JP2010512343A - 置換アリルアミン類の調製および実用性 - Google Patents

置換アリルアミン類の調製および実用性 Download PDF

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Abstract

構造式Iを有する置換アリルアミン、その調製プロセス、その医薬組成物、ならびにその使用方法を、本明細書に開示する。
Figure 2010512343

式I

Description

本願は、2006年12月8日に出願の、米国仮出願第60/869,309号の優先権の利益を主張し、その開示は、参照することにより、その全体が本明細書に書かれているかのように、本明細書に組み込まれる。
本発明は、アリルアミンをベースとする抗感染症剤ならびにその薬剤として許容される塩およびプロドラッグ、その化学合成、ならびに真菌感染症の治療および/または管理のための、そのような化合物の医学的用途を対象とする。
テルビナフィン(Lamisil(登録商標))は、膜結合性スクアレンエポキシダーゼ(SE)、エルゴステロール生合成に関与する酵素であるとされる阻害剤である。SEは、スクアレンからスクアレン2,3−エポキシドへの変換、そして、ラノステロール、次いでエルゴステロールへの連続した変換に関与する、真菌細胞壁の必須成分である。この部類の損害剤は、アリルアミンのナフチフィン(Exoderil(登録商標))およびSDZ87−469を含む。各種のSE阻害剤は、化学安定性、代謝的安定性、分布パターン、および影響を受け易い微生物の範囲に基づき、部分的に薬理作用が異なることが予想され得る。テルビナフィンは、爪甲真菌症、足白癬、および体部白癬を含む、いくつかの皮膚糸状菌に対する抗真菌活性を有する。これはまた、様々なかびおよび二形性真菌に対して殺真菌性でもあり、カンジダアルビカンスに対する実証済みの静真菌活性を有する。テルビナフィンを用いた真菌の治癒率は、実際、一部には持続的な組織透過性のため、治療の中止後も上昇し得る。テルビナフィンは、低い薬物−薬物相互作用の可能性が実証されており、概して良好な耐容性を示すと見なされている。しかしながら、これは、一部の場合において、重度の肝毒性に関連しており、肝炎、肝移植、および/または死亡に至る有害事象に関係があると見なされている。
Figure 2010512343
該薬物の利益および短所は、広く見直されている。これらの短所のうちのいくつかは、代謝に関連する現象に起因する場合がある。テルビナフィンの肝毒性は徹底的に研究され、この毒性の有力な原因として、特定の代謝物が明らかになっている。関与すると考えられる代謝物は、共役アルデヒド、6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニルであり、グルタチオン(ただし必ずしもこれに限定されない)を含む、様々な生体分子と逐次反応することができる。
式Iの化合物であって、
Figure 2010512343

(I)
式I中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25は、水素および重水素から成る群から独立して選択され、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、独立して重水素であり、
但し、式1の化合物は、
Figure 2010512343

であることはできないことを条件とする化合物、もしくはそのジアステレオマーの混合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを本明細書に開示する。
また、1つ以上の薬剤として許容される賦形剤または担体と組み合わせた、本明細書で開示される少なくとも1つの化合物を含有する医薬組成物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグも本明細書に開示する。
さらに、様々な真菌類において、スクアレンエポキシダーゼの活性を阻害する方法を、本明細書に開示する。
さらに、スクアレンエポキシダーゼ媒介性疾患の1つ以上の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、治療上有効な量の、本明細書で開示される少なくとも1つの化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを、被験体に投与するステップを含む方法を、本明細書に開示する。
加えて、真菌類に起因する感染性疾患を含む、1つ以上の感染性疾患を治療、予防、または改善するための方法であって、治療上有効な量の、本明細書で開示される少なくとも1つの化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを、被験体に投与するステップを含む方法を、本明細書に開示する。
また、本明細書で開示される化合物を含む、製造品およびキットも本明細書に開示する。単に例として、キットまたは製造品は、本明細書に記載される所望の量の少なくとも1つの化合物(または化合物の医薬組成物)を含む、容器(ボトル等)を含み得る。さらに、そのようなキットまたは製造品は、本明細書で開示される該化合物(または化合物の医薬組成物)を使用する説明書をさらに含み得る。説明書は、容器に添付することができるか、または容器を保持するパッケージ(箱、もしくはプラスチックまたはホイル製の袋)に含めることができる。
別の態様には、真菌類が疾患の病理学および/または症候学に寄与する、動物の疾患を治療するための薬剤の製造における、本明細書で開示される少なくとも1つの化合物の使用がある。さらなる、または代替の実施形態において、該疾患は、真菌類に起因する感染性疾患を含む、感染性疾患であるが、これに限定されない。
別の態様には、本明細書で開示される化合物を、スクアレンエポキシダーゼモジュレータ、または塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ等の他の薬剤として許容される誘導体として調製するためのプロセスがある。
本発明の特定の実施形態において、医薬組成物は、薬剤として許容される担体とともに、本明細書で開示される1つ以上の化合物を含有する。
さらなる実施形態において、医薬組成物は、経口、非経口、または局所投与に好適である。
またさらなる実施形態において、医薬組成物は、錠剤、粒剤、カプセル剤を含む。
またさらなる実施形態において、医薬組成物は、軟膏またはクリームを含む。
他の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、0.5ミリグラムから6000ミリグラムの用量で投与される。
特定の他の実施形態において、医薬組成物は、別の治療薬を含有する。
特定の他の実施形態において、医薬組成物は、抗真菌剤、抗菌薬、抗ミコバクテリア剤、敗血症治療剤、ステロイド系薬物、抗凝血剤、血栓溶解剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗血小板剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、トロンボキサン受容体拮抗薬、カリウムチャネル開口薬、トロンビン阻害剤、成長因子阻害剤、血小板活性化因子(PAF)拮抗薬、抗血小板剤、第VIIa因子阻害剤および第Xa因子阻害剤、レニン阻害剤、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブラート系薬剤、胆汁酸抑制剤、抗アテローム硬化症薬、MTP阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル活性化薬、αアドレナリン作動薬、βアドレナリン作動薬、抗不整脈剤、利尿薬、抗糖尿病剤、PPAR−γ作用薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、aP2阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、抗炎症薬、抗増殖剤、化学療法剤、免疫抑制剤、抗癌剤および細胞毒性薬、代謝拮抗薬、ファルネシル−タンパク質転移酵素阻害剤、ホルモン剤、微小管破壊剤、微小管安定剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プレニル−タンパク質転移酵素阻害剤およびシクロスポリン、TNF−α阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、金化合物、ならびに白金配位複合体から成る群から選択される、別の治療薬を含有する。
他の実施形態において、医薬組成物は、抗菌剤をさらに含有する。
また他の実施形態において、医薬組成物は、抗真菌剤をさらに含有する。
特定の他の実施形態において、医薬組成物は、アモロルフィンをさらに含有する。
また他の実施形態において、医薬組成物は、トルナフテートをさらに含有する。
他の実施形態において、医薬組成物は、フルコナゾールをさらに含有する。
特定の他の実施形態において、医薬組成物は、イトラコナゾールをさらに含有する。
本発明の特定の実施形態における、感染性疾患に罹患する被験体の治療方法。
さらなる実施形態において、該感染性疾患は、毛瘡白癬菌、紅色白癬菌、カンジダアルビカンス、有毛表皮糸状菌、およびスコプラリオプシスブレビカウリスから成る群から選択される真菌に起因する。
またさらなる実施形態において、該感染性疾患は、爪甲真菌症、皮膚糸状菌症、癜風、黒癬、白色砂毛症、コクシジオイデス症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、カンジダ症、クロモブラストミコーシス、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ムコール菌症、真菌性菌腫(eumycetoma)、マズラ菌症、放線菌腫、ロボ真菌症、およびニューモシスチス肺炎から成る群から選択される。
特定の実施形態において、該化合物は、以下の特性のうちの少なくとも1つを有する。
1.非同位体濃縮化合物と比較して、該化合物またはその代謝物の血漿中濃度の個人間変動の減少、
2.非同位体濃縮化合物と比較して、該化合物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、
3.非同位体濃縮化合物と比較して、該化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の減少、
4.非同位体濃縮化合物と比較して、該化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、および
5.非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たりの、該被験体における治療中の臨床効果の改善
またさらなる実施形態において、該化合物は、以下の特性のうちの少なくとも2つを有する。
1.非同位体濃縮化合物と比較して、該化合物またはその代謝物の血漿中濃度の個人間変動の減少、
2.非同位体濃縮化合物と比較して、該化合物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、
3.非同位体濃縮化合物と比較して、該化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の減少、
4.非同位体濃縮化合物と比較して、該化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、および
5.非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たりの、該被験体における治療中の臨床効果の改善
特定の実施形態において、該化合物の代謝は、非同位体濃縮化合物と比較して、該哺乳動物における少なくとも1つの多様に発現されたチトクロームP450アイソフォームにより、その用量単位当たり減少する。
またさらなる実施形態において、該チトクロームP450アイソフォームは、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、およびCYP2D6から成る群から選択される。
特定の他の実施形態において、該化合物は、非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たり、該哺乳動物において少なくとも1つのチトクロームP450またはモノアミンオキシダーゼアイソフォームの阻害が減少するという特徴がある。
さらなる実施形態において、該チトクロームP450またはモノアミンオキシダーゼアイソフォームは、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2G1、CYP2J2、CYP2R1、CYP2S1、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A5P1、CYP3A5P2、CYP3A7、CYP4A11、CYP4B1、CYP4F2、CYP4F3、CYP4F8、CYP4F11、CYP4F12、CYP4X1、CYP4Z1、CYP5A1、CYP7A1、CYP7B1、CYP8A1、CYP8B1、CYP11A1、CYP11B1、CYP11B2、CYP17、CYP19、CYP21、CYP24、CYP26A1、CYP26B1、CYP27A1、CYP27B1、CYP39、CYP46、CYP51、MAO、およびMAOから成る群から選択される。
(背景技術)
文献の引用
背景技術の項にあるものを含む、本明細書に引用されるすべての出版物および参考文献は、参照することによりその全体が、本明細書に明確に組み込まれる。しかしながら、組み込まれた出版物または参考文献と、本明細書に明確に示されるか、または定義されるものとの両方に見られるいかなる同様または同一の用語に関しても、本明細書に明確に示される、それらの用語の定義または意味が、あらゆる点で優位に立つものとする。
本明細書に記載される開示の理解を容易にするために、多くの用語を以下に定義する。概して、本明細書で使用される命名法、および本明細書で記載される有機化学、医薬品化学、薬理学における検査手技は、当技術分野において周知であり、一般的に用いられるものである。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語および科学用語は、概して、本開示が属する技術分野において一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書で使用される用語に対して、複数の定義がある場合、別段の指定がない限り、本項の定義が優先する。
本明細書で使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、具体的に別段の指定がない限り、複数のものを指すことができる。
「被験体」という用語は、霊長動物(例えば、ヒト、サル、チンパンジー、ゴリラ等)、齧歯動物(例えば、ラット、マウス、アレチネズミ、ハムスター、フェレット等)、ウサギ目の動物、ブタ(例えば、家畜ブタ、ミニブタ)、ウマ科の動物、犬科の動物、猫科の動物等を含む動物を指すが、これらに限定されない。「被験体」および「患者」という用語は、本明細書で代替可能に使用される。
「治療する」、「治療すること」、および「治療」という用語は、疾患、または該疾患に関連する症状のうちの1つ以上の緩和もしくは消滅、または該疾患自体の緩和または根絶を意図的に含む。
「予防する」、「予防すること」、および「予防」という用語は、疾患の発現、および/またはその付随する症状を遅延させるか、または防止する、被験体が疾患に罹ることから防御する、または被験体が疾患に罹るリスクを削減する方法を指す。
「治療上有効な量」という用語は、投与されると、治療される疾患の症状のうちの1つ以上の発生を予防する、またはある程度緩和するのに十分である、化合物の量を指す。「治療上有効な量」という用語は、研究者、獣医、医師、または臨床医により求められる、細胞、組織、システム、動物、またはヒトの生物学的または医学的反応を導くに十分である、化合物の量も指す。
「薬剤として許容される担体」、「薬剤として許容される賦形剤」、「生理学的に許容される担体」、または「生理学的に許容される賦形剤」という用語は、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料等の、薬剤として許容される材料、組成物、または媒体を指す。各成分は、医薬製剤の他の成分と適合性があるという意味において、「薬剤として許容され」なければならない。それはまた、合理的なリスク対効果比に見合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題または合併症のない、ヒトおよび動物の組織または器官と接触する際の使用に好適でなければならない。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition、Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2005、Handbook of Pharmaceutical Excipients,5th Edition、Rowe et al.,Eds.,The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2005、およびHandbook of Pharmaceutical Additives,3rd Edition、Ash and Ash Eds.,Gower Publishing Company:2007、Pharmaceutical Preformulation and Formulation,Gibson Ed.,CRC Press LLC:Boca Raton,FL,2004)を参照されたい。
「重水素濃縮」という用語は、水素の代わりの、分子中の所与の位置における重水素の取り込みの割合を指す。例えば、所与の位置における1%の重水素濃縮は、所与の試料中の分子の1%が、特定の位置で重水素を含むことを意味する。重水素の自然発生的な分布が、約0.0156%であるため、非濃縮出発材料を使用して合成される化合物中の、任意の位置における重水素濃縮は、約0.0156%である。重水素濃縮は、質量分析法および核磁気共鳴分光法を含む、当業者に既知である従来の分析法を使用して、確定することができる。
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、26、27、およびR28等の分子中の所与の位置を記載するために使用される、「重水素である」という用語、または分子構造の図中の所与の位置を表すために使用される、記号「D」は、特定の位置が、重水素の自然発生的な分布上で、重水素で濃縮されることを意味する。一実施形態において、重水素濃縮は、特定の位置における、少なくとも約1%、別の実施形態において、少なくとも約5%、別の実施形態において、少なくとも約10%、別の実施形態において、少なくとも約20%、別の実施形態において、少なくとも約50%、別の実施形態において、少なくとも約70%、別の実施形態において、少なくとも約80%、別の実施形態において、少なくとも約90%、別の実施形態において、少なくとも約95%、別の実施形態において、少なくとも約98%の重水素である。
「同位体濃縮」という用語は、一元素のより一般的な同位体の代わりに、分子中の所与の位置に該元素のあまり一般的ではない同位体を取り込む割合を指す。
「非同位体濃縮の」という用語は、様々な同位体の割合が、自然発生的な割合と実質的に同様である、分子を指す。
「実質的に純粋な」および「実質的に均質な」という用語は、薄層クロマトグラフィ(TLC)、ゲル電気泳動法、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、赤外線分光法(IR)、ガスクロマトグラフィ(GC)、紫外分光法(UV)、核磁気共鳴法(NMR)、原子間力分光法、および質量分光法(MS)を含むが、これらに限定されない、当業者により使用される標準的な分析法により確定される、容易に検出できる不純物がないと思われるほど十分に均質性であること、またはさらなる精製が、物理的および化学的特性、または物質の酵素および生物活性等の生物学的および薬理学的特性を検出可能な程度に変更しないほど、十分純粋であることを意味する。特定の実施形態において、「実質的に純粋な」または「実質的に均質な」は、分子の少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.5%が、標準的な分析法により確定されるように、混合物または単一立体異性体を含む単一化合物である、分子の集合体を指す。
「約(about)」または「約(approximately)」という用語は、部分的に、その値がどのように測定または確定されたのかに依存する、特定の値に対する許容可能な誤差を意味する。特定の実施形態において、「約」は、1つ以上の標準偏差を意味し得る。
「活性成分」および「活性物質」という用語は、疾患の1つ以上の症状を治療、予防、または改善するために、単独で、または1つ以上の薬剤として許容される賦形剤もしくは担体と併用して、被験体に投与する化合物を指す。
「薬物」、「治療薬」、および「化学療法薬」という用語は、疾患の1つ以上の症状を治療、予防、または改善するために、被験体に投与される化合物、またはその医薬組成物を指す。
本明細書で使用される、「疾患」という用語は、概して同義であることを意図し、すべてが、正常な機能を損ない、通常際立った兆候および症状が現れる、身体またはその部分のうちの1つの異常な病状を反映するという点において、「疾病」、「症候群」および「病態」(病状において見られるような)の用語と代替可能に用いられる。
「放出制御賦形剤」という用語は、主要な作用が、従来の即時放出剤形と比較して、剤形からの活性物質の放出の持続時間または位置を修正する、賦形剤を指す。
「非放出制御賦形剤」という用語は、主要な作用が、従来の即時放出剤形と比較して、剤形からの活性物質の放出の持続時間または位置を修正することを含まない、賦形剤を指す。
「スクアレンエポキシダーゼ」という用語は、NADPHを使用してスクアレンを2,3−オキシドスクアレン(スクアレンエポキシド)に還元する酵素を指す。スクアレンエポキシダーゼが阻害されると、真菌類は、エルゴステロールを欠くようになりながら、スクアレンを蓄積する。エルゴステロールは、真菌細胞膜の必須成分である。細胞内スクアレン濃度の高まりが、真菌の膜機能および細胞壁合成を妨害し、真菌の死をもたらすと考えられる。
本明細書で使用される、「スクアレンエポキシダーゼ媒介疾患」という用語は、スクアレンエポキシダーゼが調節されると、他の異常な生物学的プロセスの改善に至る疾患を指す。スクアレンエポキシダーゼ媒介疾患は、スクアレンエポキシダーゼモジュレータを投与することにより、完全にまたは部分的に、媒介され得る。特に、スクアレンエポキシダーゼ媒介疾患とは、スクアレンエポキシダーゼの調節が、基礎疾患に何らかの影響をもたらすものであり、例えば、スクアレンエポキシダーゼモジュレータの投与が、治療される患者のうちの少なくとも一部において、何らかの改善をもたらす。
「感染性疾患」という用語は、感染、疑わしい感染、予想される感染、または感染病原体への曝露に起因する疾患を指す。
「調節する」または「調節」という用語は、本明細書で開示される化合物の、スクアレンエポキシダーゼの機能を変化させる能力を指す。モジュレータは、スクアレンエポキシダーゼの活性を活性化することができるか、スクアレンエポキシダーゼに曝露される化合物の濃度により、スクアレンエポキシダーゼの活性を活性化または阻害することができるか、あるいはスクアレンエポキシダーゼの活性を阻害することができる。そのような活性化または阻害は、シグナル伝達経路の活性化等の特定の事象の発生に付随するものであり得、および/または特定の細胞型においてのみ現れ得る。また、「調節する」または「調節」という用語は、スクアレンエポキシダーゼとその基質との間に複合体が形成する確率を高くする、または低くすることにより、スクアレンエポキシダーゼの機能を変化させることも指す。モジュレータは、スクアレンエポキシダーゼとその基質との間にそのような複合体が形成する確率を高くすることができ、スクアレンエポキシダーゼに曝露される化合物の濃度により、スクアレンエポキシダーゼとその基質との間に複合体が形成する確率を高くするまたは低くすることができ、および/またはスクアレンエポキシダーゼとその基質との間に複合体が形成する確率を低くすることができる。
「保護基」または「除去可能な保護基」という用語は、ヒドロキシルもしくはカルボキシル基の酸素原子、またはアミノ基の窒素原子等の官能基に結合すると、その官能基での反応の発生を阻止し、従来の化学的または酵素的ステップにより、官能基を再建するために除去され得る、基を指す(Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley & Sons,New York,NY,1999)。
「ハロゲン」、「ハロゲン化物」、または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を含む。
「離脱基」(LG)という用語は、求核剤により置換された後、そのアニオン型または中性型で安定しており、したがって、当業者には自明である、任意の原子(または原子群)を指す。「離脱基」の定義は、水、メタノール、エタノール、塩化物、臭化物、ヨウ化物、例えばメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩等のアルキルスルホン酸塩、例えばベンゼンスルホン酸塩、トリルスルホン酸塩等のアリールスルホン酸塩、例えばトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリクロロメタンスルホン酸塩等のペルハロアルカンスルホン酸塩、例えば酢酸塩等のアルキルカルボン酸塩、例えばトリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩等のペルハロアルキルカルボン酸塩、例えば安息香酸塩等のアリールカルボン酸塩を含むが、これらに限定されない。
「求電子剤」または「求電子試薬」という用語は、開いた原子価殻、または電子の豊富な反応物に対する誘引力を有し、したがって、当業者には自明である、正に荷電した、または中性の分子を指す。「求電子剤」の定義には、ヒドロニウム、アシリウム、例えば三フッ化ホウ素等のルイス酸類、例えば臭素(Br)等のハロゲン類、例えばtert−ブチルカチオン等のカルボカチオン類、ジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン、例えばヨウ化メチル、ヨウ化トリデューテロメチル(CDI)、臭化ベンジル等のアルキルハロゲン化物類、例えばメチルトリフレート等のアルキルトリフレート類、例えばエチルトルエンスルホン酸塩、ブチルメタンスルホン酸塩、ジメチル硫酸塩、ヘキサデューテロジメチル硫酸塩((CDSO)等のアルキルスルホン酸塩類、例えば塩化アセチル、臭化ベンゾイル等のアシルハロゲン化物類、例えば無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等の酸無水物類、例えばメチルイソシアン酸塩、フェニルイソシアン酸塩等のイソシアン酸塩類、例えばメチルクロロギ酸塩、エチルクロロギ酸塩、ベンジルクロロギ酸塩等のクロロギ酸塩類、例えば塩化メタンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル等のスルホニルハロゲン化物類、例えば塩化トリメチルシリル、塩化tert−ブチルジメチルシリル等のシリルハロゲン化物類、例えばクロロリン酸ジメチル等のホスホリルハロゲン化物、例えばアクロレイン、メチルビニルケトン、桂皮アルデヒド等のα−β−不飽和カルボニル化合物を含むが、これらに限定されない。
「アルキル」および「置換アルキル」という用語は、代替可能であり、特定の数の炭素原子を有する、置換、任意に置換、および非置換のC−C10直鎖脂肪族飽和炭化水素基、置換、任意に置換、および非置換のC−C10直鎖脂肪族不飽和炭化水素基、置換、任意に置換、および非置換のC−C10分岐状脂肪族飽和炭化水素基、置換および非置換のC−C10分岐状脂肪族不飽和炭化水素基、置換、任意に置換、および非置換のC−C環状脂肪族飽和炭化水素基、置換、任意に置換、および非置換のC−C環状脂肪族不飽和炭化水素基を含む。例えば、「アルキル」の定義は、メチル(Me)、トリデューテロメチル(−CD)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、ブチル(Bu)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、イソプロピル(i−Pr)、イソブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、sec−ブチル(s−Bu)、イソペンチル、ネオペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、メチルシクロプロピル、エチルシクロヘキセニル、ブテニルシクロペンチル、アダマンチル、ノルボルニル等を含むものとするが、これらに限定されない。アルキル置換基は、水素、重水素、ハロゲン、−OH、−SH、−NH、−CN、−NO、=O、=CH、トリハロメチル、カルバモイル、アリールC0−10アルキル、ヘテロアリールC0−10アルキル、C1−10アルキルオキシ、アリールC0−10アルキルオキシ、C1−10アルキルチオ、アリールC0−10アルキルチオ、C1−10アルキルアミノ、アリールC0−10アルキルアミノ、N−アリール−N−C0−10アルキルアミノ、C1−10アルキルカルボニル、アリールC0−10アルキルカルボニル、C1−10アルキルカルボキシ、アリールC0−10アルキルカルボキシ、C1−10アルキルカルボニルアミノ、アリールC0−10アルキルカルボニルアミノ、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピペラジニル、ヒドロキシピロニル(hydroxypyronyl)、−C0−10アルキルCOOR30および−C0−10アルキルCONR3132(式中、R30、R31、およびR32は、水素、重水素、アルキル、アリールから成る群から独立して選択されるか、またはR32およびR33は、それらが結合される窒素とともに、本明細書で定義される少なくとも1つの置換基を有する、3つから8つの炭素原子を含有する飽和環状系または不飽和環状系を形成する)から成る群から独立して選択される。
「アリール」という用語は、安定した共有結合を形成することができる任意の環位置で共有結合的に結合される、非置換、モノ、または多置換の単環、多環、ビアリール芳香族基を表し、特定の好ましい結合位置は、当業者には明らかである(例えば3−フェニル、4−ナフチル等)。アリール置換基は、水素、重水素、ハロゲン、−OH、−SH、−CN、−NO、トリハロメチル、ヒドロキシピロニル(hydroxypyronyl)、C1−10アルキル、アリールC0−10アルキル、C0−10アルキルオキシC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルオキシC0−10アルキル、C0−10アルキルチオC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルチオC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、N−アリール−N−C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C1−10アルキルカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルカルボニルC0−10アルキル、C1−10アルキルカルボキシC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルカルボキシC0−10アルキル、C1−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、−C0−10アルキルCOOR30、および−C0−10アルキルCONR3132(式中、R30、R31、およびR32は、水素、重水素、アルキル、アリールから成る群から独立して選択されるか、またはR31およびR32は、それらが結合される窒素とともに、上記で定義される少なくとも1つの置換基を有する、3つから8つの炭素原子を含有する飽和環状系または不飽和環状系を形成する)から成る群から独立して選択される。
「アリール」の定義は、フェニル、ペンタデューテロフェニル、ビフェニル、ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル、ピレニル等を含むが、これらに限定されない。
本開示に記載される目的を踏まえて、「アルキル」および「アリール」基、またはC−H結合を通常含む任意の基へのすべての言及は、本明細書に概説される改善に影響を与えるために必要とされる、部分的または完全重水素化型を含み得る。
重水素速度論的同位体効果
その循環系から治療薬等の異物を排除するために、動物体は、これらの異物と反応し、これらの異物を腎排泄のために、より極性の中間体または代謝物に変換するために、チトクロームP450酵素またはCYP、エステラーゼ、プロテアーゼ、レダクターゼ、デヒドロゲナーゼ、およびモノアミンオキシダーゼ等の様々な酵素を発現する。医薬化合物の最も一般的な代謝反応の中には、炭素−水素(C−H)結合から、炭素−酸素(C−O)または炭素−炭素(C−C)π−結合のいずれかへの酸化を伴うものもある。得られた代謝物は、生理学的病態下で、安定または不安定であり得て、親化合物に対して、実質的に相違する薬物動態学的、薬力学的、ならびに急性および長期毒性プロフィールを有し得る。ほとんどの薬物に対して、そのような酸化は、概して急速であり、最終的に複数または高い日用量の投与をもたらす。
活性化エネルギーと反応速度との関係は、アレニウスの式、k=Ae−Eact/RTにより定量化され得て、Eactは、活性化エネルギーであり、Tは、温度であり、Rは、モル気体定数であり、kは、反応速度定数であり、A(頻度因子)は、分子が、正しい配向でぶつかる可能性に左右される、各反応に特異的な定数である。アレニウスの式は、エネルギー障壁を越えるのに十分なエネルギーを有する分子の留分、すなわち、活性化エネルギーと少なくとも同等のエネルギーを有する分子の割合が、熱エネルギー(RT)に対する活性化エネルギーの比、特定温度で分子が有する熱エネルギーの平均量に指数関数的に左右されることを示す。
反応の遷移状態は、最初の結合がその限界に及んでいる間、反応経路に沿って持続の短い状態(約10−14秒)である。定義により、反応に対する活性化エネルギーEactは、その反応の遷移状態に達するために必要とされるエネルギーである。複数のステップを伴う反応は、必然的に多くの遷移状態を有し、これらの場合、反応に対する活性化エネルギーは、反応体と最も不安定な遷移状態との間のエネルギー差に等しい。一度遷移状態に達すると、分子が、元の状態に戻り得る、したがって、元の反応体を再形成し得るか、あるいは新しい結合が形成され、生成物をもたらす。前および後ろ両方の経路が、エネルギー放出をもたらすため、この二分法が可能である。触媒は、遷移状態をもたらす活性化エネルギーを低下させることにより、反応プロセスを容易にする。酵素は、特定の遷移状態に達するために必要なエネルギーを減少させる、生物学的触媒の例である。
炭素−水素結合は、本質的に共有化学結合である。同様の電気陰性度の2つの原子が、それらの価電子のいくつかを共有することにより、原子を結び付ける強さを生成する場合、そのような結合が形成される。この強さまたは結合力は、定量化され得て、エネルギーの単位で表され、そのようなものとして、様々な原子間の共有結合は、結合を切断するか、または2つの原子を分離するために、結合に印加されなければならないエネルギーの量に従い、分類され得る。
結合力は、結合の基底状態の振動エネルギーの絶対値に正比例する。この振動エネルギーは、ゼロ点振動エネルギーとしても知られるが、結合を形成する原子の質量に左右される。結合を作る原子の1つまたは両方の質量が増加すると、ゼロ点振動エネルギーの絶対値は、増加する。重水素(D)が、水素(H)の2倍の質量を有するため、C−D結合が、対応するC−H結合よりも強いという結果になる。C−D結合による化合物は、HO中で無限に安定している場合が多く、同位体研究に広く使用されてきた。C−H結合が、化学反応中の律速段階(すなわち、最高遷移状態エネルギーを有する段階)の間に切断される場合、その水素の重水素への置換により、反応速度の減少を引き起こし、プロセスは、速度を落とす。この現象が、重水素速度論的同位体効果(DKIE)として知られている。DKIEの大きさは、C−H結合が切断される所与の反応速度と、水素が重水素で置換された同一反応の速度との比で表すことができる。DKIEは、約1(同位体効果なし)から50以上等の非常に大きな数に及び得て、水素が重水素で置換された場合、反応が、50倍以上も遅くなり得ることを意味する。高DKIE値は、不確定性原理の結果であるトンネル現象として知られる現象に、ある程度起因し得る。トンネル現象の原因は、小さな質量の水素原子にあると見なされ、プロトンを伴う遷移状態が、必要とされる活性化エネルギーがない場合に形成され得るため、発生する。重水素は水素より多い質量を有するため、この現象を受ける可能性が統計的にはるかに低い。水素の三重水素への置換は、重水素よりもさらに強い結合をもたらし、数値的により大きい同位体効果を与える。
Ureyにより1932年に発見されたように、重水素(D)は、水素の安定および非放射性同位体である。それは、純粋な形でその元素から分離された最初の同位体であり、水素の2倍の質量を有し、地球上での水素の全質量(この用法では、すべての水素同位体を意味する)の約0.02%を占める。2つの重水素原子が、1つの酸素と結合する場合、重水素酸化物(DOまたは「重水」)が形成される。DOは、HOと同様の外観および味を有するが、異なる物理的性質を有する。それは、101.41℃で沸騰し、3.79℃で凝固する。その熱容量、融解熱、蒸発熱、およびエントロピーは、すべてHOよりも高い。それは、より粘性であり、HOとは異なる可溶化特性を有する。
純DOが齧歯動物に与えられる場合、それは容易に吸収され、通常、摂取される濃度の約80%である、平衡レベルに達する。毒性を誘導するために必要とされる重水素の量は、非常に高い。体内の水分の0%から15%ほどが、DOに置き換えられた場合、動物は健康であるが、対照(未治療)群と同じぐらい速く体重を増加させることは不可能である。体内の水分の約15%から約20%が、DOに置き換えられた場合、動物は、興奮性になる。体内の水分の約20%から約25%が、DOに置き換えられた場合、動物は非常に興奮性になり、刺激を受けると頻繁な痙攣を起こす。皮膚病変、手足および鼻口部上の潰瘍、ならびに尾の壊死が、出現する。また、動物は、非常に攻撃的になり、雄は、ほとんど手に負えなくなる。体内の水分の約30%が、DOに置き換えられた場合、動物は、摂食を拒否し、昏睡状態になる。それらの体重は激減し、それらの代謝速度は、通常よりもはるかに減少し、約30%から約35%のDOによる置き換えでは、死に至る。効果は、以前の体重の30%超が、DOにより減少していない限り、可逆性である。研究はまた、DOの使用が、癌細胞の増殖を遅延させ、特定の抗癌薬の細胞毒性を増強させることを示している。
三重水素(T)は、研究、核融合炉、中性子発生装置、および放射性医薬品に使用される、水素の放射性同位体である。三重水素の蛍光体との混合は、腕時計、コンパス、ライフル照準器、および出口標識に一般的に使用される技術である、連続光源をもたらす。それは、Rutherford、Oliphant、およびHarteckにより1934年に発見され、宇宙線がH分子と反応する際、上層大気中で自然に生成される。三重水素は、核内に2つの中性子を有し、3に近い原子量を有する水素原子である。それは、非常に低濃度の環境で自然に発生し、無色および無臭の液体である、TOとして最も一般的に見いだされる。三重水素は、ゆっくりと崩壊し(半減期=12.3年)、ヒト皮膚の外層に浸透することが不可能な低エネルギーベータ粒子を放出する。内部被爆は、この同位体に関連する主要な危険有害性であるが、著しい健康上のリスクを生じさせるには大量に摂取されなければならない。重水素と比較して、危険なレベルに到達するまでに、より少量の三重水素が摂取されなければならない。
薬物動態(PK)、薬理作用(PD)、および毒性プロフィールを改善させるための調合薬の重水素化は、いくつかの分類の薬物でこれまで実証されてきた。例えば、DKIEは、恐らくトリフルオロアセチル塩化物等の反応種の生成を制限することにより、ハロタンの肝毒性を減少させるために使用された。しかしながら、この方法は、すべての薬物分類には適用され得ない。例えば、重水素の取り込みは、代謝スイッチをもたらし得る。代謝スイッチの概念は、異種(xenogen)が、第I相酵素により隔離される場合、化学反応(例えば、酸化)前に、一時的に結合、かつ様々な構造で再結合し得ることを断言する。この仮説は、多くの第I相酵素中の比較的大きいサイズの結合ポケット、および多くの代謝反応の寛容な性質により支持される。代謝スイッチは、完全に新しい代謝物に加えて、既知の代謝物の異なる割合を潜在的にもたらし得る。この新しい代謝プロフィールは、より多い、またはより少ない毒性を与え得る。そのような落とし穴は自明ではなく、いかなる薬物分類に対しても、先験的に予測可能ではない。
重水素化置換アリルアミン誘導体
特定の、アリルアミンをベースとする抗真菌剤が当技術分野において既知であり、本明細書に示す。テルビナフィン(Lamisil(登録商標))は、1つのそのような化合物である。テルビナフィンの炭素−水素結合は、水素同位体の自然発生的な分布、すなわち、Hまたはプロチウム(約99.9844%)、Hまたは重水素(約0.0156%)、およびHまたは三重水素(1018プロチウム原子当たり、約0.5から67の三重水素原子の範囲で)を含む。重水素の取り込みレベルの増加は、自然発生的なレベルの重水素を有する化合物と比較して、そのようなスクアレンエポキシダーゼモジュレータの薬物動態、薬理および/または毒性パラメータに影響を与え得る、検出可能な動力学同位体効果(KIE)を生成する。
我々の研究所で得られた発見に基づき、ならびにKIE文献を考慮すると、テルビナフィンは、ヒトにおいて、アリルメチレンC−H結合での酸化により代謝される可能性が高い。得られた前述の代謝物の毒性および薬理作用は、肝炎の観察される症例、およびさらに単純に、しばしば潜在的に肝毒性のある物質の投与に続くバイオマーカーである、血漿アミノ基転移酵素濃度においてしばしば見られる上昇に関与する可能性が高い。そのような毒性の予防は、そのような薬物の投与の危険性を減少させ、用量の増加および付随する効能の増加を可能にさえすることができる。本発明の重水素化類似体は、実質的に最大耐量を増加させ、毒性を減少させ、半減期(T1/2)を増加させ、最小有効量(MED)の最大血漿濃度(Cmax)を減少させ、有効量を減少させ、したがって、非機構関連の毒性を減少させ、および/または薬物−薬物相互作用の可能性を減少させる一方で、非同位体濃縮薬物の有益な面を独自に維持する可能性を有する。また、これらの薬物は、すでに言及した薬用量を減少させる可能性と合わせて、重水素化試薬の安価な供給源の入手し易さから、商品原価(COG)を削減する大きな可能性も有する。したがって、様々な重水素化パターンは、a)不要な代謝物を減少させるか、または排除するため、b)親薬物の半減期を増加させるため、c)所望の効果を得るために必要とされる投与回数を減少させるため、d)所望の効果を得るために必要とされる投与量を減少させるため、e)形成された場合、活性代謝物の形成を増加させるため、かつ/またはf)特定組織内の有害な代謝物の生成を減少させ、および/またはポリファーマシーが意図的であるかないかにかかわらず、ポリファーマシーに対して、より効果的な薬物および/またはより安全な薬物を生成するために使用され得る。
一実施形態において、構造式Iを有する化合物であって、
Figure 2010512343

(I)
式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25は、水素および重水素から成る群から独立して選択され、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、独立して重水素である化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを本明細書に開示する。
いくつかの実施形態において、式1の化合物は、
Figure 2010512343
であることができない。
さらなる実施形態において、該化合物は、実質的に単一エナンチオマー、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、実質的に個々のジアステレオマー、または約90重量%以上の個々のジアステレオマーと約10重量%以下の任意の他のジアステレオマーとの混合物である。
別の実施形態において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約98%の重水素濃縮を独立して有する。
本発明のさらに別の実施形態において、以下の構造のうちの1つを有する式Iによる化合物
Figure 2010512343

またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを開示する。
さらなる実施形態において、該化合物は、実質的に単一エナンチオマー、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、実質的に個々のジアステレオマー、または約90重量%以上の個々のジアステレオマーと約10重量%以下の任意の他のジアステレオマーとの混合物である。
特定の実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、Rは水素である。また他の実施形態において、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、Rは水素である。また他の実施形態において、Rは水素である。さらに他の実施形態において、Rは水素である。さらに他の実施形態において、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、R10は水素である。また他の実施形態において、R11は水素である。さらに他の実施形態において、R12は水素である。また他の実施形態において、R13は水素である。他の実施形態において、R14は水素である。特定の実施形態において、R15は水素である。他の実施形態において、R16は水素である。また他の実施形態において、R17は水素である。いくつかの実施形態において、R18は水素である。他の実施形態において、R19は水素である。また他の実施形態において、R20は水素である。さらに他の実施形態において、R21は水素である。さらに他の実施形態において、R22は水素である。いくつかの実施形態において、R23は水素である。他の実施形態において、R24は水素である。さらに他の実施形態において、R25は水素である。
特定の実施形態において、Rは重水素である。他の実施形態において、Rは重水素である。また他の実施形態において、Rは重水素である。いくつかの実施形態において、Rは重水素である。他の実施形態において、Rは重水素である。また他の実施形態において、Rは重水素である。さらに他の実施形態において、Rは重水素である。さらに他の実施形態において、Rは重水素である。いくつかの実施形態において、Rは重水素である。他の実施形態において、R10は重水素である。また他の実施形態において、R11は重水素である。さらに他の実施形態において、R12は重水素である。また他の実施形態において、R13は重水素である。他の実施形態において、R14は重水素である。特定の実施形態において、R15は重水素である。他の実施形態において、R16は重水素である。また他の実施形態において、R17は重水素である。いくつかの実施形態において、R18は重水素である。他の実施形態において、R19は重水素である。また他の実施形態において、R20は重水素である。さらに他の実施形態において、R21は重水素である。さらに他の実施形態において、R22は重水素である。いくつかの実施形態において、R23は重水素である。他の実施形態において、R24は重水素である。さらに他の実施形態において、R25は重水素である。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約60重量%以上の(−)エナンチオマーと、化合物の約40重量%以下の(+)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約70重量%以上の(−)エナンチオマーと、化合物の約30重量%以下の(+)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約80重量%以上の(−)エナンチオマーと、化合物の約20重量%以下の(+)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約90重量%以上の(−)エナンチオマーと、化合物の約10重量%以下の(+)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約95重量%以上の(−)エナンチオマーと、化合物の約5重量%以下の(+)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約99重量%以上の(−)エナンチオマーと、化合物の約1重量%以下の(+)エナンチオマーとを含む。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約60重量%以上の(+)エナンチオマーと、化合物の約40重量%以下の(−)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約70重量%以上の(+)エナンチオマーと、化合物の約30重量%以下の(−)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約80重量%以上の(+)エナンチオマーと、化合物の約20重量%以下の(−)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約90重量%以上の(+)エナンチオマーと、化合物の約10重量%以下の(−)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約95重量%以上の(+)エナンチオマーと、化合物の約5重量%以下の(−)エナンチオマーとを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、化合物の約99重量%以上の(+)エナンチオマーと、化合物の約1重量%以下の(−)エナンチオマーとを含む。
本明細書で開示される化合物である重水素化化合物は、炭素の13Cまたは14C、硫黄の33S、34S、または36S、窒素の15N、および酸素の17Oまたは18Oを含むが、これらに限定されない、他の元素のあまり一般的ではない同位体も含み得る。
特定の実施形態において、いかなる学説にも束縛されるものではないが、本明細書で開示される化合物におけるC−D結合のすべてが、DOまたはDHOとして代謝および放出されると仮定して、本明細書で開示される化合物は、患者を最大約0.000005%DOまたは約0.00001%DHOに曝露し得る。この量は、循環におけるDOまたはDHOの自然発生的なバックグラウンド濃度のごくわずかである。特定の実施形態において、動物における毒性を引き起こすことが示されるDOの濃度は、本明細書で開示される重水素濃縮化合物による、曝露した最大限度の濃度よりもはるかに大きい。したがって、特定の実施形態において、本明細書で開示される重水素濃縮化合物は、重水素の使用により、いかなる追加の毒性も引き起こすはずがない。
一実施形態において、本明細書で開示される重水素化化合物は、実質的に最大耐量を増加させ、毒性を減少させ、半減期(T1/2)を増加させ、最小有効量(MED)の最大血漿濃度(Cmax)を減少させ、有効量を減少させ、したがって、非機構関連の毒性を減少させ、および/または薬物−薬物相互作用の可能性を減少させる一方で、対応する非同位体濃縮分子の有益な面を維持する。
同位体水素は、取り込み速度があらかじめ定められた、重水素化試薬を用いる合成技術により、かつ/または取り込み速度が平衡条件により確定され、反応条件に応じて、非常に可変であり得る交換技術により、本明細書で開示される式Iの化合物に導入され得る。三重水素または重水素を、既知の同位体含有量を有する三重水素化または重水素化試薬により、直接かつ特異的に挿入する合成技術は、高い三重水素または重水素存在量をもたらし得るが、必要とされる化学的性質により制限され得る。一方で、交換技術は、多くの場合、分子上の多くの位置にわたって分布する同位体により、より低い三重水素または重水素の取り込みをもたらし得る。
本明細書で開示される化合物は、当業者に既知である方法およびその日常的な修正形態により、ならびに/または本明細書の(実施例)の項で記載されるものと類似した手順およびその日常的な修正形態、ならびに/またはWatson,Synth.Comm.1992,22(20),2971−2977,Demko,J.Org.Chem.2001,66(24),7945−7950,Srinivas et al,Synthesis 2004,4,506−508、およびRegen,J.Org.Chem.1979,44(12),2029−2030、およびそこで引用される参考文献およびその日常的な修正形態において見られる手順に従い、調製することができる。本明細書で開示される化合物は、以下のスキームおよびその日常的な修正形態のいずれかにおいて示されるように、調製することもできる。
例えば、本明細書で開示される特定の化合物は、スキーム1に示す通り、調製することができる。
スキーム1
Figure 2010512343
Figure 2010512343
酸塩化物1を、低温で、ジエチルイソプロピルアミン等の適切な塩基の存在下、テトラヒドロフラン等の適切な溶媒中でメチルアミンと反応させ、アミド2を生じさせ、これを昇温で、テトラヒドロフラン等の適切な溶媒中で水素化アルミニウムリチウム等の適切な還元剤と反応させ、アミン3を生じさせる。
プロピン酸4を、昇温で、水等の適切な溶媒中でヨウ化水素酸と反応させてZ−ヨードアクリル酸5を生じさせ、これを昇温で、ベンゼン等の適切な溶媒中でヨウ化水素酸と反応させてE−ヨードアクリル酸6を生じさせる。化合物6を、昇温で、メタノール等の適切な溶媒中で硫酸等の適切な触媒と反応させてエステル7を生じさせ、これを塩化ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、またはヨウ化銅(I)、またはそれらの適切な混合物等の適切な触媒の存在下、トリエチルアミン等の適切な溶媒中でt−ブチルアセチレンと反応させ、エニノン(enynoic)エステル9を生じさせる。化合物9を、低温で、エーテル等の適切な溶媒中で、水素化アルミニウムリチウム等の適切な還元剤と反応させてエニノール(enynol)10を生じさせる。化合物10をトリエチルアミン等の適切な塩基の存在下、ジクロロメタン等の適切な溶媒中で塩化メタンスルホニル等の適切な求電子剤と反応させて化合物11を生じさせることにより、化合物10のヒドロキシル官能基を離脱基(O−LG)に転換させる。化合物11を、炭酸カリウム等の適切な塩基、およびヨウ化カリウム等の適切な触媒の存在下、アセトニトリル等の適切な溶媒中でアミン3と反応させ、式Iの化合物12を生成する。
重水素は、適切な重水素化中間体を使用することにより、スキーム1に示される合成手順に従って、合成的に異なる位置に取り込まれ得る。例えば、重水素をR、R、R、R、R、R、およびRのうちの1つ以上の位置に導入するために、対応する重水素置換を有する塩化ナフタレン−1−カルボニルを使用することができる。重水素をR、R、R13、およびR14のうちの1つ以上の位置に導入するために、重水素化リチウムアルミニウムを使用することができる。重水素をR10、R11、およびR12のうちの1つ以上の位置に導入するために、対応する重水素置換を有するメチルアミンを使用することができる。重水素をR15の位置に導入するために、重水素酸化物中の重水素ヨウ化物を使用することができる。重水素をR16の位置に導入するために、対応する重水素置換を有するプロピン酸を使用することができる。重水素をR17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの1つ以上の位置に導入するために、対応する重水素置換を有するtert−ブチルアセチレンを使用することができる。これらの重水素化中間体は、市販されているか、あるいは当業者に既知の方法、または本明細書の実施例の項に記載されるものと類似した手順、およびその日常的な修正形態に従って調製することができる。
重水素は、また、プロトン−重水素平衡交換を介して、アリールおよびベンジルプロトン等の交換可能なプロトンを有する様々な位置に取り込むことができる。例えば、重水素をR、R、R13、およびR14に導入するために、当技術分野において既知であるプロトン−重水素交換方法により、これらのプロトンを選択的または非選択的に重水素と置き換えることができる。
本明細書に提供される化合物は、“Stereochemistry of Carbon Compounds”Eliel and Wilen,John Wiley & Sons,New York,1994,pp.1119−1190に記載されるような、1つ以上のキラル中心、キラル軸、および/またはキラル面を含み得ることを理解されたい。そのようなキラル中心、キラル軸、およびキラル面は、(R)または(S)構成であり得るか、あるいはその混合物であり得る。
少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を含む組成物を、特徴付けるための別の方法は、偏光ビームへの組成物の効果による。平面偏光ビームが、キラル化合物の溶液を通過する際、現れる偏光面は、元の面に対して回転する。この現象は、光学活性として知られており、偏光面を回転させる化合物は、光学活性があるといわれる。化合物の1つのエナンチオマーは、偏光ビームを一方向に回転させ、他方のエナンチオマーは、光ビームを反対方向に回転させる。偏光を時計回りに回転させるエナンチオマーは、(+)エナンチオマーであり、偏光を反時計回りに回転させるエナンチオマーは、(−)エナンチオマーである。本明細書で開示される化合物の0%から100%の(+)および/または(−)エナンチオマーを含む組成物が、本明細書に記載される組成物の範囲内に含まれる。
本明細書で開示される化合物が、アルケニルまたはアルケニレン基を含む場合、化合物は、幾何cis/trans(またはZ/E)異性体の1つまたは混合物として存在し得る。構造異性体が、低エネルギー障壁を介して相互変換可能な場合、本明細書で開示される化合物は、単一互変異性体、または互変異性体の混合物として存在し得る。これは、例えばイミノ、ケト、またはオキシム基を含む本明細書で開示される化合物において、プロトン互変異性の形態、または芳香族部分を含む化合物において、いわゆる原子価互変異性の形態を取り得る。当然、単一化合物は、2つ以上の異性を示し得るということになる。
本明細書で開示される化合物は、単一エナンチオマーもしくは単一ジアステレオマー等、エナンチオマー的に純粋であり得るか、またはエナンチオマーの混合物、ラセミ混合物、もしくはジアステレオマー混合物等の、立体異性体混合物であり得る。したがって、その(R)形態である化合物の投与は、生体内でエピマー化される化合物については、その(S)形態の化合物の投与と同等であることを、当業者は認識する。個々のエナンチオマーの調製/分離のための従来の技術は、例えば、キラルクロマトグラフィー、再結晶、分割、ジアステレオマー塩形成、またはジアステレオマー付加物への誘導体化に続いて分離を使用する、好適な光学的に純粋な先駆体からのキラル合成、またはラセミ化合物の分割を含む。
本明細書で開示される化合物が、酸性または塩基性部分を含む場合、それは、薬剤として許容される塩としても開示され得る(Berge et al., J.Pharm.Sci.1977,66,1−19、および“Handbook of Pharmaceutical Salts,Properties,and Use,”Stah and Wermuth,Ed.;Wiley−VCH and VHCA,Zurich,2002を参照)。
薬剤として許容される塩の調製で使用する好適な酸は、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ホウ酸、(+)ショウノウ酸、カンファースルホン酸、(+)(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、(+)L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、過塩素酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、糖酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、およびバレリアン酸を含むが、これらに限定されない。
薬剤として許容される塩の調製で使用する好適な塩基は、水酸化マグネシウム物、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、または水酸化ナトリウム等の無機塩基;およびL−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リジン、モルホリン、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、第2級アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチル−D−グルカミン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、およびトロメタミンを含む、第1級、第2級、第3級、および第4級、脂肪族および芳香族アミン等の有機塩基を含むが、これらに限定されない。
本明細書で開示される化合物は、本明細書で開示される化合物の機能的誘導体であり、生体内で親化合物に容易に変換可能である、プロドラッグとしても開示され得る。プロドラッグは、場合によっては、親化合物よりも投与が容易であり得るため、有用である場合が多い。例えば、親化合物が経口投与により生物学的に利用不可能なのに対して、プロドラッグは、経口投与により生物学的に利用可能であり得る。プロドラッグはまた、親化合物よりも、医薬組成物において改善された溶解度を有し得る。プロドラッグは、酵素プロセスおよび代謝加水分解を含む、様々な機構により親薬物に変換され得る。Harper,Progress in Drug Research 1962,4,221−294、Morozowich et al. in “Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs,” Roche Ed., APHA Acad.Pharm.Sci.1977、“Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design,Theory and Application,” Roche Ed., APHA Acad.Pharm.Sci.1987、“Design of Prodrugs,”Bundgaard,Elsevier,1985、Wang et al., Curr.Pharm.Design 1999,5,265−287、Pauletti et al., Adv.Drug.Delivery Rev.1997,27,235−256、Mizen et al., Pharm.Biotech.1998,11,345−365、Gaignault et al., Pract.Med.Chem.1996,671−696、Asgharnejad in “Transport Processes in Pharmaceutical Systems,”Amidon et al., Ed., Marcell Dekker,185−218,2000、Balant et al., Eur.J.Drug Metab.Pharmacokinet.1990,15,143−53、Balimane and Sinko, Adv. Drug Delivery Rev.1999,39,183−209、Browne, Clin. Neuropharmacol.1997,20,1−12、Bundgaard,Arch.Pharm.Chem.1979,86,1−39、Bundgaard,Controlled Drug Delivery 1987,17,179−96、Bundgaard, Adv.Drug Delivery Rev.1992,8,1−38、Fleisher et al., Adv.Drug Delivery Rev.1996,19,115−130、Fleisher et al., Methods Enzymol.1985,112,360−381、Farquhar et al., J.Pharm.Sci.1983,72,324−325、Freeman et al., J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1991,875−877、Friis and Bundgaard,Eur.J.Pharm.Sci.1996,4,49−59、Gangwar et al., Des.Biopharm.Prop.Prodrug Analogs,1977,409−421、Nathwani and Wood,Drugs 1993,45,866−94、Sinhababu and Thakker, Adv.Drug Delivery Rev.1996,19,241−273、Stella et al., Drugs 1985,29,455−73、Tan et al., Adv.Drug Delivery Rev.1999,39,117−151、Taylor, Adv. Drug Delivery Rev.1996,19,131−148、Valentino and Borchardt, Drug Discovery Today 1997,2,148−155、Wiebe and Knaus, Adv. Drug Delivery Rev.1999,39,63−80、 Waller et al., Br. J. Clin. Pharmac.1989,28,497−507を参照されたい。
医薬組成物
1つ以上の薬剤として許容される賦形剤または担体と組み合わせて、単一エナンチオマー、(+)エナンチオマーと(−)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、個々のジアステレオマー、もしくはそのジアステレオマーの混合物を含む、活性成分として本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物を、薬剤として許容される媒体、担体、希釈剤、もしくは賦形剤、またはそれらの混合物として、1つ以上の薬剤として許容される賦形剤または担体と併用して、本明細書で開示する。
腸内、静脈内注射、経口、非経口、局所的、または眼内投与のための、本明細書で開示される化合物、本明細書で開示される化合物の単一エナンチオマー、(+)エナンチオマーと(−)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、本明細書で開示される化合物の個々のジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物のうちの少なくとも1つ、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物を、薬剤として許容される媒体、担体、希釈剤、もしくは賦形剤、またはそれらの組み合わせとして、本明細書で開示する。
単一エナンチオマー、(+)エナンチオマーと(−)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、個々のジアステレオマー、またはそのジアステレオマーの混合物を含む、本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、ならびに本明細書で開示される1つ以上の放出制御賦形剤もしくは担体を含む、調節放出剤形の医薬組成物を、本明細書で開示する。好適な調節放出投与媒体は、親水性または疎水性マトリックス装置、水溶性剥離層コーティング、腸溶性コーティング、浸透性装置、多微粒子装置、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。医薬組成物は、非放出制御賦形剤または担体も含み得る。
さらに、単一エナンチオマー、(+)エナンチオマーと(−)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、個々のジアステレオマー、もしくはそのジアステレオマーの混合物を含む、本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、ならびに腸溶性剤形で使用するための1つ以上の放出制御賦形剤もしくは担体を含む、腸溶性剤形の医薬組成物を、本明細書で開示する。医薬組成物は、非放出制御賦形剤または担体も含み得る。
さらに、単一エナンチオマー、(+)エナンチオマーと(−)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、個々のジアステレオマー、もしくはそのジアステレオマーの混合物を含む、本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、ならびに腸溶性剤形で使用するための1つ以上の放出制御賦形剤または担体を含む、発泡性剤形の医薬組成物を、本明細書で開示する。医薬組成物は、非放出制御賦形剤または担体も含み得る。
さらに、即時放出成分および少なくとも1つの遅延放出成分を有し、0.1時間から最大24時間まで時間的に隔てられた、少なくとも2つの連続したパルスの形態で、化合物を断続的に放出することが可能な剤形の、医薬組成物が開示される。医薬組成物は、単一エナンチオマー、(+)エナンチオマーと(−)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、個々のジアステレオマー、もしくはそのジアステレオマーの混合物を含む、本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、ならびに破壊可能な半透膜に対して、および膨潤性物質として好適である賦形剤もしくは担体等の、1つ以上の放出制御および非放出制御の賦形剤もしくは担体を含む。
また、単一エナンチオマー、(+)エナンチオマーと(−)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、個々のジアステレオマー、もしくはそのジアステレオマーの混合物を含む、本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、ならびにアルカリで部分的に中和され、カチオン交換容量と胃液耐性外層とを有する、胃液耐性高分子層材料を含む中間反応層に封入される、1つ以上の薬剤として許容される賦形剤もしくは担体を含む、被験体への経口投与のための剤形の医薬組成物も本明細書で開示する。
経口投与のための錠剤の形態の、約0.1mgから約6000mg、約1mgから約500mg、約2mgから約250mg、約1mg、約2mg、約3mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約250mg、約500mgの、1つ以上の本明細書で開示される化合物を含む、医薬組成物を本明細書で開示する。医薬組成物は、コロイド状二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム等の不活性成分をさらに含む。
経口投与のための粒剤の形態の、約0.1mgから約6000mg、約1mgから約500mg、約2mgから約250mg、約1mg、約2mg、約3mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約125mg、約187.5mg、約250mg、約500mgの、1つ以上の本明細書で開示される化合物を含む、医薬組成物を本明細書で開示する。医薬組成物は、塩基性ブチル化メタクリル酸コポリマー、コロイド状二酸化ケイ素、セバシン酸ジブチル、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、窒素(充填ガス)、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびデンプングリコール酸ナトリウム等の不活性成分をさらに含む。
局所投与用の軟膏、ゲル、またはクリームの形態の、約0.1%から約50%、約1%から約25%、約2%から約10%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%の1つ以上の本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を、本明細書で開示する。医薬組成物は、ベンジルアルコール、セチルアルコール、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ポリソルベート60、精製水、水酸化ナトリウム、モノステアリン酸ソルビタン、およびステアリルアルコール等の不活性成分をさらに含む。
本明細書で開示される医薬組成物は、単回投与用量形態または複数回投与用量形態で開示され得る。本明細書で使用される単回投与用量形態は、当技術分野において既知である通り、ヒトおよび動物被験体への投与に好適であり、個々にパッケージングされる、物理的に分離した単位を指す。各単回投与用量は、必要とされる医薬担体または賦形剤に関連して、所望の治療効果を生むために十分な所定の量の活性成分を含む。単回投与用量形態の例は、アンプル、注射器、ならびに個々にパッケージングされた錠剤およびカプセル剤を含む。単回投与用量形態は、その分割または倍数単位で投与され得る。複数回投与用量形態は、分離された単回投与用量形態で投与されるように、単一容器にパッケージングされる複数の同一の単回投与用量形態である。複数回投与用量形態の例は、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤のボトル、またはパイントもしくはガロンのボトルを含む。
本明細書で開示される化合物は、単独で、または1つ以上の他の本明細書で開示される化合物、1つ以上の他の活性成分と併用して投与され得る。本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物は、経口、非経口、および局所投与用の様々な剤形で配合され得る。医薬組成物はまた、遅延、持続、持効性、徐放、パルス、制御、加速および迅速、標的、プログラム放出を含む調節放出製剤、ならびに胃貯留剤形として配合され得る。これらの剤形は、当業者に既知である従来の方法および技術により、調製することができる(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,(上記)、Modified−Release Drug Deliver Technology,Rathbone et al., Eds.,Drugs and the Pharmaceutical Science,Marcel Dekker,Inc.:New York,NY,2002;Vol.126を参照)。
本明細書で開示される医薬組成物は、一度、または時間をおいて複数回、投与され得る。正確な投与量および治療期間は、治療される患者の年齢、体重、および病態により異なり、既知の試験プロトコルを使用して、または生体内または生体外テストまたは診断データからの外挿法により、実験的に確定され得ることが理解される。いかなる特定の個人に対しても、具体的な用法用量は、個々の必要性、および製剤の投与を管理または指導する個人の専門的な判断に従い、経時的に調製されるべきであることが、さらに理解される。
患者の病態が改善しない場合、医師の判断により、化合物の投与は、患者の疾患の症状を改善、または別様に抑制もしくは制限するために、慢性的に、すなわち患者の一生涯を含む、長期間投与され得る。
患者の状態が、改善する場合、医師の判断により、化合物の投与は、特定期間、継続的または一時的に中断されて与えることができる(すなわち、「休薬期間」)。
患者の病態の改善が見られるようになれば、維持量が、必要に応じて投与される。その後、投与の用量もしくは頻度、またはその両方は、症状に応じて、改善された疾患が保持される程度まで減少することができる。しかしながら、患者は、いかなる症状の再発によっても、長期的な間欠的治療を必要とし得る。
A.経口投与
本明細書で開示される医薬組成物は、経口投与用に、固体、半固体、または液体剤形で開示され得る。本明細書で使用される、経口投与は、口腔、舌、および舌下投与も含む。好適な経口剤形は、錠剤、カプセル剤、ピル、トローチ、ドロップ、パステル剤、カシェ剤、ペレット、薬用チューイングガム、粒剤、原末、発泡性または非発泡性散剤または粒剤、溶液、乳剤、懸濁剤、溶液、ウエハー剤、スプリンクル剤、エリキシル剤、およびシロップを含むが、これらに限定されない。活性成分に加えて、医薬組成物は、限定するわけではないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤、着色剤、染料移動抑制剤、甘味剤、および香料添加剤を含む、1つ以上の薬剤として許容される担体または賦形剤を含み得る。
結合剤またはグラニュレーターは、圧縮後錠剤が確実に原型を保つように、錠剤に粘着性を与える。好適な結合剤またはグラニュレーターは、コーンデンプン、ジャガイモデンプン、および予備ゼラチン化デンプン(例えば、デンプン1500)等のデンプン;ゼラチン;スクロース、グルコース、ブドウ糖、糖蜜、および乳糖等の糖類;アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、アイリッシュモスの抽出物、パンワールガム、ガッチゴム、イサゴールハスクの粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム、カラマツのアラボガラクタン、トラガント末、およびグアーガム等の天然および合成ガム;エチルセルロース、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corp.,Marcus Hook,PA)等の微結晶性セルロース;ならびにその混合物を含むが、これらに限定されない。好適な充填剤は、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、予備ゼラチン化デンプン、ならびにその混合物を含むが、これらに限定されない。結合剤または充填剤は、本明細書で開示される医薬組成物において、約50重量%から約99重量%で存在し得る。
好適な希釈剤は、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、および粉砂糖を含むが、これらに限定されない。マンニトール、乳糖、ソルビトール、スクロース、およびイノシトール等の特定の希釈剤は、十分な量で存在する場合、口腔での咀嚼による崩壊を可能にする特性を、一部の圧縮錠剤に与え得る。そのような圧縮錠剤は、チュアブルタブレットとして使用され得る。
好適な崩壊剤は、寒天;ベントナイト;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース等のセルロース;木からの生成物;海綿;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガムおよびビーガムHV等のガム;シトラスパルプ;クロスカルメロース等の交差結合セルロース;クロスポビドン等の交差結合ポリマー;交差結合デンプン;炭酸カルシウム;デンプングリコール酸ナトリウム等の微結晶性セルロース;ポラクリリンカリウム;コーンデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、および予備ゼラチン化デンプン等のデンプン;粘土;アライン;ならびにその混合物を含むが、これらに限定されない。本明細書で開示される医薬組成物の崩壊剤の量は、製剤の種類により異なり、当業者には容易に識別され得る。本明細書で開示される医薬組成物は、約0.5重量%から約15重量%または約1重量%から約5重量%の崩壊剤を含み得る。
好適な潤滑剤は、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリセロールベヘネートおよびポリエチレングリコール(PEG)等のグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油を含む、硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;寒天;デンプン;石松子;AEROSIL(登録商標)200(W.R.Grace Co.,Baltimore,MD)およびCAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston,MA)等のシリカまたはシリカゲル;ならびにその混合物を含むが、これらに限定されない。本明細書で開示される医薬組成物は、約0.1重量%から約5重量%の潤滑剤を含み得る。
好適な流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston,MA)、およびアスベスト不使用タルクを含む。着色剤は、アルミナ白に懸濁している、認可された、認定された、水溶性FD&C染料および不水溶性FD&C染料のいずれか、および顔料レーキ、ならびにその混合物を含む。顔料レーキは、重金属の水和酸化物への水溶性染料の吸着による化合物であり、不可溶性形態の染料をもたらす。香料添加剤は、果物等の植物から抽出される天然香味料、ならびにペパーミントおよびメチルサリチル酸等の好ましい味覚を生成する化合物の合成混合物を含む。甘味剤は、スクロース、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、ならびにサッカリンおよびアスパルタム等の人工甘味料を含む。好適な乳化剤は、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、ならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)、およびオレイン酸トリエタノールアミン等の界面活性剤を含む。懸濁化剤および分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンを含む。防腐剤は、グリセリン、メチルおよびプロピルパラベン、安息香酸添加、安息香酸ナトリウム、ならびにアルコールを含む。湿潤剤は、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。溶媒は、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップを含む。乳剤に使用される非水溶液の例は、鉱油および綿実油を含む。有機酸は、クエン酸および酒石酸を含む。二酸化炭素源は、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを含む。
同一の製剤においても、多くの担体および賦形剤がいくつかの機能を果たし得ることを、理解すべきである。
本明細書で開示される医薬組成物は、圧縮錠剤、粉薬錠剤、チュアブルドロップ、速溶性錠剤、複数圧縮錠剤、または腸溶コーティング錠剤、糖衣もしくはフィルムコーティング錠剤として開示され得る。腸溶性錠剤は、胃酸の作用に対して耐性を有するが、腸内で溶解または崩壊し、それによって胃の酸性環境から活性成分を保護する物質でコーティングされる、圧縮錠剤である。腸溶コーティングは、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、セラック、アンモニア化セラック、および酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されない。糖衣錠は、砂糖コーティングにより包まれている圧縮錠剤であり、好ましくない味または臭いの隠蔽、および酸化からの錠剤の保護に有益であり得る。フィルムコーティング錠剤は、水溶性材料の薄層またはフィルムで被覆される圧縮錠剤である。フィルムコーティングは、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、および酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、砂糖コーティングと同一の一般的特性を与える。複数圧縮錠剤は、層錠、およびプレスコーティングまたはドライコーティング錠剤を含む、2つ以上の圧縮サイクルで製造される圧縮錠剤である。
錠剤剤形は、粉末、結晶、または粒状形態の活性成分から、単独で、または結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、潤滑剤、希釈剤、および/または着色剤を含む、本明細書で開示される1つ以上の担体または賦形剤と併用して調製され得る。香料添加剤および甘味剤は、チュアブルタブレットおよびドロップの形成において特に有用である。
本明細書で開示される医薬組成物は、軟または硬カプセル剤として開示することができ、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、またはアルギン酸カルシウムから製造され得る。硬ゼラチンカプセル剤は、乾燥充填カプセル剤(DFC)としても知られるが、2つの部分から成り、1つが他方の上を滑るように移動し、それによって、活性成分を完全に封入する。軟カプセル剤(SEC)は、ゼラチンシェル等の、軟性球形シェルであり、グリセリン、ソルビトール、または同様のポリオールの添加により可塑化される。軟ゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために、防腐剤を含み得る。好適な防腐剤は、メチルおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸を含む、本明細書に記載されているような防腐剤である。本明細書で開示される液体、半固体、および固体剤形は、カプセル剤に封入され得る。好適な液体および半固体剤形は、プロピレンカーボネート中の溶液および懸濁液、植物油、またはトリグリセリドを含む。そのような溶液を含むカプセル剤は、米国特許第4,328,245号、第4,409,239号、および第4,410,545号に記載されるように調製することができる。カプセル剤は、当業者には既知であるように、活性成分の溶解を修正または持続させるために、コーティングすることができる。
本明細書で開示される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、エリキシル剤、およびシロップを含む、液体および半固体剤形で開示され得る。乳剤は、二相系であり、1つの液体が、別の液体全体に微小球の形態で分散し、水中油型または油中水型であり得る。乳剤は、薬剤として許容される非水性液体もしくは溶媒、乳化剤、および防腐剤を含み得る。懸濁液は、薬剤として許容される懸濁化剤および防腐剤を含み得る。アルコール水溶液は、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール等の低アルキルアルデヒドのジ(低アルキル)アセタール(「低」という用語は、1つから6つの炭素原子を有するアルキルを意味する)等の、薬剤として許容されるアセタール、ならびにプロピレングリコールおよびエタノール等の、1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を含み得る。エリキシル剤は、透明、甘味、および含水アルコール溶液である。シロップは、糖類、例えば、スクロースの濃縮水溶液であり、防腐剤も含み得る。液体剤形に関して、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液は、投薬のために簡便に測定されるように、十分な量の薬剤として許容される液体担体、例えば水で希釈され得る。
他の有用な液体および半固体剤形は、本明細書で開示される活性成分、および1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテルを含む、ジアルキル化モノ−またはポリ−アルキレングリコールを含む剤形を含むが、これらに限定されず、350、550、および750は、ポリエチレングリコールのおおよその平均分子量を意味する。これらの剤形は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメート等の1つ以上の抗酸化物質をさらに含み得る。
また、経口投与用の本明細書で開示される医薬組成物は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、またはナノ系の形態でも開示され得る。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載されるように調製され得る。
本明細書で開示される医薬組成物は、液体剤形に再構成されるために、非発泡性または発泡性粒剤および散剤として開示され得る。非発泡性粒剤および散剤に使用される、薬剤として許容される担体および賦形剤は、希釈剤、甘味料、および湿潤剤を含み得る。発泡性粒剤および散剤に使用される、薬剤として許容される担体および賦形剤は、有機酸および二酸化炭素源を含み得る。
着色剤および香料添加剤は、上記の剤形のすべてで使用され得る。
本明細書で開示される医薬組成物は、遅延、徐放、パルス、制御、標的、およびプログラム放出形態を含む、即時または調節放出剤形として配合され得る。
本明細書で開示される医薬組成物は、所望の治療効果を与えない他の活性成分と、またはドロトレコギンαおよびヒドロコルチゾン等の所望の効果を補足する物質と同時に配合され得る。
B.非経口投与
本明細書に開示される医薬組成物は、局所的または全身投与のために、注射、注入、または移植により非経口的に投与され得る。本明細書で使用される、非経口投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、および皮下投与を含む。
本明細書で開示される医薬組成物は、溶液、懸濁液、乳剤、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノ系、および注射前の液体中の溶液または懸濁液に好適な固体を含む、非経口投与に好適ないかなる剤形でも配合され得る。そのような剤形は、薬科学の当業者に既知である従来の方法に従い調製され得る(Remington:The Science and Practice of Pharmacy(上記)を参照)。
非経口投与用の医薬組成物は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、微生物の増殖に対する抗菌剤もしくは防腐剤、安定剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化物質、局所麻酔薬、懸濁化剤および分散剤、湿潤剤もしくは乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤もしくはキレート剤、抗凍結剤、溶解保護剤、増粘剤、pH調整剤、および不活性ガス(ただし必ずしもこれらに限定されない)を含む、1つ以上の薬剤として許容される担体および賦形剤を含み得る。
好適な水性媒体は、水、食塩水、生理食塩水もしくはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張ブドウ糖注射液、滅菌水注射液、ブドウ糖、および乳酸加リンガー注射液を含むが、これらに限定されない。非水性媒体は、植物性固定油、ヒマシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ハッカ油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、硬化植物油、硬化大豆油、ならびにヤシ油およびパーム核油の中鎖脂肪酸トリグリセリドを含むが、これらに限定されない。水混和性媒体は、エタノール、1,3−ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300およびポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドを含むが、これらに限定されない。
好適な抗菌剤または防腐剤は、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピルp−ヒドロキシ安息香酸、チメロサール、ベンザルコニウムクロリド、塩化ベンゼトニウム、メチル−およびプロピル−パラベン、ならびにソルビン酸を含むが、これらに限定されない。好適な等張剤は、塩化ナトリウム、グリセリン、およびブドウ糖を含むが、これらに限定されない。好適な緩衝剤は、リン酸塩およびクエン酸塩を含むが、これらに限定されない。好適な抗酸化物質は、亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載される抗酸化物質である。好適な局所麻酔薬は、塩酸プロカインを含むが、これに限定されない。好適な懸濁化剤および分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンを含む、本明細書に記載される懸濁化剤および分散剤である。好適な乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、およびオレイン酸トリエタノールアミンを含む、本明細書に記載される乳化剤を含む。好適な金属イオン封鎖剤もしくはキレート剤は、EDTAを含むが、これに限定されない。好適なpH調整剤は、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および乳酸を含むが、これらに限定されない。好適な錯化剤は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標),CyDex,Lenexa,KS)を含むシクロデキストリンを含むが、これらに限定されない。
本明細書で開示される医薬組成物は、単回または複数回投与用に配合され得る。単回投与製剤は、アンプル、バイアル、または注射器にパッケージングされる。複数回投与の非経口製剤は、静菌または静真菌濃度で抗菌剤を含まなければならない。すべての非経口製剤は、当技術分野において既知であり、実践されているように、滅菌でなければならない。
一実施形態において、医薬組成物は、即使用可能な滅菌溶液として開示される。別の実施形態において、医薬組成物は、使用前に媒体で再構成されるように、凍結乾燥散剤および皮下注射用錠剤を含む、滅菌乾燥可溶性生成物として開示される。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、即使用可能な滅菌懸濁液として開示される。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、使用前に媒体で再構成されるように、滅菌乾燥不溶性生成物として開示される。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、即使用可能な滅菌乳剤として開示される。
本明細書で開示される医薬組成物は、遅延、徐放、パルス、制御、標的、およびプログラム放出形態を含む、即時または調節放出剤形として配合され得る。
医薬組成物は、埋め込みデポ剤としての投与用に、懸濁液、固体、半固体、または揺変性液体として配合され得る。一実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、固体内部マトリックスに分散され、それは、体液中で不溶性であるが、医薬組成物中の活性成分が拡散することを可能にする高分子の外膜により包まれている。
好適な内部マトリックスは、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート塩、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル等の親水性ポリマー、コラーゲン、交差結合ポリビニルアルコール、および交差結合された、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルを含む。
好適な高分子の外膜は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、およびプロピレンでの塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロルヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーを含む。
C.局所投与
本明細書で開示される医薬組成物は、皮膚、開口部、または粘膜に局所的に投与され得る。本明細書で使用される、局所投与は、経皮(皮内)、結膜、角膜内、眼内、経眼、経耳、経皮、経鼻、膣内、経尿道、呼吸器、および直腸投与を含む。
本明細書で開示される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏、散布剤、包帯剤、エリキシル剤、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、泡沫、フィルム、エアロゾル、潅注、スプレー、坐剤、包帯、皮膚パッチを含む、局所的または全身的な効果のための局所投与に好適ないかなる剤形でも配合され得る。本明細書で開示される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、ナノ系、およびそれらの混合物も含み得る。
本明細書で開示される局所製剤での使用に好適な、薬剤として許容される担体および賦形剤は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、微生物の増殖に対する抗菌剤もしくは防腐剤、安定剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化物質、局所麻酔薬、懸濁化剤および分散剤、湿潤剤もしくは乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤もしくはキレート剤、浸透促進剤、抗凍結剤、溶解保護剤、増粘剤、および不活性ガスを含むが、これらに限定されない。
また、医薬組成物は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、ならびにPOWDERJECT(登録商標)(Chiron Corp.,Emeryville,CA)およびBIOJECT(登録商標)(Bioject Medical Technologies Inc., Tualatin,OR)等の極微針もしくは無針注射により、局所的に投与され得る。
本明細書で開示される医薬組成物は、軟膏、クリーム、およびゲルの形態で開示され得る。好適な軟膏媒体は、豚脂、安息香豚脂、オリーブ油、綿実油、および他の油、白色ワセリン等を含む油性または炭化水素媒体;親水性ワセリン、硫酸ヒドロキシステアリン、および脱水ラノリン等の乳化可能もしくは吸収媒体;親水性軟膏等の水除去性媒体;様々な分子量のポリエチレングリコールを含む、水溶性軟膏媒体;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリン、およびステアリン酸を含む、乳剤媒体、油中水型(W/O)乳剤または水中油型(O/W)乳剤のいずれかを含む(Remington:The Science and Practice of Pharmacy(上記)を参照)。これらの媒体は、皮膚軟化剤であるが、概して、抗酸化物質および防腐剤の添加を必要とする。
好適なクリーム基剤は、水中油型または油中水型であり得る。クリーム媒体は、水洗性であり得、油相、乳化剤、および水相を含む。油相は、「内」相とも呼ばれ、概してワセリン、およびセチルまたはステアリルアルコール等の脂肪アルコールから成る。水相は、必ずしもそうではないが通常、体積で油相を上回り、概して保湿剤を含む。クリーム製剤における乳化剤は、非イオン、陰イオン、陽イオン、または両性界面活性剤であり得る。
ゲルは、半固体、懸濁系である。単相ゲルは、液体担体全体に実質的に均一に分布した有機高分子を含む。好適なゲル化剤は、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、Carbopol(登録商標)等の交差結合されたアクリル酸ポリマー;ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、およびポリビニルアルコール等の親水性ポリマー;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびメチルセルロース等のセルロースポリマー;トラガカントおよびキサンタンゴム等のガム;アルギン酸ナトリウム;ならびにゼラチンを含む。均一なゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリン等の分散剤が添加され得るか、またはゲル化剤が、粉砕、機械的混合、および/または撹拌により分散され得る。
本明細書で開示される医薬組成物は、坐剤、ペッサリー、ブジー、湿布もしくはパップ、ペースト、散剤、包帯剤、クリーム、硬膏、避妊薬、軟膏、溶液、乳剤、懸濁液、タンポン、ゲル、泡沫、スプレー、または浣腸の形態で、経直腸的、尿道的、膣内的、または膣周囲的に投与され得る。これらの剤形は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(上記)に記載されるような従来のプロセスを使用して、製造することができる。
肛門、尿道、膣座剤は、身体開口部へ挿入するための固形物であり、通常の温度で固体であるが、開口部内で活性成分を放出するために、体温で融解または軟化する。直腸および膣座剤で用いられる薬剤として許容される担体は、本明細書で開示される医薬組成物と配合される際、体温に近い融点を生成する硬化剤等の基剤または媒体、ならびに亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載される抗酸化物質を含む。好適な媒体は、ココアバター(カカオ脂)、グリセリン−ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨ろう、パラフィン、白および黄ろう、および脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリグリセリドの適切な混合物、ポリビニルアルコール、メタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸等のヒドロゲル、グリセリンゼラチンを含むが、これらに限定されない。様々な媒体の組み合わせが使用され得る。直腸および膣坐剤は、圧縮方法または成形により調製され得る。直腸および膣坐剤の典型的な重量は、約2gから約3gである。
本明細書で開示される医薬組成物は、溶液、懸濁液、軟膏、乳剤、ゲル形成溶液、溶液用散剤、ゲル、眼内挿入、および移植の形態で、眼科的に投与され得る。
本明細書で開示される医薬組成物は、鼻腔内に、または気道への吸入により投与され得る。医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、霧状ミストを生成するために電気流体力学を使用するアトマイザー等のアトマイザー、または単独の、もしくは1,1,1,2−テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン等の好適な噴射剤と併用したネブライザーを使用した送達のために、エアロゾルまたは溶液の形態で開示され得る。医薬組成物は、単独の、または乳糖もしくはリン脂質等の不活性担体と併用した吹送用乾燥散剤、および点鼻薬としても開示され得る。鼻腔内使用のために、散剤は、キトサンまたはシクロデキストリンを含む生体接着剤を含み得る。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーでの使用のための溶液または懸濁液は、エタノール、水性エタノール、または本明細書で開示される活性成分の放出を分散、可溶化、または持続させるための好適な代替薬剤、溶媒としての噴射剤、ならびに/またはトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、もしくはオリゴ乳酸等の界面活性剤を含むように配合され得る。
本明細書で開示される医薬組成物は、約50マイクロメートル以下、または約10マイクロメートル以下等の、吸入による送達に好適なサイズまで微粉化され得る。そのような粒径の粒子は、当業者に既知であるスパイラルジェットミリング、フルイドベッドジェットミリング、ナノ粒子を形成するための超臨界流体プロセシング、高圧ホモジナイズ、または噴霧乾燥等の粉砕方法を使用して調製され得る。
インヘイラーまたは吸入器の使用のためのカプセル剤、ブリスター、およびカートリッジは、本明細書で開示される医薬組成物の混合粉体、乳糖またはデンプン等の好適な粉末基剤、およびl−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウム等の性能調節剤を含むように配合され得る。乳糖は、無水であり得るか、または一水和物の形態であり得る。他の好適な賦形剤または担体は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースを含む。吸入/鼻腔内投与のための本明細書で開示される医薬組成物は、メントールおよびレボメントール等の好適な香味料、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウム等の甘味料をさらに含み得る。
局所投与用の本明細書で開示される医薬組成物は、遅延、徐放、パルス、制御、標的、およびプログラム放出を含む、即時または調節放出になるように配合され得る。
D.調節放出
本明細書で開示される医薬組成物は、調節放出剤形として配合され得る。本明細書で使用される、「調節放出」という用語は、活性成分の放出速度または位置が、同一経路で投与される場合、即時剤形とは異なる剤形を指す。調節放出剤形は、遅延、持続、持効性、徐放、パルス、制御、加速および迅速、標的、プログラム放出、ならびに胃貯留剤形を含む。調節放出剤形の医薬組成物は、マトリックス制御放出装置、浸透圧制御放出装置、多粒子制御放出装置、イオン交換樹脂、腸溶性コーティング、多層コーティング、ミクロスフェア、リポソーム、およびそれらの組み合わせ(ただし必ずしもこれらに限定されない)を含む、当業者に既知である様々な調節放出装置および方法を使用して調製され得る。活性成分の放出速度はまた、活性成分の粒径およびポリモルフォリズムを変化させることにより調節され得る。
調製放出の例には、米国特許番号第3,845,770号、第3,916,899号、第3,536,809号、第3,598,123号、第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号、第5,639,480号、第5,733,566号、第5,739,108号、第5,891,474号、第5,922,356号、第5,972,891号、第5,980,945号、第5,993,855号、第6,045,830号、第6,087,324号、第6,113,943号、第6,197,350号、第6,248,363号、第6,264,970号、第6,267,981号、第6,376,461号、第6,419,961号、第6,589,548号、第6,613,358号、および第6,699,500号に記載されるものを含むが、これらに限定されない。
1.マトリックス制御放出装置
調節放出剤形の本明細書で開示される医薬組成物は、当業者に既知であるマトリックス制御放出装置を使用して加工され得る(Takada et al in “Encyclopedia of Controlled Drug Delivery,”Vol.2,Mathiowitz ed., Wiley,1999を参照)。
一実施形態において、調節放出剤形の本明細書で開示される医薬組成物は、合成ポリマーを含む水膨潤性、浸食性、または可溶性ポリマー、ならびに多糖類およびタンパク質等の自然発生的なポリマーおよび誘導体である、浸食性マトリックス装置を使用して配合される。
浸食性マトリックスの形成に有用な材料は、キチン、キトサン、デキストラン、およびプルラン;寒天ゴム、アラビアゴム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラギーナン、ガッティガム、グアーゴム、キサンタンゴム、およびスクレログルカン;デキストリンおよびマルトデキストリン等のデンプン;ペクチン等の親水性コロイド;レシチン等のフォスファチド;アルギン酸塩;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;およびエチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、セルロースアセテート(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)、およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)等のセルロース誘導体,;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標),Rohm America,Inc.,Piscataway,NJ);ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリル酸塩);ポリラクチド;L−グルタミン酸およびエチル−L−グルタミン酸塩のコポリマー;分解性乳酸−グリコール酸コポリマー;ポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸;ならびにブチルメタクリル酸塩、メチルメタクリル酸塩、エチルメタクリル酸塩、エチルアクリル酸塩、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸塩、および(トリメチルアミノエチル)塩化メタクリル酸塩のホモポリマーおよびコポリマー等の、他のアクリル酸誘導体を含むが、これらに限定されない。
さらなる実施形態において、医薬組成物は、非浸食性マトリックス装置を用いて配合され得る。活性成分は、不活性マトリックス内で溶解または分散され、投与されると、主に不活性マトリックスを通じた拡散により放出される。非浸食性マトリックス装置としての使用に好適な材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、およびプロピレンを有する塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロルヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、およびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート塩、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー等の不溶性プラスチック、ならびにエチルセルロース、セルロースアセテート、クロスポビドン、および交差結合部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル等の親水性ポリマー;ならびにカルナバワックス、微結晶ワックス、およびトリグリセリド等の脂肪化合物を含むが、これらに限定されない。
マトリックス制御放出システムにおいて、所望の放出速度は、例えば、用いられるポリマーの種類、ポリマーの粘度、ポリマーおよび/または活性成分の粒径、ポリマーに対する活性成分の比、および組成物中の他の賦形剤または担体を介して、制御され得る。
調節放出剤形の本明細書で開示される医薬組成物は、直接圧縮法、圧縮法が後続する乾式または湿式造粒法、圧縮法が後続する溶融造粒法を含む、当業者に既知の方法により調製され得る。
2.浸透圧制御放出装置
調節放出剤形の本明細書で開示される医薬組成物は、1チャンバシステム、2チャンバシステム、非対称膜技術(AMT)、および押し出しコアシステム(ECS)を含む、浸透圧制御放出装置を使用して加工され得る。概して、そのような装置は、(a)活性成分を含むコア、および(b)コアを封入する、少なくとも1つの送達ポートを有する半透膜の、少なくとも2つの構成要素を有する。半透膜は、送達ポートを通じた押し出しにより薬物放出をもたらすために、使用中の水性環境からのコアへの水侵入を制御する。
活性成分に加えて、浸透圧装置のコアは、使用環境から装置のコアへの水の輸送のための駆動力を生成する、浸透圧薬剤を任意に含む。浸透圧薬剤の1分類である、水膨潤性親水性ポリマーは、「オスモポリマー」および「ヒドロゲル」とも呼ばれるが、親水性ビニルおよびアクリルポリマー、アルギン酸カルシウム等の多糖類、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2−メタクリル酸ヒドロキシエチル)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、交差結合されたPVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、メタクリル酸メチルおよび酢酸ビニル等の疎水性モノマーを有するPVA/PVPコポリマー、大きいPEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびカルボキシエチル、セルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンゴム、ならびにデンプングリコール酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
もう一方の部類の浸透圧薬剤は、オスモゲンであり、周囲のコーティングのバリア全体の浸透圧勾配に影響を与えるように、水を吸収することが可能である。好適なオスモゲンは、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、および硫酸ナトリウム等の無機塩;ブドウ糖、フルクトース、グルコース、イノシトール、乳糖、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、およびキシリトール等の糖類;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、および酒石酸等の有機酸;尿素;ならびにその混合物を含むが、これらに限定されない。
活性成分が剤形から初期に送達される速度に影響を与えるように、異なる溶解速度の浸透圧薬剤を用いることができる。所望の治療効果を迅速に生むために、初めの数時間のより速い送達、かつ長時間にわたって所望のレベルの治療または予防効果を維持するために、残量の段階的および継続的放出を提供するために、例えば、Mannogeme EZ(SPI Pharma,Lewes,DE)等の非晶質糖類を使用することができる。この場合、活性成分は、代謝および排出される活性成分の量を置き換えるような速度で放出される。
コアは、剤形の性能を強化するために、または安定性および処理を促進するために、本明細書に記載されているような、多種多様な他の賦形剤および担体も含み得る。
半透膜の形成に有用な材料は、生理的に適切なpHで透水性および不水溶性であるか、あるいは架橋結合等の化学的変化により不水溶性にされやすい、様々なグレードのアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、およびセルロース誘導体を含む。コーティングの形成に有用な、好適なポリマーの例は、可塑化、非可塑化、および強化セルロースアセテート(CA)、セルロースジアセテート、三酢酸セルロース、CAプロピオン酸塩、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAカルバミン酸エチル、CAP、CAカルバミン酸メチル、CAコハク酸塩、トリメリト酸酢酸セルロース(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CA炭酸エチル、CAクロロ酢酸塩、CAシュウ酸エチル、CAメチルスルホン酸、CAブチルスルホン酸、CAp−トルエンスルホン酸、寒天アセテート、アミローストリアセテート、βグルカンアセテート、βグルカントリアセテート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンガムのトリアセテート、ヒドロキシル化エチレン−ビニル酢酸塩、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸ならびにエステルおよびポリ−(メタクリル)酸、ならびにそのエステルおよびコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ハロゲン化ポリビニル、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックス、ならびに合成ワックスを含む。
半透膜は、疎水性細孔膜であり得て、米国特許第5,798,119号で開示されるように、孔は、実質的にガスで充填され、水媒体により湿潤されないが、水蒸気に対して透過性がある。そのような疎水性であるが水蒸気透過性の膜は、通常は、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ハロゲン化ポリビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックス、ならびに合成ワックス等の疎水性ポリマーから成る。
半透膜上の送達ポートは、機械またはレーザー穿孔によりコーティング後に形成され得る。送達ポートはまた、水溶性材料の栓の浸食により、またはコア中のくぼみを覆う膜のより薄い部分の破裂により、原位置で形成され得る。さらに、送達ポートは、米国特許第5,612,059号および第5,698,220号に開示される種類の非対称膜コーティングの場合のように、コーティングプロセス中に形成され得る。
放出される活性成分の総量および放出速度は、半透膜の厚さおよび孔隙率、コアの組成、ならびに送達ポートの数、サイズ、および位置を介して、実質的に調節され得る。
浸透圧制御放出剤形における医薬組成物は、製剤の性能または処理を促進するために、本明細書に記載されるような、追加の従来の賦形剤または担体をさらに含み得る。
浸透圧制御放出剤形は、当業者に既知である従来の方法および技術により、調製され得る(Remington:The Science and Practice of Pharmacy(上記);Santus and Baker, J. Controlled Release 1995,35,1−21;Verma et al., Drug Development and Industrial Pharmacy 2000,26,695−708;Verma et al., J. Controlled Release 2002,79,7−27を参照)。
特定の実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、AMT制御放出剤形として配合され、活性成分および他の薬剤として許容される賦形剤または担体を含むコアをコーティングする、非対称浸透圧膜を含む。米国特許第5,612,059号および国際公開第WO 2002/17918号を参照されたい。AMT制御放出剤形は、直接圧縮法、乾式造粒法、湿式造粒法、およびディップコーティング法を含む、当業者に既知である従来の方法および技術に従い、調製され得る。
特定の実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、ESC制御放出剤形として配合され、活性成分、ヒドロキシルエチルセルロース、および他の薬剤として許容される賦形剤または担体を含むコアをコーティングする、浸透圧膜を含む。
3.多粒子制御放出装置
調節放出剤形の本明細書で開示される医薬組成物は、多粒子制御放出装置により加工することができ、直径が約10μmから約3mm、約50μmから約2.5mm、または約100μmから約1mmの範囲の、非常に多くの粒子、散剤、またはペレットを含む。そのような多微粒子は、湿式および乾式造粒、押し出し/球形化、ローラ圧縮、溶融凝固を含む、当業者に既知のプロセスにより、およびスプレーコーティングシードコアにより作製され得る。例えば、Multiparticulate Oral Drug Delivery;Marcel Dekker:1994、およびPharmaceutical Pelletization Technology;Marcel Dekker:1989を参照されたい。
本明細書で開示される他の賦形剤または担体は、多微粒子の処理および形成に役立つように、医薬組成物と混合され得る。得られた粒子は、それ自体多粒子装置を構成し得るか、または腸溶性ポリマー、水膨潤性および水溶性ポリマー等の様々なフィルム形成材料によりコーティングされ得る。多微粒子は、カプセル剤または錠剤としてさらに処理され得る。
4.標的送達
また、本明細書で開示される医薬組成物は、リポソーム、再密封赤血球、および抗体による送達系を含む、治療される被験体の特定組織、受容器官、または体の他の部位を標的とするように配合され得る。例としては、米国特許第6,316,652号、第6,274,552号、第6,271,359号、第6,253,872号、第6,139,865号、第6,131,570号、第6,120,751号、第6,071,495号、第6,060,082号、第6,048,736号、第6,039,975号、第6,004,534号、第5,985,307号、第5,972,366号、第5,900,252号、第5,840,674号、第5,759,542号、および第5,709,874号が含まれるが、これらに限定されない。
スクアレンエポキシダーゼ媒介疾患の1つ以上の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、そのような疾患を有する、または有すると疑われる被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与するステップを含む、方法を開示する。
スクアレンエポキシダーゼ媒介疾患は、感染性疾患を含み、真菌類に起因する感染性疾患をさらに含む。一実施形態において、感染性疾患は、爪甲真菌症、皮膚糸状菌症、癜風、黒癬、白色砂毛症、コクシジオイデス症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、カンジダ症、クロモブラストミコーシス、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ムコール菌症、真菌性菌腫、マズラ菌症、放線菌腫、ロボ真菌症、およびニューモシスチス肺炎を含むが、これらに限定されない。
また、スクアレンエポキシダーゼ媒介疾患に関連する疾患を有する、または有すると疑われる被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与するステップにより、そのような疾患の1つ以上の症状を治療、予防、または改善するための方法も開示する。
さらに、スクアレンエポキシダーゼの調節に応じて、疾患の1つ以上の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、そのような疾患を有する、または有すると疑われる被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与するステップを含む、方法を開示する。
さらに、スクアレンエポキシダーゼの活性を調節する方法であって、少なくとも1つの本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと、該酵素を接触させるステップを含む、方法を本明細書で開示する。一実施形態において、スクアレンエポキシダーゼは、真菌により発現される。
感染性疾患を含み、さらに真菌類に起因する感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)を伴う、疾患を有する、または有すると疑われる、ヒトを含む被験体を治療するための、またはそのような疾患になりやすい被験体において、該疾患を予防するための方法であって、該被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与して、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、該疾患の治療の間に、化合物またはその代謝物の血漿中濃度の個人間変動の減少に影響を与えるステップを含む、方法を、本明細書で開示する。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物またはその代謝物の、血漿中濃度の個人間変動は、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、または約50%超減少する。
感染性疾患を含み、さらに真菌類に起因する感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)を伴う、疾患を有する、または有すると疑われる、ヒトを含む被験体を治療するための、またはそのような疾患になりやすい被験体において、該疾患を予防するための方法であって、該被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与して、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、投与単位当たりの、該化合物の平均血漿中濃度の増加、または該化合物の少なくとも1つの代謝物の平均血漿中濃度の減少に影響を与えるステップを含む、方法を、本明細書で開示する。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物の平均血漿中濃度は、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、または約50%超増加する。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物の代謝物の平均血漿中濃度は、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、または約50%超減少する。
本明細書で開示される化合物、またはその代謝物の血漿中濃度は、Liら(Rapid Communications in Mass Spectrometry 2005,19,1943−1950)に記載された方法を使用して、測定することができる。
感染性疾患を含み、さらに真菌類に起因する感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)を伴う、疾患を有する、または有すると疑われる、ヒトを含む被験体を治療するための、またはそのような疾患になりやすい被験体において、該疾患を予防するための方法であって、被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与して、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、該疾患の治療の間に、該被験体における、少なくとも1つのチトクロームP450またはモノアミンオキシダーゼアイソフォームの阻害の減少、および/または前記による代謝に影響を与えるステップを含む、方法を、本明細書で開示する。
哺乳動物被験体におけるチトクロームP450アイソフォームの例は、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2G1、CYP2J2、CYP2R1、CYP2S1、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A5P1、CYP3A5P2、CYP3A7、CYP4A11、CYP4B1、CYP4F2、CYP4F3、CYP4F8、CYP4F11、CYP4F12、CYP4X1、CYP4Z1、CYP5A1、CYP7A1、CYP7B1、CYP8A1、CYP8B1、CYP11A1、CYP11B1、CYP11B2、CYP17、CYP19、CYP21、CYP24、CYP26A1、CYP26B1、CYP27A1、CYP27B1、CYP39、CYP46、およびCYP51を含むが、これらに限定されない。
哺乳動物被験体におけるモノアミンオキシダーゼアイソフォームの例は、MAOおよびMAOを含むが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物による、チトクロームP450またはモノアミンオキシダーゼアイソフォームの阻害の減少は、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超である。
チトクロームP450アイソフォームの阻害は、Koらの方法により測定される(British Journal of Clinical Pharmacology,2000,49,343−351)。MAOアイソフォームの阻害は、Weyler et al.の方法により測定される(J. Biol Chem.1985,260,13199−13207)。MAOアイソフォームの阻害は、Uebelhackらの方法により測定される(Pharmacopsychiatry,1998,31,187−192)。
感染性疾患を含み、さらに真菌類に起因する感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)を伴う、疾患を有する、または有すると疑われる、ヒトを含む被験体を治療するための、またはそのような疾患になりやすい被験体において、該疾患を予防するための方法であって、被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与して、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、該疾患の治療の間に、該被験体における、少なくとも1つの多様に発現されたチトクロームP450アイソフォームを介した代謝に影響を与えるステップを含む、方法を、本明細書で開示する。
哺乳動物被験体における多様に発現されたチトクロームP450アイソフォームの例は、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、およびCYP2D6を含むが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、少なくとも1つの多様に発現されたチトクロームP450アイソフォームによる、式Iの化合物の代謝の減少は、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、または約50%超である。
肝ミクロソームおよびチトクロームP450アイソフォームの代謝活性は、実施例6に記載される方法により測定される。モノアミンオキシダーゼアイソフォームの代謝活性は、実施例7、9、および10に記載される方法により測定される。
感染性疾患を含み、さらに真菌類に起因する感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)を伴う、疾患を有する、または有すると疑われる、ヒトを含む被験体を治療するための、またはそのような疾患になりやすい被験体において、該疾患を予防するための方法であって、被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与して、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、少なくとも1つの疾患制御および/または疾患根絶エンドポイントの統計的に有意な改善に影響を与えるステップを含む、方法を、本明細書で開示する。
疾患制御および/または疾患根絶エンドポイントの改善の例は、1日当たり同一の服用回数および服用当たり同一の薬物量を含む、同一投薬プロトコル下で与えられる場合、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、コロニー形成単位上の最小阻害濃度(MIC)の統計的に有意な改善、および/または角皮の構造的異常、表皮の構造的異常、発疹、皮膚の吹き出物、爪の変色、掻痒の統計的に有意な減少を含むが、これらに限定されない。
感染性疾患を含み、さらに真菌類に起因する感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)を伴う、疾患を有する、または有すると疑われる、ヒトを含む被験体を治療するための、またはそのような疾患になりやすい被験体において、該疾患を予防するための方法であって、該被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与して、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、臨床効果の改善に影響を与えるステップを含む、方法を、本明細書で開示する。疾患制御および/または疾患根絶エンドポイントの改善の例は、1日当たり同一の服用回数および服用当たり同一の薬物量を含む、同一投薬プロトコル下で与えられる場合、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、コロニー形成単位上の最小阻害濃度(MIC)の統計的に有意な改善、および/または角皮の構造的異常、表皮の構造的異常、発疹、皮膚の吹き出物、爪の変色、掻痒の統計的に有意な減少を含むが、これらに限定されない。
感染性疾患を含み、さらに真菌類に起因する感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)を伴う、疾患を有する、または有すると疑われる、ヒトを含む被験体を治療するための、またはそのような疾患になりやすい被験体において、該疾患を予防するための方法であって、該被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与して、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、主要な臨床的有益性として、異常な食事または肝臓パラメータの再発の予防、または減退もしくは出現の遅延に影響を与えるステップを含む、方法を、本明細書で開示する。
感染性疾患を含み、さらに真菌類に起因する感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)を伴う、疾患を有する、または有すると疑われる、ヒトを含む被験体を治療するための、またはそのような疾患になりやすい被験体において、該疾患を予防するための方法であって、該被験体に、治療上有効な量の本明細書で開示される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与して、対応する非同位体濃縮化合物と比較して、任意の診断用肝胆機能エンドポイントの悪化を軽減または排除しながら、真菌類に起因する感染性疾患をさらに含む感染性疾患の治療を可能にするステップを含む、方法を、本明細書で開示する。
診断用肝胆機能エンドポイントの例は、アラニンアミノ基転移酵素(「ALT」)、血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(「SGPT」)、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(「AST」または「SGOT」)、ALT/AST比,血清アルドラーゼ、アルカリホスファターゼ(「ALP」)、アンモニア濃度、ビリルビン、ガンマグルタミントランスペプチターゼ(「GGTP」、「γ−GTP」、または「GGT」)、ロイシンアミノペプチダーゼ(「LAP」)、肝生検、肝臓超音波検査、肝臓核スキャン、5´−ヌクレオチダーゼ、および血液タンパク質を含むが、これらに限定されない。肝胆エンドポイントを、“Diagnostic and Laboratory Test Reference”,4th edition,Mosby,1999で与えられているような、規定の正常値と比較する。これらの分析は、標準的なプロトコルに従い、正式に認可を受けた実験所により実行される。
治療される疾患および被験体の病態に応じて、本明細書で開示される化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)、吸入、経鼻、膣内、肛門、舌下、または局所(例えば、経皮または局部)投与ルートにより投与することができ、単独で、または各投与ルートに適切な、薬剤として許容される担体、アジュバント、および媒体と併せて好適な投与単位で配合することができる。
用量は、1日に適切な間隔で投与される、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上のサブ用量の形態であり得る。用量またはサブ用量は、用量単位当たり、約0.1ミリグラムから6000ミリグラム、約0.1ミリグラムから約500ミリグラム、または約0.5ミリグラムから約200ミリグラムの活性成分を含む、用量単位の形態で投与することができ、患者の病態により必要とされる場合は、用量は、代替手段として、持続注入として投与することができる。
特定の実施形態においては、適切な用量レベルは、1日当たりの患者の体重1kg当たり約0.01から約100mg(mg/kg/日)、約0.01から約50mg/kg/日、約0.01から約25mg/kg/日、または約0.05から約10mg/kg/日であり、単回または複数回用量で投与される。好適な用量レベルは、約0.01から約100mg/kg/日、約0.05から約50mg/kg/日、または約0.1から約20mg/kg/日であり得る。この範囲内で、用量は、約0.01から約0.1、約0.1から約1.0、約1.0から約20、約20から約50、または約50から100mg/kg/日であり得る。
併用療法
本明細書で開示される化合物は、真菌類に起因する感染性疾患をさらに含む、感染性疾患(ただし必ずしもこれに限定されない)の1つ以上の症状の治療、予防、または改善において有用である他の薬剤と組み合わせる、あるいはそれらと併用することもできる。あるいは、一例に過ぎないが、本明細書で開示される化合物のうちの1つの治療有効性は、アジュバントの投与により強化され得る(すなわち、アジュバント自体では、最小限の治療的有用性しか有し得ないが、別の治療薬と併用すると、患者に対する全体の治療的有用性が強化される)。
そのような他の薬剤、アジュバント、または薬物は、それらのために一般的に使用されるルートおよび量で、本明細書で開示される化合物と同時に、または連続して投与され得る。本明細書で開示される化合物が、1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、本明細書で開示される化合物に加えてそのような他の薬物を含む医薬組成物を使用することはできるが、必要ではない。したがって、本明細書で開示される医薬組成物は、本明細書で開示される化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分または治療薬も含有するものを含む。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、アモロルフィン、アンホテリシンB、アニデュラファンギン、ビホナゾール、ブテナフィン、ブトコナゾール、カスポファンギン、シクロピロクス、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、フィリピン、フルコナゾール、イソコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミカファンギン、ミコナゾール、ナフチフィン、ナタマイシン、ナイスタチン、オキシコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、リモシジン、セルタコナゾール、スルコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール、トルナフテート、およびボリコナゾール(ただし必ずしもこれらに限定されない)を含む群を含む、当技術分野において既知である1つ以上の抗真菌剤と組み合わせることができる。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、必ずしも以下のものに限定されないが、アミカシン、アモキシシリン、アンピシリン、アルスフェナミン、アジスロマイシン、アズトレオナム、アズロシリン、バシトラシン、カルベニシリン、セファクロール、セファドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セファレキシン、セフジニル、セフジトリン(cefditorin)、セフェピム、セフィキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォキシチン、セフポドキシム、セフプロジル、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、クロラムフェニコール、シラスチン(cilastin)、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、クロキサシリン、コリスチン、ダルホプリスタン(dalfopristan)、デメクロサイクリン、ジクロキサシリン、ジリスロマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、エンロフロキサシン 、エルテペネム(ertepenem)、エタンブトール、フルクロキサシリン、ホスホマイシン、フラゾリドン、ガチフロキサシン、ゲルダナマイシン、ゲンタマイシン、ハービマイシン、イミペネム、イソニアジド、カナマイシン、レボフロキサシン、リネゾリド、ロメフロキサシン、ロラカルベフ、マフェニド、モキシフロキサシン、メロペネム、メトロニダゾール、メズロシリン、ミノサイクリン、ムピロシン、ナフシリン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ニトロフラントイン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オキシテトラサイクリン、ペニシリン、ピペラシリン、プラテンシマイシン、ポリミキシンB、プロントジル、ピラジナミド、キヌプリスチン(quinupristine)、リファンピン、ロキシスロマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、テイコプラニン、テリスロマイシン、テトラサイクリン、チカルシリン、トブラマイシン、トリメトプリム、トロレアンドマイシン、トロバフロキサシン、およびバンコマイシンを含む群を含む、当技術分野において既知である1つ以上の抗菌剤と組み合わせることができる。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、必ずしも以下のものに限定されないが、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、デオキシコルチコステロン酢酸塩、フルドロコルチゾン酢酸塩、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、プレドニゾロン、プレドニゾン、メチルプレニゾロン(methylprenisolone)、デキサメタゾン、およびトリアムシノロンを含む、当技術分野において既知である1つ以上のステロイド系薬物と組み合わせることができる。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、必ずしも以下のものに限定されないが、アセノクマロール、アルガトロバン、ビバリルジン、レピルジン、フォンダパリヌクス、ヘパリン、フェニンジオン、ワルファリン、およびキシメラガトランを含む群を含む、当技術分野において既知である1つ以上の抗凝血剤と組み合わせることができる。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、必ずしも以下のものに限定されないが、アニストレプラーゼ、レテプラーゼ、t−PA(アルテプラーゼアクチバーゼ)、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、およびウロキナーゼを含む群を含む、当技術分野において既知である1つ以上の血栓溶解剤と組み合わせることができる。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、必ずしも以下のものに限定されないが、アセクロフェナク、アセメタシン、アモキシプリン(amoxiprin)、アスピリン、アザプロパゾン、ベノリラート、ブロムフェナク、カプロフェン、セレコキシブ、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、エトラコキシブ(etoracoxib)、ファイスラミン(faislamine)、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、ルミラコキシブ、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、メタミゾール、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、オキシフェンブタゾン、パレコキシブ、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸サリチル、スリンダク、スルフィンピラゾン、スプロフェン、テノキシカム、チアプロフェン酸、およびトルメチンを含む群を含む、当技術分野において既知である1つ以上の非ステロイド系抗炎症剤と組み合わせることができる。
特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、アブシキシマブ、シロスタゾール、クロピドグレル、ジピリダモール、チクロピジン、およびチロフィビン(tirofibin)(ただし必ずしもこれらに限定されない)を含む群を含む、当技術分野において既知である1つ以上の抗血小板剤と組み合わせることができる。
また、本明細書で開示される化合物は、ホスホラミドン等のエンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤;イフェトロバン(ifetroban)等のトロンボキサン受容体拮抗薬;カリウムチャネル開口薬;ヒルジン等のトロンビン阻害剤;PDGF活性のモジュレータ等の成長因子阻害剤;血小板活性化因子(PAF)拮抗薬;GPIIb/IIIa遮断薬(例えばアブシキシマブ、エプチフィバチド、およびチロフィバン)、P2Y(AC)拮抗薬(例えばクロピドグレル、チクロピジン、およびCS−747)、およびアスピリン等の抗血小板剤;ワルファリン等の抗凝血剤;エノキサパリン等の低分子量ヘパリン;第VIIa因子阻害剤および第Xa因子阻害剤;レニン阻害剤;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;オマパトリラトおよびゲモパトリラト(gemopatrilat)等のバソペプチダーゼ阻害剤(NEP−ACE二重阻害剤);スクアレン合成酵素阻害剤;フィブラート系薬剤;クエストラン等の胆汁酸抑制剤;ナイアシン;ACAT阻害剤等の抗アテローム硬化症薬;MTP阻害剤;ベシル酸アムロジピン等のカルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャネル活性化薬;アルファ−PPAR−γおよび/またはアンジオテンシンII剤;カルベジロールおよびメトプロロール等のベータ−PPAR−γおよび/またはアンジオテンシンII剤;抗不整脈剤;クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンゾチアジド、エタクリン酸、トリクリナフェン(tricrynafen)、クロルタリドン、フロセミド、ムソリミン(musolimine)、ブメタニド、トリアムテレン、アミロライド、およびスピロノラクトン等の利尿薬;組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、組換えtPA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、およびアニゾール結合(anisoylated)プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体(APSAC)等の血栓溶解剤;ビグアナイド(例えばメトホルミン)、グルコシダーゼ阻害剤(例えばアカルボース)、インスリン、メグリチニド(例えばレパグリニド)、スルホニル尿素(例えばグリメピリド、グリブリド、およびグリピジド)、チオゾリジンジオン(thiozolidinedione)(例えばトログリタゾン、ロシグリタゾン、およびピオグリタゾン)、およびPPARγ作用薬等の抗糖尿病剤;スピロノラクトンおよびエプレレノン等のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬;成長ホルモン分泌促進因子;aP2阻害剤;PDEIII阻害剤(例えばシロスタゾール)およびPDE V阻害剤(例えばシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル)等のホスホジエステラーゼ阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;抗炎症薬;メトトレキサート、FK506(タクロリムス、プログラフ)、ミコフェノール酸モフェチル等の抗増殖剤;化学療法剤;免疫抑制剤;抗癌剤および細胞毒性薬(例えばナイトロジェンマスタード、スルホン酸アルキル、ニトロソ尿素、エチレンイミン、およびトリアジン等のアルキル化剤);葉酸拮抗薬、プリン類似体、およびピリジン類似体等の代謝拮抗薬;アントラサイクリン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、およびプリカマイシン等の抗生物質;L−アスパラギナーゼ等の酵素;ファルネシル−タンパク質転移酵素阻害剤;グルココルチコイド(例えばコルチゾン)、エストロゲン/抗エストロゲン剤、アンドロゲン/抗アンドロゲン剤、プロゲスチン、および黄体ホルモン放出ホルモン拮抗薬、および酢酸オクトレオチド等のホルモン剤;エクチナサイジン等の微小管破壊剤;パクリタキセル、ドセタキセル、およびエポチロンA−F等の微小管安定剤;ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、およびタキサン等の植物由来生成物;ならびにトポイソメラーゼ阻害剤;プレニル−タンパク質転移酵素阻害剤;ならびにシクロスポリン;プレドニゾンおよびデキサメタゾン等のステロイド薬;アザチオプリンおよびシクロホスファミド等の細胞毒性薬;テニダップ等のTNFα阻害剤;エタネルセプト、ラパマイシン、およびレフルニミド(leflunimide)等の抗TNF抗体または可溶性TNF受容体;ならびにセレコキシブおよびロフェコキシブ等のシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤;ならびにヒドロキシ尿素、プロカルバジン、ミトタン、ヘキサメチルメラミン、金化合物、シスプラチン、サトラプラチン、およびカルボプラチン等の白金配位複合体等の種々の薬剤を含む、他の分類の化合物と併用して投与することもできるが、これらに限定されない。
キット/製造品
本明細書で開示される治療用途で用いるために、キットおよび製造品もまた、本明細書に記載される。そのようなキットは、バイアル、管等の1つ以上の容器を受容するように区分化されるキャリア、パッケージ、または容器を備えることができ、容器のそれぞれは、本明細書に記載される方法で使用される、個々の要素のうちの1つを備える。好適な容器は、例えば、ボトル、バイアル、注射器、および試験管を含む。容器は、ガラスまたはプラスチック等の様々な材料から形成することができる。
例えば、容器は、任意に本明細書に開示されるような別の薬剤と併用して、または1つの組成物において、本明細書に記載される1つ以上の化合物を含み得る。容器は、滅菌アクセスポートを任意に有する(例えば、容器は、皮下注射針により貫通可能なストッパーを有する、静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであり得る)。そのようなキットは、本明細書に記載される方法でのその使用に関する、識別記述もしくはラベル、または説明書を有する化合物を任意に含む。
キットは、通常1つ以上の追加の容器を備え、それぞれは、本明細書に記載される化合物の使用に対する、商業的および使用者の観点から望ましい、1つ以上の様々な材料を含む(任意に高濃度での試薬、および/または装置等)。そのような材料の非限定例は、緩衝剤、希釈剤、濾過器、針、注射器;内容および/または使用説明を記載するキャリア、パッケージ、容器、バイアルおよび/または管ラベル、および使用説明書を有する添付文書を含むが、これらに限定されない。一般的には、説明書一式も含まれる。
ラベルは、容器上にあり得るか、または容器に付随し得る。ラベルを形成する文字、数字、または他の記号が、容器自体に添付、成形、またはエッチングされる場合、ラベルは、容器上にあり得て、例えば添付文書等、容器も保持するレセプタクルまたはキャリア内に存在する場合、ラベルは容器に付随し得る。ラベルは、内容物が、特定治療用途に使用できることを示すために使用され得る。ラベルは、例えば、本明細書に記載される方法等で、内容物の用法も示し得る。これらの他の治療薬は、例えば医師用卓上参考書(PDR)に示される、または当業者により別様に決定される量で、使用することができる。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明される。
実施例1
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩
Figure 2010512343
ステップ1
Figure 2010512343
(Z)−3−ヨード−アクリル酸:ステップ1の手順を、Takeuchi et al, Journal of Organic Chemistry,2000(65),1558−61に記載されるプロトコルに従って実施した。55%ヨウ化水素酸(20mL)水溶液および水(30mL)の溶液に、プロピン酸(7.0g、100mmol)を添加した。混合物を50℃で17時間加熱した。混合物を周囲温度まで冷却した後、エーテルを添加し、層を分離した。水層をエーテルで抽出し、組み合わせた有機層を含水チオ硫酸ナトリウムおよび無水硫酸マグネシウムで洗浄した。溶媒を真空で蒸発させ、残渣をn−ヘキサンで洗浄し、淡黄色固体として表題化合物を得、これを次のステップで直接使用した;収率17.8g(90%)。mp68〜70℃(lit.10bmp 63〜64℃)。H NMR(270MHz,CDCl)δ6.99(d,J=9.2Hz,1H)、7.69(d,J=9.2Hz,1H)、9.94(br,1H)。13C NMR(67.8MHz,CDCl)δ98.2、129.4、169.7。
ステップ2
Figure 2010512343
(E)−3−ヨード−アクリル酸:ステップ2の手順を、Takeuchi et al, Journal of Organic Chemistry,2000(65),1558−61に記載のプロトコルに従って実施した。(Z)−3−ヨード−アクリル酸(5.94g、30mmol)を55%ヨウ化水素酸(0.6mL)水溶液およびベンゼン(8mL)の溶液に添加した。混合物を80℃で5時間加熱し、周囲温度まで冷却し、エーテルで希釈し、抽出した。水層をエーテルで抽出し、組み合わせた有機層を含水チオ硫酸ナトリウムおよび無水硫酸マグネシウムで洗浄した。溶媒を真空で蒸発させた。溶媒を真空で蒸発させ、残渣をn−ヘキサンで洗浄し、淡黄色固体として表題化合物を得た。収率5.29g(89%);mp144〜147℃。H NMR(270MHz,CDCl)δ6.90(d,J=14.8Hz,1H)、8.09(d,J=14.8Hz,1H)、10.0(br,1H)。13C NMR(67.8MHz,CDCl)δ103.2,135.7、169.4。
ステップ3
Figure 2010512343
3−ヨード−アクリル酸メチルエステル:メタノール(30mL)中の(E)−3−ヨード−アクリル酸(7.85g、39.65mmol)および濃縮硫酸(0.8mL)の溶液を加熱し、20時間還流させた。混合物を周囲温度まで冷却し、濃縮し、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、ベージュ色の固体として表題化合物を得た(7.3g)。
ステップ4
Figure 2010512343
6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イン酸メチルエステル:塩化ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)(0.238g、0.62mmol)、t−ブチルアセチレン(1.31g、15.94mmol)およびヨウ化銅(I)(0.234g、1.26mmol)を、周囲温度で、トリエチルアミン(40mL)中の(E)−3−ヨード−アクリル酸メチルエステル(2.60g、12.26mmol)の撹拌された溶液に添加した。混合物を周囲温度で20時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層をセライトのショートパッドを通して濾過し、濾液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗材料をカラムクロマトグラフィで精製し、淡黄色の油として表題化合物を得た(1.73g、85%)。H−NMR(CDCl)δ:1.26(s,9H)、3.74(s,3H)、6.13(d,1H,J=15.9Hz)、6.76(d,1H,J=15.9Hz)。
ステップ5
Figure 2010512343
2− 6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イン−1−オル:無水エーテル(20mL)中の6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イン酸メチルエステル(1.70g、10.24mmol)の溶液を、注射器を介して、−70℃の重水素化リチウムアルミニウム(0.90g、21.50mmol)の撹拌した懸濁液に、窒素下で10分間にわたって添加した。混合物を−60℃で2時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液(4.5mL)で反応を停止し、混合物を周囲温度に温め、セライトのパッドを通して濾過し、エーテルで抽出して、有機層を減圧下で乾燥および濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィによって精製し、淡黄色の油として表題化合物を得た(1.39g、97%)。H−NMR(CDCl)δ:1.24(s,9H)、1.25(br s,1H)、5.73(d,1H,J=15.9Hz)、6.15(d,1H,J=15.9Hz)。
ステップ6
Figure 2010512343
2− メタンスルホン酸6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4イニルエステル:トリエチルアミン(0.65mL、4.67mmol)を−10℃のジクロロメタン(10mL)中のd−6,6−ジメチル−ヘプ−2−エン−4−イン−1−オル(0.552g、4.0mmol)の撹拌した溶液に添加した。塩化メタンスルホニル(0.33mL、4.24mmol)を微量注射器を介して滴下して添加し、混合物を2時間にわたり0℃まで温めた。粗混合物をステップ9で直接使用した。
ステップ7
Figure 2010512343
ナフタレン−1−カルボン酸メチルアミド:メチルアミン塩酸塩(1.15g、16.35mmol)およびジエチルイソプロピルアミン(6.54mL、37.60mmol)を0℃で無水テトラヒドロフラン(5mL)中の1−ナフトイルクロリド(2.08g、10.90mmol)の溶液に添加し、混合物を周囲温度で20時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCLおよび塩水で洗浄した。有機抽出物を乾燥および濃縮して、ベージュ色の固体として表題化合物を得た(1.81g、88%)。H−NMR(CDCl)δ:6.18(br s,1H)、7.38(m,1H)、7.48−7.54(m,3H)、7.82−7.88(m,2H)、8.25(m,1H)。
ステップ8
Figure 2010512343
メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:無水テトラヒドロフラン(10mL)中のナフタレン−1−カルボン酸メチルアミド(0.83g、4.40mmol)の溶液を、注射器を介して、0℃の無水テトラヒドロフラン(10mL)中の水素化アルミニウムリチウム(0.41g、9.68mmol)の撹拌した懸濁液に、窒素下で10分にわたって添加した。混合物を加熱し、終夜還流させ、0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(2mL)で反応停止させた。反応物を1時間にわたって周囲温度まで温め、セライトのパッドを通して濾過し、エーテルで抽出し、有機層を減圧下で乾燥および濃縮して、黄色の油として表題化合物を得た(0.75g、97%)。この化合物は、精製を行わずに、次のステップで直接使用する。H−NMR(CDCl)δ:7.40−7.57(m,4H)、7.78(m,1H)、7.87(m,1H)、8.12(m,1H)。
ステップ9
Figure 2010512343
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン
ステップ6からのd2−メタンスルホン酸6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4イニルの粗ジクロロメタン溶液を、注射器を介して、アセトニトリル(10mL)中のメチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン(0.684g、4.0mmol)および炭酸カリウム(552mg、4.0mol)の撹拌した0℃の混合物に、滴下して添加した。ヨウ化カリウム(0.066g、0.4mmol)を添加し、反応物を周囲温度で20時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水で分割した。組み合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、減圧下で乾燥および濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィによって精製し、表題化合物を得た。H−NMR(CDCl)δ:1.24(s,9H)、2.23(s,3H)、3.90(s,2H)、5.69(d,1H,J=15.6Hz)、6.14(d,1H,J=15.6Hz)、7.37−7.56(m,4H)、7.75−7.87(m,2H)、8.25−8.29(m,1H)。MS:m/z294.2(M+1)
ステップ10
Figure 2010512343
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩:d−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン(0.478g、1.63mmol)の溶液を0℃で、エーテル(1.2mL、1.5mmol)中の2N塩酸溶液で処理した。氷浴を除去し、混合物を10分間にわたって撹拌した。沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、真空で乾燥させて、白色固体としてd−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩(0.50g、97%)を得た。H−NMR(CDOD)δ:1.25(s,9H)、2.78(s,3H)、4.72(d,1H,J=14.4Hz)、4.96(d,1H,J=14.4Hz)、6.12(s,2H)、7.57−7.78(m,4H)、7.99−8.07(m,2H)、8.20(m,1H)。
実施例2
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩
Figure 2010512343
ステップ1
Figure 2010512343
−ナフタレン−1−カルボン酸メチルアミド:実施例1のステップ7に記載されるものと同一の手順に従うが、メチルアミン塩酸塩の代わりにd−メチルアミン塩酸塩を使用した。表題化合物を88%の収率でベージュ色の固体として得た。H−NMR(CDCl)δ:6.18(br s,1H)、7.38(m,1H)、7.48−7.54(m,3H)、7.82−7.88(m,2H)、8.25(m,1H)。
ステップ2
Figure 2010512343
−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:実施例1のステップ8に記載されるものと同一の手順に従うが、水素化リチウムアルミニウムの代わりに重水素化リチウムアルミニウムを使用した。表題化合物を97%の収率で黄色の油として得た。H−NMR(CDCl)δ:7.40−7.57(m,4H)、7.78(m,1H)、7.87(m,1H)、8.12(m,1H)。
ステップ3
Figure 2010512343
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:実施例1のステップ9に記載されるものと同一の手順に従うが、メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンの代わりにd−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンを使用し、表題化合物を66%の収率で明黄色の油として得た。H−NMR(CDCl)δ:1.24(s,9H),5.67(d,1H,J=15.6Hz),6.15(d,1H,J=15.6Hz),7.37−7.56(m,4H),7.75−7.87(m,2H),8.25−8.29(m,1H)。MS:m/z299.3(M+1)
ステップ4
Figure 2010512343
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩:実施例1のステップ10に記載されるものと同一の手順に従い、表題化合物を94%の収率で白色固体として得た。H−NMR(CDOD)δ:1.26(s,9H)、6.12(s,2H)、7.58−7.78(m,4H)、8.01−8.08(m,2H)、8.19(m,1H)。
実施例3
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩
Figure 2010512343
ステップ1
Figure 2010512343
−ナフタレン−1−カルボン酸メチルアミド:実施例1のステップ7に記載されるものと同一の手順に従うが、メチルアミン塩酸塩の代わりにd−メチルアミン塩酸塩を使用した。表題化合物を88%の収率でベージュ色の固体として得た。H−NMR(CDCl)δ:6.18(br s,1H)、7.38(m,1H)、7.48−7.54(m,3H)、7.82−7.88(m,2H)、8.25(m,1H)。
ステップ2
Figure 2010512343
3− メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:実施例1のステップ8に記載されるものと同一の手順に従うが、ナフタレン−1−カルボン酸メチルアミドの代わりにd−ナフタレン−1−カルボン酸メチルアミドを使用した。表題化合物を93%の収率で黄色の油として得た。H−NMR(CDCl)δ:4.21(s,2H)、7.40−7.57(m,4H)、7.78(m,1H)、7.85(m,1H)、8.13(m,1H)。
ステップ3
Figure 2010512343
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:実施例1のステップ9に記載されるものと同一の手順に従うが、メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンの代わりにd−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンを使用して、表題化合物を70%の収率で明黄色の油を得た。H−NMR(CDCl)δ:1.24(s,9H)、3.89(s,2H)、5.67(d,1H,J=15.6Hz)、6.15(d,1H,J=15.6Hz)、7.37−7.56(m,4H)、7.75−7.87(m,2H)、8.25−8.29(m,1H)。MS:m/z297.2(M+1)
ステップ4
Figure 2010512343
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩:実施例1のステップ10に記載されるものと同一の手順に従い、表題化合物を95%の収率で白色固体として得た。H−NMR(CDOD)δ:1.25(s,9H)、4.73(br s,1H)、4.94(br s,1H)、6.11(s,2H)、7.58−7.78(m,4H)、8.01−8.08(m,2H)、8.19(m,1H)。
実施例4
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩
Figure 2010512343
ステップ1
Figure 2010512343
ナフタレン−1−カルボン酸メチルアミド:実施例1のステップ7に記載されるものと同一の手順に従い、表題化合物を88%の収率でベージュ色の固体を得た。H−NMR(CDCl)δ:6.18(br s,1H)、7.38(m,1H)、7.48−7.54(m,3H)、7.82−7.88(m,2H)、8.25(m,1H)。
ステップ2
Figure 2010512343
2− メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:実施例1のステップ8に記載されるものと同一の手順に従うが、水素化リチウムアルミニウムの代わりに重水素化リチウムアルミニウムを用いた。表題化合物を97%の収率で黄色の油として得た。H−NMR(CDCl)δ:2.55(s,3H)、7.40−7.57(m,4H)、7.78(m,1H)、7.87(m,1H)、8.12(m,1H)。
ステップ3
Figure 2010512343
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:実施例1のステップ9に記載されるものと同一の手順に従うが、メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンの代わりにd−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンを使用して、表題化合物を62%の収率で淡黄色の油として得た。H−NMR(CDCl)δ:1.24(s,9H)、2.23(s,3H)、5.67(d,1H,J=15.6Hz)、6.15(d,1H,J=15.6Hz)、7.37−7.56(m,4H)、7.75−7.87(m,2H)、8.25−8.29(m,1H)。MS:m/z296.3(M+1)
ステップ4
Figure 2010512343
−(E)−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン塩酸塩:実施例1のステップ10に記載されるものと同一の手順に従い、表題化合物を92%の収率で白色固体として得た。H−NMR(CDOD)δ:1.26(s,9H)、2.79(s,3H)、6.12(s,2H)、7.58−7.78(m,4H)、8.01−8.08(m,2H)、8.19(m,1H)。
実施例5
18−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン
Figure 2010512343
18−(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンは、以下の手順に従って、合成することができる。
ステップ1
Figure 2010512343
−(3−クロロ−アリル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:この手順は、1,3−ジクロロプロペンの代わりにd−1,3−ジクロロプロペンを用いて、Alami,Tetrahedron Letters 1996,37(1),57−58(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のとおり実施した。d−1,3−ジクロロプロペン(1等量、Cambridge Isotopes Laboratories)を無水アセトニトリル中のd−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン(1等量)、KCO(1等量)、KI(0.1等量)の混合物に添加し、周囲温度で撹拌する。反応が完了したら、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO、水、および塩水で洗浄し、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を除去して、粗残渣を得、これをシリカゲルクロマトグラフィによって精製し、所望の生成物であるd−(3−クロロ−アリル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンを得る。
ステップ2
Figure 2010512343
−(3−クロロ−アリル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:この手順は、1,3−ジクロロプロペンの代わりにd−1,3−ジクロロプロペンを用いて、Alami,Tetrahedron Letters 1996,37(1),57−58(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のとおり実施した。d−1,3−ジクロロプロペン(1等量、Cambridge Isotopes Laboratories)を無水アセトニトリル中のd−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン(1等量)、KCO(1等量)、KI(0.1等量)の混合物に添加し、周囲温度で撹拌する。反応が完了したら、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO、水、および塩水で洗浄し、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を除去して、粗残渣を得、これをシリカゲルクロマトグラフィによって精製し、所望の生成物であるd−(3−クロロ−アリル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミンを得る。
ステップ3
Figure 2010512343
−3,3−ジメチル−but−1−イン:この手順は、2−メチル−2−プロパノールの代わりにd−2−メチル−2−プロパノールを、ならびにHSOの代わりにDSOを用いて、RU2,238,261(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるとおり実施する。
ステップ4
Figure 2010512343
18 −(6,6−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−イニル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン:この手順は、Alami,Tetrahedron Letters 1996,37(1),57−58(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるとおり実施する。ピペリジン(3mL)中のPdCl(PhCN)(0.05mmol)の懸濁液に、連続してd−(3−クロロ−アリル)−メチル−ナフタレン−1−イルメチル−アミン(1mmol)、d−3,3−ジメチル−but−1−イン(1.5mmol)およびCuI(0.1mmol)を添加する。反応混合物を塩化ビニルが完全に消費されるまで室温で撹拌し、TLC分析によって監視する。反応物をジエチルエーテルで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を真空で除去する。シリカゲルを通した濾過により、所望の生成物であるd18−テルビナフィンを得る。
実施例1から5に開示された化合物の非同位体濃縮類似体と比較した、それらの化合物の代謝特性の変化は、以下の分析を使用して示すことができる。まだ作製および/または試験されていない上述に列挙された他の化合物は、1つ以上のこれらの分析によって示されるように、変化した代謝特性も有すると予測される。
生物学的分析
実施例6
肝ミクロゾームの生体外安定性分析
2%NaHCO中のNADPH−生成系(2.2mM NADPH、25.6mMグルコース6−リン酸塩、1mL当たり6単位のグルコース6−リン酸塩デヒドロゲナーゼ、および3.3mM MgCl)を使用して、1mL当たり1mgの肝ミクロゾームタンパク質で、肝ミクロゾーム安定性分析を行う。20%アセトニトリル−水中の溶液として、試験化合物を調製し、分析混合物(最終分析濃度、1mL当たり5マイクログラム)に添加し、37℃でインキュベートする。分析試料中のアセトニトリルの最終濃度は、<1%でなければならない。アリコート(50μL)を、0分、15分、30分、45分、および60分で採取し、反応を停止するために、氷冷アセトニトリル(200μL)で希釈する。試料を12000RPMで10分間遠心分離機にかけ、タンパク質を沈殿させる。浮遊物を微小遠心管に移し、試験化合物の分解半減期のLC/MS/MS分析のために保管する。
実施例7
ヒトチトクロームP450酵素を使用した生体外代謝
チトクロームP450酵素は、バキュロウイルス発現システム(BD Biosciences)を使用して、対応するヒトcDNAから発現される。1ミリリットル当たり0.8ミリグラムのタンパク質、1.3ミリモルのNADP、3.3ミリモルのグルコース−6−リン酸塩、0.4U/mLのグルコース−6−リン酸塩デヒドロゲナーゼ、3.3ミリモルの塩化マグネシウム、および0.2ミリモルの式1の化合物、対応する非同位体濃縮化合物、または100ミリモルのリン酸カリウム(pH7.4)中の標準もしくは対照を含む、0.25ミリリットルの反応混合物を、37℃で20分間インキュベートする。インキュベート後、適切な溶媒(例えば、アセトニトリル、20%トリクロロ酢酸、94%アセトニトリル/6%氷酢酸、70%過塩素酸、94%アセトニトリル/6%氷酢酸)の添加により反応を停止させ、3分間遠心分離機にかける(10,000g)。浮遊物をHPLC/MS/MSにより分析する。
Figure 2010512343
実施例8
モノアミンオキシダーゼAの阻害および酸化ターンオーバー
この手順は、Weyler,Journal of Biological Chemistry 1985,260(24),13199−13207(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるとおりに実施される。4−ヒドロキシキノリンの形成を伴う、キヌラミンの酸化において、314nmでの吸光度の増加を監視することによって、モノアミンオキシダーゼAの活性を分光光度測定する。30℃で、0.2% Triton X−100(モノアミンオキシダーゼ分析緩衝液)と1mMキヌラミンと所望の量の酵素を含有する全容積1mLの、pH7.2の50mM NaP緩衝液中で測定を実施する。
実施例9
モノアミンオキシダーゼBの阻害および酸化ターンオーバー
この手順は、Uebelhack,Pharmacopsychiatry 1998,31(5),187−192(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるとおりに実施される。
実施例10
多血小板血漿および血小板の調製
健康な被験体から静脈血を夜間絶食後午前8:00〜8:30の間に、EDTAを含むバキュテイナー管(11.6mg EDTA/mL血液)へ採取する。
20℃で15分間、250xgで血液を遠心分離した後、上澄み多血小板血漿(PRP)を採取し、PRP中の血小板の数を血球計数器(MOLAB,Hilden,Germany)で計数する。PRP(2mL)を10分間1500xgで回転させ、血小板ペレットを得る。このペレットを氷冷生理食塩水で3回洗浄し、pH7.4の2mL Soerensenリン酸塩緩衝液で再懸濁し、−18℃で1日保管する。
実施例11
MAO分析
新しいPRPまたは冷凍された血小板懸濁液(100μl)を、37℃で、100μlの0.9%NaCl溶液またはpH7.4のリン酸塩緩衝液中で、薬剤の存在または非存在下で、それぞれ10分間、通常プレインキュベートする。次いで、2−フェニルエチルアミン−[エチル−1−14C]塩酸塩(PEA)溶液(比活性度56Ci/mol、Amersham、50μl)を5μMの最終濃度で添加し、インキュベーションを30分間継続する。50μlの4M HClOを添加することにより反応を終了させる。MAOの反応性生物、フェニルアセトアルデヒドを、2mLのn−ヘキサンに抽出する。有機相のアリコートをシンチレータカクテルに添加し、液体シンチレーションカウンターを使用して放射能を測定する。生成物の形成は、適切な血小板の数で、少なくとも60分直線性である。空値は、インキュベーション混合液中に2mMのパルギリンを含めることによって得られる。
実施例12
生体外抗真菌分析
この手順は、Ryder,Antimicrobial Agents and Chemotherapy 1998,42(5),1057−1061(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のとおり実施される。
分析培地。NaHCOを含まないがL−グルタミンを含む、0.165M 3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸(MOPS)で緩衝されたRPMI1640培地中で分析を行う。その培地を35℃でpH7.0に調節し、滅菌濾過し、160×16mmのガラス管(1.8mL/管)に取り、使用するまで4℃で保管する。
生体外での抗真菌試験。MICは、米国臨床検査標準委員会(National Committee for Clinical Laborator Standards(NCCLS))のM27−Aプロトコルの修正に従って、マクロ液体希釈分析法で測定する。式1の化合物をまず100倍高い最終濃度でDMSOを含有する5%のTween80に溶解し、続いて、DMSOで2倍の希釈液を作製し、その後、RPMI培地でそれぞれの溶液の5倍の希釈液を作製する。増殖培地で希釈することにより、−80℃で冷凍されたストックから分析用の接種菌を調製し、最終生存細胞数2.5×10CFU/mlを得る。それぞれの分析は、二組で順次薬剤を希釈することで実施される。薬物溶液(0.1mL)および真菌接種物(0.1mL)を1.8mLの培地で予備充填したそれぞれの管に添加し、2mLの総量を得る。チューブは、ゆるいステンレス製のふたをかぶせ、ボルテックスし、その後空中35℃で48〜72時間、培養する。エンドポイントは、少なくとも80%の阻害をもたらす最低薬物濃度として定義される。対照の溶媒をそれぞれの組の分析に含める。1%の最大最終濃度のDMSO希釈剤は、真菌の増殖に影響を及ぼさない。各組の分析を、平行して参照菌株ATCC24433を試験することにより、および基準物の薬物フルコナゾールのMICが、NCCLS推奨範囲内であることを確実にすることによって、検証する。
* * * * *
上記に記載した実施例は、請求する実施形態の作製方法および使用方法の完全な開示および説明を与えるために開示し、本明細書で開示するものの範囲を限定することは意図していない。当技術分野において自明である修正は、以下の(特許請求の範囲)内であることを意図する。本明細書に挙げられるすべての出版物、特許、および特許出願は、あたかもそのような各出版物、特許、または特許出願が、参照することにより本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別に示されるように、参照することにより本明細書に組み込まれる。しかしながら、組み込まれた出版物または参考文献と、本書に明確に示されるか、または定義されるものとの両方に見られるいかなる同様または同一の用語に関しても、本書に明確に示されるそれらの用語の定義または意味が、あらゆる点で優先されるものとする。

Claims (109)

  1. 構造式Iを有する化合物であって、
    Figure 2010512343
    (I)
    式I中、
    、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25は、水素および重水素から成る群から独立して選択され、
    、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、重水素である、
    但し、構造式Iを有する化合物は、
    Figure 2010512343
    であることはできないことを条件とする化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  2. 前記化合物は、実質的に単一エナンチオマー、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、実質的に個々のジアステレオマー、または約90重量%以上の個々のジアステレオマーと約10重量%以下の任意の他のジアステレオマーとの混合物である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記薬剤として許容される塩は、塩酸塩である、請求項1に記載の化合物。
  4. 、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、少なくとも約1%の重水素濃縮を独立して有する、請求項1に記載の化合物。
  5. 、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、少なくとも約5%の重水素濃縮を独立して有する、請求項1に記載の化合物。
  6. 、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、少なくとも約10%の重水素濃縮を独立して有する、請求項1に記載の化合物。
  7. 、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、少なくとも約20%の重水素濃縮を独立して有する、請求項1に記載の化合物。
  8. 、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、少なくとも約50%の重水素濃縮を独立して有する、請求項1に記載の化合物。
  9. 、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、少なくとも約90%の重水素濃縮を独立して有する、請求項1に記載の化合物。
  10. 、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、少なくとも約98%の重水素濃縮を独立して有する、請求項1に記載の化合物。
  11. Figure 2010512343

    Figure 2010512343

    から成る群から選択される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  12. 前記化合物は、実質的に単一エナンチオマー、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、実質的に個々のジアステレオマー、または約90重量%以上の個々のジアステレオマーと約10重量%以下の任意の他のジアステレオマーとの混合物である、請求項11に記載の化合物。
  13. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも1%の重水素濃縮を有する、請求項11に記載の化合物。
  14. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも5%の重水素濃縮を有する、請求項11に記載の化合物。
  15. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも10%の重水素濃縮を有する、請求項11に記載の化合物。
  16. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも20%の重水素濃縮を有する、請求項11に記載の化合物。
  17. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも50%の重水素濃縮を有する、請求項11に記載の化合物。
  18. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも90%の重水素濃縮を有する、請求項11に記載の化合物。
  19. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも98%の重水素濃縮を有する、請求項11に記載の化合物。
  20. Figure 2010512343

    から成る群から選択される化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  21. 前記化合物は、実質的に単一エナンチオマー、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、実質的に個々のジアステレオマー、または約90重量%以上の個々のジアステレオマーと約10重量%以下の任意の他のジアステレオマーとの混合物である、請求項20に記載の化合物。
  22. 前記薬剤として許容される塩は、塩酸塩である、請求項20に記載の化合物。
  23. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも1%の重水素濃縮を有する、請求項20に記載の化合物。
  24. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも5%の重水素濃縮を有する、請求項20に記載の化合物。
  25. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも10%の重水素濃縮を有する、請求項20に記載の化合物。
  26. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも20%の重水素濃縮を有する、請求項20に記載の化合物。
  27. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも50%の重水素濃縮を有する、請求項20に記載の化合物。
  28. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも90%の重水素濃縮を有する、請求項20に記載の化合物。
  29. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも98%の重水素濃縮を有する、請求項20に記載の化合物。
  30. 化合物
    Figure 2010512343

    、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  31. 前記化合物は、実質的に単一エナンチオマー、約90重量%以上の(−)エナンチオマーと約10重量%以下の(+)エナンチオマーとの混合物、約90重量%以上の(+)エナンチオマーと約10重量%以下の(−)エナンチオマーとの混合物、実質的に個々のジアステレオマー、または約90重量%以上の個々のジアステレオマーと約10重量%以下の任意の他のジアステレオマーとの混合物である、請求項30に記載の化合物。
  32. 前記薬剤として許容される塩は、塩酸塩である、請求項30に記載の化合物。
  33. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも1%の重水素濃縮を有する、請求項30に記載の化合物。
  34. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも5%の重水素濃縮を有する、請求項30に記載の化合物。
  35. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも10%の重水素濃縮を有する、請求項30に記載の化合物。
  36. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも20%の重水素濃縮を有する、請求項30に記載の化合物。
  37. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも50%の重水素濃縮を有する、請求項30に記載の化合物。
  38. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも90%の重水素濃縮を有する、請求項30に記載の化合物。
  39. Dで表される前記位置のそれぞれは、少なくとも98%の重水素濃縮を有する、請求項30に記載の化合物。
  40. 請求項1に記載の化合物とともに、薬剤として許容される担体を含有する、医薬組成物。
  41. 前記組成物は、経口、非経口、または局所投与に好適である、請求項40に記載の医薬組成物。
  42. 前記組成物は、錠剤、粒剤、カプセル剤を含む、請求項41に記載の医薬組成物。
  43. 前記組成物は、軟膏またはクリームを含む、請求項41に記載の医薬組成物。
  44. 前記化合物は、0.5ミリグラムから6000ミリグラムの用量で投与される、請求項40に記載の医薬組成物。
  45. 別の治療薬をさらに含有する、請求項40に記載の医薬組成物。
  46. 前記治療薬は、抗真菌剤、抗菌薬、抗ミコバクテリア剤、敗血症治療剤、ステロイド系薬物、抗凝血剤、血栓溶解剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗血小板剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、トロンボキサン受容体拮抗薬、カリウムチャネル開口薬、トロンビン阻害剤、成長因子阻害剤、血小板活性化因子(PAF)拮抗薬、抗血小板剤、第VIIa因子阻害剤および第Xa因子阻害剤、レニン阻害剤、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブラート系薬剤、胆汁酸抑制剤、抗アテローム硬化症薬、MTP阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル活性化薬、αアドレナリン作動薬、βアドレナリン作動薬、抗不整脈剤、利尿薬、抗糖尿病剤、PPAR−γ作用薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、aP2阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、抗炎症薬、抗増殖剤、化学療法剤、免疫抑制剤、抗癌剤および細胞毒性薬、代謝拮抗薬、ファルネシル−タンパク質転移酵素阻害剤、ホルモン剤、微小管破壊剤、微小管安定剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プレニル−タンパク質転移酵素阻害剤およびシクロスポリン、TNF−α阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、金化合物、ならびに白金配位複合体から成る群から選択される、請求項45に記載の医薬組成物。
  47. 前記治療薬は、抗菌剤である、請求項46に記載の医薬組成物。
  48. 前記治療薬は、抗真菌剤である、請求項46に記載の医薬組成物。
  49. 前記抗真菌剤は、アモロルフィンである、請求項48に記載の医薬組成物。
  50. 前記抗真菌剤は、トルナフテートである、請求項48に記載の医薬組成物。
  51. 前記抗真菌剤は、フルコナゾールである、請求項48に記載の医薬組成物。
  52. 前記抗真菌剤は、イトラコナゾールである、請求項48に記載の医薬組成物。
  53. 請求項11に記載の化合物とともに、薬剤として許容される担体を含有する、医薬組成物。
  54. 前記組成物は、経口、非経口、または局所投与に好適である、請求項53に記載の医薬組成物。
  55. 前記組成物は、錠剤、粒剤、カプセル剤を含む、請求項54に記載の医薬組成物。
  56. 前記組成物は、軟膏またはクリームを含む、請求項54に記載の医薬組成物。
  57. 前記化合物は、0.5ミリグラムから6000ミリグラムの用量で投与される、請求項53に記載の医薬組成物。
  58. 別の治療薬をさらに含有する、請求項53に記載の医薬組成物。
  59. 前記治療薬は、抗真菌剤、抗菌薬、抗ミコバクテリア剤、敗血症治療剤、ステロイド系薬物、抗凝血剤、血栓溶解剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗血小板剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、トロンボキサン受容体拮抗薬、カリウムチャネル開口薬、トロンビン阻害剤、成長因子阻害剤、血小板活性化因子(PAF)拮抗薬、抗血小板剤、第VIIa因子阻害剤および第Xa因子阻害剤、レニン阻害剤、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブラート系薬剤、胆汁酸抑制剤、抗アテローム硬化症薬、MTP阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル活性化薬、αアドレナリン作動薬、βアドレナリン作動薬、抗不整脈剤、利尿薬、抗糖尿病剤、PPAR−γ作用薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、aP2阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、抗炎症薬、抗増殖剤、化学療法剤、免疫抑制剤、抗癌剤および細胞毒性薬、代謝拮抗薬、ファルネシル−タンパク質転移酵素阻害剤、ホルモン剤、微小管破壊剤、微小管安定剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プレニル−タンパク質転移酵素阻害剤およびシクロスポリン、TNF−α阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、金化合物、ならびに白金配位複合体から成る群から選択される、請求項58に記載の医薬組成物。
  60. 前記治療薬は、抗菌剤である、請求項59に記載の医薬組成物。
  61. 前記治療薬は、抗真菌剤である、請求項59に記載の医薬組成物。
  62. 前記抗真菌剤は、アモロルフィンである、請求項61に記載の医薬組成物。
  63. 前記抗真菌剤は、トルナフテートである、請求項61に記載の医薬組成物。
  64. 前記抗真菌剤は、フルコナゾールである、請求項61に記載の医薬組成物。
  65. 前記抗真菌剤は、イトラコナゾールである、請求項61に記載の医薬組成物。
  66. 請求項20に記載の化合物とともに、薬剤として許容される担体を含有する、医薬組成物
  67. 前記組成物は、経口、非経口、または局所投与に好適である、請求項66に記載の医薬組成物。
  68. 前記組成物は、錠剤、粒剤、カプセル剤を含む、請求項67に記載の医薬組成物。
  69. 前記組成物は、軟膏またはクリームを含む、請求項67に記載の医薬組成物。
  70. 前記化合物は、0.5ミリグラムから6000ミリグラムの用量で投与される、請求項66に記載の医薬組成物。
  71. 別の治療薬をさらに含有する、請求項66に記載の医薬組成物。
  72. 前記治療薬は、抗真菌剤、抗菌薬、抗ミコバクテリア剤、敗血症治療剤、ステロイド系薬物、抗凝血剤、血栓溶解剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗血小板剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、トロンボキサン受容体拮抗薬、カリウムチャネル開口薬、トロンビン阻害剤、成長因子阻害剤、血小板活性化因子(PAF)拮抗薬、抗血小板剤、第VIIa因子阻害剤および第Xa因子阻害剤、レニン阻害剤、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブラート系薬剤、胆汁酸抑制剤、抗アテローム硬化症薬、MTP阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル活性化薬、αアドレナリン作動薬、βアドレナリン作動薬、抗不整脈剤、利尿薬、抗糖尿病剤、PPAR−γ作用薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、aP2阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、抗炎症薬、抗増殖剤、化学療法剤、免疫抑制剤、抗癌剤および細胞毒性薬、代謝拮抗薬、ファルネシル−タンパク質転移酵素阻害剤、ホルモン剤、微小管破壊剤、微小管安定剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プレニル−タンパク質転移酵素阻害剤およびシクロスポリン、TNF−α阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、金化合物、ならびに白金配位複合体から成る群から選択される、請求項71に記載の医薬組成物。
  73. 前記治療薬は、抗菌剤である、請求項72に記載の医薬組成物。
  74. 前記治療薬は、抗真菌剤である、請求項72に記載の医薬組成物。
  75. 前記抗真菌剤は、アモロルフィンである、請求項74に記載の医薬組成物。
  76. 前記抗真菌剤は、トルナフテートである、請求項74に記載の医薬組成物。
  77. 前記抗真菌剤は、フルコナゾールである、請求項74に記載の医薬組成物。
  78. 前記抗真菌剤は、イトラコナゾールである、請求項74に記載の医薬組成物。
  79. 請求項30に記載の化合物とともに、薬剤として許容される担体を含有する、医薬組成物。
  80. 前記組成物は、経口、非経口、または局所投与に好適である、請求項79に記載の医薬組成物。
  81. 前記組成物は、錠剤、粒剤、カプセル剤を含む、請求項80に記載の医薬組成物。
  82. 前記組成物は、軟膏またはクリームを含む、請求項80に記載の医薬組成物。
  83. 前記化合物は、0.5ミリグラムから6000ミリグラムの用量で投与される、請求項79に記載の医薬組成物。
  84. 別の治療薬をさらに含有する、請求項79に記載の医薬組成物。
  85. 前記治療薬は、抗真菌剤、抗菌薬、抗ミコバクテリア剤、敗血症治療剤、ステロイド系薬物、抗凝血剤、血栓溶解剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗血小板剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、トロンボキサン受容体拮抗薬、カリウムチャネル開口薬、トロンビン阻害剤、成長因子阻害剤、血小板活性化因子(PAF)拮抗薬、抗血小板剤、第VIIa因子阻害剤および第Xa因子阻害剤、レニン阻害剤、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブラート系薬剤、胆汁酸抑制剤、抗アテローム硬化症薬、MTP阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル活性化薬、αアドレナリン作動薬、βアドレナリン作動薬、抗不整脈剤、利尿薬、抗糖尿病剤、PPAR−γ作用薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、aP2阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、抗炎症薬、抗増殖剤、化学療法剤、免疫抑制剤、抗癌剤および細胞毒性薬、代謝拮抗薬、ファルネシル−タンパク質転移酵素阻害剤、ホルモン剤、微小管破壊剤、微小管安定剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プレニル−タンパク質転移酵素阻害剤およびシクロスポリン、TNF−α阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、金化合物、ならびに白金配位複合体から成る群から選択される、請求項84に記載の医薬組成物。
  86. 前記治療薬は、抗菌剤である、請求項85に記載の医薬組成物。
  87. 前記治療薬は、抗真菌剤である、請求項85に記載の医薬組成物。
  88. 前記抗真菌剤は、アモロルフィンである、請求項87に記載の医薬組成物。
  89. 前記抗真菌剤は、トルナフテートである、請求項87に記載の医薬組成物。
  90. 前記抗真菌剤は、フルコナゾールである、請求項87に記載の医薬組成物。
  91. 前記抗真菌剤は、イトラコナゾールである、請求項87に記載の医薬組成物。
  92. 感染性疾患に罹患している哺乳動物の治療方法であって、前記被験体に治療上有効な量の式Iの化合物、またはその薬剤として許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与するステップを含み、
    式Iの前記化合物は、構造
    Figure 2010512343
    (I)
    を有し、
    式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25は、水素および重水素から成る群から独立して選択され、
    、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25のうちの少なくとも1つは、重水素である、方法。
  93. 前記感染性疾患は、爪甲真菌症、皮膚糸状菌症、癜風、黒癬、白色砂毛症、コクシジオイデス症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、カンジダ症、クロモブラストミコーシス、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ムコール菌症、真菌性菌腫(eumycetoma)、マズラ菌症、放線菌腫、ロボ真菌症、およびニューモシスチス肺炎から成る群から選択される、請求項92に記載の方法。
  94. 前記感染性疾患は、毛瘡白癬菌、紅色白癬菌、カンジダアルビカンス、有毛表皮糸状菌、およびスコプラリオプシスブレビカウリスから成る群から選択される真菌に起因する、請求項92に記載の方法。
  95. 前記化合物は、以下の特性、
    a.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物またはその代謝物の血漿中濃度の個人間変動の減少、
    b.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、
    c.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の減少、
    d.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、および
    e.非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たりの、前記被験体における治療中の臨床効果の改善、
    のうちの少なくとも1つを有する、請求項92に記載の方法。
  96. 前記化合物は、以下の特性、
    a.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物またはその代謝物の血漿中濃度の個人間変動の減少、
    b.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、
    c.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の減少、
    d.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、および
    e.非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たりの、前記被験体における治療中の臨床効果の改善、
    のうちの少なくとも2つを有する、請求項92に記載の方法。
  97. 前記化合物は、非同位体濃縮化合物と比較して、前記被験体の少なくとも1つの多様に発現されたチトクロームP450アイソフォームにより、その用量単位当たりの代謝が減少する、請求項92に記載の方法。
  98. 前記チトクロームP450アイソフォームは、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、およびCYP2D6から成る群から選択される、請求項97に記載の方法。
  99. 前記化合物は、非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たり、前記被験体の少なくとも1つのチトクロームP450またはモノアミンオキシダーゼアイソフォームの阻害が減少することを特徴とする、請求項92に記載の方法。
  100. 前記チトクロームP450またはモノアミンオキシダーゼアイソフォームは、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2G1、CYP2J2、CYP2R1、CYP2S1、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A5P1、CYP3A5P2、CYP3A7、CYP4A11、CYP4B1、CYP4F2、CYP4F3、CYP4F8、CYP4F11、CYP4F12、CYP4X1、CYP4Z1、CYP5A1、CYP7A1、CYP7B1、CYP8A1、CYP8B1、CYP11A1、CYP11B1、CYP11B2、CYP17、CYP19、CYP21、CYP24、CYP26A1、CYP26B1、CYP27A1、CYP27B1、CYP39、CYP46、CYP51、MAO、およびMAOから成る群から選択される、請求項99に記載の方法。
  101. 感染性疾患に罹患している哺乳動物の治療方法であって、前記被験体に治療上有効な量の請求項11に記載の化合物を投与するステップを含む、方法。
  102. 前記感染性疾患は、爪甲真菌症、皮膚糸状菌症、癜風、黒癬、白色砂毛症、コクシジオイデス症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、カンジダ症、クロモブラストミコーシス、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ムコール菌症、真菌性菌腫(eumycetoma)、マズラ菌症、放線菌腫、ロボ真菌症、およびニューモシスチス肺炎から成る群から選択される、請求項101に記載の方法。
  103. 前記感染性疾患は、毛瘡白癬菌、紅色白癬菌、カンジダアルビカンス、有毛表皮糸状菌、およびスコプラリオプシスブレビカウリスから成る群から選択される真菌に起因する、請求項101に記載の方法。
  104. 前記化合物は、以下の特性、
    a.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物またはその代謝物の血漿中濃度の個人間変動の減少、
    b.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、
    c.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の減少、
    d.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、および
    e.非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たりの、前記被験体における治療中の臨床効果の改善、
    のうちの少なくとも1つを有する、請求項101に記載の方法。
  105. 前記化合物は、以下の特性、
    a.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物またはその代謝物の血漿中濃度の個人間変動の減少、
    b.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、
    c.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の減少、
    d.非同位体濃縮化合物と比較して、前記化合物の少なくとも1つの代謝物の、その用量単位当たりの平均血漿中濃度の増加、および
    e.非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たりの、前記被験体における治療中の臨床効果の改善、
    のうちの少なくとも2つを有する、請求項101に記載の方法。
  106. 前記化合物は、非同位体濃縮化合物と比較して、前記被験体における少なくとも1つの多様に発現されたチトクロームP450アイソフォームにより、その用量単位当たりの代謝が減少する、請求項101に記載の方法。
  107. 前記チトクロームP450アイソフォームは、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、およびCYP2D6から成る群から選択される、請求項106に記載の方法。
  108. 前記化合物は、非同位体濃縮化合物と比較して、その用量単位当たり、前記被験体における少なくとも1つのチトクロームP450またはモノアミンオキシダーゼアイソフォームの阻害が減少することを特徴とする、請求項101に記載の方法。
  109. 前記チトクロームP450またはモノアミンオキシダーゼアイソフォームは、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2G1、CYP2J2、CYP2R1、CYP2S1、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A5P1、CYP3A5P2、CYP3A7、CYP4A11、CYP4B1、CYP4F2、CYP4F3、CYP4F8、CYP4F11、CYP4F12、CYP4X1、CYP4Z1、CYP5A1、CYP7A1、CYP7B1、CYP8A1、CYP8B1、CYP11A1、CYP11B1、CYP11B2、CYP17、CYP19、CYP21、CYP24、CYP26A1、CYP26B1、CYP27A1、CYP27B1、CYP39、CYP46、CYP51、MAO、およびMAOから成る群から選択される、請求項108に記載の方法。
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