JP2010524063A - 民間飛行機旅行を介した感染性病原菌の世界的拡散を予測するためのシステムおよび方法 - Google Patents

民間飛行機旅行を介した感染性病原菌の世界的拡散を予測するためのシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010524063A
JP2010524063A JP2010501339A JP2010501339A JP2010524063A JP 2010524063 A JP2010524063 A JP 2010524063A JP 2010501339 A JP2010501339 A JP 2010501339A JP 2010501339 A JP2010501339 A JP 2010501339A JP 2010524063 A JP2010524063 A JP 2010524063A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
city
origin
destination
data
modeling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010501339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5265661B2 (ja
Inventor
カーン,カムラン
Original Assignee
カーン,カムラン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カーン,カムラン filed Critical カーン,カムラン
Publication of JP2010524063A publication Critical patent/JP2010524063A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5265661B2 publication Critical patent/JP5265661B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q10/00Administration; Management
    • G06Q10/04Forecasting or optimisation specially adapted for administrative or management purposes, e.g. linear programming or "cutting stock problem"
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16HHEALTHCARE INFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR THE HANDLING OR PROCESSING OF MEDICAL OR HEALTHCARE DATA
    • G16H50/00ICT specially adapted for medical diagnosis, medical simulation or medical data mining; ICT specially adapted for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics
    • G16H50/20ICT specially adapted for medical diagnosis, medical simulation or medical data mining; ICT specially adapted for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics for computer-aided diagnosis, e.g. based on medical expert systems
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16HHEALTHCARE INFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR THE HANDLING OR PROCESSING OF MEDICAL OR HEALTHCARE DATA
    • G16H50/00ICT specially adapted for medical diagnosis, medical simulation or medical data mining; ICT specially adapted for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics
    • G16H50/80ICT specially adapted for medical diagnosis, medical simulation or medical data mining; ICT specially adapted for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics, e.g. flu
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A90/00Technologies having an indirect contribution to adaptation to climate change
    • Y02A90/10Information and communication technologies [ICT] supporting adaptation to climate change, e.g. for weather forecasting or climate simulation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Strategic Management (AREA)
  • Human Resources & Organizations (AREA)
  • Economics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Databases & Information Systems (AREA)
  • Data Mining & Analysis (AREA)
  • Primary Health Care (AREA)
  • Entrepreneurship & Innovation (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • General Business, Economics & Management (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Tourism & Hospitality (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Operations Research (AREA)
  • Marketing (AREA)
  • Game Theory and Decision Science (AREA)
  • Development Economics (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Abstract

本発明は、飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測するためのシステムを備える。このシステムは、a)データベースであって、起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データを含み、この航空機乗客旅行データが、起点都市から目的都市へのフライトの頻度と、起点都市から目的都市に旅行する乗客の人数と、起点都市から目的都市への無着陸直行便の数と、起点および目的都市についての全乗客交通量と、すべての航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むデータベースと、b)飛行機旅行を介した個々の起点都市からの個々の目的都市の伝染の確率を判定するために、前記感染性病原菌と対応付けて前記航空機乗客旅行データを地図に表すように機能するモデリングエンジンと、c)地図に基づいて、所定時点で、個々の起点都市からの個々の目的都市の伝染の確率を生成するように機能する報告エンジンとを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、医薬および公衆衛生の分野に関するものである。特に、本発明は、世界の航空路線輸送ネットワークを介したヒト感染性病原菌の空間的および時間的な拡散を予測することを含むものである。
ヒトの移動と感染症の拡散との関係は、人類の歴史の至るところで十分に確認されている。しかしながら、20世紀における大陸間の飛行機旅行の出現以来、世界の航空路線輸送ネットワークの大規模な絶え間ない拡大および発展は、流動性に対する世界的な急増する需要を満たすことが明らかになってきている。同時に、世界人口の急増は、ますます短い時間でより長い距離を渡って旅行する人々の人数の増加をもたらしている。現在のところ、世界の航空路線輸送ネットワークは、年間20億人以上の乗客を運んでいる。世界の航空路線輸送ネットワークは、より強く相互に関連し合う世界を作り出しているが、それは同時に、潜在的に危険な感染性病原菌を拡散させる主要な経路にもなっている。
図1は、感染症の出現と拡散に寄与する世界的因子の発展を説明している。前世紀に、世界人口の成長は急進し、2008年において全世界で推定67億人に達している。20世紀半ばの大陸間の商用航空の出現以来、個人が地球を周回するのに必要な時間は、急激に減少し、殆どのヒト感染症の最小潜伏期間よりも短い、24時間未満に達している。また、地球温暖化現象は、ダニや蚊のような重大な感染症媒介生物の生態的地位の拡大に貢献しており、同時にそれは、ヒト個体群における感染症の出現および再出現につながるものとなっている。この“最悪の事態”の認識は、21世紀における国際的な公衆衛生保障についての2007年度版世界保健報告(the 2007 World Health Report on Global Public Health Security in the 21st century)内で報告されているように、大きくなってきている。この報告は、1970年台以来、新しい感染症の脅威が、年間1またはそれ以上の、前例のないスピードで生じていること、並びに、“現在、感染症が人類の歴史の如何なるときよりも遙かに速く地理学的に広まっている”(世界保健機関の事務局長のマーガレット・チャン博士から引用する)ことを示している。
2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の出現と、それに続く、4大陸26ヶ国に及ぶ商用航空機を介した伝播は、国境のみならず大陸間の境界ですらも、感染症の拡散に対して、高い透過性を有することの動かぬ証拠を与えている。アジアおよびアフリカを横断するH5N1鳥インフルエンザのヒト症例が確認されているポストSARSは、インフルエンザの世界的流行が切迫していることに対する懸念を引き起こしている。2001年の米国郵便業務を介した炭疽菌の胞子の故意による拡散の後は、天然痘ウイルスの意図的な解放をめぐる憶測が、世界的流行のさらなる恐れに拍車を掛けた。危険な感染性病原菌が潜む研究室からの流出(breaches)に由来するものか、バイオテロリズムに由来するものか、あるいは自然に由来するものかに関わらず、世界的流行の可能性を有する新興感染症の発生は、国際社会全体の健康および経済的保障に対して致命的な脅威を構成する。
新興感染症を拡散する主要な交通機関としての商用航空の役割にも関わらず、世界の航空路線輸送ネットワークおよびその世界保障および公衆衛生との関係の認識はこれまでは非常に限られている。しかし、今日の世界において、感染症の国際的および大陸間の拡散がその大部分は民間飛行機旅行を介して起きること、並びに、病気の広がる軌跡がかなりの程度で予測可能であることを示唆する証拠が存在する。原理の証明として、世界の航空路線輸送ネットワークの乗客の構成およびフローと、2003年に観測されたSARSコロナウイルスの国際的な拡散との間に、非常に強い予測可能な関係が確認された。“世界的流行の最終的なリハーサル”としばしば称される大流行のあいだに観測された、この関連性は、医薬、感染症、統計および数学、ネットワーク、地理およびコンピュータサイエンスにおける専門家を集めるさらなる調査の進展を呼び起こした。その結果、高度に相互接続された相互依存の世界における脆弱性を正しく十分に評価するために必要な情報を、政府、企業およびその他の組織に与えるために、発明が必要とされた。より重要なことには、証拠に基づく戦略プランを迅速に作り出して、危険な世界的感染症の脅威に関連するリスクを軽減することに対する要求、並びに、任意の特定時点で所定のクライアントの世界的な“足跡”および述べた要求に一意的に合わせた方法で、それを実行することに対する要求が確認されている。
本発明の目的は、上述した要求の1またはそれ以上を部分的または完全に実現させることにある。
単に参照を容易にするために、DiaSPORAとして本明細書で呼ばれる本発明は、都市、州、政府機関、公衆衛生組織、企業およびその他グループのような存在が、世界的な感染症脅威から大切な健康および/または経済的利益を保護するのを支援する。DiaSPORAは、世界の都市を横断するヒトの流動性を特徴付ける本来の目的のために、大量の全世界の商業航空の統計値およびマイクロデータを取得、処理、分析するように機能する。この情報を与えることにより、本発明は、現在、発生環境の内側または外側で、どのような感染性病原菌が世界の航空路線輸送ネットワークを介して広がりそうであるのかを予測する。本発明の科学的根拠は、SARSの世界的大流行の間に学んだ疫学の教え、ネットワーク分析および数学的シミュレーションモデリングにその起源を有する。
さらに、DiaSPORAは、予期される感染症脅威が起きる前にそれに対する組織の戦略的準備を支援し、疑わしい脅威または確認された脅威が起きたときに、それに対する迅速な戦略的対応策を作成し、疑わしい大流行または確認された大流行が進んで、それに関する新しい情報が利用可能となったときに、それに対して反復的に対応する。目下のところ、商用航空データにアクセスできる現在の速さによって限定されることとなるが、本発明は、リアルタイム予測能力を有し、リアルタイムデータ収集技術に対応することができる。
任意には、DiaSPORAは、自然の原因(例えば、インフルエンザの世界的流行)、バイオテロリズム(例えば、天然痘の意図的な解放)、研究室の事故(例えば、バイオセーフティーレベル4の研究室からの流出)またはその他の予期せぬ状況に起因する、全国的または国際的な感染症脅威に関連するリスクを軽減するように設計されている。大流行(Outbreaks)には、ヒト感染を引き起こすものとして知られている病原菌(例えば、ヒトインフルエンザウィルス)、ヒト感染を引き起こす可能性を有する病原菌(例えば、鳥インフルエンザウイルス)、および/または媒介物(例えば、靴や衣服のような無生物)上で生存することができ、商用航空を介して運ばれ得る病原菌(例えば、動物に蹄病や口蹄疫を引き起こすピコルナウィルス)を取り込んだものが含まれるようにしてもよい。伝染性があり、実質的に公衆衛生および/または経済的影響を有する感染性病原菌は、最大の関心対象である。DiaSPORAは、実証的データおよびシミュレーションデータを、世界的、局地的なものおよび/または旅行自体を対象とし、意志決定者の検討のために提供される、一連の証拠に基づくリスク軽減戦略に変換する。
本発明は、一態様において、飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測するためのシステムを備え、当該システムは、a)データベースであって、起点都市(起点となる都市)と目的都市(目的地となる都市)との間の飛行機旅行についての航空機乗客の旅行データを含み、この航空機乗客の旅行データが、起点都市から目的都市へのフライトの頻度と、起点都市から目的都市に旅行する乗客の人数と、起点都市から目的都市への無着陸直行便の数と、起点および目的都市についての全乗客交通量と、すべての航空機乗客旅行データにていての対応する日付スタンプとを含むデータベースと、b)飛行機旅行を介した個々の起点都市からの個々の目的都市の伝染の確率を判定するために、前記感染性病原菌と対応付けて前記航空機乗客旅行データを地図に表すように機能するモデリングエンジンと、c)地図に基づいて、所定時点で、飛行機旅行を介した個々の起点都市からの個々の目的都市の伝染の確率を生成するように機能する報告エンジンとを備える。
本発明は、別の態様において、飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測する方法を備え、当該方法は、a)起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客の旅行データをデータベースから読み出すステップであって、航空機乗客の旅行データが、起点都市から目的都市へのフライトの頻度と、起点都市から目的都市に旅行する乗客の人数と、起点都市から目的都市への無着陸直行便の数と、起点および目的都市についての全乗客交通量と、航空機乗客旅行データすべてについての対応する日付スタンプとを含むステップと、b)航空機乗客旅行データに基づいて、特定の時間に亘って、個々の起点都市から個々の目的都市への感染性病原菌の伝染の確率をモデル化するステップと、c)個々の起点都市からの個々の目的都市の前記期間中の伝染の確率のレポートを作成するステップとを備える。
本発明のその他のおよび更なる利点および特徴は、添付図面を併用することにより、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
添付図面を参照しながら、本発明を、ほんの一例としてより詳細に説明する。添付図面において、同様の符号は同様の構成要素を表している。
図1は、1850年から2000年の世界人口の大きさと流動性を示している。 図2は、本発明の主要な構成要素およびプロセスの概要を示している。 図3は、エジプト(図3A:左)における人口密度の推定、並びに、経済発展の代理指標として、北東部のアメリカおよびカナダ(図3B:右)における都市の夜間の雰囲気の測定に使用される衛星画像を示している。 図4は、2003年の流行中における世界保健機関の公式な渡航助言およびSARSに関する世界的メディアレポートを示している。 図5は、2003年において世界中で国際線を運航する1061ヶ所の商用空港すべてについての地理的座標を示している。 図6は、世界の1061ヶ所の商用空港すべてについての2003年の国際線乗客量(すなわち、到着と出発を組み合わせたもの)を示している。 図7は、香港を出発する無着陸直行便(n=60)を介してアクセス可能な国際的な目的地、並びに、それに対応する2003年の乗客量をそれぞれ示している。 図8は、回復期血清学(convalescent serology)および/またはポリメラーゼ連鎖反応測定法を使用して確認された2003年における23都市へのSARSコロナウイルスの国際的な広がりを示している。 図9は、回復期血清学および/またはポリメラーゼ連鎖反応測定法を使用して確認された2003年における23都市へのSARSコロナウイルスの輸入度合いを示している。 図10は、香港国際空港から到着するのに必要なフライト数に対する、国際空港を有する960都市への2003年におけるSARSの輸入確率を示している。 図11は、すべての目的地から到着する国際線乗客量に対する、国際空港を有する960都市への2003年におけるSARSの輸入確率を示している。 図12は、2003年における香港国際空港から台湾への乗客のフロー、並びに、それに対応するSARSの輸入規模をそれぞれ示している。 図13は、香港からの無着陸直行便の有無に対する、各都市へのSARS輸入のタイミングを表示するカプラン・マイヤー解析(Kaplan-Meier analysis)を示している。 図14は、主要な機能(左)および指定時間による分析のカスタマイゼーション(右)を表示するDiaSPORAのスクリーンショットを示している。 図15は、地理的位置(香港)および乗客のフローの方向(到着)による分析のカスタマイゼーションを表示するDiaSPORAのスクリーンショットを示している。 図16は、2003年において香港に到着する無着陸直行便を有する都市を、乗客量によりソートして表示するDiaSPORAのスクリーンショットを示している。 図17は、2003年において、トロントに向けて出発する無着陸直行便を有する国際的なロケーション(n=120)、並びに、それに対応する出発乗客量をそれぞれ示している。 図18は、主成分(因子)分析を使用して明示された、2003年における北部アメリカおよびカリブ海の島々にある都市の4つの地域ネットワークを示している。 図19は、グラフ理論を用いて定義された、2003年における各都市の香港の(到着)地域ネットワークの階層構造を表示するDiaSPORAのスクリーンショットを示している。 図20は、グラフ理論を用いて定義された、2003年における各都市のシンガポールの地域ネットワークの階層構造、並びに、SARSが輸入された都市をそれぞれ示している。 図21は、2003年に世界的に流行している間に観測されたSARS輸入とシミュレーションで求めたSARS発生との空間的一致を示している。 図22は、選択された閾値を採用するSARSシミュレーションの感度と特異度を表示する受信者動作特性(ROC)曲線を示している。 図23は、2003年に世界的に流行している間に観測されたSARS輸入とシミュレーションで求めたSARS発生との時間的一致を示している。 図24は、2006年1月1日のインドネシアのジャカルタから始まる、4週間のSARSの発生のシミュレーションの結果、並びに、商用航空を介した広がりをそれぞれ示している。 図24Aは、図24の東南アジアの拡大図を示している。 図25は、2006年1月1日のエジプトのカイロから始まる、4週間のSARSの発生のシミュレーションの結果、並びに、商用航空を介した広がりをそれぞれ示している。 図25Aは、図25の西ヨーロッパの拡大図を示している。 図25Bは、図25の中東および北東アフリカの拡大図を示している。
本明細書で使用されているように、“感染性病原菌”または“病原菌”は、ヒトまたはその他の動物あるいは植物種にアクティブな感染または潜在的な感染をもたらすバクテリア、ウイルス、菌、寄生生物またはプリオンのような生命体または非生命体のことをいう。本発明の目的のために、人体内またはその表面上(すなわち、衣料品のような媒介物または無生物上)の外部から商用航空を介して感染性病原菌が運ばれる状況であって、潜在的な健康および/または人口に対する経済的影響をもたらす状況に関心が寄せられる。以下、そのような状況をしばしば“感染症脅威”と称する。
本明細書に提示される発明システムおよび方法は、好ましい実施形態において、図2に示すような構成要素およびプロセスを備える。単に参照を容易にするために、DiaSPORAとして本明細書で呼ばれる本発明は、以下に述べる1またはそれ以上の目的の部分的または完全な実現を意図している。
その目的の1つは、世界の航空路線輸送ネットワーク全体のアーキテクチャおよびネットワークの対応する商用航空機および乗客のフローダイナミクスについての過去、現在、入手可能であれば未来のデータを、統合、組織化、および分析の目的で遠隔アクセスするように設計されたシステムおよび方法を実現することである。そのシステムは、公衆衛生および/または経済的影響を持つ感染性病原菌の発生および/または増殖に関する世界中のデータを有する複数の源から世界の商用航空データを統合する。それらデータは、これに限定される訳ではないが、ヒト感染を引き起こすものとして知られている病原菌、ヒト感染を広めるあるいは引き起こす可能性を有する病原菌、並びに、民間飛行機旅行を介してヒトによって運ばれ得る病原菌に関する情報を含むこととなる。そのような病原菌の発生および/または増殖に関する文脈情報も統合することができ、その情報には、i)人口の大きさ、密度および人口動態、ii)高度、温度および湿度のような環境条件、iii)医療基盤および資源、iv)経済成長および発展、およびv)その他雑多な要因を含むようにしてもよい。
その目的の1つは、どのように世界の航空路線輸送ネットワークが時間とともに発展しているのか、並びに、どのように任意の所定エンティティ(以下、商用空港、都市、州、国、地方機関、政府、企業、組織またはそれらの組合せのことを“エンティティ”と称する)が世界的なネットワーク内で、選択した時点または期間において相互に接続されているのか、ということを迅速かつ正確に明示することができるシステムおよび方法を実現することである。そのような情報は、上述したデータの分析を介して得られるとともに、商用航空を介して輸入される感染性病原菌に対するエンティティの脆弱性を特徴付けるために使用される。
上記目的の1つは、世界の航空路線輸送ネットワークを介した病原菌の(時空的な)拡散を予測するために、感染症流行の数学的シミュレーションを迅速に実行するシステムおよび方法を実現することである。このシステムおよび方法は、広い範囲のシミュレーション条件を容易にし、その条件には、これに限定されるわけではないが、i)知られた感染性病原菌の特性とともに、これまで認識されていなかった特性(すなわち、病原菌の伝染モード、基本的な再生数、潜伏期間などの特性が予想される)、ii)感染性病原菌の存在および/または繁殖が疑われているまたは確認されている場所の地理的座標、およびiii)商用航空を介した病原菌の輸入を防止、中断または遅延させることによって保護するための地理的座標に合わせたものが含まれる。
上記目的の1つは、エンティティが、予期される感染症脅威の発現の前に、世界的な相互関連性のアーキテクチャを検査するための枠組みを作成して、それにより、世界の航空路線輸送ネットワークを介した感染性病原菌の輸入に対する脆弱性を把握するためのシステムおよび方法を作り出すことである。経験的データを使用して、民間飛行機旅行を介した潜在的に危険な感染性病原菌の輸入リスクを軽減するための潜在的方策の有効性が、客観的に評価されることとなる。
上記目的の1つは、新たに疑われたまたは確認された発生の最中に民間飛行機旅行を介した感染性病原菌の輸入を防止、中断または遅延させるように設計された戦略的対応計画を迅速に作成することによって、その健康および/または経済的利益を保護するために、エンティティにとっての枠組みを作成するためのシステムおよび方法を作り出すことである。
上記目的の1つは、流行に関する新たな情報が利用可能となったときに、民間飛行機旅行を介した感染性病原菌の輸入を防止、中断または遅延させるように設計された反復的な戦略的対応計画を迅速に作成することによって、その健康および/または経済的利益を保護するために、エンティティにとっての枠組みを作成するためのシステムおよび方法を作り出すことである。
上記目的の1つは、予期される、疑わしいまたは確認された感染症脅威を取り巻く条件、並びに、特定のエンティティの宣言した自己の利益に合わせた包括的なレポートを作成するためのシステムおよび方法を作り出すことである。レポートは異なるレベルに対する戦略を評価するように構成され、そのレベルには、世界レベル(すなわち、対象となる国際的ロケーションにおける強化監視のような、エンティティの明確な境界の外側にあるもの)と、局地レベル(すなわち、リスクが取り込まれた健康および人材配分のような、エンティティの明確な境界の内側にあるもの)と、および旅行自体(すなわち、旅行規制のような世界レベルと局地レベルとの間にあるもの)とが含まれる。
図2を参照すると、本発明に含まれる主要な構成要素およびプロセスが要約して示されている。ステップ1では、人体(潜在的またはアクティブな感染として)内に内部で運ばれ、または媒介物(すなわち、靴や衣服のような無生物)上で外部から運ばれる病原菌であって、それ故に、商用航空を介して世界中に運ばれる可能性のある病原菌によって引き起こされる感染症脅威の存在に起因して、本発明が利用される。潜在的に深刻な公衆衛生または経済的影響を持つ感染性病原菌は、本発明が最大の価値を与えるものである。脅威は、予期され、疑われ、あるいは確認された大流行を含むようにしてもよく、それは、自然の原因(例えば、インフルエンザの世界的流行)、バイオテロリズム(例えば、天然痘の意図的な解放)、研究室の事故(例えば、バイオセーフティーレベル4の研究室からの流出)またはその他の予期せぬ状況に端を発する。脅威の性質に基づいて、本発明のオペレータは、選択的にまたは緊急に行動するように求められる。
ステップ2において、本発明のオペレータは、特に本発明のために開発されたデータベースにアクセスする。そのデータベースは、世界中の商用航空の統計値およびマイクロデータに加えて、世界的な感染症脅威に関するその他データを格納する。このステップの間、処理および更なる分析のためにマイクロデータが抽出される。
ステップ3においては、マイクロデータが、意図した対応と一致する方法で整理される。それら対応は、未だ起きていない予期される脅威に対して準備すること、新たに疑われるまたは確認された脅威に対する戦略的な対応策を迅速に作成すること、および/または、それが拡大するときおよび新しい情報が利用可能となったときに反復して、継続的に疑われるまたは確認された脅威(例えば、大流行)に対する戦略的な対応策を迅速に作成すること、を含むものであっても良い。
ステップ4においては、大量の商用航空マイクロデータおよびその他の関連データが、一連の自動化アルゴリズムを介して分析される。それら分析には、i)世界的な感染症脅威に対するエンティティの脆弱性および結合性を厳格に特徴付けるネットワーク分析と、ii)設定条件下で、特定の感染性病原菌が、民間飛行機旅行を介して世界中にどのように広がりそうであるのかを予測する数学的シミュレーションとを実行することが含まれる。
ステップ5においては、公衆衛生および/または経済的影響を有する感染症脅威に関連するリスクを軽減することを目的とする潜在的な戦略を検討して、包括的レポートが作成される。
クライアントによる検討のための潜在的な戦略は、“世界”レベル(すなわち、潜在的クライアントの明確な境界の外側の場所におけるもの)と、“局地”レベル(すなわち、潜在的クライアントの明確な境界の内側の場所におけるもの)と、および旅行自体(すなわち、世界レベルと局地レベルとの間の場所におけるもの)とを対象としたものを含むようにしてもよい。潜在的クライアントの非包括的リストには、i)主要な公衆衛生組織(例えば、世界保健機関)、ii)企業または実業界のその他メンバー(例えば、保険会社、多国籍企業)、または、iii)政府機関(例えば、国防、連邦政府、州または地方自治レベルにおける公衆衛生機関)が含まれる。
上述した概略ステップに基づいて、本明細書に記載の発明システムおよび方法は、後でさらに詳述する以下の主要構成要素を備える。
その1つは、世界の航空路線輸送ネットワーク、世界の都市および世界的感染症脅威に関する過去、現在および未来のデータを格納する国際都市データベース(GCD)である。
上記主要構成要素の1つは、世界の航空路線輸送ネットワークを介した感染性病原菌の世界的拡散を、迅速に取得、処理、分析およびシミュレートするように設計されたDiaSPORAとして知られるソフトウェアアプリケーションである。
上記主要構成要素の1つは、特定の感染症脅威に対抗するとともに、ユーザによって定義された状況および条件に従って潜在的クライアントの宣言した利益を保護するように調整された最終出力である。
<GCD:世界の商用航空データ>
航空統計値およびマイクロデータは、以下の5つの組織から主に得られるものである。
1.国際空港評議会(ACI)
2.オフィシャルエアラインガイド(OAG)
3.マーケティングインフォメーションデータテープス(MIDT)
4.国際航空運送協会(IATA)
5.国際民間航空機構(ICAO)
上述した情報源からのマイクロデータおよび航空統計値は、IATA空港コードを利用して集約されるとともに、世界の航空路線輸送ネットワークのアーキテクチャを定義して、特定の時点または期間における世界人口の流動性を明らかにするのに使用される。到着および出発アーキテクチャおよび乗客フローダイナミクスは、2空港間のフライト経路が必ずしも双方向ではなく、多頂点多角形まわりの一方向フローを含む可能性があるため、別々に測定される。また、乗客フローダイナミクスは、変動の“自然な”パターンを明らかにするために、毎日、毎週、毎月および季節変化毎に測定される。このとき、利用可能なデータには、フライトスケジュールに関する、過去および現在のデータ、前もって1年以内の未来のデータが含まれる。データには、予定の乗客席と商用航空機の動き、実際の乗客席と商用航空機の動き、実際の乗客の動き(すなわち、人が着席している席と空席とを区別する)に関する情報が含まれる。商用航空ファイルの大部分は、乗り継ぎ(すなわち、別の目的地への単なる接続)の乗客に関する情報も含まれる。すべてのデータは、当該データに関連する日付スタンプを含み、日付スタンプは、入手可能であれば、タイムスタンプを含む。データは、空港レベルで利用可能であり、それによって、特定の時点または期間における世界の商用空港の選択した任意のペアに関する統計計算を容易にすることができる。GCDにおいて、データは、商用空港、自治体、航空路線、航空路線アライアンス(例えば、スカイチーム、ワンワールド、スターアライアンス)または世界中の空港の任意のペア間の特定ルートの観点から分析することができる。
<GCD:人口統計およびダイナミクス>
人口統計は、一般に、人口調査データを使用して得られる。しかしながら、世界的レベルで分析を実行するときは国の人口調査データを使用するのに課題が存在する。第一に、世界のすべての国が、同じ年に人口調査を行う訳ではない。軍事的な衝突が進行中の幾つかの国に関しては、安全保障上の問題が、暫くのあいだ、人口調査を妨げる可能性がある。第二に、都市レベルにおいて、人口調査データは、人々が住んでいる区域を反映しているが、必ずしも、彼らが働いている区域あるいは一定の時間を過ごしている区域を反映している訳ではない(例えば、僅かな人しか商用空港のまわりに住んでいないが、多くの人々が商用空港の内部または周囲の空間を“占有”している)。最後に、都市およびその境界の定義は、非常に変わり易く、その結果、一貫した方法で都市の人口を測定するのが困難となっている。上記課題の一解決策は、人口の大きさおよび密度を推定するために衛星データの使用を伴う。
図3Aおよび図3Bを参照すると、エジプト(左)の人口密度(3A)および北東部アメリカおよびカナダ(右)における都市の夜間の雰囲気(3B)の衛星画像が描かれている。それら画像は、選択された地理的領域についての人口の大きさの推定値および夜間の雰囲気(経済発展の代理指標として本発明において使用される)を得るのに使用される。上記推定値は、米国海洋大気庁から直接得ることができ、この米国海洋大気庁においては、一次データが集められ、分析され、本発明の数学的モデルのインプットとして使用される。
<GCD:経済発展>
経済発展は、未だに認識されていない感染性病原菌の発生、あるいは知られた病原菌の再発生を促す条件に関連する可能性がある。国際的な経済発展データは、世界銀行によって発行される世界発展指標を用いて得ることができる。しかしながら、それらデータは国レベルでしか報告されていない。特に、リソースが均一に分配されていない国々(例えば、中国およびインドのような発展途上国)については、そのようなデータを使用するのに制限がある。都市レベルの経済発展を測る代替的および潜在的に補完的なアプローチには、衛星データの利用が含まれる。具体的には、夜間に宇宙からの眺められる都市の雰囲気または光量は(図3Bを参照して上述したように)、経済発展の重要な代理指標となり得る。この代理指標は、“明るい”都市ほど、“暗い”都市よりも発展し、経済的に繁栄している、という仮定に基づいて使用される。
<GCD:医療基盤>
その境界内の感染性病原菌の存在を検出して、局所的な拡散を防止し、かつ/または、その他の都市への流出を防止する都市の能力は、局所的に利用可能な医療基盤および人的資源と関連する可能性がある。この種のデータ(医師および登録された看護師の人数の国内推定値や、医療に割り当てられる国内のGDP比率など)は、世界銀行の健康、栄養および人口統計課から得ることができる。しかしながら、それら統計値は、国レベルでしか報告されていないため、国内では、人口の大きさに比例して各都市にリソースが割り当てられているという仮定を立てる必要がある。
<GCD:環境状態>
事実上すべての感染性病原菌の特性および活動は、温度、湿度および高度のような環境条件の影響を受ける。そのような世界的データは、感染性病原菌が繁殖し、かつ/または新たな生態学的地位を確立する場所を特定するために、様々な環境情報源から得られる。
<GCD:ヒトおよびヒト以外の感染性病原菌>
異なる規模の感染症大流行は、世界的によく起きることであるが、GCDは、深刻な公衆衛生および/または経済的影響をもたらす世界的な感染症脅威にその焦点を絞ることとなる。GCDは、様々な信頼できる官民のソースを使用して、予測され、疑われ、あるいは確認された世界的な感染症脅威(例えば、H5N1鳥インフルエンザに起因するヒト感染)について利用可能な最新の情報を取り込んで頻繁に更新されることとなる。
<GCD:諸データ>
特定の感染症、それらの発生または再発生を助ける条件、および/またはそれら病気の局所的または世界的拡散に関連する因子についての新たな知識を反映させるために、追加的なデータ源を将来加えることができる。
一例として、図4は、2003年の大流行中における任意の日に、英語、フランス語、スペイン語、中国語(繁体字または簡体字)または日本語により世界で発行されたSARSについてのメディアレポートの数を表示している。それらデータは、異なる22の言語で書かれ、152ヶ国で発行された、新聞、定期刊行物、雑誌、ニュースおよびラジオのトランスクリプトを含み、さらに120以上の連続的に更新されるニュースワイヤを含む10,000以上のメディア源にアクセスするデータベース、Factivaから得られたものである。この図はさらに、世界保健機関によって発せられた主な渡航助言のタイミングも示している。それらデータは、世界的メデイアを介した情報のアクセスと、公式な渡航助言と、世界中の人間の旅行行動に与えるそれらの意図した影響または無意識の影響との間の関連性を調べるために使用される。学んだ教えは、旅行行動が感染症脅威によってどのように影響を受けるかを良好に予測するとともに、データおよび/またはモデルに調整を加えるために、発明システムおよび方法に統合される。
<原理の発明証明>
本発明は、商用航空を介した感染性病原菌の拡散が世界の航空路線輸送ネットワークのアーキテクチャとそれに関連する乗客の動きとによって決定されるという原理に基づいて確立されている。SARS(“世界的大流行の最終的なリハーサル”としばしば称される)の2003年の世界的な大流行の綿密な研究を通じて、以下に示すように、その原理の根拠が明らかにされている。
ステップ1:国際的なSARSの大流行中の世界の商用航空統計値およびマイクロデータを取得する。
それらマイクロデータは、オフィシャルエアラインガイド(OAG)から得られ、2003年における世界中の実質的にすべての商用空港間の予定された乗客席の動きおよび世界の航空路線輸送ネットワーク全体のアーキテクチャの分析に役立てられた。国境線を越える圧倒的多数のSARS症例は、香港国際空港から出発する商用航空機を介してそれがなされたため、香港と残りの世界との繋がりに分析が集中した。
図5を参照すると、2003年において世界中で国際線を運航する1061ヶ所の商用空港すべてについての地理的座標が特定されている。
図6を参照すると、世界の三次元表現内にピークとして表現された、2003年における国際線乗客のフロー(到着および出発を組み合わせたもの)の全体的変動が表示されている。複雑過ぎてグラフを使って表現することはできないが、本発明のために開発したソフトウェアは、任意の特定時点または期間において、任意の空港の組合せについて乗客の到着および/または出発データを、迅速に取得、処理、分析するように設計されている。
図7を参照すると、2003年に香港からの無着陸直行便を受け入れる60都市すべてについて国際線乗客量を定量化した、テイラード分析が示されている。2003年の大流行中にSARS輸入の危険性の高い候補地を特定するために、“出発”分析が行われた。
ステップ2:SARSの国際的拡散に関する詳細情報を集める。
世界保健機関(WHO)は、2003年12月31日時点のSARS輸入の高可能性例に関する全国の要約データを発行している。しかしながら、それらデータには、都市レベルの情報や、大流行中に国境線を横断する142の輸入症例の各々の診断方法に関する情報が含まれていない。調査目的のために、SARS輸入の各高可能性例について世界中の研究室および公的健康機関から以下のデータが集められた。
1.中間ストップを含む出発ポートおよび到着ポート
2.上記ポートの出発日および到着日
3.旅行の方法(すなわち、空、陸、海)
4.SARS診断の方法:疫学的症例定義、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、および/または回復期血清学(すなわち、疾病の発症後少なくとも28日間はSARSコロナウイルスに対する抗体が存在する)
5.SARSの輸入症例数およびそれぞれの診断方法
図8を参照すると、2003年の大流行中に確認されたすべてのSARS症例の国際的な軌跡が記載されており、これは、すべての症例の90%以上が香港国際空港から直接的または間接的に移動したことを明示している。この図では、フフホト(中国)からウランバートル(モンゴル)への飛行機旅行、並びに、広州(中国)からクアラルンプール(マレーシア)への飛行機旅行を介したSARSの国際的拡散が別々に示されている。それは、フフホトと広州への(中国本土の広東州からの)陸路によるSARSの到着およびそれ自体が、空路による香港との直接的または間接的な関連性が無いためである。
図9を参照すると、2003年に世界で確認、輸入されたSARS症例の程度が地図上に示されている。その観測結果は、世界の航空路線輸送ネットワークのアーキテクチャと、その乗客のフローと、観測されたSARSの輸入度合いとの間の“用量−反応効果”の研究に使用されている。
ステップ3:世界の航空路線輸送ネットワークの特性と、観測されたSARSの確認例(または確認例および高可能性例)の拡散との間の統計的関連性を評価する。
図10を参照すると、SARSの大流行中に香港国際空港から到着する無着陸直行便を有する都市が、到達するために1回の乗り継ぎが必要な都市と比べて、確認されたSARSの輸入について、40倍増加のリスクを有していたことが明示されている。香港から2回またはそれ以上の乗り継ぎが(2003年の時点で)必要であった世界中の都市は、何れも、大流行中の任意の時点でSARS症例(確認例または高可能性例)が輸入されなかった。こうした知見は、感染症大流行の発生地への無着陸直行便を有する都市が非常に高い疾病輸入リスクを持っていることを強く示唆している。
図11を参照すると、世界の最大級の国際線乗客到着量を有する都市がSARS輸入の最も高いリスクを有していたことが明示されている。例えば、2003年に1000万人以上の国際線の到着乗客を受け入れていた都市は、100万人未満の国際線の到着乗客を受け入れていた都市よりも、100倍増加以上の輸入リスクを有していた。
図12を参照すると、香港国際空港を出発して台湾に到着する乗客と、台湾へのSARSの輸入度合いとの間の“用量−反応”関係が図示されている。中国本土と台湾との間のフライト接続は、その殆どがほぼ例外なく香港を通過する(非常に低い頻度で代替的にマカオが使用される)という点において幾分特有である。この図は、SARSの輸入(またはその他の感染性病原菌の輸入)度合いが、航空交通の動脈に沿う乗客の流れ、この場合には、香港と、台北と高雄に位置する台湾の2つの国際空港との間の航空交通に沿う乗客の流れと同等となるであろう、という根本的な仮説と一致する。
図13を参照すると、飛行機旅行を介した香港との接続性に関して、世界中の都市のSARS輸入までの時間を示したカプラン・マイヤー・プロットが表示されている。この図は、SARS輸入のタイミングが、香港への空路による都市の接続性に、強く影響されたことを明示している。特に、香港から到着する無着陸直行便を有する都市は、このような直行便を有していない都市よりも遙かに速い速度で、SARSの輸入症例を受け入れていた。42日目の曲線が“平坦となる”一週間弱以前の、香港と中国本土の広東州への旅行を必要最小限に制限することを推奨するWHOの渡航助言のタイミングは、この図には示されていない。これは関連性を有するものであるが、上記助言が大流行の過程の変化に、原因として関係していたのか、あるいはランダムで無関係なつながりであったのかは未だ明らかではない。上記助言が実際の旅行行動に与える意図した影響および/または意図せぬ影響を探求するためには、その事象についての更なる調査が必要であろう。
ステップ4:SARSの拡散をシミュレートおよび予測するモデルを開発する。
2003年のSARSの拡散を予測するために、常微分方程式(ODE)を用いた決定論的な(標準的なSEIRを変更した)数学的シミュレーションモデルが開発された。同時に、SARSの世界的な大流行の潜在的な“実現(realization)”の分布を調べるために、平行確率論的(マルコフ)モデルが開発された。両シミュレーションモデルから得られた結果を実際のSARS拡散と比較することによって(ステップ2で確認したように)、モデルを有効なものとすることができる。後述する(決定論的モデルおよび確率論的モデルという小見出しの下で述べる)数学的モデル部分は、モデルのより綿密な説明、それらの開発に含まれるステップ、並びに、数学的にシミュレートされたSARS大流行と2003年の大流行中に実際に観測された事象との一致の度合いを提供する。
<DiaSPORA:概要>
DiaSPORAとして知られるソフトウェアのプロトタイプは、Visual Basic.NET(VB.NET)への移行が現在進行中のマイクロソフト社のVisual Basic 6.0により開発された。この移行は、緊急に予告無くその使用が必要とされることから、安全、段階的な遠隔アクセスおよびインターネットを介した本発明の操作を促進するために行われている。実質的なプラットフォームは、本発明のオペレータがどこにいても関係なく(それは感染症脅威の真っ最中に大きな重要性を持つ可能性がある)それを操作することを可能とし、重要な意志決定者およびクライアントに対してゲストアクセスを容易にする。新たに開発されたDiaSPORAソフトウェアは、本発明の実施に関連する、SAS(登録商標:統計分析)、ESRI ArcGIS and Pitney Bowes MapInfo(GISおよび空間分析)、Berkeley Madonna(数学的分析)、およびMicrosoft Office(結果のプレゼンテーションおよびコミュニケーション)のようなその他の既存のソフトウェアアプリケーションと統合するように設計されることとなる。効率的な処理アルゴリズムの使用、分析プロセスの自動化およびコンピュータ技術の発展を通じて、DiaSPORAは、益々短い時間で最高品質のアウトプットを作り出すのに著しく効率的なものとなるであろう。必要に応じて、将来のソフトウェアパッケージをDiaSPORAに加えることもできる。
図14を参照すると、DiaSPORAの初期画面からのスクリーンショットが示され、これにより、ユーザが設定した時点または期間に従ってマイクロデータを処理および分析する能力が明示されている。上述したようにGCDからの分析および処理に利用可能なデータには、過去および現在の商用航空の統計値およびマイクロデータに加えて、将来1年間の範囲までのフライトスケジュールのマイクロデータが含まれる。この仮説分析に選択された時間枠は、2003年の1月1日から12月31日までとなっている。
図15を参照すると、DiaSPORAの地理的選択画面からのスクリーンショットが示され、これにより、ユーザが設定した地理的位置および指定した流れの方向に従ってマイクロデータを処理および分析する能力が明示されている。分析は、空港、都市、州またはその他組織のような任意のエンティティに合わせて行うことができる。この図には示されていないが、DiaSPORAは、地理的に近接していない分析ユニット(例えば、離れた都市および国に跨るビジネスセンタを有する多国籍企業)を構成することもできる。また、世界の航空路線輸送ネットワーク上の到着および出発アーキテクチャ(および乗客の流れ)が全く同じではないため、DiaSPORAは、ユーザが分析用の方向を選択することを可能にする。この図面においては、選択した分析が、到着アーキテクチャおよび香港に到着する国際線乗客の流れを調べている。
<DiaSPORA:ネットワーク分析>
任意のユーザ設定の環境および条件のセットのために、DiaSPORAは、所定のエンティティが世界の航空路線輸送ネットワーク内で接続されている正確なアーキテクチャを定義するために、綿密なネットワーク分析を行う。
第一に、直接的な接続性は、所定の都市ペア間の旅行に必要なストップの最小数の観点から分析される。2003年の世界的なSARS大流行中に確認されたように、外部の感染症脅威に対する都市の脆弱性は、“距離”を移動する必要があるフライトの数によって測定されるように、その“距離”と反比例するように見える。都市は、感染症脅威の“射線(line of fire)”上に直接的(すなわち、直行便が存在する)または間接的(乗り継ぎが必要とされる)にあるかどうかを迅速に認識することができる。
図16を参照すると、DiaSPORAは、直接的な接続性の分析を実行して、2003年1月1日〜12月31日の選択した時間枠について世界中のすべての国際ロケーションから香港への直行便による到着フローを表示する。データは、更なる分析のためにエクスポートできるが、到着するすべての国際線の乗客量の18.1%の割合を占める430万人以上の乗客が、2003年に台北から香港に到着したことを明示している。香港への国際線到着交通量の半分は、6都市(すなわち、台北、バンコク、シンガポール、東京、マニラおよび北京)によって占められていた。この図に示されるデータには、ほんの一例として、全到着乗客量、全到着乗客量の割合および到着量の累積率が含まれるが、接続性、中心性および全共同体的一致(communality)に関するその他多くのネットワークパラメータが追加的に生成される。
図17は、ほんの一例として、2003年において、世界中の120の目的地から直行便によりトロントの都市に入るすべての国際線到着交通量の同様の分析を表示している。表形式およびグラフ表示の組合せを通じて、直接的な接続性についての情報が本発明のユーザまたはクライアントに効率良く伝えられる。
第二に、直接的な接続性は、主成分(因子)分析および応用グラフ理論の2つの相補的方法論を使用して分析される。それらアプローチは、“ネットワーク”の階層構造および範囲を規定するために使用され、各ネットワークは、強く相互接続された都市の集まりを包含する。例えば、ある都市は、感染症大流行の発生地に直接的に接続する直行便を有していないかもしれないが、それ自身のネットワーク内のメンバーの都市がそのような関連性を有しているかもしれない。特定のエンティティまたは都市が属するネットワークの階層構造および範囲の検査は、特定の感染症脅威に対して“隣”がどの程度脆弱であるかもしれないのかについて有益な認識を与える。
図18を参照すると、この北部アメリカの地図は、主成分(因子)分析を使用して、都市の4つの主なネットワークを特定している。それらネットワークは、便宜上、アメリカ東部、アメリカ西部、カナダ東部およびカナダ西部ネットワークと称しているが、実際のところ、それらは地政学的境界または考慮とは完全に独立して規定されている。例えば、トロントの都市は、カナダ国内のその他の都市に対してよりも、アメリカ東部ネットワークに対して“より強い”繋がりを有している。さらに、メキシコおよびカリブ海の島々の都市は、アメリカおよびカナダの一部に広く結合されているため、それらは共通のネットワークを共有する。
図19を参照すると、スクリーンショットに、香港の(到着)都市ネットワークに属する都市の一覧が表示されている。この図は、一番右の(“ネットワーク”)列において、香港が世界的ネットワーク21(2003年において世界中で55ネットワークが確認されている)の階層の“最上位”であることを示している。最初の数字は、ネットワークのID番号を示し、それに続く番号は、その階層構造を示している。この例において、バンコクは香港の下位にネスト化される一方、チアンライ、サムイ島およびビエンチャンは互いに並列であり、バンコクの下位にネスト化されている。さらに、ウタパオはサムイ島の下位にネスト化され、ルアンプラバンはビエンチャンの下位にネスト化されている。グラフ理論を使用して航空路線輸送ネットワークのセグメントを分析することにより、より広い世界的ネットワークの範囲内で、所定の場所がどの程度脆弱または隔離されているのかについて、重要な視覚的手がかりおよび統計データが与えられる。この図には示されていないが、世界の航空路線輸送ネットワークのアーキテクチャは、多次元であり、DiaSPORAにおいて様々なレベル(低レベル、中レベルおよび高レベルとして示される)で表現することができる。
図20は、図17で述べたのと同じプロセスを使用して得られたものであるが、グラフを使って表示されている。この図は、2003年にシンガポールが属するネットワークの階層アーキテクチャを示している。さらに、星印が付いた都市は、SARSが空路によって輸入されたことが確認された場所であることを表している。具体例が明示されていないが、民間飛行機旅行を介して国境線を越えた圧倒的大多数のSARS症例は、下位のより辺鄙な場所を見逃して、それらの地域ネットワークの頂部における都市に上陸した。
<DiaSPORA:数学的シミュレーション>
2種類の数学的モデルを開発した。一方は決定論的な枠組みの採用から得られたもので、他方は、確率論的な枠組みを使用する。
決定論的モデル:
この種類のモデルは、標準的なSEIR(S:感受性、E:曝露、I:感染、R:除去)枠組みから得られたもので、本発明の目的に適するものであった。添字iで示される所与の都市内の感染性病原菌の伝播動態をモデル化するために、以下の常微分方程式(ODE)が適用される。
Figure 2010524063

ここで、1/εは、感染性病原菌の潜伏期の平均持続時間を示し、1/γは、死亡または回復によって除去されるまでの感染の平均持続時間を示している。
次いで、SEIRモデルは、都市間の民間飛行機旅行を説明するために、以下に示すように変形された(元の方程式に対する改変部分を丸く囲んである)。
Figure 2010524063

(数3)
ij=(空港iから空港jに飛行機で移動した乗客の人数)/(空港iを飛び立つ飛行機の乗客の総数)
本発明によって行われたシミュレーションの分析期間は、一般に、週のオーダにある(感染症脅威および/または商用航空データに関する新しい情報が利用可能となったときに、反復シミュレーションが行われる)と予測される。その結果、上記方程式は簡素化して、感受性(S)の部分(すなわち、それは都市内に住んでいる一般的な人口に近付き、短期間のシミュレーション内で無視できるほどの小さな変化しか認められないであろう)および除去(R)の部分を(すなわち、免疫または死亡によって除去される人の総数は、短期間のシミュレーションの間にすべての部分を横断する総人口に対して無視できることとなるため)取り除くことができる。このため、方程式は最終的な簡素化した形式に減らすことができ、それは、コンピュータ処理要求を著しく低減し、シミュレーション時間を減少させる。
Figure 2010524063
確率論的モデル:
この種類のモデルは、単一の事象(すなわち、特定の感染症脅威)から生じる可能性のある実現の分布を分析するために開発された。マルコフプロセスの使用は別として、このモデルは、上述した簡素化した2部分の決定論的な常微分方程式(ODE)モデルと概念的に類似している。各シミュレーションの結果を個別に評価することによって、それは、任意の所与の都市について輸入確率の推定を可能とし、時空の予測応用に非常に適している。非常に多くのシミュレーションを実行するとき、確率論的モデルで観測される“平均”値は、決定論的モデルから得られる“計算”値に近付く傾向がある。
Figure 2010524063

このプロセスは、以下の仮定を検証するマルコフプロセスとして定義される。すべてのj∈Iについて、次のように仮定をする。
1.長さhの時間間隔において、感受性は空港jで伝染する。すなわち、
Figure 2010524063

2.長さhの時間間隔において、空港jにおける伝染した個人の回復は、次のようになる。すなわち、
Figure 2010524063

3.長さhの時間間隔において、曝露した個人は空港jで疾病を発症する。すなわち、
Figure 2010524063

4.長さhの時間間隔において、空港j内にいる曝露した個人は空港k(k≠j)に移動する。すなわち、
Figure 2010524063

ここで、上記確率は、すべてのk∈Iについてのものである。

5.長さhの時間間隔において、空港j内にいる感染した個人は空港k(k≠j)に移動する。すなわち、
Figure 2010524063

ここで、上記確率は、すべてのk∈Iについてのものである。

6.長さhの時間間隔において、システム内に変化が無い。すなわち、
Figure 2010524063

モデルの下記期待値は決定論モデルを検証する。
Figure 2010524063
図21は、2003年2月21日に香港で発生し、22週間に亘って続いたSARSのシミュレーションした大流行の結果を示している(2003年の実際の大流行を取り巻く条件と並行するように設計される)。本発明の確率論的シミュレーションモデルから得られる結果(合計250回のシミュレーションを実行)は、輸入の最高リスクとして予測される(すなわち、90%を上回るシミュレーション確率を有する)都市を特定している。右端の列は、SARS大流行中に実際に観測されたことを示している。シミュレーションによる最高リスクを有する世界中の19の都市のうち、16がSARS輸入の可能性が高かったか、または確認された。
図22は、受信者動作特性(ROC)曲線を介して、SARSの世界的大流行に関する確率論的モデルの識別と較正仕様を要約したものである。250の実行されたシミュレーション結果と、実際に確認されたSARS輸入とを比較したところ、上記モデルは91.3%の感度と、90.9%の特異度を有していた。それらシミュレーションが確率論的(かつ、単一の事象の異なる可能性のある実現を示すもの)であるとすると、複数のシミュレーションに渡る結果はある程度変化する。それにも関わらず、SARSの多数の大規模空間的シミュレーションにおいて、本発明は、90%の感度と90%の特異度の閾値を均一に超えるとともに、曲線(AUC)の下方の面積は、常に0.90と0.95間の範囲にある。
図23は、本発明の時空シミュレーション能力の時間的部分を示している。具体的には、この図は、大流行中に観測されたSARS輸入の実際の週と、シミュレーションによるSARS輸入の中央値となる週との間の一致を明示している。大流行の間(すなわち、理想的には1日のような短い期間)のより正確な乗客のフローデータ(利用可能であれば)は、時間的正確さを更に促進することであろう。それにも関わらず、(上記シミュレーションの間の)SARS輸入シミュレーションの61%および83%は、SARS輸入の観測された週の2週間および4週間以内にそれぞれ入る。
図24および図25は、シミュレーションのSARS大流行が、2006年1月1日にインドネシアのジャカルタ、エジプトのカイロから発生するという仮説から得られた結果を、2006年1月31日までに観測される結果により示している。輸入の可能性は、都市を覆う円の大きさによって示されている。それらの図において、前述したSARSモデルからのシミュレーションパラメータは、大流行の発生地のみを変更した以外は、変わっていない。2つの図は、世界の異なる起点から、感染症大流行がどの程度相違しながら広まり得るのかを明示している。
DiaSPORAにおける数学的モデルは、基本的な増殖数、潜伏期間および伝染モードのような異なる病原菌特性を反映させるように変更することができる。また、局所的な人口因子およびダイナミクスも、実際の局所的な条件に合わせることができる。したがって、GCDの大量のデータにアクセスすることにより、DiaSPORAは、世界中の商用空港を有する任意の都市からの異なる感染性病原菌の拡散をすぐさまシミュレートすることができるとともに、数時間以内に結果を得ることができる。
<出力:潜在的シナリオ>
ほんの一例として、潜在的感染症脅威を含む幾つかのシナリオを以下に示して、現実の世界の状況下で如何に本発明が使用されるのかを実証する。
仮説シナリオ1:
2003年におけるSARSの局所的大流行から大規模で継続的な経済的損害を被った後に、トロントの都市は、包括的な防止戦略を開発して、世界的感染症脅威に対する脆弱性とリスクを軽減しようと試みている。戦略の一要素は、都市の国際社会内でトロントがどのように相互接続されているのかと、可能性のあるどの戦略が重要な健康および経済利益を保護すると考え得るかについての評価を伴う。
仮説対応1:
最初のステップとして、GCDから5年間枠(すなわち、過去4年間に加えて、将来1年間のフライト予定データ)にわたる乗客のマイクロデータが抽出される。以下に示すすべての分析は、時間的傾向を把握するために実行される。
直接的な接続性を評価するために、GCDマイクロデータが分析されて、世界中の商用空港を有するすべての都市から到着した到着フライトおよび乗客が調べられ、それらがトロントに到達するのに必要なストップ数および到着する国際線乗客量によってソートされる。
間接的な接続性を評価するために、主成分(因子)分析が使用されて、トロントが属する都市のネットワークが特定されるとともに、応用グラフ理論がネットワークの階層構造を定義するために使用される。それら分析は、地政学的な境界を考慮しないで行われる。
その後、トロントに直接的および間接的に多く接続されている世界的な都市のリストが、予期される感染症脅威、疑わしい感染症脅威または確認された感染症脅威について、評価される。例えば、家禽および/またはヒトに影響を与えるH5N1鳥インフルエンザの大流行領域内またはその近傍に位置する都市は、高いリスク(すなわち、インフルエンザの世界的大流行の発生の可能性)をもたらすと考えられるであろう。同様に、バイオセーフティレベル4の研究室が存在する都市も、高いリスクを有する場所と考えられるであろう。上述した枠組みを使用して、高いリスクを有する都市の一覧が作成されて、脅威が発生したときにそれを迅速に検出して感染症脅威を制御する能力についてランク付けされる。この能力は、世界銀行から得た同時期の健康、栄養および人口統計データを使用して、局所的に利用可能な健康および人材の範囲を定量化することにより評価されることとなる。そのため、高リスク都市の定義は、トロントとの相互関連性と、感染症脅威の発生の局所的リスクと、脅威が発生したときにその検出および対応を行う局所的能力との合成として導き出されることとなる。
その後、トロントの“最高リスク”都市の一覧表は、数学的シミュレーションを介して評価されることとなる。定義された世界的および局所的条件下における潜在的発生地としてそれら場所の各々を検討すると、大流行は、その多くの可能性のあるシミュレートされた実現について評価されることとなる。しかしながら、最大の注意が最高の可能性を有する輸入事象に払われることとなる。そして、予期される感染症脅威のリスクを防止、中断および/または遅延させる戦略的対策が、国際的レベル(すなわち、感染症に対する高い監視、検出および制御能力への国際的投資)、局地レベル(健康および人材配分、局所的サージ能力への投資)および/または旅行自体(すなわち、旅行規制の検討、高い境界スクリーニング)で提案されることとなる。
仮説対応2:
テロリスト組織が、未公表であるが高い伝染性を有し致死の感染性病原菌を、24時間前にロンドンのヒースロー空港で解放したことを発表した。ヒースロー空港で危険な感染性病原菌の存在を検出する調査の間、世界中の都市は、世界保健機関によって高い警戒態勢に入り、局所的な感染症大流行の兆候を注意深く観察するよう助言された。
仮説対応2:
この迅速な対応シナリオは、意図的な解放の言明された時点(およびその前後)において、GCDからのフライトスケジュールのマイクロデータの敏速な抽出を伴うこととなる。24時間前からの実際の乗客データは利用することができないので、予定の乗客席のカウント(あるいは、利用可能な場合には購入済みのチケットを有する予定乗客のカウント)にアクセスすることとなる。予定乗客席データは、荷重係数推定(すなわち、乗客によって占有される乗客席の比率)を適用することによって修正されることとなる。
シナリオ1と同様に、商用空港を有する世界中のすべての都市が、ロンドンのヒースロー空港からのストップ数(この分析は、複数の空港から都市レベルへのデータの集約が不要となるため、空港レベルで開始することができる)および乗客(席)量のカウントによってソートされる。
ヒースロー空港からの未証明および未確認の感染性病原菌の拡散を含むシミュレーションは、世界中の異なる都市への輸入の相対的確率によって実行および分析されることとなる。この種のシミュレーション分析については、テロリスト組織に関する情報(intelligence)とその他情報に基づいて考えられる最良と最悪のシナリオを用いて、感染性病原菌の特性が評価されるか、あるいは、感染性病原菌が別の都市に最初に“上陸する”ときに停止しているシミュレーションにより完全に無視されることとなる(すなわち、“受け入れ”人口内の局所的伝染は無視されることとなる)。さらに、すべての分析は、意図的な解放の言明された時刻とそれに続く解放の発表との間にヒースロー空港を出発した航空機の正確な予定乗客席数(および/またはそれら席を占有すると推定される乗客)に合わせられることとなる。実際のところ、この計算は、分単位の正確さまで行われる(フライトが予定通り出発したと仮定する)。その結果、ヒースローからのフライトを“受け入れる”都市は、その後、伴うリスクの推定(シミュレート)された度合いに比例して、局所的に対応するために適切な測定に着手することができる。さらに、本発明の使用は、感染性病原菌の意図的な解放が確認され、民間飛行機旅行を介した拡散をさらに中断または遅延させるために戦略的制御測定が要求された場合に生じると推定される。
シナリオ2として述べたのと幾分似たシナリオは、危険な感染性病原菌を保管するバイオセーフティレベル3または4の研究室における偶発的または意図的な流出を伴う可能性がある。
仮説対応3:
世界中の7都市において操業する大きな多国籍企業が、組織の保険契約を更新しようとしている。保険会社は、会社の組織構造における幾つかの重要な営業活動が、ヒトを含むH5N1の大流行が継続中でインフルエンザの世界的流行が出現するかもしれない地域である、インドネシアおよびベトナムに位置するという懸念を提示している。保険会社は、企業の保険適格性を直接問い合わせ、それらリスクが緩和されない限り保険コストのかなりの上昇が見込まれる可能性があることを示唆している。これに対して、企業は、戦略的な営業活動の冗長性を作り出すとともに、重要な営業活動をもっと“辺鄙”で低い予測リスクを有する世界の地域に多様化するという意図を持って、局所的および世界的感染症脅威に対する脆弱性の厳密な解析を追求している。世界レベルでビジネス継続性を維持するための戦略を作成することによって、企業は、その経済的利益を保護するための手段を特定しようとしている。
仮説対応3:
このシナリオは、利益の“エンティティ”を定義する方法を除いて、シナリオ1と同様のやり方で実行されることとなる。この分析のため、エンティティは、企業がその本社と重要な営業活動(すなわち、異なる国における異なる7都市)を維持する場所からなる。単一の場所よりも複雑となるが、企業の直接的および間接的な接続性は、シナリオ1と同様の方法で判定することができる。さらに、重要な場所および営業活動の殆どを含むサブグループ分析を考慮することができ、シミュレーションは“最も起こり得る”幾つかのシナリオに合わせることができる。分析は、1年の特定の季節または時期の間のピークとなるビジネス活動に合わせて実行することもできる。それ続いて、分析は、企業の拡張またはリストラおよび/または世界の航空路線輸送ネットワークの経時的な発展を説明するための予定された(または必要とされる)根拠に基づいて実行されることとなる。
これで、本発明の現在望ましい実施形態の説明を終了する。上述した説明は、説明の目的のために提示したものであって、網羅的なもの、あるいは開示したそのままに本発明が限定されることを意図していない。本発明の範囲は、上記説明によってではなく、以下の特許請求の範囲によって限定されることを意図している。
図1は、感染症の出現と拡散に寄与する世界的因子の発展を説明している。前世紀に、世界人口の成長は急進し、2008年において全世界で推定67億人に達している。20世紀半ばの大陸間の商用航空の出現以来、個人が地球を周回するのに必要な時間は、急激に減少し、殆どのヒト感染症の最小潜伏期間よりも短い、24時間未満に達している。また、地球温暖化現象は、ダニや蚊のような重大な感染症媒介生物の生態的地位の拡大に貢献しており、同時にそれは、ヒト個体群における感染症の出現および再出現につながるものとなっている。この“最悪の事態”の認識は、21世紀における国際的な公衆衛生保障についての2007年度版世界保健報告(the 2007 World Health Report on Global Public Health Security in the 21st century):ISBN(国際標準図書番号)9789241563444内で報告されているように、大きくなってきている。この報告は、1970年台以来、新しい感染症の脅威が、年間1またはそれ以上の、前例のないスピードで生じていること、並びに、“現在、感染症が人類の歴史の如何なるときよりも遙かに速く地理学的に広まっている”(世界保健機関の事務局長のマーガレット・チャン博士から引用する)ことを示している。
それらマイクロデータは、オフィシャルエアラインガイド(www.oag.com)から得られ、2003年における世界中の実質的にすべての商用空港間の予定された乗客席の動きおよび世界の航空路線輸送ネットワーク全体のアーキテクチャの分析に役立てられた。国境線を越える圧倒的多数のSARS症例は、香港国際空港から出発する商用航空機を介してそれがなされたため、香港と残りの世界との繋がりに分析が集中した。

Claims (117)

  1. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測するためのシステムであって、
    a)データベースであって、起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データを含み、この航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての前記航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むデータベースと、
    b)飛行機旅行を介した個々の起点都市からの個々の目的都市の伝染の確率を判定するために、前記感染性病原菌と対応付けて前記航空機乗客旅行データを地図に表すように機能するモデリングエンジンと、
    c)前記地図に基づいて、所定時点で、前記個々の起点都市からの前記個々の目的都市の伝染の確率を生成するように機能する報告エンジンとを備えることを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが3ヶ月毎に更新されることを特徴とするシステム。
  3. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記データベースがリアルタイムに更新されることを特徴とするシステム。
  4. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが決定論的モデリング手法を用いることを特徴とするシステム。
  5. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが確率論的モデリング手法を用いることを特徴とするシステム。
  6. 請求項3に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、更新されたデータに併せて、更新された地図を生成するために反復的に機能することを特徴とするシステム。
  7. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、さらに都市データを含み、この都市データが、経済データ、環境データおよび健康医療データの中の1またはそれ以上を含み、
    前記モデリングエンジンが、前記都市データに基づいて前記地図を変更するようにさらに機能することを特徴とするシステム。
  8. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記起点都市を前記目的都市に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市の全乗客交通量とについてのデータに基づいて作動することを特徴とするシステム。
  9. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記報告エンジンが、ある期間に亘って前記目的都市に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートをさらに作成することを特徴とするシステム。
  10. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記感染性病原菌の理論上の大流行を予測するために機能することを特徴とするシステム。
  11. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記感染性病原菌の進行中の大流行を予測するために機能することを特徴とするシステム。
  12. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、さらに、各起点都市および各目的都市と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該システムにおいて使用されるようになっていることを特徴とするシステム。
  13. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、空港についてのネットワーク情報をさらに含み、前記空港の各々が、1またはそれ以上の空港ネットワークに配置されるとともに、各空港ネットワーク内に、ある場所が割り当てられることを特徴とするシステム。
  14. 請求項13に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、さらに、前記空港ネットワーク内の前記空港の前記場所を使用して、伝染の確率を判定することを特徴とするシステム。
  15. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記所定時点が、前記感染症病原菌が検知されてから1ヶ月であることを特徴とするシステム。
  16. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記所定時点が、前記感染症病原菌が検知されてから2週間であることを特徴とするシステム。
  17. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    過去の感染性病原菌事象のメディアレポートを含むメディアデータベースをさらに有し、
    前記モデリングエンジンが、さらに、前記メディアレポートから生成された予測(projections)に従って前記航空機乗客データのモデルを作成することを特徴とするシステム。
  18. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記確率のレポートおよび選択された対応レベルに基づいて対応プランを作成するために機能する計画エンジンをさらに含むことを特徴とするシステム。
  19. 請求項18に記載のシステムにおいて、
    前記選択された対応レベルが局地的であり、前記対応プランが、対応チームのための最適配置と、医薬品の備蓄量と、前記伝染性病原菌に対処するためのその他の局地的対応要素とを含むことを特徴とするシステム。
  20. 請求項18に記載のシステムにおいて、
    前記選択された対応レベルが全国的であり、前記対応プランが、飛行機旅行乗客の出入スキャニングのための場所の特定が含まれることを特徴とするシステム。
  21. 請求項18に記載のシステムにおいて、
    前記選択された対応レベルが国際的であり、前記対応プランが、旅行助言を発令するための場所およびフライト規制のための場所を含むことを特徴とするシステム。
  22. 請求項18に記載のシステムにおいて、
    前記選択された対応レベルが国際的であり、前記対応プランが、国際投資の対象場所の特定を含んで、前記対象場所における条件を改善し、それにより、感染性病原菌の大流行のリスクを最小化し、感染性病原菌の大流行を検知し、感染性病原菌の大流行を制御する前記対象場所の能力を増加させることを特徴とするシステム。
  23. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測するためのシステムであって、
    a)データベースであって、起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データを含み、この航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての前記航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むデータベースと、
    b)飛行機旅行を介した個々の起点都市からの前記目的都市の伝染の確率を判定するために、前記感染性病原菌と対応付けて前記航空機乗客旅行データを地図に表すように機能するモデリングエンジンと、
    c)前記地図に基づいて、所定時点で、前記個々の起点都市からの前記目的都市の伝染の確率を生成するように機能する報告エンジンとを備えることを特徴とするシステム。
  24. 請求項23に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが3ヶ月毎に更新されることを特徴とするシステム。
  25. 請求項23に記載のシステムにおいて、
    前記データベースがリアルタイムに更新されることを特徴とするシステム。
  26. 請求項23に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが決定論的モデリング手法を用いることを特徴とするシステム。
  27. 請求項23に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが確率論的モデリング手法を用いることを特徴とするシステム。
  28. 請求項25に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、更新されたデータに併せて、更新された地図を生成するために反復的に機能することを特徴とするシステム。
  29. 請求項25に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、さらに都市データを含み、この都市データが、経済データ、環境データおよび健康医療データの中の1またはそれ以上を含み、
    前記モデリングエンジンが、前記都市データに基づいて前記地図を変更するようにさらに機能することを特徴とするシステム。
  30. 請求項25に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記起点都市を前記目的都市の各々に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市の各々の全乗客交通量とについてのデータに基づいて作動することを特徴とするシステム。
  31. 請求項25に記載のシステムにおいて、
    前記報告エンジンが、ある期間に亘って前記目的都市の各々に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートをさらに作成することを特徴とするシステム。
  32. 請求項25に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記感染性病原菌の理論上の大流行を予測するために機能することを特徴とするシステム。
  33. 請求項25に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記感染性病原菌の進行中の大流行を予測するために機能することを特徴とするシステム。
  34. 請求項25に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、さらに、前記起点都市および各目的都市と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該システムにおいて使用されるようになっていることを特徴とするシステム。
  35. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測するためのシステムであって、
    a)データベースであって、起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データを含み、この航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての前記航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むデータベースと、
    b)飛行機旅行を介した前記起点都市からの個々の目的都市の伝染の確率を判定するために、前記感染性病原菌と対応付けて前記航空機乗客旅行データを地図に表すように機能するモデリングエンジンと、
    c)前記地図に基づいて、所定時点で、前記起点都市からの前記個々の目的都市の伝染の確率を生成するように機能する報告エンジンとを備えることを特徴とするシステム。
  36. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが3ヶ月毎に更新されることを特徴とするシステム。
  37. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記データベースがリアルタイムに更新されることを特徴とするシステム。
  38. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが決定論的モデリング手法を用いることを特徴とするシステム。
  39. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが確率論的モデリング手法を用いることを特徴とするシステム。
  40. 請求項37に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、更新されたデータに併せて、更新された地図を生成するために反復的に機能することを特徴とするシステム。
  41. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、さらに都市データを含み、この都市データが、経済データ、環境データおよび健康医療データの中の1またはそれ以上を含み、
    前記モデリングエンジンが、前記都市データに基づいて前記地図を変更するようにさらに機能することを特徴とするシステム。
  42. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記起点都市の各々を前記目的都市に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市の全乗客交通量とについてのデータに基づいて作動することを特徴とするシステム。
  43. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記報告エンジンが、ある期間に亘って前記目的都市に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートをさらに作成することを特徴とするシステム。
  44. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記感染性病原菌の理論上の大流行を予測するために機能することを特徴とするシステム。
  45. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記感染性病原菌の進行中の大流行を予測するために機能することを特徴とするシステム。
  46. 請求項35に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、さらに、各起点都市および前記目的都市と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該システムにおいて使用されるようになっていることを特徴とするシステム。
  47. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測するためのシステムであって、
    a)データベースであって、起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データを含み、この航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての前記航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含み、当該データベース内の情報がリアルタイムで更新されるデータベースと、
    b)飛行機旅行を介した個々の起点都市からの個々の目的都市の伝染の確率を判定するために、前記感染性病原菌と対応付けて前記航空機乗客旅行データを反復的に地図に表すように機能するモデリングエンジンと、
    c)前記地図に基づいて、現時点において、前記個々の起点都市からの前記個々の目的都市の伝染の確率を生成するように機能する報告エンジンとを備えることを特徴とするシステム。
  48. 請求項47に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが決定論的モデリング手法を用いることを特徴とするシステム。
  49. 請求項47に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが確率論的モデリング手法を用いることを特徴とするシステム。
  50. 請求項47に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、さらに都市データを含み、この都市データが、経済データ、環境データおよび健康医療データの中の1またはそれ以上を含み、
    前記モデリングエンジンが、前記都市データに基づいて前記地図を変更するようにさらに機能することを特徴とするシステム。
  51. 請求項47に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記起点都市を前記目的都市に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市の全乗客交通量とについてのデータに基づいて作動することを特徴とするシステム。
  52. 請求項47に記載のシステムにおいて、
    前記報告エンジンが、ある期間に亘って前記目的都市に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートをさらに作成することを特徴とするシステム。
  53. 請求項47に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記感染性病原菌の理論上の大流行を予測するために機能することを特徴とするシステム。
  54. 請求項47に記載のシステムにおいて、
    前記モデリングエンジンが、前記感染性病原菌の進行中の大流行を予測するために機能することを特徴とするシステム。
  55. 請求項47に記載のシステムにおいて、
    前記データベースが、さらに、各起点都市および各目的都市と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該システムにおいて使用されるようになっていることを特徴とするシステム。
  56. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測する方法であって、
    a)起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データをデータベースから読み出すステップであって、前記航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むステップと、
    b)前記航空機乗客旅行データに基づいて、特定の期間に亘って、個々の起点都市から個々の目的都市への前記伝染性病原菌の伝染の確率をモデル化するステップと、
    c)前記個々の起点都市からの前記個々の目的都市の前記期間中の伝染の確率のレポートを作成するステップとを備えることを特徴とする方法。
  57. 請求項56に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、決定論的であることを特徴とする方法。
  58. 請求項56に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、確率論的であることを特徴とする方法。
  59. 請求項56に記載の方法において、
    前記航空機乗客旅行データが3ヶ月毎に更新されることを特徴とする方法。
  60. 請求項56に記載の方法において、
    前記航空機乗客旅行データがリアルタイムに更新されることを特徴とする方法。
  61. 請求項60に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、反復的なものであることを特徴とする方法。
  62. 請求項56に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、前記起点都市を前記目的都市に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市へのフライトの全乗客量とについてのデータに基づいて行われることを特徴とする方法。
  63. 請求項56に記載の方法において、
    前記作成するステップでは、ある期間に亘って前記目的都市に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートが作成されることを特徴とする方法。
  64. 請求項56に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の理論上の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  65. 請求項56に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の進行中の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  66. 請求項56に記載の方法において、
    前記データベースが、さらに、各起点都市および各目的都市と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該方法において使用されるようになっていることを特徴とする方法。
  67. 請求項56に記載の方法において、
    前記データベースが、空港についてのネットワーク情報をさらに含み、前記空港の各々が、1またはそれ以上の空港ネットワークに配置されるとともに、各空港ネットワーク内に、ある場所が割り当てられることを特徴とする方法。
  68. 請求項67に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、さらに、前記空港ネットワーク内の前記空港の前記場所を使用して、伝染の確率を判定することを特徴とする方法。
  69. 請求項56に記載の方法において、
    前記所定時点が、前記感染症病原菌が検知されてから1ヶ月であることを特徴とする方法。
  70. 請求項56に記載の方法において、
    前記所定時点が、前記感染症病原菌が検知されてから2週間であることを特徴とする方法。
  71. 請求項56に記載の方法において、
    過去の感染性病原菌事象のメディアレポートを含むメディアデータベースからメディアデータを読み出すステップをさらに有し、前記モデル化するステップの一部として前記メディアデータを含むことを特徴とする方法。
  72. 請求項56に記載の方法において、
    前記感染性病原菌に対する対応レベルを選択するステップと、前記確率レポートおよび前記選択された対応レベルに基づいて対応プランを作成するステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
  73. 請求項72に記載の方法において、
    前記選択された対応レベルが局地的であり、前記対応プランが、対応チームのための最適配置と、医薬品の備蓄量と、前記伝染性病原菌に対処するためのその他の局地的対応要素とを含むことを特徴とする方法。
  74. 請求項72に記載の方法において、
    前記選択された対応レベルが全国的であり、前記対応プランが、飛行機旅行乗客の出入スキャニングのための場所の特定が含まれることを特徴とする方法。
  75. 請求項72に記載の方法において、
    前記選択された対応レベルが国際的であり、前記対応プランが、旅行助言を発令するための場所および操業を停止するフライト経路のための場所を含むことを特徴とする方法。
  76. 請求項72に記載の方法において、
    前記選択された対応レベルが国際的であり、前記対応プランが、国際投資の対象場所の特定を含んで、前記対象場所における条件を改善し、それにより、感染性病原菌の大流行のリスクを最小化し、感染性病原菌の大流行を検知し、感染性病原菌の大流行を制御する前記対象場所の能力を増加させることを特徴とする方法。
  77. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測する方法であって、
    a)起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データをデータベースから読み出すステップであって、前記航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むステップと、
    b)起点都市を選択するステップと、
    c)目的都市を選択するステップと、
    d)前記航空機乗客旅行データに基づいて、特定の期間に亘って、前記選択した起点都市から前記選択した目的都市への前記伝染性病原菌の伝染の確率をモデル化するステップと、
    e)前記選択した起点都市からの前記選択した目的都市の前記期間中の伝染の確率のレポートを作成するステップとを備えることを特徴とする方法。
  78. 請求項77に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、決定論的であることを特徴とする方法。
  79. 請求項77に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、確率論的であることを特徴とする方法。
  80. 請求項77に記載の方法において、
    前記航空機乗客旅行データが3ヶ月毎に更新されることを特徴とする方法。
  81. 請求項77に記載の方法において、
    前記航空機乗客旅行データがリアルタイムに更新されることを特徴とする方法。
  82. 請求項81に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、反復的なものであることを特徴とする方法。
  83. 請求項77に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、前記起点都市を前記目的都市に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市へのフライトの全乗客量とについてのデータに基づいて行われることを特徴とする方法。
  84. 請求項77に記載の方法において、
    前記作成するステップでは、ある期間に亘って前記目的都市に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートが作成されることを特徴とする方法。
  85. 請求項77に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の理論上の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  86. 請求項77に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の進行中の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  87. 請求項77に記載の方法において、
    前記データベースが、さらに、各起点都市および各目的都市と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該方法において使用されるようになっていることを特徴とする方法。
  88. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測する方法であって、
    a)起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データをデータベースから読み出すステップであって、前記航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むステップと、
    b)起点都市を選択するステップと、
    c)1またはそれ以上の目的都市を選択するステップと、
    d)前記航空機乗客旅行データに基づいて、特定の期間に亘って、前記選択した起点都市から前記選択した目的都市への前記伝染性病原菌の伝染の確率をモデル化するステップと、
    e)前記選択した起点都市からの前記選択した目的都市の前記期間中の伝染の確率のレポートを作成するステップとを備えることを特徴とする方法。
  89. 請求項88に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、決定論的であることを特徴とする方法。
  90. 請求項88に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、確率論的であることを特徴とする方法。
  91. 請求項88に記載の方法において、
    前記航空機乗客旅行データが3ヶ月毎に更新されることを特徴とする方法。
  92. 請求項88に記載の方法において、
    前記航空機乗客旅行データがリアルタイムに更新されることを特徴とする方法。
  93. 請求項92に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、反復的なものであることを特徴とする方法。
  94. 請求項88に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、前記起点都市を前記目的都市の各々に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市の各々へのフライトの全乗客量とについてのデータに基づいて行われることを特徴とする方法。
  95. 請求項88に記載の方法において、
    前記作成するステップでは、ある期間に亘って前記目的都市の各々に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートが作成されることを特徴とする方法。
  96. 請求項88に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の理論上の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  97. 請求項88に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の進行中の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  98. 請求項88に記載の方法において、
    前記データベースが、さらに、前記起点都市および前記目的都市の各々と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該方法において使用されるようになっていることを特徴とする方法。
  99. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測する方法であって、
    a)起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データをデータベースから読み出すステップであって、前記航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むステップと、
    b)1またはそれ以上の起点都市を選択するステップと、
    c)目的都市を選択するステップと、
    d)前記航空機乗客旅行データに基づいて、特定の期間に亘って、前記選択した起点都市から前記選択した目的都市への前記伝染性病原菌の伝染の確率をモデル化するステップと、
    e)前記選択した起点都市からの前記選択した目的都市の前記期間中の伝染の確率のレポートを作成するステップとを備えることを特徴とする方法。
  100. 請求項99に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、決定論的であることを特徴とする方法。
  101. 請求項99に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、確率論的であることを特徴とする方法。
  102. 請求項99に記載の方法において、
    前記航空機乗客旅行データが3ヶ月毎に更新されることを特徴とする方法。
  103. 請求項99に記載の方法において、
    前記航空機乗客旅行データがリアルタイムに更新されることを特徴とする方法。
  104. 請求項103に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、反復的なものであることを特徴とする方法。
  105. 請求項99に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、前記起点都市の各々を前記目的都市に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市の各々へのフライトの全乗客量とについてのデータに基づいて行われることを特徴とする方法。
  106. 請求項99に記載の方法において、
    前記作成するステップでは、ある期間に亘って前記目的都市の各々に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートが作成されることを特徴とする方法。
  107. 請求項99に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の理論上の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  108. 請求項99に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の進行中の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  109. 請求項99に記載の方法において、
    前記データベースが、さらに、各起点都市および前記目的都市と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該方法において使用されるようになっていることを特徴とする方法。
  110. 飛行機旅行を介した感染性病原菌の伝染を予測する方法であって、
    a)起点都市と目的都市との間の飛行機旅行についての航空機乗客旅行データをデータベースから読み出すステップであって、前記航空機乗客旅行データが、前記起点都市から前記目的都市へのフライトの頻度と、前記起点都市から前記目的都市に旅行する乗客の人数と、前記起点都市から前記目的都市への無着陸直行便の数と、前記起点および前記目的都市についての全乗客交通量と、すべての航空機乗客旅行データについての対応する日付スタンプとを含むステップと、
    b)前記航空機乗客旅行データに基づいて、個々の起点都市から個々の目的都市への前記伝染性病原菌の伝染についての現在の確率をモデル化するステップと、
    c)前記モデル化するステップの反復的実行により、前記個々の起点都市からの前記個々の目的都市の伝染の前記現在の確率のレポートを作成するステップとを備えることを特徴とする方法。
  111. 請求項110に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、決定論的であることを特徴とする方法。
  112. 請求項110に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、確率論的であることを特徴とする方法。
  113. 請求項110に記載の方法において、
    前記モデル化するステップが、前記起点都市を前記目的都市に接続するのに必要なフライトのストップ数と、起点都市とは無関係の前記目的都市へのフライトの全乗客量とについてのデータに基づいて行われることを特徴とする方法。
  114. 請求項110に記載の方法において、
    前記作成するステップでは、ある期間に亘って前記目的都市に入る前記感染性病原菌の可能性のレポートが作成されることを特徴とする方法。
  115. 請求項110に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の理論上の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  116. 請求項110に記載の方法において、
    前記モデル化するステップでは、前記感染性病原菌の進行中の大流行の確率が生成されることを特徴とする方法。
  117. 請求項110に記載の方法において、
    前記データベースが、さらに、各起点都市および各目的都市と、1またはそれ以上の空港とを関連付け、それにより、関連する空港が前記都市を表すために当該方法において使用されるようになっていることを特徴とする方法。
JP2010501339A 2007-04-02 2008-04-02 民間飛行機旅行を介した感染性病原菌の世界的拡散を予測するためのシステムおよび方法 Active JP5265661B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US90963307P 2007-04-02 2007-04-02
US60/909,633 2007-04-02
PCT/CA2008/000617 WO2008119182A1 (en) 2007-04-02 2008-04-02 System and method to predict the global spread of infectious agents via commercial air travel

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010524063A true JP2010524063A (ja) 2010-07-15
JP5265661B2 JP5265661B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=39807764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010501339A Active JP5265661B2 (ja) 2007-04-02 2008-04-02 民間飛行機旅行を介した感染性病原菌の世界的拡散を予測するためのシステムおよび方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8560339B2 (ja)
EP (1) EP2143064A4 (ja)
JP (1) JP5265661B2 (ja)
CN (1) CN101681490A (ja)
BR (1) BRPI0809174A2 (ja)
CA (1) CA2682517C (ja)
WO (1) WO2008119182A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012043231A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Fuji Xerox Co Ltd 情報処理装置及び情報処理プログラム
KR101733652B1 (ko) 2016-11-25 2017-05-11 에쓰오씨소프트(주) 빅데이터를 활용한 감염병의 지역별 위험도 예측 기반의 예방활동 지원을 위한 방법, 전자 장치 및 시스템

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8635183B1 (en) * 2010-04-19 2014-01-21 Bridgehealth Medical, Inc. Method and apparatus to computer-process data to produce, store, and disseminate output related to medical or health information
CN105740641A (zh) 2009-10-19 2016-07-06 提拉诺斯公司 集成的健康数据采集和分析系统
CN101777092B (zh) * 2009-12-18 2014-11-05 中国人民解放军防化指挥工程学院 基于考虑空间非均匀性的传染病传播模型疫情预测方法
US20110161121A1 (en) * 2009-12-25 2011-06-30 International Business Machines Corporation Method, System, and Article for Management of Travel
US20110202326A1 (en) * 2010-02-17 2011-08-18 Lockheed Martin Corporation Modeling social and cultural conditions in a voxel database
CN102682188A (zh) * 2011-03-15 2012-09-19 中国科学院遥感应用研究所 一种城市级传染病模拟的方法及装置
US9129039B2 (en) * 2011-10-18 2015-09-08 Ut-Battelle, Llc Scenario driven data modelling: a method for integrating diverse sources of data and data streams
WO2016089477A1 (en) * 2014-10-16 2016-06-09 Cepheid Biosecurity screening system and method
US11243976B2 (en) 2015-05-01 2022-02-08 The Government of the United States of America, as represented by the Secretary of Homeland Security System and method for monitoring and analyzing animal related data
CN108475297B (zh) * 2015-10-30 2022-04-29 皇家飞利浦有限公司 确定传染原的传播途径的方法、系统和过程
CN105893491A (zh) * 2016-03-29 2016-08-24 东南大学 一种基于区域城际流强度测算模型的划定大都市圈的方法
US20170351832A1 (en) * 2016-06-01 2017-12-07 International Business Machines Corporation Personal travel health vulnerability navigator
US20170351831A1 (en) * 2016-06-01 2017-12-07 International Business Machines Corporation Personal travel health vulnerability navigator
CN110147419B (zh) * 2019-04-25 2022-07-19 中国科学院深圳先进技术研究院 基于地铁空间的传染病扩散分析方法及系统
US11830055B2 (en) * 2019-10-31 2023-11-28 Ford Global Technologies, Llc Dynamic delivery of crowdsourced travel planning information
US11615473B2 (en) 2020-03-05 2023-03-28 Noor SHAKFEH Resilience measurement system
WO2021183600A1 (en) * 2020-03-11 2021-09-16 Uv Partners, Inc. Disinfection tracking network
US11536476B2 (en) 2020-05-12 2022-12-27 Johnson Controls Tyco IP Holdings LLP Building system with flexible facility operation
CN111627563B (zh) * 2020-05-22 2023-04-11 种鹏云 一种交通运输对covid-19传播影响的评估方法
US11164269B1 (en) * 2020-06-25 2021-11-02 Johnson Controls Tyco IP Holdings LLP Systems and methods for dynamic travel planning
US10991190B1 (en) 2020-07-20 2021-04-27 Abbott Laboratories Digital pass verification systems and methods
US11664130B2 (en) 2020-09-01 2023-05-30 International Business Machines Corporation Predicting infection risk using heterogeneous temporal graphs
CN112509382B (zh) * 2020-11-13 2021-10-22 南京航空航天大学 一种分析航班延误传播规律的方法
US11705247B2 (en) * 2020-11-19 2023-07-18 International Business Machines Corporation Predictive contact tracing
KR102349270B1 (ko) * 2021-03-05 2022-01-10 한국과학기술원 딥뉴럴 네트워크 기반의 전염병 확진자 예측 방법 및 장치
US20220406471A1 (en) * 2021-06-21 2022-12-22 International Business Machines Corporation Pathogenic vector dynamics based on digital twin
CN113611407B (zh) * 2021-08-16 2023-03-21 西南交通大学 一种针对公交车辆内部的新型冠状病毒感染情况评估方法
US20230070616A1 (en) * 2021-09-08 2023-03-09 George R. Oliver System and Method for More Accurate Estimation of Vaccine Efficacy by Taking Into Account the Rate of Herd Immunity

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002061647A1 (fr) * 2001-01-31 2002-08-08 Hitachi, Ltd. Procede et systeme permettant d'afficher des informations relatives a une maladie infectieuse, et procede permettant d'accepter la demande d'analyse d'une maladie infectieuse
JP2002279076A (ja) * 2001-03-16 2002-09-27 Pasuko:Kk 感染症伝播解析システム及びその伝播シミュレーションシステム
JP2004355616A (ja) * 2003-05-06 2004-12-16 Hiroshi Sato 情報提供システム並びに情報処理システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU599208B2 (en) 1986-12-31 1990-07-12 United States of America, as represented by the Secretary, U.S. Department of Commerce, The Method to predict antigenic sites recognized by t lymphocytes such as for design of vaccines
CA2480951A1 (en) * 2002-04-19 2003-10-30 Ronald Cass Using neural networks for data mining
US20080243584A1 (en) * 2007-01-31 2008-10-02 Quintiles Transnational Corp. Methods and systems for allocating representatives to sites in clinical trials

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002061647A1 (fr) * 2001-01-31 2002-08-08 Hitachi, Ltd. Procede et systeme permettant d'afficher des informations relatives a une maladie infectieuse, et procede permettant d'accepter la demande d'analyse d'une maladie infectieuse
JP2002279076A (ja) * 2001-03-16 2002-09-27 Pasuko:Kk 感染症伝播解析システム及びその伝播シミュレーションシステム
JP2004355616A (ja) * 2003-05-06 2004-12-16 Hiroshi Sato 情報提供システム並びに情報処理システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012043231A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Fuji Xerox Co Ltd 情報処理装置及び情報処理プログラム
KR101733652B1 (ko) 2016-11-25 2017-05-11 에쓰오씨소프트(주) 빅데이터를 활용한 감염병의 지역별 위험도 예측 기반의 예방활동 지원을 위한 방법, 전자 장치 및 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
US8560339B2 (en) 2013-10-15
CN101681490A (zh) 2010-03-24
EP2143064A4 (en) 2013-01-23
EP2143064A1 (en) 2010-01-13
US20100042394A1 (en) 2010-02-18
WO2008119182A1 (en) 2008-10-09
CA2682517C (en) 2016-08-02
BRPI0809174A2 (pt) 2014-09-16
JP5265661B2 (ja) 2013-08-14
CA2682517A1 (en) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5265661B2 (ja) 民間飛行機旅行を介した感染性病原菌の世界的拡散を予測するためのシステムおよび方法
Kamel Boulos et al. Geographical tracking and mapping of coronavirus disease COVID-19/severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) epidemic and associated events around the world: how 21st century GIS technologies are supporting the global fight against outbreaks and epidemics
Toanoglou et al. The organizational impact of COVID-19 crisis on travel perceived risk across four continents
Perra Non-pharmaceutical interventions during the COVID-19 pandemic: A review
Nicolelis et al. The impact of super-spreader cities, highways, and intensive care availability in the early stages of the COVID-19 epidemic in Brazil
Abdullah et al. Exploring the impacts of COVID-19 on travel behavior and mode preferences
Zhang et al. Measuring imported case risk of COVID-19 from inbound international flights---A case study on China
Islam et al. Geospatial dynamics of COVID‐19 clusters and hotspots in Bangladesh
Semenza et al. International dispersal of dengue through air travel: importation risk for Europe
Chung Impact of pandemic control over airport economics: Reconciling public health with airport business through a streamlined approach in pandemic control
Araz et al. The importance of widespread testing for COVID-19 pandemic: systems thinking for drive-through testing sites
Amirian et al. Using big data analytics to extract disease surveillance information from point of care diagnostic machines
Alamo et al. Open data resources for fighting covid-19
Gonçalves et al. Human mobility and the worldwide impact of intentional localized highly pathogenic virus release
Stoto Measuring and assessing public health emergency preparedness
Wang et al. Simulation and forecasting models of COVID-19 taking into account spatio-temporal dynamic characteristics: A review
Huff et al. FLIRT-ing with Zika: a web application to predict the movement of infected travelers validated against the current Zika virus epidemic
Yang et al. Computational decision-support tools for urban design to improve resilience against COVID-19 and other infectious diseases: A systematic review
Huber et al. Modelling airport catchment areas to anticipate the spread of infectious diseases across land and air travel
Chagas et al. Effects of population mobility on the COVID-19 spread in Brazil
te Vrugt et al. Containing a pandemic: nonpharmaceutical interventions and the ‘second wave’
Rocha et al. Information system for epidemic control: a computational solution addressing successful experiences and main challenges
Haider et al. Spatial distribution and mapping of COVID-19 pandemic in Afghanistan using GIS technique
Tabarej et al. Spatio-temporal changes pattern in the hotspot's footprint: a case study of confirmed, recovered and deceased cases of Covid-19 in India
Zhu et al. Using a hybrid simulation model to assess the impacts of combined COVID-19 containment measures in a high-speed train station

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120904

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121120

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5265661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250