JP2010529619A - 高温での寿命が改良された鉛蓄電池膨張剤 - Google Patents

高温での寿命が改良された鉛蓄電池膨張剤 Download PDF

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Abstract

蓄電池ペーストで使用するための膨張剤用配合物は、改良された耐高温分解性を特徴とする有機成分またはリグノスルホネートを組み込んでいる。この膨張剤用配合物を組み込んだ蓄電池ペーストから作製された蓄電池プレートは、特に、高温で蓄電池を作動させる場合に、蓄電池の寿命を大幅に改良する。有機成分は、好ましくは、針葉樹材から作製された部分的に脱スルホン酸され、精製された高分子量リグノスルホン酸ナトリウムである。

Description

優先権の請求
本出願は、その明細書および開示の全体が参照により本明細書に組み込まれており、発明の名称が「高温での寿命が改良された鉛蓄電池膨張剤」である2007年6月6日出願の米国特許非仮出願第11/810,659号に対する優先権を請求するものである。
本開示は、一般に、蓄電池ペーストで使用される膨張剤および蓄電池プレートを製造するための方法に関する。詳細には、蓄電池ペーストで使用するための膨張剤用配合物および鉛蓄電池用の負極プレートを製造するための方法が開示されている。より具体的には、本開示は、改良された耐高温分解性を特徴とする有機成分またはリグノスルホネートを組み込んだ1つまたは複数の膨張剤用配合物を含む。その結果、開示の膨張剤用配合物から作製された負極プレートを組み込んだ鉛蓄電池は、特に、高温で蓄電池を作動させる場合に、蓄電池の寿命を大幅に改良する。
鉛蓄電池用の蓄電池プレートを製造するには、一般に、ペーストを混合し、硬化させ、乾燥させる操作が必要であり、その過程で、蓄電池ペースト中の活性材料は、化学的および物理的に変化し、この変化を利用することによって蓄電池プレートを形成するのに必要な化学的および物理的な構造、ならびに続いての機械的強度が確立される。典型的な蓄電池プレートを製造するために、諸材料は、酸化鉛、水および硫酸の順で市販のペースト混合機に添加され、次いで、それらはペーストのコンシステンシーが得られるまで混合される。蓄電池用の負極用プレートまたは正極用プレートのいずれを製造するかに応じて、フロックまたは膨張剤など従来の添加剤も使用することによってペーストの特性および製造されたプレートの性能を改変することができる。その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年10月10日にBodenらに発行された米国特許第7,118,830号に開示の添加剤などその他の添加剤を使用することによっても蓄電池プレートの化学的および物理的な構造、ならびに性能が向上または改良される。
鉛蓄電池の負極用プレートは、通常、膨張添加剤を含むペーストを調製し、次いで、この蓄電池ペーストをグリッドと呼ばれる導電性鉛合金構造体に施用してプレートを製造することによって製造される。通常、こうしたペーストを塗布したプレートは、次いで、相対湿度が高い空気を含む加熱チャンバで硬化する。この硬化プロセスは、続いての蓄電池のハンドリングおよび性能に要求される必要な化学的および物理的な構造を生成させる。硬化後、プレートは、任意の適切な手段を使用して乾燥される。かくして、負極用の活性材料を含むこうしたプレートは、蓄電池で使用するのに適している。
膨張剤は、通常、硫酸バリウム、炭素およびリグノスルホネートまたは他の有機材料の混合物であり、ペーストを調製する際に負極用プレート活性材料に添加される。膨張材料は、ペースト混合プロセス中にペーストに別個に添加することができるが、改良された手順では、膨張剤の構成材料を混合してからペーストミックスに添加する。
膨張剤は、負極用プレートにおいていくつかの機能を果たすが、これについて簡単に説明することにする。硫酸バリウムの機能は、プレートが放電すると生成する硫酸鉛に対する核生成剤として働くことである。硫酸鉛は、その生成堆積物を硫酸バリウム粒子上に送り、それによって、活性材料全体に硫酸鉛が確実に均一に分散し、鉛粒子の被覆が防止される。硫酸バリウムの結晶は、非常に多数の小さい種晶が負極活性材料中に埋め込まれるように、1ミクロン以下程度の非常に小さい粒径を有することが望ましい。これによって、硫酸鉛結晶は、硫酸バリウム核上に成長し、小さくて均一な大きさであるためにプレートに充電した場合、鉛活性材料に容易に転換されることが保証される。
炭素は、放電状態における活性材料の電気伝導度を増加させるので、これによって活性材料の電荷受容性が改良される。炭素は、通常、カーボンブラック、活性化炭素および/またはグラファイトの形態である。
リグノスルホネートの機能は、より複雑である。それは、鉛活性材料上に化学吸着され、それによってその表面積が大幅に増加する。リグノスルホネートがないと、表面積は、グラム当り約0.2平方メートル程度であるが、リグノスルホネートが0.50%存在すると表面積はグラム当り約2平方メートルまで増加する。この大きな表面積のために、電気化学的プロセスの効率が上昇し、それによって負極用プレートの性能が改良される。リグノスルホネートはまた、負極活性材料の物理構造も安定化させ、それによって蓄電池の動作中の分解が遅延する。この特性のために使用中の蓄電池の寿命が長くなる。
膨張剤に関して広く認められている問題点は、有機成分が蓄電池が高温で作動する場合に非活性化されることである。したがって、高い周囲温度で使用される蓄電池は、温和な気候で作動するものより寿命が短い。これは図1で明確に示されており、それによれば、米国の多様な地域で実施された自動車用鉛蓄電池の寿命についての調査の結果が分かる。図1では、米国南部の暑い方の地域で使用した蓄電池は、米国北部の涼しい方の地域で使用したものより寿命が短いことが容易に分かる。例えば、図1のグラフでは、使用48カ月後で、米国の北部地域で使用した自動車用蓄電池の約40%しか不良にならなかったが、米国の南部地域で使用した自動車用蓄電池の約67%が不良になったことが分かる。60カ月後で、米国の北部地域で使用した蓄電池の約60%しか不良にならなかったが、米国の南部地域で使用した蓄電池の85%近くが不良になった。
蓄電池を短寿命にする追加の因子は、車が小さくなればなるほど、および熱発生装置の付設が多ければ多いほど、自動車のフード下温度が上昇することである。熱帯気候での自動車の使用が増加しつつあることも、こうした問題点の追加要因である。さらに、蓄電池は、製造作業における最初の充電中に高温にさらされる場合が多い。70℃を超える温度は普通である。これもまた、膨張剤中の有機成分の分解の要因である。
米国特許第7,118,830号明細書
したがって、蓄電池ペーストの改良および耐高温分解性が改良されたプレートに対する必要性が存在する。本開示は、公知の従来技術による膨張剤、蓄電池ペーストおよび蓄電池の負極プレートを製造するための方法における上に明示された欠点および/または短所を克服し、それらに対する大幅な改良を提供するものである。
本開示は、蓄電池ペースト組成物で使用される改良された膨張剤用配合物に関する。改良された膨張剤用配合物は、改良された耐高温分解性を特徴とする有機成分またはリグノスルホネートを組み込んでいる。したがって、改良された膨張剤用配合物を組み込んだ蓄電池ペーストから作製された蓄電池負極用プレートは、特に、高温で蓄電池を作動させる場合に、蓄電池の寿命を大幅に改良する。好ましくは、本開示に従って使用される有機成分は、針葉樹材から作製された部分的に脱スルホン酸され、精製された高分子量リグノスルホン酸ナトリウムである。
したがって、本開示の1つの目的は、改良された耐高温分解性を特徴とする有機成分またはリグノスルホネートを組み込んだ改良された膨張剤用配合物を提供することである。
本開示の別の目的は、比較的高温にさらされる蓄電池の寿命が大幅に改良される改良された膨張剤用配合物を組み込んだ蓄電池ペースト組成物を提供することである。
本開示のさらなる別の目的は、蓄電池の作動温度が高い場合に耐熱分解性を有する負極用プレートを備えた鉛蓄電池を提供することである。
本開示のさらなる別の目的は、蓄電池が高温で形成(充電)される場合に耐熱分解性を有する負極用プレートを備えた鉛蓄電池を提供することである。
本開示のさらなる別の目的は、蓄電池工業の標準試験、例えば、Cold Cranking Amperes試験、Reserve Capacity試験ならびにSAE J240およびSAE J2185サイクル試験において従来のリグノスルホネートに対して等価または改良された電気性能を提供する蓄電池負極用プレートをもたらす改良された膨張剤用配合物を提供することである。
本開示の多数の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から容易に明らかとなろう。
米国の多様な地域で実施された自動車用鉛蓄電池の寿命についての調査の結果を例示するグラフである。 満液式電解質自動車用蓄電池に対する本開示の好ましい実施形態の改良された膨張剤配合および添加率を例示する表である。 満液式電解質工業動力用蓄電池に対する本開示の好ましい実施形態の改良された膨張剤配合および添加率を例示する表である。 満液式電解質通信用蓄電池に対する本開示の好ましい実施形態の改良された膨張剤配合および添加率を例示する表である。 満液式電解質無停電電源用蓄電池に対する本開示の好ましい実施形態の改良された膨張剤配合および添加率を例示する表である。 バルブ調整型蓄電池に対する本開示の好ましい実施形態の改良された膨張剤配合および添加率を例示する表である。 摂氏41度(41℃)におけるSAE J240によるライフサイクル試験での蓄電池寿命試験データを例示する表である。 摂氏75度(75℃)におけるSAE J240によるライフサイクル試験での蓄電池寿命試験データを例示する表である。 摂氏50度(50℃)におけるSAE 2185によるライフサイクル試験での蓄電池寿命試験データを例示する表である。
本開示は、多数の異なる形態の実施形態を許容するが、本明細書では本開示の好ましい実施形態および代替の実施形態を詳細に説明することにする。しかし、本開示は、本発明の原理の例示とみなすべきであり、例示の実施形態の本発明および/または特許請求の範囲の趣旨および範囲を限定するものではないことを理解されたい。
鉛蓄電池は、限定されないが、自動車、フォークリフトトラックおよび予備動力システムを含めての多様な用途で使用される。加えて、こうした蓄電池は、満液式電解質設計であっても、バルブ調整型設計であってもよい。こうした多様な蓄電池では、最適の性能および寿命を得るために、膨張剤成分の多様な割合、および負極活性材料に対する多様な添加率を必要とする。膨張剤は、一般に、用途に従って、例えば、自動車、工業用動力および産業用予備動力に従って分類することができる。こうした膨張剤は、満液式蓄電池設計およびバルブ調整型蓄電池設計に分類することもできる。
例示のために、本開示の改良された膨張剤用配合物は、本明細書では、5つの特定の型の鉛蓄電池、即ち、満液式電解質自動車用蓄電池(図2);満液式電解質工業動力用蓄電池(図3);満液式電解質通信用蓄電池(図4);満液式電解質無停電電源用蓄電池(図5);およびバルブ調整型蓄電池(図6)に関して説明することにする。しかし、本開示は、蓄電池ペーストミックス中に膨張剤を使用して蓄電池負極用プレートを形成する任意の型の蓄電池に適用可能であることを理解されたい。
図2に関しては、満液式電解質自動車用蓄電池用の膨張剤配合物は、硫酸バリウム(40%−60%の濃度範囲)、炭素(10%−20%の濃度範囲)およびリグノスルホネートの形の有機材料(25%−50%の濃度範囲)を含む。こうした膨張剤材料は、ペーストミックス中酸化物重量0.5−1.0%の添加率で蓄電池ペーストに添加される。生成した負極活性材料におけるこうした膨張剤材料の量は、0.2−0.6%の硫酸バリウム、0.05−0.2%の炭素および0.125−0.5%のリグノスルホネートである。
図3に関しては、満液式電解質工業動力用蓄電池用の膨張剤配合物は、硫酸バリウム(70−90%の濃度範囲)、炭素(5−15%の濃度範囲)およびリグノスルホネートの形の有機材料(3−10%の濃度範囲)を含む。こうした膨張剤材料は、ペーストミックス中酸化物重量2.0−2.5%の添加率で蓄電池ペーストに添加される。生成した負極活性材料におけるこうした膨張剤材料の量は、1.4−2.25%の硫酸バリウム、0.1−0.375%の炭素および0.06−0.25%のリグノスルホネートである。
図4に関しては、満液式電解質通信用蓄電池用の膨張剤配合物は、硫酸バリウム(80−95%の濃度範囲)、炭素(3−8%の濃度範囲)およびリグノスルホネートの形の有機材料(0%−10%の濃度範囲)を含む。こうした膨張剤材料は、ペーストミックス中酸化物重量2.0−2.5%の添加率で蓄電池ペーストに添加される。生成した負極活性材料におけるこうした膨張剤材料の量は、1.6−2.375%の硫酸バリウム、0.06−0.2%の炭素および0−0.25%のリグノスルホネートである。
図5に関しては、満液式電解質無停電電源蓄電池用の膨張剤配合物は、硫酸バリウム(70−80%の濃度範囲)、炭素(5−15%の濃度範囲)およびリグノスルホネートの形の有機材料(10−20%の濃度範囲)を含む。こうした膨張剤材料は、ペーストミックス中酸化物重量2.0−2.5%の添加率で蓄電池ペーストに添加される。生成した負極活性材料におけるこうした膨張剤材料の量は、1.4−2.0%の硫酸バリウム、0.1−0.375%の炭素および0.2−0.5%のリグノスルホネートである。
図6に関しては、バルブ調整型蓄電池用の膨張剤配合物は、硫酸バリウム(70−80%の濃度範囲)、炭素(10−20%の濃度範囲)およびリグノスルホネートの形の有機材料(15%−50%の濃度範囲)を含む。こうした膨張剤材料は、ペーストミックス中酸化物重量1.0%の添加率で蓄電池ペーストに添加される。生成した負極活性材料におけるこうした膨張剤材料の量は、0.7−0.8%の硫酸バリウム、0.1−0.2%の炭素および0.15−0.50%のリグノスルホネートである。
これらの調合は、膨張剤混合物および負極活性材料中の成分の濃度に対する一般的な範囲を表し、本開示の趣旨または範囲を限定するものではないことを理解されたい。硫酸バリウムという用語は、粒径0.5から5ミクロンの、ブランフィクセとこの化合物のバライト形の双方、およびそれらの混合物を表す。炭素は、カーボンブラック、活性化炭素またはグラファイト、およびそれらの混合物のいずれかを表す。有機材料は、負極活性材料の表面に吸着され、それによってその表面積および電気化学的挙動に影響を及ぼすことができる任意のリグノスルホネート化合物または他の適切な有機材料を表す。木粉およびソーダ灰などその他の材料も膨張剤に添加される場合があることも理解されたい。これらは、本開示の趣旨または範囲を実質的に変化させることなしに図2−6の膨張剤配合に添加することができる。
図2−6の改良された膨張剤組成物および材料は、温度による分解を受けやすい従来のリグノスルホネートとは異なり耐高温分解性が改良されたリグノスルホネートを組み込んでいる。好ましくは、耐高温分解性が改良されたこのリグノスルホネートは、針葉樹材から作製された部分的に脱スルホン酸され、精製された高分子量リグノスルホン酸ナトリウムである。そうしたリグノスルホネートのうちの1つは、Sarpsborg、NorwayにあるBorregaard−Lignotechから商標Vanisperse HT−1で市販されている。しかし、耐高温分解性である任意の類似のリグノスルホネートまたは他の有機材料も使用できる場合があることを理解されたい。さらに、かかる改良された耐高温リグノスルホネートと他の従来のリグノスルホネートとの組合せまたは混合物も改良された膨張剤組成物中で一緒に使用することができる。こうした改良された膨張剤組成物は、満液式とバルブ調整型設計双方の自動車用、工業動力用および予備動力用蓄電池で使用することができる。
こうした改良された膨張剤組成物の有利な特性の例として、自動車用蓄電池を試験した試験データは図7−9に例示される。図2に示されるように、自動車用蓄電池に適した膨張剤は、有機材料の濃度が膨張剤として25%−50%の範囲である。こうした膨張剤は、負極ペースト中において酸化鉛として0.50%−1.0%の添加率で使用され、プレート中において、0.125−0.5%の有機材料濃度をもたらす。示された範囲内で選択される有機材料の正確な濃度は、所望の蓄電池性能、その作動温度および必要な寿命などの因子で決まる。典型的な自動車用蓄電池の膨張剤において、従来の有機化合物またはリグノスルホネートが、針葉樹材から作製された部分的に脱スルホン酸され、精製された高分子量リグノスルホン酸ナトリウムで代替されると、蓄電池の寿命が大幅に改良される。
図7−9は、改良された膨張剤配合物を用いて製造された自動車用蓄電池と従来の膨張剤配合物を用いて製造された自動車用蓄電池の自動車用蓄電池寿命試験データの比較を示し、2つの工業標準試験(SAE J240およびSAE J2185)を使用した3つのライフサイクル試験の試験データ(図7−9それぞれで)を示している。負極活性材料中のリグノスルホネート量の2つの異なる添加水準(0.25%および0.5%)が評価された。
41℃で実施されたSociety of Automotive Engineers (SAE)J240寿命試験では、従来の膨張剤を使用した蓄電池の寿命と改良された膨張剤を使用した蓄電池の寿命の間にはほとんど差がないことを図7から知ることができる。0.25%の水準では、従来の膨張剤を用いた蓄電池は、ライフサイクルが2,293であり、それに比較して改良された膨張剤を用いた蓄電池は、ライフサイクルが2,436であった。0.50%の水準では、従来の膨張剤を用いた蓄電池は、ライフサイクルが2,867であり、それに比較して改良された膨張剤を用いた蓄電池は、ライフサイクルが2,580であった。したがって、比較的穏やかな温度である41℃では、従来の膨張剤を用いた蓄電池も改良された膨張剤を用いた蓄電池も類似の性能を示した。
図8に示されるように、温度が75℃まで上昇すると、従来の膨張剤を用いた蓄電池のサイクル数は、0.25%の水準で2,293から1,433まで(37.5%の減少)低減し、0.50%の水準で2,867から1,720まで(40%の減少)低減した。しかし、改良された膨張剤を用いた蓄電池では、サイクル数は比較的わずかしか変化しない、即ち、0.25%の水準で2,436から2,150まで(11.7%の減少)低減し、0.50%の水準で2,580から2,867まで(11.1%の増加)の変化である。したがって、高目の温度である75℃では、改良された膨張剤を用いた蓄電池は、従来の膨張剤を用いた蓄電池より大幅に優れた性能を示した。
図9に示されるように、50℃におけるSAE J2185試験では、従来の膨張剤は、0.25%の用量または量の場合、ライフサイクルが169であり、0.5%の用量または量の場合、ライフサイクルが195であった。他方、改良された蓄電池は、両方の用量水準でサイクル数が234であった。このデータによって、針葉樹材から作製された部分的に脱スルホン酸され、精製された高分子量リグノスルホン酸ナトリウムを含む改良された膨張剤の高温特性が改良されたことが分かる、即ち、0.25%の添加水準では従来の膨張剤より38.5%の改良、0.5%の添加水準では従来の膨張剤より20%の改良である。
こうした試験は、高い作動温度での従来の材料に対する改良された膨張剤材料の利点を示す。改良された膨張剤材料が、動力蓄電池および予備動力蓄電池など他の用途で使用された場合も類似の利点を享受することができる。改良された膨張剤材料が、バルブ調整型蓄電池で使用される場合もこうした利点が享受されることになる。図2−5に示されるような配合を使用して、自動車発進、動力、通信および無停電動力源用に設計された蓄電池用の改良された膨張剤は、改良することによって優れた高温耐久性を得ることができ、バルブ調整型蓄電池用の改良された膨張剤配合は、図6に示される。
前記の明細書は、本開示の好ましい実施形態および代替の実施形態を記載するのみである。上記の他の実施形態も実施することができる。したがって、用語および表現は、例によって開示を記載するのに役立つのみであり、開示を限定するのに役立つものではない。発明者以外は相違点に気付くことになるが、その相違点は、前記とは異なるものの、本明細書に記載の開示および特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱するものではないことが予想される。

Claims (18)

  1. 硫酸バリウム、
    炭素および
    有機材料を含み、有機材料が耐熱分解性であることを特徴とする、蓄電池ペースト用の膨張剤。
  2. 有機材料がリグノスルホネートである、請求項1に記載の膨張剤。
  3. リグノスルホネートが、針葉樹材から作製された部分的に脱スルホン酸され、精製された高分子量リグノスルホン酸ナトリウムである、請求項2に記載の膨張剤。
  4. 有機材料が、膨張剤を含む蓄電池ペーストから作製された蓄電池プレートを備える蓄電池の41℃を超える温度でのライフサイクルを増加させる、請求項1に記載の膨張剤。
  5. 請求項1に記載の膨張剤を組み込んだ蓄電池ペースト。
  6. 請求項5に記載の蓄電池ペーストから作製された蓄電池プレート。
  7. 蓄電池ペーストミックスを配合するステップ、および
    硫酸バリウム、炭素および有機材料を別々にまたは予備混合して蓄電池ペーストミックスに添加するステップ
    を含み、有機材料が耐熱分解性である、蓄電池ペーストを製造するための方法。
  8. 有機材料がリグノスルホネートである、請求項7に記載の方法。
  9. リグノスルホネートが、針葉樹材から作製された部分的に脱スルホン酸され、精製された高分子量リグノスルホン酸ナトリウムである、請求項8に記載の方法。
  10. 有機材料が、膨張剤を含む蓄電池ペーストから作製された蓄電池プレートを備える蓄電池の41℃を超える温度でのライフサイクルを増加させる、請求項7に記載の方法。
  11. 請求項7に記載の方法で作製された蓄電池ペースト。
  12. 請求項11に記載の蓄電池ペーストから作製された蓄電池プレート。
  13. 硫酸バリウム、
    炭素、
    第1の有機材料および
    耐熱分解性であることを特徴とする第2の有機材料
    を含む、蓄電池ペースト用の膨張剤。
  14. 第2の有機材料がリグノスルホネートである、請求項13に記載の膨張剤。
  15. リグノスルホネートが、針葉樹材から作製された部分的に脱スルホン酸され、精製された高分子量リグノスルホン酸ナトリウムである、請求項14に記載の膨張剤。
  16. 第2の有機材料が、膨張剤を含む蓄電池ペーストから作製された蓄電池プレートを備える蓄電池の41℃を超える温度でのライフサイクルを増加させる、請求項13に記載の膨張剤。
  17. 請求項13に記載の膨張剤を組み込んだ蓄電池ペースト。
  18. 請求項17に記載の蓄電池ペーストから作製された蓄電池プレート。
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