JP2010528674A - 胚性幹細胞から分化した胚様体から血管内皮細胞を単離する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、(a)胚性幹細胞から分化した胚様体を0.005〜0.015%のトリプシン及び0.05〜0.15mMのエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)で処理して血管内皮細胞クラスタを得る工程と、(b)前記血管内皮細胞クラスタを、0.1〜0.5%のトリプシン及び0.5〜2mMのEDTAで処理して前記血管内皮細胞クラスタを単一細胞に分離する工程とを含む、胚性幹細胞から分化した胚様体から血管内皮細胞を単離する方法を提供する。
Description
本発明は、胚性幹細胞から分化した胚様体から血管内皮細胞を単離する方法に関する。
心血管疾患は、世界で主要な死亡原因の一つである。毎年、全世界でおよそ1,200万人が心血管疾患で死亡していると推定されている。心血管疾患は、米国で毎年2,600億ドルの費用がかかる非常に深刻な疾患であると考えられているが、まだ効果的な治療方法が確立されていない。
最近、ヒト胚性幹細胞から血管内皮細胞、筋肉細胞などへの分化誘導に関する研究が発表されており、ヒト胚性幹細胞を利用した心血管疾患治療の可能性に対して期待が高まっている。
ヒト胚性幹細胞は、人体を構成する3つの胚葉(内胚葉、外胚葉、中胚葉)に分化しうる全能性を有している。ヒト胚性幹細胞は、周辺の環境に応じて、特定細胞に分化するため、医学及び科学の分野に画期的な進歩をもたらすことができる強力なツールになると期待されている。従って、ヒト胚性幹細胞に関する研究は、ヒトの初期分化の根本的な部分に対して重要な手がかり(clue)を提供するとともに、心血管疾患、及びパーキンソン病、心筋梗塞、糖尿病、白血病のような難病に対する細胞治療の研究において、重要な役割を果たすものと期待されている。
ヒト胚性幹細胞は、「胚盤胞」として知られている初期のヒト胚の内細胞塊(inner cell mass)を、単離及び培養することによって得られる。ヒト胚性幹細胞は、全能性(totipotency)を有しつつ、かつ未分化状態を維持しながら、持続的に継代培養されうる(Thomson JA, Itskovitz-Eldor J, Shapiro SS, Waknitz MA, Swiergiel JJ, Marshall VS, Jones JM, Embryonic stem cell lines derived from human blastocysts. Science (1998) 282:1145-1147)。従って、特定細胞への分化、増殖、単離、回収の条件が明らかになり、これらが確立されれば、細胞治療研究が重大な転換点を迎えることになると期待されている。これに関連して、ヒト胚性幹細胞に関する多くの研究が、ヒト胚性幹細胞を神経細胞、血管内皮細胞、心筋細胞、内皮細胞、肝細胞などの特定細胞に誘導できる分化条件の確立に焦点を当てている。
分化した胚様体(EBs:embryoid bodies)は、所望の細胞以外にも、他の系統(lineage)の分化細胞群を多く含み、一部未分化細胞を含んでいる。従って、分化後に所望の細胞だけを効果的に単離する技術が必然的に要求される。しかし、所望の細胞だけを選択的かつ効率的に単離できる満足のいく方法は今のところ報告されていない。
Zhang SCらは、分化した胚様体から、ディスパーゼ処理によって神経前駆細胞を単離する方法を報告している(Zhang SC, Thomson JA et al. In vitro differentiation of transplantable neural precursors from human embryonic stem cells. Nature Biotech (2001) 19, 1129-1133)。しかし、Zhang SCらの報告は、神経前駆細胞の単離に係わるものであり、この単離方法が他の種類の分化細胞、例えば血管内皮細胞についても適用されうるか否かについては記載されていない。
ヒト胚性幹細胞から血管内皮細胞への分化及び血管内皮細胞の単離に関連して、ヒト胚性幹細胞を胚様体に分化させ、蛍光活性化セルソータ(Fluorescence Activated Cell Sorter、FACS)を利用して該胚様体から血管内皮細胞を単離する方法が報告されている(Levenberg S, Golub JS, Amit M, Itskovitz-Eldor J, Langer R. PNAS (2002) 99, 4391-4396)。しかし、分化した胚様体からFACSを使用して単一細胞を単離する過程で多くの細胞が死滅し、また血管内皮細胞の回収率も2%ほどに過ぎなかった。
従って、分化した血管内皮細胞を臨床に適用するために、他の細胞が混在していない、多数の健康な血管内皮細胞を確保する方法が当業界において求められている。
本発明者らは、ヒト胚性幹細胞から分化した血管内皮細胞を選択的かつ高収率で単離できる方法について研究を行っていたところ、驚くべきことに、ヒト胚性幹細胞から分化した胚様体に対して、低容量トリプシン−エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)処理及び高容量トリプシン−EDTA処理を含むトリプシン及びEDTAによる2段階処理を行うと、ごく微量しか血管内皮細胞を含有しない胚様体の特定部分が、容易かつ速やかに除去され、また単離された血管内皮細胞は固有の特性をそのまま維持するということを発見した。
従って、本発明は、胚性幹細胞から分化した血管内皮細胞を単離する方法を提供する。
従って、本発明は、胚性幹細胞から分化した血管内皮細胞を単離する方法を提供する。
本発明の一態様によって、(a)胚性幹細胞から分化した胚様体を0.005〜0.015%のトリプシン及び0.05〜0.15mMのエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)で処理して血管内皮細胞クラスタを得る工程と、(b)前記血管内皮細胞クラスタを、0.1〜0.5%のトリプシン及び0.5〜2mMのEDTAで処理して前記血管内皮細胞クラスタを単一細胞に分離する工程とを含む、胚性幹細胞から分化した胚様体から血管内皮細胞を単離する方法が提供される。
本明細書で、「血管内皮細胞」とは、血管の内層を構成する細胞であり、PECAM、CD34、VE cadherin、eNOsのようなマーカを発現する細胞を意味する。
本明細書で、「胚様体」とは、ヒト胚性幹細胞から分化した3つの胚葉(内胚葉、外胚葉、中胚葉)からなる集合体(aggregate)を意味する。前記胚様体は、適切な培地中で維持することができる。
本発明者らは、抗PECAM抗体を使用し、分化した胚様体中の血管内皮細胞の分布を調べ、その結果、ほとんどの血管内皮細胞が胚様体の中央部分に存在することを発見した(図1参照)。本発明の単離方法によって、胚様体に対して、低容量トリプシン−EDTA処理及び高容量トリプシン−EDTA処理を含む2段階のトリプシン−EDTA処理を行う。胚様体を低容量のトリプシン−EDTAで処理すると、ごく微量しか血管内皮細胞を含有しない胚様体の外部部分が効果的に除去され、多量の血管内皮細胞を含有する胚様体の部分は、そのまま維持される。次いで、この胚様体を高容量のトリプシン−EDTAで処理すると、血管内皮細胞クラスタが単一細胞に分離される。その結果、血管内皮細胞を約30%以上の高収率で簡単に回収できる。
本発明の単離方法は、胚性幹細胞を培養して胚様体を形成することを含む。前記胚性幹細胞は、哺乳動物由来のあらゆる胚性幹細胞を含む。望ましくは、前記胚性幹細胞は、ヒト胚性幹細胞である。「ヒト胚性幹細胞」とは、ヒト桑実胚の内細胞塊由来の全能性細胞を意味する。例えば、前記ヒト胚性幹細胞としては、CHA−hES3などが挙げられるが(Ahn SE, Kim S, Park KH, Moon SH, Lee HJ, Kim GJ, Lee YJ, Park KH, Cha KY, Chung HM. Primary bone-derived cells induce osteogenic differentiation without exogenous factors in human embryonic stem cells. Biochem Biophys Res Commun. 2006 10;340(2):403-408)、これに限定されるものではない。また、前記ヒト胚性幹細胞は、当業者によって容易に樹立することができる。
ヒト胚性幹細胞からの胚様体の形成は、公知の方法によって実施できる。例えば、Levenberg S, Golub JS, Amit M, Itskovitz-Eldor J, Langer R. PNAS (2002) 99, 4391-4396に開示された方法に従い、ヒト胚性幹細胞を血清(または血清代替物)、L−グルタミン、非必須アミノ酸、及びβ−メルカプトエタノールを含むDMEM/F12培地中で培養することによって、胚様体を形成できる。
本発明の単離方法において、胚様体は、血清代替物、メルカプトエタノール、非必須アミノ酸、及び80%KO−DMEM(KNOCKOUT Dulbecco's modified Eagle's medium)を含むEB培地中で、約7〜10日間浮遊培養(suspension-culturing)して得られた培養液の形態で使用してもよい。望ましくは、浮遊培養した胚様体を、ウシ胎児血清(FBS)、メルカプトエタノール、非必須アミノ酸を含むDMEMを含有する培養皿中で、約24時間培養し、接着した胚様体が平面上に広がるようにするのがよい。
本発明の単離方法におけるトリプシンとしては、哺乳動物由来のトリプシン(例えば、ブタトリプシン(porcine trypsin))、または組み換え技術によって得られた組み換えトリプシンなどが挙げられる。本発明の単離方法に使われるEDTAとしては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、またはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物の形態などが挙げられる。望ましくは、EDTAは、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物の形態である。
トリプシン及びEDTAは、例えば滅菌生理食塩水、望ましくは、約0.9%の塩化ナトリウム水溶液に溶解した形態で使用される。また、市販のトリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)を用いて所望の濃度のトリプシン及びEDTAを含有する希釈溶液の形態にして使用することもできる。
工程(a)におけるトリプシンの濃度は、0.005〜0.015%、望ましくは、約0.01%であり、EDTAの濃度は、0.05〜0.15mM、望ましくは、約0.1mMである。
前記のように、胚様体を低容量のトリプシン−EDTAで処理すると、ごく微量しか血管内皮細胞を含有しない胚様体の外部部分が効果的に除去され、多量の血管内皮細胞を含有する胚様体の部分はそのまま維持される。トリプシン及びEDTAは、生理学的に適した緩衝液、例えばリン酸緩衝食塩水、あるいは培地で洗浄することによって、除去することができる。
工程(b)で、工程(a)から得られた血管内皮細胞クラスタ、すなわち多量の血管内皮細胞を含む胚様体が単一細胞に分離される。ここでのトリプシンの濃度は、0.1〜0.5%、望ましくは、約0.25%であり、EDTAの濃度は、0.5〜2mM、望ましくは、約1mMである。
工程(a)及び工程(b)において、トリプシン−EDTA処理は、例えば3ないし10分、望ましくは、約5分間行われる。
前記のように、低容量トリプシン−EDTA処理及び高容量トリプシン−EDTA処理を含む2段階のトリプシン−EDTA処理によって、血管内皮細胞を単離する場合、微量の血管内皮細胞を含む胚様体の部分だけが選択的かつ簡単に除去されることによって、細胞損傷が最小限に抑えられ、血管内皮細胞固有の特性をそのまま維持させることができる。従って、得られた細胞は、高い血管形成能を維持できる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明について例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1.
マイトマイシン−Cで2時間処理して細胞増殖を抑制させたマウス線維芽細胞(mouse fibroblast)(STO cell、2.5×105cells/well)、及び支持細胞(feeder cell)培養用培地(10%FBS、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)を含む90%DMEM)をゼラチンコーティングされた培養皿に入れ、前記STO細胞を24時間培養した。その後、前記培養皿を、リン酸緩衝食塩水で2回洗浄した。培養皿中の培地を培養液(20%血清代替物(SR)、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)、及び4ng/ml bFGFを含む80%KO−DMEM)に交換し、ヒト胚性幹細胞(CHA−hES3)を約7日間培養した。
マイトマイシン−Cで2時間処理して細胞増殖を抑制させたマウス線維芽細胞(mouse fibroblast)(STO cell、2.5×105cells/well)、及び支持細胞(feeder cell)培養用培地(10%FBS、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)を含む90%DMEM)をゼラチンコーティングされた培養皿に入れ、前記STO細胞を24時間培養した。その後、前記培養皿を、リン酸緩衝食塩水で2回洗浄した。培養皿中の培地を培養液(20%血清代替物(SR)、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)、及び4ng/ml bFGFを含む80%KO−DMEM)に交換し、ヒト胚性幹細胞(CHA−hES3)を約7日間培養した。
培養液中に形成されたヒト胚性幹細胞コロニーを、ガラスピペットを使用して周辺支持細胞から分離した後、20%血清代替物(Gibco)、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)、及び80%KO−DMEMを含む培養液で約10日間浮遊培養し、胚様体を形成させた。浮遊培養した胚様体を、培養液(10%FBS、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)を含む90%DMEM)を含む培養皿に移し、24時間培養したところ、胚様体が平面上に広がった。その後、約10日間、2日間隔で培養皿中の培地を新鮮な培地に交換した。
分化した胚様体中の血管内皮細胞の分布を抗PECAM抗体を用いて調べた。その結果を図1に示す。図1に示すように、ほとんどの血管内皮細胞が胚様体の中央部位に存在する。
分化した胚様体中の血管内皮細胞の分布を抗PECAM抗体を用いて調べた。その結果を図1に示す。図1に示すように、ほとんどの血管内皮細胞が胚様体の中央部位に存在する。
実施例2.
段階1:低容量のトリプシン−EDTA処理
実施例1で得た胚様体を培地(10%FBS、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)を含む90%DMEM)に播種した。0.9%塩化ナトリウム水溶液中に0.25%のトリプシン及び1mMのEDTAを含有するトリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)を、0.9%塩化ナトリウム水溶液で10倍希釈して前記培地に加えた後、前記胚様体を5分間培養した。
段階1:低容量のトリプシン−EDTA処理
実施例1で得た胚様体を培地(10%FBS、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)を含む90%DMEM)に播種した。0.9%塩化ナトリウム水溶液中に0.25%のトリプシン及び1mMのEDTAを含有するトリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)を、0.9%塩化ナトリウム水溶液で10倍希釈して前記培地に加えた後、前記胚様体を5分間培養した。
段階2:単一細胞への分離
段階1で得た胚様体をリン酸緩衝食塩水で洗浄し、浮遊した胚様体外部の細胞クラスタを完全に除去した。0.9%塩化ナトリウム水溶液中に0.25%のトリプシン及び1mMのEDTAを含有するトリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)を加え、残っている細胞クラスタを5分間培養し、前記細胞クラスタを単一細胞に分離した。
段階1で得た胚様体をリン酸緩衝食塩水で洗浄し、浮遊した胚様体外部の細胞クラスタを完全に除去した。0.9%塩化ナトリウム水溶液中に0.25%のトリプシン及び1mMのEDTAを含有するトリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)を加え、残っている細胞クラスタを5分間培養し、前記細胞クラスタを単一細胞に分離した。
実施例3.
段階1で前記トリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)の8倍希釈溶液を胚様体に加え、前記胚様体をそれぞれ1分、3分、及び5分間培養したことを除いては、実施例2と同じ処理を行った。
段階1で前記トリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)の8倍希釈溶液を胚様体に加え、前記胚様体をそれぞれ1分、3分、及び5分間培養したことを除いては、実施例2と同じ処理を行った。
実施例4.
段階1で前記トリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)の6倍希釈溶液を胚様体に加え、前記胚様体をそれぞれ1分、3分、及び5分間培養したことを除いては、実施例2と同じ処理を行った。
段階1で前記トリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)の6倍希釈溶液を胚様体に加え、前記胚様体をそれぞれ1分、3分、及び5分間培養したことを除いては、実施例2と同じ処理を行った。
比較例1ないし3.
実施例1で得られた胚様体を培地(10%FBS、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)を含む90%DMEM)に播種した。その後、ディスパーゼ(比較例1)、コラゲナーゼ(比較例2)、及び1X細胞解離緩衝液(1Xcell dissociation buffer)(比較例3)を前記培地に加え、前記胚様体を20分間培養した。
実施例1で得られた胚様体を培地(10%FBS、0.1mMメルカプトエタノール、1%非必須アミノ酸(Gibco)を含む90%DMEM)に播種した。その後、ディスパーゼ(比較例1)、コラゲナーゼ(比較例2)、及び1X細胞解離緩衝液(1Xcell dissociation buffer)(比較例3)を前記培地に加え、前記胚様体を20分間培養した。
比較例4ないし6.
段階1で前記トリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)の5倍希釈溶液(比較例4)、2倍希釈溶液(比較例5)、及び前記トリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)(比較例6)を胚様体に加えたことを除いては、実施例2と同じ処理を行った。
段階1で前記トリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)の5倍希釈溶液(比較例4)、2倍希釈溶液(比較例5)、及び前記トリプシン−EDTA溶液(Sigma社、米国)(比較例6)を胚様体に加えたことを除いては、実施例2と同じ処理を行った。
試験例1.
実施例1で得られた胚様体を比較例1ないし3と同様に、ディスパーゼ、コラゲナーゼ、細胞解離緩衝液、及びトリプシン−EDTAで処理し、胚様体からの細胞の解離の程度を光学顕微鏡を使用して測定した。その結果は、図2の通りである。
実施例1で得られた胚様体を比較例1ないし3と同様に、ディスパーゼ、コラゲナーゼ、細胞解離緩衝液、及びトリプシン−EDTAで処理し、胚様体からの細胞の解離の程度を光学顕微鏡を使用して測定した。その結果は、図2の通りである。
図2に示すように、胚様体をディスパーゼ、コラゲナーゼ、及び細胞解離緩衝液で処理した場合には、20分間培養しても、胚様体からの外部細胞の解離は効果的に行われなかった。しかし、トリプシン−EDTAで処理した胚様体は、処理後わずか5分で単一細胞に分離した。
試験例2.
トリプシン−EDTA処理が細胞の解離に対して効果的であることを示す試験例1の結果に基づいて、比較例4ないし6と同様に、実施例2の段階1で使用した酵素溶液の代わりに、トリプシン−EDTA原液、及び5倍及び2倍に希釈したトリプシン−EDTA溶液を使用して同じ処理を行い、細胞の解離の程度を光学顕微鏡を使用して測定した。その結果は、図3の通りである。図3から分かるように、トリプシン−EDTA溶液、5倍及び2倍希釈液で処理した胚様体の間に、有意な差は見られなかった。
トリプシン−EDTA処理が細胞の解離に対して効果的であることを示す試験例1の結果に基づいて、比較例4ないし6と同様に、実施例2の段階1で使用した酵素溶液の代わりに、トリプシン−EDTA原液、及び5倍及び2倍に希釈したトリプシン−EDTA溶液を使用して同じ処理を行い、細胞の解離の程度を光学顕微鏡を使用して測定した。その結果は、図3の通りである。図3から分かるように、トリプシン−EDTA溶液、5倍及び2倍希釈液で処理した胚様体の間に、有意な差は見られなかった。
試験例3.
実施例1で使用した未分化のヒト胚性幹細胞、実施例2の段階1で得られた胚様体の外部及び内部細胞に対してRT−PCRを行い、血管内皮細胞に特異的なPECAMの定量を行った。その結果は、図4の通りである。
図4から分かるように、本発明によって胚様体を処理すると、微量の血管内皮細胞を含む胚様体の外部細胞が効果的に除去され、また胚様体を簡単に単一細胞に分離することができる。
実施例1で使用した未分化のヒト胚性幹細胞、実施例2の段階1で得られた胚様体の外部及び内部細胞に対してRT−PCRを行い、血管内皮細胞に特異的なPECAMの定量を行った。その結果は、図4の通りである。
図4から分かるように、本発明によって胚様体を処理すると、微量の血管内皮細胞を含む胚様体の外部細胞が効果的に除去され、また胚様体を簡単に単一細胞に分離することができる。
また、FACS(fluorescence activated cell sorter)分析の結果、血管内皮細胞の回収率は、約30%以上であった。また、実施例2で得られた細胞の生存率をトリパンブルー染色(trypan blue staining)を用いて調べた。その結果、95%以上の細胞が生存していることが確認された。
試験例4.
実施例1で使用した未分化のヒト胚性幹細胞、実施例2の段階1で得られた胚様体の外部及び内部細胞に対して、Asikainen TMらの方法(Enhancement of angiogenic effectors through hypoxia-inducible factor in preterm primate lung in vivo. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2006 May 5)に従ってRT−PCRを行い、血管内皮細胞に対する定量分析を行った。その結果は、図5の通りである。図5から分かるように、本発明によって胚様体を処理すると、胚様体の内部細胞中の血管内皮細胞の含有率は、胚様体の外部細胞中の血管内皮細胞の含有率に比べ、約7倍以上高い。
実施例1で使用した未分化のヒト胚性幹細胞、実施例2の段階1で得られた胚様体の外部及び内部細胞に対して、Asikainen TMらの方法(Enhancement of angiogenic effectors through hypoxia-inducible factor in preterm primate lung in vivo. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2006 May 5)に従ってRT−PCRを行い、血管内皮細胞に対する定量分析を行った。その結果は、図5の通りである。図5から分かるように、本発明によって胚様体を処理すると、胚様体の内部細胞中の血管内皮細胞の含有率は、胚様体の外部細胞中の血管内皮細胞の含有率に比べ、約7倍以上高い。
一方、実施例1で得られた胚様体の外部細胞、及び実施例2で得られた単一細胞をマトリゲル(Matrigel)上で培養した。その結果は、それぞれ図6及び図7の通りである。図6及び図7から分かるように、本発明によって単離された細胞は、血管内皮細胞と類似した血管形成能を示している。
本発明の単離方法において、ヒト胚性幹細胞から分化した胚様体のうち、微量の血管内皮細胞を含有する胚様体の部分だけを選択的かつ容易に除去することによって、分化した血管内皮細胞を迅速かつ効率的に回収できる。低濃度酵素溶液の使用によって、細胞の損傷が最小限に抑えられ、従って血管内皮細胞の固有特性である血管形成能を高いレベルで維持させることができる。
Claims (5)
- (a)胚性幹細胞から分化した胚様体を0.005〜0.015%のトリプシン及び0.05〜0.15mMのエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)で処理して血管内皮細胞クラスタを得る工程と、
(b)前記血管内皮細胞クラスタを、0.1〜0.5%のトリプシン及び0.5〜2mMのEDTAで処理して前記血管内皮細胞クラスタを単一細胞に分離する工程とを含む、胚性幹細胞から分化した胚様体から血管内皮細胞を単離する方法。 - 前記胚性幹細胞が、ヒト胚性幹細胞であることを特徴とする請求項1に記載の単離方法。
- 工程(a)で、トリプシンの濃度が0.01%であり、EDTAの濃度が0.1mMであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単離方法。
- 工程(b)で、トリプシンの濃度が0.25%であり、EDTAの濃度が1mMであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単離方法。
- 工程(a)及び工程(b)で、トリプシン及びEDTAを、3ないし10分間処理することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単離方法。
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