JP2010528302A - 炎症および酸化ストレスレベル検定 - Google Patents

炎症および酸化ストレスレベル検定 Download PDF

Info

Publication number
JP2010528302A
JP2010528302A JP2010509737A JP2010509737A JP2010528302A JP 2010528302 A JP2010528302 A JP 2010528302A JP 2010509737 A JP2010509737 A JP 2010509737A JP 2010509737 A JP2010509737 A JP 2010509737A JP 2010528302 A JP2010528302 A JP 2010528302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
derivatives
acid
oxidative stress
inflammation
metabolites
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010509737A
Other languages
English (en)
Inventor
ゾンターク、デニーゼ
コール,テレーゼ
ラムジー,スティーブン,ルイス
ダミエル,サーシャ
ヴァインベルガー,クラウス,ミヒャエル
ウンターブザッハー,アイネス
Original Assignee
バイオクレイツ ライフ サイエンス エージー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バイオクレイツ ライフ サイエンス エージー filed Critical バイオクレイツ ライフ サイエンス エージー
Publication of JP2010528302A publication Critical patent/JP2010528302A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • G01N33/5091Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing the pathological state of an organism
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/88Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving prostaglandins or their receptors

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、生体試料を用いた炎症および酸化ストレスに関連した生物体における全身性代謝状態の確定方法(炎症および酸化ストレスレベル検定)に関する。これは、アラキドン酸の1つまたは複数の誘導体(エイコサノイド)、リノール酸および/またはドコサヘキサエン酸の1つまたは複数の誘導体を、同時に、好ましくは1つまたは複数の酸化ストレスパラメーターと、ならびに/あるいは他の代謝産物クラスからの1つまたは複数の分析物と一緒に検出し、定量化することを、ならびにこのような方法を実行するために適合されたキットを包含する。さらに本発明は、当該方法に用いられるようなバイオマーカーに関する。

Description

本発明は、生体試料を用いた炎症および酸化ストレスに関連した生物体における全身性代謝状態の確定方法(炎症および酸化ストレスレベル検定)に関する。これは、アラキドン酸の1つまたは複数の誘導体(エイコサノイド)、リノール酸の1つまたは複数の誘導体、および/またはドコサヘキサエン酸の1つまたは複数の誘導体を、同時に、好ましくは1つまたは複数の酸化ストレスパラメーターと、ならびに/あるいは他の代謝産物クラスからの1つまたは複数の分析物と一緒に検出し、定量化することを、ならびにこのような方法を実行するために適合されたキットを包含する。さらに本発明は、当該方法に用いられるようなバイオマーカーに関する。
炎症は、毛細管拡張、白血球浸潤、発赤、発熱、疼痛、腫脹、およびしばしばの機能損失により特徴づけられ、有害作因および損傷組織の排除を開始する一機序として役立つ細胞損傷に対する局所的応答である[Webster’s Medical Desk Dictionary. Merrian-Webster. 1986]。炎症性刺激が十分に強い場合、全身性炎症応答症候群[SIRS]が発症する。
プロスタグランジンは、炎症、疼痛、発熱およびアナフィラキシー反応の重要な媒介物質である。プロスタノイドの作用により、広範な種々のその他の生物学的プロセス(例えば、恒常性、血小板凝集、腎臓および胃の機能、雌性生殖、血管新生、免疫学的機能、発育および癌)が、直接または間接的に影響を及ぼされる[Williams, C.S. et al., Oncogene 1999, 18, 7908-16;Rocca, B. et al., J. Clin Invest 1999, 103, 1469-77;Howe, L.R. Breast Cancer Res. 2007, 9, 210]。
炎症の測定方法は、例えば、WO2003/014699、WO2006/124714およびWO2004/025303に記載されている。
酸化ストレスは、「酸化促進/酸化防止の均衡における酸化促進に傾くような妨害」と定義されている[Sies, H., Oxidative Stress. Oxidants and Antioxidants. 1991, New York: Elsevier. 507]。それは、細胞性機能不全および死に関する重要な共通経路として、ならびに癌、糖尿病、閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、心虚血、糸球体腎炎、黄斑変性および種々の神経変性障害を含めた広範囲のヒトの医学的症状において考え得る治療標的として関連づけられている[Halliwell, B. and J.M.C. Gutteridge, Free Radicals in Biology and Medicine. 3 ed. 1999, Oxford: Oxford University Press Inc. 736]。
酸化ストレス測定デバイスおよび方法は、例えば、WO2005/052575、WO2006/127695、JP2003083977、US5,891,622、US6,620,800、WO2003/016527、US6,096,556、WO1998/10295、WO2006/90228、WO2002/04029、WO1999/63341、EP0845732、WO2007/041868、WO2007/083632に記載されている。
炎症および酸化ストレスは、密接に関連づけられる。食細胞、すなわちマクロファージおよび好中球は、炎症で活性化される。病原体と闘うために、それらは、酸化的損傷の重要な媒介物質である反応性酸素種を産生する。それらは微生物にとって有毒であるが、しかし組織損傷ももたらし得る。
細胞/組織損傷の最終生成物のいくつか(例えば、タンパク質のニトロ化に関しては3−ニトロチロシン、脂質過酸化に関しては4−ヒドロキシ−2’−ノネナールおよびマロンジアルデヒド、あるいは核酸損傷に関しては8−ヒドロキシグアノシン)はすでに知られているが、しかしながら、検出プロセスは複雑であり、例えば、有益な治療効果を示す酸化ストレスの漸次変化を検出するために十分な感度を有するわけではない。
酸化ストレス測定を炎症に関与するパラメーターの確定と組合せるためには、わずかな努力が成されてきたに過ぎない。例えば、WO02/100293は、眼性炎症および酸化ストレスを評価するための診断および予後方法ならびにその治療が記載するが、一方、WO02/090977は炎症または酸化特性に関して物質を試験するための方法を記載する。
近年の発展は、特定のクラスの酸化ストレスパラメーター、すなわちプロスタノイドおよびイソプロスタンの検出に集中してきた[Masoodi, M. et al, Rap Comm Mass Spec 2006, 20, 3023;Taylor, A.W. et al, Analyt. Biochem. 2006, 350, 41]。しかしながら、これらの方法は、固相抽出または液−液抽出手法(500μlの最小試料容量を要する)を、しばしば複雑なワークアップ方法を伴う誘導化過程とその後の蒸発および再溶媒和ステップを必然的に用いる。さらに、これらの過程は、HPLCまたはLCタンデム質量分析手法を用いて、プロスタノイドおよびイソプロスタンの分析に関してのみ記載されている。
従来技術に存在する上記の問題にかんがみて、生体試料における炎症および酸化ストレスに関連した全身性代謝状態を確定するための改良された方法であって、高感度を有し、全身性代謝状態におけるわずかな変化だけでも検出可能な方法を提供することは、本発明の基礎を成す一目的である。
さらに、このような方法を実行するためのキットを提供することが、一目的である。
本発明は、生体試料における炎症および/または酸化ストレスレベルパラメーターの同時確定のための方法であって、アラキドン酸(エイコサノイド)、リノール酸および/またはドコサヘキサエン酸の1つまたは複数の誘導体を、同時に、それぞれ、好ましくは1つまたは複数の酸化ストレスパラメーターと、ならびに他の化学物質クラスからの分析物と一緒に検出することを包含する方法、ならびにこの方法を実行するために適合されたキットを提供する。さらに、アラキドン酸(エイコサノイド)、リノール酸および/またはドコサヘキサエン酸の誘導体、ならびにその他の酸化ストレスパラメーターおよび他の化学物質クラスからの分析物は、定量的分析方法、例えばクロマトグラフィー、分光分析および質量分光測定を用いて代謝産物濃度を測定することにより検出される。WO2007/003344およびWO2007/003343(これらの出願はともに参照により本明細書中で援用される)に記載されたような方法およびデバイスの使用が、特に好ましい。
抽出工程のスキーム:微量滴定プレート上の試料の適用、水性メタノール(MeOH)による抽出、遠心分離、誘導化および固相抽出を伴わないLC−MS/MSによる分析。 遊離脂肪酸、プロスタノイド、イソプロスタン、ならびにLOX−およびチトクロームP450−由来脂肪酸代謝産物の外部標準混合物のクロマトグラフィー分離。 遊離脂肪酸、プロスタノイド、イソプロスタン、ならびにLOX−およびチトクロームP450−由来脂肪酸代謝産物の外部標準混合物のクロマトグラフィー分離。 生体試料(指示したような)の選択における種々のエイコサノイドおよび脂肪酸誘導体の検出。 生体試料(指示したような)の選択における種々のエイコサノイドおよび脂肪酸誘導体の検出。 生体試料(指示したような)の選択における種々のエイコサノイドおよび脂肪酸誘導体の検出。 生体試料(指示したような)の選択における種々のエイコサノイドおよび脂肪酸誘導体の検出。 ラットにおける異なるプロマイシン投与量の作用。ラット血漿試料中の4つの異なるエイコサノイドの濃度(指示したような)を確定し、正規化した。 ラットにおける異なるプロマイシン投与量の作用。ラット血漿試料中の4つの異なるエイコサノイドの濃度(指示したような)を確定し、正規化した。 ラットにおける異なるプロマイシン投与量の作用。ラット血漿試料中の4つの異なるエイコサノイドの濃度(指示したような)を確定し、正規化した。 ラットにおける異なるプロマイシン投与量の作用。ラット血漿試料中の4つの異なるエイコサノイドの濃度(指示したような)を確定し、正規化した。 単一LC−MS/MS実行において85%MeOHで抽出したMet、D−Met、Met(O)(c=50μM)および6PGs(c=1μM)の標準分離。カラム:Zorbax Eclipse XDB C18、100×3mm、3.5μm。移動相:A=H2O、0.2%蟻酸、B=ACN、0.05%蟻酸;勾配溶離、流量=500μL/分、注入容量=20μL。正イオン化モード t=0〜3.0分、負イオン化モード t=3.0〜9分。 単一LC−MS/MS実行において85%MeOHで抽出したα−ケトグルタレート、スクシネート(c=100μM)および6つのプロスタグランジン(c=1μM)の標準分離。カラム:Zorbax Eclipse XDB C18、100×3 mm、3.5μm。移動相:A=95/5 H2O/ACN、15mMのNH4Ac、pH=5.2;B=95/5 ACN/H2O、15mMのNH4Ac、pH=5.2;勾配溶離、流量=500μL/分、注入容量=20μL。負性獲得。 85%MeOHで抽出した4-HNEおよび4-HNE−d(c=16μM)の標準分離。カラム:Zorbax Eclipse XDB C18、100×3mm、3.5μm。移動相:A=HO、0.05%蟻酸;B=MeOH、0.05%蟻酸;アイソクラティック溶離液、10%A;流量=500μL/分、注入容量=20μL。正イオン化モード。
プロスタノイド構造の生体活性脂質およびヒドロキシル化脂肪酸誘導体は、高等生物の代謝において中心的役割を果たす。プロスタグランジンは、炎症、疼痛、発熱およびアナフィラキシー反応の重要な媒介物質であり、トロンボキサンは血管収縮を媒介し、そしてプロスタサイクリンは、炎症の回復期において、ならびに心臓保護において、活性である。広範な種々のその他の生物学的プロセス(例えば、恒常性、血小板凝集、腎臓および胃の機能、雌性生殖、血管新生、免疫学的機能、発育および癌)は、プロスタノイドの作用により直接または間接的に影響を及ぼされる[Williams, C.S. et al., Oncogene 1999, 18, 7908-16;Rocca, B. et al., J. Clin Invest 1999, 103, 1469-77;Howe, L.R. Breast Cancer Res. 2007, 9, 210]。
この多様化機能が、プロスタノイドを高等生物の全体的生物学的状態の有益な指標にする。小さな濃度変化が顕著な作用を発揮する場合、プロスタノイド代謝産物における不均衡は、急性反応、例えば局所性または全身性炎症、ならびに生物学的プロセスの慢性妨害を示す。実際の身体状態の正確な査定のために、さらなる代謝パラメーターが考慮されなければならない。
酸化ストレスは、ミトコンドリア好気呼吸、細菌またはウイルス含有細胞の食作用、ならびに脂肪酸のペルオキシソーム媒介性分解により絶えず生成される反応性酸素種(ROS)により主に引き起こされる[Ames, B.N. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A 1993, 90, 7915-22]。ROS産生の増大は、炎症において、放射線照射中に、あるいはホルモン、薬剤および環境毒素の代謝中に生じる。
ROSは脂質と容易に反応して、異なる起源の脂質ヒドロペルオキシドを形成し得る。エステル化リノール酸含有脂質および遊離リノール酸のROS媒介性酸化は、ヒドロペルオキシオクタデカジエン酸(HPODE]異性体の形成を生じる;それらはその後、対応するヒドロキシオクタデカジエン酸(HODE)に還元される。他方で、ROSによるアラキドン酸含有脂質および遊離アラキドン酸の酸化は、ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸(HPETE)の複合混合物を形成し、これはヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE)に還元される[Blair, I.A., J. Biol. Chem 2008]。脂質ヒドロペルオキシドは、リポキシゲナーゼ(LOX)[Ames, B.N. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A 1993, 90, 7915-22]およびシクロオキシゲナーゼ(COX)[Porter, N.A. et al., Lipids 1995, 30, 277-90]によっても形成されて、多価不飽和脂肪酸(PUFA)に作用し得る。
正常代謝プロセスは酸化的損傷および炎症をもたらす危険な反応性酸素種を潜在的に生成するが、一方、両相互連結プロセスは順次、代謝反応に及ぼす全身性の且つ顕著な影響を有する。このプロセスは、年齢に伴って増大する。酸化ストレスおよび炎症は、多数の疾患、例えばアテローム硬化症、高血圧症、喘息、COPD、急性肺損傷、心不全、腎臓および肝臓疾患に関連づけられてきた。
例えば腎臓疾患に関しては、非伝統的危険因子と考えられる酸化ストレスの増大および急性期炎症の増大はともに、尿毒症性心臓血管性危険への重要な誘因であると仮定される[Himmelfarb, J., Seminars in Dialysis 2008, 17, 449-454(6)]。酸化的細胞損傷は、アルコール性および非アルコール性脂肪肝疾患を伴って肝臓で高頻度に生じ、これは、8−ヒドロキシデオキシグアノシンおよび4-ヒドロキシ−2’−ノネナール指数と壊死炎症との強い相関を示す[Seki, S. et al., Histopathology 2003, 42, 365-71;Seki, S. et al., Hepatol. Res. 2005, 33, 132-34]。
炎症および酸化ストレス関連パラメーターの同時査定、ならびに本発明による生物体の全体的代謝状態の確定は、疾患の診断、治療および予後に関して非常に有益である。理想的には、炎症、酸化ストレスおよび疾患の代謝的局面を網羅する、本発明により得られるような限定組および複合組のバイオマーカーは、健康管理における有益な診断および予後ツールとして役立つ。
本発明の生体試料中の炎症、酸化ストレスおよび代謝妨害の全身状態を確定するための方法によれば、アラキドン酸(エイコサノイド)、リノール酸および/またはドコサヘキサエン酸の1つまたは複数の誘導体が検出される(本明細書中では、以後、第一群の化合物と呼ぶ)。好ましくはアラキドン酸、リノール酸および/またはドコサヘキサエン酸のこれらの1つまたは複数の誘導体は、同一試料から同時に検出される。
アラキドン酸の誘導体は、好ましくは、アラキドン酸およびその代謝産物、例えばシクロオキシゲナーゼ−、リポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来プロスタノイド、ヒドロキシ−、ヒドロペルオキシ−およびエポキシル化酸、ならびに非酵素的過酸化生成物、例えばイソプロスタンからなる群から選択される。
リノール酸の誘導体は、リノール酸およびその代謝産物、例えばリポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来酸化生成物、ならびに非酵素的過酸化生成物からなる群から選択される。
ドコサヘキサエン酸の誘導体は、ドコサヘキサエン酸およびその代謝産物、例えばリポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来ドコサノイド、ならびに非酵素的過酸化生成物、例えばイソプロスタンからなる群から選択される。
さらに、本発明によれば、第一群の化合物、すなわち、アラキドン酸、リノール酸および/またはドコサヘキサエン酸の1つまたは複数の誘導体を、同時に、他の化学物質種からの炎症および/または酸化ストレスの1つまたは複数のパラメーター(本明細書中では、以後、第二群の化合物と呼ぶ)と一緒に検出することが好ましい。
他の化学物質種からのこれらのパラメーターは、例えば、脂質酸化および/または過酸化の生成物、チロシン誘導体、例えばNO−、Br−、Cl−チロシン、メチオニンスルホキシド、ケトン体、8−オキソ−グアニジンおよび8−OHグアノシン、ビオプテリン、プロビタミン、ビタミン、酸化防止剤、グルタチオン、オフタルメート、酸化コレステロールおよびステロールからなる群から選択される。
さらに、本発明によれば、アラキドン酸、リノール酸および/またはドコサヘキサエン酸の1つまたは複数の誘導体(第一群)、ならびに炎症および/または酸化ストレスの1つまたは複数のパラメーター(第二群)を、同時に、多の代謝産物クラスからの1つまたは複数の分析物(本明細書中では、以後、第三群の化合物と呼ぶ)と一緒に検出することが特に好ましい。他の代謝産物クラスからのこれらの分析物は、例えば、α−ケトグルタレート、スクシネート、CoQ10、メチオニン、スフィンゴ脂質、例えばセラミド−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴミエリンおよびヒドロキシル化スフィンゴミエリンからなる群から選択される。
本発明によれば、3つの群の上記の化合物(代謝産物)の任意の組合せを基礎にした方法を実行することが原則として可能である場合でさえ、下記で示されるような以下の組合せ1)〜6)が特に好ましい。
1)HETE/HODE+メチオニンスルホキシド+メチオニン
2)アラキドン酸+セラミド−1−ホスフェート
3)アラキドン酸+酸化コレステロール/ステロール+スフィンゴミエリン
4)プロスタグランジン+スフィンゴシン−1−ホスフェート
5)HETE/HODE+8−オキソ−グアニジン/8−OH−グアノシン
6)プロスタグランジン+NO2−チロシン。
検出は、好ましくは、WO2007/003344およびWO2007/003343(これらの出願はともに、参照により本明細書中で援用される)に記載されたような方法およびデバイスを用いて、1つまたは複数の代謝産物濃度を測定することにより実行される。微量滴定プレート中の挿入物がすでに内部標準を含有するこれらの方法を用いることにより、複雑なワークアップ方法を伴う一般的に用いられる多くの時間を要する誘導化過程、ならびに付加的な固相抽出または液−液抽出手順を回避することができる。その結果、本発明による方法は、要する時間がより少なくなり、そしてより小さな試料容量で実行され得る。特に、本発明によれば、5μl〜100μl、さらに好ましくは10μl〜50μlの範囲内の低容量を有する試料で検出を実行することが可能である。それとは全く異なり、従来技術の方法は、少なくとも500μlの容量を要する。本明細書に従って用いられるこれらの低試料容量により、当該方法は、小試料容積、例えば小動物からの試料に、あるいは新生児に関する試験に理想的に適用される。これらは別として、試料容量が本発明により有意に低減される場合でも、検出の限界は従来技術の検出限界とほとんど同一である。
生体試料は、哺乳類から、好ましくはマウス、ラット、モルモット、イヌ、ミニブタ、霊長類またはヒトから得られる。したがって本発明による方法は、in vitro方法である。
本発明による検出は、一般的に用いられる、且つ、当該技術分野で既知である定量的分析方法、例えば、クロマトグラフィー、分光分析および質量分光測定に基づいている。質量分光測定が特に好ましいが、しかし特定の技法が特に限定されるというわけではない。例えば大気圧イオン化方式またはMALDIを、単一または三連四重極型−、イオントラップ−、TOFまたはTOF−TOF−検出系と組合せる通常質量分光測定技法を含む任意の質量分光測定法が、本発明に従って用いられ得る。
全身代謝状態は、種々の種類の疾患を示し得る。本発明に従って関連し得る疾患の例は、種々の型の癌、炎症性疾患、例えば慢性気道炎症またはアテローム硬化症、ならびに代謝障害、例えば糖尿病である。さらに、閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、心虚血、糸球体腎炎、黄斑変性および種々の神経変性障害が言及され得る。本発明の方法は、酸化ストレスの漸次変化、例えば治療効果による変化を検出するのにも有用である。
さらに本発明は、当該方法を実行するために適合されたキットであって、1つまたは複数のウエル、ならびに少なくとも1つの内部標準を含浸された1つまたは複数の挿入物を含有するデバイスを包含するキットにも向けられる。このようなデバイスは、上記のようにWO2007/003344およびWO2007/003343に詳細に記載されている。
さらに本発明は、生体試料それ自体における炎症および酸化ストレスに関連した全身性代謝状態を確定するためのバイオマーカーにも向けられる。
特に好ましい実施形態を明記する以下の実施例を考慮すると、本発明はより明らかになる。
序論:
遊離脂肪酸代謝産物、例えばアラキドン酸およびその極めて多量の下流代謝産物はすべて、多数の生理学的および病理学的プロセス、例えば種々の型の癌、糖尿病、心臓血管性疾患および慢性気道炎症のような異なる疾患の発症において重要な役割を果たす。以下の実験設定では、種々の生体試料型におけるシクロオキシゲナーゼ−、リポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450酵素活性に由来するプロスタノイド、ヒドロキシ−、ヒドロペルオキシ−およびエポキシル化酸、ならびに非酵素的過酸化生成物、例えばイソプロスタンを確定することが主眼であった。
本発明に記載したように、20μLの血漿およびその他の生体マトリックスから遊離脂肪酸代謝産物を抽出し、その後、HPLC−MS/MSにより分析するために、迅速方法を実施した。この方法に用いた低試料容量により、当該方法は小動物試験に用いるための理想的適用になる。
定量的に確定した分析物を、表1に要約する。
Figure 2010528302
方法
種々の生体材料中の遊離脂肪酸代謝物を確定するために、図1に示したように、微量滴定プレート中に種々の代謝産物に関する安定同位体を含有するフィルタースポット上に少量の試料(20μL)を適用し、さらに誘導かせずに水性メタノール中で抽出した。HTC PAL自動試料採取機(CTC Analytics)とともにAgilent1100系(Agilent Technology)を用いた20μL抽出物の注入後に、RP-HPLC(Zorbax Eclipse C18、3.0×100mm、3.5μm)カラム上で代謝産物の分離を実行した。移動相組成は、A:H2O+0.05%(v/v)蟻酸、ならびにB:アセトニトリルプラス0.05%(v/v)蟻酸であった。流量は、500μL/分で一定であった。勾配溶離により、代謝産物を分離した。ESI電源(Applied Biosystems)を装備したAPI4000Qトラップ(商標)を用いた陰性検出モードでのMRM遷移により、検出を実行した。Analystバージョン1.4.2定量を用いて、代謝産物の定量化を実施した。標準混合物の代表的クロマトグラムを、図2aおよび2bに示す。
試料調製:
0.001%BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)を含有するEDTA被覆バイアル中で、血漿調製を実施した。脳、肝臓および前立腺組織のホモジネートを、PBS緩衝液中に調製した。
方法妥当性:
ヒト血漿を用いて、方法妥当性を実施した。定量のために、以下の内部標準を用いた:12(S)−HETE−d、PGE−d、PGD−d、TXB−d、PGF2α−d、6−ケトPGF1α−dおよびDHA−d。6−点検量線を用いて検定の線形性を確定し、1/x計量因子をデータに適用した。外部標準溶液で血漿試料をスパイクし、予測定量化限界までPBSで希釈することにより定量化の下限(LLOQ)および検出限界(LOD)を確定した。分析物の線形範囲、相関係数、ならびにLLOQおよびLODに関する値を、表2に列挙する。
Figure 2010528302
6連続日に亘って、3つの濃度でスパイクされた血漿の反復注入(n=5)により、日内および日差再現性を確定した。分析物の平均濃度を真の値と比較することにより、検定の正確度を算定した(n=5)。各化合物の日内および日差精度および正確度に関する平均変動係数(CV)を、表3に示す。
Figure 2010528302
妥当性手順は、以下の価を示した:
・定量化の下限は、5(S)-HpETE(LLOQ=143nmol/L)およびAA(LLOQ=233nmol/L)を除いて、すべて0.4〜50nmol/Lであった
・血漿中の典型的検定範囲は、プロスタノイドおよびヒドロキシル化脂肪酸代謝産物に関して1〜500nmol/Lである
・日内および日差精度に関する変動係数(CV)ならびに3つの濃度での正確度を確定した
・回収率は、代謝産物によって70〜120%であった。
記載された方法を、血漿、血清、肝臓、脳および前立腺ホモジネートに適用した。如何なる誘導化または蒸発ステップを必要とせずに、遊離脂肪酸代謝産物を同定し、定量し得た。図3a、b、cおよびdは、それぞれヒト血清、脳ホモジネート、肝臓ホモジネート(ネズミ)、および前立腺組織(ヒト)から抽出した酸化脂肪酸代謝産物のTICを示す。
疾患状態の試験症例は、肺炎症、前立腺癌および心臓血管性疾患と関連した遊離脂肪酸、プロスタグランジンおよびヒドロキシル化種の増大を示す。アラキドン酸の酸化を含めた低密度リポタンパク質(LDL)の酸化的修飾は腎変性における酸化ストレスおよび炎症プロセスを明白に示すため、一例として、当該方法を腎毒性モデルに適用した。
異なる投与量のピューロマイシンを摂取しているラットの4つの群から得た血漿試料を、分析した。図4に示したように、シクロオキシゲナーゼおよびリポキシゲナーゼ活性の増大が観察された。
エイコサノイドと酸化ストレスパラメーターとの同時検出
代謝産物クラスのクロマトグラフィー特性によって、2つの異なる方法で、異なる代謝産物クラスからの化合物の同時検出を実施した:
1)単一LC−MS/MS実行における試料からの同一抽出ならびに検出
2)異なるLC−MS/MS実行における試料からの同一抽出ならびに検出
3つの実施例を記載する。
ad 1)メチオニン(Met)、メチオニンスルホキシド(Met(O))
図5は、Met、Met(O)、D−Metおよび6つのプロスタグランジン(PGD、PGE、PGF2α、8−イソPGF2α、6−ケトPGF1αおよびTXB)のクロマトグラフィー分離を示す。MetおよびMet(O)のための内部標準として、D−Metを用いた。Met、Met(O)、D−Met(すべてに関してc=50μM)およびPGs(すべてに関してc=1μM)の標準溶液を上記のように同時に抽出し、LC−MS/MS系中に注入した。Met、Met(O)およびD−Metの検出を正イオンモードで達成し、t=3分後、データ獲得を負モードに切り替えて、プロスタノイドを検出した。
α−ケトグルタレート、スクシネート
図6は、α−ケトグルタレート、スクシネートおよび6つのPGsのクロマトグラフィー分離を示す。α−ケトグルタレートおよびスクシネートの濃度は100μMであり、6つのPGsの濃度はc=1μMであった。分析物を上記のように同時的に抽出し、LC−MS/MS系に注入した。負イオンモードで検出を実施した。
ad 2)4-ヒドロキシノネナール(4-HNE)
図7は、4-HNEおよび内部標準4-HNE−dの16μMの濃度でのクロマトグラフィー分離を示す。4-HNE、4-HNE−dおよび6つのPGsを上記のように抽出し、LC−MS/MS系に注入した。正イオンモードで検出を実施した。4-HNEのクロマトグラフィー特性(t=1.1分での移動相中の高有機含量−90%MeOH−での溶離)のため、4-HNEおよびエイコサノイドの抽出を同時的に実施したが、しかしながら、検出は、2つの異なるLC−MS/MS実行で実施されなければならない。
産業上の利用可能性
本発明は、生体試料中の炎症および酸化ストレスレベルに関連した全身性代謝状態を画定するための改良された方法を提供する。この方法は、きわめて感度が高く、全身性代謝状態におけるわずかな変化のみでも検出可能である。この方法は、アラキドン酸(エイコサノイド)、リノール酸および/またはドコサヘキサエン酸(ドコサノイド)の1つまたは複数の誘導体の検出および定量化を包含する。当該方法の感度ならびに結果の質をさらに増大するために、好ましくは1つまたは複数の酸化ストレスパラメーターを同時に検出し、定量する。当該方法は、他の代謝産物クラスからの1つまたは複数の代謝産物を同時にさらに検出し、定量することにより、さらに改良される。したがって本発明の特に好ましい実施形態では、3つの群の化合物が同時に検出され、定量されて、これが、炎症および酸化ストレスに関連した生物源の全身性代謝状態に関して当該方法(検定)の感度および信頼度を大いに改良する。
したがって、本発明に記載された方法は、生体試料における炎症および酸化ストレスに関連した代謝の平行確定を可能にする。これは、全身性代謝状態の包括的評価を可能にするために、特に鑑別診断のためには、不可欠である。さらなる利点は、当該手法が高い感度および選択度をともに有し、非常に低い試料用量、すなわち約20μLを要する、という事実に基づいている。
本発明の方法に従ってスクリーニングされるべき潜在的治療標的としては、広範囲のヒトの医学的症状、例えば種々の方の癌、糖尿病、閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、心虚血、糸球体腎炎、黄斑変性症および種々の神経変性疾患が挙げられる。本発明の方法は、全身性代謝状態の漸次変化、たとえば、治療効果による変化の検出にも有用である。したがって、該方法および該方法を実行するための該キットは、多くの医学分野において、診断および療法の両方できわめて効率的である。

Claims (21)

  1. 生体試料における炎症および/または酸化ストレスに関連した全身性代謝状態の確定方法であって、アラキドン酸の1つまたは複数の誘導体(エイコサノイド)、リノール酸の1つまたは複数の誘導体、および/またはドコサヘキサエン酸の1つまたは複数の誘導体を、同時に、好ましくは1つまたは複数の酸化ストレスパラメーターと、ならびに/あるいは他の代謝産物クラスからの1つまたは複数の分析物と一緒に検出し、定量化することを包含する方法。
  2. 前記酸化ストレスパラメーターが、脂質酸化および/または過酸化の生成物、チロシン誘導体、例えばNO−、Br−、Cl−チロシン、メチオニンスルホキシド、ケトン体、8−オキソ−グアニジンおよび8−OHグアノシン、ビオプテリン、プロビタミン、ビタミン、酸化防止剤、グルタチオン、オフタルメート、酸化コレステロールおよびステロールからなる群から選択される請求項1記載の方法。
  3. 他の代謝産物クラスからの前記分析物がα−ケトグルタレート、スクシネート、CoQ10、メチオニン、スフィンゴ脂質、例えばセラミド−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴミエリンおよびヒドロキシル化スフィンゴミエリンからなる群から選択される請求項1および/または請求項2記載の方法。
  4. 前記検出が1つまたは複数の代謝産物濃度を測定することにより実行される請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記検出が1μl〜1ml、好ましくは5μl〜100μl、さらに好ましくは10μl〜50μlの範囲内の容量を有する試料で実行される請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記検出が代謝産物の誘導化、ならびに/あるいは代謝産物の液−液または固相抽出のような任意の通常試料調製手法を用いずに実行される請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記生体試料が哺乳類から、好ましくはマウス、ラット、モルモット、イヌ、ミニブタ、霊長類またはヒトから得られる請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記検出が定量的分析方法、好ましくはクロマトグラフィー、分光分析および質量分光測定に基づいている請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. クロマトグラフィーがGC、CE、LC、HPLCおよびUPLCを含み;分光分析がUV/Vis、IRおよびNMRを含み;ならびに質量分光測定が通常質量分光測定技法(大気圧イオン化方式またはMALDIを、単一または三連四重極型−、イオントラップ−、TOFまたはTOF−TOF−検出系と組合せる)を含む請求項8記載の方法。
  10. アラキドン酸の前記誘導体がアラキドン酸およびその代謝産物、例えばシクロオキシゲナーゼ−、リポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来プロスタノイド、ヒドロキシ−、ヒドロペルオキシおよびエポキシル化酸、ならびに非酵素的過酸化生成物、例えばイソプロスタンからなる群から選択される請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. リノール酸の前記誘導体がリノール酸およびその代謝産物、例えばリポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来酸化生成物、ならびに非酵素的過酸化生成物からなる群から選択される請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ドコサヘキサエン酸の前記誘導体がドコサヘキサエン酸およびその代謝産物、例えばリポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来ドコサノイド、ならびに非酵素的過酸化生成物、例えばイソプロスタンからなる群から選択される請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記全身性代謝状態が種々の癌型、炎症性疾患、例えば慢性気道炎症またはアテローム硬化症、および代謝障害、例えば糖尿病を示す請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 1つまたは複数のウエルならびに少なくとも1つの内部標準を含浸された1つまたは複数の挿入物を含むデバイスを包含するキットであって、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の方法を実行するために適合されるキット。
  15. 生体試料における炎症および/または酸化ストレスに関連した全身性代謝状態を確定するためのバイオマーカーであって、アラキドン酸の1つまたは複数の誘導体(エイコサノイド)、リノール酸の1つまたは複数の誘導体、および/またはドコサヘキサエン酸の1つまたは複数の誘導体を、好ましくは1つまたは複数の酸化ストレスパラメーターと、ならびに/あるいは他の代謝産物クラスからの1つまたは複数の分析物と一緒に含むバイオマーカー。
  16. 前記酸化ストレスパラメーターが、脂質酸化および/または過酸化の生成物、チロシン誘導体、例えばNO−、Br−、Cl−チロシン、メチオニンスルホキシド、ケトン体、8−オキソ−グアニジンおよび8−OHグアノシン、ビオプテリン、プロビタミン、ビタミン、酸化防止剤、グルタチオン、オフタルメート、酸化コレステロールおよびステロールからなる群から選択される請求項15記載のバイオマーカー。
  17. 他の代謝産物クラスからの前記分析物がα−ケトグルタレート、スクシネート、CoQ10、メチオニン、スフィンゴ脂質、例えばセラミド−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴミエリンおよびヒドロキシル化スフィンゴミエリンからなる群から選択される請求項15および/または請求項16記載のバイオマーカー。
  18. アラキドン酸の前記誘導体がアラキドン酸およびその代謝産物、例えばシクロオキシゲナーゼ−、リポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来プロスタノイド、ヒドロキシ−、ヒドロペルオキシおよびエポキシル化酸、ならびに非酵素的過酸化生成物、例えばイソプロスタンからなる群から選択される請求項15〜請求項17のいずれか一項に記載のバイオマーカー。
  19. リノール酸の前記誘導体がリノール酸およびその代謝産物、例えばリポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来酸化生成物、ならびに非酵素的過酸化生成物からなる群から選択される請求項15〜請求項18のいずれか一項に記載のバイオマーカー。
  20. ドコサヘキサエン酸の前記誘導体がドコサヘキサエン酸およびその代謝産物、例えばリポキシゲナーゼ−およびチトクロームP450−由来ドコサノイド、ならびに非酵素的過酸化生成物、例えばイソプロスタンからなる群から選択される請求項15〜請求項19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記全身性代謝状態が種々の癌型、炎症性疾患、例えば慢性気道炎症またはアテローム硬化症、および代謝障害、例えば糖尿病を示す請求項15〜請求項20のいずれか一項に記載のバイオマーカー。
JP2010509737A 2007-05-31 2008-05-30 炎症および酸化ストレスレベル検定 Pending JP2010528302A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US92482007P 2007-05-31 2007-05-31
PCT/EP2008/004323 WO2008145384A1 (en) 2007-05-31 2008-05-30 Inflammation and oxidative stress level assay

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010528302A true JP2010528302A (ja) 2010-08-19

Family

ID=39743112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010509737A Pending JP2010528302A (ja) 2007-05-31 2008-05-30 炎症および酸化ストレスレベル検定

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20100233746A1 (ja)
EP (1) EP2165195A1 (ja)
JP (1) JP2010528302A (ja)
AU (1) AU2008256444A1 (ja)
CA (1) CA2688506A1 (ja)
WO (1) WO2008145384A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013200138A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 行動リズムモニタリング用バイオマーカー
JP2014016159A (ja) * 2012-07-05 2014-01-30 Kokuritsu Iyakuhin Shokuhin Eisei Kenkyusho アルツハイマー病の発症を予測する方法

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100102218A1 (en) 2008-08-08 2010-04-29 Samuel Rahbar METHODS OF QUANTIFYING N2-(1-CARBOXYETHYL)-2'-DEOXY-GUANOSINE (CEdG) AND SYNTHESIS OF OLIGONUCLEOTIDES CONTAINING CEdG
US11179361B2 (en) 2008-08-08 2021-11-23 City Of Hope Methods of quantifying N2-(1-carboxyethyl)-2′-deoxy-guanosine (CEdG) and synthesis of oligonucleotides containing CEdG
KR20120046754A (ko) * 2009-07-29 2012-05-10 페노미넘 디스커버리스 인코포레이티드 히드록시 지방산 화합물 및 질병 치료 및 진단을 위한 그의 용도
CN102269737B (zh) * 2010-06-07 2013-01-30 北京嘉事联博医药科技有限公司 一种酮戊二酸精氨酸盐的hplc检测方法
US10161928B2 (en) 2010-07-26 2018-12-25 Wellmetris, Llc Wellness panel
CN103091406B (zh) * 2011-11-04 2015-06-24 上海医药工业研究院 油菜蜂花粉中脂肪酸类化合物和/或甾醇类化合物的检测方法
US20160124002A1 (en) * 2013-06-14 2016-05-05 Seoul National University R&Db Foundation Method for detecting hypoxia or diagnosing hypoxia-related diseases
US20160202272A1 (en) * 2013-09-03 2016-07-14 Wellmetris Llc Wellness panel for companion animals
CN106018640A (zh) * 2016-01-27 2016-10-12 中国药科大学 一种快速筛选、鉴定肿瘤生物标记物的方法及应用
WO2019152728A1 (en) 2018-02-02 2019-08-08 City Of Hope Methods of quantifying methylglyoxal-induced nucleic acid adducts
CN109212087A (zh) * 2018-10-22 2019-01-15 嘉兴迈维代谢生物科技有限公司 一种类花生四烯酸类物质检测方法
CN109507337B (zh) * 2018-12-29 2022-02-22 上海交通大学医学院附属新华医院 一种基于血尿中代谢产物预测甘地胶囊治疗糖尿病肾病机制的新方法
FR3092968B1 (fr) * 2019-02-22 2021-05-21 Microphyt Complement alimentaire
CN113092643B (zh) * 2021-03-31 2023-04-28 大连工业大学 一种检测脂质加氧氧化产物的方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005059566A1 (ja) * 2003-12-16 2005-06-30 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 酸化ストレスマーカー及びその測定法
WO2007003343A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-11 Biocrates Life Sciences Ag Apparatus and method for analyzing a metabolite profile

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5891622A (en) * 1996-09-30 1999-04-06 Oxford Biomedical Research, Inc. Assessment of oxidative stress in vivo
US20020039594A1 (en) * 1997-05-13 2002-04-04 Evan C. Unger Solid porous matrices and methods of making and using the same
US6096556A (en) * 1998-02-09 2000-08-01 Washington University Method for the determination of oxidative stress
US20030211622A1 (en) * 1998-06-29 2003-11-13 Roberts L. Jackson Methods and compositions to assess oxidative brain injury
US6620800B1 (en) * 1998-06-29 2003-09-16 Vanderbilt University Methods and compositions to assess oxidative brain injury
US6641783B1 (en) * 1999-02-08 2003-11-04 Charles Pidgeon Chromatographic systems with pre-detector eluent switching
EP1495132B1 (en) * 2002-04-17 2013-08-28 The Cleveland Clinic Foundation Systemic marker for monitoring anti-inflammatory and antioxidant actions of therapeutic agents
US20090104705A1 (en) * 2005-05-23 2009-04-23 Jan Frederik Stevens Ascorbic acid conjugates

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005059566A1 (ja) * 2003-12-16 2005-06-30 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 酸化ストレスマーカー及びその測定法
WO2007003343A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-11 Biocrates Life Sciences Ag Apparatus and method for analyzing a metabolite profile

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013200138A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 行動リズムモニタリング用バイオマーカー
JP2014016159A (ja) * 2012-07-05 2014-01-30 Kokuritsu Iyakuhin Shokuhin Eisei Kenkyusho アルツハイマー病の発症を予測する方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008145384A1 (en) 2008-12-04
US20100233746A1 (en) 2010-09-16
EP2165195A1 (en) 2010-03-24
AU2008256444A1 (en) 2008-12-04
CA2688506A1 (en) 2008-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010528302A (ja) 炎症および酸化ストレスレベル検定
Bian et al. Derivatization enhanced separation and sensitivity of long chain-free fatty acids: Application to asthma using targeted and non-targeted liquid chromatography-mass spectrometry approach
Yuan et al. Lipidomic profiling of targeted oxylipins with ultra-performance liquid chromatography-tandem mass spectrometry
Pandey et al. Metabolomic signature of brain cancer
Strassburg et al. Quantitative profiling of oxylipins through comprehensive LC-MS/MS analysis: application in cardiac surgery
Tsikas et al. Analysis of eicosanoids by LC-MS/MS and GC-MS/MS: a historical retrospect and a discussion
Sterz et al. A simple and robust UPLC-SRM/MS method to quantify urinary eicosanoids
Kauhanen et al. Development and validation of a high-throughput LC–MS/MS assay for routine measurement of molecular ceramides
Antus Oxidative stress markers in sputum
Sidhu et al. A validated LC-MS/MS assay for quantification of 24 (S)-hydroxycholesterol in plasma and cerebrospinal fluid
Kortz et al. Liquid chromatography–tandem mass spectrometry for the analysis of eicosanoids and related lipids in human biological matrices: a review
Sasaki et al. Determination of ω-6 and ω-3 PUFA metabolites in human urine samples using UPLC/MS/MS
Rodriguez-Morato et al. Targeting human urinary metabolome by LC–MS/MS: a review
Chhonker et al. Quantification of eicosanoids and their metabolites in biological matrices: a review
Brose et al. A Fast One-Step Extraction and UPLC–MS/MS Analysis for E 2/D 2 Series Prostaglandins and Isoprostanes
Balgoma et al. Quantification of lipid mediator metabolites in human urine from asthma patients by electrospray ionization mass spectrometry: controlling matrix effects
Liu et al. Oxidized fatty acid analysis by charge-switch derivatization, selected reaction monitoring, and accurate mass quantitation
Wang et al. Shotgun lipidomics analysis of 4-hydroxyalkenal species directly from lipid extracts after one-step in situ derivatization
Hu et al. Sensitive analysis of fatty acid esters of hydroxy fatty acids in biological lipid extracts by shotgun lipidomics after one-step derivatization
Hu et al. Correlation between concentrations of 8-oxo-7, 8-dihydro-2′-deoxyguanosine in urine, plasma and saliva measured by on-line solid-phase extraction LC-MS/MS
Magiera Fast, simultaneous quantification of three novel cardiac drugs in human urine by MEPS–UHPLC–MS/MS for therapeutic drug monitoring
Chen et al. Elevated levels of oxidative nucleic acid modification markers in urine from gastric cancer patients: quantitative analysis by ultra performance liquid chromatography-tandem mass spectrometry
Langhorst et al. Determination of F2-isoprostanes in urine by online solid phase extraction coupled to liquid chromatography with tandem mass spectrometry
Ebbel et al. Identification of phenylbutyrate-generated metabolites in Huntington disease patients using parallel liquid chromatography/electrochemical array/mass spectrometry and off-line tandem mass spectrometry
Andries et al. Recent progress in the LC–MS/MS analysis of oxidative stress biomarkers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131105