JP2010521978A - Preq1リボスイッチならびにpreq1リボスイッチの使用のための、およびpreq1リボスイッチを用いる使用のための方法および組成物 - Google Patents

Preq1リボスイッチならびにpreq1リボスイッチの使用のための、およびpreq1リボスイッチを用いる使用のための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

preQリボスイッチは、抗生物質および他の小分子療法の標的である。preQリボスイッチおよびその一部を使用して、RNA分子ならびに他のエレメントおよび分子の発現または機能を調節することができる。preQリボスイッチおよびその一部を、例えば、化合物を同定または検出するための種々の他の方法で使用することができる。化合物を使用して、preQリボスイッチを刺激、活性化、阻害、および/または不活化することができる。preQリボスイッチおよびその一部のみおよび他の核酸と組み合わせて、種々の構築物およびRNA分子で使用することができ、核酸によってコードすることができる。

Description

(関連する出願の相互参照)
本出願は、2007年3月22日に出願された米国仮特許出願第60/919,410号の利益を主張する。2007年3月22日に出願された米国仮特許出願第60/919,410号は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
(連邦政府の後援による研究に係る陳述)
本発明は、NIHによって授与された補助金番号R33DK07027およびGM068819、ならびにNSFによって授与された補助金番号EIA0323510のもと、政府の支持を受けなされた。政府は本発明に対し確実な権利を保有する。
発明の分野
本開示の発明は、一般に、遺伝子発現分野、具体的には、遺伝子発現の調節領域に関する。
発明の背景
細胞が種々の遺伝子発現パターンの変化による複数の生化学シグナルおよび環境信号に応答しなければならないので、正確な遺伝子調節は生物系の本質的特徴である。最も公知の遺伝子調節機構は、化学的または物理的な刺激を感知し、その後に関連するDNAまたは伝令RNA配列との選択的相互作用によって遺伝子発現を調整するタンパク質因子の使用を含む。タンパク質は、複合体形状を採用することができ、生物系がその化学的および物理的環境を正確に感知することができる種々の機能を実行する。代謝産物に応答するタンパク質因子は、典型的には、DNAに結合することによって転写開始を調整するか(例えば、lacリプレッサータンパク質;非特許文献1)、RNAに結合することによって転写終結(例えば、PyrRタンパク質;非特許文献2)または翻訳(例えば、TRAPタンパク質;非特許文献3)のいずれかを調節するように作用する。タンパク質因子は、アロステリック調整または翻訳後改変などの種々の機構によって環境刺激に応答し、高応答性遺伝子スイッチとしての機能を果たすためにこれらの機能を活用するのに長けている(例えば、非特許文献4を参照のこと)。
遺伝子調節におけるタンパク質因子の広範な関与に加えて、RNAが遺伝子調節で積極的な役割を果たし得ることも公知である。最近の研究により、小さな非コードRNAが破壊のためのmRNAの選択的ターゲティングで役割を果たし、それにより、遺伝子発現が下方制御されるという実質的役割が明らかにされ始めている(例えば、非特許文献5およびそのリファレンスを参照のこと)。このRNA干渉過程は、短いRNAがワトソン−クリック塩基相補性を介して意図するmRNA標的を選択的に認識する能力を活用し、その後に結合したmRNAをタンパク質作用によって破壊する。新規であるが特異性の高いRNA結合部位を使用してタンパク質因子を生成するよりも進化過程によって新規の標的特異的RNA因子を生成することの方がはるかに容易であるので、RNAはこの系における理想的な分子認識のための作用因子である。
タンパク質が、酵素、受容体、および構造機能についての、生物学が有するほとんどの要件を満たすにもかかわらず、RNAはこれらの能力でも役立ち得る。例えば、RNAは、相当な酵素力および正確な分子認識を示す多数のリボザイムドメイン(非特許文献6;非特許文献7)および受容体ドメイン(非特許文献8;非特許文献9)を形成するのに十分な構造可塑性を有する。さらに、これらの活性を組み合わせて、エフェクター分子によって選択的に調整されるアロステリックリボザイム(非特許文献10;非特許文献11)を作製することができる。
細菌リボスイッチRNAは、特定のmRNAの主なコード領域の5’非翻訳領域(5’−UTR)内に主に存在する遺伝子調節エレメントである。構造探索研究(以下でさらに考察)により、リボスイッチエレメントは一般に以下の2つのドメインから構成されることが明らかである:リガンド結合ドメインとしての機能を果たす天然のアプタマー(T.Hermann,D.J.Patel,Science 2000,287,820;L.Gold,et al.,Annual Review of Biochemistry 1995,64,763)および遺伝子発現に関与するRNAエレメント(例えば、シャイン−ダルガルノ(SD)エレメント;転写終結ステム)に結びつく「発現プラットフォーム」。
Matthews,K.S.,and Nichols,J.C.,1998,Prog.Nucleic Acids Res.Mol.Biol.58,127−164 Switzer,R.L.,et al.,1999,Prog.Nucleic Acids Res.Mol.Biol.62,329−367 Babitzke,P.,and Gollnick,P.,2001,J.Bacteriol.183,5795−5802 Ptashne,M.,and Gann,A.(2002).Genes and Signals.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY Hannon,G.J.2002,Nature 418,244−251 The RNA World R.F.Gesteland,T.R.Cech,J.F.Atkins,eds.,pp.321−350(1998)のCech & Golden,Building a catalytic active site using only RNA. Breaker,In vitro selection of catalytic polynucleotides.Chem.Rev.97,371−390(1997) Osborne & Ellington,Nucleic acid selection and the challenge of combinatorial chemistry.Chem.Rev.97,349−370(1997) Hermann & Patel,Adaptive recognition by nucleic acid aptamers.Science 287,820−825(2000) Soukup & Breaker,Engineering precision RNA molecular switches.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96,3584−3589(1999) Seetharaman et al.,Immobilized riboswitches for the analysis of complex chemical and biological mixtures.Nature Biotechnol.19,336−341(2001)
preQリボスイッチを調節するために使用することができる方法および組成物ならびに機能的preQリボスイッチが必要である。
コード領域に作動可能に連結されたpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする核酸分子を含む調節可能な遺伝子発現構築物であって、リボスイッチがRNAの発現を調節し、リボスイッチおよびコード領域が非相同である、構築物を本明細書中に開示する。リボスイッチはアプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインを含むことができ、アプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインは非相同である。リボスイッチは2つ以上のアプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインを含むことができ、少なくとも1つのアプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインは非相同である。少なくとも2つのアプタマードメインは協同的結合を示すことができる。
天然に存在するpreQ応答性リボスイッチの非天然誘導体であるリボスイッチも、本明細書中に開示する。リボスイッチはアプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインを含むことができ、アプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインは非相同である。リボスイッチは1つまたは複数のさらなるアプタマードメインをさらに含むことができる。少なくとも2つのアプタマードメインは協同的結合を示すことができる。リボスイッチをトリガー分子によって活性化することができ、トリガー分子によって活性化された場合にリボスイッチはシグナルを生成する。
目的の化合物を検出する方法であって、サンプルをリボスイッチと接触させる工程を含み、リボスイッチが目的の化合物によって活性化され、目的の化合物によって活性化された場合にリボスイッチがシグナルを生成し、サンプルが目的の化合物を含む場合にリボスイッチがシグナルを生成し、リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、方法をさらに開示する。目的の化合物によって活性化された場合にリボスイッチは高次構造(conformation)を変化させることができ、高次構造の変化によって高次構造依存性標識を介してシグナルが生成される。目的の化合物によって活性化された場合にリボスイッチは高次構造を変化させることもでき、高次構造の変化によってリボスイッチに連結したRNAの発現が変化し、発現の変化によってシグナルを生成する。シグナルを、リボスイッチに連結したRNAから発現したレポータータンパク質によって生成することができる。
(a)リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子の遺伝子発現阻害について化合物を試験する工程であって、阻害がリボスイッチを介し、リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、試験工程、(b)工程(a)で遺伝子発現を阻害した化合物と細胞との接触によって遺伝子発現を阻害する工程であって、細胞がリボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、化合物がリボスイッチへの結合によって遺伝子発現を阻害する、阻害工程を含む方法も開示する。
preQ応答性リボスイッチを同定する方法であって、preQの存在下および非存在下でのRNA分子のインライン自発切断(in−line spontaneous cleavage)を評価する工程であって、RNA分子がpreQによって調節される遺伝子によってコードされ、RNA分子のインライン自発切断パターンの変化がpreQ応答性リボスイッチを示す、評価工程を含む方法を開示する。
遺伝子発現を阻害する方法であって、化合物を細胞と接触させる工程を含み、前記化合物が式I:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体である)
の構造を有し、細胞がpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、化合物が、preQ応答性リボスイッチへの結合によって遺伝子発現を阻害する、方法も開示する。
化合物は、式II:
(式中、Rは、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、C−水素結合供与体、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり得、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであり、
は存在せず、
はNHであり、
は存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、Rは、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
はNHであり、
は存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は存在せず、
はNHであり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
はNHであり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在しない)の構造を有することができる。
細胞を、遺伝子発現阻害に必要であると同定することができる。細胞は細菌細胞であり得る。化合物は、細菌細胞を死滅させるか細菌細胞の増殖を阻害することができる。化合物および細胞を、被験体への化合物の投与によって接触させることができる。細胞は被験体中の細菌細胞であり得、その中で化合物は細菌細胞を死滅させるか細菌細胞の増殖を阻害する。被験体は細菌感染を有し得る。細胞はpreQ応答性リボスイッチを含むことができる。化合物を別の抗菌化合物と組み合わせて投与することができる。化合物はバイオフィルム中の細菌増殖を阻害することができる。
preQの産生方法であって、preQを産生することができる変異細菌細胞を培養する工程であって、変異細菌細胞がpreQリボスイッチの変異を含み、変異が変異を持たない細胞と比較して変異細菌細胞によってpreQ産生を増加させる、培養工程、および細胞培養物からpreQを単離し、それにより、preQを産生する工程を含む、方法も開示する。
本方法により、preQリボスイッチの変異を含まない細菌細胞の培養と比較して、preQ産生を少なくとも10%増加させることができる。本方法により、preQリボスイッチの変異を含まない細菌細胞の培養と比較して、preQ産生を少なくとも10%増加させることができる。本方法により、preQリボスイッチの変異を含まない細菌細胞の培養と比較して、preQ産生を少なくとも25%増加させることができる。preQリボスイッチの変異はノックアウト変異を含むことができる。
preQリボスイッチの変異を含む細菌細胞であって、変異により、変異を持たない細胞と比較した場合にその細胞によるpreQ産生が測定可能な程度に増加する、細菌細胞をさらに開示する。
細菌細胞増殖を阻害する方法も開示するが該方法は、細胞をpreQ応答性リボスイッチに結合する化合物と接触させる工程であって、細胞がpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、化合物がpreQ応答性リボスイッチへの結合によって細菌細胞増殖を阻害し、それにより、preQ産生が制限される、接触工程を含む方法である。本方法により、化合物と接触しない細胞と比較して、細菌細胞増殖を少なくとも10%減少させることができる。化合物および細胞を、被験体への化合物の投与によって接触させることができる。細胞が被験体中の細菌細胞であり得、その中で化合物が細菌細胞を死滅させるか細菌細胞の増殖を阻害する。被験体は細菌感染を有し得る。化合物を別の抗菌化合物と組み合わせて投与することができる。
サンプル中のpreQを検出する方法を開示するが該方法は、preQ応答性リボスイッチをサンプルと接触させる工程、およびpreQとpreQ応答性リボスイッチとの間の相互作用を検出する工程を含み、該preQとpreQ応答性リボスイッチとの間の相互作用がpreQの存在を示す、方法である。preQ応答性リボスイッチを標識することができる。
化合物(遺伝子における遺伝子発現の阻害のための化合物を試験することにより、遺伝子における遺伝子発現を阻害する化合物として同定された)と細胞とを接触させることによって遺伝子(リボスイッチを含むRNAをコードする)における遺伝子発現を阻害する工程を含む方法も開示するが、該方法は、該阻害がリボスイッチを介するものであって、該リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、方法である。
開示の方法および組成物のさらなる利点を以下の記載に一部示し、この記載から利点が一部理解される。あるいは、利点を、開示の方法および組成物の実施によって知ることができる。開示の方法および組成物の利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘した要素および組み合わせによって理解および達成される。上記の一般的記載および以下の詳細な記載の両方は例示および説明のみであり、特許請求の範囲に記載の本発明を制限するものではないと理解すべきである。
本明細書中に組み込まれ、且つ本明細書の一部を構成する添付の図面は、開示の方法および組成物のいくつかの実施形態を例示し、記載と共に、開示の方法および組成物の原理を説明するのに役立つ。
図1は、preQ生合成に関与する真正細菌遺伝子の5’UTR中に存在する保存配列を示す(配列番号5〜42)。各型内で95%超(上の例)および80%超(下の例)保存されているヌクレオチドを、コンセンサス行(consensus row)中に示す(R=A、G;Y=C、U)。構造行中の角括弧で示した領域は、潜在的な二次構造エレメントP0(薄い影)およびP1(濃い影)に寄与する相補配列を示す。遺伝子を、元の配列ファイル由来の遺伝子座タグによって示す。生物の略称:(Ban)Bacillus anthracis;(Bce)Bacillus cereus;(Bha)Bacillus halodurans;(Bsu)Bacillus subtilis;(Cac)Clostridium acetobutylicum;(Cpe)Clostridium perfringens;(Cte)Clostridium tetani;(Efa)Enterococcus faecalis;(Efm)Enterococcus faecium;(Exi)Exiguobacterium sp.;(Fnu)Fusobacterium nucleatum;(Gka)Geobacillus kaustophilus;(Hin)Haemophilus influenzae;(Lin)Listeria innocua;(Lme)Leuconostoc mesenteroides;(Lpl)Lactobacillus plantarum;(Nme1)Neisseria meningitidis MC58;(Nme2)Neisseria meningitidis Z2491;(Oih)Oceanobacillus iheyensis;(Pmu)Pasteurella multocida;(Sau)Staphylococcus aureus;(Sep)Staphylococcus epidermidis;(Sag)Streptococcus agalactiae;(Tte)Thermoanaerobacter tengcongensis;(Env)Environmental sequence IBEA_CTG_2157609。 図2は、真正細菌におけるキューオシン(queuosine)生合成を示す。Q産生に関与することが公知の酵素を、各段階で必要な補因子(括弧内)と共に示す。対応する特異的酵素が依然として同定されないままである転換物を疑問符で示す。 B.subtilis queCDEF mRNAの5’UTRは、preQに応答して構造調整を受ける。(a)preQ生合成遺伝子に関連した各保存ドメイン型に対応する一次および二次構造のコンセンサスモデル(配列番号43、44、および45)。灰色および黒色のヌクレオチドは、図1中に示す例的配列の間でそれぞれ95%以上および80%以上保存されている。ヌクレオチド数がわずかに変化し得る保存性のより低い領域を、円または太線で示す。保存性のより低い位置(ステムエレメントと推定)を灰色で示す。RはAまたはGを示し、YはCまたはUを示す。(b)106 queC(予想されるアプタマーおよびターミネーター構造を含むB.subtilis queC 5’UTRの一部)の配列および二次構造モデル(配列番号45)。preQの存在に応答するかpreQの存在と無関係の自発的RNA切断部位をモデル上に重ねており、自発的RNA切断部位は、cの構造探索分析に由来するものである。ヌクレオチド106とAUG開始コドンとの間に106個のヌクレオチドが存在する。矢じり形(arrowhead)は、cで認められる最短の5’32P標識フラグメントに対応する切断部位を示す。5’末端グアノシル残基は非天然であり、T7 RNAポリメラーゼを使用してin vitroでの転写を容易にするために導入した。配列番号45のヌクレオチド16〜27、31〜38、57、58、67、77〜81、83、および93〜95について一定の切断が認められた。配列番号45のヌクレオチド50〜53、59、60、70、71、および74〜76について切断の減少が認められた。配列番号45のヌクレオチド55および56に切断の増加が認められた。(c)106 queC RNAのインライン探索分析により、preQの存在下で誘導される鎖切断の増加および減少部位が明らかとなる(矢じり形)。1μMまたは10μM preQの非存在下(−)または存在下でのインキュベーション由来の自発的RNA切断産物を、変性10%PAGEによって分離した。(NR)反応なし;(T1)RNアーゼT1での部分消化物;(OH)アルカリ部分消化物;(Pre)前駆体RNA。T1レーン中の選択されたバンドを、3’末端グアノシル残基の位置にしたがって示す。 図4は、B.subtilis queC 5’UTR由来のpreQ結合RNAによる分子識別を示す。(a)106queCと比較して系統発生的に保存された配列および構造エレメントのみを含むように短縮された52 queC RNA構築物の二次構造モデル(配列番号46)。2つの5’末端グアノシンヌクレオチドは、T7 RNAポリメラーゼを使用してin vitroでの転写を容易にするために導入された非天然残基である。(b)preQおよびpreQの化学構造ならびに52queCを使用して得たそれぞれの見かけのK値。影付きの領域は、preQと比較した化学構造の相違するところを示す。preQ構造上の選択した環原子に番号を付けている。(c)preQ関連化合物の化学構造。対応する見かけのK値は52queCを使用して得、2,6−ジアミノプリンおよびアデニンの場合はより長い構築物80queCを使用した(図6aを参照のこと)。白抜きの円は、表示よりも高い可能性が高い見かけのKを示す(300μMを超える濃度は、本分析において日常的に試験しなかった)。(d)平衡透析実験で使用した装置は、5000ダルトンの分子量カットオフ(MWCO)を有する透過性膜によって分けられる2つのチャンバを含んでいた。H−グアニンおよび106queC RNAの各チャンバへの添加(上)により、RNAチャンバ中のその保持によって標識グアニン分布がシフトする(右下)。対照的に、リガンド結合RNAが存在しないか、非標識競合リガンドが過剰に存在する場合に、2つのチャンバ間のH−グアニンの均一な分布(左下)が予想される。(e)一定の関連するプリンは、モル過剰で添加した場合、106queC RNA結合に関しH−グアニンと競合する。RNAチャンバ内におけるH−グアニン隔離量を、この区画に分配する総添加トリチウムに対する割合として示す。したがって、106queC RNAの非存在下または過剰な非標識競合物の存在下で起こるように、H−グアニンが2チャンバ間に等しく分布している場合、0.5という値が予想される。逆に、非標識競合物の非存在下での平衡透析またはアッセイ条件下(100nM H−グアニン、20μM RNA、60μM非標識アナログ)で競合物として機能しない非標識プリンの存在下での平衡透析から得られるように、RNAチャンバ中でH−グアニンが保持される場合、1.0に近ずく値が予想される。G、グアニン;preQ、7−アミノメチル−7−デアザグアニン;A、アデニン;7dG、7−デアザグアニン。 図5は、preQの結合に必要な最小のアプタマー配列の決定を示す。(a)P0ステム−ループが欠失した36queC構築物の二次構造モデル(配列番号47)。円で囲んだヌクレオチドは、36queCおよび長さが順次より短くなった2つの派生的欠失構築物の3’末端を示す。輪郭で示した残基は、その後のパネルで分析したリガンド誘導構造調整部位を示す。(b)インライン探索分析により、36queCの3’末端付近の保存配列がpreQ誘導構造調整に必要であることが明らかとなる。構築物を、10μM preQの非存在下(−)または存在下(+)でインキュベートした。他の詳細および注釈を、図3cの説明文に記載する。(c)漸増濃度のpreQの存在下での36queC RNAのインキュベーションにより、部位1における自発的切断レベルが減少し、部位2における自発的切断レベルが増加する。(d)preQ濃度との関係において部位1および部位2において切断されたRNA(c中)の正規化した比を示すグラフ。 図6は、preQとアプタマーの保存シチジル残基との間のワトソン−クリック対合相互作用の証明を示す。(a)80queCおよび2つの変異体M1およびM2 の二次構造モデル(配列番号48)。2つの5’末端グアノシンヌクレオチドは非天然であり、in vitroでの転写を容易にするために導入した。(b)80queC RNA(WT)、M1およびM2のインライン探索分析。各構築物を、エフェクターの非存在下(−)およびそれぞれ1μM preQ(Q1)、200μMグアニン(G)、200μM 2,6−ジアミノプリン(D)、および200μMアデニン(A)と共にインキュベートした。他の詳細および注釈を、図3cの説明文に記載する。(c)80queCリガンド選択性の推定決定要因としてのpreQのC34とのワトソン−クリック塩基対合。野生型80queCのC34とpreQとの間(影付きのバックグラウンド)またはM1構築物のU34と各プリン化合物(b中で試験した)との間の提示した塩基対合相互作用を示す。 図7は、in vivoでの遺伝子調節に及ぼす改変preQリボスイッチの影響を示す。(a)レポーター遺伝子発現分アッセイで使用したpreQリボスイッチ構築物に対応する配列(配列番号49)。(b)B.subtilis queC由来の野生型リボスイッチおよび変異誘導体M3〜M9によるβ−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子発現の調節。エラーバーは、3つの独立した分析の標準偏差である。 図8は、preQリボスイッチの位置および関連遺伝子を示す。GenBankのレコードアクセッション番号およびヌクレオチドの位置は配列アラインメント中の各リボスイッチエレメントとして示す(図1)。各リボスイッチエレメントの下流の予想される遺伝子またはオペロンを、遺伝子座タグによって示し、一般的タンパク質機能のCOGデータベースの割り当ても示す。preQレギュロン中のほとんどの遺伝子に対応する正確な分子機能は、現在知られていない。queCDEFオペロンの遺伝子は、Q生合成に関与しているが(Reader 2004;Gaur 2005;Van Lanen 2005)、QueFによって触媒される特異的な化学的工程が実験的に決定されている(Van Lanen 2005)。
発明の詳細な説明
以下の特定の実施形態の詳細な記載およびそこに含まれる実施例、ならびに添付の図面および前および後の記載を参照して、開示の方法および組成物をより容易に理解することができる。
伝令RNAは、典型的には、タンパク質または小さなRNA調節因子によって、および翻訳過程の間のリボゾームによって作用する遺伝子情報の受動的キャリアと考えられている。一定のmRNAが天然のアプタマードメインを保有し、これらのRNAドメインへの特異的代謝産物の直接結合によって遺伝子発現が調整されることが発見された。天然リボスイッチは、典型的には天然RNAと関連しない2つの驚くべき機能を示す。第1に、mRNAエレメントは異なる構造状態を採用することができ、一方の構造は、その標的代謝産物の正確な結合ポケットとしての機能を果たす。第2に、構造状態間の代謝産物誘導性アロステリック相互交換により、いくつかの異なる機構のうちの1つによって遺伝子発現レベルが変化する。リボスイッチを、典型的には、以下の2つの個別のドメインに分けることができる:1つは標的に選択的に結合するドメイン(アプタマードメイン)および他方は遺伝子調節に影響を及ぼすドメイン(発現プラットフォーム)。これらの2ドメイン間の動的相互作用により遺伝子発現が代謝産物依存性にアロステリック調節される。
異なるクラスのリボスイッチが同定されており、活性化化合物(本明細書中でトリガー分子と呼ぶ)を選択的に認識することが示されている。例えば、補酵素B12、グリシン、チアミンピロリン酸(TPP)、およびフラビンモノヌクレオチド(FMN)は、これらの化合物の代謝経路または輸送経路における重要な酵素をコードする遺伝子中に存在するリボスイッチを活性化する。各リボスイッチクラスのアプタマードメインは、高度に保存されたコンセンサス配列および構造に適合する。したがって、配列相同性検索を使用して、関連するリボスイッチドメインを同定することができる。リボスイッチドメインは、細菌、古細菌、および真核生物由来の種々の生物で発見されている。
A.リボスイッチRNAの一般的構成
細菌リボスイッチRNAは、特定のmRNAの主なコード領域の5’非翻訳領域(5’−UTR)内に主に存在する遺伝子調節エレメントである。構造探索研究(以下でさらに考察)により、リボスイッチエレメントは一般に以下の2つのドメインから構成されることが明らかである:リガンド結合ドメインとしての機能を果たす天然のアプタマー(T.Hermann,D.J.Patel,Science 2000,287,820;L.Gold,et al.,Annual Review of Biochemistry 1995,64,763)および遺伝子発現に関与するRNAエレメント(例えば、シャイン−ダルガルノ(SD)エレメント;転写終結ステム)を妨害する「発現プラットフォーム」である。in vitroで合成したアプタマードメインが発現プラットフォームの非存在下で適切なリガンドに結合するという観察から、これらの結論を導いている(米国特許出願公開第2005−0053951号の実施例2、3、および6を参照のこと)。さらに、構造探索調査により、ほとんどのリボスイッチのアプタマードメインが個別に試験した場合に特定の二次構造および三次構造の折り畳みを採用し、全5’リーダーRNAの関係において試験した場合にアプタマー構造と本質的に同一であることが示唆される。これは、多くの場合、アプタマードメインが発現プラットフォームと無関係に折り畳まれるモジュラー単位であることを示す(米国特許出願公開第2005−0053951号の実施例2、3、および6を参照のこと)。
最終的に、アプタマードメインのリガンド結合状態または非結合状態は発現プラットフォームを介して解釈され、それは遺伝子発現の際に影響を及ぼす。モジュラーエレメントとしてのリボスイッチの投影は、アプタマードメインが種々の生物の間(およびTPPリボスイッチについて認められるように、界の間でさえも)で高度に保存されるのに対して(N.Sudarsan,et al.,RNA 2003,9,644)、発現プラットフォームは、付加された読み取り枠(open reading flame)の発現が調節される配列、構造、および機構で変化するという事実によってさらに支持される。例えば、B.subtilisのtenA mRNAのTPPリボスイッチへのリガンド結合によって転写が終結する(A.S.Mironov,et al., Cell 2002,111,747)。この発現プラットフォームは、E.coli由来のthiM mRNA中のTPPリボスイッチの発現プラットフォームと比較して配列および構造が異なり、TPP結合はSD遮断機構によって翻訳を阻害する(米国特許出願公開第2005−0053951号の実施例2を参照のこと)。TPPアプタマードメインは容易に認識可能であり、これらの2つの転写単位の間で機能的特徴がほぼ同一であるが、これらを実施する遺伝子調節機構および発現プラットフォームは非常に異なる。
リボスイッチRNAのアプタマードメインは、典型的には、約70〜170nt長の範囲である(米国特許出願公開第2005−0053951号の図11)。in vitro進化実験でかなりより短く構造が複雑である多種多様な小分子結合アプタマーが同定されたことを考慮すると、この観察はいくらか予想外であった(T.Hermann,D.J.Patel,Science 2000,287,820;L.Gold,et al.,Annual Review of Biochemistry 1995,64,763;M.Famulok,Current Opinion in Structural Biology 1999,9,324)。人工アプタマーと比較した天然アプタマー配列の複雑さおよび情報量の実質的増加についての理由が依然として証明されていないにもかかわらず、この複雑さは、高い親和性および選択性で機能するRNA受容体を形成するのに必要であるとみられる。リガンド−リボスイッチ複合体の見かけ上のK値は、低ナノモル(nanomolar)から低マイクロモル(micromolar)までの範囲である。いくつかのアプタマードメインは、追加発現プラットフォームから単離した場合、インタクトなリボスイッチよりも改良された標的リガンドに対する親和性を示す(約10〜100倍)ことも注目に値する(米国特許出願公開第2005−0053951号の実施例2を参照のこと)。おそらく、完全にインタクトなリボスイッチRNAによって必要とされる複数の異なるRNA高次構造のサンプリングにはエネルギーコストがかかり、リガンド親和性の喪失が反映される。アプタマードメインは分子スイッチとしての機能を果たさなければならないので、これは、天然のアプタマーに対する機能的要求を付加することもでき、この付加は、そのより精巧な構造を合理化するのに役立ち得る。
B.preQリボスイッチ
リボスイッチについてのバイオインフォマティクスベースの研究により、真正細菌中のいくつかの候補モチーフが得られた。これらのモチーフのうちの1つは、一般に、キューオシン(Q)(一定のtRNAのアンチコドンゆらぎ位置を占める高改変ヌクレオシド)の生合成に関与する遺伝子の5’非翻訳領域中に存在する。この構造化RNAが7−アミノメチル−7−デアザグアニン(preQ)(Q生合成の中間体)に選択的なリボスイッチの一部であることを本明細書中に示す。他の天然代謝産物結合RNAと比較して、preQアプタマーは、わずか34ヌクレオチドから共に形成される1つのステム−ループおよび短いテール配列からなる簡単な構造を有するものとして現れる。その小さなサイズにもかかわらず、このアプタマーは、in vitroでその同族リガンドに高い選択性を示し、低ナノモル(low nanomolar)範囲でpreQに親和性を示す。したがって、比較的小型のRNA構造は、遺伝子発現を調節するための代謝産物受容体として有効に機能を果たすことができる。
典型的には、特定のリボスイッチ候補の小分子標的の同一性を、その関連遺伝子の注釈付き機能から推測した。しかし、候補が未知の機能の遺伝子に関連する場合、推定リガンドの評価は容易ではない。この課題を例示する1つの候補(ykvJ)を、91種の微生物ゲノム由来の非コード領域のバイオインフォマティクス調査で同定した(Barrick 2004)。このエレメントはいくつかのFirmicute種で発見され、最も一般的には、B.subtilis ykvJKLMオペロンのホモログに関連し、そのタンパク質産物は特徴づけられなかった。さらに、ykvJモチーフの保存された一次および二次構造の特徴はヌクレオチドの異常に短いスパンに制限される一方で、既知のリボスイッチはより広い配列保存およびより精巧な構造を示す。
その後、ykvJKLMオペロンに例される遺伝子ファミリーは、Q(真核生物および細菌中で見出され、Asn、Asp、His、およびTyrに特異的なtRNAのアンチコドンゆらぎ位置を占める高改変ヌクレオチド(Harada 1972))の生合成に関与することが示された(Reader 2004)。このオペロン中の一定の遺伝子(queC,−D,−E,および−Fと改名されている)は、Q前駆体preQの産生に特異的に関与する(Van Lanen 2005;Gaur 2005)。次いで、細菌では、preQはtRNA−グアニントランスグリコシラーゼ(TGT)(Okada 1979)によって適切なtRNAに輸送され、in situでさらに改変されて、Q(Reuter 1991)またはアミノアシル化誘導体(Salazar 2004;Blaise 2004)が得られる。queCDEFオペロンの機能を考慮すると、preQまたは関連中間体は、ykvJ(以後queCと呼ぶ)リボスイッチ候補の潜在的リガンドと見なされた。
B.subtilis queCDEFオペロンの5’UTRがin vitroでpreQに選択的に結合し、in vivoでレポーター遺伝子の発現を調節することを本明細書中(実施例1)で証明する。他の天然リボスイッチアプタマーと比較してのその異常に小さなサイズにもかかわらず、queCリボスイッチのリガンド結合ドメインはナノモル範囲のpreQに対する解離定数(K)を示す。また、微生物ゲノムデータベースの検索により、queCモチーフの多数のさらなる例が見出され、これらの例は、この重要な改変核酸塩基の細胞内濃度に応答してその発現を調整することができる広範囲に及ぶレギュロンを定義する。
C.細菌における転写終結のリボスイッチ調節
細菌は、主に、2つの転写終結方法を使用する。一定の遺伝子は、Rhoタンパク質に依存する終結シグナルを組み込む一方で(J.P.Richardson,Biochimica et Biophysica Acta 2002,1577,251)、他の遺伝子は転写延長複合体を脱安定化するためのRho非依存性ターミネーター(内因性ターミネーター)を使用する(I.Gusarov,E.Nudler,Molecular Cell 1999,3,495;E.Nudler,M.E.Gottesman,Genes to Cells 2002,7,755)。後者のRNAエレメントは、GCリッチなステム−ループ、その後の6〜9個のウリジル残基のストレッチから構成される。内因性ターミネーターは、細菌ゲノム全体に広く存在しており(F.Lillo,et al.,2002,18,971)、典型的には、遺伝子またはオペロンの3’末端に存在する。興味深いことに、5’−UTR内に存在する内因性ターミネーターについて多数の例が認められている。
細菌によって使用される広範な種々の遺伝子調節ストラテジーのうち、RNAポリメラーゼが調節様式で5’−UTR内の終結シグナルに応答するクラスの例が多数存在する(T.M.Henkin,Current Opinion in Microbiology 2000,3,149)。一定の条件中に、RNAポリメラーゼ複合体は、外部シグナルによって終結シグナルを認識するか無視するように指示される。転写開始は調節なしで起こり得るにもかかわらず、mRNA合成に対する(および遺伝子発現の)調節は、内因性ターミネーターの調節によって最終的に指図される。推定上、少なくとも2つの相互に排他的なmRNA高次構造の1つにより、転写終結をシグナル伝達するRNA構造が形成または破壊される。トランス活性化因子(いくつかの例ではRNAであり(F.J.Grundy,et al.,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2002,99,11121;T.M.Henkin,C.Yanofsky,Bioessays 2002,24,700)、他の例ではタンパク質である(J.Stulke,Archives of Microbiology 2002,177,433))は、一般に、特定の細胞内シグナルの受容およびその後のRNA高次構造の1つの安定化に必要である。リボスイッチは、RNA構造の調整と代謝産物シグナル(遺伝子調節機構によって読みとられる)との間を直接結びつける。
ほとんどの臨床抗菌化合物は、たった4つの細胞過程の1つを標的とする(Wolfson 2006)。細菌は、これらの過程を保護するための十分に発達した耐性機構を有するので(D’Costa 2006)、薬物介入に脆弱な新規の標的を発見することが有用である。脆弱な過程の1つの型は、リボスイッチによる遺伝子発現の調節である(Winkler 2005)。一定の細菌mRNAの5’−UTR中に典型的に見出されるので、各公知のリボスイッチクラスのメンバーは、特異的な基本的代謝産物に結合するように進化した構造化された受容体(または「アプタマー」)(Mandal 2004)を形成する。ほとんどの場合、リガンド結合は、結合した代謝産物の合成または輸送に関与する遺伝子または遺伝子群の発現を調節する。リボスイッチによって調節される生化学経路がしばしば細菌生存に不可欠であるので、リボスイッチターゲティングによるこれらの経路の抑制は致命的であり得る。
いくつかの抗菌代謝産物アナログは、リボスイッチのターゲティングによって機能する(Sudarsan 2003;Sudarsan 2005;Woolley 1943)。例えば、抗菌チアミンアナログであるピリチアミン(Woolley 1943)は、チアミンピロリン酸結合リボスイッチのターゲティングによって機能する可能性が最も高い(Sudarsan 2005)。同様に、抗菌リジンアナログであるL−アミノエチルシステイン(Shiota 1958)(AEC、図1b)は、B.subtilis由来のlysCリボスイッチに結合し、lysC調節レポーター遺伝子の発現を抑制する(Sudarsan 2006)。さらに、lysCリボスイッチは、B.subtilis株(Lu 1991)およびEscherichia coli(Patte 1998)株で変異しAEC耐性を示す。
他で特定しない限り、開示の方法および組成物は、特定の合成方法、特定の分析技術、または特定の試薬に制限されず、それ自体、変化することができると理解するべきである。本明細書中で使用した専門用語は特定の実施形態のみを記載することを目的とし、制限することを意図しないとも理解するべきである。
材料
開示の方法および組成物のために使用することができるか、これらと併せて使用することができるか、これらの調製で使用することができるか、または、これらの生成物である、材料、組成物、および成分を開示する。これらおよび他の材料を本明細書中に開示し、特にこれらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などを開示する場合、これらの化合物の種々の個々および集合的組み合わせおよび順列(permutation)のそれぞれに関する特別な言及は明確に開示できず、それぞれ、本明細書中で具体的に意図および記載されると理解される。例えば、リボスイッチまたはアプタマードメインを開示および考察し、多数の分子(リボスイッチまたはアプタマードメインが含まれる)に作製することができる多数の改変物を考察する場合、それとは反対であると具体的に示されない限り、リボスイッチまたはアプタマードメインおよび可能な改変物の各々および全ての組み合わせおよび順列を特に意図する。したがって、分子A、B、およびCのクラスを開示し、ならびに分子D、E、およびFのクラス、および組み合わせ分子の例(A−D)も開示する場合、各々を個別に引用しない場合でさえも、各々を個別または集合的に意図する。したがって、この例では、A−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、およびC−Fの各組み合わせを特に意図し、A、B、およびC;D、E、およびF;ならびに組み合わせ例A−Dの開示から開示されると見なすべきである。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも特に意図および開示される。したがって、例えば、A−E、B−F、およびC−Eの下位集団(sub−group)を特に意図し、A、B、およびC;D、E、およびF;および組み合わせ例A−Dの開示から開示されると見なすべきである。この概念を、本出願の全局面(開示の組成物を作製および使用する方法における工程が含まれるが、これらに限定されない)に適用する。したがって、実施することができる種々のさらなる工程が存在する場合、これらのさらなる工程の各々を開示の方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせを使用して実施することができ、それぞれのかかる組み合わせが特に意図され、開示されると見なすべきであると理解される。
A.リボスイッチ
リボスイッチは、発現するRNA分子の一部であり、トリガー分子によって結合した場合に状態が変化する発現調節エレメントである。リボスイッチを、典型的には、以下の2つの個別のドメインに分けることができる:1つは標的に選択的に結合するドメイン(アプタマードメイン)および他は遺伝子調節に影響を及ぼすドメイン(発現プラットフォームドメイン)である。遺伝子発現が代謝産物依存性にアロステリック調節されるこれらの2ドメイン間の動的相互作用がもたらされる。単離および組換えリボスイッチ、かかるリボスイッチを含む組換え構築物、かかるリボスイッチに作動可能に連結された非相同配列、かかるリボスイッチを保有する細胞およびトランスジェニック生物、リボスイッチ組換え構築物、ならびに非相同配列に作動可能に連結されたリボスイッチを開示する。非相同配列は、例えば、目的のタンパク質またはペプチド(レポータータンパク質またはペプチドが含まれる)をコードする配列であり得る。好ましいリボスイッチは、天然に存在するリボスイッチ(天然に存在するpreQリボスイッチなど)であるか、天然に存在するリボスイッチに由来する。リボスイッチは、人工アプタマーを含むか、任意選択的に排除することができる。例えば、人工アプタマーには、in vitro進化および/またはin vitro選択を介してデザインまたは選択されるアプタマーが含まれる。リボスイッチは、天然に存在するリボスイッチのコンセンサス配列(preQリボスイッチのコンセンサス配列など)を含むことができる。preQリボスイッチのコンセンサス配列を、図1および図3aに示す。
天然に存在するpreQ応答性リボスイッチの非天然誘導体であるリボスイッチを開示する。開示のリボスイッチ(その誘導体および組換え形態が含まれる)は、一般に、任意の供給源(天然に存在するリボスイッチおよびde novoでデザインしたリボスイッチが含まれる)に由来し得る。任意のかかるリボスイッチは、開示の方法で使用するか開示の方法と共に使用することができる。しかし、異なるリボスイッチ型を定義することができ、いくつかのかかるサブタイプは、特定の方法で有用であるか、特定の方法と共に有用であり得る(一般に、本明細書中の他所に記載)。リボスイッチ型には、例えば、天然に存在するリボスイッチ、天然に存在するリボスイッチの誘導体および改変形態、キメラリボスイッチ、および組換えリボスイッチが含まれる。天然に存在するリボスイッチは、天然で見出されるリボスイッチの配列を有するリボスイッチである。かかる天然に存在するリボスイッチは、天然で起こる天然に存在するリボスイッチの単離形態または組換え形態であり得る。すなわち、リボスイッチは、同一の一次構造を有するが、新規の遺伝子または核酸状況で単離または操作されている。キメラリボスイッチを、例えば、任意のリボスイッチのまたは特定のクラスもしくは型のリボスイッチのリボスイッチの一部および同一のリボスイッチのまたは任意の異なるクラスもしくは型のリボスイッチの異なるリボスイッチの一部;任意のリボスイッチのまたは特定のクラスもしくは型のリボスイッチのリボスイッチの一部および任意の非リボスイッチ配列または成分で構成することができる。組換えリボスイッチは、新規の遺伝子または核酸状況で単離または操作されているリボスイッチである。
リボスイッチは、1つまたは複数のアプタマードメインを有することができる。複数のアプタマードメインを有するリボスイッチ中のアプタマードメインは、トリガー分子の協同的結合を示すことができるか、トリガー分子の協同的結合を示すことができない(すなわち、アプタマーは協同的結合を示す必要がない)。後者の場合、アプタマードメインは、非依存性結合剤であるということができる。複数のアプタマーを有するリボスイッチは、1つまたは複数の発現プラットフォームドメインを有することができる。例えば、トリガー分子の協同的結合を示す2つのアプタマードメインを有するリボスイッチを、両方のアプタマードメインによって調節される1つの発現プラットフォームドメインに連結することができる。複数のアプタマーを有するリボスイッチは、リンカーを介して結合した1つまたは複数のアプタマーを有することができる。かかるアプタマーがトリガー分子の協同的結合を示す場合、リンカーは協同的リンカーであり得る。
xとx−1との間のヒル係数nを有する場合(xは、協同的結合について分析されるアプタマードメイン数(またはアプタマードメイン上の結合部位数)である)、アプタマードメインは協同的結合を示すということができる。したがって、例えば、リボスイッチが2と1との間のヒル係数を有する場合、2つのアプタマードメインを有するリボスイッチ(グリシン応答性リボスイッチなど)は協同的結合を示すということができる。使用した値xが協同的結合について分析したアプタマードメイン数(必ずしもリボスイッチ中のアプタマードメインの存在数ではない)に依存すると理解すべきである。一部のみしか協同的結合を示さない場合にリボスイッチが複数のアプタマードメインを有することができるので、これは理解される。
非相同アプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインを含むキメラリボスイッチを開示する。すなわち、キメラリボスイッチは、ある供給源由来のアプタマードメインおよび別の供給源由来の発現プラットフォームドメインから構成される。非相同供給源は、例えば、異なる特異的リボスイッチ、異なるリボスイッチ型、または異なるリボスイッチクラスに由来し得る。非相同アプタマーは、非リボスイッチアプタマーにも由来し得る。非相同発現プラットフォームドメインは、非リボスイッチ供給源にも由来し得る。
改変リボスイッチまたは誘導体リボスイッチを、in vitro選択および進化技術を使用して産生することができる。一般に、リボスイッチに適用されるin vitro進化技術は、リボスイッチ配列の一部が変化している一方で、リボスイッチの他の部分が一定に保持されている改変(variant)リボスイッチ組の産生を含む。次いで、改変リボスイッチ組の活性化、非活性化、または遮断(または他の機能的もしくは構造的基準)を評価することができ、目的の基準を満たす改変リボスイッチを使用またはさらなる進化ラウンドのために選択する。改変体生成に有用な基盤リボスイッチは、本明細書中に開示の特異的およびコンセンサスリボスイッチである。コンセンサスリボスイッチを使用して、どのリボスイッチ部分がin vitro選択および進化のために変化するかについての情報を提供することができる。
調節が変化した改変リボスイッチも開示する。リボスイッチの調節を、リボスイッチ(キメラリボスイッチである)の発現プラットフォームドメインへのアプタマードメインの作動可能な連結によって変化させることができる。次いで、アプタマードメインは、例えば、アプタマードメインのためのトリガー分子の作用によってリボスイッチの調節を媒介することができる。アプタマードメインを、任意の適切な様式で(例えば、リボスイッチの通常または天然のアプタマードメインの新規のアプタマードメインとの置換によるものが含まれる)、リボスイッチの発現プラットフォームドメインに作動可能に連結することができる。一般に、アプタマードメインが由来するリボスイッチを活性化、誘導体化、または遮断することができる任意の化合物または条件を使用して、キメラリボスイッチを活性化、誘導体化、または遮断することができる。
不活化リボスイッチも開示する。リボスイッチの共有結合の変化(例えば、リボスイッチの一部の架橋または化合物のリボスイッチへのカップリング)によってリボスイッチを不活化することができる。この様式でのリボスイッチの不活化は、例えば、リボスイッチに対しトリガー分子の結合を防止するか、トリガー分子の結合の際にリボスイッチの状態の変化を防止するか、リボスイッチの発現プラットフォームドメインがトリガー分子の結合の際に発現に影響を及ぼすのを防止する変化に起因し得る。
バイオセンサーリボスイッチも開示する。バイオセンサーリボスイッチは、その同系のトリガー分子の存在下で検出可能なシグナルを産生する操作リボスイッチである。有用なバイオセンサーリボスイッチを、閾値レベルまたは閾値レベルを超えるトリガー分子で誘発することができる。バイオセンサーリボスイッチを、in vivoまたはin vitroでの使用のためにデザインすることができる。例えば、シグナルとしての機能を果たすかシグナル産生に関与するタンパク質をコードするレポーターRNAに作動可能に連結されたバイオセンサーリボスイッチを、細胞または生物にリボスイッチ/レポーターRNAをコードする核酸構築物を保有させるように操作することによってin vivoで使用することができる。in vitroで使用するバイオセンサーリボスイッチの例は、高次構造依存性標識(リボスイッチの活性化状態に応じて変化するシグナル)を含むリボスイッチである。かかるバイオセンサーリボスイッチは、好ましくは、天然に存在するリボスイッチからの或いはそれに由来するアプタマードメインを使用する。バイオセンサーリボスイッチを、種々の状況およびプラットフォームで使用することができる。例えば、バイオセンサーリボスイッチを、固体支持体(プレート、チップ、ストリップ、およびウェルなど)と共に使用することができる。
新規のトリガー分子を認識する改変リボスイッチまたは誘導体リボスイッチも開示する。新規のトリガー分子を認識する新規のリボスイッチおよび/または新規のアプタマーを、公知のリボスイッチのために選択するか、公知のリボスイッチからデザインするか、公知のリボスイッチから誘導することができる。例えば、リボスイッチ中のアプタマー改変体組を産生する工程、目的の化合物の存在下での改変リボスイッチの活性化を評価する工程、活性化された改変リボスイッチ(または、例えば、最高にまたは最も選択的に活性化されたリボスイッチ)の選択、および所望の活性、特異性、活性と特異性との組み合わせ、または特性の他の組み合わせの改変リボスイッチが得られるまでこれらの工程を繰り返すことによってこれを行うことができる。
一般に、発現プラットフォームドメイン中の調節された鎖をアプタマードメインの調節鎖に相補的であるようにデザインまたは適合させることによって、任意のアプタマードメインを任意の発現プラットフォームドメインと共に使用するために適合させることができる。あるいは、調節鎖が発現プラットフォーム中の機能的に重要な配列に相補的であるように、アプタマーの配列およびアプタマードメインの調節鎖を適合させることができる。例えば、調節鎖とシャインーダルカルノ配列との間のステム構造の形成の際に、SD配列がリボソームに利用不可能になり、それにより、翻訳開始が減少または防止されるように、調節鎖をRNAのSD配列に相補的であるように適応させることができる。アプタマー鎖がアプタマードメイン中のP1ステムを形成可能なように配列内に対応する変化を有することに留意のこと。協同的結合を示す複数のアプタマーを有するリボスイッチの場合、活性化アプタマー(発現プラットフォームドメインと相互作用するアプタマー)のP1ステムの1つは、SD配列とステム構造を形成するようにデザインされる必要がある。
別の例として、転写ターミネーターを、RNA分子(RNAの非翻訳領域が最も都合が良い)に付加することができる。ここで、転写ターミネーター配列の一部は、アプタマードメインの調節鎖に相補的である(その配列は調節された鎖である)。これにより、アプタマードメインの調節配列は、アプタマー鎖および調節された鎖と別のステム構造を形成することが可能であり、それにより、リボスイッチの活性化または非活性化の際に転写ターミネーターステムが形成されるか破壊される。任意の他の発現エレメントを、別のステム構造の類似のデザインによってリボスイッチの調節下におくことができる。
リボスイッチによって調節される転写ターミネーターについて、リボスイッチおよび発現プラットフォームエレメントの転写およびスペーシングの速度は、適切な調節に重要であり得る。転写速度を、例えば、ポリメラーゼ休止エレメント(polymerase pausing element)(例えば、一連のウリジン残基)を含めて転写を休止させ、リボスイッチがトリガー分子の形成および感知を可能とすることによって調整することができる。
コード領域に作動可能に連結されたpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする核酸分子を含む調節可能な遺伝子発現構築物であって、リボスイッチがRNAの発現を調節し、リボスイッチおよびコード領域が非相同である、構築物を開示する。リボスイッチはアプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインを含むことができ、アプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインは非相同である。リボスイッチは2つ以上のアプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインを含むことができ、アプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインの少なくとも1つは非相同である。少なくとも2つのアプタマードメインは協同的結合を示すことができる。
非相同リボスイッチおよびコード領域を含むRNA分子を開示する。すなわち、かかるRNA分子は、ある供給源由来のリボスイッチおよび別の供給源由来のコード領域から構成される。非相同供給源は、例えば、異なるRNA分子、異なる転写物、異なる遺伝子由来のRNAまたは転写物、異なる細胞由来のRNAまたは転写物、異なる生物由来のRNAまたは転写物、異なる種由来のRNAまたは転写物、天然の配列および人工または操作された配列、特異的リボスイッチ、異なるリボスイッチ型、または異なるリボスイッチクラスに由来し得る。
本明細書中に開示する場合、用語「コード領域」は、アミノ酸をコードする核酸の任意の領域をいう。これは、コドンまたはコドンのテンプレートを含む核酸鎖および二本鎖核酸分子の場合のかかる核酸鎖の相補物の両方を含むことができる。コード領域でない核酸領域を、非コード領域ということができる。転写される伝令RNA分子は、典型的には、5’末端および3’末端の両方に非コード領域を含む。真核生物mRNA分子は、イントロンなどの内部非コード領域も含むことができる。いくつかのRNA分子型は、tRNA分子およびrRNA分子などの機能的コード領域を含まない。非コードRNA分子と呼ぶことができる機能的コード領域を含まないRNA分子の発現を、開示のリボスイッチによって調節または影響を及ぼすこともできる。したがって、開示のリボスイッチを、コード領域へのリボスイッチの作動可能な連結について本明細書中に開示の任意の様式で非コードRNA分子に作動可能に連結することができる。コード領域に作動可能に連結されたリボスイッチを含むRNAの調節について本明細書中に開示のように、リボスイッチはかかるRNAの発現を調節することができる。任意の核酸分子の機能を、開示のリボスイッチによって調節または影響を及ぼすこともできる。例には、RNA、DNA、人工核酸(ペプチド核酸(PNA)、モルホリノおよびロックド核酸(LNA)、ならびにグリコール核酸(GNA)およびトレオース核酸(TNA)が含まれる)が含まれるが、これらに限定されない。開示の方法では、リボスイッチは、例えば、コード領域の発現、コードされたタンパク質の発現、非コードRNA分子の発現、RNAまたはコード領域の転写、またはコードされたタンパク質の翻訳を調節することができる。
1.アプタマードメイン
アプタマーは、特定の化合物および化合物クラスに選択的に結合することができる核酸セグメントおよび構造である。リボスイッチは、トリガー分子の結合の際にリボスイッチの状態または構造が変化するアプタマードメインを有する。機能的リボスイッチでは、アプタマードメインに連結した発現プラットフォームドメインの状態または構造は、トリガー分子がアプタマードメインに結合した場合に変化する。リボスイッチのアプタマードメインは、任意の供給源(例えば、天然リボスイッチのアプタマードメイン、人工アプタマー、操作された、選択された、進化した、または誘導されたアプタマーまたはアプタマードメインが含まれる)に由来し得る。リボスイッチ中のアプタマーは、一般に、ステム構造の形成などによって連結した発現プラットフォームドメイン部分と相互作用することができる少なくとも1つの部分を有する。このステム構造は、トリガー分子の結合の際に形成されるか破壊されるかのいずれかである。
種々の天然リボスイッチのコンセンサスアプタマードメインを、米国特許出願公開第2005−0053951号の図11および本明細書中の他所に示す。preQリボスイッチのコンセンサス配列および構造を図3に見出すことができる。これらのアプタマードメイン(本明細書中に具体化された全てのダイレクト改変体(direct variant)が含まれる)を、リボスイッチ中で使用することができる。コンセンサス配列および構造は、配列および構造の変形を示す。示した変形内のアプタマードメインを本明細書中でダイレクト改変体という。これらのアプタマードメインを、改変(modified)または改変(variant)アプタマードメインが産生されるように改変することができる。保存的改変には、対の中のヌクレオチドが相補性を維持するような塩基対合ヌクレオチドの任意の変化が含まれる。中等度の改変には、示した長さ範囲の20%以下のまたは等しい(長さまたは長さの範囲を示す)ステムまたはループの長さの変化が含まれる。コンセンサス構造が特定の長さのステムまたはループを示す場合、または、長さの範囲が列挙または表示される場合、ループおよびステムの長さを、「示す」と見なす。中等度の改変には、示した長さ範囲の40%以下のまたは等しい(長さまたは長さの範囲を示さない)ステムまたはループの長さの変化が含まれる。中等度の改変には、アプタマードメインの非特定部分の機能的改変体も含まれる。
開示のリボスイッチのアプタマードメインを、任意の他の目的、および任意の他の状況のためにアプタマーとして使用することもできる。例えば、アプタマーを使用して、リボザイム、他の分子スイッチ、および構造の変化がRNAの機能に影響を及ぼし得る任意のRNA分子を調節することができる。
2.発現プラットフォームドメイン
発現プラットフォームドメインは、リボスイッチを含むRNA分子の発現に影響を及ぼすリボスイッチの一部である。発現プラットフォームドメインは、一般に、ステム構造の形成などによって連結したアプタマードメインの一部と相互作用することができる少なくとも1つの部分を有する。このステム構想は、トリガー分子の結合の際に形成されるか破壊されるかのいずれかである。ステム構造は、一般に、発現調節構造を形成するか、これの形成を防止するかのいずれかである。発現調節構造は、構造を含むRNA分子の発現を許容するか、防止するか、増強するか、阻害する構造である。例には、シャイン−ダルガルノ配列、開始コドン、転写ターミネーター、安定性シグナル、ならびにプロセシングシグナル(RNAスプライシングジャンクションおよび調節エレメントなど)が含まれる。
B.トリガー分子
トリガー分子は、リボスイッチを活性化することができる分子および化合物である。これには、リボスイッチの天然または通常のトリガー分子およびリボスイッチを活性化することができる他の化合物が含まれる。天然または通常のトリガー分子は、所与の天然のリボスイッチのためのトリガー分子であるかまたはいくつかの非天然リボスイッチの場合、リボスイッチがデザインされるためのトリガー分子か、それと共にリボスイッチが選択される(例えば、in vitro選択技術またはin vitro進化技術など)トリガー分子である。
C.化合物
リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することができる化合物およびかかる化合物を含む組成物も開示する。リボスイッチは、トリガー分子の結合または除去によって遺伝子発現を調節するように機能する。化合物を使用して、リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することができる。リボスイッチのトリガー分子(ならびに他の活性化化合物)を使用して、リボスイッチを活性化することができる。トリガー分子以外の化合物を使用して、一般に、リボスイッチを非活性化または遮断することができる。リボスイッチを、例えば、リボスイッチの存在からのトリガー分子の除去によって非活性化することもできる。リボスイッチを、例えば、リボスイッチを活性化しないトリガー分子のアナログの結合によって遮断することができる。
RNA分子がリボスイッチを含む、RNA分子またはRNA分子をコードする遺伝子の発現を変化させるための化合物も開示する。化合物のRNA分子との接触によってこれを行うことができる。リボスイッチは、トリガー分子の結合または除去によって遺伝子発現を調節するように機能する。したがって、リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する条件に応じたリボスイッチを含む目的のRNA分子を供して、RNAの発現を変化させるために使用することができる。例えば、転写の終結またはRNAへのリボゾーム結合遮断の結果として発現を変化させることができる。トリガー分子の結合は、リボスイッチの性質に応じて、RNA分子の発現を減少または防止することができるか、RNA分子の発現を促進または増加することができる。RNA分子またはRNA分子をコードする遺伝子の発現を調節するための化合物も開示する。リボスイッチの活性化、非活性化、または遮断によってリボスイッチを含む天然に存在する遺伝子またはRNAの発現を調節するための化合物も開示する。遺伝子がこの遺伝子を保有する細胞または生物の生存に不可欠である場合、リボスイッチの活性化、非活性化、または遮断により、細胞または生物が死滅、静止、または衰弱し得る。
リボスイッチの活性化、非活性化、または遮断によってリボスイッチを含む単離遺伝子、操作遺伝子、もしくは組換え遺伝子またはRNAの発現を調節するための化合物も開示する。遺伝子が所望の発現産物をコードする場合、リボスイッチの活性化および非活性化を使用して、遺伝子発現を誘導し、それにより、発現産物を産生させることができる。遺伝子が遺伝子発現のインデューサーまたはリプレッサーあるいは別の細胞過程のインデューサーまたはリプレッサーをコードする場合、リボスイッチの活性化、非活性化、またはブロッキングにより、他の調節された遺伝子または細胞過程を誘導、抑制、または脱抑制することができる。多数のかかる二次調節効果は公知であり、リボスイッチと共に使用するために適応させることができる。かかる調節(regulation)の一次調節(control)としてのリボスイッチの利点は、リボスイッチトリガー分子が小さな非抗原性分子であり得ることである。
リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する化合物を同定する方法も開示する。例えば、リボスイッチを活性化する化合物を、試験化合物とリボスイッチとの接触させる工程およびリボスイッチの活性化を評価する工程によって同定することができる。リボスイッチが活性化される場合、試験化合物を、リボスイッチを活性化する化合物と同定する。リボスイッチの活性化を、任意の適切な様式で評価することができる。例えば、リボスイッチをレポーターRNAに連結することができ、レポーターRNAの発現、発現レベル、または発現レベルの変化を、試験化合物の存在下および非存在下で測定することができる。別の例として、リボスイッチは、高次構造依存性標識(リボスイッチの活性化状態に応じて変化するシグナル)を含むことができる。かかるリボスイッチは、好ましくは、天然に存在するリボスイッチに由来するか、これから誘導するアプタマードメインを使用する。認められるように、調節アッセイまたは測定を使用するか調節アッセイまたは測定を使用しないで、リボスイッチの活性化を評価することができる。リボスイッチを非活性化する化合物の同定方法を、類似の方法で行うことができる。リボスイッチを遮断する化合物の同定を、任意の適切な様式で行うことができる。例えば、リボスイッチを活性化または非活性化することが公知の化合物の存在下および試験化合物の存在下でリボスイッチの活性化または非活性化を評価するためのアッセイを行うことができる。試験化合物の非存在下で観察されるように活性化または非活性化が認められない場合、試験化合物を、リボスイッチの活性化または非活性化を遮断する化合物と同定する。
preQリボスイッチと相互作用するアナログを本明細書中に開示する。具体的には、これらの化合物のさらに改変されたバージョンは、RNA構造中の他の官能基への新規の接触によってpreQリボスイッチへの改良された結合を有することができる。さらに、リボスイッチの構造モデルがこれらの部位で可能な多数の改変を示すので、生物学的利用能、毒性、および合成の容易さ(他の特徴のうち)の調整を、これらの2つの足場領域における改変によって調節可能とすることができる。
ハイスループットスクリーニングを使用して、標準的または非標準的な分子認識様式のいずれかを使用してリボスイッチRNAにも結合する全く新しい化学足場を完全に明らかにすることもできる。リボスイッチは、発見される天然代謝産物結合RNAの最初の主要な形態なので、ハイスループットスクリーニングのために適応させることができる結合アッセイを作製するための事前の努力はほとんど必要ない。複数の異なるアプローチを使用して、代謝産物結合RNAを検出することができ、このアプローチには、ゲルベースおよびチップベースの検出方法を使用したアロステリックリボザイムアッセイおよびインライン探索アッセイが含まれる。リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する化合物の同定および同定された化合物の製造によって作製された化合物も開示する。例えば、本明細書中の他所に開示の化合物同定方法と同定された化合物の製造方法との組み合わせにより、これを行うことができる。例えば、試験化合物とリボスイッチとの接触、リボスイッチの活性化の評価、および試験化合物によってリボスイッチが活性化された場合の化合物としてのリボスイッチを活性化する試験化合物の製造によって化合物を作製することができる。
化合物によるリボスイッチの活性化、非活性化、または遮断のチェックおよびチェックした化合物の製造によって作製された化合物も開示する。例えば、本明細書中の他所に開示の化合物の活性化、非活性化、または遮断評価方法とチェックした化合物の製造方法との組み合わせによってこれを行うことができる。例えば、試験化合物とリボスイッチとの接触、リボスイッチの活性化の評価、および試験化合物によってリボスイッチが活性化された場合の化合物としてのリボスイッチを活性化する試験化合物の製造によって化合物を作製することができる。化合物がリボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する能力についての化合物のチェックは、リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することを以前には知られていない化合物の同定および化合物がリボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することが既に知られていた場合のリボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する化合物の能力の評価の両方をいう。
本明細書中で使用する場合、用語「置換された」は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことが意図される。広範な態様では、許容される置換基には、非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、ならびに芳香族および非芳香族の有機化合物の置換基が含まれる。例示的な置換基には、例えば、下記の置換基が含まれる。許容される置換基は、適切な有機化合物と1つまたは複数が同一または異なり得る。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書中に記載の有機化合物の水素置換基および/または任意の許容される置換基を有することができる。本開示は、いかなる様式においても有機化合物の許容される置換基によって制限されることを意図しない。また、用語「置換」または「〜と置換された」には、かかる置換が置換された原子および置換基の許容される原子価に従い、置換によって安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離などによって自発的に変換されない化合物)が得られるという暗黙の条件が含まれる。
「A」、「A」、「A」、および「A」を、本明細書中で、種々の特異的置換基を示すための一般的記号として使用する。これらの記号は、本明細書中に開示の置換基に制限されない任意の置換基であってよく、置換基が一例にて一定の置換基であると定義される場合であっても、別の例にていくつかの他の置換基と定義することができる。
用語「アルキル」は、本明細書中で使用する場合、1〜24個の炭素原子の分岐または非分岐の飽和炭化水素基(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、およびテトラコシルなど)である。アルキル基は、置換または非置換であってもよい。アルキル基を1つまたは複数の基(下記のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、スルホ−オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、またはチオールが含まれるが、これらに限定されない)と置換することができる。用語「低級アルキル」は、6個以下の炭素原子を有するアルキル基である(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、およびヘキシルなど)。
本明細書を通して、「アルキル」を、一般に、非置換アルキル基および置換アルキル基の両方をいうために使用するが、置換アルキル基はまた、特に、本明細書中で、同定によるアルキル基上の特定の置換基をいう。例えば、用語「ハロゲン化アルキル」は、特に、1つまたは複数のハライド(例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素)と置換されたアルキル基をいう。用語「アルコキシアルキル」は、特に、1つまたは複数の下記のアルコキシ基と置換されたアルキル基をいう。用語「アルキルアミノ」は、特に、1つまたは複数の下記のアミノ基などと置換されたアルキル基をいう。ある例で「アルキル」を使用し、「ハロゲン化アルキル」などの特定の用語を別の例で使用する場合、用語「アルキル」には「ハロゲン化アルキル」などの特定の用語が含まれないことを意味するように意図するものではない。
このプラクティスを、本明細書中に記載の他の基にも使用する。すなわち、「シクロアルキル」などの用語が非置換および置換シクロアルキル部分の両方をいう一方で、置換部分を、さらに、本明細書中で特に同定することができる。例えば、特定の置換シクロアルキルは、例えば、「アルキルシクロアルキル」をいうことができる。同様に、置換アルコキシを、特に、例えば、「ハロゲン化アルコキシ」ということができ、特に置換されたアルケニルは、例えば、「アルケニルアルコール」などであり得る。さらに、「シクロアルキル」などの一般用語および「アルキルシクロアルキル」などの特定の用語を使用するプラクティスは、一般用語が特定の用語を含まないことを意味するように意図するものではない。
用語「アルコキシ」は、本明細書中で使用する場合、1つの末端エーテル結合によって結合したアルキル基である。すなわち、「アルコキシ」基を、−OA(式中、Aは上記定義のアルキルである)と定義することができる。
用語「アルケニル」は、本明細書中で使用する場合、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む構造式を有する2〜24個の炭素原子の炭化水素基である。(A)C=C(A)などの非対称構造は、E異性体およびZ異性体の両方を含むことを意図する。これを非対称アルケンが存在する本明細書中の構造式中で推定することができるか、結合記号C=Cによって明確に示すことができる。アルケニル基を、1つまたは複数の基(下記のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、スルホ−オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、またはチオールが含まれるが、これらに限定されない)と置換することができる。
用語「アルキニル」は、本明細書中で使用する場合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む構造式を有する2〜24個の炭素原子の炭化水素基である。アルキニル基を、1つまたは複数の基(下記のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、スルホ−オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、またはチオールが含まれるが、これらに限定されない)と置換することができる。
用語「アリール」は、本明細書中で使用する場合、任意の炭素ベースの芳香基を含む基(ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、およびフェノキシベンゼン等が含まれるが、これらに限定されない)である。用語「アリール」には、芳香基の環内に組み込まれた少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香基を含む基と定義される「ヘテロアリール」も含まれる。ヘテロ原子の例には、窒素、酸素、硫黄、およびリンが含まれるが、これらに限定されない。同様に、用語「アリール」にも含まれる用語「非ヘテロアリール」は、ヘテロ原子を含まない芳香基を含む基を定義する。アリール基は、置換または非置換であり得る。アリール基を、1つまたは複数の基(本明細書中に記載のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、スルホ−オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、またはチオールが含まれるが、これらに限定されない)と置換することができる。用語「ビアリール」は、アリール基の特定の型であり、アリールの定義に含まれる。ビアリールは、ナフタレンなどのように融合環構造を介して互いに結合しているか、ビフェニルなどのように1つまたは複数の炭素−炭素結合を介して結合している2つのアリール基をいう。
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用する場合、少なくとも3つの炭素原子から構成される非芳香族炭素ベースの環である。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルキル」は、環の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子(窒素、酸素、硫黄、またはリンなどであるがこれらに限定されない)と置換される上記定義のシクロアルキル基である。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基を、1つまたは複数の基(本明細書に記載のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、スルホ−オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、またはチオールが含まれるが、これらに限定されない)と置換することができる。
用語「シクロアルケニル」は、本明細書中で使用する場合、少なくとも3つの炭素原子から構成され、且つ少なくとも1つの二重結合(すなわち、C=C)を含む非芳香族炭素ベースの環である。シクロアルケニル基の例には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘキサジエニルなどが含まれるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルケニル」は、上記定義のシクロアルケニル基型であり、環の少なくとも1つの炭素原子が、ヘテロ原子(窒素、酸素、硫黄、またはリンなどであるがこれらに限定されない)と置換される用語「シクロアルケニル」の意味の範囲内に含まれる。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、置換または非置換であり得る。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基を、1つまたは複数の基(本明細書中に記載のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、スルホ−オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、またはチオールが含まれるが、これらに限定されない)と置換することができる。
用語「環状基」は、本明細書中で、アリール基、非アリール基(すなわち、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、およびヘテロシクロアルケニル基)のいずれか、またはその両方をいう。環状基は、置換または非置換であり得る1つまたは複数の環系を有する。環状基は、1つまたは複数のアリール基、1つまたは複数の非アリール基、または1つまたは複数のアリール基および1つまたは複数の非アリール基を含むことができる。
用語「アルデヒド」は、本明細書中で使用する場合、式−C(O)Hによって示される。本明細書を通して、「C(O)」は、C=Oの略語である。
用語「アミン」または「アミノ」は、本明細書中で使用する場合、式NA(式中、A、A、およびAは、独立して、上記の水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニル基であり得る)によって示される。
用語「カルボン酸」は、本明細書中で使用する場合、式−C(O)OHによって示される。「カルボキシラート」は、本明細書中で使用する場合、式−C(O)Oによって示される。
用語「エステル」は、本明細書中で使用する場合、式−OC(O)Aまたは−C(O)OA(式中、Aは、上記のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニル基であり得る)によって示される。
用語「エーテル」は、本明細書中で使用する場合、式AOA(式中、AおよびAは、独立して、上記のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニル基であり得る)によって示される。
用語「ケトン」は、本明細書中で使用する場合、式AC(O)A(式中、AおよびAは、独立して、上記のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニル基であり得る)によって示される。
用語「ハライド」は、本明細書中で使用する場合、ハロゲンであるフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素をいう。
用語「ヒドロキシル」は、本明細書中で使用する場合、式−OHによって示される。
用語「スルホ−オキソ」は、本明細書中で使用する場合、式−S(O)A(すなわち、「スルホニル」)、AS(O)A(すなわち、「スルホキシド」)、−S(O)、ASO(すなわち、「スルホン」)、−OS(O)、または−OS(O)OA(式中、AおよびAは、上記の水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニル基であり得る)によって示される。本明細書を通して、「S(O)」は、S=Oの略語である。
用語「スルホニルアミノ」または「スルホンアミド」は、本明細書中で使用する場合、式−S(O)NH−によって示される。
用語「チオール」は、本明細書中で使用する場合、式−SHによって示される。
本明細書中で使用する場合、「R」(式中、nはいくつかの整数である)は、独立して、上記列挙の1つまたは複数の基を有することができる。選択される基に応じて、第1の基を第2の基内に組み込むことができるか、あるいは、第1の基は第2の基に対する懸垂物(すなわち、結合物)であり得る。例えば、句「アミノ基を含むアルキル基」では、アミノ基をアルキル基骨格内に組み込むことができる。あるいは、アミノ基を、アルキル基骨格に結合することができる。選択される基の性質は、第1の基が第2の基に埋め込まれるか結合するかどうかを決定する。
逆に記述されない限り、実線のみで示され、楔形や破線として示されない化学結合を有する式は、それぞれ可能な異性体(例えば、それぞれの鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに異性体の混合物(ラセミ混合物またはスケールミック混合物(scalemic mixture))を意図する。
本明細書中に開示の一定の材料、化合物、組成物、および成分を購入することができるか、当業者に一般的に公知の技術を使用して容易に合成することができる。例えば、開示の化合物および組成物の調製で使用される出発材料および試薬を、供給業者(Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,Wis.)、Acros Organics(Morris Plains,N.J.)、Fisher Scientific(Pittsburgh,Pa.)、またはSigma(St.Louis,Mo.)から入手可能であるか、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,第1−17巻(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,第1−5巻およびSupplementals(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,第1−40巻(John Wiley and Sons,1991);March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,4th Edition);およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)などのリファレンスに記載の手順にしたがった当業者に公知の方法によって調製する。
preQ応答性リボスイッチ(およびpreQ応答性リボスイッチ由来のリボスイッチ)に有用な化合物には、式I:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体である)によって示される化合物が含まれ、
細胞はpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、化合物はpreQ応答性リボスイッチへの結合によって遺伝子発現を阻害する。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、C−水素結合供与体、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり得、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであり、
は存在せず、
はNHであり、
は存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
はNHであり、
は存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は存在せず、
はNHであり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
はNHであり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は存在しない)の構造を有することができる。
化合物は、式II:
(式中、
は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体であり、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在せず、
は、N、NH、NH 、NH 、O、OH、S、SH、C−R、CH−R、N−R、NH−R、O−R、またはS−Rであり、Rは、NH 、NH 、COH、B(OH)、CH(NH、C(NH 、CNHNH 、C(NH 、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,4ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシメチル−1−メチルエチル、トリスヒドロキシメチルメチル、チオールメチル、1−チオールエチル、2−チオールエチル、1,2−ジチオールエチル、2−チオール−1−メチルエチル、1−チオールプロピル、2−チオールプロピル、3−チオールプロピル、1,3−ジチオールプロピル、2,3−ジチオールプロピル、1−チオールブチル、2−チオールブチル、3−チオールブチル、4−チオールブチル、1,4ジチオールブチル、2,4−ジチオールブチル、1−チオール−2−メチルプロピル、2−チオール−2−メチルプロピル、3−チオール−2−メチルプロピル、1−チオールメチル−1−メチルエチル、トリスチオールメチルメチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1,2−ジアミノエチル、2−アミノ−1−メチルエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1,3−ジアミノプロピル、2,3−ジアミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1,4ジアミノブチル、2,4−ジアミノブチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、3−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノメチル−1−メチルエチル、トリスアミノメチルメチルであるか、存在しない)の構造を有することができる。
特定の部分または基を本明細書中で水素結合供与体または水素結合受容体ということができる一方、この用語を各言及について種々の置換基を分類するためだけに使用すると理解すべきである。かかる専門用語は、特定の部分がリボスイッチまたはいくつかの他の化合物との水素結合に実際に関与することを意味すると解釈すべきではない。例えば、本明細書中で水素結合受容体(または供与体)と呼ばれる部分が、リボスイッチまたは他の化合物との疎水性相互作用、イオン性相互作用、ファンデルワールス相互作用、または他の型の相互作用に唯一または付加的に関与し得る可能性がある。
本明細書中に開示の一定の基を本明細書中で水素結合受容体および水素結合供与体の両方としていうことができることもまた理解される。例えば、−OHは水素原子の供与による水素結合供与体であり得る。−OHは、酸素原子上の1つまたは複数の非結合電子対による水素結合受容体でもあり得る。したがって、本明細書を通して、種々の部分は水素結合供与体および水素結合受容体であり得、そのように言及することができる。
上記定義内のあらゆる化合物は、本明細書中に具体的に開示されていることを意図するか、見なされるべきである。さらに、上記定義内で同定することができるあらゆる下位集団は、本明細書中に具体的に開示されていることを意図するか、見なされるべきである。結果として、任意の化合物または化合物の下位集団が特に使用のために含まれるか使用から排除されるか、化合物リスト中に含まれるか化合物リストから排除されることを特に意図する。例として、各化合物が上記定義の通りであり、且つpreQ応答性リボスイッチを活性化することができる化合物群が意図される。
リボスイッチと相互作用する化合物についての本明細書中に記載の特定の接触および相互作用(水素結合供与または水素結合受容など)が好ましいが、化合物のリボスイッチとの相互作用に不可欠ではないと理解すべきである。例えば、化合物は、開示の接触および相互作用を有する化合物よりも低い親和性および/または特異性でリボスイッチと相互作用することができる。さらに、化合物上の異なる官能基または追加の官能基が、リボスイッチとの、新規の接触、異なる接触、そして/または代償の接触をもたらすことができる。例えば、preQリボスイッチについて、大きな官能基を使用することができる。かかる官能基は、リボスイッチの他の部分と接触または相互作用することができ、および接触または相互作用するようにデザインすることができる。かかる接触および相互作用は、トリガー分子およびコア構造の接触および相互作用を補うことができる。
D.構築物、ベクター、および発現系
開示のpreQリボスイッチを、任意の適当な発現系と共に使用することができる。組換え発現を、通常、プラスミドなどのベクターを使用して行う。ベクターは、リボスイッチコード配列および発現するRNA(例えば、タンパク質をコードするRNA)に作動可能に連結されたプロモーターを含むことができる。ベクターはまた、転写および翻訳に必要な他のエレメントを含むことができる。本明細書中で使用する場合、ベクターは、外因性DNAを含む任意のキャリアをいう。したがって、ベクターは、分解することなく細胞に外因性核酸を輸送する作用物質(agent)であり、送達された細胞中で核酸を発現させるプロモーターを含む。ベクターには、プラスミド、ウイルス核酸、ウイルス、ファージ核酸、ファージ、コスミド、および人工染色体が含まれるが、これらに限定されない。リボスイッチ調節構築物の輸送に適切な種々の原核生物および真核生物発現ベクターを産生することができる。かかる発現ベクターには、例えば、pET、pET3d、pCR2.1、pBAD、pUC、および酵母ベクターが含まれる。ベクターを、例えば、種々のin vivoおよびin vitro状況で使用することができる。
ウイルスベクターには、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、AIDSウイルス、神経向性ウイルス(neuronal trophic virus)、シンドビスウイルスおよび他のRNAウイルス(HIVバックボーンを有するこれらのウイルスが含まれる)が含まれる。ベクターとしての使用が適切となるこれらのウイルスの性質を共有する任意のウイルスファミリーも有用である。Verma(1985)に記載のレトロウイルスベクターには、モロニーマウス白血病ウイルス(Murine Maloney Leukemia virus)(MMLV)、およびベクターとしてMMLVの所望の性質を発現するレトロウイルスが含まれる。典型的には、ウイルスベクターは、非構造初期遺伝子、構造後期遺伝子、RNAポリメラーゼIII転写物、複製およびキャプシド形成に必要な逆末端反復、およびウイルスゲノムの転写および複製を調節するためのプロモーターを含む。ベクターとして操作する場合、ウイルスは、典型的には、1つまたは複数の初期遺伝子を除去し、除去したウイルスDNAの代わりに遺伝子または遺伝子/プロモーターカセットをウイルスゲノム中に挿入する。
「プロモーター」は、一般に、転写開始部位に対して比較的固定した位置に存在する場合に機能するDNA配列である。「プロモーター」は、RNAポリメラーゼおよび転写因子の基本的相互作用に必要なコアエレメントを含み、上流エレメントおよび応答エレメントを含むことができる。
「エンハンサー」は、一般に、転写開始部位から固定していない距離で機能し、転写単位に対して5’側(Laimins,1981)または3’側(Lusky et al.,1983)であり得るDNA配列をいう。さらに、エンハンサーは、イントロン内に存在することができ(Banerji et al.,1983)、コード配列自体の内部にも存在することができる(Osborne et al.,1984)。これらは、通常、10bp長と300bp長との間であり、シスで機能する。エンハンサーは、近接するプロモーターからの転写を増加させるように機能する。エンハンサーはまた、プロモーターと同様に、転写調節を媒介する応答エレメントをしばしば含む。エンハンサーは、しばしば、発現調節を決定する。
真核生物宿主細胞(酵母細胞、真菌細胞、昆虫細胞、植物細胞、動物細胞、ヒト細胞、または有核細胞)で使用される発現ベクターはまた、mRNA発現に影響を及ぼし得る転写終結に必要な配列を含むことができる。これらの領域は、組織因子タンパク質をコードするmRNAの非翻訳部分中でポリアデニル化セグメントとして転写される。3’非翻訳領域は、転写終結部位も含む。転写単位がポリアデニル化領域も含むことが好ましい。この領域の利点の1つは、転写単位がmRNAのようにプロセシングおよび輸送される可能性が増加することである。発現構築物中でのポリアデニル化シグナルの同定および使用は十分に確立されている。相同ポリアデニル化シグナルを導入遺伝子構築物中で使用することが好ましい。
ベクターは、マーカー産物をコードする核酸配列を含む。このマーカー産物を使用して、遺伝子が細胞に送達されたかどうか、および一旦送達されると発現するかどうかを決定する。好ましいマーカー遺伝子は、β−ガラクトシダーゼおよび緑色蛍光タンパク質をコードするE.Coli lacZ遺伝子である。
いくつかの実施形態では、マーカーは選択可能なマーカーであり得る。かかる選択可能なマーカーが宿主細胞に首尾よく導入された場合、形質転換された宿主細胞は選択圧下においた場合に生存することができる。2つの広く使用されている異なるカテゴリーの選択レジメが存在する。第1のカテゴリーは、細胞の代謝および補充培地と無関係に増殖する能力を欠く変異細胞の使用に基づく。第2のカテゴリーは、任意の細胞型で使用される選択スキームをいい、変異細胞系統の使用を必要としない優性選択である。これらのスキームは、典型的には、宿主細胞の増殖を停止させるための薬物を使用する。新規の遺伝子を有するそれらの細胞は、薬物耐性を伝達するタンパク質を発現し、選択を生き抜く。かかる優性選択の例は、薬物であるネオマイシン(Southern and Berg,1982)、ミコフェノール酸(Mulligan and Berg,1980)、またはハイグロマイシン(Sugden et al.,1985)を使用する。
遺伝子材料(プラスミド、ウイルスベクター、ウイルス核酸、ファージ核酸、ファージ、コスミド、および人工染色体であるが、これらに限定されない)の直接移入の使用またはカチオニックリポソームなどの細胞またはキャリア中の遺伝子材料の移入を介して、遺伝子を移入することができる。かかる方法は当該分野で周知であり、本明細書中に記載の方法での使用に容易に適応することができる。移入ベクターは、細胞に遺伝子を送達させるために使用される任意のヌクレオチド構築物(例えば、プラスミド)または一般的な遺伝子送達ストラテジーの一部(例えば、組換えレトロウイルスまたはアデノウイルスの一部)(Ram et al.Cancer Res.53:83−88,(1993))であり得る。適切なトランスフェクション手段(ウイルスベクター、化学的トランスフェクタント、または物理的機械的方法(エレクトロポレーションおよびDNAの直接拡散など)が含まれる)は、例えば、Wolff,J.A.,et al.,Science,247,1465−1468,(1990);and Wolff,J.A.Nature,352,815−818,(1991)に記載されている。
1.ウイルスベクター
好ましいウイルスベクターは、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、AIDSウイルス、神経向性ウイルス、シンドビスウイルスおよび他のRNAウイルス(HIVバックボーンを有するこれらのウイルスが含まれる)である。ベクターとしての使用が適切となるこれらのウイルスの性質を共有する任意のウイルスファミリーも好ましい。好ましいレトロウイルスには、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)、およびベクターとしてMMLVの所望の性質を発現するレトロウイルスが含まれる。レトロウイルスベクターは、他のウイルスベクターより高い遺伝子負荷量(すなわち、導入遺伝子またはマーカー遺伝子)を輸送することができ、この理由のために、一般的に使用されるベクターである。しかし、これらは、非増殖細胞で有用ではない。アデノウイルスベクターは、比較的安定であり、作業が容易であり、高力価を有し、エアゾール処方物中で送達させることができ、非分裂細胞にトランスフェクトすることができる。ポックスウイルスベクターは、巨大であり、いくつかの遺伝子挿入部位を有し、熱安定性を示し、室温で保存することができる。好ましい実施形態は、ウイルス抗原によって誘発される宿主生物の免疫応答を抑制するように操作されたウイルスベクターである。この型の好ましいベクターは、インターロイキン8または10のコード領域を保有する。
ウイルスベクターは、細胞に遺伝子を導入するためのほとんどの化学的方法または物理的方法よりも高い処理能力(遺伝子導入能力)を有する。典型的には、ウイルスベクターは、非構造初期遺伝子、構造後期遺伝子、RNAポリメラーゼIII転写物、複製およびキャプシド形成に必要な逆末端反復、およびウイルスゲノムの転写および複製を調節するためのプロモーターを含む。ベクターとして操作する場合、ウイルスは、典型的には、1つまたは複数の初期遺伝子を除去し、除去したウイルスDNAの代わりに遺伝子または遺伝子/プロモーターカセットをウイルスゲノム中に挿入する。この構築物型は、約8kbまでの外来遺伝子材料を保有することができる。除去された初期遺伝子の必要な機能を、典型的には、トランスで初期遺伝子の遺伝子産物を発現するように操作された細胞系統によって供給される。
i.レトロウイルスベクター
レトロウイルスは、レトロウイルス科のウイルスファミリー(任意の型、亜科、属、向性が含まれる)に属する動物ウイルスである。レトロウイルスベクターは、一般に、Verma,I.M.,Retroviral vectors for gene transfer.In Microbiology−1985,American Society for Microbiology,pp.229−232,Washington,(1985)(本明細書中で参考として援用される)に記載されている。遺伝子治療のためのレトロウイルスベクターの使用方法の例は、米国特許第4,868,116号および同第4,980,286号;PCT出願国際公開第90/02806号および国際公開第89/07136号;およびMulligan,(Science 260:926−932(1993))(その教示が本明細書中で参考として援用される)に記載されている。
レトロウイルスは、本質的に、核酸カーゴ(nucleic acid cargo)に詰められたパッケージである。核酸カーゴは、パッケージングシグナルを保有し、これらのパッケージングシグナルは、複製された娘分子がパッケージコート内に効率的に詰められることを確実にする。パッケージシグナルに加えて、複製および複製されたウイルスのパッケージングのためにシスで必要な多数の分子が存在する。典型的には、レトロウイルスゲノムは、タンパク質コートの作製に関与するgag、pol、およびenv遺伝子を含む。これは、典型的には標的細胞に移入される外来DNAと置換されるgag、pol、およびenv遺伝子である。レトロウイルスベクターは、典型的には、パッケージコートへの組み込みのためのパッケージングシグナル、gag転写単位の開始をシグナル伝達する配列、逆転写に必要なエレメント(逆転写のtRNAプライマーに結合するプライマー結合部位が含まれる)、DNA合成中にRNA鎖のスイッチを導く末端反復配列、第2のDNA合成鎖の合成のためのプライミング部位としての機能を果たすプリンリッチ配列である5’→3’LTR、および宿主ゲノムに挿入するためのレトロウイルスのDNA状態を挿入することができるLTRの末端付近の特異的配列を含む。gag、pol、およびenv遺伝子の除去により、約8kbの外来配列がウイルスゲノムに挿入され、逆転写するようになり、複製の際に新規のレトロウイルス粒子に詰められる。この核酸量は、各転写物のサイズに応じて、1つから多数の遺伝子の送達に十分である。挿入物中に他の遺伝子と共に正または負の選択マーカーのいずれかを含めることが好ましい。
ほとんどのレトロウイルスベクター中の複製機構およびパッケージングタンパク質が除去されているので(gag、pol、およびenv)、典型的には、パッケージング細胞系統へのこれらの配置によってベクターを生成する。パッケージング細胞系統は、複製およびパッケージング機構を含むが、いかなるパッケージングシグナルも欠くレトロウイルスを使用してトランスフェクションまたは形質転換した細胞系統である。選択のDNAを保有するベクターをこれらの細胞系統にトランスフェクションする場合、目的の遺伝子を含むベクターを複製し、ヘルパー細胞によってシスで提供される機構によって新規のレトロウイルス粒子にパッケージングする。必要なシグナルを欠くので、この機構のゲノムはパッケージされない。
ii.アデノウイルスベクター
複製欠損アデノウイルスの構築は記載されている(Berkner et al., J.Virology 61:1213−1220(1987);Massie et al., Mol.Cell.Biol.6:2872−2883(1986);Haj−Ahmad et al., J.Virology 57:267−274(1986);Davidson et al., J.Virology 61:1226−1239(1987);Zhang ”Generation and identification of recombinant adenovirus by liposome−mediated transfection and PCR analysis” BioTechniques 15:868−872(1993))。ベクターとしてのこれらのウイルスの使用の利点は、これらのウイルスが最初の感染細胞内で複製することができるが新規の感染ウイルス粒子を形成できないので、他の細胞型に拡大することができる範囲が制限されていることである。組換えアデノウイルスは、気道上皮、肝細胞、血管内皮、CNS実質、および多数の他の組織部位への直接的なin vivo送達後に高効率の遺伝子移入を達成することが示されている(Morsy, J.Clin.Invest.92:1580−1586(1993);Kirshenbaum, J.Clin.Invest.92:381−387(1993);Roessler, J.Clin.Invest.92:1085−1092(1993);Moullier, Nature Genetics 4:154−159(1993);La Salle, Science 259:988−990(1993);Gomez−Foix, J.Biol.Chem.267:25129−25134(1992);Rich, Human Gene Therapy 4:461−476(1993);Zabner, Nature Genetics 6:75−83(1994);Guzman, Circulation Research 73:1201−1207(1993);Bout, Human Gene Therapy 5:3−10(1994);Zabner, Cell 75:207−216(1993);Caillaud, Eur.J.Neuroscience 5:1287−1291(1993);and Ragot, J.Gen.Virology 74:501−507(1993))。組換えアデノウイルスは、特異的細胞表面受容体への結合によって遺伝子形質導入を達成し、その後、野生型または複製欠損アデノウイルスと同一の様式で、受容体媒介エンドサイトーシスによってウイルスを内在化する (Chardonnet and Dales, Virology 40:462−477(1970);Brown and Burlingham,J.Virology 12:386−396(1973);Svensson and Persson, J.Virology 55:442−449(1985);Seth,et al., J.Virol. 51:650−655(1984);Seth,et al.,Mol.Cell.Biol. 4:1528−1533(1984);Varga et al., J.Virology 65:6061−6070(1991);Wickham et al., Cell 73:309−319(1993))。
好ましいウイルスベクターは、E1遺伝子が除去されたアデノウイルスに基づいたウイルスベクターであり、これらのヴィロン(viron)をヒト293細胞系統などの細胞系統中で生成する。別の好ましい実施形態では、E1およびE3遺伝子の両方をアデノウイルスゲノムから除去する。
別のウイルスベクター型は、アデノ随伴ウイルス(AAV)に基づく。この欠損パルボウイルスは、多数の細胞型に感染することができ、ヒトに非病原性を示すので、好ましいベクターである。AAV型ベクターは、約4〜5kbを輸送することができ、野生型AAVは、第19染色体に安定に挿入されることが公知である。この部位特異的組み込み特性を含むベクターが好ましい。このベクター型の特に好ましい実施形態は、Avigen,San Francisco,CA製のP4.1 Cベクターである。これは、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子、HSV−tk、および/またはマーカー遺伝子(緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子など)を含むことができる。
ウイルスおよびレトロウイルス中の挿入遺伝子は、通常、所望の遺伝子産物の発現の調節を補助するためのプロモーターおよび/またはエンハンサーを含む。プロモーターは、一般に、転写開始部位に関して比較的固定した位置に存在する場合に機能する配列またはDNA配列である。プロモーターは、RNAポリメラーゼおよび転写因子の基本的相互作用に必要なコアエレメントを含み、上流エレメントおよび応答エレメントを含むことができる。
2.ウイルスプロモーターおよびエンハンサー
哺乳動物宿主細胞中のベクターからの転写を調節する好ましいプロモーターを、種々の供給源(例えば、ポリオーマ、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、および最も好ましくはサイトメガロウイルスなどのウイルスゲノム)、または非相同哺乳動物プロモーター(例えば、βアクチンプロモーター)から得ることができる。SV40ウイルスの初期および後期プロモーターを、SV40ウイルス複製起点も含むSV40制限フラグメントとして得ることが都合が良い(Fiers et al.,Nature,273: 113(1978))。ヒトサイトメガロウイルスの最初期プロモーターを、HindIII E制限フラグメントとして得ることが都合が良い(Greenway,P.J.et al.,Gene 18: 355−360(1982))。勿論、宿主細胞または関連種由来のプロモーターも本明細書中で有用である。
エンハンサーは、一般に、転写開始部位から固定していない距離で機能し、転写単位に対して5’側(Laimins,L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.78: 993(1981))または3’側(Lusky,M.L.,et al.,Mol.Cell Bio.3: 1108(1983))のいずれかであり得るDNA配列をいう。さらに、エンハンサーは、イントロン内に存在することができ(Banerji,J.L.et al.,Cell 33: 729(1983))、ならびにコード配列自体の内部にも存在することができる(Osborne,T.F.,et al.,Mol.Cell Bio.4: 1293(1984))。これらは、通常、10bp長と300bp長との間であり、シスで機能する。エンハンサーは、近接するプロモーターからの転写を増加させるように機能する。エンハンサーはまた、転写調節を媒介する応答エレメントをしばしば含む。プロモーターはまた、転写調節を媒介する応答エレメントを含む。エンハンサーは、しばしば、遺伝子の発現調節を決定する。哺乳動物遺伝子由来の多数のエンハンサー配列が現在知られているが(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン、およびインスリン)、典型的には、真核細胞ウイルス由来のエンハンサーを使用する。好ましい例は、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(bp100〜270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーである。
プロモーターおよび/またはエンハンサーを、その機能を誘発する軽度または特異的な化学事象のいずれかによって特異的に活性化することができる。系を、テトラサイクリンおよびデキサメタゾンなどの試薬によって調節することができる。ガンマ線照射などの照射への曝露またはアルキル化化学療法薬によってウイルスベクター遺伝子発現を増強する方法も存在する。
プロモーターおよび/またはエンハンサー領域が全ての真核細胞型で活性であることが好ましい。この型の好ましいプロモーターは、CMVプロモーター(650塩基)である。他の好ましいプロモーターは、SV40プロモーター、サイトメガロウイルス(全長プロモーター)、およびレトロウイルスベクターLTFである。
全ての特異的調節エレメントをクローン化し、これを使用して、黒色腫細胞などの特定の細胞型で選択的に発現する発現ベクターを構築することができることが示されている。グリア線維酸性タンパク質(glial fibrillary acetic protein)(GFAP)プロモーターを使用して、神経膠起源の細胞中の遺伝子が選択的に発現されている。
真核生物宿主細胞(酵母細胞、真菌細胞、昆虫細胞、植物細胞、動物細胞、ヒト細胞、または有核細胞)で使用される発現ベクターはまた、mRNA発現に影響を及ぼし得る転写終結に必要な配列を含むことができる。これらの領域は、組織因子タンパク質をコードするmRNAの非翻訳部分中でポリアデニル化セグメントとして転写される。3’非翻訳領域は、転写終結部位も含む。転写単位がポリアデニル化領域も含むことが好ましい。この領域の利点の1つは、転写単位がmRNAのようにプロセシングおよび輸送される可能性が増加することである。発現構築物中でのポリアデニル化シグナルの同定および使用は十分に確立されている。相同ポリアデニル化シグナルを導入遺伝子構築物中で使用することが好ましい。転写単位の好ましい実施形態では、ポリアデニル化領域は、SV40初期ポリアデニル化シグナルに由来し、約400塩基からなる。転写された単位は、他の標準的な配列のみを含むか、上記配列と組み合わせて構築物からの発現または構築物の安定性を改善することも好ましい。
3.マーカー
ベクターは、マーカー産物をコードする核酸配列を含み得る。このマーカー産物を使用して、遺伝子が細胞に送達され、一旦送達されると発現するかどうかを決定する。好ましいマーカー遺伝子は、β−ガラクトシダーゼおよび緑色蛍光タンパク質をコードするE.Coli lacZ遺伝子である。
いくつかの実施形態では、マーカーは選択可能なマーカーであり得る。哺乳動物細胞に適切な選択可能なマーカーの例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ、ネオマイシン、ネオマイシンアナログG418、ヒドロマイシン(hydromycin)、およびピューロマイシンである。かかる選択可能なマーカーが哺乳動物宿主細胞に首尾よく移入された場合、形質転換された哺乳動物宿主細胞は選択圧下においた場合に生存することができる。2つの広く使用されている異なるカテゴリーの選択レジメが存在する。第1のカテゴリーは、細胞の代謝および補充培地と無関係に増殖する能力を欠く変異細胞系統の使用に基づく。2つの例は以下である:CHO DHFR細胞およびマウスLTK細胞である。これらの細胞は、チミジンまたはヒポキサンチンなどの栄養素を添加せずに増殖する能力を欠く。これらの細胞が完全なヌクレオチド合成経路に必要な一定の遺伝子を欠くので、これらの細胞は、補充培地中に欠けているヌクレオチドを供給しない限り生存できない。培地の補充の代替は、インタクトなDHFR遺伝子またはTK遺伝子を各遺伝子を欠く細胞に導入し、それによってその増殖要件を変化させることである。DHFR遺伝子またはTK遺伝子で形質転換しなかった各細胞は、非補充培地で生存できない。
第2のカテゴリーは、任意の細胞型で使用される選択スキームをいい、変異細胞系統の使用を必要としない優性選択である。これらのスキームは、典型的には、宿主細胞の増殖を停止させるための薬物を使用する。薬物耐性を伝達するタンパク質を発現する細胞は、選択を生き抜く。かかる優性選択の例は、薬物であるネオマイシン(Southern P.and Berg,P.,J.Molec.Appl.Genet.1: 327(1982))、ミコフェノール酸(Mulligan,R.C.and Berg,P.Science 209: 1422(1980))、またはハイグロマイシン(Sugden,B.et al.,Mol.Cell.Biol.5: 410−413(1985))を使用する。3つの例は、真核生物調節下で細菌遺伝子を使用して、適切な薬物G418もしくはネオマイシン(ジェネテシン)、xgpt(ミコフェノール酸)、またはハイグロマイシンに対する耐性を伝達する。他には、ネオマイシンアナログG418およびピューラマイシン(puramycin)が含まれる。
E.バイオセンサーリボスイッチ
バイオセンサーリボスイッチも開示する。バイオセンサーリボスイッチは、その同族トリガー分子の存在下で検出可能なシグナルを生成する操作されたリボスイッチである。有用なバイオセンサーリボスイッチを、トリガー分子の閾値レベルまたは閾値レベル超で誘発することができる。バイオセンサーリボスイッチを、in vivoまたはin vitroでの使用のためにデザインすることができる。例えば、シグナルとしての機能を果たすかシグナル生成に関与するタンパク質をコードするレポーターRNAに作動可能に連結されたpreQバイオセンサーリボスイッチを、細胞または生物がpreQリボスイッチ/レポーターRNAをコードする核酸構築物を保有するように操作することによってin vivoで使用することができる。in vitroで使用するバイオセンサーリボスイッチの例は、高次構造依存性標識(リボスイッチの活性化状態に応じて変化するシグナル)を含むリボスイッチである。かかるバイオセンサーリボスイッチは、好ましくは、天然に存在するリボスイッチに由来するか起源とするアプタマードメイン(preQなど)を使用する。
F.レポータータンパク質およびペプチド
リボスイッチの活性化の評価またはバイオセンサーリボスイッチの評価のために、レポータータンパク質またはペプチドを使用することができる。レポータータンパク質またはペプチドをRNAによってコードすることができ、その発現はリボスイッチによって調節される。実施例は、いくつかの特異的レポータータンパク質の使用を記載している。レポータータンパク質およびペプチドの使用は周知であり、リボスイッチとの使用のために容易に適応することができる。レポータータンパク質は、検出することができるか検出可能なシグナルを産生する任意のタンパク質またはペプチドであり得る。好ましくは、タンパク質またはペプチドの存在を、標準的な技術(例えば、放射免疫アッセイ、放射性標識、免疫アッセイ、酵素活性のためのアッセイ、吸光度、蛍光、発光、およびウェスタンブロット)を使用して検出することができる。より好ましくは、レポータータンパク質レベルを、低レベルでさえも、標準的な技術を使用して容易に定量可能である。有用なレポータータンパク質には、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、およびそれらの誘導体(Photinus pyralis由来のホタルルシフェラーゼ(FL)およびRenilla reniformis由来のウミシイタケルシフェラーゼ(RL)など)が含まれる。
G.高次構造依存性標識
高次構造依存性標識は、標識が会合した分子または化合物(リボスイッチなど)の形態または高次構造の変化に基づいて蛍光強度または波長が変化する全ての標識をいう。プローブおよびプライマーとの関係において使用される高次構造依存性標識の例には、分子ビーコン、アンプリフォー(Amplifluor)、FRETプローブ、切断性FRETプローブ、TaqManプローブ、スコーピオンプライマー、蛍光三重鎖オリゴ(fluorescent triplex oligo)(三重鎖分子ビーコンまたは三重鎖FRETプローブが含まれるが、これらに限定されない)、蛍光水溶性複合ポリマー、PNAプローブ、およびQPNAプローブが含まれる。かかる標識を、特に、その機能の原理を、リボスイッチと共に使用するために適応させることができる。いくつかの高次構造依存性標識型は、Schweitzer and Kingsmore,Curr.Opin.Biotech.12:21−27(2001)中に概説されている。
ステム消光標識(stem quenched label)(高次構造依存性標識の一形態)は、ステム構造を形成する場合に標識からの蛍光が消光されるように消光部分が近接するような核酸上に配置された蛍光標識である。ステムが破壊される場合(標識を含むリボスイッチが活性化する場合など)、消光部分はもはや蛍光標識に近接せず、蛍光が増加する。この効果の例を、分子ビーコン、蛍光三重鎖オリゴ、三重鎖分子ビーコン、三重鎖FRETプローブ、およびQPNAプローブで見出すことができ、その操作原理をリボスイッチと共に使用するために適応させることができる。
ステム活性化標識(高次構造依存性標識の一形態)は、ステム構造の形成によって蛍光が増加するか変化する標識または標識対である。ステム活性化標識には、受容体および供与体が近接する場合(標識を含む核酸鎖がステム構造を形成する場合)に供与体から受容体への蛍光共鳴エネルギー転移によって受容体が蛍光を発するような受容体蛍光標識および供与体部分が含まれ得る。ステム活性化標識は、典型的には、核酸分子中でステム構造を形成する場合に受容体および供与体が近接するような核酸分子(リボスイッチなど)上に配置された標識対である。ステム活性化標識の供与体部分自体が蛍光標識である場合、この標識は、受容体に近接しない場合(すなわち、ステム構造を形成しない場合)に蛍光(典型的には、受容体の蛍光よりも異なる波長で)としてエネルギーを放出することができる。ステム構造を形成する場合、全体的な効果としては、供与体蛍光が減少し、受容体蛍光が増加する。FRETプローブはステム活性化標識の使用例であり、その操作上の原理をリボスイッチと共に使用するために適応することができる。
H.検出標識
リボスイッチの活性化、非活性化、もしくは遮断、またはリボスイッチの活性化、非活性化、もしくは遮断の際に産生された核酸またはタンパク質の発現の検出および定量を補助するために、検出標識を、検出プローブまたは検出分子に組み込むか、発現した核酸またはタンパク質に直接組み込むことができる。本明細書中で使用する場合、検出標識は、核酸またはタンパク質と直接または間接的に会合することができ、それにより、測定可能な検出シグナルが直接的または間接的のいずれかで得られる任意の分子である。多数のかかる標識は、当業者に公知である。開示の方法での使用に適切な検出標識の例は、放射性同位体、蛍光分子、リン光分子、酵素、抗体、およびリガンドである。
適切な蛍光標識の例には、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、塩化ダンシル、ローダミン、アミノ−メチルクマリン(AMCA)、エオシン、エリスロシン、BODIPY(登録商標)、カスケードブルー(登録商標)、オレゴングリーン(登録商標)、ピレン、リサミン、キサンテン、アクリジン、オキサジン、フィコエリトリン、クォンタムダイTM(quantum dyeTM)などのランタニドイオンの大環状キレート、チアゾールオレンジ−エチジウムヘテロ二量体などの蛍光エネルギー転移染料、ならびにシアニン染料Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7が含まれる。他の特定の蛍光標識の例には、3−ヒドロキシピレン5,8,10−トリスルホン酸、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)、酸性フクシン、アリザリンコンプレクソン、アリザリンレッド、アロフィコシアニン、アミノクマリン、ステアリン酸アントロイル(anthroyl stearate)、アストラゾンブリリアントレッド4G、アストラゾンオレンジR、アストラゾンレッド6B、アストラゾンイエロー7GLL、アタブリン、オーラミン、オーロホスフィン、オーロホスフィンG、BAO9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール)、BCECF、硫酸ベルベリン、ビスベンズアミド、ブランコホルFFG溶液、ブランコホルSV、ボディピー F1(Bodipy F1)、ブリリアントスルホフラビンFF、カルカインブルー(calcien blue)、カルシウムグリーン、カルコフロールRW溶液、カルコフロールホワイト、カルコホールホワイトABT溶液、カルコホールスタンダード溶液、カルボスチリル、カスケードイエロー、カテコールアミン、キナクリン(chinacrine)、コリホスフィンO、クマリン−ファロイジン、CY3.1 8、CY5.1 8、CY7、ダンス(1−ジメチルアミノナファリン5スルホン酸)、ダンサ(ジアミノナフチルスルホン酸)、ダンシルNH−CH3、ジアミノフェニルオキシジアゾール(DAO)、ジメチルアミノ−5−スルホン酸、ジピロメテンホウ素二フッ化物(dipyrrometheneboron difluoride)、ジフェニルブリリアントフラビン7GFF、ドーパミン、エリスロシンITC、オイクリシン、FIF(ホルムアルデヒド誘導蛍光)、フラゾオレンジ、フルオ3、フルオレスカミン、フラ−2、ゲナクリルブリリアントレッドB、ゲナクリルブリリアントイエロー10GF、ゲナクリルピンク3G、ゲナクリルイエロー5GF、gloxalic acid、グラニュラーブルー、ヘマトポルフィリン、インド−1、イントラホワイトCf液、リューコフォーPAF(Leucophor PAF)、リューコフォーSF、リューコフォーWS、リサミンローダミンB200(RD200)、ルシフェルイエローCH、ルシフェルイエローVS、マグダラレッド、マリーナブルー、マキシロンブリリアントフラビン10GFF、マキシロンブリリアントフラビン8GFF、MPS(メチルグリーンピロニンスチルベン)、ミトラマイシン、NBDアミン、ニトロベンゾキサジドール、ノルアドレナリン、ヌクレアーファストレッド、ヌクレアーイエロー、ナイロサンブリリアントフラビンE8G、オキサジアゾール、パシフィックブルー、パラローザニリン(ホイルゲン)、ホルウィットAR溶液、ホルウィットBKL、ホルウィットRev、ホルウィットRPA、ホスフィン3R、フタロシアニン、フィコエリトリンR、ポリアザインダセンポントクロームブルーブラック、ポルフィリン、プリムリン、プロシオンイエロー、ピロニン、ピロニンB、ピロザールブリリアントフラビン7GF、キナクリンマスタード、ローダミン123、ローダミン5GLD、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミンB200、ローダミンBエキストラ、ローダミンBB、ローダミンBG、ローダミンWT、セロトニン、セブロンブリリアントレッド2B、セブロンブリリアントレッド4G、セブロンブリリアントレッドB、セブロンオレンジ、セブロンイエローL、SITS(プリムリン)、SITS(スチルベンイソチオスルホン酸)、スチルベン、スナーフ1、スルホローダミンB Can C、スルホローダミンGエキストラ、テトラサイクリン、チアジンレッドR、チオフラビンS、チオフラビンTCN、チオフラビン5、チオライト、チオゾールオレンジ、チノポールCBS、トゥルーブルー、ウルトラライト、ウラニンB、ユビテックスSFC、キシレンオレンジ、およびXRITCが含まれる。
有用な蛍光標識は、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、ローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)、ならびにシアニン染料Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7である。これらの蛍光体の吸収および発光の極大は、FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm:672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)およびCy7(755nm;778nm)であり、したがって、同時検出が可能である。フルオレセイン染料の他の例には、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2’,4’,1,4,−テトラクロロフルオレセイン(TET)、2’,4’,5’,7’,1,4−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシローダミン(JOE)、2’−クロロ−5’−フルオロ−7’,8’−融合フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(NED)および2’−クロロ−7’−フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(VIC)が含まれる。蛍光標識は、種々の商業供給者(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ;Molecular Probes,Eugene,OR;およびResearch Organics,Cleveland,Ohioが含まれる)から得ることができる。
目的とするさらなる標識には、それらが関連するプローブが標的分子に特異的に結合する場合にのみシグナルを提供するものが含まれ、かかる標識には、Tyagi & Kramer,Nature Biotechnology(1996)14:303および欧州特許第0070685 B1号に記載の「分子ビーコン」が含まれる。目的とする他の標識には、米国特許第5,563,037号、国際公開第97/17471号、および国際公開第97/17076号に記載されているものが含まれる。
標識ヌクレオチドは、合成の間に発現核酸へ直接組み込むための検出標識の有用な形態である。核酸に組み込むことができる検出標識の例には、BrdUrd(5−ブロモデオキシウリジン、Hoy and Schimke,Mutation Research 290:217−230(1993))、アミノアリルデオキシウリジン(Henegariu et al.,Nature Biotechnology 18:345−348(2000))、5−メチルシトシン(Sano et al.,Biochim.Biophys.Acta 951:157−165(1988))、ブロモウリジン(Wansick et al.,J.Cell Biology 122:283−293(1993))などのヌクレオチドアナログ、およびビオチン(Langer et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:6633(1981))またはジゴキシゲニン(digoxygenin)(Kerkhof,Anal.Biochem.205:359−364(1992))などの適切なハプテンで改変したヌクレオチドが含まれる。適切な蛍光標識ヌクレオチドは、フルオレセイン−イソチオシアネートdUTP、シアニン−3−dUTPおよびシアニン−5−dUTPである(Yu et al.,Nucleic Acids Res.,22:3226−3232(1994))。DNAに好ましいヌクレオチドアナログ検出標識は、BrdUrd(ブロモデオキシウリジン、BrdUrd、BrdU、BUdR、Sigma−Aldrich Co)である。検出標識のDNAへの組み込みに有用な他のヌクレオチドアナログは、AA−dUTP(アミノアリル−デオキシウリジントリホスフェート、Sigma−Aldrich Co.)および5−メチル−dCTP(Roche Molecular Biochemicals)である。検出標識のRNAへの組み込みに有用なヌクレオチドアナログは、ビオチン−16−UTP(ビオチン−16−ウリジン−5’−トリホスフェート、Roche Molecular Biochemicals)である。フルオレセイン、Cy3およびCy5は、直接標識のためにdUTPに結合することができる。Cy3.5およびCy7は、ビオチン−またはジゴキシゲニン標識プローブの二次検出用のアビジンまたは抗ジゴキシゲニン結合体として利用可能である。
ビオチンなどの核酸に組み込まれる検出標識を、その後に当該技術で周知の感度のよい方法を使用して検出することができる。例えば、ビオチンは、ビオチンに結合しているストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ結合体(Tropix,Inc.)を使用して検出することができ、その後に適切な基質(例えば、化学発光基質CSPD:3−(4−メトキシスピロ−〔1,2,−ジオキセタン−3−2’−(5’−クロロ)トリシクロ〔3.3.1.13,7〕デカン〕−4−イル)フェニルリン酸二ナトリウム;Tropix,Inc.)の化学発光により検出することができる。標識はまたは、例えば、化学シグナル増幅により、または発光シグナルを生じる酵素(例えば、化学発光1,2−ジオキセタン基質)もしくは蛍光シグナルを生じる酵素への基質を使用することにより検出することができる、アルカリホスファターゼ、ダイズペルオキシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼおよびポリメラーゼなどの酵素であり得る。
2個以上のこれらの検出標識を組み合わせる分子も検出標識と見なされる。既知の検出標識のいずれかを、開示されているプローブ、タグ、分子、および方法と共に使用して、開示の方法で産生された活性化または非活性化リボスイッチ、または核酸、またはタンパク質を標識および検出することができる。検出標識により生成されたシグナルを検出および測定する方法も、当業者に公知である。例えば、放射性同位体を、シンチレーションカウンティングまたは直接可視化により検出することができ、蛍光分子を、蛍光分光光度計を使用して検出することができ、リン光分子を、分光光度計またはカメラによる直接可視化により検出することができ、酵素を、酵素により触媒された反応の産物の検出または可視化により検出することができ、抗体を、抗体に結合した二次検出標識を検出することによって検出することができる。本明細書で使用する場合、検出分子は、検出する化合物または組成物と相互作用し、1つまたは複数の検出標識をカップリングする分子である。
I.配列類似性
本明細書中で考察するように、用語相同性および同一性の使用は類似性と同一であることを意味すると理解される。したがって、例えば、用語相同性を2配列間(例えば、非天然配列)で使用する場合、これは必ずしもこれら2配列間の進化的関係を示しているわけではなく、むしろ、それらの核酸配列間の類似性または関連性に注目していると理解される。2つの進化的に関連した分子間の相同性の多数の決定方法を、これらが進化的に関連するかどうかと無関係に、配列類似性を測定するために任意の2つ以上の核酸またはタンパク質に日常的に適用する。
一般に、本明細書中に開示のリボスイッチ、アプタマー、発現プラットフォーム、遺伝子、およびタンパク質の任意の公知の改変体および誘導体または生じ得るものを定義する1つの方法は、公知の特異的配列に対する相同性に関する改変体および誘導体の定義によると理解される。本明細書中に開示の特定の配列のこの同一性も、本明細書中の他所で考察する。一般に、本明細書中に開示のリボスイッチ、アプタマー、発現プラットフォーム、遺伝子、およびタンパク質の改変体は、典型的には、定められた配列または天然配列に対して少なくとも約70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の相同性を有する。当業者は、2つのタンパク質または核酸(遺伝子など)の相同性の決定方法を容易に理解する。例えば、相同性がその最高レベルとなるような2つの配列のアラインメント後に相同性を計算することができる。
相同性の別の計算方法を、公開されたアルゴリズムによって行うことができる。比較のための最適な配列アラインメントを、Smith and Waterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的相同性アルゴリズム、Needleman and Wunsch,J.MoL Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズム、Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444(1988)の類似性検索方法、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実行(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WIのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または調査によって行うことができる。
例えば、Zuker,M.Science 244:48−52,1989,Jaeger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:7706−7710,1989,Jaeger et al.Methods Enzymol.183:281−306,1989(少なくとも核酸アラインメントに関する材料について本明細書中で参考として援用される)に開示のアルゴリズムによって、核酸についての同型の相同性を得ることができる。典型的には任意の方法を使用することができると理解され、場合によってはこれらの種々の方法の結果が異なり得ると理解されるが、当業者は、これらの方法の少なくとも1つを使用して同一性を見出す場合、配列は定められた同一性を有するといわれると理解する。
例えば、本明細書中で使用する場合、別の配列に対して特定の相同率を有するものとして列挙される配列は、1つまたは複数の上記の計算方法のいずれかによって計算した列挙した相同性を有する配列をいう。例えば、本明細書中で定義するように、Zuker計算法を使用して第1の配列が第2の配列に対して80%相同性を有すると計算される場合、任意の他の計算法によって計算した場合に第1の配列が第2の配列に対して80%相同性を持たない場合でさえ、第1の配列は第2の配列に対して80%相同性を有する。別の例として、本明細書中で定義するように、Zuker計算法およびPearson and Lipman計算法の両方を使用して第1の配列が第2の配列に対して80%相同性を有すると計算される場合、Smith and Watermanの計算法、Needleman and Wunschの計算法、Jaegerの計算法、または任意の他の計算法によって計算した場合に第1の配列が第2の配列に対して80%相同性を持たない場合でさえ、第1の配列は第2の配列に対して80%相同性を有する。さらに別の例として、本明細書中で定義するように、各計算法を使用して第1の配列が第2の配列に対して80%相同性を有すると計算される場合、第1の配列は第2の配列に対して80%相同性を有する(しかし、実際には、異なる計算法により、しばしば、異なる相同率の計算値が得られる)。
J.ハイブリッド形成および選択的ハイブリッド形成
用語「ハイブリッド形成」は、典型的には、少なくとも2つの核酸分子(プライマーまたはプローブとリボスイッチまたは遺伝子など)の間の配列駆動相互作用を意味する。配列駆動相互作用は、2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド誘導体の間でヌクレオチド特異的様式にて起こる相互作用を意味する。例えば、Cと相互作用するGまたはTと相互作用するAは、配列駆動相互作用である。典型的には、配列駆動相互作用は、ヌクレオチドのワトソン−クリック面またはフーグスティーン面上で起こる。2つの核酸のハイブリッド形成は、当業者に公知の多数の条件およびパラメータに影響を受ける。例えば、塩濃度、pH、および反応温度の全てが2つの核酸分子がハイブリッド形成するかどうかに影響を及ぼす。
2つの核酸分子間の選択的ハイブリッド形成のパラメータは、当業者に周知である。例えば、いくつかの実施形態では、選択的ハイブリッド形成条件を、ストリンジェントなハイブリッド形成条件と定義することができる。例えば、ハイブリッド形成のストリンジェンシーを、ハイブリッド形成工程および洗浄工程のいずれかまたは両方の温度および塩濃度の両方によって調節する。例えば、選択的ハイブリッド形成を達成するためのハイブリッド形成条件は、高イオン強度溶液(6×SSCまたは6×SSPE)中でTm(分子の半分がそのハイブリッド形成パートナーから解離する融点)より約12〜25℃低い温度でのハイブリッド形成およびそれに続く洗浄温度がTmより約5℃〜20℃低いように選択された温度と塩濃度との組み合わせによる洗浄を含むことができる。温度および塩条件は、フィルター上に固定した参照DNAサンプルを目的の標識核酸とハイブリッド形成させ、次いで、異なるストリンジェンシー条件下で洗浄する予備実験において実験的に容易に決定される。ハイブリッド形成温度は、典型的には、DNA−RNAおよびRNA−RNAハイブリッド形成についてはより高い。上記の条件または当該分野で公知の条件を使用して、ストリンジェンシーを達成することができる(Sambrook et al.,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989;Kunkel et al.Methods Enzymol.1987:154:367,1987(少なくとも核酸のハイブリッド形成に関連する材料について本明細書中で参考として援用される))。DNA:DNAハイブリッド形成のための好ましいストリンジェントなハイブリッド形成条件は、約68°C(水溶液中)の6×SSCまたは6×SSPEおよびそれに続く68℃での洗浄であり得る。ハイブリッド形成および洗浄のストリンジェンシーを、必要に応じて、所望の相補度が減少するのに合わせて、さらに、変動性が検索される任意の領域のG−CまたはA−Tの豊富さに応じて減少させることができる。同様に、ハイブリッド形成および洗浄のストリンジェンシーを、必要に応じて、所望の相同性が増加するのに合わせて、さらに、高相同性が望まれる任意の領域のG−CまたはA−Tの豊富さに応じて増加させることができ、これらは全て当該分野で公知である。
別の選択的ハイブリッド形成を定義する方法は、他の核酸に結合した核酸の1つの量(比率)の検索による。例えば、いくつかの実施形態では、選択的ハイブリッド形成条件は、少なくとも約60、65、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%の制限核酸が非制限核酸に結合する場合である。典型的には、非制限核酸は、例えば、10、または100、または1000倍過剰である。このアッセイ型を、制限核酸および非制限核酸の両方が、例えば、それらのkよりも10倍、または100倍、または1000倍を下回る条件下、または核酸分子の一方のみが10倍、または100倍、または1000倍である条件下、または核酸分子の一方または両方がそれらのkを超える条件下で行うことができる。
別の選択的ハイブリッド形成を定義する方法は、所望の酵素操作を促進するためにハイブリッド形成が必要な条件下で酵素的に操作される核酸の比率の検索による。例えば、いくつかの実施形態では、選択的ハイブリッド形成条件は、少なくとも約60、65、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%の核酸が、酵素操作を促進する条件下で酵素的に操作される場合である。例えば、酵素操作がDNA伸長である場合、選択的ハイブリッド形成条件は、少なくとも約60、65、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%の核酸分子が伸長される場合である。好ましい条件には、製造者によって示唆される条件または当該分野で操作を実行する酵素に適切であることが示された条件も含まれる。
相同性と同様に、2つの核酸分子の間のハイブリッド形成レベルを決定するための本明細書中に開示の種々の方法が多数存在すると理解される。これらの方法および条件により、2つの核酸分子間で異なる比率でハイブリッド形成を提供し得るが、他で示さない限り、任意の方法のパラメータを満たすことで十分であると理解される。例えば、80%ハイブリッド形成が必要である場合、およびこれらの方法のいずれか1つにおける必要なパラメータ内でハイブリッド形成が起こる限り、本明細書中に開示されると見なされる。
当業者は、組成物または方法が集合的または単独にハイブリッド形成の決定のためのこれらの基準のうちのいずれか1つを満たす場合、この組成物または方法は本明細書中に開示される組成物または方法であると理解すると理解される。
K.核酸
核酸ベースである種々の分子(例えば、リボスイッチ、アプタマー、ならびにリボスイッチおよびアプタマーをコードする核酸が含まれる)を本明細書中に開示する。開示の核酸は、例えば、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはヌクレオチド置換物から構成され得る。これらの分子および他の分子の制限されない例は、本明細書中に述べられている。例えば、ベクターを細胞中で発現する場合、発現したmRNAは、典型的には、A、C、G、およびUから構成されると理解される。同様に、例えば、外因性送達によって核酸分子を細胞または細胞環境に導入する場合、細胞環境下で核酸分子の分解を減少させるヌクレオチドアナログから核酸分子が構成されることが有利であると理解される。
それらの関連する機能が維持される限り、リボスイッチ、アプタマー、発現プラットフォーム、および任意の他のオリゴヌクレオチドおよび核酸は、改変ヌクレオチド(ヌクレオチドアナログ)から構成され得るかまたはそれを含むことができる。多くの改変ヌクレオチドが知られており、オリゴヌクレオチドおよび核酸で使用することができる。ヌクレオチドアナログは、いくつかの改変型(塩基部分、糖部分またはリン酸部分のいずれかに対応する)を含むヌクレオチドである。塩基部分に対する改変には、A、C、GおよびT/U、ならびに異なるプリンまたはピリミジン塩基の天然および合成改変が含まれる(ウラシル−5−イル、ヒポキサンチン−9−イル(I)および2−アミノアデニン−9−イルなど)。改変塩基には、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニジンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニジンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換のアデニンおよびグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換のウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニン、ならびに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンが含まれるが、これらに限定されない。さらなる塩基改変を、例えば、米国特許第3,687,808号、Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613およびSanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,pages 289−302,Crooke,S.T.and Lebleu,B.ed.,CRC Press,1993で見出すことができる。特定のヌクレオチドアナログ(5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6およびO−6置換プリンなど)には、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシンが含まれる。5−メチルシトシンは、二重鎖形成の安定性を増加することができる。他の改変塩基は、ユニバーサル塩基(universal base)として機能するものである。ユニバーサル塩基には、3−ニトロピロールおよび5−ニトロインドールが含まれる。ユニバーサル塩基は、通常の塩基の代わりになるが、塩基対合に対して偏りがない。すなわち、ユニバーサル塩基は、任意の他の塩基と塩基対合することができる。塩基改変は、しばしば、例えば2’−O−メトキシエチルなどの糖改変と組み合わせて、二重鎖の安定性の増加などの特有の特性を得ることができる。塩基改変の範囲を詳述し、記載する、多数の米国特許(第4,845,205号、第5,130,302号、第5,134,066号、第5,175,273号、第5,367,066号、第5,432,272号、第5,457,187号、第5,459,255号、第5,484,908号、第5,502,177号、第5,525,711号、第5,552,540号、第5,587,469号、第5,594,121号、第5,596,091号、第5,614,617号および第5,681,941号など)が存在する。これらの特許は、それぞれその全体が、特に、塩基改変、それらの合成、それらの使用、ならびにそれらのオリゴヌクレオチドおよび核酸への組み込みについて本明細書中で参照として援用される。
ヌクレオチドアナログは、糖部分の改変を含むこともできる。糖部分の改変には、リボースおよびデオキシリボースの天然改変、ならびに合成改変が含まれる。糖改変には、2’位での以下の改変が含まれるが、これらに限定されない:OH;F;O−、S−またはN−アルキル;O−、S−またはN−アルケニル;O−、S−またはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキル(ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、C1〜C10置換または非置換のアルキルまたはC2〜C10置換または非置換のアルケニルおよびアルキニルであり得る)。2’糖改変には、−O〔(CHO〕CH、−O(CHOCH、−O(CHNH、−O(CHCH、−O(CH−ONHおよび−O(CHON[(CHCH)](ここで、nおよびmは、1〜約10である)も含まれるが、これらに限定されない。
2’位での他の改変には、C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルもしくはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、介入物質、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善する基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善する基、および同様な特性を有する他の置換基が含まれるが、これらに限定されない。類似の改変を、糖の他の位置、特に3’末端ヌクレオチド上または2’−5’結合オリゴヌクレオチド内の糖の3’位、および5’末端ヌクレオチドの5’位で行うこともできる。改変糖には、架橋環酸素での改変(CHおよびSなど)を含むものも含まれる。ヌクレオチド糖アナログは、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分などの糖模倣物を有することもできる。かかる改変糖構造の調製を教示する多数の米国特許(第4,981,957号、第5,118,800号、第5,319,080号、第5,359,044号、第5,393,878号、第5,446,137号、第5,466,786号、第5,514,785号、第5,519,134号、第5,567,811号、第5,576,427号、第5,591,722号、第5,597,909号、第5,610,300号、第5,627,053号、第5,639,873号、第5,646,265号、第5,658,873号、第5,670,633号および第5,700,920号など)が存在し、それぞれその全体が、特に、改変糖構造、それらの合成、それらの使用、ならびにそれらのヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび核酸への組み込みについての記載が、本明細書中で参考として援用される。
ヌクレオチドアナログは、リン酸部分を改変することもできる。改変リン酸部分には、2つのヌクレオチド間の架橋が、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび他のアルキルホスホネート(3’−アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートが含まれる)、ホスフィネート、ホスホルアミデート(3’−アミノホスホルアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデートが含まれる)、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートを含むように改変できるものが含まれるが、これらに限定されない。2つのヌクレオチド間のこれらのリン酸または改変リン酸架橋は、3’−5’架橋または2’−5’架橋を介することができ、および架橋は、3’−5’から5’−3’までまたは2’−5’から5’−2’までなどの逆の極性を含むことができることが理解される。種々の塩、混合塩および遊離酸形態も含まれる。多数の米国特許が改変リン酸を含むヌクレオチドをどのように作製し、使用するかを教示しており、第3,687,808号、第4,469,863号、第4,476,301号、第5,023,243号、第5,177,196号、第5,188,897号、第5,264,423号、第5,276,019号、第5,278,302号、第5,286,717号、第5,321,131号、第5,399,676号、第5,405,939号、第5,453,496号、第5,455,233号、第5,466,677号、第5,476,925号、第5,519,126号、第5,536,821号、第5,541,306号、第5,550,111号、第5,563,253号、第5,571,799号、第5,587,361号および第5,625,050号が含まれるが、これらに限定されない(それぞれその全体が、特に、改変リン酸、それらの合成、それらの使用、ならびにそれらのヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび核酸への組み込みについての記載が、本明細書中で参考として援用される)。
ヌクレオチドアナログは単一の改変しか含む必要がないが、1つの部分の中にまたは異なる部分の間に、複数の改変を含むこともできることが理解される。
ヌクレオチド置換物は、ヌクレオチドと同様の機能的性質を有するが、リン酸部分を含まない分子である(ペプチド核酸(PNA)など)。ヌクレオチド置換物は、ワトソン・クリックまたはフーグスティーン様式で相補核酸を認識し、それにハイブリダイズする(塩基対合する)分子であるが、リン酸部分以外の部分を介して一緒に結合する分子である。ヌクレオチド置換物は、適切な標的核酸と相互作用する場合、二重らせん型構造に調和することもできる。
ヌクレオチド置換物は、リン酸部分および/または糖部分が置換されたヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログである。ヌクレオチド置換物は、標準的なリン原子を含まない。リン酸の置換物は、例えば、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間架橋、混合ヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間架橋、または1つまたは複数の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間架橋であり得る。これらには、モルホリノ架橋(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成されている);シロキサン骨格;硫化物、スルホキシドおよびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファミン酸骨格;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格;スルホン酸およびスルホンアミド骨格;アミド骨格を有するもの、ならびに混合N、O、SおよびCH成分部分を有する他のものが含まれる。多数の米国特許がこれらの種類のリン酸置換体をどのように作製し、使用するかを開示しており、第5,034,506号、第5,166,315号、第5,185,444号、第5,214,134号、第5,216,141号、第5,235,033号、第5,264,562号、第5,264,564号、第5,405,938号、第5,434,257号、第5,466,677号、第5,470,967号、第5,489,677号、第5,541,307号、第5,561,225号、第5,596,086号、第5,602,240号、第5,610,289号、第5,602,240号、第5,608,046号、第5,610,289号、第5,618,704号、第5,623,070号、第5,663,312号、第5,633,360号、第5,677,437号、および第5,677,439号が含まれるが、これらに限定されない(それぞれその全体が、特に、リン酸置換体、それらの合成、それらの使用、ならびにそれらのヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび核酸への組み込みについての記載が、本明細書中で参考として援用される)。
また、ヌクレオチドの糖とリン酸の両方の部分を、例えばアミド型架橋(アミノエチルグリシン)(PNA)で置換することができることが、核酸置換物において理解される。米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号および同第5,719,262号は、PNA分子をどのように作製し、使用するかを教示しており、それぞれ本明細書中で参考として援用される。(Nielsen et al.,Science 254:1497−1500(1991)も参照すること)。
オリゴヌクレオチドおよび核酸をヌクレオチドから構成することができ、異なるヌクレオチド型または同一のヌクレオチド型から構成することができる。例えば、オリゴヌクレオチドにおける1つまたは複数のヌクレオチドが、リボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドと2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であり得るか、ヌクレオチドの約10%〜約50%が、リボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドと2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であり得るか、ヌクレオチドの約50%以上が、リボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドと2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であり得るか、あるいは全てのヌクレオチドが、リボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドと2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であり得る。かかるオリゴヌクレオチドおよび核酸を、キメラオリゴヌクレオチドおよびキメラ核酸と呼ぶことができる。
L.固体支持体
固体支持体は、分子(トリガー分子など)およびリボスイッチ(または開示の方法で使用されるか開示の方法によって産生された他の成分)を会合することができる固体状態の基質または支持体である。リボスイッチおよび他の分子を、固体支持体と直接または間接的に会合することができる。例えば、分析物(例えば、トリガー分子、試験化合物)を、固体支持体表面に結合することができるか、固体支持体上に固定した捕捉剤(例えば、分析物に結合する化合物または分子)と会合することができる。別の例として、リボスイッチを、固体支持体表面に結合することができるか、固体支持体上に固定したプローブと会合することができる。アレイは、複数のリボスイッチ、プローブ、または他の分子がアレイ、グリッド、または他の組織化されたパターンに会合された固体支持体である。
固体支持体で使用する固体状態の基質には、成分を直接または間接的に会合することができる任意の固体材料が含まれ得る。これには、アクリルアミド、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、金、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンラバー、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルソエステル、官能性シラン、ポリプロピルフメレート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸などの材料が含まれる。固体状態の基質は、任意の有用な形態(薄膜、膜、ボトル、皿、ファイバー、織り繊維、成形ポリマー、粒子、ビーズ、微粒子、またはこれらの組み合わせが含まれる)を有することができる。固体状態の基質および固体支持体は、多孔質または非多孔質であり得る。チップは、矩形または四角の材料小片である。固体状態の基質の好ましい形態は、薄膜、ビーズ、またはチップである。有用な固体状態の基質の形態はマイクロタイターディッシュである。いくつかの実施形態では、マルチウェルガラススライドを使用することができる。
アレイは、固体支持体上の規定または所定の位置に固定した複数のリボスイッチ、トリガー分子、他の分子、化合物、またはプローブを含むことができる。固体支持体上のそれぞれの所定の位置は、一般に、1種の成分型を有する(すなわち、その位置の全成分は同一である)を有する。あるいは、固体支持体上の同一の所定の位置に複数の成分型を固定することができる。各位置は、所与の成分の複数のコピーを有する。固体支持体上の異なる成分の空間的分離により、個別に検出および同定が可能である。
有用であるにもかかわらず、固体支持体は単一の単位または構造である必要はない。リボスイッチ、トリガー分子、他の分子、化合物、および/またはプローブの組を、多数の固体支持体の一面に分布させることができる。例えば、ある極端な場合では、各成分を個別の反応管または反応容器中、または個別のビーズまたは微粒子上に固定することができる。
オリゴヌクレオチドの固体状態の基質への固定方法は十分に確立されている。オリゴヌクレオチド(アドレスプローブおよび検出プローブが含まれる)を、確立されたカップリング法を使用して基質にカップリングすることができる。例えば、適切な付着方法は、Pease et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91(11):5022−5026(1994)およびKhrapko et al.,Mol Biol(Mosk)(USSR)25:718−730(1991)に記載されている。カゼイン被覆スライド上の3’−アミンオリゴヌクレオチドの固定方法は、Stimpson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6379−6383(1995)に記載されている。オリゴヌクレオチドの固体状態の基質への有用な付着方法は、Guo et al.,Nucleic Acids Res.22:5456−5465(1994)に記載されている。
固体支持体上に固定した各成分(例えば、リボスイッチ、トリガー分子、または他の分子)を、固体支持体の異なる所定の領域に配置することができる。異なる位置は、異なる反応チャンバーであり得る。異なる所定の領域それぞれを、相互の異なる領域から物理的に分離することができる。固体支持体の異なる所定の領域の間の距離は、固定されていても変化しても良い。例えば、アレイでは、各成分を、相互に固定した距離に配置することができる一方で、ビーズに会合した成分は固定した空間的関係にない。特に、複数の固体支持体単位(例えば、複数のビーズ)の使用により、距離が変化する。
成分を、任意の密度で固体支持体上に会合または固定することができる。成分を、立方センチメートルあたり400種を超える異なる成分を含む密度で固体支持体に固定することができる。成分アレイは、多数の成分を有することができる。例えば、アレイは、固体支持体上に固定した少なくとも1,000種の異なる成分、固体支持体上に固定した少なくとも10,000種の異なる成分、固体支持体上に固定した少なくとも100,000種の異なる成分、または固体支持体上に固定した少なくとも1,000,000種の異なる成分を有することができる。
M.キット
上記の材料および他の材料を、開示の方法の実施または実施の補助に有用なキットとして任意の適切な組み合わせで一緒に包装することができる。所与のキット中のキット構成成分を、開示の方法で一緒に使用するためにデザインおよび適合することが有用である。例えば、化合物検出のためのキット、1つまたは複数のバイオセンサーリボスイッチを含むキットを開示する。キットはまた、リボスイッチの活性化の検出のための試薬および標識を含むことができる。
N.混合物
開示の方法の実施または実施のための調製によって形成された混合物を開示する。例えば、リボスイッチおよびトリガー分子を含む混合物を開示する。
方法が組成物、または成分、または試薬の混合または接触を含むときはいつでも、方法の実施により、多数の異なる混合物が作製される。例えば、方法が3つの混合工程を含む場合、工程を個別に実施する場合にこれらの各工程後に固有の混合物が形成される。さらに、工程の実施方法と無関係に、全工程の完了時点に混合物が形成される。本開示は、開示の方法の実施によって得られたこれらの混合物および任意の開示の試薬、組成物、または成分(例えば、本明細書中に開示)を含む混合物を意図する。
O.系
開示の方法の実施または実施における補助に有用な系を開示する。系は、一般に、構造、機械、およびデバイスなどならびに組成物、化合物、材料などの製品の組み合わせを含む。開示または開示から明らかなかかる組み合わせを意図する。例えば、バイオセンサーリボスイッチ、固体支持体、および信号読み取りデバイスを含む系を開示および意図する。
P.データ構造およびコンピュータ制御
開示の方法で使用されるか、開示の方法によって生成されるか、開示の方法から生成されるデータ構造を開示する。データ構造は、一般に、組成物または媒体中に回収され、組織化され、保存され、そして/または統合された任意の形態のデータ、情報、および/またはオブジェクトである。電子的形態(RAM中または保存ディスク上など)で保存されたリボスイッチ構造および活性化の測定値は、1つのデータ構造型である。
開示の方法、その任意の一部、またはその調製を、コンピュータ制御によって調節、管理、または支援することができる。かかるコンピュータ制御を、コンピュータ制御されたプロセスまたは方法によって実施することができ、データ構造を使用および/または生成することができ、コンピュータプログラムを使用することができる。かかるコンピュータ制御、コンピュータ制御されたプロセス、データ構造、およびコンピュータプログラムが意図され、本明細書中に開示されると理解すべきである。
方法
RNAのスプライシングを調節するリボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する方法を開示する。かかる方法は、例えば、リボスイッチと、リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することができる化合物またはトリガー分子とを接触させる工程を含むことができる。リボスイッチは、トリガー分子の結合または除去によって遺伝子発現を調節するように機能する。化合物を使用して、リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することができる。リボスイッチを、例えば、リボスイッチの存在からのトリガー分子の除去によって非活性化することもできる。したがって、開示のリボスイッチの非活性化方法は、例えば、リボスイッチの存在または接触からトリガー分子(または他の活性化化合物)を除去する工程を含むことができる。リボスイッチを、例えば、リボスイッチを活性化しないトリガー分子のアナログの結合によって遮断することができる。
化合物のRNA分子との接触によってスプライシングを調節するリボスイッチをRNA分子が含む、RNA分子の発現またはRNA分子をコードする遺伝子の発現を変化させる方法も開示する。リボスイッチは、例えば、RNA分子のオルタナティブスプライシング(alternative spicing)を調節することができる。リボスイッチは、トリガー分子の結合または除去によって遺伝子発現を調節するように機能する。したがって、リボスイッチを含む目的のRNA分子を、リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する条件に供して、RNAの発現を変化させるために用いることができる。例えば、転写の終結またはRNAへのリボゾーム結合の遮断の結果として発現を変化させることができる。トリガー分子の結合は、リボスイッチの性質および生じるオルタナティブスプライシングの型に応じて、RNA分子の発現を減少または防止することができるか、またはRNA分子の発現を促進または増加することができる。
リボスイッチの活性化、非活性化、または遮断によってスプライシングを調節するリボスイッチを含む天然に存在する遺伝子またはRNAの発現を調節する方法も開示する。リボスイッチは、例えば、RNAのオルタナティブスプライシング(alternative spicing)を調節することができる。遺伝子がこの遺伝子を保有する細胞または生物の生存に不可欠である場合、リボスイッチの活性化、非活性化、または遮断により、細胞または生物が死滅、静止、または衰弱し得る。例えば、微生物の生存に不可欠な天然に存在する遺伝子中の天然に存在するリボスイッチの活性化により、微生物を死滅させることができる(リボスイッチの活性化が発現を停止するか発現を抑制する場合)。これは、抗菌効果および抗生物質効果のための本開示の化合物および方法の使用についての1つの基礎である。これらの抗菌効果を有する化合物は、静菌性であるかまたは殺菌性であると見なされる。
リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することができる化合物を選択および同定する方法も開示する。リボスイッチの活性化は、トリガー分子の結合の際のリボスイッチの状態の変化をいう。リボスイッチを、トリガー分子以外の化合物およびトリガー分子の結合以外の方法で活性化することができる。用語トリガー分子を、本明細書中で、リボスイッチを活性化することができる分子および化合物をいうために使用する。これには、リボスイッチおよびリボスイッチを活性化することができる他の化合物のための天然または通常のトリガー分子が含まれる。天然または通常のトリガー分子は、所与の天然のリボスイッチのトリガー分子またはいくつかの非天然リボスイッチの場合、リボスイッチがデザインされるか、リボスイッチが選択される(例えば、in vitro選択技術またはin vitro進化技術など)トリガー分子である。非天然トリガー分子を、非天然トリガー分子ということができる。
本明細書中に開示されているか本明細書中に開示の方法によって同定された化合物と細菌を接触させる工程を含む、細菌を死滅させるかまたは阻害する方法も開示する。
リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する化合物を同定する方法も開示する。例えば、リボスイッチを活性化する化合物を、試験化合物とリボスイッチとを接触させる工程、およびリボスイッチ活性化を評価する工程によって同定することができる。リボスイッチが活性化される場合、試験化合物を、リボスイッチを活性化する化合物と同定する。リボスイッチの活性化を、任意の適切な様式で評価することができる。例えば、リボスイッチをレポーターRNAに連結することができ、レポーターRNAの発現、発現レベル、または発現レベルの変化を、試験化合物の存在下および非存在下で測定することができる。別の例として、リボスイッチは、高次構造依存性標識(リボスイッチの活性化状態に応じて変化するシグナル)を含むことができる。かかるリボスイッチは、好ましくは、天然に存在するリボスイッチに由来するか、これから誘導したアプタマードメインを使用する。認められるように、調節アッセイまたは測定を使用するかあるいは調節アッセイまたは測定を使用しないで、リボスイッチ活性化の評価を実施することができる。リボスイッチを非活性化する化合物の同定方法を、類似の方法で行うことができる。
本明細書中の他所に開示の方法に加えて、リボスイッチを遮断する化合物の同定を、任意の適切な様式で行うことができる。例えば、リボスイッチを活性化または非活性化することが公知の化合物の存在下および試験化合物の存在下でリボスイッチの活性化または非活性化を評価するためのアッセイを行うことができる。試験化合物の非存在下において認められないのと同様に活性化または非活性化が認められない場合、試験化合物を、リボスイッチの活性化または非活性化を遮断する化合物と同定する。
バイオセンサーリボスイッチを使用した化合物の検出方法も開示する。本方法は、試験サンプルとバイオセンサーリボスイッチとを接触させる工程およびバイオセンサーリボスイッチの活性化を評価する工程を含むことができる。バイオセンサーリボスイッチの活性化は、試験サンプル中のバイオセンサーリボスイッチのためのトリガー分子の存在を示す。バイオセンサーリボスイッチは、その同系トリガー分子の存在下で検出可能なシグナルを産生する操作されたリボスイッチである。有用なバイオセンサーリボスイッチを、トリガー分子の閾値レベルまたは閾値レベルを超えて誘発することができる。バイオセンサーリボスイッチを、in vivoまたはin vitroでの使用のためにデザインすることができる。例えば、シグナルとしての機能を果たすかシグナル生成に関与するタンパク質をコードするレポーターRNAに作動可能に連結されたpreQバイオセンサーリボスイッチを、細胞または生物がリボスイッチ/レポーターRNAをコードする核酸構築物を保有するように操作することによってin vivoで使用することができる。in vitroで使用するバイオセンサーリボスイッチの例は、高次構造依存性標識(リボスイッチの活性化状態に応じて変化するシグナル)を含むpreQリボスイッチである。かかるバイオセンサーリボスイッチは、好ましくは、天然に存在するpreQリボスイッチに由来するか起源とするアプタマードメインを使用する。
リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する化合物の同定および同定された化合物の製造によって作製された化合物も開示する。例えば、本明細書中の他所に開示の化合物同定方法と同定された化合物の製造方法との組み合わせにより、これを行うことができる。例えば、試験化合物とリボスイッチとの接触工程、リボスイッチの活性化の評価工程、および試験化合物によってリボスイッチが活性化された場合の化合物としてのリボスイッチを活性化する試験化合物の製造工程によって化合物を作製することができる。
化合物によるリボスイッチの活性化、非活性化、または遮断のチェック工程およびチェックした化合物の製造工程によって作製された化合物も開示する。例えば、本明細書中の他所に開示したように化合物の活性化、非活性化、または遮断の評価方法とチェックした化合物の製造方法との組み合わせによってこれを行うことができる。例えば、試験化合物とリボスイッチとの接触工程、リボスイッチ活性化の評価工程、および試験化合物によってリボスイッチが活性化された場合の化合物としてのリボスイッチを活性化する試験化合物の製造工程によって化合物を作製することができる。化合物がリボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する能力についての化合物のチェックは、リボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することを以前に知られていない化合物の同定および化合物がリボスイッチを活性化、非活性化、または遮断することが既に知られていた場合のリボスイッチを活性化、非活性化、または遮断する化合物の能力の評価の両方をいう。
目的の化合物を検出する方法をさらに開示するが、該方法は、サンプルをリボスイッチと接触させる工程を含み、リボスイッチが目的の化合物によって活性化され、目的の化合物によって活性化された場合にリボスイッチがシグナルを生成し、サンプルが目的の化合物を含む場合にリボスイッチがシグナルを生成し、リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、方法である。目的の化合物によって活性化された場合にリボスイッチは高次構造を変化させることができ、高次構造の変化によって高次構造依存性標識を介してシグナルが生成される。目的の化合物によって活性化された場合にリボスイッチは高次構造を変化させることもでき、高次構造の変化によってリボスイッチに連結したRNAの発現が変化し、発現の変化によってシグナルを生成する。シグナルを、リボスイッチに連結したRNAから発現したレポータータンパク質によって生成することができる。
具体的には、サンプル中のpreQを検出する方法であって、preQ応答性リボスイッチをサンプルと接触させる工程、およびpreQとpreQ応答性リボスイッチとの間の相互作用を検出する工程を含み、preQと該preQ応答性リボスイッチとの間の相互作用がpreQの存在を示す、方法を開示する。preQ応答性リボスイッチを標識することができる。
下記の工程を含む方法を開示する:(a)リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子における遺伝子発現の阻害のための化合物を試験する工程であって、阻害がリボスイッチを介し、リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、試験工程、(b)工程(a)で遺伝子発現を阻害した化合物と細胞との接触によって遺伝子発現を阻害する工程であって、細胞がリボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、化合物がリボスイッチへの結合によって遺伝子の発現を阻害する、阻害工程。
遺伝子における遺伝子発現阻害について化合物を試験することによって遺伝子における遺伝子発現を阻害する化合物として同定された化合物と細胞とを接触させることによってリボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子における遺伝子発現を阻害する工程であって、阻害がリボスイッチを介するものであり、リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、阻害工程を含む方法も開示する。
A.抗菌化合物の同定
リボスイッチは、有機小分子の結合の目的のために考案された新規の構造化RNAクラスである。リボスイッチの天然の結合ポケットを、代謝産物アナログまたは天然代謝産物の形状−空間を模倣する化合物によって標的とすることができる。リボスイッチの小分子リガンドにより、薬物候補を生成するための有用な誘導体化部位が得られる。いくつかのリボスイッチの分布は、米国特許出願公開第2005/0053951号の表1に示されている。一旦リボスイッチクラスが同定されおよび薬物標的としての可能性が評価されると(preQリボスイッチなど)、候補分子を同定することができる。
薬物耐性の細菌株の出現により、新規の抗生物質クラスを同定する必要性が高まっている。抗リボスイッチ薬は、抗菌作用様式を示し、以下の理由のために非常に興味深い。リボスイッチは、基本的代謝過程に重要な遺伝子発現を調節する。したがって、薬物でこれらの遺伝子調節エレメントを操作することにより、新規の抗生物質が得られる。これらの抗菌薬を、静菌性であるまたは殺菌性であると見なすことができる。リボスイッチはまた、代謝産物に選択的に結合するように進化したRNA構造を保有する。したがって、これらのRNA受容体により、タンパク質酵素および受容体のような良好な薬物標的物が作製される。さらに、2つの抗菌化合物(上記で考察)が抗生物質耐性(RNA標的の変異を介して出現)の非活性化によって細菌を死滅させることが示されている。
化合物の非存在下での同一のリボスイッチアッセイと比較して(すなわち、コントロールアッセイと比較して)、化合物の存在下のリボスイッチアッセイにおけるシグナルが少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、50%、75%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、400%、または500%増加する場合に、化合物がリボスイッチを活性化すると同定することができるか、リボスイッチ活性化活性を有すると決定することができる。リボスイッチアッセイを、任意の適切なリボスイッチ構築物を使用して行うことができる。リボスイッチ活性化アッセイに特に有用なリボスイッチ構築物を、本明細書中の他所に記載している。1つまたは複数の特定のリボスイッチ、リボスイッチ構築物、またはリボスイッチクラスに関して、化合物を、リボスイッチを活性化するかリボスイッチ活性化活性を有すると同定することができる。便宜上、preQリボスイッチを活性化するとして同定されたかまたはpreQリボスイッチのためのリボスイッチ活性化活性を有するとして同定された化合物を、特定のpreQリボスイッチ(Bacillus anthracisまたはB.subtilisで見出されるpreQリボスイッチなど)のためのものとして同定されたとすることができる。
B.抗菌化合物の使用方法
in vivoおよびin vitro抗菌方法が本明細書中に開示する。「抗菌」は、細菌増殖の阻害もしくは防止、細菌の死滅、または細菌数の減少を意味する。したがって、有効量の本明細書中に開示の化合物の1つまたは複数と細菌とを接触させる工程を含む、細菌増殖を阻害または防止する方法を開示する。本開示の化合物についてのさらなる構造を、本明細書中に提供する。
細菌細胞増殖を阻害する方法を開示するが、該方法は、細胞をpreQ応答性リボスイッチに結合する化合物と接触させる工程を含んでおり、そこでは、細胞がpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、化合物がpreQ応答性リボスイッチに結合することによって細菌細胞増殖を阻害し、それにより、preQ産生が制限される、方法である。本方法により、化合物と接触しない細胞と比較して、細菌細胞増殖を少なくとも10%減少させることができる。化合物および細胞を、被験体への化合物の投与によって接触させることができる。細胞が被験体中の細菌細胞であり得、化合物が細菌細胞を死滅させるか細菌細胞の増殖を阻害する。被験体は細菌感染を有し得る。化合物を別の抗菌化合物と組み合わせて投与することができる。
細菌は、任意の細菌(Bacillus属、Acinetobacter属、Actinobacillus属、Clostridium属、Desulfitobacterium属、Enterococcus属、Erwinia属、Escherichia属、Exiguobacterium属、Fusobacterium属、Geobacillus属、Haemophilus属、Klebsiella属、Idiomarina属、Lactobacillus属、Lactococcus属、Leuconostoc属、Listeria属、Moorella属、Mycobacterium属、Oceanobacillus属、Oenococcus属、Pasteurella属、Pediococcus属、Pseudomonas属、Shewanella属、Shigella属、Solibacter属、Staphylococcus属、Streptococcus属、Thermoanaerobacter属、Thermotoga属、およびVibrio属由来の細菌など)であり得る。細菌は、例えば、Actinobacillus pleuropneumoniae、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、Bacillus clausii、Bacillus halodurans、Bacillus licheniformis、Bacillus subtilis、Bacillus thuringiensis、Clostridium acetobutylicum、Clostridium dificile、Clostridium perfringens、Clostridium tetani、Clostridium thermocellum、Desulfitobacterium hafniense、Enterococcus faecalis、Erwinia carotovora、Escherichia coli、Exiguobacterium sp.、Fusobacterium nucleatum、Geobacillus kaustophilus、Haemophilus ducreyi、Haemophilus influenzae、Haemophilus somnus、Idiomarina loihiensis、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus plantarum、Lactococcus lactis、Leuconostoc mesenteroides、Listeria innocua、Listeria monocytogenes、Moorella thermoacetica、Oceanobacillus iheyensis、Oenococcus oeni、Pasteurella multocida、Pediococcus pentosaceus、Shewanella oneidensis、Shigella flexneri、Solibacter usitatus、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Thermoanaerobacter tengcongensis、Thermotoga maritima、Vibrio cholerae、Vibrio fischeri、Vibrio parahaemolyticus、またはVibrio vulnificusであり得る。細菌増殖を、細菌が見出される任意の状況で阻害することもできる。例えば、流体中、バイオフィルム中、および他の表面上の細菌増殖を阻害することができる。本明細書中に開示の化合物を、任意の他の化合物または組成物と組み合わせて投与または使用することができる。例えば、本開示の化合物を、別の抗菌化合物と組み合わせて投与または使用することができる。
「細菌増殖の阻害」を、1つの細菌の娘細胞への分裂能力の減少または細菌集団の娘細胞の形成能力の減少と定義する。細菌の再生能力を、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または100%またはそれを超えて減少させることができる。
本明細書中に開示および記載された1つまたは複数の化合物と細菌を接触させる工程を含む、細菌または細菌集団の増殖を阻害し、そして/または死滅させる方法も提供する。
「細菌の死滅」を、1つの細菌の死滅または複数の細菌(コロニー中の細菌など)の数の減少と定義する。複数の形態の細菌について言及する場合、「細菌の死滅」を、集団の10%、集団の20%、集団の30%、集団の40%、集団の50%、集団の60%、集団の70%、集団の80%、集団の90%、または集団の100%以下の比率での所与の細菌集団の細胞死と定義する。
本明細書中に開示の化合物および組成物は、in vitroまたはin vivoで抗菌活性を有し、殺菌性も示し得る他の化合物または組成物と併せて使用することができる。
本明細書中に提供される化合物の、用語「治療有効量」は、非毒性であるが、1つまたは複数の症状を望ましく減少させるのに十分な化合物の量を意味する。以下に指摘するように、化合物の正確な必要量は、被験体の種、年齢、および一般的な健康状態、処置を受ける疾患の重症度、使用された特定の化合物、ならびにその投与様式などに応じて被験体によって変化する。したがって、正確な「有効量」を特定することは可能でない。しかし、当業者は、適切な有効量を、日常的な実験のみを使用して決定することができる。
本明細書中に開示の組成物および化合物を、薬学的に許容可能なキャリア中にてin vivoで投与することができる。「薬学的に許容可能な」は、生物学的でないか、そうでなければ望ましくないことはない材料を意味する。すなわち、材料を、いかなる望ましくない生物学的影響を引き起こすことなくまたは含有するいかなる薬学的組成物の他の成分との有害様式での相互作用も引き起こすことなく被験体に投与することができる。当業者に周知のように、キャリアを、当然のことながら、有効成分の任意の分解を最小にし、被験体における任意の有害な副作用を最小にするように選択する。
本明細書中に開示の組成物または化合物を、経口、非経口(例えば、静脈内)、筋肉内注射、腹腔内注射、経皮、体外、局所など(局所的鼻腔内投与または吸入剤による投与が含まれる)で投与することができる。本明細書中で使用する場合、「局所鼻腔内投与」は、外鼻孔の一方または両方を介した鼻および鼻道への組成物の送達を意味し、噴霧機構もしくは液滴機構、または核酸もしくはベクターのエアゾール化による送達を含むことができる。吸入剤による組成物の投与は、噴霧または液滴機構による送達によって鼻または口を介して行うことができる。挿管によって呼吸器系の任意の領域(例えば、肺)に直接送達させることもできる。組成物の正確な必要量は、被験体の種、年齢、体重、および一般的な健康状態、処置を受けるアレルギー障害の重症度、使用された特定の核酸またはベクター、ならびにその投与様式などに応じて被験体によって変化する。したがって、全ての組成物について正確な量を特定することは可能でない。しかし、当業者は、適切な量を、本明細書中に教示された日常的な実験のみを使用して決定することができる。
組成物または化合物の非経口投与は、使用する場合、一般に、注射によって特徴づけられる。注射剤を、従来の形成で、液体溶液または懸濁液、注射前に液体中に懸濁する溶液に適切な固体形態、または乳濁液として調製することができる。より最近に修正された非経口投与アプローチは、一定の投薬量を維持するような遅延放出系または徐放系の使用を含む。例えば、米国特許第3,610,795号(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
本明細書中に開示の組成物および化合物を、薬学的に許容可能なキャリアと組み合わせて治療的に使用することができる。適切なキャリアおよびその処方物は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(19th ed.)ed.A.R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA 1995に記載されている。典型的には、処方物を等張にするのに適切な量の薬学的に許容可能な塩を処方物中で使用する。薬学的に許容可能なキャリアの例には、生理食塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液が含まれるが、これらに限定されない。溶液のpHは、好ましくは、約5〜約8、より好ましくは約7〜約7.5である。さらなるキャリアには、マトリックスが成形製品の形態である(例えば、フィルム、リポソーム、または微粒子)抗体を含む固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの徐放性調製物が含まれる。例えば、投与経路および投与される組成物の濃度に応じて、一定のキャリアがより好ましいことが当業者に明らかである。
薬学的キャリアは、当業者に公知である。これらは、最も典型的には、ヒトへの薬物投与のための標準的なキャリアである(滅菌水、生理食塩水、生理学的pHの緩衝化溶液などの溶液が含まれる)。組成物を、筋肉内または皮下に投与することができる。他の化合物を、当業者によって使用される標準的な手順にしたがって投与する。
薬学的組成物は、選択の分子に加えて、キャリア、増粘剤、希釈剤、緩衝液、防腐剤、および界面活性剤などを含むことができる。薬学的組成物はまた、1つまたは複数の有効成分(抗菌薬、抗炎症薬、および麻酔薬など)を含むことができる。
薬学的組成物を、局所処置または全身処置のいずれが望ましいかおよび処置する領域に応じて多数の方法で投与することができる。投与は、局所(眼科、膣、直腸、鼻腔内が含まれる)、経口、吸入、または非経口(例えば、点滴、皮下、腹腔内、または筋肉内注射)であり得る。開示の抗体を、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、または経皮に投与することができる。
非経口投与のための調製物には、滅菌の水溶液または非水溶液、懸濁液、および乳濁液が含まれる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(オリーブ油など)、および注射可能な有機エステル(オレイン酸エチルなど)である。水性キャリアには、水、アルコール溶液/水溶液、乳濁液または懸濁液(生理食塩水および緩衝化溶媒が含まれる)が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸化リンゲル液、または不揮発性油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養補給液(nutrient replenisher)、および電解質補給液(リンゲルデキストロースにもとづくものなど)などが含まれる。防腐剤および他の添加物も存在し得る(例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガスなど)。
局所投与のための処方物には、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、座剤、スプレー、液体、および粉末が含まれ得る。従来の薬学的キャリア、水性、粉末、または油性ベース、および増粘剤などが必要であるか望ましくあり得る。
経口投与のための組成物には、粉末または顆粒、水性媒体または非水性媒体での懸濁液または溶液、カプセル、サシェ、または錠剤が含まれる。増粘剤、香味物質、希釈剤、乳化剤、分散助剤、または結合剤が望ましくあり得る。
いくつかの組成物を、無機酸(塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、およびリン酸など)および有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、およびフマル酸など)との反応によりまたは無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなど)および有機塩基(モノ、ジ、トリアルキルおよびアリールアミンおよび置換エタノールアミンなど)との反応によって形成された薬学的に許容可能な酸付加塩または塩基付加塩として潜在的に投与することができる。
本明細書中に開示の治療組成物を、化合物分子をカップリングする個別のキャリアとしてのモノクローナル抗体の使用によって送達させることもできる。本開示の治療組成物を、標的化が可能な(targetable)薬物キャリアとしての可溶性ポリマーとカップリングすることもできる。かかるポリマーには、ポリビニル−ピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリル−アミドフェノール(polyhydroxypropylmethacryl−amidephenol)、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基と置換されたポリエチレンオキシドポリリジンが含まれ得るが、これらに限定されない。さらに、本開示の治療組成物を、薬物の制御放出の実施に有用な生分解性ポリマークラス(例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルソエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロ−ピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマー)とカップリングすることができる。
好ましくは少なくとも約3%、より好ましくは約10%、より好ましくは約20%、より好ましくは約30%、より好ましくは約50%、より好ましくは75%、さらにより好ましくは約100%の細菌感染が、化合物の投与によって減少する。感染の減少を、白血球数の減少、熱の低下、炎症の減少、細菌数の減少、または細菌感染の他の指標の減少などのパラメーターによって決定する。細菌感染の減少率を増加させるために、被験体に対して非毒性を保持する最も有効なレベルに投薬量を増加させることができる。
全体を通して使用する場合、「被験体」は、個体をいう。好ましくは、被験体は、哺乳動物(非ヒト哺乳動物または霊長類、およびより好ましくはヒトなど)である。「被験体」には、飼い慣らされた動物(domesticated animal)(ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモットなど)、および魚類が含まれ得る。
「細菌感染」を、被験体またはサンプル中の細菌の存在と定義する。かかる細菌は、被験体またはサンプル中またはその上での天然に存在する細菌の増殖であり得るか、外来生物の侵入に起因し得る。
本明細書中に開示の化合物を、抗生物質と同一の様式で使用することができる。抗生物質の使用は、当該分野で十分に確立されている。1つのその使用例には、動物の処置が含まれる。必要に応じて、本開示の化合物を、通常、獣医または栄養士の指導の下で注射によるか飼料または水によって動物に投与することができる。本開示の化合物を、疾患の重症度および動物種などの環境に応じて、個別または群のいずれかで動物に送達させる。全動物が類似の免疫状態にある場合および全動物が同一の病原微生物に曝露している場合に、全ての獣群(herd)または全ての鳥獣群(flock)の処置およびケアが必要であり得る。
化合物の別の使用例には、微生物感染した水生動物を選択する工程、開示の化合物、EDTAなどのキレート剤、TRIENEを含む抗菌溶液を準備する工程、溶液にpH緩衝剤を添加してそのpHを約7.0と約9.0の間の値に調整する工程、水生動物を溶液中に浸漬し、水生動物の微生物負荷(microbial burden)を減少させるのに有効な期間水生動物を放置する工程、溶液から水生動物を取り出し、溶液を含まない水に該動物を戻す工程を含む、水生動物の微生物感染の減少が含まれる。EDTA、開示の化合物、TRIENE、およびpH緩衝剤を含む溶液中への水生動物の浸漬を、動物の微生物負荷が消失するまで繰り返すことができる(米国特許第6,518,252号)。
本明細書中に開示の化合物の他の使用には、歯科処置および水の精製(これには、例えば、都市用水、下水処理システム、携帯および非携帯の給水、および孵化場が含まれ得る)が含まれるが、これらに限定されない。
C.preQの産生方法
preQの産生方法を開示するが、該方法は、preQを産生することができる変異細菌細胞を培養する工程であって、変異細菌細胞がpreQリボスイッチの変異を含み、変異が変異を持たない細胞と比較して変異細菌細胞によってpreQ産生を増加させる、工程、ならびに細胞培養物からpreQを単離し、それにより、preQが産生する工程を含む、方法である。
変異細菌細胞はノックアウト変異体であり得、この細胞はpreQリボスイッチを産生できない。細胞は、完全に除去されたpreQリボスイッチのコード領域を有し得る。preQの産生を、10、20、30、40、50、60、70、80、90%、またはそれ以上増加させることができる。これは、インタクトなpreQリボスイッチを有する細胞によって産生されたpreQと比較したpreQの全体量によって測定することができる。
変異を持たない細胞と比較した場合、変異によって、変異細胞によるpreQ産生が測定可能に増加する、preQリボスイッチの変異を含む細菌細胞をさらに開示する。「測定可能に増加する」は、10、20、30、40、50、60、70、80、90%、またはそれを超えたpreQ産生の増加を意味する。
実施例1:キューオシン前駆体preQに選択性を示すリボスイッチは、通常、小アプタマードメインを含む
i.結果
a.queCモチーフの広範な系統発生的保存
最初に報告されたqueCモチーフの例は、Bacillales目およびClostridia目のいくつかの細菌種のみに限られていた。これらの例の間の配列保存の大部分は、40nt未満の範囲(span)内に生じた。このモチーフの見かけ上制限された分布およびその比較的小さなサイズは公知のリボスイッチと異なり、系統発生学的により広範囲に及び、保存された配列エレメントおよびより多数のヌクレオチドを必要とする構造の特徴を含む傾向がある。
queCエレメントがより広範に分布し得るかどうかを決定するために、修正二次構造モデル(revised secondary structure model)に基づいた検索アルゴリズムを使用した。最初に同定された少数のqueCRNAの例は、相補的であるが、配列中に絶対的に保存されている領域を含んでいた。ステム構造内の広範な配列保存はリボスイッチ間で前例がないにもかかわらず、ステムの完全性が保存されている限り、配列多様性はより典型的である。したがって、その塩基対合可能性にもかかわらず、これらの絶対的に保存された領域は、二次構造エレメントとして以前に示されていなかった。
これらの領域中の検索制約が緩和され、その結果主な要件がもはや一次構造ではなく二次構造であったときに、さらなる多数のqueCモチーフ例はFirmicutes,Proteobacteria、およびFusobacteria間で表れた(uncovered)(図1および図8)。これらの配列のアラインメントにより、2つの近接した間隔にあるステム−ループ構造(その一方のみが常に存在する)および第2のステム−ループのすぐ3’側に存在する高度に保存された配列が明らかとなった。その散発的発生により、5’側のほとんどのステムをP0と呼ぶ一方で、下流の絶対的に保存されたヘリックスエレメントをP1と呼ぶ。P0が存在する場合、対応するループ配列(L0)は、配列が保存されていない。この知見により、多数の例におけるP0の見かけの非存在と併せて、この推定構造エレメントがqueCモチーフの機能に不可欠ではないと示唆される。1つの例で(Pasteurella multocida;図1)さらなる推定ステム−ループの挿入がP1のすぐ3’側で認められるにも関わらず、P0エレメントとP1エレメントとの間およびP1と3’保存セグメントの間の介在ヌクレオチド数は、これらのエレメント間の距離が強く制限されていることを示す。
保存配列の大部分は、L1内およびアデノシンリッチ3’テーリングセグメント中に存在する。このモチーフ例を、そのL1配列の相違に基づいて、10〜15ntの長さの範囲で2つの型に分類することができる(図1)。P1下部構造(substructure)のいくつかの特徴が全ての例で保存されているにもかかわらず、queCモチーフの2つのサブタイプの存在は、対応するループ内の明らかな特徴的配列(signature sequence)から明らかである。興味深いことに、Thermoanaerobacter tengcongensis由来のqueCモチーフは、両サブタイプの特徴を示すL1配列を保有し、異なる特徴的配列をいくらかの範囲でブレンドすることができることが示唆される。
b.queCモチーフはQ生合成遺伝子に関連する
拡大されたqueCモチーフのセットを含む例は、その配列および構造の保存が著しい。これは、それらが多様な細菌集団由来の相同遺伝子に一貫して関連することが見出されたからである(図8)。見かけのレギュロン中の遺伝子の特徴づけを欠くことによってさらなる分析が妨げられたが、これらの特性はこのRNAモチーフについての調節上の役割を強く示した。通常はRNAに属する遺伝子ファミリー(図8)がQ生合成に関与し(Reader 2004)、可能なリボスイッチリガンドの検索をこの生合成経路の代謝産物に集中したことが報告された時に、この問題は解決した。
Qおよびその誘導体は、真核生物および真正細菌の間で広く見出されるグアノシンの高改変バージョンであり、Qは広範な生理学的過程に関与している(Iwata−Reuyl 2003)。真正細菌のうち、Q改変は病原体Shigella flexneriの病原性(Durand 1994)およびEscherichia coliの静止期中の生存能(Noguchi 1982;Frey 1989)などの現象に必要であることが証明されている。Q欠損に起因する異種表現型集団は、一般に、翻訳忠実度に及ぼす有害作用に起因し(Meier 1985;Bienz 1981;Urbonavicius 2001)、いくつかのtRNAのアンチコドンループ中のQの出現と一致すると解釈される。
真正細菌では、de novoでのQ生合成は、遊離核酸塩基(グアノシン三リン酸(GTP)は出発材料としての役割を果たす)の合成を必要とする(図2)(Kuchino)。生合成経路における第1の公知の中間体は、7−シアノ−7−デアザグアニン(preQ)であり(Okada 1978)、これはその後にQueFによって触媒されるNADPH依存性還元においてpreQに変換される(Van Lanen 1972)。TGT酵素によって媒介されるグアニン交換反応では、preQを関連するtRNAのアンチコドン中の適切な位置に挿入する(Okada 1979;Reuter 1991)。tRNAへのpreQの組み込み後、Q産生はin situで継続する。これは、S−アデノシルメチオニン(SAM)のリボシル部分由来のエポキシシクロペンタンジオール環の付加がおこり(Slany 1994;Frey 1988)、その後にエポキシドが還元されQを生じる見かけの補酵素B12依存工程が続く(Frey 1988)。興味深いことに、最近の研究により、Qはいくつかの真正細菌においてシクロペンテンジオール部分のグルタミル化によるなおさらなる改変に供されることが示されている(Salazar 2004;Blaise 2004)。小分子中間体であるpreQおよびpreQは、RNAモチーフの候補リガンドと見なされた。この可能性を支持して、最近の研究によってqueC、−D、−E、および−F遺伝子ファミリーを関連ずけた(その例は、preQ上流の生化学的ステップにおいて共通してqueCモチーフと関連する。)(Reader 2004;Van Lanen 2005;Gaur 2005)。
c.B.subtilis由来のqueCモチーフはpreQに結合する
queCエレメントの例を、保存ループ内の明らかな特徴的配列に基づいて2つの型のうちの1つに分類することができる(図1および3a)。B.subtilis由来のqueCモチーフを含む106ntRNA(106queCと呼ぶ;図3b)を試験した。そのヌクレオチド配列はII型コンセンサスに合致する。このRNA構築物は、queCモチーフの保存配列および構造エレメントならびに内因性転写ターミネーターの特徴を有するステム−ループを含んでいた(Gusarov 1999;Yarnell 1999)(図3b)。
B.subtilisのqueCモチーフとpreQとの間のタンパク質非依存性相互作用の可能性を試験するために、5’32P標識106queC RNAをインライン探索分析に供した。この分析は、リガンド結合によって誘導される三次構造の変化を活用する(Soukup 1999)。構造が不均一な部位はより高い自発的切断レベルを示し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による切断産物の分離によって同定することができる。放射性標識106queCを1μM preQまたは10μM preQのいずれかの存在下で分析する場合、得られた自発的切断産物のパターンは、リガンドの非存在下で得られる切断産物プロフィールと比較して顕著に変化する(図3c)。多数のリボスイッチと同様に、構造調整を受けたqueCモチーフ領域は、一般に、系統発生学的に保存された配列と相関する。1μMおよび10μMのpreQ濃度を使用して認められたRNA構造調整の程度の類似性により、この相互作用の解離定数(K)が1μM未満であることが示唆される。
自発的切断のpreQ依存性変化は、推定ループまたは他の非ヘリックスエレメントで起こり、その三次構造形成の関与を支持する。逆に、構造調整は予測される内因性ターミネーターのごく近傍に認められず、このステムが発現プラットフォーム成分であり、リガンドと直接接触しないという概念を確証する。系統発生における36個queCモチーフ(図1)のうち、22個は翻訳レベルで調節され、14個は転写レベルで調節されるように現れる。ターミネーターを含むリボスイッチのうち、強力なアンチターミネーターを、10個の中に同定することができる。このリボスイッチのpreQ同化に関与する遺伝子との関連ずけにより、それがリガンド結合に応答して遺伝子発現を下方制御する働きをすることが示唆される。
d.queCモチーフによる選択的preQ認識
RNA構築物である52queC(図4a)を使用して、B.subtilis queCエレメントのリガンド選択性の程度を試験した。種々のプリン化合物に対する親和性を、5’32P標識52queCを、一定範囲のリガンド濃度を使用したインライン探索分析に供することによっておよびその後のリガンド依存性構造調整レベルの定量分析によって決定した。preQおよび生合成中間体であるpreQは、それぞれ約20nMおよび100nMのK値で52queCによって認識される(図4b)。これらの値により、preQはqueC RNAエレメントの主な標的であることが示唆され、遊離核酸塩基として存在する最終Q生合成中間体がレギュレーターとしての役割をはたすことが遺伝子調節の視点から妥当なようである。しかし、親和性のわずかな相違のみに基づいて、preQのような構造的に関連した前駆体をこのRNAモチーフの生理学的に関連する候補リガンドとして排除することはできない。
2つのモチーフ型(図1および3a)のメンバーにおいて、異なるが依然として関連する代謝産物に対し選択性を示し得る可能性を試験した。B.subtilis由来のII型queCエレメントが優先的にpreQに結合することが確立されているので(図4b)、I型の例の標的選択性を次に試験した。Bacillus cereusで同定された2つのI型queCモチーフに対応する配列を使用したインライン探索アッセイにより、II型の例と同一のリガンド特異性が明らかとなる。これらの結果は、preQよりもむしろpreQが両方のqueCモチーフ型の主な標的である可能性が高いことを示す。これらの結果を考慮して、これらの型を定義する異なるL1特徴的配列は、同一代謝産物の認識についての微妙に異なる構造上の解釈を提供することができる。
52queCによるリガンド認識に関与する分子接触は、一連のプリンアナログに対する見かけのK値の決定によってより詳細に理解された(図4c)。予想通り、preQをグアニンと区別する化学的特徴−7位でのアミノメチル基および炭素原子の置換−は、RNAアプタマーの分子認識決定要因である。アミノメチル部分[7−(N,N’−ジメチルアミノメチル)−7−デアザグアニン]の窒素における2つのメチル基の配置により、実質的に結合親和性が減少し、アミノメチル基の除去(7−デアザグアニン)でも同様である。前者の場合、preQと比較してより弱い結合相互作用は、立体干渉(steric interference)または水素結合ポテンシャルの不在のいずれかに起因し得る。炭素原子置換を欠く7−メチルグアニンを使用して認められた結合親和性の減少はさらにより顕著であるが、これは、N9位の水素結合供与体の喪失に一部起因し得る。興味深いことに、preQのアミドアナログ(7−カルボキサミド−7−デアザグアニン)の見かけのKはpreQと類似し、適切なメチレン基での立体許容度(degree of steric tolerance)を示す。推定上、カルボキサミド誘導体が生物学的に関連しそうにないので、この化合物に対する分子識別のための選択圧は存在しない。
52queCを使用していくつかの構造調整度を誘導するpreQアナログのうち、グアニンのみが生理学的条件下で蓄積すると予想される。preQに対する52queCの親和性はグアニンよりも約25倍しか高くなく、このリガンド親和性の相違はin vivoで推定上起こる選択的結合を十分に説明しているのかどうか疑問がある。in vivoでのpreQに対するより高い選択性に寄与し得る1つの要因は、グアニンの最大細胞濃度に限度のあることである。また、いくつかの研究により、転写中のリガンド会合の動態学はリボスイッチ機能に重要であり、リボスイッチがin vivoで反応するK値とリガンド濃度とは必ずしも同等ではないことが示された(Wickisier 2005a;Wickisier 2005b;Lemay 2006)。したがって、queC RNAのpreQ特異的応答をpreQとグアニンとの間のリガンド会合の動態学的相違によって補助することができる可能性がある。
preQの2位の環外の(exocylic)アミンがqueC RNAによるリガンド認識の重要な決定要因であることが結合親和性データの比較から明らかである。試験した化合物のうち、約1mMの濃度で存在する場合でさえ、この官能基を欠く化合物はqueC RNA構築物における構造調整を誘導しない。リガンド結合に対する2−アミノ基の寄与を、preQおよび7−アミノメチル−7−デアザヒポキサンチン(preQに対するその唯一の構造の相違はこの官能基が存在しないことである)の親和性の比較による単離で試験することができる。52queCのpreQとの強い相互作用と比較して、7−アミノメチル−7−デアザヒポキサンチンに対する親和性は少なくとも4桁減少し、2−アミノ基が主な特異性決定要因であることが証明された。preQの他の官能基のホストの置換または除去に起因するリガンド結合に及ぼす有害作用と組み合わせて、この知見は、queC RNAがこの改変塩基に対する高度な選択的アプタマーとしての機能を果たすことを示す。
e.平衡透析によるpreQ認識の評価
preQとqueC RNAモチーフとの間の特異的な物理的相互作用についてのさらなる支持を得るために、5000ダルトンの分子量カットオフを有する透過性膜によって分けられた2つのチャンバを含む平衡透析装置を使用して競合結合実験を行った(図4d)。グアニンはナノモルの親和性でqueCモチーフによって認識されるので(図4c)、最初にH−グアニンおよびモル過剰の106queC RNAを各チャンバに個別に添加した。予想通り、10〜15時間の平衡期間後のRNA含有チャンバへのトリチウムの再分配(図4e)が認められた。H−グアニンのこの隔離を、標識していないグアニン、preQ、または7−デアザグアニンをRNA濃度を超える濃度で添加した場合に、その添加によって競合的に回復することができる一方で、アデニンはこれらの条件下で競合物としての機能を果たさなかった(図4e)。これらの結果は、queC RNAがpreQおよび密接に関連するプリンと選択的に相互作用するという結論を支持する。
f.preQアプタマーの最小長
P0ステム−ループ下部構造の不十分な系統発生学的保存(図1)は、アプタマー機能におけるその役割が不可欠ではないことを示す。この可能性を試験するために、P0を消失させるために5’末端を短縮した36queCを調製した(図5a)。5’32P標識36queCを使用したインライン探索分析によって10μM preQの存在下でループおよび3’テール内の領域で構造調整が起こることが明らかとなり、P0の非存在によってアプタマー機能が壊滅的に喪失しないことを示す(図5b)。
queCモチーフの3’末端付近の保存配列がリガンド結合に必要であるかどうかを調査するために、A32およびA25に対応する3’末端を有する2つの派生的欠失構築物を形成した。これらの短縮RNAはいずれもpreQ依存性構造変化を示さず、リガンド認識におけるテールセグメントの関与を支持する(図5b)。これらのデータにより、queCモチーフを定義する一次構造および二次構造保存の比較的小さな領域がpreQの選択的認識に必要な配列の全てを含むことが確認される。特に、合成RNAを使用した結合実験により、36queCの2つの5’グアノシル残基がリガンド結合に必ずしも必要ではないという証拠が得られ、B.subtilisにおけるpreQアプタマーの最小長はわずか34ntであることを示す。
P0の喪失がリガンド結合の結合活性(avidity)を損なうかどうかを試験するために、preQのKを、漸増濃度のpreQの存在下で36queCをインライン探索分析に供することによって決定した(図5c)。2つの選択された部位での構造調整の定量分析により、約50nMのKが明らかとなる(図5d)。P0を含む構築物のK値はわずかにより低く(20nM;図4b)、このステム−ループがリガンド結合に少ししか寄与していないことが示唆される。P0の存在がリボスイッチ機能の動態学的態様に影響を及ぼし得る可能性もある。それにも関わらず、P0に寄与し得る結合親和性の任意の増強が実質的でなく、この結論はこの下部構造の制限された系統発生学的分布と一致することがこれらのデータから明らかである。
g.preQ認識における標準的塩基対の証明
グアニンリボスイッチの選択性は、一部、そのリガンドとのワトソン−クリック塩基対の形成に依存する(Gilbert 2006;Mandal 2004;Batey 2004)。リガンドと塩基対合するシチジル残基をウリジル残基に変異させて、グアニンからアデニンへのアプタマー特異性を変化させることができる(Gilbert 2006;Mandal 2004)。この単一点変異により、他所での分子間接触を混乱させることなくアデニンリガンドとの標準的塩基対合相互作用が可能である。構造的に類似する代謝産物であるグアニンおよびpreQが同一のシチジンとの標準的塩基対形成能力を有するので、preQアプタマーとの類似のリガンド−シチジン対合相互作用の検索を行った。グアニンリボスイッチとの類似性により、この仮説上の役割を果たすqueCRNAの任意のシチジル残基が絶対的に保存され、この位置でのウリジンへの変異がアデニンにより密接に関連する化合物を優先するようにリガンド特異性を切り替えるのに十分であると判断された。
この可能性を、野生型queC構築物(80queC)のリガンド結合特性と絶対的に保存されたシチジン残基が個別にウリジンと置換された2つの変異RNAのリガンド結合特性との比較によって試験した(図6a)。2−アミノ基がpreQアプタマーによるリガンド認識に重要であることが以前に確立されていたので、2,6−ジアミノプリンを試験化合物のパネルに含めた(図4c)。したがって、この部分を欠く化合物(アデニンまたは7−アミノメチル−7−デアザアデニンなど)が、ウリジル識別残基と塩基対合する可能性があるにもかからず、検出可能に結合し得ないと予想された。
野生型80queCを使用したインライン探索分析により、予想通り、1μM preQまたは200μMグアニンの存在下で構造調整が起こることが証明される(図6b)。この構築物の構造の変化は200μM 2,6−ジアミノプリンによっても誘導され、このことは以前の知見と一致する。80queCとの相互作用のKが300μMを超えるように現れるにも関わらず(図4c)、2,6−ジアミノプリンによって誘導される構造の変化は、10μMほどの低濃度で検出される。アデニンでは、200μMの濃度で存在しても野生型80queCの構造調整は起こらない。
シチジン34がウリジンに置換された80queCの変異バージョン(M1)である(M1)は、野生型構築物と顕著に異なる選択性プロフィールを示す(図6b)。preQまたはグアニンとのインキュベーションではM1の構造調整は認められない。さらに、アデニンはいかなる高次構造応答を誘導することもできないにもかかわらず、2,6−ジアミノプリンとのインキュベーションの際にM1で重要な変化が認められる。重要なことには、これらの構造の変化は野生型構築物中のpreQによって誘発される変化と類似し、これらの変化のうちで最も顕著に反映するC29のすぐ3’側のヌクレオチド間結合の鎖切断レベルの増加である(図6b)。対照的に、試験化合物は、M2(他の絶対的に保存されたシチジン(C35)がウリジンに置換された構築物)の構造調整を誘導しない。
これらのデータは、野生型80queCにおいて、グアニンリボスイッチの識別子(discriminator)であるシチジンと同様に、C34がpreQリガンドとワトソン−クリック塩基対を形成することができることを示す(図6c)。M1によるアデニン結合の非存在は、2−アミノ基の除去がリガンド認識に深刻な負の影響を及ぼすという以前の知見と完全に一致する(図4c)。実際、1mMもの高濃度の7−アミノメチル−7−デアザアデニンも類似のC34U変異を含むqueC RNA構築物の構造を調整できず、この部分の非存在の影響が強調される。
ウリジン34とグアニンまたはpreQのいずれかとの間の非標準的ゆらぎ対が形成される可能性があるにも関わらず、M1 RNAへのこれらの核酸塩基リガンドの結合は認められなかった。ウリジン34が実際に2,6−ジアミノプリンと塩基対合相互作用に関与する場合、preQおよびグアニンの排除は、おそらく、結合ポケットによって課された空間的制約に起因する。リガンドのフーグスティーンおよび糖端とのアプタマーの接触は、ゆらぎ対形成に必要であり得る約2Åのシフトと適合しない(図6c)。
M1 RNAの構造に及ぼす2,6−ジアミノプリンの定量的影響が明らかであるにも関わらず、この調整の大きさはpreQまたはグアニンに応答する野生型RNAを用いて認められるものほど顕著ではないことは明らかである(図6b)。構造調整度のこの見かけの減少は、おそらく、変異体が2,6−ジアミノプリンに結合する能力の低下を反映する。これと一致して、インライン探索法により、この相互作用のKが300μMを超えることが明らかとなった(データ示さず)。相対的に、野生型queC RNAとグアニンとの間の相互作用のKは約500nMであり(図4c)、適切な塩基対合リガンドを使用した場合でさえ、C34U変異は600倍を超える結合親和性の相対的喪失を経験することを示す。2,6−ジアミノプリンと同様に,グアニンは7−デアザ−7−アミノメチル改変を欠き、それにより、リガンドおよび識別子の塩基(discriminator base)のワトソン−クリック端のみに起因する影響を直接比較することが可能である。
この差異の可能な理由には、重要な官能基の置換に起因する可能性が高い球状アプタマー構造に及ぼす有害作用が含まれる。例えば、C34U変異に起因する主な化学的相違は、4位での環外のアミンのケト基との有効な置換である(図6c)。この官能基の交換によって2,6−ジアミノプリンと塩基対合が可能となるにもかかわらず、それがアプタマー内の重要な分子内接触を破壊し、それにより、全ての折り畳みの安定性を損ない得る。同様に、preQの6−ケト酸素が、C34の4−アミノ基に加えて、他の分子決定基と接触することができる可能性がある。
h.preQリボスイッチは遺伝子調節エレメントである
preQ生合成に関与する遺伝子とこのエレメントとの頻繁な会合と組み合わせて、queCモチーフによる高い親和性および選択性でのpreQの認識により、このモチーフの例はpreQレベルに応答して遺伝子発現を調節するリボスイッチのリガンド結合成分としての機能を果たすことが強く示唆される。queCエレメントがこの能力で機能するかどうかを試験するために、B.subtilis queCDEFオペロン由来の5’UTR配列の野生型または操作されたバージョンを、β−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子と連結した(図7a)。次いで、この一連の転写融合構築物を使用してB.subtilis染色体形質転換体を生成し、各株を富栄養培地中での増殖後にβ−ガラクトシダーゼ活性レベルについてアッセイした。
野生型5’UTR配列にカップリングしたlacZ遺伝子を含む形質転換体は、preQ補充せずに増殖させた場合に比較的低レベルのβ−ガラクトシダーゼ活性を示した。この結果は、queCエレメントが遺伝子発現を抑制する作用を示し、queCDEFオペロンから発現したタンパク質によって天然に産生されたpreQに対する応答による可能性が最も高い(図7b)。対照的に、重要なアプタマー残基が変異した構築物(M3およびM4)を保有するB.subtilis株は抑制解除される。M3およびM4において、preQの認識に重要であると証明された位置での変異が起こるので(図6a、b)、この結果により、アプタマー機能と遺伝子調節との間の直接的な相互作用が得られる。
ステム完全性を修復するようにデザインされた代償性変異を含んでいた別の改変体(M6)を使用した実験で同様の程度の抑制解除を誘発したにもかかわらず、P1ステム内の2bpが破壊された構築物(M5)を使用したアッセイにより、lacZ抑制も喪失された。野生型配列と同様、M6がlacZ発現を抑制できないのは、おそらく、これらの位置でのヌクレオチド同一性の強い偏り(bias)に起因し、このことは、queCモチーフ例のアラインメントによって明らかとなる(図1)。隣接するA:U塩基対でかかる偏りは認められないので、これら2つのntのみのより集中的な変異分析を行った。使用した変異体のサブセットにより、P1構造の破壊がlacZの抑制解除と相関する一方で(M7およびM9)、P1の完全性を修復する代償性変異(M8)によって、野生型に生じるのと同様のβ−ガラクトシダーゼ抑制レベルが得られることが明らかとなった。まとめると、これらのデータは、系統発生的に保存された配列または構造の変異に起因するアプタマー機能の任意の妨害が遺伝子調節の障害と相関することを示す。これらの知見は、queCモチーフがpreQ感知リボスイッチのアプタマー成分であるという結論を支持する。
ii.考察
保存された核酸モチーフを検索するためのバイオインフォマティクスアプローチの使用により、いくつかのリボスイッチおよび多数のリボスイッチ候補が明らかになった(Barrick 2004;Corbino 2008;Fuchs 2006)。多数のこれらの候補モチーフの特異的役割は不明のままであるが、これは、その関連する遺伝子機能の理解が不十分なためにさらなる分析の障壁となっていることに一部起因する。未知の機能の遺伝子と併せて最初に同定されたqueCモチーフ(Barrick 2004)は、かかる困難(quandary)を象徴していた。しかし、queCDEFオペロンの遺伝子がQ生合成に関与するという発見(Reader 2004)により、preQリボスイッチとしてのこの保存モチーフの機能を明確にすることにおいて重要な情報が得られた。
相互様式で、queCエレメントの標的代謝産物としてのpreQの同定は、特徴づけられていないままであるこの新規に見出されたレギュロン中の他の遺伝子の役割を明らかにするのに役立ち得る。例えば、予想される膜タンパク質をコードする遺伝子とのpreQリボスイッチの繰返しの近位(recurrent juxtaposition)(COG4708;図8)は、Qまたは関連する代謝産物の輸送におけるこのタンパク質の役割を意味する。さらに、preQリボスイッチは、いくつかの場合、未知の機能の2つの遺伝子を含む相同オペロンに関連する(図8)。COGデータベースアサインメント(Tatusov 2001)に基づいて、これらの遺伝子のうちの1つは、イノシン−ウリジンヌクレオシドN−リボヒドロラーゼと類似したタンパク質をコードすると予想される。このクラスの酵素がヌクレオシドのN−リボース結合(N−ribosidic bond)の加水分解による核酸塩基サルベージに関与するので(Dewey 1973;Miller 1984)、preQリボスイッチに関連する相同遺伝子の産物がQまたは関連基質との類似の反応を触媒すると推測することが妥当である。この推定バイシストロン性オペロン(bicistronic operon)中の他の遺伝子は、輸送体として機能することができる保存膜タンパク質をコードすると予想される。その発現がpreQレベルによって調節されるようであるならば、これらの遺伝子は、Qまたはその誘導体の輸送および再利用に関与するサルベージオペロンを含む可能性が高い。この仮説を支持して、キューオシン5’−ホスフェートに作用してtRNA代謝回転後にキューイン塩基(queuine base)を回収する特異的酵素系が哺乳動物で同定されている(Gunduz 1982;Gunduz 1984)。
リボスイッチのpreQクラスの最も顕著な特性の1つは、その小さなアプタマーのサイズである。in vitroでの選択的な高親和性標的認識に必要な全ての決定要因は、たった34ntのスパン内に含めることができる。この小さな保存RNAエレメントの特徴は、簡潔に、ステム−ループおよびいくつかの連続アデノシン残基を保有する短い3’テールからなる。このアデノシンリッチセグメントとP1副溝(minor groove)との間のA−マイナー相互作用(A−minor interaction)(Nissen 2001)がそのリガンド結合状態でのアプタマーの三次構造に寄与し得ると想像される。
その顕著に小さなサイズにもかかわらず、preQモチーフは種々の真正細菌における遺伝子調節の有効な作用因子としての役割を果たすことができるように現れる。これにより、大きなサイズおよび構造の複雑さは代謝産物結合RNAのin vivoでの機能に必要な要素ではないことが明確に証明される。さらに、比較的小さなRNAモチーフは一般に自動化検索法を使用した検出にあまり影響を受けないと推測されるので、preQアプタマーと類似のサイズのモチーフは、まだ発見されていない代謝産物結合ドメインの実質的部分(fraction)を含むことができる。
多くの点で、天然の小型RNAの能力を高度な機能について、in vitro選択を使用して単離した多数の小型のアプタマードメインによって予測した。天然の例と比較して異常に小さいにもかかわらず、preQアプタマーのサイズは研究所で進化させたそのサイズを測定した場合に例外的でない。しかし、同族リガンドとのその相互作用の親和性および選択性に関して、preQ結合モチーフは特徴的である。その長さが由来するプールによって制限される人工的に生成したアプタマーは、一般に、天然に存在するモチーフよりも低い親和性および選択性でその標的と結合することが認められる(Breaker 2006)。in vitroで選択されたアプタマーの制限は、要因(あまり厳しくない選択圧および固定法に起因するリガンドへのアクセスの遮断が含まれる)の組み合わせに寄与し得る。しかし、小さなサイズのみではRNAは小分子標的の特異的な高親和性認識から除外されないことが明らかである。
iii.方法
オリゴヌクレオチドおよび化学物質。合成DNAオリゴヌクレオチドを、HHMI Biopolymer/Keck Foundation Biotechnology Resource Laboratoryによる標準的な固相法を使用して調製した。変性(8M尿素)ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による精製後、オリゴヌクレオチドを10mM Tris−HCl(23℃でpH7.5)、200mM NaCl、および1mM EDTA中でゲル断片から溶離し、その後にエタノール沈殿によって濃縮した。7−デアザヒポキサンチンおよび7−デアザアデニンを、Berry & Associatesから入手した。他のプリン化合物を、Sigma−Aldrichから購入した。
preQを記載のように合成し(Akimoto 1988)、20mM酢酸アンモニウム(pH6.0)の定組成移動相を使用した流速5mL/分での逆相HPLC(Luna C18、250×10mm、5μm(Phenomenex))によって精製した。preQは17分で溶離された。preQを含む画分を回収し、凍結し、凍結乾燥させて、白色粉末として生成物を得た。H−NMR(DO)δ 6.88(s,1H,C−H),4.13(s,2H,CH2),1.95(s,3H,酢酸塩)。
7−(N,N’−ジメチルアミノメチル)−7−デアザグアニン(preQのジメチルアナログ)を記載のように合成し(Akimoto 1988)、EtOHから再結晶して、白色固体として生成物を得た。
7−シアノ−7−デアザグアニン(すなわち、preQ)を記載のように合成し(Migawa 1996)、4%(v/v)アセトニトリルを含む20mM酢酸アンモニウム(pH6.0)の定組成移動相を使用した流速5mL/分での逆相HPLC(LunaC18、250×10mm、5μm(Phenomenex))によって精製した。preQは15分で溶離され、関連画分の凍結乾燥によって純白ではない固体としてpreQを得た。
7−カルボキサミド−7−デアザグアニン(preQのアミドアナログ)を記載のように合成し(Migawa 1996)、EtOHから再結晶して、黄色粉末として生成物を得た。
7−アミノメチル−7−デアザヒポキサンチンを、以前に報告されたプロトコールの修正バージョンを使用して調製した(Akimoto 1986)。中間体7−(N,N’−ジメチルアミノメチル)−7−デアザヒポキサンチンを以前に公開された手順にしたがって合成した50
7−アミノメチル−7−デアザアデニンを、以前に報告されたプロトコール(Akimoto 1986)の修正バージョンを使用して調製した。中間体7−(N,N’−ジメチルアミノメチル)−7−デアザアデニンを、以前に公開された手順にしたがって合成した(英国特許第981458号(1965))。
バイオインフォマティクス。preQアプタマー配列アラインメントを、以前に公開されたykvJ RNAモチーフ(Barrick 2004)のアラインメント由来のこの報告中に存在する二次構造モデルに手作業で適合させた。この最初のアラインメントで訓練した共分散モデル(Eddy 1994)を使用して、INFERNALソフトウェアパッケージ(Eddy 2003)に対するRAVENNA拡張(Weinberg 2006)(配列ベースのヒューリスティックフィルターを使用した共分散モデル検索を迅速化する)によってさらなる適合について微生物ゲノムおよび環境配列を検索した。PreQリボスイッチ候補を、そのゲノムコンテクストの試験(推定オペロン中の遺伝子機能を予測するためのCOGデータベース(Tatusov 2003)の使用を含む)によって検証した。最終アラインメント中の配列をGSCアルゴリズム(Gerstein 1994)を使用して加重して、報告したコンセンサス配列の計算前に類似の配列由来の偏りを軽減した。
RNA構築物の調製。queC上流の遺伝子間領域の一部を、プライマー5’−GAGCCTGGAATTCATAGGCGCTTTGC(配列番号1)および5’−TTTTCTGGATCCATGATTCCTC−TCC(配列番号2)を使用したPCRを使用して、B.subtilisゲノムDNA(1A40株)から増幅した。EcoRIおよびBamHIでの消化後、増幅産物をpDG1661(リファレンス57)にクローン化し、得られたプラスミドの完全性を配列決定によって確認した。このプラスミドは、106queC構築物をコードするDNAフラグメントのPCR増幅のためのテンプレートとしての機能を果たした。残りのRNA構築物に対応するDNAテンプレートを、製造者の説明書にしたがってSuperScriptII逆転写酵素(Invitrogen)を使用した適切な部分的に相補的な合成オリゴヌクレオチドの伸長によって調製した。転写テンプレートの産生で使用した各オリゴヌクレオチド対のために、センス方向のプライマーはT7プロモーター配列を含んでいた。RNA分子を、T7 RNAポリメラーゼを使用したin vitroでの転写によって調製し、以前に記載のようにゲル精製した(Roth 2006)。
インライン探索分析。酵素的に合成したRNA分子を、アルカリホスファターゼ(Roche Diagnostics)を使用して脱リン酸化し、製造者の説明書にしたがってγ−32P [ATP]およびT4 ポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs)で放射性標識した。ゲル精製した5’末端標識RNAを使用した自発的エステル交換反応を、以前に記載のように構築した(Mandal 2003)。インキュベーションは、各実験について、記載の試験化合物の存在下または非存在下で50mM Tris−HCl(23℃でpH8.3)、20mM MgCl、100mM KCl、および約5nM前駆体RNAを含む10μLの体積を25℃にて約40時間であった。preQおよび関連化合物を、典型的には、10nM〜200μMの範囲の濃度で試験したが、結合親和性がより弱い一定の化合物をこの範囲を超える濃度でアッセイした。自発的エステル交換反応に起因するRNAフラグメントを変性10%PAGEによって分離し、これらのデータの画像化および定量を、Molecular Dynamics PhosphorImagerおよびImageQuaNTソフトウェアを使用して行った。K値を、以前に記載のように決定した(Mandal 2003)。
平衡透析。それぞれインライン探索のために使用したのと同じ緩衝液中で調製した100nM H−グアニンまたは20μM 106queC RNAのいずれかを含むサンプルを、体積30μLでDispoEquilibrium Dialyzer(ED−1,Harvard Bioscience)の反対側のチャンバに添加した。25℃で10〜15時間の平衡後、5μLのアリコートを採取し、液体シンチレーションカウンターで定量した。競合結合実験のために、その後に1mMの非標識試験化合物を含む3μLの緩衝液をRNA含有チャンバに送達させた一方で、同体積の緩衝液を反対側のチャンバに添加した。さらなる平衡期間後、5μLアリコートを再度回収して、H−グアニン分布を評価した。
in vivoでのpreQリボスイッチ機能の分析。preQリボスイッチのin vivoでの機能を、以前に記載の方法に類似の方法を使用して、このエレメントを含む配列のlacZレポーター遺伝子との融合によってアッセイした60。プライマー5’−CGAGAATTCATAATGAAACGAACCGTCACTATAG(配列番号3)および5’−GTACTTTTTTCTTTTTCGTTAACAGCCTAGGTGC(配列番号4)を使用したPCRを使用して、B.subtilisゲノムDNA(1A40株)からqueCの上流の遺伝子間領域部分を増幅した。EcoRIおよびBamHIでの消化後、増幅産物をlacZのすぐ上流のpDG1661にクローン化し、得られたプラスミドの完全性を配列決定によって確認した。配列改変体M3〜M9を生成するために、所望の変異を有するプライマーと共にQuikChangeキット(Stratagene)を使用して、野生型構築物の部位特異的変異誘発を行った。構築物を1A40株中のamyE遺伝子座に組み込み、記載のように確認した(Mandal 2003)。震盪しながら37°CでA600が0.6になるまで2XYTブロス中で増殖させた後、これらの株をβ−ガラクトシダーゼアッセイで使用した。
開示の方法および組成物が記載の特定の方法、プロトコール、および試薬に制限されず、これらは変化し得ると理解される。本明細書中で使用した専門用語が特定の実施形態の記載のみを目的とし、本発明の範囲を制限することを意図せず、本発明は添付の特許請求の範囲のみに制限されるとも理解すべきである。
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用する場合、他で明確に示さない限り、単数形「a」、「an」、および「the」には複数形が含まれることに留意しなければならない。したがって、例えば、「a riboswitch」は複数のかかるリボスイッチが含まれ、「the riboswitch」は1つまたは複数のリボスイッチおよび当業者に公知のその等価物などをいう。
「任意選択的な」または「任意選択的に」は、その後に記載する事象、環境、または材料が出現または存在してもしなくてもよいことを意味し、ならびに記載には、事象、環境、または材料が出現または存在する例およびそれが出現しないかまたは存在しない例が含まれることを意味する。
範囲を、本明細書中で、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までと示すことができる。かかる範囲を示す場合、他で具体的に示さない限り、一方の特定の値からおよび/または他方の特定の値までの範囲も具体的に意図され、開示されると見なされる。同様に、値を先行詞「約」の使用によって近似値で示す場合、特定の値が別の具体的に意図される実施形態を形成し、他で具体的に示されない限り、開示されたと見なすべきであると理解される。他で具体的に示されない限り、各範囲の終点(endpoint)が他の終点に関して有意であり、且つ他の終点に依存しないとさらに理解される。最終的に、例示的に開示された範囲内の全ての各値および値の部分的範囲も具体的に意図され、他で具体的に示さない限り、開示されると見なすべきであると理解すべきである。特定の場合にこれらの実施形態のいくつかまたは全てが例示的に開示されるかどうかと無関係に、上記を適用する。
他で定義しない限り、本明細書中で使用した全ての技術用語および科学用語は、開示の方法および組成物が属する分野の当業者に一般的に理解される意味を有する。本明細書中に記載のものに類似するか等価な任意の方法および材料を本発明の方法および組成物の実施または試験で使用することができるにもかかわらず、特に有用な方法、デバイス、および材料は記載の通りである。本明細書中で引用した刊行物および刊行物が引用した材料は、特に本明細書中で参考として援用される。本発明は、先行発明によるかかる開示に先行する権利がないと承認していると解釈されない。いかなるリファレンスも先行技術を構成していると承認していない。リファレンスの考察はその著者の主張を記載し、出願人が引用した書類の正確性および適切性に挑む権利を留保する。多数の刊行物が本明細書で参照されているにもかかわらず、かかるリファレンスは任意のこれらの書類が当該分野の一般的知識の一部を形成することを承認しないことが明確に理解される。
本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」およびこの用語の変形形態(「含む(comprising)」および「含む(comprises)」など)は、「含むが、これらに限定されない」を意味し、例えば、他の添加物、成分、整数、または工程を排除することを意図しない。
当業者は、日常的な実験しか使用せずに、本明細書中に記載の方法および組成物の特定の実施形態に対する多数の等価物を認識するか、確認することができる。かかる等価物は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
参考文献

Claims (40)

  1. コード領域に作動可能に連結されたpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする核酸分子を含む調節可能な遺伝子発現構築物であって、該リボスイッチが該RNAの発現を調節し、該リボスイッチおよび該コード領域が非相同である、構築物。
  2. 前記リボスイッチがアプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインを含み、該アプタマードメインおよび該発現プラットフォームドメインが非相同である、請求項1に記載の構築物。
  3. 前記リボスイッチが2つ以上のアプタマードメインおよび1つの発現プラットフォームドメインを含み、少なくとも1つの該アプタマードメインおよび該発現プラットフォームドメインが非相同である、請求項1に記載の構築物。
  4. 少なくとも2つの前記アプタマードメインが協同的結合を示す、請求項3に記載の構築物。
  5. 天然に存在するpreQ応答性リボスイッチの非天然誘導体である、リボスイッチ。
  6. 前記リボスイッチがアプタマードメインおよび発現プラットフォームドメインを含み、該アプタマードメインおよび該発現プラットフォームドメインが非相同である、請求項5に記載のリボスイッチ。
  7. 前記リボスイッチが1つまたは複数のさらなるアプタマードメインをさらに含む、請求項6に記載のリボスイッチ。
  8. 少なくとも2つの前記アプタマードメインが協同的結合を示す、請求項7に記載のリボスイッチ。
  9. 前記リボスイッチがトリガー分子によって活性化され、該トリガー分子によって活性化された場合に該リボスイッチがシグナルを生成する、請求項5に記載のリボスイッチ。
  10. 目的の化合物を検出する方法であって、サンプルをリボスイッチと接触させる工程を含み、該リボスイッチが該目的の化合物によって活性化され、該目的の化合物によって活性化された場合に該リボスイッチがシグナルを生成し、該サンプルが該目的の化合物を含む場合に該リボスイッチがシグナルを生成し、該リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、方法。
  11. 前記目的の化合物によって活性化された場合に前記リボスイッチが高次構造を変化させ、該高次構造の変化によって高次構造依存性標識を介してシグナルが生成される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記目的の化合物によって活性化された場合に前記リボスイッチが高次構造を変化させ、該高次構造の変化によって該リボスイッチに連結したRNAの発現が変化し、該発現の変化によってシグナルを生成する、請求項10に記載の方法。
  13. 前記シグナルが、前記リボスイッチに連結した前記RNAから発現したレポータータンパク質によって生成される、請求項12に記載の方法。
  14. (a)リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子の遺伝子発現の阻害について化合物を試験する工程であって、該阻害が該リボスイッチを介し、該リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、試験する工程、
    (b)工程(a)で遺伝子発現を阻害した化合物と細胞との接触によって遺伝子発現を阻害する工程であって、該細胞がリボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、該化合物が該リボスイッチへの結合によって該遺伝子の発現を阻害する、阻害工程
    を含む、方法。
  15. preQ応答性リボスイッチを同定する方法であって、該方法が、
    preQの存在下および非存在下でのRNA分子のインライン自発切断(in−line spontaneous cleavage)を評価する工程であって、該RNA分子が該preQによって調節される遺伝子によってコードされ、
    該RNA分子のインライン自発切断パターンの変化が該preQ応答性リボスイッチを示す、工程
    を含む、方法。
  16. 遺伝子発現を阻害する方法であって、
    (a)化合物を細胞と接触させる工程を含み、
    (b)該化合物が式I:
    (式中、
    は、CH、N、C−NH、C−CH−NH、C−CN、C−C(O)NH、C−CH=NH、C−CH−N(CH、またはC−水素結合供与体である)
    の構造を有し、
    該細胞がpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、該化合物が、該preQ応答性リボスイッチへの結合によって該遺伝子の発現を阻害する、方法。
  17. 前記細胞が遺伝子発現の阻害が必要であると同定されている、請求項16に記載の方法。
  18. 前記細胞が細菌細胞である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記化合物が前記細菌細胞を死滅させるか前記細菌細胞の増殖を阻害する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記化合物および前記細胞が被験体への該化合物の投与によって接触する、請求項16に記載の方法。
  21. 前記細胞が前記被験体中の細菌細胞であり、前記化合物が該細菌細胞を死滅させるか該細菌細胞の増殖を阻害する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記被験体が細菌感染を有する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記細胞がpreQ応答性リボスイッチを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記化合物を別の抗菌化合物と組み合わせて投与する、請求項16に記載の方法。
  25. 前記化合物がバイオフィルム中の細菌増殖を阻害する、請求項16に記載の方法。
  26. preQの産生方法であって、該方法は、
    (a)該preQを産生することができる変異細菌細胞を培養する工程であって、該変異細菌細胞が前記preQリボスイッチの変異を含み、該変異を持たない細胞と比較して、該変異が、該変異細菌細胞による該preQ産生を増加させる、培養工程、
    (b)該細胞培養物から該preQを単離し、それにより、該preQを産生する工程、
    を含む、方法。
  27. 前記preQリボスイッチの前記変異を含まない細菌細胞の培養と比較して、前記preQ産生量が少なくとも10%増加する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記preQリボスイッチの前記変異を含まない細菌細胞の培養と比較して、前記preQ産生量が少なくとも10%増加する、請求項26に記載の方法。
  29. 前記preQリボスイッチの前記変異を含まない細菌細胞の培養と比較して、前記preQ産生量が少なくとも25%増加する、請求項26に記載の方法。
  30. 前記preQリボスイッチの前記変異がノックアウト変異である、請求項26に記載の方法。
  31. preQリボスイッチの変異を含む細菌細胞であって、該変異を持たない細胞と比較した場合に、該変異が、該変異を含む細胞によるpreQ産生を測定可能な程度に増加させる、細菌細胞。
  32. 細菌細胞増殖を阻害する方法であって、該方法は、該細胞をpreQ応答性リボスイッチに結合する化合物と接触させる工程であって、該細胞がpreQ応答性リボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子を含み、該化合物が該preQ応答性リボスイッチへの結合によって該細菌細胞増殖を阻害し、それにより、preQ産生が制限される、工程を含む方法。
  33. 前記化合物と接触しない細胞と比較して、細菌細胞増殖が少なくとも10%減少する、請求項32に記載の方法。
  34. 被験体への前記化合物の投与によって、該化合物および前記細胞を接触させる、請求項32に記載の方法。
  35. 前記細胞が前記被験体中の細菌細胞であり、前記化合物が該細菌細胞を死滅させるか該細菌細胞の増殖を阻害する、請求項33に記載の方法。
  36. 前記被験体が細菌感染を有する、請求項33に記載の方法。
  37. 前記化合物を別の抗菌化合物と組み合わせて投与する、請求項32に記載の方法。
  38. サンプル中のpreQを検出する方法であって、該方法は、
    a.preQ応答性リボスイッチを該サンプルと接触させる工程、および
    b.該preQと該preQ応答性リボスイッチとの間の相互作用を検出する工程であって、該preQと該preQ応答性リボスイッチとの間の相互作用が該preQの存在を示す、検出工程、
    を含む、方法。
  39. 前記preQ応答性リボスイッチを標識する、請求項38に記載の方法。
  40. 遺伝子の遺伝子発現の阻害について化合物を試験することによって該遺伝子の該遺伝子発現を阻害する該化合物として同定された該化合物と細胞との接触によってリボスイッチを含むRNAをコードする遺伝子の遺伝子発現を阻害する工程を含む方法であって、該阻害が該リボスイッチを介し、該リボスイッチがpreQ応答性リボスイッチまたはpreQ応答性リボスイッチの誘導体を含む、方法。
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Class et al. Patent application title: RIBOSWITCHES AND METHODS AND COMPOSITIONS FOR USE OF AND WITH RIBOSWITCHES Inventors: Ronald R. Breaker (Guilford, CT, US) Zasha Weinberg (New Haven, CT, US) Narasimhan Sudarsan (New Haven, CT, US) Narasimhan Sudarsan (New Haven, CT, US) Joy Xin Wang (New Haven, CT, US) Michelle M. Meyer (Hamden, CT, US) Adam Roth (Guilford, CT, US) Elizabeth E. Regulski (Novi, MI, US) Assignees: YALE UNIVERSITY

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