JP2010509606A - 表面プラズモン共鳴効果に基づく動的検出デバイス - Google Patents

表面プラズモン共鳴効果に基づく動的検出デバイス Download PDF

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Abstract

「表面プラズモン共鳴(SPR)」効果に基づく電気光学センサ及びデバイスを提供する。本発明は、放射線エミッタ(20)、放射線検出器(30)、流体基板(40)、液晶層(80)、及びそれぞれの制御機構(80)を含み、(a)流体基板(40)が、チャンネル(43)と回折格子のように挙動する導電性薄層を収容する少なくとも1つの検出表面(42)とを含み、(b)液晶層(80)が、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間に配置され、かつ検出表面(42)から出射する放射線(102)又はそこに入射する放射線(101)の特性の異なるレベルの変更を生じさせるためにその液晶分子の少なくとも2種類の配向を示すことができ、(c)制御機構が、放射線特性の変更を調節して表面プラズモン共鳴信号の検出を最適化するように液晶層(80)の分子(83)の平均的配向を制御するために存在し、(d)表面プラズモン共鳴効果を利用する。
【選択図】図5A

Description

本発明は、「表面プラズモン共鳴(SPR)」効果に基づく電気光学センサに関し、特に、化学的及び/又は生物学的イベントの検出に用いる処理及びデバイスに関し、それらは、以下の要素:(1)放射線エミッタ(20)及び放射線検出器(30)と、(2)「検出表面(DS)」(42)上に入射する放射線の少なくとも1つの入射角及び少なくとも1つの波長に対してSPR効果の発生を考慮するために構築された導電性薄層を組み込んだ「検出表面(DS)」(42)を収容する「検出区域(DZ)(41)と、(3)チャンネル(43)と(2)に説明した少なくとも1つのDZとを含む流体基板(40)と、(4)所定の流体容積を最初のリザーバからDZ内に送出し、かつDZから最終リザーバに送出するために使用される流体制御機構と、(5)放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)との間に配置され、電気的、磁気的、又は光学的手段によって制御され、かつ放射線特性の制御を可能にするような方式で使用されて最適化SPR信号をもたらす液晶層(LCL)(80)とを含み、このようにして検出デバイスの精度及び感度を改善する。
化学的/生物学的検出デバイス
化学的/生物学的検出デバイスは、3つの主要な要素:(A)特定の化学的及び/又は生物学的物質を認識することができる認識要素、(B)化学的/生物学的認識イベントを定量的情報に変換することができる変換機構、(C)流体試料を制御された方法で認識要素に送出することができる流体機構によって構成される。
(A)認識要素
認識要素は、典型的にはキー・ロック原理に基づくものであり、以後検体と呼ぶ特定の化学的又は生物学的物質を認識することができる分子領域又はその組合せを含む。この効果を達成する異なる方法、すなわち、ランダムの又は配向した酵素、レクチン、又は抗体が存在する。この認識要素の性能は、いくつかのパラメータ、すなわち、(i)感度(検出限界によって定められる)、(ii)特異性(検出される特定の検体の同じ媒体内に存在する他の物質を検出する感度の程度によって定められる)、(iii)経時的なその安定性に依存する。タンパク質又は酵素を伴う判断に使用される化学的/生物学的検出デバイスの場合には、認識要素は、特定の配向された抗体を収容する固定化層で通常構成される。
化学的/生物学的認識要素は、いくつかの異なる機構、すなわち、(i)表面への化学吸着、(ii)ポリマーマトリクス上への封入、(iii)固体基板への共有結合を用いて取得することができる。化学的/生物学的認識要素の選択は、本発明の範囲を超えるものであるが、以上に示す説明は、このバイオセンシング要素を構築する最も一般的な可能性のフレームワークの概観としてのみ役立つものである。
(B)変換機構
化学的/生物学的イベントを以後の処理及び解析のために定量的情報に変換することができるいくつかの変換機構があり、すなわち、電気化学式、振動式、磁気式、及び光学式変換器である。SPR効果の光学的検出は、本質的に、導電性表面に近い屈折率の測定技術である。従来型の屈折率計と比較したSPR検出の最も顕著な差異は、測定スケール及び検出処理に関するものであり、従来型の技術においては、全ての流体容積が、屈折率の平均測定値をもたらす光学的応答に寄与し、これに対して、SPR検出の場合には、導電表面に近い流体の容積のみが関係する。更に、この後者の場合には、測定値は、SPR効果が発生している導電層から離れて移動する時の減衰重みを用いる屈折率の加重平均に対応する。
SPR効果
SPR効果は、誘電特性の異なる2つの媒体の間のインタフェースにおける局所荷電密度振動から生じる光学的現象である。より詳細には、SPR効果は、誘電性媒体と金属性媒体の間のインタフェースで発生する(参考文献1を参照されたい)。この場合には、表面プラズモン波は、偏光TMを有する電磁波である(この波の磁気ベクトルは、伝播方向に垂直であり、境界平面に平行である)。SPR伝播定数βは、式(1)によって説明することができる。
Figure 2010509606
式中、λは入射波長であり、εmは金属の誘電定数であり(εm=εmr+iεmi)、εdは、誘電性媒体の誘電定数である。SPRは、εmr<0かつ|εm|<εdの場合にのみ発生する。この場合には、SPR効果は、2つの媒体のインタフェースで伝播することになり、かつインタフェースから各媒体の大部分まで指数関数的に減衰することになる。他方、SPR効果は、数十から数百ナノメートルの範囲の厚みを有する金属フィルムに関してのみ検出可能である(金フィルムの場合、SPR効果は、25nmから150nmの厚みで通常発生する)。
これらの事実により、かつ式(1)により、SPRの伝播定数βは、インタフェースに近い誘電性媒体内の屈折率の変動に極度に敏感である。その結果、SPR効果は、感知用途に利用することができ、例えば、インタフェースに近いある一定の生物学的材料(タンパク質、酵素など)の固定化は、屈折率の局所変動(ナノメートルの長さスケールでの)をもたらすことになる(水ベースの溶液の屈折率は、通常、約1.33であり、生物学的化合物の屈折率は、1.54付近であるので)。屈折率のこの変化は、表面プラズモンの伝播定数の変化を生じさせ、その変化は、以下の節で説明するように光学的手段によって正確に検出することができる。
SPR構成
SPR効果を検出するためには、以下の3つの基本的な方法がある。
(i)検出表面から反射された放射線の強度を放射線入射角の関数として測定すること。一般的に、所定の波長に対して、SPR効果は、反射が最小である特定の入射角で明確に検出される。
(ii)検出表面から反射された放射線の強度を放射線波長の関数として測定すること。一般的に、固定入射角に対して、SPR効果は、反射が最小である特定の放射線波長で明確に検出される。
(iii)検出表面から反射された放射線の位相を入射角又は放射線波長の関数として測定すること。この場合には、SPR効果は、放射線の位相変動が最大である特定の入射角又は放射線波長で明確に検出される。
SPR効果を適正に検出するために、異なる光学構成を使用することができ(参考文献2を参照されたい)、典型的には、表面プラズモンを作成し(照明要素、例えば、レーザ又は放射線放出ダイオード又はあらゆる他の適切な放射線源を用いて)、かつSPR効果も検出する(光学測定要素、例えば、CCD、CMOS、光ダイオード、又はあらゆる他の適切な要素を用いて)光学システムが使用される。
SPR効果は、境界平面に平行な入射波のベクトルの成分が表面プラズモン波の成分と一致する場合にのみ発生する。この特定の条件は、(i)プリズム、(ii)導波路、(iii)回折格子によって通常提供される何らかの連結機構がある時にのみ存在することになる。当業者は、技術文献を読むことにより、すなわち、参考文献1を読むことによりこれらの連結技術を迅速に理解することができる。
(C)流体機構
流体制御、すなわち、外部ポンプ及びチューブを使用する従来型流体ポンピング、電気式圧力制御、音響/圧電式制御、動電学的制御、及び遠心式制御のための異なる機構を使用することができる。化学的/生物学的検出デバイスのこの要素の最適化は、本発明の範囲を超えている。
液晶層
液晶(LC)相又は液晶メゾ相は、液体と結晶の間の中間相であり、配向特性を示すものである(参考文献3を参照されたい)。ネマティックLCと呼ばれる特定の種類のLCは、分子の位置での不規則性と組み合わされたその分子の配向の規則性を示す。長い距離を通過して伝播するLC分子の平均的配向方向を定めることができ、この方向は、例えば、ある一定のアラインメント表面によって定められる。更に、ある一定のLC分子に対しては、外部電界を使用することができ、これも特定の配向を生じさせる。この場合には、LC分子の配向は、固定表面特性(アラインメント表面によって生じる)と結合電界力の間の競合に依存する(参考文献4を参照されたい)。
LC層は、2つの関連特性:(1)LC分子の平均的配向に平行又は垂直な放射線偏光に関してLC層を通過する放射線伝播の不一致をもたらす光学的異方性と、(2)LC層を通過する放射線の偏光特性の変化を生じさせるLC層に沿ったLC分子の平均的配向の漸変的変化とを示している。特に、LC分子が放射線の波長よりも非常に大きいLC層に沿った捩れピッチを示す時、システムは、導波路(放射線偏光がLC分子の回転に追随する)のように挙動することになる。これは、M.Schadtの発明に従った標準LCデバイスの基本原理である(参考文献5を参照されたい)。ここで、LC層の捩れピッチが、放射線の波長と同程度のものである場合には、放射線偏光のより小さい回転、及び/又は波長/ピッチ比率に応じて反射及び/又は放射線偏光の逆回転が生じることになる。
光学システムで使用される可能なLC層には異なる種類がある。捩れネマティックLCと呼ばれる最も普通の種類のLC層は、LC層に沿ったLC分子の平均方向の連続捩れ配向に基づいている。このLC層は、いくつかのパラメータ、すなわち、捩れを生じさせるカイラルドーパントの濃度に基づく捩れピッチを特徴とする。外部電界を受けると、LC分子は、電界に沿って整列する傾向があり、こうして捩れが破壊される。印加電界を制御することにより、LC層の捩れピッチを適正に調節することができる。光学的品質(例えば、放射線拡散がないこと)を維持する必要があるシステムに対しては、一部の種類のLC層(すなわち、PDLC層、又は顕著な放射線拡散を有する他のLC層)はもはや適切ではない。
従来型SPR検出デバイス
従来型SPR検出デバイスは、予め定められて固定された特性、すなわち、入射角、偏光、及び波長に関する特性を有する光学システムを含む。
図1Aは、プリズム構成での従来技術に従った従来型SPR検出デバイスの概略図である。放射線エミッタ(20)は、検出区域DZ(41)に位置する検出表面DS(42)内にプリズム(90)を通過して集束される放射線ビーム(101)を生成する。DSは、流体の近傍の導電性薄層を含む。反射した放射線(102)は、放射線検出器(30)に誘導される。放射線検出器(30)で観測された放射線信号の解析は、物質の濃度又はDS(42)の近くで発生する化学的及び/又は生物学的イベントの定量的測定に使用される。この構成においては、デバイスは、固定された所定の光学特性、すなわち、放射線の波長、位相、及び入射角に関する特性を呈示する。
図1Bは、格子結合構成での従来技術に従った従来型SPR検出デバイスの概略図である。放射線エミッタ(20)は、「検出区域DZ」(41)に位置する検出表面DS(42)内にプリズム(90)を通過して集束される放射線ビーム(101)を生成する。DSは、回折格子のように挙動する導電性薄層を含む。反射した放射線(102)は、放射線検出器(30)に誘導される。放射線検出器(30)で観測された放射線信号の解析は、物質の濃度又はDS(42)の近くで発生する化学的及び/又は生物学的イベントの定量的測定に使用される。ここでもまた、この構成において、デバイスは、固定された所定の特性、すなわち、放射線の波長、位相、及び入射角に関する特性を呈示する。
この構成において、放射線エミッタ(20)は、固定された所定の光学特性、すなわち、
−放射線エミッタ(20)のためのレーザを使用することにより、又はLED又はいずれかの他の連続スペクトル源のような連続放射スペクトルを有する放射線エミッタ(20)を使用することによって予め定めることができるパラメータである波長スペクトル、
−使用される光学要素により、すなわち、放射線エミッタ(20)を構成する光学レンズによって定められるDS(42)上に入射する放射線の入射角の範囲、
−放射線エミッタ(20)にレーザを使用する時に直線偏光又は円偏光に通常固定され、又はLEDを使用する時に非偏光放射線である入射放射線の偏光、
−レーザが放射線エミッタに使用される場合に放射線がDS(42)に入射する放射線円錐内でコヒーレントである入射放射線の位相、
−DS(42)上に入射する放射線の焦点、
−DS(42)に接触する基板として使用される材料の屈折率、
−SPR測定を行うために使用される標準流体の屈折率、
に関する光学特性を有する。
これらの異なるパラメータは、従来型SPR検出デバイスにおいて予め定められて固定され、この事実がそれらの潜在的用途での限界を呈する。特に、それは、DS(42)に接触する流体屈折率の検出範囲に関する制限因子である。更に、放射線検出器(30)センサの検出ノイズ及び角分解能(すなわち、入射放射線の角度開口とセンサ内の検出要素の数との関係)に関連する限界も、従来型のSPR検出デバイスの分解能及び感度の制限因子である。
これらの事実は、SPR検出の感度と適用範囲との両方を制限する。特に、従来型SPR検出デバイスは、以下の限界を呈している。
(1)要求よりも高いノイズ信号をもたらす光学的欠陥(機械的疲労、放射線拡散、屈折率変化)の除去の難しさ。この事実は、小さな生物学的物質を検出する時に特に関連する。
(2)受容体−検体結合に起因するSPRセンサ信号と、温度変化に起因する流体又はDS(42)基板のいずれかの屈折率変化との識別の難しさ。この事実は、DS(42)の近くに存在する検体濃度に関する定量的情報へのSPR測定値の外挿を制限する(参考文献6を参照されたい)。
(3)検体の大きさに対応する望ましい厚みに対するDS(42)での最大感度に対する検出パラメータの調節の難しさ。
これらの限界を克服するために、本発明は、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間に置かれ、放射線特性を調節し、それによって放射線検出器(30)で観測されるSPR信号を増幅するために電気的、磁気的、又は光学的手段によって制御されるLC層(80)の使用を考察する。
米国特許US2003103208は、放射線偏光を90°回転するために放射線エミッタとDSを形成する導電性層との間に置かれたLC層を使用するプリズム構成を有するSPRセンサに関する。この場合には、DSに入射する放射線は、2つの偏光状態:(i)TM偏光(インタフェースに平行)又は(ii)TE偏光(インタフェースに垂直)を有することができる。この特許は、プリズム構成でのSPRセンサ及び放射線偏光が90°回転されるデバイスに適用されるのみである。
欧州特許EP1157266は、SPR検出デバイスに関し、制御可能偏光子のように挙動するLC層を使用することが可能であろうと言及している。この参照した特許は、回折反射光学要素に基づくSPRセンサデバイスに適用される。更に、この特許では、参照されたLC層の可能な実施形態に関する言及はない。
欧州特許EP1068511及び米国特許US2003206290は、LC層が、SPR効果に必要な放射線ビームの期間及び配置を選択するために電気的手段によって制御可能なダイアフラムとして使用されるSPR検出デバイスに関するものである。
以下の論文は、引用のために本明細書に含まれている:
1.Homola、J.他著「センサ及びアクチュエータ」、54巻、3−15頁、1999年
2.Homola、J.著「Anal Bioanal Chem」、377巻、528−539頁、2003年
3.P.G.de Gennes、J.Prost著「液晶の物理学」、第2版、Claredon、オクスフォード、1993年
4.Fonseca、JG著「PhD学位論文」、ストラスブール、2001年
5.Helfrich、W.、Schadt、M、特許CH19710005260
6.G.Vertogen、W.H.de Jeu著「サーモトロピック液晶:基礎」、EPSinger−Verlag、ベルリン、1988年
7.Hecht、E.著「光学」、Addison Wesley Longman、1998年
8.Gordon D.Love著「Proc.Soc.Foto.−Opt.Instrum.Eng.」、2566:43−47頁、1995年
9.H.Ren他著「Appl.Phys.Lett.」、84巻、4789頁、2004年
10.Born、M.及びWolf、E.著「光学の原理:光の伝播、干渉、及び回折の電磁理論」、Pergamon Press、1989年
US2003103208 EP1157266 EP1068511 US2003206290 CH19710005260
Homola、J.他著「センサ及びアクチュエータ」、54巻、3−15頁、1999年 Homola、J.著「Anal Bioanal Chem」、377巻、528−539頁、2003年 P.G.de Gennes、J.Prost著「液晶の物理学」、第2版、Claredon、オクスフォード、1993年 Fonseca、JG著「PhD学位論文」、ストラスブール、2001年 G.Vertogen、W.H.de Jeu著「サーモトロピック液晶:基礎」、EPSinger−Verlag、ベルリン、1988年 Hecht、E.著「光学」、Addison Wesley Longman、1998年 Gordon D.Love著「Proc.Soc.Foto.−Opt.Instrum.Eng.」、2566:43−47頁、1995年 H.Ren他著「Appl.Phys.Lett.」、84巻、4789頁、2004年 Born、M.及びWolf、E.著「光学の原理:光の伝播、干渉、及び回折の電磁理論」、Pergamon Press、1989年
本発明者は、それぞれのSPR検出デバイス性能を最適化するためにSPR効果に関して重要な一部のパラメータを動的に調節することが適切と考えられるという結論に達した。この枠組みでは、簡易な電気的又は光学的手段を用いるLC層の制御によって放射線特性(反射放射線又は透過放射線)を調節することができるので、LC層が適切かつ有利であることが分った。放射線特性のこの調節は、SPR効果に基づく検出デバイスと結合された時に、その全体的な性能を高める目的で利用することができる。
第1の態様において、本発明は、チャンネル(43)及び少なくともDZ(42)を収容する流体基板に導電性薄層を含むDS(42)の近傍に発生するイベントを検出するためにその両方が使用される放射線エミッタ(20)及び放射線検出器(30)から成る光学システムを含む。DZ(42)は、化学的及び/又は生物学的イベントの検出に使用されるSPRの発生を可能にするような方法で構築される。検出デバイスは、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間に配置されて電気的又は光学的手段によって制御されるLC層(80)も含む。LC層(80)は、検出デバイスの精度及び感度を最適化するために放射線特性の制御された調節を可能にするような方式で制御される。
第2の態様において、本発明は、流体基板(40)及び光学システムを含むDS(42)の近傍の化学的及び/又は生物学的イベントを検出することができるSPRセンサ(10)から成り、光学システムは、放射線エミッタ(20)及び放射線検出器(30)と、放射線特性を調節することができる放射線エミッタ(20)と放射線検出器の間の放射線経路に配置されたLC層(80)とを含む。SPRセンサ(10)は、(i)特定の物質の存在、及び/又は(ii)流体基板の検出区域の1つにおける特定の化学的及び/又は生物学的イベントの発生を検出することができる。
流体基板(40)に対する放射線エミッタ(20)及び放射線検出器(30)の配列は、DS(42)に入射する放射線ビームが、SPR効果がもたらされる導電薄層への結合が存在する少なくとも1つの入射角を含むような方式で固定される。この構成は、いくつかの特性又はパラメータ、特に以下のものに影響される。
−DS(42)に入射する放射線の波長、
−導電層の屈折率、減衰係数、及び厚み、
−入射角、
−放射線偏光、
−DZ(41)に存在する流体の屈折率及び減衰係。
この意味で、かつ全てのパラメータが固定されると、SPRセンサ(10)の放射線パターンの変化を観測し、かつこの情報からDS(42)の近傍の屈折率の変化を定量化することが可能である。この判断は、次に、ある一定の物質の表面固定化又はDS(42)の近くの2種類の分子の反応を定量化するのに使用される。
本発明の実施形態は、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間の放射線経路に同じく配置された付加的なLC層(80)の使用により、上述の異なるパラメータの適正な調節を動的な方法でかつ検出処理中に可能にするものである。以下の節に説明する異なる実施形態は、従来型SPR検出デバイスの既存の問題に対する異なる解決法に対応している。
プリズム構成における従来技術に従った従来型SPR検出デバイスの概略図である。 格子結合構成における従来技術に従った従来型SPR検出デバイスの概略図である。 静止条件において分子がLC層に沿った90°の回転を示し(左)、ある一定の閾値(V_th)を超える外部電界を受けた時に捩れが最小にされ、分子が電界に沿って整列する(右)捩れネマティックLC層内の分子の平均的配向の概略図である。 十分高い電圧に対して捩れ角がゼロになる傾向がある、図2Aに示すLC層の全捩れ角の印加電圧の関数としての挙動の概略図である。 格子結合構成において検出表面に入射する放射線の偏光を制御するためにLC層を使用するSPR検出デバイスの概略図である。 異なる偏光で2つの信号(S1及びS2)を取得した後に2つの信号を割り算することによって取得ノイズを最小にし、最適化したSN比を有する最終信号(S_SPR)を取得することができる、図3Aに説明したデバイスの実施形態の概略図である。 両方が検出表面上の入射角の関数としての放射線強度(点線)及び放射線相対位相(実線)に関するSPR効果の挙動の概略図である。 静止条件において分子平均的配向が均一であり、アラインメント表面方向に沿って整列し(左)、ある一定の閾値(V_th)を超える外部電界を受けた時に分子が電界に沿って整列する(右)均一ネマティックLC層内の分子の平均的配向の概略図である。 十分高い電圧に対して位相差がゼロになる傾向にある、図4に説明したLC層の全体位相差(LC平均的配向方向に関する放射線の通常偏光方向と異常偏光方向の間の位相散逸)の印加電圧の関数としての挙動の概略図である。 LC層が検出表面に入射する放射線の位相散逸を制御するのに使用される、格子結合構成における本発明の第2の実施例に従ったSPR検出デバイスの概略図である。 図5Aに説明した検出デバイスに対する検出表面への入射角の関数としての放射線の位相散逸の変化の概略図である。 従来型SPRセンサ(点線)及び図5Aに説明したデバイスのためのセンサ(実線)の放射線検出器によって検出されたSPR信号の概略図である。 図5Aに説明した、LC層(80)が入射方向に垂直な位相散逸を誘起する検出デバイスに対する放射線の位相散逸の関数としてSPR光学信号の強度の最小値が発生する2つの角の間の距離(W)の変化の概略図である。 コリメータレンズがエミッタの後に配置され、次に偏光子及びLC層が平行放射線経路内に置かれ、最後に集束レンズが放射線を検出表面に誘導するために使用される、本発明によるSPR検出デバイスに対する放射線放出の光学サブシステムの概略図である。 図4Aに説明したLC層の印加電圧の関数として得られた屈折率の概略図である。 静止条件(V<V_TH)においてLC分子が均一平均的配向を示し(左)、印加電圧に基づいて(V>V_THの場合)屈折率の空間分布を形成することができる、LC層内の分子の平均的配向の概略図である。 図7Bに示すLC層の印加電圧の関数としての同等焦点距離の概略図である。 2つのLC層の群が一定の焦点距離を有する可変増幅の集束レンズとして作用するように使用される、本発明によるSPR検出デバイスに対する放射線放出の光学サブシステムの概略図である。 2つのLC層の群が放射線信号増幅を制御するように検出表面と放射線検出器の間に配置される、本発明による検出デバイスの概略図である。
第1の態様において、本発明は、放射線エミッタ(20)と、チャンネル(43)及び少なくとも1つのDZ(41)を含む流体基板(40)のDZ(41)のDS(42)の近傍に発生するイベントを検出するのに使用される放射線検出器(30)とを含む、化学的及び/又は生物学的イベントの検出に使用されるSPRセンサ(10)から成る。DZ(41)は、SPR効果の発生を可能にするような方法で構築された導電性薄層を含むDS(42)を収容する。SPRセンサ(10)は、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間に位置し、電気的又は光学的手段によって制御されてSPR光信号を最適化するような放射線特性の適正な調節を可能にするLC層(80)を含む。LC層(80)を用いる放射線特性の適正な調節は、SPR検出デバイスの感度及び精度の改善をもたらす。
第2の態様において、本発明は、流体基板(40)及び光学システムを含むDS(42)の近傍に発生する化学的及び/又は生物学的イベントを検出することができるSPRセンサ(10)から成り、この光学システムは、放射線エミッタ(20)及び放射線検出器(30)と、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間に位置するLC層とを含む。LC層(80)は、放射線特性を調節することができる。
SPRセンサ(10)は、(i)特定の物質の存在、及び/又は(ii)検出区域の1つでの特定の化学的及び/又は生物学的イベントの発生を検出することができる。
本発明の実施形態は、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間の放射線経路内に位置する付加的なLC層(80)の使用により、動的な方法でかつ検出処理中に上述の異なるパラメータの適正な調節を可能にする。以下に説明する異なる実施形態は、従来型SPRの既存の問題に対する異なる解決法に対応する。
SPR効果は、導電性薄層と絶縁層の間のインタフェースに平行な放射線偏光(TM偏光)の成分に発生する。従来型SPRセンサは、SPRを最大にするためにこの偏光での入射放射線の強度を通常は最大にする。基準信号の欠如は、検出に対して問題であると考えられる。特に、基準信号の欠落は、異なる原因により、すなわち、放射線供給源及び検出に用いる基板の安定性及び均一性の不足に基いて、高い(要求よりも高い)信号ノイズを生じさせる。この問題を解消する1つの簡単な方法は、入射放射線の偏光を制御された系統的な方式で回転させることにある。このノイズは、最初の解析においては放射線偏光に無関係であるので、異なる偏光の2つの信号を得ることにより捕捉ノイズのかなりの部分をそこで除去することができる。例えば、2つの信号をTE及びTM偏光で取得し、2つの信号を割算(TM/TE)又は減算(TM−TE)することにより、SPRの寄与のみを分離することができる。この処理は、既知の特性を有するLC層(80)を用いて達成することができる。
図2Aは、捩れネマティックLC層内の分子の平均的配向の概略図である。静止条件(V<Vth)において、LC分子(83)の平均的配向は、LC層に沿った90°の回転を示す(左)。十分に高い印加電圧(V>Vth)に対して、LC分子(83)は、電界に沿って整列する傾向があり、捩れは漸次的に最小にされる。
図2Bは、図2Aに示すLC層の全捩れ角の印加電圧の関数としての挙動の概略図である。電磁放射線の波長と比較した時に捩れピッチが十分大きい場合に、LC層は、導波路のように挙動し、それによって入射放射線偏光は、LC回転に沿って回転する。
例えば、その厚みの8倍のピッチを有するLC層(80)を用いると、LC層(80)は、印加電圧に基づいて以下の2つの典型的な状態を示す。
(i)印加電圧が十分に低い時(例えば、平面配向に対して、印加電圧がFrederiks閾値よりも低い、参考文献3を参照されたい)、LC層は、入射放射線偏光の90°の回転を生じさせる。入射放射線は、LC層(80)を通過し、次に、DS(42)にその相対的強度を維持しながらTM又はTE偏光を有して入射する時に、その偏光の90°回転を有するように選択されて整列させることができる、
(ii)十分高い電圧を受けた時、LC分子(83)は、それらが印加電界と整列するようになるので、その回転は破壊される。この場合には、DS(42)に入射する放射線は、1つの偏光成分(例えば、TM)を有するのみであることになる。
本発明の新規性は、
(i)SPR効果の発生を可能にするような方法で構築されたDS(42)を有する少なくとも1つのDZ(41)を含む流体基板(40)、
(ii)DS(42)上に入射する放射線がSPR効果が発生する角度の範囲を含むような方法で配列された放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の群、
(iii)放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間の放射線経路に配置されたLC層(80)であって、導波路として挙動するように構築され、それによってLC層(80)を通過する放射線の偏光も回転され、以下の順序の事項の達成を可能にするLC層(80)、
を含むデバイスから成る。
(1)基準電圧制御。LCコントローラ(84)がLC層(80)に十分低い電圧を印加し、それによってLC分子(83)は、DS(42)に入射する放射線の偏光の回転を発生させる。
(2)基準信号取得。第1の信号S1が、DS(42)に入射する放射線に2つの偏光成分(TE及びTM)が存在する状態に対応して放射線検出器(30)によって得られる。信号S1の取得は、全てのLC分子を過渡的配向レジームから出すために、基準電圧の印加から所定時間(通常約ms台)の後に行われるべきである。
(3)電圧測定制御。LCコントローラ(84)が、LC層(80)に十分高い電圧を印加し、それによってLC分子(83)は、印加電界に整列し、固有捩れが破壊される。このアラインメントのために、DS(42)上に入射する放射線の偏光の回転はない。
(4)信号測定値取得。第2の信号S2が、DS(42)に入射する放射線に1つのみの偏光成分(例えば、TM)が存在する状態に対応して放射線検出器(30)によって得られる。信号S2の取得は、全てのLC分子を過渡的配向レジームから出すために、基準電圧の印加から所定時間(通常約ms台)の後に行われるべきである。
(5)信号処理。最後に、SPR信号が、2つの光学信号から次の関係式を用いて抽出される:
Figure 2010509606
図3Aは、格子結合構成でのDS(42)に入射する放射線の偏光を制御するためにLC層(80)を用いるSPR検出デバイス(10)の概略図である。放射線エミッタ(20)は、LC分子(83)の平均的配向の45°の全体捩れをその初期状態で示すLC層(80)に入射する光ビーム(101)を照射する。LC層(80)は、放射線波長と比較した時に大きい捩れピッチを示し、導波路として挙動する。LC層(80)は、電圧を印加することができるコントローラ(84)に接続され、このような方法でDS(42)上の入射放射線(101)偏光が微調整される。異なる印加電圧に対応して放射線検出器(30)で検出された信号の解析は、リアルタイムの基準信号の測定を可能にし、このような方法でSPR捕捉ノイズのかなりの部分を除去することができる。LC層(80)を通過した後、放射線ビームは、透明基板(44)を透過して、回折格子のように挙動する導電性薄層を含むDS(42)に入射する。DS(42)は、流体と直接に接触する。反射信号(102)は、次に、放射線検出器(30)に入射する。放射線検出器(30)上の光信号の解析から、DS(42)の近傍の検体の濃度を定量的に判断することができる。
図3Bは、図3Aに説明したデバイスの実施形態の概略図である。45°での(TM偏光方向に対して)入射放射線(101)の直線偏光に対応する最初の信号S1は、正確な測定を妨害するかなりの光学信号を含む。LC層(80)に適切な電圧を印加することにより、入射放射線(101)のTM偏光(0°)に対応する第2の光信号S2を取得することができる。この第2の信号も、かなりのノイズレベルである。このノイズは、大部分が偏光と無関係であるので、両方の信号の適切な割算によりSPR信号が判断され、殆ど全てのノイズが除去される。
この手法は、偏光に無関係なノイズに関してのみ有用であるので、S1とS2の間の遅延が捕捉ノイズの動きに比べて小さい場合には、この具体化は、SPR効果の適正な測定を可能にするのみであることに注意すべきである。
LC層(80)に入射する放射線(101)は、放射線偏光の均一性及び一定の回転を有するように、好ましくは、平行化すべきである。この場合には、DS(42)に入射する放射線を集束させるのに使用される光学要素が、LC層(80)とDS(42)を収容する流体基板(40)との間に置かれるべきである。代替的に、当業者は、入射角の関数としての偏光回転の依存性を考慮に入れる限り、放射線が平行化されていない領域内にLC層(80)を置くことができる。
この実施例は、LC層の回転が45°よりも小さいか又は大きく、又は入射放射線の偏光が異なっている場合の他の類似の状況に容易に拡張することができる。通例、SPR信号S_SPRは、次の関係式から得られる。
Figure 2010509606
式中のa1、b1、及びc1は、LC分子(83)の初期回転角、LC層(80)の全初期捩れ、その厚み、及び印加電圧に依存するパラメータである。
LC分子(83)の回転の程度を制御することが依然として可能である限り、LC層(80)を制御するための他の方法を考慮することができる。例えば、磁気アクチュエータを使用することができ、この場合、LC分子は、通常は、印加磁場の方向に対して垂直に整列する傾向があることを考慮すべきである。LCコントローラ(84)が、電圧振幅を一定に保ち、電気信号周波数のみが変化されるこの実施形態の変形も考慮することができる。この場合には、当業者は、LC分子応答が印加電気信号周波数に強く依存する適正な周波数範囲を選択すべきである。
反射放射線強度の検出に基づく従来型SPR検出デバイスは、入射角の関数としての反射放射線の放射線強度レベルの測定に基づいている。この場合には、SPR効果は、特定の入射角に対する反射放射線強度の強い低下によって明確に識別される。従って、SPR検出は、反射放射線最小値の時間的変化の測定に基づいている。代替の手法では、反射放射線の相対位相の変動を測定することができ、それは、図4Aに示すように、この相対位相の変動は、放射線強度で観測される遷移よりもSPR効果における極めて鋭い遷移を示すからである。
図4Aは、放射線強度(点線)及び放射線相対位相(実線)の両方に関するSPRのDS(42)への入射角の関数としての挙動の概略図である。相対位相は、放射線強度よりも極めて鋭いSPR結合での遷移を示している。この事実は、より良好な分解度を有するSPR検出デバイスを構築するために考慮することができる。
位相−測定構成には本質的な利点があるにも関わらず、従来型SPR検出デバイスでのその実現は特に困難である。他方、図4B及び図4Cによれば、放射線位相散逸の適正な調節を可能にするような方法で構築されたLC層(80)を使用することができる。
図4Bは、均一ネマティックLC層(80)でのLC分子(83)の平均的配向の概略図である。LC分子の異方性の性質のために、放射線のTE偏光成分とTM偏光成分の間の位相散逸が観測される。静止条件(V<Vth)において、分子平均的配向は、均一でその表面に平行であり、十分高い外部電界を受けた時(V>Vth)、LC分子(83)は、電界に沿って整列する傾向がある。
図4Cは、図4Bに説明したLC層(80)の全位相差(LC平均的配向方向に対する放射線の通常偏光方向と異常偏光方向の間の位相散逸)の印加電圧の関数としての挙動の概略図である。十分低い電圧(V<Vth)に対しては、光学異方性のために、LC分子の全位相散逸は、固定されて、全LC層(80)厚み及びLC分子(83)の平均的配向によって定まる。十分高い電圧に対しては(V>Vth)、位相差は、ゼロになる傾向にあり、かつ関係式(4)によって定められる。
LC層(80)の特性を知れば、誘起される位相散逸δを次の関係式によって正確に判断することができる。
Figure 2010509606
式中、no及びneは、LC層の通常屈折率及び異常屈折率であり、θ(z)は、LC層(80)に沿ったLC分子(83)の平均的配向である。
この実施例において、本発明者は、固定波長及びある一定の範囲の入射角を用いて、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間の放射線経路内に置かれたLC層(80)を有するSPRセンサ(10)を考察した。SPRセンサ(10)は、入射角の関数としての放射線強度の検出を可能にし、LC層(80)は、光学的又は電気的手段による放射線偏光のTM成分とTE成分の間の光位相差の調節を可能にするような方法で構築かつ配置される。
図5Aは、本発明のこの第2の実施形態による格子結合構成でのSPR検出デバイスの概略図である。放射線エミッタ(20)は、LC層(80)を通過する光ビームを照射し、このLC層は、その静止条件で、ΔnをLCの複屈折率、DをLC層(80)の全厚みとしたδ=Δn*Dで与えられる、放射線偏光のTM成分とTE成分の間の位相変動を示している。LC層(80)は、LCコントローラ(84)に接続され、このコントローラは、LC層(80)に印加される電圧の制御を可能にする。印加電圧の振幅は、DS(42)に入射する放射線偏光のTM成分とTE成分の間の位相差の微調整を可能にする。DS(42)からの光信号は、偏光子(31)を通過して放射線検出器(30)に到達する。放射線検出器(30)での光信号の解析は、DS(42)の近傍の検体濃度の定量測定を可能にする。
この場合には、DS(42)に入射する放射線は、両方が非ゼロである偏光成分(TM及びTE)を含むことが有利であると考えられる。TE成分は、放射線強度又は位相に関しては入射角と関係なく変化せず(フレネル関係式によって表現され、屈折率及び減衰係数から得られる古典的変化を除いて(参考文献7を参照されたい))、入射角と基板及び流体の屈折率とに依存するのみである。これに対して、TM偏光成分は、SPR効果に基づいて特定の入射角で鋭く変化する。例えば、放射線のTM偏光成分の位相は、10°よりも小さい入射角の範囲で通常180°を超える急激な遷移を示している。
図5Bは、図5Aに説明したデバイスの検出表面に対してDS(42)への入射角の関数とした放射線位相散逸の変化の概略図である。DS(42)からのTE偏光成分の位相φ_TEは、顕著な変化を示さない。TM偏光成分の位相φ_TMは、SPR効果が発生する特定の入射角に接近して鋭く変化する。最初は、TE偏光成分とTM偏光成分の間の全位相差は通常大きい。印加電圧の関数として付加的な位相差φ_LCを誘起するLC層(80)を使用することにより、SPRが発生する入射角で位相差をゼロとするために、DS(42)に入射する放射線(101)の2つのTE偏光成分とTM偏光成分の間の位相差を適切に調節することができる。
検出偏光子(31)は、入射放射線(102)の偏光方向に対して垂直方向にDS(42)と放射線検出器(30)の間に置かれる。すなわち、2つの偏光成分の間の位相散逸がゼロの時、検出偏光子の後での光の全消光が観測され、それに対して検出偏光子(31)の後での最大の放射線強度は、90°の位相散逸(4分の1波長)に対して観測される。この事実は、直線偏光子(31)によって生じる効果に由来し、それは、この偏光子を通過する放射線の強度が次の関係式(5)に従うことによる。
Figure 2010509606
式中、I0は、偏光子に入射する放射線の強度であり、αは、入射放射線(102)の直線偏光と偏光子の主方向との間の角度である。
TM成分の相対位相での鋭い変化のために、ヌル又は180°位相散逸に対応する2つの入射角に対する2つの消光を観測することができる。図5Cによれば、これらの2つの放射線消光の間に90°の位相散逸に対応する放射線強度の極大値が存在する。
図5Cは、従来型SPR検出デバイスに対する放射線検出器によって検出されたSPR信号(点線)と、検出偏光子(31)がSPR角にほぼ平行に置かれている図5Aに説明したデバイスに対する信号(実線)との概略図である。DS(42)から発する放射線のTM成分相対位相の鋭い変化のために、検出偏光子(31)を通過した後にこの信号は鋭い遷移を示している。その間に極大値を有する角距離Wの離間した放射線強度の2つの最小値が観測される。最小強度の角度は、検出偏光子(31)の主方向に垂直な直線偏光に対応する。距離Wは、SPR効果が発生する入射角に対して位相散逸(Δφ=φ_TE+φ_LC−φ_TM)がヌルになる時に最小にされることが見出されている。
放射線偏光のTM成分とTE成分の間の位相差を変化させる目的でLC層(80)に電圧を印加することにより、2つの消光の角度位置を調節することができる。これらの消光の間の角距離Wは、SPR効果が発生する入射角から離れると増大し、それに接近すると減少する。従って、この角距離を最小にするためにLC層(80)への印加電圧を制御することができ、このようにしてSPR効果が発生する角度に対応する最小角距離を判断することができる。
本発明を用いれば、入射放射線の位相差変化と、SPRが発生する角度も同時に測定することができる。LC分子(83)の平均的配向は印加電圧に依存するので、LC層(80)によって誘起される全位相散逸の適切な制御は実現可能である。これらの2つの効果(LC層によって誘起される位相散逸及び検出偏光子によって誘起される効果)を組み合わせることにより、従来型SPRセンサと比較して極めて良好なコントラストを有するSPR信号を取得することができる。
この第2の実施形態の結果は、従来型SPRセンサにおいては、固定4分の1波長要素、又はDS(42)に入射する放射線のTM偏光成分とTE偏光成分の間の固定位相散逸を導入すると考えられる別の要素を用いてのみ達成されると考えられるが、それにも関わらず、両方の偏光成分の間の位相散逸を動的には制御できない。
この実施例は、異なる構成を有するSPRセンサ(10)、すなわち、プリズム構成及び回折結合構成のものに拡張することができる。LC層(80)を制御するために他の手段を用いる時、LC分子(83)の平均的配向を適正に調節することができれば、同じ結果を得ることも可能である。
偏光子(31)が、SPR効果が発生する入射角に対して直線偏光方向に垂直に整列した代替的な構成を使用することも可能である。この場合には、図5Cに示されているものと類似であるが、角距離Wの離間した2つの極大を伴ってSPR効果の発生する入射角に最小値を有する信号が観測される。
1つの他の代替的構成は、入射角の変化の方向に垂直な方向での位相散逸φ_LCの勾配を備えたLC層(80)を有することにある。この場合には、放射線検出器(30)によって得られた光信号は2次元であり、各ラインが図5Cに説明したのと同じ挙動を示している。
図5Dは、図5Aに記載した検出デバイスに対する放射線位相差の関数としてのSPR光信号の強度の最小値に対する角度の変化の概略図であり、LC層(80)は、入射角の変化に垂直な方向に位相差を誘起する。この場合には、検出は、図5Cに説明したのと類似の挙動が各ラインに観測されるマトリックス型の2次元放射線検出器(30)を用いて行われる。位相散逸の漸次的変化は、放射線強度の2つの極小の間の最小距離Wに対応するラインのリアルタイムでの判断を可能にする。
上述の他の構成とは逆に、LC層(80)に印加される電圧の適正な調節を信号取得の間に適用することができるので、本方法が採用される時に、当業者はいくつかの利点を見出すことができる。
全ての以前の構成は、放射線エミッタ(20)とDS(42)の間に配置されたLC層(80)を考慮している。これは、それが平行放射線ビームの使用及びLC層(80)の後に集束要素を配置することを可能にするので、その簡素性のために好ましいと通常考えられている。
図6は、本発明によるSPR検出デバイスのための放射線放出の光学サブシステムの概略図であり、コリメータレンズ(22)が放射線エミッタ(20)の後に使用され、エミッタ偏光子(23)が、平行放射線経路内のこのレンズとLC層(80)の間に配置される。エミッタ偏光子(23)は、入射放射線ビームの直線偏光を最適化するのに使用される。LC層(80)を通過した後に、放射線は、集束レンズ(24)によってDS(42)上に集束される。
図6に説明した構成は、エミッタサブシステムの可能な構成のうちの1つであるが、他の可能な組合せも、上述のものと同じ効果を得るために使用することができる。例えば、放射要素(21)としてレーザを使用する時、レーザは、通常は偏光を放射するので、エミッタ偏光子(23)を除去することができるであろう。データ処理が、偏光子(23)及びLC層(80)への変動入射角の影響を考慮している時は、コリメータレンズ(22)も除去することができる。コリメータレンズの除去は、付加的なノイズをもたらす場合があるが、当業者は、信号処理アルゴリズムにこの最後の影響を適正に考慮に入れることができる。
LC層(80)がDS(42)と放射線検出器(30)の間の光路内に置かれる代替の構成を考慮することも可能である。この後者の場合には、ここでもまた、LC層(80)及び検出偏光子(31)への変動入射角の影響が存在することになり、そのためにこの影響を適正に考慮すべきである。
従来型SPR検出デバイスは、固定した入射角度範囲でDS(42)に入射する放射線ビームを通常用いる。この事実は、SPR検出デバイスの感度及び検出範囲に関する制限因子ともなる場合がある。そこで、DS(42)に入射する放射線の入射角の範囲に影響を与えることにより、容易な手段で感度限界及び/又は検出範囲を制御する可能性を有するSPR検出デバイスの使用に関心が寄せられるであろう。
本発明の第3の実施形態は、DS(42)に入射する放射線ビームの入射角を適正に調節するためのLCコントローラ(84)によって制御され、放射線エミッタ(20)とDS(42)の間に配置された2つのLC層(85)及び(86)の使用にある。LC層は、局所屈折率変化の効果により、すなわち、外部印加電圧の関数として、レンズのように挙動することができる(参考文献8を参照されたい)。
図7Aは、図4Bに説明したLC層(80)の印加電圧の関数としての生じた屈折率の概略図である。LC層(80)の平均屈折率は、低い印加電圧(V<V_TH)に対する通常屈折率noと十分高い印加電圧に対する異常屈折率neとの間で変化する。
図7Bは、光学レンズのように挙動するLC層の概略図である。静止条件において(V<V_TH)、LC分子(83)の平均的配向は均一であり、上部及び下部LC基板に対して平行である。十分に高い電圧に対して、LC分子は、電界に沿って整列する傾向にあり、従って、空間パターンを示している。固定印加電圧に対して、LC層(80)の中央部では、そのより外側の領域と比較した時に印加電圧に関するその分子のより高度のアラインメントを示すLC層(80)を形成することができる。LC分子(83)の平均的配向の漸次的変化は、LC層(80)の平均屈折率の空間パターンを生じさせ、そのためにこの層は、光学レンズのように挙動する。
図7Cは、図7Bに示すLC層(80)の印加電圧の関数としての同等焦点距離の概略図である。印加電圧が高まると、LC層(80)の同等焦点距離は短くなる。ある限度内では、同等焦点距離は、印加電圧との線形従属性を示している。
この効果を利用して光学レンズとしてのLC層の使用を可能にするいくつかの可能な構成がある(参考文献8及び9を参照されたい)。SPRセンサ(10)特性を考慮すれば、DS(42)に入射する放射線に対して一定で固定された焦点距離を有することが有利であると考えられる。2つの薄いレンズの結合の合成焦点距離は、関係式(6)によって与えられる。
Figure 2010509606
式中、dは、2つのレンズの間の距離であり、f1及びf2は、それぞれ、レンズ1及びレンズ2の焦点距離である(参考文献7を参照されたい)。入射角の全範囲は、Δαによって定められる。
図7Dは、本発明によるSPR検出デバイスのための放射線放出の光学サブシステムの概略図であり、それを一定の焦点距離を有する可変増幅の集束レンズのように作動させるために、2つのLC層(85)及び(86)が使用されることを特徴とする。放射線エミッタ(20)は、同等焦点距離f1を特徴とする第1のLC層(85)に平行放射線ビームを照射する。第1のLC層(85)から距離dに置かれた第2のLC層(86)は、焦点距離f2を特徴とする。これらの2つのLC層の群は、LC層(85)及び(86)に印加される電圧を単に調節することにより、それが一定の焦点距離f及び制御可能な入射角の範囲Δθを示すような方法で構築かつ配置される。
LC層(85)及び(86)の群は、一定の同等焦点距離fを有し、かつ関係式(6)に従う。入射角の全範囲Δθは、LC層(85)及び(86)に対する印加電圧によって制御可能であり、関係式(7)に従う。
Figure 2010509606
この関係式(7)は、LC層(85)及び(86)が、距離dよりも非常に薄い時にのみ有効である。通常のLC層は、1μmから100μmの厚みを有し、dは、通常1mmから10mmであるので、この関係式は、標準的な場合である。この距離がLC層厚みと同程度である時も、入射角の範囲Δθに対する厳密な関係を判断することができるが、この後者の場合には、一定焦点距離の条件を維持することが困難である。
LC層の同等集束レンズの制御は、1KHzから100KHzの標準的な信号周波数及び0Vから50Vの電圧振幅を有する外部電圧を印加することによって得ることができる。LC層の有効屈折率は、いくつかのパラメータ、すなわち、とりわけ、LC層の構造と、その厚みと、LC分子の弾性定数、光学定数、及び誘電率の間の関係と、LC分子とLC基板の間の固定強度とに依存して印加電圧によって変えることができる。簡易化された手法において、かつある一定の限界内で、印加電圧を変化させる時のLC層の同等焦点距離の線形従属性を観測することができる。
例えば、印加電圧に依存してその同等焦点距離を1mmから10mmに直線的に各々変化させるような方法で構築された2つのLC層(85)及び(86)を考察する。例えば、10Vの印加電圧を有することが10mmの同等焦点距離を生じさせ、20Vは、1mmの焦点距離をもたらす。この2つのLC層は、10mmの間隔で配置され、平行放射線ビームは、第1のLC層(85)に到達する時に5mmの直径を有する。この実施例において、DS(42)に入射する放射線は、20mmの全焦点距離を有することになる。ここで、この全焦点距離を20mmに維持し、式(6)及び式(7)により、入射角の全範囲Δθは、48°(V1=20.000V及びV2=14.215Vで)から1.8°(V1=12.222V及びV2=19.091Vで)まで変化させることができる。
本発明のこの実施例の実際の使用は、一定の焦点距離を有する可変増幅レンズのように挙動するLC層の群によって生じる光学収差及び歪の判断及び制御における特別な注意を当業者に要求する場合がある。この判断及び制御は、SPR効果に基づく検出に付随するノイズを最小にするために、精度を持って得ることができる(参考文献10を参照されたい)。
本発明のこの第3の実施形態は、SPRに基づく検出デバイスの他の構成、すなわち、プリズム構成又は格子結合構成の場合に拡張することができる。印加電圧振幅が一定に保たれて信号周波数のみが変化するLC層(85)及び(86)のLC分子(83)の平均的配向を制御するための他の手段を有利に考えることができる。この場合には、当業者は、LC分子(83)応答が信号周波数に強く依存する適切な周波数範囲を選択することができる。
この実施形態の別の代替の構成は、DS(42)と放射線検出器(30)の間の光路内部に配置された2つのLC層(85)及び(86)の使用にある。この最後の構成は、高い光学品質を有する全ての要素が放射線エミッタ(20)の近くに配置され、そのためにDS(42)でのSPR効果が最適化されるので有利と考えることができる。この後者の場合には、第1のLC層(85)の前に平行ビームを有するように、DS(42)とLC層(85)及び(86)との間に配置された付加的な検出レンズ(32)の使用を含むことができる。
図8は、2つのLC層の群が、放射線信号の増幅を制御するために検出表面(42)と放射線検出器(30)の間に配置された本発明による検出デバイスの概略図である。入射放射線(101)は、DS(42)で反射され、反射放射線(102)は、検出レンズ(32)を透過し、次に、LC層(85)及び(86)を通過し、放射線検出器(30)に到達する。LC層(85)及び(86)は、LCコントローラ(84)によって制御される。LC層(85)及び(86)に対する印加電圧を適切に調節することにより、反射放射線(102)の発散角度を制御することができる。この制御は、SPRセンサ(10)の検出範囲及び感度限界の調節を可能にする。
この場合には、LC層(85)及び(86)の群は、SPR効果が発生する角度の周囲の光信号増幅の制御を可能にする。例えば、SPR光信号の最小許容コントラストを判断することができ、SN比をある程度一定に保って検出デバイスの分解能を最大にするために、次に、LC層(85)及び(86)の増幅が漸次的に調節される。
これらの実施例は、従来型SPR検出デバイスと比較してより良好な性能による化学的及び/又は生物学的イベントの検出を可能にするLC層を用いるSPRセンサ(10)を構築かつ使用するための本発明の一部の異なる可能な実施形態を明らかにするものである。
略語のまとめ
SPRセンサ10
放射線エミッタ20
放射要素21
コリメータレンズ22
エミッタ偏光子23
集束レンズ24
放射線検出器30
検出偏光子31
検出レンズ32
流体チャンネル40
検出区域(DZ)41
検出表面(DS)42
チャンネル43
基板44
液晶(LC)層80
下部LC基板81
上部LC基板82
LC分子83
LCコントローラ84
第1のLCレンズ層85
第2のLCレンズ層86
プリズム90
入射放射線101
出射放射線102
20 放射線エミッタ
30 放射線検出器
41 検出区域
42 検出表面
43 チャンネル

Claims (20)

  1. (i)放射線エミッタ(20)及び放射線検出器(30)と、
    (ii)流体基板(40)と、
    (iii)液晶層(80)と、
    を含む「表面プラズモン共鳴」効果に基づく動的検出デバイスであって、
    a)流体基板(40)が、放射線エミッタ(20)と放射線検出器(30)の間に配置され、かつチャンネル(43)と、検出表面(42)が表面プラズモン共鳴効果の発生をそれが可能にする方法で構築された少なくとも1つの検出区域(41)とを収容し、
    b)液晶層(80)が、前記放射線エミッタ(20)と前記放射線検出器(30)の間に配置され、かつ前記DS(42)上への入射放射線(101)又は該検出表面からの出射放射線(102)の異なる変更を生じさせる目的で配向の少なくとも2つの状態を示すことができ、
    c)前記放射線の特性を動的に調節して表面プラズモン共鳴信号の検出を最適化するために液晶層(80)の液晶分子(83)の平均的配向を制御する手段を含み、
    d)前記検出区域(41)の前記検出表面(42)の近傍に発生する前記SPR効果を通じて該検出区域(41)の該検出表面(42)の近傍の化学的及び/又は生物学的イベントの判断を可能にし、かつ前記液晶層(80)の前記制御を通じて前記放射線特性(101又は102)の前記変更を可能にする、
    ことを特徴とするデバイス。
  2. (i)前記検出区域(41)における導電層が、前記入射放射線(101)に対する回折格子をその表面に形成し、
    (ii)液晶層(80)が、外部印加場により前記放出放射線の偏光方向の均一な回転を可能にし、
    (iii)前記外部印加場の制御が、前記検出表面(42)上への前記入射放射線(101)又は前記出射放射線(102)の放射線偏光方向の全回転の調節を可能にする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出デバイス。
  3. (i)前記放射線エミッタ(20)によって放出された前記放射線は、前記検出表面(42)の表面平面に平行及び垂直な偏光成分を意味する両方の偏光成分を含み、
    (ii)液晶層(80)が、外部印加場により前記放出放射線の偏光方向の均一な回転を可能にし、
    (iii)前記外部印加場の制御が、前記検出表面(42)上への前記入射放射線(101)又は前記出射放射線(102)の放射線偏光方向の全回転の調節を可能にする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出デバイス。
  4. 前記検出区域(41)の前記検出表面(42)の近傍に発生する前記表面プラズモン共鳴効果を通して化学的及び/又は生物学的イベントの前記判断を可能にし、
    LC層(80)の制御によって前記検出表面(42)上に到達する前記入射放射線(101)の位相散逸の調節を可能にする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出デバイス。
  5. (i)偏光子(23)が、該偏光子(23)の主軸に垂直な偏光を有する前記検出表面(42)から来る放射線成分を除去するために該検出表面(42)と前記放射線検出器(30)の間に配置され、
    (ii)放射線検出器(30)が、入射角の関数としての前記偏光子(23)から来る放射線の強度の判断を可能にし、
    (iii)前記放射線検出器(30)上で観測された信号が、表面プラズモン共鳴の特定の角度付近の放射線位相に対する鋭い変化によって該表面プラズモン共鳴が発生する該角度を測定することを可能にする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の検出デバイス。
  6. (i)前記放射線検出器(30)は、2次元センサを含み、
    (ii)前記放射線エミッタ(20)、検出表面(42)、液晶層(80)、及び放射線検出器(30)の幾何学的構成が、該放射線検出器(30)センサの第1の軸に沿った該検出表面(42)上への前記入射放射線(101)の入射角の制御及び調節を可能にし、
    (iii)前記液晶層(80)は、前記放射線検出器(30)センサの第2の軸に沿って前記位相散逸を有するように位置決めされた放射線の前記平行及び垂直偏光成分の間の該位相散逸の連続的な制御及び調節を可能にし、
    (iv)前記放射線検出器(30)で観測された前記信号の解析が、表面プラズモン共鳴の入射角度付近の放射線位相に対する鋭い変化によって前記表面プラズモン共鳴効果が発生する該角度の判断を可能にする、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の検出デバイス。
  7. 前記検出区域(41)の前記検出表面(42)の近傍に発生する前記表面プラズモン共鳴効果を通して化学的及び/又は生物学的イベントの前記判断を可能にし、
    LC層(80)の制御によって前記検出表面(42)上の前記入射放射線(101)の増幅の調節を可能にする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出デバイス。
  8. 収束又は発散レンズのように挙動する液晶層(80)を有し、外部印加場によって該液晶層(80)の同等焦点距離の制御及び調節を可能にすることを特徴とする請求項7に記載の検出デバイス。
  9. 以下の機構:
    (i)液晶層(80)の厚みの漸次的かつ均一な変化、
    (ii)液晶層(80)の境界部の近くの前記液晶分子(83)の前記配向に対する漸次的かつ均一な変化、
    (iii)液晶層(80)の前記境界部の近くの前記液晶分子(83)の固定強度の漸次的かつ均一な変化、
    の1つを通して収束又は発散レンズのように挙動する液晶層(80)を有することを特徴とする請求項7に記載の検出デバイス。
  10. プリズム構成に基づいていることを特徴とする請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  11. 格子結合構成に基づいていることを特徴とする請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  12. 導波路構成に基づいていることを特徴とする請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  13. 前記液晶層(80)は、液晶層基板に沿った前記液晶分子(83)の平均的配向の漸次的回転を静止条件で示すような方法で構築され、
    外部印加場を受けた時に前記液晶層(80)に沿った前記液晶分子(83)の前記平均的配向の漸次的配向を示し、このようにして液晶分子(83)の全回転を低減する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  14. 前記液晶層(80)は、液晶層基板に沿った前記液晶分子(83)の均一な平均的配向を静止条件で示し、かつ外部印加場を受けた時に前記液晶層(80)に沿った前記液晶分子(83)の前記平均的配向の漸次的配向を示すような方法で構築されることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  15. 前記放射線検出器(30)は、前記入射角の関数としての放射線の強度の判断を可能にすることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  16. 前記放射線検出器(30)は、前記放射線エミッタ(20)によって放出された放射線波長の関数としての放射線の強度の判断を可能にすることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  17. 前記液晶層(80)は、前記放射線エミッタ(20)と前記検出表面(42)の間に配置されることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  18. 前記液晶層(80)は、前記検出表面(42)と前記放射線検出器(30)の間に配置されることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  19. 前記液晶層(80)に印加される外部場が、該液晶層を制御する外部電界であり、該液晶層は、その境界部の各々に導体及び透明電極を収容し、又は該液晶層(80)の1つの境界部の平面に2つの電極を収容することを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の検出デバイス。
  20. 前記液晶層(80)は、該液晶層(80)の近傍に配置された1つ又はそれよりも多くのコイルによって印加された外部磁場によって制御されることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の検出デバイス。
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