JP2010504717A - 高次角度項による信号を抽出することでマルチチャンネルオーディオ再生システムの空間分解能を改善したサウンドフィールド - Google Patents

高次角度項による信号を抽出することでマルチチャンネルオーディオ再生システムの空間分解能を改善したサウンドフィールド Download PDF

Info

Publication number
JP2010504717A
JP2010504717A JP2009530372A JP2009530372A JP2010504717A JP 2010504717 A JP2010504717 A JP 2010504717A JP 2009530372 A JP2009530372 A JP 2009530372A JP 2009530372 A JP2009530372 A JP 2009530372A JP 2010504717 A JP2010504717 A JP 2010504717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
audio signals
input audio
angular
sound field
signals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009530372A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4949477B2 (ja
Inventor
マクグラス、デイビッド・スタンリー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dolby Laboratories Licensing Corp
Original Assignee
Dolby Laboratories Licensing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dolby Laboratories Licensing Corp filed Critical Dolby Laboratories Licensing Corp
Publication of JP2010504717A publication Critical patent/JP2010504717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4949477B2 publication Critical patent/JP4949477B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S3/00Systems employing more than two channels, e.g. quadraphonic
    • H04S3/02Systems employing more than two channels, e.g. quadraphonic of the matrix type, i.e. in which input signals are combined algebraically, e.g. after having been phase shifted with respect to each other
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R5/00Stereophonic arrangements
    • H04R5/027Spatial or constructional arrangements of microphones, e.g. in dummy heads
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S2400/00Details of stereophonic systems covered by H04S but not provided for in its groups
    • H04S2400/15Aspects of sound capture and related signal processing for recording or reproduction
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S2420/00Techniques used stereophonic systems covered by H04S but not provided for in its groups
    • H04S2420/11Application of ambisonics in stereophonic audio systems

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Algebra (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Analysis (AREA)
  • Mathematical Optimization (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Pure & Applied Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Stereophonic System (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)
  • Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Abstract

空間分解能を改善したサウンドフィールドを表現するオーディオ信号を、高次の角度項を持つサウンドフィールドを表現する信号を導き出すことで取得する。これは、ゼロ次と1次の角度項を持つサウンドフィールドを表現する入力オーディオ信号を分析し、サウンドフィールドにおける音響エネルギーの1以上の角度方向の統計的特性を導き出すことにより実行する。処理された信号は、入力オーディオ信号がこの統計的特性に従って重み付けされる入力オーディオ信号の重み付けされた結合から導き出される。この入力オーディオ信号と処理された信号は、1次以上の次数の2いじょうの角度項を持つ角度方向の関数としてサウンドフィールドを表現する。

Description

本発明一般にオーディオに関し、さらに詳細には、マルチチャンネルオーディオ再生システムにより再生される低空間分解能のオーディオ信号の知覚できる空間分解能を改善するために用いることのできる装置及び技術に関する。
マルチチャンネルオーディオ再生システムは、リスナーを取り巻く複数のラウドスピーカの能力を活用することにより、音楽演奏やスポーツイベントのような音響イベントの聴覚を正確に再現する能力を提供する。この再生システムは、サウンドがくる見かけ上の方向の感覚のみならず、そのような音響事象に伴い発生することが予想される反響をも再現する多次元サウンドフィールドも生成する。
スポーツイベントにおいて、例えば、観客は一般に、競技場の選手達からの方向性を持ったサウンドはそのサウンドを包み込む他の観客からのサウンドを伴っていることを期待するであろう。イベントでのこのような聴覚的感覚を正確に再現するためにはこのようなサウンドを包み込むサウンドが不可欠である。同様に、室内のコンサートにおける聴覚的感覚は、コンサートホールの反響効果を再現することなしに再現することはできない。
再生システムで再現された聴覚的感覚の真実度は、再生された信号の空間分解能により影響される。一般に空間分解能が上がるにつれて、再生の精度が上がる。消費者及び商業的なオーディオ再生システムでは、しばしば多数のラウドスピーカを用いるが、残念ながら、それで再生するオーディオ信号は比較的低い空間分解能をもっていることがある。多くの放送された、或いは記憶されたオーディオ信号は、要求されるものより低い空間分解能を有する。その結果、再生システムにより達成することのできる真実度は、再生するオーディオ信号の空間分解能により制限されてしまうことがある。必要とされるのは、オーディオ信号の空間分解能を上げる方法である。
本願発明の目的は、多次元サウンドフィールドを表現するオーディオ信号の空間分解能を上げることである。
この目的は、本明細書に記載された発明により達成される。本発明の1つの特徴によれば、サウンドフィールド中の音響エネルギーの1以上の角度方向における統計的特性が、ゼロ次角度項及び1次角度項による角度方向の関数としての、サウンドフィールドを表現する3以上の入力オーディオ信号を分析することにより導き出される。2以上の処理された信号が3以上の入力信号の重み付けされた結合から導き出される。3以上のオーディオ信号は前記統計的特性に従い重み付けされて結合される。2以上の処理された信号は、1次以上の次数の2以上の角度項による角度方向の関数としての、サウンドフィールドを表現する。3以上の入力オーディオ信号及び2以上の処理された信号は、ゼロ次及び1次以上の次数の角度項による角度方向の関数としての、サウンドフィールドを表現する。
本願発明の種々の特徴及び好ましい実施の形態は、以下の説明及び類似の参照番号は類似する要素を表す以下の図面を参照することによりよく理解されるであろう。以下の説明及び図面の内容は、例示であって、本願発明の技術的範囲を限定するためのものではない。
マイクロフォンシステムにより捕捉され、続いて、再生システム再生される音響事象の概略図である。 リスナーとサウンドの見かけ方位角を示す。 方向に対する聴覚的感覚を生じさせるためにラウドスピーカに信号を配信する典型的な再生システム部分を示す。 仮想的な再生システムにおける2個の隣り合うらウドスピーカのチャンネルに対するゲインをグラフで示したものである。 1次の信号から結果的に得られた空間分解能における方向を示すゲイン関数をグラフで示したものである。 3次の信号を含むゲイン関数をグラフで示したものである。 仮想的な典型的再生システムの概略図である。 仮想的な典型的再生システムの概略図である。 仮想的な典型的再生システムの概略図である。 仮想的な典型的再生システムの概略図である。 3チャンネル(W,X,Y)Bフォーマット信号から高次の項を導き出す方法の概略ブロック図である。 3チャンネル(W,X,Y)Bフォーマット信号から高次の項を導き出す方法の概略ブロック図である。 3チャンネルBフォーマット信号から統計的特性を導き出すために用いることができる回路の概略ブロック図である。 3チャンネルBフォーマット信号から統計的特性を導き出すために用いることができる回路の概略ブロック図である。 3チャンネルBフォーマット信号から統計的特性を導き出すために用いることができる回路の概略ブロック図である。 3チャンネルBフォーマット信号の統計的特性から2次及び3次信号を生成するために用いることのできる回路の概略ブロック図を示す。 本発明の種々の特徴を組み込んだマイクロフォンシステムの概略ブロック図である。 代替的な、マイクロフォンシステムにおける変換器の概略ブロック図である。 代替的な、マイクロフォンシステムにおける変換器の概略ブロック図である。 再生システムにおけるラウドスピーカチャンネルの仮想的なゲイン関数をグラフで示したものである。 本発明の種々の特徴を実施するために用いることのできる装置の概略ブロック図である。
A.序
図1は、マイクロフォンシステム15により捕捉された、本発明の特徴を組み込んだ音響事象10とデコーダ17を概念的に示すものである。デコーダ17は、受け取った信号を処理し、機能強化した空間分解能をもつ処理済み信号を生成する。処理済み信号は、その音響事象を体験することのできる聴覚的感覚の正確に再現するために、1人以上のリスナーの近くに配置した、配列を形成するラウドスピーカシステムにより再生される。マイクロフォンシステム15は、直接的なサウンド波形13と、部屋又はコンサートホールのような音響環境における1以上の壁面から反射して来た、その後到達する間接的なサウンド波形14との両方を捕捉する。
1つの実施の形態において、マイクロフォンシステム15は、Bフォーマットとして知られるアンビソニック4チャンネル信号フォーマット(W,X,Y,Z)に適合するオーディオ信号を提供する。英国、Wakefield、SoundField Ltd.のSPS422Bマイクロフォンシステム及びMKVマイクロフォンシステムがこれに用いることのできる2つの例である。SoundFieldのマイクロフォンシステムを用いた実施の形態の詳細を以下に説明する。必要に応じて、本発明の範囲から逸脱することなく、他のマイクロフォンシステム及び信号フォーマットを用いることができる。
4チャンネル(W,X,Y,Z)Bフォーマット信号を、4つの同時的な音響変換器の配列により取得することができる。概念的には、1つの変換器は全方位となり、3個の変換器は、互いに直行する、指向性のある双極子パターンを有する。多くのBフォーマットマイクロフォンシステムは4つの変換器の出力に応答して4チャンネルのBフォーマット信号を生成する、四面体配置の4つの方向を持つ音響変換器と信号プロセッサとで構成される。Wチャンネル信号は全方位サウンド波形を表し、X,Y,Zチャンネルは、一般に1次の角度項θを持つ角度方向の関数として表示される3つの互いに直行する方向のサウンド波形を表す。X軸は、リスナーに対して後ろから前に水平方向に配置され、Y軸は、リスナーに対して右から左に水平方向に配置され、Z軸は、リスナーに対して垂直に上向きに配置される。X軸とY軸は図2に示されている。図2には、ベクトル(x,y)で表すことのできる、サウンドの見かけの方向角も示されている。ベクトルに単位長を持たせることにより、以下のように表される。
Figure 2010504717
4チャンネルBフォーマット信号は、サウンドフィールドについての4次元情報に変換することができる。サウンドフィールドについて、2次元の情報のみを必要とするアプリケーションでは、Zチャンネルを除いた3チャンネル(W,X,Y)Bフォーマット信号を用いることができる。本発明の種々の特徴は、2次元再生システム及び3次元再生システムに用いることができるが、以下の説明では特に、2次元のアプリケーションについてさらに説明する。
B.信号パンニング
図3は、リスナー12の周りに8個のラウドスピーカを置いた典型的な再生システムの部分を示している。図は、見かけ上の方向がそれぞれP’とQ’である2つのサウンドを表す2つの入力信号PとQに応答して、システムがサウンドフィールドを生成している状態を示している。パンナー部分33は、入力信号PとQとを処理して、方向を持った聴覚的感覚を再現させるために、ラウドスピーカチャンネルに処理した信号を分配し或いはパンさせる。パンナー部分33は、多数の処理に用いることができる。用いることができる1つの処理は、ニアレストスピーカアンプリチュードパン(Nearest Speaker Amplitude Pan(NSAP))として知られる処理に用いることができる。
NSAP処理では、リスナー又はリスニング領域に対する見かけ上のサウンドの方向及びラウドスピーカの位置に応じて、各ラウドスピーカのチャンネルのゲインを適合させてラウドスピーカチャンネルに信号を分配する。2次元システムでは、例えば、信号Pのゲインは、この信号が表すサウンドの見かけ上の方向の方位角θPと、見かけ上の方向θPの両側に位置するそれぞれ2つのラウドスピーカSF及びSEの方位角θF及びθEと、の関数から得られる。1つの実施の形態において、これらの直近2個のラウドスピーカへのチャンネル以外のすべてのラウドスピーカチャンネルのゲインはゼロにセットされ、直近2個のラウドスピーカへのチャンネルのゲインは以下の式で計算される。
Figure 2010504717
同様の計算が他の信号のゲインを取得するために用いられる。信号Qは、この信号により表現されるサウンドの見かけ上の方向θQが1つのラウドスピーカSCにより位置決めされる特別な場合である。ラウドスピーカSB又はSDのどちらかを、ラウドスピーカに2番目に近いものとして選択することができる。式(1a)及び式(1b)からわかるように、ラウドスピーカSCのチャンネルのゲインは1に等しく、他のすべてのラウドスピーカチャンネルのゲインはゼロである。
ラウドスピーカチャンネルのゲインは、方位角の関数としてプロットすることができる。図4で示したグラフは、ラウドスピーカSEとSFがお互いに別々で、直近のスピーカと45度の角度を隔てている図3で示したシステムにおけるラウドスピーカSEとSFのチャンネルのゲイン関数を示す。方位角は、図2に示した座標システムの形式で表している。信号Pで表されるようなサウンドの見かけ上の方角が135度と180度との間となるとき、ラウドスピーカSEとSFのゲインがゼロと1の間となり、システム中の他のすべてのラウドスピーカのゲインがゼロに設定される。
C.マイクロフォンのゲインパターン
これらのシステムでは、元の音響事象の聴覚的感覚を正確に再現することのできるサウンドフィールドを生成するための離散的な方向のサウンドを表現する信号に、このNSAPプロセスを適用することができる。残念ながら、マイクロフォンシステムは、離散的な方向で、サウンドを表現する信号を提供することはない。
音響事象10がマイクロフォンシステム15で捕捉されるとき、一般に、サウンド波13,14は、相異なる多数の方向からマイクロフォンシステムに到達する。上述のSoundField社のマイクロフォンシステムは、Bフォーマットに準拠する信号を生成する。4チャンネル(W,X,Y,Z)Bフォーマット信号を、方向角の関数で表されるサウンドフィールドの3次元特性を伝達するために生成することができる。Zチャンネルの信号を無視することで、3チャンネル(W,X,Y)Bフォーマット信号を、方向角の関数で表されるサウンドフィールドの2次元特性を表現するために取得することができる。必要なのは、離散的方向で表現したサウンドの信号に適用されるNSAP処理により実行することのできるものに類似の空間精度で、聴覚的感覚を再現できるように、これらの信号を処理する方法である。これだけの空間精度を達成するための能力は、マイクロフォンシステム15により提供される信号の空間分解能により妨げられる。
マイクロフォンシステムから得られる信号の空間分解能は、マイクロフォンシステムの方向に対する実際の感度が理想のパターンにどの程度準拠しているかによって決まる一方、理想のパターンは、マイクロフォンシステム内の音響変換器の方向に対する実際の感度のパターンによって決まる。音響変換器の方向に対する実際の感度のパターンは、理想のパターンからかけ離れていることがあるが、信号処理により理想のパターンからの乖離を埋め合わせることができる。また信号処理により、変換器のの出力信号を、Bフォーマットのような、要求されるフォーマットに変換することができる。変換器/プロセッサシステムの信号フォーマットを含む効率的な方向に対するパターンは、変換器の方向に対する感度と信号処理との結合結果である。上述したSoundField Ltd.のマイクロフォンシステムはこのような方法をおこなう例である。効率的な方向に対するパターンをどのように実現するかは重要ではないので、この実施の詳細は、本発明にとって本質的ではない。以下の説明において、「方向に対するパターン」及び「方向性」のようは用語は、サウンドフィールドを捕捉するのに用いる変換器又は変換器/プロセッサシステムの結合の効率的な方向に対する感度をいう。
変換器の感度の2次元的な方向に対するパターンは、方向角の関数であるゲインパターンとして記述することができ、以下の数式のどちらかで表現することのできる形を持つことができる。
Figure 2010504717
ここで、
全方位ゲインパターンに対して、a=0
カージオイド型ゲインパターンに対して、a=0.5
8の字型ゲインパターンに対して、a=1
となる。
これらのパターンは、1次の角度項θの方向角の関数として表され、ここで、1次のゲインパターンと称する。
一般的な実施の形態において、マイクロフォンシステム15は、サウンドフィールドの2次元又は3次元の情報を伝達する、3チャンネル(W,X,Y)Bフォーマット信号又は4チャンネル(W,X,Y,Z)Bフォーマット信号を提供するために、1次のゲインパターンをもつ3つ又は4つの変換器を用いる。式(4a)及び(4b)を参照して、3つのBフォーマット信号チャンネル(W,X,Y)のそれぞれのゲインは以下のように表される。
Figure 2010504717
ここで、Wチャンネルは、a=0で示されるような全方位ゼロ次のゲインパターンをもち、Xチャンネル及びYチャンネルは、a=1で示されるような8の字型の1次のゲインパターンをもつ。
D.再生システム分解能
再生のための配列においてラウドスピーカの数と配置は、再現されたサウンドフィールドの知覚できる空間分解能に影響を与えることがある。ここでは8個の同じ間隔で配置したラウドスピーカを持つシステムについて説明・開示するが、この配置は単なる例示に過ぎない。リスナーを取り巻くサウンドフィールドを再現するために少なくとも3個のラウドスピーカが必要であるが一般には5以上のラウドスピーカがあることが好ましい。再生システムの好ましい実施の形態において、デコーダ17は各ラウドスピーカに対して、他の出力信号とからできるだけデコリレートした出力信号を出力する。デコリレーションのレベルを高くすることにより、スイートスポットと一般に称される位置の外側にいるリスナーに生じる局在化の問題を避け、広いリスニング範囲で近くされるサウンドの方向が安定する。
本発明に係る再生システムの1つの実施の形態において、デコーダ17は、1以上のラウドスピーカに伝達される高次の角度項を持つ方向の関数としてのサウンドフィールドを表す処理済みの信号を導き出すために、ゼロ次及び1次の角度項のみを持つ方向の関数としてのサウンドフィールドを表す3チャンネル(W,X,Y,Z)Bフォーマット信号を処理する。従来のシステムにおいて、デコーダ17は、Bフォーマットチャンネルのそれぞれからの信号を、ラウドスピーカ位置に基づき選択されたゲイン係数を用いて各ラウドスピーカにそれぞれ処理済みの信号に混合する。残念ながら、このような混合処理は、上述したような一般的なNSAP処理に用いるゲイン関数のような高い空間分解能を提供するものではない。例えば、図5に示したグラフは、1次のBフォーマット信号の線形混合から得られたゲイン関数の空間分解能の劣化を示している。
この空間分解能の劣化の原因は、振幅RをもつサウンドPの正確な方位角θがマイクロフォンシステム15により測定されていないことで説明することができる。その代わり、マイクロフォンシステム15は、ゼロ次及び1次の角度項の方向の関数としてサウンドフィールドを表すW=R,X=R・cosθ及びY=R・sinθの3つの信号を記録する。例えばラウドスピーカSEのために生成された処理された信号は、Wチャンネル信号,Xチャンネル信号,及びYチャンネル信号の線形結合により成り立っている。
混合処理のためのゲイン曲線は、望ましいNSAPゲイン関数の低次のフーリエ近似としてみることができる。例えば、図4に示したSEラウドスピーカチャンネルについてのNSAPゲイン関数は、フーリエ級数ゲインとして、
Figure 2010504717
のように表すことができるが、標準的なデコーダでは、2次以上の項は省略し、以下のように表現できる。
Figure 2010504717
デコーダ17についての処理関数の空間分解能は、高次の項を持つ方向の関数としてサウンドフィールドを表現する信号を含めることにより増加させることができる。例えば、3次までの項まで含むSEラウドスピーカチャンネルについてのゲイン関数は、以下のように表現できる。
Figure 2010504717
3次の項を含むゲイン関数は、図6に示すように望ましいNSAPゲイン曲線により近似させることができる。
2次及び3次の角度項は、2次及び3次のサウンドフィールド成分を捕捉するマイクロフォンシステムを用いることにより取得することができるが、これは、2次及び3次の方向に対する感度パターンをもつ音響変換器を必要とする。高次の方向に対する感度をもつ変換器は作ることが非常に難しい。加えて、この方法は、1次の方向に対する感度パターンをもつ変換器を用いて記録した信号を再生するのには何の解決にもならない。
図7A〜図7Dに示す概略ブロック図は、異なった形式の入力信号に応答して多次元サウンドフィールを生成するために用いることのできる、相異なる仮想的な再生システムを示す。図7Aに示した再生システムにより、8個の離散的な入力信号に応答して8個のラウドスピーカが動作する。図7B及び図7Cに示した再生システムにより、入力信号のフォーマットに適したデコーディング処理をおこなうデコーダ17を用いて、それぞれ、1次及び3次のBフォーマット入力信号に応答して8個のラウドスピーカが動作する。図7Dに示した再生システムには、2次及び3次のゲインパターンをもつ変換器を用いたマイクロフォンシステムから取得することができる信号に近似する処理信号を導き出すためにゼロ次と1次の3チャンネル(W,X,Y)Bフォーマット信号をデコーダ17が処理する、本発明の種々の特徴を組み込まれている。以下の説明では、これらの処理信号を導き出すために用いることのできるいろいろな方法を説明する。
E.高次の項の導出
高次の角度項を導き出すための2つの基本的な方法について以下に記載する。1番目の方法では、広帯域信号についての角度項を導き出す。2番目の方法は、周波数サブ帯域についての角度項を導き出す、1番目の方法を変形したものである。これらの技術は、高次の項の成分を持つ信号を生成するために用いることができる。加えて、これらの技術は、3次元のアプリケーションに対する4チャンネルBフォーマット信号に適用することができる。
1.広帯域アプローチ
図8は、3チャンネル(W,X,Y)Bフォーマット信号から高次の項を導き出すための広帯域アプローチの概略ブロック図である。ここで、
Figure 2010504717
のように表される4個の統計的特性は、Bフォーマット信号を分析することにより取得されるものであり、これらの特性は、2次及び3次の項の推定値を生成するために用いられ、以下のように表される。
Figure 2010504717
4個の統計的特性を取得する技術では、任意の時刻tにおいて、マイクロフォンシステム15で生じた音響エネルギー事象は、単一の角度方向から到達すると仮定し、これにより、方向角をθ(t)で表すことのできる時間の関数とみなす。その結果、Wチャンネル,Xチャンネル,及びYチャンネルは、基本的に以下のような形になるとみなされる。
Figure 2010504717
音響エネルギーの角度方向に対する4個の統計的特性の推定は、以下に示した式(9a)〜(9d)から導き出すことができ、ここで、表記Aν(x)は、信号xの平均値を表す。この平均値は、信号特性が著しく変化する期間と比較して短い期間について計算してもよい。
Figure 2010504717
以下に示すように、4つの統計的特性S,C,S,Cの推定値を取得するために他の技法を用いることもできる。
上述の4つの信号X,Y,X,Yは、この4つの統計的特性を重み付けとして用い、以下の三角関数の恒等式を用いて、Wチャンネル信号,Xチャンネル信号,及びYチャンネル信号の重み付け結合から生成することができる。
Figure 2010504717
信号は、以下の重み付け結合のいずれからでも得ることができる。
Figure 2010504717
式(10c)で計算された値は、最初の2つの表現の平均である。Y信号は、以下の重み付け結合のいずれからでも得ることができる。
Figure 2010504717
式(11c)で計算された値は、最初の2つの表現の平均である。3次の信号は、以下の重み付け結合で得ることができる。
Figure 2010504717
他の重み付け結合は、4つの信号X,Y,X,Yの計算に用いることができる。上述の式は、使うことのできる計算式の例を示しているだけである。
統計的特性を導き出すために他の技術を用いることができる。例えば、もし処理リゾースが十分あるのならば、以下の式からC1を取得することも現実的となる。
Figure 2010504717
この式では、先のKのサンプルについてWチャンネル信号,Xチャンネル信号,及びYチャンネル信号を分析することにより、サンプルnにおけるCの値を計算する。
を取得することのできる他の技術は、以下の式に示すように、式(14a)の有限和の代わりに1次の再帰的なフィルターを用いて計算するものである。
Figure 2010504717
平滑フィルターの時定数は係数αにより定まる。この計算では図10に示したブロック図に示されるような処理がなされる。式(14b)の表現における分母がゼロになるときに起こるゼロでわり算することによるエラーは、式に示すように分母に小さな値εを加算することにより避けることができる。これにより式は以下のように少し変形される。
Figure 2010504717
ゼロで割り算することによるエラーは、図11に示したフィードバックループを用いることによっても避けることができる。この技術は先の推定値C(n−1)を用いて以下のエラー関数を計算する。
Figure 2010504717
エラー関数の値がゼロより大きい場合は、先の推定値Cが小さすぎ、signum(Err(n)の値が1となり、調整値がαに等しくなることにより推定値が増加する。エラー関数の値がゼロより小さい場合は、先の推定値Cが大きすぎ、signum(Err(n)の値が−1となり、調整値がαに等しくなることにより推定値が減少する。エラー関数の値がゼロの場合は、先の推定値Cは適切であり、関数signum(Err(n)はゼロであり、推定値は変化しない。Cの粗い推定値は、図11に示したブロック図の左下部に示した記憶要素すなわち時間遅れ要素で生成され、平滑化したこの推定値は、このブロック図の右下部分のCで示した出力で生成される。平滑化フィルターの時定数はαにより定まる。
4つの統計的特性C,S,C,Sは、図12のブロック図に相当する回路及び処理を用いることにより取得することができる。高次の項を持つ信号X,Y,X,Yは、図13のブロック図に相当する回路及び処理を用いることにより式(10c)、(11c)、及び(12)によって取得することができる。
Wチャンネル入力信号,Xチャンネル入力信号,及びYチャンネル入力信号から4つの統計的特性を導き出すために用いられる処理は、この処理で時間平均技術を用いた場合いくらかの時間遅れを受ける。リアルタイムシステムでは、統計的に導き出すことによる時間遅れを補償するために、図9に示したように入力経路に時間遅れを付加することが好都合となることがある。多くの実施形態における統計的分析に対する一般的な時間遅れ値は10msから50msの間である。入力信号経路に挿入した時間遅れは、一般に統計的分析による時間遅れに等しいか又はそれより小さい。多くの実施の形態において、信号経路における時間遅れを省略しても、システムの全体的な性能を大きく損なうことはない。
2.マルチバンドアプローチ
上述した技法は、時間に対して変化するが周波数に対して変化しないスカラー値で表現することのできる広帯域統計的特性を導き出すものである。この導出技法は、多数の異なった周波数すなわち異なった周波数サブ帯域に相当する要素を持つベクトルとして表現することのできる周波数帯域に依存する統計的特性に拡張することができる。或いは、周波数帯域に依存する各統計的特性C,S,C,Sは、インパルス応答として表現することもできる。
,S,C,Sベクトルの各要素が周波数に依存するゲイン値として扱われる場合は、X,Y,X,及びYの信号の重み付けした結合は、これらのベクトルにおけるゲイン値に基づく周波数応答を持つWチャンネル信号,Xチャンネル信号,及びYチャンネル信号に適切なフィルターを適用することにより生成することができる。先の式及び図に示した乗算は、畳込みのようなフィルター処理で置き換えられる。
Wチャンネル信号,Xチャンネル信号,及びYチャンネル信号の統計的分析は、周波数又は時間領域において行うことができる。この分析が周波数領域で行われる場合は、周波数領域の係数を生成するためにブロックフーリエ変換等を用いて短時間周波数領域に入力信号を変換することができ、4つの統計的特性を、周波数サブ帯域を定める、各周波数領域の係数又は周波数領域の係数のグループに対して計算することができる。X,Y,X,及びYの信号を生成するために用いられる処理は、係数毎を基準に或いは帯域毎を基準にこの処理に用いることができる。
F.マイクロフォンシステムにおける実施
上述の技術は、空間精度が改善された出力信号を出すことのできるマイクロフォンシステム15を形成するための変換器/プロセッサ構成に組み込むことができる。図14に概略的に示した1つの実施の形態において、マイクロフォンシステム15は、各変換器が三角形の中心から外側に向かっている正三角形の頂点に配置されている、カージオイド形の方向パターンの感度を持つ同時的又はほぼ同時的な3つの音響変換器A,B,Cにより構成されている。この変換器の方向ゲインパターンは以下のように表すことができる。
Figure 2010504717
ここで変換器AはX軸に沿って向けられており、変換器BはX軸から120度だけ左後方に向けられており、変換器CはX軸から120度だけ右後方に向けられている。
変換器からの出力信号は、以下のように3チャンネル(W,X,Y)1次Bフォーマット信号に変換される。
Figure 2010504717
3チャンネルBフォーマット信号を捕捉するために最小限3個の変換器が必要である。実際には、低価格の変換器を用いるときは、4個の変換器を用いることが望ましい。図15A及び図15Bに示した概略図は、2つの代替的な構成を示している。3つの変換器配置は、60度、−60度、及び180度のような異なった方向に変換器が向けられて構成されている。4つの変換器配置は、0度、90度、−90度、及び180度の方向に変換器が向けられている、「ティー」構成と呼ばれる構成、又は、45度、−45度、135度、及び−135度の方向に変換器が向けられている、「クロス」構成と呼ばれる構成に配置することができる。クロス構成のゲインパターンは以下のようになる。
Figure 2010504717
ここで、添え字LF,RF,LB,及びRBは、左前方、右前方、左後方、及び右後方に向けられた変換器のゲインを表す。
クロス構成の変換器からの出力信号は、以下のように、3チャンネル(W,X,Y)1次Bフォーマット信号に変換される。
Figure 2010504717
実際には、各変換器の方向的ゲインパターンは実際のカージオイドパターンとは異なる。上記変換式は、これらの差異を考慮に入れて調整する。加えて、変換器は低い周波数では方向的感度が鈍くなる。しかし、この性質は、一般にリスナーは低周波数で方向的感度が低いので、この性質は、多くのアプリケーションで容認できるものである。

G.混合方程式
7つの1次、2次及び3次の信号(W,X,Y,X2,Y2,X3,Y3)のセットにより、必要な数のラウドスピーカを駆動するためのマトリックスにより混合又は結合することができる。以下の混合方程式により、左(L),右(R),中央(C)、左サラウンド(LS),及び右サラウンド(RS)チャンネルからなる一般的なサラウンドサウンド構成にある5つのラウドスピーカを駆動するために用いることのできる、7×5マトリックスが定まる。
Figure 2010504717
この混合方程式により得られるラウドスピーカのゲイン関数は、図16にグラフで示されている。これらのゲイン関数は、混合マトリックスは理想的な入力セットにより提供されることを前提とする。
H.実施の形態
本発明のさまざまな特徴を組み込んだ装置は、コンピュータ又は汎用コンピュータに見られる構成要素と同様な構成要素と結合したディジタル信号プロセッサ(DSP)回路のような専用化した構成要素を含む他の装置により実行させるソフトウェアを含むさまざまな方法で実施することができる。 図17は本発明の特徴を実施するために用いることのできる装置の概略ブロック図である。プロセッサ72は計算手段を提供する。RAM73は処理のためのプロセッサ72により用いられるランダムアクセスメモリ(RAM)のシステムである。ROM74は、装置を動作させるのに必要なプログラムを保存するための、及び、おそらく本発明のさまざまな特徴を実行することのできるリードオンリーメモリ(ROM)のような固定記憶の形態を示す。I/O制御75は、通信チャンネル76,77を用いて信号を受信し送信するインターフェース回路を示す。図示の実施の形態では、すべての主要なシステム構成要素は、2以上の物理的または論理的バスを表すバス71に接続されているが、バス構成は本発明を実施するために必ずしも必要ではない。
記憶装置78の設置は任意的である。本発明のさまざまな特徴を実行するプログラムを、磁気テープ又はディスク或いは光学的記憶媒体のような記憶媒体を有する記憶装置78に記憶することができる。この記憶媒体はオペレーティングシステムに対する指令プログラム、ユーティリティープログラム、及びアプリケーションプログラムを記憶するために使うことができる。
本発明のさまざまな特徴を実行するために必要な機能は、個別の論理要素、集積回路、1以上のASICs及び/又はプログラム制御されるプロセッサを含む広くさまざまな方法に用いられる構成要素により実行される。これらの構成要素を用いる方法は本発明にとって重要ではない。
本発明を実施するソフトウェアは、超音波から赤外周波数を含む範囲のスペクトルでのベースバンド通信経路又は変調通信経路のような機械的に読み出し可能なさまざまな媒体、又は、磁気テープ、磁気カード、磁気ディスク、光学カード又は光学ディスク、及び紙を含む媒体上の検出可能なマーキングを含んで、原則としてあらゆる記憶技術を含む、情報を伝達する記憶媒体により伝達することができる。

Claims (25)

  1. サウンドフィールドを表すオーディオ信号の空間分解能を上げる方法であって、
    ゼロ次及び1次の角度項による角度方向の関数として表した3以上の入力オーディオ信号を受け取るステップと、
    前記サウンドフィールド中の音響エネルギーの1以上の角度方向の統計的特性を導き出すために前記3以上の入力オーディオ信号を分析するステップと、
    前記3以上の入力オーディオ信号の重み付けされた結合から2以上の処理された信号を導き出すステップであって、前記3以上の入力オーディオ信号は、前記統計的特性に従い重み付けされ、前記2以上の処理された信号は、1次以上の次数の2以上の角度項による角度方向の関数としてのサウンドフィールドを表現することを特徴とする、ステップと、
    ゼロ次及び1次以上の角度項による角度方向の関数として前記サウンドフィールドを表す5以上の出力オーディオ信号を出力するステップであって、該5以上の出力オーディオ信号は、前記3以上の入力オーディオ信号と前記2以上の処理された信号とからなることを特徴とするステップと、
    を具備することを特徴とする方法。
  2. 前記3以上の入力オーディオ信号を、それぞれ1次以下の角度項による方向的感度を持つ複数の音響変換器から受け取ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 2次の角度項による角度方向の関数としてサウンドフィールドを表す2以上の信号を前記統計的特性から導き出すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 2次及び3次の角度項による角度方向の関数としてサウンドフィールドを表す4以上の処理された信号を前記統計的特性から導き出すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
  5. 1より大きい2以上の次数の角度項による角度方向の関数としてサウンドフィールドを表す4以上の処理された信号を前記統計的特性から導き出すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
  6. 前記統計的特性は、少なくとも一部は時間区間について計算した3以上の入力オーディオ信号の平均から導き出すことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記入力信号はそれぞれサンプルにより表現され、前記統計的特性は、少なくとも一部はそれぞれの入力オーディオ信号の複数のサンプルの合計から導き出すことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記統計的特性は、少なくとも一部は3以上の入力オーディオ信号から導き出された値に平滑フィルターを適用することにより導き出すことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記統計的特性は、角度方向の1次の項の正弦関数又は余弦関数として表現されたサウンドフィールドの特性を表すことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 3以上の入力オーディオ信号の周波数に依存する統計的特性を導き出すことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 周波数領域の係数を生成するために前記3以上の入力オーディオ信号にブロック変換を適用するステップと、
    個々の周波数領域の係数又は周波数領域の係数のグループから周波数に依存する統計的特性を導き出すステップと、
    前記周波数に依存する統計的特性に基づく周波数応答を有する3以上の入力オーディオ信号にフィルターを適用することにより2以上の処理された信号を導き出すステップと、 を具備することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記周波数に依存する統計的特性に基づくインパルス応答を有する3以上の入力オーディオ信号にフィルターを適用することにより2以上の処理された信号を導き出すステップを具備することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. サウンドフィールドを表すオーディオ信号の空間分解能を上げる装置であって、
    ゼロ次及び1次の角度項による角度方向の関数として表した3以上の入力オーディオ信号を受け取る手段と、
    前記サウンドフィールド中の音響エネルギーの1以上の角度方向の統計的特性を導き出すために前記3以上の入力オーディオ信号を分析する手段と、
    前記3以上の入力オーディオ信号の重み付けされた結合から2以上の処理された信号を導き出す手段であって、前記3以上の入力オーディオ信号は、前記統計的特性に従い重み付けされ、前記2以上の処理された信号は、1次以上の次数の2以上の角度項による角度方向の関数としてのサウンドフィールドを表現することを特徴とする、手段と、
    ゼロ次及び1次以上の角度項による角度方向の関数として前記サウンドフィールドを表す5以上の出力オーディオ信号を出力する手段であって、該5以上の出力オーディオ信号は、前記3以上の入力オーディオ信号と前記2以上の処理された信号とからなることを特徴とする手段と、
    を具備することを特徴とする方法。
  14. 前記3以上の入力オーディオ信号を、それぞれ1次以下の角度項による方向的感度を持つ複数の音響変換器から受け取ることを特徴とする請求項13に記載の装置。
  15. 2次の角度項による角度方向の関数としてサウンドフィールドを表す2以上の信号を前記統計的特性から導き出すことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の装置。
  16. 2次及び3次の角度項による角度方向の関数としてサウンドフィールドを表す4以上の処理された信号を前記統計的特性から導き出すことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の装置。
  17. 1より大きい2以上の次数の角度項による角度方向の関数としてサウンドフィールドを表す4以上の処理された信号を前記統計的特性から導き出すことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の装置。
  18. 前記統計的特性は、少なくとも一部は時間区間について計算した3以上の入力オーディオ信号の平均から導き出すことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 前記入力信号はそれぞれサンプルにより表現され、前記統計的特性は、少なくとも一部はそれぞれの入力オーディオ信号の複数のサンプルの合計から導き出すことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載の装置。
  20. 前記統計的特性は、少なくとも一部は3以上の入力オーディオ信号から導き出された値に平滑フィルターを適用することにより導き出すことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載の装置。
  21. 前記統計的特性は、角度方向の1次の項の正弦関数又は余弦関数として表現されたサウンドフィールドの特性を表すことを特徴とする請求項13乃至請求項20のいずれか1項に記載の装置。
  22. 3以上の入力オーディオ信号の周波数に依存する統計的特性を導き出すことを特徴とする請求項13乃至請求項21のいずれか1項に記載の装置。
  23. 周波数領域の係数を生成するために前記3以上の入力オーディオ信号にブロック変換を適用する手段と、
    個々の周波数領域の係数又は周波数領域の係数のグループから周波数に依存する統計的特性を導き出す手段と、
    前記周波数に依存する統計的特性に基づく周波数応答を有する3以上の入力オーディオ信号にフィルターを適用することにより2以上の処理された信号を導き出す手段と、
    を具備することを特徴とする請求項22に記載の装置。
  24. 前記周波数に依存する統計的特性に基づくインパルス応答を有する3以上の入力オーディオ信号にフィルターを適用することにより2以上の処理された信号を導き出す手段を具備することを特徴とする請求項22に記載の装置。
  25. 装置に実行させることのできる命令プログラムを記憶させた記憶媒体であって、該命令プログラムを履行することにより請求項1乃至請求項12に記載の方法を該装置が実行することを特徴とする記憶媒体。
JP2009530372A 2006-09-25 2007-09-19 高次角度項による信号を抽出することでマルチチャンネルオーディオ再生システムの空間分解能を改善したサウンドフィールド Expired - Fee Related JP4949477B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US84732206P 2006-09-25 2006-09-25
US60/847,322 2006-09-25
PCT/US2007/020284 WO2008039339A2 (en) 2006-09-25 2007-09-19 Improved spatial resolution of the sound field for multi-channel audio playback systems by deriving signals with high order angular terms

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010504717A true JP2010504717A (ja) 2010-02-12
JP4949477B2 JP4949477B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=39189341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009530372A Expired - Fee Related JP4949477B2 (ja) 2006-09-25 2007-09-19 高次角度項による信号を抽出することでマルチチャンネルオーディオ再生システムの空間分解能を改善したサウンドフィールド

Country Status (10)

Country Link
US (1) US8103006B2 (ja)
EP (1) EP2070390B1 (ja)
JP (1) JP4949477B2 (ja)
CN (1) CN101518101B (ja)
AT (1) ATE495635T1 (ja)
DE (1) DE602007011955D1 (ja)
ES (1) ES2359752T3 (ja)
RU (1) RU2420027C2 (ja)
TW (1) TWI458364B (ja)
WO (1) WO2008039339A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016517033A (ja) * 2013-03-22 2016-06-09 トムソン ライセンシングThomson Licensing 1次アンビソニックス信号の指向性を高める方法及び装置
JP2016536857A (ja) * 2013-10-07 2016-11-24 ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション 空間的オーディオ・システムおよび方法

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8036767B2 (en) 2006-09-20 2011-10-11 Harman International Industries, Incorporated System for extracting and changing the reverberant content of an audio input signal
ES2425814T3 (es) * 2008-08-13 2013-10-17 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Aparato para determinar una señal de audio espacial convertida
EP2205007B1 (en) * 2008-12-30 2019-01-09 Dolby International AB Method and apparatus for three-dimensional acoustic field encoding and optimal reconstruction
GB2478834B (en) 2009-02-04 2012-03-07 Richard Furse Sound system
KR101588028B1 (ko) * 2009-06-05 2016-02-12 코닌클리케 필립스 엔.브이. 서라운드 사운드 시스템 및 이를 위한 방법
CN102687536B (zh) * 2009-10-05 2017-03-08 哈曼国际工业有限公司 用于音频信号的空间提取的系统
WO2013028393A1 (en) 2011-08-23 2013-02-28 Dolby Laboratories Licensing Corporation Method and system for generating a matrix-encoded two-channel audio signal
US9622006B2 (en) 2012-03-23 2017-04-11 Dolby Laboratories Licensing Corporation Method and system for head-related transfer function generation by linear mixing of head-related transfer functions
EP2645748A1 (en) * 2012-03-28 2013-10-02 Thomson Licensing Method and apparatus for decoding stereo loudspeaker signals from a higher-order Ambisonics audio signal
EP2688066A1 (en) * 2012-07-16 2014-01-22 Thomson Licensing Method and apparatus for encoding multi-channel HOA audio signals for noise reduction, and method and apparatus for decoding multi-channel HOA audio signals for noise reduction
WO2014046916A1 (en) 2012-09-21 2014-03-27 Dolby Laboratories Licensing Corporation Layered approach to spatial audio coding
US9979829B2 (en) * 2013-03-15 2018-05-22 Dolby Laboratories Licensing Corporation Normalization of soundfield orientations based on auditory scene analysis
KR102414609B1 (ko) * 2013-04-26 2022-06-30 소니그룹주식회사 음성 처리 장치, 정보 처리 방법, 및 기록 매체
CN104244164A (zh) * 2013-06-18 2014-12-24 杜比实验室特许公司 生成环绕立体声声场
CN109036441B (zh) * 2014-03-24 2023-06-06 杜比国际公司 对高阶高保真立体声信号应用动态范围压缩的方法和设备
US9774976B1 (en) 2014-05-16 2017-09-26 Apple Inc. Encoding and rendering a piece of sound program content with beamforming data
TWI628454B (zh) 2014-09-30 2018-07-01 財團法人工業技術研究院 基於聲波的空間狀態偵測裝置、系統與方法
CN105635635A (zh) 2014-11-19 2016-06-01 杜比实验室特许公司 调节视频会议系统中的空间一致性
US9606620B2 (en) * 2015-05-19 2017-03-28 Spotify Ab Multi-track playback of media content during repetitive motion activities
US10109288B2 (en) 2015-05-27 2018-10-23 Apple Inc. Dynamic range and peak control in audio using nonlinear filters
US10932078B2 (en) 2015-07-29 2021-02-23 Dolby Laboratories Licensing Corporation System and method for spatial processing of soundfield signals
CN109314832B (zh) * 2016-05-31 2021-01-29 高迪奥实验室公司 音频信号处理方法和设备
FR3062967B1 (fr) 2017-02-16 2019-04-19 Conductix Wampfler France Systeme de transfert d'un lien magnetique
JP7196399B2 (ja) * 2017-03-14 2022-12-27 株式会社リコー 音響装置、音響システム、方法およびプログラム
WO2018213159A1 (en) 2017-05-15 2018-11-22 Dolby Laboratories Licensing Corporation Methods, systems and apparatus for conversion of spatial audio format(s) to speaker signals
EP3625974B1 (en) * 2017-05-15 2020-12-23 Dolby Laboratories Licensing Corporation Methods, systems and apparatus for conversion of spatial audio format(s) to speaker signals
US10609502B2 (en) * 2017-12-21 2020-03-31 Verizon Patent And Licensing Inc. Methods and systems for simulating microphone capture within a capture zone of a real-world scene

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52134701A (en) * 1976-03-15 1977-11-11 Nat Res Dev Device for transmitting or recording directional sound

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3072878A (en) * 1961-05-29 1963-01-08 United Carr Fastener Corp Electrical lamp socket
US4063034A (en) * 1976-05-10 1977-12-13 Industrial Research Products, Inc. Audio system with enhanced spatial effect
US4262170A (en) * 1979-03-12 1981-04-14 Bauer Benjamin B Microphone system for producing signals for surround-sound transmission and reproduction
JPH0613027B2 (ja) * 1985-06-26 1994-02-23 富士通株式会社 超音波媒体特性値測定装置
FR2631707B1 (fr) * 1988-05-20 1991-11-29 Labo Electronique Physique Echographe ultrasonore a coherence de phase controlable
US5757927A (en) * 1992-03-02 1998-05-26 Trifield Productions Ltd. Surround sound apparatus
US5890125A (en) * 1997-07-16 1999-03-30 Dolby Laboratories Licensing Corporation Method and apparatus for encoding and decoding multiple audio channels at low bit rates using adaptive selection of encoding method
US6072878A (en) 1997-09-24 2000-06-06 Sonic Solutions Multi-channel surround sound mastering and reproduction techniques that preserve spatial harmonics
AU6400699A (en) * 1998-09-25 2000-04-17 Creative Technology Ltd Method and apparatus for three-dimensional audio display
US20020050983A1 (en) * 2000-09-26 2002-05-02 Qianjun Liu Method and apparatus for a touch sensitive system employing spread spectrum technology for the operation of one or more input devices
DE10252339A1 (de) * 2002-11-11 2004-05-19 Stefan Schreiber Zweiseitiger, hybrider optischer Datenträger in Scheibenformat (SACD/DVD)
FR2847376B1 (fr) * 2002-11-19 2005-02-04 France Telecom Procede de traitement de donnees sonores et dispositif d'acquisition sonore mettant en oeuvre ce procede
CN1512768A (zh) * 2002-12-30 2004-07-14 皇家飞利浦电子股份有限公司 一种在hd-dvd系统中用于生成视频目标单元的方法
DE10352774A1 (de) * 2003-11-12 2005-06-23 Infineon Technologies Ag Ortungsanordnung, insbesondere Losboxen-Lokalisierungssystem, Kennzeicheneinheit und Verfahren zur Ortsbestimmung

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52134701A (en) * 1976-03-15 1977-11-11 Nat Res Dev Device for transmitting or recording directional sound

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016517033A (ja) * 2013-03-22 2016-06-09 トムソン ライセンシングThomson Licensing 1次アンビソニックス信号の指向性を高める方法及び装置
JP2016536857A (ja) * 2013-10-07 2016-11-24 ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション 空間的オーディオ・システムおよび方法

Also Published As

Publication number Publication date
TWI458364B (zh) 2014-10-21
US8103006B2 (en) 2012-01-24
RU2009115648A (ru) 2010-11-10
CN101518101A (zh) 2009-08-26
EP2070390A2 (en) 2009-06-17
EP2070390B1 (en) 2011-01-12
WO2008039339A2 (en) 2008-04-03
WO2008039339A3 (en) 2008-05-29
US20090316913A1 (en) 2009-12-24
TW200822781A (en) 2008-05-16
ES2359752T3 (es) 2011-05-26
JP4949477B2 (ja) 2012-06-06
ATE495635T1 (de) 2011-01-15
DE602007011955D1 (de) 2011-02-24
CN101518101B (zh) 2012-04-18
RU2420027C2 (ru) 2011-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4949477B2 (ja) 高次角度項による信号を抽出することでマルチチャンネルオーディオ再生システムの空間分解能を改善したサウンドフィールド
TWI770059B (zh) 用以再生空間分散聲音之方法
US11451920B2 (en) Method and device for decoding a higher-order ambisonics (HOA) representation of an audio soundfield
US10382849B2 (en) Spatial audio processing apparatus
US8295493B2 (en) Method to generate multi-channel audio signal from stereo signals
US8705750B2 (en) Device and method for converting spatial audio signal
JP5285626B2 (ja) 音声空間化及び環境シミュレーション
KR101715541B1 (ko) 복수의 파라메트릭 오디오 스트림들을 생성하기 위한 장치 및 방법 그리고 복수의 라우드스피커 신호들을 생성하기 위한 장치 및 방법
GB2549532A (en) Merging audio signals with spatial metadata
RU2513910C2 (ru) Работающее в зависимости от угла устройство или способ получения псевдостереофонического аудиосигнала
US20080298610A1 (en) Parameter Space Re-Panning for Spatial Audio
US20080298597A1 (en) Spatial Sound Zooming
Nicol Sound field
Politis Gaunt coefficients for complex and real spherical harmonics with applications to spherical array processing and Ambisonics
MICROPHONES 19th INTERNATIONAL CONGRESS ON ACOUSTICS MADRID, 2-7 SEPTEMBER 2007

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110726

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110802

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110825

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110901

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110922

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111018

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20111018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120307

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees