JP2010513405A - 二量体プロラクチンレセプターリガンド - Google Patents

二量体プロラクチンレセプターリガンド Download PDF

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Abstract

本特許出願は、プロラクチン分子のアンタゴニスト二量体及び癌の処置におけるそれらの使用に関する。

Description

本発明は、新規なプロラクチンレセプターアンタゴニスト化合物、これら化合物を含有する医薬組成物、及び増殖性疾患に関連する病気の処置のための化合物の使用に関する。
プロラクチンが癌細胞の増殖促進因子としての役割を担っている可能性があることが最近の証拠により示唆された(Libyら Breast Cancer Research and Treatment 79, 241-252 (2003); Clevengerら Endocrine Rev. 24, 1-27 (2003))。インビトロでの実験で、プロラクチンレセプターアンタゴニストG129R-hPRLが、タモキシフェンと併用された場合に、T47D乳癌細胞の増殖阻害に対して相加的効果を示すことが証明された(Chenら Clin. Cancer Res. 5, 3583 (1999))。同じ化合物単独では、T47D腫瘍異種移植片増殖のインビボ阻害を示した(Chenら Int. J. Oncology, 20, 813-818 (2002))。
しかしながら、高レベルのこれらプロラクチンレセプターアンタゴニストが、インビボでの効果を得るために必要である(Goffinら Endocrine Rev. 26, 400-422 (2005))。
レセプターアンタゴニスト多量体を生じせしめることで、更に長い血清半減期を有するより強力なホルモンアンタゴニストを生成するための近年の試みで、驚くべきことに、かかるレセプターアンタゴニスト多量体がレセプターアゴニストとして作用することが見出された(国際公開第03/089582号)。
後の実験(Langeheimら Mol Endocrinol. 20(3), 661-674 (2006)では、リガンドが、レセプター媒介性シグナル伝達を引き起こすためには2つの機能的結合部位を有していなければならないことが示されたが、これは:
1.部位1+部位2、又は
2.部位1+部位1
でありうる。
1:2のリガンド-レセプター複合体モデルの3次元図の例を図1に示す。
従って、2つのレセプターアンタゴニストを連結させると、プロラクチンレセプター媒介性シグナル伝達を活性化可能な2つの機能的結合部位を有する二量体が生じる。
本発明は、第一プロラクチンレセプター結合単量体、第二プロラクチンレセプター結合単量体、及びリンカーを含有するプロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体であって、各単量体が第一及び第二プロラクチンレセプター結合部位を有し、第一単量体及び第二単量体が、得られる二量体が2つの機能的レセプター結合部位を有するように、各単量体の所定位置でリンカーにコンジュゲートしている二量体を提供する。
また本発明は、増殖性疾患の治療又は予防方法で、本発明のプロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体を投与することを含む方法を提供する。
更に本発明は、増殖性疾患を治療又は予防する医薬の製造における、プロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体の使用を提供する。
また更に本発明は、増殖性疾患の治療又は予防に使用される、プロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体を含有する医薬組成物を提供する。
1:2のリガンド-レセプター複合体モデルの3次元図を示す。 図2は、アジレント2100バイオアナライザー・プロテイン230キットを使用した様々なサンプルのタンパク質分析を示す。レーン1:PRL G129Rアナログ(還元)、レーン2:PRL二量体1(還元)、レーン3:PRL G129Rアナログ、レーン4:PRL二量体1 マトリックスとしてα-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸を使用するPRL二量体1のMALDI-TOF質量/荷電スペクトルを示す。 図4A(上枠)は、トリプシン消化PRL二量体1の質量/荷電スペクトルを示し、PRLの残基126−142のジスルフィド結合二量体を含むペプチド断片(m/z=3790、z=1)に対応するピークを示す。図4B(下枠)は、DTT処理されたトリプシン消化PRL二量体の質量/荷電スペクトルを示す。0033は、PRL 12-199 Q12S E128Cである。 PRL二量体の円二色性スペクトルを例示する。 実施例に記載されたホスホ-STAT3 ELISAの結果を示す。図のカラム1は未処理の細胞;カラム2:+10nMのPRL、カラム3:+10nMのPRL+10nMのPRL二量体1;カラム4:+10nMのPRL+50nMのPRL二量体1;カラム5:+10nMのPRL+100nMのPRL二量体1である。 実施例に記載されたウエスタンブロットによるSTAT5チロシンホスホリル化の結果を示す。PRL及びPRLRアンタゴニスト二量体の量を示す。二量体はPRL12-199 Q12S E128Cである。 実施例9に記載された細胞遊走アッセイの結果を示す。図のカラム1はT47D細胞の基底遊走レベル(化学誘因物質存在せず)を表す:カラム2:5nMのPRLを、下部チャンバーにて化学誘因物質として使用;カラム3:5nMのPRLを、下部チャンバーにて化学誘因物質として使用;10nMの二量体が上部チャンバーに存在;カラム4:5nMのPRLを、下部チャンバーにて化学誘因物質として使用;100nMの二量体が上部チャンバーに存在;カラム5:下部チャンバーに化学誘因物質を添加せず;10nMの二量体が上部チャンバーに存在;カラム6:下部チャンバーに化学誘因物質を添加せず;100nMの二量体が上部チャンバーに存在;20×顕微鏡視野の1/6の細胞数±SD(n=10)を示す。
これまでの研究では、単量体自体はアンタゴニストであったが、N末端及びC末端でコンジュゲートした単量体から遺伝子操作された二量体はアゴニストとして作用することが示された(Langeheimら Mol Endocrinol. 20(3), 661-674 (2006))。よって、必要な結合部位を有するリガンドは、レセプター二量体化を活性化し、従ってシグナル伝達を可能にすると推定された(国際公開第03/089582号)。
本発明は、第一プロラクチンレセプター結合単量体、第二プロラクチンレセプター結合単量体、及びリンカーを含有するプロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体であって、各単量体が第一及び第二プロラクチンレセプター結合部位を有し、第一単量体及び第二単量体が、得られる二量体が2つの機能的レセプター結合部位を有するように、各単量体の所定位置でリンカーにコンジュゲートしている二量体を提供する。
プロラクチンは、約24000ダルトンの分子量を有する199アミノ酸残基の単鎖ポリペプチドである。これは、下垂体前葉(脳下垂体前葉)、乳房、及び脱落膜で合成され、成長ホルモン(GH)及び胎盤性ラクトゲン(PL)に類似した構造を有している。3つのジスルフィド結合の活性によって、分子は折り畳まれている。ヒトプロラクチンの配列を配列番号1に与え、ヒト成長ホルモンの配列を配列番号2に与え、ヒト胎盤性ラクトゲンの配列を配列番号3に与える。
プロラクチンの断片及びアナログを記載するために簡単な系を使用する。例えばG129R-PRLは、129位にある天然に生じたアミノ酸残基グリシン(G)をアルギニン(R)で置換することにより、プロラクチンから形式的に誘導されるプロラクチンのアナログを命名したものである。PRL(9-199)及びPRL(12-199)は、鎖の最初の8又は11個のアミノ酸を除去することにより、PRLから形式的に誘導された断片を命名したものである。
ヒトプロラクチン(hPRL)は、互いにプロラクチンレセプターと相互作用して、1:2のリガンド-レセプター複合体を形成する2つの別個で異なった結合部位(部位1及び部位2)を有している。適切なリガンド誘導性レセプター二量体化は、それぞれシグナル伝達性転写因子STAT5又はSTAT3を刺激する、チロシンキナーゼJAK2又はJAK1のレセプター関連ヤヌスファミリーの活性化を引き起こす立体構造変化を誘導する。また、レセプターの活性化は、Ras/Raf/MAPKキナーゼ/Erk1/2及びホスファチジルイノシトール-3キナーゼ/Aktシグナル伝達経路の活性化を生じる。これらのリガンドのレセプターが細胞の分化、増殖、及び/又は生存を誘導するのは主としてこれらの経路を介してである。
結合プロセスは、2つのレセプター結合部位間での親和性の差のために、順次的であることが報告されている。よって、高親和性部位(部位1)は第一レセプターと相互作用し、これが、低親和性部位(部位2)が第二レセプターと相互作用できるように、リガンド中の立体構造変化を引き起こす。レセプターのリガンド誘導性二量体化は、hPRLシグナル伝達に必須である。
「部位2」の構造的完全性に影響を及ぼす変異を有する単量体リガンドは、機能性レセプター結合部位を一つしか有しておらず、よって一方のレセプターにしか結合せず、適切なレセプターの二量体化が防止されるため、シグナル伝達を活性化しない。かかる分子はレセプターを活性化せず、機能的レセプターアンタゴニストとして作用する。
現在、6種のプロラクチンレセプターアンタゴニストが文献では知られている(Goffinら Endocrine Rev. 26, 400-422 (2005)):
(a)G120R/K-hGH、ヒト成長ホルモン変異体;
(b)G120R-hPL、ヒト胎盤性ラクトゲン変異体;
(c)G129R-hPRL、ヒトプロラクチンの完全長変異体;
(d)S179D-hPRL、ヒトプロラクチンの完全長変異体;
(e)G129R-hPRL(10-199)、ヒトプロラクチンの切断型変異体;及び
(f)G129R-hPRL(15-199)、ヒトプロラクチンの切断型変異体
ここで使用される「プロラクチンレセプター結合単量体」なる用語は、プロラクチンレセプターに対する結合可能性を有するリガンドを意味する。リガンドはポリペプチド、例えばプロラクチン、プロラクチンアナログ、又はプロラクチンレセプターへの同じ結合可能性を有する他のホルモン又はアナログ、例えば成長ホルモン(GH)又は成長ホルモンアナログ、及び胎盤性ラクトゲン(PL)又は胎盤性ラクトゲンアナログでありうる。一実施態様では、プロラクチンレセプター結合単量体はプロラクチンレセプターアンタゴニスト単量体である。
ここで使用される「ポリペプチド」及び「ペプチド」なる用語は、ペプチド結合により連結した少なくとも5の構成アミノ酸からなる化合物を意味する。構成アミノ酸は、遺伝暗号によりコードされるアミノ酸の群からのものであってよく、またそれらは遺伝暗号によりコードされない天然アミノ酸、並びに合成アミノ酸であってもよい。遺伝暗号によりコードされない天然アミノ酸は、例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、オルニチン、ホスホセリン、D-アラニン及びD-グルタミンである。合成アミノ酸は、化学合成により製造されたアミノ酸、すなわち遺伝暗号によりコードされるアミノ酸のD-異性体、例えばD-アラニン及びD-ロイシン、Aib(a-アミノイソ酪酸)、Abu(a-アミノ酪酸)、Tle(tert-ブチルグリシン)、β-アラニン、3-アミノメチル安息香酸、及びアントラニル酸を含む。
ポリペプチドに言及してここで使用される「アナログ」なる用語は、ペプチドの一又は複数のアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基で置換され、及び/又は一又は複数のアミノ酸残基がペプチドから欠失され、及び/又は一又は複数のアミノ酸残基がペプチドに付加されている修飾ペプチドを意味する。アミノ酸残基のこのような付加又は欠失は、ペプチドのN末端及び/又はペプチドのC末端で起こりうる。光学異性体と記載されていない全てのアミノ酸はL-異性体を意味するものと理解されなければならない。
ここで使用される「プロラクチンアナログ」なる用語は、プロラクチンレセプターに対する結合可能性を有しているプロラクチンアナログを意味する。一実施態様では、プロラクチンアナログは、配列番号1と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。一実施態様では、プロラクチンアナログは、配列番号1と少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。
ここで使用される「成長ホルモンアナログ」なる用語は、プロラクチンレセプターに対する結合可能性を有する成長ホルモンアナログを意味する。一実施態様では、成長ホルモンアナログは、配列番号2と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。一実施態様では、成長ホルモンアナログは、配列番号2と少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。
ここで使用される「胎盤性ラクトゲンアナログ」なる用語は、プロラクチンレセプターに対する結合可能性を有している胎盤性ラクトゲンアナログを意味する。一実施態様では、胎盤性ラクトゲンアナログは、配列番号3と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。一実施態様では、胎盤性ラクトゲンアナログは、配列番号3と少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。
当該分野で知られている「同一性」なる用語は、配列を比較することにより決定される、2又はそれ以上のペプチド配列間の関係を意味する。当該分野において、「同一性」とは、2又はそれ以上のアミノ酸残基のストリング間の適合数により決定される、ペプチド間の配列関連性の度合いを意味する。「同一性」は、特定の数学的モデル又はコンピュータプログラム(すなわち「アルゴリズム」)により処理されるギャップアラインメント(もしあれば)を用いて、2又はそれ以上の配列の同一適合性のパーセントを測定する。関連ペプチドの同一性は、知られている方法により容易に算出することができる。このような方法は、限定されるものではないが、 Computational Molecular Biology, Lesk, A. M編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D. W編, Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part 1, Griffin, A. M.,及びGriffin, H. G編, Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. 及びDevereux, J編, M. Stockton Press, New York, 1991;及びCarilloら, SIAM J. Applied Math., 48:1073 (1988)に記載されているものを含む。
同一性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間に最も大きな適合性を付与するように設計される。同一性を決定するための方法は、公に入手可能なコンピュータプログラムに記載されている。2つの配列間の同一性を決定するための好ましいコンピュータプログラム方法は、GAP(Devereuxら, Nucl. Acid. Res., 12:387(1984)を含むGCGプログラムパッケージ;Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, Wis.)、BLASTP、BLASTN、及びFASTA(Altschulら, J. Mol. Biol., 215:403-410(1990))を含む。BLASTXプログラムは、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)及び他の供給源(BLAST Manual, Altschulら, NCB/NLM/NIH Bethesda, Md. 20894;Altschulら, 上掲)から公に入手可能である。よく知られているスミス・ウォーターマン・アルゴリズム(Smith Waterman algorithm)も、同一性を決定するために使用されうる。
例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, Wis.)を使用して、パーセント配列同一性が測定される2つのペプチドを、その各アミノ酸が最適に適合するように整列させる(アルゴリズムにより決定される「適合スパン」)。ギャップ開裂ペナルティ(平均ダイアゴナルの3倍と算出される;「平均ダイアゴナル」は使用される比較マトリックスのダイアゴナルの平均である;「ダイアゴナル」とは、特定の比較マトリックスにより各完全アミノ酸マッチに割り当てられるスコア又は数である)及びギャップ伸長ペナルティ(通常、ギャップ開裂ペナルティの{分率(1/10)倍}である)、並びに比較マトリックス、例えばPAM250又はBLOSUM62が、アルゴリズムと共に使用される。標準的な比較マトリックス(PAM250比較マトリックス用には、Dayhoffら, Atlas of Protein Sequence and Structure, vol.5, supp.3(1978);BLOSUM62比較マトリックス用には、Henikoffら, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:10915-10919(1992)を参照)もまたアルゴリズムにより使用される。
ペプチド配列比較のために好ましいパラメータは、次のものを含む:
アルゴリズム:Needlemanら, J. Mol. Biol, 48:443-453(1970);比較マトリックス:Henikoffら, PNAS. USA, 89:10915-10919(1992)のBLOSUM62;GAPペナルティ:12、GAP長ペナルティ:4、類似性閾値:0。
GAPプログラムは上述のパラメータの場合が有用である。上述のパラメータは、GAPアルゴリズムを使用するペプチド比較(末端ギャップに対するペナルティを伴わない)のための初期設定パラメータである。
一実施態様では、プロラクチンアナログは、配列番号1と少なくとも80%類似しているアミノ酸配列を有する。一実施態様では、プロラクチンアナログは、配列番号1と少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%類似しているアミノ酸配列を有する。
一実施態様では、成長ホルモンアナログは、配列番号2と少なくとも80%類似しているアミノ酸配列を有する。一実施態様では、成長ホルモンアナログは、配列番号2と少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%類似しているアミノ酸配列を有する。
一実施態様では、胎盤性ラクトゲンアナログは、配列番号3と少なくとも80%類似しているアミノ酸配列を有する。一実施態様では、胎盤性ラクトゲンアナログは、配列番号3と少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%類似しているアミノ酸配列を有する。
「類似性」なる用語は、同一性に関連した概念であるが、「同一性」とは異なり、同一適合性と保存的置換適合性の双方を含む配列関係を意味する。2つのポリペプチド配列が、例えば(分率(10/20))同一のアミノ酸を有し、残りが全て非保存的置換であるならば、パーセント同一性及び類似性は、双方とも50%である。同じサンプルにおいて、保存的置換が5を越える位置で存在するならば、パーセント同一性は50%のままであるが、パーセント類似性は75%((分率(15/20))になる。よって、保存的置換が存在する場合、2つのポリペプチドの間の類似性の度合いは、それら2つのポリペプチドの間のパーセント同一性よりも高い。
所定のアミノ酸配列を含むペプチドの保存的修飾(及びコード化核酸に対する対応の修飾)により、その所定のアミノ酸配列を含むペプチドのものと類似した機能的及び化学的特徴を有するペプチドが生成される。これに対して、元のペプチドと比較して、かかるペプチドの機能的及び/又は化学的特徴における実質的な修飾は、(a)置換領域における分子骨格の構造、例えばシート又はヘリックス構造、(b)標的部位における分子の電荷又は疎水性度、又は(c)側鎖の嵩の維持に対するそれらの影響で顕著に異なるアミノ酸配列での置換を選択することにより、達成され得る。
例えば「保存的アミノ酸置換」は、その位置での、アミノ酸残基の極性又は電荷にほとんど又は全く影響を与えないような、非天然残基による天然のアミノ酸残基の置換を含み得る。更に、ポリペプチドにおける任意の天然残基は、「アラニンスキャンニング突然変異誘発」について先に記載されているように、アラニンで置換されうる(例えば、アラニンスキャンニング突然変異誘発を検討しているMacLennanら, Acta Physiol. Scand. Suppl. 643, 55-67(1998); Sasakiら, Adv. Biophys. 35, 1-24(1998)を参照)。
(保存的か非保存的かにかかわらず)所望のアミノ酸置換は、このような置換が所望された時点で、当業者により決定されうる。例えば、アミノ酸置換は、本発明のペプチドの重要な残基を同定し、又は既に記載された変異に加えて、レセプターに対するここで記載されたペプチドの親和性を増加又は減少させるために使用することができる。
天然に生じる残基は共通の側鎖特性に基づいたクラスに分けることができる:
1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、lie;
2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
3)酸性:Asp、Glu;
4)塩基性:His、Lys、Arg;
5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;及び
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
このような変化をさせる際、アミノ酸の疎水性親水性指標が考慮されうる。各アミノ酸には、それらの疎水性及び電荷特性に基づき、疎水性親水性指標があてがわれており、これらは、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタマート(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラタート(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);及びアルギニン(−4.5)である。
タンパク質に相互作用的な生物学的機能を付与する際における疎水性親水性アミノ酸指標の重要性は当該分野で理解されている。Kyteら, J. Mol. Biol., 157, 105-131(1982)。ある種のアミノ酸は、類似した疎水性親水性指標又はスコアを有する他のアミノ酸に置換されてもよく、類似した生物活性を保持していることも知られている。疎水性親水性指標に基づく変化をさせる際、その疎水性親水性指標が±2の範囲内にあるアミノ酸の置換が好ましく、また±1の範囲内にあるものが特に好ましく、更には±0.5の範囲内にあるものが更により好ましい。
類似のアミノ酸の置換は、特にそれにより生じた生物学的、機能的に等価なタンパク質又はペプチドが、本願の場合におけるように、免疫学的実施態様に使用されることを意図されている場合、親水性度に基づき効果的になされることがまた当該分野では理解されている。その隣接するアミノ酸の親水性度により支配されるタンパク質の最も高い局所的平均親水性度は、その免疫原性及び抗原性、すなわちタンパク質の生物学的特性と相関する。
次の親水性値が、アミノ酸残基に対して割り当てられている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラタート(+3.0±1);グルタマート(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4)。類似した親水性値に基づき変化させる際、その親水性値が±2の範囲内にあるアミノ酸の置換が好ましく、±1の範囲内にあるものが特に好ましく、±0.5の範囲内にあるものが更に好ましい。また、親水性度に基づく一次アミノ酸配列からエピトープを同定してもよい。これらの領域は「エピトープコア領域」とも称される。
ここで使用される「プロラクチンレセプターアンタゴニスト単量体」なる用語は、プロラクチンレセプターにアンタゴニスト活性を有し、よって一又は複数の細胞プロセスのインヒビターとして作用するプロラクチンレセプター結合単量体を意味する。このようなプロラクチンアンタゴニスト活性は、Langenheim, J.F.ら, Mol Endocrinol. 20(39), 661-674 (2006)に詳しく記載されているように、STAT5のリン酸化状態のウエスタンブロット分析により測定され得る。
ここで使用される「プロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体」なる用語は、一又は複数の細胞プロセスのインヒビターとして作用するプロラクチンレセプター結合二量体を意味する。このようなプロラクチン拮抗活性は、Langenheim, J.F.ら, Mol Endocrinol. 20(39), 661-674 (2006)に詳しく記載されているように、STAT5のリン酸化状態のウエスタンブロット分析により測定され得る。ここで使用される「プロラクチンレセプター結合二量体」なる用語は、2つのプロラクチンレセプター結合単量体を含有する二量体を意味する。
ここで使用される「第一プロラクチンレセプター結合部位」なる用語は、第一プロラクチンレセプターと相互作用する高親和性部位を持つプロラクチンの領域を意味する。プロラクチンのこの領域は当業者によく知られており、「部位1」として交換可能に知られている(Langenheim, J.F.ら, Mol Endocrinol. 20(39), 661-674 (2006))。
ここで使用される「第二プロラクチンレセプター結合部位」なる用語は、第二プロラクチンレセプターと相互作用する低親和性部位を持つプロラクチンの領域を意味する。近年、部位1と第一レセプターとの相互作用が、リガンド内に立体構造的変化を誘発し、機能的部位2を生じせしめることが分かった。プロラクチンのこの領域は当業者によく知られており、「部位2」として交換可能に知られている(Langenheim, J.F.ら, Mol Endocrinol. 20(39), 661-674 (2006))。
一実施態様では、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一は、親ポリペプチドと比較して切断されていてもよい。ここでは、親ポリペプチドは、そこからプロラクチンレセプター結合単量体が誘導されたポリペプチド、特にヒトプロラクチン、ヒト成長ホルモン又はヒト胎盤性ラクトゲンとして理解されるべきである。一実施態様では、前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一はPRL(10-199)である。一実施態様では、前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一はPRL(12-199)である。一実施態様では、前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一はPRL(15-199)である。このような切断型単量体は、この領域におけるシステイン残基間の更なる又は代替のリンカー形成を防止しうる。
一実施態様では、プロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体は、2つの同一のプロラクチンレセプター結合単量体を含みうる。一実施態様では、リンカーは、各単量体の同じ残基位置に位置しており、二量体がホモ二量体である実施態様では、二量体は対称性である。ここで使用される「プロラクチンレセプターアンタゴニストホモ二量体」なる用語は、2つの同一のプロラクチンレセプター結合単量体を含むプロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体を意味する。
一実施態様では、二量体の一部である場合、各単量体は、機能的な第一プロラクチンレセプター結合部位のみを有する。例えば、リンカーは、コンジュゲートの後に、第二結合部位が破壊されるように、第二プロラクチンレセプター結合部位の内部又はこれに隣接した残基間に位置されうる。
一実施態様では、プロラクチンレセプター結合単量体は、プロラクチンレセプターアンタゴニスト単量体でありうる。例えば、これは、「部位2」の構造的完全性に影響を及ぼす変異の結果として破壊された第二結合部位によるものでありうる。
一実施態様では、リンカーは、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基14から40又はアミノ酸残基110から136の間に位置している。一実施態様では、リンカーは、双方のプロラクチンレセプター結合単量体において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基14から40又はアミノ酸残基110から136の間に位置している。
一実施態様では、リンカーは、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基17、20、21、24、25、121、125、128、129及び132の何れかに位置している。一実施態様では、リンカーは、双方のプロラクチンレセプター結合単量体において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、残基17、20、21、24、25、121、125、128、129及び132の何れかに位置している。
一実施態様では、リンカーは、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、残基125又は128の何れかに位置している。一実施態様では、リンカーは、双方のプロラクチンレセプター結合単量体において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、残基125又は128の何れかに位置している。
一実施態様では、リンカーは24結合と同じか、それより短い。「結合」とは、原子を組み合わせる化学結合を意味し、直鎖における結合のみを意味し、側鎖結合又は芳香族結合を含まない。
一実施態様では、本発明は、次の式(I):
Figure 2010513405
[上式中、
Y及びZは独立して、-S-、-NH-、-CR=、-CH-又は-CO-を表し、
ここで、Rは、水素、アリール又はC1−10-アルキルを表し;
Xは:
Figure 2010513405
から選択されるリンカーを表し、
ここで、Wは、-[CH]-、-CH-[CH-O-CH]-CH-、-CH=CH-、-CH-[CH=CH]-CH-、-NH-CH-[CH-O-CH]-CH-NH-、-NH-CH-[CH-O-CH]-CH-、
Figure 2010513405
を表し、
mは1〜22の整数である]
により表されるリンカーを提供する。
本明細書において、「アルキル」なる用語は、直鎖状(線形)、分枝状又は環状の飽和した一価の炭化水素基を示すことを意図している。「C1−10アルキル」は1〜10の炭素原子を有するアルキルである。
本明細書において、「アリール」なる用語は、例えば6〜8の員原子を有する単環又は多環の炭素環式芳香環基、又は例えば12〜18の員原子を有する芳香環系基を示すことを意図している。またアリールは、炭素環系の部分的に水素化された誘導体を含むことを意図しており、ここで、少なくとも一の環は芳香族である。このような部分的に水素化された誘導体の具体例には、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、フルオレニル及び1,4-ジヒドロナフチルが含まれる。
一実施態様では、Rは水素を表す。
一実施態様では、Rはアリールを表す。
一実施態様では、RはC1−10アルキルを表す。一実施態様では、RはC1-6アルキルを表す。C1-6アルキル基には、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、4-メチルフェニル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル(ネオペンチル)及び1,2,2-トリメチルプロピルが含まれる。
一実施態様では、リンカーは、2つのシステイン残基間に酸化的スルフィド架橋形成を含む。
一実施態様では、リンカーは、二官能性リンカーを含む。例えば、二量体化に使用される反応性二官能性リンカー前駆体は、次の式(IA):
Figure 2010513405
[上式中、nは0〜3の整数を表す]
を有していてもよい。
式(IA)のリンカーは、単量体のアミノ酸配列中の遊離のシステイン残基と反応すると考えられる。
必要とされるリンカー形成を促進させるために、上に定めた領域で、システイン残基で既存の残基を置換してもよいことが理解されるであろう。
更なる態様では、本発明は、次の式(II):
Figure 2010513405
[上式中、
PRL-A及びPRL-Bはそれぞれポリペプチドの基を表し、ここでポリペプチドはプロラクチンレセプターに結合可能であり;
-Y-X-Z-は、式(I)の化合物に対して上で定義されたリンカーである]
の化合物を提供する。
一実施態様では、PRL-A及びPRL-Bは互いに独立して、プロラクチン、プロラクチンアナログ、又はプロラクチンレセプターに対して同じ結合可能性を有する他のホルモン又はアナログ、例えば上述したような成長ホルモン(GH)又は成長ホルモンアナログ、及び胎盤性ラクトゲン(PL)又は胎盤性ラクトゲンアナログである。
一実施態様では、PRL-A及びPRL-Bは互いに独立して、親ポリペプチドと比較して切断されていてもよい。ここでは親ポリペプチドは、そこからPRL-A及び/又はPRL-Bが誘導されるポリペプチド、特にヒトプロラクチン、ヒト成長ホルモン又はヒト胎盤性ラクトゲンとして理解されるべきである。一実施態様では、PRL-A及び/又はPRL-BはPRL(10-199)である。一実施態様では、PRL-A及び/又はPRL-BはPRL(12-199)である。一実施態様では、PRL-A及び/又はPRL-BはPRL(15-199)である。
一実施態様では、PRL-A及びPRL-Bは同一であり、本発明のプロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体に関して、式(II)の化合物を上述したようなホモ二量体にする。
本発明のプロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体は、商業的に入手可能な出発物質及び/又は従来からの方法により調製される出発物質を使用し、種々の異なる経路を介して、プロラクチンレセプター結合単量体から合成されうる。ポリペプチドの生産は当該分野でよく知られている。例えば、ポリペプチドは古典的なペプチド合成法、例えばt-Boc又はFmocケミストリー又は他の十分に確立された技術を使用する固相ペプチド合成法により製造されうる。Green及びWuts, 「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley & Sons, 1999を参照。またポリペプチドは、ポリペプチドをコードし、ポリペプチドを発現可能なDNA配列を含む宿主細胞を、ペプチドの発現を可能にする条件下で、適切な栄養培地中で培養することを含む方法により生産されうる。非天然アミノ酸を含有するポリペプチドでは、組換え細胞は、例えばtRNA変異体の使用によって非天然アミノ酸がポリペプチド内に導入されるように修飾されるべきである。細胞を培養するために使用される培地は、宿主細胞の増殖に適切な任意の一般的な培地、例えば適切な栄養補助剤を含有する最小又は複合培地でありうる。ついで、細胞により生産されたポリペプチドは、一般的な手順により培養培地から回収され得る。
ポリペプチドをコードするDNA配列は、好適にはゲノム又はcDNA由来のものであり、例えばゲノム又はcDNAライブラリーを調製し、標準的な技術(例えば、Sambrook, J, Fritsch, EF及びManiatis, T, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989)に従い、特異的DNA又はRNAプローブを使用するハイブリダイゼーションにより、ペプチドの全体又は一部をコードするDNA配列をスクリーニングすることにより得られる。ポリペプチドをコードするDNA配列は、確立された標準的な方法、例えばBeaucage及びCaruthers, Tetrahedron Letters 22, 1859-1869(1981)に記載されたホスホラミダイト法、又はMatthesら, EMBO Journal 3, 801-805(1984)により記載された方法により合成的に調製されてもよい。DNA配列は、例えば米国特許第4683202号、又はSaikiら, Science 239, 487-491(1988)に記載されたようにして、特定のプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応により調製されてもよい。DNA配列は、簡便には組換えDNA手順を施されうる任意のベクターに挿入されてもよく、ベクターの選択は、それが導入される宿主細胞にしばしば依存する。ベクターは、ポリペプチドをコードするDNA配列が、プロモーター、ターミネーター、ポリアデニル化シグナル、転写エンハンサー配列、及び翻訳エンハンサー配列等の、DNAの転写に必要な付加的なセグメントに作用可能に結合している発現ベクターでありうる。またベクターは、選択マーカー、例えばその産物が宿主細胞における欠陥を補完する遺伝子、又はアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、ハイグロマイシン、又はメトトレキセート等の薬剤に対する耐性を付与するものをまた含んでいてもよい。大規模製造では、選択マーカーは、抗生物質耐性がなくてもよく、例えばベクター中の抗生物質耐性遺伝子は、ベクターが大規模製造に使用される場合に切除されうる。ベクターから抗生物質耐性遺伝子を除去する方法は、当該分野で知られており、例えば出典明示によってここに援用される米国特許第6358705号を参照されたい。宿主細胞の分泌経路に、本発明の親ペプチドを方向付けるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列、又はプレ配列としても知られている)が、組換えベクターに提供されてもよい。DNA配列又は組換えベクターが導入される宿主細胞は、本ペプチドを生産可能な任意の細胞であってよく、細菌、酵母、真菌、及び高等真核細胞が含まれる。これを達成するための手順工程は、全て当業者によく知られている。
様々な細胞増殖性疾患を、ここに記載されている化合物を用いて治療又は予防することができる。「増殖性疾患」は、異常な細胞増殖により特徴付けられ、例えば、細胞が、それらの対応の正常細胞よりも、より多く分裂してしまう病気又は疾患を意味する。異常な増殖は、任意の作用機序又は作用機序の組合せにより、引き起こされうる。例えば、一又は複数の細胞の細胞周期が、細胞がそれらの対応の正常細胞よりも頻繁に分裂するように冒され、また他の例では、一又は複数の細胞が、それらの分裂数を通常制限する阻害シグナルを迂回してしまう場合がある。増殖性疾患には、限定されるものではないが、細胞癌、肉腫、白血病、神経細胞腫瘍、及び非侵襲性腫瘍が含まれる。細胞増殖の阻害に使用される場合、化合物は、細胞を殺すために細胞障害的に、又は細胞を殺すことなく増殖を阻害するために細胞分裂阻害的に作用し得る。
一実施態様では、本発明は、治療的有効量の本発明の二量体を投与することを含む増殖性疾患の治療又は予防方法を提供する。一実施態様では、増殖性疾患を治療又は予防する医薬の製造における本発明の二量体の使用を提供する。一実施態様では、増殖性疾患の処置に使用される本発明の二量体を含有する医薬組成物を提供する。
ここで使用される場合「処置(治療)」及び「処置(治療)する」なる用語は、病気又は疾患等の病状に抗することを目的として、患者を管理及び世話することを意味する。本用語には、兆候又は合併症を軽減、病気、疾患又は病状の進行を遅延化、兆候及び合併症を軽減又は緩和、及び/又は病気、疾患又は病状を治癒又は除去、並びに病状を予防するための活性化合物の投与等、患者が患っている病状に対する全範囲の処置を含むことを意図しており、ここで予防とは、病気、病状又は疾患に抗することを目的として、患者を管理及び世話することと理解され、兆候又は合併症の発症を防止する活性ペプチドを投与することが含まれる。処置される患者は、哺乳動物、特にヒトであるが、更にイヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ及びブタ等の動物を含んでもよい。それでもなお、治療及び予防(防止)療法は、本発明の別の側面を表すことが理解されるべきである。
ここで使用されるペプチドの「治療的有効量」とは、与えられた病気及びその合併症の臨床症状を治癒、軽減又は部分的に停止させるのに十分な量であることを意味する。これを達成するのに十分な量が「治療的有効量」であると定義される。各目的のための有効量は、病気又は傷害の種類及び重症度、及び体重、及び患者の一般的状態に依存するであろう。適切な用量の決定は、値のマトリックスを作成し、マトリックスの種々の点で試験することにより、常套的な実験を使用して達成することができることが理解され、これは、訓練を受けた医師又は獣医の通常の技量の範囲内である。
一実施態様では、かかる増殖性疾患は癌である。
癌は、伝統的には、癌細胞が由来する組織及び細胞型に基づいて分類される。癌腫は上皮細胞から生じる癌であると考えられる一方、肉腫は結合組織又は筋肉から生じる癌であると考えられる。他の癌の種類には、造血細胞から生じる白血病、及び神経組織から生じる神経系細胞の癌が含まれる。非侵襲的腫瘍の場合、腺腫は腺性組織を伴う良性の表皮腫瘍であると考えられる一方、軟骨腫は軟骨から生じる良性腫瘍であると考えられる。本発明によれば、二量体は、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、神経細胞腫瘍、及び非侵襲的腫瘍によって包含される増殖性疾患の処置に使用され得る。
一実施態様では、二量体は、限定されるものではないが、骨、乳房、呼吸器(例えば肺)、脳、生殖器(例えば子宮頸部)、消化管(例えば胃腸管及び結腸直腸管)、尿路、膀胱、眼、肝臓、皮膚、頭部、頸部、甲状腺、副甲状腺、腎臓、膵臓、血液、卵巣、胚/前立腺、神経細胞腫瘍、及びその転移形態の癌を含む、種々な組織型から生じる腫瘍を処置するのに使用される。
一実施態様では、二量体はエストロゲン依存性癌の処置に使用される。
一実施態様では、前記増殖性疾患には、限定されるものではないが、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、腺管癌、非浸潤性小葉癌、髄様癌及び転移性乳癌を含む、胸部の増殖性疾患を含んでもよい。
増殖性疾患の記述は、上述の病状に限定されるものではないが、調節できない増殖及び悪性腫瘍に特徴付けられる他の疾患が含まれることも理解される。更に、増殖性疾患には、ここに記載の腫瘍及び癌のタイプの種々の転移形態が含まれると理解される。本発明の化合物は、ここに記載の疾患に対する効能について試験され、治療的に有効な療法が確立されうる。効能には、腫瘍の低減又は緩解、細胞増殖速度の低下、アポトーシスの誘導、細胞老化の誘導、又は細胞増殖における細胞増殖抑制又は細胞傷害性が含まれる。
ここに記載の二量体は、単独で、他のものと組み合わせて、又は補助剤として、又は他の確立された抗増殖性治療と併用して使用されてもよい。よって、本化合物は、伝統的な癌治療、例えばγ線又はx線の形態でのイオン化放射線と共に使用され得、放射性化合物の移入により外部又は内部に送達させられ、腫瘍の外科的除去に対するフォローアップとして使用されうる。他の態様では、本化合物は他の化学療法剤と共に使用されうる。
ここに記載の二量体は、抗エストロゲン治療、増殖因子レセプターのシグナル伝達のインヒビター、免疫調節剤、抗血管新生及び抗リンパ向性治療と併用して使用されうる。
また二量体は、他の疾患又は病弊の処置に有用な薬剤、例えばステロイド類、膜安定剤、及び細胞内シグナル伝達の他の調節剤、プロテインキナーゼインヒビター、プロテインホスホターゼインヒビター、細胞周期調節剤、及びアポトーシス誘導/調節剤と併用して投与されうる。
有用な抗癌化合物の具体例は、Merck Index, 第13版. (O'Neil M.J.ら編) Merck Publish Group (2001)、及びGoodman及びGilmans The Pharmacological Basis of Therapeutics, 第10版, Hardman, J.G.及びLimbird, L.E.編, pg. 1381-1287, McGraw Hill (1996)に記載されている。
このような併用療法の具体例には、
一般的な化学療法剤、例えば代謝拮抗剤(例えば、アザチオプリン、シタラビン、リン酸フルダラビン、フルダラビン、ゲムシタビン、シタラビン、クラドリビン、カペシタビン-6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、及びヒドロキシ尿素)、アルキル化剤(例えば、メルファラン、ブスルファン、シス-プラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、イホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン、クロラムブシル、チオテパ、ロムスチン、テモゾロミド(temozolamide))、有糸分裂阻害剤(例えば、ビノレルビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ドセタキセル、パクリタキセル)、トポイソメラーゼインヒビター(例えば、ドキソルビシン、アムサクリン、イリノテカン、ダウノルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、イダルビシン、テニポシド、エトポシド、トポテカン)、抗生物質(例えば、アクチノマイシン及びブレオマイシン)、アスパラギナーゼ、又はアントラサイクリン類又はタキサン類;
ある種のモノクローナル抗体(mAbs)、例えばリツキシマブ、アレムツズマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、ゲムツズマブ-オゾガマイシン(Myelotarg(登録商標), Wyeth)、セツキシマブ(ErbituxTM)、ベバシズマブ、HuMax-CD20、HuMax-EGFr、ザミル(Zamyl)及びペルツズマブ、及び/又は例えば組織因子に対する抗体、キラーIg様レセプター(KIR)、ラミニン-5、EGF-R、VEGF-R、PDGR-R、HER-2/neu、又は腫瘍抗原に対する抗体、例えばPSA、PSCA、CEA、CA125、KSA等;
細胞周期制御/アポトーシス調節剤、例えば(i)cdc-25、(ii)細胞周期を過剰刺激するサイクリン依存性キナーゼ(例えば、フラボピリドール(L868275、HMR1275;Aventis)、7-ヒドロキシスタウロスポリン(UCN-01、KW-2401;協和発酵工業)及びロスコビチン(R-ロスコビチン、CYC202;Cyclacel))、及び(iii)テロメラーゼ(例えば、BIBR1532及びSOT-095、並びにアポトーシス経路に干渉する薬剤、例えばTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)/アポトーシス-2リガンド(Apo-2L)、TRAILレセプターを活性化させる抗体、IFNa及びアンチセンスBcl-2等の調節剤を標的とする化合物;
増殖因子阻害剤、例えば上皮増殖因子レセプター(EGF-R)ファミリーのレセプターの細胞外リガンド結合ドメインに向けられる抗体、及びこれらのレセプターのチロシンキナーゼドメインを阻害する低分子量分子、例えばハーセプチン、セツキシマブ、タルセバ及びイレッサ;
腫瘍血管新生のインヒビター(抗血管新生剤及び代謝拮抗剤)、例えばエンドスタチン、アンジオスタチン、血管新生を開始させる因子をブロックする抗体(例えば、抗VEGF-アバスチン)、関連シグナル伝達経路における重要な要素を阻害することにより、血管新生を阻害する低分子化合物;
抗血管新生剤、例えばアバスチン、ネオバスタット(neovastat)、サリドマイド、PTK787、ZK222584、ZD-6474、SU6668、PD547,632、VEGF-トラップ(Trap)、CEP-7055、NM-3、SU11248;
ホルモン剤、例えばリン酸エストラムスチン、リン酸ポリエストラジオール、エストラジオール、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、タモキシフェン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド、酢酸シプロテロン、ビカルタミド(bi-caltumide)、フルタミド、トリトレリン(tritorelin)、リュープロレリン、ブセレリン、又はゴセレリン;
腫瘍細胞又はウイルス感染細胞に対する免疫応答を高める薬剤、例えばワクチンアジュバント等のアジュバント類、特にQS21、GM-CSF及びCpGオリゴデオキシヌクレオチド類、リポ多糖類、ポリイノシ:ポリシチジン酸、α-ガラクトシルセラミド又はそのアナログ、ヒスタミン二塩酸塩、又は水酸化アルミニウム;
サイトカイン類、例えばIFN-α、IFN-β、IFN-γ、IL-2、PEG-IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-12、IL-13、IL-15、IL-18、IL-23、IL-27、IL-28a、IL-28b、IL-29、GM-CSF、Flt3リガンド又は幹細胞因子又はこれらの任意のもののアナログもしくは誘導体;
シスプラチン、タモキシフェン、DTIC、カルムスチン、カルボプラチン、ビンブラスチン、ビンデシン、チモシンα、自己LAK細胞、ゲムシタビン;
免疫系における抑制シグナル伝達をブロックする薬剤、例えばCTLA-4に特異的なmAbs(抗-CTLA-4)、KIRに特異的なmAbs(抗-KIR)、LIRに特異的なmAbs(抗-LIR)、CD94に特異的なmAbs(抗-CD94)、又はNKG2Aに特異的なmAbs(抗-NKG2A);
抗アネルギー剤、例えばMDX-010(Phanら Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100, 8372 (2003));
NK細胞、T細胞、又はNKT細胞において発現した抑制レセプターに対する抗体;
治療用ワクチン;
腫瘍成長、ウイルス感染細胞の転移又は拡散に干渉する薬剤、及び
免疫抑制剤/免疫調節剤、例えばTリンパ球ホーミングに影響を及ぼす薬剤、例えばFTY-720、カルシニューリンインヒビター、例えばバルスポーダー(valspodar)、PSC833、TOR-インヒビター、シロリムス、エベロリムス、及びラプマイシン(rapmycin);
等の、癌を処置するのに有用な医薬と併用して、本発明の二量体を投与することが含まれる。
また、このような併用療法には、放射線治療、例えば外照射療法(EBRT)、又は内照射療法(密封小線源療法(BT))と共に、本発明の二量体を投与することが含まれ、使用される典型的な放射性原子には、ラジウム、セシウム-137、イリジウム-192、アメリシウム-241、金-198、コバルト-57、銅-67、テクネチウム-99、ヨウ素-123、及びインジウム-111が含まれる。
更にこのような併用療法には、抗癌反応を刺激し又はこれを作用させうる細胞を患者から単離し、これらをより大きな数に増殖させ、それらを同じ患者又は別の患者に再導入することを含みうる細胞免疫治療法と共に、本発明の二量体を投与することを含みうる。
また更にこのような併用療法には、(i)全体としての腫瘍細胞、又は(ii)(a)分泌タンパク質、糖タンパク質又は他の生成物、(b)膜結合タンパク質又は糖タンパク質、又は膜に結合し又はその内部に挿入された他の成分、及び(c)細胞内タンパク質又は他の細胞内成分に対する免疫応答の誘発に至らしめる腫瘍細胞の薬剤誘導又は放射線誘導細胞死を意味する内部ワクチン接種と共に、本発明の二量体を投与することをも含み得る。
またこのような併用療法には、細胞に遺伝子物質を移し、細胞表現型を一時的又は永久的に変えることを含む遺伝子治療と共に、本発明の二量体を投与することを含み得る。
併用療法は、当業者にとってまたこの明細書の目的のために必要であるか又は簡便であると思われる任意の方法で実施され得、順序、量、頻度、又は併用に使用される化合物の相対量に関して制限はない。
本発明の二量体は、遊離の物質として、又はその薬学的に許容可能な塩として、一般的には利用されうる。
「薬学的に許容可能な塩」なる用語は、遊離塩基と、適切な有機又は無機の酸とを反応させるか、又は酸と、適切な有機又は無機の塩基とを反応させることによって一般的に調製されるプロラクチンレセプターアンタゴニストの無毒の塩を意味する。
本発明の二量体が遊離の塩基を含んでいる場合は、このような塩は、薬学的に許容可能な酸の化学的等価物を用いて、二量体の溶液又は懸濁液を処理することによる一般的な形で調製される。
本発明の二量体が遊離の酸を含んでいる場合は、このような塩は、薬学的に許容可能な塩基の化学的等価物を用いて、二量体の溶液又は懸濁液を処理することによる一般的な形で調製される。
ヒドロキシ基を有する化合物の薬学的に許容可能な塩には、ナトリウム又はアンモニウムイオン等の適切なカチオンと前記化合物のアニオンとの組合せが含まれる。製薬的に許容可能ではない他の塩も本発明の二量体の調製に有用であり得、これらの塩も本発明の範疇に含まれる。
薬学的に許容可能な塩であるか否かにかかわらず、本発明の二量体の任意の塩は、「本発明の二量体」といった記載に含まれることを意図している。よって、請求の範囲に提供されるように、本発明は、二量体それ自体、並びにそれらの任意の塩、例えば製薬用の塩を含む。
本発明の二量体、又は上述したその任意の組合せ物は、単一又は複数投薬用量の何れかで、同じ投与経路又は異なる経路により、逐次又は同時に、単独で又は薬学的に許容可能な担体又は賦形剤と組合せて簡便に投与されうる。
本発明の医薬組成物は薬学的に許容可能な担体又は希釈剤、並びに任意の他の既知のアジュバント及び賦形剤と、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, Gennaro編, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995に開示されているものに従って、また当該分野でよく知られているようにして、製剤化することができる。
よって、本発明の二量体、又は薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、又はそのプロドラッグと、一又は複数の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、又は希釈剤を含有する医薬組成物が提供される。医薬組成物の組成は、幾つかの事項、例えば投与経路、処置を受ける患者の一般的状態及び年齢、処置される病状の性質、及び選択される活性成分に依存するであろう。与えられたペプチドに対する適切な医薬組成物の決定は、当業者の技量の範囲内にある。
本二量体又はその組成物は、一般的に、意図する結果を達成するのに効果的な量、例えば処置される特定の病気を処置又は予防するのに効果的な量で使用されるであろう。化合物は、治療的効果が達成されるように治療的に投与され得る。治療的効果とは、処置される基礎疾患の根絶又は改善、及び/又は基礎疾患に関連した一又は複数の系の根絶又は改善を意味する。また治療的効果には、改善が実感されるかどうかにかかわらず、病気の進行の中断又は遅延化が含まれる。
正確な用量は、投与の頻度及び方式、処置を受ける患者の性別、年齢、体重、及び一般的状態、処置される病状の性質及び重篤度、及び処置される任意の合併症、及び当業者に明白な他の要因に依存する。有効量の決定は、当業者の能力の範囲内で十分になされる。
本発明の二量体(その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又はプロドラッグ)が、同じ病状に対して活性な第二治療剤と組合せて使用される場合、各化合物の用量は、化合物が単独で使用される場合とは異なっていてもよい。適切な用量は、当業者には容易に理解される。
以下は、本発明の実施態様の非限定的列挙である。
実施態様1:第一プロラクチンレセプター結合単量体、第二プロラクチンレセプター結合単量体、及びリンカーを含有するプロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体であって、各単量体が第一及び第二プロラクチンレセプター結合部位を有し、第一単量体及び第二単量体が、得られる二量体が2つの機能的レセプター結合部位を有するように、各単量体の所定位置でリンカーにコンジュゲートしている二量体。
実施態様2:2つの機能的結合部位が、双方とも第一プロラクチンレセプター結合部位である、実施態様1の二量体。
実施態様3:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、プロラクチン又はプロラクチンアナログである、実施態様1又は実施態様2の二量体。
実施態様4:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、配列番号1と少なくとも80%の同一性を有するプロラクチンアナログである、実施態様3の二量体。
実施態様5:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、アミノ酸配列を有するプロラクチンアナログであり、該配列が配列番号1と少なくとも80%類似している、実施態様3の二量体。
実施態様6:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、成長ホルモン又は成長ホルモンアナログである、実施態様1又は実施態様2の二量体。
実施態様7:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、配列番号2と少なくとも80%の同一性を有する成長ホルモンアナログである、実施態様6の二量体。
実施態様8:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、アミノ酸配列を有する成長ホルモンアナログであり、該配列が配列番号2と少なくとも80%類似している、実施態様6の二量体。
実施態様9:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、胎盤性ラクトゲン又は胎盤性ラクトゲンアナログである、実施態様1又は実施態様2の二量体。
実施態様10:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、配列番号3と少なくとも80%の同一性を有する胎盤性ラクトゲンアナログである、実施態様9の二量体。
実施態様11:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、アミノ酸配列を有する胎盤性ラクトゲンアナログであり、該配列が配列番号3と少なくとも80%類似している、実施態様9の二量体。
実施態様12:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、親ポリペプチドと比較して切断されている、実施態様3から11のいずれかの二量体。
実施態様13:前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、プロラクチンレセプターアンタゴニスト単量体である、実施態様1から12のいずれかの二量体。
実施態様14:双方のプロラクチンレセプター結合単量体が、プロラクチンレセプターアンタゴニスト単量体である、実施態様13の二量体。
実施態様15:リンカーが、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基14から40又はアミノ酸残基110から136の間に位置している、実施態様1から14のいずれか一つの二量体。
実施態様16:リンカーが、双方のプロラクチンレセプター結合単量体において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基14から40又は110から136の間に位置している、実施態様15の二量体。
実施態様17:リンカーが、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基17、20、21、24、25、121、125、128、129及び132の何れかに位置している、実施態様1から16のいずれかの二量体。
実施態様18:リンカーが、双方のプロラクチンレセプター結合単量体において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、残基17、20、21、24、25、121、125、128、129及び132の何れかに位置している、実施態様17の二量体。
実施態様19:リンカーが、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、残基125又は128の何れかに位置している、実施態様1から18のいずれかの二量体。
実施態様20:リンカーが、双方のプロラクチンレセプター結合単量体において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、残基125又は128の何れかに位置している、実施態様19の二量体。
実施態様21:二量体がホモ二量体である、実施態様1から20のいずれかの二量体。
実施態様22:リンカーが、各単量体において同じ残基位置に位置している、実施態様21の二量体。
実施態様23:リンカーが、24結合と同じか、それより短い、実施態様1から22のいずれかの二量体。
実施態様24:リンカーが、2つのシステイン残基間に、酸化的スルフィド架橋形成を含む、実施態様1から23のいずれかの二量体。
実施態様25:リンカーが、次の式(I):
Figure 2010513405
[上式中:
Y及びZは独立して、-S-、-NH-、-CR=、-CH-又は-CO-を表し、
ここで、Rは、水素、又はアリール、又は直鎖状、分枝状又は環状のC1−10-アルキルを表し;
Xは:
Figure 2010513405
から選択され、
ここで、Wは、-[CH]-、-CH-[CH-O-CH]-CH-、-CH=CH-、-CH-[CH=CH]-CH-、-NH-CH-[CH-O-CH]-CH-NH-、-NH-CH-[CH-O-CH]-CH-、
Figure 2010513405
を表し、
mは1〜22の整数である]
により表されるリンカーである、実施態様1から23のいずれかの二量体。
実施態様26:前記リンカーが二官能性リンカーである、実施態様1から25のいずれかの二量体。
実施態様27:前記リンカーが、次の式(IA):
Figure 2010513405
[上式中、nは0〜3の整数を表す]
を有する、実施態様26の二量体。
実施態様28:治療に使用される、実施態様1から27のいずれかの二量体。
実施態様29:増殖性疾患の処置に使用される、実施態様28の二量体。
実施態様30:前記増殖性疾患が癌である、実施態様29の二量体。
実施態様31:前記癌が、エストロゲン依存性癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、膵臓癌、胃腸癌、白血病、皮膚癌、及びリンパ腫から選択される、実施態様30の二量体。
実施態様32:前記癌が乳癌である、実施態様31の二量体。
実施態様33:実施態様1から32のいずれかの二量体を含有する医薬組成物。
実施態様34:増殖性疾患の治療又は予防に使用される、実施態様33の医薬組成物。
実施態様35:前記増殖性疾患が癌である、実施態様34の医薬組成物。
実施態様36:前記癌が、エストロゲン依存性癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、膵臓癌、胃腸癌、白血病、皮膚癌、及びリンパ腫から選択される、実施態様35の医薬組成物。
実施態様37:治療のための、実施態様1から27のいずれかの二量体の使用。
実施態様38:増殖性疾患の治療又は予防における、実施態様1から27のいずれかの二量体の使用。
実施態様39:増殖性疾患を治療又は予防する医薬組成物の調製のための、実施態様1から27のいずれかの二量体の使用。
実施態様40:前記増殖性疾患が癌である、実施態様47又は実施態様39の使用。
実施態様41:前記癌が、エストロゲン依存性癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、膵臓癌、胃腸癌、白血病、皮膚癌、及びリンパ腫から選択される、実施態様40の使用。
実施態様42:実施態様1から27のいずれかの二量体を投与することを含む、増殖性疾患の治療又は予防方法。
実施態様43:前記増殖性疾患が癌である、実施態様42の方法。
実施態様44:前記癌が、エストロゲン依存性癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、膵臓癌、胃腸癌、白血病、皮膚癌、及びリンパ腫から選択される、実施態様43の方法。
実施態様45:単独で、又は抗エストロゲン治療と併用して使用される、実施態様1から27のいずれかの二量体。
実施態様46:単独で、又は成長因子レセプターのシグナル伝達のインヒビターと併用して使用される、実施態様1から27のいずれかの二量体。
実施態様47:単独で、又は抗血管新生治療と併用して使用される、実施態様1から27のいずれかの二量体。
実施態様48:単独で、又は抗リンパ向性治療と併用して使用される、実施態様1から27のいずれかの二量体。
実施態様49:単独で、又は免疫調節治療と併用して使用される、実施態様1から27のいずれかの二量体。
実施態様50:単独で、又は化学療法剤と併用して使用される、実施態様1から27のいずれかの二量体。
実施態様51:エストロゲン依存性癌の処置のための、実施態様45から50のいずれかのまた使用される二量体。
実施態様52:乳癌の処置のための、実施態様45から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様53:前立腺癌の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様54:胚癌の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様55:結腸直腸癌の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様56:頭頸部癌の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様57:卵巣癌の処置のための、実施態様45から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様58:子宮頸癌の処置のための、実施態様45から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様59:膀胱癌の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様60:膵臓癌の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様61:胃腸癌の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様62:白血病の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様63:皮膚癌の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
実施態様64:リンパ腫の処置のための、実施態様46から50の何れかに記載され使用される二量体。
ここに引用された刊行物、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献が、出典明示により個々にかつ特に援用され、その全内容がここに記載されているかの如く、その全体が出典明示によりここに援用される(法律により許容される最大範囲)。全ての表題及び副題は、ここでは便宜的に使用され、何らの方法においても本発明を限定するものと解すべきではない。ここに提供される任意かつ全ての例、又は例示的言語(例えば「等」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、特に請求項に記載がない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中の如何なる語句も請求項に記載していない要素が本発明の実施に必須であることを示しているものと解すべきではない。ここでの特許文献の引用及び援用は単に便宜上なされているもので、そのような特許文献の有効性、特許性、及び/又は権利行使性についての見解を反映させるものではない。この発明は、適用可能な法律により容認される、ここに添付の特許請求の範囲に記載の主題事項の全ての修正物及び均等物を含む。
本発明は、ここに記載の様々な化合物の調製、及びそれらの生物活性をアッセイするための方法を記載した次の実施例を参照することにより、更に明確になるであろう。当業者であれば、材料及び方法の双方における多くの修正が、本発明の範囲から逸脱することなく実施されうることが分かるであろう。
実施例1
タンパク質の発現及び精製
pET32-a(+)発現ベクター(Novagen, Madison WI)を、タンパク質の発現に使用した。組換えSer-hPRLR(1-210)、PRL、及び変異PRLの単量体を、大腸菌MetAPタンパク質を発現するpACYCDuet-MetAPプラスミドを同時形質移入した大腸菌BL21(DE3)細胞中に封入体として産生させた。8Mの尿素、0.1Mのトリス、2−20mMのDTT、pH8.5のバッファーに溶解させ、ついで、20mMのトリス、0.05%のトゥイーン20、pH8.0に希釈することにより再折り畳みさせた。Source30Qイオン交換カラム(Amersham Biosciences)、続いてmacro-prep Caramicヒドロキシアパタイトカラム(BioRad)、最後に、セファデックスG25カラムでの分子ふるいクロマトグラフィーを使用し、タンパク質精製を実施した。最初に0.4Mのアルギニン、pH8.5、ついでさらなる20mMのトリス、0.05%のトゥイーン20、pH8.0に希釈させる2回の希釈工程で、PRLレセプターを再折り畳みさせた。
実施例2
ジスルフィド架橋PRL 12-199 Q12S E128C二量体
実施例1に記載したようにして調製した4mgの精製され凍結乾燥されたPRL12-199 Q12S E128C単量体を、3mlの50mM重炭酸アンモニウムバッファー、pH7.8に溶解させた。Oの存在下、25℃で18時間、ゆっくりと攪拌しつつ、緩衝溶液を放置し、所望の二量体化生成物を得た。タンパク質溶液を、50mMの炭酸水素アンモニウムバッファーを使用するHiLoad 16/60 Superdex 75 prep Gradeカラム(GE Healthcare)に充填し、1.08mgの所望の化合物を得た。NannoDrop ND-1000分光光度計、吸光係数(280nm)E1% 9.04L/gm-cmで、定量を実施した。得られた生成物をSDS-電気泳動、アジレント2100バイオアナライザー(図2)、MALDI-TOF MS;MW(m/z、Z=1)43573.8(図3)、トリプシン消化(図4)、及び円二色性(図5)により特徴付けた。
実施例3
ジスルフィド架橋PRL 12-199 Q12S R125C二量体
実施例1に記載したようにして調製した5mgの精製され凍結乾燥されたPRL12-199 Q12S E125C単量体を、4mlの50mM重炭酸アンモニウムバッファー、pH7.8に溶解させた。Oの存在下、25℃で18時間、ゆっくりと攪拌しつつ、緩衝溶液を放置し、所望の二量体化生成物を得た。タンパク質溶液を、50mMの炭酸水素アンモニウムバッファーを使用するHiLoad 16/60 Superdex 75 prep Gradeカラム(GE Healthcare)に充填し、0.4mgの所望の化合物を得た。NannoDrop ND-1000分光光度計、吸光係数(280nm)E1% 9.04L/gm-cmで、定量を実施した。得られた生成物をSDS-電気泳動及びMALDI-TOF MS;MW(m/z、Z=1)43507.4により特徴付けた。
実施例4
ジスルフィド架橋PRL 12-199 Q12S S61A E128C二量体
実施例1に記載したようにして調製した5mgの精製され凍結乾燥されたPRL12-199 Q12S E125C単量体を、20mlの50mM重炭酸アンモニウムバッファー、pH7.8に溶解させた。Oの存在下、25℃で72時間、ゆっくりと攪拌しつつ、緩衝溶液を放置し、所望の二量体化生成物を得た。タンパク質溶液を、50mMの炭酸水素アンモニウムバッファーを使用する、HiLoad 16/60 Superdex 75 prep Gradeカラム(GE Healthcare)に充填し、1.88mgの所望の化合物を得た。NannoDrop ND-1000分光光度計、吸光係数(280nm)E1% 9.04L/gm-cmで、定量を実施した。得られた生成物をSDS-電気泳動及びMALDI-TOF MS;MW(m/z、Z=1)43544.1により特徴付けた。
実施例5
ビス-マレイミドdPEG3結合PRL 12-199 Q12S E125C二量体
実施例1に記載したようにして調製した2.2mgの精製され凍結乾燥PRL12-199 Q12S E125C単量体を、1.2mlの50mM重炭酸アンモニウムッファー、pH7.8に溶解させた。DMSO/100mMのリン酸バッファー、pH:6.9中のBiS-MAL-dPEG4(Quanta Biodesign, QBD製品番号10215)の6.37mg/ml溶液を132μl、最終濃度が0.1mg/mlのリンカーに添加した。1時間;1.5時間;2.5時間;5時間に、更に132μlのリンカー保存溶液を添加した。Oの存在下、10℃で18時間、ゆっくりと攪拌しつつ、緩衝溶液を放置し、所望の二量体化生成物を得た。タンパク質溶液を、50mMの炭酸水素アンモニウムバッファーを使用する、HiLoad 16/60 Superdex 75 prep Gradeカラム(GE Healthcare)を使用し、2回精製した。最終的に60μgの所望の化合物を得た。NannoDrop ND-1000分光光度計、吸光係数(280nm)E1% 9.04L/gm-cmで、定量を実施した。得られた二量体化生成物をSDS-電気泳動及びMALDI-TOF MSにより特徴付けし、確認した。
実施例6
ホスホ-STAT3 ELISAアッセイ
約80%の培養密度になるまで増殖させたT47D細胞を、トリプシンで剥離させ;完全成長培地(RPMI、10%のFCS、2mMのL-グルタミン、0.2U/mlのウシインスリン)に5x10/mlになるまで、細胞密度を調節した。200μlのこの懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに配した。次の日、増殖培地を150μlの飢餓培地(10%のFCSを除いた増殖培地)に置き換えた。PRLR結合化合物で処理する前に、24時間、細胞を飢えさせた。飢餓培地において、PRLとインヒビターとを事前混合し、50μlを各ウェルに添加し、10nMのPRL、及び図6に示すような種々の濃度のPRL 12-199 Q12S S61A E128C二量体にした。加湿されたCOインキュベータにおいて、37℃で15分、細胞をインキュベートした。培地を取り除き、氷冷されたPBSで細胞を洗浄した。細胞の溶解とELISAを、BioSource STAT-3[pY705]ホスホELISAマニュアルに従い実施した。
実施例7
STAT5活性化アッセイ
AU565細胞を、6ウェル皿で2日間培養した。PRLR結合化合物で処理する前に、<1%のFCSを含有する増殖培地で、細胞を18時間飢えさせた。図7に示すような、様々な濃度のPRL 12-199 Q12S E128C二量体を添加した後、加湿されたCOインキュベータにおいて、37℃で15分、細胞をインキュベートした。細胞溶菌液を調製し、ウエスタンブロットにより、抗STAT5[pY694]特異性抗体(CellSignalling Technologies)を使用し、STAT5チロシンホスホリル化について分析した。
実施例8
表面プラズモン共鳴測定により評価したプロラクチンレセプター結合性
可溶化形態のレセプター(10mMの酢酸ナトリウムに10μg/ml、pH4.0)を、BiacoreT100機器に注入し、アミンカップリング化学により、CM5センサーチップにカップリングさせた。固定化レベルは、カップリングしたレセプターの約500RUであった。実施例2から5に記載のプロラクチン二量体及び野生型プロラクチン(バッファー中に10、5、2.5、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001μg;20mMのHepes、pH7.4、0.1MのNaCl、2mMのCaCl及び0.005%のP20を含有)を、30μl/分の流量で5分、固定化レセプター上に注入し、バッファーが注入されている間の10分の解離期間が続き、レセプター結合親和性を評価した。実行の間に、30μl/分の流量で90秒、4.5MのMgClを用いて、再生を達成させた。データ評価をBiacoreT100評価ソフトウェアにおいて実施し、表1に記載した。
Figure 2010513405
実施例9
細胞遊走アッセイ
約80%の培養密度になるまで増殖させたT47D細胞を、ヴェルセン溶液で剥離させた。細胞を、0.1%のBSAを含有するRPMI1640培地に再懸濁させた。12μmの孔サイズを有する膜(BD Biosciences)を通して、トランスウェル(transwell)アッセイ(改変ボイデン(Boyden)チャンバーアッセイ)において、細胞遊走を研究した。刺激遊走については、5nMのPRLを下部チャンバー内の化学誘因物質として使用し、基本(自発性)遊走については、0.1%のBSAを含有するRPMI1640培地を下部チャンバーに配した。PRL12-199 Q12S S61A E128C二量体を、10nM又は100nMの濃度で上部チャンバーに添加した。細胞遊走を18時間分析した。下部チャンバーに到達した(膜に結合した)細胞を、ヘマトキシリン-エオジン(hematoxilin-eozin)で染色し、計測した。データは20×顕微鏡視野の1/6の細胞数±SD(n=10)を示す。データを図8に示す。

Claims (20)

  1. 第一プロラクチンレセプター結合単量体、第二プロラクチンレセプター結合単量体、及びリンカーを含有するプロラクチンレセプターアンタゴニスト二量体であって、各単量体が第一及び第二プロラクチンレセプター結合部位を有し、第一単量体及び第二単量体が、得られる二量体が2つの機能的レセプター結合部位を有するように、各単量体の所定位置でリンカーにコンジュゲートしている二量体。
  2. 2つの機能的結合部位が、双方とも第一プロラクチンレセプター結合部位である請求項1に記載の二量体。
  3. 前記プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一が、プロラクチン又はプロラクチンアナログである請求項1又は2に記載の二量体。
  4. リンカーが、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基14から40又はアミノ酸残基110から136の間に位置している請求項1から3の何れか一項に記載の二量体。
  5. リンカーが、双方のプロラクチンレセプター結合単量体において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基14から40又は110から136の間に位置している請求項4に記載の二量体。
  6. リンカーが、プロラクチンレセプター結合単量体の少なくとも一において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、アミノ酸残基17、20、21、24、25、121、125、128、129及び132の何れかに位置している請求項1から5の何れか一項に記載の二量体。
  7. リンカーが、双方のプロラクチンレセプター結合単量体において、配列番号1との配列アラインメントにより定めて、残基17、20、21、24、25、121、125、128、129及び132の何れかに位置している請求項6に記載の二量体。
  8. 前記リンカーが、24結合と同じか、それより短い請求項1から7の何れか一項に記載の二量体。
  9. 前記リンカーが、2つのシステイン残基間に酸化的スルフィド架橋形成を含む請求項1から8の何れか一項に記載の二量体。
  10. 前記リンカーが、次の式(I):
    Figure 2010513405
    [上式中:
    Y及びZは独立して、-S-、-NH-、-CR=、-CH-又は-CO-を表し、
    ここで、Rは、水素、又はアリール、又は直鎖状、分枝状又は環状のC1−10アルキルを表し;
    Xは:
    Figure 2010513405
    から選択され、
    ここで、Wは、-[CH]-、-CH-[CH-O-CH]-CH-、-CH=CH-、-CH-[CH=CH]-CH-、-NH-CH-[CH-O-CH]-CH-NH-、-NH-CH-[CH-O-CH]-CH-、
    Figure 2010513405
    を表し、
    mは1〜22の整数である]
    により表されるリンカーである請求項1から8の何れか一項に記載の二量体。
  11. 前記リンカーが二官能性リンカーである請求項1から10の何れか一項に記載の二量体。
  12. 前記リンカーが、次の式(IA)
    Figure 2010513405
    [上式中、nは0〜3の整数を表す]
    を有する請求項11に記載の二量体。
  13. 治療に使用される請求項1から12の何れか一項に記載の二量体。
  14. 乳癌の処置に使用される請求項13に記載の二量体。
  15. 請求項1から14の何れか一項に記載の二量体を含有する医薬組成物。
  16. 治療のための請求項1から12の何れか一項に記載の二量体の使用。
  17. エストロゲン依存性癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、膵臓癌、胃腸癌、白血病、皮膚癌、及びリンパ腫から選択される癌の処置における請求項1から12の何れか一項に記載の二量体の使用。
  18. エストロゲン依存性癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、膵臓癌、胃腸癌、白血病、皮膚癌、及びリンパ腫から選択される癌を処置する医薬組成物を調製するための請求項1から12の何れか一項に記載の二量体の使用。
  19. 請求項1から12の何れか一項に記載の二量体を投与することを含む、増殖性疾患の治療又は予防方法。
  20. 前記増殖性疾患が癌である請求項19に記載の方法。
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