Evolution Data Optimized(EVDO)データ規格を含む無線広帯域データ規格が複数存在する。EVDOは、多くのCDMA携帯電話サービスプロバイダが採用する無線広帯域データ規格であり、CDMA2000ファミリ規格の一部として3GPP2によって標準化されている。EVDOの初期設計は、2Mbps超の静止通信衛星による通信の下りリンク用に開発され、数字表示IS−856が与えられた。
GSMネットワークが採用するEDGEネットワークに比べ、EVDO規格は著しく高速であり、移動装置へのアクセスにおいて、Rev.0で2.4Mbps、およびRev.Aで3.1Mbpsまでの速度の無線インターフェースを提供する。HSDPA、WiMAX、およびその他のこうした無線ブロードバンド規格を含む他の競合規格がある。
EVDO Rev.Aは、その規格の最初の改訂版であるEVDO Rev.0の後継となりつつある。Rev.Aにより、下り方向および上り方向の両方において、待ち時間を短縮し、データ転送速度を向上させる無線インターフェースの機能強化に伴う高速パケットの確立が提供される。2.45Mbpsから3.1Mbpsまでの最大バースト下りリンク速度の増加に加えて、Rev.Aは、最大上りリンクデータ速度が、153kbpsから最大上りリンク・バースト速度1.8Mb毎秒まで著しく向上している。EVDO Rev.A規格からの進歩的発展には、EVDO Rev.BおよびRev.Cの規格が含まれる。これらの将来的な改訂により、より高速の下りリンクおよび上りリンクデータ速度等の機能がさらに提供される。
主要な通信事業者は、無線ブロードバンドの通信システムおよびアーキテクチャのアップグレードを継続し、2007年には、いくつかの通信事業者が、「Rev.0」とも呼ばれるRevision0から、「Rev.A」とも呼ばれるRevisionAへ、EVDOネットワークをアップグレードする計画を発表した。導入時の多くの場合と同様に、Rev.0からRev.Aへのアップグレードは、キャリア・ネットワーク・システム内においてEVDO Rev.0とRev.Aがある程度共存する段階的なプロセスとなることが予想される。異なる無線ネットワーク規格の共存が、局所的な場合や、より広範囲な地理的エリアに渡る場合もある。
Rev.0およびRev.Aの規格には、それぞれが多くのサブタイプを有する様々なプロトコルが含まれる。また、各プロトコルは、全てのアクセス端末(AT)およびアクセスノード(AN)がサポートしているデフォルトのサブタイプも有し、それはHigh Rate Packet Data(HRPD)規格に準拠している。HRPD規格は、改訂により、既存のプロトコルの新規サブタイプ、新規のプロトコルおよびアプリケーションが導入された。これらの新規プロトコル・サブタイプ、新規プロトコル、および新規アプリケーションを導入することにより、ATの性能が強化される。
しかしながら、特定の無線ブロードバンド・サービス領域用の無線ブロードバンド通信規格の判定は、曖昧になりかねない。例えば、1×CDMA対応のハンドセットまたはPCカードが特定の基地局と関連付けられたCDMA Revisionを検知すると、Revisionの番号を判定するプロセスは、SyncメッセージにおけるP_REV番号を調べることによる。しかしながら、従前のCDMA改訂の規約とは異なり、SyncメッセージにおけるEVDO Rev.0規格およびRev.A規格の改訂番号は同じ、すなわち、両者の規格の改訂番号は共に1である。よって、無線ブロードバンド通信用のRevisionの番号の判定は曖昧である。
加えて、Syncメッセージに対するATの依存は、Rev.0に準拠するサービス領域とRev.Aに準拠するサービス領域との間を移動するATによってさらに複雑化する。通信事業者によるSyncメッセージにおけるそれぞれの最大Revおよび最小Revの設定方法から、この複雑化が認められる。EVDOデバイスが、所与のネットワークにおいて新規Rev.AモードまたはRev.0モードにおいて作動しているかどうかの判定は曖昧になりかねない。その理由は、ATは、無線ネットワーク全域で、過去の複数回のネゴーシエーションにおいて交渉した複数の通信条件のうち、どの通信条件においても作動可能なためである。
そのため、Syncメッセージおよびパケットデータ通信用のデータ転送速度能力を判定することに関連する曖昧性を克服することは有益であろう。加えて、特定のサービス領域におけるデータ転送速度能力をリアルタイムに表示することは、ユーザまたは加入者の助けとなるであろう。特に、ATがRev.0およびRev.Aのサービス領域の違いをSyncメッセージに頼らずに判定することを可能とすることは有益であろう。
当業者であれば、以下の明細書が説明のためのものであり、限定するためのものでないことを認めるであろう。本開示の利益を有するそのような当業者には、請求した発明の主題の他の実施形態が容易に提示されるであろう。当業者は、以下に説明するシステムおよび無線装置が構成や詳細に関し、異なってもよいことを理解すべきである。加えて、当該方法は、本明細書に開示する例示的方法から逸脱しない範囲で、詳細、動作の順番、またはその他の変更に関して異なってもよい。
少なくとも2つの異なるデータ転送速度能力をサポートするネットワーク・システムにおけるSyncメッセージおよびパケットデータ通信用のデータ転送速度能力の判定に関連する曖昧性を克服する無線装置、無線ネットワーク・システム、および方法を説明する。加えて、特定のサービス領域におけるデータ転送速度能力のリアルタイム表示についても説明する。
例示する実施形態において、PCカード等の無線装置は、Syncメッセージのみに依存せずにEVDO Revison 0とEVDO Revision Aのサービス領域を区別可能である。しかしながら、例示する実施形態は、限定することを意図しておらず、当業者であれば、本明細書に記載した装置、システム、および方法が、ワイドエリアネットワークにおける基地局またはアクセスノードからのSyncメッセージに依存する、EVDO Rev.B、EVDO Rev.C、および任意の他の規格等の、将来的な改訂に適用可能であることを理解すべきである。限定しない例として、他の無線ワイドエリアネットワークには、W−CDMAネットワーク、UMTSネットワーク、TD−SCDMAネットワーク、EDGEネットワーク、WiMAXネットワークが含まれる。
図1を参照すると、無線PCカードモデム等の例示する無線装置のブロック図が示されている。無線PCカード10は、コンピューティング装置と接続する。コンピューティング装置は、ノートブック・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、携帯情報端末(PDA)または、無線装置を受けるように構成される同様な他の任意の装置であってもよい。例示する実施形態では無線PCカードモデムだが、本明細書に説明した装置、システム、および方法は、音声通信をサポートするように構成された無線電話器、携帯電話器、携帯情報端末、スマートフォーン、無線インターネット装置、シンクライアント、およびその他同様な装置等、他の無線装置に適用可能である。より一般的には、無線装置は、移動局またはアクセス端末と呼ばれることがある。
例示するPCカード10は、周辺コンポーネント・マイクロチャネル相互接続アーキテクチャ(PCMCIA)規格に準拠したラップトップ・コンピュータまたはノートブック・コンピュータ用の周辺インターフェースの形状因子を持つ。例示する無線PCカードモデム10は、メモリ14および入力/出力ハードウェア・インターフェース16に接続された処理部12を含む。電源(不図示)は、無線PCカードモデム10に電力を供給する。電源管理用集積回路(PMIC)18も、処理部12に通信可能に接続され、無線PCカードモデム10による電力利用を調整する。加えて、RFコンポーネント20は、例示する基地局22と無線で通信するように構成される。電子デバイスとコンピューティング装置との間の物理的インターフェースが必要である。例示する実施形態において、ハードウェア・インターフェース16は、無線PCカードモデム10を作動可能にPC30に接続することをサポートする。例示するPC30と無線PCカードモデム10との間のデータの通信は、例示するバス32により可能となる。例示する電子デバイスは、無線PCカードモデム10であるが、オペレーティングシステム(OS)を有するコンピューティング装置と物理的に接続する手段を有するPC電子デバイスであれば、任意のものを用いることができる。
無線PCカードモデムは、RFコンポーネント20に接続されたアンテナ24を介して無線周波数帯域で電磁エネルギーを送受信することで無線通信を行う。RF通信リンク26は、ブロードバンド・データ通信を交換するために基地局22と作成される。単一の基地局22を描いているが、無線PCカードモデム10は、1または複数の基地局と通信可能であり、一般的に各基地局は、画定された地理的エリア内のパケットデータ通信を管理する役割を担っている。
例示するPCカード10におけるRFコンポーネント20は、第1のデータ転送速度能力および第2のデータ転送速度能力で複数のパケットデータを通信するように構成されており、第2のデータ転送速度が第1のデータ転送速度よりも高速である。例示する実施形態において、第1のデータ転送速度能力は、EVDO Revision 0規格を採用し、第2のデータ転送速度能力は、EVDO Revision A規格を採用する。
PCカード10には、パケットデータ通信に用いた改訂番号を示すビジュアル・インジケータが配置される。第1のインジケータ34は、Revision 0規格に関し、第2のインジケータ36は、Revision A規格に関し、第3のインジケータ38は、充分な電力がPCカード10に供給されているかどうかを示す。ネットワーク・システムに応じて、PCカード10は、データパケットを通信するための適用可能なデータ転送速度を判定するように構成される。例示するネットワーク・システムは、Revision 0データスループットだけを提供するあるサービス領域を含んでもよく、他のサービス領域は、Revision Aデータスループットだけを提供してもよく、いくつかのサービス領域では、Revision AおよびRevision 0両方のデータスループットを提供してもよい。
例示するPCカードがいつEVDO Revision Aのサービス領域にあるかを認識しやすくするために、例示するPCカード10に対する専用の色を使用できる。または、Rev.Aのサービス領域を示すマルチカラーのLEDを用いてもよい。例示する実施形態において、PCカード10は、上述したように、Rev.0モードまたはRev.Aモードのいずれで作動しているかを判定する。一例として、および限定しないために、色は、青でよく、下り方向チャネルおよび上り方向チャネルにおける帯域速度によってより速い速度で点滅してもよい。よって、Rev.Aでは、例示するPCカードがネットワークに接続している場合、点滅速度は、Rev.0に対する点滅速度よりも高速であってもよい。加えて、例示するLEDは、例示するPCカードがネットワークに接続されていないが電源が投入されている場合には、単色を発するように構成されてもよい。さらに、例示するLEDは、ネットワーク接続が確立された場合、または、PCカードがネットワークと活発にパケット通信していない休眠状態にある場合は、低速で点滅してもよい。また、例示するLEDは、例示するPCカードがネットワークに接続されている場合、より高速で点滅するように構成されてもよい。
図2および図1を参照すると、高速データ転送(HDR)通信システムにおける例示するアクセスノードおよびアクセス端末が示されている。また、無線装置10は、アクセス端末(AT)50または移動局と呼んでもよい。一例として、ATは、Rev.0およびRev.Aに準拠するデータ専用モードにおけるCDMA2000 EVDO PCカードである。基地局22は、アクセスノード(AN)52と呼んでもよい。ANは、加入者がネットワークにアクセスできるようにする、ネットワークにおけるポイントであり、ANは、パケット交換データ・ネットワーク(一般的にはインターネット)とATとの間のデータ接続を提供し、1または複数のサブネットをカバーする。当業者であれば、サブネットおよびサービス領域という用語を、全二重無線通信をサポートする地理的エリアの意味で使用できることを理解するであろう。
作動中、AT50は、AN52と無線通信を行っている。「下り方向」チャネル54は、AN52からAT50への通信を意味し、「上り方向」チャネル56は、AT50からAN52への伝送を意味する。下り方向チャネル54は、Syncメッセージを含む複数のチャネルを含んでもよい。
図2はAT50に関連する複数のレイヤも示す。複数のレイヤには、物理層58および媒体アクセス制御(MAC)層60が含まれる。MAC層の上部には、上位レイヤが位置づけられているが図示しない。MAC層60は、下り方向チャネル54および上り方向チャネル56に関連するサービスを含むサービスを上位レイヤに対して提供する。物理層58は、MAC層60の下に位置づけられる。MAC層60は、物理層58からの、あるサービスを要求する。これらのサービスは、AN52とのパケットの物理的伝送に関する。加えて、MAC層60は、上位レイヤから1または複数のフローを受ける。フローとは、ある伝送要件のセットを有する、ユーザソースからのデータストリームであり、通常、ある特定のアプリケーションと関連する。一般的には、フローは、ウェブの閲覧、インターネット上での音声通信(VoIP)、テレビ電話、ファイル転送プロトコル(FTP)、および、このようなその他のアプリケーション等の、特定のアプリケーションに対応する。
作動中、AT50とAN52との間で通信されたデータパケットは、アクセスノード52およびアクセス端末50の両方によってサポートされるデータ転送速度として通信される。古いEVDO Revision 0規格に関しては、デフォルトのプロトコル・サブタイプがあり、AT50とAN52との間の通信用のプロトコル・サブタイプについてネゴーシエーションを行う必要はない。EVDO Revision 0より新しいEVDO Rev.A規格は、様々な新しい特徴を導入しており、これらの新しい特徴は、つい最近の非デフォルトのサブタイププロトコルの形式で引き渡されている。これらの非デフォルトプロトコル・サブタイプは、AT50とAN52との間のセッション・ネゴーシエーションの間に取り決められなければならない。Advanced Mobile Subscriber Software(AMSS)は、HDR−SCPプロトコル・サブタイプ不揮発性(NV)アイテムと呼ばれる単一のNVアイテムに、全てのデフォルト・サブタイプおよびネゴーシエーションしたサブタイプを記憶する。
少なくとも2つの異なる無線規格を有するネットワークにおける無線データ転送速度能力を判定するために、無線装置10またはアクセス端末50は、基地局が制御チャネルにおいて一斉同報しているオーバーヘッドメッセージを監視する。セッション・ネゴーシエーション中には、FTC−MACプロトコルタイプと関連づけられる下り方向トラヒックチャネル・データフィールドの値が存在する。加えて、RTC−MACプロトコルタイプと関連づけられる上り方向トラヒックチャネル・データフィールドの値がある。さらに、物理層プロトコルタイプと関連づけられる物理層データフィールドの値がある。
アクセス端末50の制御部は、物理層データフィールド値、下り方向トラヒックチャネル・データフィールド値、および上り方向トラヒックチャネル・データフィールド値を監視するように構成される。例示する制御部は、メモリ14と連動して作動する処理部12であってもよく、メモリ14は、物理層データフィールド値、下り方向トラヒックチャネル・データフィールド値、および上り方向トラヒックチャネル・データフィールド値を記憶するように構成される。または、例示する制御部は、RFコンポーネント20内に位置するASICの論理モジュールであってもよい。
第2のデータ転送速度能力、例えば、より高速なEVDO Rev.Aデータ転送速度で通信を可能とする手段は、物理層データフィールド値、下り方向トラヒックチャネル・データフィールド値、および上り方向トラヒックチャネル・データフィールド値により、通信がより高速なデータ転送速度のためにサポートされていることを反映している場合に発生する。よって、Syncメッセージにはほとんどあるいはまったく依存せずにパケット通信用の利用可能な最高のデータ転送速度を判定する。例示する実施形態において、通信を可能とする手段は、物理層、FTC−MAC、およびRTC−MAC用のプロトコル・サブタイプを監視する決定を下す。
以下に例として示す表は、最近ネゴーシエーションしたプロトコル・サブタイプ値を記憶するHDR SCPプロトコル・サブタイプにおけるプロトコルタイプのエントリを示す。データタイプは、2×26バイトであり、26個のプロトコルタイプ・エントリ用のネゴーシエーションしたプロトコル・サブタイプID値(0×00X)を含む。エントリの順番は、以下に示すように予め決められている。特に、表には、HDR−SCPプロトコル・サブタイプNVアイテムにおける最初の5つのプロトコルタイプ用となる可能性のあるプロトコル・サブタイプ値を示す。現在利用可能な26個のプロトコルタイプ・エントリのうち、Rev.Aで導入された向上したデータスループットのためにネゴーシエーションされるプロトコル・サブタイプは、サブタイプ2の物理層プロトコルであり、エンハンストFTC−MACプロトコル、およびサブタイプ3のRTC−MACプロトコルは、物理サブタイプ2のプロトコルと関連する。サブタイプの値により、例示するPCカード10は、当該PCカードがRev.Aモードで作動可能かどうかを判定できるようになる。
図3を参照すると、例示する無線PCカードモデムを受ける、例示的パーソナル・コンピュータが示してある。例示するパーソナル・コンピュータは、ノートブック・コンピュータ30である。無線PCカードモデム10は、ノートブック・コンピュータ30のPCカードスロット72と接続する、入力/出力ハードウェア・インターフェース16を含む。例示する無線PCカードモデム10は、PCカードスロット72に摺動可能に装着、および/またはPCカードスロット72から取り外される。例示するPCカードモデム10は、ノートブック・コンピュータ50内に完全に入った状態ではないので、上述したように、ユーザは、ビジュアル・インジケータ素子を見ることができる。一例として、また限定しないために、ステータス・インジケータは、点滅および/または単色のままである少なくとも1つの色を有する発光ダイオード(LED)である。
他の実施形態においては、別のコンピュータ・インターフェースを用いて例示するコンピュータと通信してもよい。例えば、PCカード・インターフェース76を有するユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース74は、PCカード・ハードウェア・インターフェース16およびノートブック・コンピュータ30上のUSB接続に、作動可能に接続される。こうして、PCカードモデム16は、USBケーブル78を介してノートブック・コンピュータに物理的に接続される。パーソナル・コンピュータ30のシステム要件には、マイクロソフト(R)社のWindows(R)2000またはXPの作動、PC上の標準タイプIIのPCカードスロット、および/または1または複数のUSB接続が含まれてもよい。パーソナル・コンピュータには、無線PCカードに関連するソフトウェアをロードしなければならないかもしれない。ソフトウェアは、CD−ROMに保存したコンピュータの命令として組み込まれてもよいし、コンピュータの命令を保存するように構成された、こうした他の媒体であってもよい。
図4を参照すると、異なる無線データ転送速度能力で通信するように構成される複数の基地局を有するネットワーク・システムが示されている。例示するネットワーク80には、複数の基地局が含まれる。単なる例示を目的として、第1の基地局82は、EVDO Revision 0規格に準拠する第1のデータ転送速度能力でパケットデータを通信するように構成される。第2の基地局84は、より高速なEVDO Revision A規格に準拠する第2のデータ転送速度能力でパケットデータを通信するように構成される。全体のサービス領域は、各基地局がカバーするエリアを組み合わせて決定される。
上述した無線装置と同様の例示的無線装置も2台示す。無線装置のうちの1台は、少なくとも2つの異なる無線ブロードバンドデータ規格を用いるデータ通信をサポートするPCカードを含むノートブック・コンピュータ86である。加えて、無線ハンドセット88は、音声通信および少なくとも2つの異なる無線ブロードバンド・データ規格をサポートする。無線装置のそれぞれは、特定の場所においてサポートされるデータ転送速度能力、および両方の無線ブロードバンド・データ規格をサポートする、ある位置における「最適な」データ転送速度を判定するように構成される。従って、説明した無線装置、システム、および方法は、第1のデータ転送速度能力または第2のデータ転送速度能力のどちらかでパケットデータを通信するセルを有するネットワーク・システムに適用可能であり、同じ場所において第1のデータ転送速度能力および第2のデータ転送速度能力をサポートするネットワーク・システムにも適用可能である。ネットワーク・システムが少なくとも2つの異なるデータ転送速度能力をサポートする後者のケースでは、利用可能なネットワーク・リソースに基づいて最も高いスループットを提供する、採用すべき「最適な」無線ブロードバンド・データ規格を判定するために、無線装置、システム、および方法を使用できる。
図5を参照すると、電子デバイスとネットワークとの間で行われる通信の例示的フローチャートが示されている。この方法は、電子デバイスと計算装置との物理的インターフェースが行われるブロック102において開始される。一般的に、コンピューティング装置と物理的に接続する手段を有する電子デバイスであればいずれのものを用いてもよい。例示する実施形態のひとつにおいては、無線PCカード10は、PC30のPCカードスロットに摺動可能に接続される。
その後、方法は、カードがデータサービス中であるかの判定を行うブロック104に進む。利用可能なデータサービスのタイプはネットワークによって異なる。ブロック106においてユーザインターフェースは、「接続した」または「休止した」状態のどちらかの情報を受ける。
その後、方法は、物理層プロトコルタイプ、下り方向トラヒックチャネル(FTC)MACプロトコルタイプ、および上り方向トラヒックチャネル(RTC)MACプロトコルタイプ用のネゴーシエーションされたプロトコル・サブタイプ値が集められるブロック108に進む。一般的には、物理層データフィールド値、下り方向トラヒックチャネル・データフィールド値、および上り方向トラヒックチャネル・データフィールド値を判定する。特に、物理層データフィールド値、下り方向トラヒックチャネル・データフィールド値、および上り方向トラヒックチャネル・データフィールド値の判定には、複数のローカル・サービス領域におけるデータフィールド値のネゴーシエーションを行うことがさらに含まれるので、本明細書に説明した方法は、カードがデータサービス中である間、繰り返し発生する。
判定分岐条件110において、データフィールド値が、例えばRev.A規格である、より高速な第2のデータ転送速度をサポートするかどうかの判定を行う。データフィールドのうちのひとつが第2のデータ転送速度能力をサポートしない場合、方法は、ブロック112に進み、第1のデータ転送速度能力を用いて通信する。パケットデータ通信が第1のデータ転送速度能力、例えばRev.0規格を用いて行われているという表示をブロック114で提供してもよい。
物理層データフィールド値、下り方向チャネル・データフィールド値、および上り方向チャネル・データフィールド値が、より高速な第2のデータ転送速度をサポートするという判定が判定分岐条件110において下される場合、方法は、ブロック116に進み、第2のデータ転送速度規格、例えば、EVDO Rev.Aを用いての通信が可能となる。その後、方法は、パケットデータ通信が第2のデータ転送速度能力、例えばRev.A規格を用いて行われているという表示を提供するブロック118に進んでもよい。
上述した無線装置、システム、および方法は、Syncメッセージおよびパケットデータ通信用データ転送速度能力の判定に関連する曖昧さを克服する。加えて、上述した無線装置および方法は、特定のサービス領域におけるデータ転送速度能力をリアルタイムに表示してユーザまたは加入者の助けとなる。さらに、無線装置、システム、および方法により、ATがSyncメッセージに依存することなくEVDO Revision 0とEVDO Revision A規格の差を判定することが可能となる。
よって、上記は、例示的な実施形態の詳細な説明であり、特許請求の範囲はこれらの特定の実施形態または実施例に限定されないことを理解すべきである。そのため、様々な要素、詳細、全ての方法の実行、および利用は、上記と異なってもよく、まだ商業的に未だ実現可能でない技術を用いて拡張または実施されてもよく、それらもまた本開示の発明概念の範囲内にある。発明の範囲は以下の請求項およびその法的均等物によって判断される。