JP2010526051A - 疼痛を治療するためのnav1.8チャネルモジュレーターとしてのn−[6−アミノ−5−(フェニル)ピラジン−2−イル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミド誘導体および関連化合物 - Google Patents

疼痛を治療するためのnav1.8チャネルモジュレーターとしてのn−[6−アミノ−5−(フェニル)ピラジン−2−イル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミド誘導体および関連化合物 Download PDF

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Abstract

【化1】
Figure 2010526051

本発明は、式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、その調製方法、その調製に使用する中間体、そのような化合物を含有する組成物、疼痛を治療するためのそのような化合物の使用に関する。

Description

本発明は、ピラジン誘導体に関する。より詳細には、本発明は、ヘテロアリールで置換されたN−[6−アミノ−5−アリール−ピラジン−2−イル]−カルボキサミド誘導体、ならびにそのような誘導体を調製するための方法、その調製に使用する中間体、それを含有する組成物およびその使用に関する。
本発明のピラジン誘導体はナトリウムチャネルモジュレーターであり、特に疼痛の治療においていくつかの治療上の応用を有する。より詳細には、本発明のピラジン誘導体はNaV1.8モジュレーターである。本発明の好ましいピラジン誘導体が示すNaV1.8チャネルに対する親和性は、NaV1.5チャネルおよびテトロドトキシン感受性ナトリウムチャネル(TTX−S)に対するその親和性よりも高い。
NaV1.8チャネルとは、有痛刺激の伝達を担っている感覚ニューロンである侵害受容器中で発現される、電位作動型のナトリウムチャネルである。ラットチャネルおよびヒトチャネルがそれぞれ1996年および1998年にクローニングされている(Nature、1996;379:257〜262;Pain、1998(11月);78(2):107〜114)。NaV1.8チャネルは、以前はSNS(感覚ニューロン特異的)およびPN3(3型末梢神経)として知られていた。NaV1.8チャネルは、フグ毒素テトロドトキシンの遮断効果に対して耐性を示すという点で異型であり、後根神経節ニューロンから記録される遅効性作動型かつテトロドトキシン耐性(TTX−R)のナトリウム流の基礎をなしていると考えられている。NaV1.8チャネルに最も近い分子的類縁体は、心臓ナトリウムチャネルであるNaV1.5チャネルであり、約60%の相同性を共有する。NaV1.8チャネルは、後根神経節(DRG)の「小細胞」中で最も高く発現される。これらは、推定上の多様式侵害受容器、または疼痛センサーであるC−およびA−δ細胞であると考えられている。通常の条件下では、NaV1.8チャネルはDRGニューロンの部分集団以外の場所では発現されない。NaV1.8チャネルは、DRG感作のプロセス、また神経傷害による過剰興奮性にも寄与すると考えられている。NaV1.8チャネルの阻害変調は、それらが興奮性プロセスに寄与することを防止することによって、侵害受容器の興奮性を減少することを目的とする。
研究により、NaV1.8のノックアウトが鈍い疼痛表現型、主に炎症性免疫誘発をもたらし(A.N.Akopian他、Nat.Neurosci.、1999;2;541〜548)、NaV1.8ノックダウンが疼痛挙動、この場合は神経因性疼痛を減少させる(J.Lai他、Pain、2002(1月);95(1〜2):143〜152)ことが示されている。Coward他およびYiangou他は、NaV1.8が疼痛状態で発現されると考えられることを示している(Pain.、2000(3月);85(1〜2):41〜50およびFEBS Lett.、2000(2月11日);467(2〜3):249〜252)。
NaV1.8チャネルはまた、背中および歯髄に関連する構造中で発現されることも示されており、カウザルギー、炎症性腸状態および多発性硬化症における役割の証拠も存在する(Bucknill他、Spine.、2002(1月15日);27(2):135〜140:Shembalker他、Eur J Pain.、2001;5(3):319〜323:Laird他、J Neurosci.、2002(10月1日);22(19):8352〜8356:Black他、Neuroreport.、1999(4月6日);10(5):913〜918およびProc.Natl.Acad.Sci.USA、2000:97:11598〜11602)。
いくつかのナトリウムチャネルモジュレーター、たとえば、すべて脳テトラドトキシン感受性(TTX−S)ナトリウムチャネルを標的とするカルバマゼピン、アミトリプチリン、ラモトリギンおよびリルゾールが、抗痙攣剤または抗鬱剤としての使用で知られている。そのようなTTX−S剤は、眩暈、運動失調および傾眠を含めた、主に脳内のTTX−Sチャネルでの作用が原因となる用量規制副作用に悩まされている。
WO−A−03/051366は、癌の治療に有用なプロテインキナーゼ阻害剤を記載している。WO−A−03/45924は、CNS関連障害の治療に有用なCRF拮抗剤を記載している。WO−A−98/38174は、ナトリウムチャネルブロッカーとして作用すると記述されているピラジン誘導体を記載している。
本発明の一目的は、良好な薬物候補である新規NaV1.8チャネルモジュレーターを提供することである。好ましい化合物は、NaV1.8チャネルと強力に結合する一方で、他のナトリウムチャネル、特にNaV1.5チャネルおよびTTX−Sチャネルに対しては低い親和性しか示さず、NaV1.8チャネルモジュレーターとして機能的活性を示しているべきである。これらは、胃腸管から良好に吸収され、代謝的に安定であり、かつ好ましい薬物動態学的特性を保有しているべきである。これらは、無毒性かつ少ない副作用しか示さないべきである。さらに、理想的な薬物候補は、安定、非吸湿性かつ容易に配合される物理形態で存在する。本発明の好ましいピラジン誘導体は、NaV1.5チャネルおよびテトラドトキシン感受性(TTX−S)ナトリウムチャネルよりもNaV1.8チャネルに対して選択的であり、これにより副作用プロフィールの改善がもたらされる。
したがって、本発明のピラジン誘導体は、広範囲の障害、特に疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、炎症性疼痛、内蔵痛、手術後疼痛を含めた侵害受容性疼痛、また、内臓、胃腸管、頭蓋組織、筋骨格系、脊髄、泌尿生殖系、心血管系ならびに癌性疼痛、背部痛および口腔顔面痛を含めたCNSに関連する混合疼痛種の治療に、潜在的に有用である。
本発明のピラジン誘導体で治療し得る他の状態には、多発性硬化症、神経変性障害、過敏性腸症候群、骨関節炎、関節リウマチ、神経病理学的障害、機能性腸障害、炎症性腸疾患、月経困難症に関連する疼痛、骨盤痛、膀胱炎、膵炎、片頭痛、群発性頭痛および緊張性頭痛、糖尿病性神経障害、末梢神経因性疼痛、坐骨神経痛、線維筋痛症、カウザルギー、ならびに下部尿路機能不全の状態が含まれる。
本発明は、式(I)のピラジン誘導体:
Figure 2010526051
またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物
[式中、Arは、
Figure 2010526051
であり、
→は、ピラジン環との結合点を示し、
それぞれのRは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ、シアノおよびハロから独立して選択され、
nは0〜4であり、
は、CFまたはOCFであり、
は、
Figure 2010526051
から選択される5員のヘテロアリール基であり、
→は、カルボニル部分との結合点を示し、
は、水素、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルである]を提供する。
上記定義中、ハロとは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。要求された数の炭素原子を含有するアルキルおよびアルコキシ基は、分枝鎖状でないまたは分枝鎖状であることができる。アルキルの例には、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびi−プロピル)、ならびにブチル(n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル)が含まれる。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n−プロポキシおよびi−プロポキシ)ならびにブトキシ(n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシおよびt−ブトキシ)が含まれる。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチルが含まれる。ハロアルコキシの例には、トリフルオロメトキシが含まれる。
好ましい態様(A)では、本発明は、式(I)のピラジン誘導体、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物[式中、Rは、
Figure 2010526051
であり、ArおよびRは、上記定義したとおりである]を提供する。
好ましい態様(B)では、本発明は、式(I)のピラジン誘導体、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物[式中、その最も広い態様または(A)の下の好ましい態様のいずれかにおいて、Arは上記定義したとおりであり、Rは上記定義したとおりであり、Rは、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルであり、より好ましくは、Rは、メチル、エチル、プロピル、トリフルオロメチルまたはメトキシメチルである]を提供する。
好ましい態様(C)では、本発明は、式(I)のピラジン誘導体、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物[式中、その最も広い態様または(A)もしくは(B)の下の好ましい態様のいずれかにおいて、Ar、RおよびRは、上記定義したとおりであり、それぞれのRは、ハロおよび(C〜C)アルコキシから独立して選択され、より好ましくは、それぞれのRは、クロロ、フルオロおよびエトキシから独立して選択される]を提供する。
好ましい態様(D)では、本発明は、式(I)のピラジン誘導体、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物[式中、その最も広い態様または(A)、(B)もしくは(C)の下の好ましい態様のいずれかにおいて、Ar、R、RおよびRは、上記定義したとおりであり、nは、0、1、2または3であり、より好ましくは、nは、0、1または2である]を提供する。
本発明による具体的な好ましいピラジン誘導体は、以下の実施例のセクションに記載したものならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物である。
NaV1.8チャネルモジュレーターである式(I)の化合物は、様々な障害の治療に潜在的に有用である。疼痛、特に慢性、炎症性、神経因性、侵害受容性および内蔵の疼痛の治療が、好ましい使用である。
生理的疼痛は、外部環境からの潜在的に傷害性のある刺激の危険を警告するように設計されている、重要な保護機構である。この系は、一次感覚ニューロンの特異的な組を介して作動し、末梢伝達機構を介した侵害刺激によって活性化される(総説には、Millan、1999、Prog.Neurobiol.、57、1〜164を参照)。これらの感覚線維は侵害受容器として知られており、特徴的に伝導速度の遅い、小さな直径の軸索である。侵害受容器は、侵害刺激の強度、持続期間および質をコードしており、また、その組織分布的に組織された脊髄への突出のおかげで、刺激の位置をコードしている。侵害受容器は、主にA−δ線維(ミエリン化)およびC線維(非ミエリン化)の2種類が存在する、侵害受容性の神経線維上に見つかる。侵害受容器のインプットによって生じる活性は、後角内での複雑な処理の後に、直接、または脳幹中継核を介して、基底腹側視床へ、その後、皮質へと伝達され、ここで疼痛感覚が生成される。
疼痛は、一般に急性または慢性として分類し得る。急性疼痛は突然始まり、長続きしない(通常は12週間以下)。これは、通常は特定の傷害などの特定の原因に関連しており、多くの場合は鋭くかつ重篤である。これは、手術、歯科的処置、挫傷または捻挫から生じる特定の傷害後に起こる場合がある種類の疼痛である。急性疼痛は、一般に、どのような持続性の心理学的応答ももたらさない。対照的に、慢性疼痛は長期的な疼痛であり、典型的には3カ月よりも長く持続し、顕著な心理学的および情動的な問題をもたらす。慢性疼痛の一般的な例は、神経因性疼痛(たとえば、有痛性の糖尿病性神経障害、ヘルペス後神経痛)、手根管症候群、背部痛、頭痛、癌性疼痛、関節痛および慢性手術後疼痛である。
疾患または外傷によって相当な傷害が体組織に起こった場合、侵害受容器の活性化の特徴が変更され、末梢的に、傷害周辺に局所的に、および侵害受容器が終結する場所で中心的に感作が存在する。これらの効果は増大した疼痛感覚をもたらす。急性疼痛では、これらの機構は、修復プロセスが起こることをより良好に可能にし得る保護挙動の促進に有用な場合がある。通常の予測は、傷害が治癒した後に感度が正常に戻ることである。しかし、多くの慢性疼痛状態では、過敏症が治癒プロセスよりもはるかに長く続き、これは、多くの場合神経系傷害によるものである。この傷害は、多くの場合、適応不全および異常活性に関連する感覚神経線維の異常をもたらす(Woolf&Salter、2000、Science、288、1765〜1768)。
患者の症状のうちで不快および異常な感度が特色となっている場合に、臨床的疼痛が存在する。患者は相当に不均一である傾向にあり、様々な疼痛症状を提示し得る。そのような症状には、1)鈍い、灼けつく、または突き刺すようであり得る自発性疼痛、2)侵害刺激に対する誇張された疼痛応答(痛覚異常過敏)、および3)通常は無害の刺激によって生じる疼痛(アロディニア−Meyer他、1994、疼痛の教科書(Textbook of Pain)、13〜44)が含まれる。様々な形態の急性および慢性疼痛を患っている患者が同様の症状を有し得るが、根底にある機構は異なる場合があり、したがって異なる治療戦略を要し得る。したがって、疼痛は、侵害受容性、炎症性および神経因性の疼痛を含めた、異なる病態生理学に従ったいくつかの異なるサブタイプに分類することもできる。
侵害受容性疼痛は、組織傷害によって、または傷害を引き起こす潜在性を有する激烈な刺激によって誘発される。疼痛求心性神経は、傷害部位での侵害受容器による刺激の伝達によって活性化され、その終結レベルで脊髄中のニューロンを活性化させる。その後、これが脊髄路を上って脳までリレーされ、ここで疼痛が認知される(Meyer他、1994、疼痛の教科書(Textbook of Pain)、13〜44)。侵害受容器の活性化は2種類の求心性神経線維を活性化させる。ミエリン化A−δ線維は迅速に伝達し、鋭くかつ突き刺すような疼痛感覚を担っている一方で、非ミエリン化C線維はより遅い速度で伝達し、鈍いまたはうずくような疼痛を伝える。中等度から重篤な急性侵害受容性疼痛は、中枢神経系外傷、挫傷/捻挫、火傷、心筋梗塞および急性膵炎からの疼痛、手術後疼痛(任意の種類の外科的処置に続く疼痛)、外傷後疼痛、腎仙痛、癌性疼痛ならびに背部痛の顕著な特長である。癌性疼痛は、腫瘍関連疼痛(たとえば、骨痛、頭痛、顔面痛もしくは内蔵痛)または癌治療に関連する疼痛(たとえば、化学療法後症候群、慢性手術後疼痛症候群もしくは放射線後症候群)などの慢性疼痛であり得る。癌性疼痛はまた、化学療法、免疫療法、ホルモン療法または放射線療法に応答して起こり得る。背部痛は、ヘルニア状態もしくは破裂した椎間板または腰椎椎間関節、仙腸関節、傍脊柱筋群もしくは後縦靱帯の異常が原因であり得る。背部痛は自然に回復し得るが、12週間を超えて持続する一部の患者では、これは慢性症状となり、著しく衰弱させる場合がある。
神経因性疼痛は、現在、神経系の原発性の病変または機能不全によって開始または引き起こされる疼痛として定義されている。神経損傷は外傷および疾患によって引き起こされる場合があり、したがって、用語「神経因性疼痛」には、多様な病因を有する多くの障害が包含される。これらには、それだけには限定されないが、末梢神経障害、糖尿病性神経障害、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、背部痛、癌神経障害、HIV神経障害、幻肢痛、手根管症候群、中枢性卒中後痛ならびに慢性アルコール依存症、甲状腺機能低下症、尿毒症、多発性硬化症、脊髄傷害、パーキンソン病、癲癇およびビタミン欠乏症に関連する疼痛が含まれる。神経因性疼痛は、保護的役割を持たないため、病理的である。多くの場合これは、最初の原因が消えたずいぶん後にも存在し、一般的に何年も持続し、患者の生活の質を顕著に低下させる(WoolfおよびMannion、1999、Lancet、353、1959〜1964)。神経因性疼痛の症状は、同じ疾患を患っている患者間でさえも多くの場合異なっているため、治療が困難である(Woolf&Decosterd、1999、Pain補遺6、S141〜S147;WoolfおよびMannion、1999、Lancet、353、1959〜1964)。それらには、連続的な場合がある自発性疼痛、ならびに痛覚異常過敏(侵害刺激に対する感度の増加)およびアロディニア(通常は無害の刺激に対する感度)などの発作性または異常によって誘発された疼痛が含まれる。
炎症プロセスは、複雑な一連の生化学的事象および細胞事象であり、組織傷害または外来物質の存在に応答して活性化され、腫脹および疼痛をもたらす(LevineおよびTaiwo、1994、疼痛の教科書(Textbook of Pain)、45〜56)。関節痛が最も一般的な炎症性疼痛である。リウマチ様疾患が先進国における最も一般的な慢性炎症性状態の1つであり、関節リウマチが身体障害の一般的な原因である。関節リウマチの正確な病因は知られていないが、現在の仮説では、遺伝学的および微生物学的因子がどちらも重要であり得ることが示唆されている(Grennan&Jayson、1994、疼痛の教科書(Textbook of Pain)、397〜407)。約1600万人の米国人が症候性骨関節炎(OA)または変形性関節疾患に罹患していると推定されている。そのうちのほとんどが60歳を超えており、これは集団の年齢が増加するにつれて4000万人まで増加すると予測されており、このことにより、これは非常に重大な公衆衛生の問題となっている(Houge&Mersfelder、2002、Ann Pharmacother.、36、679〜686;McCarthy他、1994、疼痛の教科書(Textbook of Pain)、387〜395)。骨関節炎を患っている患者のほとんどが、それに関連する疼痛のため、医学的治療を求めている。関節炎は、心理社会的および物理的機能に顕著な影響を与え、その後の生活における身体障害の主な原因として知られている。強直性脊椎炎も、脊髄および仙腸関節の関節炎を引き起こすリウマチ性疾患である。これは、一生を通じて起こる背部痛の間欠的なエピソードから、脊髄、末梢関節および他の身体器官を攻撃する重篤な慢性疾患まで多様である。
別の種類の炎症性疼痛は、炎症性腸疾患(IBD)に関連する疼痛が含まれる内蔵痛である。内蔵痛とは、腹腔の器官が包含される内臓に関連する疼痛である。これらの器官には、性器、脾臓および消化系の一部が含まれる。内臓に関連する疼痛は、消化内蔵痛および非消化内蔵痛に分けることができる。疼痛を引き起こす一般的に遭遇する胃腸管系(GI)障害には、機能性腸障害(FBD)および炎症性腸疾患(IBD)が含まれる。これらのGI障害には、FBDに関しては胃食道逆流、消化不良、過敏性腸症候群(IBS)および機能性腹痛症候群(FAPS)、ならびにIBDに関してはクローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎を含めた、現在では中等度にしか制御されていない広範囲の病状が含まれ、これらはすべて、定期的に内蔵痛を生じる。他の種類の内蔵痛には、月経困難症、膀胱炎および膵炎に関連する疼痛ならびに骨盤痛が含まれる。
一部の種類の疼痛は複数の病因を持ち、したがって複数の領域に分類することができることに注意されたい。たとえば、背部痛および癌性疼痛は、侵害受容性および神経因性の要因をどちらも有する。
他の種類の疼痛には、
・筋痛、線維筋痛症、脊椎炎、血清陰性(非リウマチ様)関節症、非関節性リウマチ、ジストロフィン異常症、グリコーゲン分解、多発性筋炎および化膿性筋炎を含めた、筋骨格障害から生じる疼痛、
・狭心症、心筋梗塞、増帽弁狭窄症、心膜炎、レイノー現象、浮腫性硬化症および骨格筋虚血によって引き起こされる疼痛を含めた、心臓および血管の疼痛、
・片頭痛(前兆ありの片頭痛および前兆なしの片頭痛を含む)、群発頭痛、緊張型頭痛、混合性頭痛ならびに血管障害に関連する頭痛などの頭痛、
・歯痛、耳痛、口腔内灼熱症候群および側頭下顎筋筋膜痛を含めた口腔顔面痛
が含まれる。
式(I)のピラジン誘導体はまた、多発性硬化症の治療にも有用であると予測される。
本発明はまた、神経変性障害の症状を治療または軽減させる薬剤としての、式(I)のピラジン誘導体の治療的使用にも関する。そのような神経変性障害には、たとえば、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、および筋萎縮性側索硬化症が含まれる。本発明はまた、急性脳傷害と呼ばれる神経変性障害の治療も包含する。これらには、それだけには限定されないが、脳卒中、頭部外傷、および仮死が含まれる。脳卒中とは大脳の血管疾患をいい、脳血管発作(CVA)とも呼ぶ場合があり、急性血栓塞栓性脳卒中が含まれる。脳卒中には、局所虚血および全虚血がどちらも含まれる。また、一過性大脳虚血性発作および脳虚血を伴う他の大脳の血管問題も含まれる。これらの血管障害は、具体的に頸動脈内膜切除術または一般に他の脳血管もしくは血管の外科的処置、または大脳血管造影法などを含めた診断的血管手順を受けている患者で起こり得る。他の事例は、頭部外傷、脊髄外傷、または全身性無酸素症、低酸素症、低血糖症、低血圧からの傷害、ならびに手順中に見られる塞栓除去術、過剰灌流、および低酸素症からの同様の傷害である。本発明は、様々な事例、たとえば心臓バイパス手術中、頭蓋内出血、出生時仮死、心停止、および癲癇重積症の事例で有用であろう。
熟練した医師は、本発明の方法により管理することについて、対象が、たとえば脳卒中を患っているのと同様に、脳卒中への感受性を有するもしくはその危険を有する状況を、適切に決定できるであろう。
本発明の化合物は、それだけには排他的に限定されないが、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁および混合性尿失禁、関連する尿失禁を伴う過活動膀胱、遺尿症、夜尿症、連続性尿失禁、ならびに性交中の失禁などの状況的尿失禁を含めた、過活動膀胱、日中頻度増加、夜間多尿、緊急性、尿失禁(不随意の尿漏れが存在する任意の状態)を含めた、下部尿路機能不全の状態の治療に有用である。下部尿路の機能、ひいては下部尿路機能不全に関与する状態の治療におけるその潜在的な有用性に対する、そのような化合物の活性は、当業者に知られており、文献に頻繁に記載されているいくつかの標準のin vivoモデルを利用して、調査および評価することができる(Morrison,J.他、神経生理学および神経薬理学(Neurophysiology and Neuropharmacology)、失禁症(Incontinence)、Abrams,P.、Cardozo,C.、Khoury,S.およびWein,A.編、世界保健機関コンセンサス会議報告書(Report of the World Health Organisation Consensus Conference)、フランス、Paris:Health Publications Ltd.、2002:83〜163;Brune ME他、イヌ科動物尿道内圧プロフィロメトリーおよび腹部尿漏出圧モデルにおけるα−1アドレナリン受容体作用剤の比較(Comparison of alpha 1−adrenoceptor agonists in canine urethral pressure profilometry and abdominal leak point pressure models)、J Urol.、2001、166:1555〜9)。
本発明はまた、関節リウマチを治療する薬剤としての、式(I)のピラジン誘導体の治療的使用にも関する。関節リウマチ(RA)は、最終的に肥大し、有痛性となり、関節の軟骨、骨、および靱帯の分解を経験する炎症関節を生じる、慢性自己免疫および炎症性疾患とみなされている。RAの結果は、関節の変形、不安定性、および硬直ならびに関節内の瘢痕である。関節は、高度に変動する速度で変質する。遺伝的素因を含めた多くの要素が疾患のパターンに影響を与え得る。関節リウマチを患っている人は、長期間の疾患のない寛解を伴った緩和な経過の時折の激発、またはゆっくりもしくは迅速であり得る安定した進行性疾患を有し得る。関節リウマチは突然開始する場合があり、多くの関節が同時に炎症状態となる。しばしば、これは軽微に開始し、徐々に様々な関節に影響を与える。通常、炎症は対称的であり、身体の両側の関節が影響を受ける。典型的には、手指、足指、手、足、手首、肘、および足首中の小さな関節が最初に炎症状態となり、膝および腰が続く。
本発明の化合物は、関節リウマチ、骨関節炎、反応性関節炎(ライター症候群)、感染性関節炎、乾癬性関節炎、多発性関節炎、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、若年性反応性関節炎および若年性乾癬性関節炎を含めた関節炎の治療に有用である。関節痛(joint pain)(関節痛(arthralgia)とも呼ばれる)は、1つまたは複数の関節に影響を与えることができる。関節痛は、関節リウマチ、骨関節炎、および滑液包炎(すなわち滑液包の炎症)を含めた、多くの種類の傷害または状態によって引き起こされる場合がある。
本発明のピラジン誘導体で治療できる他の状態には、強直性脊椎炎、リウマチ、淋菌性関節炎、鎌状赤血球疾患、関節感染症、ライム病、乾癬、リウマチ性多発性筋炎、血友病、癌、ホルモン性障害、神経系障害、梅毒、未分化脊髄関節症(USpA)、痛風、クローン病、多発性硬化症、神経変性障害、過敏性腸症候群、神経病理学的障害、機能性腸障害、炎症性腸疾患、月経困難症に関連する疼痛、骨盤痛、膀胱炎、膵炎、片頭痛、群発性頭痛および緊張性頭痛、糖尿病性神経障害、末梢神経因性疼痛、坐骨神経痛、線維筋痛症、カウザルギー、下部尿路機能不全の状態、重症筋無力症、ギラン−バレー、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、ウェゲナー肉芽腫症などの血管炎、ベーチェット病、乾癬、ヘルペス状皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫肝炎、1型または免疫媒介性の真性糖尿病、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻副鼻腔炎、慢性中耳炎、再発性中耳炎、アレルギー性薬物反応、アレルギー性昆虫刺傷反応、アレルギー性ラテックス反応、結膜炎、蕁麻疹、アナフィラキシー反応、アナフィラキシー様反応、アトピー性皮膚炎、喘息、食品アレルギー、グレーブス病、橋本甲状腺炎、自己免疫卵巣炎および睾丸炎、副腎の自己免疫障害、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群ならびに潰瘍性大腸炎が含まれる。
式(I)のピラジン誘導体はまた、以下の治療に有用であると予測される:
・種類、病因、または病原性を問わない喘息、特に、アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、アトピー性気管支IgE媒介性喘息、気管支喘息、本態性喘息(essential asthma)、真性喘息(true asthma)、病態生理学的撹乱によって引き起こされる内因性喘息、環境因子によって引き起こされる外因性喘息、未知または不明確な原因の本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支喘息、気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲン誘発喘息、冷気誘発喘息、職業性喘息、細菌、真菌、原虫、またはウイルス感染によって引き起こされる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発性喘息、喘鳴乳児(wheezy infant)症候群および細気管支炎からなる群から選択されるメンバーである喘息、ならびに
・種類、病因、または病原性を問わない閉塞性または炎症性気道疾患、特に、慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、COPDと関連したまたは関連しない慢性気管支炎、肺気腫または呼吸困難が含まれるCOPD、不可逆的な進行性気道閉塞によって特徴づけられたCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法の結果として起こる気道過剰反応性の悪化および肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択されるメンバーである閉塞性または炎症性気道疾患。
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩および塩基塩が含まれる。
適切な酸付加塩は、無毒性の塩を形成する酸から形成する。例には、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベシル酸、炭酸水素/炭酸、硫酸水素/硫酸、ホウ酸、カンシラート、クエン酸、シクラミン酸、エジシル酸、エシレート、ギ酸、フマル酸、グルセプテート、グルコン酸、グルクロン酸、ヘキサフルオロリン酸、ヒベンズ酸、塩酸/塩化物、臭化水素酸/臭化物、ヨウ化水素酸/ヨウ化物、イセチオン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、メシル酸、メチル硫酸、ナフチル酸、2−ナプシル酸、ニコチン酸、硝酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸/リン酸水素/リン酸二水素、ピログルタミン酸、サッカリン酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸およびキシノホ酸の塩が含まれる。
適切な塩基塩は、無毒性の塩を形成する塩基から形成する。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オーラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛の塩が含まれる。
酸および塩基のヘミ塩、たとえば、ヘミ硫酸およびヘミカルシウム塩も形成し得る。
適切な塩の総説には、製薬塩のハンドブック:特性、選択、および使用(Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use)、StahlおよびWermuth(Wiley−VCH、2002)を参照されたい。
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、3つの方法のうちの1つまたは複数によって調製し得る。
(i)式(I)の化合物を所望の酸または塩基と反応させることによる方法、
(ii)酸または塩基不安定性の保護基を式(I)の化合物の適切な前駆体から除去することによる方法、または
(iii)適切な酸もしくは塩基と反応させることによって、または適切なイオン交換カラム手段によって、式(I)の化合物の1つの塩を別の塩に変換することによる方法。
3つの反応はすべて、典型的には溶液中で実施する。生じた塩が沈殿する場合があり、濾過によって収集するか、または溶媒の蒸発によって回収し得る。生じた塩のイオン化の度合は、完全にイオン化状態からほとんど非イオン化状態まで、変動し得る。
本発明の化合物は、完全に非晶質から完全に結晶性の範囲の固体状態の連続体で存在し得る。用語「非晶質」とは、物質が分子レベルで長距離秩序を欠き、温度に応じて固体または液体の物理特性を示し得る状態をいう。典型的には、そのような物質は特有のX線回折パターンを与えず、固体の特性を示す一方で、より正式には液体として記載される。加熱した際、固体から液体への特性の変化が起こり、これは、典型的には二次の状態の変化によって特徴づけられる(「ガラス転移」)。用語「結晶性」とは、物質が分子レベルで規則的な秩序の内部構造を有し、明確なピークを有する特有のX線回折パターンを与える固相である。そのような物質も、十分に加熱した際は液体の特性を示すが、固体から液体への変化は、典型的には一次の相変化によって特徴づけられる(「融点」)。
本発明の化合物はまた、非溶媒和および溶媒和の形態でも存在し得る。本明細書中で使用する用語「溶媒和物」とは、本発明の化合物と1つまたは複数の薬学的に許容できる溶媒分子、たとえばエタノールとを含む分子複合体を記載する。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に用いる。
現在受け入れられている有機水和物の分類系は、単離部位、チャネル、または金属イオン配位の水和物を定義するものである。製薬固体における多型性(Polymorphism in Pharmaceutical Solids)、K.R.Morris(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995)を参照されたい。単離部位水和物とは、水分子が、介在有機分子によって互いとの直接接触から単離されているものである。チャネル水和物では、水分子が格子状チャネルで、他の水分子の隣に配置されている。金属イオン配合水和物では、水分子が金属イオンと結合している。
溶媒または水が密に結合している場合、複合体は湿度とは無関係に明確に定義された化学量論を有する。しかし、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物の場合のように、溶媒または水が弱く結合している場合は、水/溶媒含有量は湿度および乾燥条件に依存する。そのような、非化学量論が標準となる。
また、本発明の範囲内には、薬物および少なくとも1つの他の構成要素が化学量論量または非理論量で存在する、複数構成要素の複合体(塩および溶媒和物以外)も含まれる。この種の複合体には、クラスレート(薬物−ホスト包接複合体)および共結晶が含まれる。後者は、典型的には非共有相互作用によって一緒に結合している中性分子成分の結晶性複合体として定義されるが、中性分子と塩との複合体であることもできる。共結晶は、溶融結晶化によって、溶媒からの再結晶化によって、または構成要素を一緒に物理的に粉砕することによって、調製し得る。Chem Commun、17、1889〜1896、O.AlmarssonおよびM.J.Zaworotko(2004)を参照されたい。複数構成要素の複合体の一般的な総説には、J Pharm Sci、64(8)、1269〜1288、Haleblian(1975年8月)を参照されたい。
本発明の化合物はまた、適切な条件に供した場合に中間状態(中間相または液晶)でも存在し得る。中間状態とは、真の結晶状態と真の液体状態(融解または溶液)との間の中間である。温度変化の結果として生じる中間状態は「サーモトロピック」と記載し、水または別の溶媒などの第2の構成要素を加えることから生じるものは「リオトロピック」と記載される。リオトロピック中間相を形成する潜在性を有する化合物は「両親媒性」と記載され、イオン性(−COONa、−COO、もしくは−SO Naなど)または非イオン性(−N(CHなど)の極性頭部基を保有する分子からなる。さらなる情報には、結晶および偏光顕微鏡(Crystals and the Polarizing Microscope)N.H.HartshorneおよびA.Stuart、第4版(Edward Arnold、1970)を参照されたい。
本明細書中以降、式(I)の化合物へのすべての言及には、その塩、溶媒和物、複数構成要素の複合体および液晶ならびにその塩の溶媒和物、複数構成要素の複合体および液晶への言及が含まれる。
本発明の化合物には、すべてのその多型体および晶癖を含めた、本明細書中で上に定義した式(I)の化合物、本明細書中で以下に定義するそのプロドラッグおよび異性体(光学的異性体、幾何学的異性体および互変異性体を含む)、ならびに同位体標識した式(I)の化合物が含まれる。
示したように、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も、本発明の範囲内にある。したがって、それ自体ではわずかな薬理活性しか有さないまたは薬理活性を有さない場合がある式(I)の化合物の特定の誘導体は、身体内または身体上に投与した場合に、たとえば加水分解切断によって、所望の活性を有する式(I)の化合物へと変換できる。そのような誘導体は「プロドラッグ」と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、新規送達系としてのプロドラッグ(Pro−drugs as Novel Delivery Systems)、第14巻、ACSシンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)(T.HiguchiおよびW.Stella)ならびに薬物設計における生体可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)、Pergamon Press、1987(E.B.Roche編、American Pharmaceutical Association)中に見つけ得る。
本発明によるプロドラッグは、たとえば、式(I)の化合物中に存在する適切な官能基を、当業者に「プロ部分」として知られる特定の部分で置き換えることによって生成することができ、たとえば、プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)、H.Bundgaard(Elsevier、1985)に記載されている。
本発明によるプロドラッグの一部の例には、式(I)の化合物が第1級または第2級アミノ官能基(−NHまたは−NHR、ただし、R≠Hである)、そのアミドを含有するもの、たとえば、場合によっては、式(I)の化合物のアミノ官能基の一方または双方の水素が(C〜C10)アルカノイルによって置き換えられている化合物が含まれる。
前述の例に従った置換基のさらなる例および他のプロドラッグ種の例は、前述の参考文献中に見つけ得る。
さらに、式(I)の特定の化合物は、それ自体が式(I)の他の化合物のプロドラッグとして作用し得る。
また、本発明の範囲内には、式(I)の化合物の代謝物、すなわち、薬物を投与した際にin vivoで形成された化合物も含まれる。本発明による代謝物の一部の例には、
(i)式(I)の化合物がメチル基、そのヒドロキシメチル誘導体を含有するもの(−CH→−CHOH):
(ii)式(I)の化合物がアルコキシ基、そのヒドロキシ誘導体を含有するもの(−OR→−OH);および
(iii)式(I)の化合物がフェニル部分、そのフェノール誘導体を含有するもの(−Ph→−PhOH)
が含まれる。
1つまたは複数の不斉炭素原子を含有する式(I)の化合物は、2つ以上の立体異性体として存在することができる。構造異性体が低エネルギー障壁によって相互転換できる場合、互変異性の異性(「互変異性」)が起こる場合がある。これは、芳香族部分を含有する化合物中で、いわゆる原子価互変異性の形態をとることができる。その結果、単一の化合物が複数種類の異性を示し得る。本発明の範囲内には、複数種の異性を示す化合物を含めた式(I)の化合物のすべての立体異性体および互変異性体、ならびにその1つまたは複数の混合物が含まれる。また、対イオンが光学的に活性のある酸付加塩または塩基塩、たとえば、d−乳酸もしくはl−リシン、またはラセミ体、たとえば、dl−酒石酸もしくはdl−アルギニンも含まれる。
個々の鏡像異性体を調製/単離する従来技術には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、たとえばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた、ラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
その代わりに、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、適切な光学活性のある化合物、たとえばアルコールと、または、式(I)の化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合は、1−フェニルエチルアミンもしくは酒石酸などの塩基もしくは酸と反応させ得る。生じたジアステレオマー混合物をクロマトグラフィーおよび/または分別結晶化によって分離し、当業者に周知の手段によってジアステレオアイソマーのうちの一方または双方を対応する純粋な鏡像異性体に変換し得る。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、鏡像異性的に濃縮された形態で、クロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いて、不斉樹脂上で、0〜50体積%のイソプロパノール、典型的には2%〜20%、および0〜5体積%のアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンを含有する、炭化水素、典型的にはヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いて、得られ得る。溶出液の濃縮により、濃縮された混合物が得られる。
任意のラセミ体が結晶化する際、2つの異なる種類の結晶が可能である。第1の種類は、上述のラセミ化合物(真のラセミ体)であり、両方の鏡像異性体を当モル量で含有する1つの均一な結晶形態が生成される。第2の種類は、それぞれが単一の鏡像異性体を含む2つの結晶形態が当モル量で生成される、ラセミ混合物または集合体である。
ラセミ混合物中に存在する結晶形はどちらも同じ物理特性を有するが、これらは真のラセミ体と比較して異なる物理特性を有し得る。ラセミ混合物は、当業者に知られている従来技術によって分離し得る。たとえば、有機化合物の立体化学(Stereochemistry of Organic Compounds)E.L.ElielおよびS.H.Wilen(Wiley、1994)を参照されたい。
本発明には、1つまたは複数の原子が、同じ原子番号を有するが自然で優勢の原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている、式Iのすべての薬学的に許容できる同位体標識した化合物が含まれる。
本発明の化合物中に包接させるために適した同位体の例には、HおよびHなどの水素、11C、13Cおよび14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iおよび125Iなどのヨウ素、13Nおよび15Nなどの窒素、15O、17Oおよび18Oなどの酸素、32Pなどのリン、ならびに35Sなどの硫黄の同位体が含まれる。
式(I)の特定の同位体標識した化合物、たとえば放射性同位体を含むものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわちH、および炭素−14、すなわち14Cが、その取り込みの容易さおよび素早い検出手段の観点から、この目的のために特に有用である。
重水素、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性、たとえば、in vivo半減期の増加または必要用量の低下によりもたらされる特定の治療上の利点を与える場合があり、したがって、一部の状況では好ましい場合がある。
11C、18F、15Oおよび13Nなどの陽電子放出同位体での置換は、基質受容体占有率を検査するための陽電子放射分布(PET)研究で有用な場合がある。
式(I)の同位体標識した化合物は、一般に、当業者に知られている従来技術によって、または添付の実施例および調製に記載のものと類似の方法によって、以前に用いた標識されていない試薬の代わりに適切な同位体標識した試薬を使用して、調製することができる。
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒を同位体的に置換し得るもの、たとえば、DO、d−アセトン、d−DMSOが含まれる。
式(I)の化合物は、提案された適応症の治療に最も適切な剤形および投与経路を選択するために、溶解度および溶液安定性(pHを横断して)、透過性などの、その生物薬剤特性について評価すべきである。
学的な使用を意図する本発明の化合物は、結晶性または非晶質の生成物として投与し得る。これらは、たとえば、固体プラグ、散剤、またはフィルムとして、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法によって得られ得る。マイクロ波または高周波乾燥をこの目的のために使用し得る。
これらは、単独で、または本発明の1つもしくは複数の他の化合物と組み合わせて、または1つもしくは複数の他の薬物と組み合わせて(またはその任意の組合せとして)投与し得る。一般に、これらは、1つまたは複数の薬学的に許容できる賦形剤と会合した配合物として投与し得る。本明細書中で使用する用語「賦形剤」とは、本発明の化合物以外の任意の成分を記載する。賦形剤の選択は、大体において、特定の投与様式、溶解度および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの要素に依存する。
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物およびその調製方法は、当業者に容易に明らかであろう。そのような組成物およびその調製方法は、たとえば、レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、第19版(Mack Publishing Company、1995)中に見つけ得る。
本発明の化合物は経口投与し得る。経口投与には、化合物が胃腸管内に入るように嚥下、および/または化合物が口から血流に直接入る頬側、経舌、もしくは舌下投与を含み得る。
経口投与に適した配合物には、錠剤、多粒子もしくはナノ粒子、液剤、または散剤を含有する軟および硬カプセル、ロゼンジ(液剤を満たしたものを含む)、咀嚼錠、ゲル、急速分散剤形、フィルム、膣坐薬、スプレー、および頬側/粘膜接着パッチなどの、固体、半固体および液体系が含まれる。
液体配合物には、懸濁液、液剤、シロップおよびエリキシルが含まれる。そのような配合物は、軟または硬カプセル(たとえば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製)中で充填剤として用いてもよく、典型的には、担体、たとえば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油状物、ならびに1つまたは複数の乳化剤および/または懸濁剤を含む。液体配合物はまた、固体の再構成によって、たとえばサシェからも調製し得る。
本発明の化合物はまた、治療特許の専門意見(Expert Opinion in Therapeutic Patents)、11(6)、981〜986、LiangおよびChen(2001)などに記載されているように、速溶性の速崩壊性の剤形中でも使用し得る。
錠剤剤形には、用量に応じて、薬物は剤形の1重量%〜80重量%、より典型的には剤形の5重量%〜60重量%を構成し得る。薬物に加えて、錠剤は、一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、グリコール酸ナトリウムデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、結晶セルロース、低級アルキルで置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を占める。
結合剤は一般に、錠剤配合物に接着性質を与えるために使用する。適切な結合剤には、結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成のガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤はまた、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥した一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、結晶セルロース、デンプンおよび二塩基性リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤も含有し得る。
錠剤はまた、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を含んでいてもよい。存在する場合は、界面活性剤は錠剤の0.2重量%〜5重量%を占めてもよく、流動促進剤は錠剤の0.2重量%〜1重量%を占めてもよい。
錠剤はまた、一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの潤滑剤も含有する。潤滑剤は、一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を占める。
他の可能な成分には、抗酸化剤、着色剤、香味料、保存料および味マスキング剤が含まれる。
例示的な錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の潤滑剤を含有する。
錠剤混合物は、直接圧縮するか、ローラーによって錠剤を形成し得る。その代わりに、錠剤混合物または混合物の一部は、錠剤化の前に湿式、乾式、もしくは溶融造粒、溶融凝結、または押出し加工し得る。最終配合物は1つまたは複数の層を含んでいてもよく、コーティングされていてもされていなくてもよく、さらにはカプセル封入されていてもよい。
錠剤の配合は、製薬剤形:錠剤(Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets)、第1巻、H.LiebermanおよびL.Lachman(Marcel Dekker、New York、1980)に記載されている。
ヒトまたは獣医学的使用のための摂取可能な経口フィルムは、典型的には、速溶性または粘膜接着であり得る柔軟な水溶性または水膨潤性の薄膜剤形であり、典型的には、式(I)の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定化剤または乳化剤、粘度調整剤および溶媒を含む。配合物の一部の構成要素は複数の機能を果たし得る。
式(I)の化合物は、水溶性または不溶性であり得る。水溶性の化合物は、典型的には、溶質の1重量%〜80重量%、より典型的には20重量%〜50重量%を占める。可溶性のより低い化合物は、組成物のより高い割合、典型的には溶質の88重量%までを占め得る。その代わりに、式(I)の化合物は、多粒子ビーズの形態であり得る。
フィルム形成ポリマーは、天然多糖類、タンパク質、または合成ヒドロコロイドから選択されてもよく、典型的には0.01〜99重量%の範囲、より典型的には30〜80重量%の範囲で存在する。
他の可能な成分には、抗酸化剤、着色料、香味料および香味増強剤、保存料、唾液刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を含む)、軟化剤、充填剤、消泡剤、界面活性剤および味マスキング剤が含まれる。
本発明によるフィルムは、典型的には、剥離可能な裏当ての支持体または紙上にコーティングした薄い水性フィルムの蒸発乾燥によって調製する。これは、乾燥オーブンもしくはトンネル、典型的には複合コーティング乾燥機中で、または凍結乾燥もしくは真空化によって行い得る。
経口投与のための固体配合物は、即時放出および/または調節放出であるように配合し得る。調節放出配合物には、遅延、持続、律動、制御、標的化およびプログラミング放出が含まれる。
本発明の目的のために適切な調節放出配合物は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散ならびに浸透およびコーティング粒子などの他の適切な放出技術の詳細は、オンライン版製薬技術(Pharmaceutical Technology On−line)、25(2)、1〜14、Verma他(2001)中に見つかるであろう。徐放性を達成するためのチューイングガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
本発明の化合物はまた、血流内に直接、筋肉内、または内蔵内にも投与し得る。非経口投与の適切な手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液内および皮下が含まれる。非経口投与の適切な装置には、針(微小針を含む)注射器、無針注射器およびインフュージョン技術が含まれる。
非経口配合物は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpH3〜9まで)などの賦形剤を含有し得る水溶液であるが、一部の応用には、無菌的な、発熱物質を含まない水などの適切なビヒクルと併せて使用する無菌的な非水溶液または乾燥形態として、より適切に配合し得る。
無菌的条件下での、たとえば凍結乾燥による非経口配合物の調製は、当業者に周知の標準の製薬技術を用いて容易に達成し得る。
非経口液剤の調製に使用する式(I)の化合物の溶解度は、溶解度増強剤の取り込みなどの適切な配合技術を使用することによって増加させ得る。
非経口投与のための配合物は、即時放出および/または調節放出であるように配合し得る。調節放出配合物には、遅延、持続、律動、制御、標的化およびプログラミング放出が含まれる。したがって、本発明の化合物は、活性化合物の調節放出をもたらす植込み型デポーとして投与するための、懸濁液として、または固体、半固体、もしくはチキソトロピー液体として配合し得る。そのような配合物例には、薬物でコーティングしたステントならびに薬物をロードしたポリ(dl−乳酸−コグリコール酸)(PGLA)のミクロスフェアを含む半固体および懸濁液が含まれる。
本発明の化合物はまた、皮膚または粘膜に局所的、真皮(内)、または経皮的に投与し得る。この目的のための典型的な配合物には、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉散剤、包帯材、泡沫、フィルム、皮膚パッチ、ウエファー、植込錠、スポンジ、線維、絆創膏およびマイクロエマルジョンが含まれる。リポソームも使用し得る。典型的な担体には、アルコール、水、鉱物油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが含まれる。浸透増強剤を取り込ませてもよい。たとえば、J Pharm Sci、88(10)、955〜958、FinninおよびMorgan(1999年10月)を参照されたい。
局所投与の他の手段には、電気穿孔、イオン泳動、音波泳動、超音波療法および微小針または無針(たとえば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が含まれる。
局所投与のための配合物は、即時放出および/または調節放出であるように配合し得る。調節放出配合物には、遅延、持続、律動、制御、標的化およびプログラミング放出が含まれる。
本発明の化合物はまた、鼻腔内または吸入によって、典型的には乾燥散剤の形態で(単独で、混合物、たとえばラクトースとの乾燥混合物中で、もしくは混合成分粒子として、たとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合して)、ドライパウダー吸入器から、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは霧状ミストを生じるために電気流体力学を使用するアトマイザー)、もしくは噴霧器からのエアロゾルスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴霧剤を使用してもしくは使用せずに、または経鼻液滴として、投与することもできる。鼻腔内使用には、散剤は、生体接着剤、たとえば、キトサンまたはシクロデキストリンを含み得る。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、または噴霧器は、たとえば、溶媒としてエタノール、エタノール水溶液、または活性成分を分散、可溶化、もしくは放出延長させるための適切な代替物質、噴霧剤(複数可)、およびトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、またはオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む、本発明の化合物(複数可)の溶液または懸濁液を含有する。
乾燥散剤または懸濁液の配合物で使用する前に、薬物生成物を、吸入による送達に適した大きさに微粒子化する(典型的には5ミクロン未満)。これは、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、ナノ粒子を形成する超臨界流体加工、高圧ホモジナイゼーション、または噴霧乾燥などの、任意の適切な粉砕方法によって達成し得る。
吸入器または注入器で使用するためのカプセル(たとえば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基材およびl−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能調整剤の散剤混合物を含有するように配合し得る。ラクトースは、無水物または一水和物の形態であってよく、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが含まれる。
霧状ミストを生じるために電気流体力学を使用するアトマイザーで用いるための適切な溶液配合物は、1回の作動あたり1μg〜20mgの本発明の化合物を含有してもよく、作動体積は1μl〜100μlで変動し得る。典型的な配合物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含み得る。プロピレングリコールの代わりに使用し得る代替溶媒には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
メントールおよびレボメントールなどの適切な香味料、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を、吸入/鼻腔内投与を意図する本発明の配合物に添加し得る。
吸入/鼻腔内投与のための配合物は、たとえばPGLAを用いて、即時放出および/または調節放出であるように配合し得る。調節放出配合物には、遅延、持続、律動、制御、標的化およびプログラミング放出が含まれる。
ドライパウダー吸入器およびエアロゾルの場合、単位用量は、計量された量を送達する弁によって決定する。本発明による単位は、典型的には、一定量または「パフ」が投与されるように取り計らわれている。合計1日用量は、単一の用量で、またはより一般的には1日にわたって分割された用量で投与し得る。
本発明の化合物は、たとえば、坐薬、膣坐薬、または浣腸の形態で、直腸または経膣投与し得る。カカオ脂が伝統的な坐薬基剤であるが、様々な代替物質を必要に応じて使用し得る。
直腸/経膣投与のための配合物は、即時放出および/または調節放出であるように配合し得る。調節放出配合物には、遅延、持続、律動、制御、標的化およびプログラミング放出が含まれる。
本発明の化合物はまた、典型的には等張のpH調節した無菌的生理食塩水中の微粒子化した懸濁液または溶液の液滴の形態で、眼または耳に直接投与し得る。眼および耳の投与に適した他の配合物には、軟膏、ゲル、生分解性(たとえば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(たとえばシリコン)の植込錠、ウエファー、レンズならびにニオソームまたはリポソームなどの粒子または小胞系が含まれる。架橋結合したポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、たとえばゲランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの保存料と一緒に取り込ませ得る。そのような配合物はまた、イオン泳動によっても送達し得る。
眼/耳投与のための配合物は、即時放出および/または調節放出であるように配合し得る。調節放出配合物には、遅延、持続、律動、制御、標的化またはプログラミング放出が含まれる。
本発明の化合物は、前述の投与様式のうちの任意のもので使用するためにその溶解度、溶解速度、味マスキング、生体利用度および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性の巨大分子の実体と組み合わせ得る。
たとえば、薬物−シクロデキストリンの複合体は、ほとんどの剤形および投与経路に一般に有用であることが判明している。包接および非包接の複合体をどちらも使用し得る。薬物との直接複合体化の代替方法として、シクロデキストリンを補助添加剤として、すなわち、担体、希釈剤、または可溶化剤として使用し得る。これらの目的のために最も一般的に使用されているのはα−、β−およびγ−シクロデキストリンであり、その例は、国際特許出願WO91/11172号、WO94/02518号およびWO98/55148号中に見つけ得る。
ヒト患者への投与には、本発明の化合物の合計1日用量は、もちろん投与様式に依存するが、典型的には0.1mg〜1000mgの範囲である。合計1日用量は、単一または分割した用量で投与してよく、医師の裁量で、本明細書中で与えた典型的な範囲外であり得る。
これらの用量は、約60kg〜70kgの体重の平均的なヒト対象に基づいている。医師は、乳児および高齢者などの、体重がこの範囲外にある対象の用量を容易に決定できるであろう。
疑念を回避するために、本明細書中で言及する「治療」には、治癒的、対症的および予防的処置への言及が含まれる。
NaV1.8チャネルモジュレーターは、特に疼痛の治療において、別の薬理学的に活性のある化合物、または2つ以上の他の薬理学的に活性のある化合物と有利に組み合わせ得る。たとえば、上記定義した、NaV1.8チャネルモジュレーター、特に式(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物は、以下から選択される1つまたは複数の薬剤ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物と、同時、逐次的または別々に組み合わせて投与し得る:
・オピオイド鎮痛剤、たとえば、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロルファン、メサドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィンまたはペンタゾシン、
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、たとえば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、ニトロフルルビプロフェン、オルサラジン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、スリンダク、トルメチンまたはゾメピラック、
・バルビツレート鎮痛剤、たとえば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルチタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラールまたはチオペンタール、
・鎮痛性作用を有するベンゾジアゼピン、たとえば、クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパムまたはトリアゾラム、
・鎮痛性作用を有するH拮抗剤、たとえば、ジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニルアミンまたはクロルシクリジン、
・鎮痛剤、たとえば、グルテチミド、メプロバメート、メタカロンまたはジクロラルフェナゾン、
・骨格筋弛緩剤、たとえば、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモールまたはオルフレナジン、
・NMDA受容体拮抗剤、たとえば、デキストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)もしくはその代謝物デキストロルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン、ピロロキノリンキニーネ、シス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸、ブジピン、EN−3231(MorphiDex(登録商標)、モルヒネおよびデキストロメトルファンの組合せ配合物)、トピラメート、ネラメキサン、または、NR2B拮抗剤、たとえば、イフェンプロジル、トラキソプロジルもしくは(−)−(R)−6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル]−1−ヒドロキシエチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノンを含めたペルジンフォテル、
・α−アドレナリン作動剤、たとえば、ドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン、グアンファシン、デクスメタトミジン、モダフィニル、もしくは4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタン−スルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジル)キナゾリン、
・三環系抗鬱剤、たとえば、デシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリンまたはノルトリプチリン、
・抗痙攣剤、たとえば、カルバマゼピン、ラモトリギン、トピラトメートまたはバルプロ酸、
・タキキニン(NK)拮抗剤、特にNK−3、NK−2またはNK−1拮抗剤、たとえば、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]−ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]−メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、アプレピタント、ラネピタント、ダピタントまたは3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−メチルアミノ]−2−フェニルピペリジン(2S,3S)、
・ムスカリン性拮抗剤、たとえば、オキシブチニン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロプシウム、ダリフェナシン、ソリフェナシン、テミベリンおよびイプラトロピウム、
・COX−2選択的阻害剤、たとえば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、またはルミラコキシブ、
・コールタール鎮痛剤、特にパラセタモール、
・神経遮断剤、たとえば、ドロペリドール、クロルプロマジン、ハロペリドール、ペルフェナジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、フルフェナジン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、クエチアピン、セルチンドール、アリピプラゾール、ソネピプラゾール、ブロナンセリン、イロペリドン、ペロスピロン、ラクロプリド、ゾテピン、ビフェプルノックス、アセナピン、ルラシドン、アミスルプリド、バラペリドン、パリンドール、エプリバンセリン、オサネタント、リモナバント、メクリネルタント、Miraxion(登録商標)またはサリゾタン、
・バニロイド受容体作用剤(たとえばレシンフェラトキシン)または拮抗剤(たとえばカプサゼピン)、
・β−アドレナリン作動剤、たとえばプロプラノロール、
・局所麻酔剤、たとえばメキシレチン、
・コルチコステロイド、たとえばデキサメタゾン、
・5−HT受容体作用剤または拮抗剤、特にエレトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタンまたはリザトリプタンなどの5−HT1B/1D作用剤、
・5−HT2A受容体拮抗剤、たとえばR(+)−α−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−1−[2−(4−フルオロフェニルエチル)]−4−ピペリジンメタノール(MDL−100907)、
・コリン作動性(ニコチン性)鎮痛剤、たとえば、イスプロニクリン(TC−1734)、(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミン(RJR−2403)、(R)−5−(2−アゼチジニルメトキシ)−2−クロロピリジン(ABT−594)またはニコチン、
・Tramadol(登録商標)、
・PDEV阻害剤、たとえば、5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニル−スルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]−ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351またはタダラフィル)、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、4−[(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミノ]−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、3−(1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−4−プロポキシベンゼンスルホンアミド、
・α−2−δリガンド、たとえば、ガバペンチン、プレガバリン、3−メチルガバペンチン、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)−プロリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸、
・カンナビノイド、
・代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ1(mGluR1)拮抗剤、
・セロトニン再取り込み阻害剤、たとえば、セルトラリン、セルトラリン代謝物のデメチルセルトラリン、フルオキセチン、ノルフルオキセチン(フルオキセチンの脱メチル代謝物)、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、シタロプラム代謝物のデスメチルシタロプラム、エシタロプラム、d,l−フェンフルラミン、フェモキセチン、イホキセチン、シアノドチエピン、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミンおよびトラゾドン、
・ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取り込み阻害剤、たとえば、マプロチリン、ロフェプラミン、ミルタゼピン、オキサプリチリン、フェゾラミン、トモキセチン、ミアンセリン、ブプロプリオン、ブプロプリオン代謝物のヒドロキシブプロプリオン、ノミフェンシンおよびビロキサジン(Vivalan(登録商標))、特に、レボキセチン、特に(S,S)−レボキセチンなどの選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、
・二重セロトニン−ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、たとえば、ベンラファクシン、ベンラファクシン代謝物のO−デスメチルベンラファクシン、クロミプラミン、クロミプラミン代謝物のデスメチルクロミプラミン、デュロキセチン、ミルナシプランおよびイミプラミン、
・誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤、たとえば、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−L−ホモシステイン、S−[2−[(1−イミノエチル)−アミノ]エチル]−4,4−ジオキソ−L−システイン、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン、(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−5−クロロ−3−ピリジンカルボニトリル;2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−4−クロロベンゾニトリル、(2S,4R)−2−アミノ−4−[[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−5−チアゾールブタノール、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−6−(トリフルオロメチル)−3 ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−5−クロロベンゾニトリル、N−[4−[2−(3−クロロベンジルアミノ)エチル]フェニル]チオフェン−2−カルボキサミジン、またはグアニジノエチルジスルフィド;
・アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、たとえばドネペジル、
・プロスタグランジンEサブタイプ4(EP4)拮抗剤、たとえば、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)−カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドまたは4−[(1S)−1−({[5−クロロ−2−(3−フルオロフェノキシ)ピリジン−3−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸、
・ロイコトリエンB4拮抗剤、たとえば、1−(3−ビフェニル−4−イルメチル−4−ヒドロキシ−クロマン−7−イル)−シクロペンタンカルボン酸(CP−105696)、5−[2−(2−カルボキシエチル)−3−[6−(4−メトキシフェニル)−5E−ヘキセニル]オキシフェノキシ]−吉草酸(ONO−4057)またはDPC−11870、
・5−リポキシゲナーゼ阻害剤、たとえば、ジロートン、6−[(3−フルオロ−5−[4−メトキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル])フェノキシ−メチル]−1−メチル−2−キノロン(ZD−2138)、または2,3,5−トリメチル−6−(3−ピリジルメチル),1,4−ベンゾキノン(CV−6504)、
・ナトリウムチャネルブロッカー、たとえばリドカイン、
・5−HT3拮抗剤、たとえばオンダンセトロン。
そのような組合せは、治療において、相乗活性を含めた顕著な利点を提供する。
たとえば特定の疾患または状態を治療する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合があるため、その少なくとも1つが本発明による化合物を含有する2つ以上の医薬組成物を、組成物の同時投与に適したキットの形態で好都合に組み合わせ得ることは、本発明の範囲内にある。
したがって、本発明のキットは、その少なくとも1つが本発明による式(I)の化合物を含有する2つ以上の別々の医薬組成物と、容器、分割ボトル、または分割ホイルパケットなどの前記組成物を別々に保持する手段とを含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセルなどのパッケージングに使用される見慣れたブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる剤形、たとえば経口および非経口のものを投与するため、別々の組成物を異なる投薬間隔で投与するため、または別々の組成物を互いに滴定するために、特に適している。コンプライアンスを支援するために、キットは、典型的には投与の指示書を含み、いわゆる記憶補助を提供し得る。
すべての式(I)のピラジン誘導体は、以下に提示する一般方法に記載の手順によって、またはその日常的な変形によって、調製することができる。本発明にはまた、式(I)のピラジン誘導体を調製するためのこれらの方法のうちの任意の1つまたは複数、およびそれ中で使用する任意の新規中間体も包含される。
以下の一般方法では、ArおよびRは、別段に記述しない限りは、式(I)のピラジン誘導体について以前に定義したとおりである。溶媒の比を与えた場合、比は体積によるものである。
第1の方法によれば、式(I)の化合物は、スキーム1によって例示されているように、式(V)の化合物から調製し得る。
Figure 2010526051
Mは、トリアルキルスタナン、ジヒドロキシボラン、ジアルコキシボランまたはハロ亜鉛であるなどの、クロスカップリング反応に適した、置換されていてもよい金属またはホウ素基である。
Xは、クロスカップリング反応に適した基、典型的にはCl、BrまたはIである。
Yは、適切な脱離基、典型的にはClである。
式(II)の化合物は、クロロ誘導体の場合は市販されているか、または文献中で知られている(J.Med.Chem.、1967、10(1)、66〜75)。
式(III)の化合物は、式(II)の化合物から、方法ステップ(i)である、適切な触媒系(たとえば、パラジウムまたはニッケル)および塩基の存在下の、ArMとのクロスカップリング反応によって、調製することができる。典型的には、1.2〜3当量のボロン酸、塩基および0.01〜0.25当量の有機溶媒中のホスフィン系リガンドを有するパラジウム触媒、50℃〜100℃の温度を含む、「鈴木」条件を用いる。好ましい条件は、2当量のボロン酸、1当量のCsCOおよび0.1当量のPd(PPhを、2:1の1,4−ジオキサン/水中、80℃で含む。
式(IV)の化合物は、式(III)の化合物から、方法ステップ(ii)である、適切な薬剤によって活性化した酸塩化物またはカルボン酸を用いた、任意選択で触媒の存在下、適切な溶媒中のアミドカップリングに従って、調製することができる。典型的な条件は、酸塩化物および式(III)のアミン、過剰量のEtN、ルチジンまたはピリジンなどの適切な有機塩基を、適切な溶媒中、室温〜80℃の温度を含む。好ましい条件は、ピリジン中の1.5当量の酸塩化物、60℃、またはアセトニトリル中の1.5当量のルチジン、室温を含む。
式(V)の化合物は、式(IV)の化合物から、方法ステップ(iii)である、塩基性または酸性条件下でのエステル加水分解反応に従って、調製することができる。典型的な条件は、LiOH、NaOH、KOHまたはKCOなどのアルカリ金属塩基を用いて塩基媒介性、水および適切な溶媒の存在下、室温〜100℃の温度である。好ましい条件は、3:1のCHOH/HO中の3当量のLiOH.HO、75℃を含む。
式(I)の化合物は、式(V)の化合物から、50℃〜150℃の温度を要する塩基性または酸性条件下での脱炭酸(方法ステップ(iv))によって、調製することができる。典型的な条件は、適切な有機溶媒中の過剰量の酸水溶液、50℃〜100℃の温度を含む。好ましくは、脱炭酸ステップは、2:1の1NのHCl水溶液/1,4−ジオキサン中の還流下で実施する。
第2の方法によれば、式(I)の化合物は、スキーム2によって例示されているように、式(VII)の化合物から調製し得る。
Figure 2010526051
式中、M、XおよびYは、スキーム1で定義したとおりである。
式(III)の化合物は、スキーム1について上述したように、式(II)の化合物から、方法ステップ(i)に従って、調製することができる。
式(VI)の化合物は、スキーム1について上述したように、式(III)の化合物から、方法ステップ(iii)に従ったエステル加水分解によって、調製することができる。
式(VII)の化合物は、スキーム1について上述したように、式(VI)の化合物から、方法ステップ(iv)に従った脱炭酸によって、調製することができる。
式(I)の化合物は、スキーム1について上述したように、式(VIII)の化合物から、方法ステップ(ii)に従ったアミドカップリング反応によって、調製することができる。
式(VII)の化合物はまた、WO−A−98/3817(スキーム3)に記載の第3の方法に従っても調製し得る。
Figure 2010526051
式(IX)の化合物は、方法ステップ(v)に従って、式(VIII)の化合物またはその塩、たとえばアミノアセトアミジンを、式ArCHOの化合物と、シアニド源、たとえばシアン化カリウムの存在下で反応させることによって、調製し得る。
式(VII)の化合物は、メタノールなどの適切なアルコール性溶媒中の水酸化リチウムの存在下、酸化のために反応を空気にさらした、式(IX)の化合物の環化および酸化によって、調製し得る。
第4の方法によれば、式(I)の化合物は、スキーム4によって例示されているように、式(XII)の化合物から調製し得る。
Figure 2010526051
M、XおよびYは、スキーム1で定義したとおりである。
式(X)の化合物は、スキーム1について上述したように、式(II)の化合物から、方法ステップ(iii)に従ったエステル加水分解によって、調製することができる。
式(XI)の化合物は、スキーム1について上述したように、式(X)の化合物から、方法ステップ(iv)に従った脱炭酸によって、調製することができる。
式(XII)の化合物は、スキーム1について上述したように、式(XI)の化合物から、方法ステップ(ii)に従ったアミドカップリング反応によって、調製することができる。
式(I)の化合物は、スキーム1について上述したように、式(XII)の化合物から、方法ステップ(i)に従ったクロスカップリング反応によって、調製することができる。
その代わりに、式(XI)の化合物は、スキーム5によって例示されているように、式(XIII)の化合物から調製し得る。
Figure 2010526051
式中、Xはハロゲン原子である。
2,6−ジアミノピラジンは、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1:有機および生物有機化学(Organic and Bio−Organic Chemistry)(1972〜1999)1973、6、606に記載のように調製し得る。
式(XI)の化合物は、反応ステップ(vii)に従った求電子性ハロゲン化反応によって、調製し得る。典型的な条件は、2,6−ジアミノピラジンとハロゲンとの、任意選択で触媒、たとえばヨウ素および酢酸銀または臭化銀の存在下、適切な溶媒中での反応を含む。好ましい条件は、酢酸中の臭素、室温を含む。
その代わりに、式(XII)の化合物は、スキーム6によって例示されているように、式(XIV)の化合物から調製し得る。
Figure 2010526051
式中、Yは、スキーム1で定義したとおりであり、
Xは、ハロゲン原子である。
式(XIV)の化合物は、スキーム1に記載のように、式(XIII)の化合物から、方法ステップ(ii)に従ったアミドカップリング反応によって、調製し得る。
式(XII)の化合物は、スキーム5に記載のように、式(XIV)の化合物から、方法ステップ(vii)に従った求電子性ハロゲン化反応によって、調製し得る。
上記一般方法を参照して、当業者には、保護基が存在する場合、これらは一般に同様の性質の他の保護基と相互交換可能である、たとえば、アミンがtert−ブトキシカルボニル基で保護されていると記載されている場合、任意の適切なアミン保護基と容易に相互交換し得ることが、容易に理解されよう。適切な保護基は、「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、T.GreeneおよびP.Wuts(第3版、1999、John Wiley and Sons)に記載されている。
本発明はまた、上記定義した新規中間体化合物、式(I)のピラジン誘導体について本明細書中に上記定義したそのすべての塩、溶媒和物および複合体ならびにその塩のすべての溶媒和物および複合体にも関する。本発明には、前述の種のすべての多型体およびその晶癖が含まれる。
本発明による式(I)のピラジン誘導体を調製する際、中間体を合成するために用いるステップの最良の順序を日常的に選択し、この目的のために最良の特長の組合せをもたらす中間体化合物の形態を選択することは、当業者の自由である。そのような特長には、融点、溶解度、加工性および中間体の収率、ならびに、それによりもたらされる、単離の際に生成物を精製し得る容易性が含まれる。
当業者は、上述の合成ステップを、式(I)の化合物に到達する任意の適切な順序で行い得る。
本発明は、以下の代表的な実施例によって例示される。
H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、すべての場合において、提案された構造と矛盾がなかった。特徴的な化学シフト(δ)は、主ピークを指定するための従来の略記を用いて、テトラメチルシランから低磁場側に向かう百万分率で与え、たとえばs、一重線、d、二重線、t、三重線、q、四重線、m、多重線、br、ブロードである。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)または大気圧化学イオン化(APCI)のどちらかを用いて記録した。共通溶媒には、以下の略記を用いた:CDCl、重水素クロロホルム、D−DMSO、重水素ジメチルスルホキシド、CDOD、重水素メタノール、THF、テトラヒドロフラン。LCMSは液体クロマトグラフィー質量分析を示す(R=保持時間)。溶媒の比を与えた場合、比は体積によるものである。
実施例および調製の特定の化合物を、自動分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて精製した。逆相HPLC条件は、FractionLynxシステムであった。試料は1mLのDMSOに溶かして供した。化合物の性質および事前分析の結果に応じて、精製は、酸性条件または塩基性条件下のどちらかで、周囲温度で行った。酸性の実行はSunfire Prep C18 OBDカラム(19×50mm、5μm)で実施し、塩基性の実行はXterra Prep MS C18(19×50mm、5μm)で実施し、これらはどちらもWatersのものである。18mL/分の流速を用い、移動相A:水+0.1%の調整剤(v/v)およびB:アセトニトリル+0.1%の調整剤(v/v)であった。酸性の実行では、調整剤はギ酸であり、塩基性の実行では、調整剤はジエチルアミンであった。Waters2525の2重LCポンプにより、5%のBを1分間、その後、6分間にわたって5%〜98%のBを流し、続いて98%のBを2分間保持する組成の移動相を供給した。
検出は、225nmに設定したWaters2487の2波長吸光度検出器、続いて直列のPolymer Labs PL−ELS2100検出器および並列のWaters ZQ2000の4方向MUX質量分析装置を用いて達成した。PL2100ELSDは、30℃、1.6L/分の窒素供給に設定した。Waters ZQ MSは以下のパラメータで調整した:
ES+コーン電圧:30v キャピラリー:3.20kv
ES−コーン電圧:−30v キャピラリー:−3.00kv
脱溶媒和ガス:600L/時
ソース温度:120℃。
走査範囲 150〜900Da
画分の収集は、MSおよびELSDの両方によって始動した。
品質管理分析は、調製方法と直交するLCMS方法を用いて行った。酸性の実行はSunfire C18(4.6×50mm、5μm)で実施し、塩基性の実行はXterra C18(4.6×50mm、5μm)で実施し、これらはどちらもWatersのものである。1.5mL/分の流速を用い、移動相A:水+0.1%の調整剤(v/v)およびB:アセトニトリル+0.1%の調整剤(v/v)であった。酸性の実行では、調整剤はギ酸であり、塩基性の実行では、調整剤はジエチルアミンであった。Waters1525の2重LCポンプにより、3分間にわたる5%〜95%のB、続いて95%のBで1分間保持する勾配溶出を流した。検出は、225nmに設定したWaters MUX UV2488検出器、続いて直列のPolymer Labs PL−ELS2100検出器および並列のWaters ZQ2000の4方向MUX質量分析装置を用いて達成した。PL2100ELSDは、30℃、1.6L/分の窒素供給に設定した。Waters ZQ MSは以下のパラメータで調整した:
ES+コーン電圧:25v キャピラリー:3.30kv
ES−コーン電圧:−30v キャピラリー:−2.50kv
脱溶媒和ガス:800L/時
ソース温度:150℃。
走査範囲 160〜900Da
(実施例1)
N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.107ml、1.23mmol)を、ジクロロメタン(10ml)中の3−メチルイソオキサゾール−4−カルボン酸(0.20g、1.57mmol)のスラリーに加えた。2滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で3時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、0.25Mの溶液を作製した。CHCN中に3.65mlの0.25Mの酸塩化物溶液(0.913mmol)を、CHCN(10ml)中の3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製2、0.235g、0.87mmol)およびルチジン(0.146ml、1.30mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、18時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに取り、NaHCOの飽和水溶液で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、20:80〜45:65の酢酸エチル:ヘプタンで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が得られた(0.203g、62%の収率)。
HNMR(d−DMSO):2.44(s,3H)、5.96(br s,2H)、7.48〜7.60(m,4H)、8.61(s,1H)、9.59(s,1H)、10.66(br s,1H)。
(実施例2)
N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.107ml、1.23mmol)を、ジクロロメタン(6ml)中の3−メチルイソオキサゾール−4−カルボン酸(0.104g、0.818mmol)のスラリーに加えた。1滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で4時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、0.1Mの溶液を作製した。CHCN中に2.02mlの0.1Mの酸塩化物溶液(0.202mmol)を、CHCN(7ml)中の3−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製4、0.049g、0.193mmol)およびルチジン(0.028ml、0.251mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、24時間攪拌した。さらに0.0216mlのルチジン(0.193mmol)および0.965mlの0.1Mの酸塩化物溶液(0.0965mmol)を加え、反応を室温で52時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに取り、NaHCOの飽和水溶液で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、40:60〜66:33の酢酸エチル:ヘプタンで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィー、続いて分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.04分
MS m/z 364[MH]+
(実施例3)
N−{6−アミノ−5−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(1.00ml、11.7mmol)を、ジクロロメタン(30ml)中の3−メチルイソオキサゾール−4−カルボン酸(0.5g、3.93mmol)のスラリーに加えた。2滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で18時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮した。残渣をCHCNに溶かして、1Mの溶液を作製した。CHCN中に0.175mlの1Mの酸塩化物溶液(0.175mmol)を、CHCN(3ml)中の3−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製3、0.038g、0.12mmol)およびルチジン(0.024ml、0.21mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、72時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタンとNaHCOの飽和水溶液との間で分配し、相分離カートリッジを用いて分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.44分
MS m/z 414[MH]+
(実施例4)
N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−エチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化チオニル(3ml)中の1−エチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(0.075g、0.54mmol)の懸濁液を、80℃で4時間加熱した。その後、反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、1Mの溶液を作製した。CHCN中に0.259mlの1Mの酸塩化物溶液(0.259mmol)を、CHCN(5ml)中の3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製2、0.05g、0.19mmol)およびルチジン(0.031ml、0.282mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、18時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタンと水との間で分配し、相分離カートリッジを用いて分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.20分
MS m/z 393[MH]+
(実施例5)
N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化チオニル(3ml)中の1−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(0.05g、0.32mmol)の懸濁液を、80℃で3時間加熱した。その後、反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、0.1Mの溶液を作製した。CHCN中に1.85mlの0.1Mの酸塩化物溶液(0.185mmol)を、CHCN(4ml)中の3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製2、0.05g、0.19mmol)およびルチジン(0.021ml、0.185mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、18時間攪拌した。さらに1.35mlの0.1Mの酸塩化物溶液(0.135mmol)を加え、反応をさらに72時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタンと水との間で分配し、相分離カートリッジを用いて分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.90分
MS m/z 407[MH]+
(実施例6)
N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.5ml、5.73mmol)を、ジクロロメタン(10ml)中の3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボン酸および3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボン酸(調製7、0.30g、1.91mmol)のスラリーに加えた。2滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で2時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、1Mの溶液を作製した。CHCN中に0.32mlの1Mの酸塩化物溶液(0.056g、0.32mmol)を、CHCN(2ml)中の3−[(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製2、0.08g、0.3mmol)およびルチジン(0.1ml、0.859mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、18時間攪拌した。さらに0.07mlの1Mの酸塩化物溶液(0.07mmol)を加え、反応をさらに72時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(60ml)に溶かし、水(30ml)を加えた。水層を、2Mの塩酸でpH2まで酸性化した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、65:35〜50:50のヘプタン:酢酸エチルで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が得られた(0.011g、9%の収率)
HNMR(CDCl):3.66(s,3H)、4.49(br s,2H)、4.85(s,2H)、7.42〜7.57(m,4H)、9.07(s,1H)、9.11(s,1H)、10.30(br s,1H)。
LCMS Rt=2.95分
MS m/z 410[MH]+
(実施例7)
N−{6−アミノ−5−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.5ml、5.73mmol)を、ジクロロメタン(10ml)中の3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボン酸および3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボン酸(調製7、0.30g、1.91mmol)のスラリーに加えた。2滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で2時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、1Mの溶液を作製した。CHCN中に0.2mlの1Mの酸塩化物溶液(0.035g、0.2mmol)を、CHCN(1ml)中の3−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製3、0.054g、0.18mmol)およびルチジン(0.06ml、0.05mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、3時間攪拌した。さらに0.1mlの1Mの酸塩化物溶液(0.1mmol)を加え、反応をさらに18時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(80ml)に溶かし、水(30ml)を加えた。水層を、2Mの塩酸でpH2まで酸性化した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、65:35〜60:40のヘプタン:酢酸エチルで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が得られた(0.005g、6%の収率)
HNMR(CDCl):3.65(s,3H)、4.51(br s,2H)、4.85(s,2H)、7.35(d,1H)、7.46(d,1H)、7.57(s,1H)、9.07(s,1H)、9.11(s,1H)、10.34(br s,1H)。
LCMS Rt=3.16分
MS m/z 444[MH]+
(実施例8)
N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.5ml、5.73mmol)を、ジクロロメタン(10ml)中の3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボン酸および3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボン酸(調製7、0.30g、1.91mmol)のスラリーに加えた。2滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で2時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、1Mの溶液を作製した。CHCN中に0.12mlの1Mの酸塩化物溶液(0.021g、0.12mmol)を、CHCN(1ml)中の3−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製5、0.03g、0.11mmol)およびルチジン(0.04ml、0.34mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、18時間攪拌した。さらに0.015mlの1Mの酸塩化物溶液(0.015mmol)を加え、反応をさらに90時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(50ml)に溶かし、水(20ml)を加えた。水層を、2Mの塩酸でpH2まで酸性化した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、65:35〜50:50のヘプタン:酢酸エチルで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が得られた(0.003g、7%の収率)
HNMR(CDCl):3.65(s,3H)、4.33(br s,2H)、4.85(s,2H)、7.18(m,2H)、7.87(m,1H)、9.04(s,1H)、9.11(s,1H)、10.33(br s,1H)。
LCMS Rt=3.03分
MS m/z 412[MH]+
(実施例9)
N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−5−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.951ml、10.9mmol)を、ジクロロメタン(10ml)中の5−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボン酸(調製11、0.57g、3.63mmol)のスラリーに加えた。2滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で3.5時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、1Mの溶液を作製した。CHCN中に0.224mlの1Mの酸塩化物溶液(0.0393g、0.224mmol)を、CHCN(2ml)中の3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製2、0.055g、0.2mmol)およびルチジン(0.0284ml、0.244mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、18時間攪拌した。さらに0.15mlの1Mの酸塩化物溶液(0.15mmol)を加え、反応をさらに18時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(50ml)に溶かし、NaHCOの飽和水溶液(20ml)を加えた。有機層をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.31分
MS m/z 410[MH]+
(実施例10)
N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.077ml、0.885mmol)を、ジクロロメタン(3ml)中の3−メチルイソオキサゾール−4−カルボン酸(0.075g、0.59mmol)のスラリーに加えた。2滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で4時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCN(2ml)に溶かした。CHCN中に0.55mlの酸塩化物溶液(0.024g、0.165mmol)を、CHCN(2ml)中の3−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製5、0.030g、0.111mmol)およびルチジン(0.019ml、0.176mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、24時間攪拌した。さらに0.365mlの酸塩化物溶液(0.016g、0.111mmol)を加え、反応を室温で18時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタンに取り、水で洗浄し、相分離カートリッジを用いて分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.21分
MS m/z 382[MH]+
(実施例11)
N−{6−アミノ−5−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.20ml、2.3mmol)を、ジクロロメタン(10ml)中の1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(0.100g、0.793mmol)のスラリーに加えた。1滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で16時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をCHCNに溶かして、1Mの溶液が得られた。CHCN中に0.137mlの1Mの酸塩化物溶液(0.02g、0.137mmol)を、CHCN(2.5ml)中の3−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製3、0.032g、0.106mmol)およびルチジン(0.02ml、0.18mmol)の溶液に加えた。反応を室温まで温め、18時間攪拌した後、さらに0.05mlの酸塩化物溶液(0.05mmol)およびルチジン(0.01ml、0.09mmol)を加えた。室温でさらに3時間の後、反応を真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタンに取り、NaHCOの飽和水溶液で洗浄し、相分離カートリッジを用いて分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.36分
MS m/z 413[MH]+
(実施例12)
N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(トリフルオロメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.213ml、2.44mmol)を、ジクロロメタン(5ml)中の3−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸(調製22、0.150g、0.828mmol)のスラリーに加えた。1滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で3時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をアセトニトリルに溶かして、1Mの溶液が得られた。アセトニトリル中に0.224mlの1Mの酸塩化物溶液(0.045g、0.224mmol)を、アセトニトリル(4ml)中の3−[2−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製2、0.055g、0.20mmol)およびルチジン(0.03ml、0.244mmol)の室温溶液に加えた。その後、生じた溶液を18時間攪拌した後、さらに0.05mlの酸塩化物溶液(0.224mmol)およびルチジン(0.03ml、0.244mmol)を加えた。室温でさらに2時間の後、反応を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(70ml)に取り、塩酸(希水溶液、30ml)を加えた。層を分離し、有機層を、ブラインの飽和水溶液(30ml)で洗浄し、その後、NaHCO(飽和水溶液、30ml)で洗浄した。有機層を無水MgSO(固体)で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.21分
MS m/z 434[MH]+
(実施例13)
N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
3−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸−(6−アミノ−5−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミド(調製16、0.035g、0.139mmol)を、[2−(トリフルオロメトキシ)−5−フルオロフェニル]ボロン酸(調製18、0.050g、0.22mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.016g、0.014mmol)および炭酸セシウム(0.045g、0.139mmol)と合わせ、1,4−ジオキサン(4ml)および水(2ml)の混合物に懸濁させた。反応を密封し、80℃まで6時間加熱した後、室温まで冷却した。反応混合物を真空下で濃縮し、その後、水(3ml)およびジクロロメタン(3ml)を加えた。層を分離し、有機層を真空下で蒸発させた。その後、残渣を、1:1のヘプタン:酢酸エチルで溶出させるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が白色固形物として得られた(6mg、11%)。
LCMS Rt=1.44分
MS m/z 398[MH]+
(実施例14)
N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−トリフルオロメチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.213ml、2.44mmol)を、ジクロロメタン(5ml)中の3−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸(調製22、0.150g、0.828mmol)のスラリーに加えた。1滴のジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で3時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣をアセトニトリルに溶かして、1Mの溶液が得られた。アセトニトリル中に0.222mlの1Mの酸塩化物溶液(0.044g、0.222mmol)を、アセトニトリル(4ml)中の3−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン(調製5、0.055g、0.20mmol)およびルチジン(0.03ml、0.242mmol)の室温溶液に加えた。その後、生じた溶液を18時間攪拌した後、さらに0.05mlの酸塩化物溶液(0.222mmol)およびルチジン(0.03ml、0.242mmol)を加えた。室温でさらに2時間の後、反応を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(70ml)に取り、塩酸(希水溶液、30ml)を加えた。層を分離し、有機層を、ブラインの飽和水溶液(30ml)で洗浄し、その後、NaHCO(飽和水溶液、30ml)で洗浄した。有機層を無水MgSO(固体)で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物が得られた。
LCMS Rt=3.30分
MS m/z 436[MH]+
(実施例15)
N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2010526051
2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸−(6−アミノ−5−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミド(調製15、0.035g、0.139mmol)を、[2−(トリフルオロメトキシ)−5−フルオロフェニル]ボロン酸(調製18、0.050g、0.22mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.016g、0.014mmol)および炭酸セシウム(0.045g、0.139mmol)と合わせ、1,4−ジオキサン(4ml)および水(2ml)の混合物に懸濁させた。反応を密封し、80℃まで6時間加熱した後、室温まで冷却した。反応混合物を真空下で濃縮し、その後、水(3ml)およびジクロロメタン(3ml)を加えた。層を分離し、有機層を真空下で蒸発させた。その後、残渣を分取HPLCによって精製した。
LCMS Rt=3.12分
MS m/z 397[MH]+
(実施例16)
N−{6−アミノ−5−[5−エトキシ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2010526051
2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸−(6−アミノ−5−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミド(調製15、0.030g、0.120mmol)を、[2−(トリフルオロメトキシ)−5−エトキシ−フェニル]ボロン酸(調製24、0.045g、0.178mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.014g、0.013mmol)および炭酸セシウム(0.058g、0.178mmol)と合わせ、1,4−ジオキサン(3ml)および水(1.5ml)の混合物に懸濁させた。反応を密封し、マイクロ波条件下で100℃まで20分間加熱した後、室温まで冷却した。反応混合物を真空下で濃縮し、その後、飽和NaHCO(水溶液、3ml)を加えた。生じた溶液を酢酸エチル(2×5ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水MgSO(固体)で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。その後、残渣を分取HPLCによって精製した。
LCMS Rt=3.15〜3.20分
MS m/z 423[MH]+
(実施例17)
N−{6−アミノ−5−[5−エトキシ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
3−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸−(6−アミノ−5−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミド(調製16、0.040g、0.158mmol)を、[2−(トリフルオロメトキシ)−5−エトキシ−フェニル]ボロン酸(調製24、0.059g、0.237mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.018g、0.016mmol)および炭酸セシウム(0.077g、0.237mmol)と合わせ、1,4−ジオキサン(3ml)および水(1.5ml)の混合物に懸濁させた。反応を密封し、50℃まで5時間加熱した後、室温まで冷却した。反応混合物を真空下で濃縮し、その後、飽和NaHCO(水溶液、3ml)を加えた。生じた溶液を酢酸エチル(2×5ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水MgSO(固体)で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。その後、残渣を分取HPLCによって精製した。
LCMS Rt=3.13〜3.20分
MS m/z 424[MH]+
(実施例18)
N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(トリフルオロメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2010526051
N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(トリフルオロメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミドは、上述のものと類似の方法によって、調製し得る。
以下の調製は、上記実施例を調製するために使用した特定の中間体の調製を例示する。
(調製1)
メチル3,5−ジアミノ−6−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレート
Figure 2010526051
方法A
メチル3,5−ジアミノ−6−クロロピラジン−2−カルボキシレート(1.62g、8.0mmol)を、2−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(3.29g、16.0mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.924g、0.80mmol)および炭酸セシウム(2.61g、8.0mmol)と合わせ、1,4−ジオキサン(30ml)および水(15ml)の混合物に懸濁させた。反応を密封し、75℃まで4時間加熱した後、室温まで冷却した。水(150ml)を加え、1,4−ジオキサンを真空下で除去した。形成した沈殿物を濾過によって収集し、乾燥させた。茶色固形物をジクロロメタン:メタノールで粉砕し、その後、95:5のジクロロメタン:メタノールで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が黄色固形物として得られた(1.66g、63%の収率)。
HNMR(d−DMSO):3.7(s,3H)、6.59(br s,2H)、7.10(br s,2H)、7.41〜7.64(m,4H)
LCMS Rt=8.64分
MS m/z 329[MH]+
(調製2)
3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2,6−ジアミン
Figure 2010526051
方法B
メタノール(15ml)および水(5ml)中のメチル3,5−ジアミノ−6−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレート(調製1、0.35g、1.07mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム(0.134g、3.18mmol)を加えた。反応を90℃で1時間攪拌した後、真空下で濃縮して、茶色ガムが得られた。残渣(0.335g、1.07mmol)を1,4−ジオキサン(20ml)中でスラリー化し、これに2NのHCl(12ml)を加えた。反応を100℃まで1.5時間加熱した後、室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残渣を飽和KCO水溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。その後、有機層をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、表題化合物がオレンジ色ガムとして得られた(0.160g、55%の収率)
HNMR(d−DMSO):5.2(br s,2H)、5.9(br s,2H)、7.2(m,1H)、7.4〜7.6(m,4H)
LCMS Rt=0.64分
MS m/z 271[MH]+
以下の一般式:
Figure 2010526051
の調製物を、方法A、続いて方法Bの方法に類似の、2ステップの方法によって調製した。別段に言及しない限りは、調製の詳細は、言及した方法に記載したとおりである。
Figure 2010526051
(調製6)
[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ボロン酸
Figure 2010526051
三フッ化ホウ素エーテラート(0.415ml、3.56mmol)およびホウ酸トリメチル(0.794ml、7.12mmol)を、ジエチルエーテル(10ml)中で10分間攪拌して、ジメトキシフルオロボランをin situで形成した。
無水テトラヒドロフラン(THF、30ml)中の4−クロロ(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(2.0g、10.18mmol)の溶液に、−78℃で、エチレンジアミン四酢酸(EDTA、1.24g、10.7mmol)を加え、続いてシクロヘキサン中の1.3Mのsec−ブチルリチウム溶液(7.63ml、10.7mmol)を加え、反応を窒素下で2時間攪拌した。その後、この反応混合物に、−78℃で、事前に形成したジメトキシフルオロボラン混合物を滴下した。反応を−78℃で30分間攪拌し、室温まで30分間温め、その後、水(10ml)で反応停止させた。反応混合物をジエチルエーテル(4×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(10ml)に溶かし、10%のNaOH水溶液(50ml)で洗浄した。水層を酸性化し、酢酸エチル(3×40ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、表題化合物およびその対応する位置異性体の混合物が、白色固形物として得られた(0.862g)。位置異性体は分離しなかった。
LCMS Rt=1.42分
MS m/z 239[M]−
(調製7)
3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボン酸および3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
Figure 2010526051
1,4−ジオキサン(20ml)中のイソオキサゾール位置異性体の混合物(調製8、2.0g、2.3mmol)として調製した、3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボン酸メチルエステルおよび3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボン酸メチルエステルの溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(0.5g、5mlの水中に12.5mmol)を加え、反応を室温で1時間、激しく攪拌した。反応を真空下で濃縮し、残渣をt−ブチルメチルエーテル(80ml)と水(30ml)との間で分配した。水層を分離し、濃塩酸で酸性化した後、t−ブチルメチルエーテルで抽出した。その後、有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、1:5の位置異性体の混合物が得られた。固形物を温かいt−ブチルメチルエーテル(10ml)に溶かし、ヘプタン(10ml)を加えた。再結晶化溶液を真空下で濃縮して、1:3の比として3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボン酸に富んだ、イソオキサゾールの位置異性体の混合物が得られた(0.3g、16%の収率)
HNMR(CDCl):3.36(s,2.25H)、3.45(s,0.75H)、4.55(s,1.5H)、4.75(s,0.5H)、7.04(s,0.75H)、8.96(s,0.25H)
(調製8)
3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボン酸メチルエステルおよび3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル
Figure 2010526051
トルエン(20ml)中の塩化N−ヒドロキシ−2−メトキシエタンイミドイル(調製9、2.0g、16.19mmol)およびメチルプロピオレート(3ml、33.0mmol)の冷却した溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(3ml、17.0mmol)を滴下した。反応を室温で1時間攪拌した。t−ブチルメチルエーテル(50ml)および水(50ml)を混合物に加え、水層のpHを2Mの塩酸でpH1〜2に調節した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、表題化合物がイソオキサゾール位置異性体の分離不能な混合物として得られた(2.0g、72%の収率)。
HNMR(CDCl):3.41(s,2.55H)、3.48(s,0.45H)、3.89(s,2.55H)、3.98(s,0.45H)、4.59(s,1.7H)、4.79(s,0.3H)、7.06(s,0.84H)、8.90(s,0.15H)
(調製9)
塩化N−ヒドロキシ−2−メトキシエタンイミドイル
Figure 2010526051
ジメチルホルムアミド(7ml)中のメトキシアセトアルデヒドオキシム(調製10、1.5g、16.84mmol)の冷却した溶液に、N−クロロスクシンイミド(2.3g、17.22mmol)を加え、反応を室温で1時間攪拌した。反応を真空下で濃縮し、残渣をt−ブチルメチルエーテル(100ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、表題化合物が無色の油状物として得られた(2.0g、96%の収率)
HNMR(CDCl):3.4(s,3H)、4.2(s,2H)、8.61(br s,1H)
(調製10)
メトキシアセトアルデヒドオキシム
Figure 2010526051
メタノール(20ml)中のメトキシアセトアルデヒドジメチルアセタール(5g、41.63mmol)の溶液に、水(10ml)中の塩酸ヒドロキシルアミン(2.9g、41.73mmol)の溶液を加えた。反応を室温で18時間攪拌した。その後、反応に水酸化ナトリウム水溶液(1.67g、10mlの水中に41.6mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。メタノールを真空下で除去し、混合物を濃塩酸でpH5〜6まで酸性化した後、t−ブチルメチルエーテルで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、表題化合物が1.5:1のE/Z異性体の混合物として得られた(2.64g、71%の収率)。
HNMR(CDCl):3.4(m,3H)、4.05(d,1.2H)、4.3(d,0.8H)、6.9(t,0.4H)、7.5(t,0.6H)、8.55(br s,0.6H)、8.85(br s,0.4H)
(調製11)
5−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボン酸
Figure 2010526051
メチル5−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキシレート(調製12、1.8g、11mmol)を、1:1:1の濃塩酸(2ml)、酢酸(2ml)および水(2ml)の混合物中で、還流下で6時間攪拌した。アセトン(6ml)を加え、混合物を真空下で濃縮した。固形残渣を酢酸エチルで粉砕し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物がオフホワイト色固形物として得られた(1.4g、85%の収率)。
LCMS Rt=0.86分
MS m/z 157[MH]+
HNMR(CDCl):3.52(s,3H)、4.91(s,2H)、8.61(s,1H)
(調製12)
メチル5−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキシレート
Figure 2010526051
メタノール(55ml)中のメチル2−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4−メトキシ−3−オキソブタノエート(調製13、5.2g、26mmol)の溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(1.8g、25.8mmol)を加え、反応を還流下で7時間攪拌した。反応を真空下で濃縮した。固形残渣を、酢酸エチルを用いた粉砕によって精製して、表題化合物が固形物として得られた(3.6g、18%の収率)。
HNMR(CDCl):3.48(s,3H)、3.89(s,3H)、4.87(s,2H)、8.53(s,1H)
LCMS Rt=1.06分
MS m/z 172[MH]+
(調製13)
メチル2−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4−メトキシ−3−オキソブタノエート
Figure 2010526051
メチル−4−メトキシアセトアセテート(9ml、70mmol)をジメチルホルムアミドジメチルアセタール(18.8ml、139mmol)に加え、反応を90℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却し、18時間攪拌した。反応を真空下で濃縮し、70:30〜100:0の酢酸エチル:ヘプタンで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が油状物として得られた(7.68g、50%の収率)。
HNMR(CDCl):2.87(br s,3H)、3.25(br s,3H)、3.39(s,3H)、3.72(s,3H)、4.37(s,2H)、7.74(s,1H)
(調製14)
3−クロロ−ピラジン−2,6−ジアミン
Figure 2010526051
水酸化リチウム(12.4g、0.30mol)を、メタノール(300ml)および水(120ml)中の3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(20g、99mmol)の攪拌懸濁液に加え、反応を90℃で1.5時間加熱した後、室温まで冷却させた。反応を真空下で濃縮して、黄色スラリーが得られ、これを1,4−ジオキサン(350ml)に懸濁させ、2MのHCl水溶液(200ml)を加えた。混合物を100℃で2時間加熱し、その後、冷却させた後、1,4−ジオキサンを真空下で除去した。生じた水溶液を、炭酸ナトリウム(飽和水溶液)を用いてpH8にし、酢酸エチル(3×300ml)中に抽出した。合わせた有機層をブライン(300ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空下で濃縮して、黄色固形物が得られた(11.7g、82%)。
HNMR(d−DMSO):5.95(br s,2H)、6.02(br s,2H)、6.82(s,1H)。
(調製15)
2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸−(6−アミノ−5−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.288ml、3.315mmol)を、ジクロロメタン(3ml)中の2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(279mg、2.21mmol)のスラリーに加えた。1滴のN,N−ジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で4時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣を無水ピリジン(2ml)に溶かし、無水ピリジン(3ml)中の3−クロロ−ピラジン−2,6−ジアミン(調製14、160mg、1.107mmol)の溶液に加えた。反応を60℃まで温め、3時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、その後、真空下で濃縮した。残渣を、1:1のヘプタン:酢酸エチルで溶出させるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が黄色固形物として得られた(100mg、36%)。
HNMR(d−DMSO):4.05(s,3H)、6.60(br s,2H)、7.20(d,1H)、7.50(d,1H)、8.30(s,1H)、10.60(br s,1H)。
LCMS Rt=2.21分
MS m/z 253[MH]+
(調製16)
3−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸−(6−アミノ−5−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミド
Figure 2010526051
塩化オキサリル(0.060ml、0.691mmol)を、ジクロロメタン(3ml)中の3−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸(60mg、0.476mmol)のスラリーに加えた。1滴のN,N−ジメチルホルムアミドを加え、反応を室温で4時間攪拌させた。反応を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共に共沸した。残渣を無水ピリジン(1ml)に溶かし、無水ピリジン(2ml)中の3−クロロ−ピラジン−2,6−ジアミン(調製14、35mg、0.238mmol)の溶液に加えた。反応を50℃まで温め、3時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、その後、真空下で濃縮した。残渣を、1:1のヘプタン:酢酸エチルで溶出させるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物が白色固形物として得られた(30mg、50%)。
HNMR(d−DMSO):2.40(s,3H)、6.60(br s,2H)、8.35(s,1H)、9.60(s,1H)、10.65(br s,1H)。
LCMS Rt=2.34〜2.37分
MS m/z 254[MH]+
(調製17)
[2−(トリフルオロメトキシ)−5−フルオロ−1−ブロモ]ベンゼン
Figure 2010526051
塩酸(6Nの水溶液)(300ml)中の3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシアニリン(30g、0.12mol)の攪拌溶液に、水(30ml)中の亜硝酸ナトリウム(9.7g、0.14mol)の溶液を、0℃で滴下した。生じた混合物を、0〜5℃で1時間、反応系が透明になるまで攪拌した。その後、テトラフルオロボロン酸(40%の水溶液)(90ml)を、15分間かけて滴下した。生じた混合物を、0〜5℃で1時間、再度攪拌し、その後、濾過した。濾過ケークを冷水(100ml)およびジエチルエーテル(100ml)で洗浄し、その後、真空下で乾燥させて、ヒドラジニウムテトラフルオロホウ酸塩が白色固形物として得られた(35g、84%)。その後、この固形物(8.5g、0.024mol)を、140℃までゆっくりと加熱し、この温度で1時間、窒素雰囲気下で維持した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で蒸留して、表題化合物が無色の油状物として得られた(4.86g、78%)。
HNMR(CDCl):7.02〜7.09(m,1H)、7.26〜7.29(m,1H)、7.33〜7.38(m,1H)。
LCMS(30分)Rt=6.9分;
MS m/z 258[MH]+
(調製18)
[2−(トリフルオロメトキシ)−5−フルオロフェニル]ボロン酸
Figure 2010526051
臭化イソプロピルマグネシウム溶液(テトラヒドロフラン中に2Mの溶液)(83ml、0.166mol)を、無水テトラヒドロフラン(125ml)中の2−(トリフルオロメトキシ)−5−フルオロ−1−ブロモベンゼン(調製17、27.6g、0.107mol)の攪拌溶液に、−10℃、窒素雰囲気下で滴下した。生じた混合物を室温で2時間攪拌した。その後、ホウ酸トリイソプロピル(26.1g、0.139mol)を−10℃で滴下し、生じた混合物を室温で16時間攪拌した。塩酸(1Nの水溶液)(100ml)を0℃で滴下し、混合物を室温で30分間攪拌した。酢酸エチル(150ml)を加え、層を分離し、水層をさらに酢酸エチル(2×150ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、真空下で濃縮した。残渣を水酸化カリウム(10%の水溶液)(50ml)に溶かし、ジエチルエーテル(2×150ml)で抽出した。分離した水層を、塩酸(1Nの水溶液)(100ml)を加えることによって約pH4まで酸性化し、酢酸エチル(3×150ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させて、オフホワイト色固形物が得られた。分取HPLCによる精製により、表題化合物がオフホワイト色固形物として得られた(5.82g、24%)。
HNMR(d−DMSO):7.23〜7.32(m,3H)、7.53〜7.55(m,1H)、8.36(br s,1H)。
MS m/z 223[MH]−
(調製19)
トリフルオロ−アセトアルデヒドオキシム
Figure 2010526051
メタノール(15ml)および水(35ml)中のトリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール(10g、77mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(5.50g、79mmol)の溶液に、0℃で、水酸化ナトリウム(50%の水溶液)(18ml)をゆっくりと加えた。その後、反応混合物を室温まで、攪拌しながら16時間かけて温まらせた。ヘプタン(50ml)を加え、層を分離した。その後、塩酸(6Mの水溶液)(30ml)を加えることによって水層を酸性化し、その後、ジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、無水NaSO(固体)で乾燥させ、濾過し、大気圧で蒸発させて、粗表題化合物が1:2のエーテラートとして、無色の油状物として得られた(16.77g、7.5gのオキシムを含有、86.3%)が得られた。物質はさらに精製せずに使用した。
HNMR(CDCl):7.45〜7.50(m,1H)、9.58(s,1H)。
(調製20)
N−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルエタンイミドイルブロマイド
Figure 2010526051
無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中のトリフルオロ−アセトアルデヒドオキシム(調製19、16.77gの2:1のエーテラート、7.5g、66.3mmolのオキシムを含有)の氷冷した溶液に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中のN−ブロモスクシンイミド(12g、67mmol)の溶液を、45分間の期間にわたって滴下した。その後、反応混合物を室温まで、攪拌しながら4時間にわたって温めた。ジエチルエーテル(150ml)および水(100ml)を加え、層を分離した。有機層を無水NaSO(固体)で乾燥させ、濾過し、大気圧で蒸発させて、粗表題化合物が1:1.5のエーテラートとして、黄色油状物として得られた(17.4g、12.0gのオキシムを含有、94%)。物質はさらに精製せずに使用した。
HNMR(CDCl):8.02(s,1H)。
(調製21)
3−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル
Figure 2010526051
トルエン(50ml)中のジメチルアミノアクリレート(5.0g、35mmol)の溶液に、ブロモオキシム(調製20、6.0g+エーテル、31mmol)を滴下し、生じた溶液を3時間、室温で攪拌した。反応混合物を蒸発乾固し、その後、t−ブチルメチルエーテル(60ml)および水(20ml)を加えた。層を分離し、有機層を希塩酸(20ml)で洗浄し、その後、水(20ml)およびブライン(10ml)で洗浄した。その後、有機画分を無水NaSO(固体)で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させて、表題化合物がオレンジ色/茶色の油状物として得られた(4.65g、72%)。物質はさらに精製せずに使用した。
HNMR(CDCl):1.35(t,3H)、4.36(q,2H)、9.03(s,1H)。
(調製22)
3−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸
Figure 2010526051
3−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル(調製21、1.00g、4.78mmol)、氷酢酸(4ml)、濃塩酸(2ml、20mmol)および水(2ml、200mmol)を、攪拌しながら70℃で2時間、一緒に加熱した。溶媒を蒸発によって真空下で除去し、残渣を室温で16時間静置した。水(40ml)およびt−ブチルメチルエーテル(80ml)を加え、層を分離した。有機層を希塩酸(20ml)で洗浄し、その後、無水NaSO(固体)で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させて、表題化合物が茶色ガムとして得られた(70mg、8%)。物質はさらに精製せずに使用した。
(調製23)
2−ブロモ−4−エトキシ−1−トリフルオロメトキシ−ベンゼン
Figure 2010526051
アセトン(30ml)中の3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシフェノール(1.0g、2.48mmol)の溶液に、ヨウ化エチル(0.795ml、9.94mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(1.37g、9.94mmol)を加え、生じた溶液を12時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、その後、濾過し、真空下で濃縮した。ジクロロメタン(20ml)および水(20ml)を加え、溶液を、相分離カートリッジを通して濾過した。有機層を収集し、真空下で蒸発させて、粗表題化合物が無色の油状物として得られた(884mg、80%)。物質はさらに精製せずに使用した。
H−NMR(d−DMSO)1H:1.25(t,3H)、4.05(q,2H)、7.00(dd,1H)、7.35(d,1H)、7.40(dd,1H)。
LCMS(2分)Rt=1.82分
MS m/z 286[MH]+
(調製24)
[2−(トリフルオロメトキシ)−5−エトキシ−フェニル]ボロン酸
Figure 2010526051
無水テトラヒドロフラン(10ml)中の2−ブロモ−4−エトキシ−1−トリフルオロメトキシ−ベンゼン(調製23、884mg、3.10mmol)の攪拌溶液に、nブチルリチウム(シクロヘキサン中に2Mの溶液、2.33ml、4.65mmol)を、温度を−70℃未満に維持しながら、窒素雰囲気下で加えた。溶液をこの温度で1時間攪拌し、その後、ホウ酸イソプロピル(875mg、4.65mmol)を加え、反応を−70℃でさらに2時間維持した。その後、反応混合物を、塩化アンモニウム(水溶液)(5ml)を加えることによって反応停止させ、続いて塩酸(2Nの水溶液)(10ml)で酸性化した。層を分離し、有機層を無水MgSO(固体)で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させて、粗表題化合物が白色固形物として得られた(552mg、71%)。物質はさらに精製せずに使用した。
式(I)のピラジン誘導体がNaV1.8チャネルを阻害する能力は、以下に記載するアッセイを用いて測定し得る。
Nav1.8化合物のVIPRアッセイ
本スクリーニングは、Auroraの蛍光電位/イオンプローブ読み取り器(VIPR)の技術を利用して、ヒトNav1.8(HEK293)を発現する細胞系における、テトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルに対する化合物の効果を決定するために使用する。本実験はFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)に基づいており、2つの蛍光分子を使用する。第1の分子、オキソノール(DiSBAC(3))は、膜電位差を「感知する」、蛍光性の高い負荷電の疎水性イオンである。これは、膜電位の変化に応答して、形質膜の両側の2つの結合部位間で迅速に再分布することができる。この電位依存性の再分布は、形質膜の一方の面と特異的に結合して可動性の電位感知イオンに対するFRETパートナーとして機能する第2の蛍光分子(クマリン(CC2−DMPE))を介して、ラシオメトリックな蛍光読取値へと変換される。アッセイを作動させるためには、チャネルは薬理学的に開口した状態に保たれる必要がある。これは、細胞を、デルタメトリン(NaV1.8用)またはベラトリジン(TTX−SチャネルのSHSY−5Yアッセイ用)のどちらかで処理することによって達成される。
細胞維持:
ヒトNav1.8細胞を、T225フラスコ、5%のCO2加湿インキュベーター内で、約70%のコンフルエンスまで増殖させる。培地組成は、DMEM/F−12、10%のFCSおよび300μg/mlのジェネティシンからなる。これらを、スケジュールの要件に応じて細胞解離液を用いて1:5〜1:20に分割し、次の分割の前に3〜4日間増殖させる。
プロトコル:
第1日目:
実験の前に、以下のようにHEK−Nav1.8細胞(100μl/ウェル)を、ポリ−D−リシンでコーティングしたプレート中にプレートアウトする:3.5×10個の細胞/ウェル(3.5×10個の細胞/ml)で24時間または選択(Select)の技術を使用。
第2日目:VIPRアッセイ:
1.実験の前に、緩衝液を室温で2時間または37℃で30分間平衡化する。
2.クマリン色素を調製し(以下参照)、暗所で保管する。プレート洗浄機をNa+を含まない緩衝液で準備し、細胞を2回洗浄する。注意:プレート洗浄機は1個のウェルあたり約30μlまでの残留緩衝液を入れる。100μLのクマリン(CC2−DMPE)溶液(以下参照)を細胞に加え、45分間、室温で、明るい光を回避してインキュベーションする。
3.オキソノール(DiSBAC(3))色素を調製する(以下参照)。
4.Na+を含まない緩衝液で洗浄することによって、クマリン溶液を細胞から吸引して除去する。
5.30μlの化合物を加え、その後、30μlのオキソノール溶液を細胞に加え、45分間、室温で、暗所でインキュベーションする(合計ウェル体積約90μlまで)。
6.インキュベーションか完了した後、細胞は、VIPRを用いてナトリウム加減膜電位についてアッセイする準備ができている。
データを分析し、460nmおよび580nmのチャネルで測定された強度の正規化した比として報告した。これらの比を計算する方法は、以下のように行った。追加のプレートは、細胞プレートで使用したものと同じDisBAC2(3)濃度を有する対照溶液を含有していたが、バックグラウンドプレートには細胞を含めなかった。それぞれの波長における強度値を、試料点5〜7(初期)および44〜49(最終)について平均した。すべてのアッセイウェルにおいて、これらの平均を同期間にわたって平均した強度値から減算した。試料3〜8(Ri)から得られた初期比および試料45〜50(Rf)から得られた最終比は、以下のように定義する:
Ri=(強度460nm、試料3〜5−バックグラウンド460nm、試料3〜5)
(強度580nm、試料3〜5−バックグラウンド580nm、試料3〜5)
Rf=(強度460nm、試料25〜30−バックグラウンド460nm、試料25〜30)
(強度580nm、試料25〜30−バックグラウンド580nm、試料25〜30)
最終データをそれぞれのウェルの開始比に対して正規化し、Rf/Riとして報告する。この分析は、VIPRで生成されたデータ用に設計されたコンピュータ特定プログラムを用いて行う。
Rf/Ri比値は、Excel Labstats(曲線の当てはめ)を用いてプロットするか、またはECADAによって分析して、それぞれの化合物のIC50値を決定する。
Na+加減緩衝液、pH7.4(5MのNaOHで調節)−10×ストック
Figure 2010526051
Na+を含まない緩衝液、pH7.4(5MのKOHで調節)−10×ストック
Figure 2010526051
1×Na+を含まない緩衝液:400mlの10×+3600mlのdH2O
2×Na+を含まない緩衝液:100mlの10×+400mlのdH2O
1×Na+加減緩衝液:50mlの10×Na+加減+450mlのdH2O
クマリン(CC2−DMPE):2つのプレート用:
最初に、220μlのクマリン(1mM)+22μlのプルロニック(20%)を、チューブ+22mlの1×Na+を含まない緩衝液中で混合し、穏やかに渦攪拌する。
Figure 2010526051
オキソノール(DiSBAC(3)):2つのプレート用:
48μlのオキソノール(5mM)+120ulのタルトラジン(200mM) 渦攪拌
8.0mlの2×Na+を含まない緩衝液 渦攪拌
1.6μlのデルタメトリン(5mM) 渦攪拌
Figure 2010526051
TTX−Sアッセイ
TTX−Sアッセイは、NaV1.2、NaV1.3およびNaV1.7を含めたいくつかのテトロドトキシン感受性の電位作動型ナトリウムチャネルを構成的に発現するSHSY−5Y細胞系で行う。アッセイにおいてナトリウムチャネルの開口剤として最終アッセイ濃度50μMのベラトリジンでデルタメトリンを置き換えたことを例外とした以外は、NaV1.8アッセイについて上に詳述した手順に従った。
Nav1.5アッセイ
Nav1.5アッセイは、ヒトNav1.5を発現するHEK293細胞中で、上述のNav1.8アッセイと同様に行う。
実施例の化合物を上述のアッセイで試験した。
Figure 2010526051
再現実験を実施して1つの試験化合物について複数組のデータが生じた場合は、提示したデータは、すべての再現実験からの平均値を表す。

Claims (15)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2010526051
    またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物
    [式中、Arは、
    Figure 2010526051
    であり、
    →は、ピラジン環との結合点を示し、
    それぞれのRは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ、シアノおよびハロから独立して選択され、
    nは0〜4であり、
    は、CFまたはOCFであり、
    は、
    Figure 2010526051
    から選択される5員のヘテロアリール基であり、
    →は、カルボニル部分との結合点を示し、
    は、水素、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルである]。
  2. が、
    Figure 2010526051
    であり、Rが、請求項1に定義したとおりである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  3. が、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルである、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  4. それぞれのRが、独立してハロまたは(C〜C)アルコキシである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  5. nが0、1、2または3である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  6. N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−エチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−5−(メトキシメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(トリフルオロメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−トリフルオロメチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−エトキシ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−エトキシ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−{6−アミノ−5−[5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラジン−2−イル}−3−(トリフルオロメチル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を、1つまたは複数の薬学的に許容できる賦形剤と一緒に含む、医薬組成物。
  8. 医薬品として使用するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  9. NaV1.8チャネルモジュレーターが適応される疾患または状態を治療する医薬品を製造するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物の使用。
  10. 疾患または状態が疼痛である、請求項9に記載の使用。
  11. ヒトを含めた哺乳動物において、NaV1.8チャネルモジュレーターが適応される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の、請求項1から6および7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは組成物をそれぞれ投与することを含む方法。
  12. 疾患または状態が疼痛である、請求項11に記載の方法。
  13. NaV1.8チャネルモジュレーターが適応される疾患または状態の治療に使用するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  14. 疼痛の治療に使用するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  15. 請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物と、別の薬理学的に活性のある薬剤との組合せ。
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