JP2010520557A - 金融市場において取引リストを取引するシステム及び方法 - Google Patents

金融市場において取引リストを取引するシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

少なくとも1つのデスティネイションに接続されたアルゴリズミック取引ファシリティを使用して証券のリストを取引しながら中立性を維持するシステム及び方法が提供される。デスティネイションは少なくとも1つの代替取引システム(ATS)を備える。ファシリティは電子データネットワークを介して複数の取引クライアントに接続され、かつ取引クライアントから証券リストを取引する取引リクエストを受信するよう構成される。リクエストは少なくとも1つのATSに取引注文を生成及び転送するのに使用されるユーザ定義の取引制約を含む。注文はデスティネイション、取引リスト及び取引制約に関する取引データに基づき転送される。ファシリティは取引注文に対する各約定済み取引を識別し、かつ取引不均衡を計算する。ファシリティは取引不均衡が取引制約を超過するか否かを決定し、かつ決定に基づき前記選択入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てする。

Description

§関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第60/905,317号(2007年3月7日に出願された)の優先権の利益を主張し、その全体は引用により本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般に、非表示(non-displayed)市場において取引リストを取引するためのシステム及び方法に関する。特に、本発明は、代替取引システムにおいて証券(取引リスト又はポートフォリオに含まれる)を取引するとき、制約(例えば、ドル又はセクタ中立性)を維持するためのシステム及び方法に関する。
一般に、金融取引産業では、証券を取引する注文の約定に対して、2つのタイプの利用可能なデスティネイション(destination)が存在する(「表示(displayed)」及び「非表示(non-displayed))。表示デスティネイションでは、買い注文(ビット)及び売り手注文(オファー)に関する情報は、関心のある当事者に利用できるようにされる。これに対して、非表示デスティネイションに送信された売買注文は公衆に利用できるようにされず、かつ、代わりに、隠しておかれる。非表示取引フォーラムに含まれる開示の欠如は、以下にさらに論じるように、利益と欠点の両方をもたらす。
NYSE、NASDAQ、及びECNは、表示デスティネイションの例である(「公開市場(open market)」とも称される)。これらのデスティネイションは、申し込み(subscription)又は別な方法によって、売買注文に関するデータを発表する(例えば、各取引デスティネイションで利用可能な「レベル2」データ)。この発表されたデータは、申込者に電気的に転送することができ、かつ、ディスプレイデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ)と組み合わせて、グラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用して、表示することができる。
非表示デスティネイションは、代替取引システム(alternative trading system)又はATSとして一般に既知である。ATSにおいて売買注文情報は隠されておくので、これらの取引フォーラムは、トレーダ(彼らの注文について最小の情報漏洩を望む)に魅力的なデスティネイションである。情報漏洩を最小化することによって、市場インパクトを少なくとも最小化することができ、又は、よくて回避することができる。多くの場合、機関のトレーダは大量のシェア(一般に「ブロック」と称される)を取引し、かつ、情報漏洩は値動き(トレーダの全体的なリターンに劇的に影響する)をもたらす。
例えば、トレーダがIBM100,000株の買い注文を表示デスティネイションに入力した場合、この買い注文についての情報は、対応する市場データを申し込む誰にでも利用可能である。売り手(入力された買い注文の知識で武装する)は、IBMに対する高需要に気が付き、かつ、上昇した価格でIBMの売り注文を入力する。その結果、上昇圧力がIBM株価に生じる。逆に、同じ買い注文がATSで入力された場合、注文情報は隠されておき、かつ、買い注文情報によって生じる上昇圧力のリスクは緩和される。
ATSは、取引約定価格に関して、表示市場とは一般に異なる。特に、表示デスティネイションとは異なり、マッチがATSで生じたとき(同じ証券に対して売買注文間で)、一般に、ATSは、そのマッチに対する約定価格(公開市場で表示された現在の価格から導出される)を設定する。一部のATS(例えば、ITGのPOSIT)では、マッチに対する約定価格は、表示市場のビット及びアスクの中間点価格である。
不幸にも、ATSは、その隠された又は「暗い」性質のため、一部の不利益を受けている。1つの不利益は、ATSで利用可能な流動性が表示デスティネイションで利用可能な流動性よりも一般に小さいことである。しかし、上記したように、ATSの非表示流動性は、情報漏洩のリスクを減らすため、機関投資家にとって貴重である。
より小さな流動性を組み合わせることは、トレーダがATSで利用可能な売買注文を見ることができないという事実である。その結果、トレーダがATSに入力された売買注文を完全又は部分的に取引する保証はない。したがって、未約定又は部分的な約定のリスクがATSでの取引時には常に存在する。
ATSは、それらの流動性が継続的ではないという不利益を有する。即ち、1つの取引期間中にATSに含まれる流動性は、他の取引期間中に必ずしも含まれない。さらに、ATSに存在する流動性は、取引期間中でさえ必ずしも一貫していない。加えて、ATS間の流動性は変化し、かつ、1つのATSは特定ストックに対して高い流動性を有するが、同時に、異なるATSは同じストックに対して低い流動性を有する。
一部のATSは、最小サイズ要求(minimum size requirement)(いつ注文をATSに入力することができるかを制限する)を有する。最小サイズ制限をより大きくすれば、そのATSに対するドルコミットメントはより大規模になる。したがって、特定ATS(高い最小サイズ要求を有する)で取引を望むトレーダは、多様なATS(より小さな最小サイズ要求を有するか又はサイズ要求のない)よりもむしろ、その1つのATSでそれらの取引注文に集中することを強いられる。
流動性が単純に存在しない場合、トレーダがATSで注文の約定を強制することは不可能である。約定を強制する(ビット−アスクスプレッドをクロスすることによって)試みは、公開市場(情報漏洩を生じる)における能力である。
多くの投資管理者は、長期と短期の両方のポートフォリオを維持している(即ち、異なる証券が同じポートフォリオにおいて売買される)。そのストラテジーの目的は、市場リスクをヘッジし、かつ、相対的なストック固有リターンを得ることである。これらのタイプのポートフォリオを全くリスク中立性に保つため、特定のレートでそれらを取引することが重要である(ポートフォリオの全体構成に一致する)。一般に、このレートは1:1である(売買を同レートドル方法(same rate dollar wise)(即ち、「ドル中立性」)で約定しなければならないことを意味する)。売買が同レートで約定するとき、取引はドル中立性である。しかし、トレーダが異なるレートの約定を望む場合がある。
また、取引中のドル中立性は、ロングポジションだけを含むポートフォリオ(即ち、ロングオンリーポートフォリオ(long-only portfolio))の管理者にとって重要である。一般に、ロングオンリーポートフォリオがリバランスされたとき、結果となる取引リストには売買取引が混在する(トレーダがポジションを増減することを望むストックを含む)。取引期間を通してドル中立性を維持することは、ストック価格ボラティリティに対するポートフォリオ又は取引リストの露出を削減する助けとなる。一般に価格が上昇するにつれて、未取引の買い注文は約定するのにより高価になり、一方では、未取引の売り注文はより貴重になる。したがって、取引リストの1サイドで失われた価値は、リストの他サイドの価値の変化によってヘッジされる。
ドル中立性は、少なくとも上記した理由のため、ATSで取引する時には達成するのが困難である。ドル中立性(及び、取引リストの他の資産)を制御する1つの方法は、1又は複数のATSで取引する間に、多様なATSに対して限定された数の小規模注文を入力することである。注文は、取引されるとき、リストの資産(例えば、ドル中立性)が維持される方法で、大きさに従って分けることができる。しかし、この方法は、トレーダの注文の露出を、ATSで利用可能な隠された流動性に限定する。したがって、取引リストの中立性の特徴を維持するため、見込まれる約定を犠牲にすることをトレーダに強制するので、この方法は望ましくない。
ドル中立性に類似しているのは「セクタ中立性」のコンセプトである。セクタ中立性の場合、トレーダは、上記したように、セクタレベルでドル中立性を維持することを望む。換言すれば、リストが多数のサブリストに分類される(即ち、各セクタに対して1リスト)場合、次いで、セクタ中立性は、サブリストレベルでドル中立性を適用することに相当する。セクタは、産業によって分類してもよい(例えば、農業又は自動車関係)。
表示デスティネイション(即ち、公開市場)に対して、ロング−ショートポートフォリオを取り、かつ、売買間の約定レートが指定された許容度内であることを確実にするため、アルゴリズムが存在する。これは、市場が表示されているので容易である。ポートフォリオの1サイド(売買のいずれか)が図らずも過大に約定した場合、アルゴリズムは、過大に約定したサイドに対する取引をキャンセルすることによって、約定のレートを調整することができる。さらに、これらのアルゴリズムは、サイド(非常に遅く約定する)に対してビット−アスクスプレッドをクロスする能力を有し、そのサイドに対する約定を事実上確実にする。
加えて、表示デスティネイションでは、トレーダは、クライアント注文が取引されるまで、流動性を連続的に消費する市場注文を利用してもよい。これは、表示デスティネイションでは、現在の市場値付け及び流動性が目に見えるので可能である。しかし、ATSで取引するとき、カウンター・パーティーが取引に対して存在するか否かを決定することは困難であり、かつ、ATSでの流動性は隠しておかれるので、約定を保障することはできない。さらに、大部分のATSは、中間点で自動的にクロスし、故に、トレーダがその注文価格を改善して、さらに流動性を引き付けることに対するインセンティブがない。
上記を考慮すれば、ドル中立性及び/又はセクタ中立性を維持しながら、ATS内で取引リスト又はポートフォリオを取引するための新規かつ改善されたシステム及び方法が必要である。
本発明のさまざまな態様によれば、証券のリストを取引する方法が提供される。この方法は、取引するためのリクエストを受信するステップを含み、証券のリストが受信される。このリクエストは、ユーザ定義の取引制約を具備してもよい。取引注文は、少なくとも1つの代替取引システム(ATS)を備えたデスティネイションに入力してもよい。これらの注文入力は、前記デスティネイション、前記取引リスト、及び、前記取引制約に関する取引データに基づいてもよい。前記取引注文からの各約定済み取引が識別される。取引不均衡が計算される。前記取引不均衡は、前記識別された約定済み取引、及び、前記取引リストに基づいてもよい。前記取引不均衡が前記取引制約を超過するか否かが決定される。前記入力された注文のうちの1又は複数を、前記決定ステップに基づいて再割り当てしてもよい。
本発明のさまざまな態様によれば、証券のリストを取引するシステムが提供される。前記システムは、少なくとも1つのデスティネイションに接続されたアルゴリズミック取引ファシリティを備えている。このデスティネイションは、少なくとも1つの代替取引システム(ATS)を備えている。さらに、前記アルゴリズミック取引ファシリティは、電子データネットワークを介して、複数の取引クライアントに接続されている。前記アルゴリズミック取引ファシリティは、取引リクエストを受信して、取引クライアントからの証券のリストを取引するように構成されている。このリクエストは、取引注文を少なくとも1つのATSに生成及び転送するのに使用されるユーザ定義の取引制約を具備している。取引注文の前記転送ステップは、前記デスティネイション、前記取引リスト、及び、前記取引制約に関する取引データに基づく。さらに、前記アルゴリズミック取引ファシリティは、前記取引注文に対応する各約定済み取引を識別し、かつ、取引不均衡を計算することができる。前記取引不均衡は、前記識別された約定済み取引、及び、前記取引リストに基づく。さらに、前記アルゴリズミック取引ファシリティは、前記取引不均衡が前記取引制約を超過するか否かを決定し、かつ、この決定に基づき、前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てすることができる。
本発明のさまざまな態様によれば、証券のリストを取引するため、その中に格納されたコンピュータ実行プログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、次のコード化されたオペレーションを含んでもよい。
証券のリストを取引するためのリクエストを受信するオペレーション。このリクエストは、ユーザ定義の取引制約を含んでもよい。
少なくとも1つの代替取引システム(ATS)を備えたデスティネイションに取引注文を入力するオペレーション。これらの注文入力は、前記デスティネイション、前記取引リスト、及び、前記取引制約に関する取引データに基づいてもよい。
前記取引注文からの各約定済み取引を識別するオペレーション。
取引不均衡を計算するオペレーション。前記取引不均衡は、前記識別された約定済み取引、及び、取引リストに基づいてもよい。
前記取引不均衡が前記取引制約を超過するか否かを決定するオペレーション。
前記決定するオペレーションに基づき、前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てするオペレーション。
本発明のさまざまな態様によれば、非表示取引フォーラム(例えば、ATS)のうちの少なくとも1つで同時に取引するとき、取引リストが制約(例えば、ドル及び/又はセクタ中立性)に合致することを事実上確実にすることができるシステム及び方法が提供される。各ATSで各ストックに対してヒストリカル及びリアルタイムのサンプリングされた取引データを使用して、ストック流動性を正確に推定しながら、複数の取引注文を生成することができ、かつ、複数のATSに同時に入力することができる。前記ATSに配置された前記取引注文に対する各約定を監視し、かつ、前記取引リストをリバランスして、取引制約に合致させるように制御を設けることができる。
本発明のさまざまな態様によれば、ドル及び/又はセクタ中立性を維持しながら、少なくとも1つのATSで取引するシステム及び方法が提供される。ヒストリカルデータを使用して、少なくとも1つのATSで利用可能な流動性の総計が取引リストの各証券に対して推定される。期待される流動性に基づき、取引注文が生成され、かつ、1又は複数のATSに入力される。トレーダが維持したいと望む他の取引特徴は、セクタウェイト、国/地域ウェイト、流動性、及び/又は、取引済み又は未取引のシェアにおける予測リスク(リスクモデルによって推定される)を含む。
本発明の他の態様によれば、取引注文は、取引リストに対するキャピタル不均衡(即ち、ドル中立性)に基づき、さらに生成される。
本発明の他の態様によれば、取引注文は、取引リスト内の同じセクタにおけるエクイティに対するキャピタル不均衡(即ち、セクタ中立性)に基づき、さらに生成される。
本発明のさまざまな態様のさらなるアプリケーション及び利点は、図面を参照して、以下に論じられる。
本発明の実施例の取引リストを取引する代表的なシステムのブロック図である。 本発明の実施例の取引リストを取引する代表的な方法のフローチャートである。 本発明の他の実施例の取引リストを最適化する代表的な方法のフローチャートである。 本発明の実施例の取引リストを作成する代表的な方法のフローチャートである。 本発明の実施例のグラフィカル・ユーザー・インターフェースのスクリーンショットである。
本発明は多様な形態で具体化されるが、多数の実例となる実施例は、本開示が本発明の原理の例を提供するものとして考慮されなければならないという理解の下で本明細書に説明され、かつ、その例は、本発明を、本明細書に記載及び/又は図示された特定の好ましい実施例に限定することを意図しない。本発明の実施例の以下の説明は、以下に含まれる定義された用語及び変数を利用する。
「ヒットレート(hit rate)」又は「ヒットレート確率」は、流動性(部分的な約定となる総計(amount)でさえも)が特定のATSに存在する確率である。証券に対するヒットレートは、ATSに対するヒストリカル及び/又はリアルタイムの市場データから測定することができ、かつ、流動性が存在する確率を示す。証券又は証券のタイプのヒットレートは、証券における取引が最近発生したとき、増大することが分かっている。したがって、リアルタイム分析を、特定ストックに対する完全又は部分的な取引が期間(例えば、過去T分。ここで、Tはセット又はユーザ定義の何れかの数である。)に発生したか否かを決定するために使用することができる。条件付きヒットレートは、ヒットレート確率と共にか、又は、その代わりとして使用することができる。
「条件付きヒットレート」は、次式で表すことができる。
ATSjのストックiに対する条件付きヒットレート=
ATSjのストックiの約定の確率|ちょうど発生したATSjのストックiの約定
「取引不均衡」は、式に示すように、[売り約定(ショートを含む)の合計値]−[売買比率と買い約定の合計値との積]である。
取引不均衡=
Figure 2010520557
「期待取引不均衡(expected fill imbalance)」は、予測された取引不均衡である(取引リストの構成及び対応するヒストリカルデータに基づく)。期待取引不均衡は、多くの目的(注文の初期セットの生成、及び、ドル中立性への下地となる取引リストの構築を含む)に使用することができる。期待不均衡を決定するため、ストックに対する期待取引値を見つけることが第1に必要である。ストックに対する期待取引値は、[ヒットレート確率]*[そのストックに対する平均取引サイズ]*[ストック価格]である。ストックに対する期待取引値は、次式によって表してもよい。
ストックiに対する期待取引値 = ストックiに対するヒットレート * 平均取引サイズ * ストックiの価格
取引リストに対する期待取引不均衡は、次式で表されるように、[全ての売りの期待取引サイズの総計]−[売買比率と全ての買いの期待取引サイズとの積]である。
期待取引不均衡=
Figure 2010520557
図1は、本発明の実施例の取引リストを取引するシステムの顕著な特徴を図示したブロック図である。システムは、1又は複数のクライアント取引デスクトップ102(電子データネットワーク104に電子的に接続してもよい)を備えてもよい。また、ネットワークには、表示デスティネイション(例えば、NASDAC106A、NYSE106B、及び、ECN106C)、及び、非表示デスティネイション(例えば、複数のATS108)を含んでいるが、これに限定されない複数の取引フォーラムが接続されている。ITG社(本発明の譲受人)は、いくつかのATS(POSIT、POSIT Match、及び、POSIT NOWを含む)を所有及び運営している。
各クライアント102は、取引注文を、固定接続などを使用したネットワークを介して、デスティネイションに直接転送するように構成してもよい。したがって、各クライアント102は、取引リスト、ポートフォリオ、及び/又は、注文を作成、更新、キャンセル、転送、及び、トラッキングするため、注文管理システム(OMS)、又は、約定管理システム(EMS)ファシリティを備えてもよい。商業的に利用可能なOMS及びEMSは既知である(例えば、ITG社(本発明の譲受人)はいくつかのEMS及びOMSソリューションを提供している(www.itg.com参照))。取引リストは、ストックシンボル又は名称、取引のサイド(例えば、買い又は売り)、及び、取引されるシェアの数などの情報を含んでいるが、これに限定されない。
また、アルゴリズミック取引ファシリティ110を、ネットワークに接続して設けてもよく、かつ、取引リクエスト(ユーザ指定の取引制約付の取引リストを一般に含む)をクライアント102から受信し、かつ、複数の取引注文を少なくとも1つのATSに生成及び転送することによって、その取引リクエストを実行するように構成してもよい。また、以下により詳細に説明されるように、アルゴリズミック取引ファシリティは、トレーダが入力した制約を満足させるために、取引注文を動的に監視し、かつ、再割り当てするように構成されている。例えば、アルゴリズミック取引ファシリティ110は、約定される売り注文及び買い注文の比率をトレーダが選択した比率(例えば、中立=1)と同じであるように維持するために、取引注文を追加、キャンセル、変更、及び、移動させるように構成されている。
ユーザ指定の許容度もトレーダの制約に含んでもよい。例えば、トレーダは、取引リスト、取引リストがある方法(例えば、ドル中立性。即ち、売り値/買い値=1)で約定されることを要求する制約、及び、結果として生じる取引が指定された比率(即ち、1)から外れることができる程度又は範囲(即ち、許容度)を指定する制約を入力することができる。加えて、許容度制約は、買い注文と売り注文に対して異なることができる。さらに、トレーダは、所望のドル、セクタ、国、地域、通貨、及び/又は、リスクターゲット(取引リスト約定中に従う)をセットしてもよい。加えて、許容度は取引不均衡として指定してもよい(取引制約が指定の範囲に合致しているか否かを決定するとき、取引不均衡結果がトレーダの許容度選好と比較される場合)。好ましい実施例によれば、トレーダは上下限をそれぞれ指定する([買い]−[売り許容度]、及び、[売り]−[買い許容度]として)。
取引リスト約定(ATSでユーザ指定の取引制約に合致する)を達成するために、システムは約定データを連続的に監視及び評価してもよい(複数のATSに入力された売買取引注文のため、許容可能な許容度からの偏りに対して)。例えば、アルゴリズミック取引ファシリティ110は、取引データファシリティから市場又は取引データ(即ち、ヒストリカル及びリアルタイム)を受信し(例えば、申込者データフィード(subscriber data feed)、取引メッセージなどを含んでいるが、これに限定されない)、かつ、約定の取引不均衡を計算して、計算された取引不均衡を取引制約と比較するように構成することができる。約定の合計値で過大に約定される1サイド(買い又は売り)が存在する場合、次いで、そのサイドの注文は、過小に約定されたサイドが追いつくまで、再割り当て(例えば、キャンセル又は変更)することができる。
本発明の好ましい実施例によれば、取引制約のためのユーザ指定の許容度が違反に近い場合には、システムは、過大に約定するサイド(例えば、買い又は売り)で取引注文をキャンセルするように構成されている。アルゴリズミック取引ファシリティは、時間ベース(例えば、10秒毎)で約定を監視して、取引リストの現在の取引不均衡がトレーダ指定の許容度を超過するか否かを決定するように構成することができる。上記したしように、許容度は範囲として指定することができ、上下限は異なることができる。
不均衡がどちらかの許容度のY%(例えば、90%)以内であるとき、リスク取引として既知のモードに入る。リスク取引中、注文は、ポートフォリオのサイド(トレーダの選好に対して過大に約定されている)でキャンセルされる。これによって、遅れている取引サイドは追い上げることができ、かつ、取引リストは中立性を回復及び維持することができる。システム及び方法はリスク取引を出て、かつ、通常取引モードに入る(ドル中立性が許容度のZ%(例えば、50%)以内であるとき)。好ましい実施例では、0<Z<Yである。
本発明は、単に反動的であるのではなく(許容可能な許容度が違反された後、ドル中立性を修正するだけ)、むしろ、本発明は、非表示取引デスティネイションで取引しながら、取引制約が違反されることを積極的に防ぐことができる。積極的であるために、ヒストリカル及びリアルタイムデータの両方を利用して、取引の約定(取引リストに影響を及ぼす)を推定及び予測することができる。この市場情報を用いて、取引注文を生成及び転送することができる(取引の推定及び予測されたレートがユーザ指定の取引制約(例えば、ドル及び/又はセクタ中立性)に合致するような方法で)。
「ヒットレート」の推定、及び、ATS毎ストック毎の平均取引サイズを利用して、少なくとも1つのATS(ユーザ指定の取引制約に従う)で取引リスト又はポートフォリオ取引を生成及び/又は最適化することができる。ITG社などのソースから、サンプリングされたヒストリカルデータを使用することによって、平均取引サイズを推定することができる(各ATSの各証券名に対して)。ATSのストックの平均取引サイズは、そのATSのそのストックの流動性に影響を及ぼす。さらに、ヒストリカルデータから確率(特定のATSで特定の証券又は証券のタイプを取引するとき、流動性(部分的な約定となる総計でさえも)が存在する(即ち、ヒットレート))を推定することが可能である。
上記したように、証券又はタイプの証券のヒットレートは、ストックの取引が最近発生したときに増大するように決定されている。したがって、アルゴリズミック取引ファシリティは、リアルタイム分析を、特定ストックに対する取引(完全又は部分)が期間(例えば、過去T分。ここで、Tはセット又はユーザ定義の何れかの数である。)に発生したか否かを決定するために使用するように構成することができる。条件付きヒットレートは、上記したヒットレートと共にか、又は、その代わりに使用することができる。
好ましくは、いつ許容度レベルが悪化するか(又は、悪化し得るか)を決定するために、3つのユーザ入力の最小値が利用される([買い]−[売り許容度]、[売り]−[買い許容度]、及び、売買比率)。例えば、トレーダが取引制約として対称的な取引を指定した場合、2つの許容度は等しく、かつ、売買比率は1:1である。加えて、売買比率は、キャッシュ中立性(売買比率が1であることを意味する)、比率中立性(売買比率が取引リスト上の売り注文の合計値/買い注文の合計値に等しいことを意味する)としてセットすることができ、又は、売買比率は0以上のユーザ定義であることができる。
本発明の他の実施例によれば、取引リストが約定されるとき、システムは、将来的な約定を相殺させる目的で、ユーザ指定の許容度を調整してもよい(過去の約定が、取引リストを指定された許容度に違反する方向に移動させる場合にさえ)。本発明は、現在の売買約定を評価することによって、取引リストの現在の状態を考慮するように構成することができる。自己調整理論を表す式は次のようになる。
新規売り − 買い許容度 = クライアント売り − 買い許容度 − (売り約定値 − (売買比率 * 買い約定値)
新規買い − 売り許容度 = クライアント買い − 売り許容度 + (売り約定値 − (売買比率 * 買い約定値)
ターゲット期待不均衡 = (−1 * 新規売り − 買い許容度) + (新規売り − 買い許容度 + 新規買い − 売り許容度)/2
本発明の実施例によれば、ヒストリカル及びリアルタイム市場データは適切にウェイトを与えることができて、正確な結果をもたらす。好ましくは、リアルタイムデータは、当日ヒットレート及び流動性推定をサンプリングするために使用される。しかし、特定の取引期間に対するリアルタイムデータは、取引期間のアウトレットからは利用可能ではない。したがって、データの大多数(取引期間のアウトレットで)はヒストリカルソースから生成される。取引期間が進行するにつれて、これまでに増大中のリアルタイムデータセットが取引期間に対して生成される。その結果、ヒストリカルデータ(使用されたデータの大多数であった)はもはや必要ではなく、かつ、重要なことは、それは、収集されたリアルタイムデータよりも精度が低い。
本発明は、ウェイトを与えられたヒストリカル及びリアルタイムデータの混合を使用することによって、現在の環境に対して、動的に適用することができる。リアルタイムヒットレート及びヒストリカルヒットレートに与えられたウェイトは、経過した取引期間の総計によって決定される。したがって、取引期間の始めに、ヒストリカルデータが重くウェイトを与えられ、かつ、取引期間が進行するにつれて、当日からのリアルタイムデータがヒストリカルデータに対してますますウェイトを与えられる。ウェイトシフトは、正確なヒットレート及び流動性推定を提供するのを促進する。以下は、本発明の自動学習態様のウェイトを与える原理を示す式である。
ATSjのストックiに対するヒットレート=ATSjのストックiに対するヒストリカルヒットレート*(1−(9:30AMからの経過分/390))+(9:30AMからの経過分/390)*本日のヒットレート;
ATSjのストックiに対する平均取引サイズ=ATSjのストックiに対する平均取引サイズ*(1−(9:30AMからの経過分/390))+(時間分/390)*本日の平均取引サイズ
加えて、システムがATSでストックに対する約定のしきい値に到達した後、ATSjのストックiに対するヒットレート及び平均取引サイズはリアルタイムデータから完全に導出される。次の論理はこの原理を示している。
ATSjに対する十分な数の報告=構成可能なパラメータ
(ATSjのストックiに対する報告数>=ATSjに対する十分な数の報告)の場合
{ATSjのストックiに対するヒットレート=ATSjのストックiに対する本日のヒットレート
ATSjのストックiに対する平均取引サイズ=ATSjのストックiに対する本日の平均取引サイズ}
本発明の他の態様によれば、取引注文は、取引約定のレートを最大化するため、及び/又は、2つのユーザ定義の方向([買い]−[売り許容度]、及び、[売り]−[買い許容度])の違反を防ぐために、ATS中に再割り当てすることができる。この再割り当ては、キャンセル、修正、新規注文、又は、リザーブシェアの使用(即ち、ATSにまだ送信されていないシェア)という形態で行うことができる。例えば、アルゴリズミック取引ファシリティは、全てのATS(取引注文が入力された)からの約定データを監視するように構成することができる。注文が特定のATSで約定していない場合、注文は、他のATS(追加的な流動性が存在する)に再割り当てすることができる。例えば、完全な約定が1つのATSで発生した場合、他のATSの注文をキャンセルすることができ、かつ、新規注文をATS(約定が発生した)に入力することができる。当然、この再割り当ては、ユーザ定義の許容度を違反することなく、再割り当てされた注文の約定に依存する。
例えば、買い注文(IBMの100,000シェアに対する)はATS Xに配置されるが、期間を通じて約定されない。取引リストの売り注文が約定するにつれて、取引リストは、売りサイドに対して過大に約定している。買い注文(IBMの5,000シェアに対する)がATS Yで直ちに約定するとき、システムは、注文を約定し、かつ、中立性を維持する目的で、一部又は全ての買い注文(IBMの100,000シェアに対する)をATS XからATS Yに再割り当てすることができる。
図2は、本発明の実施例による取引リストを取引する代表的なプロセスのフローチャートである。ステップ202で、取引リストが受信される。例えば、図1に関連して上記したように、取引クライアントは、アルゴリズミック取引ファシリティに取引リスト又はポートフォリオ取引を生成及び転送することができる。
次のステップ204で、取引制約が受信される。既に上記したように、取引リストは取引制約と共に入力することができ、取引制約はアルゴリズミック取引ファシリティに別々に入力することができ、又は、取引制約は予め定義されたデフォルトとしてセットすることができる。修正された取引制約は、取引リストとは別に送信される。好ましくは、取引制約は、特定のカテゴリに対する売買の比率を定義する中立性制約を含んでいる(例えば、ドル中立性、セクタ中立性など)。そのような環境では、一般に、売買比率は1であるが、トレーダは所望の比率を指定してもよい。取引は、[買い]−[売り許容度]、及び/又は、[売り]−[買い許容度](中立性制約からの偏りの許容可能な範囲又は総計を定義する)をさらに含むことができる。例えば、約定された取引リストが正確に1の売買の比率になることは数学的に不可能であるか、又は、ありそうもないが、トレーダは、1の中立性制約が正確に合致できない場合でも、取引が実行されることをまだ望んでもよい。したがって、トレーダは、定義された総計の偏り(中立性制約からの)を許容するための許容度を有することができる。
本発明の実施例による制約を入力するための代表的なユーザインターフェースが図5に示され、かつ、以下にさらに説明される。
ステップ206で、市場データが受信される(リアルタイムフィード及びヒストリカル市場データからのデータを含んでもよい)。市場データは、取引注文の初期生成、及び、リアルタイム市場活動に応じた既存注文の動的更新の両方に使用することができる。
ステップ208で、複数の取引注文が生成され、かつ、複数のATSに転送される(少なくともヒストリカル市場データ及び/又はリアルタイム市場データ、受信した取引リクエスト、及び、受信した取引制約に基づき)。例えば、上記したように、各取引注文のサイズ、サイド、及び、デスティネイションは、各証券に対する各ATSに対するヒストリカル約定データに基づき決定することができる。したがって、第1セットの取引注文は、取引制約(受信された)に従って、取引リクエストを実行するため、少なくとも1つのATSに入力することができる。
次のステップ210で、各ATS(取引されている)は、取引約定を監視される。既に上記したように、ATSは「暗い」プールであり、かつ、ビット及びオファーを発表しないが、約定が発生するとき、約定に関する情報は、入力エンティティ(例えば、アルゴリズミック取引ファシリティ)にリターンする。約定は各ATSに対して市況への見通しを生じさせ、かつ、隠された流動性を識別させることができる。さらに、特定の取引リストに対する未決済の取引注文が約定するか又は部分的に約定するとき、取引リストに関連付けられた取引制約に合致させるために、この約定データを、未決済の取引注文を動的に更新するのに使用することができる。
次のステップ212で、取引不均衡が計算される。既に上記したように、取引リストに対する実際の取引不均衡は、リアルタイム市場活動(取引リストに対する未決済の取引注文に関する約定を含む)に基づき計算される。さらに、期待取引不均衡も上記したように計算される。
ステップ214で、取引不均衡は取引制約に対して比較される。例えば、既に上記したように、現在の取引不均衡は、ユーザ指定の中立性制約及び許容度と比較されて、未決済の取引注文がキャンセル又は変更される必要があるか否か、又は、新規の取引注文が生成される必要があるか否かを決定する。
ステップ216で、取引制約が合致していないと判断された場合、次いで、ステップ218で、注文を再割り当て(即ち、キャンセル、更新)するか否か(及び、どのように)、又は、新規取引注文を入力するか否か(及び、どのように)が決定される。例えば、上記したように、リストの値は他のサイドよりも高くなり、かつ、取引注文(より高いサイドに対する)は、そのサイドがさらに増大することなく、かつ、取引リストが制約をさらに超過するのを防ぐことを保障するためにキャンセルすることができる。
ステップ220で、取引リクエストが完全に取引されるか否かがチェックされる(即ち、全ての取引が完了し、かつ、制約が合致する)。取引リクエストが完了ではない場合、次いで、処理はステップ206にリターンする。同様に、ステップ216で、制約が合致した場合、取引リクエストも完了であるか否かがチェックされる。当然、取引リクエストが完了である場合、処理は終了する。
本発明のシステム及び方法の他の実施例では、取引不均衡は売買注文(まだ約定されていない)を使用して計算される。したがって、取引不均衡及び期待取引不均衡を表す式はそれぞれ次のように示される。
取引不均衡=
Figure 2010520557
期待取引不均衡=
Figure 2010520557
これらの式を使用することによって、本発明のシステム及び方法は、中立性が初期に達成された後、取引リストの中立性を維持する。さらに、本発明のシステム及び方法は、中立性が取引リスト(初期に中立でなかった)において達成される場合、約定された値を使用することから、未約定の値を使用することに切り替えてもよい。
図3は、本発明の実施例による現在約定中の取引リストを動的に最適化する方法のフロー図である。取引されている所定の取引リストに対して、第1に、ステップ302で、約定がユーザ定義の制約を違反する寸前であるか否かが決定される。回答がはいである場合、次いで、配置された注文は、上記したように、キャンセルすることができる。回答がいいえである場合、次いで、処理は最適化のため、ステップ306に継続する。
ステップ306で、取引リストの各証券に対するヒットレートは、各ATSに対して計算される。次のステップ308で、各証券(ATSに送信される)の正しいサイズを計算する。取引リストが現在はドル中立性であり、かつ、ATSが流動性(特定の証券の残っているシェアを取引するのに利用可能な)を有するように見える場合、その証券の全ての残差のシェアはそのATSに転送することができる。
本発明の譲受人は、POSIT(1997年5月15日に出願され、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,873,071号明細書を参照)と称されるマッチングシステム(即ち、クロッシングデスティネイション)を所有及び運営している。また、ITG社はPOSIT Matchを所有及び運営し、予定されたマッチに、取引日を通じて、及び、固有の営業時間外のクロス(after-hours cross)において、集中した流動性に提供し、ビット−オファースプレッドの中間点で注文をクロスし(約定の重要な価格改善となる)、かつ、取引が市場インパクトをもたらさないように完全な匿名性を確実にする。また、ITG社はPOSIT Nowを所有及び運営し、連続的な日中(intra-day)クロッシング及び完全な匿名性を提供し、かつ、いったん注文が入力されると、取引機会を逃さないことを確実にする。POSIT Match及びPOSIT Nowは、ポートフォリオを約定しながら、複雑な制約を実行する能力を有する。本発明の態様によれば、取引リストの残差シェアは、取引リストを完了するため、取引日のどのポイントでも適した制約と共に、POSIT Match又はPOSIT Nowに全て送信することができる。
次のステップ310で、各ATSに対する現在の不均衡が計算される(上記したように、取引不均衡は取引リストの未約定の値を使用して計算してもよい)。ステップ312で、ポートフォリオは、スライスされて、2つのスライス(ドル中立性である)を作成することができる(又は、比率制約の中で)。
ステップ314で、取引リストが比率中立であるか否かが決定される。はいである場合、次いで、ステップ316で、全体の最適化ルーチンが、各中立性制約(例えば、ドル、セクタ、国など)のため、データのサブセットに対して実行される。例えば、中立性制約が「セクタ中立性」である場合、次いで、最適化は各セクタに対して実行される。いいえである場合、次いで、処理はステップ306にリターンする。
図4は、本発明の実施例による取引リスト(ドル中立性にしやすい)の構築のための代表的な方法のフロー図である。ステップ402で、トレーダは、エクイティ名を取引リストに加える。取引リストのエクイティは、一般に、より大規模なポートフォリオの一部である。例えば、トレーダは、OMS又はEMSツールを使用して、取引リストの構築を開始してもよいが、別のポートフォリオ管理ツールも使用してもよい。
いったん第1の取引リストが組み立てられると、ステップ404で、トレーダは中立性制約をシステムに入力する。これらの中立性制約は、[買い]−[売り許容度]、[売り]−[買い許容度]、及び、売買比率を含んでいるが、必ずしもこれに限定されない。
ステップ406で、ヒストリカル市場データが受信され、かつ、ステップ408で、期待取引不均衡がヒストリカル市場データから計算される(上記したように)。いったん期待取引不均衡が計算されると、ステップ410でユーザ定義の中立性と比較される。ステップ412で、期待取引不均衡が指定の許容度の範囲内であるか否かが決定される。その場合、取引リストはステップ414で保存され、かつ、トレーダによって約定することができる。しかし、期待取引不均衡が指定の制約を違反する場合、トレーダは、ステップ416で、取引リストのメイクアップを変更することができ、かつ、プロセスは適した取引リストが保存されるまで繰り返される。
図5は、本発明の実施例による取引リストを取引するための代表的なインターフェースのスクリーンショットである。
スクリーン500は、単一の名称取引に対する、及び、リストベース取引に対するアルゴリズムを実行するための多数の選択項目502を備えている。ドル中立性504は、リストベース取引(結果として生じる約定がドル中立性である(即ち、売買比率=1))を実行するための選択項目である。ドル中立ブロックは、参加のため、ATSを選択するための多数のチェックボックス506、及び、取引リストに取引制約を指定するためのフィールド508の組合せを備えるように提供される。例えば、フィールドは、売り/買い比率、最大売り不均衡及び最大買い不均衡(この例では、パーセントとして)、及び、セクタ中立性制約を指定するために備えることができる。
スクリーン500に示されたようなインターフェースは、取引クライアント上に設けることができ、かつ、取引リクエストをトレーダによって提供することができる手段を設ける。図示していないが、取引リストは、習慣的に指定し、かつ、制約に添付することができる。
加えて、いくつかのATSは、インタレストの表示(即ち、IOI)に関する情報を発表する。IOIはファーム注文ではないが、むしろトレーダが取引を行うのに関心があることを示す。一般に、IOIは、証券の名前を含み、かつ、ポテンシャル取引のサイド及び総計も含んでもよい。これらのATSは、最小シェア総計を要求して、IOIマッチングプロセスに関与してもよい。上記したシステム及び方法は、IOI利用可能なATSと共に使用してもよい。本発明は、IOIに対して反応するように構成してもよい。この場合、証券に対して入力されたシェア総計は取引制約を超過してはならない。このシェア総計が最小シェア総計以下である場合、ATSによって指定されたように、シェアは送信されない。
加えて、いくつかの電子通信ネットワーク(即ち、ENC)が「隠された」注文タイプを許可する。表示流動性と共に、非表示流動性(ECNに存在する)も存在する。本発明は、隠された注文を、これらのデスティネイションに中間点又はより良い価格で送信する。これらの隠された注文は表示されず、故に、情報漏洩はない。これらの隠された注文の割り当て及びその後の再割り当ては、ヒットレート、平均取引サイズ、及び、そのENC上の表示流動性からの処理情報(即ち、「レベル2」データ)を含む。
一部のATSは、第1に送信されているシェアをコミットすることなく、インタレストを示す。本発明は、IOIを送信して、取引約定を最大化するステップを利用する。さらに、コミットされたシェア(マッチングプロセス中に約定された)は、リスト許容度を超過しない。
概略を上記したように、本発明の実施例によれば、取引リストを、ターゲット期待不均衡レベルに合致するように構成することができる。したがって、トレーダが取引リストを用いて特定の不均衡を達成することを望むとき、平均して、約定(将来に発生する)がトレーダの選好を満足するように、構成することができる。取引リストの1サイドが許容度レベルを超えて約定するイベントでは、制御セットを適用することができる。
しかし、本発明のシステム及び方法は、取引リストがドル中立性であるように構築されることを必要としない。さらに重要なことは、ドル中立性に対する傾向が存在しない状態でさえも、本発明のシステム及び方法は、前向きの予測方法で中立性を提供することができる。
したがって、多数の好ましい実施例が図面を参照して完全に説明された。本発明はこれらの好ましい実施例に基づいて説明されたが、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、いくつかの変形例、バリエーション、及び、代替構成が上記した実施例に対して行われることは当業者には明らかである。
102 クライアント取引デスクトップ
104 電子データネットワーク
110 アルゴリズミック取引ファシリティ
112 取引データ

Claims (64)

  1. 証券のリストを取引する方法であって、
    ユーザ定義の取引制約を含む、証券のリストを取引するためのリクエストを受信するステップと、
    複数の取引注文を、少なくとも1つの代替取引システム(ATS)を備えた複数のデスティネイションに、前記デスティネイション、前記取引リスト、及び、前記取引制約に関する取引データに基づき、入力するステップと、
    前記複数の取引注文に対応する各約定済み取引を識別するステップと、
    前記識別された約定済み取引、及び、前記取引リストに基づき、取引不均衡を計算するステップと、
    前記取引不均衡が前記取引制約を超過するか否かを決定するステップと、
    前記決定するステップに基づき、前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てするステップと
    を具備することを特徴とする方法。
  2. 前記取引制約は、買い−売り許容度、売り−買い許容度、及び、売買比率のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記取引データは、前記ATSのそれぞれからのヒストリカル取引データを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記取引データは、リアルタイム市場データを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記取引不均衡を計算するステップは、
    証券を買うための前記識別された約定済み取引から、前記売買比率と取引の合計値との積を計算するステップと、
    証券を売るための前記識別された約定済み取引から、取引の合計値を決定するステップと、
    前記売り値から前記積を差し引くステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 前記取引不均衡を計算するステップは、
    ヒストリカル市場データに基づき、期待取引不均衡を計算するステップ
    をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 前記期待取引不均衡を計算するステップは、
    ヒストリカル市場データから、前記売買比率と、証券を買うための期待される注文の合計値との積を計算するステップと、
    ヒストリカル市場データから、証券を売るための期待される注文の合計値を決定するステップと、
    前記合計期待売り値から前記積を差し引くステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記合計期待買い値は、
    買い注文が対応する証券に存在する確率を決定するステップと、
    前記確率に前記対応する証券の平均取引サイズを掛けるステップと
    を使用して決定されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記合計期待売りサイド値を決定するステップは、
    売り注文が対応する証券に存在する確率を決定するステップと、
    前記確率に前記対応する証券の平均取引サイズを掛けるステップと
    を具備することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 識別された取引約定に基づき、売り−買い許容度を調整するステップをさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  11. 前記売り−買い許容度を、
    新規の売り−買い許容度=
    クライアント売り−買い許容度−(売り約定−買い約定*売買比率)
    に調整するステップをさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  12. 前記買い−売り許容度は、
    新規の買い−売り許容度=
    クライアント買い−売り許容度+(売り約定−買い約定*売買比率)
    と等しくなるように調整されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  13. 前記取引データは、ウェイトを与えられたリアルタイムデータ、及び、ヒストリカルデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 前記識別された約定済み取引に基づき、1つのATSから他のASTに未約定取引注文を再割り当てするステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てするステップは、
    前記入力された注文のうちの少なくとも1つをキャンセルするステップ、
    前記入力された注文のうちの少なくとも1つを修正するステップ、又は、
    リザーブシェアを使用するステップ
    のうちの少なくとも1つをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 取引不均衡を計算する前記ステップは、
    前記取引リストと前記約定済み取引の差異を見つけることによって、未約定取引を識別するステップと、
    前記未約定取引、及び、前記取引リストに基づき、取引不均衡を計算するステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 証券のリストを取引するシステムであって、
    少なくとも1つの代替取引システム(ATS)を備えた少なくとも1つのデスティネイションに接続され、かつ、電子データネットワークを介して、複数の取引クライアントに接続された、アルゴリズミック取引ファシリティを備え、
    前記アルゴリズミック取引ファシリティは、取引クライアントから、ユーザ定義の取引制約を含む、証券のリストを取引するための取引リクエストを受信し、
    前記デスティネイション、前記取引リスト、及び、前記取引制約に関する取引データに基づき、複数の取引注文を前記少なくとも1つのATSに生成及び転送し、
    前記複数の取引注文に対応する各約定済み取引を識別し、
    前記識別された約定済み取引、及び、前記取引リストに基づき、取引不均衡を計算し、
    前記取引不均衡が前記取引制約を超過するか否かを決定し、かつ、
    前記決定するステップに基づき、前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てするように構成されることを特徴とするシステム。
  18. 前記取引制約は、買い−売り許容度、売り−買い許容度、及び、売買比率のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  19. 前記システムは、前記ATSのそれぞれからのヒストリカル取引データのためのヒストリカル取引データファシリティをさらに備え、かつ、
    前記取引データは前記ヒストリカル取引データを含むことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  20. 前記アルゴリズミック取引ファシリティは、リアルタイム市場データフィードにさらに接続され、かつ、
    前記取引データは前記リアルタイム市場データを含むことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  21. 前記アルゴリズミック取引ファシリティは、
    証券を買うための前記識別された約定済み取引から、前記売買比率と取引の合計値との積を計算するステップと、
    証券を売るための前記識別された約定済み取引から、取引の合計値を決定するステップと、
    前記売り値から前記積を差し引くステップと
    によって、前記取引不均衡を計算するように構成されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  22. 前記アルゴリズミック取引ファシリティは、
    ヒストリカル市場データに基づき、期待取引不均衡を計算するステップ
    によって、前記取引不均衡を計算するように構成されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  23. 前記期待取引不均衡は、
    ヒストリカル市場データから、前記売買比率と、証券を買うための期待される注文の合計値との積を計算するステップと、
    ヒストリカル市場データから、証券を売るための期待される注文の合計値を決定するステップと、
    前記合計期待売り値から前記積を差し引くステップと
    によって計算されることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
  24. 前記合計期待買い値は、
    買い注文が対応する証券に存在する確率を決定するステップと、
    前記確率に前記対応する証券の平均取引サイズを掛けるステップと
    によって決定されることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
  25. 前記合計期待売りサイド値は、
    売り注文が対応する証券に存在する確率を決定するステップと、
    前記確率に前記対応する証券の平均取引サイズを掛けるステップと
    によって決定されることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
  26. 前記アルゴリズミック取引ファシリティは、識別された取引約定に基づき、売り−買い許容度を調整するようにさらに構成されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  27. 前記アルゴリズミック取引ファシリティは、前記売り−買い許容度を、
    新規の売り−買い許容度=
    クライアント売り−買い許容度−(売り約定−買い約定*売買比率)
    に調整するようにさらに構成されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  28. 前記アルゴリズミック取引ファシリティは、前記買い−売り許容度を、
    新規の買い−売り許容度=
    クライアント買い−売り許容度+(売り約定−買い約定*売買比率)
    と等しくなるように調整するようにさらに構成されることを特徴とする請求項18に記載のシステム
  29. 前記取引データは、ウェイトを与えられたリアルタイムデータ、及び、ヒストリカルデータを含むことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  30. 前記アルゴリズミック取引ファシリティは、前記識別された約定済み取引に基づき、1つのATSから他のASTに未約定取引注文を再割り当てするようにさらに構成されることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  31. 前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てするステップは、
    前記入力された注文のうちの少なくとも1つをキャンセルするステップ、
    前記入力された注文のうちの少なくとも1つを修正するステップ、又は、
    リザーブシェアを使用するステップ
    のうちの少なくとも1つをさらに具備することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  32. 取引不均衡を計算する前記ステップは、
    前記取引リストと前記約定済み取引の差異を見つけることによって、未約定取引を識別するステップと、
    前記未約定取引、及び、前記取引リストに基づき、取引不均衡を計算するステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  33. コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    ユーザ定義の取引制約を含む、証券のリストを取引するためのリクエストを受信するステップと、
    複数の取引注文を、少なくとも1つの代替取引システム(ATS)を備えた複数のデスティネイションに、前記デスティネイション、前記取引リスト、及び、前記取引制約に関する取引データに基づき、入力するステップと、
    前記複数の取引注文に対応する各約定済み取引を識別するステップと、
    前記識別された約定済み取引、及び、前記取引リストに基づき、取引不均衡を計算するステップと、
    前記取引不均衡が前記取引制約を超過するか否かを決定するステップと、
    前記決定するステップに基づき、前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てするステップと
    のオペレーションを実行することによって証券のリストを取引するため、その中に格納されたコンピュータ実行プログラム命令を含むことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  34. 前記取引制約は、買い−売り許容度、売り−買い許容度、及び、売買比率のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項33に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  35. 前記取引データは、前記ATSのそれぞれからのヒストリカル取引データを含むことを特徴とする請求項33に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  36. 前記取引データは、リアルタイム市場データを含むことを特徴とする請求項33に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  37. 前記取引不均衡を計算するステップのオペレーションは、
    証券を買うための前記識別された約定済み取引から、前記売買比率と取引の合計値との積を計算するステップと、
    証券を売るための前記識別された約定済み取引から、取引の合計値を決定するステップと、
    前記売り値から前記積を差し引くステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  38. 前記取引不均衡を計算するステップのオペレーションは、
    ヒストリカル市場データに基づき、期待取引不均衡を計算するステップ
    をさらに具備することを特徴とする請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  39. 前記期待取引不均衡を計算するステップのオペレーションは、
    ヒストリカル市場データから、前記売買比率と、証券を買うための期待される注文の合計値との積を計算するステップと、
    ヒストリカル市場データから、証券を売るための期待される注文の合計値を決定するステップと、
    前記合計期待売り値から前記積を差し引くステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  40. 前記合計期待買い値は、
    買い注文が対応する証券に存在する確率を決定するステップと、
    前記確率に前記対応する証券の平均取引サイズを掛けるステップと
    のオペレーションを使用して決定されることを特徴とする請求項39に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  41. 前記合計期待売りサイド値を決定するステップのオペレーションは、
    売り注文が対応する証券に存在する確率を決定するステップと、
    前記確率に前記対応する証券の平均取引サイズを掛けるステップと
    を具備することを特徴とする請求項39に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  42. 前記命令は、識別された取引約定に基づき、売り−買い許容度を調整するステップのオペレーションをさらに具備することを特徴とする請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  43. 前記命令は、前記売り−買い許容度を、
    新規の売り−買い許容度=
    クライアント売り−買い許容度−(売り約定−買い約定*売買比率)
    に調整するステップのオペレーションをさらに具備することを特徴とする請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  44. 前記買い−売り許容度は、
    新規の買い−売り許容度=
    クライアント買い−売り許容度+(売り約定−買い約定*売買比率)
    と等しくなるように調整されることを特徴とする請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  45. 前記取引データは、ウェイトを与えられたリアルタイムデータ、及び、ヒストリカルデータを含むことを特徴とする請求項33に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  46. 前記命令は、前記識別された約定済み取引に基づき、1つのATSから他のASTに未約定取引注文を再割り当てするステップのオペレーションをさらに具備することを特徴とする請求項33に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  47. 前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てするステップのオペレーションは、
    前記入力された注文のうちの少なくとも1つをキャンセルするステップ、
    前記入力された注文のうちの少なくとも1つを修正するステップ、又は、
    リザーブシェアを使用するステップ
    のうちの少なくとも1つをさらに具備することを特徴とする請求項33に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  48. 取引不均衡を計算する前記ステップのオペレーションは、
    前記取引リストと前記約定済み取引の差異を見つけることによって、未約定取引を識別するステップと、
    前記未約定取引、及び、前記取引リストに基づき、取引不均衡を計算するステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項33に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  49. 証券のリストを取引するシステムであって、
    ユーザ定義の取引制約を含む、証券のリストを取引するためのリクエストを受信する手段と、
    複数の取引注文を、少なくとも1つの代替取引システム(ATS)を備えた複数のデスティネイションに、前記デスティネイション、前記取引リスト、及び、前記取引制約に関する取引データに基づき、入力する手段と、
    前記複数の取引注文に対応する各約定済み取引を識別する手段と、
    前記識別された約定済み取引、及び、前記取引リストに基づき、取引不均衡を計算する手段と、
    前記取引不均衡が前記取引制約を超過するか否かを決定する手段と、
    前記決定するステップに基づき、前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てする手段と
    を備えることを特徴とするシステム。
  50. 前記取引制約は、買い−売り許容度、売り−買い許容度、及び、売買比率のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項49に記載のシステム。
  51. 前記取引データは、前記ATSのそれぞれからのヒストリカル取引データを含むことを特徴とする請求項49に記載のシステム。
  52. 前記取引データは、リアルタイム市場データを含むことを特徴とする請求項49に記載のシステム。
  53. 前記取引不均衡を計算する手段は、
    証券を買うための前記識別された約定済み取引から、前記売買比率と取引の合計値との積を計算する手段と、
    証券を売るための前記識別された約定済み取引から、取引の合計値を決定する手段と、
    前記売り値から前記積を差し引く手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
  54. 前記取引不均衡を計算する手段は、
    ヒストリカル市場データに基づき、期待取引不均衡を計算する手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
  55. 前記期待取引不均衡を計算する手段は、
    ヒストリカル市場データから、前記売買比率と、証券を買うための期待される注文の合計値との積を計算する手段と、
    ヒストリカル市場データから、証券を売るための期待される注文の合計値を決定する手段と、
    前記合計期待売り値から前記積を差し引く手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項54に記載のシステム。
  56. 前記合計期待買い値を決定する手段は、
    買い注文が対応する証券に存在する確率を決定する手段と、
    前記確率に前記対応する証券の平均取引サイズを掛ける手段と
    を使用して決定されることを特徴とする請求項55に記載のシステム。
  57. 前記合計期待売りサイド値を決定する手段は、
    売り注文が対応する証券に存在する確率を決定する手段と、
    前記確率に前記対応する証券の平均取引サイズを掛ける手段と
    を備えることを特徴とする請求項55に記載のシステム。
  58. 識別された取引約定に基づき、売り−買い許容度を調整する手段をさらに備えることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
  59. 前記売り−買い許容度を、
    新規の売り−買い許容度=
    クライアント売り−買い許容度−(売り約定−買い約定*売買比率)
    に調整する手段をさらに備えることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
  60. 前記買い−売り許容度は、
    新規の買い−売り許容度=
    クライアント買い−売り許容度+(売り約定−買い約定*売買比率)
    と等しくなるように調整されることを特徴とする請求項50に記載のシステム。
  61. 前記取引データは、ウェイトを与えられたリアルタイムデータ、及び、ヒストリカルデータを含むことを特徴とする請求項49に記載のシステム。
  62. 前記識別された約定済み取引に基づき、1つのATSから他のASTに未約定取引注文を再割り当てする手段をさらに備えることを特徴とする請求項49に記載のシステム。
  63. 前記入力された注文のうちの1又は複数を再割り当てする手段は、
    前記入力された注文のうちの少なくとも1つをキャンセルする手段、
    前記入力された注文のうちの少なくとも1つを修正する手段、又は、
    リザーブシェアを使用する手段
    のうちの少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする請求項49に記載のシステム。
  64. 取引不均衡を計算する前記手段は、
    前記取引リストと前記約定済み取引の差異を見つけることによって、未約定取引を識別する手段と、
    前記未約定取引、及び、前記取引リストに基づき、取引不均衡を計算する手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項49に記載のシステム。
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