JP2010505464A - 洗濯機によるすすぎ洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

A)家庭用前面投入型洗濯機のドラムの中に少なくとも、i)1つ以上の布地、及びii)洗剤組成物を加える工程であって、前記洗濯機が少なくとも1回のすすぎ及び脱水プログラムを有している工程、B)少なくとも1回のすすぎ及び脱水プログラムを実行するために洗濯機を作動させる工程であって、そのようなすすぎ及び脱水プログラムの作動が前記布地の洗浄に直前に先行されない工程、並びにC)洗濯機から布地を取り出す工程、という順次的な工程を含む、布地の洗濯方法。

Description

本発明は、布地、特に汚れた衣類を洗浄するために、家庭用前面投入型洗濯機を使用する方法及びこれに使用するための洗濯洗浄組成物に関する。
2004年の時点での欧州連合では、1億台超の家庭用洗濯機の設置基盤が存在した。これらは、消費者の布地、例えば、衣類、衣服、亜麻布、カーテン、及びその他の布地を洗浄するのに使用される。圧倒的にこれらの洗濯機の大多数は、最近まで北米及びアジアでより一般的であった「上面投入型」又は「垂直軸型」の配置とは異なる、前面投入型である。用語「水平軸型」は多くの場合、「前面投入型」洗濯機を示すのに互換的に使用されている。
洗濯機の交換頻度は、ほとんどのEU諸国、特にフランス及びドイツで非常に緩慢である。これらの洗濯機の大多数は、10〜15年に1回のみ交換される。
家庭用洗濯機は、一連の「プログラム」を有して通常提供される。「プログラム」は典型的には、洗濯機に注水又は洗濯機から排水を行うためのバルブを開く又は閉じる工程、ヒーターの起動又は終了など、機械の基本操作に関して少なくとも2つの工程を有する。洗濯プログラムは、例えば機械のドラムを水で充填する工程、ドラムの内容物を攪拌する工程、ドラムの水性内容物を排出する工程、及び更なる水性内容物を除去するためにドラムを脱水する工程を含むことができる。用語「サイクル」が時に使用されることもあるが、「サイクル」とは、充填、攪拌、排出、脱水などの複数の工程を含むプログラムを完了することによって達成される結果であると考えることができる。
前面投入型家庭用洗濯機において実行される汚れた布地向けの「フル洗浄(full laundering)」プログラム(「60℃、綿」プログラムなど)は、少なくとも充填、攪拌、複数のすすぎ及び脱水からなる洗浄段階を通常含む。多くの場合、単独プログラムとしてユーザーが選択可能であり得るか、又は、別個に選択される主要プログラムに先立つ追加的な攪拌のために選択可能であり得る、「予備洗浄」プログラムが提供される。洗濯される衣類の重量は、典型的には洗濯機の定格負荷の少なくとも半分であり、多くの場合、全負荷、例えば、約5kgである。
家庭用前面投入型洗濯機は通常、上面投入型よりも少量の水及びエネルギーを使用するが、前面投入型機の「フル洗浄」プログラムは普通、上面投入型機に比較して非常に長い。前面投入型機は、標準「フル」洗浄プログラムを運転するのに典型的には100分を優に超え、2時間以上かかることもある。ウール又はデリケートプログラムなどの低加熱プログラムでさえ、運転するのに30分を優に超える場合がある。前面投入型洗濯機についての更なる弱点は、このような長時間洗浄が、より長時間の攪拌による追加的な物理応力に起因して、短時間洗浄よりも布地を傷める傾向が強いことである。
消費者は迅速、効率的及び(布の損傷という見地から)安全に、衣類、特にお気に入りの品を洗いたいということがすでによく知られている。多くの場合、必ずしも重度に汚れているというのではなく、むしろ数時間ほど着用されただけで、好ましくないにおい又は触感を呈するようになった、少数のお気に入りの品を迅速に洗う必要性がある(例えば、消費者は、再び着用する前に「リフレッシュする」必要性があると考えている)。これらの軽度に使用された品には、長時間を要する標準プログラムは消費者にとって特に無駄に思える。
長時間を要する洗浄プログラムについてのいくつかの問題を解決するために、電化製品メーカーは広範囲の洗浄プログラムを提供する家庭用洗濯機を徐々に導入しつつある。このようなプログラムは、「クイック洗浄(Quick Wash)」又は「スーパークイック(Super Quick)」プログラムのような、洗濯機操作パネル上でメーカーにより識別されるものを含んでもよい。しかしながら、これらの新しい機械は、消費者が識別し得る問題を十分に扱わない。第一に、消費者はプログラム選択について電化製品の過剰な複雑性を通常嫌い、第二に、このようなプログラムは西欧において使用される標準的な1時間超のプログラムと比較して「クイック」なだけである。ほとんどは運転に30分以上かかる。1つの例外は、ボッシュ社(Bosch)が、軽度に汚れた衣類2kgを15分間で洗濯できると言われている「スーパークイック」プログラムを最近導入したことである。これらの新しいプログラムが作動している間、標準的なフル洗浄プログラムの場合と同様に、水は典型的には洗濯機の洗剤分与器の引き出しへと通される。たとえ洗浄温度が30〜60℃だけであったとしても、加熱が使用される。
しかしながら、新しく製造された機械により提供される解決法であっても、電化製品の買い替えによるアプローチによってこれらの目的を達成するのに必要とされる市場への浸透を得るには何年もかかるであろう。たとえ古い機械であるとはいえ、消費者は十分に機能する洗濯機を処分しようとは必ずしも思わず、これは消費者が機械廃棄物問題にますます関心を抱いてきているからであり、更に欧州ではこのような廃棄物について税金の支払いが要求される、又は中古の電化製品を廃棄物として処理することが妨げられている場合があるからである(廃棄電気及び電子装置(WEEE(Waste Electrical and Electronic Equipment))についての欧州指令2002/96/ECを参照されたい)。
一方、設置された電化製品の既存台数に関しては、標準洗浄プログラムによって提供される洗浄時間が通常長いことについて消費者は憤懣を覚えたままである。彼らは、自分の既に所有している洗濯機についてより良好な洗濯制御ができること、及び布、特にお気に入りの衣類の迅速だが効果的な洗濯を最小限の損傷で行えることを望んでいる。
廃棄電気及び電子装置(WEEE(Waste Electrical and Electronic Equipment))についての欧州指令2002/96/EC
したがって、EUでの洗濯機の既存台数において、消費者に対して、彼らの現在の欧州型家庭用(前面投入型及び/又は水平軸型)洗濯機向けに改善された使用方法を提供する強い必要性が存在する。同様に、このような効率性を推進する助けとなり得る、新たな洗濯製品システム及びこれらの使用に向けた教示に対する必要性が存在する。水及びエネルギーの節約の点での社会的利益もかなりのものになる可能性があり、消費者は、彼らのお気に入りの衣類が、例えば布地の柔軟性、感触又は取扱い、弾力保持、静電気防止効果、色の保持効果及び様々な他の効果(例えば、改善された衛生状態、肌触り効果、快楽効果など)といった優れた布地ケアを維持しながら頻繁に洗えることから、利益を得ることになる。
このようなサイクルが汚れた衣類を洗濯するために特定及び/又は設計されたものではなく、むしろ電化製品メーカーにより、例えば、まず機械を使用せずに手洗いされていた衣類に対してすすぎ及び脱水を行うといった他の目的のために提供されていたとしても、家庭用前面投入型洗濯機の設置基盤のすすぎ−脱水プログラムで布地を処理することによって、汚れた又は軽度に着用された布地を洗濯することが可能であるということが、今や驚くべきことに発見された。
したがって、1つの態様では、本発明は、布地を洗濯する方法に関し、この方法は、
A)家庭用前面投入型洗濯機に、少なくとも
i)1つ以上の布地、及び
ii)洗剤組成物
を加える工程であって、洗濯機は少なくとも1回のすすぎ及び脱水プログラムを有している工程、
B)少なくとも1回のすすぎ及び脱水プログラムを実行するために洗濯機を作動させる工程であって、すすぎ及び脱水プログラムの作動が前記布地の手又は機械による洗浄に先行されない工程、並びに
C)洗濯機から布地を取り出す工程、という順次的な工程を含む。
本発明は更に、すすぎ及び脱水プログラムを実行するために洗濯機を作動する工程が、プログラムを開始するために、ボタンを押すこと、プリセットポジションにダイヤルを廻すこと、タッチ画面上で選択すること、又はこれらの組合せ、或いは洗濯機又はその操作パネルと相互作用する1つ以上の接触又は遠隔操作コミュニケーションによる、人間の介入を含む方法に関する。
本発明は更に、すすぎ及び脱水プログラムが、洗剤を用いた布地の洗濯のため以外の目的で電化製品メーカーによって洗濯機に提供され、前記洗濯機が家庭用洗濯機の設置基盤の一部を形成する方法に関する。
本発明は更に、すすぎ及び脱水プログラムが、洗濯以外の目的のための洗剤を用いないプログラムとして電化製品メーカーにより提供され、前記目的は、アレルギー制御の目的又は汚れた布を洗濯することを包含しないその他の目的で、既に手洗いされた衣類をすすぐこと及び脱水することから選択される方法に関する。
本発明は更に、すすぎ及び脱水プログラムが、洗濯機を操作して、すすぎ、排水及び脱水を少なくとも1回完了することを含み、プログラムの実行中に4回以下のすすぎが行われる方法に関する。
本発明は更に、すすぎ及び脱水プログラムが、洗濯機を操作して、すすぎ、排水及び脱水を少なくとも1回完了することを含み、プログラム中に2回以下のすすぎが行われる方法に関する。
本発明は更に、前記洗濯機の1つ以上のセンサーをバイパスする方法に関する。
本発明は更に、回転式乾燥機における機械乾燥、吊り干し、又はこれらの組合せによって布地の乾燥を完了する工程に後続される方法に関する。
本発明は更に、洗剤組成物が家庭用前面投入型洗濯機のドラムの中に、
a)ドラムの中に洗剤組成物を直接入れること、
b)洗濯機のセンサーをバイパスすること、
c)まず分与装置の中に洗剤組成物を入れ、次にドラムの中に分与装置を入れること、又は
d)これらの組合せ、によって加えられる方法に関する。
本発明は更に、洗剤が家庭用前面投入型洗濯機のドラムの中に、前記洗濯機に組み込まれた分与用引き出しを使用せずに加えられる方法に関する。
本発明は更に、洗剤が分与装置で洗濯機の中に加えられる方法に関する。
本発明は、分与装置が投与カップ、投与ボール、さじ、及びこれらの組合せから選択される方法に関する。
本発明は更に、布地が実質的に衣類からなる方法に関する。
本発明は更に、衣類が身体適合性衣服を含む方法に関する。
本発明は更に、中に洗濯洗剤組成物を含むパッケージ化された製品に関し、パッケージ化された製品は使用説明書を含み、前記使用説明書は洗濯機のドラムの中に洗剤組成物を投与するため並びにすすぎ及び脱水プログラムを作動するための説明書を含む。
本発明は更に、使用説明書が、分与用引き出しの中に洗剤組成物を投与するため及び標準洗濯プログラムを作動するための追加的な説明書を更に含むパッケージ化された製品に関する。
本発明は更に、洗濯洗剤組成物をマーケティングする方法に関し、この方法は、前面投入型洗濯機のドラムの中に洗剤組成物を直接入れ、すすぎ及び脱水プログラムを作動することによって、布地を洗濯するのに洗剤組成物が効果的に使用できることを消費者に教示することを含む。
本発明は更に、前面投入型洗濯機のすすぎ及び脱水プログラムにおける洗剤組成物の使用に関し、組成物及び布地は前面投入型洗濯機のドラムに直接加えられて、すすぎ及び脱水プログラムが作動される。
本発明は更に、洗剤組成物が、総量約0.1〜1.3グラム/使用される洗浄水のリットルの、すすぎ及び脱水プログラム洗浄毎に投与される可溶性界面活性剤を供給する方法に関する。
本発明は更に、すすぎ及び脱水プログラム洗浄毎に投与される可溶性界面活性剤の総量が約0.2〜約0.8グラム/使用される洗浄水のリットルである方法に関する。
本発明はまた、以下の、
a)グラム/使用される洗浄水のリットルで全て表される、直鎖界面活性剤の総量(「TLS」)及び脂肪酸の量(「FA」)が以下の関係に従う:
(TLS−2.5×FA)<0.20グラム/リットル、及び/又は
b)組成物が、0.01〜0.2グラム/リットルのポリジメチルシロキサン若しくはこの誘導体を供給する、という特徴の少なくとも1つを示す洗剤組成物に関し、
洗剤組成物は、前面投入型洗濯機のすすぎ及び脱水プログラムにおける洗剤組成物の使用についての消費者向けの一連の説明書と関連付けられている。
本発明は更に、洗剤組成物が、約0.05〜約0.30グラム/使用される洗浄水のリットルの、洗剤キレート剤、ポリマー、及びこれらの混合物を更に含む方法に関する。
本発明は更に、洗剤組成物が0.01グラム/使用される洗浄水のリットル未満の洗剤酵素を含む方法に関する。
本発明は更に、
a)少なくとも1つの内部パッケージ、
b)少なくとも1つの外部パッケージ、を含む布地洗濯キットに関し、
少なくとも1つの内部パッケージは、上記のものによる洗剤組成物を含み、少なくとも1つの外部パッケージは、消費者の使用のための説明書を含み、更に、前記説明書は、布地効果を提供するために、洗剤組成物が水平軸型洗濯機のすすぎサイクルにおいて使用され得ることを示す消費者向けに記入された印又は視覚的な印を提供する。
本発明は更に、界面活性剤を含み、以下の、
a)グラム/使用される洗浄水のリットルで全て表される、直鎖界面活性剤の総量(「TLS」)及び脂肪酸の量(「FA」)が以下の関係に従う:
(TLS−2.5×FA)<0.20グラム/リットル、及び/又は
b)組成物が、0.01〜0.2グラム/リットルのポリジメチルシロキサン若しくはこの誘導体を供給する、という特徴の少なくとも1つを示す洗剤組成物の、
家庭用前面投入型洗濯機のすすぎ及び脱水サイクルにおいて布地を洗濯するための使用に関する。
本発明は更に、家庭用前面投入型洗濯機のすすぎ及び脱水サイクルで布地を洗濯するための洗濯前処理剤及びすすぎ−洗浄洗濯洗剤組成物を含むキットに関する。本発明は更に、いかなる主洗浄洗濯洗剤にも頼ることなく家庭用前面投入型洗濯機で布地を洗濯するためのキットに関する。
家庭用前面投入型洗濯機型式ミーレ(Miele)W986(ミーレ社(Miele)によりオランダ及びベルギーで販売されている)の操作パネルの概略図。左にある白いボタンを使用してスイッチを入れる。「追加すすぎ(Extra spoelen)」にダイヤルを廻す。 家庭用前面投入型洗濯機型式ミーレW989iWPS(ミーレ社(Miele)により英国で販売されている)の操作パネルの概略図。左にある白いボタンを使用してスイッチを入れる。「別すすぎ(Separate Rinse)」にダイヤルを廻す。 家庭用前面投入型洗濯機型式インデシート(Indesit)WIE167(インデシート社(Indesit)により販売されている)の操作パネルの概略図。 WIL163Sのユーザー用マニュアルからの一部。すすぎ及び脱水サイクルを特定する印を有する。すすぎ及び脱水サイクルは「すすぎ(Rinse)」とラベルが付けられており、「部分的プログラム」として特定される。 家庭用前面投入型洗濯機型式バウマティック(Baumatic)BWD12(バウマティック社(Baumatic)により販売されている)の操作パネルの概略図。 脱水速度が異なる2つの異なるすすぎ及び脱水プログラムを実行する方法を説明する、バウマティック(Baumatic)BWD12の使用説明書の一部。それほどデリケートでない布地には高速が使用され、よりデリケートな布地には低速が使用される。
様々なプログラムが人間による作動により選択できる。
家庭用洗濯機は通常、「上面投入型」及び「前面投入型」の配置を有するものを含む。北米及び一部のアジアで依然として広く入手できる「上面投入型」配置では、衣類は垂直に実装されたシリンダー内に入れられ、プロペラ状の攪拌器又はインペラを使用して洗浄水中で攪拌される。
上面投入型洗濯機は、前面投入型に対して、洗濯がはるかに早く完了する点、上体を倒さずに済むため積載が容易である点、低費用である点、及びプログラムの中間段階において、例えばユーザーが衣類が脱水される前にデリケートな衣類を取り出すことを望むときに、より容易に衣類を取り出せる点で、いくらか利点を有する。一方で、上面投入型洗濯機はより多くの水を使用しエネルギー効率が悪い傾向を有する。
「前面投入型」配置は欧州及び中東で優勢であり、様々な理由から、特に上面投入型よりも少量の水を使用するように、酵素をより有効利用するように、及びエネルギー使用を低減するように開発された。例えば、ファン・ホルスタイン・アンド・ケムナー社(Van Holsteijn and Kemna)(デルフト(Delft))による「洗濯機:長期間効率性目標(Washing Machines: Long Term Efficiency Targets)」(1995年5月)といった洗濯機設計について指導する専門家の産業報告は、2004年近辺までの西欧における家庭用前面投入型洗濯機でのより長時間の洗浄プログラムの導入((i)この導入こそが水及びエネルギーを節約するための正しい方法である、並びに(ii)消費者は例えば2時間超というような限度を超えない限り、長い洗浄時間を受け容れるであろう、という考えに基づく)に向かう動きと一致するようである。しかしながら、消費者はこの動きに満足していなかった。
家庭用前面投入型洗濯機において、しばしば「ドラム」とも呼ばれるシリンダーが使用され、これは「水平」に設置される。実際には、「水平」は、水平からずれた多くの角度の変化形を含むことができる。用語「水平軸型」又は「前面投入型」は、一般的な用法において、実際のところ、攪拌器、インペラ、又は旋回(nutator)型式以外の洗濯機で、典型的には、槽の全ての洗濯物を実質的に浸漬することを伴わない洗濯機を特定する。積載は機械の前面にある扉を通して行われる。洗浄中の攪拌は、ドラムの連続的な、又はより典型的には往復の回転、及び重力によって提供される。衣類は内部ドラムの内側に取り付けられたパドル又は羽根により持ち上げられ、次に羽根の持ち上げる動きが断続的に止んだときに重力の作用の下で降下又は落下する。この動きは。布の織りをゆるめ、衣類の洗濯物の中に水及び洗剤溶液を通す。このような前面投入型は典型的には、一まとまりの布地を完全に浸すことは通常せず、むしろ、一まとまりの衣類などの布地は(ほとんどの場合)ドラムの中で部分的に浸されるように置かれる。多くの場合、ごくわずかな水しか存在せず、ぞのため衣類は全く浸漬していないように見える。1回以上のすすぎの後、洗濯物は脱水するために高速で脱水され、乾燥工程での加熱エネルギーを節約する助けとなる。乾燥工程は典型的には家庭用衣類乾燥機の中で実行されるが、いくつかの一体型洗濯機−乾燥機が既知である。より希少ではあるが、上面からドラムの周囲の小さな扉を通して積載される家庭用水平軸型洗濯機の変化形も存在する。これらの洗濯機は通常、より短いシリンダーを有し、それゆえにより小さい。このような洗濯機は、本目的に関して用語「前面投入型」又は「水平軸型」に含まれるが、これは洗濯機構が実質的に同じであるからである。
本明細書で使用するとき、用語「家庭用前面投入型洗濯機」は、家庭での使用に向けたサイズ、すなわち、約10kgまで、より典型的には約6kgまでの乾燥した洗濯物の積載等級を有し、1985〜2005年の期間において西欧での販売のために提供された最も一般的な配置を有する洗濯機を通常指す。このような洗濯機は、垂直軸を有するとともに洗濯槽の中で布の束を完全に浸漬することができるもの以外のものである。
布地を洗濯する方法
本明細書において上述された布地を洗濯する方法は、「欧州スタイル」の家庭用前面投入型洗濯機(西欧製であるが北米の高効率性(High Efficiency)(HE)電化製品も含む)において有効である。西欧において電化製品の達成された基盤の家庭用前面投入型洗濯機には、ミーレ社(Miele)、ボッシュ/シーメンス社(Bosch/Siemens)、インデシート社(Indesit)、ダイソン社(Dyson)、及びザヌッシ社(Zanussi)、及びその他の多くにより製造された型式が挙げられ、キャンディ(Candy)、スメッグ(Smeg)、バウマティック(Baumatic)などを含む様々なブランド名の下で入手可能である。
本明細書で使用するとき、「布地を洗濯する」とは、通常、着用されたかないしは別の方法で使用された家庭用布地を洗濯するプロセスを指す。洗濯は、臭い及び少なくとも一部の汚れ、汗などを取り除く。同時に、消費者の要望に応じて、洗濯は本発明による洗剤で実行でき、この洗剤は、例えば、香料を含まない「フリー(free)」配合、酵素を含まない「非バイオ(non-bio)」配合、例えば、移染阻害物質又は染料固定剤などを含む「色ケア(color care)」配合を用いて洗濯が実行できるというような要望に特に適応する。本目的に関して「布地を洗濯する」ことは、IEC60456、第4.0版に記載の60℃綿プログラムのような長時間洗浄プログラムにおける加熱洗濯を含むことを意図しない。
本明細書で定義される布地洗濯方法において、ユーザーは、血液、植物、トマトソースなどのような部分汚れを市販の染み抜きペン、ふき取り繊維(wipe)、アプリケータ、又はその他の前処理剤で前処理することを選択してもよい。したがって、本方法とともに使用するための製品は、前処理剤と本明細書で定義及び例示されるすすぎ−洗浄洗剤との組合せを含むキットであり得る。驚くべきことに、このようなキットを使用して主洗浄洗剤の使用を完全になくすことができる。或いは、消費者は、前処理段階においていずれかの既知で市販されている前処理洗剤又は洗濯添加剤を、本明細書で教示する短時間のすすぎ及び脱水サイクルを含むすすぎ−洗浄方法と組み合わせることによって、本発明の方法の変化形を使用してもよい。
更に、本明細書で上述した方法は、綿又は合成繊維向けの30℃、60℃、又は90℃プログラムなどの通常の洗浄プログラムを用いずに実施されるが、同様の洗濯物は、着用後及び着用前の洗濯又は後続の洗濯で、異なる洗濯プログラム及び/又は洗剤が使用されてもよい。理論によって制限されないが、本明細書で上述された方法は、単独布地洗濯方法として意図しても、汚れの前処理又は後続の布地向上工程を含むこともできるが、どちらにせよ、長時間にわたる前面投入型洗濯機の標準洗濯プログラムを避ける。
布地
本明細書で使用するとき、「布地」は、衣類(例えば、シャツ、セーター、靴下、ズボン、ショーツ、帽子、手袋、ジャケット、コートなど)、布、亜麻布(例えば、カーテン、シーツ、タオル、羽毛布団カバー、毛布、寝具、枕カバーなど)を指す。1つの実施形態では、布地は衣類、すなわち、身体に着用するための衣服物品であって、既知の特別な洗濯、例えば強力な消毒剤又は煮沸洗浄を典型的に必要とする洗い布、ハンカチ、おむつなどの非身体適合性用品を含まない。別の実施形態では、衣類は、少なくとも部分的にはウール繊維、絹繊維又はこれらの混合物からなる。
洗剤組成物
1つの実施形態では、本明細書で有用な洗剤組成物は、あらゆる液体、ゲル、ペースト又は急速な可溶性を有する固体形態のもの、低起泡性のもの、冷水に均一に分散又は溶解できるもの、表面張力を低減できるもの、及び少なくともある程度まで操作して洗浄液中に汚れを懸濁できるものを含む。液体及びゲルが好ましい。
水溶性又は非水溶性パウチ中にパッケージ化された液体又はゲル形態の洗濯洗剤組成物の単一ユニット(「液体1回容量」洗剤と通常呼ばれる)もまた本明細書で上述された方法で使用され得る。
液体1回容量型洗剤は、単回投与水溶性パウチで提供されてよい。1つの実施形態では、パウチは、米国特許出願第2006/0035042号に記載されているものなどの水溶性ポリビニルアルコール(PVA)コポリマーを含むフィルムから製造される。モノゾル(MONOSOL)8630などの他の市販の水溶性フィルムが、このようなパウチを形成するのに使用されてもよい。
本明細書に用いるのに好適な洗剤組成物は、通常アニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤を含み、またカチオン性柔軟仕上げ剤の小胞分散体の形態を実質的に有さず、特に後者は、洗浄剤としてよりも布地コンディショナーとして販売される洗濯製品の特徴である。
本方法での使用に好ましいすすぎ−洗浄洗剤組成物は、総可溶性界面活性剤を、すすぎ及び脱水プログラムの洗浄水中に約0.1グラム/リットル〜約1.3グラム/リットル、より好適には0.2グラム/リットル〜0.8グラム/リットルの濃度を提供するのに好ましい濃度で含む。本明細書で使用するとき、総可溶性界面活性剤は、直鎖又は分枝鎖型の可溶性界面活性剤を含むが脂肪酸は含まないと定義される。説明のため、総可溶性界面活性剤は、いずれも混合可能であるとともに酸の形態、ナトリウム、カリウム若しくはC1〜C4アルカノールアンモニウム塩の形態で存在可能である、C8〜C18アルキルサルフェート(AS)、C8〜C18メチルエステルスルホネート(MES)、C8〜C18アルキルポリ(エトキシ)サルフェート(AES、SLES)などのアニオン性可溶性界面活性剤;既知のC8〜C18アルコールポリ(アルコキシレート)、例えば、C8〜C18アルコールポリ(エトキシレート)などの非イオン性可溶性界面活性剤;アルキルポリグリコシド(APG)、単鎖カチオン性可溶性界面活性剤、例えばC8〜C18アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、より具体的にはドデシルトリメチルアンモニウムクロライド若しくはこれらの(1つ以上のヒドロキシエチル部分が1つ以上のN−メチル置換基を置換する)類縁体、又はこれらの混合物から選択できる。本明細書で有用な非直鎖可溶性非イオン性界面活性剤には、リアル(Lial)、ゲルベット(Guerbet)及び/又はドバノール(Dobanol)型が挙げられる。直鎖可溶性界面活性剤には、脂環式型を挙げることができ、3個の炭素原子の長さを超える分枝を好ましくは有さない。このような軽度に分枝した型には、ダニエル・S.コナー(Daniel S. Connor)のともに譲渡された特許に記載される「中鎖分枝」型が挙げられる。本明細書で有用な他の可溶性界面活性剤には、ナトリウム、カリウム又はアルカノールアンモニウム形態の直鎖及び単一のメチル分枝を有するアルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。ABSなどの複数の分枝を有するアルキルベンゼンスルホネートは、生分解に関する既知の問題点により、好ましさにおいて劣る。本明細書で有用な他の可溶性界面活性剤には、C10〜C18アルコールポリ(エトキシレート)及びこれらの(1つを超えるアルコキシル化源を有する)プロポキシ、ブトキシ又は類縁型などの非イオン性界面活性剤を挙げてもよく、このような非イオン性界面活性剤は曇点作用を示すが、曇点よりも下で可溶性であることが知られている。可溶性界面活性剤は通常、約20個超の炭素原子を有する二重の長鎖のカチオン性界面活性剤を含まず、このようなカチオン性界面活性剤は、本明細書で使用される全ての洗浄温度で実質的に非水溶性であり、布地柔軟仕上げ剤として通常使用される。
本明細書で有用で好適な低起泡性洗剤組成物には、泡を制限するために、シリコーン、シリコーン/シリカ泡抑制剤、脂肪酸、低起泡性非イオン性界面活性剤、例えば分枝状原料から得られるもの、又はこれらの組合せなどの成分を組み込むものが挙げられる。
1つの実施形態では、本明細書における方法に使用される洗剤組成物は、本方法の終わりに良好な洗浄及び低泡レベルを供給する。このような組成物は、可溶性界面活性剤及び所望により脂肪酸又はポリジメチルシロキサンを含有してもよい。これらの可溶性界面活性剤は、直鎖又は分枝鎖アルキル基を有してもよい。このような組成物はまた以下のような特徴を示し得る。
投与される総可溶性界面活性剤
本明細書における洗剤組成物は、総量約0.1〜約1.3グラム/使用される洗浄水のリットルの、すすぎ及び脱水プログラム洗浄毎に投与される可溶性界面活性剤を供給してもよい。1つの実施形態では、すすぎ及び脱水プログラム洗浄毎に投与される可溶性界面活性剤の総量は約0.2〜約0.8グラム/リットルである。
供給される成分
本明細書の方法において有用な洗剤組成物はまた、
1)グラム/使用される洗浄水のリットルで全て表される、直鎖界面活性剤の総量(「TLS」)及び脂肪酸の量(「FA」)が以下の関係に従う:
(TLS−2.5×FA)<0.20グラム/リットル、及び/又は
2)組成物が、0.01〜0.2グラム/リットルのポリジメチルシロキサン若しくはその誘導体を供給する、という特徴の少なくとも1つを示し得る。
別の言葉で、また、理論によって制限されることなく、本明細書で上述した本発明の方法は、使用される総界面活性剤が、ポリジメチルシロキサンから選択される泡抑制系又は泡制御系と組み合わせた直鎖のみの可溶性界面活性剤の組合せである系を包含する。本目的に関して、「ポリジメチルシロキサン」は、布地柔軟仕上げ用ポリジメチルシロキサン、シリコーン/シリカ化合混合物などの化合形態のポリジメチルシロキサン、及びこれらのあらゆる変種から選択できる。
1つの実施形態では、組成物は、約0.05〜約0.30グラム/すすぎ及び脱水プログラム洗浄水のリットルの、洗剤キレート剤、ポリマー、及びこれらの混合物を更に含有する。1つの実施形態では、組成物は、0.01グラム/洗浄水のリットル未満の洗剤酵素を含有する。
本発明の方法で使用される洗剤組成物の量は、その希釈により広く様々であり得、例えば、約20mL〜約200mLであり得る。洗剤組成物は容量により計量又は測定できる。
任意成分
本発明の方法で有用である洗剤組成物は、洗浄を通して柔軟化する成分、静電気防止剤、しわ防止剤、移染阻害物質、色固定剤、抗摩擦剤、漂白剤スカベンジャー、布地けば立ち防止剤(fabric de-pilling agent)、布地ケア活性物質用付着助剤、香料成分用付着助剤、香料マイクロカプセル、プロ香料、視覚的添加剤(真珠光沢剤、染料など)及び同様の従来の洗剤添加剤などの布地ケア成分を含有してもよい。更に、酵素が本組成物に使用でき、その場合、ノボザイムズ社(Novozymes)、ジェネンコア社(Genencor)、ダニスコ社(Danisco)及びその他により販売されている市販の酵素製剤が特に有用である。製剤中の酵素の濃度は、特に記載のない限り、重量パーセントでの市販の洗剤酵素の濃度として特定される。用量は既知の基準により変化し得る。本組成物はまた酵素を含まない変化形も含む。
本発明の方法で有用な他の洗剤組成物はまた、抗菌、抗カビ、抗ウイルス又は他の抗病原効果を有する成分を含む。このような活性剤の好適な例には、過酢酸又は平衡過酸混合物などのペルオキシ酸;4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール(例えば、CAS番号88−04−0により定義されるもの);トシルクロルアミドナトリウム;クロルヘキシジン;セトリミド;o−フェニルフェノール;トリクロサン;オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド;ジメチルベンジルアンモニウムクロライド又は他の抗菌活性第四級アンモニウム塩;水溶性銀イオン源;抗病原活性精油又はこれらの成分;及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の方法を使用して軽度に汚れた衣類を洗濯するとき、可溶性界面活性剤と抗病原活性剤との組合せが特に有用であることが理解及び評価されるべきであろう。
計量装置
洗濯機のドラムの中に洗剤組成物を入れるとき、洗剤組成物は注入されるか又はそうでなければ投与キャップ、投与ボール、投与カップなどで計量されて布地上へ投与されることができ、或いは計量装置及び洗剤組成物は単純に洗濯機の中の布地とともに入れられることができる。1つの実施形態では、適切な用量の洗剤組成物が、水溶性フィルムの「パウチ」又は包み(又はこれらの複合体)に封入されて洗濯機のドラムの中に直接設置されてもよい。別の実施形態では、適切な用量の洗剤組成物が、開封してから内容物をドラムの中に注入する単回投与パッケージ又は2つの2回投与パッケージ内に封入されていてもよい。
家庭用前面投入型洗濯機内に加える工程
本発明の方法は、すすぎ及び脱水プログラムを有する家庭用前面投入型洗濯機内に洗濯の必要がある少なくとも1つ以上の布地及び洗剤組成物を加える工程を含む。
本明細書における洗剤組成物には市販の洗剤組成物が挙げられ、液体、ペースト、ゲル、ムース、粉末、タブレット、サッシェなどの形態をしていてもよい。
1つの実施形態では、洗剤組成物はドラムの中に直接加えられるか又はセンサーバイパスの手段により機械の中に加えられる。理論によって制限されることなく、この洗剤組成物をドラムの中に直接加えることにより、又はセンサーバイパスを利用することにより、洗剤組成物が十分な時間布地を洗濯し、それでもプログラムのすすぎ及び脱水部分の後半部には取り除かれることを可能にする(例えば、2回のすすぎを有することにより、洗剤組成物は第一の「すすぎ」に加えられ、プログラムの洗浄部として作用する一方で、第二のすすぎは全体のプログラムのより典型的なすすぎ/除去部分として機能する)。
多くの前面投入型洗濯機が、機械に一体化された分与用引き出し又はカップを有し、これは使用できるものの、これらの分与器は多くの場合センサーバイパスを利用しないとドラムの中に組成物を効果的に放出しないため、本発明による方法での使用に好ましくない可能性がある。多くの前面投入型機械は2つの分与用引き出しを有し、1つは洗濯洗剤用であり、第二のものは布向上組成物用である。理論によって制限されないが、洗剤用引き出しが本発明の方法に使用されるなら、洗剤組成物は、より短時間の「すすぎ及び脱水」プログラムの開始段階に十分な洗浄を提供できるほどの量、及び/又は早期に、ドラム内に放出されない可能性がある。更に、理論によって制限されないが、布向上剤用引き出しが洗剤組成物を分与するために本発明の方法で使用されるなら、すすぎ及び脱水プログラムの終わりぎりぎりになるまで放出されず、それゆえに十分な洗浄を提供せず、また不本意にも洗剤残留物を残す。機械がセンサーバイパス能力を有するならば、分与用引き出しの1つを使用すること及び不本意な分与タイミングになり得るものを無効にすることが可能になり得、したがってすすぎ及び脱水プログラムの開始時に洗剤を効果的に分与できる。
この方法は、洗濯機の分与用引き出しの手段以外で洗濯機の中に洗剤組成物が取り込まれる実施形態、及び洗剤組成物が分与装置を介して洗濯機の中へ直接取り込まれる実施形態を含む。理論によって制限されることなく、この実施形態は、消費者が彼らの既存の洗濯機で実行するのにより容易であり得る。
好適な分与装置には、洗剤組成物の形態により、投与カップ、投与「ボール」、さじなどが挙げられる。液体洗剤容器のキャップに適合できる投与カップ、投与ボール及び投与キャップが好ましい。
1つの実施形態では、布柔軟仕上げ組成物(通常「布向上剤」組成物と呼ばれる)が布向上剤用引き出しを通して機械に更に加えられる。この実施形態では、第一のすすぎは洗浄するように作用することができ、第二又は追加的なすすぎは別個に布地を柔軟化するように作用できる。
洗濯機
本発明で有用な家庭用「水平軸型」又は「前面投入型」洗濯機は、例えば、ボッシュ社(Bosch)、インデシート/ホットポイント社(Indesit/Hotpoint)、ワ−ルプール社(Whirlpool)、ケンモア社(Kenmore)、LG社、フリジデア社(Frigidaire)、ミーレ社(Miele)及びメイタッグ社(Maytag)などの多くのメーカーから市販されているもののような国際電気標準会議の電化製品産業標準を満たすものである。本発明で好適な家庭用洗濯機は、「欧州スタイル」洗濯機又は米国においては「高効率性」洗濯機とも呼ばれるものである。本明細書で使用するとき、「水平軸」とは、水平面の±45°以内の軸を意味する。
本明細書に記載の家庭用前面投入型洗濯機は、布地が水平な又は傾いたドラムの中に入れられ、洗浄水に部分的に浸漬され、機械的動作がドラムのその軸の周りでの回転により生み出され、運動が連続的であるか又は周期的に反転され、機械が洗濯物を持ち上げるための持ち上げ用羽根又は同様の突出部を有し、並びに、洗浄後の洗濯物の遠心分離又は脱水抽出の手段が400rpm以上、より典型的には800rpm〜1400rpm又はそれ以上の速度、例えば2000rpmであるものである。このような洗濯機は回転式乾燥機を追加的に組み込むことができ、その場合、これらは家庭用前面投入型洗濯乾燥機である。
したがって、本明細書に記載の家庭用前面投入型洗濯機は、全て実質的に異なる機構を採用しているIEC60456、第4.0版に記載の攪拌洗濯機、インペラ洗濯機及び旋回洗濯機から明確に識別可能である。
本明細書で有用な洗濯機は、IEC60456、第4.0版に従って定格荷重2〜10kgの乾燥した綿の洗濯物に好適な、内部ドラム(特に明記しないで使用されるとき、用語「ドラム」は本明細書では内部ドラムを指す)を含み、例えば、この内部ドラムは、IEC60456、第4.0版の付属書Aに記載されている参照洗濯機に従って、65リットルの容量並びに持ち上げ用羽根及びドラム構造(例えば穿孔)などのその他の特徴を有し得る。
本明細書に記載のこのような家庭用前面投入型洗濯機はまた、別の洗浄プログラムから独立してすすぎ及び脱水プログラムを実行するように洗濯機を作動させるための手段も含む。
本明細書で使用するとき、「すすぎ及び脱水プログラム」とは、結果的にドラムを少なくとも部分的に充填すること、攪拌すること(例えば、ドラムに適合した羽根により周期的又は連続的のいずれかで、少なくとも部分的に洗濯物を持ち上げること)、ドラムを排水すること、少なくとも部分的に水を取り除くために1つの実施形態では少なくとも200rpmの速度で、別の実施形態では800rpm超で、脱水すること、並びにこれらの工程を少なくとも1回追加してサイクルすることとなる、洗濯機によって行われる動作を指す。
本発明で使用されるすすぎ及び脱水プログラムは、作動から洗濯機が停止するまで(操作者により更なる作動又は実行が行われないと仮定)、約5〜約40分間、1つの実施形態では7〜30分間未満の最大持続期間を有する。1つの実施形態では、持続時間は約7〜約17分間、或いは約15分間である。
洗浄及び脱水サイクルに好適な温度は約5℃〜約28℃である。いずれの実行でも、すすぎ及び脱水プログラムは加熱されなくてもよい。
通常存在する他のプログラムから独立してすすぎ及び脱水プログラムが作動できるならば、すすぎ及び脱水プログラムは、「すすぎ及び脱水」、「すすぎ」などのように洗濯機の操作パネル上で様々に特定されることができる。
本発明の1つの実施形態では、この方法はセンサーバイパスを含む。特定の洗濯機は、例えば、泡レベル、洗剤分与、すすぎ中の濁度測定などの1つ以上のセンサーを有する。本発明は、1つ以上のこのようなセンサーをバイパスする方法を含む。
本発明の1つの実施形態では、洗剤メーカー及び電化製品メーカーは協働して、このようなプログラムが特定の洗濯機で利用可能であり、特定の洗剤が使用に好適であることを消費者に告知する。
本発明の1つの実施形態では、この方法の利便性は電化製品メーカーに雇用されているサービス技術者又はその代理人によるなどの非小売手段により消費者に伝達される。
すすぎ及び脱水プログラムを実行するための洗濯機の作動
本発明の方法において、洗濯機は作動されてすすぎ及び脱水プログラムを実行するが、このようなすすぎ及び脱水プログラムは、フル洗浄サイクルの直後に行われるわけではない。
1つの実施形態では、すすぎ及び脱水プログラムは、少なくとも1回、続けて3回以下のすすぎサイクルを完了するための洗濯機操作を含む。
1つの実施形態では、特定されたすすぎ及び脱水プログラムが作動されると、機械は作動に反応して2回以上の連続したすすぎサイクルを実行する。別の実施形態では、特定されたすすぎ及び脱水プログラムが作動されると、機械は作動に反応して3回の連続したすすぎサイクルを実行し、次に更なる入力がなされるまで操作を停止する。
1つの実施形態では、洗濯機を作動する工程は、洗濯機の機械動作をすすぎ及び脱水プログラムに調節することを含む。標準的な家庭での洗濯状況では、洗濯機のこのような作動は人間により実行される。
1つの実施形態では、本明細書で有用な水平軸型洗濯機は、設定を作動するために使用され得る、対応する押ボタン、タッチ画面選択、ノブ、ダイヤル、又はこれらの組合せを有する特定されたすすぎ及び脱水プログラムを含む。1つの実施形態では、すすぎ及び脱水プログラムを実行するために洗濯機を作動する工程は、人間がボタンを押すこと、ノブを廻すこと、ダイヤルを廻すこと、画面で選択すること、又はこれらの組合せによる人間と洗濯機との相互作用を含む。
洗濯機のドラムからの布地の取り出し
すすぎサイクル後に洗濯機のドラムから布地を取り出すためのいかなる手段も、本発明の方法で使用されてよい。このような取り出しは、後すすぎ、後トリートメント、主洗浄サイクル、又はこれらの組合せなどの追加的洗濯工程を伴わずに完了されてもよい。
布地の乾燥
布地を乾燥するためのいかなる手段も、本発明の方法で使用されてよい。乾燥のためのこのような手段には、機械乾燥、空気乾燥(吊り干しなど)及びこれらの組合せを挙げることができる。
本発明の方法では、布地が、更なる使用又は着用の後までは、更なる洗浄プロセスに供されないことが意図される。しかしながら、スプレー糊、香料、柔軟仕上げ剤、染み抜きペン(部分汚れ処理用)、及びこれらの組合せなどの、後リフレッシュ処理を使用することも、十分に本発明の方法の範囲内である。
(実施例I)
本発明による方法
ユーザーによって選択可能な複数のプログラム(すすぎ及び他の設定を含む)を有するミーレ社(Miele)から市販されている、メーカー型式番号W986の家庭用前面投入型洗濯機を使用して以下の工程が行われる:
1)表1に記載される処方を有する組成物1A〜1Cから選択される1つの可溶性で低起泡性の液体洗濯洗剤およそ50グラム(重量又は相当する容量のいずれかにより測定)がミーレ(Miele)W986のドラムの中に直接分与される。
2)
a.男性用青色Mサイズ、綿100%シティーシャツ1枚、
b.女性用濃色Mサイズ、亜麻布100%Tシャツ1枚、
c.女性用黒色Mサイズ、ポリエステル70%/綿5%/エラスタン5%混紡スカート1枚、及び
d.男性用濃色Mサイズ、ポリエステル100%−通気性マイクロファイバーのスポーツTシャツ1枚、を含む布地がドラムに加えられる。
3)次に、洗濯機の扉が閉じられる。
4)次に洗濯機が人間により手動で作動される−右ダイヤルを廻して設定「すすぎ」に合わせる。
5)次に、ミーレ(Miele)W986がすすぎプログラムを操作するよう機能する。
6)すすぎプログラムの完了後、洗濯機の扉が開けられ、布地が取り出され、乾燥される。
乾燥時に、布地が良好な香りを有することが分かる。
(実施例II)
本発明による方法
下記の表2中の処方2Bとして見い出される洗剤製剤およそ40gを使用することを除いて、実施例Iの手順が繰り返される。
(実施例III)
本発明による方法
表2中の処方2Dおよそ50gを使用することを除いて、実施例Iの手順が繰り返される。
(実施例IV)
本発明による方法
表2中の処方2Aおよそ30gを使用することを除いて、実施例Iの手順が繰り返される。
(実施例V)
本発明による方法
表3中の処方3Cおよそ25gを使用することを除いて、実施例Iの手順が繰り返される。
(実施例VI)
ミーレ社(Miele)の機械から、英国においてインデシート社(Indesit)により提供され、非加熱のすすぎ及び脱水プログラムを有する家庭用前面投入型洗濯機型式WIE167に換わるのを除いて、実施例1の手順が繰り返される。これは、1回目のすすぎ10分、排水、2回目のすすぎ10分、最終の脱水4分を含み、すすぎ及び脱水プログラムの総持続時間は26分である。
表2の低起泡性液体洗剤2Aが重量50gで使用される。
(実施例VII)
ミーレ社(Miele)の機械から、英国においてバウマティック社(Baumatic)により提供される家庭用前面投入型洗濯機型式BWD−12並びにすすぎ及び脱水プログラム3に換わるのを除いて、実施例Iの手順が繰り返される。
(実施例VIII)
ミーレ社(Miele)の機械から、英国においてバウマティック社(Baumatic)により提供される家庭用前面投入型洗濯機型式BWD−12及びすすぎ及び脱水プログラム8に換わるのを除いて、実施例Iの手順が繰り返される。
(実施例IX)
ミーレ社(Miele)の機械から、英国においてインデシート社(Indesit)により提供され、非加熱のすすぎ及び脱水プログラムを有する家庭用前面投入型洗濯機型式WIE167に換わること並びにアリエール・リキタブズ(ARIEL Liquitabs)を使用することを除いて、実施例1の手順が繰り返される。これは、1回目のすすぎ10分、排水、2回目のすすぎ10分、最終の脱水4分を含み、すすぎ及び脱水プログラムの総持続時間は26分である。
表1の低起泡性液体洗剤1Aは、例えば、ポリビニルアルコールのサッシェの内側に予めパッケージ化された液体洗濯洗剤であり、約50gの重量を有するアリエール・リキタブズ(ARIEL Liquitabs)のように、1回容量形式で市販されている。この例では、サッシェはナイフで切られ、洗剤は液体洗濯洗剤と一緒に販売されている型式のプラスティック製投与カップ中に注がれ、洗剤及びカップが直接洗濯機のドラムの中に布地とともに入れられる。
上述の実施例全てにおいて、すすぎ洗浄された布地は、実質的に清浄で、良い香りがし、良好な状態にあり、視覚的に洗剤の残留物がないことが分かる。
処方例
表1
組成物1A、1B及び1Cは全て、本発明の方法において有用な液体洗剤処方の例であり、良好な洗浄、及び洗浄終了時に許容可能な低い泡レベルの両方を供給する。
組成物1D、1E、及び1Fは本発明の方法における使用に不適切な液体洗剤配合の比較例であり、良好な洗浄、及び洗浄終了時に許容可能な低い泡レベルの両方を供給しない。
Figure 2010505464
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「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるかようなすべての変更及び修正を、付加された特許請求の範囲でカバーするものとする。

Claims (10)

  1. 布地を洗濯する方法であって、
    a)家庭用前面投入型洗濯機に、少なくとも、
    i)1つ以上の布地、及び
    ii)洗剤組成物
    を加える工程であって、前記洗濯機が少なくとも1回のすすぎ及び脱水プログラムを有している工程、
    b)少なくとも1回のすすぎ及び脱水プログラムを実行するために前記洗濯機を作動させる工程であって、前記すすぎ及び脱水プログラムの前記作動が前記布地の手又は機械による洗浄に先行されない工程、並びに
    c)前記洗濯機から前記布地を取り出す工程、という順次的な工程を含む方法。
  2. 前記すすぎ及び脱水プログラムを実行するために前記洗濯機を作動する工程が、前記プログラムを開始するために、ボタンを押すこと、プリセットポジションにダイヤルを廻すこと、タッチ画面上で選択すること、又はこれらの組合せ、或いは前記洗濯機又はその操作パネルと相互作用する1つ以上の接触又は遠隔操作コミュニケーションによる、人間の介入を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記すすぎ及び脱水プログラムが、洗剤を用いた布地の洗濯のため以外の目的で電化製品メーカーによって提供され、前記洗濯機が家庭用洗濯機の設置基盤の一部を形成する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記すすぎ及び脱水プログラムが、洗濯以外の目的のための洗剤を用いないプログラムとして電化製品メーカーにより提供され、前記目的は、アレルギー制御の目的又は汚れた布を洗濯することを包含しないその他の目的で、既に手洗いされた衣類をすすぐこと及び脱水することから選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記すすぎ及び脱水プログラムが、前記洗濯機を操作して、すすぎ、排水及び脱水を少なくとも1回完了することを含み、前記プログラム中に2回以下のすすぎが行われる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記洗剤組成物が前記家庭用前面投入型洗濯機のドラムの中に、
    a)前記ドラムの中に前記洗剤組成物を直接入れること、
    b)前記洗濯機のセンサーをバイパスすること、
    c)まず分与装置の中に前記洗剤組成物を入れ、次に前記ドラムの中に前記分与装置を入れること、又は
    d)これらの組合せ、によって加えられる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記洗剤が前記家庭用前面投入型洗濯機のドラムの中に、前記洗濯機に組み込まれた分与用引き出しを用いずに加えられ、好ましくは投与カップ、投与ボール、さじ、及びこれらの組合せから選択される分与装置で前記洗濯機の中に加えられる、請求項1に記載の方法。
  8. 洗剤組成物であって、
    a)グラム/使用される洗浄水のリットルで全て表される、直鎖界面活性剤の総量(「TLS」)及び脂肪酸の量(「FA」)が以下の関係に従う:
    (TLS−2.5×FA)<0.20グラム/リットル、及び/又は
    b)前記組成物が、0.01〜0.2グラム/リットルのポリジメチルシロキサン若しくはその誘導体を供給する、という特徴のうち少なくとも1つを示す洗剤組成物であって、
    前記洗剤組成物が、前面投入型洗濯機のすすぎ及び脱水プログラムにおける前記洗剤組成物の使用についての消費者向けの一連の説明書と関連付けられている、洗剤組成物。
  9. 前面投入型洗濯機のすすぎ及び脱水プログラムにおける、好ましくは低起泡性液体又はゲル洗濯組成物である、洗剤組成物の使用であって、前記組成物及び布地が前記前面投入型洗濯機のドラムの中に直接加えられて、前記すすぎ及び脱水プログラムが作動される、洗剤組成物の使用。
  10. 界面活性剤を含み、
    a)グラム/使用される洗浄水のリットルで全て表される、直鎖界面活性剤の総量(「TLS」)及び脂肪酸の量(「FA」)が以下の関係に従う:
    (TLS−2.5×FA)<0.20グラム/リットル、及び/又は
    c)前記組成物が、0.01〜0.2グラム/リットルのポリジメチルシロキサン若しくはその誘導体を供給する、という特徴のうち少なくとも1つを示す洗剤組成物の、家庭用前面投入型洗濯機のすすぎ及び脱水サイクルにおいて布地を洗濯するための、使用。
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