JP2010287532A - 電子放出準位の解析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子放出準位の解析方法において、形成遅れ時間と統計遅れ時間を高精度に分離し、かつ、任意形状の電子放出源のエネルギー状態密度を自動的に求解する。
【解決手段】サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間tiと温度Tの計測条件に対するアドレス放電遅れ時間tdを基に、放電確率頻度分布と既放電確率を算出し、既放電確率を基に電子放出源から放出されるプライミング電子の電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)を算出し、電子放出源のエネルギー状態密度Dj(E)の初期値を設定する。実験値ts exp(ti,T)とその理論値ts th(ti,T)を用いた重付き目的関数O(Dj(E))を算出し最小となるO(Dj(E))とDj(E)を選択し、Dj(E)を固定値にする拘束条件を設定する。先のO(Dj(E))と新たなO(Dj(E))の収束残差比を比較し、エネルギー状態密度Dj(E)を決定する。
【選択図】図1
【解決手段】サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間tiと温度Tの計測条件に対するアドレス放電遅れ時間tdを基に、放電確率頻度分布と既放電確率を算出し、既放電確率を基に電子放出源から放出されるプライミング電子の電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)を算出し、電子放出源のエネルギー状態密度Dj(E)の初期値を設定する。実験値ts exp(ti,T)とその理論値ts th(ti,T)を用いた重付き目的関数O(Dj(E))を算出し最小となるO(Dj(E))とDj(E)を選択し、Dj(E)を固定値にする拘束条件を設定する。先のO(Dj(E))と新たなO(Dj(E))の収束残差比を比較し、エネルギー状態密度Dj(E)を決定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子放出準位の解析方法に関し、特に、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と称する)や不純物準位の計測装置として酸化膜材料(MgO等)、イオン結晶材料、及び半導体材料等の電子放出源に対する電子放出準位の解析方法に関する。
近年、大画面薄型カラー表示装置として、PDPの開発が進められている。
例えば、図11に示すように、3電極構造のAC面放電型PDPが広く開発されている。AC面放電型PDPでは、2枚のガラス基板、即ち、前面基板1101および背面基板1108が対向配置され、それらの間隙が放電空間1113となる。放電空間1113には、放電ガスとなるHe、Ne、Xe、Ar等の混合ガスが数百〜6百Тorr以上の圧力で封入されている。表示面側になる前面基板1101の下面には、並置されたX電極1502とY電極1103からなる維持放電電極対が形成され、駆動電圧を繰り返し印加して継続的な発光を行うために用いられる。通常、X電極、Y電極は、透明電極と透明電極の導電性を補う不透明電極から構成される。即ち、X電極は、X透明電極1102−1,1102−2……と、不透明なXバス電極1104−1,1104−2……とから構成され、Y電極は、Y透明電極1103−1,1103−2……と、不透明なYバス電極1105−1,1105−2……とから構成される。
これらの維持放電電極は、前面誘電体1106によって被覆され、誘電体表面には酸化マグネシウム(MgO)等の保護膜1107が形成される。MgOは、二次電子放出係数が高いため、放電により発生したHe、Ne、Xe、Ar等のイオンがMgOに衝突すると電子が放出され、放電を強める働きがあり、放電開始電圧を低下させる。また、MgOは、耐スパッタ性に優れており、放電により発生したHe、Ne、Xe、Ar等のイオンが前面誘電体1106に直接衝突してダメージを与えることから前面誘電体1106を保護する役割がある。
一方、背面基板1108の上面には、維持放電電極と直交方向に、アドレス放電のためのアドレス電極またはアドレス電極(以下、単に、「A電極」と称する)1109が設けられている。このA電極1109は背面誘電体1110によって被覆され、この背面誘電体1110の上には隔壁1111がA電極1109を挟み込むように設けられている。さらに、隔壁1111の壁面と背面誘電体1110の上面によって形成される凹領域内には蛍光体1112が塗布されている。
これらの構成において、維持放電電極対とA電極との交差部が1つの放電セル空間に対応しており、この放電セルは二次元状に約2000×2000のマトリックス構造に配列されている。カラー表示の場合には、赤、緑、青色蛍光体が塗布された3種の放電セルを一組として1画素を構成する。
次に、PDPの動作について説明する。
PDPの発光の原理は、放電ガスからX、Y電極間に印加する駆動電圧によって電子とイオンからなるプラズマを発生させて、その電子が基底状態にある放電ガスを励起状態に叩き上げ、その励起状態にある放電ガスから発生する紫外線を蛍光体によって可視光に変換するというものである。
PDPの発光の原理は、放電ガスからX、Y電極間に印加する駆動電圧によって電子とイオンからなるプラズマを発生させて、その電子が基底状態にある放電ガスを励起状態に叩き上げ、その励起状態にある放電ガスから発生する紫外線を蛍光体によって可視光に変換するというものである。
図12のブロック図に示すように、PDP1200は、プラズマディスプレイ装置1202に組み込まれる。映像源1203から駆動回路1201へ表示画面の信号を送り、駆動回路1201はその信号を受け取って駆動電圧に変換してPDP1200の各電極に供給する。
図13Aは、図12に示したPDP1200に1枚の画像を表示するのに要する1ТVフィールド期間の駆動電圧のタイムチャートを示す図である。図中の(I)に示すように、1ТVフィールド期間1300は維持電圧パルスの印加回数が異なるサブフィールド1301〜1308に分割されている。各サブフィールド毎の維持電圧パルス印加回数、即ち、維持放電により生じる発光強度を調整して階調を表現する。2進法に基づく発光強度の重みをもった8個のサブフィールドを設けた場合、3原色表示用放電セルはそれぞれ28(=256)階調の輝度表示が得られ、約1678万色の色表示ができる。各サブフィールドは、図中(II)に示すように放電セルを初期状態に戻すリセット放電期間1309、発光する放電セルを選択するアドレス放電期間1310、発光表示を行う維持放電期間1311から構成される。
図13Bは、図13Aに示したアドレス放電期間1310においてA電極1109、X電極、およびY電極に印加される電圧波形を示す図である。波形1312はアドス放電期間1310における1本のA電極1109に印加する電圧波形、波形1313と1314はY電極のi番目と(i+1)番目に印加する電圧波形、波形1317はX電極に印加する電圧波形であり、それぞれの電圧はV0、V21、V22、およびV1である。図13Bに示すように、Y電極のi行目にスキャンパルス1315が印加された時、電圧V0のA電極1109との交点に位置するセルではY電極とA電極の間で放電が発生し、その放電はY電極とX電極の間に移り変わりアドレス放電が起こる。Y電極のi行目と電圧V0が印加されていないA電極1109との交点に位置するセルでは、アドレス放電は起こらない。Y電極の(i+1)行目にスキャンパルス1316が印加された場合も同様である。アドレス放電が起こった放電セルでは、放電で生じた電荷が壁電荷としてX、Y電極を覆う誘電体および保護膜1107の表面に形成され、X、Y電極間に壁電圧Vwが発生する。この壁電荷の有無が、次に続く維持放電期間1311での維持放電有無を決める。
図14は、アドレス放電期間1310において、Y電極に印加する電圧波形1401とA電極1109に印加する電圧波形1402、及び、アドレス放電電流1403を示した図である。A電極1109に電圧Vaを印加後に、アドレス放電電流がピークに至る時間をアドレス放電遅れ時間tdとする。また、図14に、維持放電期間1311において、維持放電電極であるX電極とY電極の間に一斉に印加される駆動電圧波形を示す。Y電極には駆動電圧波形1404の矩形波型の駆動電圧が、X電極には矩形波型の駆動電圧波形1405の駆動電圧が繰り返し印加される。この矩形波型の駆動電圧がY電極とX電極に交互に印加される。この維持放電電圧Vsusの電圧値は、アドレス放電によるY電極とX電極の相対電位差である壁電圧Vwの有無で維持放電の有無が決まるように設定される。アドレス放電が生じた放電セルでは、壁電圧Vwと維持放電電圧Vsusの和が放電開始電圧を上回り、アドレス放電の生じていない放電セルでは、維持放電電圧Vsusが放電開始電圧を下回るように設定されている。維持放電駆動電圧の1周期が終わると、アドレス放電が生じた放電セルでは、Y電極とX電極の相対電位は反転する。その維持電極間に維持放電駆動電圧の2周期目が印加されると、再び、壁電圧Vwと維持放電電圧Vsusの和が放電開始電圧を上回り、放電が繰り返される。このように、アドレス放電を起こした放電セルでは、維持放電駆動電圧を印加した時間の発光が生じ、逆に、アドレス放電を起こさなかった放電セルでは発光は生じない。維持放電期間1311経過後、アドレス放電期間1310において、各A電極1109に電圧印加するまでの時間を休止時間tiとする。
S. Ho, S. Nobuki, N. Uemura, S. Mori, T. Miyake, K. Suzuki, Y. Mikami, M. Shiiki and S. Kubo,Proceedings of International Display Workshops '08, pp.1869-1872 (2008)
ところで、前記のようなPDPの技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
例えば、PDPでは、大画面フルハイビジョン化が進められており、1パネル内の放電セル数と、アドレス放電期間1310中にスキャンすべきX電極1102とY電極1103のライン数が増加傾向にある。したがって、一つの放電セルに印加するスキャンパルス1315や1316に対して、アドレス放電に要する時間、即ち、アドレス放電遅れ時間tdを短縮し、高速動作を実現することが重要課題である。
アドレス放電遅れ時間tdは、Y電極、X電極とA電極の印加電圧とリセット放電後の残留壁電荷に依存する形成遅れ時間tf、並びに、放電の種火となる電子(プライミング電子)がMgOから放出されるまでの統計遅れ時間tsの和で構成される。リセット放電後の残留壁電荷量に揺らぎが存在するとすれば、形成遅れ時間tfに揺らぎが生じる。
また、図15に示すように、MgOでは、立方晶構造のMg原子1501または酸素原子1502が抜けたMg欠損や酸素欠損、または、酸素欠損にプロトンが捕獲された置換構造1503、Mg原子とSi原子やGe原子が置換した構造1504に電子を捕獲した電子放出源が存在する。この電子放出源からプライミング電子が放電セル空間に放出されることは、統計現象のため、統計遅れ時間に揺らぎが生じる。
図16は、同一放電セルにおけるアドレス放電遅れ時間を繰り返し計測した計測データを、アドレス放電遅れ時間毎に累積数で表示した放電遅れ時間の頻度分布である。同一放電セルにもかかわらず、約500nsをピークに、放電時間が早い場合は400ns、放電時間が遅い場合は1000ns以上を示しており、左右非対称な形状を示している。
図17は、従来の電子放出準位の解析方法として、アドレス放電遅れ時間の計測データtdを入力し、形成遅れ時間と統計遅れ時間を解析する方法を示した図であり、以下の手順で実行される。
(1)アドレス放電遅れ時間tdと累積数の計測データを入力する。
(2)アドレス放電遅れ時間tdに対する累積数を計算し、アドレス放電遅れ時間tdに対する既放電確率を算出する。
(3)既放電確率が1%になる時間t1%と95%になる時間t95%を算出する。
(4)形成遅れ時間tf=t1%、統計遅れ時間ts=t95%−t1%を算出する。
しかし、以上の現象論的な解釈は、形成遅れ時間と統計遅れ時間を混同して算出しており、解析法として不適当である。アドレス放電の高速動作に対する設計指針を定める際に、形成遅れ時間と統計遅れ時間を高精度に分離することが困難である。また、統計遅れ時間の決定要因である電子放出源の電子放出準位、例えば、電子放出源のエネルギー状態密度を同定することが困難である。
また、図18は、既知の電子放出準位の解析方法(非特許文献1を参照)として、アドレス放電遅れ時間の計測データtdを入力し、形成遅れ時間と統計遅れ時間を解析する方法を示した図であり、以下の手順で実行される。
(1)サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間ti、温度Tの計測条件に対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを入力する。
(2)各休止時間tiと温度Tに対する計測データをもとに、アドレス放電遅れ時間毎の累積数を計算し、放電確率頻度と既放電確率を算出する。
(3)プライミング電子の電子放出時定数ts exp(ti,T)を算出する。
(4)電子放出源のエネルギー状態密度の関数を設定し、エネルギー状態密度に対する活性化エネルギーの平均値、分散値と実効数の探索範囲と探索幅を設定する。
(5)電子放出源のエネルギー状態密度とウインドウ関数のエネルギーに対する重なり積分によりts th(ti,T)を算出する。
(6)休止時間tiと温度Tの計測条件の総数に対して、計測データから求めたts exp(ti,T)と計算から求めたts th(ti,T)の平均二乗誤差が最小となる活性化エネルギーの平均値、分散値と実効数を決定する。
ここで、エネルギー状態密度の関数系としてガウス関数を提案した。一つの電子放出源の種類jに対して、実効数Nee,j、活性化エネルギーの平均値ΔEa,j、活性化エネルギーの分散値σE,jのパラメータ値を探索する。しかし、この既知の電子放出準位の解析方法では、関数形状を仮定するため、任意形状のエネルギー状態密度を解析することが困難である。また、パラメータ値に対して、探索範囲と探索幅を設定することが必要であるため、簡易ではない。更に、複数のガウス関数を仮定する際には、パラメータ数の累乗で探索点が増えるため、計算時間が増大する。
そこで、本発明の1つの目的は、電子放出準位の解析法において、電子放出源に対する任意形状のエネルギー状態密度を自動的に求解する方法を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施例のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的な実施例による電子放出準位の解析システム及び解析方法は。下記の手順を用いて、一つまたは複数の電子放出源のエネルギー状態密度を解析するものである。
(1)サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間ti、温度Tの計測条件に対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを入力する。
(2)各休止時間tiと温度Tに対する計測データをもとに、アドレス放電遅れ時間毎の累積数を計算し、放電確率頻度分布と既放電確率を算出する。
(3)プライミング電子の電子放出時定数ts exp(ti,T)を算出する。
(4)電子放出源のエネルギー状態密度Dj(E)の初期値を設定する。
(5)電子放出源から放出されるプライミング電子の電子放出時定数の理論値ts th(ti,T)と実験値ts exp(ti,T)を用いた重付き目的関数O(Dj(E))を算出する。
(6)目的関数O(Dj(E))の最急勾配方向に対するステップ幅ΔDj(E)の直線探索において、最小となる目的関数O(Dj(E))とエネルギー状態密度Dj(E)を選択する。
(7)エネルギー状態密度Dj(E)を固定値にする拘束条件を設定する。
(8)前回の計算で選択した目的関数O(Dj(E))と今回の計算で選択した目的関数O(Dj(E))の収束残差比が閾値以下であればエネルギー状態密度Dj(E)を決定し、閾値より大きければ前記(5)に戻り、前記重付き目的関数O(Dj(E))を算出する。
代表的な実施例によれば、サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間tiと酸化膜(MgO等)の温度Tに対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを用いて、任意形状の電子放出源のエネルギー状態密度を自動的に求めることが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による電子放出準位の解析方法において、その構成及び手順の一例を示すブロック図、図2はその解析システムのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態1による電子放出準位の解析方法において、その構成及び手順の一例を示すブロック図、図2はその解析システムのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
まず、図1及び図2により、本実施の形態1による電子放出準位の解析方法を実施するためのシステム構成を説明する。本実施の形態1の解析システムは、例えば、PDPにおける酸化膜材料(MgO等)の電子放出源に対する電子放出準位の解析システムとされ、パーソナルコンピュータ200と、計算装置102などから構成されている。パーソナルコンピュータ200は、記憶装置を含む入力装置101と、画像処理装置を含む出力装置103などから構成される。計算装置102は、CPU装置201と、記憶装置202などから構成され、CPU装置201と記憶装置202は、データ転送用結合バス204により接続されている。
なお、図2では、複数の計算装置102が、データ転送用結合バス205によりマトリクス状に接続される構成となっているが、これに限定されず、計算装置102は1つであってもよく、また、パーソナルコンピュータ200内に設けてもよい。
次に、図1及び図2により、本実施の形態1による電子放出準位の解析方法を実施するためのシステムについて、その動作例を説明する。計算装置102において、記憶装置202には電子放出準位の解析プログラムが記憶(保持)されており、パーソナルコンピュータ200からの指示により、CPU装置201がそのプログラムを読み出して演算処理を行う。その演算処理の結果は、記憶装置202に保存される。演算処理に必要なデータ類は、パーソナルコンピュータ200から、データ転送用結合バス205を介して送信される。また、計算装置102における演算処理の結果は、データ転送用結合バス205を介して、パーソナルコンピュータ200に送信される。また、パーソナルコンピュータ200において、演算処理に必要なデータは入力装置101から入力され、演算処理の結果は出力装置103で出力・表示される。
図1に示すように、計算装置102における演算処理は、以下の手順で実行される。
まず、ステップS102−1において、PDPパネルに対して計測した、サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間tiとMgOの温度Tに対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを、入力装置101から計算装置102に入力する。
まず、ステップS102−1において、PDPパネルに対して計測した、サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間tiとMgOの温度Tに対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを、入力装置101から計算装置102に入力する。
次に、ステップS102−2において、計算装置102では、各休止時間tiとMgOの温度Tに対する計測データをもとに、アドレス放電遅れ時間毎の累積数を計算し、放電確率頻度分布P(t)を算出する。
図3に、放電確率頻度分布の最大値を1に規格化した放電確率頻度分布P(t)301を示した。放電確率頻度分布P(t)は、短時間側ではガウス関数型であるが、長時間側はテールを引いた非対称な形状である。この放電確率頻度分布P(t)と式(1)を用いて、既放電確率G(t)を算出する。図3には、既放電確率G(t)302を示した。既放電確率G(t)は、下に凸から上に凸の形状を示し、長時間側で傾きはなだらかになっている。
ステップS102−3において、形成遅れ時間tfの揺らぎを取り除き、プライミング電子の電子放出時定数ts expを求めるために、
を満たす長時間領域における既放電確率G(t)とその時刻tを用いる。ここで、tf aveは形成遅れ時間tfの平均値、σtfは形成遅れ時間tfの分散値である。形成遅れ時間の平均値tf aveと形成遅れ時間の分散値σtfは、アドレス電圧印加時にプライミング電子が存在するような短い休止時間tiの計測データに対して、そのアドレス放電遅れ時間の平均値と分散値から求めることができる。図3に示すように、
の長時間領域303を満たすta、tb、その既放電確率G(ta)とG(tb)、並びに、式(2)を用いて、プライミング電子の電子放出時定数ts expを算出する。
例えば、ti=0.1ms、T=25℃の短い休止時間に対するアドレス放電遅れ時間の計測データでは、アドレス放電遅れ時間の平均値tf ave=0.59μs、分散値σtf=0.09μsである。そして、解析対象の計測条件ti=50ms、T=25℃における既放電確率G(t)が63.2%と95%となる時刻t63.2とt95は夫々に0.84μsと1.45μsである。式(2)を用いて得られたts exp(ti=50ms、T=25℃)は0.31μsである。
よって、
よって、
は0.71μsになることから、
の長時間領域の条件を満たすことが分かる。
図4には、ti=1ms、4ms、10ms、16ms、26ms、50msとT=−10℃、0℃、10℃、25℃、40℃、60℃の総数36個の計測条件に対する計測データから求めたプライミング電子の電子放出時定数ts expをプロット401で示した。
ステップS102−4において、電子放出源の種類jのエネルギー状態密度Dj(E)の初期値として設定するガウス関数として、式(3)のように、一つの電子放出源に対して、活性化エネルギーの平均値ΔEa、活性化エネルギーの標準偏差σE、実効数Neeのパラメータ値を設定する。
図5及び式(4−1)、(4−2)、に示すように、活性化エネルギーの平均値ΔEaとして、休止時間tiとMgOの温度Tの計測条件により決定するEm(ti,T)の最小値Min Em(ti,T)と最大値MaxEm(ti,T)を用いて設定する。
ここで、fphは電子放出源のフォノン振動数、kBはボルツマン定数である。上記tiとT、及び、fph=3.1×1013Hzを用いれば、Em(ti,T)の最小値は526meV、及び、Em(ti,T)の最大値は778meVとなる。よって、活性化エネルギーの平均値ΔEaは652 meVとなる。
活性化エネルギーの標準偏差σEとして、図5及び式(5)に示すように、計測条件により決定するEm(ti,T)の最小値Min Em(ti,T)と最大値MaxEm(ti,T)を用いて設定する。よって、活性化エネルギーの標準偏差σEは42meVとなる。
実効数Neeとして、図5及び式(6)に示すように、計測条件により決定するtiとプライミング電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)、及び、計測条件の総数N=36を用いて設定する。よって、実効数Neeは4.8×104 個/セルとなる。
ステップS102−5において、電子放出源から放出されるプライミング電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)と、電子放出源から放出されるプライミング電子放出時定数の理論値ts th(ti,T)を用いた重付き目的関数O(Dj(E))を式(7−1)、(7−2)により算出する。
n=2において、目的関数O(Dj(E))は式(8)となる。
ここで、式(9)で示すWj(E,ti,T)は、休止時間tiとMgOの温度Tの計測条件に対して、Em(ti,T)を中心に最大値e-1ti -1とエネルギー幅±数kBTを有するウインドウ関数である。計測条件として、休止時間tiを一定、MgOの温度Tを変化させた計測では、ウインドウ関数は、最大値e-1ti -1を一定としてエネルギーEm(ti,T)が推移する。一方、MgOの温度Tを一定、休止時間tiを変化させた計測では、Em(ti,T)が推移しながら、最大値e-1ti -1も変化する。また、電子放出源のエネルギー状態密度Dj(E)におけるエネルギー変数Eの離散幅を1meV、計測条件により決定するEm(ti,T)の最小値と最大値を用いて、Eの積分範囲を下限Min Em(ti,T)−3kBTminから上限MaxEm(ti,T)+7kBTmax、dEの積分間隔0.1meVを設定する。よって、下限は450meV、上限は980meVとなる。
ステップS102−6において、目的関数O(Dj(E))に対するエネルギー状態密度Dj(E)の最急勾配方向を求め、その方向のステップ幅ΔDj(E)を0.01〜100meV-1/セルの範囲の等比級数に設定して、探索点Dj(E)、及び、各探索点Dj(E)における目的関数O(Dj(E))を算出する。
ステップS102−7において、探索点におけるエネルギー状態密度Dj(E)が負になるときは、Dj(E)=0に固定した拘束条件を設定する。
ステップS102−8において、前回の反復計算で選択した目的関数On-1(Dj(E))と今回の反復計算で選択した目的関数On(Dj(E))の収束残差比[On(Dj(E))―On-1(Dj(E))]/On(Dj(E))が閾値10−7以下であれば、今回のエネルギー状態密度Dj(E)を収束解に決定し、閾値10−7より大きければステップ102−5に戻り、重付き目的関数On+1(Dj(E))を算出する。
ステップS102−8において、前回の反復計算で選択した目的関数On-1(Dj(E))と今回の反復計算で選択した目的関数On(Dj(E))の収束残差比[On(Dj(E))―On-1(Dj(E))]/On(Dj(E))が閾値10−7以下であれば、今回のエネルギー状態密度Dj(E)を収束解に決定し、閾値10−7より大きければステップ102−5に戻り、重付き目的関数On+1(Dj(E))を算出する。
図6に、計測データから求めたts exp(ti,T)をプロット401で、計算から求めたts th(ti,T)を実線601で示した。平均二乗誤差RMSDは6.0psであり、両者は極めて良い一致を示している。このようにして、関数形状を仮定せずに、図7に示した2山形状のエネルギー状態密度が自動的に得られ、出力装置103から出力・表示される。
(実施の形態2)
ステップS102−1〜S102−3は、前記実施の形態1と同じである。ステップS102−1において、PDPパネルに対して計測した、休止時間tiとMgOの温度Tに対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを入力装置101から計算装置102に入力する。ステップS102−2において、各休止時間tiとMgO温度Tに対する計測データをもとに、アドレス放電遅れ時間毎の累積数を計算し、放電確率頻度分布P(t)と既放電確率G(t)を算出する。ステップS102−3において、長時間領域303を満たすta、tb、その既放電確率G(ta)とG(tb)、並びに、式(2)を用いて、プライミング電子の電子放出時定数ts expを算出する。
ステップS102−1〜S102−3は、前記実施の形態1と同じである。ステップS102−1において、PDPパネルに対して計測した、休止時間tiとMgOの温度Tに対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを入力装置101から計算装置102に入力する。ステップS102−2において、各休止時間tiとMgO温度Tに対する計測データをもとに、アドレス放電遅れ時間毎の累積数を計算し、放電確率頻度分布P(t)と既放電確率G(t)を算出する。ステップS102−3において、長時間領域303を満たすta、tb、その既放電確率G(ta)とG(tb)、並びに、式(2)を用いて、プライミング電子の電子放出時定数ts expを算出する。
図8には、ti=1ms、5ms、10ms、15ms、20ms、25ms、30ms、30ms、40ms、45ms、50msとT=−10℃、0℃、10℃、20℃、40℃、60℃の総数66個の計測条件に対する計測データから求めたプライミング電子の電子放出時定数ts expをプロット801で示した。
ステップS102−4において、電子放出源の種類jのエネルギー状態密度Dj(E)の初期値として設定するガウス関数として、一つの電子放出源に対して、活性化エネルギーの平均値ΔEa、活性化エネルギーの標準偏差σE、実効数Neeのパラメータ値を設定する。
図5及び式(10−1)、(10−2)に示すように、活性化エネルギーの平均値ΔEaとして、休止時間tiとMgOの温度Tの計測条件により決定するEm(ti,T)の最小値Min Em(ti,T)と最大値MaxEm(ti,T)を用いて設定する。
ここで、Em(ti,T)の最小値は526meV、及び、Em(ti,T)の最大値は778meVとなる。よって、活性化エネルギーの平均値ΔEaは652meVとなる。
活性化エネルギーの標準偏差σEとして、図5及び式(11)に示すように、計測条件により決定するEm(ti,T)の最小値Min Em(ti,T)と最大値MaxEm(ti,T)を用いて設定する。よって、活性化エネルギーの標準偏差σEは42 meVとなる。
実効数Neeとして、図5及び式(12)に示すように、計測条件により決定するtiとプライミング電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)、及び、計測条件の総数N=66を用いて設定する。よって、実効数Neeは4.5×104 個/セルとなる。
ステップS102−5において、電子放出源から放出されるプライミング電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)と、電子放出源から放出されるプライミング電子放出時定数の理論値ts th(ti,T)を用いた重付き目的関数O(Dj(E))を式(13)、式(14)を用いて算出する・
電子放出源のエネルギー状態密度Dj(E)におけるエネルギー変数Eの離散幅を1 meV、計測条件により決定するEm(ti,T)の最小値と最大値を用いて、Eの積分範囲を下限Min Em(ti,T)−3kBTminから上限MaxEm(ti,T)+7kBTmax、dEの積分間隔0.1 meVを設定する。よって、下限は45meV、上限は980meVとなる。
ステップS102−6において、目的関数O(Dj(E))に対するエネルギー状態密度Dj(E)の最急勾配方向を求め、その方向のステップ幅ΔDj(E)を0.01〜100 meV-1/セルの範囲の等比級数に設定して、探索点Dj(E)、及び、各探索点Dj(E)における目的関数O(Dj(E))を算出する。
ステップS102−7において、探索点におけるエネルギー状態密度Dj(E)が負になるときは、Dj(E)=0に固定した拘束条件を設定する。
ステップS102−8において、前回の反復計算で選択した目的関数On-1(Dj(E))と今回の反復計算で選択した目的関数On(Dj(E))の収束残差比[On(Dj(E))―On-1(Dj(E))]/On(Dj(E))が閾値10−5以下であれば、今回のエネルギー状態密度Dj(E)を収束解に決定し、閾値10−5より大きければステップ102−5に戻り、重付き目的関数On+1(Dj(E))を算出する。
図9に、計測データから求めたts exp(ti,T)をプロット801で、計算から求めたts th(ti,T)を実線901で示した。平均二乗誤差RMSDは10.1psであり、両者は極めて良い一致を示している。このようにして、関数形状を仮定せずに、図10に示した3山形状のエネルギー状態密度が自動的に得られ、出力装置103から出力・表示される。
なお、以上の説明では、PDPを用いて電子放出源に対する任意形状のエネルギー状態密度を自動的に求解する方法を示したが、半導体などエネルギーギャップを有する材料の準位解析における電子放出準位の解析においても、本実施の形態で示す解析方法を適用することが可能である。
(実施の形態1〜2の効果)
したがって、前記実施の形態1〜2による電子放出準位の解析方法によれば、サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間tiと酸化膜(MgO等)の温度Tに対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを用いて、任意形状の電子放出源のエネルギー状態密度を自動的に求めることが可能である。
したがって、前記実施の形態1〜2による電子放出準位の解析方法によれば、サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間tiと酸化膜(MgO等)の温度Tに対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを用いて、任意形状の電子放出源のエネルギー状態密度を自動的に求めることが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、PDPに限らず、半導体などエネルギーギャップを有する材料の準位解析に適用可能であり、PDPや不純物準位の計測装置における酸化膜材料(MgO等)、イオン結晶材料、及び半導体材料等の電子放出源に対する電子放出準位の解析に効果的である。
101…入力装置、
102…計算装置、
103…出力装置、
200…パーソナルコンピュータ、
201…CPU装置、
202…記憶装置、
204,205…データ転送用結合バス、
301…放電確率頻度分布、
303…長時間領域、
401,801…プロット、
601,901…実線、
701,1001…電子放出源のエネルギー状態密度、
1101…前面基板、
1102…X電極、
1103…Y電極、
1104…Xバス電極、
1105…Yバス電極、
1106…前面誘電体、
1107…保護膜、
1108…背面基板、
1109…アドレス電極(A電極)、
1110…背面誘電体、
1111…隔壁、
1112…蛍光体、
1113…放電空間、
1200…プラズマディスプレイパネル(PDP)、
1201…駆動回路、
1202…プラズマディスプレイ装置、
1203…映像源、
1300…1ТVフィールド期間、
1301,1302,1303,1304,1305,1306,1307,1308…サブフィールド、
1309…リセット放電期間、
131…アドレス放電期間、
1311…維持放電期間、
1401…Y電極に印加する電圧波形、
1402…A電極に印加する電圧波形、
1403…アドレス放電電流、
1404,1405…駆動電圧波形、
1403…サスティン放電電流、
1501…Mg原子、
1502…酸素(O)原子、
1503…置換構造、
1601…放電遅れ時間の頻度分布、
1602…放電遅れ時間の頻度分布から求めた既放電確率。
102…計算装置、
103…出力装置、
200…パーソナルコンピュータ、
201…CPU装置、
202…記憶装置、
204,205…データ転送用結合バス、
301…放電確率頻度分布、
303…長時間領域、
401,801…プロット、
601,901…実線、
701,1001…電子放出源のエネルギー状態密度、
1101…前面基板、
1102…X電極、
1103…Y電極、
1104…Xバス電極、
1105…Yバス電極、
1106…前面誘電体、
1107…保護膜、
1108…背面基板、
1109…アドレス電極(A電極)、
1110…背面誘電体、
1111…隔壁、
1112…蛍光体、
1113…放電空間、
1200…プラズマディスプレイパネル(PDP)、
1201…駆動回路、
1202…プラズマディスプレイ装置、
1203…映像源、
1300…1ТVフィールド期間、
1301,1302,1303,1304,1305,1306,1307,1308…サブフィールド、
1309…リセット放電期間、
131…アドレス放電期間、
1311…維持放電期間、
1401…Y電極に印加する電圧波形、
1402…A電極に印加する電圧波形、
1403…アドレス放電電流、
1404,1405…駆動電圧波形、
1403…サスティン放電電流、
1501…Mg原子、
1502…酸素(O)原子、
1503…置換構造、
1601…放電遅れ時間の頻度分布、
1602…放電遅れ時間の頻度分布から求めた既放電確率。
Claims (13)
- 演算処理を実行するCPUと、前記CPUが実行するプログラム及びデータを保持する記憶装置と、前記CPUと前記記憶装置を結合するバスと、を有する計算装置と、
前記データを入力するための入力装置と、
前記計算装置における演算結果を出力するための出力装置と、を有し、
前記プログラムは、一つまたは複数の電子放出源のエネルギー状態密度を解析するプログラムであり、
サスティン電圧印加後からアドレス電圧印加までの休止時間tiと温度Tとの計測条件に対するアドレス放電遅れ時間tdの計測データを入力する第1ステップと、
前記休止時間tiと前記温度Tとに対する前記計測データをもとに、アドレス放電遅れ時間毎の累積数を計算し、放電確率頻度分布と既放電確率とを算出する第2ステップと、
前記既放電確率をもとに、電子放出源から放出されるプライミング電子の電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)を算出する第3ステップと、
前記電子放出源のエネルギー状態密度Dj(E)の初期値を設定する第4ステップと、
前記電子放出源から放出されるプライミング電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)と、電子放出源から放出されるプライミング電子放出時定数の理論値ts th(ti,T)を用いた重付き目的関数O(Dj(E))を算出する第5ステップと、
前記目的関数O(Dj(E))の最急勾配方向に対するステップ幅ΔDj(E)の直線探索において、最小となる目的関数O(Dj(E))とエネルギー状態密度Dj(E)を選択する第6ステップと、
前記エネルギー状態密度Dj(E)を固定値にする拘束条件を設定する第7ステップと、
前回の計算で選択した目的関数O(Dj(E))と今回の計算で選択した目的関数O(Dj(E))の収束残差比が閾値以下であればエネルギー状態密度Dj(E)を決定し、閾値より大きければ前記ステップ5に戻り、前記重付き目的関数O(Dj(E))を算出する第8ステップ、を
有することを特徴とする電子放出準位の解析方法。 - 前記第3ステップにおいて、
既放電確率G(t)が63.2%以上であるG(t)とその時刻tを用いて、前記電子放出時定数の実験値ts exp(ti,T)を算出することを特徴とする請求項2記載の電子放出準位の解析方法。 - 前記第4ステップにおいて、
前記電子放出源のエネルギー状態密度の初期値となるガウス関数として、
一つの電子放出源に対して、活性化エネルギーの平均値ΔEa、活性化エネルギーの標準偏差σE、実効数Neeのパラメータ値を設定することを特徴とする請求項1記載の電子放出準位の解析方法。 - 前記第5ステップにおいて、
前記目的関数O(Dj(E))として、前記電子放出源のエネルギー状態密度Dj(E)におけるエネルギー変数Eの離散幅を1 meV、Eの積分範囲をMin Em(ti,T)-3kBTminからMax Em(ti,T)+7kBTmax、dEの積分間隔を0.1 meVを設定することを特徴とする請求項1記載の電子放出準位の解析方法。 - 前記第6ステップにおいて、
前記目的関数O(Dj(E))の最急勾配方向に対するエネルギー状態密度Dj(E)のステップ幅ΔDj(E)として、0.01〜100 meV-1/セルの範囲の等比級数を設定することを特徴とする請求項1記載の電子放出準位の解析方法。 - 前記第7ステップにおいて、
前記電子放出源のエネルギー状態密度Dj(E)として、Dj(E)が負のときにDj(E)=0を設定することを特徴とする請求項1記載の電子放出準位の解析方法。 - 前記第8ステップにおいて、
前記収束残差比の閾値として、10-3以下を設定することを特徴とする請求項1記載の電子放出準位の解析方法。
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