JP2010519364A - バイオディーゼル燃料 - Google Patents

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本発明は、改善された低温流動性をもつ代替ディーゼル燃料に関する。この代替ディーゼル燃料は、一般的に脂肪酸メチル又はエチルエステルを含むバイオディーゼルであるか、又はフィッシャー-トロプシュ(FT)反応に由来するディーゼル燃料を含み、粗製物由来ディーゼル燃料及びバイオディーゼルを含むか又は含有してもよいディーゼル燃料ブレンド物であってよい。低温流動性は、バイオディーゼルの生来の成分でも、そのディーゼル燃料の生来の成分でもない高級アルコール成分を添加することによって改善される。

Description

バイオディーゼル燃料
バイオディーゼルは、植物油又は動物脂肪から誘導された代替ディーゼル燃料である。アルコール(通常はメタノールであるが、いくつかの場合には、より長鎖のアルコール類)による油又は脂肪のエステル交換が、バイオディーゼルとして知られる脂肪酸メチルエステル類(fatty acid methyl ester, FAME)をもたらす。
バイオディーゼルはそれ自身で使用することができるが、それはまた、従来のディーゼル燃料基剤(ディーゼル燃料ベース)と混合されてバイオディーゼルブレンド物が形成される。しかし、ディーゼル燃料ベースに比較的高い割合でバイオディーゼルを添加することは、劣った低温流動性をもつブレンド物をもたらす。寒冷な気候では、そのような燃料は、粒子、主にワックス結晶によるディーゼル噴射ノズルの閉塞をもたらすおそれがある。このことが、バイオディーゼルブレンド物に添加できる脂肪酸メチルエステル類(FAME)の量と種類に制限を加えている。このことは、大部分が飽和している脂肪酸メチルエステル類について特にあてはまる。低温フィルター閉塞点(目詰まり点、CFPP)添加剤が、CFPP改善のために用いられるが、そのような添加剤はFAME類の存在下及びそのブレンド物ではうまく機能しない。
本発明の目的は上記の問題に対処することである。
[本発明のまとめ]
本発明によれば、
脂肪酸メチル又はエチルエステル類を典型的には含むバイオディーゼル、
及び
そのバイオディーゼルの生来の成分ではない、添加されたアルコール成分、
を含む代替ディーゼル燃料が提供される。
このバイオディーゼルは、脂肪酸メチルエステル類、特に、−5℃よりも高い劣った低温流動性をもつ脂肪酸メチルエステル類、例えば、ソヤメチルエステル(大豆油メチルエステル)(−2℃)及び/又はパーム油メチルエステル(10℃)及び/又はヤトロファ(ナンヨウアブラギリ、Jatropa)油メチルエステルを含む。
上記アルコール成分は、3つ以上の炭素原子を有する、より高級なアルコール類、典型的には3〜15、好ましくは3〜9、最も好ましくは3〜6の炭素原子を有するアルコール類を含むことが好ましい。
上記代替ディーゼル燃料は、0.2%〜5%v/vのアルコール成分、最も好ましくは0.5%〜3%v/vのアルコール成分を含むことが好ましい。
上記代替ディーゼル燃料は、以下の:
フィッシャー−トロプシュ(FT)反応に由来し、且つ粗製物由来ディーゼル燃料(crude-derived diesel fuel)を含むか又は含有してもよいディーゼル燃料;
脂肪酸メチル又はエチルエステル類を典型的には含むバイオディーゼル;及び
1種のアルコール又は複数のアルコール類、
を含むディーゼル燃料ブレンド物であることができる。
典型的には、このディーゼル燃料ブレンド物は、60%〜90%、好ましくは約70%v/vのディーゼル燃料と、10%〜40%、好ましくは約30%v/vのバイオディーゼルとを含む。
ディーゼル燃料ブレンド物は、GTL由来ディーゼル燃料、例えば、オレフィンの蒸留留分への転化(Conversion of Olefins to Distillate, COD)によるFTディーゼルであってよい。
本発明は、代替ディーゼル燃料の目詰まり点を改善する方法に関し、この方法ではバイオディーゼル燃料(典型的には脂肪酸メチル又はエチルエステル類を含む)にアルコール成分が添加される。
上記バイオディーゼルは、脂肪メチルエステル類、特に、−5℃よりも高い劣った低温流動特性をもつ脂肪メチルエステル類、例えば、ソヤメチルエステル(大豆油メチルエステル)(−2℃)及び/又はパーム油メチルエステル(10℃)及び/又はヤトロファ(ナンヨウアブラギリ、Jatropa)油メチルエステルを含む。
上記アルコール成分は、3つ以上の炭素原子を有する高級アルコール(1種又は複数)であるアルコール(1種又は複数)、典型的には3〜15、好ましくは3〜9、最も好ましくは3〜6の炭素原子を有するアルコール類を含むことが好ましい。アルコール成分は、少なくとも20%v/v、好ましくは少なくとも50%v/vが分枝状のアルコール類であることができる。
好ましくは、アルコール成分は、上記代替ディーゼル燃料の0.2%〜5%v/v、最も好ましくは0.5%〜3%v/v含まれる。
代替ディーゼル燃料は、典型的には、ディーゼル燃料ブレンド物であって、さらにフィッシャー−トロプシュ(FT)反応に由来するディーゼル燃料を含み、且つ粗製物由来ディーゼル燃料を含むか又は含有していてもよい。
典型的には、60%〜80%、好ましくは約70%v/vのディーゼル燃料が、20%〜40%、好ましくは約30%v/vのバイオディーゼルとブレンドされる。
ディーゼル燃料は、フィッシャー−トロプシュ(FT)反応に、最も好ましくはGTL FT反応に由来することが好ましい。
図1は、ディーゼル燃料ブレンド物における目詰まり点(Cold Filter Plugging Point, CFPP)(℃)への高級アルコール類の影響を示すグラフである。 図2は、ディーゼル燃料ブレンド物の引火点(Flash Point)への高級アルコール類の影響を示すグラフである。 図3は、ディーゼル燃料ブレンド物のセタン価(Cetane No)への高級アルコール類の影響を示すグラフである。 図4は、ディーゼル燃料ブレンド物のNO車両排出への高級アルコール類の影響を示すグラフである。 図5は、ディーゼル燃料ブレンド物のCO車両排出への高級アルコール類の影響を示すグラフである。 図6は、ディーゼル燃料ブレンド物のCO車両排出への高級アルコール類の影響を示すグラフである。 図7は、ディーゼル燃料ブレンド物のHC+NO排出の両方への高級アルコール類の影響を示すグラフである。 図8は、ディーゼル燃料ブレンド物のPM車両排出への高級アルコール類の影響を示すグラフである。
[本発明の詳細な説明]
本発明は代替燃料の製造に関する。代替燃料は、実質的に非粗製物(non-crude)系の燃料、例えば、バイオディーゼル、フィッシャー−トロプシュ合成由来の燃料、CODディーゼル、及びそれらのディーゼル燃料ブレンド物である。
フィッシャー−トロプシュ(FT)合成には、高級炭化水素生成物への一酸化炭素と水素(合成ガス)の転化が含まれる。
低温フィッシャー−トロプシュ(LTFT)合成の場合は、ワックスは最後から2番目の生成物である。ワックスは水素化分解によって高品質輸送燃料、主にディーゼル燃料として用いるための短い鎖へと転化される。高温フィッシャー−トロプシュ(HTFT)合成については、蒸留物及びナフサが製造される。これらはディーゼル燃料及びガソリンへと改質される。両方のFT工程時に、様々な鎖長のアルコール類が生成する。
FT触媒は、典型的には、様々な耐火性担体、例えば、アルミナ、シリカ、チタニアなどの上に担持される。第VIII族の耐火物担持金属が、FT反応を触媒するために用いられる。これらには、コバルト、鉄、及びルテニウムなど、又はそれらの2種以上の混合物が含まれる。促進剤が触媒に添加されてもよく、それには、ルテニウム、パラジウム、白金、レニウム、ランタン、及びジルコニウムが含まれる。
合成ガス(Syngas)は、ガス化によって石炭から、リフォーミング又は接触部分酸化によって天然ガスから得ることができる。ガスから液体への(Gas to Liquid, GTL)技術は、天然ガスから生成した合成ガスからのFT反応における液状生成物の形成である。全体としては、そのようなGTL法は、3種の主要要素から構成されると考えることができ、それはすなわち、合成ガスへの天然ガスのリフォーミング、フィッシャー−トロプシュ生成物への合成ガスのさらなる転化、並びに、とりわけ主にFT由来のディーゼル、ガソリン、オレフィン類、及びアルコール類を作るための炭化水素の後処理、である。
好ましいディーゼル燃料は、国際公開WO06069407号パンフレットに記載されたCOD法に由来する、合成によって誘導されたディーゼル燃料であり、これによれば、軽質オレフィン類(C3〜C10)がゼオライト型触媒上でオリゴマー化される。このCOD生成物から分画された蒸留物は150〜360℃の沸騰範囲であることができ、180〜360℃の沸騰範囲が好ましい。そのような蒸留物は、水素処理され、好ましいディーゼル沸騰範囲に分画される。この炭化水素組成物は、以下の成分から構成されうる:n-パラフィン(<10%)、イソパラフィン(50〜80%)、環状パラフィン(5〜30%)、及びモノ芳香族(3〜15%)。モノ芳香族(1つの環)は、水素化によって環状パラフィンに転化され、ほとんどゼロの芳香族含有量をもたらしうる。CODフィードに応じて、いくらかの酸素化物が存在しうる(<10%)(酸素化物(oxygenate)を含むフィードはこれに影響を及ぼす可能性があるが、水素化はこれらを転化しうる)。このディーゼル燃料は硫黄を含まず、優れた低温流動性(IP309によって試験して、−35℃未満、さらには−45℃未満のCFPP(目詰まり点))を有する。
本発明者らは、ディーゼルブレンド物中のバイオディーゼルブレンド成分としてパーム油メチルエステルを用いることが有利であり、なぜならそれは容易に入手でき且つその他の植物油よりも1エーカー(4047m)当たり、より多い収量を生み出すからであるという事実を突き止めた。しかし、バイオディーゼル燃料には、−5℃よりも高いCFPPを有する「重い」脂肪酸メチルエステル類(FAME)をバイオディーゼル成分として用いた場合は、低温流動性に関連する問題(流動点、曇り点、及び目詰まり点(Cold Filter Plugging Point、CFPP))がある。バイオ燃料ブレンド成分としてのパーム油メチルエステル(PME)に内在する問題は、それが劣る低温流動性(10℃のCFPP(目詰まり点))を持つことであり、このことは、そのままで燃料として用いた場合は、10℃より低い天候では手軽に使用することができず、したがって厳しく制限された市場の可能性しかないことを意味する。まだましではあるが、ソヤ(大豆)メチルエステルは−2℃のCFPPをもち、これも寒冷な気候では問題がある(ヨーロッパの冬には典型的には−15℃のCFPPが必要であり、一方ヨーロッパの夏には−5℃のCFPPが必要である)。
本発明にしたがって、本発明者らは、ブレンド物の低温流動性を改善するための成分として高級アルコール類を添加することによって、高いCFPPの問題に対処することができた。「高級アルコール」とは、3つ以上の炭素原子をもつアルコール類を意味する。
本発明によれば、改良されたディーゼル燃料ブレンド物は、ディーゼル燃料、好ましくはフィッシャー−トロプシュ(FT)反応に由来するディーゼル燃料、脂肪酸メチルエステル類、及びアルコール成分を含む。このアルコール成分は添加されており、バイオディーゼルあるいはディーゼル燃料の生来の成分ではない。
ディーゼル燃料(これはGTL由来ディーゼル燃料であってもよい)は、典型的には、ブレンド物の約70%v/vで含まれる。このブレンド物は、粗製物由来のディーゼル燃料(crude-derived diesel fuel)を一部分含んでいてもよい。
脂肪酸メチルエステル類(FAME)は、典型的には、ブレンド物の約30%v/vで含まれ、植物油から誘導されることができ、例えば、パーム油メチルエステル(PME)及び/又は大豆油メチルエステル(SME)などであってよい。
以下の表1は、本発明での使用に適したFAMEを調製するために用いられる植物油のタイプを記載している。
Figure 2010519364
ブレンド物に添加されるアルコール成分は、典型的には、高級アルコールを含み(「含み」は、アルコール成分の80%v/vより多く、好ましくは90%v/vより多くが高級アルコールから構成されることを意味する)、ブレンド物に低パーセント体積で、例えばブレンド物の0.2%〜5%v/v、典型的には0.5%〜3%v/vでブレンド物に添加される。アルコール成分は、少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%が、分岐したアルコール類であることができ、分岐は主に(即ち50%より多くが)メチル分岐である。
実施例から明らかなとおり、モスタノール120(Mosstanol(登録商標)120)アルコールの0.5%の添加は、−2℃から−11℃への試験ブレンド物のCFPPの大きな改善をもたらし、この9℃の低下は従来技術で報告されたものよりもはるかに良好である。さらに、これは、その他の必要とされる燃料の仕様を損なうことなく達成される。この高級アルコールは、添加した0.5〜1%のv/v(体積/体積)のアルコール当たり9℃の低下によってブレンド物の低温流動性を改善する。
高級アルコールの添加のその他の利点は、それがディーゼルの泡立ちを低減し、さらにディーゼルのヘーズ(水)も低減することであり、なぜならアルコールはディーゼル中に懸濁した水滴をなくすことができるからである。
図4〜7からは、高級アルコールの添加が以下のことを示すことも明らかである:
ほとんどのディーゼル排出物、例えば、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、及び粒子状物質(PM)などを著しく低減する。バイオ成分(FAME)を燃料に添加した場合に通常は増加する窒素酸化物(NO)排出が逆の効果になる。最終的に一緒にしたNO+HC排出が、0.3g/kg未満のユーロ4自動車排出規格(Euro 4 Vehicle Emission Specification)に適合し、これは最大27%v/vのFAMEを含むブレンド物についてである(9%PME;18%SME;70%GTL、及び3%重質アルコール)。
高級アルコール又は高級アルコール類を含む本発明のブレンド物は、この高級アルコール又は高級アルコール類を含まないディーゼル及びFAMEのブレンド物に対して以下の利点を有する:
・改善されたCFPP(より低温での使用)
・改善された曇り点(より低温での使用)
・低減された粒子状物質の排気管からの排出
・わずかに増大したセタン価(より良好な燃焼特性)
・低減したディーゼル泡立ち(より容易なタンク充填)
・水存在下での低減したディーゼルのヘーズ(FAME処理工程から存在しうる水の存在の清澄化)
・高価な低温流動性能添加剤の必要性の低減
上述した本発明はディーゼル燃料ブレンド物に関するものであるが、本発明は代替ディーゼル燃料と、上述したアルコール成分を上述した量で添加することによるバイオディーゼル燃料のCFPPの改善に広く展開される。
本発明を、以下の非限定的実施例に基づいてより詳細に説明する。
一連のバイオディーゼル燃料ブレンド物を、ベース燃料としてフィッシャー−トロプシュ/ガス・トゥー・リキッド(Gas-to-Liquid)由来ディーゼルを用いて調製した。この試験のために、オレフィン転化FTディーゼル(Conversion of Olefins (COD))を用いた。FT−CODディーゼルは、その高いイソパラフィン性によって本質的に良好な低温流動性を有する。FT−CODディーゼルは、FT誘導ワックスをクラッキング及び異性化させることによってディーゼルに性能向上されたその他のFTディーゼルと概ね類似している。
ブレンド物に用いたFAMEは、パーム油メチルエステル(PME)及び大豆油メチルエステル(SME)を含んでいた。
低体積パーセントの高級アルコール類(炭素数3〜炭素数6)をブレンド物に添加した。
この目的は、どのようなさらなる変性もなしに、既存の運輸市場で使用されうる代替バイオディーゼル燃料を作り出すことである。さらに、この燃料はPMEの使用を最大化するとともに、優れた運転性能と優れた排気をもたらす。最後になるが、この燃料は粗製物由来ディーゼル(crude derived diesel)とブレンドされうる。
ブレンド物は以下の表2に示した体積比で調製した。
Figure 2010519364
下の表3は、Mosstanol P(登録商標)の典型的な組成を提供する。
Figure 2010519364
下の表4はMosstanol 120(登録商標)の典型的な組成を示す。
Figure 2010519364
〔CFPP、引火点、及びセタン価の試験〕
下の表5は、CFPP、引火点、及びセタン価の試験で用いたブレンド物の組成及び燃料特性を記載している。
Figure 2010519364
燃料ブレンド物A〜Fの組成は、上の表2に示している。
図1〜3は、本発明のブレンド物B及びD〜Fと比較したベースブレンド物Aの目詰まり点(cold filter plugging point, CFPP)、引火点、及びセタン価をグラフで示している。
かなりの改善が、高級アルコール類の添加によってCFPPに関して認められた。ベースブレンド物A(PME:SME:GTLディーゼル=9:20:70)のCFPPは、0.5%v/vのMosstanol 120の添加で−2℃から−12℃へ低下した。1%v/vのMosstanol Pの添加は、同じベースブレンド物AのCFPPを−2℃から−11℃に低下させ、さらに、5%v/vの添加はCFPPを−15℃に低下させた。図1を参照されたい。
高級アルコール類の添加は、燃料が65℃の規格に適合できないところまで引火点を低下させない。ベースブレンド物への1%v/vのMosstanol P(登録商標)の添加は、89.5℃の引火点をもたらす。図2は、2種の高級アルコールブレンド物の添加について、引火点の影響を示す。
セタン価は、0.5〜3%v/vのわずかな割合のアルコールの添加によって増加した。高セタン価は、ディーゼル車両性能に関して望ましい。0.5%のMosstanol P(登録商標)(炭素数5のアルコール類)の添加は、セタン価を53.3から54.9に上昇させる一方で、1%のMosstanol P(登録商標)の添加は、53.3から57.4へのセタン価の増加をもたらした。
ブレンド物Dは全ての現代のディーゼル燃料規格に適合し、以下の追加の利点を有することがわかった。
・ベースとなる場合を上回って報告された改善したCFPP
・低減した、粒子状物質(Particulate Matter)、一酸化炭素、二酸化炭素、粒子状物質の排気口からの排出。Euro4車両排出規格に適合した。
・高級アルコール類を含むブレンド物の窒素酸化物排出は、これらのアルコールが存在しない類似のブレンド物よりも低かった。
・増加したセタン価
・低減したディーゼル泡立ち(容易なタンク充填)
・高価な低温流動性及びその他のディーゼル性能添加剤の添加の必要性の低下。
〔車両試験結果〕
試験は、南アフリカ・フォルクスワーゲン排気研究室で、Euro3及び4レベルでの制定された排気口からの排出試験法を用いて行った。試験車両は、オートマティックトランスミッションをもつフォルクスワーゲンJetta A5 1.9リットル TDi (77kW)だった。この車両は、Euro4レベルの排出物に準拠して製作された。ステーレンボッシュ自動車工業(Stellenbosch Automotive Engineering)(Pty) Ltd.のスタッフが独自に試験を行なった。
試験燃料はCEC基準ディーゼルと比較し、この燃料は各バッチの最初と最後に試験した。
下の表6は、この車両排出物試験で用いたブレンド物の組成及び燃料特性を示している。
Figure 2010519364
燃料H−Nの排気試験の結果を図4〜7に示す。図中、排出物の低減を、Euro4タイプの排気試験に対して用いた標準CEC基準ディーゼルに対してのパーセント増/減としてグラフにした。
各図について、Euro4の制限値とともに、試験したCEC基準ディーゼルの具体的排気についての実際の排出値(g/キロメートル)を示している。
図4:CEC基準燃料に対してNOxは0.253g/kmであった。Euro4の制限値は0.25g/kmである。
図5:CEC基準燃料に対してCOは0.123g/kmであった。Euro4の制限値は0.5g/kmである。
図6:CEC基準燃料に対してCOは167.3g/kmだった。
図7:CEC基準燃料に対してHC+NOxは0.275g/kmだった。Euro4の制限値は0.3g/kmである。
図8:CEC基準燃料に対してPMは0.026g/kmだった。Euro4の制限値は0.025g/kmである。
図4〜8に見ることができるとおり、顕著な車両排気口排気が、CO、PM、及びCOについて記録された。高級アルコール類を含むブレンド物についてのNO排出は、これらのアルコール類が存在しない類似のブレンド物よりも低かった。CO、PM、CO、HC+NOに対するEuro4排気口排気は、上記所定の燃料ブレンド物について適合していた。

Claims (39)

  1. バイオディーゼル燃料;及び
    前記バイオディーゼルの生来の成分ではない、添加されたアルコール成分
    を含む代替ディーゼル燃料。
  2. 前記バイオディーゼルが、脂肪酸メチルエステル類を含む、請求項1に記載の代替ディーゼル燃料。
  3. 前記バイオディーゼルが、−5℃よりも高い劣った低温流動性をもつ脂肪酸メチルエステル類を含む、請求項2に記載の代替ディーゼル燃料。
  4. 前記脂肪酸メチルエステル類が240よりも大きな分子量を有する、請求項2に記載の代替ディーゼル燃料。
  5. 前記バイオディーゼルが、ソヤメチルエステル(大豆油メチルエステル)及び/又はパーム油メチルエステル及び/又はヤトロファ(ナンヨウアブラギリ)油メチルエステルを含む、請求項2に記載の代替ディーゼル燃料。
  6. 前記アルコール成分が、3つ以上の炭素原子を有する高級アルコール(1種又は複数)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の代替ディーゼル燃料。
  7. 前記アルコール成分が、3〜15の炭素原子を有する高級アルコール(1種又は複数)を含む、請求項6に記載の代替ディーゼル燃料。
  8. 前記アルコール成分が、3〜9の炭素原子を有する高級アルコール(1種又は複数)を含む、請求項7に記載の代替ディーゼル燃料。
  9. 前記アルコール成分が、3〜6の炭素原子を有するアルコール(1種又は複数)を含む、請求項8に記載の代替ディーゼル燃料。
  10. アルコール成分が、少なくとも20%v/vのものが分岐しているアルコール類である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の代替ディーゼル燃料。
  11. アルコール成分が、少なくとも50%v/vのものが分岐しているアルコール類である、請求項10に記載の代替ディーゼル燃料。
  12. 0.2%〜5%v/vのアルコール成分を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の代替ディーゼル燃料。
  13. 0.5%〜3%v/vのアルコール成分を含む、請求項12に記載の代替ディーゼル燃料。
  14. 上記代替ディーゼル燃料が、フィッシャー−トロプシュ(FT)反応由来のディーゼル燃料をさらに含み且つ粗製物由来ディーゼル燃料を含むか又は含有してもよいディーゼル燃料ブレンド物である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の代替ディーゼル燃料。
  15. 前記ディーゼル燃料がフィッシャー−トロプシュ(FT)反応に由来する、請求項14に記載のディーゼル燃料ブレンド物。
  16. フィッシャー−トロプシュ(FT)反応によるディーゼル燃料が、GTL由来ディーゼル燃料である、請求項14又は15に記載のディーゼル燃料ブレンド物。
  17. 前記ディーゼル燃料がCODディーゼル燃料である、請求項16に記載のディーゼル燃料ブレンド物。
  18. 60%〜90%v/vのディーゼル燃料と、10%〜40%v/vのバイオディーゼルとを含む、請求項14〜17のいずれか一項に記載のディーゼル燃料ブレンド物。
  19. 約70%v/vのディーゼル燃料を含む、請求項14〜18のいずれか一項に記載のディーゼル燃料ブレンド物。
  20. 約30%v/vのバイオディーゼル燃料を含む、請求項14〜19のいずれか一項に記載のディーゼル燃料ブレンド物。
  21. アルコール成分をバイオディーゼル燃料に添加する、代替ディーゼル燃料ブレンド物の目詰まり点を改善する方法。
  22. 前記バイオディーゼルが脂肪メチルエステル類を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記バイオディーゼルが、−5℃よりも高い劣った低温流動特性をもつ脂肪メチルエステル類を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記脂肪酸メチルエステル類が240より大きな分子量を有する、請求項22に記載の代替ディーゼル燃料。
  25. 前記バイオディーゼルが、ソヤメチルエステル(大豆油メチルエステル)及び/又はパーム油メチルエステル及び/又はヤトロファ油メチルエステルを含む、請求項22に記載の方法。
  26. アルコール成分が3つ以上の炭素原子を有するアルコール(1種又は複数)を含む、請求項21〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. アルコール成分が3〜15の炭素原子を有するアルコール(1種又は複数)を含む、請求項26に記載の方法。
  28. アルコール成分が、3〜9の炭素原子を有するアルコール(1種又は複数)を含む、請求項27に記載の方法。
  29. アルコール成分が、3〜6の炭素原子を有するアルコール(1種又は複数)を含む、請求項28に記載の方法。
  30. アルコール成分が、少なくとも20%v/vのものが分岐しているアルコール類である、請求項21〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. アルコール成分が、少なくとも50%v/vのものが分岐しているアルコール類である、請求項30に記載の代替ディーゼル燃料。
  32. アルコール成分が、代替ディーゼル燃料の0.2%〜5%v/vで含まれるように添加される、請求項21〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. アルコール成分が、代替ディーゼル燃料の0.5%〜3%v/vで含まれるように添加される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記代替ディーゼル燃料がディーゼル燃料ブレンド物であり、粗製物由来ディーゼル燃料及び含むか又は含有してもよいフィッシャー−トロプシュ(FT)反応由来のディーゼル燃料が添加されている、請求項21〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記ディーゼル燃料がフィッシャー−トロプシュ(FT)反応に由来する、請求項34に記載の方法。
  36. 前記ディーゼル燃料がフィッシャー−トロプシュ(FT)反応に由来し、GTL由来ディーゼル燃料である、請求項34又は35に記載の方法。
  37. 前記ディーゼル燃料がCODディーゼル燃料である、請求項36に記載の方法。
  38. 60%〜90%v/vのディーゼル燃料が10%〜40%v/vのバイオディーゼルとブレンドされる、請求項34〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 約70%v/vのディーゼル燃料が約30%v/vのバイオディーゼルとブレンドされる、請求項34〜38のいずれか一項に記載の方法。
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