JP2010511110A - 浅水域での炭化水素貯留層マッピング方法および装置 - Google Patents

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Abstract

炭化水素貯留層の海洋電磁探査システムを提供する。本発明のシステムは炭化水素を含有するターゲットに対する感度が高く、浅水域と深水域の両方で使用可能であることを特徴とする。本システムは、海水中の鉛直又は水平送信ケーブル(7a、7b、8)によって水中(2)に電流パルスを発生させるための送信機と、鉛直又は水平受信ケーブル(10a、10b)の電極(11)に連結される記録システム(9)を備える。送信機はパルス端部が急峻となる特定時間連続する電流パルスを発生させて、パルスのオフ期間に水中の電場が計測される。受信電極間の直線ラインは送信ケーブル(7A、7b)の端部と同一鉛直面に位置させる。送信ケーブル(7a、7b)と受信ケーブル(10a、10b)間のオフセット距離を海底(3)からターゲットとなる炭化水素貯留層までの深さよりも短くして計測が行われる。

Description

本発明は海底炭化水素貯留層のマッピングのための方法及び装置に関する。より具体的には、電磁場発信源(送信機)からTMモード(Transverse magnetic mode)(地下構造と磁場変動方向とが平行な場合、具体的には断面に対して垂直方向に磁場が変動する場合)を海中に沈む1以上の受信機によって受信して測定されたTM応答信号を記録するマッピング方法に関する。本方法では、略鉛直方向に配向される送信機と略水平方向に配向される1以上の受信機、若しくは略水平方向に配向される送信機と略垂直方向に配向される1以上の受信機を設けて、海中の送信機に、パルス終端が急峻である電流パルスを流して、電磁場発信源(送信機)に流れる電流がオフの間に電流パルスにより発生した電磁場を海中に沈む受信機で計測する。電磁場発信源のダイポールと受信機のダイポールとの距離はターゲットの深さよりも短いことする。
地震探査法による測定によって炭化水素を含有する地質構造の有無及びその位置や形状に関しては信頼できる情報が得られるが、地震探査法で貯留層のポテンシャル値(potential value)を測定するには不十分であることが多く、検知した構造に存在するのが水であるか炭化水素を含む流体であるかを区別することさえも困難である。海洋環境での掘削には多額の費用がかかるので、地震探査法の結果が信頼できるものでない限り試掘をすることはあまり好ましいことではない。貯留層の内部の比抵抗を測定するに当たって信用度の高い電磁気法(EM法)で行うことが探査エリアのリスク解析を行う際に重要なポイントとなる。
海洋炭化水素探査においてCSEM法(電気・制御信号源電磁探査法Controlled
Source Electromagnetic Method)が広く用いられている。最も一般的なCSEMシステムでは海底に水平方向に配置した送信ダイポールが用いられる。ダイポールには強い電流が供給される。電気受信機は送信機と間隔を置いて海底に水平に配置する。このようなシステムを改良したものが、後のリストに示すSrnka(1986年)、Ellingsrud et al.(2001−2005年)、Eidsmo et al.(2003年)、MacGregor et al.(2003年)による特許文献や他の文献に記載されている。これらのシステムの内いくつかは磁気計測を電気計測で補っている。
海洋CSEMシステムの送信機では通常高調波電流成分若しくは予め定められたシーケンス(手順)に従って電流パルスを発生させる。前記高調波電流パルスによる電磁場は別の解析のために使用可能である。一方、前記電流パルスでできた電磁場は周波数領域へと変換される傾向にある。特に、現在最も一般的なCSEM法であるSBL(Seabed logging)法では時間領域から周波数領域へフーリエ変換が行われる。
現在の海洋CSEMシステムでは信号発信源と受信機間の水平距離(いわゆるオフセット距離)が貯留層深さの距離の何倍もの長さであったとしてもターゲット領域を検知できる。ということは、電磁場は堆積物の下の岩盤を通過して送信機から受信機へと伝播するということである。しかし一方では、オフセット距離が大きいと電磁場が空気にも伝播するので測定値に歪みが生じやすい。Constable(2006年)及びConstable and Weiss(2006年)によると、空気に伝播した電磁場の影響によって従来のSBL法の技術は浅水域での探査に使用不能となる。つまり、従来のSBL法は水深300m未満では信用できないと考えられている。
この最も一般的なCSEM法の欠点によって更に根本的な問題、すなわちTE(transversal electric)モードで形成されるのは水平方向の直線的な(in-line)電場であるという問題が持ち上がった。TM(transversal magnetic)モードとは異なりTEモードは比抵抗を有するターゲットに対してあまり敏感に反応しない。
Edwards and Chave(1986年)は、水平に配置される直線的(インライン)電気ダイポールシステムにおいて間欠的に流される電流の過渡応答を計測するCSEM構造を採用している。後にEdwards(1997年)が、このCSEM構造をガス水和物の沈積層探査に適用している。このような探査においては、検知した直線的な(インライン)電場の不足点は舷側の電場によって補う。舷側の電場成分は比抵抗を有するターゲットに対する反応が良好ではないので、舷側の電場成分はバックグラウンド断面(background cross-section)の計測や(Elligsrud等、2001〜2005年)、直線的な(インライン)測定から導く断面変形データの質(the deviant cross-section acquired in the in-line measurement)の向上を目的として使用する。このような試みにおいて、送信機と受信機の間のオフセット距離は300〜1300mの範囲で様々な距離が設定された。このシステムによると従来の周波数領域によるSBLシステムよりも高精度な分解能(対象を測定または識別できる能力)の結果を得ることができたが、依然として深さ数百メートルを超える炭化水素貯留層を探査することはできない。
Edwards et al.(1981、1984、1985年)により、海洋電磁気深浅調査法(Magnetometric Off-Shore Electrical Sounding Method-MOSES)が提案された。このシステムでは鉛直ケーブルを海面から海底へと垂下させて交流電流を流す。磁力センサーによって海底磁場の方位角成分が測定される。MOSES法の明白な利点は電磁場のTMモードが信頼できることであり、欠点は、探査層の深部にも反応する十分なレベルの信号を送信してTMモードとTEモードによって形成される電磁場によって被探査抵抗構造からの応答(ほとんどがノイズである)を記録するために、オフセット距離が長く設定される点である。
記載したCSEM法全てに共通の欠点は、ターゲットまでの深さの5〜10倍を超えるようなかなり長いオフセット距離を必要とする点である。
2005年に本出願の発明者であるBarsukovが発表した特許文献NO20055168では、鉛直送信機と複数の受信機ラインを備えて海中に電流を流して電場を測定するTEMP−VEL法が提案されている。TEMP−VEL法ではTMモードのみからなる電磁場を海底地層に発生させる。更に、この方法では電磁場のTMモードのみを測定する。また、TEMP−VEL法は中時間領域(medium-time domain)が応答した場合に遅延データ測定として(late time measurement)記録するように設定されている。更に、受信機から送信機の水平方向離間距離はターゲットの深さよりもかなり短くてよい。このような特徴によって、比抵抗を有するターゲットに対する感度が最高となる。
周波数領域型のSBL法とは異なり、TEMP−VELの構成によると浅い水深で用いても感度を損なうことはない。しかし一方で、送信機及び受信機のケーブルが鉛直指向であるために有効な測定信号のレベルに達しない可能性があるので、この方法を浅水域で普通に使用することには問題がある。このようにTEMP−VELを浅水域で使用する際には探査するターゲットの深さが制限されることになる。
本発明の目的は従来技術の欠点の内少なくとも1つを解消又は低減することにある。
この目的は以下の詳細な説明及び特許請求の範囲に記載の特徴によって解決される。
(尚、請求項1は、「炭化水素貯留層である可能性がある電気比抵抗を有するターゲットの電磁気探査方法において、
電磁場のTMモードを使用して被探査層の電気的特性を計測する工程と、
終端が急峻である間欠的な電流パルスを海中に沈めた鉛直方向若しくは水平方向に配設されるケーブル(7a、7b)に流し、前記鉛直方向のケーブルの場合には水平方向の受信ケーブル(10a)を、また前記水平方向のケーブルの場合には鉛直方向の受信ケーブル(10b)を使用して、連続する電流パルスのオフ期間に媒体(被探査層)からの応答信号(medium response)を取得する工程と、
近距離領域、即ち発信源と受信機との水平方向におけるオフセット距離が(1)式の条件を満たす距離で被探査層からの応答信号を計測する工程と、
Figure 2010511110
(上式において、tは送信機よりの電流パルスがオフ状態になった後の経過時間、μ0=4π・10−7H/m、pa(t)は経過時間tに対する基底層(被探査層)の見かけ比抵抗である。)
を備える電磁気探査方法。」である。
請求項2は、「複数の受信機(10a、10b)を使用することを特徴とする請求項1記載の電磁気探査方法。」である。
請求項3は、「送信ケーブル(7a、7b)と送信側電極(8)の配設方向は傾斜センサ(12)で制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁気探査方法。」である。
請求項4は、「全計測が可動又は固定発信源(7a、7b、8)と可動又は固定受信機(10a、10b、11)によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁気探査方法。」である。
請求項5は、「電流パルスはノイズに干渉されることなく特定の連続性(予め定められたシーケンス)を持って流され、各受信機で測定された応答信号を順番に記憶することで探査に必要な信号対ノイズ比を得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁気探査方法。」である。
請求項6は、「更に、受信機の位置での水圧と温度を記録することによってノイズを抑制することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁気探査方法。」である。
請求項7は、「全ての測定位置で測定した鉛直断面に対する見かけ比抵抗は海水層(2)と海水層の半分の厚さ海底地層のより成る2層構造で計算した応答信号を使用して推測可能であり、前記見かけ比抵抗対深さ断面を全測定箇所において鉛直方向又は水平方向の電流源(7a、7b)から誘発された近距離領域の電場から求めて図表にすることを特徴とする3次元層の作図方法。」である。
請求項8は、「前記3次元画像の結果は探査中の地域の予備的3次元モデルを編集し、3次元での順問題(3D direct problem)を解き、後に行われる3次元モデルを補正するために使用され、これらは取得した実験データを充足させるものであることを特徴とする請求項7に記載の方法。」である。
請求項9は、「データ取得の継続、操作モードの変更、位置変更又は装置の全部又は一部の回収に関する決定は、取得したデータを評価し全部若しくは一部を解析した後で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。」である。
請求項10は、「炭化水素貯留層である可能性がある電気的比抵抗を有するターゲットの電磁気探査装置において、
−電磁場の送信機として機能する海中に沈む鉛直方向に配設された鉛直送信ケーブル(7a)又は水平方向に配設された水平送信ケーブル(7b)と、
−折曲した(meander)(矩形状の)パルスであり1区間のパルスの長さが0.01〜50秒で、振幅が100〜5000Aで、始端及び終端が急峻の(having a steep rear front)電流パルスを前記送信ケーブル(7a、7b)に連続して供給する電源及び変圧器と、
−前記送信ケーブル(7a、7b)の近距離領域の海中に配設して前記電流パルスのオフ期間に電磁場を測定するように構成される鉛直方向に配設されるケーブル(10a)若しくは水平方向に配設されるケーブル(10b)と、を備えることを特徴とする電磁気探査装置。」である。
請求項11は「更に、前記送信機の近距離領域内で電場成分を受信すると同時に記録するための受信ケーブル(10a、10b)を備えることを特徴とする請求項10に記載の装置。」である。
請求項12は、「前記送信及び受信ケーブル(7a、7b、10a、10b)の端部には位置及び傾斜量を検知するセンサ(12)が設けられることを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。」である。
請求項13は、「更に、前記受信ケーブル(10a、10b)の端部には圧力センサ及び温度センサが設けられることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の装置。」である。
請求項14は、「更に、中央処理ユニットに少なくとも選択された取得データをリアルタイムに伝達する手段が備えられることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の装置。」である。)
本発明は、貯留層の位置の探査及び貯留層を形成する層の水飽和度の測定を含めて、浅水域及び深海で電磁法による炭化水素貯留層探査を行うための新規の方法及び装置を提案する。
本発明の第1の特徴によれば、海中の地層に誘発させた電磁場のTMモードにより貯留層を監査しその特性を測定するための新規の方法が提供できる。この電場モードは海洋堆積層の中の比抵抗を有するターゲットにとても感度が良い。水中において水平ケーブル(line)に電流を流す場合は鉛直受信ケーブルを用いて電磁法測定を行う。同様に、鉛直ケーブル(line)に電流を流す場合は水平受信ケーブルを用いて測定を行う。いずれにしても、送信ケーブルと測定用電極の終端部が同一鉛直面に位置することとする。以下において、このようなデータ取得のための構成を示すために「直交配置」という言葉を使用する。
本発明の第2の特徴は、貯留層内部の調査方法において送信ケーブルと受信ケーブルが直交配置され、TM場を発生させる、若しくは両方のモード(TEモードとTMモード)の磁場を発生させることである。尚、いずれにしても測定するのはTMモードのみである。
本発明の第3の特徴によれば、送信機は、間欠電流パルスの終端、特に始端及び終端が急峻な(sharp termination)(例えば矩形状の)電流パルスを予め定められたシーケンス(手順)に従って発生させて、ケーブルを介して送電する。送信ケーブルの端部を繋ぐ直線と直交する電場成分の電圧変化を受信機によって測定する。測定は流れる電流パルスのオフ期間に行われる。パルスの端部を急峻にし(パルスを矩形状にして)、パルスの振幅を安定させ、また連続させることによって測定した応答信号のパルス形状が独立性を持つ(ノイズ等に干渉されない)。探査するターゲットの深さに対応する測定間隔によってこの独立性が維持される。
本発明の第4の特徴によれば、送信ケーブルと受信ケーブルの中心間における水平方向距離がターゲットの深さよりも短い場合は近距離領域の条件で計測が行われる。
本発明の第5の特徴によれば、上記の位置条件を満たす複数の電気受信ケーブルを用いて同期データを取得し探査の有効性を上げることができる。
本発明の主要概念は添付の図に示されており、図において本発明による新規のTEMP−OEL(Transient Electromagnetic Marine Prospect - Orthogonal Electric
Lines)法と従来のSBL周波数領域を用いる方法とTEMP−VEL時間領域を用いる方法とを比較している。3つの方法全ての深海用(海水層の深さ1000m)と浅水用(海水層の深さ50m)の応答信号がグラフ図で示されている。全モデルにおいて海水の比抵抗値は0.32Ωmであるのに対して、海水層とターゲット層を1:1とした時の比抵抗値は1Ωmとした。また、ターゲット層横断面の比抵抗は2000Ωmとした。この値は、例えば40Ωmの比抵抗を有するターゲット層の厚さが50mの場合に対応する。
海底からの深さが異なるターゲット層で各方法を試行した。堆積層の層厚1000m、2000m、3000m、4000m、5000mで計算した信号応答をそれぞれ曲線で示した。石油がなく抵抗層が存在しない場合のモデル信号応答曲線も併せて示されている。
オフセット距離に対する周波数領域での測定電圧に基づく従来のCSEM探査(インラインTxRx構成)の分解能を示すものであり、これは炭化水素の海洋探査(SBL及び他の方法)に多く用いられる構成である。図1(a)は(パルスを)4秒間隔にした場合の深水域モデルでの(信号)応答を示した図であり、(b)は1秒間隔での応答を示した図である。同様に(c)(d)は、それぞれ4秒間隔、1秒間隔での浅水域モデルでの(信号)応答を示した図である。(信号)応答は全て送信ダイポールモーメント×受信ダイポールの長さの積によって正規化(規格化)している。 Barsukov etal. (2005年)によるTEMP−VELシステムで送信機をオフにした後に時間の経過に従って下がる電圧応答を示す。 TEMP−VELシステムの2つの実施例を示す。 新規のTEMP−OELシステムにおいて発信源をオフにした後に時間の経過に従って下がる電圧応答を示す。(a)が深水域での応答信号で、(b)が浅水域での応答信号を示す。オフセット距離は300mとした。TzRx構成(図3(a)に示す構成に対応)の場合は測定した電圧を流した電流×受信ダイポールの長さの積によって正規化(規格化)し、TxRz構成の場合は送信ダイポールモーメントによって正規化する。 鉛直送信ケーブルと水平受信ケーブルを用いた(図3aに示される構成に対応する)本発明による電磁探査システムの概略側面図である。 水平送信ケーブルと鉛直受信ケーブルを用いた(図3bに示される構成に対応する)本発明による電磁探査システムの概略側面図である。
図面及びその説明は単に好ましい実施例を記載したものであり、本発明を限定する意図ではない。
本発明は浅水域でも深水域でも適用可能な電磁探査方法が提供するものである。本発明では、比抵抗を有するターゲットに対して感度が良好で高精度の分解能を有することを特徴とする。更に、新規の方法及び装置によると鉛直送信ケーブルと鉛直受信ケーブルを使用するTEMP−VEL方法よりも有効性が高い探査結果が得られる。
第1に、2つの実施構成例の1方について説明する。第1実施例では、層状媒体にTMモードによる電磁場のみを形成する鉛直送信ケーブルを使用して電場が形成される。この第1実施例では、(接続ケーブル10cから)放射状に分離して水平方向に延びるケーブルを使って断面を通過する応答信号を記録する。第2実施例では、水平送信ケーブルを使用して水中に電流を流して、鉛直受信機を使用してTM場の中の鉛直電場成分を測定する。このようにして送信ケーブルと受信ケーブルを相互に直交配置したシステムは比抵抗を有するターゲットに対して感度が良いので、被探査構造のTMモード信号応答を計測することができる。また信号の送信又は受信に使用するケーブルとして水平ケーブルを使用することにより探査を浅水域で行ったとしても探査に必要な信号レベルが得られる。
また、正確な計測結果を得るためにケーブルに傾斜度指示(表示)器(ケーブルの傾斜量を表示する器具)を設ける。
更に、送信ケーブルにはパルスの前後部が急峻の(矩形状の)電流パルスを連続して流す。電流パルス形状が不規則だった場合は計測が複雑化するので(2005年、Wright)、被探査ターゲットの深さによって異なる信号応答がパルス形状に影響されないように、本発明の新規の方法では、パルスの前後部が急峻で(パルスが矩形状で)、一定のパルスの持続期間及び振幅の安定性を保つ精密な仕様に設定する。
本システムによると送信機の電源をオフにした後に地層に流れる消えかけの電流による電磁場も測定できる。データの取得、処理、解析は時間領域で行われる。
送信ケーブルと受信ケーブルの水平方向における中心間距離は近距離領域の条件を満たすこととし、この距離は海底から計測したターゲットの深さよりも短くする。
このような新規のシステムの一実施例が図3aに示されている。この構成によれば、鉛直送信ケーブルTzを使用して水中に電流を流す。このような電流源から層状媒体にTM電磁場が形成される。水平受信ケーブルRxは海底に敷かれている。信号レベルを信頼でき且つ要求される精度で計測可能にするために受信ケーブルの長さを調節する。
本発明の新規のシステムによる他の実施例を図3bに示す。このシステムは水平送信ケーブルTxを用いて水中に電流を流す。鉛直受信ケーブルRzは信号を拾うために使用する。このような受信機はTMモードに関する電場のEz成分を計測する。このような構成では、受信ケーブルの長さに対応して送信ケーブルの長さを調整することによって信号レベルを必要なレベルまで上げることができる。両構成において比抵抗を有するターゲットに対する感度の良さは同等である。
測定した信号応答は電圧から見かけ比抵抗へとフォーマットが変換されるが、この変換は直接的に行っても良いし、適当な厚さの海水層と被探査層の層厚を1:1とした(half-space)2層構造の応答信号と比較することにより変換を行っても良い。
上記したTEMP−OEL法の原理となる概念は本発明による装置で具現化される。
図5は本発明の概略図を示すものであり、本図において1は海底3の上方に位置する海水層2の海面であり、船4が海面1に浮かんでいる。鉛直送信ケーブル7aの終端には海中に沈む送信機側電極8が備えられる。
水平受信ケーブル10aによって受信機側電極11は表面のブイ9aと接続ケーブル10cより成る記録ユニット9に連結される。
電極8、11の位置及び配置方向は位置及び傾斜量を検知するセンサー12で制御する。
船4にはラジオステーション6とアンテナ5が設置される。記録ユニット9には船4のラジオステーション6と信号で繋がるアンテナ13を設置する。
図6は、他の実施例の概略図を示し、符号7bは水平送信ケーブルで、10bが鉛直受信ケーブルである。
水平送信ケーブル7bは接続ケーブル7cを介して船4に接続されている。
両方の構成において計測用の電極が送信ケーブルの終端と同一の鉛直面に位置することとする。
TEMP−OELのメインモードでは、船4、送信機7a、7b及び受信機11a、11bは、取得データを一定の質にするために必要な期間位置を固定する。ラジオステーション6及びアンテナ5、13は、送信機7a、7bと受信機10a、10b間を連絡するものであり、特に探査を行っている際のデータ取得を制御するために用いられる。このような構成によって、測定中に満足できる質の信号が得られなかった場合は測定を繰り返し行うことができる。
位置及び傾斜量を検知するセンサー12は送信機側電極及び受信機側電極8、11の正確な位置決めを行うために使用される。
取得したデータは処理し、解析して、時間と水深及び/又は1次元逆解析(インバージョン)に対する電圧/見かけ抵抗を示す図形プロットへと変換する。必要であれば、2.5次元逆解析(インバージョン)や3次元逆解析(インバージョン)に変換して、変換したものを解釈してもよい。
米国特許番号4,644,892号 米国特許番号4,617,518号 米国特許番号5,563,513号 米国特許番号6,320,386号 米国出願公開番号2003/052685号 米国出願公開番号2003/048105号 米国特許番号6,628,119号 米国特許番号6,696,839号 米国特許出願公開番号2005−017722号 米国特許番号6,914,433号 米国特許出願公開番号2006−038570号 国際公開番号WO01/57555 A1 国際公開番号WO02/14906 A1 国際公開番号WO03/025803 A1 国際公開番号WO03/034096 A1 国際公開番号WO03/048812 A1 NO20055168
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Claims (14)

  1. 炭化水素貯留層である可能性がある電気比抵抗を有するターゲットの電磁気探査方法において、
    電磁場のTMモードを使用して被探査層の電気的特性を計測する工程と、
    終端が急峻である間欠的な電流パルスを海中に沈めた鉛直方向若しくは水平方向に配設されるケーブル(7a、7b)に流し、前記鉛直方向のケーブルの場合には水平方向の受信ケーブル(10a)を、また前記水平方向のケーブルの場合には鉛直方向の受信ケーブル(10b)を使用して、連続する電流パルスのオフ期間に媒体(被探査層)からの応答信号(medium response)を取得する工程と、
    近距離領域、即ち発信源と受信機との水平方向におけるオフセット距離が(1)式の条件を満たす距離で被探査層からの応答信号を計測する工程と、
    Figure 2010511110
    (上式において、tは送信機よりの電流パルスがオフ状態になった後の経過時間、μ0=4π・10−7H/m、pa(t)は経過時間tに対する基底層(被探査層)の見かけ比抵抗である。)
    を備える電磁気探査方法。
  2. 複数の受信機(10a、10b)を使用することを特徴とする請求項1記載の電磁気探査方法。
  3. 送信ケーブル(7a、7b)と送信側電極(8)の配設方向は傾斜センサ(12)で制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁気探査方法。
  4. 全計測が可動又は固定発信源(7a、7b、8)と可動又は固定受信機(10a、10b、11)によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁気探査方法。
  5. 電流パルスはノイズに干渉されることなく特定の連続性(予め定められたシーケンス)を持って流され、各受信機で測定された応答信号を順番に記憶することで探査に必要な信号対ノイズ比を得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁気探査方法。
  6. 更に、受信機の位置での水圧と温度を記録することによってノイズを抑制することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁気探査方法。
  7. 全ての測定位置で測定した鉛直断面に対する見かけ比抵抗は海水層(2)と海水層の半分の厚さ海底地層のより成る2層構造で計算した応答信号を使用して推測可能であり、前記見かけ比抵抗対深さ断面を全測定箇所において鉛直方向又は水平方向の電流源(7a、7b)から誘発された近距離領域の電場から求めて図表にすることを特徴とする3次元層の作図方法。
  8. 前記3次元画像の結果は探査中の地域の予備的3次元モデルを編集し、3次元での順問題(3D direct problem)を解き、後に行われる3次元モデルを補正するために使用され、これらは取得した実験データを充足させるものであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. データ取得の継続、操作モードの変更、位置変更又は装置の全部又は一部の回収に関する決定は、取得したデータを評価し全部若しくは一部を解析した後で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 炭化水素貯留層である可能性がある電気的比抵抗を有するターゲットの電磁気探査装置において、
    −電磁場の送信機として機能する海中に沈む鉛直方向に配設された鉛直送信ケーブル(7a)又は水平方向に配設された水平送信ケーブル(7b)と、
    −折曲した(meander)(矩形状の)パルスであり1区間のパルスの長さが0.01〜50秒で、振幅が100〜5000Aで、始端及び終端が急峻の(having a steep rear front)電流パルスを前記送信ケーブル(7a、7b)に連続して供給する電源及び変圧器と、
    −前記送信ケーブル(7a、7b)の近距離領域の海中に配設して前記電流パルスのオフ期間に電磁場を測定するように構成される鉛直方向に配設されるケーブル(10a)若しくは水平方向に配設されるケーブル(10b)と、を備えることを特徴とする電磁気探査装置。
  11. 更に、前記送信機の近距離領域内で電場成分を受信すると同時に記録するための受信ケーブル(10a、10b)を備えることを特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 前記送信及び受信ケーブル(7a、7b、10a、10b)の端部には位置及び傾斜量を検知するセンサ(12)が設けられることを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。
  13. 更に、前記受信ケーブル(10a、10b)の端部には圧力センサ及び温度センサが設けられることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 更に、中央処理ユニットに少なくとも選択された取得データをリアルタイムに伝達する手段が備えられることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の装置。
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