JP2010507425A - レーザ発光素子用チップ部材 - Google Patents

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Abstract

レーザポレーター(10)に取り外し可能に接続されるように構成される第1部分(8r)と、そして開口(8x)を画定し、かつ組織(1)のうち、レーザ治療が施される部分(1a)を少なくとも変形させるように構成される組織付勢要素(8a)を含む第2部分(8h)と、を備えるチップ(8)。

Description

本発明は、レーザポレーターに取り外し可能に接続されて、生体組織、特に皮膚の穿孔を容易にするように構成されるチップに関するものである。
国際公開WO 03/047449 A1号明細書には、レーザポレーターに取り外し可能に接続されるように構成されるチップが開示されている。このチップの目的は、レーザポレーターを残渣から保護することにある。残渣は、レーザポレーターがレーザパルスを皮膚に照射するときに発生し得る。レーザポレーターだけでなく、開示されるチップの不具合は、これらの要素が、単一のアブレーション領域を皮膚に形成する機能を備えるシングルショットレーザシステムまたはシングルパルスレーザシステムにしか適していないことである。従って、複数の孔を、レーザポレーターを1回適用するだけで形成するということができない。更に、形成される孔の形状を再現することもできない。
非常に多くの疾患及び症状では、皮膚が直接的に、または間接的に関わっており、そして疾患及び症状のほとんどは、外因性の刺激に対する免疫反応に関連するか、または免疫反応によって生じる。免疫反応は普通、ほとんどの症例において望ましい(例えば、感染症を防止するために)が、自己免疫反応または同種免疫反応は通常、有害である(例えば、皮膚移植において)。多くの皮膚疾患及び症状の治療は多くの場合、病原体または刺激(例えば、怪我または感染)に対して局部的に、かつ局所的に行なわれる。しかしながら、他の種々の皮膚疾患及び症状は、外観的に広範囲に広がり、そして局所因子または刺激(例えば、アレルギー誘発物質、放射線などに曝される)による結果として現われ、更に或る場合には、重篤な全身症状(例えば、組織不適合性)とさえなる恐れがある。
局所的治療は比較的簡単かつ効果的に行なわれることが多いが、比較的広い領域に現われるか、または全身的要素を有する疾患及び症状の治療は、極めて一層困難になる。概念的には、次の選択肢を利用することができる。
まず、薬剤を比較的広い領域に塗る(例えば、局所軟膏を塗る)ことができるが、所望の効能は、皮膚が500ダルトンを超える分子量を有するほとんどの化合物の浸透を阻止するので、得られない場合が多い。薬剤が比較的小さい分子である場合でも、親水性薬剤は通常、効果的に行き渡るということがない。化学的アプローチ(例えば、リポソーム担体及び他の脂肪親和性担体にカプセル化することによるマイクロ/ナノベシクル投与、アゾン、アルファヒドロキシ酸のような浸透促進剤など)及び機械的アプローチ(テープ剥離による角質層の部分剥離、皮膚剥離など)を含む幾つかの方法が開発されて、これらの問題のうちの少なくとも幾つかの問題を回避している。残念なことに、ほとんどの機械的アプローチは、広い領域を治療することになる場合に問題になるか、または実用的ではなく、そして多くの化学的アプローチは、常に良好に許容される訳ではないか、または多くの化学的アプローチでは、調剤が難しい。更に、局所的に投与される用量は多くの場合、所望の効能を得るために十分に増量されるということがない。
幾つかの試みが、高用量の薬剤の経皮投与を、患者の皮膚から出血を伴うことがないように穿孔するレーザを用いて改善するために成されてもいる。このような穿孔は通常、角質層または角質層及び表皮の両方を貫通する。これにより、皮膚を通しての薬剤投与が可能になる。欧州特許第1133953 A1号明細書に記載されているようなレーザの一つの例では、幅が最大で0.5mmであり、かつ長さが最大で2.5mmである一つのスリット状の穿孔が形成されている。残念なことに、このような穿孔を通しての薬剤注入速度は遅い。この穿孔は更に、不所望の皮膚反応を誘発し、そして皮膚の穿孔によって疼痛を伴なう場合が多い。穿孔すると、引き続き薬剤を塗って孔埋めする必要がある。しかしながら、薬剤をこのように塗ると、多くの場合、薬剤用量が一定にならず、用法が不便になり、そして或る場合には感染を招くことさえある。
従って、薬剤を皮膚に注入する非常に多くの方法、または薬剤を皮膚を通してヒトの体の血液循環系に注入する方法がこの技術分野において公知になっているが、これらの方法の全て、またはほとんど全てが、一つ以上の不具合を示す。更に、薬剤を生体組織を通して、特に皮膚を通して注入する非常に多くの方法がこの技術分野において公知になっているが、これらの方法の全て、またはほとんど全てが、一つ以上の不具合を示す。従って、皮膚関連症状を治療し、そして種々の疾患及び症状を治療するための、皮膚、生体組織、及びヒトの体への薬剤投与を改善した改良型装置、組成、及び方法が依然として必要になる。
発明者らは遂に、薬剤を生体組織に、特に皮膚領域に、比較的高い濃度で、特に所定の幾何学構造を持つ複数の微細孔を形成することにより安全かつ効果的に注入することができることを見出した。更に好ましくは、これらの孔は、流路を皮膚の角質層に形成して表皮への、更に好ましくは表皮及び真皮への薬剤の送達を可能にするために十分な深さを持つことになる。
本発明の目的は、レーザ発光素子によって形成される複数の微細孔の品質を向上させることにある。
この問題は、レーザポレーターに取り外し可能に接続されるように構成され、かつ請求項1記載の特徴を備えるチップにより解決される。請求項2乃至22には、更に別の有利なチップが開示される。当該問題はまた、請求項23記載の特徴を備えるレーザポレーターにより解決される。請求項24乃至28には、更に別の有利なレーザポレーターが開示される。当該問題はまた、レーザ発光素子及びチップを備え、かつ請求項29記載の特徴を備えるキットにより解決される。
当該問題は詳細には、レーザポレーターに取り外し可能に接続されるように構成される第1部分と、そして例えば、皮膚のような組織のうち、チップの開口部の内部に位置し、かつレーザ治療が施される部分を少なくとも変形させるように構成される組織付勢要素を含む第2部分と、を備えるチップにより解決される。
本発明によるチップの一つの利点は、当該チップによって、再現可能な照射強度が組織の上で保証されることである。最先端として知られるチップは、圧力を、組織の上に載置される装置及びチップに加える場合に、皮膚に作用して、皮膚をレーザ光源の方向に上に反らせるので、組織に衝突するレーザビームの強度が変化してしまう。これにより、再現不能な孔が生じるが、例えばこれは、レーザの集束範囲が組織が位置する領域に含まれないので、幾つかの孔が形成されない、そして/または幾つかの孔が再現可能ではない形状を持つように形成されるという現象が発生するからである。この現象は、本発明によるチップによって回避される。
レーザポレーターとも呼ばれるレーザ発光素子はチップ、好ましくは使い捨てチップを備え、このチップを通って、レーザビームが、例えば皮膚のような生体組織に放出される。本発明によるチップは組織付勢要素を含み、組織付勢要素は、チップに接触すると、治療対象の組織を押して所定の幾何学構造にするので、組織付勢要素の下の組織は明確な幾何学構造を持つようになる。
最も典型的には、所定の幾何学構造によって、ビームを皮膚の上に誘導するレーザミラーと、治療されることになる皮膚との間の平均距離がほぼ同じになる状態が確保される。別の観点から眺めると、組織付勢要素で皮膚を変形させることにより、治療されることになる皮膚がレーザビームの集束点に、治療されることになる領域全体を通じて位置するようになる。従って、皮膚または他の生体組織は、衝突するレーザビームに対して所定の位置に位置することになる。このような組織付勢によって、既知の、そして/または均一なパラメータを持つレーザビームを生体組織に一貫した条件で当てることができる。
最も好ましくは、ほとんどの微細孔の寸法は、これらの孔によって、薬剤をヒトの体内に投与することができるように決定される。出血を回避するために、微細孔は、これらの孔が(毛細)血管と交差することがないように配置される。更に別の微細孔幾何学構造に関して、本発明の主題事項による微細孔の側壁は必ずしも真っ直ぐである必要はないことを理解されたい。実際、微細孔の壁の幾何学構造は、薬剤送達に重要となる少なくとも2つの要素に大きく影響することになることを特に理解されたい。とりわけ、内側表面全体は、孔直径及び/又は孔深さを大きくすることにより容易に変更することができる。追加される形か、または別の構成として、壁角度を直角(角質層の平均的な表面に対して)からずらすこともでき、従って、孔の内側表面全体が大きくなり、かつ薬剤の送達が可能な領域が増大する。更に大きな増大を、孔の側壁を階段状にすることによりもたらすことができる。次に、微細孔で治癒過程/自然な皮膚再生過程が進むと、微細孔の幾何学構造によって、微細孔側壁に跨って行なわれる薬剤の送達に要する時間が決定されることにもなる。好ましくは、ポレーターによって以下に説明されるように形成される微細孔によって、光アブレーション及び/又は孔のサイズが比較的小さいことに起因して起こり得る瘢痕が生じることがない。
レーザポレーターのレーザを、孔が形成されている間にqスイッチモードまたは短パルスモードで、かつレーザ照射によって吹き飛ばし現象が凝固を伴なうことなく生じるようなパルス幅及びエネルギーで作動させることが極めて好ましい。従って、光アブレーション及び/又は光切断が特に好ましい。このような照射によって通常、組織が、熱損傷の発生が無視できる程度に蒸発することになる。例えば、照射強度の適切な範囲は、少なくとも10W/cm、更に好ましくは少なくとも10W/cm、それよりも更に好ましくは10W/cm〜10W/cm、そして最も好ましくは10W/cm〜1012W/cmであり、この場合、約0.01J/cm〜1000J/cmの、そして更に代表的な値として約0.1J/cm〜100J/cmのエネルギー密度を用いる。その結果、レーザパルス幅/組織照射時間は、1ms未満が好ましく、100μs未満が更に好ましく、100μs〜10nsがそれよりも更に好ましく、そして100μs〜0.1psが最も好ましい。このようなパラメータを実現するためのレーザのサイズ決定及び動作はこの技術分野では深く理解されているので、レーザ及び制御システムの多くは市販されている。その結果、そして別の観点から眺めて、特に適切な動作パラメータが、組織損傷を最小限に抑えることと、所望の効果を最大限にすることとのバランスがとれるように選択されることを理解されたい。
本発明によるチップによって、レーザビームまたはレーザパルスを組織に再現可能に照射する、特に再現可能な強度で照射することができる。これにより、機能性微細孔の形成が可能になる。例えば、更に、図16の左側の孔2に例示的に示されるように、孔の壁Aを、最も代表的には孔の底部3eを少なくとも部分的に凝固させることが望ましい。左側の孔2がまず、皮膚1の中に垂直方向に、qスイッチモードまたは短パルスレーザモードを使用して形成されて、熱損傷を小さくしている。角質層1a,表皮層1b、及び真皮層1cが示されている。好ましくは、レーザを数回、同じ孔2に当てることにより、孔2の下側端3a,3b,3c,3dがレーザパルスを印加するたびに深くなる。次に、形成された孔2の底部3eを、レーザを自由継続モードで使用する(同じレーザを、100〜1000μsのパルス幅で使用する)か、または凝固させるために効果的な波長及びフルエンスの別のレーザを使用して凝固させる。従って、レーザ照射では、孔2が、レーザをスイッチモードで使用して光アブレーション条件及び/又は光切断条件で動作させることにより形成され、そして一つ以上のレーザパルスが非常に長い期間に亘って印加されるプロトコルを用いることもできる。例えば、孔2の底部3e(及び/又は必要に応じて側壁A)を、qスイッチモード以外のモードか、または短パルス「自由継続」モードの同じレーザで、または第2レーザで、または第2波長を持つ同じレーザで、或いは第2波長を持つ第2レーザで照射することにより、少なくとも部分的に凝固させることができる。例えば、孔2の底部3eが密閉される現象に起因して、表皮層1bへの拡散Bは、例えば孔の壁Aを通してしか行なうことができない。これにより、全身循環系への薬剤の注入が皮層内において遅くなる。更に、孔2を部分的にこのように密閉することにより、水平方向の(すなわち、皮膚の表面に平行な)薬剤送達が可能になり、この薬剤送達によって、注入速度を少なくともかなりの期間に亘って遅くすることができる。勿論、そのうちに、凝固した組織が修復され、そして薬剤の注入が速くなる。当業者であれば、凝固を可能にするための適切な照射時間を容易に求めることができ、そして適切なパルス幅を約10μs〜約1000μsの範囲、更に好ましくは約100μs〜約500μsの範囲とすることが一般的に想到される。
本発明の主題事項の更に別の態様では、図16の右側に示すような複数の孔2を、孔の壁Aを凝固させることなく形成することが望ましく、そして孔2を再現可能な形状に形成することが望ましい。右側の孔2によって、皮層内における全身循環系への薬剤の直接的な注入、好ましくは速い注入が可能になる。
従って、同じ領域の微細孔を通しての薬剤の複数個所での塗布を、美容上、かつ生理的に望ましい環境を維持しながら行なうことができる。本明細書において示される適用形態では、隣接する組織の生存性及び構造が維持されるので、考案された方法は、大領域への薬剤の投与にも適する。更に、考案された方法、組成、及び装置を使用することにより、大量の薬剤を患者に注入することができることを特に理解されたい。更に、薬剤注入動力学及び機構を、孔の幾何学構造を制御することにより制御することができるので、薬剤注入を個体に合わせて行なうことにより、患者の異なる皮膚位置だけでなく、種々の患者間で異なる皮膚の種類に合わせることができる。同様に、薬剤注入動力学及び機構を特定の薬剤に合わせて調整することができる(例えば、速効性薬剤をゆっくり注入する、不安定薬剤を速く、かつ大量に注入するなど)。本発明によるチップに適する特に好適なポレーター、例示的な方法、及び構成が、次のシリアル番号が付された出願人の同時係属中の特許出願の中に提供され、これらの特許出願の全てが本明細書において参照により本明細書に組み込まれる。
生体膜を穿孔して孔を形成するマイクロポレーターは、例えば「レーザマイクロポレーター、及びレーザマイクロポレーターを動作させる方法」と題する同じ出願人によるPCT特許出願第PCT/EP2006/061639号明細書に開示されているレーザマイクロポレーターと同じように構成することができる。
生体膜は、例えば「浸透表面を形成する方法」と題する同じ出願人によるPCT特許出願第PCT/EP2005/051703号明細書に開示されている方法に従って穿孔することができる。
生体膜を穿孔するマイクロポレーター、及び一体型浸透剤注入システムは、例えば「生体膜を穿孔するマイクロポレーター、及び一体型浸透剤注入システム」と題する同じ出願人によるPCT特許出願第PCT/EP2005/051702号明細書に開示されているマイクロポレーターと同じように構成することができる。
浸透剤を膜を貫通して注入するシステム、及び浸透剤を注入する方法は、例えば「浸透剤を膜を貫通して注入するシステム、及び浸透剤を注入する方法」と題する同じ出願人によるPCT特許出願第PCT/EP2006/050574号明細書に開示されているシステムと同じように構成することができる。
薬剤を投与する経皮投与システム、及び薬剤を投与する方法は、例えば「経皮投与システム、及び不妊症を治療する方法」と題する同じ出願人によるPCT特許出願第PCT/EP2006/067159号明細書に開示されているシステムと同じように構成することができる。
従って、一つの好適な態様では、発明者らは、皮膚のような生体組織を穿孔して、例えば皮膚関連疾患または障害を治療するチップ及びレーザポレーターを考案し、この場合、穿孔皮膚領域が形成され、かつ当該領域が複数の孔を含む。最も代表的には、当該領域は1cm以上、更に代表的な値として10cm以上、それよりも更に代表的な値として25cm以上、または100cm以上の面積である。孔の個数は大幅に変えることができ、そして適切な個数は、約10〜100,000の範囲の個数を含む。しかしながら、大きな領域を治療する場合には特に、もっと多い個数だけ設ける構成も想到される。従って、1cm当たりの孔の個数は通常、約1〜10、更に代表的な値として10〜100、または100〜1000の範囲で変えることができ、そして非常に稀な場合では、これらの値よりもずっと多い個数の範囲で変えることができる。同様に、皮膚における孔のパターンを変えることもでき、そして等方的な分布が普通は好ましい。しかしながら、解剖学的に、そして/または生理的に推奨される異方的な分布も想到される。例えば、薬剤が比較的ゆっくり拡散する領域(例えば、線維組織、厚い表皮、厚い角質層など)は、多い個数の孔を有することができるのに対し、他の領域は少ない個数の孔を有することができる。同様に、病巣領域では孔を病巣に集中させることができ、そして病巣領域の周辺では、孔の個数を少なくすることができる。同様に、高用量か、または大量の薬剤を必要とする領域は、低用量を必要とする領域よりも高い孔密度を持つことができる。別の好適な態様では、発明者らは、皮膚のような生体組織を穿孔して、例えば大量の薬剤を、例えば1cm未満の小領域の内部に注入するチップ及びレーザポレーターを考案している。
概括すると、複数の孔のうちの少なくとも幾つかの孔が、薬剤によって少なくとも部分的に変わる所定の幾何学構造を有することが好ましい。更に、所定の幾何学構造によって、孔の内側表面積、孔が再び閉じるまでの時間、及び/又は孔の深さ(すなわち、薬剤と接触させる表皮層または真皮層)を制御することが好ましい。従って、薬剤(または、複数の薬剤)が穿孔皮膚領域に注入され、この注入は、1回だけ、繰り返すか、または継続的に(例えば、閉塞が生じている状態では)行なうことができる。非常に多くの別の波長が適すると考えられるが、レーザアブレーションに特に好ましい波長は、少なくとも2500nm、最も好ましくは約2950nmである。
以下の図及び説明は、当業者が本明細書において考案されるチップを作製し、そして使用するための十分な指針となる。
レーザ作動マイクロポレーターに適するチップの例示的な長さ方向断面を示す。 チップの例示的な表面を示す。 例示的なチップの透視図を示す。 (B−B)に沿ったチップの別の実施形態の長さ方向断面を示す。 図4のチップの(A−A)に沿った断面を示す。 (B−B)に沿ったチップの更に別の実施形態の長さ方向断面を示す。 図6のチップの(A−A)に沿った断面を示す。 (B−B)に沿ったチップの更に別の実施形態の長さ方向断面を示す。 図8のチップの(A−A)に沿った断面を示す。 別のチップの長さ方向断面の前方端を示す。 更に別のチップの組織付勢要素8aの正面図を示す。 図11による組織付勢要素8aの透視図を示す。 更に別のチップの組織付勢要素8aの正面図を示す。 更に別のチップの組織付勢要素8aの正面図を示す。 図11の要素の交差部分を詳細に示す。 レーザ穿孔皮膚の2つの孔の模式断面を示す。 レーザポレーターを示す。 マイクロポレーションがアレイ状に施された皮膚の平面図を示す。 マイクロポレーションがアレイ状に行なわれた状態の皮膚の平面図を示す。 チップの更に別の2つの実施形態の長さ方向断面を示す。 チップの更に別の2つの実施形態の長さ方向断面を示す。 組織付勢要素の細部構造を示す。 組織付勢要素の細部構造を示す。 図19によるチップの正面図を示す。 チップが接続された状態のレーザポレーターを示す。 チップが接続された状態の別のレーザポレーターを示す。 矩形チップの上面図を示す。 図26の矩形チップの長さ方向断面を示す。 チップの正面図を示す。 図28によるチップの長さ方向断面を示す。 皮膚に押圧載置される種々のチップの長さ方向断面を示す。 皮膚に押圧載置される種々のチップの長さ方向断面を示す。 皮膚に押圧載置される種々のチップの長さ方向断面を示す。 皮膚に押圧載置される種々のチップの長さ方向断面を示す。 指に押圧載置される種々のチップの長さ方向断面を示す。 能動的に制御される中空部材10iが異なる位置に在る様子を示す。 能動的に制御される中空部材10iが異なる位置に在る様子を示す。 能動的に制御される中空部材10iが異なる位置に在る様子を示す。 能動的に制御される中空部材10iが異なる位置に在る様子を示す。
例を通してのみ、本発明の実施形態が添付の図面を参照しながら説明される。
図1は、レーザポレーター10のレーザハウジング9に接続されるチップ8を示し、チップ8はアブレーション部位の近位に配置される。レーザポレーター10は、レーザビーム4,4aを種々の方向に皮膚または生体組織1に向かって偏向させる少なくとも一つのスイベル搭載偏向ミラー8fを備える。チップ8は、例えばチューブ状部材として配設され、チューブ状部材は、レーザポレーター10に取り外し可能に接続されるように構成される第1部分8rを含み、そして開口8xを画定する第2部分8hを含み、更に組織1のうち、レーザ治療が施される部分1aを少なくとも変形させるように構成される組織付勢要素8aを含む。レーザ発光素子用チップ8は、レーザビーム4用の光路を有し、レーザビーム4はチップ8に第1部分8rの位置で入射し、そしてチップ8から組織付勢要素8aの位置で出射する。開口8xの直径は、10mm〜40mmであることが好ましい。レーザビーム4の直径は、100μm〜1mmであることが好ましく、これは、開口8xの直径よりもずっと短いことを意味するので、レーザポレーター10は、複数の個別孔2を、開口8xによって包囲される組織1の内部に、レーザビーム4,4aを図1に示されるように、開口の大きさに応じて偏向させることにより形成することができる。例えば、図18a及び18bは、皮膚1に形成される孔2の2つの幾何学的配置を示しており、これらの孔の形成は、チップ8を図1に示すように皮膚1の上に載置することにより、そしてレーザポレーター10を作動させて、複数の個別孔を、レーザビームを作動させ、そして偏向ミラー8fで偏向させることにより形成することにより行なわれる。
チップ8は、円筒形壁8n及び保護ガラス8iを有する容器を構成することが好ましい。この容器には、アブレーションされた組織、及びアブレーションによって放出された他の物質が回収される。チップ8は、チップ8をレーザポレーター10のハウジング9に対して容易に取り付け、そして取り外すことができるような形状に形成されることが好ましい。
保護ガラス8iは、レーザビーム4を少なくとも部分的に透過する媒質であり、かつガラス、ポリカーボネート、またはレーザビーム4を少なくとも部分的に透過する別の媒質により作製することができる。保護ガラス8iではなく、例えばF−Thetaレンズのような光路補正素子を配置することができる。光路補正素子は、走査型ミラー8fと連動させて使用することにより、レーザビーム4の同様のパターンが皮膚1に、走査型ミラー8fの偏向に関係なく、かつ組織をレーザ開口の方向に上に反らせる(例えば、足指の爪のように)か、またはレーザ開口を組織に向かって上に反らせるかに関係なく形成されるので有利である。別の実施形態では、光路補正素子だけでなく組織付勢要素8aを含むチップ8を使用することにより、レーザビーム4の所望の形状及び位置を確保して、レーザビームを皮膚1の表面1aに衝突させることができる。
チップ8は組織付勢要素8aを含み、この組織付勢要素8aで、皮膚1のうち、チップ8の開口部の内部に位置する、すなわち開口8x、またはレーザビーム4の光路のそれぞれの内部に位置する部分を付勢して当該部分を、ライン1aで示すように所定形状にする(例えば、下向きに付勢して椀状を形成する)。好ましくは、組織付勢要素8aによって、凹形が、特に偏向ミラー8fのポイントRに曲率中心を有する球形が形成され、ポイントRはレーザビーム4の反射ポイントである。従って、組織付勢要素8aによって、レーザビーム4は、偏向ミラー8fと皮膚1の表面1aとの間の長さにほぼ等しい長さを有することができ、これによって今度は、孔の高度に再現可能な幾何学構造を皮膚内に形成することができる。最も好ましくは、組織付勢要素8aは開口8xまたはレーザビーム4の光路のそれぞれから、例えば図19及び20に示すように突出し、これは、組織付勢要素8aの少なくとも一部分が、レーザビーム4の光路の内部に配置され、従って当該部分に、レーザビーム4が衝突することができることを意味する。一つの好適な実施形態では、レーザポレーター10は、レーザビーム4を作動させ、そして偏向させることにより、レーザビーム4が組織付勢要素8aに衝突することがないが、組織付勢要素8aによって画定される介在空間の組織付勢要素8aを、例えば図5に示されるように通り抜ける。
チップ8は更に、電気コンタクト要素8o,8qを含むことができ、これらの電気コンタクト要素は、ワイヤ8pのような電気導体に電気的に接続される。コンタクト要素8qはレーザ装置9のコンタクト要素9aに接続される。この配置によって、皮膚の種々の生理学的パラメータ(例えば、コンタクト要素8oの間の皮膚1のインピーダンス)の測定が可能になる。最も好ましくは、これらのコンタクトをロック機構において使用することにより、確実にチップ8を皮膚の上に、レーザ光源を作動させる前に正しく位置させることもできる。チップ8は更に、センサを含む、例えば皮膚の湿気、温度、またはpHを測定するセンサを含むことができる。レーザビームが正しく扱われない場合には、レーザビーム4によって損傷を与える可能性があるので、レーザビーム4を、チップ8が皮膚の上に載置されるときにのみ作動させることが重要である。従って、図2及び図3に示すように、使い捨てチップ8は、チップ8を1回しか使用することができないようにする安全機構8sを含むことができる。安全機構8sは、嵌合コンタクトをレーザハウジング8l内に有する2つのコンタクト要素8t,8uと、そして電流を印加した後に蒸発するか、または機械的に破壊されるか、或いは再書き込み可能な電子素子(例えば、マイクロチップ)であるフューズ素子8vと、を含むことができる。穿孔が終了した後、フューズ素子の焼き切りのような変化を安全機構8sに加える。安全機構8sの状態は、レーザポレーター10によって、チップ8を1回しか使用することができないように制御される。レーザポレーターによって、同じチップを2回使用するということができないので、これによって、使用済みチップを2番目の人が再び使用するということができないことが保証される。これにより更に、汚染される可能性があり、かつ1番目の人の組織の穿孔に使用されたチップを2番目の人が使用することができないことが保証される。
図4に示すチップ8の組織付勢要素8aはメッシュであり、メッシュは、金属、金属合金、ポリマー、ガラス、樹脂、及びこれらの材料の全ての合理的な複合材料を含む非常に多くの材料により作製することができる。図5に示す例示的な断面(A−A)から、ワイヤ群または棒状部材群が離間配置されて、レーザビーム4が皮膚表面1aを照射することができる介在空間が残されることが分かる。別の実施形態では、図6に示すチップ8の例示的な組織付勢要素8aは、4つの突出ピン8aを含む。図7に示す断面(A−A)から、4つの突出ピン8aによって介在空間が突出ピン8aの間にだけでなく、中心にも残されることが分かる。別の構成として、図8に示すように、チップ8の組織付勢要素8aは一つの突出ピン8aを含む。例示的な図9に示す断面(A−A)から、突出ピン8aによって2つの介在空間が突出ピン8aと側壁8nとの間に残されることが分かる。
図1〜9のそれぞれの図に示す使い捨てチップ8を、レーザポレーターのハウジングに取り外し可能に接続することは一般的に想到される。最も好ましくは、レーザビーム4を作動させ、そして偏向させて、組織付勢要素8aにレーザビーム4が衝突することがなく、かつ皮膚表面1aにのみ衝突するようにする。別の好適な実施形態では、レーザポレーターはリーダまたは検出器を備えることにより、組織付勢要素8aの形状、構造、及び向きのうちの少なくとも一つを読み取って、または検出して、レーザビーム4を偏向させ、そして作動させて、レーザビームが組織付勢要素8aの介在空間にのみ衝突するようにする。このような装置では、付勢要素は、情報をポレーターに直接的に、または間接的に供給する識別手段(例えば、バーコード、反射素子、電子回路、メモリ)を有することにより、チップ8をポレーターに対して識別することができる。
チップ8は更に、皮膚1を伸張させる一つ以上の要素8w、例えば図10に示す弾性リングを含むことができる。チップ8を皮膚1に押圧すると、弾性リングが皮膚1を半径方向に外に向かって押すので、弾性リングによって取り囲まれる領域の内部の皮膚は伸張する。従って、皮膚の表面が組織付勢要素8aに密着して引っ張られる。組織付勢要素8aは可撓性要素または剛性要素とすることができる。
図11は、部分半球メッシュの形状を有し、かつ弾性材料(例えば、金属ワイヤまたは樹脂成分)を含む、または剛性材料(例えば、金属または樹脂材料)を含む組織付勢要素8aの正面図を示し、そして図12は透視図を示す。組織付勢要素8aは、外側リング8c(要素8bと同じ材料により作製されることが好ましい)に接続される金属ワイヤ8bを含む。必要に応じて、外側リング8cは、円筒形壁8nに取り付けることができる、またはチップ8の一体部分とすることができる。好ましくは、組織付勢要素8aは一定の同じ(例えば、球の、または楕円の)曲率を有する。このような組織付勢要素8aは、図1及び17に示すように、単一の偏向ミラーと組み合わせると特に有利である。更に別の実施形態では、組織付勢要素8aは異なる曲率を有することができる。例えば、図11を参照すると、X方向の曲率をY方向の曲率とは異なるようにすることができ、そして組織付勢要素8aは、例えばY方向におけるよりもX方向において長い曲率半径を有することができる。このような組織付勢要素8aは、例えば2つの個別の偏向ミラーを備えるレーザポレーター10と組み合わせてレーザビーム4を偏向させると特に有利である。このような偏向器配置によって偏向されるレーザビームの集束点は偏向によって変化するので、球形に分布することがない。組織付勢要素8aが異なる曲率を有することにより、例えばこの影響を、組織付勢要素8aが治療対象の組織1を所定の幾何学構造にしてしまうような形状を有するので補正することができ、従ってレーザビーム4が組織1に、当該ビームの集束点で衝突するようになる。
図13は、介在空間を素子の中心に残す例示的な組織付勢要素8aの正面図を示している。図14は、外側リング8cの上に配置される2つのセンサ8dまたは偏向器8dを有する例示的な組織付勢要素8aの正面図を示している(これらのセンサ8dはワイヤ8pを介して電気的に接続することができる)。
更に、種々のタイプのコネクタ(例えば、スナップ式ロックまたはネジ式コネクタ)が、チップ8をハウジング9に接続するために適している。一つの好適な実施形態では、ハウジング9に対するチップ8の位置は、レーザポレーターを皮膚1に載せる前にチェックされる。別の好適な実施形態では、チップ8はインジケータ8gを含み、インジケータ8gによってハウジング9に対するチップ8の位置を検出することができる。インジケータ8gは、組織付勢要素8a上の反射表面とすることができ、インジケータ8gは、図15に示すように、要素8bの交差部分8eの上に配置することができる。インジケータ8gの向きは、レーザポレーター10のセンサ11bで検出するか、またはセンサと組み合わせたレーザビーム4で検出することができる。インジケータ8gは反射領域とすることができる。更に別の好適な実施形態では、インジケータ8gは、インジケータ8gの特性がチップ8を使用するときに変更される構成の安全機構8sとして使用することができる。例えば、レーザビーム4をインジケータ8gに、皮膚を穿孔した後に誘導して、インジケータ8gを形成する小さい反射層を変化させるか、または破壊することができる。皮膚の穿孔を開始する前に、レーザポレーターのコントローラは、レーザビーム4または別のセンサを使用することにより、インジケータ8gの状態をチェックすることができ、そしてインジケータ8gの特性によって変わる形で、穿孔を可能にするか、または不能にすることができる。
図17は、Qスイッチレーザ光源または短パルスレーザ光源7と、そしてレーザビーム整形及び誘導装置17と、を備えるレーザマイクロポレーター10を示している。レーザ光源7は、レーザ活性材料7bを光励起する光源7cと、そして一連の反射ミラー7d,7eと、を有する。レーザ光源7は、レーザ結晶7b、好ましくはEr(エルビウム)、及び任意であるが、Pr(プラセオジム)を追加ドープしたYAGを収容するレーザキャビティ7aを備え、レーザ結晶は励起子7cによって励起され、励起子7cはシングルエミッタレーザダイオード、またはエミッタバーまたはエミッタバー積層体のような一連のシングルエミッタレーザダイオードアレイである。レーザ光源7は更に、レーザ結晶7bの後方に位置する高反射率ミラー7d、及びレーザ結晶7bの前方に位置する出力結合ミラー7eと、そしてレーザ結晶の後方に位置する飽和吸収体7fと、により構成される光共振器を備える。飽和吸収体7fはQスイッチとして動作する。集束レンズ17a及び発散レンズ17bを出力結合ミラー7eの後ろに配置して、平行または疑似平行レーザビーム4、或いは集束レーザビーム4を生成する。レンズ17a,17bではなく、マイクロポレーター10は、異なる光学手段17a,17bを備えることができ、これらの光学手段は、例えばレーザビーム4を皮膚1の表面に集束させる。発散レンズ17bはモータ17cによって指示方向に移動させることができる。これにより、レーザビーム4を広げるか、または狭めることができ、これによって、レーザビーム4の幅、及びレーザビーム4のエネルギーフルエンスを変化させることができる。モータ17eによって駆動される可変吸収体17dは、発散レンズ17bを超える位置に配置して、レーザビーム4のエネルギーフルエンスを変化させる。x−y駆動部8gによって駆動される偏向器8f、すなわちミラーは、吸収体17dを超える位置に配置して、レーザビーム4を種々の方向に誘導することにより、個別孔2を皮膚1の異なる位置に形成する。制御装置11はワイヤ11aによってレーザ光源7、駆動要素17c,17e,8g,センサ、及び詳細には示されていない他の要素に接続される。
好適な実施形態では、レーザポレーター10は更に、フィードバックループ13及びフィードバック機構をそれぞれ含む。図17では、フィードバックループ13は、個別孔2の深さを測定する装置9を含み、そして好ましくは、レーザビーム9dを生成する光学系を備える送信器9aと、そして光学系9bを備える受信器と、を含む。レーザビーム9dは、個別孔2の直径よりも短い幅、例えば5倍短い幅を有するので、レーザビーム9dは、個別孔2の下側端に到達することができる。偏向ミラー8fは送信器9aのビームを測定対象の個別孔2に誘導し、そして反射ビーム9dを誘導して受信器9bに戻す。種々の態様で設置することができるこの距離測定装置9によって、個別孔2の下側端の位置、例えば深さを測定することができる。好適な実施形態では、個別孔2の深さは、パルスレーザビーム4が個別孔2に向かって放出された後の各時点で測定されるので、各レーザパルスが個別孔2の深さに与える影響を制御することができる。フィードバックループ13は、種々の態様で設けることができるので、個別孔2のフィードバック信号を測定することができる。フィードバックループ13は、例えば分光器14として設置される送信器9a及び受信器9bを含むことにより、個別孔2の下側端で反射される光のスペクトルの変化を検出することができる。これにより、例えば個別孔2の実際の下側端3a,3b,3c,3dが角質層1aの一部であるか、または表皮1bの一部であるかを検出することができる。レーザポレーター10は更に、個別孔2の特定データ、特に初期微細穿孔データセットを格納するポレーションメモリ12を備える。レーザポレーター10は好ましくは、個別孔2を、ポレーションメモリ12に指定された通りに形成する。レーザポレーター10は更に、一つ以上の入力−出力装置15またはインターフェース15を備えることにより、ポレーター10との間でのデータ授受を可能にする、特にポレーションメモリ12への個別孔2のパラメータ、初期微細穿孔データセットの転送を可能にするか、或いは特定の個別孔2iの実際の深さ、または全表面Aiのようなデータを取得する。入力−出力装置15はカードリーダ、スキャナ、有線インターフェース、または例えば、Bluetooth(ブルートゥース)のような無線接続とすることができる。
ポレーターは更に、一つ以上の入力−出力装置またはユーザインターフェース15を備えることにより、手作業による物質、個体、及びもっと多くの要素のデータのようなデータの授受が可能になる。ユーザインターフェースは、例えばディスプレイ、ボタン、ボイスコントロール、またはフィンガープリントセンサを含むことができる。
レーザ光源7を設けるために種々の方法がある。レーザ光源7は、例えば固定幅、例えば250μmの幅のビーム4を生成する光学系を備えるレーザダイオードとして設けることができる。
レーザ光源7のパルス繰り返し周波数は、1Hz〜1MHzの範囲、好ましくは100Hz〜100kHzの範囲、そして最も好ましくは500Hz〜10kHzの範囲に含まれる。レーザポレーター10の1回の適用で、2個〜1百万個の個別孔2を、好ましくは10個〜10000個の個別孔2を、そして最も好ましくは10個〜1000個の個別孔2を生体膜1に形成することができ、各孔2は0.05mm〜0.5mmの範囲であるか、または0.05mm〜最大1mmの範囲の幅を有し、そして各孔2は5μm〜200μmの範囲の深さを有するが、個別孔2の下側端は表皮1bの内部に位置することが好ましい。必要に応じて、ポレーター10は更に、200μmよりも深い孔を形成する機能を備える。
レーザポレーター10は更に、インターロック機構を備えることにより、レーザパルスは、当該パルスが皮膚1に誘導されるときにのみ放出されるようになる。フィードバックループ13は、例えばパルスが皮膚1に誘導されるかどうかを検出するために使用することができる。当業者であれば、インターロック機構を設けるためには非常に多くの方法があり、そして全てのこのような方法が想到されることが理解できるであろう。一つの実施形態が図4aに示される。
図17は、円筒形の個別孔2を形成する円形レーザビーム4を示している。個別孔2は、例えばレーザビーム4が円形の形状ではなく、楕円形の形状、方形または矩形を有するという形で、他の形状を有することができる。個別孔2は更に、偏向器8fを適切に移動させることによって整形することができ、これによって、非常に広い範囲の種類の形状を持つ個別孔2の形成が可能になる。
図18aは、微細穿孔を集合的に構成する規則的な配列の個別孔2を有する皮膚の平面図を示している。レーザポレーター10で穿孔を終了した後の生体膜上の微細穿孔は、「初期微細穿孔(initial microporation)」と呼ばれる。ポレーションメモリ12は好ましくは、初期微細穿孔を定義する初期微細穿孔データセットを格納する。初期微細穿孔データセットはいずれかの適切なパラメータを含み、適切なパラメータとして:各孔の幅、深さ、及び形状、個別孔2の合計数、生体膜上の孔2の幾何学的配置、孔2の間の最小距離などを挙げることができる。レーザポレーター10は孔2を、初期微細穿孔データセットによって定義される通りに形成する。これにより、個別孔2を種々の形状に皮膚1の上に、例えば図18bに示すように配置することもできる。
図19及び20は、開口8xを画定し、かつチューブ状通路の形状を有する第1部分8r及び第2部分8hを有するチューブ状本体8nを含み、更に付勢要素8aを含む2つの更に別のチップ8の長さ方向断面を示している。付勢要素8aは、図5に示すようなグリッド状構造を有する。チップ8は保護ガラス8iを持たないが、有利な実施形態では、保護ガラス8i、または例えば、第1部分8rと第2部分8hとの間に配置されるF−Thetaレンズ8iのような光路補正素子を含むこともできる。図19及び20に示すチップ8は共に、吸引開口8jを含み、吸引開口8jによってガス及び残渣をチップ8の内部から取り除くことができる。図19に示すチップ8は、チューブ状本体8nの内壁に配置される複数の吸引開口8jを含む。好適な実施形態では、チップ8は、チューブ状本体8nの内壁の前面に配置されるフィルター20を含むことにより、生体材料がチップ8の内側空間に残留することを防止し、これにより、この生体材料がフィルター20に堆積するので好ましい。フィルター20は種々の態様でチップ8に配置することができる。例えば、フィルター20は、吸引開口8jの内部に配置することもできる。フィルター20ではなく、図20に示す実施形態は、チューブ状本体8nの内壁に沿って上下に配置される3つの回収要素8zを含む。回収要素8zは図20に示すように、チップ8の内側空間に向かって突出させることができる。しかしながら、回収要素8zはチューブ状本体8nの壁の内部に配置することもでき、チューブ状本体8nの内壁は、回収要素8zを形成するための凹部を有する。これらの回収要素8zの目的は、生体組織1の残渣を回収することにもある。一つの実施形態では、図20によるチップ8は吸引開口8jを含まない。好適な実施形態では、チップ8は吸引開口8jも含み、そして例えば、吸引開口8jの内部に配置されるフィルター20を含むこともできる。図19は、三角形状の棒状部材8abを有する組織付勢要素8aを示しているのに対し、図20は、矩形状の棒状部材8abを有する組織付勢要素8aを示している。
図21は、図19の三角形状の棒状部材8abを詳細に示しているのに対し、図22は、図20の矩形状の棒状部材8abを詳細に示している。図21及び22に示すように、三角形状の棒状部材8abは、生体組織1に誘導されるレーザビーム4が棒状部材8abに、レーザビーム4が棒状部材8abの直ぐ傍の生体組織1を照射することができない構成の矩形状の棒状部材8abよりも近い位置に位置することができるので有利である。棒状部材8abとレーザビーム4の照射ポイントとの間には隙間が生じる。レーザビーム4は、棒状部材8abの直下に配置される生体組織1を照射することはできない。三角形状の棒状部材8ab、または更に広い意味では、矩形以外の形状を有する棒状部材8ab、特に図19に示すように、長さ方向Eに広がる断面形状を有する棒状部材8abは、レーザビーム4によって加工することができない生体組織1の領域を小さくするという利点を有する。図19及び20によるチップ8は、射出成形によって作製されることが好ましい。
図23は、図19に示すチップ8の正面図を示している。チップ8は、複数の棒状部材8abを含むグリッド状構造を有する付勢要素8aを含む。更に別の有利な実施形態では、付勢要素8aはハチの巣形、または渦巻形を有することができる。
組織付勢要素8aは、図24に示すように、凹形を有することもできるし、平板形を有することもできる。
図24は、ハウジング9と、そしてハウジング9に取り外し可能に取り付けられるチップ8と、を備えるレーザポレーター10を示している。レーザポレーター10は、図17に示す構成要素群を備えることができる。好適な実施形態では、レーザポレーター10は、接続されるチップ8の吸引開口8jに隣接配置される第1端部10gを含み、更にベンチレータ10fのような流体吸引手段に接続される第2端部10hを含む流体導管10eを備える。
好適な実施形態では、レーザポレーター10は、チップ8及び/又は組織付勢要素8aの位置、形状、種類、及び使用のうちの少なくとも一つを検出するか、または読み取るセンサ11bまたは通信手段11bを備える。好適な実施形態では、レーザポレーター10は、メモリ12を備えることにより、組織付勢要素8aの幾何学構造のデータ、特に棒部材8abの位置を保存する。好ましくは、レーザポレーター10は、偏向器8fを制御することによりレーザビームを組織付勢要素8aの特徴に基づいて偏向させて、特にレーザビーム4が組織付勢要素8aに衝突することを回避する制御装置11を備える。好適な動作モードでは、制御装置11はレーザビーム4を、ミラー8fの位置を制御することにより、そしてレーザビーム4を作動させて、レーザビーム4が組織付勢要素8aに衝突することがないようにすることにより偏向させる。
更に簡易な実施形態では、レーザポレーター10は、組織付勢要素8aの位置を、特に棒部材8abの位置を考慮に入れることがないので、レーザビーム4が組織付勢要素8aに衝突する可能性があるという影響が現われ、これによって、孔が生体組織1にこの特定位置では形成されないという不具合が生じる。これは、形成される孔2の厳密な合計数及び/又は形状が重要ではない場合には、不具合とはならない。
図25は、ハウジング9と、そしてハウジング9に取り外し可能に接続されるチップ8と、を備えるレーザポレーター10の更に別の実施形態を示している。レーザポレーター10は、図17に示す構成要素群を備えることができ、これらの構成要素のうちの偏向器8f及びレーザビーム4のみが図25に示される。ポレーター10は、チップ8の開口8jを弾性中空部材10iに接続する流体導管10eを備える。中空部材10iを、図示しない駆動部に接続することにより、中空部材10iの容積を、例えば縮小容積10kにより示すように、変化させることができる。アブレーションをレーザビーム4によって開始すると、容積10kが容積10iにまで大きくなるので、チップ8の流体を吸引することができる。チップ8は、レーザビーム4が通過するキャビティから分離され、かつ互いに流体接続される第2キャビティ8yを含む。図26は、図25に示すチップ8の上面図を示している。チップ8は、レーアビーム4が通過する第1キャビティを左側に備える矩形部材8nとして設けられる。チップ8は、右側に第2キャビティ8yを備え、第2キャビティ8yは、レーザビーム4が通過する第1キャビティから分離され、かつ第1キャビティに流体接続される。2つのキャビティは、開口によって、浸透膜20によって、特に半浸透膜によるか、またはフィルター20によって流体接続することができる。レーザビーム4によりアブレーションされた材料をチップ8の内部に保持すると有利である。好適な実施形態では、チップ8は、アブレーションされた材料が出来る限り適正に第2キャビティ8y内に保持されるように設けられる。チップ8には、例えば半浸透膜20、及びフィルター20を開口8jの手前に配置されるように設けることにより、アブレーションされた材料を第2キャビティ8y内に保持することができる。
アブレーションされた材料をチップ8の内部に保持するために、チップ8が、複数の開口8xを有する組織付勢要素8aを備えると更に有利であり、これらの開口をレーザビーム4が通過して下敷きになっている組織1に衝突する。開口8xは、アブレーションされた材料を第1キャビティ内に保持するために役立つ。図27は、図26に示す矩形状のチップ8の長さ方向断面を示している。チップ8は保護ガラス8iを備えるので、第1キャビティは開口8xを除く部分で閉止される。アブレーションされた材料をチップ8の内部に引き留めることができれば有利である。フィルター20は、第1キャビティと第2キャビティ8yとの間に配置されてアブレーションされた材料を回収するようになっている。このようにして濾過された流体は第2キャビティ8yから開口8jを経由して出て行く。
図28は、複数の開口8xを有する組織付勢要素8aを備える更に別のチップ8の正面図を示し、これらの開口8xをレーザビーム4が通過して組織1に衝突する必要がある。図29は、図28によるチップの長さ方向断面を示している。図28及び29に示すチップ8は更に、例えば図1に示すような保護ガラス8iを備えることにより、アブレーションされた材料をチップ8の内部に引き留めることができる。
図30は、皮膚1に押圧載置されるチップ8を示し、チップ8は組織付勢要素8aを持たない。このようなチップ8の不具合は、レーザビーム4及び偏向されたレーザビーム4aが皮膚1に、同じ集束点を持つことなく衝突することである。従って、レーザビーム4,4aは皮膚1に異なる強度で衝突し、これによって、異なる形状及び特性の孔2が生じる。図31は、皮膚1に押圧載置されるチップ8を示し、チップ8は平板状の組織付勢要素8aを持つ。偏向させることができるレーザビーム4,4aと組み合わせて使用されるこのようなチップ8によってこの場合も、レーザビーム4,4aが皮膚1に異なる強度で衝突するという不具合が生じる。図32は、皮膚1に押圧載置されるチップ8を示し、チップ8は凸状の組織付勢要素8aを持つ。最も好ましくは、組織付勢要素8aの曲率は、レーザビーム4,4aを偏向させて、好ましくは偏向された全てのレーザビーム4,4a,4b,...が皮膚1に、ほぼ同じ集束点で衝突するように適合させ、これにより、皮膚1に、同様のエネルギーを持つレーザビーム4またはレーザパルスを衝突させることができる。これにより、再現可能な形状及び特性を持つ複数の孔2を形成することができる。図33は、皮膚1に押圧載置される別のチップ8を示している。チップ8は、平板状の組織付勢要素8aだけでなく、F−Thetaレンズ8iを備える。図示のように、F−Thetaレンズ8iによって、偏向された種々のレーザビーム4,4a,4bを皮膚に、所定の集束点で衝突させる。図34は、指1dの指爪1eに押圧載置される別のチップ8を示している。チップは、指爪の形状に適合させた凹状の組織付勢要素8aを備える。チップ8は光路補正素子8iを備え、光路補正素子8iは、偏向されたレーザビーム4,4a,4bが指爪1eに、これらのレーザビームの集束点で衝突するように適合させる。当業者であれば、光路補正素子をどのように用い、そして選択すれば(例えば、形状、屈折率、厚さなど)、組織付勢要素8aが平板状、凸状、または凹状の形状を有する場合でも、偏向されたレーザビーム4,4a,4bが、レーザビーム4,4a,4bが衝突する組織に集束するようになるかについて理解することができる。
光路補正素子8iは、チップ8の一部とすることができるが、最も好ましくは、光路補正素子8iをレーザポレーター10の一部とすることにより、同じ光路補正素子8iを多数回に亘って使用することができるようにする。
図35a〜35dは、能動的に制御される中空部材10iが異なる位置に在る様子を示し、中空部材10iは、アブレータ(アブレーション装置)10のハウジング9の内部に配置されることが好ましく、かつライン10eを経由してチップ8の開口8jに接続される。アブレータ10を使用する前に、シャフト101を備えるモータ10mがバネ10nを圧縮することにより、中空部材10iがバネ10nに接続されて、中空部材10iの容積が図35b及び35cに示すように小さくなる。図35cに示すように、端部位置に達すると、アブレータ10は、組織1に対するアブレーションをレーザビーム4を使用して開始する。好ましくは、アブレーションを終了した後か、またはアブレーションを終了する直前に、バネ10nを解放して、中空部材10iが伸長して、図35dに示すように、元の形状及び容積になるようにする。中空部材10iの容積が増大すると、流体がライン10eに沿って中空部材10iの内部に流れ込むようになる。最も有利な構成として、バネ10nを非常に迅速に伸張させることにより、中空部材10iが、例えばほんの一瞬も経たないうちに伸張するようにして、流体をチップ8の内部から大量かつ急激に吸引するようにする。流体をチップ8から急激に吸引する一つの利点は、アブレーションされた材料のほとんどが作用を受けることである。有利な実施形態では、チップ8は、図25に示すように、フィルター20を備え、そして流体を第1キャビティの内部から急激に吸引することにより、アブレーションされた材料のほとんどがフィルター20に捕集されるので、第1キャビティの内部にはアブレーションされた材料がほとんど、または全く残ることがないので有利であり、かつ第2キャビティ8yの内部にはアブレーションされた材料がほとんど、または全く残ることがないので有利である。
これまで、生体組織または皮膚を穿孔するレーザ発光素子に用いられるチップの特定の実施形態及び適用形態を開示してきた。しかしながら、当業者には、既に説明された変形例の他にもっと多くの変形例を、本明細書における本発明のコンセプトから逸脱しない限り用いることができることが明らかである。従って、本発明の主題事項は、本開示の技術思想を除いて、制限されるものではない。更に、本明細書及び本考案の請求項を解釈するために、全ての用語は、前後関係に矛盾が生じないように最も広い可能な意味で解釈されるべきである。詳細には、「備える」及び「備えている」という用語は、要素群、コンポーネント群、またはステップ群を包括的に指すものとして解釈されるべきであり、参照される要素群、コンポーネント群、またはステップ群は設けることができるか、または利用することができるか、或いは明らかには参照されていない他の要素群、コンポーネント群、またはステップ群と組み合わせることができることを意味する。更に、本明細書において参照されることにより本明細書に組み込まれる参考文献における一つの用語の定義または使用が、本明細書において提供される当該用語の定義と一致しないか、または相容れない場合、本明細書において提供される当該用語の定義が適用され、かつ参考文献における当該用語の定義は適用されない。
本明細書において説明されるチップ8は、レーザポレーターと組み合わせて使用されるように構成されることを特に理解されたい。従って、このようなチップは、皮膚関連症状を治療するために使用することができるだけでなく、微細穿孔(マイクロポレーション)、特に所定の孔幾何学構造を有する微細穿孔、または薬剤注入動力学/機構が必要になる適用形態において単独で使用することもできる。例えば、考案される別の使用では、チップを当てて孔を形成し、これらの孔を、大量の薬剤の投与のような、浸透剤及び薬剤の全身的経皮投与に用い、そして更に、1cm以下の領域を通した経皮投与に用いる。

Claims (29)

  1. レーザポレーター(10)に取り外し可能な状態で接続されるように構成される第1部分(8r)と、開口(8x)を画定し、かつ組織のうち、レーザ治療が施される部分を少なくとも変形させるように構成される組織付勢要素(8a)を含む第2部分(8h)と、を備えるチップ(8)。
  2. 前記開口(8x)はレーザビームの通路を画定し、前記組織付勢要素(8a)は少なくとも部分的に通路内に突出するように構成される、請求項1に記載のチップ。
  3. 前記チップは前記レーザビーム(4)の光路を有し、前記組織付勢要素(8a)は前記光路内に突出している、請求項1又は2に記載のチップ。
  4. 前記組織付勢要素(8a)は、変形した組織とレーザポレーター(10)のレーザステアリングミラー(8f)との間の平均距離がほぼ同じになるように構成され、前記組織付勢要素(8a)は詳細には、球面形状を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のチップ。
  5. 前記平均距離はレーザビームの前記集束距離である、請求項4に記載のチップ。
  6. 前記組織付勢要素(8a)は、前記組織を凹状に変形させる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のチップ。
  7. 前記組織付勢要素(8a)は、前記組織を凸状に変形させる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のチップ。
  8. 前記組織付勢要素(8a)は、前記組織を平板状に変形させる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のチップ。
  9. 前記組織付勢要素(8a)は異なる曲率を有する、請求項7又は8のいずれか一項に記載のチップ。
  10. 前記組織付勢要素(8a)は、ワイヤフレーム、中央突出要素、蜂の巣構造、メッシュ構造、及び螺旋型構造から成るグループから選択される形態を有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のチップ。
  11. 前記チップは吸引開口(8j)を有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のチップ。
  12. チューブ状部材(8n)の内側表面に配置される複数の吸引開口(8j)を有する、請求項1記載のチップ。
  13. フィルター(20)が前記吸引開口(8j)の手前に配置される、請求項11又は12に記載のチップ。
  14. 少なくとも一つの回収要素(8z)が前記第1部分(8r)と前記第2部分(8h)との間に配置される、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のチップ。
  15. 前記回収要素(8z)は前記チップの内部空間に突出している、請求項14に記載のチップ。
  16. 前記組織付勢要素(8a)の少なくとも一部分は、矩形以外の形状を有する、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のチップ。
  17. 前記組織付勢要素(8a)は、三角形または扇型の断面形状を有する、請求項に16記載のチップ。
  18. レーザビーム(4)が通過する第1キャビティから分離される第2キャビティ(8y)を備え、前記第1及び第2キャビティは互いに流体接続される、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のチップ。
  19. 前記開口(8x)の直径は10mm〜40mmである、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のチップ。
  20. 保護ガラス(8i)が前記第1部分(8r)と前記第2部分(8h)との間に配置される、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のチップ。
  21. 例えば、F−Thetaレンズのような光路補正素子(8i)が前記第1部分(8r)と前記第2部分(8h)との間に配置される、請求項1乃至20のいずれか一項に記載のチップ。
  22. センサ(8h)及びマーカー(8g)の少なくとも1つを備える、請求項1乃至21のいずれか一項に記載のチップ。
  23. 請求項1乃至22のいずれか一項に記載のチップ(8)を取り外し可能な状態で接続するように適合させた、レーザポレーター(10)。
  24. 流体導管(8e)を含み、前記流体導管(8e)は、接続されるチップ(8)の吸引開口(8j)に隣接して配置される第1端部(10g)と、吸引装置、詳細にはベンチレータ(10f)に接続される第2端部(10h)とを備える、請求項23に記載のレーザポレーター。
  25. 前記組織付勢要素(8a)の位置、形状、種類、及び使用のうちの少なくとも一つを検出するセンサ(11b)を備える、請求項23又は24に記載のレーザポレーター。
  26. 前記組織付勢要素(8a)の幾何学構造のデータを保存するメモリ(12)を備える、請求項23又は25に記載のレーザポレーター。
  27. レーザビーム(4)を前記組織付勢要素(8a)の特徴に基づいて偏向させる制御装置(11)を備える、請求項23乃至26に記載のレーザポレーター。
  28. 前記制御装置(11)はレーザビーム(4)を、レーザビーム(4)が前記組織付勢要素(8a)に衝突することがないように偏向させ、且つ作動させる、請求項27記載のレーザポレーター。
  29. 請求項1乃至22記載のいずれか一項に記載の複数のチップを備え、かつ請求項23乃至28記載のいずれか一項に記載のレーザポレーター(10)を備えるキット。
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