JP2010519286A - 妊娠中の胎児発育遅延の処置におけるvegfの使用 - Google Patents

妊娠中の胎児発育遅延の処置におけるvegfの使用 Download PDF

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Abstract

VEGF受容体のアゴニストは、胎児発育遅延、例えば、子宮内胎児発育遅延に関連する疾患の処置において有用である。VEGFアゴニストは、VEGFペプチドまたは該ペプチドをコードするか、もしくは発現させる遺伝子構築体であり得る。

Description

発明の分野
本発明は、妊娠中の胎児発育遅延に関連する疾患の処置に関する。
発明の背景
妊娠は、増加した母体心拍出量および子宮螺旋動脈のトロホブラスト駆動修飾から生じる子宮かん流の膨大な増加と関連する。この正常な生理学的過程の失敗は、最も困難な産科的合併症のうちの2つである、子癇前症(PET)および胎児発育制限(FGR)(また子宮内胎児発育遅延(IUGR)と呼ばれる)の原因に関与している。
FGRは、すべての妊娠の8%まで罹患し、高い周産期死亡率、長期間の神経学的障害および後年(later life)における心臓血管疾患の発生の増加と関連し;科学的根拠に基づいた有効な処置は存在しない。重篤な早期発症FGRは、1:500の妊娠で罹患し、高い死亡率および生存者での長期間にわたる合併症と関連する。罹患胎児は、生存可能な出産体重(delivery weight)(少なくとも、500 g)に到達することができず、親は、中絶するか、または胎児が子宮内で死ぬようにするかの厳しい選択を迫られる。胎児成長(例えば、700 gの出生時体重まで)の、および誕生時の妊娠期間(例えば、26から28週)の少しの改善は、生存および罹患率の主な改善と関連する。
現在の妊娠管理は、発育制限胎児を有する女性を見つけ出すように設計されている。母体血清マーカーおよび子宮動脈ドップラー超音波試験のような多くの戦略が利用可能であり、それらは、これらの状態を発症し得る女性を予測することができる。しかしながら、FGRの発症を予防するのに成功した治療戦略は、現在のところ、存在しない。
発明の要約
本発明は、アデノウイルス仲介VEGFの局所過剰発現が増加した子宮血流および子宮動脈の弛緩を生じることを、インビボ動物モデルで、初めて証明した研究に基づくものである(下記を参照のこと)。低VEGFレベルおよび減少した子宮血流は、FGRの原因に関与する。これらの結果は、重篤なFGRによって悪化した妊娠の結果を改善するための、VEGF発現を増加させることによる治療的有用性を示す。
本発明によると、VEGF受容体のアゴニストは、妊娠中の胎児発育遅延に関連する疾患の処置のために有用である。
本発明で使用され得る活性剤およびビヒクルは、WO98/20027に記載されている。
好ましい態様の記載
本明細書で使用するVEGFアゴニストは、VEGFが結合する受容体に結合する分子である。特に、アゴニストは、flk-1/KDRまたはflt-1受容体に結合し得る。
VEGFアゴニストは、あらゆる化学構造を有し得る。例えば、VEGFアゴニストは、例えば、10個まで、20個まで、50個まで、もしくは100個までのアミノ酸のペプチドまたはポリペプチドであり得る。アゴニストは、同様に、修飾ペプチドまたはペプトイドであり得る。グリコシル化、硫酸化、COOH-アミド化およびアセチル化、例えば、N-末端アセチル化を含む適当な修飾が為され得る。さらに、またはあるいは、修飾アミノ酸および/またはL-アミノ酸が存在し得る。
あるいは、非ペプチドVEGFアゴニストを使用し得る。例えば、VEGF受容体と相互作用するVEGFの一部の形態を模倣した小分子を使用し得る。
自然に生じるVEGFとは配列が異なる、本発明における使用のためのVEGFタンパク質は、自然に生じるVEGFとは、活性の点で異なるように改変し得る。例えば、それらは、より強いVEGF活性を有するように改変し得る。そのような操作は、典型的には、当分野で既知の組み換え技術を用いて、核酸レベルで行われる。
より好ましい態様では、VEGFアゴニストは、VEGFペプチドまたはVEGFペプチドをコードするか、もしくは発現させる遺伝子構築体である。より好ましい態様では、VEGFペプチドは、VEGF-AまたはVEGF-Dである。
本発明の実施において、VEGFペプチド、該ペプチドをコードする遺伝子構築体、VEGFアゴニストまたはVEGFアゴニストをコードする核酸は、血管、好ましくは、動脈まで、適当な形態で送達し得る。好ましくは、VEGFアゴニストは、子宮動脈に投与される。核酸は、ベクターと結合しない“裸の”形態で、または遺伝子治療ベクターにより送達し得る。特に、ウイルスもしくは非ウイルスベクターを使用し得る。
ベクター、特に、ウイルスベクターは、核酸または構築体の処置される対象の細胞ゲノムへの組み込みを達成するために、または核酸または構築体を細胞質に遊離させておくために、本発明において使用し得る。組み込みベクターが好ましい。
本発明における使用のための遺伝子構築体は、当分野で既知の適当な方法により、非ウイルスベクターまたはウイルスゲノムに組み込み得る。ウイルスゲノムは、次いで、適当な手段により、ウイルス外被またはカプシドにパッケージされ得る。特に、すべての適当なパッケージング細胞株を、本発明のウイルスベクターを作製するために使用し得る。これらのパッケージング株は、それらが、典型的にはそれらのゲノムに組み込まれた、複製欠損ゲノムから除去された遺伝子を含むので、本発明の複製欠損ウイルスゲノムを補完する。したがって、パッケージング細胞株の使用により、本発明のウイルスベクターが培養物中で作製されるのを可能にする。適当なパッケージング細胞株は、PA317細胞、Ψ-2細胞、CRE細胞、CRIP細胞、E-86-GP細胞、Fly細胞、293株細胞および293GP細胞の誘導体を含む。
本発明のVEGFアゴニストは、すべての投与形態で、例えば、局所、皮膚、非経腸、筋肉内、皮下もしくは経皮投与により、または血流への直接注射、動脈壁もしくはその周辺への直接注射により、または粘膜組織への直接適用により投与し得る。好ましくは、投与は、子宮動脈への注射による。
VEGFアゴニストは、血管、例えば、子宮動脈に外部から入れたインプラントにより送達され得る。そのようなインプラントは、VEGFアゴニストを含み、薬剤の貯蔵器を提供する。
VEGFアゴニストは、好ましくは、薬学的に許容される担体を含む医薬製剤の形態で送達される。すべての適当な医薬製剤を使用し得る。
例えば、適当な製剤は、抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、殺菌性抗生物質および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性および非水性滅菌注射溶液; および懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液を含み得る。製剤は、単一投与用もしくは複数投与用容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提供し得て、使用の直前に、滅菌液体担体、例えば、注射用の水の添加のみを必要とする凍結もしくは凍結乾燥条件で貯蔵し得る。
特に上記した成分に加えて、本発明の製剤は、問題になっている製剤の型に関する分野において慣習的である他の薬剤を含み得ることが理解されるべきである。考えられる製剤の中で、滅菌ピロゲンフリー水性および非水性溶液が好ましい。
VEGFアゴニストは、すべての適当な用量で、すべての適当な用量レジメンを用いて送達し得る。当業者は、用量およびレジメンを、多くの因子に依存して、処置される特定の状態の最適な処置を保証するために適合させ得ることを十分に理解している。そのような因子のいくつかは、処置される対象の年齢、性別および臨床状態であり得る。
ウイルスもしくは非ウイルスベクターにより、VEGF遺伝子構築体の送達のために使用される用量は、ベクターがVEGF核酸を細胞に送達する効率、およびVEGF核酸が細胞内で発現する効率を含む、多くの因子に依存する。投与スケジュールは、また、例えば、投与経路、レシピエントの種およびレシピエントの状態にしたがって変わり得る。しかしながら、単回投与および数日、数週間もしくは数ヶ月にわたる複数回投与が想定される。
研究
材料および方法
実験動物:
妊娠期間(145日の妊娠期間)が88から102日である、単胎(n = 3)で、または双胎(n = 3)で妊娠した6頭のRomney種の雌羊を、これらの実験のために使用した。雌羊は、排卵を誘導するために、2週間、膣内のプロゲステロン坐薬(製造者)を受けた後、一定期間交尾を行った(time-mated)。一晩、餌を控えた後、一般麻酔を、チオペンタールIV (20mg/kg 製造者)を用いて、雌羊に誘導した。雌羊に、11サイズの気管内チューブ(Jorgen Kruuse, Denmark)を挿管し、Manley MP5人工呼吸器(Blease Medical Equipment Ltd, UK)により、O2中、2%のハロタンで維持した。母体の拍動および呼吸数、血圧、酸素および二酸化炭素飽和ならびにコア温度は、手順どおり測定した。雌羊は、鎮痛のために01 mg/kg IMブプレノルフィン(Alstoe Animal Health, UK)を受け、感染を予防するために、Penstrep (プロカインペニシリン200 mg/mlおよび硫酸ジヒドロストレプトマイシン250 mg/ml、Norbrook Laboratories Ltd, UK)を受けた。雌羊は、抜管後、回復した。手術の翌日、胎児の生存および健康状態を、すべての動物において、超音波を用いてモニターした。動物におけるすべての手順は、UK Home Office regulationsおよびthe Guidance for the Operation of Animals (Scientific Procedures) Act (1986)にしたがって、行われた。
雌羊および胎児の超音波試験:
Acuson 128 XP10超音波スキャナー(Siemens, Bracknell, UK)を、すべての超音波イメージングのために使用した。胎児バイオメトリーを手術前に評価し、標準的な測定法(Barbera A, Jones OW et al., 1995;Kelly RW & Newnham JP, 1989;Kelly RW & Newnham JP, 1989)にしたがって、正確な妊娠期間を確認するために使用した。雌羊は、30分間、換気され、母体の酸素および二酸化炭素レベル、脈拍および呼吸数ならびに温度の安定した状態を達成した。子宮動脈内の血流は、Acuson C3 3.5MHz曲線トランスデューサーを用いて、カラードップラー測定法により評価した。外腸骨動脈は、それが、母体鼠径部中、下肢まで流れるものとして同定された。子宮動脈(UtA)は、ちょうど、それが外腸骨動脈と交差するものとして同定され、少なくとも3回の完成した心臓周期を有するドップラー波形が得られた。トランスデューサーを、UtA血流がトランスデューサーに対して90oになるように置いた。血管直径(D)は、カラードップラーピクセルにより明確にされた腔の外壁間の血管腔と垂直に測定した。カラーゲインは、血管からの出血がなくなるまで減少した。次いで、トランスデューサーを、UtA血流の方向がトランスデューサーと平行および最大限それと35oの範囲になるように調整した。ゲートを、すべての血管を包含するように増加させた。次いで、完成した心臓周期の波形を選択し、その後、コンピューター作製時間平均速度(TAMx, m/sec)およびピーク速度(Vmax)を、これらの周期から産生した。UtA血流量は、平均速度およびその点での動脈の断面領域の産物として決定し、ここで、測定は、下記の式にしたがって行われた:
Figure 2010519286
コンピューター作製拍動性指標(PI)および抵抗性指標(RI)は、また、UtAの各々から、トリプリケートで記録された。臍動脈(UmA)を、また、臍の遊離環(free loop)で、ドップラー速度計測を用いて調べ、PIおよびRIを決定した。各子宮または臍動脈を3回測定し、測定の平均を得た。
動物手術
手術は、徹底した無菌下で行った。雌羊の腹部を、正中切開開腹法により開き、子宮動脈を同定した。主要な血管を、その最も近接した部分で、手動により閉塞し、VEGF-A (n = 5の雌羊)もしくはVEGF-D (n = 1の雌羊)遺伝子(10mlの通常の生理食塩水中、5 x 1011粒子)を含むアデノウイルスベクターを、23標準規格注射針およびシリンジで、1分間にわたりゆっくりと注入した。閉塞は、さらに4分間維持され、5分間の全閉塞時間を提供した。これを、lacZレポーター遺伝子を含むアデノウイルスベクターを用いて、反対のサイドで繰り返した。実験を通して、オペレーターは、どちらのサイドがVEGF-Aアデノウイルスベクターを受けているかについて見なかった。腹直筋鞘を、Mersileneテープ(製造者)で閉じ、皮膚を、1/0 シルク(製造者)で縫合した。
切開
手術後の4 - 7日間、上記したとおり、雌羊に再び麻酔をかけた。安定した状態を達成し、母体の酸素および二酸化炭素レベル、脈拍および呼吸数ならびに温度を、できるだけ前に操作したものに合わせるために、30分間、雌羊を換気した。ドップラー測定法を、次いで、上記したとおり繰り返した。UtAおよびそれらの分岐(branches)を、組織から切り離し、ゆるく結んだ。麻酔下で、雌羊を、静脈内へのペントバルビタール(Euthatal, Rhone Merieux, Essex UK)の過剰投与を用いて、安楽死させた。UtAおよびそれらの分岐を結紮し、伸張することなく除去し、下記の組成(mMで)のKrebs-Henseleit緩衝溶液(pH 7.4)に入れる: 115.21 NaCl、4.7 KCl、1.80 CaCl2、1.16 MgSO4、1.18 KH2PO4、22.14 NaHCO3、11.1 グルコースおよび0.03 Na2EDTA。動脈を、脂肪および接着組織から除去し、それらを、解析のために、5つの切片に分割する。
Organ bath実験:
両サイドからの動脈を分離し、個々の環切片に切断する(2-3 mmの長さ)。各環を、95% O2-5% CO2の混合物で平衡化し、7.3から7.4のpHを提供する、Krebs-Henseleit緩衝溶液を含んだ25mlのorgan bath中の、2つのステンレス製のL型ピン間で懸濁した。温度は、37℃で行った。環を、1 grの他動張力の等価まで伸張させ、活動張力の最大検出を可能にした。伸張後、環を、1時間平衡化し、その間、それらを15分ごとに洗浄する。各実験の最初に、環切片を、KCl (70 mM)で脱分極し、血管の最大収縮能力を決定した。次いで、環を、Krebs-Henseleit緩衝液で完全に洗浄し、平衡化した。内皮細胞の機能的統合性を、通常の、フェニレフリン(PE) (10-6 M)で得られた収縮の間、ブラジキニン(BK) 10-6 Mにより誘導される弛緩の存在により確認した。収縮を調べるために、PE (10-9 Mから10-5 M)に対する用量応答曲線を決定した。内皮細胞依存性弛緩を調べるために、血管を、PE (EC70)で、あらかじめ収縮させ、BK (10-10 Mから10-5 M)の累積弛緩曲線を構築した。
組織学
組織サンプルを、10% ホルマリンで一晩固定し、70% エタノールに移し、パラフィン処理した。切片を、形態学的な評価のために、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。β-ガラクトシダーゼは、マウスモノクローナル抗体(Promega, Southampton)、その後、標準的なアビジン-ビオチンペルオキシダーゼ法を用いて、免疫組織化学的に検出した。VEGFは、免疫組織化学的に検出した。
LacZレポーター遺伝子発現
子宮動脈およびそれらの分岐および胎盤節におけるβ-ガラクトシダーゼレベルは、市販で利用可能なアッセイキット(Boehringer Mannheim, Mannheim, Germany)を用いて、ELISAにより決定した。β-ガラクトシダーゼレベルは、各サンプルのタンパク質量まで標準化し、ビシンコニン酸タンパク質アッセイ系(Pierce, Illinois)により決定した。あるいは、組織を、100% エタノールで一晩固定し、次いで、PBSで洗浄した。β-ガラクトシダーゼ発現の組織化学的局在は、該組織と5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトシド(X-gal)を、暗室で一晩インキュベートすることにより検出した。標本を、100% メタノールで脱水し、安息香酸ベンジルおよびベンジルアルコール混合物(2:1 v/v)に移した。組織除去後、標本を、デジタルカメラ(Olympus)を用いて、解剖顕微鏡下で撮影した。
統計解析
データは、所望により、スチューデントT検定を用いて解析した。Two-way ANOVA a General Linear Model関数およびTukey対比較を、UABF血流分析について、Minitab numberおよび(製造者)を用いて行った。すべての値は、平均±S.E.Mまたは平均±SDとして示す。organ bath実験に関して、収縮効果は、KCl (70 mM)に対する応答の割合として示す。弛緩は、フェニレフリン誘導収縮の阻害割合として示した。最大値の半分の効果を産生するアゴニストの濃度(EC50値)は、pD2 (-log EC50)として示した。pD2値を、対応のないt検定およびtwo-way ANOVAにより比較した。n値は、ドナーの数を示す。統計学的有意は、P<0.05で容認される。
結果
実験手順後の生存率は、100%であり、検視で示された胎児または雌羊の罹患は、ほとんど認められなかった。母体の脈拍数、呼吸数および血圧は、アデノウイルスベクターの注入により、ほとんど変わらなかった。
母体および胎児血管のドップラー速度計測
アデノウイルスVEGF-AもしくはlacZの送達は、各動物で、注入のサイドでの子宮動脈血流を増加させたが、該増加は、VEGF-Aサイドでずっと大きかった。平均増加は、408 ml/分(± SD 273、159 - 925の範囲)から1321 ml/分(± SD 727、391 - 2505の範囲)までであった。p値は、表1(下記)で示す。
子宮動脈血流はまた、アデノウイルスlacZ注入のサイドで、平均561 ml/分(± SD 281、195 - 862の範囲)から平均755 ml/分(± SD 193、461 - 1040の範囲)まで増加した。全子宮動脈血流は、平均1106 ml/分(± SD 767、286 - 2564の範囲)まで増加した。
GLIM関数およびTukey対比較を用いたtwo-way ANOVAを用いて、最大の有意差が、VEGF-A注入の前後の血流で見られた(p = 0.005)。VEGF-A注入後の血流は、また、lacZ注入前の血流と比較してかなり増加したが(p = 0.019)、lacZ注入後の血流とは有意差はなかった(p = 0.085)。VEGF-A注入前と比較して、またはlacZ注入後と比較して、lacZ注入前の血流は、有意差はなかった。
表1
Figure 2010519286
1頭の雌羊でのVEGF-Dの注入は、子宮動脈血流を増加させなかった(VEGF-D注入サイド: 1059 ml/分 ± SD 105(注入前)から1017 ml/分 ± SD 76(注入後)まで; lacZ注入サイド: 702 ml/分 ± SD 20(注入前)から724 ml/分 ± SD 74(注入後))。
臍動脈での血流は、また、ドップラー速度計測を用いて調べた。VEGF-Aもしくは-Dの注入前後のPI、RIまたは胎児心拍数で、ほとんど変化は見られなかった。
Organ bath結果
フェニレフリンは、用量依存性収縮を産生し、それは、Ad.VEGF-Aを形質導入した動脈で、Ad.lacZ形質導入血管と比較して、より小さかった(各々、Emax 148±SEM 10.9 対 228.2±SEM 27.5; 両群についてn=6; P< 0.05)。ブラジキニン(10-11から10-6 mol/L)は、内皮細胞依存性弛緩を生じた。この弛緩は、Ad.VEGF-Aで形質導入した動脈で、Ad.lacZで形質導入したものと比較して、かなり増加した(pD2(-log EC50)値は、各々、9.11±0.01 対 8.65±0.11であった; 両群についてn=6; P< 0.05)。5頭の動物は、VEGF-Aを受け、1頭の動物は、VEGF-Dを受けた。
VEGF発現
VEGFタンパク質発現は、VEGF ELISA解析(R and D systems, MN, USA)を用いて、4頭の動物のUtAおよび1頭の動物の胎盤節で検出され、それは、VEGF免疫組織化学で確認された。
LacZ発現
アデノウイルスlacZベクターを注入した子宮動脈は、β-ガラクトシダーゼを発現した。組織サンプリングの翌日に行ったX-gal染色は、3頭の動物の子宮動脈内で、ポジティブなlacZ発現を示した。
ELISAによる定量は、同じ3頭の動物の子宮動脈および分岐で、かなりのレベルのβ-ガラクトシダーゼ発現を示した。2頭の他の動物から得た子宮動脈のサンプルは、解析のためにはあまりに小さすぎ、これは、これらの動物でのネガティブな結果に関与し得る。
すべての場合に、アデノウイルスVEGF-AもしくはVEGF-Dを注入した子宮血管は、ネガティブコントロールとして解析され、X-gal組織化学、免疫組織化学またはELISA解析により、LacZ発現を示さなかった。
考察
この研究で、妊娠中の羊の子宮動脈における、VEGFのアデノウイルス仲介局所発現の効果を調べた。ドップラー超音波速度計測を用いて、子宮動脈内の血流を調べると、それが、レポーター遺伝子を有するアデノウイルスを注入した対側のコントロールサイドと比較して、アデノウイルスVEGFベクターを受けたサイドで、かなり増加することが示された。
これらの子宮動脈をインビトロで調べると、コントロールサイドと比較して、ブラジキニンに対するそれらの弛緩応答は、かなり促進され、フェニレフリンに対するそれらの収縮応答は、かなり減少していた。これらの結果は、VEGF発現が注入された子宮動脈で生じていることを示しており、これは、VEGFおよびβ-ガラクトシダーゼ免疫組織化学、X-gal組織化学およびβ-ガラクトシダーゼELISAの結果により支持される。
この研究は、VEGFを投与すると、子宮動脈の血流がかなり増加することを示す。血流の増加は、胎児成長の増大を達成するのに十分であり、生存に適合した出生児体重および妊娠期間での新生児の出産を可能にし得る。

Claims (6)

  1. 妊娠中の胎児発育遅延に関連する疾患の処置における使用のための、VEGF受容体のアゴニスト。
  2. VEGFペプチドまたは該ペプチドをコードするか、もしくは発現させる遺伝子構築体である、請求項1に記載のアゴニスト。
  3. 子宮内胎児発育遅延の処置における使用のための、請求項1または2に記載のアゴニスト。
  4. 妊娠中の胎児発育遅延に関連する疾患の処置における使用用医薬の製造のための、VEGF受容体のアゴニストの使用。
  5. 該アゴニストが、VEGFペプチドまたは該ペプチドをコードするか、もしくは発現させる遺伝子構築体である、請求項4に記載の使用。
  6. 子宮内胎児発育遅延の処置における使用のための、請求項4または5に記載の使用。
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