次粒子は、一次粒子の少なくとも約95パーセント、他の諸実施形態においては少なくとも約99パーセントの直径が、平均粒径の少なくとも約60パーセント、また平均直径の約140パーセント以下となるように直径分布を有する。これら具体的な範囲内の他の範囲が考えられ、また本開示の範囲内あることが当業者には理解されよう。
さらに、好ましい諸実施形態においては、粒経はいずれも、平均直径が平均直径の約5倍以下であり、他の諸実施形態においては平均直径の約4倍以下であり、さらなる諸実施形態においては平均直径の約3倍以下であり、追加の諸実施形態においては平均直径の約2倍以下である。言い換えると、粒径分布には事実上、著しく大きい寸法を有する少数の粒子を示すテールがない。これは、粒子の小さい反応領域および対応する急速冷却の結果である。寸法分布のテールの事実上のカットオフは、平均粒径を上回る指定のカットオフ値を超える直径を有する粒子は10個中に約1個未満であることを示している。様々な用途において高い粒子均一性を活用することができる。特に、高い均一性により、光学的性質などの特性をうまく制御することができるようになる。
本明細書中で使用する一次粒子および一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡写真上で目に見えるネッキングを示さない粒子およびそれら粒子の寸法を指す。このような粒子は原則として、適切な条件下では分散性である。しかしながら、粒子の固い融合である目に見えるネッキングがない場合でさえ、粒子を理想的に完全に分散させることが可能ではないことがある。分散している個々の粒子を観察するための備えが技術にないため、分散プロセスの詳細は、必然的にいくらか不完全にしか理解されていない。しかしながら、動的光散乱測定によって測定される分散粒子の寸法は、TEM顕微鏡写真および/またはBET表面積の特性評価において観測される寸法に近づくことがある。
二次粒子経とは、流体中の分散粒子の寸法を指す。二次粒子経は、光散乱などの技法を用いて測定することができる。市販の計器を使用して、分散粒子径を測定することができる。一般に、二次粒子経は一次粒子径と桁が同じであってよい。一部の実施形態においては、平均二次粒子径が平均一次粒子径の5倍未満であることが、またさらなる諸実施形態においては平均一次粒子径の3倍以下の大きさになることがある。さらに、粒子表面の化学的性質を設計すること、流れ内における凝集を低減させることおよび/または捕集前に粒子を冷却することなど、本明細書中に記載されている技術により、レーザ熱分解によって形成される一般に非常に優れた分散性よりも粒子の分散性をさらに向上させることができる。
無機粒子の均一性に加えて、無機粒子の純度レベルが非常に高いことがある。さらに、レーザ熱分解によって生成される粒子などの結晶性無機粒子の結晶化度が、非常に高いことがある。本明細書中に記載されている技術を使用して、以前のレーザ熱分解技術を用いて入手可能であったよりも広い範囲の結晶構造について、高結晶性サブミクロン粒子を形成することができる。結晶化度は、X線回折図形に対する積分ピーク強度を、従来のバルク結晶性材料についての標準的な回折図形値に対する匹敵する値と比較することによって評価することができる。加えて、空中で行うことができる粒子の加熱によって粒子の表面上の不純物を取り除いて、高い結晶純度だけでなく全体的に高い純度を実現することができる。
レーザ熱分解により様々な無機粒子組成物を生成することができる。具体的には、これらの組成物は、任意選択のドーパントまたは添加剤組成物と共に結晶性または非晶質材料を形成する1種または複数種の金属/半金属元素を含むことができる。加えて、(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤を使用して、粒子の光学的、化学的および/または物理的性質を変えることができる。一般に、サブミクロン/ナノスケール無機粒子を、複数の異なる元素を含み様々な相対的比率で存在する組成物を含むと特徴付けることができ、その数および相対的比率は、粒子の用途における関数として選択することができる。異なる元素の典型的な数には、たとえば、約2種の元素〜約15種元素の(1つまたは複数の)範囲にある数が含まれ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14および15の数が考えられ、これらの元素の一部またはすべてが金属/半金属元素であってよい。相対的比率の一般的な数値には、たとえば、約1〜約1,000,000の(1つまたは複数の)範囲にある比率値が含まれる。約1、10、100、1000、10000、100000、1000000の数、およびその適切な和が考えられる。加えて、金属/半金属元素、すなわち、Mなど、元素がその単体のイオン化していない型である元素材料が考えられる。
あるいは、または加えて、このようなサブミクロン/ナノスケール粒子を、以下の式を有すると特徴付けることができる。

式中、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、NおよびOはそれぞれ独立に存在し、または存在せず、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、NおよびOのうち少なくとも1つが存在し、第1A族元素、第2A族元素、第3B族元素(ランタニド系およびアクチニド系元素を含む)、第4B族元素、第5B族元素、第6B族元素、第7B族元素、第8B族元素、第1B族元素、第2B族元素、第3A族元素、第4A族元素、第5A族元素、第6A族元素および第7A族元素を含む元素周期表の元素からなる群から独立に選択され、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、nおよびoのそれぞれは独立に選択され、約1〜約1,000,000の(1つまたは複数の)範囲にある値から化学量論的に実行可能であり、約1、10、100、1000、10000、100000、1000000の数、およびその適切な和が考えられる。言い換えると、これらの元素は、希ガス以外の周期表からの任意の元素であってよい。第Ib族、第IIb族、第IIIb族、第IVb族、第Vb族、第VIb族、第VIIb族および第VIIIb族からの元素は、遷移金属と称される。第I族のアルカリ金属、第II族のアルカリ土類金属および遷金属に加えて、他の金属として、たとえば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ビスマスおよびポロニウムが挙げられる。非金属/半金属元素として、水素、希ガス、炭素、窒素、酸素、フッ素、硫黄、塩素、セレン、臭素およびヨウ素が挙げられる。本明細書中に記載されているように、すべての無機組成物、ならびに任意の特定の組成物、組成物群、属、亜属等を単独でまたは合わせて除くすべての無機化合物またはその組合せなど、明確な本発明のグループ分けとしての無機化合物のすべてのサブセットが考えられる。
特定の化学量論/組成物に関して一部の組成物について説明しているが、化学量論は通常に概算数量すぎない。特に、材料は汚染物質、欠陥等を有することがある。同様に、一部の非晶質材料は、材料が混和性である範囲にわたって異なる成分の相対量が連続的に調節可能となるように基本的にブレンドを含むことができる。他の諸実施形態においては、平均組成における材料の非混和性により、異なるドメインでは異なる組成を有する相分離非晶質材料を形成することができる。さらに、金属/半金属化合物が複数の酸化状態を有する非晶質および結晶性材料では、材料が複数の酸化状態を備えることがある。したがって、化学量論が本明細書中に記載されている場合に、実際の材料が、いくらかのSiO等も含むSiOなど、同じ元素を他の化学量論で含むこともある。
粒子の電気的性質に関しては、一部の粒子が、粒子が電気的伝導体、電気的絶縁体または電気的絶縁体となるように組成物を含む。適切な電気的伝導体としては、たとえば、元素金属および一部の金属組成物が挙げられる。金属などの電気的伝導体は通常、室温抵抗率が約1×10−3オーム・cm以下である。電気的絶縁体は通常、室温抵抗率が少なくとも約1×10オーム・cmである。電気的半導体としては、たとえば、シリコン、CdSおよびInPが挙げられる。半導体結晶は、いわゆるII−VI化合物、III−V化合物および第IV族化合物を含むように分類することができ、ここで数字は周期表における族を指す。半導体は、純粋な形においては温度に伴う導電率の大幅な増加を、また電気的に活性な不純物でドーピングすると、桁違いな導電率の増加を特徴とする。半導体は通常、観測された導電挙動をもたらすバンド間隙を有する。室温においては、半導体の導電率は通常、金属の導電率と優れた電気的絶縁体の導電率との間にある。
一部の実施形態においては、粉末がホスト材料として、たとえば、シリコン粒子と、金属粒子と、金属/半金属酸化物、金属/半金属炭化物、金属/半金属窒化物、金属/半金属リン化物、金属/半金属硫化物、金属/半金属テルル化物、金属/半金属セレン化物、金属/半金属ヒ化物、これらの混合物および組合せなどの金属/半金属組成物とを含む。特に非晶質材料においては、特定の材料内で多種多様な元素組成が可能である。ドーピング向けの適切なガラス形成ホスト酸化物としては、たとえば、TiO、SiO、GeO、Al、P、B、TeO、CaO−Al、V、BiO、Sb、ならびにこれらの組合せおよび混合物が挙げられる。
加えて、粒子は、非晶質材料および/または結晶性材料内に1種または複数種のドーパント/添加剤を含むことができる。(1種または複数種の)ドーパント/添加剤組成物の複合ブレンドであってよい(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤が通常、非化学量論量に含まれる。ドーパント/添加剤は通常金属または半金属元素であるが、注目の他の(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤としては、酸化物における酸素または金属/半金属元素に対する他のアニオンと置き換わるフッ素、塩素、窒素および/または炭素が挙げられる。(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤は通常、全体的な電気的中性を維持するために、材料内の他の構成成分に取って代わることができる。(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤は所望の性質を、得られる材料に付与することができる。(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤の量は、材料に対する適当な化学安定性を維持しながら所望の性質を生じるように選択することができる。結晶性材料においては、(1種または複数種の)ドーパント/添加剤元素が格子部位にあるホスト元素に取って代わることができ、(1種または複数種の)ドーパント/添加剤元素がこれまで占有されていない格子部位に位置することができ、かつ/または(1種または複数種の)ドーパント/添加剤元素が格子間部位に位置することができる。結晶構造が(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤の取込みに影響を及ぼす結晶性材料内の(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤とは異なり、非晶質材料内の(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤は、よりホスト材料内に溶解した組成物として挙動して、固体混合物を形成することができる。したがって、材料の組成全体が、得られる複合材料の、処理パラメータおよび安定性を含めた化学的性質に影響を及ぼす。
無機組成物は通常、組成物中の金属/半金属の約15モルパーセント以下の範囲で、さらなる諸実施形態においては約10モルパーセント以下の範囲で、一部の実施形態においては約0.001モルパーセント〜約5モルパーセントの範囲で、また他の諸実施形態においては組成物中の金属/半金属の約0.025モルパーセント〜約1モルパーセントの範囲でドーパントを含む。ドーパント濃度のこれらの明示的範囲内の追加の範囲が考えられ、本開示は同様にこれらの具体的な範囲内の範囲を網羅することが当業者には理解されよう。添加剤組成物は、組成物の少数成分で、すなわち、組成の約50モルパーセント未満の(1つまたは複数の)範囲内にありながらも通常より多量に含まれることを除いて、ドーパント組成物と同様である。(1種または複数種の)添加剤は、(1種または複数種の)ドーパントと同じ目的の多くで有用となることがある。ドープおよびドーピングは便宜上、ドーパントおよび/または添加剤を有する材料ならびにドーパントおよび/または添加剤を取り込むプロセスをそれぞれ指すことがある。
粉末、たとえば、無機粒子の集まりは、たとえば、ホスト材料中に1種または複数種の金属/半金属元素と、任意選択で1種または複数種の選択したドーパント/添加剤とを含む複合組成物を用いて形成することができる。レーザ熱分解を用いると、反応物質組成物を適宜導入して所望のホスト材料を形成することによって、所望の組成を有する材料を形成することができる。具体的には、反応物質流の組成を変化させることによって、選択した元素を所望の量で導入することができる。反応器内の条件も、所望の材料を生成するように選択することができる。
一部の諸実施形態においては、適切な(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤として、たとえば、希土類金属などの金属/半金属元素が挙げられる。希土類ドーパントは、屈折率、感光性、蛍光、常磁性などの特性の所望の改質を行うことができる。たとえば、(1種または複数種の)希土類ドーパント/(1種または複数種の)添加剤は、光増幅器および他の光学デバイスの製造用の材料の用途を変えることができる光学発光特性に影響を及ぼすことができる。希土類金属には、周期表の第IIIb族の遷移金属が含まれる。具体的には、希土類元素には、Sc、Yおよびランタニド系列が含まれる。他の適切な(1種または複数種の)ドーパント/(1種または複数種の)添加剤には、アクチニド系列の元素が含まれる。一部の諸実施形態では、ドーパント/添加剤として注目の希土類金属として、Er、Yb、Nd、La、Ce、Tb、Dy、Ho、Sm、Eu、Gd、Pr、Tm、Sc、Y等およびこれらの組合せが挙げられる。適切な非希土類金属ドーパント/添加剤として、たとえば、Al、Ga、Mg、Sr、Zn、Bi、Sb、Zr、Pb、Li、Na、K、Ba、W、Si、Ge、P、B、Te、Ca、Rb、Sn、In、Ti、Au、Ag、Ta、Mo、Nb等およびこれらの組合せが挙げられる。また、特定の第一列遷移元素が、スペクトルの可視または赤外領域において光学発光特性を有する。ドーパント/添加剤としての所望の光学的性質を有する適切な第一列遷移金属として、たとえば、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuが挙げられる。光学発光の波長は、遷移金属の酸化状態に依存する。
レーザ熱分解に関して、広範な無機粒子組成物の生成について説明してきた。たとえば、様々なサブミクロン無機粒子の生成について、参照により本明細書中に援用される、題名が「Nanoparticle Production and Corresponding Structures」であるBiらの米国特許出願公開第2003/0203205号に記載されている。具体的には、この出願公開が、非晶質SiO、アナターゼおよびルチル型TiO、MnO、Mn、MnおよびMn、酸化バナジウムサブミクロン/ナノスケール粒子、銀バナジウム酸化物サブミクロン/ナノスケール粒子、リチウムマンガン酸化物サブミクロン/ナノスケール粒子、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルトニッケル酸化物、リチウムチタン酸化物および他のリチウム金属酸化物、酸化アルミニウムサブミクロン/ナノスケール粒子、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子、希土類金属酸化物、希土類ドープ金属/半金属酸化物、α−Fe、FeCおよびFe、酸化鉄、銀金属、硫化鉄(Fe1−xS)粒子、金属リン酸塩粒子、炭化ケイ素、窒化ケイ素および他の組成物の生成について具体的に言及している。
一般に、粒子の表面化学的性質を直接観察することはできないが、間接的に評価することはできる。たとえば、元素分析を行って、粒子コアの一部ではないハロゲン原子または他の原子の存在を検出することができる。赤外分光方を使用して、粒子表面における結合形成を測定することができる。また、異なる溶媒/分散剤における分散に関する粒子の挙動は、粒子表面の化学的性質に関する情報を提供することができる。
空中粒子操作プロセス
本明細書中に記載されている空中粒子操作プロセスは、レーザ熱分解装置の光反応ゾーンと粒子捕集器との間の流れに沿って行われる。無機粒子は、光反応ゾーン内または光反応ゾーンのすぐ下流で形成される。流れに沿って、1つまたは複数の改質ステーションが、通常強い混合の条件下で組成物を導入する。この組成物は、たとえば、不活性ガスまたは表面化学的性質改質組成物であってよい。一部の実施形態においては、捕集前に、強く混合する不活性ガスで流れを冷却する。プロセスの様々な組合せにより、所望の性質を有する粒子の集まりが捕獲されるように粒子の性質を設計することができる。
生成物無機粒子の流れとの相互作用向けの強く混合する注入組成物の導入について、装置の特徴を上で説明している。混合プロセスは、無機粒子を形成するために使用する反応の種類に依存すべきではないが、無機粒子形成プロセスそれ自体は一般に、反応器の種類に強く依存する。所望のレベルの混合のための混合パラメータの境界を精密に評価する必要はない。高運動量駆動の乱流混合についての境界を概算するための手法が、上記レーザ熱分解装置に関して上述されている。一般に、対応して流れ圧力がより高いより小さい入口領域を使用して、選択した混合組成物量について所望の混合度を実現することができる。同様に、特定の装置設計について、混合入口を通るより大きな流れを使用して所望の混合度を実現することができる。所望の混合度を得るために、加圧した混合組成物の流れを通常使用する。混合物の並進エネルギー全体が増大するため、この混合組成物は対応して、それ以上何もなしで凝集を低減させることもできる。
一般に、生成物粒子の設計がまず所望の結晶構造を得ることを含む場合、またこの結晶形成の速度が粒子形成および緻密化よりも遅い場合、結晶化度進展の時間スケールが、任意の特定のプロセス内における重要な考慮事項となる。したがって、流れを最初に改質して、所望の結晶構造を誘発することができる。特に、加熱した不活性ガスを流れに導入して、低凝集条件下で結晶構造が発展し続けることができるように流れの急冷を遅くするまたは反転させることができる。一部の実施形態においては、反応器からサンプルを採取して、結晶構造発展の時間スケールを評価することができる。時間スケールは、粒子の寸法、化学量論および材料などの粒子の性質、ならびに特定の結晶構造に強く依存する。
所望の結晶構造が所望の高い結晶化度へと進化すると、流れをさらに改質すること、および/または完全に冷却することができる。さらなる改質は、表面化学的性質を改質することを含むことができる。表面化学的性質の改質は通常、表面化学的性質を要望通りに改質するために、粒子表面と反応する適切な組成物を導入することを含む。また、適切な条件下で組成物を導入して、表面化学的性質を生じさせることもできる。たとえば、加熱した反応物質組成物がより素早く反応して表面化学的性質を改質する場合には、表面改質組成物を、流れの中に混合する前に加熱することができる。粒子表面上への不均質蒸着は通常、新たな粒子の均質核生成よりも低い温度で起こる。あるいは、表面改質組成物の導入前に、別個の改質ステーションにおいて流れを不活性ガスと共に加熱することもできる。また、必要に応じて、表面改質組成物を不活性ガスで希釈して、混合流に関して所望の総流量および所望の熱操作を実現することもできる。
任意の結晶構造の操作および任意の表面化学的性質の操作の後、冷却ガスと流れとを混合して、捕集器に到達する前に粒子を冷却することが望ましいことがある。特に、粒子は捕集器で集まるため、捕集器における温度があまり高くならず、また長時間高いままでないことが望ましい。たとえば、温度が高くなりすぎた場合、粒子の性質が影響を受けることがあり、また捕集器が悪影響を受けることがある。捕集器の構成部品も、適当な水ジャケットまたは他の冷却手法で冷却することができる。冷却ガスの量は、所望の冷却度を提供するように選択することができる。図8〜図11における装置に関しては、カラー504に、および/または混合ステーション510、512、514、516の1つまたは複数を用いて冷却ガスを導入することができる。
−その場(In Situ)冷却ルチル酸化チタン
本実施例では、光反応ゾーンから少し下流の生成物の流れに加熱していない不活性ガスを添加することにより、捕集した粒子の表面積を増大させることができることを実証する。
図8および図9に関して上述した装置と類似の反応室を用いてレーザ熱分解を行った。粒子を冷却し粒子流を希釈するために、粒子形成に続いて流れに追加の不活性ガスを添加するように反応室を設計する。バッチ実験作業においてはフィルタ捕集器を使用した。様々な量の希釈ガス(窒素)を、矩形形状のマニホルドにおける2.54cmの間隙にわたって位置する直径1mmの2つのノズル開口部で各対が構成されている10組の対向するジェット対のアレイを通して、レーザビームの3.5cm下流で導入した。マニホルドの一辺当たりに10個のジェットがあるアレイは共に、一対のマスフローコントローラ(MFC)を用いて制御される1つのガス流が供給された。導入面において、マニホルド寸法は約12cm×2.54cmである。長いマニホルド寸法は下流方向に減少するが、短い寸法は、マニホルドが円筒形管に嵌合するまで増大する。
フラッシュ蒸発器から四塩化チタン(純度>98%)を送達した。Cをレーザ吸収ガスとして使用し、アルゴンを不活性希釈ガスとして使用した。チタン前駆体、Ar、OおよびCを含有する反応物質混合物を、反応室への注入用の反応物質ノズルへと導入した。実施例1の粒子に関連するレーザ熱分解合成のさらなるパラメータを、表1に明記する。数セットの実験を、各セットの条件下で行った。

表1における1列目の条件下で8個のサンプルの実験を行い、表1における2列目の条件下で8個のサンプルの実験を行った。不活性ガス、具体的にはNの量は、強い混合の条件下で室温の不活性ガスを導入することにより生成物粒子の流れを冷却する効果を究明するために調節した。
図16に示すように、生成物粒子捕集速度は、生成物の流れに注入さる不活性ガスの容量とは事実上無関係であったが、おそらくフィルタから粉末を捕集する複雑さによりバッチ間にかなりの変動があった。流れ導管内の光反応ゾーンから7.5センチメートルのところに取り付けられている熱電対を用いて測定される温度が、図17にプロットされている。温度は、時間の関数として概ね定常状態に達した。これらのプロットからわかるように、流れに不活性ガスを導入した結果として、著しい温度降下が測定され、より多量の不活性ガスを用いると、それに応じて温度がより低くなる。
ガス吸着を用いる従来の技法を用いてBET表面を測定した。粉末のBET表面積が図18にプロットされている。容量を増加させた冷却ガスを導入すると、粉末の表面積が減少する。長年にわたる経験によれば、レーザ熱分解反応器内でこれらの条件下では非多孔質粒子が形成されるため、表面積の増大は平均粒径の対応する減少と相互に関連付けることができる。このことは、冷却ガスの導入の結果として粒子成長および/または粒子凝集が減少することを示している。
表1の2列目の条件下で行った実験について、混合流の関数としての、粒子合成生成ガスで割った混合流の比率が図19にプロットされている。捕集速度は、図20に示すように、この場合もやはり混合流とはほぼ無関係であったが、おそらくフィルタから粉末を回収する問題に関連している実験誤差に関連しているかなりのバッチ間変動があった。この場合もやはり、図21にプロットしてある通り、混合流の増大に伴い粒子表面積が増大した。このことはこの場合もやはり、混合流の増大に伴い粒径が減少することを示している。
原子配列を評価するために、Rigaku MiniflexのX線回折装置でCr(Kα)放射線を用いるX線回折によってサンプルを調べた。サンプルそれぞれにおいて、既知のX線回折図形との比較によって、TiOの特定結晶相に対応する結晶相を確認した。アナターゼ、ルチルおよび板チタン石結晶相の量を、TiO粉末サンプルのそれぞれについて決定した。結果が図22にプロットされている。ルチルの相百分率(phase percentage)は、希釈ガス量の増大に伴い減少するように思われるが、板チタン石の相百分率は増大しているように思われる。
−表面改質剤としての非加熱CDAの添加
本実施例では、表面改質組成物の、流れ導管内の生成物流との混合を実施する。
実施例1で使用した装置と同じ装置で本実施例における実験を行った。様々な量の希釈ガス(窒素)と、Oが20体積%の清浄乾燥空気(CDA)とを、矩形形状のマニホルドにおける2.54cmの間隙にわたって位置する直径1mmの2つのノズル開口部で各対が構成されている10組の対向するジェット対のアレイを通して、レーザビームの3.5cm下流で導入した。マニホルドの一辺当たりに10個のジェットがあるアレイは共に、一対のMFCを用いて制御される1つのガス流が供給された。導入面において、マニホルド寸法は約12cm×2.54cmである。マニホルドの長さ寸法は下流方向に減少する。清浄乾燥空気は、0.1μmのろ過およびシリカ系の乾燥を備える圧縮機乾燥機組立体に大気を通して露点が−40度であるCDAを生成することによって生成した。
実施例1に関して上述した組成物を用いて反応物質の流れを形成した。具体的な反応パラメータは表2にまとめてある。

表2における1列目の条件下で3回実験を行った。表2における2列目の条件下で5回実験を行った。実験のいずれのセットにおいても、各実験に使用する全混合ガスは32slmであった。3回の実験についてのNと清浄乾燥空気との間の明細を、図23のプロットに示す。粉末捕集速度は、図24におけるプロットに示すように、実験中にいくらか変化したが、これら実験間の変動は、フィルタからの手動粉末捕集についての実験誤差よりも小さいと考えられた。
これらのサンプルのそれぞれについてX線回折図形を取得した。これらの回折図形を使用して、得られた粉末の結晶構造を評価した。結果は図25にプロットされている。CDAの量が増大するにつれて、ルチル百分率の系統的減少があるように思われる。表2の2列目にあるパラメータに基づく第2のサンプルセットについて、全混合流が約32slmであった。各実験についてのNおよび清浄乾燥空気(CDA)の量を、図27に示す。これら3回の実験については、図23にプロットしてある量と比較してより多量の清浄乾燥空気を使用した。図28にプロットしてあるように、粉末捕集速度にいくらか変動があったが、このばらつきはこの場合もやはり、実験誤差と比べて著しくはなかったかもしれない。BET表面積が、流れに混合される清浄乾燥空気の量の関数として図29にプロットされている。表面積の値にいくらかばらつきがあるが、清浄乾燥空気の量の関数としての明確な傾向はない。
この場合もやはり、サンプルについてX線回折図形を得た。これらのサンプルについては、混合ガスが粉末の結晶相に非常に著しく影響を与えた。特に、より多量の空気を導入すると、ルチル結晶相の著しい損失が生じた。結果が図30にプロットされている。回折図形プロットは図31に示してある。これらの実験を繰り返すと、図32のプロットに示すような傾向が確認された。
−粒子改質戦略としての高速混合加熱ガスの添加
本実施例では、予熱ガスの、流れ導管内の生成物の流れとの混合を実施する。
実施例1で使用した装置と同じ装置で本実施例における実験を行った。650℃に予熱した窒素を、上記と同じ改質素子および設置を用いて生成物の流れに混合した。すなわち、様々な量の希釈ガス(窒素)を、矩形形状のマニホルドにおける2.54cmの間隙にわたって位置する直径1mmの2つのノズル開口部で各対が構成されている10組の対向するジェット対のアレイを通して、レーザビームの3.5cm下流で導入した。マニホルドの一辺当たりに10個のジェットがあるアレイは共に、一対のMFCを用いて制御される1つのガス流が供給された。導入面において、マニホルド寸法は約12cm×2.54cmである。マニホルドの長さ寸法は下流方向に減少するが、幅寸法は、マニホルドが円筒形管に嵌合するまで増大する。
実施例1における表1列2に既に記載されている同様の組成物を用いて反応物質の流れを形成したが、前駆体を50%多く、遮蔽が2slm少なかった。具体的な反応パラメータが表3にまとめてある。

表3列1の1列目の条件下で11回の実験を行った。粉末捕集速度は、表1列2(非加熱)による粉末捕集速度と一緒に図33にプロットしてある(加熱)。捕集速度は前駆体流量の増大と合致し、実験中いくらか変化したが、これら実験間の変動は、フィルタからの手動粉末捕集についての実験誤差よりも小さいと考えられた。
ガス吸着に基づく従来の技法を用いてBET表面積を測定した。粉末の同じ2つのデータセット(加熱および非加熱)のBET表面積が図34にプロットされている。容量を増加させた混合ガスを導入すると、粉末の表面積が増大する。多くの経験によれば、レーザ熱分解反応器内でこれらの条件下では非多孔質粒子が形成されるため、表面積の増大は平均粒径の対応する減少と相互に関連付けることができる。このことは、混合ガスの導入の結果として粒子成長および/または粒子凝集が減少することを示している。「加熱」サンプルのBET表面積の増大は、「非加熱」サンプルよりは劇的ではなく、追加の熱が利用可能であればいくらかの緻密化が依然として起こるかもしれないことが示唆される。
図35には、レーザ反応ゾーンの約7.5cm下流で測定した定常状態温度を、「加熱」(表3、列1)サンプルについても、「非加熱」(表1、列2)サンプルについても示す。外部取付充填層ヒータと反応室との間の熱損失により、任意の同様に構成した混合流実験について、175℃超まで温度を上昇させることができなかったことがはっきりとわかる。混合流の関数としての結晶相が図36にプロットしてある。図37に示すように、追加の熱は、TiO粉末中のルチル相の百分率を増大させる際に有益な効果があると認められる。この効果はおそらく、ここで認められるよりも大きい。というのも、前駆体の割合が増大すると、確実に維持したプロセスガス環境においてはルチルの百分率が減少する傾向にあることを、実験データは通常示すためである。
代表的な透過型電子顕微鏡写真を、非加熱冷却ガスを用いて捕集した表面積が147m/gであるTiO粒子について図38に示す。このサンプルについての粒径分布を、粒径の対数の関数として図39にプロットしてある。これらデータ点と共に、対数正規最小二乗適合が図39にはプロットしてある。
上記諸実施形態は例示的なものにすぎず、限定的ではない。追加の諸実施形態が特許請求の範囲内にある。加えて、本発明を特定の諸実施形態に関して説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形式上、また詳細に変更を加えることができることが当業者には理解されよう。上記文献の参照による任意の援用は、本明細書中の明示的開示に反する主題が援用されないように制限される。

Claims (25)

  1. 反応室と、
    前記反応室内へと向いているノズルに動作可能に接続されている無機前駆体源を備える前駆体送達システムであって、前記ノズルが非円形開口部を有する前駆体送達システムと、
    光反応ゾーンにおいて前記ノズルからの流れと交差するよう前記反応室を通して光線を送達するように構成されている光源と、
    前記光反応ゾーンから流れる粒子状生成物を受けるように構成されている非円形断面を有する生成物流導管と、
    混合流を前記生成物流導管へと向かわせるように構成され、流体源に接続されている1つまたは複数の入口を備える第1の改質素子であって、
    前記入口の総面積が、前記第1の改質素子における前記生成物流導管の断面積の0.15倍以下である第1の改質素子とを備えるレーザ熱分解反応器。
  2. 前記光源が赤外線レーザである、請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  3. 前記反応器が、前記ノズルの形状と一致している請求項1に記載の反応器。
  4. 前記第1の改質素子より下流の粒子捕集器と、前記反応器を通して流れを維持するための、前記粒子捕集器より下流のポンプとをさらに備える請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  5. 前記第1の改質素子が、周囲室温よりも高い温度で前記流体源からの不活性ガスを送達して生成物粒子流に熱を加えるように構成されている請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  6. 前記第1の改質素子が、周囲室温よりも低い温度で前記流体源からの不活性ガスを送達して前記生成物粒子流の平均熱エネルギーを低減させるように構成されている請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  7. 前記第1の改質素子からの生成物の流れに沿って変位する1つまたは複数の入口を備える第2の改質素子をさらに備える請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  8. 前記第1の改質素子の前記1つまたは複数の入口が、不活性ガス源に液体連通接続され、前記第2の改質素子の前記1つまたは複数の入口が、表面改質組成物源に液体連通接続されている請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  9. 前記ノズルの開口部が、厚さに対する前記細長い寸法に関して少なくとも5のアスペクト比を有する請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  10. 前記生成物流導管が、前記光反応ゾーンより下流の前記反応室の一部である請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  11. 前記光反応ゾーンから前記反応器への生成物粒子用流路を形成するように前記反応室と粒子捕集器とを接続する粒子輸送部をさらに備え、前記改質部が前記粒子輸送部と整合している、請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  12. 第1の改質素子が、前記流体源に動作可能に接続されている少なくとも4個のジェットを有する第1のジェットのセットを備え、前記ジェットが、前記ジェットからの流体を粒子流導管内の生成物粒子流と混合するように構成され、前記ジェットが、前記細長い側面に沿って構成され、前記ジェットがそれぞれ、前記ジェットの位置における隣接する細長い側面間の距離の0.25倍以下の直径を有する、請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  13. 前記第1の改質素子が、前記細長い側面に沿って2個1組で対称的に位置する少なくとも10個のジェットを備える、請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  14. 前記第1の改質素子が、前記生成物流導管の前記それぞれ対向する細長い側面に互いに向かい合うように配向された2つのナイフ入口を備える、請求項1に記載のレーザ熱分解反応器。
  15. 反応器内の生成物粒子の流れの温度を加減して前記生成物粒子の結晶構造を制御する方法であって、不活性ガスを生成物粒子の流れと混合することを含み、前記不活性ガスの温度が、所望の粒子結晶構造を実現するように選択され、前記粒子が、反応物質の流れの反応によって前記流れ内で合成され、前記反応が、光反応ゾーンにおける強光ビームによって促進され、前記流れが、反応物質入口から、前記生成物粒子が前記流れ内で連続している前記光反応ゾーンを通って粒子捕集器へと進み、捕集した粒子の測定可能な結晶構造が、前記不活性ガスとの混合によって変化する方法。
  16. 前記不活性ガスが、前記生成物粒子の所望の結晶相の形成を支援するよう前記流れを加熱するために選択した温度まで加熱される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記不活性ガスが、前記不活性ガスを前記流れと混合する複数の入口を通して導入され、前記入口が、流路の細長い側面に沿った前記流路に位置し、前記入口の面積が、前記入口における前記流路の表面積の0.15倍以下である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記入口が少なくとも8個のジェットのセットを備え、前記ジェットが、隣接する細長い側面間の距離の0.25倍以下の直径を有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記入口が、少なくとも2つのナイフスリットを備える、請求項17に記載の方法。
  20. 前記入口からの全流量が、混合位置へと通じる生成物流量の少なくとも0.25倍であり、ジェット流量およびジェット径が、捕集した粒子の均一性の向上によって決定される優れた混合を提供するように選択される、請求項17に記載の方法。
  21. 最終生成物粒子がルチルTiOを含む、請求項15に記載の方法。
  22. 粒子をコーティングすることなく表面化学的性質を改質するための方法であって、選択した組成物を生成物粒子の流れと混合することを含み、前記組成物が、前記流れの化学的性質を変化させて無機粒子の改質された表面化学的性質をもたらすように選択され、前記粒子が、反応物質の流れの反応によって前記流れ内で合成され、前記反応が、光反応ゾーンにおける強光ビームによって促進され、前記流れが、反応物質入口から、前記生成物粒子が前記流れ内で連続している前記光反応ゾーンを通って粒子捕集器へと進む方法。
  23. 前記選択した組成物が、断面積を有する流路内の前記流れと不活性ガスを混合する複数の入口を通して導入され、前記入口が、前記流路の細長い側面に沿った流路に位置し、前記入口の総面積が、前記流路の前記断面積の0.15倍以下である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記生成物粒子が金属と半金属酸化物との少なくとも1つを含み、前記選択した組成物が水を含む、請求項22に記載の方法。
  25. 前記生成物粒子が金属と半金属酸化物との少なくとも1つを含み、前記選択した組成物がハロゲン原子を含む、請求項22に記載の方法。
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