JP2010519899A - 肺扁平上皮癌とその他の非小細胞肺癌とを見分けるための方法 - Google Patents

肺扁平上皮癌とその他の非小細胞肺癌とを見分けるための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、特定の型の非小細胞肺癌(NSCLC)の同定、分類及び診断のために使用する核酸配列を提供する。核酸配列はまた、生物学的試料の発現パターンに基づいた、対象の予後の評価のために使用することもできる。

Description

本発明は、一般に、特定の型の肺癌と関係があるマイクロRNA分子、及びそれに関連又は由来する種々の核酸分子に関する。
近年、マイクロRNA(miR)が、広い範囲の生物学的な過程に対して重大な影響を有する、重要な新規のクラスの制御RNAとして出現している。
これらの小型(典型的には、18〜24ヌクレオチド長)の非コードのRNA分子は、タンパク質の発現パターンを、RNAの分解を促進することによって、mRNAの翻訳を阻害することによって、及びまた遺伝子の転写に影響を及ぼすことによっても調節することができる。miRは、発生及び分化、細胞増殖のコントロール、ストレス応答、並びに代謝等の様々な過程において中枢の役割を担う。多くのmiRの発現が、多数の型のヒトの癌において変化することが見出され、いくつかの場合においては、強力な証拠が、そのような変化が腫瘍の進行における原因として働き得るという推測の裏付けとして提案されている。現在のところ、約700個のヒトmiRが知られており、その数は、おそらく800を超えるであろう。
癌の分類は、典型的には、組織診断、細胞遺伝学、免疫組織化学、及び既知の生物学的挙動に基づいた腫瘍のグループ化を利用している。次いで、癌の段階を考慮に入れた、腫瘍を分類するために使用する病理学的診断を使用して、予後及び直接的な療法を予測する。しかし、癌を分類し、段階付ける現在の方法は、完全には信頼できない。
肺癌は、最も一般的な癌の1つであり、全世界で、癌に関連する死亡の主要な原因となっている。科学者達は、特定の肺癌のバイオマーカー、並びに診断、治療及び予後におけるそれらの可能な役割の探索に懸命に努力している。
正確な診断を下す、具体的には、肺扁平上皮癌と、これに限定されないが、肺腺癌等のその他の非小細胞肺癌腫(NSCLC)とを見分けることは、療法の選択に当たって実際的な重要性を有する。重度の又は致命的な出血が、ベバシズマブ(Avastin)療法を受ける肺扁平上皮癌患者に対する黒枠警告となっている。現在のところ、扁平上皮性NSCLCを非扁平上皮性NSCLCと識別するための客観的な標準化された試験はない。
種々のNSCLCの早期検出及び正確な診断のためのバイオマーカーの探求は、ほとんど成功していない。固有の腫瘍マーカーの発見及び特徴付けに大きな重点が置かれている。しかし、適切な感度又は特異性を有して、臨床的に有用であるマーカーは同定されていないが、複数のマーカーの組合せが、診断の精度を向上させることが示されている。
肺扁平上皮細胞癌とその他のNSCLCとを見分けるための信頼できる方法が依然として求められている。
本発明は、特定の肺癌の同定、分類及び診断において使用するための特異的な核酸配列を提供する。核酸配列はまた、予後マーカーとして、生物学的試料中のそれらの発現パターンに基づいた、対象の予後の評価のために使用することもできる。
本発明はNSCLCを分類する方法をさらに提供し、この方法は、対象から生物学的試料を得るステップと;前記試料中の、配列番号1〜5、13〜30からなる群から選択された核酸配列、その断片、又はそれに対して少なくとも約80%の同一性を有する配列の相対的な存在量を測定するステップと;前記得られた測定値を、前記核酸の存在量を示す基準の数と比較するステップとを含み;それによって、前記核酸配列の示差的な発現が、前記NSCLCの分類を可能にする。
いくつかの実施形態によれば、前記生物学的試料は、体液、細胞系及び組織試料からなる群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記組織は、新鮮組織、凍結組織、固定組織、ロウ包埋組織又はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織である。1つの実施形態によれば、組織試料は、肺試料である。
いくつかの実施形態によれば、前記NSCLCは、肺扁平上皮細胞癌、肺腺癌、及び肺未分化大細胞癌腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記肺未分化大細胞癌腫は、肺扁平上皮細胞癌又は腺癌に由来する。
本発明は、肺扁平上皮細胞癌とその他のNSCLCとを見分けるための方法をさらに提供し、この方法は、対象から生物学的試料を得るステップと;前記試料中の、配列番号1〜5からなる群から選択された核酸配列、その断片、又はそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列の発現レベルを決定するステップとを含み;それによって、配列番号1の相対的な存在量が、扁平上皮細胞癌の存在を指し示す。
いくつかの実施形態によれば、前記その他のNSCLCは、肺腺癌である。
いくつかの実施形態によれば、当該方法は、少なくとも2つの核酸配列の発現レベルを決定するステップを含む。いくつかの実施形態によれば、当該方法は、1つ又は複数の発現比を組み合わせるステップをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、発現レベルを、核酸ハイブリダイゼーション、核酸増幅、及びそれらの組合せからなる群から選択された方法によって決定する。いくつかの実施形態によれば、核酸ハイブリダイゼーションを、固相核酸バイオチップアレイを使用して実施する。特定の実施形態によれば、核酸ハイブリダイゼーションを、in situハイブリダイゼーションを使用して実施する。その他の実施形態によれば、核酸増幅の方法は、リアルタイムPCR(RT−PCR)である。1つの実施形態によれば、前記リアルタイムPCRは、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)である。
いくつかの実施形態によれば、RT−PCRの方法は、順方向プライマー及び逆方向プライマーを含む。その他の実施形態によれば、順方向プライマーは、配列番号7〜9のうちのいずれか1つからなる群から選択された配列を含む。いくつかの実施形態によれば、リアルタイムPCRの方法は、プローブを用いるハイブリダイゼーションをさらに含む。
その他の実施形態によれば、プローブは、配列番号10〜12のうちのいずれか1つからなる群から選択された配列を含む。
本発明は、肺腺癌と大細胞癌腫とを見分けるための方法をさらに提供し、この方法は、対象から生物学的試料を得るステップと;前記試料中の、配列番号13〜30からなる群から選択された1つ又は複数の核酸配列、それらの断片、又はそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列の発現レベルを決定するステップとを含み;それによって、前記核酸の相対的な存在量が、大細胞癌腫の存在を指し示す。
本発明は、NSCLCの分類のためのキットをさらに提供し、前記キットは、配列番号10〜12のうちのいずれか1つ、及びそれに対して少なくとも約80%の同一性を有する配列からなる群から選択された核酸配列を含むプローブを含む。その他の実施形態によれば、キットは、配列番号7〜9のうちのいずれか1つからなる群から選択された配列を含む順方向プライマーをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、キットは、特定のNCSLCの診断において1つ又は複数の発現比を使用するための指示をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、前記キットは、in situハイブリダイゼーション解析を実施するための試薬を含む。
本発明のこれら及びその他の実施形態が、以下の図、説明及び特許請求の範囲を併せると明らかになるであろう。
腺癌(丸)又は扁平上皮細胞癌(三角)に由来する肺試料における、バイオチップアレイに基づいたhsa−miR−205(配列番号1)の正規化した発現レベルを示すグラフである。試料を、hsa−miR−205の発現レベルに従ってソートする。x軸は、ソートした試料であり、y軸は、正規化した発現レベルである。T−検定のp値:9.4735e−007。 2つの肺試料セット:腺癌及び扁平上皮細胞癌における、hsa−miR−205の正規化したシグナルの平均及び標準誤差(STD/平方根(n))を示すグラフである。 扁平上皮細胞癌に由来する肺試料と腺癌に由来する肺試料とを比較した、miR−205の感度及び特異性を示す表である。扁平上皮細胞癌の検出の感度は、100%(9/9)であり、特異性は、84.2%(16/19)である。 実施例3で説明した、hsa−miR−21(配列番号2)、U6(配列番号3)のqRT−PCRによる発現レベルによって正規化した、hsa−miR−205(配列番号1)のqRT−PCRによる発現レベル、及び最終スコアの閾値を使用した場合の、肺扁平上皮細胞癌に由来する試料(アステリスク)と、その他のNCSLCに由来する試料(楕円)との間の完全な分離を示すグラフである。黒色の実線は、閾値を示す。黒色の破線は、低い信頼度の領域の境界線を示す。 hsa−mir−205のin situハイブリダイゼーションによる検出を示す写真である。肺扁平上皮細胞癌の切片の平行な切片の顕微鏡写真を、hsa−miR−205に特異的なプローブ(A)及び対照の(スクランブルした)プローブ(B)とハイブリダイズさせた。 腺癌(丸)又は大細胞癌腫(三角)に由来する肺試料における、hsa−miR−513(配列番号13)の正規化した発現レベルを示すグラフである。試料を、hsa−miR−513の発現レベルに従ってソートする。x軸は、ソートした試料であり、y軸は、正規化した発現レベルである。T−検定のp値:6.1444e−005。 2つの肺試料セット:腺癌及び大細胞癌腫における、hsa−miR−513の正規化したシグナルの平均及び標準誤差(STD/平方根(n))を示すグラフである。 腺癌及び大細胞癌腫に由来する肺試料におけるhsa−miR−513のシグナルを示す表である。閾値未満のシグナルは、腺癌である。腺癌の検出の感度は、94.7%(18/19)であり、シグナルの特異性は、85.7%(6/7)である。
本発明は、特異的な核酸配列(配列番号1〜5、13〜30)を、特定の肺癌の同定、分類及び診断のために使用することができるという発見に基づく。
本発明は、肺扁平上皮癌とその他のNSCLCとを見分けるために使用することができる高感度で、特異的且つ正確な方法を提供する。本発明の方法は、高い感度及び特異性を有する。肺扁平上皮細胞癌と、肺腺癌又は肺大細胞癌腫等のその他のNSCLCとを見分けることが可能になれば、最良で且つ最適な治療の患者への提供が促進されることになる。
定義
本組成物及び方法を開示及び説明する前に、本明細書で使用する用語法は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、制限するものではないことを理解されたい。明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数の形態である「a」、「an」及び「the」は、文脈からそうではないことが明確に分かる場合以外は、複数の指示対象を包含することに留意しなければならない。
本明細書において数の範囲を列挙する場合、それらの間に介在する数のそれぞれが、同一の程度の細密さで明確に企図される。例えば、6〜9の範囲の場合、7及び8の数も、6及び9に加えて企図され、6.0〜7.0の範囲の場合、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0の数が、明確に企図される。
異常な増殖
本明細書で使用する場合、「異常な増殖」という用語は、正常な、適切な又は予想される経過から逸脱する細胞の増殖を意味する。例えば、異常な細胞の増殖として、DNA又はその他の細胞構成成分が損傷又は欠損している細胞の不適切な増殖を挙げることができる。異常な細胞の増殖として、その特徴が、不適切に高いレベルの細胞分裂、不適切に低いレベルのアポトーシス若しくは両方が引き起した、それらが媒介した、又はそれらに至る徴候と関係がある細胞の増殖を挙げることができる。そのような徴候は、例えば、癌性であっても若しくは非癌性であっても、又は良性であっても若しくは悪性であっても、単一若しくは複数の局所的な、細胞、細胞群又は(1つ若しくは複数の)組織の異常増殖によって特徴付けることができる。

本明細書で使用する場合、「約」という用語は、+/−10%を指す。
アンチセンス
本明細書で使用する場合、「アンチセンス」という用語は、特異的なDNA配列又はRNA配列に対して相補的であるヌクレオチド配列を指す。「アンチセンス鎖」という用語は、「センス」鎖に対して相補的である核酸鎖に関して使用する。アンチセンス分子は、対象とする(1つ又は複数の)遺伝子を、相補鎖の合成を可能にするウイルスプロモーターに、逆方向に連結させることによる合成をはじめとする、任意の方法によって生成することができる。細胞内に導入されたら、こうして転写された鎖は、細胞が生成した天然の配列と組み合わさって、二重鎖を形成する。次いで、これらの二重鎖は、その後の転写又は翻訳のいずれかを遮断する。この様式で、変異した表現型を生成することができる。
結び付けた
本明細書で使用する場合、「結び付けた」又は「固定化した」は、プローブ及び固体の支持体を指し、プローブと固体の支持体との間の結合が、結合、洗浄、解析及び除去の条件下で十分に安定であることを意味することができる。結合は、共有結合であっても、又は非共有結合であってもよい。共有結合は、プローブと固体の支持体との間に直接形成させてもよく、そうでなければクロスリンカーによって、或いは固体の支持体若しくはプローブのいずれか、又は両方の上の特異的な反応性の基の内包によって形成させてもよい。非共有結合は、静電気的相互作用、親水性相互作用及び疎水性相互作用のうちの1つ又は複数であってよい。ストレプトアビジン等の分子を支持体に共有結合により結び付け、且つビオチン標識したプローブをストレプトアビジンに非共有結合により結合させることは、非共有結合として挙げられる。固定化にはまた、共有結合による相互作用と非共有結合による相互作用との組合せが関与する場合もある。
生物学的試料
本明細書で使用する場合、「生物学的試料」は、核酸を含む生物学的な組織又は流体の試料を意味する。そのような試料として、これらに限定されないが、対象から単離した組織又は流体が挙げられる。生物学的試料としてまた、生検試料及び剖検試料等の組織切片、FFPE試料、組織学的な目的で得た凍結切片、血液、血漿、血清、痰、便、涙液、粘液、毛髪、及び皮膚も挙げられる。生物学的試料はまた、動物又は患者の組織に由来する外植片並びに初代細胞及び/又は形質転換細胞の培養物も包含する。
生物学的試料はまた、血液、血液画分、尿、浸出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頚部の分泌物、膣の分泌物、子宮内膜の分泌、消化管の分泌物、気管支の分泌、痰、細胞系、組織試料、又は乳房からの分泌物であってもよい。生物学的試料は、動物から細胞試料を取り出すことによって提供することができるが、また、以前に単離した(例えば、別のヒトによって、別の時期に、及び/若しくは別の目的で単離した)細胞を使用することによって、又は本明細書に記載する方法をin vivoにおいて実施することによっても達成することができる。また、治療又は予後の履歴を有する組織等の記録保管されている組織も使用することができる。

「癌」という用語は、組織病理的な型又は侵襲性の段階に関わりなく、全ての型の癌性の増殖若しくは癌化の過程、転移組織、又は悪性に形質転換した細胞、組織若しくは臓器を包含することを意味する。癌の例として、これらに限定されないが、アプドーマ、分離腫、鰓腫、悪性カルチノイド症候群、カルチノイド心疾患、癌腫(例えば、Walker、基底細胞、基底扁平、Brown−Pearce、管、Ehrlich腫瘍、小細胞肺、非小細胞肺(例えば、肺扁平上皮細胞癌、肺腺癌及び肺未分化大細胞癌)、燕麦細胞、乳頭、細気管支、気管支原性、扁平上皮細胞及び移行細胞)、組織球性障害、白血病(例えば、B細胞、混合細胞型、ヌル細胞、T細胞、T細胞慢性、HTLV−II関連、リンパ球性急性、リンパ球性慢性、肥満細胞及び骨髄性)、悪性組織球増殖症、ホジキン病、免疫増殖性小、非ホジキンリンパ腫、形質細胞腫、細網内皮症、メラノーマ;軟骨芽細胞腫、軟骨腫、軟骨肉腫、線維腫、線維肉腫、巨細胞腫、組織球腫、脂肪腫、脂肪肉腫、中皮腫、粘液腫、粘液肉腫、骨腫、骨肉腫、Ewing肉腫、骨膜腫、腺線維腫、腺リンパ腫、癌肉腫、脊索腫、頭蓋咽頭腫、未分化胚細胞腫、過誤腫、間葉細胞腫、中腎腫、筋肉腫、エナメル上皮腫、セメント質腫、歯牙腫、奇形腫、胸腺腫、絨毛性腫瘍、腺癌、腺腫、胆管腫、胆脂腫、円柱腫、嚢胞腺癌、嚢胞腺腫、顆粒膜細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、肝細胞腫、汗腺腫、膵島細胞腫瘍、Leydig細胞腫、乳頭腫、Sertoli細胞腫、莢膜細胞腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、筋芽細胞腫、筋肉腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、脳室上衣腫、神経節腫、神経膠腫、髄芽腫、髄膜腫、神経鞘腫、神経芽腫、神経上皮腫、神経線維腫、神経腫、傍神経節腫、非クロム親和性傍神経節腫、角化血管腫、好酸球増多を伴う血管リンパ組織過形成、硬化性血管腫、血管腫症、グロムス血管腫、血管内皮腫、血管腫、血管外皮腫、血管肉腫、リンパ管腫、リンパ管筋腫、リンパ管肉腫、松果体腫、癌肉腫、軟骨肉腫、嚢胞肉腫、葉状、線維肉腫、血管肉腫、平滑筋肉腫、白血肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、筋肉腫、粘液肉腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、肉腫(例えば、Ewing、実験的、Kaposi及び肥満細胞)、神経線維腫症、及び子宮頚部異形成、並びに細胞が不死化又は形質転換されているその他の状態をはじめとする、固形腫瘍及び白血病が挙げられる。
分類
本明細書で使用する場合、「分類」は、個々の項目を、(形質、変数、特徴、特色等と呼ばれる)当該項目に固有の1つ又は複数の特徴についての定量的な情報に基づき、且つ統計学的なモデル及び/又は以前にラベルした項目のトレーニングセットに基づいて、群又はクラスに配置する手順及び/又はアルゴリズムを指す。1つの実施形態によれば、分類は、肺癌の型の決定を意味する。
相補体
本明細書で使用する場合、「相補体」又は「相補的な」は、ヌクレオチド間又は核酸分子のヌクレオチド類似体間でワトソン−クリック塩基対(例えば、A−T/U及びC−G)又はフーグスティーン塩基対を形成することを意味する。完全な相補体又は完全に相補的であるは、ヌクレオチド間又は核酸分子のヌクレオチド類似体間で100%相補的な塩基対を形成することを意味することができる。
Ct
本明細書で使用する場合、「Ct」は、qRT−PCRのサイクル閾値を指し、これは、蛍光が閾値を越える分別のサイクル数である。
検出
「検出」は、試料中の構成成分の存在を検出することを意味する。検出はまた、構成成分が存在しないことを検出することも意味する。検出はまた、構成成分のレベルを、定量的又は定性的のいずれかで測定することも意味する。
示差的発現
「示差的発現」は、細胞及び組織の内部及びそれらの間の、時間的及び/又は細胞の遺伝子発現パターンにおける定性的又は定量的な差を意味する。したがって、例えば、正常組織と疾患組織とを比べて示差的に発現した遺伝子は、活性化又は不活性化をはじめとして、その発現が定性的に変化している場合がある。特定の状況下では、別の状況と比べて、遺伝子のスイッチが入る又は切れる場合があり、したがって、2つ以上の状況の比較が可能となる。定性的に制御される遺伝子は、ある状況又は細胞型の中では、標準的な技法によって検出可能であり得る、ある発現パターンを示す場合がある。いくつかの遺伝子は、1つの状況又は細胞型において発現するが、両方では発現しない場合がある。或いは発現の差は、調節される、上方制御されて転写物の量の増加に至る、又は下方制御されて転写物の量の減少に至る点で、定量的である場合もある。発現が異なる程度は、発現アレイ、定量的逆転写PCR、ノーザン解析、リアルタイムPCR、in situハイブリダイゼーション及びリボヌクレアーゼ保護等の標準的な特徴付けの技法によって定量化するのに十分に大きいことのみが必要である。
発現比
本明細書で使用する場合、「発現比」は、2つ以上の核酸の相対的な発現レベルを指し、これは、生物学的試料中の対応する核酸の相対的な発現レベルを検出することによって決定する。
断片
「断片」は、核酸又はポリペプチドの非完全長の部分を指すために、本明細書では使用する。したがって、断片自体もまた、それぞれ、核酸又はポリペプチドである。
遺伝子
本明細書で使用する場合、「遺伝子」は、転写及び/若しくは翻訳の制御配列、並びに/又はコード領域、並びに/又は非翻訳配列(例えば、イントロン、5’−及び3’−非翻訳配列)を含む、天然の遺伝子(例えば、ゲノムの遺伝子)であっても、又は合成の遺伝子であってもよい。遺伝子のコード領域は、アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列であっても、又はtRNA、rRNA、触媒RNA、siRNA、miRNA若しくはアンチセンスRNA等の機能性RNAであってもよい。遺伝子はまた、コード領域(例えば、エクソン及びmiRNA)に対応するmRNA又はcDNAであってもよく、これは、場合により、それらに連結している5’−又は3’−非翻訳配列を含む。遺伝子はまた、in vitroにおいて生成した増幅核酸分子であってもよく、これは、コード領域の全部若しくは一部及び/又はそれらに連結している5’−若しくは3’−非翻訳配列を含む。
溝の結合剤/副溝の結合剤(MGB)
「溝の結合剤」及び/又は「副溝の結合剤」は、互換的に使用することができ、二本鎖DNAの副溝に、典型的には配列特異的な様式ではまる小型分子を指す。副溝の結合剤は、三日月様の形状をとり、したがって、しばしば水に置き換わって、二重らせんの副溝中にぴったりはまることができる、長く平坦な分子であってよい。副溝に結合する分子は、典型的には、フラン環、ベンゼン環又はピロール環等のねじれの自由を有する結合によって接続されている、いくつかの芳香環を含む。副溝の結合剤は、ネトロプシン、ジスタマイシン、ベレニル(berenil)、ペンタミジン及びその他の芳香族ジアミジン等の抗生物質、Hoechst33258、SN6999、クロモマイシン及びミトラマイシン等のaureolicな抗腫瘍薬、CC−1065、ジヒドロシクロピロロインドールトリペプチド(DPI)、1,2−ジヒドロ−(3H)−ピロロ[3,2−e]インドール−7−カルボキシレート(CDPI)、さらにそれらの内容が参照によって本明細書に組み込まれているNucleic Acids in Chemistry and Biology,2d ed.、Blackburn及びGait編、Oxford University Press、1996並びにPCT出願公開第WO03/078450号に記載されているものをはじめとする、関連の化合物及び類似体であってよい。副溝の結合剤は、プライマー、プローブ、ハイブリダイゼーションタグ相補体の構成成分、又はそれらの組合せであってよい。副溝の結合剤は、それらが結び付いているプライマー又はプローブのTを上昇させることができ、そのようなプライマー又はプローブがより高い温度で有効にハイブリダイズするのを可能にする。
宿主細胞
本明細書で使用する場合、「宿主細胞」は、天然に存在する細胞であっても、又はベクターを含有することができ、当該ベクターの複製を支援することができる形質転換細胞であってもよい。宿主細胞は、培養細胞、外植片、in vivoにおける細胞などであってよい。宿主細胞は、大腸菌(E.coli)等の原核細胞であっても、又は酵母、昆虫、両生類若しくは哺乳動物の細胞等、すなわちCHO及びHeLa等の真核細胞であってもよい。
同一性
本明細書で使用する場合、「同一である」又は「同一性」は、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈においては、配列が、特定の領域にわたって同一である、特定のパーセントの残基を有することを意味する。パーセントは、2つの配列を最適に整列させ、特定の領域にわたって2つの配列を比較し、両方の配列中に同一の残基が存在する位置の数を決定してマッチした位置の数を求め、マッチした位置の数を特定の領域中の位置の全数で割り、結果に100をかけて、配列同一性のパーセントを求めることによって計算することができる。2つの配列が異なる長さであり又はアラインメントが1つ若しくは複数のずれた末端をもたらし、比較の特定の領域が単一の配列のみを包含する場合には、単一の配列の残基を、計算の分母には含めるが、分子には含めない。DNAとRNAとを比較する場合には、チミン(T)とウラシル(U)とを同等であるとみなしてよい。同一性は、手作業で又はBLAST若しくはBLAST2.0等のコンピュータ配列アルゴリズムを使用することによって実施することができる。
in situにおける検出
本明細書で使用する場合、「in situにおける検出」は、元々の部位における発現又は発現レベルの検出を意味し、元々の部位とは、生検等の組織試料中の部位を意味する。
標識
本明細書で使用する場合、「標識」は、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、化学的手段又はその他の物理学的手段によって検出可能な組成物を意味する。例えば、有用な標識として、32P、蛍光染料、高電子密度試薬、(例えば、ELISA中で一般的に使用されるような)酵素、ビオチン、ジゴキシゲニン、又は検出可能となすことができるハプテン及びその他の実体が挙げられる。標識は、核酸及びタンパク質中に任意の位置において組み込むことができる。
核酸
本明細書で使用する場合、「核酸」又は「オリゴヌクレオチド」又は「ポリヌクレオチド」は、共有結合によって一緒に連結されている少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。一本鎖の描写はまた、相補鎖の配列も定義する。したがって、核酸はまた、描写した一本鎖の相補鎖も包含する。核酸の多くの変異体を、所与の核酸と同一の目的で使用することができる。したがって、核酸はまた、実質的に同一な核酸及びそれらの相補体も包含する。一本鎖は、厳密なハイブリダイゼーション条件下で標的配列とハイブリダイズすることができるプローブをもたらす。したがって、核酸はまた、厳密なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブも包含する。
核酸は、一本鎖若しくは二本鎖であってもよく、又は二本鎖配列及び一本鎖配列の両方の部分を含んでもよい。核酸は、DNA、すなわち、ゲノムDNA及びcDNAの両方であってもよく、RNAであってもよく、又はハイブリッドであってもよい。ハイブリッドにおいては、核酸は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドの組合せ、並びにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン及びイソグアニンをはじめとする、塩基の組合せを含有することができる。核酸は、化学的な合成方法によって又は組換えの方法によって得ることができる。
核酸は、一般的には、リン酸ジエステル結合を含有するが、核酸として、少なくとも1つの異なる連結、例えば、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート又はO−メチルホスホロアミダイトの連結、並びにペプチド核酸の骨格及び連結を有する場合がある核酸類似体を挙げることができる。その他の類似体核酸として、参照によって組み込まれている米国特許第5,235,033号及び第5,034,506号に記載されているものをはじめとする、正の骨格を有するもの;非イオン性の骨格を有するもの、及び非リボース骨格を有するものが挙げられる。1つ又は複数の天然には存在しないヌクレオチド又は改変されたヌクレオチドを含有する核酸もまた、核酸の1つの定義の範囲に包含される。改変されたヌクレオチド類似体は、例えば、核酸分子の5’−末端及び/又は3’−末端に位置することができる。ヌクレオチド類似体の代表的な例は、糖又は骨格が改変されたリボヌクレオチドから選択することができる。しかし、また、ヌクレオベース改変リボヌクレオチド、すなわち、天然に存在するヌクレオベースの代わりに天然には存在しないヌクレオベースを含有するリボヌクレオチド、具体的には、5位において改変されたウリジン又はシチジン、例えば、5−(2−アミノ)プロピルウリジン、5−ブロモウリジン;8位において改変されたアデノシン及びグアノシン、例えば、8−ブロモグアノシン;デアザヌクレオチド、例えば、7−デアザアデノシン;O−及びN−アルキル化ヌクレオチド、例えば、N6−メチルアデノシンも適切であることに留意しなければならない。2’−OH基は、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH、NHR、NR又はCNから選択された基によって置換することができ、但し、Rは、C〜Cのアルキル、アルケニル又はアルキニルであり、ハロは、F、Cl、Br又はIである。改変されたヌクレオチドとしてまた、例えば、参照によって本明細書に組み込まれているKrutzfeldtら、Nature 438:685−689(2005)及びSoutschekら、Nature 432:173−178(2004)に記載されているヒドロキシプロリノール連結を介してコレステロールとコンジュゲートしたヌクレオチドも挙げることができる。リボース−リン酸骨格は、多様な理由で、例えば、そのような分子の生理環境における安定性及び半減期を向上させるために、細胞膜を介する拡散を増強させるために、又はバイオチップ上のプローブとして改変することができる。骨格の改変はまた、細胞のエンドサイトーシスの厳しい環境等における分解に対する抵抗性を増強させることもできる。骨格の改変はまた、肝臓等における肝細胞による核酸のクリアランスを低下させることもできる。天然に存在する核酸と類似体との混合物を作製してよく;或いは異なる核酸類似体の混合物、及び天然に存在する核酸と類似体との混合物を作製してもよい。
プローブ
本明細書で使用する場合、「プローブ」は、1つ又は複数の型の化学的な結合により、通常は相補的な塩基の対の形成、すなわち、通常は水素結合の形成により、相補的な配列の標的核酸に結合することができるオリゴヌクレオチドを意味する。プローブは、ハイブリダイゼーション条件の厳密度に依存して、プローブ配列に対する完全な相補性には欠ける標的配列に結合することができる。標的配列と本明細書に記載する一本鎖の核酸との間におけるハイブリダイゼーションを妨げる任意の数の塩基対のミスマッチがあってよい。しかし、変異の数が非常に多いので、最も低い厳密度のハイブリダイゼーション条件下であっても、ハイブリダイゼーションを起こすことができない場合には、当該配列は、相補的な標的配列とはならない。プローブは、一本鎖であっても、又は部分的に一本鎖であり且つ部分的に二本鎖であってもよい。プローブの鎖の状態は、標的配列の構造、組成及び特性によって決定付けられる。プローブは、ストレプトアビジン複合体が後に結合することができるビオチンを用いて等、直接的に標識しても、又は間接的に標識してもよい。
プロモーター
本明細書で使用する場合、「プロモーター」は、細胞中で、核酸の発現を、もたらす、活性化する、又は増強することができる合成又は天然に由来する分子を意味する。プロモーターは、1つ又は複数の特異的な転写制御配列を含んで、さらに、発現を増強し、且つ/又は空間的な発現及び/若しくは時間的な発現も変化させることができる。プロモーターはまた遠位のエンハンサーエレメント又はリプレッサーエレメントを含むこともでき、これらは、転写開始部位から数千塩基対も離れて位置する場合がある。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫及び動物をはじめとする源に由来することができる。プロモーターは、遺伝子の構成成分の発現を、構成的に、或いは発現が生じる細胞、組織若しくは臓器に関して、又は発現が生じる発生段階に関して、又は生理的なストレス、病原体、金属イオン若しくは誘発剤等の外部刺激に応答して示差的に制御することができる。
プロモーターの代表的な例として、バクテリオファージT7のプロモーター、バクテリオファージT3のプロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター−プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV−LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40初期プロモーター又はSV40後期プロモーター、及びCMV IEプロモーターが挙げられる。
選択可能なマーカー
本明細書で使用する場合、「選択可能なマーカー」は、宿主細胞上に表現型をもたらす任意の遺伝子を意味し、この場合、遺伝子構築物を用いてトランスフェクト又は形質転換する細胞の同定及び/又は選択を促進するために、当該遺伝子を発現させる。選択可能なマーカーの代表的な例として、アンピシリン耐性遺伝子(Amp)、テトラサイクリン耐性遺伝子(Tc)、細菌性カナマイシン耐性遺伝子(Kan)、ゼオシン(zeocin)耐性遺伝子、抗生物質オーレオバシジAに対する耐性をもたらすAURI−C遺伝子、ホスフィノトリシン耐性遺伝子、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(nptII)、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ベータ−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子、緑色蛍光タンパク質(GFP)−コード遺伝子、及びルシフェラーゼ遺伝子が挙げられる。
厳密なハイブリダイゼーション条件
本明細書で使用する場合、「厳密なハイブリダイゼーション条件」は、核酸の複合体混合物等において、第1の核酸配列(例えば、プローブ)が第2の核酸配列(例えば、標的)とハイブリダイズする条件を意味する。厳密な条件は、配列依存性であり、異なる状況においては異なる。厳密な条件を選択して、特異的な配列の、規定されたイオン強度、pHにおける融解温度(T)よりも約5〜10℃低い状態となすことができる。Tは、平衡状態において、標的に対して相補的なプローブの50%が標的配列とハイブリダイズする(規定されたイオン強度、pH及び核酸濃度下の)温度であってよい(Tにおいて、標的配列が過剰に存在する場合、プローブの50%が平衡状態において利用されている)。
厳密な条件は、塩濃度が、pH7.0から8.3において、約0.01〜1.0Mナトリウムイオン等、約1.0M未満のナトリウム(又はその他の塩の)イオンの濃度であり、温度が、短いプローブ(例えば、約10〜50個のヌクレオチド)の場合には少なくとも約30℃であり、長いプローブ(例えば、約50個超のヌクレオチド)の場合には少なくとも約60℃である条件であってよい。厳密な条件はまた、ホルムアミド等の不安定化剤を添加して達成することもできる。選択的又は特異的なハイブリダイゼーションのためには、正のシグナルが、バックグラウンドのハイブリダイゼーションの少なくとも2から10倍であってよい。例示的な厳密なハイブリダイゼーション条件として、以下のものが挙げられる:50%ホルムアミド、5×SSC及び1%SDS、42℃でインキュベートし、又は5×SSC、1%SDS、65℃でインキュベートし、0.2×SSC及び0.1%SDS中、65℃洗浄する。
実質的に相補的である
本明細書で使用する場合、「実質的に相補的である」は、第1の配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95若しくは100個以上のヌクレオチドの領域にわたって、第2の配列の相補体と、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%若しくは99%同一であること、又は2つの配列が、厳密なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。
実質的に同一である
本明細書で使用する場合、「実質的に同一である」は、第1の配列と第2の配列とが、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100個以上のヌクレオチド若しくはアミノ酸の領域にわたって、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%若しくは99%同一であること、又は核酸に関して、第1の配列が、第2の配列の相補体に対して実質的に相補的である場合を意味する。
対象
本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、哺乳動物を指し、ヒト及びその他の哺乳動物の両方を包含する。本発明の方法は、好ましくは、ヒト対象に適用する。
標的核酸
本明細書で使用する場合、「標的核酸」は、別の核酸が結合することができる核酸又はその変異体を意味する。標的核酸は、DNA配列であってよい。標的核酸は、RNAであってよい。標的核酸は、mRNA、tRNA、shRNA、siRNA又はPiwi−相互作用RNA、又はpri−miRNA、pre−miRNA、miRNA、又は抗miRNAを含むことができる。
標的核酸は、標的miRNA結合部位又はその変異体を含むことができる。1つ又は複数のプローブが、標的核酸に結合することができる。標的結合部位は、5〜100又は10〜60個のヌクレオチドを含むことができる。標的結合部位は、全部で5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30〜40、40〜50、50〜60、61、62又は63個のヌクレオチドを含むことができる。標的部位の配列は、それらの内容が本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/384,049号、第11/418,870号又は第11/429,720号に開示されている標的miRNA結合部位の配列のうちの少なくとも5個のヌクレオチドを含むことができる。
組織試料
本明細書で使用する場合、組織試料は、組織生検から、関連の医術における当業者に周知の方法を使用して得た組織である。本明細書で使用する場合、「癌の疑いがある」という句は、医術における当業者によって癌性細胞を含有すると考えられている癌組織試料を意味する。生検から試料を得るための方法として、腫瘤を肉眼で見分ける方法、顕微解剖、レーザーに基づいた顕微解剖、又は当技術分野で既知の細胞を分離する方法が挙げられる。
変異体
本明細書で使用する場合、核酸に関する「変異体」は、(i)参照するヌクレオチド配列の一部;(ii)参照するヌクレオチド配列の相補体若しくはその一部;(iii)参照する核酸と実質的に同一である核酸、若しくはその相補体;又は(iv)厳密な条件下で参照する核酸とハイブリダイズする核酸、その相補体、若しくはそれと実質的に同一である配列を意味する。
ベクター
本明細書で使用する場合、「ベクター」は、複製の開始点を含有する核酸配列を意味する。ベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、細菌性の人工染色体、又は酵母性の人工染色体であってよい。ベクターは、DNAベクター又はRNAベクターであってよい。ベクターは、自己複製性の染色体外ベクター又は宿主ゲノム内に組み込まれるベクターのいずれかであってよい。
野生型
本明細書で使用する場合、「野生型」の配列という用語は、その配列についての天然の又は正常な機能を果たす配列の対立遺伝子の形態であるコード配列、非コード配列又はインターフェイス配列を指す。野生型の配列は、同族の配列の複数の対立遺伝子の形態を包含し、例えば、野生型の配列の複数の対立遺伝子が、コード配列がコードするタンパク質配列に対するサイレント又は保存的な変化をコードする場合がある。
本発明は、miRNAを、特異的な肺癌の同定、分類及び診断のために利用する。
マイクロRNAのプロセシング
マイクロRNA(miRNA)をコードする遺伝子を転写させて、pri−miRNAとして知られているmiRNAの前駆体を産生させることができる。pri−miRNAは、複数のpri−miRNAを含むポリシストロニックなRNAの部分であり得る。pri−miRNAは、ステム及びループを有するヘアピン構造を形成することができる。ステムはミスマッチした塩基を含むことができる。
pri−miRNAのヘアピン構造は、Droshaによって認識され得る。Droshaは、リボヌクレアーゼIIIエンドヌクレアーゼである。Droshaは、pri−miRNA中の末端のループを認識し、ステムに入ってらせん約2巻きのところで切断して、pre−miRNAとして知られている、60−70個のヌクレオチドの前駆体を産生することができる。Droshaは、pri−miRNAを切断し、RNaseIIIエンドヌクレアーゼに典型的な、ずれた切断部をもたらし、5’リン酸及び約2ヌクレオチドの3’オーバーハングを有するpre−miRNAステムループをもたらすことができる。Drosha切断部位から伸長する、ステムのらせん約1巻き(約10個のヌクレオチド)が、効率的なプロセシングに不可欠である場合がある。次いで、pre−miRNAは、Ran−GTP及び搬出受容体Ex−portin−5によって核から細胞質へ能動的に輸送され得る。
pre−miRNAは、Dicerによって認識され得る。Dicerもまた、リボヌクレアーゼIIIエンドヌクレアーゼである。Dicerは、pre−miRNAの二本鎖のステムを認識することができる。Dicerはまた、ステムループの基部における5’リン酸及び3’オーバーハングを認識することもできる。Dicerは、ステムループの基部から、末端のループをらせん2巻き離れて切断して離し、追加の5’リン酸及び約2ヌクレオチド3’オーバーハングを残すことができる。ミスマッチを含むことができる、得られたsiRNA様二重鎖は、成熟したmiRNA及びmiRNAとして知られている類似の大きさの断片を含む。miRNA及びmiRNAは、pri−miRNA及びpre−miRNAの向かい合ったアームに由来することができる。miRNA配列は、クローン化miRNAのライブラリー中に見出すことができるが、その頻度は典型的には、miRNAよりも低い。
miRNAは、最初は、miRNAと共に二本鎖の種として存在するが、最終的には、一本鎖RNAとして、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)として知られているリボ核タンパク質複合体中に組み込まれ得る。種々のタンパク質が、RISCを形成することができ、これらは、miRNA/miRNAの二重鎖に対する特異性、標的遺伝子の結合部位、miRNAの(抑制又は活性)活性、及びmiRNA/miRNAの二重鎖のいずれの鎖がRISC中に取り込まれるかに関する多様性をもたらすことができる。
miRNA:miRNAの二重鎖のmiRNA鎖が、RISC中に取り込まれる場合には、miRNAが除去され、分解され得る。RISC中に取り込まれるmiRNA:miRNAの二重鎖の鎖は、5’末端の対形成の堅固さの程度が低い鎖であってよい。miRNA:miRNAの両方の末端が、ほぼ同等の5’の対形成を有する場合には、miRNA及びmiRNAの両方が、遺伝子サイレンシングの活性を有することができる。
RISCは、標的核酸を、miRNAとmRNAとの間の高いレベルの相補性に基づいて、特にmiRNAのヌクレオチド2〜7により同定することができる。動物においては、miRNAとその標的との間の相互作用が、miRNAの全長に沿うという1例が報告されているに過ぎない。これは、mir−196及びHox B8について示されたものであり、その後、mir−196が、Hox B8 mRNAの切断を媒介することが示された(Yektaら、2004、Science 304−594)。これ以外は、そのような相互作用は、植物においてのみ知られている(Bartel及びBartel 2003、Plant Physiol 132−709)。
いくつかの研究は、翻訳の効率的な阻害を達成するための、miRNAとそのmRNA標的との間における塩基対形成の要件を研究している(Bartel 2004、Cell 116−281によって総説されている)。哺乳動物細胞中では、miRNAの最初の8個のヌクレオチドが、重要である場合がある(Doench及びSharp 2004 GenesDev 2004−504)。しかし、また、マイクロRNAのその他の部分がmRNAとの結合に参画する場合もある。さらに、3’における十分な塩基対形成が、5’における不十分な塩基対形成を補うこともできる(Brenneckeら、2005 PLoS 3−e85)。
全ゲノム上でのmiRNAの結合を解析した計算研究から、標的結合における、miRNAの5’における塩基2〜7の特異的な役割が示唆されているが、また、通常は「A」であることが見出される、最初のヌクレオチドの役割も認識された(Lewisら、2005 Cell 120−15)。同様に、Krekらは、ヌクレオチド1〜7又は2〜8を使用して、標的を同定及び確認した(2005、Nat Genet 37−495)。
mRNA中の標的部位は、5’UTR、3’UTRにおいてであっても、又はコード領域においてであってもよい。興味深いことに、複数のmiRNAが、同一のmRNA標的を、同一又は複数の部位を認識することによって制御する場合がある。最も遺伝子的に同定されている標的における複数のmiRNA結合部位の存在から、複数のRISCの共同作用が最も効率的な翻訳阻害をもたらすことが暗示され得る。
miRNAは、RISCを指揮して、遺伝子発現を、mRNAの切断又は翻訳抑制の2つ機構のうちのいずれかによって下方制御することができる。mRNAが、miRNAに対して特定の程度の相補性を有する場合には、miRNAは、mRNAの切断を特定することができる。miRNAが切断を導く場合には、切断は、miRNAの残基10及び11に対して対形成しているヌクレオチドとヌクレオチドとの間でなされる場合がある。或いはmiRNAが、miRNAに対して必要とされる程度の相補性を有しない場合には、miRNAは、翻訳を抑制する場合もある。翻訳の抑制は、動物においてより多く見られる場合がある。これは、動物では、miRNAと結合部位との間の相補性の程度がより低い場合があるからである。
miRNAとmiRNA*との任意の対の5’末端及び3’末端は、多様性であり得ることに留意しなければならない。この多様性は、切断部位に関するDrosha及びDicerの酵素によるプロセシングの多様性に起因し得る。miRNA及びmiRNAの5’末端及び3’末端の多様性はまた、pri−miRNA及びpre−miRNAのステム構造中のミスマッチにも起因し得る。ステム鎖のミスマッチが、異なるヘアピン構造の集団をもたらす場合がある。ステム構造の多様性はまた、Drosha及びDicerによる切断の産物における多様性をもたらす場合もある。
核酸
本明細書では、核酸を提供する。核酸は、配列番号1〜30又はそれらの変異体の配列を含む。変異体は、参照するヌクレオチド配列の相補体であってよい。変異体はまた、参照するヌクレオチド配列と実質的に同一であるヌクレオチド配列、又はその相補体であってもよい。変異体はまた、厳密な条件下で参照するヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列、その相補体、又はそれと実質的に同一であるヌクレオチド配列であってもよい。
核酸は、10から250までのヌクレオチド長を有することができる。核酸は、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200又は250のヌクレオチド長を有することができる。核酸は、合成してもよく、又は細胞中で(in vitro若しくはin vivoにおいて)本明細書に記載する合成遺伝子を使用して発現させてもよい。核酸は、一本鎖分子として合成し、実質的に相補的な核酸とハイブリダイズさせて、二重鎖を形成させることができる。核酸は、細胞、組織若しくは臓器に、一本鎖若しくは二本鎖の形態で導入する場合もあり、又は参照によって組み入れられている米国特許第6,506,559号に記載されているものをはじめとする、当業者に周知の方法を使用して合成遺伝子によって発現させることが可能である場合もある。
核酸複合体
核酸は、以下のうちの1つ又は複数をさらに含むことができる:ペプチド、タンパク質、RNA−DNAのハイブリッド、抗体、抗体断片、Fab断片及びアプタマー。
pri−miRNA
核酸は、pri−miRNA又はその変異体の配列を含むことができる。pri−miRNA配列は、45〜30,000、50〜25,000、100〜20,000、1,000〜1,500又は80〜100個のヌクレオチドを含むことができる。pri−miRNAの配列は、本明細書に記載するpre−miRNA、miRNA及びmiRNA、並びにそれらの変異体を含むことができる。pri−miRNAの配列は、配列番号1〜2、4〜5、13〜30又はそれらの変異体の配列を含むことができる。
pri−miRNAは、ヘアピン構造を形成することができる。ヘアピン構造は、実質的に相補的である第1の核酸配列及び第2の核酸配列を含むことができる。第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、37〜50個のヌクレオチドであってよい。第1の核酸配列と第2の核酸配列とは、8〜12個のヌクレオチドの第3の配列によって隔たる場合がある。ヘアピン構造は、その内容が本明細書に組み込まれているHofackerら、Monatshefte f.Chemie 125:167−188(1994)に記載されている、Viennaアルゴリズムによって、デフォルトパラメータを用いて計算した場合、−25Kcal/モル未満の自由エネルギーを有することができる。ヘアピンは、4〜20、8〜12又は10個のヌクレオチドの末端のループを含むことができる。pri−miRNAは、少なくとも19%のアデノシンヌクレオチド、少なくとも16%のシトシンヌクレオチド、少なくとも23%のチミンヌクレオチド、及び少なくとも19%のグアニンヌクレオチドを含むことができる。
pre−miRNA
核酸はまた、pre−miRNA又はその変異体の配列を含むこともできる。pre−miRNA配列は、45〜90、60〜80又は60〜70個のヌクレオチドを含むことができる。pre−miRNAの配列は、本明細書に記載するmiRNA及びmiRNAを含むことができる。pre−miRNAの配列はまた、pri−miRNAの5’末端及び3’末端から0〜160個のヌクレオチドを排除したpri−miRNAの配列であってもよい。pri−miRNAの配列は、配列番号1〜2、4〜5、13〜30又はそれらの変異体の配列を含むことができる。
miRNA
核酸はまた、(miRNAを含めた)miRNA又はその変異体の配列も含むことができる。miRNAの配列は、13〜33、18〜24又は21〜23個のヌクレオチドを含むことができる。miRNAはまた、全部で少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個のヌクレオチドを含むこともできる。miRNAの配列は、pre−miRNAの最初の13〜33個のヌクレオチドであってよい。miRNAの配列はまた、pre−miRNAの最後の13〜33個のヌクレオチドであってもよい。miRNAの配列は、配列番号1〜2、13〜21又はそれらの変異体の配列を含むことができる。
抗miRNA
核酸はまた、pri−miRNA、pre−miRNA、miRNA若しくはmiRNAに結合することによって(例えば、アンチセンス若しくはRNAサイレンシング)、又は標的結合部位に結合することによって等、miRNA又はmiRNAの活性を遮断することができる抗miRNAの配列を含むこともできる。抗miRNAは、全部で5〜100又は10〜60個のヌクレオチドを含むことができる。抗miRNAはまた、全部で少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個のヌクレオチドを含むこともできる。抗miRNAの配列は、(a)miRNAの5’に対して実質的に同一若しくは相補的である少なくとも5個のヌクレオチド、及びmiRNAの5’末端側の標的部位の隣接領域に対して実質的に相補的である少なくとも5〜12個のヌクレオチド、又は(b)miRNAの3’に対して実質的に同一若しくは相補的である少なくとも5〜12個のヌクレオチド、及びmiRNAの3’末端側の標的部位の隣接領域に対して実質的に相補的である少なくとも5個のヌクレオチドを含むことができる。抗miRNAの配列は、配列番号1〜2、4〜5、13〜30の相補体、又はそれらの変異体を含むことができる。
標的結合部位
核酸はまた、マイクロRNAの標的結合部位の配列、又はその変異体を含むこともできる。標的部位の配列は、全部で5〜100又は10〜60個のヌクレオチドを含むことができる。標的部位の配列はまた、全部で少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62又は63個のヌクレオチドを含むこともできる。標的部位の配列は、配列番号1〜2、4〜5又は13〜30の配列のうちの少なくとも5個のヌクレオチドを含むことができる。
合成遺伝子
また、転写及び/又は翻訳の制御配列に動作可能に連結している、本明細書に記載する核酸を含む合成遺伝子も提供する。合成遺伝子は、本明細書に記載する核酸に対する結合部位を有する標的遺伝子の発現を改変することが可能である場合がある。標的遺伝子の発現は、細胞、組織又は臓器において改変することができる。合成遺伝子は、合成してもよく、又は天然に存在する遺伝子から、標準的な組換えの技法によって引き出してもよい。合成遺伝子はまた、合成遺伝子の配列の転写単位の3’末端において転写終結区を含むこともできる。合成遺伝子はまた、選択可能なマーカーを含むこともできる。
ベクター
また、本明細書に記載する合成遺伝子を含むベクターも提供する。ベクターは、発現ベクターであってよい。発現ベクターは、追加のエレメントを含むことができる。例えば、発現ベクターは、2つの複製系を有することができ、当該発現ベクターを、2つの生物体中、例えば、発現のための1つの宿主細胞中、並びにクローン化及び増幅のための第2の宿主細胞(例えば、細菌)中で維持することが可能である。発現ベクターを組み込むためには、発現ベクターは、宿主細胞のゲノムに対して相同である少なくとも1つの配列、好ましくは、発現構築物に隣接する、2つの相同な配列を含有することができる。組み込み型のベクターは、適切な相同配列を選択し、ベクター中に包含することよって、宿主細胞中の特定の座位に導くことができる。ベクターはまた、選択可能なマーカー遺伝子を含むこともでき、形質転換された宿主細胞の選択を可能にする。
宿主細胞
また、本明細書に記載するベクター、合成遺伝子又は核酸を含む宿主細胞も提供する。細胞は、細菌、真菌、植物、昆虫又は動物の細胞であってよい。例えば、宿主細胞系は、DG44及びDUXB11(チャイニーズハムスター卵巣系統、DHFRマイナス)、HELA(ヒト子宮頚癌)、CVI(サル腎臓系統)、COS(SV40 T抗原を有するCVIの誘導体)、R1610(チャイニーズハムスター線維芽細胞)、BALBC/3T3(マウス線維芽細胞)、HAK(ハムスター腎臓系統)、SP2/O(マウス骨髄腫)、P3x63−Ag3.653(マウス骨髄腫)、BFA−1c1BPT(ウシ内皮細胞)、RAJI(ヒトリンパ球)、及び293(ヒト腎臓)であってよい。宿主細胞系は、商業サービス、the American Tissue Culture Collection、又は公開されている文献から入手可能な場合がある。
プローブ
本明細書では、プローブを提供する。プローブは核酸を含むことができる。プローブは、8から500、10から100、又は20から60のヌクレオチド長を有することができる。プローブはまた、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280又は300のヌクレオチド長を有することもできる。プローブは、18〜25個のヌクレオチドの核酸を含むことができる。
プローブは、1つ又は複数の型の化学的な結合により、通常は相補的な塩基の対の形成、すなわち、通常は水素結合の形成により、相補的な配列の標的核酸に結合することが可能である場合がある。プローブは、ハイブリダイゼーション条件の厳密度に依存して、プローブ配列に対する完全な相補性には欠ける標的配列に結合することができる。プローブは、一本鎖であっても、又は部分的に一本鎖であり且つ部分的に二本鎖であってもよい。プローブの鎖の状態は、標的配列の構造、組成及び特性によって決定付けられる。プローブは、直接的に標識しても、又は間接的に標識してもよい。
試験プローブ
プローブは、試験プローブである場合がある。試験プローブは、miRNA、miRNA、pre−miRNA、又はpri−miRNAに対して相補的である核酸配列を含むことができる。試験プローブの配列は、配列番号10〜12から選択することができる。
リンカー配列
プローブは、リンカーをさらに含むことができる。リンカーは、10〜60ヌクレオチド長であってよい。
リンカーは、20〜27ヌクレオチド長であってよい。リンカーは、プローブが全体で45〜60ヌクレオチド長となることが可能となるのに十分な長さであってよい。リンカーは、安定な二次構造を形成できない場合もあり、又はそれ自体では折り畳むことができない場合もあり、又はプローブ中に含有される、核酸のリンカー以外の部分では折り畳むことができない場合もある。リンカーの配列は、プローブのリンカー以外の核酸が由来する動物のゲノム中には出現しない場合がある。
逆転写
cDNAの標的配列を、標的RNAの逆転写によって生成することができる。cDNAを生成するための方法は、ポリアデニル化されたRNA、又はそれに代わってアダプター配列が連結しているRNAを逆転写することであってよい。
RNAに連結しているアダプター配列を使用する逆転写
RNAは、逆転写に先立って、アダプター配列に連結することができる。連結反応は、T4 RNAリガーゼによって実施して、アダプター配列をRNAの3’末端において連結することができる。次いで、逆転写(RT)反応を、アダプター配列の3’末端に対して相補的である配列を含むプライマーを使用して実施することができる。
RNAに連結しているポリアデニル化配列を使用する逆転写
ポリアデニル化RNAを、5’アダプター配列を含むポリ(T)プライマーを使用して逆転写(RT)反応において使用することができる。ポリ(T)配列は、8、9、10、11、12、13又は14個の連続したチミンを含むことができる。逆転写プライマーは、配列番号6を含むことができる。
RNAのRT−PCR
RNAの逆転写物は、リアルタイムPCRによって、標的核酸に対して相補的な少なくとも15個の核酸、及び5’テイル配列を含む特異的な順方向プライマー;アダプター配列の3’末端に対して相補的な逆方向プライマー;並びに標的核酸に対して相補的な少なくとも8個の核酸を含むプローブを使用して増幅することができる。プローブは、アダプター配列の5’末端に対して部分的に相補的であってよい。
標的核酸のPCR
標的核酸を増幅する方法を、本明細書に記載する。PCRを含む方法によって、増幅することができる。PCR反応の第1のサイクルは、56℃、57℃、58℃、59℃又は60℃のアニーリングの温度を有してよい。第1のサイクルは、1〜10サイクルを含むことができる。PCR反応の残りのサイクルは、60℃であってよい。残りのサイクルは、2〜40サイクルを含むことができる。アニーリングの温度によってPCRの感度を高めることができる。PCRは、より高い厳密度のPCR用の鋳型として働くことができるより長い産物を生成することができる。
順方向プライマー
PCR反応は、順方向プライマーを含むことができる。順方向プライマーは、標的核酸と同一の15、16、17、18、19、20又は21個のヌクレオチドを含むことができる。
順方向プライマーの3’末端は、標的核酸と同胞核酸との間の配列の違いに対して感受性であってよい。
順方向プライマーはまた、5’オーバーハングのテイルを含むこともできる。5’テイルは、順方向プライマーの融解温度を上昇させることができる。5’テイルの配列は、標的核酸を単離した動物のゲノムと同一ではない配列を含むことができる。5’テイルの配列はまた、合成してもよい。5’テイルは、8、9、10、11、12、13、14、15又は16個のヌクレオチドを含むことができる。順方向プライマーは、配列番号7〜9を含むことができる。
逆方向プライマー
PCR反応は、逆方向プライマーを含むことができる。逆方向プライマーは、標的核酸に対して相補的であってよい。逆方向プライマーはまた、アダプター配列に対して相補的な配列を含むこともできる。アダプター配列に対して相補的な配列は、12〜24個のヌクレオチドを含むことができる。
バイオチップ
また、バイオチップも提供する。バイオチップは、固体の基材を含み、これは、結び付けられた1つ又は複数の本明細書に記載するプローブを含む。プローブは、厳密なハイブリダイゼーション条件下で、標的配列とハイブリダイズすることが可能であり得る。プローブを、基材上の空間的に規定された位置において結び付けることができる。標的配列当たり、2つ以上のプローブを使用することができ、それらは、ある特定の標的配列の重複するプローブ又はある特定の標的配列の異なる区分に対するプローブのいずれかである。プローブは、当業者が認識する単一の障害に関係がある標的配列とハイブリダイズすることが可能であり得る。プローブは、最初に合成し、それに続いて、バイオチップに結び付けてもよく、又はバイオチップ上に直接合成してもよい。
固体の基材は、プローブを結び付ける又はつなげるのに適した個々の部位を個別に含有するように改変することができる材料であってよく、少なくとも1つの検出方法に適している。基材の材料の代表的な例として、ガラス及び改変された又は機能性のガラス、(アクリル、ポリスチレン及びスチレンとその他の材料とのコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、TeflonJ等をはじめとする)プラスチック、多糖、ナイロン又はニトロセルロース、樹脂、ケイ素及び改変されたケイ素をはじめとする、シリカ又はシリカに基づいた材料、炭素、金属、無機ガラス、並びにプラスチックが挙げられる。基材は、顕著に蛍光を発することなく、光学的な検出を可能にすることができる。
基材は、平面であってよいが、また、基材のその他の構造形状を使用してもよい。例えば、流入式の試料解析のためには、プローブをチューブの内側表面上に置いて、試料体積を最小化することができる。同様に、基材は、軟質フォーム等、柔軟性があってもよく、これには、特定のプラスチックで作製された独立気泡フォームが挙げられる。
バイオチップ及びプローブの基材は、化学的な官能基を用いて誘導体化し、それに続いて、それら2つを結び付けることができる。例えば、バイオチップを、これらに限定されないが、アミノ基、カルボキシル基、オキソ基又はチオール基をはじめとする、化学的な官能基を用いて誘導体化することができる。これらの官能基を使用すれば、プローブ上の官能基を使用して、プローブを、直接的に又はリンカーを使用して間接的に結び付けることができる。
プローブは、5’末端により、3’末端により、又は内部ヌクレオチドを介してのいずれかで、固体の基材に結び付けることができる。
プローブはまた、固体の基材に、非共有結合によって結び付けることもできる。例えば、ビオチン標識したオリゴヌクレオチドを作製することができ、これは、ストレプトアビジンで共有結合によりコートした表面に結合し、結び付くことができる。或いは光重合及びフォトリソグラフィー等の技法を使用して、プローブを表面上で合成することもできる。
診断
また、診断方法も提供する。この方法は、生物学的試料中の肺癌と関係がある核酸の示差的な発現レベルを検出するステップを含む。試料は、患者から得ることができる。患者における癌の状況、及びその組織学的な型の診断によって、予後診断及び治療戦略の選択が可能となり得る。さらに、細胞の発生段階を、一時的に発現した、癌と関係がある核酸を決定することによって分類することができる。
標識したプローブと組織アレイとのin situハイブリダイゼーションを行うことができる。熟練した当業者であれば、個々の試料と標準の間でフィンガープリントを比較して、所見に基づいて診断、予後診断又は予測を行うことができる。さらに、診断を指し示す遺伝子は、予後診断を指し示す核酸とは異なる場合があり、細胞の状態の分子プロファイリングからは、応答性条件と不応性条件との間の区別が得られる場合があり、又は成果を予測できる場合があることも理解されたい。
キット
また、キットも提供し、このキットは、本明細書に記載する核酸を、以下のうちのいずれか又は全てと一緒に含むことができる:アッセイ用試薬、緩衝液、プローブ及び/又はプライマー、並びに無菌の食塩水又は別の薬学的に許容できる乳濁液用及び懸濁液用の基剤。さらに、キットは、本明細書に記載する方法を実行するための指示(例えば、プロトコール)を含有する指導用の材料を包含することができる。
例えば、キットは、標的核酸配列の増幅、検出、同定又は定量化のために使用されてよい。キットは、ポリ(T)プライマー、順方向プライマー、逆方向プライマー及びプローブを含むことができる。
本明細書に記載する組成物はいずれも、キット中に含むことができる。非限定的な例においては、アレイを使用してmiRNAを単離し、miRNAを標識し且つ/又はmiRNAの集団を評価するための試薬を、キット中に包含する。キットは、miRNAプローブを生み出す又は合成するための試薬もさらに包含することができる。したがって、キットは、適切な容器手段中に、標識されたヌクレオチド又はそれに続いて標識される未標識のヌクレオチドを組み込むことによりmiRNAを標識するための酵素を含む。キットはまた、反応用緩衝液、標識用緩衝液、洗浄用緩衝液又はハイブリダイゼーション用緩衝液等の1つ又は複数の緩衝液、miRNAプローブを調製するための化合物、in situハイブリダイゼーションのための構成成分、及びmiRNAを単離するための構成成分も包含することができる。本発明のその他のキットは、miRNAを含む核酸アレイを作製するための構成成分を包含することができ、したがって、例えば、固体の基材を包含することができる。
本発明のいくつかの実施形態をより十分に例証するために、以下の実施例を示す。しかし、いかなる場合であっても、それらが、本発明の広範な範囲を制限するものであると解釈してはならない。
(実施例1)
実験手順
1.miRdicator(商標)アレイのプラットフォーム
特注のマイクロアレイを、DNAオリゴヌクレオチドのプローブを、688個のmiR(miRNA)にプリントすることによって作製した[Sangerデータベース、バージョン9.1(「miR塩基:マイクロRNAの配列、標的、及び遺伝子の命名法(miRBase:microRNA sequences,targets and gene nomenclature)」、Griffiths−Jones S、Grocock RJ、van Dongen S、Bateman A、Enright AJ.NAR、2006、34、Database Issue、D140−D144)、さらにRosetta genomicsが、miRを確認し、予測した]。各プローブは、プローブを、コートしたガラス製スライドにカップルさせるために使用するアミン基に加えて、miRNAの相補配列の3’末端において22ヌクレオチド(nt)までのリンカーを保有する。20μMの各プローブを、2×SSC+0.0035%SDS中に溶解させ、Schott Nexterion(登録商標)Slide Eでコートしたマイクロアレイスライド上に、Genomic Solutions(登録商標)BioRobotics MicroGrid IIを使用して、MicroGridの製造者の指示に従って、三つ組みでスポットした。64個の陰性の対照プローブを、異なるmiRNAのセンス配列を使用して設計した。2つの群の陽性の対照プローブを設計して、miRdicator(商標)アレイにハイブリダイズさせた:(1)合成のスパイク小型RNAをRNAに加えてから標識して、標識化の効率を検証し、(2)豊富な小型RNA[例えば、小型核RNA(U43、U49、U24、Z30、U6、U48、U44)、5.8s及び5sのリボゾームRNA]についてのプローブを、アレイ上にスポットして、RNAの質を検証した。スライドを、50mMエタノールアミン、1M Tris(pH9.0)及び0.1%SDSを含有する溶液中、50℃で、20分間ブロックし、次いで、水を用いて十分に濯ぎ、脱水した。
2. miRdicator(商標)アレイのためのマイクロRNAのCy染料による標識化
RNAリンカーp−rCrU−Cy−染料(Thomsonら、2004,Nat Methods 1,47−53)(Dharmacon製)を、Cy3又はCy5を有する3’末端に連結させることによって、15μgの全RNAを標識した。標識化反応は、全RNA、スパイク(20〜0.1フェントモル)、500ngのRNA−リンカー−染料、15%DMSO、1×リガーゼ用緩衝液、及び20単位のT4 RNAリガーゼ(NEB製)を含有し、4℃で1時間進行させ、続いて、37℃に1時間保った。標識したRNAを、3×ハイブリダイゼーション用緩衝液(Ambion製)と混合し、95℃で3分間加熱し、次いで、miRdicator(商標)アレイの上端上に添加した。スライドを、12〜16時間ハイブリダイズさせ、続いて、1×SSC及び0.2%SDSを用いて2回洗浄し、最後に0.1×SSCを用いて洗浄した。
アレイを、Agilent製Microarray Scanner Bundle G2565BA(出力100%において、10μmの分解能)を使用して走査した。データを、SpotReaderソフトウエアを使用して解析した。
3.RNAの抽出
肺腺癌、肺扁平上皮細胞癌及び肺大細胞癌腫に由来する凍結組織又はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織から、RNAを抽出した。
凍結組織から、全RNAを、miRvana miRNA単離用キット(Ambion製)を用いて、製造者の指示に従って抽出した。
ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織から、全RNAを、以下のプロトコールに従って抽出した:
1mlのキシレン(Biolab製)を、1〜2mgの組織に添加し、57℃で5分間インキュベートしてから、10,000gで2分間遠心分離した。上清を取り出し、1mlのエタノール(100%)(Biolab製)を添加した。10,000gで10分間遠心分離した後、上清を破棄し、洗浄の手順を繰り返した。10〜15分間風乾した後、500μlのBuffer B(NaCl 10mM、Tris pH7.6、500mM、EDTA20mM、SDS1%)、及び5μlのプロテイナーゼK(50mg/ml)(Sigma製)を添加した。45℃で16時間インキュベートした後、プロテイナーゼKの不活性化を、100℃で7分間実施した。酸フェノールクロロホルム(1:1)(Sigma製)を用いて抽出し、最大速度、4℃で10分間遠心分離した後、上部の相を、新しいチューブに移し、3倍容量の100%エタノール、0.1倍容量のNaOAc(BioLab製)、及び8μlのグリコーゲン(Ambion製)を添加し、−20℃で一晩放置した。
最大速度、4℃で40分間遠心分離し、1mlのエタノール(85%)を用いて洗浄してから、乾燥した後、45μlのDDW中に、RNAを再度懸濁させた。
RNAの濃度を試験し、DNase Turbo(Ambion製)を適宜(1μlのデオキシリボヌクレアーゼ/10μgのRNA)を添加した。室温で30分間インキュベートし、酸フェノールクロロホルムを用いて抽出した後、45μlのDDW中に、RNAを再度懸濁させた。濃度を再度試験し、DNase Turbo(Ambion製)を適宜(1μlのデオキシリボヌクレアーゼ/10μgのRNA)添加した。室温で30分間インキュベートし、酸フェノールクロロホルムを用いて抽出した後、20μlのDDW中に、RNAを再度懸濁させた。
4. RNAのポリアデニル化及びポリ(T)アダプターのアニーリング
混合液を、以下に従って調製した。
Figure 2010519899

5μlの混合液を、5μlの適切なRNAの試料(1μg)(又は非RNA対照においては超純水)に添加した。反応を、37℃で1時間インキュベートした。ポリ(T)アダプター(GCGAGCACAGAATTAATACGACTCACTATCGGTTTTTTTTTTTTVN−配列番号6)の混合物を以下に従って調製した。
Figure 2010519899

ポリ(T)アダプター混合液から3μl、及びポリアデニル化RNA又は陰性の対照から5μlを、PCR用チューブに移した。アニーリングのプロセスを、以下のアニーリングのプログラムに従って実施した:
ステップ1:85℃で2分間
ステップ2:70℃から25℃−各サイクルにおいて、20秒かけて1℃低下させる。
5.逆転写
逆転写用混合液を以下に従って調製した。
Figure 2010519899

1.5μlのRecombinant Rnasin(Promega製)、及び1μlのsuperscript II RT(Invitrogen製)を、上記の混合液に添加した。12.5μlのミックスを、アニールしたポリA RNAを含有する各PCR用チューブ、及び非RNA対照に添加した。
チューブをPCR機器(MJ Research Inc.製)内に挿入し、以下のプログラムを実施した:
ステップ1:37℃で5分間
ステップ2:45℃で5分間
ステップ3:ステップ1〜2を5回繰り返す
ステップ4:4℃でプログラムを終了させる。
cDNAのマイクロチューブは、−20℃で保管した。
6.MGBプローブを使用するリアルタイムPCR
各cDNA試料を、以下の3つのRNAについて三つ組みで評価した:hsa−miR−21(配列番号2)、hsa−miR−205(配列番号1)、及びU6(配列番号3)。プライマー−プローブのミックスを調製した。各チューブ中で、10μMのFwdプライマーを、同一容量の、同一のRNAに対して特異的な5μMの対応するMGBプローブ(ABI製)とミックスした。Fwdプライマー及びMGBプローブの配列を、表1に示す。
表1:プライマー及びプローブの配列
Figure 2010519899
cDNAを希釈して、0.5ng/μlの最終濃度とした。PCR用混合液を、以下に従って調製した。
Figure 2010519899

68μl(非RNA対照及び非cDNA対照の場合)、又は170μlのPCR用ミックスを、適切にラベルを付けたマイクロチューブ内に分注した。10μlのcDNA(0.5ng/μl)を、ミックスを含有する、適切にラベルを付けたマイクロチューブ内に添加した。PCR用プレートを、18μlをミックスから各ウエル内に分注することによって調製した。2μlのプライマープローブ混合液を、各ウエル内にPCR−マルチ−チャネルを使用して添加した。プレートを、Real Time−PCR機器(Applied Biosystems製)中に取り付け、以下のプログラムを実施した:
段階1、Reps=1
ステップ1:95.0において10分間維持、ランプ速度=100
段階2、Reps=40
ステップ1:95.0において15秒間維持、ランプ速度=100
ステップ2:60.0において1分間維持、ランプ速度=100
標準的な7500モード
試料容量(μL):20.0
データ収集:段階2、ステップ2
7.miRdicator(商標)アレイのデータの正規化
最初のデータセットは、それぞれの試料についての複数のプローブについて測定したシグナルからなった。解析のためには、既知の又は確認されたヒトマイクロRNAの発現レベルを測定するように設計されたプローブについてのみのシグナルを使用した。
信頼できるスポットの対数平均を得ることによって、三つ組みのスポットを1つのシグナルに組み合わせた。全てのデータを対数変換し、解析を対数空間において実施した。正規化のための参照データのベクトルRを、2つの代表的な試料、例えば、肺扁平上皮細胞癌及び肺腺癌の腫瘍の型からのそれぞれ1つの試料において、各プローブについて、発現レベルの平均を得ることによって計算した。
データベクトルSを有する各試料kについて、試料データと参照データとの間に最良のフィットをもたらすように二次の多項式Fを見出し、したがって、R≒F(S)となした。離れたデータ点(「外れ値」)は、多項式Fをフィットするためには使用しなかった。試料中の各プローブ(ベクトルS中の要素
Figure 2010519899

)について、最初の値
Figure 2010519899

から、(対数空間において)正規化した値
Figure 2010519899

を、最初の値を、多項式Fを用いて変換することによって計算し、したがって、
Figure 2010519899

となる。データを、指数をとることによって、線形空間に置き換え直す。
8.統計学的解析
この統計学的解析の目的は、正規化したシグナルのレベルが2つの比較した試料セット間において有意に異なるプローブを見出すことであった。log2(300)未満の正規化したシグナルのレベルを有する、2つの試料セット中のプローブは、解析しなかった。各プローブについて、2つの試料セットについて得た、2つの群の正規化したシグナルを比較した。対応のない両側t−検定の統計学的な方法を使用して、p値を各プローブについて計算した。p値は、測定したシグナルを、又は2つの群のシグナルが等しい平均値を有する分布から得られる場合には、群間におけるより極端な差を偶然に得る確率である。そのプローブが、最も低く且つ最も有意なt−検定のp値を有するマイクロRNAを選択した。0.05未満のp値は、シグナルの正規(ガウシアン)分布の前提の下、2つの群が同一の平均を有する分布に由来する確率が0.05又は5%より低いことを意味する。これら2つの群のシグナルは、異なる平均を有する分布から生じたと思われ、関連性のあるマイクロRNAは、これら2つのセットの試料間において示差的に発現すると思われる。
9.has−mir−205のin situハイブリダイゼーションによる検出
肺扁平上皮細胞癌の標準的なパラフィン切片をSuperfrost plus組織学用スライド(Menzel−Glazer製)上にマウントした。ハイブリダイゼーションの前に、切片を有するスライドを、60℃で2時間保った。
ハイブリダイゼーションの前のステップ及び後のステップにおける全てのインキュベーションは、別途言及しない限り、室温で実施した。全ての溶液は、限外ろ過膜を備えたEASYpure IIシステム(Barnstead製)によって精製した超純水を使用して調製した。
A.ハイブリダイゼーション前の処理
切片を、キシレン中で3回連続してインキュベートする(各5分)ことによって脱パラフィン処理し、以下のエタノールのシリーズによって再水和させた:100%−各2分、3回交換、95%及び70%−各2分。次いで、スライドを、超純水中で5分間洗浄し、0.01Mクエン酸緩衝液(pH6.0)中に入れ、水浴中で沸騰するまで加熱し、沸騰温度に10分間保った。次いで、スライドを緩衝液中に放置して、室温で1時間冷却した。
スライドを、プロテイナーゼK溶液(1mM EDTA/10mM Tris−HCl pH7.5中の20μg/ml)中で、37℃で10分間インキュベートし、即時に、新たに調製した、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の10%ホルマリン溶液中で20分間固定した。ホルマリン固定に続いて、PBS中の0.2%グリシン中で5分間インキュベートし、超純水中での2分間の洗浄を3回行った。
次いで、スライドと共に0.25%(v/v)無水酢酸を同時に添加した、1.1%(v/v)トリエタノールアミン溶液中で、スライドを振とうすることによってアセチル化した。5分後、無水酢酸の新しい部分を添加し、アセチル化をさらに5分間進行させた。
アセチル化に続いて、超純水中での2分間の洗浄を3回行い、次いで、スライドを、エタノールにより段階的(70%、95%、100%−各2分)に、急速に脱水し、風乾した。
B.ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション用緩衝液中で25nMに希釈したhsa−miR−205(Exiqon製、製品番号18099−01)に対して相補的なジゴキシゲニン標識LNA増強プローブを希釈することによって、ハイブリダイゼーション用溶液を調製し、この溶液の約50μlを、風乾した切片に適用した。陰性の対照として、平行な切片を、ジゴキシゲニン標識スクランブル−miR LNAプローブ(Exiqon製、製品番号99001−01)を希釈することによって調製した対照のハイブリダイゼーション溶液と共にインキュベートした。
ハイブリダイゼーション用溶液の適用後、切片の大きさに切断したポリエチレン製のフィルムの小片を用いて、切片をカバーし、50℃で一晩インキュベートした。ハイブリダイゼーション用緩衝液の組成:
デキストラン硫酸 10%
SSC ×4
脱イオン化ホルムアミド 50%
デンハート溶液 ×1
サケ精子DNA 0.5mg/ml
酵母tRNA 0.25mg/ml。
C.ハイブリダイゼーション後の洗浄及び免疫検出
ハイブリダイゼーション用スライドを、50℃にあらかじめ加熱した5×SSCに移した後、30分間インキュベートした。このインキュベーションの間に、カバーは、スライドから離れて浮遊した。次いで、スライドを、2×SSC中、50℃でさらに30分間洗浄した。
次いで、スライドを、ツイーン−20を有するTris緩衝化食塩水(TBST−0.15M NaCl、0.05M Tris−HCl pH7.5、0.1%ツイーン−20)中で手短に洗浄し、ブロッキング用溶液(TBST中の10%ウシ血清アルブミン)中で1時間インキュベートした。
結合したジゴキシゲニンを検出するために、切片を、ブロッキング用溶液中で1:250に希釈した、アルカリホスファターゼにコンジュゲートしたヒツジ抗ジゴキシゲニン抗体Fab(Roche製、カタログ番号11093274910)と共に、2時間インキュベートし、続いて、TBST中で5回洗浄した。次いで、スライドを、アルカリホスファターゼ緩衝液(APB−0.1M Tris−HCl pH9.5、0.05M NaCl、0.025M MgCl)中で手短に洗浄し、染色用溶液、すなわち、4.5μl/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−リン酸(BCIP−原液、Roche製−カタログ番号11383221001)、及び3.5μl/mlの4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド(NBT−原液、Roche製−カタログ番号11383213001)を含有するAPB中で5時間インキュベートした。
最後に、切片を蒸留水中で洗浄し、Immu−Mount(Thermo Scientific製、カタログ番号9990402)を使用してカバーガラスを施した。
(実施例2)
特異的なマイクロRNAは、肺腺癌と肺扁平上皮細胞癌とを見分けることができる
肺腺癌対肺扁平上皮細胞癌のmiRdicator(商標)アレイの結果の統計学的解析を、表2に示す。結果は、hsa−miR−205(配列番号1)の発現パターンにおける有意な差を示した。miRdicator(商標)アレイによって測定した場合、hsa−miR−205の正規化した発現レベルは、肺腺癌と比較して、肺扁平上皮細胞癌において増加することが見出された。(図1〜3)。
hsa−miR−205による扁平上皮細胞癌の検出の感度は、100%(9/9)であり、シグナルの特異性は、84.2%(16/19)である。
表2:
Figure 2010519899

miRの名前:miR塩基の登録簿上の名前である(公開9.1)。
HID:マイクロRNAヘアピン前駆体(Pre−マイクロRNA)の配列番号である。
MID:成熟したマイクロRNAの配列番号である。
腺癌の平均(log):肺腺癌の試料のチップのシグナルの対数(log)の平均である。
扁平上皮の平均(log):肺扁平上皮の試料のチップのシグナルの対数(log)の平均である。
試料の数、腺癌:肺腺癌の試料の数である。
試料の数、扁平上皮:肺扁平上皮の試料の数である。
p値:試料間の対応のない両側t−検定の結果である。
(実施例3)
肺扁平上皮細胞癌とその他のNSCLCとを見分けるためのqRT−PCRアッセイの確立
実施例1(3)の記載に従って、RNAを、肺扁平上皮細胞癌及びその他の非小細胞肺癌腫(NSCLC)に由来するパラフィン包埋(FFPE)組織の20個の肺試料から抽出した。実施例1(4〜6)の記載に従って、hsa−miR−205(配列番号1)、hsa−miR−21(配列番号2)、及びU6(配列番号3)の発現レベルを、定量的qRT−PCRアッセイによって検出した。3つのプローブを3回反復したCtの加重したものを計算した。陰性対照のウエルのCtは劣決定した。データを、以下の判断基準に従って解釈した:
U6は、20から32までの加重したCtを有するものとする。そうでない場合は、実験は失敗したことになる。
3回反復したCtの加重したものを、以下に従って計算した:
全ての反復が、1Ctの差の範囲内にある場合には、最小Ctと最大Ctとの間の差が1未満であることを意味し、次いで、それらの平均を計算した。
Ctmax−Ctmin≦1→加重したCt=(Ctmax+Ctmedian+Ctmin)/3
外れ値Ctが、Ctの中央値と、1Ct以下の差を有する場合には、それらの平均を計算した。
Ctmax−Ctmedian≦1 & Ctmedian−Ctmin≦1→加重したCt=(Ctmax+Ctmedian+Ctmin)/3
加重して計算したCtを使用して、アッセイの最終スコアを、has−mir−205のCtから、U6のCtとhsa−mir−21のCtとの平均を引くことによって決定した。
アッセイの最終スコア=加重したCtmir−205−平均[(加重したCtmir−21 & 加重したCtU6)]
hsa−mir−205のCtが決定されず、U6の加重したCtが正当な範囲内にある場合には、アッセイの結果は、「高い」信頼度のレベルを有する「非扁平上皮」となる。
Ctmir−205=ND & 20≦CtU6≦32→アッセイの結果=高い信頼度を有する非扁平上皮。
それ以外の場合:表3の記載するように、結果の解析は、アッセイの最終スコアの計算に基づく:
表3:
Figure 2010519899
図4は、上記で説明したように、hsa−miR−21(配列番号2)、U6(配列番号3)のqRT−PCRによる発現レベルによって正規化した、hsa−miR−205(配列番号1)のRT−PCRによる発現レベル、及び最終スコアの閾値を使用した場合には、肺扁平上皮細胞癌に由来する試料(アステリスク)と、肺腺癌及び肺未分化大細胞癌腫をはじめとする、その他のNSCLCに由来する試料(楕円)との間の完全な分離を示す。黒色の実線は、閾値を示す。黒色の破線は、低い信頼度の領域の境界線を示す。
(実施例4)
hsa−mir−205のin situハイブリダイゼーションによる検出
肺扁平上皮細胞癌の切片を、hsa−miR−205に特異的なプローブ及び対照の(スクランブル)プローブとハイブリダイズさせた(実施例1を参照されたい)。図5に示すように、扁平上皮細胞癌の細胞の様々な強度の染色が観察され(図5A)、一方、対照の(スクランブル)プローブとハイブリダイズさせた切片においては、染色は検出されなかった(図5B)。
(実施例5)
特異的なマイクロRNAは、肺腺癌と肺大細胞癌腫とを見分けることができる
肺腺癌対肺大細胞癌腫のmiRdicator(商標)アレイの結果の統計学的解析を、表4に示す。結果は、いくつかのmiRの発現パターンにおいて有意な差を示し、それらのうちで最も目立つのはhsa−miR−513(配列番号13)であった。
miRdicator(商標)アレイによって測定した場合、hsa−miR−513の正規化した発現レベルは、肺腺癌と比較して、肺大細胞癌腫において増加することが見出された。(図6〜8)。
hsa−miR−513による腺癌の検出の感度は、94.7%(18/19)であり、シグナルの特異性は、85.7%(6/7)である。
表4:
Figure 2010519899

miRの名前:miR塩基の登録簿上の名前である(公開9.1)。
HID:マイクロRNAヘアピン前駆体(Pre−マイクロRNA)の配列番号である。
MID:成熟したマイクロRNAの配列番号である。
腺癌の平均(log):肺腺癌細胞のチップのシグナルの対数(log)の平均である。
大細胞の平均(log):肺大細胞のチップのシグナルの対数(log)の平均である。
試料の数、腺癌細胞:肺腺癌細胞の試料の数である。
試料の数、大細胞:肺大細胞の試料の数である。
p値:試料間の対応のないt−検定の結果である。
これまでに記載した、特定の実施形態から、本発明の一般的な性質が非常に十分に明らかになるので、他者は、現在の知識を適用することによって、過度の実験なしに、一般的概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を容易に改変及び/又は適合させて、種々の応用例を得ることができる。したがって、そのような適合形態及び改変形態は、開示した実施形態の均等物の意味及び範囲のうちで把握されるべきであり、そのように意図されている。本発明を、その特定の実施形態と共に説明してきたが、多くの代替形態、改変形態及び変形形態が、当業者には明らかになるであろうことは明白である。したがって、添付の請求項の精神及び広範な範囲に属する、そのような代替形態、改変形態及び変形形態は全て包含されるものとする。
詳細な説明及び特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、本発明の精神及び範囲に属する種々の変化形態及び改変形態が、この詳細な説明から、当業者には明らかになるであろうことから、これら詳細な説明及び特定の実施例は、説明のために提供されているに過ぎないことを理解されたい。

Claims (21)

  1. 非小細胞肺癌腫(NSCLC)を分類する方法であって、対象から生物学的試料を得るステップと;前記試料中の、配列番号1〜5、13〜30からなる群から選択された核酸配列、その断片、又はそれに対して少なくとも約80%の同一性を有する配列の相対的な存在量を測定するステップと;前記得られた測定値を、ある核酸の存在量を示す基準の数と比較するステップとを含み;それによって、前記核酸配列の示差的な発現が、前記NSCLCの分類を可能にする方法。
  2. 前記生物学的試料が、体液、細胞系及び組織試料からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組織が、新鮮組織、凍結組織、固定組織、ロウ包埋組織又はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記組織試料が、肺試料である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記NSCLCが、肺扁平上皮細胞癌、肺腺癌、及び肺未分化大細胞癌腫からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記肺未分化大細胞癌腫が、肺扁平上皮細胞癌又は肺腺癌に由来する、請求項5に記載の方法。
  7. 肺扁平上皮細胞癌とその他のNSCLCとを見分けるための方法であって、対象から生物学的試料を得るステップと;前記試料中の、配列番号1〜5からなる群から選択された核酸配列、その断片、又はそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列の発現レベルを決定するステップとを含み;それによって、配列番号1の相対的な存在量が、扁平上皮細胞癌の存在を指し示す方法。
  8. 前記その他のNSCLCが、肺腺癌である、請求項7に記載の方法。
  9. 少なくとも2つの核酸配列の発現レベルを決定するステップを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記核酸配列の1つ又は複数の発現比を組み合わせるステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  11. 発現レベルを、核酸ハイブリダイゼーション、核酸増幅、及びそれらの組合せからなる群から選択された方法によって決定する、請求項7に記載の方法。
  12. 核酸ハイブリダイゼーションを、固相核酸バイオチップアレイ又はin situハイブリダイゼーションを使用して実施する、請求項11に記載の方法。
  13. 核酸増幅の方法が、リアルタイムPCRである、請求項11に記載の方法。
  14. リアルタイムPCRの方法が、順方向プライマー及び逆方向プライマーを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 順方向プライマーが、配列番号7〜9のうちのいずれか1つからなる群から選択された配列を含む、請求項14に記載の方法。
  16. リアルタイムPCRの方法が、プローブをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  17. プローブが、配列番号10〜12のうちのいずれか1つからなる群から選択された配列を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 肺腺癌と大細胞癌腫とを見分けるための方法であって、対象から生物学的試料を得るステップと;前記試料中の、配列番号13〜30からなる群から選択された1つ又は複数の核酸配列、それらの断片、又はそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列の発現レベルを決定するステップとを含み;それによって、前記核酸の相対的な存在量が、大細胞癌腫の存在を指し示す方法。
  19. 配列番号10〜12、及びそれに対して少なくとも約80%同一である配列からなる群から選択された核酸配列を含むプローブを含む、NSCLCの分類のためのキット。
  20. 配列番号7〜9のうちのいずれか1つからなる群から選択された配列を含む順方向プライマーをさらに含む、請求項19に記載のキット。
  21. in situハイブリダイゼーション解析を実施するための試薬を含む、請求項19に記載のキット。
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