JP2010532662A - 癌および他の血管新生関連疾患の治療のための方法および組成物 - Google Patents
癌および他の血管新生関連疾患の治療のための方法および組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010532662A JP2010532662A JP2010514869A JP2010514869A JP2010532662A JP 2010532662 A JP2010532662 A JP 2010532662A JP 2010514869 A JP2010514869 A JP 2010514869A JP 2010514869 A JP2010514869 A JP 2010514869A JP 2010532662 A JP2010532662 A JP 2010532662A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ang
- sirna
- nucleic acid
- expression
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
- C12N15/113—Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
- C12N15/1136—Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing against growth factors, growth regulators, cytokines, lymphokines or hormones
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
- C12N15/113—Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
- C12N15/1137—Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing against enzymes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Y—ENZYMES
- C12Y207/00—Transferases transferring phosphorus-containing groups (2.7)
- C12Y207/10—Protein-tyrosine kinases (2.7.10)
- C12Y207/10001—Receptor protein-tyrosine kinase (2.7.10.1)
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2310/00—Structure or type of the nucleic acid
- C12N2310/10—Type of nucleic acid
- C12N2310/14—Type of nucleic acid interfering N.A.
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Virology (AREA)
- Cardiology (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
本発明は、アンジオポエチン/Tie2シグナル伝達経路における分子の発現を調節する核酸分子を提供する。前記核酸分子を使用する方法も提供する。本発明の1つの態様は、アンジオポエチン−1(Ang−1)、アンジオポエチン−2(Ang−2)、または免疫グロブリンおよびEGF因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(Tie2)遺伝子の発現を減少させる核酸分子を提供し、この核酸分子は、配列番号:1〜648のいずれか1つを含む、またはターゲットにする。
Description
(関連出願への相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2007年7月6日に出願された米国仮特許出願第60/958,519号、2007年8月24日に出願された米国仮特許出願第60/966,085号、および2008年6月12日に出願された米国仮特許出願第61/131,876号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2007年7月6日に出願された米国仮特許出願第60/958,519号、2007年8月24日に出願された米国仮特許出願第60/966,085号、および2008年6月12日に出願された米国仮特許出願第61/131,876号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、分子生物学の分野に存するものであり、アンジオポエチン/Tie2シグナル伝達経路における分子の発現を調節するための短鎖干渉RNA(siRNA)分子に関する。
本発明は、分子生物学の分野に存するものであり、アンジオポエチン/Tie2シグナル伝達経路における分子の発現を調節するための短鎖干渉RNA(siRNA)分子に関する。
(発明の背景)
アンジオポエチン/Tie2シグナル伝達経路は、幾つかのタイプの癌誘発血管新生に関係づけられている。Ang−Tie経路内の幾つかの分子が同定されている(例えば、表1および13参照)。それらの1つが受容体分子Tie2(TIE−2、TEKまたは上皮特異的タンパク質受容体チロシンキナーゼ、TEKチロシンキナーゼとも呼ばれる、免疫グロブリンおよびEGF因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(Tyrosin Kinase with Immunoglobulin and EGF factor homology domains))であり、これは、ほぼ排他的に血管内皮細胞(EC)上で発現される(非特許文献1)。Tie2に結合するリガンドとしては、アンジオポエチン−1およびアンジオポエチン−2が挙げられる(非特許文献2)。
アンジオポエチン/Tie2シグナル伝達経路は、幾つかのタイプの癌誘発血管新生に関係づけられている。Ang−Tie経路内の幾つかの分子が同定されている(例えば、表1および13参照)。それらの1つが受容体分子Tie2(TIE−2、TEKまたは上皮特異的タンパク質受容体チロシンキナーゼ、TEKチロシンキナーゼとも呼ばれる、免疫グロブリンおよびEGF因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(Tyrosin Kinase with Immunoglobulin and EGF factor homology domains))であり、これは、ほぼ排他的に血管内皮細胞(EC)上で発現される(非特許文献1)。Tie2に結合するリガンドとしては、アンジオポエチン−1およびアンジオポエチン−2が挙げられる(非特許文献2)。
Satoら,1998,Int.Immunol.10:1217−1227
Yancopoulosら,2000,Nature 407:242−248
従って、Ang−Tie経路をターゲットにする治療薬が緊急に必要とされている。
(発明の要旨)
本発明の1つの態様は、アンジオポエチン−1(Ang−1)、アンジオポエチン−2(Ang−2)、または免疫グロブリンおよびEGF因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(Tie2)遺伝子の発現を減少させる核酸分子を提供し、この核酸分子は、配列番号:1〜648のいずれか1つを含む、またはターゲットにする。本発明は、Ang−2遺伝子の発現を減少させる核酸分子も提供し、この核酸分子は、配列番号487、489、525、526、553、554、639、640、643および644のいずれか1つを含む、またはターゲットにする。特定の実施形態において、本核酸分子は、短鎖干渉RNA(siRNA)分子である。好ましい実施形態において、本発明は、平滑末端を有する25塩基対のsiRNAを提供する。
本発明の1つの態様は、アンジオポエチン−1(Ang−1)、アンジオポエチン−2(Ang−2)、または免疫グロブリンおよびEGF因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(Tie2)遺伝子の発現を減少させる核酸分子を提供し、この核酸分子は、配列番号:1〜648のいずれか1つを含む、またはターゲットにする。本発明は、Ang−2遺伝子の発現を減少させる核酸分子も提供し、この核酸分子は、配列番号487、489、525、526、553、554、639、640、643および644のいずれか1つを含む、またはターゲットにする。特定の実施形態において、本核酸分子は、短鎖干渉RNA(siRNA)分子である。好ましい実施形態において、本発明は、平滑末端を有する25塩基対のsiRNAを提供する。
本発明は、配列番号:1〜648のいずれか1つを含むかまたはターゲットにする核酸分子と医薬的に許容される担体とを含む組成物も提供する。1つの実施形態において、本組成物は、ヒスチジン−リシンコポリマーをさらに含む。さらなる実施形態において、本組成物は、ターゲッティング部分をさらに含む。本組成物は、1つ以上の追加の治療薬も含む場合がある。
本発明は、多数の病原性遺伝子をターゲットにするまたは同じ遺伝子内の異なる配列をターゲットにする核酸分子の組み合わせも提供する。1つの態様において、本発明は、配列番号:1〜648のいずれか1つを含むかまたはターゲットにする核酸分子を含み、且つ、RNA干渉を誘発し、対象となる遺伝子の発現を減少させる1つ以上の追加の核酸分子をさらに含む組成物を提供する。1つの実施形態において、前記1つ以上の追加の核酸分子は、Ang−1、Ang−2、またはTie−2の発現を減少させる。
本発明は、細胞におけるAng−1、Ang−2またはTie2遺伝子のタンパク質レベル発現を減少させるための方法をさらに提供し、この方法は、本発明の核酸分子またはsiRNA分子のいずれかをその細胞に導入することを含む。本発明は、その必要がある被験者において血管新生を減少させる方法も提供し、この方法は、本発明の核酸分子、siRNA分子または組成物のいずれかをその被験者に投与することを含む。加えて、本発明は、その必要がある被験者において癌を治療する方法も提供し、この方法は、本発明の核酸分子、siRNA分子または組成物のいずれかをその被験者に投与することを含む。
本発明のこれらのおよび他の態様は、後続の「発明を実施するための形態」を参照すことにより明らかになるであろう。
表11に挙げるヒトAng−2−siRNA配列のヒトAng−2遺伝子サイレンシング活性をHUVEC細胞において試験した。x軸上の表示#1〜#48は、表11における1〜48の番号のsiRNA配列に対応する。リバーストランスフェクションに基づくハイスループット(HTP)法と10nMのsiRNAデュプレックスを用いて、HUVEC細胞をAng−2−siRNAでトランスフェクトした。ルシフェラーゼ特異的25−mer siRNAを陰性対照(Luc)として使用した。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用して培地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。試験した48のAng−2 siRNA候補の大多数でトランスフェクション後24時間の時点でトランスフェクトHUVEC細胞においてAng−2タンパク質レベル発現の有意な阻害が観察された。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞におけるsiRNA分子によるヒトAng−2のインビトロ阻害を図示する棒グラフである。
表11に挙げるヒトAng−2−siRNA配列のヒトAng−2遺伝子サイレンシング活性をHUVEC細胞において試験した。x軸上の表示1〜48は、表11における1〜48の番号のsiRNA配列に対応する。リバーストランスフェクションに基づくハイスループット(HTP)法と10nMのsiRNAデュプレックスを用いて、HUVEC細胞をAng−2−siRNAでトランスフェクトした。ルシフェラーゼ特異的25−mer siRNAを陰性対照(Luc)として使用した。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用して培地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。siRNAトランスフェクション後48時間の時点で、トランスフェクトHUVEC細胞の50%より多くが、mock対照と比較して20%未満のAng−2タンパク質を発現する。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞におけるsiRNA分子によるヒトAng−2の阻害の百分率を図示する棒グラフである。
表11に挙げるヒトAng−2−siRNA配列のヒトAng−2遺伝子サイレンシング活性をHUVEC細胞において試験した。x軸上の表示1〜48は、表11における1〜48の番号のsiRNA配列に対応する。リバーストランスフェクションに基づくハイスループット(HTP)法と10nMのsiRNAデュプレックスを用いて、HUVEC細胞をAng−2−siRNAでトランスフェクトした。ルシフェラーゼ特異的25−mer siRNAを陰性対照として使用した。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用して培地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。トランスフェクション後48時間の時点で、Ang−2発現に対するAng−2 siRNAの阻害効果は、より顕著であり、Ang−2 siRNA候補の50%より多くが、対照Luc−siRNAでトランスフェクトした細胞と比較して80%より多くのAng−2発現ノックダウンを示した。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点での10nMヒトAng−2 siRNA分子でトランスフェクトしたHUVEC細胞の細胞生存度を図示する棒グラフである。
リバーストランスフェクションに基づくハイスループット(HTP)法と10nMのsiRNAデュプレックスを用いて、HUVEC細胞をAng−2−siRNAでトランスフェクトした。x軸上の表示2〜48は、表11における2〜48の番号のsiRNA配列に対応する。ルシフェラーゼ特異的25−mer siRNAを陰性対照(Luc)として使用した。WST−1アッセイキット(Roche)を使用して、トランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。Ang−2発現のノックダウンに関連した、トランスフェクトHUVEC細胞における有意な細胞毒性は無かった。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞における2nMのsiRNA分子によるヒトAng−2のインビトロ阻害を図示する棒グラフである。
表11に挙げるヒトAng−2−siRNA配列のヒトAng−2遺伝子サイレンシング活性をHUVEC細胞においてさらに確認した。x軸上の表示は、表11におけるsiRNA配列番号に対応する。リバーストランスフェクションに基づくハイスループット(HTP)法と2nMのsiRNAデュプレックスを用いて、HUVEC細胞をAng−2−siRNAでトランスフェクトした。dTdT 3’−オーバーハングを両方の鎖上に有する19−nt 2本鎖領域を有し、且つ、任意の既知ヒト遺伝子を有する有意な相同配列を有さない、対照(Ctrl−)siRNAを陰性対照として使用した。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用して培地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。トランスフェクション後48時間の時点で、トランスフェクトHUVEC細胞の大部分が、mock対照と比較して16%未満のAng−2タンパク質を発現する。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞における2nMのsiRNA分子によるヒトAng−2の阻害の百分率を図示する棒グラフである。
リバーストランスフェクションに基づくハイスループット(HTP)法と2nMのsiRNAデュプレックスを用いて、HUVEC細胞をAng−2−siRNAでトランスフェクトした。対照(Ctrl−)siRNAを陰性対照として使用した。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用して培地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。トランスフェクション後48時間の時点で、Ang−2 siRNAの大部分が、90%より多いAng−2発現ノックダウンを明示した。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点での2nMのヒトAng−2 siRNA分子でトランスフェクトしたHUVEC細胞の細胞生存度を図示する棒グラフである。
リバーストランスフェクションに基づくハイスループット(HTP)法と2nMのsiRNAデュプレックスを用いて、HUVEC細胞をAng−2−siRNAでトランスフェクトした。x軸上の表示は、表11におけるsiRNA配列番号に対応する。dTdT 3’−オーバーハングを両方の鎖上に有する19−nt 2本鎖領域を有し、且つ、任意の既知ヒト遺伝子を有する有意な相同配列を有さない、対照(Ctrl−)siRNAを陰性対照として使用した。WST−1アッセイキット(Roche)を使用して、トランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。Ang−2発現のノックダウンに関連した、トランスフェクトHUVEC細胞における有意な細胞毒性はなかった。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞における0.2nMのsiRNA分子によるヒトAng−2のインビトロ阻害を図示する棒グラフである。
表11に挙げるヒトAng−2−siRNA配列のヒトAng−2遺伝子サイレンシング活性をHUVEC細胞においてさらに確認した。x軸上の番号表示は、表11におけるsiRNA配列番号に対応する。リバーストランスフェクションに基づくハイスループット(HTP)法と0.2nMのsiRNAデュプレックスを用いて、HUVEC細胞をAng−2−siRNAでトランスフェクトした。対照(Ctrl−)siRNAを陰性対照として使用した。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用して培地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。トランスフェクション後48時間の時点で、トランスフェクトHUVEC細胞の一部が、mock対照と比較して60%未満のAng−2タンパク質を発現する。丸を付けたsiRNA配列番号をさらなる実験に使用した。それらの結果を図9および10に示す。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞における選択したAng−2 siRNAのIC50値の決定を図示する3つの折れ線グラフを示す。
それぞれのsiRNAデュプレックス(表11における#10(図9A)、#14(図9B)、および#31(図9C))の10の希釈物でHUVEC細胞をトランスフェクトした。前記希釈物は、0.076pM、0.31pM、1.2pM、4.9pM、19.5pM、78.1pM、312.5pM、1.25nM、5nM、および20nMであった。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用して培地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用して、トランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。GraphPad Prismプログラムを用いて、siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞におけるそれぞれのsiRNAデュプレックスのIC50値を得た。Ang−2−25−10のIC50は、0.363nMであり、Ang−2−25−14のIC50は、0.494nMであり、およびAng−2−15−31のIC50は、0.398nMであった。
siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞における選択したヒト/マウスAng−2 siRNAのIC50値の決定を図示する2つの折れ線グラフを示す。
それぞれのsiRNAデュプレックス(表11における#25(図10A)および#45(図10B))の10の希釈物でHUVEC細胞をトランスフェクトした。前記希釈物は、0.076pM、0.31pM、1.2pM、4.9pM、19.5pM、78.1pM、312.5pM、1.25nM、5nM、および20nMであった。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用して培地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用して、トランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。GraphPad Prismプログラムを用いて、siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞におけるそれぞれのsiRNAデュプレックスのIC50値を得た。Ang−2−25−25のIC50は、1.634nMであり、およびAng−2−25−45のIC50は、0.90nMであった。
(発明の詳細な説明)
本発明は、望ましくない血管新生(多くの場合、血管の異常なまたは過剰な増殖および成長)を伴う疾患を治療するための組成物および方法を提供する。血管新生は、正常な生体プロセスである場合もあるので、好ましくは病的組織に対する選択性をもって望ましくない血管新生の阻害を遂行し、好ましくは、これは、ターゲッティングされたナノ粒子を使用するその病的組織への治療用分子の選択的送達を必要とする。本発明は、RNA干渉(RNAi)を誘発する核酸分子による、Ang−Tie生化学経路の選択的阻害(Ang−Tie経路遺伝子発現の阻害、および病的血管形成性組織に局限された阻害を含む)によって血管新生を制御する組成物および方法を提供する。本発明は、ポリマーコンジュゲートを含み、且つ、RNAiを誘発する核酸分子をさらに含む、組織ターゲッティング型ナノ粒子組成物を使用する組成物および方法も提供する。
本発明は、望ましくない血管新生(多くの場合、血管の異常なまたは過剰な増殖および成長)を伴う疾患を治療するための組成物および方法を提供する。血管新生は、正常な生体プロセスである場合もあるので、好ましくは病的組織に対する選択性をもって望ましくない血管新生の阻害を遂行し、好ましくは、これは、ターゲッティングされたナノ粒子を使用するその病的組織への治療用分子の選択的送達を必要とする。本発明は、RNA干渉(RNAi)を誘発する核酸分子による、Ang−Tie生化学経路の選択的阻害(Ang−Tie経路遺伝子発現の阻害、および病的血管形成性組織に局限された阻害を含む)によって血管新生を制御する組成物および方法を提供する。本発明は、ポリマーコンジュゲートを含み、且つ、RNAiを誘発する核酸分子をさらに含む、組織ターゲッティング型ナノ粒子組成物を使用する組成物および方法も提供する。
本発明をここで詳細に説明するが、当業者には本発明の完全な範囲が正しく認識されるであろう。
Ang/Tie2経路遺伝子阻害のための核酸分子
本発明は、RNAiによるAng/Tie2経路における遺伝子のターゲッティングおよびサイレンシングのための、様々な物理化学的構造を有する核酸分子を提供する。1つの実施形態において、本発明は、少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95、96、97、98、99または100%のAng−1、Ang−2またはTie2 mRNAまたはタンパク質レベルの低下を生じさせる結果となる核酸分子を提供する。この減少は、本核酸分子の投与後24時間までに、36時間までに、48時間までに、60時間までに、または72時間までに生じ得る。この減少を生じさせる核酸分子を10nM siRNA、5nM siRNA、2nM、1nM、0.5nM、または0.2nM当量で投与することができる。1つの実施形態において、本核酸分子は、0.75nM以下、0.5nM以下、または0.4nM以下の、Ang−2タンパク質レベルを減少させるためのIC50を有することができる。
本発明は、RNAiによるAng/Tie2経路における遺伝子のターゲッティングおよびサイレンシングのための、様々な物理化学的構造を有する核酸分子を提供する。1つの実施形態において、本発明は、少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95、96、97、98、99または100%のAng−1、Ang−2またはTie2 mRNAまたはタンパク質レベルの低下を生じさせる結果となる核酸分子を提供する。この減少は、本核酸分子の投与後24時間までに、36時間までに、48時間までに、60時間までに、または72時間までに生じ得る。この減少を生じさせる核酸分子を10nM siRNA、5nM siRNA、2nM、1nM、0.5nM、または0.2nM当量で投与することができる。1つの実施形態において、本核酸分子は、0.75nM以下、0.5nM以下、または0.4nM以下の、Ang−2タンパク質レベルを減少させるためのIC50を有することができる。
本発明の核酸分子は、dsRNAである場合もあり、またはssRNAである場合もある。本発明の1つの実施形態において、本核酸分子は、siRNAである。本核酸分子は、15〜50、15〜30、19、20、21、22、23、24または25の塩基対を含むことがある。本核酸分子は、5’−または3’−1本鎖オーバーハングを含むことがある。一定の実施形態において、本核酸分子は、平滑末端を有する。好ましい実施形態において、本核酸分子は、平滑末端を有する25塩基対の2本鎖siRNAである。Ang/Tie2経路遺伝子をターゲットにする本発明の具体例としてのsiRNA配列を表2〜10に示す。(表2〜10に挙げるすべての配列については、ATGコドンの「A」を位置1であるとみなするように位置を表示する)。平滑末端を有する25塩基対2本鎖RNAを有するsiRNAが、最も大きな阻害期間を有する最も強力な阻害剤の幾つかであることが以前に判明した(WO 06/110813)。加えて、非自然発生化学的類似体の組込みが、本発明の一部の実施形態では有用であり得る。そのような類似体としては、RNA、DNA、LNAおよびRNAキメラオリゴヌクレオチドの2’−O−メチルリボース類似体、ならびに核酸オリゴヌクレオチドの他の化学的類似体が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、前記siRNAは、ヒトmRNAと、他の非ヒト哺乳動物種、例えば霊長類、マウスまたはラット、における相同または相似mRNAの両方をターゲットにする。
複合Ang/Tie2経路遺伝子阻害
血管新生を阻害するための本発明の組成物および方法は、幾つかの基本態様に基づく。第一に、病的血管新生は複合プロセスであり、また、罹病組織において異常発現または過発現される多数のタンパク質の相互作用に起因する。第二に、RNAiを活性化する核酸物質は、配列特異的様式で高選択的である。第三に、タンパク質活性の調節による血管新生の阻害は、タンパク質機能の阻害(アンタゴニスト)、タンパク質機能の刺激(アゴニスト)、タンパク質発現レベルの低下およびタンパク質の翻訳後修飾をはじめとする(しかし、これらに限定されない)多くの方法によって効果を生じ得る。重要なこととして、疾患を治療する際、リガンドおよびそれらの受容体の機能を同時に遮断することにより、受容体活性と下流のシグナル伝達タンパク質の活性を同時に遮断することにより、ならびに/またはある経路の重複要素を同時に遮断することにより、疾患の進行に重要である特定の生体経路を有効に閉鎖することが望ましいことがある。そのような方法をAng/Tie2経路を含むものをはじめとする血管新生関連疾患の治療に用いることができる。
血管新生を阻害するための本発明の組成物および方法は、幾つかの基本態様に基づく。第一に、病的血管新生は複合プロセスであり、また、罹病組織において異常発現または過発現される多数のタンパク質の相互作用に起因する。第二に、RNAiを活性化する核酸物質は、配列特異的様式で高選択的である。第三に、タンパク質活性の調節による血管新生の阻害は、タンパク質機能の阻害(アンタゴニスト)、タンパク質機能の刺激(アゴニスト)、タンパク質発現レベルの低下およびタンパク質の翻訳後修飾をはじめとする(しかし、これらに限定されない)多くの方法によって効果を生じ得る。重要なこととして、疾患を治療する際、リガンドおよびそれらの受容体の機能を同時に遮断することにより、受容体活性と下流のシグナル伝達タンパク質の活性を同時に遮断することにより、ならびに/またはある経路の重複要素を同時に遮断することにより、疾患の進行に重要である特定の生体経路を有効に閉鎖することが望ましいことがある。そのような方法をAng/Tie2経路を含むものをはじめとする血管新生関連疾患の治療に用いることができる。
臨床研究によって顕著な治療効力が実証されたが、成分の異なる起源、異なる製造プロセスおよび異なる化学的性質のため、より高い投薬量の毒性および長期安全性が大きな懸念である。
これらの問題を克服するために、本発明の態様は、同じ治療の際に多数の病原性遺伝子をターゲットにするまたは同じ遺伝子内の異なる配列をターゲットにする核酸分子(siRNAを含む)の併用で独特な利点をもたらすための、すなわちコンビナトリアル効果を達成するための、核酸分子(siRNAオリゴヌクレオチドを含む)の組成物および使用方法を提供する。本発明の組成物および方法の1つの利点は、すべてのsiRNAオリゴヌクレオチドが、化学的に、薬理学的に、非常に類似しており、ならびに同じ源からおよび同じ製造プロセスを用いて生産することができる点である。本発明が提供するもう1つの利点は、多数のsiRNAオリゴヌクレオチドをナノ粒子製剤などの単一製剤に調合できる点である。
従って、本発明の1つの態様は、siRNAをはじめとする核酸分子を併用して、Ang/Tie2経路における多数の遺伝子の特異的で選択的なサイレンシングを達成すること、および結果として、血管新生関連疾患の抑制を達成することおよびより良好な臨床恩恵を獲得することである。本発明は、Tie2、Ang−1およびAng−2から選択される2つ以上のターゲットの組み合わせをはじめとする、siRNAターゲットの組み合わせに備えている。本発明は、Ang/Tie2経路における同じ遺伝子内の1つ以上の配列をターゲットにするsiRNAの併用にも備えている。これらのmRNAをサイレンシングする具体例としてのsiRNA配列を表2〜10に挙げる。そのようなsiRNA組成物を、他の血管新生経路、例えばVEGF経路、PDGFおよびEGFならびにそれらの受容体、下流シグナル伝達因子(RAFおよびAKTを含む)、ならびに転写因子(NFκBを含む)、をターゲットにするsiRNAと併用することもできる。そのようなsiRNA組成物を、Tie2、Ang−1およびAng−2の下流の遺伝子をターゲットにするsiRNAと併用することもできる。
1つの実施形態では、Tie2とそのリガンドのうちの2つ、Ang−1およびAng−2、とを阻害するsiRNAの併用を用いる。一部の実施形態では、Tie2をターゲットにするsiRNA分子とAng−1をターゲットにするsiRNA分子の併用を用いて、Tie2とAng−1の両方の発現を減少させる。一部の実施形態では、Tie2をターゲットにするsiRNA分子とAng−2をターゲットにするsiRNA分子の併用を用いて、Tie2とAng−2の両方の発現を減少させる。一部の実施形態では、Ang−1をターゲットするsiRNA分子とAng−2をターゲットにするsiRNA分子の併用を用いて、Ang−1とAng−2の両方の発現を減少させる。
一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する組織における血管新生を阻害または減少させる方法を提供し、この方法は、Tie2をターゲットにするsiRNA分子およびAng−1をターゲットにするsiRNA分子をその組織に投与して、Tie2およびAng−1の発現を減少させることを含む。一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する組織における血管新生を阻害または減少させる方法を提供し、この方法は、Tie2をターゲットにするsiRNA分子およびAng−2をターゲットにするsiRNA分子をその組織に投与して、Tie2およびAng−2の発現を減少させることを含む。一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する組織における血管新生を阻害または減少させる方法を提供し、この方法は、Ang−1をターゲットにするsiRNA分子およびAng−2をターゲットにするsiRNA分子をその組織に投与して、Ang−1およびAng−2の発現を減少させることを含む。さらなる実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する組織における血管新生を阻害または減少させる方法を提供し、この方法は、Tie2をターゲットにするsiRNA分子、Ang−1をターゲットにするsiRNA分子およびAng−2をターゲットにするsiRNA分子をその組織に投与して、Tie2、Ang−1およびAng−2の発現を減少させることを含む。1つの実施形態において、前記組織は腫瘍である。
本発明のもう1つの実施形態は、Tie2、Ang−1およびAng−2、PDGFおよびその受容体、ならびにEGFおよびその受容体を阻害するsiRNAの併用である。さらにもう1つの実施形態は、Tie2、Ang−1およびAng−2遺伝子ならびにそれらの下流シグナル伝達遺伝子を阻害するsiRNAの併用である。
それらのsiRNAオリゴヌクレオチドを、血管新生関連疾患の治療のための治療薬として併用することができる。本発明の1つの実施形態では、それらをカクテルとして混合することができ、もう1つの実施形態では、それらを同じ経路によってまたは異なる経路および調合物によって逐次的に投与することができ、ならびにさらにもう1つの実施形態では、一部をカクテルとして投与し、一部を逐次的に投与することができる。血管新生関連疾患の治療を達成するためのsiRNAの他の組み合わせおよびそれらの併用方法は、当業者には理解されるであろう。
治療的使用方法
本発明は、被験者における血管新生関連疾患および状態を治療するための方法も提供する。一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Tie2をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Tie2の発現を減少させることを含む。一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Ang−1をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Ang−1の発現を減少させることを含む。さらなる実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Ang−2をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Ang−2の発現を減少させることを含む。
本発明は、被験者における血管新生関連疾患および状態を治療するための方法も提供する。一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Tie2をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Tie2の発現を減少させることを含む。一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Ang−1をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Ang−1の発現を減少させることを含む。さらなる実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Ang−2をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Ang−2の発現を減少させることを含む。
一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Tie2をターゲットにするsiRNA分子およびAng−1をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Tie2およびAng−1の発現を減少させることを含む。一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Tie2をターゲットにするsiRNA分子およびAng−2をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Tie2およびAng−2の発現を減少させることを含む。一部の実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Ang−1をターゲットにするsiRNA分子およびAng−2をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Ang−1およびAng−2の発現を減少させることを含む。さらなる実施形態において、本発明は、望ましくない血管新生を随伴する疾患または状態に罹患している被験者を治療する方法を提供し、この方法は、Tie2をターゲットにするsiRNA分子、Ang−1をターゲットにするsiRNA分子およびAng−2をターゲットにするsiRNA分子をその被験者に投与して、Tie2、Ang−1およびAng−2の発現を減少させることを含む。
本発明は、被験者における、癌、眼病、関節炎および炎症性疾患をはじめとする血管新生関連疾患を治療するための方法も提供する。前記血管新生関連疾患としては、癌腫、例えば乳癌、卵巣癌、胃癌、子宮内膜癌、唾液腺癌、肺癌、腎臓癌、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌および膀胱癌、ならびに他の腫瘍性疾患、例えば黒色腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、肝細胞(肝臓)癌、肉腫、頭頚部癌、中皮腫、胆管(胆管癌)、小腸腺癌、小児悪性病変および膠芽腫が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの分子に対する拮抗は、病態生理学的プロセスを阻害する、およびその結果、様々な血管新生依存性疾患のための強力な治療法として作用すると予想される。充実性腫瘍およびそれらの転移に加えて、血液学的悪性病変、例えば、白血病、リンパ腫および多発性骨髄腫も血管新生依存性である。過剰な血管成長は、非常に多くの非腫瘍性障害の一因となる。これらの非腫瘍性血管新生依存性疾患としては、アテローム性動脈硬化症、血管腫、血管内皮腫、血管線維腫、血管奇形(例えば、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)、またはオスラー・ウェーバー症候群)、いぼ、化膿性肉芽腫、多毛症、カポジ肉腫、瘢痕ケロイド、アレルギー性浮腫、乾癬、失調性子宮出血、卵胞嚢胞、卵巣過剰刺激、子宮内膜症、呼吸困難、腹水、透析患者における腹膜硬化症、腹部手術に起因する癒着形成、肥満、関節リウマチ、滑膜炎、骨髄炎、パンヌス成長、骨増殖体、血友病関節症、炎症性および感染性プロセス(例えば、肝炎、肺炎、糸球体腎炎)、喘息、鼻ポリープ、肝臓再生、肺高血圧症、未熟児網膜症、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、白質軟化症、血管新生緑内障、角膜移植新生血管形成、トラコーマ、甲状腺炎、甲状腺肥大、ならびにリンパ球増殖性障害が挙げられる。
本発明の1つの実施形態において、治療される被験者は、ヒトである。
組成物および投与方法
もう1つの態様において、本発明は、本発明の、siRNAをはじめとする、核酸分子を含む組成物を提供する。本組成物のsiRNAをAng−Tie経路からのmRNAにターゲッティングすることができる。本組成物は、核酸分子および医薬的に許容される担体、例えば食塩溶液または緩衝食塩溶液、を含む場合がある。
もう1つの態様において、本発明は、本発明の、siRNAをはじめとする、核酸分子を含む組成物を提供する。本組成物のsiRNAをAng−Tie経路からのmRNAにターゲッティングすることができる。本組成物は、核酸分子および医薬的に許容される担体、例えば食塩溶液または緩衝食塩溶液、を含む場合がある。
一定の実施形態において、本発明は、「裸の」核酸分子、あるいは自然発生もしくは合成ベクター、例えばウイルスベクター、リポソーム、ポリリシンまたはカチオンポリマーであり得るビヒクル中の核酸分子を提供する。1つの実施形態において、本組成物は、本発明のsiRNAと複合体形成剤、例えばカチオン性ポリマー、とを含む場合がある。前記カチオン性ポリマーは、ヒスチジン−リシン(HK)コポリマーまたはポリエチレンイミンであり得る。
一定の実施形態において、前記カチオン性ポリマーは、HKコポリマーである。このHKコポリマーは、ヒスチジンとリシンのコポリマーである。一定の実施形態において、前記HKコポリマーは、ポリヒスチジン、ポリリシン、ヒスチジンおよび/またはリシンの任意の適切な組み合わせから合成される。一定の実施形態において、前記HKコポリマーは、線状である。一定の好ましい実施形態において、前記HKコポリマーは、分岐している。
一定の好ましい実施形態において、前記分岐HKコポリマーは、ポリペプチド骨格を含む。好ましくは、前記ポリペプチド骨格は、1〜10個のアミノ酸残基、およびさらに好ましくは2〜5個のアミノ酸残基を含む。
一定の好ましい実施形態において、前記ポリペプチド骨格は、リシンアミノ酸残基から成る。
一定の好ましい実施形態において、前記分岐HKコポリマー上の分岐数は、骨格アミノ酸残基数より1多い。一定の好ましい実施形態において、前記分岐HKコポリマーは、1〜11個の分岐を含有する。一定の好ましい実施形態において、前記HKコポリマーは、2〜5個の分岐を含有する。一定のさらにいっそう好ましい実施形態において、前記分岐HKコポリマーは、4個の分岐を含有する。
一定の実施形態において、前記分岐HKコポリマーの分岐は、10〜100個のアミノ酸残基を含む。一定の好ましい実施形態において、前記分岐は、10〜50個のアミノ酸残基を含む。一定のさらに好ましい実施形態において、前記分岐は、15〜25個のアミノ酸残基を含む。一定の実施形態において、前記分岐HKコポリマーの分岐は、アミノ酸残基数5のサブセグメントごとに少なくとも3個のヒスチジンアミノ酸残基を含む。一定の他の実施形態において、前記分岐は、アミノ酸残基数4のサブセグメントごとに少なくとも3個のヒスチジンアミノ酸残基を含む。一定の他の実施形態において、前記分岐は、アミノ酸残基数3のサブセグメントごとに少なくとも2個のヒスチジンアミノ酸残基を含む。一定の他の実施形態において、前記分岐は、アミノ酸残基数2のサブセグメントごとに少なくとも1個のヒスチジンアミノ酸残基を含む。
一定の実施形態において、前記HKコポリマーの分岐の少なくとも50%は、配列KHHHの単位を含む。一定の好ましい実施形態において、前記分岐の少なくとも75%は、配列KHHHの単位を含む。
一定の実施形態において、前記HKコポリマーの分岐は、ヒスチジンまたはリシン以外のアミノ酸残基を含む。一定の好ましい実施形態において、前記分岐は、システインアミノ酸残基を含み、この場合のシステインは、N末端アミノ酸残基である。
一定の実施形態において、前記HKコポリマーは、構造(KHHHKHHHKHHHHKHHHK)4−KKKを有する。一定の他の実施形態において、前記HKコポリマーは、構造(CKHHHKHHHKHHHHKHHHK)4−KKKを有する。
HKコポリマーの幾つかの適する例は、例えば、米国特許第6,692,911号および同第7,163,695号において見つけることができ、前記特許は両方とも参照により本明細書に援用されている。
1つの実施形態において、本発明の組成物は、本発明のsiRNAと、ナノ粒子を作るために使用される複合体形成剤とを含む場合がある。前記ナノ粒子は、立体ポリマーおよび/またはターゲッティング部分を場合によっては含むことがある。前記ターゲッティング部分は、ペプチド、抗体、または抗原結合部であり得る。前記ターゲッティング部分、例えば、配列Arg−Gly−Asp(RGD)を含むペプチドは、血管内皮細胞にターゲッティングするための手段としての役割を果たすことができる。そのようなペプチドは、環状である場合もあり、または線状である場合もある。1つの実施形態において、このペプチドは、RGDFKである。一定の実施形態において、このペプチドは、シクロ(RGD−D−FK)である。
本発明の核酸分子、組成物および治療方法は、単独で用いることができ、または他の治療薬およびモダリティー(ターゲッティングされた治療薬を含み、且つ、Ang−Tie経路アンタゴニスト、例えばモノクローナル抗体および小分子阻害剤を含むもの)、ならびにEGFおよびその受容体、PDGFおよびその受容体、またはMEKもしくはBcr−Ablを阻害するターゲッティングされた治療薬、ならびに他の免疫療法および化学療法薬、例えば、EGFR阻害剤VECTIBIX(登録商標)(パニツムマブ)およびTARCEVA(登録商標)(エルロチニブ)、Her−2をターゲットにする療法HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)、または抗血管新生薬、例えば、AVASTIN(登録商標)(ベバシズマブ)およびSUTENT(登録商標)(リンゴ酸スニチニブ)と併用することができる。本核酸分子、組成物および方法は、治療上、放射線、レーザー療法、外科手術などをはじめとする他の治療モダリティーと併用することもできる。
本発明の核酸および組成物のための投与方法は、通常の当業者に公知である。投与は、静脈内、腹腔内、筋肉内、腔内、皮下、皮膚、または経皮的であり得る。1つの実施形態において、投与は、全身性であり得る。さらなる実施形態において、投与は、局所性であり得る。例えば、本発明の核酸分子を、腫瘍組織に直接注射により送達することができ、ならびに血管形成性組織または望ましくない新生血管形成を有する組織に直接または該組織の付近に送達することができる。一定の用途については、電場を印加して本核酸分子および組成物を投与することがある。一定の実施形態において、本発明は、「裸の」siRNAの投与に備えている。
Ang/Tie2経路遺伝子の発現を調節する核酸分子を含有するナノ粒子の作製
本発明の1つの実施形態は、siRNAをはじめとする、抗Ang/Tie2経路核酸分子のナノ粒子作製のための組成物および方法を提供する。本ナノ粒子は、ヒスチジン−リシンコポリマー、ポリエチレングリコール、またはポリエチレンイミンのうちの1つ以上を含むことができる。本発明の1つの実施形態では、RGD媒介リガンド指向型ナノ粒子を作製することができる。siRNAを含有するRGD媒介組織ターゲッティング型ナノ粒子を製造するための1つの方法では、ターゲッティングリガンド、RGD含有ペプチド、をポリエチレングリコールなどの立体ポリマー、または同様の特性を有する他のポリマーにコンジュゲートさせる。このリガンド−立体ポリマーコンジュゲートを、ポリエチレンイミンなどのポリカチオン、またはヒスチジン−リシンコポリマーなどの他の材料にさらにコンジュゲートさせる。このコンジュゲーションは、共有結合による場合もあり、または非共有結合による場合もあり、および前記共有結合は、非開裂性である場合もあり、または加水分解によりもしくは還元剤により開裂可能である場合もある。前記ポリマーコンジュゲートを含む溶液、またはポリマーコンジュゲートと他のポリマー、脂質もしくはミセル、例えばリガンドもしくは立体ポリマーもしくは膜融合因子(fusogen)を含む材料との混合物を含む溶液を、核酸、1つの実施形態では対象となる特定のmRNAにターゲッティングされたsiRNA、を含む溶液と望ましい比率で混合して、siRNAを含有するナノ粒子を得る。そのような比率が、所望のサイズ、安定性、または他の特性のナノ粒子を生じさせ得る。
本発明の1つの実施形態は、siRNAをはじめとする、抗Ang/Tie2経路核酸分子のナノ粒子作製のための組成物および方法を提供する。本ナノ粒子は、ヒスチジン−リシンコポリマー、ポリエチレングリコール、またはポリエチレンイミンのうちの1つ以上を含むことができる。本発明の1つの実施形態では、RGD媒介リガンド指向型ナノ粒子を作製することができる。siRNAを含有するRGD媒介組織ターゲッティング型ナノ粒子を製造するための1つの方法では、ターゲッティングリガンド、RGD含有ペプチド、をポリエチレングリコールなどの立体ポリマー、または同様の特性を有する他のポリマーにコンジュゲートさせる。このリガンド−立体ポリマーコンジュゲートを、ポリエチレンイミンなどのポリカチオン、またはヒスチジン−リシンコポリマーなどの他の材料にさらにコンジュゲートさせる。このコンジュゲーションは、共有結合による場合もあり、または非共有結合による場合もあり、および前記共有結合は、非開裂性である場合もあり、または加水分解によりもしくは還元剤により開裂可能である場合もある。前記ポリマーコンジュゲートを含む溶液、またはポリマーコンジュゲートと他のポリマー、脂質もしくはミセル、例えばリガンドもしくは立体ポリマーもしくは膜融合因子(fusogen)を含む材料との混合物を含む溶液を、核酸、1つの実施形態では対象となる特定のmRNAにターゲッティングされたsiRNA、を含む溶液と望ましい比率で混合して、siRNAを含有するナノ粒子を得る。そのような比率が、所望のサイズ、安定性、または他の特性のナノ粒子を生じさせ得る。
1つの実施形態では、ポリマーコンジュゲートと過剰なポリカチオンおよび核酸を混合することを含む積層ナノ粒子自己組織化によって、ナノ粒子を形成する。負電荷を有する核酸と、ポリマーコンジュゲートの正電荷を有するセグメントとの非共有結合性静電相互作用が、ナノ粒子の形成につながる自己組織化を誘導する。このプロセスは、核酸を含有するそれらの溶液の1つを、ポリマーコンジュゲートおよび過剰なポリカチオンを含有するもう1つの溶液に添加し、その後、または同時に攪拌する、溶液の単純な混合を含む。
1つの実施形態において、前記混合物中の正電荷を有する成分と負電荷を有する成分との比率は、それぞれの溶液の濃度を適切に調整することによって、または添加する溶液の容量を調整することによって決定される。もう1つの実施形態では、スタティックミキサーなどの混合装置を使用して、不断流条件下で前記2つの溶液を混合する。この実施形態では、2つ以上の溶液を、ある溶液比を生じさせる速度および圧力でスタティックミキサーに導入し、この場合、それらの溶液流は、そのスタティックミキサーの中で混合される。配置するミキサーについての配置は、並列であってもよいし、または直列であってもよい。
1つの実施形態において、前記混合物中の正電荷を有する成分と負電荷を有する成分との比率は、それぞれの溶液の濃度を適切に調整することによって、または添加する溶液の容量を調整することによって決定される。もう1つの実施形態では、スタティックミキサーなどの混合装置を使用して、不断流条件下で前記2つの溶液を混合する。この実施形態では、2つ以上の溶液を、ある溶液比を生じさせる速度および圧力でスタティックミキサーに導入し、この場合、それらの溶液流は、そのスタティックミキサーの中で混合される。配置するミキサーについての配置は、並列であってもよいし、または直列であってもよい。
このように一般に説明した本発明は、以下の実施例(これらは、実例として提供するものであり、本発明を限定するためのものでない)を参照することによって、より容易に理解されるであろう。以下の実施例によって本発明を例証するが、本発明が限定されないことは当業者には理解されるであろう。
実施例1:効力スクリーニングのための48のヒトAng−2 siRNA候補の選択
効力あるヒトAng−2 siRNAを選択するために、48のsiRNA候補を表8および表10から選択した(表11)。これらのsiRNAをプレート形式で20nmolスケールで合成し、インビトロ効力スクリーニングのために使用した。
効力あるヒトAng−2 siRNAを選択するために、48のsiRNA候補を表8および表10から選択した(表11)。これらのsiRNAをプレート形式で20nmolスケールで合成し、インビトロ効力スクリーニングのために使用した。
リバーストランスフェクションに基づくハイスルプーット(HTP)法を用いて、48のヒトAng−2 siRNA(表11)をHUVEC細胞におけるAng−2発現の阻害に関するそれらの効力についてスクリーニングした。簡単に言うと、10nMのsiRNAデュプレックスを96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。ルシフェラーゼ特異的25−mer siRNAを陰性対照として使用した。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100uLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で24〜48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
トランスフェクトHUVEC細胞においてAng−2タンパク質レベル発現の有意な阻害が、試験した48のAng−2 siRNA候補の大部分でトランスフェクション後24時間の時点で観察された(図1)。トランスフェクション後48時間の時点で、阻害効果はさらに大きく(図2)、Ang−2 siRNA候補の約50%が、対照Luc−siRNAでトランスフェクトした細胞と比較して80%より大きいAng−2発現阻害を示した(図3)。Ang−2発現のノックダウンに関連した、トランスフェクトHUVEC細胞における細胞毒性は無かった(図4)。
実施例3:2nMのAng−2 siRNAでトランスフェクトしたHUVEC細胞におけるAng−2遺伝子発現ノックダウンの確認
別の実験で、前のHTPスクリーニングにおいて高いAng−2ノックダウン百分率を明示した38のAng−2 siRNA候補(図1〜3)を、リバーストランスフェクション法を用いてHUVEC細胞におけるAng−2発現の阻害に関するそれらの効力にういてさらに検査した。簡単に言うと、2nMのsiRNAデュプレックスを96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。dTdT 3’−オーバーハングを両方の鎖上に有する19−nt 2本鎖領域を有し、且つ、任意の既知ヒト遺伝子を有する有意な相同配列を有さない、陰性対照(Ctrl−)siRNAを陰性対照として使用した。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100μLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
別の実験で、前のHTPスクリーニングにおいて高いAng−2ノックダウン百分率を明示した38のAng−2 siRNA候補(図1〜3)を、リバーストランスフェクション法を用いてHUVEC細胞におけるAng−2発現の阻害に関するそれらの効力にういてさらに検査した。簡単に言うと、2nMのsiRNAデュプレックスを96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。dTdT 3’−オーバーハングを両方の鎖上に有する19−nt 2本鎖領域を有し、且つ、任意の既知ヒト遺伝子を有する有意な相同配列を有さない、陰性対照(Ctrl−)siRNAを陰性対照として使用した。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100μLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
トランスフェクトHUVEC細胞において、Ang−2タンパク質レベル発現の有意な阻害(>90%)が、Ang−2タンパク質レベル発現の90%より大きいノックダウンを有する多くのsiRNA候補(図6)を含めて、試験した38のAng−2 siRNA候補の大部分でトランスフェクション後48時間の時点で観察された(図5)。加えて、ヒトとマウス両方のAng−2をターゲットにする3つのsiRNAは、下流のヒトAng−2発現のノックダウンに関しても高い効力を明示した(図5および6)。最後に、Ang−2発現のノックダウンに関連した、トランスフェクトHUVEC細胞における細胞毒性は無かった(図7)。
実施例4:0.2nMでトランスフェクトしたHUVEC細胞におけるAng−2遺伝子発現ノックダウンに基づくAng−2 siRNAの最終選択
もう1つの実験では、前に実験において94%より高いAng−2発現ノックダウンを明示した18のAng−2 siRNA候補(図6)、および3つのヒト/マウスAng−2 siRNAを、より低いsiRNA用量でリバーストランスフェクション法を用いてHUVEC細胞におけるAng−2発現の阻害に関するそれらの効力についてさらに検査した。簡単に言うと、0.2nMのsiRNAデュプレックスを96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。dTdT 3’−オーバーハングを両方の鎖上に有する19−nt 2本鎖領域を有し、且つ、任意の既知ヒト遺伝子を有する有意な相同配列を有さない、陰性対照(Ctrl−)siRNAを陰性対照として使用した。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100μLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
もう1つの実験では、前に実験において94%より高いAng−2発現ノックダウンを明示した18のAng−2 siRNA候補(図6)、および3つのヒト/マウスAng−2 siRNAを、より低いsiRNA用量でリバーストランスフェクション法を用いてHUVEC細胞におけるAng−2発現の阻害に関するそれらの効力についてさらに検査した。簡単に言うと、0.2nMのsiRNAデュプレックスを96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。dTdT 3’−オーバーハングを両方の鎖上に有する19−nt 2本鎖領域を有し、且つ、任意の既知ヒト遺伝子を有する有意な相同配列を有さない、陰性対照(Ctrl−)siRNAを陰性対照として使用した。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100μLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
0.2nMのsiRNAのみでトランスフェクトしたとき、トランスフェクトHUVEC細胞においてAng−2タンパク質レベル発現の有意な阻害(30〜50%)が、ヒトとマウス両方のAng−2をターゲットにする1つのsiRNAを含めて、試験した38のAng−2 siRNA候補の大部分でトランスフェクション後48時間の時点で観察された(図8)。
3つのAng−2 siRNA、#10(Ang−2−25−10)、#14(Ang−2−25−14)および#31(Ang−2−25−31)をさらなる実験のためにAng−2 siRNAとして選択した。加えて、#25(Ang−2−25−25)および#45(Ang−2−25−45)をさらなる実験のためにヒト/マウスAng−2 siRNAとして選択した。
実施例5:Ang−2 siRNAのIC50値の決定
Ang−2 siRNA候補が確定し次第、HUVEC細胞においてAng−2 siRNA(Ang−2−25−10、Ang−2−25−14およびAng−2−25−31)のIC50値を決定するための実験を行った。簡単に言うと、それぞれのsiRNAデュプレックスの10の希釈物を96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。それらのsiRNA希釈物は、0.076pM、0.31pM、1.2pM、4.9pM、19.5pM、78.1pM、312.5pM、1.25nM、5nM、および20nMであった。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100μLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
Ang−2 siRNA候補が確定し次第、HUVEC細胞においてAng−2 siRNA(Ang−2−25−10、Ang−2−25−14およびAng−2−25−31)のIC50値を決定するための実験を行った。簡単に言うと、それぞれのsiRNAデュプレックスの10の希釈物を96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。それらのsiRNA希釈物は、0.076pM、0.31pM、1.2pM、4.9pM、19.5pM、78.1pM、312.5pM、1.25nM、5nM、および20nMであった。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100μLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
GraphPad Prismプログラムを用いて、siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞におけるそれぞれのsiRNAデュプレックスのIC50値を得た(図9)。Ang−2−25−10のIC50は、0.363nMであり、Ang−2−25−14のIC50は、0.494nMであり、およびAng−2−25−31のIC50は、0.398nMであった(図9および表12)。
実施例6:ヒト/マウスAng−2 siRNAのIC50値の決定
ヒトとマウス両方のAng−2 mRNAをターゲットにするヒト/マウスAng−2 siRNA候補が確定し次第、HUVEC細胞においてヒト/マウスAng−2 siRNA(Ang−2−25−25およびAng−2−25−45)のIC50値を決定するための実験を行った。簡単に言うと、それぞれのsiRNAデュプレックスの10の希釈物を96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。それらのsiRNA希釈物は、0.076pM、0.31pM、1.2pM、4.9pM、19.5pM、78.1pM、312.5pM、1.25nM、5nM、および20nMであった。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100μLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
ヒトとマウス両方のAng−2 mRNAをターゲットにするヒト/マウスAng−2 siRNA候補が確定し次第、HUVEC細胞においてヒト/マウスAng−2 siRNA(Ang−2−25−25およびAng−2−25−45)のIC50値を決定するための実験を行った。簡単に言うと、それぞれのsiRNAデュプレックスの10の希釈物を96ウエルプレートの底に配置し、その後、0.25μLのLipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を添加した。それらのsiRNA希釈物は、0.076pM、0.31pM、1.2pM、4.9pM、19.5pM、78.1pM、312.5pM、1.25nM、5nM、および20nMであった。そのプレートを室温で10〜20分間インキュベートし、100μLの成長培地中の7,500のHUVEC細胞をそれぞれのウエルに添加した。プレートを前後に揺り動かすことによってそのプレートを穏かに混合し、その後、CO2インキュベーターの中で48時間、37℃でインキュベートした。ヒトAng−2 ELISAキット(R&D)を使用してその倍地中のAng−2タンパク質の濃度を測定することにより、siRNA媒介Ang−2ノックダウン効果をモニターした。Ang−2濃度の正規化のためにWST−1アッセイキット(Roche)を使用してそれらのトランスフェクト細胞の細胞生存度を測定した。
GraphPad Prismプログラムを用いて、siRNAトランスフェクション後48時間の時点でのHUVEC細胞におけるそれぞれのsiRNAデュプレックスのIC50値を得た(図10)。Ang−2−25−25のIC50は、1.634nMであり、およびAng−2−25−45のIC50は、0.90nMであった(図10および表12)。
Claims (15)
- アンジオポエチン−1(Ang−1)、アンジオポエチン−2(Ang−2)、または免疫グロブリンおよびEGF因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(Tie2)遺伝子の発現を減少させる核酸分子であって、配列番号:1〜648のいずれか1つを含むかまたはターゲットにする核酸分子。
- Ang−2遺伝子の発現を減少させる核酸分子であって、配列番号487、489、525、526、553、554、639、640、643および644のいずれか1つを含むかまたはターゲットにする核酸分子。
- 短鎖干渉RNA(siRNA)分子である、請求項1に記載の核酸分子。
- 25塩基対平滑末端siRNA分子である、請求項3に記載のsiRNA分子。
- 請求項1に記載の核酸分子を含む組成物。
- 医薬的に許容される担体をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
- ナノ粒子をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
- ヒスチジン−リシンコポリマーをさらに含む、請求項7に記載の組成物。
- ターゲッティング部分をさらに含む、請求項7に記載の組成物。
- 1つ以上の追加の治療薬をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
- RNA干渉を誘発し、対象となる遺伝子の発現を減少させる1つ以上の追加の核酸分子をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
- 前記1つ以上の追加の核酸分子が、Ang−1、Ang−2、またはTie−2の発現を減少させる、請求項11に記載の組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項4に記載のsiRNA分子を細胞に導入することを含む、細胞におけるAng−1、Ang−2、またはTie−2遺伝子のタンパク質レベル発現を減少させるための方法。
- 血管新生を減少させる必要がある被験者において血管新生を減少させる方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸分子;請求項4に記載のsiRNA分子;または請求項5〜12のいずれか一項に記載の組成物を該被験者に投与することを含む方法。
- 癌を治療する必要がある被験者において癌を治療する方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸分子;請求項4に記載のsiRNA分子;または請求項5〜12のいずれか一項に記載の組成物を該被験者に投与することを含む方法。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US95851907P | 2007-07-06 | 2007-07-06 | |
US96608507P | 2007-08-24 | 2007-08-24 | |
US13187608P | 2008-06-12 | 2008-06-12 | |
PCT/US2008/008232 WO2009008990A2 (en) | 2007-07-06 | 2008-07-03 | Methods and compositions for treatment of cancer and other angiogenesis - related diseases |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010532662A true JP2010532662A (ja) | 2010-10-14 |
Family
ID=40229333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010514869A Withdrawn JP2010532662A (ja) | 2007-07-06 | 2008-07-03 | 癌および他の血管新生関連疾患の治療のための方法および組成物 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20110015249A1 (ja) |
EP (1) | EP2170351A4 (ja) |
JP (1) | JP2010532662A (ja) |
CN (1) | CN101959521A (ja) |
CA (1) | CA2692632A1 (ja) |
WO (1) | WO2009008990A2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8829179B2 (en) * | 2009-02-18 | 2014-09-09 | Silence Therapeutics Gmbh | Means for inhibiting the expression of ANG2 |
US9096643B2 (en) * | 2010-08-27 | 2015-08-04 | Milica Radisic | Cell-protective peptides and uses thereof |
US20140315973A1 (en) * | 2010-10-07 | 2014-10-23 | Agency For Science, Technology And Research | Parp-1 inhibitors |
GB201102283D0 (en) * | 2011-02-09 | 2011-03-23 | Ucl Business Plc | Treatment |
KR20180104692A (ko) * | 2016-02-02 | 2018-09-21 | 올릭스 주식회사 | Angpt2 및 pdgfb를 표적화하는 rna 복합체를 사용하는 혈관신생 관련 질환의 치료 |
EP4035659A1 (en) | 2016-11-29 | 2022-08-03 | PureTech LYT, Inc. | Exosomes for delivery of therapeutic agents |
CN108888756A (zh) * | 2018-07-25 | 2018-11-27 | 韩曙 | C16多肽和血管生成素Ang1的应用和应用二者的药物 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6506559B1 (en) * | 1997-12-23 | 2003-01-14 | Carnegie Institute Of Washington | Genetic inhibition by double-stranded RNA |
WO1999042091A2 (en) * | 1998-02-19 | 1999-08-26 | Massachusetts Institute Of Technology | Use of polycations as endosomolytic agents |
WO2001047496A1 (en) * | 1999-12-29 | 2001-07-05 | Mixson A James | Histidine copolymer and methods for using same |
US20050159380A1 (en) * | 2001-05-18 | 2005-07-21 | Sirna Therapeutics, Inc. | RNA interference mediated inhibition of angiopoietin gene expression using short interfering nucleic acid (siNA) |
US7081443B2 (en) * | 2002-05-21 | 2006-07-25 | Korea Advanced Institutes Of Science And Technology (Kaist) | Chimeric comp-ang1 molecule |
US20040115640A1 (en) * | 2002-12-11 | 2004-06-17 | Isis Pharmaceuticals Inc. | Modulation of angiopoietin-2 expression |
EP1546173A4 (en) * | 2002-08-06 | 2006-05-31 | Intradigm Corp | METHODS OF INVIVO TARGET GENE EXPRESSION REDUCTION BY INTRODUCTION OF INTERFERING RNA |
WO2006006948A2 (en) * | 2002-11-14 | 2006-01-19 | Dharmacon, Inc. | METHODS AND COMPOSITIONS FOR SELECTING siRNA OF IMPROVED FUNCTIONALITY |
AU2004233043A1 (en) * | 2003-04-18 | 2004-11-04 | The Trustees Of The University Of Pennsylvania | Compositions and methods for siRNA inhibition of angiopoietin 1 and 2 and their receptor Tie2 |
WO2005062957A2 (en) * | 2003-12-23 | 2005-07-14 | The Trustees Of The University Of Pennsylvania | Compositions and methods for combined therapy of disease |
-
2008
- 2008-07-03 WO PCT/US2008/008232 patent/WO2009008990A2/en active Application Filing
- 2008-07-03 JP JP2010514869A patent/JP2010532662A/ja not_active Withdrawn
- 2008-07-03 US US12/667,889 patent/US20110015249A1/en not_active Abandoned
- 2008-07-03 CA CA 2692632 patent/CA2692632A1/en not_active Abandoned
- 2008-07-03 EP EP08779951A patent/EP2170351A4/en not_active Withdrawn
- 2008-07-03 CN CN2008800236587A patent/CN101959521A/zh active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN101959521A (zh) | 2011-01-26 |
WO2009008990A3 (en) | 2009-06-04 |
EP2170351A4 (en) | 2011-07-06 |
EP2170351A2 (en) | 2010-04-07 |
WO2009008990A2 (en) | 2009-01-15 |
CA2692632A1 (en) | 2009-01-15 |
US20110015249A1 (en) | 2011-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5965322B2 (ja) | 抗転移療法におけるaxlシグナル伝達の阻害 | |
JP2010532662A (ja) | 癌および他の血管新生関連疾患の治療のための方法および組成物 | |
Kim et al. | Anti-angiogenic inhibition of tumor growth by systemic delivery of PEI-g-PEG-RGD/pCMV-sFlt-1 complexes in tumor-bearing mice | |
US8541568B2 (en) | Compositions and methods using siRNA molecules for treatment of gliomas | |
US9074192B2 (en) | Inhibition of AXL signaling in anti-metastatic therapy | |
CN110592082A (zh) | 呼吸疾病相关基因特异性siRNA、含有siRNA的双螺旋寡RNA结构及其用途 | |
Polyak et al. | Systemic delivery of siRNA by aminated poly (α) glutamate for the treatment of solid tumors | |
JP2011500023A (ja) | インビトロ及びインビボでVEGFR1発現を低減するための治療用siRNA分子 | |
KR20120048613A (ko) | Sparc 안티센스 조성물과 이들의 용도 | |
Mangala et al. | Improving vascular maturation using noncoding RNAs increases antitumor effect of chemotherapy | |
WO2018106992A1 (en) | Multifunctional rna nanoparticles and methods for treating cancer and therapeutic resistant cancer | |
WO2014035828A2 (en) | Inhibition of axl signaling in anti-metastatic therapy | |
TWI496583B (zh) | 製備抑制血管新生之醫藥載體及醫藥組成物之用途 | |
CN115919888A (zh) | 一种用于治疗多种肿瘤的核酸干扰药物组合物 | |
KR20230133859A (ko) | p21 mRNA 표적화 DNA자임 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110701 |
|
A072 | Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination] |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073 Effective date: 20121102 |
|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20121106 |