JP2010523711A5 - - Google Patents

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結核のワクチンおよびその使用方法
(発明の分野)
本発明は、結核のワクチンおよびより具体的には不活化Mycobacterium属菌を使用して、肺内または粘膜送達用に製剤されるワクチンに関する。
(発明の背景)
結核菌(Mycobacterium tuberculosis、M.tb)は、世界のヒト集団の3分の1に感染している。BCGワクチンとして知られている一般的な結核(TB)ワクチンは、発展途上国において、新生児に投与されている。このワクチンは、小児を髄膜TBおよび播種性TBから防御するが、成体における潜伏TBの定着または肺疾患の再活性化を適切に防御することができない。その上、BCGの有効性は、10〜15年間にわたって低下していることが報告されている。結核疾患の最も一般的な種類は肺であり、伝染は、咳をしている間に出たエアロゾル飛沫を介して起こる。したがって、BCGワクチン接種の高普及率にもかかわらず、この疾患の苦しみは軽減されていない。さて、結核菌微生物系が、結核菌およびBCGの両方に共通する抗原の突然変異に適合していることを裏付ける証拠が存在する4、5(非特許文献1,2)。その上、最近の研究では、非経口送達されるBCGが、肺粘膜におけるT細胞免疫応答を誘導することができないことがあり、肺疾患の防御には批判的でありうることが示唆されている6、7(非特許文献3,4)。
Behr MA,Wilson MA,Gill WP, Salamon H,Schoolnik GK, Rane S,et al.Comparative genomics of BCG vaccines by whole−genome DNA microarray.Science 1999;284(5419):1328−1334 Gagneux S,DeRiemer K,Van T, Kato−Maeda M, de Jong BC, Narayanan S,et al. Variable host −pathogen compatibility in Mycobacterium tuberculosis. Proc Natl Acad Sci USA.2006;103(8):2869−2873 Gallichan W S and Rosentahl KL. Long−lived cytotoxic T lymphocyte memory in mucosal tissues after mucosal but not systemic immunization. Journal of Experimental Medicine 1996.;184:1879 Belyakov IM Moss B,Strober W,Berzofsky JA.Mucosal vaccination overcomes the barrier to recombinant vaccinia immunization caused by preexisting poxvirus immunity. Processions for the National Academy of Science 1999;96:4512 8.Zammit DJ,Turner DL,Klonowski KD,Lefrancois L,Cauley LS.Residual Antigen
これらの理由を考慮すると、世界中へのTBの流行を減少させるためには、新規なワクチンが是非とも必要である。
(発明の要旨)
本発明は、結核を予防および/または治療するためのワクチンを提供する。本発明は、多くのワクチン接種戦略とともに利用することができる。すなわち、感染前に結核菌感染を予防するために、曝露後に潜伏TBを除去または封じ込めるためにおよび再活性化を予防するために、予防的に投与される。本発明は、BCGまたは別のサブユニットTB免疫賦活剤を既に受けている患者に、BCGに代わるものとして、および/またはBCGへの追加免疫として使用することができる。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
不活化Mycobacterium属菌を含む医薬組成物であって、該組成物は、哺乳動物宿主への鼻腔内、粘膜または肺内送達用に製剤されており、そして該宿主への送達時に免疫防御量を含む医薬組成物。
(項目2)
前記不活化Mycobacterium属菌細胞が、死滅した細胞または細胞溶解物である、項目1に記載の医薬組成物。
(項目3)
前記マイコバクテリアの90%が不活化されている、項目2に記載の医薬組成物。
(項目4)
前記Mycobacterium属菌の100%が不活化されている、項目2に記載の医薬組成物。
(項目5)
前記Mycobacterium属菌が、照射を用いて不活化されている、項目1に記載の医薬組成物。
(項目6)
前記照射がγ線照射である、項目5に記載の医薬組成物。
(項目7)
前記Mycobacterium属菌が、ホルマリンを用いて不活化されている、項目1に記載の医薬組成物。
(項目8)
前記Mycobacterium属菌が、熱または浸透圧を用いて不活化されている、項目1に記載の医薬組成物。
(項目9)
不活化Mycobacterium属菌が、マイコバクテリア細胞を含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目10)
不活化Mycobacterium属菌が、マイコバクテリア細胞溶解物を含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目11)
前記Mycobacterium属菌が、結核菌、M.marinum、M bovis、M.africanumまたはM.microttiである、項目1に記載の医薬組成物。
(項目12)
前記宿主の免疫応答を強化するために、アジュバントをさらに含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目13)
薬学的に許容できる担体をさらに含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目14)
凍結乾燥されている、項目1に記載の医薬組成物。
(項目15)
前記宿主への鼻腔内送達用に製剤されている、項目1に記載の医薬組成物。
(項目16)
項目1に記載の医薬組成物を含む、エアロゾルまたはスプレーのパッケージ。
(項目17)
γ線を照射したMycobacterium属菌を含む医薬組成物であって、該組成物は、哺乳動物宿主への鼻腔内または肺内送達用に製剤されており、そして該宿主への送達時に免疫防御量を含む医薬組成物。
(項目18)
前記対象がヒトである、項目17に記載の医薬組成物。
(項目19)
哺乳動物に結核(TB)のワクチン接種を行う方法であって、該方法は、該哺乳動物に不活化Mycobacterium属菌を含む組成物を投与することを含み、
該哺乳動物の前記ワクチン接種が鼻腔内または肺内であり、
該組成物が該宿主への送達時に免疫防御量を含む方法。
(項目20)
前記不活化Mycobacterium属菌細胞が、死滅した細胞または細胞溶解物である、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記マイコバクテリアの少なくとも90%が不活化されている、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記Mycobacterium属菌の100%が不活化されている、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記Mycobacterium属菌が、照射を用いて不活化されている、項目19に記載の方法。
(項目24)
前記照射がγ線照射である、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記Mycobacterium属菌が、ホルマリンを用いて不活化されている、項目19に記載の方法。
(項目26)
前記Mycobacterium属菌が、熱を用いて不活化されている、項目19に記載の方法。
(項目27)
不活化Mycobacterium属菌が、マイコバクテリア細胞を含む、項目19に記載の方法。
(項目28)
不活化Mycobacterium属菌が、マイコバクテリア細胞溶解物を含む、項目19に記載の方法。
(項目29)
前記Mycobacterium属菌が、結核菌、M.marinum、M bovis、M.africanum、M.microttiまたはM canettiiである、項目19に記載の方法。
(項目30)
炎症を弱めることなく前記宿主の免疫応答を強化するために、アジュバントを投与することをさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目31)
前記医薬組成物が、薬学的に許容できる担体を含む、項目19に記載の方法。
(項目32)
前記組成物を、前記宿主に鼻腔内投与する、項目19に記載の方法。
(項目33)
前記医薬組成物を、エアロゾルまたはスプレーのパッケージから投与する、項目19に記載の方法。
(項目34)
前記医薬組成物を、鼻内または肺内送達用に形成されたデバイスを介して送達する、項目33に記載の方法。
(項目35)
Bacille Calmette−Guerin(BCG)の治療有効量を前記対象に投与することをさらに含む、項目30に記載の方法。
(項目36)
前記ワクチンを前記哺乳動物に予防的に投与する、項目30に記載の方法。
(項目37)
前記ワクチンを前記哺乳動物に治療的に投与する、項目30に記載の方法。
(項目38)
マイコバクテリア感染を治療するためのワクチンを調製する方法であって、不活化Mycobacterium属菌の免疫防御量を、哺乳動物宿主への鼻腔内または肺内送達用に製剤することを含む方法。
(項目39)
結核の非ヒト動物モデルにおいて、前記ワクチンを試験することをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記動物モデルが、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ウシまたは非ヒト霊長類である、項目39に記載の方法。
一態様では、本発明は、不活化Mycobacterium属菌を含む医薬組成物であって、組成物が哺乳動物宿主への鼻腔内、粘膜または肺内送達用に製剤されており、組成物が宿主への送達時に免疫防御量を含む医薬組成物を提供する。
適したMycobacterium属菌には、例えば、結核菌、M.marinum、M bovis、M.africanumまたはM.microttiが含まれる。いくつかの実施形態では、不活化Mycobacterium属菌細胞は、死滅した細胞または細胞溶解物である。
いくつかの実施形態では、Mycobacterium属菌細胞の少なくとも90%、例えば、Mycobacterium属菌細胞の95%、98%、99%または100%が不活化されている。対象がヒトである場合、Mycobacterium属菌細胞の100%が不活化されていることが好ましい。
いくつかの実施形態では、Mycobacterium属菌は、照射を用いて不活化されている。好ましい照射は、γ線照射を用いるものである。
他の実施形態では、Mycobacterium属菌は、ホルマリンまたは熱を用いて不活化されている。
いくつかの実施形態では、Mycobacterium属菌は、塩による浸透圧または乾燥法を用いて不活化されている。
医薬組成物は、宿主の免疫応答を強化するために、アジュバントを場合によって含むことができる。
医薬組成物は、薬学的に許容できる担体を場合によって含むことができ、または場合によって凍結乾燥されて提供されうる。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、宿主への鼻腔内送達用に製剤される。
加えて、医薬組成物は、エアロゾルまたはスプレーのパッケージとして提供される。
一実施形態では、本発明は、γ線を照射したMycobacterium属菌を含む医薬組成物であって、哺乳動物宿主への鼻腔内または肺内送達用に製剤されており、宿主、例えばヒトへの送達時に免疫防御量を与える医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、哺乳動物にTBのワクチン接種を行う方法を提供する。本方法は、哺乳動物に不活化Mycobacterium属菌を含む組成物を投与することを含み、哺乳動物のワクチン接種が鼻腔内または肺内であり、組成物が宿主への送達時に免疫防御量を含む。
別の態様では、本発明は、別の抗原の送達を促進する免疫賦活剤を提供する。
一態様では、本発明は、不活化Mycobacterium属菌を含む医薬組成物であって、組成物が哺乳動物宿主への鼻腔内、粘膜または肺内送達用に製剤されており、組成物が宿主への送達時に免疫防御量を含む医薬組成物を提供する。
本方法での使用に適したMycobacterium属菌には、例えば、結核菌、M.marinum、M bovis、M.africanumまたはM.microttiが含まれる。いくつかの実施形態では、不活化Mycobacterium属菌細胞は、死滅した細胞または細胞溶解物である。いくつかの実施形態では、Mycobacterium属菌細胞の少なくとも90%、例えば、Mycobacterium属菌細胞の95%、98%、99%または100%が不活化されている。対象がヒトである場合、Mycobacterium属菌細胞の100%が不活化されていることが好ましい。
いくつかの実施形態では、本方法に使用するMycobacterium属菌は、照射を用いて不活化されている。好ましい照射は、γ線照射を用いるものである。他の実施形態では、Mycobacterium属菌は、ホルマリンまたは熱を用いて不活化されている。
本方法に使用する医薬組成物は、宿主の防御免疫応答を強化するために、アジュバントを場合によって含むことができる。
本方法に使用する医薬組成物は、薬学的に許容できる担体を場合によって含むことができ、または場合によって凍結乾燥されて提供されうる。
いくつかの実施形態では、本方法に使用する医薬組成物は、宿主への鼻腔内送達用に製剤される。
加えて、本方法に使用する医薬組成物は、エアロゾルまたはスプレーのパッケージとして提供される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、鼻内または肺内送達用に形成されたデバイスを介して送達される。
その上さらなる態様では、本発明は、Mycobacterium感染を治療するためのワクチンを調製する方法であって、不活化Mycobacterium属菌の免疫防御量を、哺乳動物宿主への鼻腔内または肺内送達用に製剤することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本方法は、結核の非ヒト動物モデルにおいて、ワクチンを試験することを含む。動物モデルは、例えば、マウス、モルモット、ウサギ、ウシまたは非ヒト霊長類であることができる。
他に特に定義しない限り、本明細書において使用される科学技術用語はすべて、本発明が属する普通の当業者によって共通に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書において記載されているものと類似または同等の方法および原料を、本発明の診療または試験に使用することができるが、適した方法および原料を以下に記載する。本明細書において言及される、出版物、特許出願、特許および他の参照文献はすべて、参照によって完全に組み込まれる。抵触する場合には、本特許明細書は定義を含めて責に帰する。また、原料、方法および実施例は、一例に過ぎず、限定するためのものではない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳しい説明および特許請求の範囲から明らかである。
(発明の詳細な説明)
本発明によるワクチンは、1種または複数種の不活化Mycobacterium属菌を使用して調製され、次いで対象への肺内または粘膜送達用に製剤される。不活化マイコバクテリアは、対象の肺または粘膜/鼻粘膜に送達されると、前述のTBワクチンで観察されているよりもさらに強い免疫応答を惹起することを前提としている。
インフルエンザネズミモデルにおける研究では、肺免疫細胞は局在化したままであり、B細胞およびT細胞のほんのわずかしか全身に遊走しないことが示唆されている。8、9この研究は、カギとなるインフルエンザ特異的CD8−T細胞が、胸部内の半隔離された循環内に閉じ込められたままになることがあり、血流または末梢リンパ系組織にはほとんど到達せず、代わりに呼吸器粘膜と局所リンパ節との間で循環することを示している。Zammitらは、1つの理由が、肺リンパ排液の特別な解剖学各論でありうることを示唆している。局所肺リンパ節から胸管に入る細胞は、肺に向かい、肺動脈血中に供給される。一部は大循環へと通過していくことができるが、活性化された細胞は血管内皮に付着し、肺の中に戻っていく傾向があるため、細胞が感染部位に留まることになる。ここから細胞は再び局所節に移動し、そこで再度抗原に出会う。実際に、ネズミTBモデルにおいて、抗原特異的記憶T細胞がワクチン接種部位に優先的に戻ること、および感染時点の気道におけるT細胞の位置が重要であることが見出されている10〜11
次いで、これらの所見を本発明に適用すると、TBワクチンが、肺および呼吸器粘膜系で防御免疫応答を誘発することに成功するためには、呼吸器上皮における抗原提示細胞を直接刺激することが好ましい。本発明は、このことを、照射済マイコバクテリアを肺および粘膜の境界面に直接送達することによって実現する。
1968年に公表されたある研究は、吸入BCGを小児439名に投与したところ、副作用はなかったと報告した。12実験動物種において、BCGのエアロゾルまたは気管内送達は有効性が異なり、霊長類13、ウシ14、モルモット15およびマウス16、17、18、19では非経口接種に比べて防御に優れているものから、他の研究20では皮下経路に勝る明らかな利点がないものまで、さまざまであった。他の研究は、免疫応答が初回のBCG接種量に依存することを示した12、21
最近では、いくつかの研究グループが、粘膜結核菌サブユニットワクチンを追加免疫として使用し、ネズミモデルにおいて一次免疫化後数週目に投与した場合に関するデータを公表している。Goonetillekeらの所見は、組換え修飾ワクシニアウイルスAnkaraに曝され、結核菌Ag85Aを発現する際に、T細胞のホーミング特性が重要であることを支持している。鼻腔内追加免疫は、非経口BCGに比べて、肺において5倍高いT細胞応答を誘導した。それによって、肺におけるT細胞は、コンパートメント化されたある形であることが支持される22。Santosuossoらは、Ag85Aを発現する鼻腔内アデノウイルスベクターが、気道内腔においてCD4およびCD8T細胞一次応答を後押しし、肺の結核菌攻撃感染の防御を強化することを示した23。他の研究は、マウスにおいて、組換え細菌/ウイルスベクター中またはタンパク質およびアジュバントとともにマイコバクテリア抗原(Ag85AまたはAg85B−ESAT−6)を使用し、これを追加免疫として粘膜投与したものであり、これらの研究は、標準的な非経口BCGと比較すると、結核菌の生菌での攻撃感染時に防御免疫を示している24、25、26。これらの研究はすべて、粘膜サブユニットワクチンの追加免疫後、BCG単独と比較して、肺および脾臓におけるマイコバクテリアのコロニー形成単位が統計的に少数であることを示した。
結核菌の生菌感染に対する適応免疫反応は、他の感染と比較して遅延し、これによって、肺におけるこの桿菌集団は、感染の前免疫期中に著しく増加することが可能となる27。エアロゾル化ワクチン製剤中に桿菌の死菌を使用することによって、繁殖しているマイコバクテリアが存在しなくなり、免疫応答については、細菌の細胞壁上の抗原に応答するための適切な時間を有することになる。加えて、何千年にもわたって、適応攻撃を経て、結核菌は、初回の抗原提示中に、自然免疫応答を回避する多くの手段を見出している28、29、30、31。マイコバクテリアの死菌は、ヒト免疫系を回避する手段を誘発し、抗原提示を成功しないようにする酵素を産生する能力を有していない。
死滅させた全マイコバクテリアを使用するこの方法が過去に見落とされてきたと、本発明者らが考える1つの理由は、19世紀末期にRobert Kochによって行われた研究による32。Kochは、結核菌培養物からの滅菌ろ液を、治療ワクチンとして対象に使用した。これは、活動性疾患を有するいくらかの個体に、非常に重度の炎症性免疫応答を誘導し、あるものは死亡した。Koch現象として知られているが、この壊死反応は、特にTNF−α以外のいくつかの炎症促進性サイトカインの産生過剰によるように思われる33。この出来事は数十年間ワクチン学者らを悩ましたが、これは科学者らが全桿菌を使用する可能性があることを見落としたためであると、本発明者らは考えている。死滅させた全マイコバクテリアは、抗し難い炎症反応を避けるにもかかわらず、強い免疫防御応答を惹起するのに十分低量で利用される。
一般に、任意の種類の不活化手法が使用されうる。但し、その処理が、宿主で増殖感染を引き起こすことができない細菌の集団をそのままにしておくと同時に、相当する疾患を引き起こすマイコバクテリアに対して増殖性応答を惹起するための抗原構造を必然的に維持する場合に限る。マイコバクテリア調製物は通常、無能力化されている。本発明に従って製造される無能力化細菌細胞という状況において、「無能力化」とは、細菌細胞が不可逆性の静止状態であることを意味する。細菌は、その構造を保持し、それ故、例えば、野生型細菌に関連する免疫原性、抗原性および/またはレセプター−リガンド相互作用を保持するが、複製できない。いくつかの実施形態では、それは、細菌細胞中に感染ファージが存在するために複製できない。
不活化の好ましい種類は、γ線照射である。当技術分野において知られている不活化の他の種類には、例えば、放射線の他の種類(紫外線照射を含む)、ホルマリン処理および熱処理が含まれる。いくつかの実施形態では、非ヒトに使用するために、70%超が死滅されている。ヒトに使用するための実施形態では、細胞の100%が死滅されている。
理論によって制限されたくはないが、γ線照射済Mycobacteriumが、本発明の組成物中および方法での使用にとりわけ適していることを前提としている。γ線照射済細菌は安全であると考えられており、複製しないため、それらは一般に実験室で使用される。多くの試験では、それにもかかわらず、γ線照射済細菌は、桿菌壁上の抗原によって惹起された応答を含む、免疫防御応答を惹起することを示している34、35、36。加えて、γ線照射済マイコバクテリアは、アポトーシスを受け、樹状細胞によって飲み込まれるようになる。樹状細胞は、T細胞にマイコバクテリア抗原を提示し、CD4 Th1およびCD8細胞傷害性細胞を活性化する。γ線照射済結核菌はまた、一酸化窒素の放出を誘導することができ34、結核菌の生菌に対する類似のTh2応答を惹起することができる35。1963年に、Nishiharaらは、マウスにγ線照射済結核菌を皮内注射し、このことが、BCGの皮内注射と同じく、結核菌でのエアロゾル攻撃を防御することを見出した37
照射済細菌または細菌性抗原の肺および粘膜縁への送達は、宿主において有効な免疫応答を促進すると考えられている。鼻粘膜または肺胞通路への送達時に、細菌または細菌性抗原が、肺の肺胞/間質腔で、抗原提示細胞、特に樹状細胞によって検出されている。次いで、これらの樹状細胞は、ナイーブCD4+およびCD8+T細胞が豊富な領域に遊走し、肺の局所リンパ節の傍皮質の領域を構成する。これらのT細胞は、桿菌の死菌の抗原によって活性化される。マイコバクテリアの死菌は、マクロファージによって貪食されるようになる。
一般に、結核菌複合体のメンバーである任意のMycobacterium種または菌株を、本発明の組成物中および方法に使用することができる。結核菌複合体のメンバーであるMycobacteriumの適した種には、例えば、Mycobacterium
bovis、Mycobacterium africanum、Mycobacterium microttiおよび結核菌が含まれる。遺伝子的に類似のMycobacteriumは、Mycobacterium canettiiおよびMycobacterium marinumを含む。特定の種または種の組合せは、相当する宿主種に対して、および治療されるMycobacterium関連疾患の種類に対して選択される。ヒトにおいて疾患を引き起こす他のマイコバクテリアには、例えば、Mycobacterium avium intracellulare、Mycobacterium leprae、Mycobacterium lepraemurium、Mycobacteria paratuberculosis、Mycobacterium ulcerans、Mycobacterium smegmatis、Mycobacterium xenopi、Mycobacterium chelonei、Mycobacterium fortuitum、Mycobacterium farcinogenes、Mycobacterium flavum、Mycobacterium haemophitum、Mycobacterium kansasii、Mycobacterium phlei、Mycobacterium scrofulaceum、Mycobacterium senegalense、Mycobacterium simiae、Mycobacterium thermoresistibleおよびMycobacterium xenopiが含まれる。
医薬組成物に使用されるマイコバクテリアは、細胞全体または細胞の一部、例えば細胞溶解物を含むことができる。例えば、適した構成成分は、γ線照射済の全細胞溶解物、γ線照射済の培養ろ液タンパク質、γ線照射済の細胞壁画分、γ線照射済の細胞膜画分、γ線照射済の細胞質ゾル画分、γ線照射済の可溶性細胞壁タンパク質およびγ線照射済の可溶性タンパク質プールを含む。
医薬組成物の調製
死滅した細胞の調製は、宿主への投与用に、不活化細胞または細胞溶解物と、医薬組成物を形成するための薬学的に許容できる担体とを組み合わせることによって行う。担体は、例えば、生理食塩水、鉱油、植物油、カルボキシルメチルセルロースナトリウム水溶液またはポリビニルピロリドン水溶液などでありうる。いくつかの実施形態では、担体は、ヒト対象に治療的に投与するのに十分純粋である。当業者は、適した溶液、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液または乳酸リンガー注射液などの等張性媒体を使用して良好に調製することができる。保存剤、安定化剤、緩衝剤、酸化防止剤および/または他の添加剤は、必要とされる場合に含むことができる。
例えば、M.bovis BCGの投与に関連したプロトコル、製剤、投与量および臨床診療に精通している当業者は、加えて、本発明の医薬組成物とともに使用するためのこれらのプロトコルを容易に適応させることができる。ワクチンは、剤形に適合する方法で、および治療的に有効であり免疫原性であるような量で投与される。投与される量は、例えば、免疫応答を開始する個体の免疫系の能力および所望される防御の程度を含む、治療される対象によって決まる。適した投与量範囲は、ワクチン接種当たりの活性成分が数百マイクログラムのオーダーであり、好ましい範囲は、約0.1μgから1000μgまで、例えば、約1μgから300μgまでの範囲、特に約10μgから50μgまでの範囲などである。初回投与および追加免疫注射のための適した投与法は、変更することもできるが、初回投与の後に続く接種または他の投与によって類型化されている。したがって、ワクチンは、単回投与でまたは多回投与で投与することができる。一実施形態では、ワクチンは、約1〜12か月離して2回投与で投与されうる。対象は、任意の時点でワクチン接種を行うことができるが、ワクチンを、輸送中または他の取り扱い中などの予想されるストレス期間のすぐ前(最適には約10日から2週間)に投与することが好ましい。ワクチンは、出産前の妊娠動物に、高度免疫初乳の産生を増加させるために投与されうることも想定されている。
組成物は、治療される状態によって、単独でまたは他の治療もしくは標準的なBCGワクチンと組み合わせて、同時にまたは連続して投与することができる。組成物は、BCGのワクチン接種後に投与することができるため、追加免疫結核ワクチンとして作用することができる。その上、死滅した桿菌全体の初回皮下接種に続いて鼻腔内または粘膜追加免疫を行った後に、本組成物を投与してよい。
死滅した細胞は、対象動物への抗原物質の曝露を持続させるために、それ故、長い間動物を感染から防御するために、微粒子またはマイクロカプセル中に組み込まれてよい。微粒子およびカプセルは、種々のよく知られている不活性な生体適合性マトリックス物質から、当技術分野における従来の技術を用いて形成することができる。適したマトリックス物質には、例えば、アルギネート、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸/グリコール酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、ポリウレタン、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ならびに特に寒天およびポリアクリレートなどの天然または合成ポリマーが含まれる。本明細書において使用されうる、物質を微粒子中に組み込むための技術またはカプセル化技術の例は、Sparks38、Kydonius39およびEl−Nokaly40によって記載されており、それらの各内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
不活化マイコバクテリアは、水または食塩水に懸濁される小粒子中に含まれてよい。ワクチン製剤はまた、当技術分野における従来の、任意選択のアジュバント、抗菌剤または他の医薬活性剤を含むことができる。アジュバントには、塩、乳剤(油/水組成物を含む)、サポニン、リポソーム製剤、ウイルス粒子、ポリペプチド、病原体関連分子パターン(PAMPS)、核酸ベースの化合物またはある特定の抗原を利用する他の製剤が含まれうるが、これらに限定されない。適したアジュバントには、例えば、植物油、ミョウバン、フロイント不完全アジュバントまたは含油フロイント不完全アジュバントが含まれ、フロイント不完全アジュバントが特に好ましい。他のアジュバントには、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム(ミョウバン)などの薬剤が含まれ、免疫刺激複合体(ISCOM)、糖の合成ポリマー(CARBOPOL(登録商標))、熱処理によるワクチン中のタンパク質凝集、アルブミンに対するペプシン処理(Fab)抗体での再活性化による凝集、C.parvumなどの細菌細胞またはグラム陰性細菌のエンドトキシンもしくはリポ多糖構成成分との混合物、マンニドモノオレエート(Aracel A)などの生理学的に許容できる油性媒体中の乳剤または遮断代替物(block substitute)として使用されるペルフルオロカーボン(Fluosol−DA)の20%溶液を含む乳剤も用いることができる。
不活化マイコバクテリアは、大腸菌不安定毒素(LT)およびコレラ毒素(CT)などの粘膜細菌毒素アジュバント中、またはCpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)41中に含まれてよい。別の可能な粘膜アジュバントモノホスホリル脂質A(MPL)、LPSの誘導体および低毒型は、リポソームと結合すると、粘膜免疫防御応答を誘導することが見出された42。鼻内ワクチン接種用に設計された1つの新しいアジュバント、Eurocine L3(商標)は、実験動物モデルにおいて、鼻腔内投与後、TBに対する長持ちする免疫を誘導することを示している43〜45。アジュバント技術は、内因性脂質と薬学的に許容される脂質との組合せをベースとする非毒性医薬製剤からなる。ワクチンは、サイトカインまたはポリI:Cなどの合成IFN−γ誘導物質などの追加の免疫変調物質を、単独でまたは上記のアジュバントと組み合わせて、場合によって含むことができる。
さらに他のアジュバントは、生体適合性マトリックス物質からなる微粒子またはビーズを含む。微粒子は、当技術分野における従来の、任意の生体適合性マトリックス物質からなることができ、これには寒天およびポリアクリレートが含まれるが、これらに限定されない。当業者であれば、他の担体またはアジュバントが同様に使用されうることを認識している。例えば、使用されうるキトサンまたは任意の生体接着性送達システムが、WebbおよびWinkelstein46によって記載されており、その内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
不活化マイコバクテリアを含む医薬組成物は、当技術分野において知られている方法を使用して、鼻腔内または肺内送達用に製剤されることが好ましい。アジュバントと混合された照射済マイコバクテリアの製剤は、ワクチン接種関連の、炎症などの副作用を最小限に抑えるように選択されることが好ましく、または製剤の安定性を高めることができる。アジュバントは、免疫賦活剤としてまたはデポ剤としての役割を有することもある。
いくつかの実施形態では、不活化マイコバクテリアは、ネブライザーの改良によって、または3種類の小型携帯用デバイス、定量噴霧吸入器(MDI)および乾燥粉末吸入器(DPI)を介して送達される。鼻腔内送達は、鼻内スプレー、滴びんまたは鼻内定量薬物送達デバイスを介して起こる可能性がある。不活性マイコバクテリアは、定量噴霧吸入器を介して送達される。通常、放出量の10〜20%のみが肺に沈着される。高速および大粒子径のスプレーによって、薬物エアロゾルの約50〜80%が、口腔咽頭領域に影響を及ぼす。
マイコバクテリアは、限定されないが糖担体系などの乾燥粉末製剤中に含まれてよい。糖担体系は、乳、マンニトールおよび/またはグルコースを含むことができる。乳、マンニトールおよびグルコースはすべて、担体としてFDAに承認されている。乳一水和物などの、直径が通常50〜100マイクロメートルの、より大きな糖粒子も存在し、これは鼻中咽頭部に残るが、不活化桿菌は、呼吸樹を通って肺胞中に移動することができる。47
必要に応じて、マイコバクテリアは、リポソーム製剤中に含まれうる。リポソームは、吸入された他の粒子が肺胞に到達するのと同様に、マクロファージによって除去される。リポソームのリン脂質のプロセッシング、取り込みおよび再利用は、肺胞II型細胞による内因性界面活性剤と同じ機構を経て起こる。
上記の照射済マイコバクテリアを含む医薬組成物は、結核を予防または治療するために、適した個体に投与される。本明細書における、「結核」への言及は、肺結核および肺外結核への言及を含む。「個体」、「対象」、「宿主」および「患者」という用語は、本明細書において、相互に交換可能に使用され、本発明の治療ワクチンを使用する治療に反応する細菌感染を有しており、それにとって治療または療法が望ましい、任意の対象を指す。医薬組成物は、マイコバクテリアによる感染に感受性のある任意の哺乳動物宿主のために調製することができる。適した哺乳動物宿主には、例えば、ブタおよびウシなどの家畜が含まれる。
「治療」、「治療すること」、「治療する」などの用語は、一般に、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指すために、本明細書において使用される。効果は、その疾患または症状を、完全にまたは部分的に予防するという点で、予防的でありうるし、かつ/または、疾患および/または疾患に起因する副作用に対する、部分的なまたは完全な安定化または治癒という点で、治療的でありうる。本明細書において使用される「治療」は、対象、具体的には哺乳動物対象、より具体的にはヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患または症状が生じやすい可能性があるが、それを有しているとまだ診断されていない対象において、疾患または症状が発生するのを予防すること、(b)疾患症状を阻止すること、すなわち、その発症を抑えること、または疾患症状を和らげること、すなわち、疾患もしくは症状の退行をもたらすこと、(c)潜伏TBの疾患の再活性化を予防すること、すなわち、桿菌が休止期から増殖期へと移行するのを予防することを含む。したがって、投与は「予防有効量」または「治療有効量」で行うことが好ましく(場合によって、予防が療法と見なされることがあるが)、これは、個体にとっての利益を示すのに十分である。投与される実際の量、ならびに投与速度およびタイムコースは、治療されているものの性質および重症度によって決まる。治療の処方、例えば投与量に関する決定などは、一般の医師および他の医療従事者または獣医の責任の範囲内である。
ワクチンで治療される対象は通常、感染している細菌に対して防御免疫を有する、または防御免疫ができるようになる。「防御免疫」という用語は、哺乳動物に投与されるワクチン、免疫原性組成物または免疫化スケジュールが、病原菌によって引き起こされる疾患の、発症を予防し、遅延させ、もしくは重症度を軽減し、または疾患の症状を減じ、もしくは完全に消失させる免疫応答を誘導することを意味する。「感染している細菌」とは、宿主において感染を確立しており、結果として疾患または望ましくない症状に関連しうる細菌を意味する。一般に、感染している細菌は、病原菌である。
「免疫応答を惹起するのに十分な量で」というフレーズは、特定のワクチン調製物または免疫原性組成物の投与前および投与後に測定される免疫応答指標の間に検出可能な差が存在することを意味する。ワクチン試験を受けた動物は、皮内BCGを(ゴールドスタンダードとして)受けた動物に対して試験される。最後のワクチン接種後数週間目に、動物はエアロゾル毒性結核菌で攻撃感染される。臨床免疫応答および分子免疫応答は、毒性結核菌での攻撃感染後数週間目に評価される。
結核ワクチンのスクリーニングおよび開発
試験ワクチンのスクリーニングまたは最適化は、マイコバクテリア細胞の集団またはその(上記の)画分を種々の不活化法に曝し、処理済細胞または細胞画分を含む医薬組成物候補を調製し、上記の方法を使用して、宿主において、免疫応答を惹起するためのおよび/またはマイコバクテリア感染に対する有効な攻撃を開始するための、処理済組成物の能力を試験することによって行うことができる。
「免疫原性細菌組成物」、「免疫原性組成物」および「ワクチン」という用語は、本明細書において、相互に交換可能に使用され、調製物に存在するエピトープに対する免疫応答を惹起するのに十分な量で投与される場合、対象において、細胞のおよび/または体液の免疫応答を惹起することができる前記調製物を意味する。
マイコバクテリア細胞または抽出調製物によって発現された抗原分子の免疫力価は、組換え抗原を発現している細菌での免疫化後に、試験動物の免疫応答をモニターすることによって決定することができる。試験動物は、マウス、モルモット、ウサギ、ウシ、非ヒト霊長類および最終的にはヒト対象を含むことができる。
試験対象の免疫応答は、以下のような種々のアプローチによって、追加的に分析することができる。すなわち(a)T細胞関連サイトカイン産生(b)血漿サイトカイン産生(c)T細胞増殖、細胞傷害性、サイトカインプロフィール(d)T細胞抗原レパートリー(e)T細胞調整プロフィール(f)mRNAプロフィール(g)自然免疫プロフィール(h)抗体プロフィール(i)遺伝学および(j)免疫化動物における、疾患からの防御および/または感染症状の緩和である。
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追加の実施形態は、特許請求の範囲内にある。

Claims (40)

  1. 不活化Mycobacterium属菌を含む医薬組成物であって、該組成物は、哺乳動物宿主への鼻腔内、粘膜または肺内送達用に製剤されており、そして該宿主への送達時に免疫防御量を含む医薬組成物。
  2. 前記不活化Mycobacterium属菌細胞が、死滅した細胞または細胞溶解物である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記マイコバクテリアの90%が不活化されている、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 前記Mycobacterium属菌の100%が不活化されている、請求項2に記載の医薬組成物。
  5. 前記Mycobacterium属菌が、照射を用いて不活化されている、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 前記照射がγ線照射である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記Mycobacterium属菌が、ホルマリンを用いて不活化されている、請求項1に記載の医薬組成物。
  8. 前記Mycobacterium属菌が、熱または浸透圧を用いて不活化されている、請求項1に記載の医薬組成物。
  9. 不活化Mycobacterium属菌が、マイコバクテリア細胞を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  10. 不活化Mycobacterium属菌が、マイコバクテリア細胞溶解物を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  11. 前記Mycobacterium属菌が、結核菌、M.marinum、M bovis、M.africanumまたはM.microttiである、請求項1に記載の医薬組成物。
  12. 前記宿主の免疫応答を強化するためのアジュバントをさらに含む、請求項に記載の医薬組成物。
  13. 薬学的に許容できる担体をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  14. 凍結乾燥されている、請求項1に記載の医薬組成物。
  15. 前記宿主への鼻腔内送達用に製剤されている、請求項1に記載の医薬組成物。
  16. 請求項1に記載の医薬組成物を含む、エアロゾルまたはスプレーのパッケージ。
  17. γ線を照射したMycobacterium属菌を含む医薬組成物であって、該組成物は、哺乳動物宿主への鼻腔内または肺内送達用に製剤されており、そして該宿主への送達時に免疫防御量を含む医薬組成物。
  18. 前記宿主がヒトである、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 哺乳動物宿主に結核(TB)のワクチン接種を行うための組成物であって、該組成物は、活化Mycobacterium属菌を含み、
    該組成物は、鼻腔内または肺内に投与されることを特徴とし
    該組成物が該宿主への送達時に免疫防御量を含む、組成物
  20. 前記不活化Mycobacterium属菌細胞が、死滅した細胞または細胞溶解物である、請求項19に記載の組成物
  21. 前記マイコバクテリアの少なくとも90%が不活化されている、請求項19に記載の組成物
  22. 前記Mycobacterium属菌の100%が不活化されている、請求項20に記載の組成物
  23. 前記Mycobacterium属菌が、照射を用いて不活化されている、請求項19に記載の組成物
  24. 前記照射がγ線照射である、請求項23に記載の組成物
  25. 前記Mycobacterium属菌が、ホルマリンを用いて不活化されている、請求項19に記載の組成物
  26. 前記Mycobacterium属菌が、熱を用いて不活化されている、請求項19に記載の組成物
  27. 不活化Mycobacterium属菌が、マイコバクテリア細胞を含む、請求項19に記載の組成物
  28. 不活化Mycobacterium属菌が、マイコバクテリア細胞溶解物を含む、請求項19に記載の組成物
  29. 前記Mycobacterium属菌が、結核菌、M.marinum、M bovis、M.africanum、M.microttiまたはM canettiiである、請求項19に記載の組成物
  30. 炎症を弱めることなく前記宿主の免疫応答を強化するためのアジュバントと組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項19に記載の組成物
  31. 学的に許容できる担体をさらに含む、請求項19に記載の組成物
  32. 記宿主に鼻腔内投与されることを特徴とする、請求項19に記載の組成物
  33. アロゾルまたはスプレーのパッケージから投与されることを特徴とする、請求項19に記載の組成物
  34. 内または肺内送達用に形成されたデバイスを介して送達されることを特徴とする、請求項33に記載の組成物
  35. Bacille Calmette−Guerin(BCG)の治療有効量と組み合わせて前記宿主に投与されることを特徴とする、請求項30に記載の組成物
  36. 宿主に予防的に投与されることを特徴とする、請求項30に記載の組成物
  37. 宿主に治療的に投与されることを特徴とする、請求項30に記載の組成物
  38. マイコバクテリア感染を治療するためのワクチンを調製する方法であって、不活化Mycobacterium属菌の免疫防御量を、哺乳動物宿主への鼻腔内または肺内送達用に製剤することを含む方法。
  39. 結核の非ヒト動物モデルにおいて、前記ワクチンを試験することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記動物モデルが、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ウシまたは非ヒト霊長類である、請求項3に記載の方法。
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