JP2010520498A - 固体光源用色合成器 - Google Patents

固体光源用色合成器 Download PDF

Info

Publication number
JP2010520498A
JP2010520498A JP2009551689A JP2009551689A JP2010520498A JP 2010520498 A JP2010520498 A JP 2010520498A JP 2009551689 A JP2009551689 A JP 2009551689A JP 2009551689 A JP2009551689 A JP 2009551689A JP 2010520498 A JP2010520498 A JP 2010520498A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
curved surface
spectral band
light source
led
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009551689A
Other languages
English (en)
Inventor
エム コッブ,ジョシュア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corning Inc
Original Assignee
Corning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Corning Inc filed Critical Corning Inc
Publication of JP2010520498A publication Critical patent/JP2010520498A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/10Beam splitting or combining systems
    • G02B27/14Beam splitting or combining systems operating by reflection only
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/10Beam splitting or combining systems
    • G02B27/14Beam splitting or combining systems operating by reflection only
    • G02B27/148Beam splitting or combining systems operating by reflection only including stacked surfaces having at least one double-pass partially reflecting surface
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B17/00Systems with reflecting surfaces, with or without refracting elements
    • G02B17/02Catoptric systems, e.g. image erecting and reversing system
    • G02B17/06Catoptric systems, e.g. image erecting and reversing system using mirrors only, i.e. having only one curved mirror
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N9/00Details of colour television systems
    • H04N9/12Picture reproducers
    • H04N9/31Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM]
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N9/00Details of colour television systems
    • H04N9/12Picture reproducers
    • H04N9/31Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM]
    • H04N9/3141Constructional details thereof
    • H04N9/315Modulator illumination systems

Abstract

照明装置が、共通開口を共有する第1および第2の集光光学系を有している。第1の集光光学系は、第1スペクトル帯を有する第1固体光源と、この第1固体光源から離れて設置され、第1スペクトル帯を第1光路に沿って共通開口から出射するように反射し、かつ第1スペクトル帯以外の光を通過させるよう処理される第1湾曲面とを有する。第2の集光光学系は、第2スペクトル帯を有する第2固体光源と、第1および第2光源に対し第1湾曲面の後方に配置され、第2スペクトル帯を第2光路に沿って共通開口から出射するように反射するよう処理される第2湾曲面とを有する。

Description

関連出願の説明
本出願は、2007年2月28日に出願された米国特許出願第11/711,926号の優先権の利益を主張するものである。
本発明は一般に照明装置に関し、より詳細には、固体光源を用いるディスプレイのための照明装置および方法に関するものである。
デジタル画像技術が継続的に進歩している中、リアプロジェクションテレビ、業務用および娯楽市場用映写機、デジタルプリンタおよび他の画像装置など、広範囲に及ぶディスプレイ機器にデジタル光変調が利用されている。これらの装置の開発および設計において、十分な輝度を有する照明の実現という課題があることは広く知られている。特にデジタル投影機のようなデジタル画像機器の中には、十分な輝度を提供できないことにより深刻な性能の制約をもたらすことになるものもある。デジタルプロジェクタ用の従来の照明解決策、例えばUHP(Ultra-High Performance)ランプすなわち高圧水銀アークランプやキセノンアークランプなどを採用しているデジタル投影システムも存在しているが、この解決策はいくつかの理由、例えば、短寿命、経時変化、高熱、環境有害成分物質、および色域の制約などにより不利であるとされている。
最近まで、発光ダイオード(LED)などの固体光源は投影に十分な高出力レベルを呈していなかった。しかし、現在では高輝度のLED光源が商品化されており、ポケットプロジェクタやリアプロジェクションテレビ(RPTV)用装置などの小型機器の照明系に十分使用することができる。従来のランプを基にした照明解決策と比べると、LEDは、低消費電力、長部品寿命、およびウォーミングアップの必要性の排除など、特有の利点をいくつか有する。さらに、この光源の相対的なスペクトル純度により、従来の高輝度ランプよりも広い色域が約束される。LEDはまた、メタルハライドランプに含まれる水銀のような環境有害物質を有していない。さらにLEDの輝度は、スペクトル特性を変えることなく広範囲に調整可能である。
より高輝度なLEDが開発中であり、この固体光源をデジタルディスプレイや投影装置に使用するよう適合させることにかなりの注目が向けられている。様々な種類のディスプレイや投影の設計において、単色LED、すなわち一般に赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のLEDからの光を単一光路に合成した後、その光を、テキサス州ダラス、テキサス・インスツルメンツ社(Texas Instruments, Inc.)のDLP(登録商標)プロジェクションシステムで使用されるデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)のような空間光変調器(SLM)へと導くことが必要とされている。
単色LEDを用いた色合成のために提案されている解決策では、一般にダイクロイック面と光積分部品(light integrating components)の配列を使用する。図1Aの透視図を参照すると、2つの緑色LED12g、1つの赤色LED12r、および1つの青色LED12bを有するLED組立部材32からの光を合成するための積分ロッド34を採用した照明装置30が示されている。全反射(TIR)により光を導く導光体としての役目を果たしながら、積分ロッド34は、LED組立部材32上の異なる色のLEDから入力された光を均質化し、多色光を出力部36から提供する。
低性能なディスプレイ機器の中には図1Aに示した解決策が有効な種類があるかもしれないが、あまり効率的ではない。画像技術の当業者には周知であるが、どのような光学系も、エタンデュの観点で、また同様にラグランジュ不変量の観点で表現される、幾何的な考え方、すなわち光学系内の任意の平面における許容立体角と開口サイズの積により制約を受ける。光学系が整合され対称性を有するものである場合、ラグランジュおよびエタンデュの値は系を通じて等しくなる。整合されていないまたは対称でない光学系では、エタンデュは系を通じて光を許容する最も小さい値である。図1Aの特定の例では、出力光ビームが必要な大きさの二倍となるためエタンデュの整合が比較的悪い。2つの緑色LED12gサイズの領域を有する同一光路上で3色それぞれの光を重ね合わせれば有利であろう。
エタンデュおよびラグランジュ不変量は、直感的な原理を定量化する方法を提供する。すなわちあるサイズの領域からは限られた量の光しか供給することができない。放射領域が小さくなると、同等の輝度を保つために放射光の角度は大きくなる。
より大きな角度で照明を処理する必要が生じると、さらに複雑となりコストも増加することになる。Cobb他への特許文献1、題名「テレセントリック光学を用いた投影装置(Projection Apparatus Using Telecentric Optics)」、Cobbへの特許文献2、題名「空間光変調器を用いた投影装置(Projection Apparatus Using Spatial Light Modulator)」、およびCobb他への特許文献3、題名「リレーレンズおよびダイクロイック合成器を有する空間光変調器を用いた投影装置(Projection Apparatus Using Spatial Light Modulator with Relay Lens and Dichroic Combiner)」には、高密度のLCOS(Liquid Crystal on Silicon;シリコン上液晶)装置に対し、この問題に対する取組みが記されている。これらの特許では、必要な光を得るために空間光変調器において高い開口数を使用し、一方で系の他の部分における角度に関する要求を減少させる電子投影装置の設計について開示している。
ディスプレイおよび投影装置では、空間光変調器(SLM)のエタンデュをできるだけしっかりと整合させることが最も望ましい。原則として、エタンデュが増加すると光学設計がより複雑になりコストがかかる。例えば、図1Aの部品配列を用いる投影機において、光学系のレンズ部品は大きなエタンデュに合わせて設計されなければならない。
これまで、エタンデュを低減するためにLED光源を有する積分ロッドを用いた、いくつかの解決策が提案されている。例えば、Peterson他への特許文献4、題名「多色光源光路を共通の積分トンネルを通して合成する方法および装置(Method and Apparatus for Combining Light Paths of Multiple Colored Light Sources Through a Common Integration Tunnel)」には、複数のLEDから積分トンネルを通して光を導く照明配列について記述されている。Peterson他への特許文献4には、複数のLED光源から単一積分器素子に光を導く種々の実施形態が記述されている。しかし、提案されたこれらの解決策は全て出射光のエタンデュを増加させる傾向にあり、別の問題を有していると言える。例えば、特許文献4(特許文献4の図6)で提案され、カリフォルニア州サンタ・ローザ、ブックハム・ディスプレイ・プロダクツ(Bookham Display Products)のZoroLight(商標)LEDマルチプレクサのような照明機器に利用された一解決策は、非効率を招きエタンデュを増加させる種々の問題を呈している。図1Bおよび1Cに、こういった問題のいくつかがどのように発生するかを示す。図1Bの積分ロッド34は固体透明材料で形成された導光体である。緑色LED12gは積分ロッド34の一端へと光を導き入れる。青色LED12bは光を側面から積分ロッド34へと導き入れる。この青色光は、LED12gからの緑色光を透過させLED12bからの青色光を反射することにより光路を折り重ねる、積分ロッド34内部のダイクロイック面18で反射される。青色LEDの好ましい光路は実線で示されており、積分ロッド34の内面で反射された後、積分ロッド34の右から出射される。光損失分は符号38aの点線により示されており、積分ロッド34から斜めに出射される。この光損失分は、ダイクロイック面18から完全に外れてしまった光、あるいは、特に高入射角で少なくともいくらかの光漏れを一般に呈するダイクロイック面18の不完全な性能のいずれかに起因する可能性がある。
図1Cは、反射性の内部コーティングを有した中空のライトトンネルである積分ロッド34に関連した設計における、固有の問題点を示したものである。ダイクロイック面18で反射された一部の光は、意図された通り、実線で示されたように積分ロッド34の右から出射されるが、ダイクロイック面18で適正に反射されなかった光は、非常に高角度で反射して符号38bの点線で示されるように非常に高角度で積分ロッド34から出射される。この高角度の光により、照明系のエタンデュは著しく増加する。
全体のエタンデュを減少させるための一解決策は、異なる色のLED光源を同じ光路に合成することである。図2A、2Bおよび2Cに、LED光源から多色光または「白色」光を形成するために色光路を合成する、すなわち色を合成する、ダイクロイック面の種々の配列を使用した従来の手法を示す。図2Aは、ダイクロイックコーティングを有し、4つの角度を有したプリズムから形成されたX−cubeすなわちX−プリズム10を示したものであり、例えば、Soneharaへの特許文献5、題名「投影式ディスプレイ装置に使用するためのダイクロイック光学素子(Dichroic Optical Elements for Use in a Projection Type Display Apparatus)」に述べられているように作製される。X−プリズム10は、赤色LED12r、緑色LED12g、および青色LED12bからの光を光軸O上へ導くように処理された、交差したダイクロイック面14aおよび14bを装備している。各光源のおおよその光路は、図2A、2Bおよび2Cに点線で示されている。実際には、各LED12r、12gおよび12bは円錐状の光を出射し、この円錐状の光はこれらの機構各々によって一光路上に合成される。X−cubeすなわちX−プリズムを採用した色合成および色分解部品の例は多数あり、例えば、Doany他への特許文献6、題名「投影ディスプレイのコントラストを改善する変形X−Cube配列(Modified X-Cube Arrangement for Improved Contrast Projection Display)」、およびOkuyamaへの特許文献7、題名「交差ダイクロイックプリズム(Cross Dichroic Prism)」が挙げられる。
従来の別の色合成器、フィリップスプリズム20が図2Bに示されている。フィリップスプリズム組立部品はデジタル投影技術の当業者には公知であり、その使用については、例えば、Stoffels他への特許文献8、題名「色分離プリズム組立部品(Color Splitting Prism Assembly)」、およびBryars他への特許文献9、題名「色分解プリズム組立部品およびこれを作る方法(Color Separation Prism Assembly And Method For Making Same)」など多くの特許に記述されている。フィリップスプリズムはこれまで、例えば、特許文献10および特許文献11(共にTadic-Galeb他)、特許文献12(Marshall)および特許文献13(Doany他)などに開示されているような投影機の設計において、色分解部品または結合部品として採用されている。
つまり、フィリップスプリズム組立部品は2つの三角形プリズム22および24と、略矩形の1つのプリズム26を有する組立部品を含む。2つの三角形プリズム22および24の間には空隙28が存在する。矩形プリズム素子は、1つの三角形プリズム24の、空隙28に位置するプリズム24の面と対向する面と光学的に結合する。ダイクロイック面14aおよび14bは、2つの三角形プリズム22および24それぞれの一面上に被覆されている。この配列により、赤色LED12rからの光は、プリズム24の第1面に入射した後、第2面で全反射(TIR)により反射される。これにより光はダイクロイック面14aへと導かれ、赤色光は光軸O上へと反射される。青色LED12bからの光は同様に、プリズム22内を反射する。LED12gからの緑色光は、ダイクロイック面14aおよび12bを透過する。
3種類目の色合成器は、図2Cに示すように、角度を成したダイクロイック面14aおよび14bを使用して光を合成し、合成された多色光を共通の光軸Oの向きに沿って導く。面14aおよび14bはプリズム構造の中に入れてもよいし、空気中に置いてもよい。この配列を用いた色合成器の一例は、角度を成すダイクロイック面を用いたV−プリズム合成器について述べているCobb他への特許文献3、題名「リレーレンズおよびダイクロイック合成器を有する空間光変調器を用いた投影装置(Projection Apparatus Using Spatial Light Modulator with Relay Lens and Dichroic Combiner)」に記述されている。
従来、図2A〜2Cの基本配列にならって解決策として作られたものは、これまで種々のデジタルディスプレイや投影機器にいくらかの成功の目安を持って提供されている。しかし、120度にもなり得るLEDの比較的大きな放射角度と、ダイクロイック面固有の特性に起因して、各解決策には色光路の合成に使用されるときに性能を制限してしまうという欠点がある。Cobb他への特許文献3に詳細に記述されているが、ダイクロイック面のスペクトル性能は入射光の角度が増すにつれて低下する。入射角が大きいと偏光効果が発生し、その結果異なる偏光の光量は同じ角度でも均一に反射されない。このことにより、ダイクロイック面で反射された、あるいはこれを透過した光線に色ずれが起きる可能性があり、またその光のいくらかを損失する可能性もある。X−プリズム10設計は非常に偏光感度が高く、フィリップスプリズム20機構は偏光感度がいくぶん低い。図2Bのフィリップスプリズムによる解決策は、ダイクロイック面上の光の入射角を小さくすることにより、このような角度および偏光感度の影響を低減させるように配列されている。しかし、この改良は、コスト、サイズ、および複雑さの増加という犠牲を払うことになる。
図2AのX−cube10の解決策および図2Bのフィリップスプリズム20の解決策は比較的製造コストがかかる。一般に、プリズム部品や光学コーティングは製造コストが高い。すなわち、これらの機構においては、プリズムを正確に形成し、その後適確に結合して1つの組立部品を形成しなければならない。個々のプリズム素子は、各色を軸上に導くため、狭い公差範囲内で作る必要がある。組立方法によるものであるか、あるいは個々のプリズム素子の公差変動によるものであるかに関わらず、プリズム組立部品に誤差が生じると欠陥部品となり、コーティングおよび部品の価値は失われる。X−プリズム10は特に公差の問題に弱く、これは適切なダイクロイックコーティングが施された4つのプリズムの隣接面を適正角度で配置し結合することが要求されるためである。
図2Aから2Cに示した色合成器の各配列を投影機の照明として使用するためには、その光出力を光積分器によってさらに調整する必要がある。光源に電圧が繰返し加えられると、光積分器は「均等化装置(uniformizer)」としての役目を果たし、つまり空間的均一性を実現する。光源が多色光あるいは「白色」光を生成するよう合成される場合、光積分器は一般に均質化(homogenization)と称されるようにさらにこの光を混合し、その結果合成された多色光は、その照明ビームのあらゆるポイントにおいて各色との間で実質的に等しい均一性を有した均一な白色光として利用することができる。ダイクロイック面を用いてあらかじめ色を合成すると、図2A〜2Cを参照して述べたように、性能要求、コスト、および積分器素子のサイズを最小限に抑えるために少なくとも役立つ。
米国特許第6,758,565号明細書 米国特許第6,808,269号明細書 米国特許第6,676,260号明細書 米国特許第6,956,701号明細書 米国特許第5,098,183号明細書 米国特許第6,019,474号明細書 米国特許第6,327,092号明細書 米国特許第4,084,180号明細書 米国特許第6,144,498号明細書 米国特許第6,280,035号明細書 米国特許第6,172,813号明細書 米国特許第6,262,851号明細書 米国特許第5,621,486号明細書
このように、LEDおよび関連する固体光源は、高輝度投影機用照明装置として期待できる一方で、未だ相当の改善の余地があることがわかるであろう。望ましくない色ずれ、偏光に関する制約、効率の低下、および低エタンデュ整合のような従来の照明手法に関わる問題は、高輝度レベルが必要とされる場合にこの固体光源を活用するために、解決しなければならない。
本発明は、固体光源を用いた照明技術を前進させることを目的とするものである。この目的を念頭に置いて、本発明は、共通開口を共有する第1および第2の集光光学系を備えた照明装置であって、第1の集光光学系が、
第1スペクトル帯を有する第1固体光源と、
第1固体光源から離れて配置され、第1スペクトル帯を、第1光路に沿って共通開口から出射するように反射し、かつ第1スペクトル帯以外の光を通過させるよう処理される、第1湾曲面と
を有し、
第2の集光光学系が、
第2スペクトル帯を有する第2固体光源と、
第1および第2光源に対して第1湾曲面の後方に配置され、第2スペクトル帯を、第2光路に沿って共通開口から出射するように反射するよう処理される、第2湾曲面と
を有することを特徴とする照明装置を提供する。
本発明は、LED光源からの光を低入射角で受け取るために、適切に湾曲した1つ以上のダイクロイック面を用いる色合成器を提供することを特徴とする。
本発明の長所は、LEDを用いて高輝度照明を実現する小型装置を提供することにある。
本発明のさらなる長所は、偏光要件を減少させる色光路合成および色混合の解決策を提供することであり、このため、いかなる偏光状態にある光も同じ効率で処理することができる。
本発明に関するこれらおよび他の目的、特徴および長所は、本発明の実施形態を図示および説明する図面と併せて以下の詳細な記述が読まれたときに、当業者には明らかになるであろう。
単一の棒状積分器(integrator bar;インテグレータ・バー)を用いた色混合を示す透視図 2つの固体光源を用いた固体積分棒の側面図 2つの固体光源を用いた中空の積分棒の側面図 LED光源の色を混合するためのXプリズムの使用形態を示す概略ブロック図 LED光源の色を混合するためのフィリップスプリズムの使用形態を示す概略ブロック図 LED光源の色を混合するための、角度を有したダイクロイック面の使用形態を示す概略ブロック図 一実施の形態におけるLED光源を示す斜視図 楕円形ミラーの焦点特性を示す図 一実施の形態における照明装置の光路を示す側面断面図 図5Aの実施形態における一方の光源からの光の光路を示す図 図5Aの実施形態における別の光源からの光の光路を示す図 図4の照明装置を示す斜視図 対向する放物面ミラーを用いた照明装置の光路を示す側面断面図 図7Aの実施形態における一方の光源からの光の光路を示す図 図7Aの実施形態における別の光源からの光の光路を示す図 反射率に対するバンドパス特性曲線を示すグラフ 放物面ミラーの作用を示す断面図 放物面ミラーの作用を示す断面図 本発明の一実施の形態における照明装置を用いたディスプレイ装置の概略ブロック図 本発明の別の実施の形態における照明装置を用いたディスプレイ装置の概略ブロック図
本記述において参照する図は、本発明による装置の一般的構想や重要な構造および部品を説明するものである。これらの図は、縮尺に配慮して描かれたものではなく、また、明瞭にするために寸法、比率、および部品の相対的配置が誇張されているかもしれない。本書に記述されているスペクトル帯は例示目的で与えられ、これに限定されるものではない。具体的に図示または記述されていない要素は、当業者に公知の種々の形態をとることができることを理解されたい。
周知のように、特定の光学系による光の分配はその全体の形状に依存する。例えば、完全に回転対称の放物面反射器は、理想的に光を「フォーカル・ポイント(焦点;focal point)」へと導くであろう。しかし、光学部品製造の当業者にはよく知られていることであるが、実際に実現できるのはこの理想的な形状に適度に近似したものに限られ、完全なるフォーカル・ポイントを得ることは不可能であり、また効率的な光の集束に必要なものでもない。このため、理想的な「フォーカル・ポイント」という専門用語を用いる代わりに、本発明における記述および請求範囲では、光を集束する光学部品に対しては、最も大きく光が集中する空間領域を示し、放射光の方向を変更するまたは平行光とする光学部品に対しては、所望の方向変更または平行光を達成するために光源が最も適切に配置される空間領域を示すための用語として、より一般的な「焦点領域(focal region)」や単に「焦点(focus)」という用語を採用する。
本発明の装置および方法では、その対応する光源に対して凹状を呈する湾曲面を用いる。本開示の文脈において「対向する曲面」とは、単に互いに対面する2つの凹状反射面を示す。一方の面が正の曲率(一般に曲率中心がその面の右側に位置する場合)を有し、他方の面が負の曲率(曲率中心がその面の左側に位置する場合)を有していると言えるかもしれない。
本発明の文脈において「光学的集光器(optical condenser)」や「集光光学系(optical condenser system)」という用語は、従来より画像技術において使用されていた意味合いを有する。すなわち、光学的集光器や集光光学系とは、光源から光を集めて物体や、例えば投影レンズなどの画像システムへとその光を導く、1つ以上の屈折または反射光学素子を含む組合せである。本発明の装置および方法では一対の集光光学系を採用するが、これらの系は互いに対称的ではなく、かつその光路は略重複する可能性がある。また、これらの系は、それぞれ別個の光源を有して提供され、さらに出射する光が導かれる共通開口を共有するように配置される。
本発明の装置および方法は、ダイクロイック面を用いて色光を合成する従来の解決策を使用したときに直面する、いくつもの問題を最小限に抑える。高入射角でのダイクロイック応答が悪いことによりもたらされる固有の問題を低減するため、本発明では、所定のスペクトル領域の光を導く湾曲したダイクロイック面を装備する。この結果、表面の湾曲により、光源となる照明の入射角が小さくなる。同時に、湾曲したダイクロイック面が光を焦点領域すなわち焦点に向けて集束し、それにより照明装置のエタンデュを、投影またはディスプレイ装置の他の部品に適切に整合させることができる。
本書で使用されているように、「固体光源」という用語の意味は照明技術の分野では十分理解されており、例えば、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、および無機または有機の半導体材料と光を発生させるための原理とを採用した類似の光源などのデバイスが挙げられる。高輝度用途のもので特に興味深いのは、マサチューセッツ州ダンバース、オスラム・シルバニア社(OSRAM Sylvania Incorporated)のOstar(登録商標)LEDデバイスのような高ルーメン出力LEDである。図3は、カリフォルニア州アーバイン、サムスン・エレクトロニクス・アメリカ社(Samsung Electronics America, Inc.)のSP−P300MEプロジェクタのような、携帯用すなわちミニプロジェクタに一般に使用される設計のLEDモジュール50を示している。LEDモジュール50は、プリント回路(PC)基板56上に装備された種々のサポート電気回路や実装部品に加えて、電気コネクタ52およびLEDパッケージ54を有する。典型的な一実施形態において、LEDパッケージ54は低背形状を呈し、例えば2つの緑色LED、1つの赤色LED、および1つの青色LEDなどの4つの単色LEDから構成される。4つの同色LEDを用いるなど他のLED配列とすることも可能であり、次に述べる本発明の実施形態には適しているかもしれない。一般にLEDパッケージ54は、光をモジュールから外に向かって導くためにサポートする光学部品を有する。
本発明の実施形態は、まず幾何光学の簡単な原理を復習することによって最も理解することができる。図4は球状反射面42の特性を示したものである。曲率中心Cから片側に一定距離離れた点Qは、Cから同じ距離に位置する点Q´に映し出される。光源がQにある場合、例えば、その光源の像はQ´となる。楕円反射面の理想事例では、収差なしに第1焦点の点は第2焦点に映し出される。
図4の一般的な原理を用いると、湾曲反射面は、その形状が球状、楕円状または放物面状のいずれであるかに関わらず、第1の位置に配置された物体の像を第2の位置に結像するように配置することができる。図4に示した球状の反射器の観点から、本発明ではLED光源を点Qに配置し、点Q´に光源の像を映し出すようにしてこの焦点特性を利用する。第2湾曲反射面と対になる第1湾曲ダイクロイック面の選択的な形状および処理により、異なる色の光源からの光を単一開口へと導くために本発明ではこの原理を適合させる。
図5Aは本発明の一実施の形態における照明装置60を示している。照明装置60は、2つの集光光学系44aおよび44bの組合せを使用している。各集光光学系44aおよび44bそれぞれにおいて、光源からの光は、図3を参照して説明したデバイスにそれぞれ類似した2つのLEDモジュール50aおよび50bの一方から供給されている。図5Bに光路をより明確に示しているが、集光光学系44bのLEDモジュール50bは、第1湾曲反射面62の曲率中心C62の片側に配置されたLEDパッケージ54bを有する。曲率中心C62はLEDパッケージ54bと開口66の略中間に位置する。図5Cに光路をより明確に示しているが、集光光学系44aのLEDモジュール50aは、第2湾曲反射面64の曲率中心C64の片側に配置されたLEDパッケージ54aを有する。光源、つまりここではLEDパッケージ54aおよび54bの一方あるいは両方に対して、第2湾曲反射面64は第1湾曲反射面62の後方にあるとみなされる。曲率中心C64はLEDパッケージ54aと開口66の略中間に位置する。湾曲面62および64の光軸O62およびO64は同一線上に存在しない。
この配列が与えられると、図5A〜5Cの照明装置60は共通の開口66を共有するように2つの集光光学系を組み合わせる。図示の実施形態による集光光学系44aにおいて、LEDパッケージ54aは図5Cに示される光路に従って緑色光を放射する。他方の集光光学系44bにおいて、LEDモジュール50b上のLEDパッケージ54bは、図5Bに示される光路に従って赤色および青色光を放射する。両LEDパッケージ54aおよび54bから放射された光は、ダイクロイックコーティングが施された第1反射湾曲面62に向かって進む。このダイクロイックコーティングは、反射面62が一種のバンドパスフィルタとして働くよう部分的に調整されており、緑色スペクトル帯を透過すなわち通過させ、この帯域外の光を反射する。
図8のグラフは、この種のバンドパス作用の反射率のカーブ70を示している。ここで、緑色の中心波長(通常約525nm)付近のスペクトル帯に対する反射率は非常に低く、このため緑色光のほとんどはダイクロイック面を透過する。
図5Bの集光光学系44bに戻るが、赤色(通常中心は625nm付近)や青色(通常中心は464nm付近)のような緑色バンドパスの領域外の他の波長の光は、第1反射湾曲面62をほとんど透過せずに反射される。この赤色および青色の反射光は集束され、LEDモジュール50aと50bとの間に位置する共有の開口66から出射する光路に沿って導かれる。図6の斜視図は、LEDモジュール50aおよび50bに対する共通開口66の相対的位置をより明確に詳しく示している。図6では、照明装置60が固体であること、すなわち、合成された光の波長においては実質的に透明な誘電体で満たされていることに留意されたい。積分器素子68や棒状積分器のような任意の光ホモジナイザ(homogenizer)は、開口66から放射された光を均質にする、すなわち均一化するために装備される。本発明の文脈において「均等化装置」、「ホモジナイザ」、および「積分器素子」という用語は交換可能に使用される。
図5Cが最もよく示しているが、第2の反射湾曲面64は、第1湾曲面62を透過した入射光、すなわち、この典型的な実施形態では緑色スペクトル帯に対し、略球状のミラーとしての役目を果たす。第2湾曲反射面64は、この緑色光を集束し、同様に共通開口66にある出口方向へと通じる光路に沿ってその光を導く。結果として、両LEDパッケージ54aおよび54bからの集束された光は、共通開口66から出射するときに合成される。
図5A〜5Cの実施形態に対するいくつかの所見は特に有益である。
(i)各集光光学系44aおよび44bにおいて、各反射湾曲面(62および64)に対する各曲率中心(C62およびC64)は、その対応するLEDパッケージ(それぞれ54bおよび54aに対応)と、これらの光源を含む平面上に位置する共有の開口66との略中間に位置する。図4を参照して説明したように、光源を開口に映し出すためにこの配列が用いられる。
(ii)曲率中心C62およびC64と、光源すなわちLEDパッケージ54aおよび54bは、全て実質的に共通開口66を含む同じ平面内に位置している。曲率中心C62およびC64の位置は同一ではない。
(iii)各光路において、光源から反射湾曲面62および64への入射光は、標準的なものよりも比較的低角度になっている。前述の背景技術の説明において強調したように、低角度入射によってダイクロイック性能は良好となり、スペクトル分離が改善されるため有利である。
(iv)積分器素子68や他の光均等化装置すなわちホモジナイザからの光出力は、均一に混合され、単一光源LEDパッケージ54aおよび54bのいずれのエタンデュよりもごくわずかに大きいエタンデュとなり得る。ホモジナイザや積分器素子68に入る、それぞれの光源からの像の間にわずかな角度差があるため、合成された出力光のエタンデュはいくらか増加するはずである。この角度差は、湾曲面62および64の半径を大きくすることによって減少させることができるが、厚さおよび直径の増加という犠牲を払うことになる。
両LEDパッケージ54aおよび54bからの光は、反射されて共通開口66に到達したときに集束される。積分器素子68は、良好な色混合および均一性を実現する光ホモジナイザとして開口66あるいはその近傍に設置される。積分器素子68の形状はまっすぐでもよいし、図5Aに示すようにテーパ状でもよい。様々な種類の積分器素子68が使用可能であり、例えば棒状積分器、フライアイ小型レンズアレイや類似の光学素子、中空のライトパイプやライトトンネル、複合放物面集光器、1つ以上のレンズ、ミラー、拡散器または他の素子が挙げられる。
テーパ形状の積分器素子68は、前述したようなエタンデュの分配を変えるために有益である。各色からの光は積分器素子68の出口面で空間的に均一となる。
図7Aは、照明装置60の別の実施形態を示したものである。照明装置60は、図5Aの実施形態と類似の原理を利用しており、開口66を共有する第1および第2の集光光学系44aおよび44bを同じように有しているが、ここでは対向した放物面反射器の配列を各光路内で使用している。この配列がどのように機能するかを理解するためには、放物面反射器の有用な特性をいくつか復習することが有益である。図9Aを参照すると、軸Aを有する放物面ミラー80aの焦点F1に光源82が配置されている。それゆえに、光源82から放射された光は軸Aに平行な方向に反射される。図9Bは、軸Aに平行な入射光と共に放物面ミラー80bを示している。ここで、軸に平行(オンアクシス;on-axis)な入射光はその焦点F2に導かれる。
「パラボリック・ウォク(放物状中華鍋;parabolic wok)」など種々の名前で知られる公知の光学的錯覚用機器は、図9Aおよび9Bを参照して説明した基本原理を合成することで動作する。この機器は、対向する曲面を有し同じ軸を共有する2つの放物面ミラーを一緒にして杯状とし、機器にその特徴的な鍋形状を付与する。上方ミラーはその頂点に開口を有する。下方ミラーの頂点に配置された物体は、この組合せによって映し出され、対面に配置された上方ミラーの開口の空間に浮かんでいるように見える。もちろん、この種の配列は、それ自身が照明装置に明らかな恩恵を与えるわけではないが、図7Aの実施形態において使用された原理の一つが説明できる。
図7Aの照明装置60を参照すると、対向する放物面反射器は、対になって第1および第2の集光光学系44aおよび44bを形成し、そして2以上の固体光源から得た光を、照明を提供する同一光路上へと合成する新規の手法に採用される。図5Aを参照して説明した照明装置60の実施形態と比べると、ここでは第1および第2のLEDパッケージ54aおよび54bは、開口66に対向した、後反射湾曲面72の頂点近傍に配置される。反射湾曲面72は好ましくは放物面であり、他の2つの湾曲面それぞれと対になって第1および第2の集光光学系44aおよび44bそれぞれの光路内に位置している。ここで、ダイクロイック湾曲面74は、LEDパッケージ54bの近傍に位置する焦点F74を有する。反射湾曲面76は、LEDパッケージ54aの近傍に位置し焦点F74と同心ではない焦点F76を有する。両湾曲面74および76は放物面であることが好ましい。光源であるLEDパッケージ54aおよび54bの一方または両方に対して、反射湾曲面76はダイクロイック湾曲面74の後方にあるとみなされる。ダイクロイック湾曲面74は、LEDパッケージ54bからの光のあるスペクトル帯を反射し、このスペクトル帯以外の光を通過すなわち透過させるように処理される。湾曲面76は、この反射されたスペクトル帯以外の光、すなわちダイクロイック湾曲面74を通過した光を反射する。
図5Aの照明装置60全体の配列とほぼ同様に、図7Aの照明装置60は共通開口66を共有する2つの集光光学系44aおよび44bを組み合わせたものである。各系の作用を、それぞれ図7Bおよび7Cを参照して説明する。図7Bは、軸A72を有する凹状反射湾曲面72と、対向した曲面を備え、軸A76を有する凹状湾曲面76との組合せを使用した1つの集光光学系44aを示している。軸A72およびA76は同一線上にはなく、放物面の実施形態においては平行でも平行でなくてもよい。LEDパッケージ54aは軸A76に沿って凹状反射湾曲面72の頂点近傍に配置される。凹状湾曲面74および76の凹面は、凹状反射湾曲面72の凹面に対向する。
この配置が与えられると、LEDパッケージ54aからの光はダイクロイック湾曲面74を通過し、湾曲面76によって反射され平行光となる。反射湾曲面72の軸A72に略平行なこの平行光は、その後、反射湾曲面72により焦点F72へと集光光学系44aの光路に沿って向きが変わり、先ほど説明した公知の放物面反射器の原理に従って開口66から出射する。
図7Cは、LEDパッケージ54bからの光を導くための他の集光光学系44bの作用を示している。LEDパッケージ54bは、軸A74に沿って反射湾曲面72の頂点近傍に配置される。この配置が与えられると、LEDパッケージ54bからの光はダイクロイック湾曲面74によって反射され平行光となる。反射湾曲面72の軸A72に略平行なこの平行光もまた、その後、先ほど説明した同様の放物面反射器の原理に従って、反射湾曲面72により開口66に位置する焦点F72方向へと集光光学系44bの光路に沿って向きが変わる。このようにして、図7Aにおいて組み合わされた集光光学系に対し示したように、両LEDパッケージ54aおよび54bからの光は合成され、すなわち、これらの光路は光積分器素子68の入力面と略同じ位置にある共通開口66で効率的に重ね合わせられる。
図7Aの実施形態に対するいくつかの所見は特に有益である。
(i)3つの湾曲面72,74および76は全て、理想的な放物面に最も近いときに最もよく作用する。面の形状が理想形から外れると、それに応じて性能は低下する。
(ii)積分器素子68から出射した光は均一に混合され、単一光源54aおよび54bのいずれのエタンデュよりもごくわずかに大きいエタンデュとなり得る。
(iii)この実施形態では、LEDパッケージ54aおよび54bを、間隔を空けてすぐ近くに一緒に設置してもよく、それぞれ対応する反射面の焦点に最も近い位置となるように装備される。
(iv)湾曲面72は、スペクトルの分離は行わずに単に両光学系に共通する再導光器としての役目を果たし、両集光光学系44aおよび44bの光路に沿って位置している。
これまで強調してきたように、この実施形態では各湾曲反射面の形状ができる限り略対照的な放物面となったときに最良の結果が得られる。一方、これらの湾曲反射面を互いに対して正確に位置決めするためには、ごく微量の非対称性が必要となる。例えば、理想的には軸A72,A74およびA76は同一線上ではなく、少なくとも平行に近いことが必要とされる。このことは、本実施形態において、ダイクロイック湾曲面74および反射湾曲面76が、互いに対して光学的に偏心されていてかつ軸A74または軸A76のどちらも軸A72と同一線上にはない状態でなければならないことを意味する。軸A74およびA76はそれぞれ、LEDパッケージ54aまたは54bのいずれか一方の中心に置かれているので、これらの軸が同一線上にどの程度まで近づくことができるのかについては、LEDパッケージ54aおよび54bの相対的サイズにより間接的に決定される。これらのLEDデバイスは、反射湾曲面72の頂点近傍で互いに隣接させてもよいし、互いに多少の距離を空けて離して設置してもよい。
図5Aおよび図7Aの両実施形態において、光源と一対の湾曲反射面との間の空間は可視光に対して透明な誘電性材料で満たされている。光源のLEDパッケージ54aおよび54bは、例えばエポキシ樹脂などにより埋め込まれ、または接合され、誘電性材料と光学的に接触することが好ましい。光学的に接触することでフレネル反射を低減することができ、光の放射角の制御が改善され、結果的に光の収集状態が改善される。
図5Aおよび図7Aの両実施形態では、2以上の光学的に偏心された凹状反射面を用いて、2以上の光源からの光が共通開口から出射するよう導かれる。光源に最も近い凹状面は、少なくとも1つのスペクトル帯に亘る光を反射し他の光を透過すなわち通過させるように処理されるダイクロイック面である。図5Aの実施形態では、開口66は光源間に位置している。図7Aの実施形態では、開口66はこれらの凹状反射面の頂点に位置している。どちらの構造でも、ダイクロイック面で反射されなかった光はダイクロイック面を反対方向に2回透過する。
偏心され、かつダイクロイック面として処理された湾曲反射面を用いる一般的な方法は、図示の照明装置60の実施形態を超えてさらに発展させ得ることがわかっている。例えば、図5Aの実施形態または図7Aの実施形態のいずれも、第3のLEDパッケージおよび第3の反射面が追加され、それにより最初の2つの集光光学系44aおよび44bと同じように共通開口を共有する第3集光光学系が形成されるかもしれない。このときは、2以上の湾曲反射面がダイクロイック面となるであろう。例えば図6に関して、第3のLEDパッケージは開口66のどちら側に加えてもよく、すなわち3つのLEDパッケージが開口66の周りの同一平面上に、ある他の手法で、例えば互いに120度の間隔を空けて配列されるかもしれない。
「焦点領域近傍」、「焦点で」、「焦点領域で」または「頂点近傍」などの表現に関しては、ある程度の許容範囲が許されるべきであることは光学設計の当業者には認知されている。本発明のこの教示で使用された原理に従って正確になされた位置決めには、実際の光学機械的な公差によって多少のばらつきは許される。また、デバイス自体の寸法には若干の制約が課せられる。前述したように、種々の実施形態における焦点コリメーションには、正確な球状または放物面形状を成す反射面が理想的である。しかし、実際に実現できるのは球状または放物面形状に近似の形状のみであり、本発明の技術を適用して許容できる結果を得るにはこの近似形状で十分である。
ダイクロイック応答は不完全であるため、高性能のダイクロイック面であっても必然的にある程度のスペクトル混成が存在することがわかっている。以上に示した任意の実施形態は、用途の要求に最も合うようにスペクトル帯を決定し最適化することができる。さらに、本書に記述した実施形態では1つのダイクロイック面を採用しているが、より一般に「反射面」として参照された他の面に、銀メッキ反射器あるいは他の従来のミラーコーティングに代わる高効率の代替手段となるダイクロイックコーティングが施されるかもしれないことに留意されたい。
また、図5Aおよび図7Aの実施形態には、ある程度のコマ(coma)が表れていることがわかる。これは開口66からの出力ビームの断面輪郭を若干歪ませる影響がある。しかし投影機用途においては、SLM自体は一般に長方形の縦横比で光を要求する。このため、光変調器およびそれに続く投影光学素子の縦横比と一致するときには、一方向に延びた光は投影装置において実用的である。
図10および図11は、本発明の照明装置60を用いた変調光を供給するディスプレイ装置120を形成する、代替部品配列を示したものである。照明装置60からの光は、例えば棒状積分器、フライアイレンズアレイ、あるいは他の光均一性を改善し必要であれば色混合をも改善する部品のような光均等化装置すなわちホモジナイザ122へと導かれる。光はその後、視野レンズ124または他の光学アセンブリにより空間光変調器(SLM)126へと導かれるが、このSLMはデジタル・マイクロミラー・デバイスや液晶ディスプレイ機器または他の変調器でもよい。変調された光はその後、ディスプレイ面に投影するために投影レンズ130の瞳に供給される。
図11の実施形態において、任意のコリメートレンズ128は、光を例えばニューヨーク州ロチェスター、RPCフォトニクス社(RPC Photonics Inc.)製のEngineered Diffuser(商標)のような拡散器132へと導く。図10または11の実施形態のいずれかにおいて、本発明の照明装置60は一度に単色を供給するように使用されることもあるため、SLM126は電子ディスプレイ技術の当業者に公知のカラーシーケンシャル方式で動作する。あるいは、例えば液晶SLMとともにカラーフィルタアレイを用いるときのように、多色光や白色光が変調用に供給されるかもしれない。
背景技術の章において前述した従来の色混合方法とは異なり、本発明の照明装置は偏光感度が比較的低い。このため、発生した光をある種の光変調器、例えばデジタル・マイクロミラーや類似の機器などで直接使用することができる。液晶機器(LCD)型SLMの場合には、偏光を調整するため偏光部品が必要となるであろう。
LEDパッケージ54aおよび54bからの光を効率的に重ね合わせることにより、本発明の照明装置は、色照明ビームの小さいエタンデュを維持しながら別々の光源からの光路を合成する。小さいエタンデュの実現は、小型のSLMと共に使用するのに有利であり、また従来の多くの光混合装置に勝る長所である。
本発明について、ここまで特定の好ましい実施形態を特に参照して詳細に説明してきたが、上述したような、また添付の請求範囲に記したような本発明の範囲内で、一般的な当業者により、本発明の範囲から逸脱することなく、変更および変形が達成可能であることを理解されたい。例えば、本発明の方法は高輝度用途を対象としているが、異なる色光の効果的な混合を必要とする他の用途にも本手法を使用することができるかもしれない。R,G,BのLEDを使用する代わりに、異なる2色のLEDのみを使用すること、または4色以上のLEDを使用することも可能である。詳細な説明において記述したように、球状、楕円状、または放物面形状を用いたときに理想的な性能が得られるが、こういった湾曲面に近似する形状によって十分なレベルの性能を実現することもできる。
以上のように、本発明は固体光源からの光を合成するための照明装置および方法を説明するものである。
44a、44b 集光光学系
50a、50b LEDモジュール
54a、54b LEDパッケージ
60 照明装置
62 第1湾曲反射面
64 第2湾曲反射面
66 開口
68 積分器素子
72、76 反射湾曲面
74 ダイクロイック湾曲面

Claims (10)

  1. 共通開口を共有する第1および第2の集光光学系を備えた照明装置であって、
    前記第1の集光光学系が、
    第1スペクトル帯を有する第1固体光源と、
    前記第1固体光源から離れて配置され、前記第1スペクトル帯を、第1光路に沿って前記共通開口から出射するように反射し、かつ前記第1スペクトル帯以外の光を通過させるよう処理される、第1湾曲面と
    を有し、
    前記第2の集光光学系が、
    第2スペクトル帯を有する第2固体光源と、
    前記第1および第2光源に対して前記第1湾曲面の後方に配置され、前記第2スペクトル帯を、第2光路に沿って前記共通開口から出射するように反射するよう処理される、第2湾曲面と
    を有することを特徴とする照明装置。
  2. 前記開口が、前記第1および第2の固体光源を含む平面上に位置することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記第1および第2の光路が、前記共通開口をその焦点に有する第3の湾曲面をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  4. 前記第1および第2の固体光源が、発光ダイオード、有機発光ダイオード、および高分子発光ダイオード、からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  5. 前記第1および第2の湾曲面のうち少なくとも一方がダイクロイック面であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  6. 前記共通開口から出射した光を処理するよう配置された光積分器素子をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  7. 前記光積分器素子が、小型レンズアレイ、フライアイ小型レンズアレイ、ライトトンネル、棒状積分器、ミラー、1つ以上のレンズ、複合放物面集光器、および拡散器、からなる群から選択されることを特徴とする請求項6記載の照明装置。
  8. 前記共通開口から出射した光を変調するための光変調器をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  9. 前記第1湾曲面が、実質的に球状、楕円状、または放物面の形状を有することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  10. 照明を提供する方法であって、
    a)第1スペクトル帯を有する第1固体光源からの光を第1湾曲面へと導く工程、
    b)第2スペクトル帯を有する第2固体光源からの光を前記第1湾曲面へと導く工程、
    c)前記第1スペクトル帯の光を、第1光路に沿って共通開口から出射するように反射し、かつ前記第2スペクトル帯の光を、前記第1湾曲面に通過させる工程、および、
    d)前記第2スペクトル帯の光を、第2湾曲面から逆戻りして第1湾曲面を通り第2光路に沿って前記共通開口から出射するように反射する工程、
    を含むことを特徴とする照明を提供する方法。
JP2009551689A 2007-02-28 2008-02-25 固体光源用色合成器 Withdrawn JP2010520498A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/711,926 US7330314B1 (en) 2007-02-28 2007-02-28 Color combiner for solid-state light sources
PCT/US2008/002418 WO2008106067A1 (en) 2007-02-28 2008-02-25 Color combiner for solid-state light sources

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010520498A true JP2010520498A (ja) 2010-06-10

Family

ID=39031488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009551689A Withdrawn JP2010520498A (ja) 2007-02-28 2008-02-25 固体光源用色合成器

Country Status (7)

Country Link
US (2) US7330314B1 (ja)
EP (1) EP2132592A1 (ja)
JP (1) JP2010520498A (ja)
KR (1) KR20090115973A (ja)
CN (1) CN101652699A (ja)
TW (1) TW200907413A (ja)
WO (1) WO2008106067A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014506386A (ja) * 2010-12-29 2014-03-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー Led色結合器
JP2014511542A (ja) * 2010-12-29 2014-05-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 屈折型偏波変換器及び偏光色合成器
JP2014137593A (ja) * 2013-01-17 2014-07-28 Taida Electronic Ind Co Ltd 光学システム

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009150580A1 (en) * 2008-06-13 2009-12-17 Koninklijke Philips Electronics N.V. Light emitting device
US8165434B2 (en) * 2009-03-17 2012-04-24 LumenFlow Corp. High efficiency optical coupler
US9159885B2 (en) 2010-12-29 2015-10-13 3M Innovative Properties Company Remote phosphor LED device with broadband output and controllable color
US8699138B2 (en) 2011-06-01 2014-04-15 Nathaniel Group, Inc. Multi-wavelength multi-lamp radiation sources and systems and apparatuses incorporating same
WO2013055412A1 (en) 2011-10-14 2013-04-18 3M Innovative Properties Company Lens assembly for remote phosphor led device
ITRM20120265A1 (it) * 2012-06-07 2013-12-08 Consiglio Nazionale Ricerche Dispositivo di illuminazione comprendente una schiera di sorgenti optoelettroniche
KR102069066B1 (ko) * 2012-12-20 2020-01-22 엘지전자 주식회사 프로젝션 장치
US10039934B2 (en) * 2013-12-30 2018-08-07 PhotonEdge Inc. Multi-wavelength interleaved optical stimulation
US11609117B2 (en) * 2018-07-30 2023-03-21 Ams Ag Multi-layer spectral modulation spectrometer
CN114963033A (zh) * 2022-07-29 2022-08-30 歌尔股份有限公司 一种led光源模块及镜头模组检测设备

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US676260A (en) * 1900-08-08 1901-06-11 William Burgeland Johnson Ventilator.
US4870268A (en) 1986-04-02 1989-09-26 Hewlett-Packard Company Color combiner and separator and implementations
EP0766115B1 (en) * 1995-09-26 1999-11-24 C.R.F. Società Consortile per Azioni Lighting system with a micro-telescope integrated in a transparent plate
US6280054B1 (en) * 1999-07-02 2001-08-28 Zight Corporation Image generator having an improved illumination system
US6545814B2 (en) 1999-12-28 2003-04-08 Texas Instruments Incorporated Optical architectures for combining multiple lamps in light valve projectors
US7710669B2 (en) 2000-08-24 2010-05-04 Wavien, Inc. Etendue efficient combination of multiple light sources
US6956701B1 (en) 2004-04-26 2005-10-18 Infocus Corporation Method and apparatus for combining light paths of multiple colored light sources through a common integration tunnel
DE10164033B4 (de) * 2001-12-28 2010-08-05 Osram Opto Semiconductors Gmbh Optoelektronisches Bauelement mit einer Mehrzahl von Lichtquellen
US6676260B2 (en) 2002-04-25 2004-01-13 Eastman Kodak Company Projection apparatus using spatial light modulator with relay lens and dichroic combiner
US7145125B2 (en) * 2003-06-23 2006-12-05 Advanced Optical Technologies, Llc Integrating chamber cone light using LED sources
US7497581B2 (en) * 2004-03-30 2009-03-03 Goldeneye, Inc. Light recycling illumination systems with wavelength conversion
US7222968B2 (en) 2004-05-14 2007-05-29 3M Innovative Properties Company Illumination system with separate optical paths for different color channels
US7048385B2 (en) 2004-06-16 2006-05-23 Goldeneye, Inc. Projection display systems utilizing color scrolling and light emitting diodes
KR100565075B1 (ko) * 2004-07-27 2006-03-30 삼성전자주식회사 조명유니트 및 이를 채용한 화상투사장치
GB0420233D0 (en) * 2004-09-11 2004-10-13 Power Projector Ltd Efficient light engine for projection application

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014506386A (ja) * 2010-12-29 2014-03-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー Led色結合器
JP2014511542A (ja) * 2010-12-29 2014-05-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 屈折型偏波変換器及び偏光色合成器
JP2014137593A (ja) * 2013-01-17 2014-07-28 Taida Electronic Ind Co Ltd 光学システム
US9176368B2 (en) 2013-01-17 2015-11-03 Delta Electronics, Inc. Optical system

Also Published As

Publication number Publication date
US20080204665A1 (en) 2008-08-28
TW200907413A (en) 2009-02-16
US7330314B1 (en) 2008-02-12
EP2132592A1 (en) 2009-12-16
WO2008106067A1 (en) 2008-09-04
KR20090115973A (ko) 2009-11-10
CN101652699A (zh) 2010-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010520498A (ja) 固体光源用色合成器
US7325956B2 (en) Light-emitting diode (LED) illumination system for a digital micro-mirror device (DMD) and method of providing same
US7261453B2 (en) LED polarizing optics for color illumination system and method of using same
CN201134006Y (zh) 一种用于投影系统的光源装置及投影显示装置
US7325957B2 (en) Polarized light emitting diode (LED) color illumination system and method for providing same
US11243460B2 (en) Light source device and projection system
US9201295B2 (en) High efficiency LED optical engine for a digital light processing (DLP) projector and method of forming same
US20060274277A1 (en) Combined light source for projection display
JP5875865B2 (ja) 光出力の輝度を増大するために光をリサイクルする装置、及び、その装置を組み込んだledプロジェクタ
CN107797296A (zh) 一种缩束装置、激光光源及激光投影设备
CA2705863A1 (en) Light source device and projection display device for projection system
KR20060111793A (ko) 조명유니트 및 이를 채용한 화상투사장치
JP4644201B2 (ja) etendueを小さく抑えたカラービデオ投写装置の効率のよい照明装置
CN216595871U (zh) 三色激光光源及激光投影设备
US10634981B2 (en) Light source device and projection type display apparatus
US20070171376A1 (en) Projection display system
US7001025B2 (en) Projection apparatus with three light source units to output light bundles into an integrating tunnel from a direction nonparallel to output direction
US7560710B2 (en) Method and apparatus for increasing illuminator brightness in a liquid crystal on silicon (LCoS) based video projection system
JP2007163619A (ja) 照明光学部、これを用いた投射型表示装置及び映像表示方法
JP2006337428A (ja) 照明光学系、光学エンジン及び投射型映像表示装置
CN218957014U (zh) 激光光源及激光投影设备
JP2007249136A (ja) 照明装置及びプロジェクタ
JP7108901B2 (ja) 照明装置及び投写型表示装置
JP2007249138A (ja) 照明装置及びプロジェクタ
JP2023042947A (ja) 光源装置、投射型表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110510