JP2010510181A - 膜タンパク質抽出のためのイオン性液体の使用 - Google Patents

膜タンパク質抽出のためのイオン性液体の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、生体サンプルからの膜タンパク質の抽出のための、イオン性液体、または、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のさらなる溶媒とを含む混合物の使用、膜タンパク質の抽出のための方法、これらのタンパク質の抽出用キット、およびその使用に関する。

Description

本発明は、生体サンプルからの膜タンパク質抽出のための、イオン性液体、または、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のさらなる溶媒とを含む混合物の使用、膜タンパク質抽出のための方法、これらのタンパク質の抽出用キット、およびその使用に関する。
タンパク質、特に膜タンパク質の検出または分析は、薬剤において、重要性を増しつつある。医薬研究において調査されるシステムの大部分は、膜タンパク質を含む。膜タンパク質は、数多くの生物学的機能において特に重要である。したがって、多くの膜タンパク質は、病気の進行において重要な役割を果たし、よって、これらの機能の理解は、薬剤の開発において、重要性を増している。したがって、これらのタンパク質の構造特性および機能に関する情報は、メカニズムの理解の基礎となる
膜タンパク質、特に膜貫通型タンパク質は、疎水性領域を有し、したがって、膜に固定され、そして水において低い溶解性を有する。タンパク質のin-vitro分析を促進するために、膜タンパク質を通常、洗剤の添加により溶解する。しかしながら、洗剤による膜タンパク質の遊離は、洗剤の影響により、タンパク質の自然構造が変性するという深刻な不利益を有する。一般的な洗剤は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などのアニオン性特質、または例えば、Triton-X 100などの非イオン性特質のいずれかである。SDSの使用は、全てのタンパク質の、したがって膜タンパク質の完全な変性をもたらす、すなわち、膜タンパク質の構造および機能の調査は不可能であるか、または非常に制限された範囲でのみ可能である。Triton-X 100は、効果的に膜タンパク質、特に複数回膜貫通型タンパク質を抽出することが不可能であり、よって望ましい調査を行うことが全くできない。
したがって、膜タンパク質を生体サンプルから抽出でき、これらをさらに分析できる方法を提供することを目的とする。
したがって、本発明は、生体サンプルからの膜タンパク質抽出のための、少なくとも1種のイオン性液体、または好ましくは、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のさらなる溶媒とを含む混合物の使用に関する。
好ましい態様において、イオン性液体およびさらなる溶媒を少なくとも含む混合物を抽出のために用いる。
さらなる好ましい態様において、さらなる溶媒は水である。よって、本発明に従って、水溶解性イオン性液体が特に好ましく用いられる。
さらなる好ましい態様において、膜タンパク質は、2または3以上の膜貫通数(transmembrane passage)を有するタンパク質である。
さらなる好ましい態様において、生体サンプルは、組織、細胞、細胞の培養および/または体液、細菌、真菌、ウイルスもしくは植物である。
本発明はまた、好ましくは未変性の、生体サンプルから膜タンパク質を抽出するための方法に関し、これは一般式Kの少なくとも1種のイオン性液体、または好ましくは一般式Kの少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物を、任意に機械的作用で、未変性生体サンプルに添加することを特徴とする。
好ましい態様において、前もって生体サンプルを溶解する。
特に好ましい態様において、生体サンプルの溶解を、洗剤、界面活性剤またはポア形成剤の添加によって行う。
好ましい態様において、機械的作用を、振とうまたは攪拌によって達成する。
さらなる好ましい態様において、イオン性液体のアニオンAは、ハロゲン化物、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロホウ酸塩、または一般式[N(Rもしくは一般式[N(XR、式中Rは部分的にまたは完全にフッ素置換された1〜8C原子を有するアルキルを意味し、XはSOまたはCOを意味する、のイミドを含む群から選択される。
さらなる好ましい態様においてイオン性液体のカチオンKは、アンモニウム、ホスホニウム、ウロニウム(uronium)、チオウロニウム(thiouronium)、グアニジニウムカチオンまたは複素環カチオンを含む群から選択される。
さらなる好ましい態様において、複素環カチオンは、モルホリニウムカチオンまたはイミダゾリウムカチオンである。
さらなる好ましい態様において、抽出を4〜37℃の温度で行う。
さらなる好ましい態様において、少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物におけるイオン性液体の濃度は、0.02〜5重量%である。
さらなる好ましい態様において、イオン性液体は、N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルモルホリニウムビストリフルオロメチスルホニルイミド、4−(2−メトキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−メチル−4−プロピルモルホリニウム臭化物、4−(2−エトキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(3−メトキシプロピル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−ブチル−4−プロピルモルホリニウム臭化物、トリヘキシル(テトラデシル)−ホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム臭化物、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム塩化物、3−メチル−1−オクタデシルイミダゾリウムヘキサフルオロホウ酸塩またはこれらの混合物から選択される。
本発明はまた、少なくとも1種のイオン性液体または好ましくは少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒ならびに、洗剤、界面活性剤および/またはポア形成剤の群から選択される少なくとも1種の溶解剤を含む混合物を含む、本発明の方法によって膜タンパク質を抽出するためのキットに関する。
本発明はまた、生体サンプルからの膜タンパク質抽出のための本発明によるキットの使用に関する。
本発明の最も重要な点は、本発明による方法および本発明によるキットが、膜タンパク質、特にマルチパス膜タンパク質を、穏やかに、それらの構造を保持できる限り、抽出するために適していることである。膜貫通ドメインが膜の疎水性環境から除去された場合、膜からの抽出の後、タンパク質の3D構造が不可避的に変わるので、特にマルチパス膜タンパク質の場合、膜からの機能保持抽出物は実質的に不可能であることは当業者に知られている。本発明によるマルチパス膜タンパク質の抽出に関し、用語「未変性(native)」は、したがって、抽出した膜タンパク質は、一般的にそれらの機能を保持して抽出されてはいないが、それらの構造を保持して、穏やかに、可能な限り抽出されることを意味する。例えば、本発明による抽出は、特に、タンパク質の膜貫通ドメインの、質量分光学的および免疫学測定を可能にする。従来の方法、例えば、Triton-X100、Nonidet P40または基準として用いられる他の洗剤での抽出を用いて、タンパク質収率および調査されるタンパク質の機能の保持の観点において、同程度の内容は不可能である。
それらの機能または活性とは無関係の部分でのみ膜に固定される膜タンパク質、例えば、GPIアンカータンパク質の場合、本発明による「未変性」抽出は、タンパク質を、実質的にその構造および活性を保持して、抽出することができることを意味する。例えば、タンパク質の検出の場合、対応する活性測定を行うことができる。
未変性サンプルは、抽出される膜タンパク質が、実質的に依然として未変性配置構造、すなわち、それらの本来の機能に必要な配置構造であるサンプル、または膜タンパク質が依然として活性を示すサンプルである。
本発明による膜タンパク質の抽出は、当業者に既知の全ての生体サンプルから行うことが出来る。生体サンプルは好ましくは、例えば、生検および組織プレパラートなどの組織、細胞、細胞培養物および/または例えば、血液、尿、髄液(liquor)または唾液などの細胞含有体液、ならびに細菌、植物、および真菌などである。 膜含有細胞コンパートメントからの膜タンパク質もまた、本発明にしたがって抽出することができる。組織および細胞培養物からのタンパク質の抽出は、特に、特定のタンパク質の検出、例えば、病気の存在を示すタンパク質の検出を可能にする。本発明による方法は、したがって、病理的に興味深い組織サンプルのために特に有利でもある。
本発明による方法は、特に膜貫通型タンパク質、極めて特にマルチパス膜タンパク質、すなわち、2または3以上の膜貫通数を有するタンパク質、特に例えば、ペプタヘリカル膜貫通型タンパク質などのマルチヘリカル膜貫通型タンパク質に適している。ペプタヘリカル膜貫通タンパク質のクラスは、現在、約250の既知タンパク質を含む。膜貫通型タンパク質は以下のサブクラスに分けることが出来る:
−Class Aロドプシン、ホルモンタンパク質、(ロドプシン)、オプシン、嗅覚器官、プロスタノイド、ヌクレオチド類似体、カンナビノイド、血小板活性化因子、ゴナドトロピン放出ホルモン、甲状腺刺激放出ホルモンおよび分泌促進剤、メラトニン、ウイルスタンパク質、リゾスフィンゴ脂質&LPA (EDG)、ロイコトリエンB4受容体、Class Aオーファンおよびその他、
−Class B セクレチン、例えば、カルシトニン、コルチコトロピン放出因子、胃抑制ペプチド、グルカゴン、成長ホルモン放出ホルモン、副甲状腺ホルモン、PACAP、セクレチン、血管作動性ポリペプチド、利尿ホルモン、EMR1、ラトロフィリン、脳特異的血管形成阻害物質(BAI)、メトセラ様タンパク質(MTH)、カドヘリンEGF LAG (CELSR)、受容体に結合した非常に大きいG−タンパク質、
−Class C代謝型グルタミン酸/フェロモン、例えば、代謝型グルタミン酸、カルシウム感知様、推定フェロモン受容体、GABA-B、オーファンGPRC5、オーファンGPCR6、bride of sevenless proteins (BOSS)、味覚受容体(T1R)、
−Class D真菌フェロモン、例えば、真菌フェロモンA−因子様(STE2、STE3)、真菌フェロモンB様(BAR、BBR、RCB、PRA)、真菌フェロモンM−およびP−因子、Class E cAMP受容体、縮れた/滑らかな(frizzled/smoothened)ファミリー、縮れた、滑らかな、および以下の非GPCRファミリー:Class Z古細菌/細菌/真菌オプシン。
イオン性液体または液体塩は、有機カチオンおよび一般的には無機アニオンからなるイオン種である。これらは、中性分子を含まず、通常は373Kより低い融点を有する。
イオン性液体の分野は、潜在用途が多種多様であるので、現在、集中的に研究されている。イオン性液体における総説は、例えば、R. Sheldon "Catalytic reactions in ionic liquids", Chem. Commun., 2001, 2399-2407;M.J. Earle, K.R. Seddon "Ionic liquids. Green solvent for the future”, Pure Appl. Chem., 72 (2000), 1391-1398;P. Wasserscheid, W. Keim "Ionische Fluessigkeiten - neue Loesungen fuer die Uebergangsmetallkatalyse" [Ionic Liquids - Novel Solutions for Transition-Metal Catalysis], Angew. Chem., 112 (2000), 3926-3945;T. Welton "Room temperature ionic liquids. Solvents for synthesis and catalysis”, Chem. Rev., 92 (1999), 2071-2083またはR. Hagiwara, Ya. Ito "Room temperature ionic liquids of alkylimidazolium cations and fluoroanions”, J. Fluorine Chem., 105 (2000), 221-227)である。
本発明に従って用いられるイオン性液体は、特にそれらが本発明の好ましい態様において、少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物において用いられる場合には、好ましくは水混和性である。さらなる溶媒は典型的には水であるか、好ましくは、水性緩衝液系である。これにより、当該溶媒に加えられる1または2以上の水溶解性有機溶媒の量をより少なくすることができる。
本発明は同様に、一般式Kの少なくとも1種のイオン性液体または、一般式Kの少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物を、任意に機械的作用で生体サンプルに添加する、生体サンプルからの膜タンパク質の抽出方法に関連する。
本発明の最も単純な態様において、一般式Kの少なくとも1種のイオン性液体または一般式Kの少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物を、生体サンプルに添加する。前記方法は好ましくは、機械的作用、例えば振とうまたは攪拌によって行われる。このように、膜タンパク質の抽出は加速され、抽出タンパク質の収率は改善される。
本発明による方法のさらなる態様において、生体サンプルをまず溶解することができ、すなわち本発明の方法の適用前に細胞基礎構造を崩壊する。この前処理は、当業者に既知の全ての方法において、例えば、手動均質化、機械による振とうによって行うことができる。特に、生体サンプルの溶解は、当業者に既知の、洗剤、界面活性剤およびポア形成剤(pore former)の添加により行うこともできる。サンプルの従前の溶解は、得られる膜タンパク質の収率の観点で、抽出の結果をさらに向上させる。したがって、膜タンパク質は膜に残留するが、溶解の間に膜または膜フラグメントは単純な方法において、他の細胞構成物質から分離することができる。溶解は好ましくはジギトニンで行う。
溶解は、抽出と同時に行うこともできるが、より複雑なタンパク質混合物が得られる。
一般的に、当業者に既知の全ての一般式Kのイオン性液体、特に水に溶解性であるものが、本発明の方法に適している。
イオン性液体のアニオンAは好ましくは、ハロゲン化物、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロホウ酸塩、または一般式[N(Rもしくは一般式[N(XRのイミドを含む群から選択され;式中Rは部分的または還元にフッ素置換された1〜8C原子を有するアルキルを示し、XはSOまたはCOを示す。本明細書において、ハロゲン化アニオンは塩化物、臭化物およびヨウ化物アニオン、好ましくは塩化物および臭化物アニオンから選択される。イオン性液体のアニオンAは好ましくはハロゲン化アニオンであり、特に臭化物アニオン、または一般式[N(XRのイミド;式中Rは部分的または完全にフッ素置換された1〜8C原子を有するアルキルを示し、XはSOを示す。Rは好ましくは、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ノナルオロブチル、特にトリフルオロメチルである。特に好ましい臭化物または[(CFSON]アニオンを含むイオン性液体は、本発明の方法における膜タンパク質の抽出に特に適している。
イオン性液体のカチオンK+の選択事態には何の制限もない。しかしながら好ましくは、有機カチオン、特に好ましくは、アンモニウム、ホスホニウム、ウロニウム、チオウロニウム、グアニジニウムカチオンまたは複素環カチオンである。
アンモニウムカチオンは、例えば、式(1)
[NR (1)
式中、
Rはそれぞれ互いに独立して、
H、ここで全ての置換基Rは同時にHであることはできず、
OR’、NR’、ただし、式(1)において、最大1つの置換基RがOR’、NR’であり、
1〜20C原子を有する直鎖または分岐アルキル、
2〜20C原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖または分岐アルケニル、
2〜20C原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖または分岐アルキニル
3〜7C原子を有する、飽和、部分的または完全に不飽和したシクロアルキルであり、これは1〜6C原子を有するアルキルで置換されてもよく、
ここで、1または2以上のRは、部分的または完全にハロゲン、特に、−Fおよび/または−Clで置換されてもよく、または部分的に、−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOで置換されてもよく、ここで、α位にないRにおける1または2の非隣接炭素原は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’から選択される原子および/または原子団によって置き換えられてもよく、ここで、R’は、=H、非−、部分的にまたは完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであってもよく、Xは=ハロゲンであってもよい、
で表現することができる。
ホスホニウムカチオンは例えば式(2)
[PR (2)
式中、
はそれぞれ互いに独立して、
H、OR’またはNR’
1〜20C原子を有する直鎖または分岐アルキル、
2〜20C原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖または分岐アルケニル、
2〜20C原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖または分岐アルキニル
3〜7C原子を有する、飽和、部分的または完全に不飽和したシクロアルキルであり、これは1〜6C原子を有するアルキルで置換されてもよく、
ここで、1または2以上のRは、部分的または完全にハロゲン、特に、−Fおよび/または‐Clで置換されてもよく、または部分的に、OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOで置換されてもよく、ここで、α位にないRにおける1または2の非隣接炭素原は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団によって置き換えられてもよく、ここで、R’=H、非−、部分的にまたは完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニル、X=ハロゲンである、
で表現することができる。
しかしながら、すべての4または3置換基RおよびRが完全にハロゲンで置換されている、式(1)および(2)のカチオン、例えば、トリス(トリフルオロメチル)メチルアンモニウムカチオン、テトラ(トリフルオロメチル)アンモニウムカチオン、またはテトラ(ノナフルオロブチル)アンモニウムカチオンは除かれる。
ウロニウムカチオンは、例えば、式(3)
[(RN)−C(=SR)(NR)] (3)、
およびチオウロニウムカチオン式(4)
[(RN)−C(=SR)(NR)] (4)、
式中、
〜Rはそれぞれ互いに独立して、
H、ここで、Rに関して水素は除外され、
1〜20C原子を有する直鎖または分岐アルキル、
2〜20C原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖または分岐アルケニル、
2〜20C原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖または分岐アルキニル
3〜7C原子を有する、飽和、部分的または完全に不飽和したシクロアルキルであり、これは1〜6C原子を有するアルキルで置換されてもよく、
ここで、1または2以上の置換基R〜Rは、部分的または完全にハロゲン、特に、−Fおよび/または−Clで置換されてもよく、または部分的に、−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−SOOH、−SOX、−NOで置換されてもよく、ここで、α位にないR〜Rにおける1または2の非隣接炭素原は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−NR’−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団によって置き換えられてもよく、ここで、R’=H、非‐、部分的にまたは完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニル、X=ハロゲンである、
で表現することができる。
グアニジニウムカチオンは式(5)
[C(NR)(NR1011)(NR1213)] (5)
式中、
〜R13はそれぞれ互いに独立して、
水素、−CN、NR’、−OR’
1〜20C原子を有する直鎖または分岐アルキル、
2〜20C原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖または分岐アルケニル、
2〜20C原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖または分岐アルキニル
3〜7C原子を有する、飽和、部分的または完全に不飽和したシクロアルキルであり、これは1〜6C原子を有するアルキルで置換されてもよく、
ここで、1または2以上の置換基R〜R13は、部分的または完全にハロゲン、特に、−Fおよび/または−Clで置換されてもよく、または部分的に、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−SOOH、−SOX、−NOで置換されてもよく、ここで、α位にないR〜R13における1または2の非隣接炭素原は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−NR’−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団によって置き換えられてもよく、ここで、R’=H、非‐、部分的にまたは完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニル、X=ハロゲンである、
で表現することができる。
さらに、一般式(6)
[HetN] (6)
式中、
HetNは、下記群から選択される複素環カチオンを示す:
Figure 2010510181
Figure 2010510181
式中、
置換基R1’〜R4’はそれぞれ独立して、
水素、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、
1〜20C原子を有する直鎖または分岐アルキル、
2〜20C原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖または分岐アルケニル、
2〜20C原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖または分岐アルキニル
3〜7C原子を有する、飽和、部分的または完全に不飽和したシクロアルキルであって、これは1〜6C原子を有するアルキルで置換されてもよく、
飽和、部分的または完全に不飽和したヘテロアリール、ヘテロアリール−C〜C−アルキルまたはアリール−C〜C−アルキルであり、
ここで、置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’は一緒に環を形成していてもよく、
ここで、1または2以上の置換基R1’〜R4’は部分的にまたは完全に、ハロゲン、−Fおよび/または−Cl、もしくは−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOに置換されてもよいが、ここで、R1’およびR4’は同時にハロゲンで完全に置換されることはできず、ここで、置換基R1’〜R4’において、ヘテロ原子に結合していない1または2以上の非隣接炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択される、原子および/または原子団によって置き換えられてもよく、ここで、R’=H、非−、部分的にまたは完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニル、X=ハロゲンである、
のカチオンを用いることも可能である。
本発明の目的のためには、完全不飽和置換基は芳香族置換基も意味するように用いられる。
本発明によれば、式(1)〜(5)で表される化合物の好適な置換基RおよびR〜R13は、水素以外には、好ましくは:C〜C20、特にC〜C14アルキル基、および、C〜Cアルキル基、特にフェニル、により置換されていてもよい飽和または不飽和C〜Cシクロアルキル基(すなわち、芳香族をも含む)である。
式(1)または(2)で表される化合物中の置換基RおよびRは、本明細書において、同一であっても、異なっていてもよい。置換基RおよびRは、好ましくは異なっている。
置換基RおよびRは、特に好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシルまたはテトラデシルである。
グアニジウムカチオン[C(NR)(NR1011)(NR1213)]の4個までの置換基はまた、単環式、二環式もしくは多環式カチオンを形成するようにペアを組んで結合していてもよい。
一般的な限定なしに、かかるグアニジウムカチオンの例は:
Figure 2010510181
式中、置換基R〜R10およびR13は、上記の意味または上記の特に好ましい意味を有することができる、
である。
所望の場合、上記グアニジウムカチオンの炭素環または複素環はまた、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、NO、F、Cl、Br、I、OH、C〜C−アルコキシ、SCF、SOCF、COOH、SONR’、SOX’またはSOH、ここでXおよびR’は上記の意味を有し、置換もしくは非置換フェニル、または非置換もしくは置換複素環で置換されてもよい。
ウロニウムカチオン[(RN)−C(=OR)(NR)]またはチオウロニウムカチオン[(RN)C(=SR)(NR)]の4個までの置換基はまた、単環式、二環式もしくは多環式カチオンを形成するようにペアを組んで結合していてもよい。
一般的な限定なしに、かかるカチオンの例は、下記
式中、Y=Sである:
Figure 2010510181
式中、置換基R、RおよびRは、上記の意味または上記の特に好ましい意味を有することができる、
で示される。
所望の場合、上記カチオンの炭素環または複素環はまた、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、NO、F、Cl、Br、I、OH、C〜C−アルコキシ、SCF、SOCF、COOH、SONR’、SOXまたはSOHあるいは置換もしくは非置換フェニル、または非置換もしくは置換複素環で置換されてもよく、ここでXおよびR’は上記の意味を有する。
置換基R〜R13は、それぞれ互いに独立して、好ましくは1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝アルキル基である。式(3)〜(5)の化合物における置換基RおよびR、RおよびR、RおよびR、R10およびR11、ならびに、R12およびR13は、同一であっても、異なっていてもよい。置換基R〜R13は、特に好ましくは、それぞれ互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、フェニルまたはシクロヘキシルであり、極めて特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはn−ブチルである。
本発明によれば、式(6)の化合物の好適な置換基R1’〜R4’は、水素以外には、好ましくは、C〜C20、特にC〜C12アルキル基、および、C〜Cアルキル基、特にフェニル、により置換されてもよい飽和または不飽和C〜Cシクロアルキル基(すなわち、芳香族をも含む)である。
置換基R1’およびR4’は、それぞれ互いに独立して、特に好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。これらは特に極めて好ましくは、メチル、エチル、n−ブチルまたはヘキシルである。ピロリジニウム、ピペリジニウムまたはインドリニウム化合物において、2個の置換基R1’およびR4’は、好ましくは異なっている。
置換基R2’またはR3’は、それぞれ互いに独立して、特に水素、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。R2’は、特に好ましくは水素、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチルまたはsec−ブチルである。R2’およびR3’は、極めて特に好ましくは水素である。
〜C12アルキル基は、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。任意にジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはノナフルオロブチルである。
二重結合が複数存在してもよい、C原子2〜20個を有する直鎖または分枝アルケニルは、例えば、アリル、2−もしくは3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、さらに4−ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、−C17、−C1019〜−C2039、好ましくはアリル、2−もしくは3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、さらに好ましくは4−ペンテニル、イソペンテニルまたはヘキセニルである。
三重結合が複数存在してもよい、C原子2〜20個を有する直鎖または分枝アルキニルは、例えば、エチニル、1−もしくは2−プロピニル、2−もしくは3−ブチニル、さらに4−ペンチニル、3−ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、−C15、−C1017〜−C2037、好ましくはエチニル、1−もしくは2−プロピニル、2−もしくは3−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニルまたはヘキシニルである。
アリール−C〜C−アルキルは、例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチルまたはフェニルヘキシル、ここでフェニル環およびアルキレン鎖の両方は、上記の通り、ハロゲン、特に−Fおよび/または−Clで部分的または完全に、または−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOで部分的に置換されてもよい。
3〜7個のC原子を有する、非置換飽和、部分的または完全に不飽和したシクロアルキル基は、したがって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロペンタ−1,3−ジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサ−1,3−ジエニル、シクロヘキサ−1,4−ジエニル、フェニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタ−1,3−ジエニル、シクロヘプタ−1,4−ジエニルまたはシクロヘプタ−1,5−ジエニルであり、これらはそれぞれ、C〜Cアルキル基により置換されていてもよく、ここでシクロアルキル基またはC〜Cアルキル基により置換されているシクロアルキル基はまた同様に、F、Cl、BrもしくはI、特にFもしくはClなどのハロゲン原子、または−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOにより置換されていてもよい。
置換基R、R〜R13またはR1’〜R4’において、α位においてヘテロ原子に結合していない、1個または2個以上の非隣接炭素原子はまた、群−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−、ここでR’=非−、部分的にまたは完全にフッ素化されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、または非置換もしくは置換フェニルから選択される原子および/または原子団により置き換えられていてもよい。
一般的な限定なく、このように修飾された置換基R、R〜R13またはR1’〜R4’の例は:
−OCH、−OCH(CH、−CHOCH、−CH−CH−O−CH、−COCH(CH、−CSC、−CSCH(CH、−S(O)CH、−SOCH、−SO、−SO、−SOCH(CH、−SOCHCF、−CHSOCH、−O−C−O−C、−CF、−C、−C、−C、−C(CF、−CFSOCF、−CN(C)C、−CHF、−CHCF、−C、−CFH、−CH、−C(CFH、−CHC(O)OH、−CH、−C(O)CまたはP(O)(Cである。
R’において、C〜Cシクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。
R’において、置換フェニルは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、NO、F、Cl、Br、I、OH、C〜C−アルコキシ、SCF、SOCF、COOH、SOX’、SONR’’またはSOHで置換されたフェニルであり、ここで、X’はF、ClまたはBrであり、R’’は、R’について定義したように、非‐、部分的にまたは完全にフッ素化されたC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルであり、例えばo−、m−もしくはp−メチルフェニル、o−、m−もしくはp−エチルフェニル、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシフェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチル)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメトキシ)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−ヨードフェニル、
さらに好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジヒドロキシフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメトキシフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニルまたは2,4,5−トリメチルフェニルである。
1’〜R4’において、ヘテロアリールは、5〜13員環を有する、飽和もしくは不飽和の単−もしくは二環ヘテロ環ラジカルを意味するように用いられ、ここで、1、2もしくは3Nおよび/または1もしくは2SまたはO原子が存在してもよく、ヘテロ間ラジカルは、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルNO、F、Cl、Br、I、OH、C〜C−アルコキシ、SCF、SOCF、COOH、SOX’、SONR’’またはSOHにより、単−もしくは多置換されてもよく、ここでX’およびR’’、は、上記の意味を有する。
ヘテロ環ラジカルは、好ましくは置換または非置換2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、1−、2−もしくは3−ピロリル、1−、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソオキサゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−もしくは6−ピリミジニル、フルテルモルプレフェラブリ1,2,3−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1−もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−もしくは−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−もしくは−5−イル、2−、3−、4−、5−もしくは6−2H−チオピラニル、2−、3−もしくは4−4H−チオピラニル、3−もしくは4−ピリダジニル、
ピラジニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−1H−インドリル、1−、2−、4−もしくは5−ベンゾイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾイソチアゾリル、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾ−2,1,3−オキサジアゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリニル、1−、2−、3−、4−もしくは9−カルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−アクリジニル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニルまたは1−、2−もしくは3−ピロリジニルである。
ヘテロアリール−C〜C−アルキルは、アリール−C〜C−アルキルと類似であり、例えば、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリジニルプロピル、ピリジニルブチル、ピリジニルペンチル、ピリジニルヘキシルを意味するように用いられ、ここで上記のヘテロ環ラジカルは、このようにさらにアルケニル鎖に繋がっていてもよい。
HetNは好ましくは、
Figure 2010510181
式中、置換基R1’〜R4’は、それぞれ独立して、上記の意味を有する、
である。
モルホリニウムおよびイミダゾリウムカチオンは本発明において特に好ましく、ここで、前記カチオンにおけるR’〜R’は特に、それぞれの場合に互いに独立して、水素、1〜20C原子を有する直鎖または分岐アルキル、ここで1または2以上の置換基R’〜R’は、−OHまたは−OR’で部分的に置換されてもよく、ここでR’=非−、部分または全フッ素化C−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであり得る。
本発明によるイオン性液体のカチオンは好ましくは、アンモニウム、ホスホニウム、イミダゾリウムまたはモルホリニウムカチオンである。
好ましいアンモニウム、ホスホニウム、イミダゾリウムまたはモルホリニウムカチオンにおける、極めて特に好ましい置換基R、R、R’〜R’は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル、オクタデシル、エトキシエチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル基から選択される。
モルホリニウムトリフルオロメチルスルホニルイミドまたはモルホリニウム臭化物、ホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩、イミダゾリウム塩化物、臭化物またはヘキサフルオロホウ酸塩は、極めて特に好ましく発明の方法における抽出に用いられ、ここでN−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルモルホリニウムビストリフルオロメチスルホニルイミド、4−(2−メトキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−メチル−4−プロピル−モルホリニウム臭化物、4−(2−エトキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(3−メトキシプロピル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−ブチル−4−プロピルモルホリニウム臭化物、トリヘキシル(テトラデシル)−ホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム臭化物、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム塩化物、3−メチル−1−オクタデシルイミダゾリウムヘキサフルオロホウ酸塩またはこれらの混合物は、本発明の方法において、特に優れた結果を提供する。
本発明の好ましい態様において、少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物を生体サンプルからの膜タンパク質の抽出に用いる。これらの場合、少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物における、イオン性液体の濃度は、混合物に基づいて、典型的に0.02〜5重量%であり、好ましくは0.1〜1重量%である。適したさらなる溶媒は上述され、好ましくは水または水性緩衝系である。適した緩衝液は、生理的状態を作り出す、すなわちタンパク質を変性しない、緩衝系である。PIPES、HEPES、リン酸緩衝液およびトリスベース緩衝液が例示される。
上述の方法において、イオン性液体、または少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物は、追加の添加物および補助剤を含んでもよい。対応する添加剤および補助剤は当業者に既知であり、例えば、洗剤、界面活性剤、ポア形成剤ならびに生物学的または生理学的緩衝系、無機塩および阻害剤(例えば、プロテアーゼ阻害剤)を含む。
本発明の方法は、0℃以上、典型的には0〜95℃の温度において行うことができる。特に高タンパク質収率が達成され、活性または構造の保持が二次的である場合、抽出は(37℃より高い)高温において行うことができる。このタイプの抽出は、特にウエスタンブロット分析のために用いることができる。本発明の抽出は、好ましくは0〜37℃、特に好ましくは0〜8℃、特には0〜4℃で行われる。好ましい温度において、改良された、比較的短時間における抽出およびタンパク質活性保持が認められる。特に比較的敏感な膜タンパク質の、穏やかな抽出のために、この目的のために、より長い抽出時間が必要であることを考慮して、本発明の方法を前期温度範囲内の比較的低温で行うことが望ましい。
典型的な抽出時間は、30分〜16時間である。活性タンパク質を抽出する場合、抽出溶液(溶媒およびイオン性液体)のpHは、好ましくは約pH7.4であるべきであり、あるいは2〜10のpHを有する抽出溶液を利用することもできる。
本発明にしたがって抽出したタンパク質は例えば、直接またはゲル電気泳動分離後の質量分光学調査、ウエスタンブロット分析または活性アッセイに利用することができる。一部の適用、例えば、質量分光学判断などに関し、得られたタンパク質抽出物からイオン性液体を前もって除去しなければならない。これは例えば、当業者に既知の方法によるインゲル消化によって行うことができる。
本発明の方法は、サンプルの細胞基礎構造を保持、すなわち膜タンパク質の構造が可能な限り保つ、生体サンプルからの膜タンパク質の抽出に適している。このように、従来方法を用いては単離が困難であるか全く不可能である、膜複合体全体を、単離することが可能である。一般的に、得られた膜タンパク質は、適した抗体を用いて検出することができる。
本発明の方法は、初めて水系において、水溶解性イオン性液体を低刺激な抽出剤として用いて、疎水性膜タンパク質、特にマルチパス膜タンパク質を抽出するの可能性を広げた。このようにして、穏やかな抽出物を非常に単純な方法手順と組み合わせた。水性媒体が既に抽出に用いられているので、非常に広範囲な種類の分析方法において、前もって溶媒を交換することなく、抽出物を直接調査することができる。
本発明の方法を用いて得られた抽出物は、膜タンパク質を含み、同様に本発明の要旨である。これらは、当業者に既知の全タイプのタンパク質分析、例えば、電気泳動(例えば、ゲル電気泳動、特に二次元ゲル電気泳動)、免疫化学的検出方法(例えば、ウエスタンブロッド分析、ELISA、RIA)、タンパク質アッセイ(例えば、平面およびビーズベースシステム)、質量分析(例えば、Maldi、EsiおよびSeldi)ならびに全てのクロマトグラフ分離方法、特にバイオクロマトグラフ分離方法(IEX、SEC、HIC、アフィニティークロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィー)に対して適している。
本発明は同様に、少なくとも1種のイオン性液体または少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物を含む、上記の本発明の方法を用いた膜タンパク質抽出のためのキットに関する。本発明のキットは、1または2以上のイオン性液体を含んでも良い。キットが複数のイオン性液体を含む場合、これらは分離していても、混合物の形状で一緒となっていてもよい。好ましくは、上記の特に好ましいイオン性液体がキットに存在する。
本発明のキットは、使用者が、生体サンプルから膜タンパク質を単純な手法で抽出することを可能とする。
本発明は同様に、膜タンパク質、特にマルチ膜貫通型タンパク質を、生体サンプルからの抽出するための本発明によるキットの使用に関する。
さらなる言及なしに、当業者は上記説明をより広い範囲において利用することができると推測される。したがって、好ましい態様および例は単に、決して限定的ではない説明的記載であると解されるべきである。
例:
ヒトMDA MB 468乳がん細胞をRPMI 1640培地(2.000mg/lのD−グルコース、110mg/lのピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、L−グルタミンなし、Gibco)において、市販のT75細胞培養ボトルにおいて50%コンフルエントまで、5%のCO下、37℃で培養する。細胞スクレーパーを用いて、接着細胞をトリス緩衝塩化ナトリウム溶液(TBS)およびプロテアーゼ阻害剤(Calbiochem Protease Inhibitor Cocktail III)中に収穫する。第2抽出段階における、ポア形成剤(抽出緩衝液I)を用いた細胞質のタンパク質画分の放出後に膜タンパク質を単離する。画分1は、主に細胞質のタンパク質の可溶性タンパク質画分に相当する。
水性緩衝溶液(抽出緩衝液II)における、イオン性液体を用いた抽出の後の画分は、膜タンパク質画分である。イオン性液体の2%溶液を穏やかに振とうさせながら、30分間37℃でインキュベートする。抽出後、サンプルを15分間16000 x g、室温において遠心分離する。次いで、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)のために、市販のサンプルアプリケーション緩衝液とともに、上清(抽出した膜タンパク質画分)を用いる。サンプルを10%BIS−トリスポリアクリルアミド(PAA)ゲル(Novex, Invitrogen)で分離する。
サンプルをその後、「セミドライウエスタンブロット」法の原理にしたがってPVDF膜に移動する。次に、当該膜を以下の第1抗体とともにインキュベートする:
a)ダイマー受容体分子の基準として、抗−EGFRラビット抗体(Sc03, Santa Cruz1:100に希釈)、
b)7回膜貫通型透過タンパク質(7−TM)の基準として、抗Frizzled4抗体(R&D Systems MAB 194、1:500に希釈)。
c)第2基準タンパク質、カドヘリンEGF−lag7回膜貫通型透過受容体−3(CELSR3)抗体を用いる(Acris)。
d)検出のために第2抗体として、1:5000希釈したGeneral Electrics (GE)からの抗ラビット−POD抗体を用いるか、または1:5000希釈したPierceからの抗ラット−POD抗体を用いる。
化学発光検出をGE (#RPN 2106)から市販のECLウエスタンブロット検出キットを用いて行う。
ウエスタンブロットは、イオン性液体で抽出された膜タンパク質の未変性構造の保持を示す。
TBS: 50 mM Tris
150 mM NaCl
pH 7.4
抽出緩衝液I:
300mM スクロース
15mM NaCl
10mM Pipes(ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸))
0.5mM EDTA
0.01875%のジギトニン
pH 7.4
抽出緩衝液II:
300mM スクロース
15mM NaCl
10mM Pipes(ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸))
0.5mM EDTA
2重量%のN−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルモルホリニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドまたは1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム塩化物
pH 7.4

Claims (17)

  1. 少なくとも1種のイオン性液体、または、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のさらなる溶媒とを含む混合物の、生体サンプルからの膜タンパク質の抽出のための使用。
  2. イオン性液体およびさらなる溶媒を少なくとも含む混合物を、抽出のために用いることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. さらなる溶媒が水であることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
  4. 2または3以上の膜貫通数を有するタンパク質であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  5. 生体サンプルが組織、細胞、細胞培養物および/または体液、細菌、真菌、ウイルスもしくは植物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
  6. 生体サンプルからの膜タンパク質抽出のための方法であって、一般式Kの少なくとも1種のイオン性液体または、一般式Kの少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物を、任意に機械的作用で、生体サンプルに添加することを特徴とする前記方法。
  7. 生体サンプルを前もって溶解することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 生体サンプルの溶解を、洗剤、界面活性剤またはポア形成剤の添加によって行うことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 機械的作用を振とうまたは攪拌によって達成することを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. イオン性液体のアニオンAが、ハロゲン化物、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロホウ酸塩、または一般式[N(Rもしくは一般式[N(XR]−のイミドを含む群から選択され、式中Rは部分的にまたは完全にフッ素置換された1〜8C原子を有するアルキルを意味し、XはSOまたはCOを意味することを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
  11. イオン性液体のカチオンKが、アンモニウム、ホスホニウム、ウロニウム、チオウロニウム、グアニジニウムカチオンまたは複素環カチオンを含む群から選択されることを特徴とする、請求項6〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 複素環カチオンがモルホリニウムカチオンまたはイミダゾリウムカチオンであることを特徴とする、請求項11に記載の発明。
  13. 抽出を4〜37℃の温度で行うことを特徴とする、請求項6〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物におけるイオン性液体の濃度が、0.02〜5重量%であることを特徴とする、請求項6〜13のいずれかに記載の方法。
  15. イオン性液体が、N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルモルホリニウムビストリフルオロメチスルホニルイミド、4−(2−メトキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−メチル−4−プロピルモルホリニウム臭化物、4−(2−エトキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−(3−メトキシプロピル)−4−メチルモルホリニウム臭化物、4−ブチル−4−プロピルモルホリニウム臭化物、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム臭化物、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム塩化物、3−メチル−1−オクタデシルイミダゾリウムヘキサフルオロホウ酸塩またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項6〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 少なくとも1種のイオン性液体、または少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種のさらなる溶媒を含む混合物、ならびに洗剤、界面活性剤および/またはポア形成剤の群から選択される少なくとも1種の溶解剤を含む、請求項6〜15のいずれかに記載の方法による膜タンパク質の抽出のためのキット。
  17. 生体サンプルから膜タンパク質を抽出するための、請求項16に記載のキットの使用。
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