前述の概要、並びに本願記載の技術の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面と関連して読むとよりよく理解できるであろう。本願記載の技術を説明するために、図面に特定の実施形態を示す。しかしながら、本願記載の技術は、添付図面に示された構成および手段に限定されないことを理解されたい。
図1は、本願記載の発明の実施例による人工呼吸器システム100の図を示す。人工呼吸器システム100は、人工呼吸器装置110、流体供給源120、流体供給源接続130、患者回路接続140、送出装置150、出力弁170、及び入力又は吸気弁180を有する。図1に示したように、人工呼吸器システム100が、患者160に接続される。
流体供給源120は、流体供給源接続130によって人工呼吸器110に接続される。人工呼吸器110は、患者回路接続140によって送出装置150と接続される。送出装置150は、患者160に接続される。一実施形態では、送出装置150は、呼息ポート155及び/又は一方向弁157を有する。一方向弁157は、弁157を介して一方向の流体の流れのみを可能とする弁を有することができ、弁157に流れる流体の圧力が十分低下すると、弁157は閉じる。例えば、一方向弁157は、ダック・バルブ又はダックビル・バルブを含んでもよい。
流体供給源120は、人工呼吸器110を使用して患者160に送られる流体を保持する任意の容器を有してもよい。例えば、流体供給源120は、加圧気体のキャニスタを含んでもよい。一実施形態では、流体供給源120は、酸素の加圧キャニスタを有する。別の実施形態では、流体供給源120は、280kPa(40.6psi)〜600kPa(87.0psi)の酸素キャニスタを有する。別の実施形態では、流体供給源120は、最低40リットル/毎分の流量能力を有する344kPa(50.0psi)の酸素キャニスタを有する。別の実施形態では、流体供給源120は、高流量空気及び酸素混合機を有する。一実施形態では、流体供給源120は、直径指標安全機構(「DISS(diameter index safety system)」)継手を有する。流体キャニスタは、気体を2000以上などの高圧で収容し、流体調整器を使用して圧力を下げることによって280kPa(40.6psi)〜600kPa(87.0psi)の気体を送ることができる。
流体供給源接続130、即ち患者気道接続130は、流体供給源120及び吸気弁180に接続することができる任意の管又はホースを有する。例えば、流体供給源接続130は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)製の供給ホースを有してもよい。別の例では、流体供給源接続130は、ゴム製の供給ホースを有してもよい。
患者回路接続140は、出力弁170と送出装置150に接続可能な任意の管又はホースを有する。例えば、特許回路接続140は、波状管を有することができる。管は、エチレン酢酸ビニル(「EVA」)等の材料から製造することができる。
一実施形態では、患者回路接続160に使用される管は、互いに切り離してより短い管を形成することが可能な断片を有する連続片である。例えば、患者回路接続160は、任意の箇所で約6インチずつ切り離すことができ、従って、連続管から6インチ単位の任意の長さにすることができる。
図10は、本願記載の発明の実施例に従って患者回路接続160として使用することが可能な部分管930の2つの図910、920を示す。図9に示したように、もっと長い継続接続160(図920に示したように)から複数の管部分930(図910で示したように)を切り離してもよい。
送出装置150は、患者接続回路140を介して人工呼吸器110から流体を受け取り、流体を患者160に送るか又は提供することができる任意の機器、装置又はシステムを有する。例えば、送出装置150は、酸素マスク又は気管内挿入管を有することができる。一実施形態では、送出装置150は、内径22mmの酸素マスクを有する。別の実施形態では、送出装置150は、外径15mmの気管内挿入管を有する。
出力弁170は、人工呼吸器110と患者接続回路140の間で流体連通を提供することが可能な任意の出口、弁、接続又は開口を有する。例えば、出力弁170は、人工呼吸器110と患者接続回路140の間を接続して流体が人工呼吸器110から患者接続回路140に流れることを可能にする弁を有することができる。一実施形態では、出力弁170は、22mmの接続バルブを有する。一実施形態では、出力弁170は、窒息防止弁を有する。
入力弁180は、流体供給源接続130と人工呼吸器110の間の流体連通を提供することが可能な任意の出口、弁、接続又は開口を有する。例えば、入力弁180は、流体供給源接続130と人工呼吸器110の間で接続を提供し、流体が流体供給源接続130から人工呼吸器110に流れることを可能にする弁を有することができる。一実施形態では、入力弁180は、DISS継手を有する。一実施形態では、入力弁180は、フィルタを有する。例えば、入力弁180は、65ミクロンの焼結銅フィルタを有することができる。
動作において、流体供給源120と人工呼吸器110は、流体供給源接続130の両端に接続される。流体供給源接続130は、人工呼吸器110に取り付けられた入力弁180に接続することができる。
人工呼吸器110と送出装置150は、患者回路接続140の両端に接続される。患者回路接続140は、人工呼吸器110に取り付けられた出力弁170に接続することができる。
ユーザは、吸気時間(「It」)を選択する。ユーザが吸気時間をどのように選択するかの詳細については後述する。簡単に言うと、ユーザは、人工呼吸器110の1つ又は複数のボタンを使用して複数の吸気時間のうちの1つを選択する。一実施形態では、ユーザは、1又は2秒の吸気時間を選択する。例えば、ユーザは、必要一回呼吸量が600mL以下の子供又は大人に人工呼吸器110を使用するために1秒の吸気時間を選択することができる。別の例では、ユーザは、必要一回呼吸量が400mLを超える大人に人工呼吸器110を使用するために2秒の吸気時間を選択することができる。
ユーザは、また、毎分呼吸数(「BPM」)を選択する。ユーザがどのようにBPMを選択するかの詳細については後述する。簡単に言うと、ユーザは、人工呼吸器110の1つ又は複数のボタンを使用して複数のBPMのうちの1つを選択する。一実施形態では、ユーザは、8〜30のBPMを選択する。一実施形態では、ユーザによって選択された吸気時間に基づいて利用可能なBPMの範囲を制限することができる。例えば、吸気時間が1秒の場合、利用可能なBPM範囲は8〜30又は12〜20でよい。別の例では、吸気時間が2秒の場合、利用可能なBPMの範囲は8〜20又は8〜12でよい。
ユーザはまた、一回呼吸量(「Tv」)を選択する。選択された一回呼吸量は、人工呼吸器110又は患者150を通る流体の流量を決定する。ユーザが一回呼吸量をどのように選択するかの詳細については後述する。簡単に言うと、ユーザは、人工呼吸器110のつまみを使用して複数の一回呼吸量のうちの1つを選択する。一実施形態では、選択された吸気時間に基づいて、利用可能な一回呼吸量及び対応する流量が制限される。例えば、ユーザが選択できる一回呼吸量設定及び対応する流量は、下記の表に示したものに制限することができる。
次に、ユーザは、患者接続回路140と送出装置150を使用して人工呼吸器110を患者160に接続する。次に、人工呼吸器110は、患者160に一回呼吸量を、選択されたBPMで提供する。一実施形態では、患者160が、自発的、即ち自分自身で呼吸し始めた場合、出力弁170に含まれる窒息防止弁が、周囲空気を弁170を介して引き込むことを可能にする。別の実施形態では、患者の自発呼吸を検出できるセンサが出力弁170に追加されてもよい。そのようなセンサは、出力弁170内の負圧を検出することによって自発呼吸を検出することができる。そのように負圧が検出されたとき、人工呼吸器110は、特定の一回呼吸量を患者160に提供し、自発呼吸がされた後で特定のBPMで継続するタイミングを調整する。
一実施形態では、人工呼吸器110は、複数の警報を有する。例えば、人工呼吸器110は、患者接続回路130(即ち、患者気道接続130)内の流体又は気体圧力がしきい値(即ち、上側気道内圧しきい値)を超えたとき、患者接続回路130(即ち、患者気道接続130)内の流体又は気体圧力がしきい値(即ち、下側気道内圧しきい値)より下がったとき、供給源120によって供給される流体の圧力又は気体圧力がしきい値(即ち、供給源圧しきい値)より下がったとき、及び/又は人工呼吸器110の電源のレベルがしきい値(即ち、電源しきい値)より下がったときに作動する1つ又は複数の警報を備えることができる。これらのしきい値のうちの複数が、同じ数値でもよく、他のしきい値と異なってもよい。これらの警報がどのように機能するかの詳細は、後でより詳しく述べる。各警報は、光やブザー等の視覚的及び/又は聴覚的通知を有することができる。一実施形態では、人工呼吸器110は、制御パネル210又は警報パネル220上に、1つ又は複数の作動した警報を停止するボタン又はスイッチを有することができる。例えば、時間制御ボタン216又はBPM制御ボタン218と類似のボタン又はスイッチを押して、警報として働くランプを消したりブザーを止めたりすることができる。一実施形態では、警報を停止するボタン又はスイッチを押すと、警報が、所定の期間一時的に止まる。所定の期間後に、警報が最初に作動したイベントが改善されなかった場合は、警報は再び作動する。別の実施形態では、警報を止めるボタン又はスイッチを押すと、聴覚的警報は止まるが視覚的警報は止まらない。
一実施形態では、患者接続回路130内の流体又は気体圧力のしきい値又は上側気道内圧しきい値は、52cmH2O(5.1kPa)以下である。即ち、上側気道内圧しきい値は、52cmH2O(5.1kPa)以下である。例えば、しきい値は、52cmH2O(5.1kPa)でよい。
一実施形態では、人工呼吸器110は、安全圧力除去機構を有することができる。この機構は、内圧が上側気道内圧しきい値を超えたときに人工呼吸器110内の圧力を逃すことができる。安全圧力除去機構は、圧力除去板、ばね、及び出口ポートで実施することができる。例えば、安全圧力除去機構は、装置434と図6に関して後述する圧力除去板630、ばね635、及び出口ポート640で実施することができる。
一実施形態では、患者気道接続130内の圧力がしきい値を超えたときに生じる警報は、上側気道内圧がしきい値より低い状態で所定の長さの時間が過ぎたときに終了するか消される。換言すると、接続130内の圧力が、上側気道内圧しきい値を超えた後は、警報が作動し作動したままになる(即ち、ユーザへの聴覚的及び/又は視覚的通知を継続する)。警報は、圧力が上側気道内圧しきい値より下がって、所定の長さの時間しきい値より低い状態になるまで、作動し続ける。例えば、圧力が、25秒間52cmH2O(5.1kPa)のしきい値より低くなる場合、警報は終了するか消される。
一実施形態では、患者接続回路130内の流体又は気体圧力の下側気道内圧しきい値は、5cmH2O(493Pa)である。更に、警報が作動するまでに患者接続回路130内の流体圧力がしきい値以下でなければならない最小時間枠があってもよい。例えば、警報は、患者接続回路130内の圧力が少なくとも15秒間5cmH2O(493Pa)以下になるまで作動しないように設定されてもよい。
一実施形態では、警報は、供給源120から供給された流体又は気体の圧力が、40psi(275kPa)のしきい値より下がったときに作動する。別の実施形態では、このしきい値は、38psi(262kPa)である。更に、警報は、この圧力が所定の長さの時間、所定のしきい値より高くなるまで作動し続けてもよい。一実施形態では、この時間の長さは15秒である。
一実施形態では、人工呼吸器110の電源レベルがしきい値より低下したときに作動する警報は、電源に残された電力が最小時間になったときに作動する。即ち、警報は、電源が人工呼吸器110に電力を最小時間しか供給できないときに作動する。最小時間は、電源に残っている人工呼吸器110を最小時間運転できる電圧レベルを決定することにより計算することができる。一実施形態では、この最小時間は、2時間である。換言すると、この警報は、電池電源が人工呼吸器110に2時間しか電力供給し続けることができないときに作動する。別の実施形態では、警報は、電源内の残りの電圧がしきい値以下に低下したときに作動する。例えば、警報は、1つ又は複数の電池電源に所定の電圧が残っているときに作動することができる。これらの電源警報は、電源が補充されて電源に所定の最小限の時間又は電圧が残っているときに停止又は消すことができる。
一実施形態では、これらの警報の1つ又は複数は、ライト等の視覚的標識である。例えば、警報は、警報が作動したときに点灯し警報が作動しないときに点灯しない発光ダイオード(「LED」)でもよい。別の実施形態では、これらの警報の1つ又は複数は、聴覚的通知である。例えば、警報は、警報が作動したときには鳴り、警報が作動しないときには静かな、信号音又は繰り返しブザー音でよい。
図2は、本願記載の発明の実施例による人工呼吸器110の図を示す。人工呼吸器110は、制御パネル210、警報パネル220、オン/オフ・スイッチ230、一回呼吸量制御つまみ240、及び電源扉250を有する。
制御パネル210は、BPM表示窓212、気道内圧窓214、吸気時間制御ボタン216(吸気ボタン216とも呼ばれる)、及びBPM制御ボタン218(BPMボタン218とも呼ばれる)を有する。吸気ボタン216とBPMボタン218それぞれに2個のボタンしか示されていないが、本願記載の発明の実施例によれば、どちらの組のボタンにももっと多数のボタンを使用することができる。
警報パネル220は、1つ又は複数の警報の1つ又は複数の視覚的標識を有する。図2に示した実施形態では、警報パネル220は、気道内圧上昇警報用、供給気体(即ち、流体圧力)低下警報用、及び電池(即ち、電源)低下警報用のそれぞれを示す、3つのLEDを有する。更に、圧力低下警報を示すためにLEDの1つ以上が点滅してもよい(患者気道接続130内の流体又は気体圧力が、所定量の時間しきい値より低下したままになるなど)。例えば、この時間は15秒であるが、他の時間を使用することもできる。
図3は、本願記載の発明の実施例による人工呼吸器110の電源室310の図を示す。電源室310は、電源を保持し人工呼吸器110に電気接続するように構成された人工呼吸器110の陥凹部である。一実施形態では、電源扉250を取り外すことにより電源室310を操作することができる。例えば、電源室310は、図3に示すように、1つ又は複数の電源320用の電気接続又は電線520を備えた凹部を有することができる。
一実施形態では、装置110は、比較的少量の電圧又は電流から動作できる電気的タイミング・システム又は装置(後でより詳細に説明する)を有する。例えば、電気的タイミング装置は、3.0ボルト以下の直流で動作することができる。
一実施形態では、電源320は、アルカリ電池を有する。例えば、電気的タイミング装置は、2つのアルカリ単一電池によって供給される電圧又は電流で動作することができる。タイミング装置が一般的なアルカリ電池で動作できるようにすることによって、緊急事態に人工呼吸器装置110用の電源320を入手することがかなり容易になる。更に、既存の人工呼吸器は、電源として鉛蓄電池を使用する。これらの電池は、アルカリ電池よりも大きくて重く入手し難い。2つのアルカリ単一電池を使用できるが、他のタイプ及び組み合わせの電池も使用することができる。例えば、1つのアルカリ若しくはリチウム電池(即ち、電圧を提供できる他の電池)、又は人工呼吸器110を操作するのに必要な最小電圧を提供することができる電池の任意の組み合わせを使用することができる。一実施形態では、1つ又は複数の電池によって3ボルト以下の電圧を人工呼吸器110に供給することができる。この電圧は、電圧逓昇回路によって逓昇されてもよい。代替として、人工呼吸器110は、1つ又は複数の電池によって3ボルトより高い電圧が供給されてもよく、電圧逓昇回路を必要としない。
一実施形態では、流体供給源120が8時間経つまでなくならないと仮定すると、電源320により、人工呼吸器110のタイミング装置は、室温で少なくとも8時間動作することができる。好ましい実施形態では、電源320は、タイミング装置が、室温で少なくとも8時間動作し続けることを可能にし(この場合も、流体供給源120がそれ以前に空にならないと仮定する)、より好ましい実施形態では、電源320の役割をする2つのアルカリ電池(例えば、アルカリ単一電池等)により、タイミング装置が、室温で少なくとも8時間動作し続けることができる(この場合も、流体供給源120がその前に空にならないと仮定する)。
一実施形態では、流体供給源120が12時間経つまでなくならないと仮定すると、電源320によって人工呼吸器110のタイミング装置は室温で少なくとも12時間動作することができる。好ましい実施形態では、電源320により、タイミング装置は、室温で少なくとも12時間動作し続けることができる(この場合も、流体供給源120がその前に空にならないと仮定する)。より好ましい実施形態では、電源320の役割をする2つのアルカリ電池(例えば、アルカリ単一電池等)により、タイミング装置は、室温で少なくとも12時間動作し続けることができる(この場合も、流体供給源120がそれ以前に空にならないと仮定する)。
更に好ましい実施形態では、電源320により、タイミング装置は室温で少なくとも48時間動作することができる(この場合も、流体供給源120がそれ以前に空にならないと仮定する)。更に好ましい実施形態では、タイミング装置は、電源320によって室温で少なくとも48時間動作し続けることができる(この場合も、流体供給源120がそれ以前に空にならないと仮定する)。更に好ましい実施形態では、タイミング装置は、電源320の役割をする2つのアルカリ電池(例えば、アルカリ単一電池等)によって室温で少なくとも48時間動作し続けることができる(この場合も、流体供給源120がそれ以前に空にならないと仮定する)。「動作している」と「動作する」ことによって、電源320は、人工呼吸器110が1つ又は複数の呼吸を患者160に送出できる十分な電力を人工呼吸器110に提供する。
一実施形態では、回路514を作動又は停止するオン/オフ・スイッチ230が使用される。即ち、スイッチ230を押して人工呼吸器110を「オン」にしたとき、電源320から回路514に電力が供給される。これと反対に、スイッチ230を押して人工呼吸器110を「オフ」にしたとき、電源320から回路514に電力が供給されなくなる。
図12は、本願記載の発明の実施例による人工呼吸器110の分解図を示す。人工呼吸器110は、複数のパネル1210、1220及び1230と、複数のねじ1240と、電源320と、複数の電気接点1250と、人工呼吸器110ハウジングの2つの半体400及び500と、複数のクリップ1260と、出力弁170と、窒息防止弁1270と、複数のワッシャ1280と、圧力除去弁1290と、ねじカバー1212と、エルボ継手1214と、ボールとばねの組み合わせ435と、調整器コネクタ1216と、回路514と、流量制御装置434と、調整器414と、入力/吸気弁180と、ソレノイド416と、Yコネクタ420と、ソレノイドあご部436と、図柄1218と、つまみ240と、制御パネル210と、警報パネル220と、Oリング1282とを有する。人工呼吸器110は、また、1つ又は複数のフィルタ1284及び/又はナット1286を有することができる。フィルタ1284は、人工呼吸器110の入力又は出力口に挿入することができる。例えば、フィルタ1284を入力弁180に挿入して、入力弁180を介して人工呼吸器110に供給される流体中の一部又は全ての不純物をフィルタリングすることができる。
パネル1210、1220及び1230を組み合わせて電源扉250を形成することができる。
複数のねじ1240の幾つかは、幾つかの機能を実行するように構成される。例えば、ねじ1240を使用して、(a)パネル1210、1120及び1230を合体して電源室310を取り囲み、(b)クリップ1260を使用して人工呼吸器の半体400、500を合体させ、(c)ソレノイド416を人工呼吸器ハウジング400の半体内の適所に保持し、(d)つまみ240を突起610に接続し、かつ/又は(e)流量制御装置434をハウジング400に取り付けることができる。図12に示したように、異なるサイズ及び長さのねじ1240を使用して、前に挙げた様々な機能や他の機能を実現することができる。更に、1つ又は複数のねじ1240を1つ又は複数のナット1286と組み合わせて使用して、図12に示したようなより確実な接続を実現することができる。
電気接点1250はそれぞれ(又は、同時に)、電源320から電線520に電力を送ることを可能にするように構成される。例えば、電気接点1250は、電源320として電池の電極と電線520とに接続された導電材料(金属等)の一部分でよい。
複数の様々なワッシャ1280は、図12に示したようにそれぞれ嵌められるか当てられた構成要素のまわりのシールを改善しかつ/又は1つ又は複数のねじ1240を適所に保持するように構成され配置される。また、図12に示したように、ワッシャ1280は、人工呼吸器110内の様々なサイズの構成要素、穴、又はねじ1240に対応する異なるサイズでよい。
Oリング1282は、つまみ240のまわりを部分的又は完全に密封するために配置される。図12に示したようにOリング1280を配置することによって、Oリング1282は、水や他の流体がつまみ240の近くで人工呼吸器110に入るのを妨げる及び/又は防ぐことができる。
ねじカバー1212は、ソレノイド416を適所に保持するねじ1240の上に配置されるように構成される。カバー1212は、これらのねじ1240を覆って、ねじ1240の静電放電及び/又は不正操作を防ぎ、また外観の審美性を高めることができる。
調整器コネクタ1216は、調整器414から管426までの流体連通路を提供するように構成される。取り付け具1214は、コネクタ1216と類似の別のコネクタである。取り付け具1214は、一端にあご部を有し他端にねじ山を有するエルボを構成する。取り付け具1214は、異なるねじ山サイズを有するコネクタ1216と同一でよい。あご部は、管や取り付け具1214の他の穴等の出口を有する。
図柄1218は、ユーザが、装置434を通る所望の流量を得るために、つまみ240を回す方向と、つまみ240をどれだけ回せばよいか知ることができる視覚的参照マークを提供するように構成される。換言すると、図柄1218は、図1と図2に示したように、つまみ240を所定の位置まで回すことによって選択されたオリフィス622に対応する流量の印を有することができる。
窒息防止弁1270は、接続回路140を介して患者160が外部大気(例えば、空気)を吸うことを可能にするために開くことができる弁である。弁1270は、患者160が自分自身で呼吸しようとし、そのときに人工呼吸器110が電源を切られているか、あるいは患者160に呼吸を送ることができない場合、患者160に外部大気のみを提供するように構成されてもよい。
弁1290は、人工呼吸器110内の圧力の上昇を妨げるか防ぐことができる弁である。例えば、人工呼吸器110によって患者160に提供される流体が、人工呼吸器110の内部に漏れる可能性がある。これが起きたとき、人工呼吸器110内の流体圧力が上昇する可能性がある。圧力のこの上昇によって人工呼吸器110又は人工呼吸器110内の任意の構成要素が破壊されるのを防ぐために、弁1290は、流体圧力が所定のしきい値を超えたときに開き、人工呼吸器110内の流体を周囲の大気に放出できるようにする。
ボールとばねの組み合わせ435は、ばねの一端に接続されたボールを有する。組み合わせ435は、組み合わせ435のボールが装置434から突き出るように流量制御装置434に挿入される。つまみ240は、つまみ240の裏側に複数のくぼみを有することができる。これらのくぼみは、つまみ240上の複数の印242それぞれ(後でより詳細に説明する)と一致するように配置されることが好ましい。つまみ240を回すことによって、ボールとばねの組み合わせ435は、ボールをつまみ240のくぼみに押し付ける。組み合わせ435がくぼみを通過するとき、つまみ240を回しているユーザは、ボールが各くぼみに押し付けられるように感じ且つ/又は音を聴くことができる。更に、ボールとばねの組み合わせ435は、所望の位置に回されたときにつまみ240を適所に保持することができる。
図12の残りの構成要素の機能と位置は、以下に述べかつ/又は添付図面に示される。
図4は、本願記載の発明の実施例による人工呼吸器110内部の図を示す。図4Aは、本願記載の発明の実施例による人工呼吸器110のハウジング400の一方の半体と、人工呼吸器110の内部の図を示す。図4Bは、本願記載の発明の実施例による人工呼吸器110のハウジング500と、人工呼吸器装置110の内部の他方の半体の図を示す。
人工呼吸器装置110の内部400,500は、圧力調整器414と、ソレノイド416と、複数の管(第1の管418、第2の管422、第3の管424、第4の管426、第5の管518、第6の管432、及び第7の管415と呼ばれる)と、管コネクタ420と、1つ又は複数のソレノイド416制御電線428と、流量制御装置434と、1つ又は複数の電源320電線520と、1つ又は複数の電気回路514と、穴172,512と、複数のセンサ(第1のセンサ516及び第2のセンサ522と呼ばれる)と、複数のクリップ1260とを有する。回路514は、回路514が1つ又は複数の電気回路を含むかどうかに関わらず回路514と呼ばれる。
第1のセンサ516は、測定圧力が特定の範囲内にあるときに閉じるように構成された圧力スイッチを有することができる。例えば、第1のセンサ516は、測定圧力が38〜40psi(262〜275kPa)のときに閉じる圧力スイッチを含んでもよい。前述の供給圧力不足警報用に第1のセンサ516を監視することができる。一実施形態では、第1のセンサ516は、Presairtrolによって製造され、部品番号CSPEGA−10PR(60 4)によって指定されたスイッチ等のプリント回路基板取り付け式圧力及び真空スイッチを有することができる。
第2のセンサ522は、ある範囲の圧力を測定し出力として電圧信号を提供することができる圧力センサを有することができる。例えば、センサ522は、0〜60cmH2O(0〜5.9kPa)の範囲の圧力を測定することができる。一実施形態では、第2のセンサ522は、Freescale Semiconductor, Inc.によって製造され、商品番号MPXV4006Gを有するセンサのような一体型シリコン圧力センサを有することができる。
前述のように、流体供給源120は、流体供給源接続130と吸気弁接続180を介して人工呼吸器110に接続される。調整器414は、吸気弁180に接続される。調整器414は、ソレノイド416と第4の管426にも接続される。調整器414は、管426によってセンサ516に接続される。
ソレノイド416は、管415、1つ又は複数の電線428、及び第1の管418を使用して、調整器414に接続される。ソレノイド416は、電線428によって回路514に電気接続される。ソレノイド416は、第1の管418、コネクタ420、第2の管422、及び第3の管424を介して流量制御装置434に接続される。
コネクタ420は、第1の管418を第2及び第3の管422,424と接続する。一実施形態では、コネクタ420は、Yコネクタである。
流量制御装置434は、一回呼吸量制御つまみ240、第2の管422、第3の管424、第6の管432、及び出力弁170に接続される。流量制御装置434は、管418、422及び424並びにコネクタ420によってソレノイド416に接続される。流量制御装置434は、管432によって回路514及びセンサ516に接続される。流量制御装置434はまた、出力弁170、患者回路接続140及び送出装置150によって患者160に接続される。
図5は、本願記載の発明の実施例による流量制御装置434の幾つかの図530、540、550及び560を示す。図530は、流量制御装置434の後面と上面の斜視図である。図540は、装置434の前面と上面の斜視図である。図550は、装置434の側面の平面図である。図560は、装置434の後面の平面図である。
図6は、本願記載の発明の実施例による流量制御装置434の断面図を示す。流量制御装置434は、つまみコネクタ610、オリフィス制御管615、オリフィス板620、オリフィス接続625、圧力除去板630、ばね635、圧力除去出口ポート640、ダイヤフラム弁645、呼息ポート650、入力ポート655、及び出口ポート660を有する。装置434の内部はまた、複数のチャンバと、加圧流体を通すことができる管とを有する。これらのチャンバと管は、入力チャンバ665、第1の管670、中間チャンバ675、第2の管680、及び第3の管685を有する。
一実施形態では、オリフィス接続625は、1つ又は複数のOリングが取り囲む接続625によって密閉される。これらのOリングは、流体が接続625の中ではなく周りを通るのを防ぐか又は妨げることができる。
つまみコネクタ610は、つまみ240と接続することができる任意の物体又は突起を有する。例えば、コネクタ610は、つまみ240を回すことでコネクタ610が回転するようにつまみ240の内側に嵌る物体を有してもよい。
つまみコネクタ610は、管615に接続される。管615はまた、オリフィス板620に接続される。このようにして、管615は、つまみコネクタ610をオリフィス板620に接続する。コネクタ610に接続されたときにつまみ240を回すことにより、コネクタ610、管615及びオリフィス板620も回転する。一実施形態では、複数のコネクタ610、管615、及びオリフィス板620は、同じ材料から一体的に形成される。即ち、複数のこれらの構成要素は、単一物体の一部であり、物体を破損したり破壊したりしないと互いに切り離すことができない。
入力ポート655は、第1のチャンバ665と流体連通した状態である。「流体連通」又は「流体接続」は、流体が、そのように接続された構成要素、チャンバ及び/又は管を通ることができることを意味する。従って、加圧されたO2等の流体が、入力ポート655から第1のチャンバ665まで通ることができる。一実施形態では、入力ポート655は、管422に接続することができる。このようにして、管422内を通る流体は、第1のチャンバ665に入ることができる。
第1のチャンバ665は、オリフィス接続625によって第1の管670と流体連通する。オリフィス接続625は、オリフィス板620を所定の位置まで回転させることによって選択されるオリフィスを有する。より詳細に後述するように、オリフィス板620は、異なる直径を有する複数のオリフィス622を有する。
第1の管670は、中間チャンバ675と流体連通した状態である。一実施形態では、装置434は圧力除去装置を有する。圧力除去装置は、圧力除去板630、ばね635、及び圧力除去出口ポート640を有する。圧力除去装置は、装置434内の圧力の上昇を除去する働きをする。装置434内を通る流体の圧力は、上昇して板630をばね635に押し付ける可能性がある。流体圧力が、板630を流体圧力に押し付けるばね635の力に打ち勝つほど大きくなると、板630は、出口ポート640の方に近づく。中間チャンバ675内の流体が出口ポート640から出ることができるほど出口ポート640が十分に離れたとき、装置434内の圧力は低下することができる。中間チャンバ675内の流体圧力は、板630を流体圧力に押し付けるばね635の力が流体圧力に打ち勝つまで減少し続ける。その時点で、板630は、中間チャンバ675から出口ポート640への流体の経路を閉じ、流体は、中間チャンバ675から第2の管680に移動する。
流体は、第2の管680から第3の管685と出口ポート660まで流れる。出口ポート660は、弁170に接続するように構成される。流体は、出口ポート660に流れ込み、弁170を介して患者接続回路140に流れ込むことができる。
図11は、本願記載の発明の実施例によるオリフィス板620を示す。図11に示したように、オリフィス板620は、異なる直径をそれぞれ有する複数のオリフィス622を有する。各オリフィス622の直径が、オリフィス板620内の流体の流量に影響を及ぼすことができるので、流体が装置434内を通るオリフィス622を変更することによって、患者160に送られる流体の流量を変化させることができる。即ち、板620を複数の位置のいずれかまで回転させることによって、複数のオリフィスをそれぞれ、チャンバ665と管670の間の接続(即ち、オリフィス接続625)を提供する位置に配置することができる。ユーザが回すつまみ240によって、接続625に使用されるオリフィスの直径が変化するので、装置434と人工呼吸器110を通る流体の流量を変化させることができる。一実施形態では、オリフィス板620は、オリフィス622が存在しない1つ又は複数の位置を板620上に有することができる。即ち、オリフィス622を通常ある位置に配置する代わりに、板620がその位置に固定されてもよい。この位置がオリフィス接続625と並んだとき、装置434を通る流体の流れを妨げるか又は遮断することができる。
本願記載の発明の実施例では、装置434は、装置434を通る流体の圧力を測定するのに有効な出口ポート690を有する。図10に示したように、出口ポート690は、管680と流体連通している。管680内を流れる流体は、出口ポート690も通ることができる。後述するように、出口ポート690内を流れる流体は管432に流れ込み、この管432は、センサ522が装置434及び/又は患者接続回路(即ち、患者気道接続)140内の十分な流体をセンサ522に導き、その結果センサ522が、接続回路140及び/又は装置434内の流体圧力を測定できるように構成される。
図4、図4A、図4B、及び図5に示したように、ポート650、655及び690はそれぞれ、管424、422及び432に接続することができる。即ち、管424をポート650上に配置して、ポート650と少なくともコネクタ420との間に流体連通を確立することができる。同様に、管422をポート655上に配置して、ポート655と少なくともコネクタ420との間に流体連通を確立することができる。また、管432をポート690上に配置して、ポート690とセンサ522との間に流体連通を確立することができる。これらの接続を行うことにより、流体が人工呼吸器110の全体に移動することができる。例えば、流体は、ソレノイド416から出て管422を通ることができる。管422がポート655に接続されるので、流体は、ポート655を介して装置434に入ることができる。
一実施形態では、圧力除去出口ポート640は、どの管又はコネクタにも接続されない。その代りに、出口ポート640は、ポート640と並んだ1つ又は複数の穴又は他の出口を介して人工呼吸器110の内側又は人工呼吸器110の外側に流れを導くことができる。
つまみ240と穴512は、人工呼吸器110の2つの半体400、500が組み合わせられるか閉じられたときに、図1に示したような人工呼吸器110を構成する。つまみ240は、穴512から操作可能でもよい。
弁170と穴172は、人工呼吸器110の2つの半体400、500が組み合わせられるか閉じられたときに、図1に示したような人工呼吸器110を構成する。弁170は、穴172から操作可能でもよい。
電線520は、1つ又は複数の電源320を回路514に接続する。センサ516、522はそれぞれ、回路514又はその一部に接続される。一実施形態では、回路514は、1つ又は複数の電気回路を収容するプリント回路基板(「PCB」)である。回路514にPCBを使用すると、人工呼吸器110の電気構成要素は、PCBではない電気構成要素を有する既存の人工呼吸器より耐久性が高くなる。更に、PCBにエポキシ樹脂を噴霧するか又は他の方法で被覆して、回路514従って人工呼吸器110の強度と耐久性を更に高めることができる。
一実施形態では、回路514は、1つ又は複数の計測量を1つ又は複数のしきい値と比較して、前述のいずれかの警報を作動させる必要があるかどうかを決定することができる。例えば、回路514は、電線520によって電源320に接続される。この接続から、回路514は、電力を取得し、電源320に残っている電圧、電流又は時間を測定することができる。一実施形態では、回路514は、電源320に残っている電圧を比較し、この電圧を以前の検査結果と比較することによって、残りの時間を計算することができる。以前の検査結果は、人工呼吸器110が、所定の残存電圧でどれだけ長く動作できるかの検査を含むことができる。例えば、検査の際に、電源320に残っている所定電圧から、人工呼吸器110が2時間の動作が可能である。回路514は、電源320に存在する電圧を比較し、それを2時間の動作に必要な最小電圧と比較することによって、残りの時間の長さを計算することができる。
別の例では、センサ516,522の1つ以上は、流体圧力を決定又は測定し、圧力を回路514に通信することができる。次に、回路514は、圧力を1つ又は複数のしきい値(前述)と比較し、1つ又は複数の警告を作動させることができる。
一実施形態では、回路514は、電圧逓昇回路を有する。電圧逓昇回路は、電源320から回路514への供給電圧を高めることができる。例えば、回路514は、2つのアルカリ単一電池によって供給された3.0ボルトの電圧を5.0ボルトに高める電圧逓昇回路を含んでもよい。次に、選択された電気構成要素に5.0ボルトを印加することができる。
更に、一実施形態では、回路514は、BPMボタン218及び吸気ボタン216と通信可能である。例えば、回路514とボタン216,218の間の電気接点又は接続は、そのような通信を提供することができる。回路514は、ユーザが簡単にプログラムすることができるプログラマブル・ロジック機能を有することができる。例えば、回路514は、1つ又は複数のプロセッサ又はマイクロプロセッサを有することができる。
回路514は、ユーザ押しボタン216及び/又は218によって制御することができる。より詳細に後述するように、ユーザは、ボタン218を使用して、患者160に施されるBPMを増減することができる。ボタン218のいずれかが押されたとき、回路514は、患者160に供給される流体のBPM(即ち、頻度)を変更する。一実施形態では、回路514は、また、選択されたBPMを表示窓212に照明又は表示することができる。
ユーザはまた、吸気ボタン216を使用して、人工呼吸器110によって患者160に施す気時間を制御することができる。ボタン216のどれか一方を選択することによって、ユーザは、例えば、成人又は成人サイズの患者160用に必要とされるより長い吸気時間か、又は子ども又は子どもサイズの患者160用に必要とされるより短い吸気時間を選択することができる。ユーザがボタン216の一方を選択するとき、回路514は、人工呼吸器110によって患者160に施す流体の吸気時間を変更する。更に、人工呼吸器110は、選択された吸気時間を表示することができる。例えば、回路514は、ボタン216が選択されたときに、ボタン216の隣に1つ以上のランプ又はLEDを点灯することができる。
動作において、前述のように、流体供給源120は、人工呼吸器110に接続される。流体供給源120は、加圧気体等の流体を吸気弁180を介して人工呼吸器110に供給するために、開かれるか又は他の方法で使用可能にされる。流体が人工呼吸器110に入った後で、流体は、調整器414に導かれる。調整器414は、人工呼吸器110の入力流体圧力を調整する。一実施形態では、調整器414は、入力流体の圧力を低下させる。例えば、調整器414は、入力流体圧力を40psi(275kPa)まで段階的に下げることができる。更に、調整器414は、より均一な圧力をオリフィス板622に提供する働きをすることができる。オリフィス板622に、より均一な圧力をかけることにより、供給源120から供給される流体の圧力が変化する場合に、人工呼吸器110内の流体の流量をより安定させることができる。
流体の一部分は、調整器414からセンサ516に流れる。一実施形態では、センサ516は、人工呼吸器110に入る流体の圧力を測定するか又は他の方法で決定する。センサ516は、この圧力を測定して、供給源120によって供給される流体の圧力が、前述の供給源圧力しきい値より低下したかどうかを判定することができる。一実施形態では、センサ516は、電源320によって電源供給される。圧力がこのしきい値より低下した場合、センサ516は、このイベントを回路514に通信することができ、このイベントは、次に警報を作動させることができる。例えば、供給源流体の圧力が40psi(275kPa)より下がった場合に、警報パネル220上の「供給ガス不足警報」の隣のランプが点灯することができる。
流体の一部分はまた、調整器414からソレノイド416にも流れる。ソレノイド416は、人工呼吸器110まで通る流体の流れを止めるか可能にすることができる弁として働く。例えば、ソレノイド416は、少なくとも2つの位置の間で動くことができるピストンを有する。一実施形態では、ピストンの一方の位置は、流体がソレノイド416を通過し管418を流れることを可能にし、ピストンの別の位置は、この流体の流れを妨げるか又は完全に止める。
図7及び図8は、本願記載の発明の実施例によるソレノイド416の概略図を示す。図7及び図8は、ソレノイド416の動作の一実施形態の単純化した図を示す。同じ開始/停止機能(人工呼吸器110を通る流体の流れに対して)を実現するソレノイド416の他の動作方式もまた、本願記載の発明の実施例の範囲内である。
ソレノイド416は、ピストン610、流体流路620、及びピストン移動経路630を有する。一実施形態では、ピストン610は、第1の位置(図7に示され、「開」位置と呼ばれる)と第2の位置(図8に示され、「閉」位置と呼ばれる)の間で動くことができる。ピストン610は、電源320及び/又は回路514によって供給される電圧差を使用して第1と第2の位置の間で動くことができる。一実施形態では、1.5ボルトの電位差によって、ピストン610は第1の位置と第2の位置の間、即ち開位置と閉位置の間で動く。電圧差従ってソレノイド416の制御は、回路514に接続された電線418によって提供することができる。
ピストン610が開位置にある間、流体は、人工呼吸器110から患者160に送られる。流体は、ピストン610がほぼ流路620から出る状態で流体流路620を介してソレノイド416を通る。
ピストン610が閉位置にあるとき、流体は患者160に送られないか、流体の流れがかなり妨げられる。即ち、流体流路620は、ピストン610によって部分的から完全に閉鎖される。換言すると、閉位置では、供給源120から患者160への全ての流体の流れは完全に阻止されないが、閉位置では、ソレノイド416は、流体の大部分の流れが患者160に届くのを阻止する。一実施形態では、流路620を通る全ての流体の流れは、ソレノイド416が閉位置にあるときにソレノイド416によって阻止される。そのような実施形態では、図4及び図4Aに示したように、ソレノイド416はあご部436を有する。あご部436は、管やソレノイド416の他の穴等の出口である。あご部436は、接続140内の圧力を逃すことができかつ送出装置150が開いて患者160が呼気することを可能にする出口ポートを提供する。
一実施形態では、ピストン610は、開位置と閉位置にだけ位置することが可能である。即ち、ピストン610は、開位置と閉位置の中間に位置することができない。そのような実施形態では、ソレノイド416は、人工呼吸器110を通る流体を流すか阻止/妨害することしかできない。換言すると、ソレノイド416は、開位置と閉位置以外の位置をとることができない。
流体がソレノイド416を通った後(ソレノイド416が開位置にあると仮定して)、流体は、管418を通ってコネクタ420まで流れる。流体がコネクタ420に達した後で、流体は、コネクタ420を通って管422及び424に達する。流体は、管422,424から、流量制御装置434まで進む。その際に、流体の経路は、まずソレノイド416を通り、次に流量制御装置434内を通る。換言すると、ソレノイド416は、流量制御装置434の「上流」にあり、流量制御装置434は、ソレノイド416の「下流」である。
ソレノイド416と流量制御装置434は一緒に動作して、患者160が呼気しやすくすることができる。図13は、本願記載の発明の実施例による流量制御装置434の断面図を示す。図13に示した装置434は、図5及び図6に示した実施形態と類似している。1つの違いは、図13の装置434が、ダイヤフラム弁645のまわりの小室を流量制御装置434のまわりの大気と繋げる穴647を有することである。穴647は、ダイヤフラム弁645の開閉を支援することができる。穴647とダイヤフラム弁645は組み合わせで一緒に動作して、患者接続回路140を通気し、従って患者160が呼気しやすいようにすることができる。
動作において、ソレノイド416が開位置にあるとき、流体は、ソレノイド416からポート650及び655に流れる。流体がポート650に流れ込むとき、流体は、ダイヤフラム弁645を押して閉じる。ダイヤフラム弁645が閉じられたとき、流体は通過できず、即ち、流体はポート650から管685及び穴647に通ることが阻止される。その代わり、流体は、管685から出口ポート660に通り、次に患者接続回路140に流れ込む。流体が接続回路140を通るとき、一方向弁157は開いたままになって、患者接続回路140と送出装置150を介して流体を患者160に提供することができる。
ソレノイド416が閉位置にあるとき、流体は、ソレノイド416のあご部436から出て、ポート650に流れ込まない。流体が、ポート650に流れ込まないとき、閉じたダイヤフラム弁645を押す流体圧力は減少するか又はなくなる。ダイヤフラム弁645を押す流体圧力が、十分に低いレベルに低下した場合、ダイヤフラム弁645は開く。ダイヤフラム弁645が開いた後で、穴647は、流量制御装置434の周囲の雰囲気と管685(従って、各管685、ポート660及び回路140が接続されたときは、出口ポート660と患者接続回路140)との間の流体連通の経路を提供することができる。次に、患者接続回路140内の流体圧力は、出口ポート660、管685及び穴647を介して、流量制御装置434のまわりの大気に放出される。患者接続回路140内の流体圧力が十分に低下した後で、一方向弁157が閉じる。弁157が閉じたとき、患者160は、呼息ポート155を介して呼気することができる。
一実施形態では、管432は、流量制御装置434を介して患者接続回路140と連通している。管432はセンサ522にも接続される。管432は、センサ522が対応する流体圧力を測定できるように、患者接続回路(即ち、患者気道接続)140及び/又は装置434内の十分な流体をセンサ522に導くように構成される。センサ522が、流体圧力を測定するか又は他の方法で決定した後で、回路514は、この圧力を、前述の上側気道内圧しきい値及び/又は下側気道内圧しきい値等のしきい値と比較することができる。接続回路又は気道接続140内の流体圧力が、上側気道内圧しきい値を超えた場合、例えば、回路514は、前述のように1つ又は複数の警報を作動させる。気道接続140内の流体圧力が、下側気道内圧しきい値より低い場合は、例えば、回路514は、前述のように1つ又は複数の警報を作動させる。一実施形態では、警報は、警報制御パネル220上に文字「HIGH AIRWAY PRESSURE ALARM(高気道内圧警報)」の隣のランプを点灯させる。
更に、回路514により、気道接続140内の流体圧力を人工呼吸器110の窓214でユーザに表示することができる。
一実施形態では、人工呼吸器のタイミング制御装置は、ソレノイド416、回路514の少なくとも機能部分、及び電源320を有する。「機能部分」は、ソレノイド416が開位置にあるか閉位置にあるかを制御する回路514の部品又は部分が、タイミング制御装置の機能部分であることを意味する。
タイミング制御装置は、電源320とソレノイド416を使用して人工呼吸器110によって処理される呼吸の頻度(即ち、BPM)と持続時間(即ち、吸気時間)を制御する。このように、人工呼吸器110のタイミング制御は電子制御される。タイミング制御装置と関連付けられた回路514の機能部分は、ユーザ入力に基づき、流体を患者160に供給する際に使用される特定のBPM及び/又は吸気時間を決定する。前述のように、このユーザ入力は、ユーザがBPMボタン218及び/又は吸気ボタン216を押すことができる。
ユーザによって選択されたBPM及び/又は吸気時間に基づいて、回路514は、ソレノイド416が開位置と閉位置に切り替わる速さ、即ち、頻度を決定する。前述のように、ソレノイド416が開位置にあるとき、流体は患者160に送られる。この反対に、ソレノイド416が閉位置にあるとき、流体は患者160に送られない。回路514は、ソレノイド416の両端の電圧差を変化させることによって、ソレノイド416が開位置にあるか閉位置にあるかを制御することができる。例えば、電線428を使用してソレノイド416に供給される電圧を1.5ボルト変化させることによって、回路514は、ソレノイド416を開位置と閉位置間において変化させることができる。
例えば、ユーザがBPM10を選択した場合(毎分10回の呼吸を示す)、回路514は、人工呼吸器110に1分間に10回息を送らせるためにソレノイド416が6秒ごとに1回開閉しなければならないと決定することができる。BPM30が選択された場合、回路514は、例えば、人工呼吸器110に1分間に30回息を送らせるためにソレノイド416が2秒ごとに開閉しなければならないと決定することができる。BPM5が選択された場合、回路514は、例えば、ソレノイド416が、人工呼吸器110に1分間に5回息を送らせるために12秒ごとに開閉しなければならないと決定することができる。
別の例では、ユーザが1秒の吸気時間を選択した場合(吸気時間、即ち流体送出時間が、1秒間続くことを示す)は、回路514は、人工呼吸器110によって息が送られる度に閉じる前にソレノイド416が1秒間開いたままでなければならないことを決定することができる。2秒の吸気時間が選択された場合、回路514は、例えば、人工呼吸器110によって息が送られる度に閉じる前にソレノイド416が2秒間開いたままにならなければならないことを決定することができる。
従って、回路514は、ソレノイド416を電気的に制御して、人工呼吸器によって患者160に供給される息の頻度と持続時間を変化させることができる。例えば、BPM10と2秒の吸気時間が選択されると、回路514は、ソレノイド416を毎分10回開閉させて、開く度に2秒間開位置のままにすることができる。人工呼吸器110によって提供される呼吸のタイミングの電子制御を実現することによって、人工呼吸器110のタイミング制御装置は、BPMと吸気時間を制御するより正確でより精密な方法を提供する。タイミング制御装置は、(幾つかの既存の人工呼吸器の動作のように)動作を供給源120の流体圧力に依存しないが、その代り、比較的長寿命の電源230に依存するので、タイミング制御装置は、十分な電源230が残っている限りより高い正確さ及び精度を有する。すなわち、供給源120の流体の圧力が、アルカリ電池電源230によって供給される電圧より大きく変動する可能性があるので、例えば、供給源の流体圧力に依存する人工呼吸器は、それらの呼吸タイミング制御(BPMや吸気時間等)において、人工呼吸器110より大きな変動を受ける場合がある。
人工呼吸器110の別の構成要素は、流量制御装置434である。流量制御装置434は、ユーザが、吸気時間(又は、ソレノイド416が開位置にある時間)中に流体が患者160に供給される流量を制御し変化させることを可能にする。前述のように、流量制御装置434は、流体が、異なる直径の複数のオリフィスを使用して患者160に送られる流量を制御する。ユーザは、つまみ240を所望の一回呼吸量(図1及び図2に示したように)に回すことによってどのオリフィスを使用するかを選択する。人工呼吸器110の外側面の印は、どのオリフィスが選択されているか示すことができる。ユーザは、つまみ240上の印242を使用して、所望のオリフィスと一回呼吸量を選択することができる。一般に、大きな一回呼吸量を選択するほど、流量制御装置434を介して患者160に流れる流体の流量が増える。
前述のように、流量制御装置434は、電力、電源、又は電気回路にも依存しない。従って、装置434は、電源230と回路514に依存せず、これらに基づいて制御されず又は他の方法でも依存しない。その結果、装置434は、本質的に、人工呼吸器110の空気圧式流量制御であり、一般に、既存の人工呼吸器内で電気制御される流量制御より頑強で耐久性が高い。
流量制御装置とタイミング制御装置を使用することにより、ユーザは、人工呼吸器110によって患者に送られる流体の量をきわめて正確かつ精密に制御することができる。即ち、ユーザは、選択された流体の流量が患者160に提供されるBPMと吸気時間を制御することができる。その結果、人工呼吸器110の別個のタイミング制御装置と流量制御装置により、ユーザは、特定の流量の流体が患者160に提供される期間を電子制御することができる。
前述のように、人工呼吸器110は、低電圧電源回路により動作するタイミング制御装置を有する。このタイミング制御装置は、例えば、比較的長寿命で、軽量で、小さく、安価で、入手し易いアルカリ電池によって電力供給されてもよい。これは、比較的重く、大きく、比較的寿命が短く比較的入手し難い(特に、緊急事態に)高価な鉛蓄電池に依存する既存の人工呼吸器を改善するものである。人工呼吸器110のこの設計は、既存の人工呼吸器と比べて全体の重量を削減することができ、また人工呼吸器110の動作時間を既存の人工呼吸器より長くすることができる。
更に、タイミング制御装置と流量制御装置434を、それぞれ電気及び空気圧で操作される別々に制御された装置に分離することによって、人工呼吸器110は、患者160に提供される流体のBPMと吸気時間の正確さと精度を高めることができる。既存の人工呼吸器は、流量とタイミングを制御する全ての空気圧システムを含む場合がある。そのような人工呼吸器は、一般に、タイミング機能として(又は、タイミング制御装置として)供給源流体圧力の上昇に依存する複雑な空気圧式システムを有する。しかし、これらの人工呼吸器に共通する少しの漏れと僅かなばらつきが、人工呼吸器の性能、正確さ及び精度に影響を及ぼす場合がある。
更に、幾つかの既存の人工呼吸器は、完全に電子制御される。そのような人工呼吸器は、電子回路を使用して、タイミングを制御し、複雑なプロポーショニングバルブを制御し駆動して、人工呼吸器を介した流体の流量制御を確立する。そのような人工呼吸器は、一般に、人工呼吸器110の実施形態より多くの電力又は電圧を必要とする。更に、これらの人工呼吸器は、一般に、そのタイミング精度を改善するために、位置フィードバック回路等の追加のハードウェアを必要とする。
図9は、本願記載の発明の実施例による改良型人工呼吸器110を使用する方法900のフローチャートを示す。方法900は、ステップ905で始まり、流体供給源が人工呼吸器に接続される。例えば、供給源120は、前述のように人工呼吸器110に接続されてもよい。
次に、ステップ910で、患者気道接続が、人工呼吸器と患者に接続される。例えば、患者気道接続140は、前述のように人工呼吸器110と患者160に接続されてもよい。
次に、ステップ915で、流体のBPM、吸気時間及び流量が選択される。例えば、ユーザは、ボタン216、218を使用して、所望のBPM及び吸気時間を選択することができ、前述のように、つまみ240を所望の一回呼吸量まで回すことにより流体の流量を選択することができる。
次に、ステップ920で、流体が、流体供給源から人工呼吸器のタイミング制御装置に流れる。例えば、前述のように、流体は、供給源120からソレノイド416に流れ込む。一実施形態では、流体は、タイミング制御装置に流れ込む前に、調整器414等の圧力調整器に流れてもよい。
次に、ステップ925で、方法900は、タイミング制御装置が開状態か開状態かにより、ステップ930かステップ935のいずれかに進む。タイミング制御装置が開いている場合、方法900は、ステップ925からステップ935に進む。タイミング制御装置が閉じている場合、方法900は、ステップ925からステップ930に進む。例えば、ソレノイド416が開状態又は開位置にある場合、方法900は、ステップ925からステップ935に進むことができる。ソレノイド416が閉状態又は閉位置にある場合、方法900は、ステップ925からステップ930に進むことができる。
ステップ930で、流体は、タイミング制御装置を通らない。即ち、タイミング制御装置は、タイミング制御装置を通る流体の流れの大部分を阻止するか又は少なくとも妨げる。例えば、ソレノイド416は、ソレノイド416によって流体の流れを阻止するか又は妨げることができる。方法900は、ステップ930からステップ925に進み、そこで、タイミング制御装置が開いているかどうかが判定される。その際に、方法900は、タイミング制御装置が開位置又は開状態になるまでステップ925及び930を含むループで進む。
ステップ935で、流体が、タイミング制御装置を通って流量制御装置に流れ込む。例えば、前述のように、流体は、開いたソレノイド416を通った後で流量制御装置434に進んでもよい。
次に、ステップ940で、流量制御装置は、流体の流量を変化させる。即ち、流量制御装置は、流体の流量を増減することができる。例として、流量制御装置434は、異なる直径を有する複数のオリフィスを有する。流量制御装置434は、流体の流れを1つ又は複数のオリフィスに導いて、前述のように流体の流量を変化させることができる。
次に、ステップ945で、流体が特許に供給される。例えば、流体は、患者気道接続140を介して流量制御装置434を通った後で患者160に供給されてもよい。
本願記載の発明の特定の要素、実施形態及び応用を示し説明してきたが、当業者は、特に以上の教示を鑑みて改良を行うことができるので、本願記載の発明は、そのような特定の要素、実施形態及び応用に限定されないことを理解されたい。従って、添付の特許請求の範囲は、そのような改良を対象として含み、本願記載の発明の趣旨及び範囲内にある特徴を含むものである。