JP2010287409A - 面光源装置、照明器具及びバックライト装置 - Google Patents

面光源装置、照明器具及びバックライト装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光取り出し効率が高く、観察角度による色味の変化が少なく、且つ機械的強度が高い面光源装置、照明器具及びバックライト装置を提供する。
【解決手段】発光層を含む有機EL素子、および前記有機EL素子の一方の表面に接して設けられ、装置出光面側の表面の凹凸構造を規定する出光面構造層を備える面光源装置であって、前記凹凸構造は、斜面を含む複数の凹部と、各凹部の周囲に位置する平坦部とを有し、前記面光源装置は、前記発光層から出射された光を入射し、この入射した光を拡散して透過もしくは反射させる拡散部材を備え、前記面光源装置は、前記拡散部材を、前記出光面構造層内の一部もしくは全部を構成する層、および前記有機EL素子よりも前記出光面構造層から遠い位置に設けられる層、の少なくとも一方の層を構成する部材として備える、面光源装置;並びにこれを有する照明器具及びバックライト装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、面光源装置、並びに当該面光源装置を備える照明器具及びバックライト装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)の発光体は、その形状を面状とすることが可能であり、且つその光の色を白色又はそれに近い色とすることが可能であるため、住環境等の空間を照明する照明器具の光源として、または表示装置のバックライトとしての用途に用いることが考えられる。
照明用途に用いる有機EL素子の一例として、白色の有機EL素子が作製されている。かかる白色素子は、積層型又はタンデム型と呼ばれる、補色関係にある発光色を発生する発光層を積層させたものが多い。これらの発光層の積層体は、主に黄/青、又は緑/青/赤の積層体である。
しかしながら、現在知られている有機EL素子は、上記照明の用途に用いるには効率が低い。そこで、有機EL素子の光取出効率を向上させる必要がある。
有機EL素子の光取出効率を向上させる方法として、光取出基板に種々の構造を設けることが知られている。例えば、光源装置の出光面に、蛍光性化合物を含むプリズムを設けること(特許文献1)、微小レンズアレイを設けること(特許文献2)などが提案されている。これらの構造で良好な集光を達成することができ、効率は向上する。
しかしながら、これらの構造を、上記の積層型の照明用有機EL素子に採用した場合、出光面から発光層までの深さが、それぞれの色の発光層により異なること等に起因して、出光面を正面から観察した場合と、正面から傾いた角度から観察した場合において、色味が大きく異なってしまうという問題点がある。
さらに、光源装置の出光面にプリズム等の凹凸構造を設けると、かかる凹凸構造の頂部が欠け易いため、装置の機械的強度を高めることが困難であるという問題点がある。
特開2002−237381号公報 特開2003−59641号公報
本発明の目的は、光取り出し効率が高く、観察角度による色味の変化が少なく、且つ機械的強度が高い面光源装置、照明器具及びバックライト装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を進めたところ、面光源装置の出光面を特定の構造とし、且つ面光源装置内に拡散部材を設ける設けることにより、上記課題が解決しうることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば下記〔1〕〜〔12〕が提供される。
〔1〕 発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子、および前記有機エレクトロルミネッセンス素子の一方の表面に接して設けられ、装置出光面側の表面の凹凸構造を規定する出光面構造層を備える面光源装置であって、
前記凹凸構造は、斜面を含む複数の凹部と、各凹部の周囲に位置する平坦部とを有し、
前記面光源装置は、前記発光層から出射された光を入射し、この入射した光を拡散して透過もしくは反射させる拡散部材を備え、
前記面光源装置は、前記拡散部材を、
前記出光面構造層内の一部もしくは全部を構成する層、および
前記有機エレクトロルミネッセンス素子よりも前記出光面構造層から遠い位置に設けられる層、の少なくとも一方の層を構成する部材として備える、面光源装置。
〔2〕 前記拡散部材は、前記出光面構造層内の一部もしくは全部を構成する層として設けられた部材であって、入射した光を拡散した態様で透過させる部材である、前記面光源装置。
〔3〕 前記拡散部材は、前記出光面構造層内の2つの層の間に介在する接着層である、前記面光源装置。
〔4〕 前記出光面構造層は、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子に接して設けられる基板と、
前記基板よりも前記装置出光面に近い位置に設けられる凹凸構造層であって、その装置出光面に近い側の面上に前記凹凸構造を有する凹凸構造層と、
前記基板および前記凹凸構造層を接着する接着層とを備え、
前記面光源装置は、前記接着層を、前記拡散部材として備える前記面光源装置。
〔5〕 前記拡散部材は、光拡散性を付与する粒子を含む材料により構成されている前記面光源装置。
〔6〕 前記拡散部材は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子よりも前記出光面構造層から遠い位置に設けられた部材であって、入射した光を拡散した態様で反射させる部材である、前記面光源装置。
〔7〕 前記凹凸構造を前記装置出光面に垂直な方向から観察した場合における、前記平坦部が占める面積と前記凹部が占める面積との合計に対する、前記平坦部が占める面積の割合が、10〜75%である、前記面光源装置。
〔8〕 前記凹部が角錐形状、円錐形状、球面の一部の形状、又はこれらの組み合わせの形状を有し、
複数の前記凹部は、互いに交差する2以上の方向に沿って前記装置出光面上に配列され、
隣り合う前記凹部の間には、前記2以上の方向のいずれの方向にも隙間が設けられ、前記隙間が前記平坦部を構成する、前記面光源装置。
〔9〕 前記凹部が角錐形状、円錐形状、球面の一部の形状、又はこれらの組み合わせの形状を有し、
複数の前記凹部は、互いに交差する2以上の方向に沿って前記装置出光面上に配列され、
隣り合う前記凹部の間には、前記2以上の方向のうちの一方向にのみ隙間が設けられ、前記隙間が前記平坦部を構成する、前記面光源装置。
〔10〕 前記凹部が溝状の形状を有し、
複数の前記凹部は、前記装置出光面上に平行に配列され、
隣り合う前記凹部の間には隙間が設けられ、前記隙間が前記平坦部を構成する、前記面光源装置。
〔11〕 〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の面光源装置を備える照明器具。
〔12〕 〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の面光源装置を備えるバックライト装置。
本発明の面光源装置は、光取り出し効率が高く、観察角度による色味の変化が少なく、且つ装置の出光面の機械的強度が高いので、照明器具の光源、及び液晶表示装置等の表示装置のバックライトなどとして有用である。
本発明の照明器具及びバックライト装置は、前記本発明の面光源装置を有するので、光取り出し効率が高く、観察角度による色味の変化が少なく、且つ機械的強度が高い照明器具及びバックライト装置とすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。 図1に示す面光源装置を、図1中の線1a−1bを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す上面図である。 図3に示す面光源装置を、図3中の線1a−1bを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す上面図である。 図6に示す面光源装置を、図6中の線3aを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る面光源装置を、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す上面図である。 図9に示す面光源装置を、図9中の線4aを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。 図1に示す面光源装置10の装置出光面10Uの構造を拡大して示す部分上面図である。 図11に示す凹凸構造層111を、図11の線10aを通る垂直な面で切断した断面を示す部分断面図である。 図12に示す凹部の変形例を示す部分断面図である。 図12に示す凹部の別の変形例を示す部分断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す上面図である。 図15に示す面光源装置を、図15中の線11a及び11bを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。 比較例1の測定結果による、色度の測定角度と色度x及びy値との関係を示すグラフである。 実施例1の測定結果による、色度の測定角度と色度x及びy値との関係を示すグラフである。 実施例2の測定結果による、色度の測定角度と色度x及びy値との関係を示すグラフである。 参考例1の測定結果による、平坦部割合と荷重との関係を示すグラフである。
<第1の実施形態>
以下において、図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
本発明の面光源装置は、発光層を含む有機EL素子、および前記有機EL素子の一方の表面に接して設けられ、装置出光面側の表面の凹凸構造を規定する出光面構造層を備える。
前記装置出光面とは、面光源装置としての出光面、即ち、面光源装置から装置外部に光が出光する際の出光面である。装置出光面は、前記有機EL素子の前記発光層と平行な面であり、面光源装置の主面と平行である。但し、微視的に見ると、後述する凹部上の面は発光層と非平行な角度をなしうる。以下、別に断らない限り、かかる凹部を無視して見た装置出光面と平行(又は垂直)であることを、単に「装置出光面と平行(又は垂直)」であるという。また、別に断らない限り、面光源装置は、かかる装置出光面が水平方向と平行で且つ上向きになるよう載置した状態で説明する。
本発明において、各構成要素が「平行」又は「垂直」であるとは、本発明の効果を損ねない範囲の誤差を含んでいてもよく、例えば、平行又は垂直な角度から±5°の誤差を含んでいてもよい。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。第1の実施形態において、面光源装置10は、装置出光面10Uを有する、矩形の平板状の構造を有する装置である。図2は、図1に示す面光源装置10を、図1中の線1a−1bを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。
面光源装置10は、有機EL素子140と、有機EL素子140の、装置出光面10U側の表面144に接して設けられた出光面構造層100とを備える。面光源装置10はさらに、任意の構成要素として、有機EL素子140の、装置出光面10Uとは反対側の表面145側に封止基板151を有する。
有機EL素子140は、第1の電極層141、発光層142及び第2の電極層143を備える。第1の実施形態において、第1の電極層141は透明電極であり、第2の電極層143は反射電極である。このような構成であるため、発光層142からの光は、第1の電極層141を透過するか、又は第2の電極層143で反射され、発光層142及び第1の電極層141を透過して、出光面構造層100側に向かうことができる。
出光面構造層100は、凹凸構造層111及び基材フィルム層112を含む複層体110と、基板としてのガラス基板131と、複層体110及びガラス基板131を接着する接着層121とを備える。面光源装置10においては、凹凸構造層111、基材フィルム層112、接着層121及びガラス基板131のうちの1層以上が、拡散剤を含む材料からなり、それにより、入射した光を拡散して透過若しくは反射させる拡散部材を構成する。
凹凸構造層111は、面光源装置10の上面(即ち面光源装置10の出光面側の最外層)に位置し、複数の凹部113と、凹部113の周囲に位置する平坦部114とを含む凹凸構造を有する。当該凹凸構造により、装置出光面10Uが規定される。装置出光面10Uは、凹部113を無視して巨視的に見ると、平坦部114及びガラス基板131等の装置中の他の層と平行な平面であるが、微視的には凹部113により規定される斜面を含む凹凸面である。なお、本願において、図面は模式的な図示であるため、装置出光面上には僅かな個数の凹部のみを示しているが、実際の装置においては、一枚の装置出光面上に、これよりも遥かに多い数の凹部を設けることができる。
(有機EL素子)
前記有機EL素子140として例示するように、本発明において、有機EL素子は、2層以上の電極層と、これらの電極層間に設けられ、電極から電圧を印加されることにより発光する発光層と、を備える素子とすることができる。
有機EL素子は、基板上に素子を構成する電極、発光層等の層を形成し、さらにそれらの層を覆う封止部材を設け、基板と封止部材で発光層等の層を封止した構成とされるのが一般的である。通常、ここでいう基板側から出光する素子はボトムエミッション型、封止部材側から出光する素子はトップエミッション型と呼ばれる。本発明の面光源装置は、これらのいずれであってもよく、ボトムエミッション型の場合、層を形成するための基板と、さらに必要に応じて任意の層とを含む組み合わせが出光面構造層を構成し、一方トップエミッション型の場合、封止部材等の出光面側の構造体と、さらに必要に応じて任意の層とを含む組み合わせが出光面構造層を構成する。
本発明において、有機EL素子を構成する発光層としては、特に限定されず既知のものを適宜選択することができる。発光層中の発光材料は1種類に限られず、また発光層も1層に限られず、光源としての用途に適合すべく、一種の層単独又は複数種類の層の組み合わせとすることができる。これにより、白色又はそれに近い色の光を発光するものとしうる。
有機EL素子はさらに、電極間に、発光層に加えてホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層及びガスバリア層等の他の層をさらに有することもできる。有機EL素子はさらに、電極に通電するための配線、発光層の封止のための周辺構造等の任意の構成要素を備えることもできる。
有機EL素子の電極は、特に限定されず既知のものを適宜選択することができる。第1実施形態にかかる有機EL素子140のように、出光面構造層側の電極を透明電極とし、反対側の電極を反射電極とすることにより、出光面構造層側に出光する有機EL素子とすることができる。また、両方の電極を透明電極とし、さらに出光面構造層と反対側に反射部材を有することにより、出光面構造層側への出光を達成することもできる。
電極及びその間に設ける層を構成する材料としては、特に限定されないが、具体例として下記のものを挙げることができる。
透明電極の材料としてはITO等を挙げることができる。
正孔注入層の材料としてはスターバースト系芳香族ジアミン化合物等を挙げることができる。
正孔輸送層の材料としてはトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
黄色発光層のホスト材料としては同じくトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができ、黄色発光層のドーパント材料としてはテトラセン誘導体等を挙げることができる。
緑色発光層の材料としては、ピラゾリン誘導体などがあげられる。
青色発光層のホスト材料としてはアントラセン誘導体等を挙げることができ、青色発光層のドーパント材料としてはペリレン誘導体等を挙げることができる。
赤色発光層の材料としては、ユーロピウム錯体などを上げることができる。
電子輸送層の材料にはアルミニウムキノリン錯体(Alq)等を挙げることができる。
陰極材料にはフッ化リチウムおよびアルミニウムをそれぞれ用い、これらを順次真空成膜により積層させたものを挙げることができる。
上記のもの又はその他の発光層を適宜組み合わせて積層型又はタンデム型と呼ばれる、補色関係にある発光色を発生する発光層を得ることができる。補色関係の組み合わせは、黄/青、又は緑/青/赤等とすることができる。
(出光面構造層)
前記出光面構造層100として例示するように、本発明において、出光面構造層は、複数の層からなるものとしうるが、単一の層からなってもよい。所望の特性を備えた出光面構造層を容易に得る観点からは、複数の層からなることが好ましい。例えば、前記出光面構造層100のように、凹凸構造層と基材フィルム層とを組み合わせた複層体を含むことができる。これにより、性能の高い出光面構造層を容易に得ることができる。
凹凸構造層及び基材フィルムを構成する樹脂組成物は、透明樹脂を含む組成物とすることができる。透明樹脂が「透明」であるとは、光学部材に用いるのに適した程度の光線透過率を有する意味である。本発明においては、出光面構造層を構成する各層が、光学部材に用いるのに適した光線透過率を有するものとすることができ、出光面構造層全体として80%以上の全光線透過率を有するものとすることができる。
樹脂組成物に含まれる透明樹脂の材質は、特に限定されず、透明な層を形成することができる各種の樹脂を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂を挙げることができる。なかでも熱可塑性樹脂は熱による変形が容易であるため、また紫外線硬化性樹脂は硬化性が高く効率が良いため、凹凸構造層の効率的な形成が可能となり、それぞれ好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系、ポリアクリレート系、シクロオレフィンポリマー系の樹脂を挙げることができる。また紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、エン/チオール系、イソシアネート系の樹脂を挙げることができる。これらの樹脂としては、複数個の重合性官能基を有するものを好ましく用いることができる。
複層体を構成する凹凸構造層の材料としては、装置出光面の凹凸構造を形成しやすく且つ凹凸構造の耐擦傷性を得やすいという観点から、硬化時の硬度が高い材料が好ましい。具体的には、7μmの膜厚の樹脂層を基材上に凹凸構造が無い状態で形成した際に、鉛筆硬度でHB以上になるような材料が好ましく、H以上になる材料がさらに好ましく、2H以上になる材料がより好ましい。一方、基材フィルム層の材料としては、凹凸構造層の形成に際しての、及び/又は複層体を成形した後の複層体の取り扱いを容易とするために、ある程度の柔軟性があるものが好ましい。このような材料を組み合わせることにより、取り扱いが容易で且つ耐久性に優れる複層体を得ることができ、その結果高性能の面光源装置を容易に製造することができる。このような材料の組み合わせは、それぞれの材料を構成する樹脂として、上に例示した透明樹脂を適宜選択することにより得ることができる。具体的には、凹凸構造層の材料を構成する透明樹脂として、アクリレート等の紫外線硬化性樹脂を用い、一方基材フィルムの材料を構成する透明樹脂として、脂環式オレフィンポリマー製のフィルム(後述するゼオノアフィルム等)や、ポリエステルフィルムを用いることができ、これにより、好ましい材料の組み合わせを得ることができる。
前記出光面構造層100のように、出光面構造層が凹凸構造層と基材フィルム層とを含む場合、凹凸構造層と基材フィルムとの屈折率はできるだけ近いほうがよく、好ましくは屈折率の差が0.1以内、さらに好ましくは0.05以内である。
凹凸構造層、基材フィルム層等の出光面構造層の構成要素となる層の材料となる樹脂組成物は、当該層が拡散部材を構成する場合は、後述する粒子などの光拡散性を付与する要素を含むことができる。さらに、樹脂組成物は、必要に応じて任意の成分を含むことができる。当該任意の成分としては、フェノール系・アミン系などの劣化防止剤、界面活性剤系・シロキサン系などの帯電防止剤、トリアゾール系・2−ヒドロキシベンゾフェノン系などの耐光剤の添加剤を挙げることができる。
本発明において、凹凸構造層の厚さは、特に限定されないが1〜70μmであることが好ましい。ここで、凹凸構造層の厚さとは、凹凸構造体が形成されていない基板側の面と、凹凸構造体の平坦部との距離のことである。また基材フィルム層の厚さは、20〜300μmであることが好ましい。
本発明において、出光面構造層はさらに、前記出光面構造層100におけるガラス基板131のような基板を含むことができ、それにより、面光源装置にたわみを抑制する剛性を与えることができる。また、基板として、有機EL素子を封止する性能に優れて、且つ、製造工程において有機EL素子を構成する層をその上に順次形成することを容易に行い得る基板を備えることにより、面光源装置の耐久性を向上させ、且つ製造を容易にすることができる。
基板を構成する材料の例としては、ガラスに加えて樹脂を挙げることができる。基板の屈折率は、特に制限されないが、1.4〜2.0とすることができる。本発明において、基板の厚さは、特に限定されないが、0.1〜5mmであることが好ましい。
出光面構造層はさらに、前記複層体と前記基板との間などの、出光面構造層内の2つの層の間に介在する接着層を含むことができる。接着層の材料である接着剤は、狭義の接着剤(23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaであり、常温で粘着性を示さない、いわゆるホットメルト型の接着剤)のみならず、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa未満である粘着剤をも包含する。具体的には、基板及び透明樹脂層に近い屈折率を有し、且つ透明であるものを適宜用いることができる。より具体的には、アクリル系接着剤あるいは粘着剤が挙げられる。接着層の厚さは、5〜100μmであることが好ましい。
(拡散部材)
本発明の面光源装置は、前記出光面構造層内の一部若しくは全部を構成する層として、前記有機EL素子よりも前記出光面構造層から遠い位置に設けられた部材として、又はその両方として、入射した光を拡散して透過若しくは反射させる拡散部材をさらに有する。即ち、本発明において、出光面構造層の一部又は全部が拡散部材としての機能を持ったものであってもよく、また出光面構造層とは別に拡散部材としての別の部材を有していてもよい。
第1の実施形態における面光源装置10の場合のように、有機EL素子の電極層のうち片方が反射電極で、もう片方が透明の場合、前記拡散部材は、出光面構造層内の一部又は全部を構成する層として設けられた部材であって、入射した光を拡散された態様で透過させる部材とすることができる。より具体的には、出光面構造層を構成する凹凸構造層、基材フィルム、接着層及びガラス基板等の出光面構造層内の一部又は全部の層を、光を拡散させる層とすることにより、これらの層の一部又は全部を拡散部材とすることができる。
光を拡散させる層の材料としては、例えば、粒子を含んだ材料、及び2種類以上の樹脂を混ぜ合わせて光を拡散させるアロイ樹脂とした材料を挙げることができる。拡散性を容易に調節できるという観点から、粒子を含んだ材料、特に粒子を含んだ樹脂組成物が特に好ましい。
拡散部材に含まれる粒子は、透明であっても、不透明であってもよい。粒子の材料としては、金属及び金属化合物、並びに樹脂等を用いることができる。金属化合物としては、金属の酸化物及び窒化物を挙げることができる。金属及び金属化合物としては、具体的には例えば銀、アルミのような反射率が高い金属、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、窒化珪素、錫添加酸化インジウム、酸化チタンなどの金属化合物を挙げることができる。一方樹脂としては、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
粒子の形状は、球状、円柱状、立方体状、直方体状、角錐状、円錐状、星型状等の形状とすることができる。
拡散部材において、粒子の含有割合は、拡散部材を構成する材料全量中体積割合で1〜80%であることが好ましく、5〜50%であることがより好ましい粒子の含有割合をかかる下限以上とすることにより、観察角度による色味の変化の低減等の所望の効果を得ることができる。また、かかる上限以下とすることにより、拡散部材中での粒子の凝集を防止し、良好に粒子が分散した拡散部材を容易に得ることができる。
粒子の粒径は好ましくは0.1μm以上10μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。ここで粒径とは、体積基準の粒子量を、粒子径を横軸にして積算した積算分布における50%粒子径のことである。粒径が大きいほど、所望の効果を得るために必要な粒子の含有割合は多くなり、粒径が小さいほど、含有量は少なくてすむ。従って、粒径が小さいほど、観察角度による色味の変化の低減、及び光取り出し効率の向上等の所望の効果を、少ない粒子で得ることができる。なお、粒径は、粒子の形状が球状以外である場合には、その同等体積の球の直径を粒径とする。
粒子が透明な粒子であり、且つ粒子が透明樹脂中に含まれる場合において、粒子の屈折率と、透明樹脂の屈折率は、それらの差が0.05〜0.5であることが好ましく、0.07〜0.5であることがより好ましい。ここで、粒子及び透明樹脂の屈折率は、どちらがより大きくても良い。粒子と透明樹脂の屈折率が近すぎると拡散効果が得られず色味ムラは抑制されず、逆に差が大きすぎると拡散が大きくなり色味ムラは抑制されるが光取出効果が低減することになる。
出光面構造層内の一部若しくは全部を構成する層を拡散部材とする場合、出光面構造層を構成する各層のうちどれを拡散部材とするかについては、特に限定されず、種々の観点から選択することができる。例えば、容易に拡散の度合いを調節しうるという観点からは、透明樹脂を含む層を拡散部材とすることが好ましい。
さらに、層中の粒子の含有割合を過大せずに十分な拡散性を確保する観点からは、5μm以上といった、ある程度以上厚さがある層を拡散部材とすることが好ましい。
ここで、凹凸構造層は、前述の通り硬度が高い材料が好ましいが、そのような硬度の高い材料の膜厚が厚いと、面光源装置において使用する際、経時的に、装置出光面に、不所望な反りをもたらす可能性がある。したがって、この観点からは、凹凸構造層以外の層であって塑性変形しやすい性質を賦与しうる層、例えば基材フィルム又は接着層を拡散部材とすることが好ましい。
一方、製造工程において透明樹脂等の材料の加熱の工程を伴わない層を拡散部材とすることにより、製造工程の管理を容易にすることができる。例えば、樹脂搬送経路において粒子による詰まりが発生した場合の対処を容易にすることができる。この観点からは、接着層を拡散部材とすることが好ましい。または接着層と接着層以外の層を拡散部材とすることも好ましい。例えば、接着層と基材フィルムとを拡散部材とし、基材フィルムに添加する粒子の割合を少なくすることにより、基材フィルムの製造工程における管理を容易にする(例えば、詰まりが発生する頻度を低減する)ことができる。
さらには、出光面構造層内に、上記凹凸構造層、基材フィルム層、接着層及びガラス基板以外の層を追加的に設け、かかる追加の層を拡散部材とすることもできる。または、かかる追加の層と上記凹凸構造層、基材フィルム層、接着層及びガラス基板のうちの1以上の層との両方を拡散部材とすることもできる。
拡散部材が出光面構造層内の一部又は全部を構成する層として設けられる場合において拡散の度合いは特に限定しないが、一例として拡散部材が凹凸構造層から接着層の間の一部または全部である場合に、前記凹凸構造層の表面凹凸がない状態での、凹凸構造層から接着層部分までの全光線透過率は70〜95%であることが好ましく、75〜90%であることがさらに好ましい。
(凹凸構造)
本発明において、出光面構造層上の前記凹凸構造は、斜面を含む複数の凹部と、前記凹部の周囲に位置する平坦部とを含む。ここで「斜面」とは、装置出光面と平行でない角度をなす面である。一方、平坦部上の面は、装置出光面と平行な面とすることができる。
凹凸構造の例として、図1及び図2に示した面光源装置10の装置出光面の凹凸構造を、図11及び図12を参照してより詳細に説明する。図11は、凹凸構造層111により規定される、面光源装置10の装置出光面10Uの構造を拡大して示す部分上面図である。図12は、凹凸構造層111を、図11の線10aを通る垂直な面で切断した断面を示す部分断面図である。
複数の凹部113のぞれぞれは正四角錐形状の窪みであり、従って凹部113の斜面11A〜11Dは同一の形状であり、底辺11E〜11Hは正方形を構成する。線10aは、一列の凹部113の全ての頂点11Pの上を通る線であり、且つ凹部113の底辺11E及び11Gと平行な線である。
凹部113は、一定の間隔をおいて、直交する2配置方向に連続して配置されている。かかる2配置方向のうち一方の方向Xは底辺11E及び11Gと平行である。この方向Xにおいて、複数の凹部113は一定の間隔11Jをおいて整列している。2配置方向のうちの他方の方向Yは11F及び11Hと平行である。この方向Yにおいて複数の凹部113は一定の間隔11Kをおいて整列している。
凹部113のそれぞれを構成する斜面11A〜11Dが平坦部114となす角(斜面11B及び11Dについては、それぞれ図12に示す角11L及び11M)は例えば60°に設定され、これにより、凹部113を構成する正四角錐の頂角、即ち頂点11Pにおいて相対向する斜面がなす角(斜面11B及び11Dがなす角については、図12に示す角11N)も60°となっている。
このように、面光源装置が、装置出光面において、複数の凹部と、各凹部の周囲に位置する平坦部とを含む構成を有し、さらに所定の拡散部材を組み合わせて有することにより、光取り出し効率を高め、且つ観察角度による色味の変化を低減することができ、しかも、外部衝撃により凹凸構造の欠け等が生じるのを防止でき、ひいては装置出光面の機械的強度を向上させることができる。
本発明の面光源装置は、上記の構成とすることにより、出光面における半球状全方位での色度座標のx座標およびy座標の少なくともいずれかの変位を上記の構成をとらない場合に比べて半減させることができる。。このため、面光源装置において、観察角度による色味の変化を抑えることができる。かかる半球状全方位での色度の変位を測定する方法として、例えば装置出光面の法線(正面)上に分光放射輝度計を設置し、法線方向を0°とした時その装置出光面を−90〜90°まで回転させられる機構を付与することで、各方向で測定した発光スペクトルから色度座標を算出できるため、その変位を算出できる。
凹凸構造層を装置出光面に垂直な方向から観察した場合における、平坦部が占める面積と凹部が占める面積との合計に対する、平坦部が占める面積の割合(以下、「平坦部割合」という。)を適宜調節することにより、面光源装置の光取り出し効率を向上させることができる。具体的には、平坦部割合を10〜75%とすることにより、良好な光取り出し効率を得ることができ、且つ装置出光面の機械的強度を高めることができる。
本発明において、凹部は、例えば、上に述べた角錐形状に加え、円錐形状、球面の一部の形状、溝状の形状、及びこれらを組み合わせた形状を有しうる。角錐形状は、前記凹部113として例示するように底面が正方形である四角錐としうるが、これに限られず、三角錐、五角錐、六角錐、底面が正方形でない四角錐などの角錐形状とすることもできる。
さらに、本願でいう円錐及び角錐は、その頂部が尖った通常の円錐及び角錐のみならず、先端が丸みを帯びた形状、又は平らに面取りされた形状(錐台状の形状等)をも包含する。例えば、図12に示す凹部113では四角錐の頂部11Pは尖った形状となっているが、これが、図13に示す凹部613の頂部61Pのように丸みを帯びた形状になっていてもよい。また、図14に示す凹部713のように、角錐の頂部に平坦な部分71Pを設け、平らに面取りされた形状とすることもできる。
図13に示すように角錐の頂部が丸みを帯びた形状である場合、その頂部61Pと、当該角錐が丸みを帯びず尖った形状となっていた場合の頂部61Qとの高さの差61Rは、当該角錐が丸みを帯びず尖った形状となっていた場合の角錐の高さ61Sの20%以下とすることができる。図14に示すように角錐の頂部が平らに面取りされた形状である場合、平坦な部分71Pと、当該角錐の頂部が平坦で無く尖った形状となっていた場合の頂部71Qとの高さの差71Rは、当該角錐の頂部が平坦で無く尖った形状となっていた場合の角錐の高さ71Sの20%以下とすることができる。
凹凸構造における凹部の深さは、特に限定されないが、凹凸構造が形成された表面を様々な方向(装置出光面と平行な面内の様々な方向)に沿って測定した中心線平均粗さの最大値(Ra(max))として、1〜50μmの範囲内とすることができる。凹凸構造を凹凸構造層上に形成する場合は、凹凸構造層の厚さに対して相対的に、好ましい凹部の深さを定めることができる。例えば、凹凸構造層の材料として、凹凸構造層の耐久性の維持に有利な硬質の材料を用いた場合、凹凸構造層の厚さを薄くしたほうが、複層体の可撓性が高まり、面光源装置の製造工程における複層体の取り扱いが容易となる。具体的には、図12に示す凹部の深さ16Dに対する凹凸構造層111の厚さ16Eは、0〜30μmであることが好ましい。
本発明において、凹部の斜面と、出光面とがなす角は40〜70°であることが好ましく、45〜60°であることがより好ましい。例えば凹部の形状が、図1、2、11及び12に示す四角錐である場合、その頂角(図12における角11P)は、60〜90°となることが好ましい。また、観察角度による色味の変化を最小限にしつつ光取り出し効率も高めるという観点からは、斜面と装置出光面とがなす角は大きいほうが好ましく、具体的には例えば55°以上とすることが好ましく、60°以上とすることがさらにより好ましい。この場合、かかる角の上限は、凹凸構造層の耐久性の維持を考慮し、70°程度とすることができる。
凹部の形状が、頂部において丸みを帯びた又は平らに面取りされた角錐形状、円錐形状又は溝状の形状である場合は、当該丸みを帯びた部分又は面取りされた部分を除く斜面の角度を、斜面の角度とする。例えば、図13及び図14に示す例では、面613a、613b、713a及び713bを、角錐の斜面とする。斜面の角度をこのような角度とすることにより、光取り出し効率を高めることができる。凹凸構造の斜面は、必ずしも全てが同じ角度である必要は無く、上記範囲内で、異なる角度を有する斜面が共存していてもよい。なお、円錐形状の斜面と装置出光面とがなす角とは、かかる円錐の母線と装置出光面とがなす角とすることができる。
装置出光面において、複数の凹部は、任意の態様で配列することができる。例えば、複数の凹部を、装置出光面上の2以上の方向に沿って配列することができる。より具体的には、図1及び図11に示した凹部113のように、直交する2方向に沿って配列することができる。
2以上の方向に凹部を配列した場合において、それらのうち1方向以上の方向に、隣り合う凹部間の隙間を設け、かかる隙間により平坦部を構成することができる。例えば、図11に示す凹部113の配列では、直交する2方向において、それぞれ間隔11J及び11Kの隙間を設けて、かかる隙間により平坦部114を構成している。このような構成を採用することにより、良好な光取り出し効率と、装置出光面の機械的強度とを両立させることができる。
(製造方法)
本発明の面光源装置の製造方法は、特に限定されないが、上に例示した、凹凸構造層、基材フィルム、接着層及びガラス基板を有する出光面構造層を備える面光源装置を製造する場合、ガラス基板の一方の面に有機EL素子を構成する各層を積層し、その後又はその前に、ガラス基板の他方の面に凹凸構造層及び基材フィルムを有する複層体を、接着層を介して貼付することにより製造することができる。
凹凸構造層及び基材フィルムを有する複層体の製造は、所望の形状を有する金型等の型を調製し、これを凹凸構造層を形成する材料の層に転写することにより行うことができる。より具体的な方法としては、
(方法1)基材フィルムを構成する樹脂組成物Aの層及び凹凸構造層を構成する樹脂組成物Bの層(凹凸構造はまだ形成されていない)を有する未加工複層体を調製し、かかる未加工複層体の樹脂組成物B側の面上に、凹凸構造を形成する方法;及び
(方法2)基材フィルムの上に、液体状態の樹脂組成物Bを塗布し、塗布された樹脂組成物Bの層に型を当て、その状態で樹脂組成物Bを硬化させ、凹凸構造層を形成する方法
を挙げることができる。
方法1において、未加工複層体は、例えば樹脂組成物A及び樹脂組成物Bを共押出する押出成形により得ることができる。未加工複層体の樹脂組成物B側の面上に、所望の表面形状を有する型を押し当てることにより、凹凸構造を形成することができる。
より具体的には、長尺の未加工複層体を押出成形により連続的に形成し、所望の表面形状を有する転写ロールとニップロールとで未加工複層体を加圧し、それにより、連続的な製造を効率的に行うことができる。転写ロールとニップロールとによる挟み圧力は、好ましくは数MPa〜数十MPaである。また転写時の温度は、樹脂組成物Bのガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg以上(Tg+100℃)以下である。未加工複層体と転写ロールとの接触時間はフィルムの送り速度、すなわちロール回転速度によって調整でき、好ましくは5秒以上600秒以下である。
方法2において、凹凸構造層を構成する樹脂組成物Bとしては、紫外線等のエネルギー線により硬化しうる組成物を用いることが好ましい。かかる樹脂組成物Bを、基材フィルム上に塗布し、型を当てた状態で、塗布面の裏側(基材フィルムの、樹脂組成物Bを塗布した面とは反対側)に位置する光源から、紫外線等のエネルギー線を照射し、樹脂組成物Bを硬化させ、その後型を剥離することにより、樹脂組成物Bの塗膜を凹凸構造層とし、複層体を得ることができる。
<第2の実施形態>
本発明の面光源装置において、装置出光面を構成する凹部の形状は、上記第1の実施形態として例示した角錐形状に限られず、例えば以下に示す第2の実施形態のように、球の一部の形状であってもよい。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す上面図であり、図4は、図3に示す面光源装置を、図3中の線1a−1bを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。図3及び図4に示す通り、第2の実施形態に係る面光源装置20は、装置出光面の形状、即ち出光面構造層200を構成する複層体210のうち凹凸構造層211の表面の形状が異なる他は、第1の実施形態と同一の構成を有している。
凹凸構造層211の表面上に形成された凹部213は、半球状の形状であり、装置出光面20U上において、一定の間隔をおいて、線2a、2b及び2cに平行な3配置方向に連続して配置されている。線2a、2b及び2cは、互いに60°の角度をなしている。隣り合う凹部213の間には、線2a、2b及び2cの方向に隙間が設けられ、この隙間が平坦部214を構成している。
このような、半球状の形状を有する凹部とその間の隙間である平坦部を有する構造を有する装置出光面を有する場合であっても、第1の実施形態における角錐形状の凹部と同様に、光取り出し効率を高め、且つ観察角度による色味の変化を低減することができ、しかも装置出光面の機械的強度を向上させることができる。
<第3の実施形態>
本発明の面光源装置において、装置出光面を構成する凹部の形状はまた、以下に示す第3の実施形態のように、溝状の形状であってもよい。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。図5に示す通り、第3の実施形態に係る面光源装置30は、装置出光面の形状、即ち出光面構造層300を構成する複層体310のうち凹凸構造層311の表面の形状が異なる他は、第1の実施形態と同一の構成を有している。
凹凸構造層311の表面上に形成された複数の凹部313のそれぞれは、直線状の、溝状の形状を有し、2つの平坦な斜面を有し、したがって、凹部313を、溝の延長方向に垂直な面で切断した断面は、2つの斜辺を有する三角形の形状を有する。複数の凹部313は、装置出光面30U上に平行に配列される。隣り合うする前記凹部313の間には隙間314が設けられ、かかる隙間314が、装置出光面30Uにおける平坦部を構成する。
このような、溝状の形状を有する凹部とその間の隙間である平坦部を有する構造を有する装置出光面を有する場合であっても、第1の実施形態における角錐形状の凹部と同様に、光取り出し効率を高め、且つ観察角度による色味の変化を低減することができ、しかも装置出光面の機械的強度を向上させることができる。
ここで、凹部の溝状の形状は、斜面を含んでいる限りにおいて特に限定されず、上に例示した断面が三角形のものに限られず、様々な形状をとることができる。例えば、溝の断面形状は、5角形、7角形といった他の多角形の形状、又は円の一部等、多角形以外の形状であってもよい。さらに、上で第1実施形態に関連して説明した、角錐又は円錐の頂部を、丸みを帯びた形状又は平らに面取りされた形状に変形させた形状とするのと同様に、溝の断面の形状を、頂点が丸みを帯びた形状又は平らに面取りされた形状に変形させてもよい。
<第4の実施形態>
本発明の面光源装置において、装置出光面を構成する凹部の形状が角錐形状である場合の、かかる角錐形状は、上記第1の実施形態として例示した単純な角錐形状に限られず、例えば以下に示す第4の実施形態のように、それぞれの凹部において、複数の角錐が組み合わされた形状であってもよい。
図6は、本発明の第4の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す上面図であり、図7は、図6に示す面光源装置を、図6中の線3aを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。図6及び図7に示す通り、第4の実施形態に係る面光源装置40は、装置出光面40Uの形状、即ち出光面構造層400を構成する複層体410のうち凹凸構造層411において、凹部413の形状が第1の実施形態における凹部113と異なる他は、第1の実施形態と同一の構成を有している。
凹凸構造層411の表面上に形成された複数の凹部413のそれぞれは、装置出光面に対する傾斜の角度が異なる3種類の斜面41T、41U及び41Vを有している。41Vはもっとも傾斜が大きく、4面の斜面41Vは四角錐を構成している。斜面41Uは斜面41Vより傾斜が小さく、斜面41Tは斜面41Uより傾斜が小さい。4面の斜面41Uは、四角錐の一部の形状を構成し、4面の斜面41Tも、四角錐の一部の形状を構成する。これらが組み合わさることにより、凹部413は、3種類の四角錐またはその一部が組み合わさった形状を有している。そして、凹部413の周囲に位置する平坦部414は、第1の実施形態における平坦部114と同様に、直交する2方向において凹部間に設けられた隙間により構成されている。
このような、複数の角錐が組み合わされた形状の凹部を有することにより、第1の実施形態における角錐形状の凹部よりもさらに観察角度による色味の変化を低減しうる場合があり得、同時に、第1の実施形態と同様に、光取り出し効率を高め、且つ装置出光面の機械的強度を向上させることができる。
<第5の実施形態>
上に述べた第1〜第4の実施形態においては、拡散部材は、出光面構造層内の一部若しくは全部を構成する層として設けられた、入射した光を拡散して透過させる部材であるが、本発明の面光源装置における拡散部材はこれに限られず、以下に示す第5の実施形態において例示するように、有機EL素子よりも出光面構造層から遠い位置に設けられた、入射した光を拡散して反射させる部材であってもよい。
図8は、本発明の第5の実施形態に係る面光源装置を、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。図8に示す通り、第5の実施形態に係る面光源装置50は、第2の電極層として、反射電極143に代えて第2の透明電極である電極層144を有する点、及び封止基板151に代えて、反射部材551及び反射部材基板552を有する点において第1の実施形態と異なり、その他の点では第1の実施形態と同一である。
面装置装置50において、反射部材551は、反射部材551に入射した光を、反射面551Uにおいて反射する性質を有し、さらに反射面551Uは平坦でなく凹凸を有する。これにより、反射部材551は、入射した光を拡散された態様で反射させることができる。
反射部材551の反射面551Uにおける、拡散された態様での反射とは、入射した光の少なくとも一部が、非鏡面反射で反射される(鏡面反射における反射方向と異なる反射方向で反射される)ことであり、これにより、発光層142からの光の少なくとも一部が、装置出光面10Uに到達するまでの間に拡散される。
第1の実施形態の面光源装置10の場合は、出光面構造層内の一部又は全部を構成する層を拡散部材としたが、第5の実施形態の面光源装置50の場合、反射部材551による光の拡散された態様での反射により、出光面構造層内の拡散部材と同様の効果が得られるため、出光面構造層内に拡散部材を設けなくても、本発明の効果を得ることができる。ただし、所望であれば、反射部材551に加えて、さらに追加の拡散部材として、第1の実施形態において設けたもののような、出光面構造層内の拡散部材をも備えてもよい。
反射部材551の反射面551Uと、第2の透明電極144との間の隙間553は、充填剤又は接着剤などの、光の透過を大きく損なわない任意の物質で充填することができる。または、発光層142の耐久性を大きく損なう等の不都合がなければ空気又はその他の気体が存在する若しくは真空の空隙であってもよい。
反射部材551の材質は、特に限定されないが、反射部材551は、アルミニウムや銀等の金属といった、入射する光を反射させる性質を有した物質の層を少なくとも含む部材とすることができる。より具体的には、微細な凹凸構造を有する基板上に、かかる金属の層を1層又は複数層形成することにより、微細な凹凸を有する反射部材を構成することができる。または、平坦な基板の上にかかる金属の層を形成し、その後金属の層を加工して微細な凹凸を有する反射部材を得ることもできる。または、平坦な樹脂基板の上にかかる金属の層を形成し、その後樹脂基板を褶曲させることにより微細な凹凸を有する反射部材を得ることもできる。また、反射部材は、密着性や防蝕性、耐擦傷性改善などを目的として、前記金属の層の表面に無機薄膜や有機薄膜等の機能層を積層した構成としてもよい。
反射部材551の材質は、金属には限られず、例えば白色の表面を有する任意の材質の散乱板を用い、これにより入射した光を拡散した態様で反射させてもよい。
<第6の実施形態>
上に述べた第1の実施形態及び他の実施形態で、装置出光面の2方向に沿って四角錐を配列した場合において、平坦部は、かかる2方向の両方において隣り合う四角錐間に隙間を設けることにより構成したが、本発明はこれに限られず、例えば以下に示す第6の実施形態のように、2方向のうち1方向のみにおいて隙間を設けてもよい。
図9は、本発明の第6の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す上面図であり、図10は、図9に示す面光源装置を、図9中の線4aを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。図9及び図10に示す通り、第6の実施形態に係る面光源装置80は、装置出光面の形状、即ち出光面構造層800を構成する複層体810のうち凹凸構造層811の表面の形状が異なる他は、第1の実施形態と同一の構成を有している。
凹凸構造層811の表面上に形成された凹部813のそれぞれは、第1の実施形態における凹部113と同一の形状であるが、凹部813間の隙間は、図9中の線4aに垂直な方向に隣り合う凹部の間にのみ設け、その結果、線4aに平行な方向に延長する平坦部814が構成されている。このような場合、第1の実施形態の場合に比べて、相対的に、装置出光面がある方向(例えば平坦部814の延長方向に平行な方向)に沿って擦傷を受ける場合の耐擦傷性は低下しうる一方、光取り出し効率については向上させうるので、好ましく用いうる場合もあり得る。
<第7の実施形態>
第1〜第7の実施形態において、凹凸構造層上の平坦部は、高さ(即ち装置出光面が水平方向と平行で且つ上向きになるよう載置した状態における高さ)に差が無く、全て一様な高さを有するものであるが、本発明はこれに限られず、例えば以下に示す第7の実施形態のように、平坦部の高さに差異があるものであってもよい。
図15は、本発明の第7の実施形態に係る面光源装置を模式的に示す上面図であり、図16は、図15に示す面光源装置を、図15中の線11a及び11bを通る、装置出光面と垂直な面で切断した断面を示す断面図である。図15及び図16に示す通り、第7の実施形態に係る面光源装置90は、装置出光面の形状、即ち出光面構造層900を構成する複層体910のうち凹凸構造層911の表面の形状が異なる他は、第1の実施形態と同一の構成を有している。
凹凸構造層911の表面上に形成された凹部913のそれぞれは、第1の実施形態における凹部113と概ね同一の形状であるが、凹部913間には、高さの低い平坦部914及び高さの高い平坦部915の2種類の平坦部が設けられ、平坦部914と915との間は斜面91Wで連結されている。
本実施形態では、2列の平坦部914と1列の平坦部915とが交互に配置され、それにより、出光面構造層911は、その断面において、2つの平坦部914、1つの平坦部915、及びそれらの間に存在する3つの凹部913の斜面(斜面91Wを含む)からなる繰り返し単位が繰り返される。この繰り返しは、図11に示す線11a及び11bを通る断面に加えて、この線に垂直であって且つ装置出光面に垂直な断面においても生じうる。
このような平坦部の高さに差異があるものとすることにより、装置出光面の耐擦傷性は若干低下するものの、装置出光面を観察した際の虹ムラを抑制しうるという好ましい効果が生じる。即ち、平坦部に高さの差異が無いように装置出光面を設計して面光源装置を製造した場合、平坦部の成形における誤差に基づき平坦部の高さに誤差が生じ、かかる誤差により、装置出光面からの光において干渉が生じ、虹ムラが発生する可能性がある。ここで、2種類の平坦部914及び915の高さの寸法差を、出射光の干渉をもたらす差異を超える寸法差となるよう敢えて設定することにより、干渉の発生を防ぎ、虹ムラを抑制することができる。干渉をもたらす差異を超える寸法差とは、例えば、面光源装置のが出光する光の中心波長の0.62倍以上、好ましくは1.5倍以上の寸法差とすることができる。
上記数値範囲は、以下に示す知見から確認している。すなわち、平坦部の高さを全て揃える態様で設計した凹凸構造層において、平坦部の高さに170nm以上の誤差が生じると干渉が発生して虹ムラが現れるという場合に、かかる虹ムラを発生させる誤差の最小値の2倍以上の高さの寸法差を敢えて設けると、虹ムラの発生を抑制することができることが分かっている。さらに、平坦部の高さを全て揃える態様で設計した凹凸構造層において、平坦部の高さに標準偏差でσ1nm(≒60nm)のバラツキが生じると干渉が発生し虹ムラが現れるという場合、6×σ1nm(=360nm)以上の高さの寸法差を敢えて設けることにより、虹ムラの発生を抑制することができることが分かっている。上記2つの知見により、干渉をもたらす差異を超える寸法差は、面光源装置のが出光する光の中心波長の0.62倍以上であると示すことができる。
<照明器具及びバックライト装置>
本発明の照明器具及び本発明のバックライト装置は、いずれも、前記本発明の面光源装置を含む。
本発明の照明器具は、本発明の面光源装置を光源として有し、さらに、光源を保持する部材、電力を供給する回路等の任意の構成要素を含むことができる。本発明のバックライト装置は、本発明の面光源装置を光源として有し、さらに、筐体、電力を供給する回路、出光する光をさらに均一にするための拡散板、拡散シート、プリズムシート等の任意の構成要素を含むことができる。本発明のバックライト装置の用途は、液晶表示装置等、画素を制御して画像を表示させる表示装置、並びに看板等の固定された画像を表示させる表示装置のバックライトとして用いることができる。
本発明は、前記実施形態の例示には限定されず、本願の特許請求の範囲及びその均等の範囲内での変更を施すことができる。
例えば、上記実施形態の例示においては、出光面構造層としては、凹凸構造層、基材フィルム層、接着層及びガラス基板からなるものを示したが、出光面構造層は、これらよりも少ない層から構成されたものであってもよく、又は逆にこれらの層に加えて任意の層をさらに含むものであってもよい。例えば、凹凸構造層の上にさらにコーティング層を有し、これが装置出光面の凹凸構造を規定するものであってもよい。
また、上記実施形態の例示において、装置出光面全面に分布する凹部として、同一の形状からなるもののみが分布しているものを示したが、装置出光面において、異なる形状の凹部が混在していてもよい。例えば、大きさの異なる角錐形状の凹部が混在していたり、角錐形状の凹部と円錐形状の凹部が混在していたり、複数の角錐が組み合わされた形状のものと単純な角錐形状とが混在していてもよい。
また、上記実施形態の例示において、平坦部の幅、及び隣り合う平坦部の間隔については、常に一定のものを示したが、平坦部の幅が狭いものと広いものとが混在していてもよく、また、平坦部の間隔が狭い箇所と広い箇所とが混在していてもよい。そのようにして、平坦部の高さ、幅、及び間隔の1以上の要素において、出射光の干渉をもたらす差異を超える寸法差が設けられている態様とすることにより、干渉による虹ムラを抑制することができる。
また、上記実施形態の例示中の反射電極層を有するものについて、反射電極を、透明電極と反射層に置き換えても、反射電極と同様の効果を有する装置を構成することができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。以下において表記される樹脂の屈折率はいずれも、硬化後の屈折率である。
<比較例1>
(C1−1:有機EL素子の形成、面光源装置(複層体なし)の作製)
厚さ0.7mmのガラス基板の一方の主面に、透明電極層100nm、ホール輸送層10nm、黄色発光層20nm、青色発光層15nm、電子輸送層15nm、電子注入層1nm、及び反射電極層100nmを、この順に形成した。ホール輸送層から電子輸送層までは全て有機材料により形成した。黄色発光層及び青色発光層はそれぞれ異なる発光スペクトルを有している。
透明電極層から反射電極層までの各層を形成した材料は、それぞれ下記の通りである:
・透明電極層;錫添加酸化インジウム(ITO)
・ホール輸送層;4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)
・黄色発光層;ルブレン1.5重量%添加 α−NPD
・青色発光層;イリジウム錯体10重量%添加 4,4’−ジカルバゾリル−1,1’−ビフェニル(CBP)
・電子輸送層;フェナンスロリン誘導体(BCP)
・電子注入層;フッ化リチウム(LiF)
・反射電極層;Al
透明電極層の形成方法は、ITOターゲットとした反応性スパッタリング法にて行い、表面抵抗を10Ω/□以下とした。また、ホール注入層から反射電極層までの形成は、真空蒸着装置内に透明電極層を既に形成したガラス基板を設置し、上記のホール輸送層から反射電極層までの材料を抵抗加熱式により順次蒸着させることにより行なった。系内圧は5x10−3 Paで、蒸発速度は0.1〜0.2nm/sで行った。
さらに、電極層に通電のための配線を取り付け、さらにホール輸送層から反射電極層までを封止部材により封止し、面光源装置(複層体なし)を作製した。得られた面光源装置は、ガラス基板側から白色の光を出光しうる長方形の出光面を有していた。
(C1−2:評価)
(C1−1)で得られた面光源装置について、以下の通り、観察角度の変化による色ムラを測定した。
装置出光面の正面(法線方向)に分光放射輝度計(トプコン社製BM−5)を設置し、面光源装置100mA/mの定電流を印加し、出光面を回転させ、出光面に対する分光放射輝度計の観察方向を変化させ、色度(x,y)を測定した。観察方向は、出光面の長辺に平行な方向へ、正面(法線方向)を0°としたときに−90〜90°の範囲で変更させた。測定結果を図17に示す。観察角度±80°の範囲内で、(Δx,Δy)=(0.050,0.058)であった。
<実施例1>
比較例1で得た面光源装置に、下記の手順で調製した複層体110を貼付し、図1及び図2に概略的に示す面光源装置を作製し、評価した。ただし、図1においては有機EL素子140として3層のみからなるものを概略的に図示しているが、本実施例で作製した面光源装置は、これより多い発光層を含む有機EL素子を備えている。
(1−1:複層体110の調製)
UV(紫外線)硬化型樹脂(ウレタンアクリレート樹脂、屈折率n=1.54)に、平均粒子径2μmの球状の粒子である拡散剤(シリコーン樹脂、n=1.43)を、組成物全量中10%(体積割合)で添加し、攪拌して粒子を分散させ、樹脂組成物を得た。
上記で得た樹脂組成物を、基材フィルム(日本ゼオン社製 ゼオノアフィルム)上に塗布した後、樹脂組成物の塗膜上に所定の形状の金属型を圧接し、基材フィルム側から紫外線を1000mJ/cmの積算光量で照射し、基材フィルム上に凹凸構造層を形成し、基材フィルム112−凹凸構造層111の層構成を有する長方形のフィルムである複層体110を得た。
複層体110において、凹凸構造層111上の凹凸構造は、図11及び図12に示す通り、複数の正四角錐形状の凹部113と、凹部周囲に位置する平坦部114からなっていた。凹部113を構成する斜面と平坦部とがなす角(11L、11M等)は60°であった。凹部113の底辺(11E〜11H)の長さは16μmであり、凹部113の間隔11J及び11Kはいずれも4μmであり、一定の間隔であった。凹部113の底辺は複層体110の長辺又は短辺方向と平行であった。凹凸構造層111の厚さ(平坦部114から基材フィルムに接する面までの厚さ)は34μmであり、基材フィルム層112の厚さは100μmであった。また、平坦部割合は36%であった。
(1−2:面光源装置(複層体あり))
比較例1の(C1−1)で得た面光源装置のガラス基板131側の面に、(1−1)で得た複層体110を、接着剤(アクリル系樹脂、屈折率1.49、日東電工社製CS9621)を介して貼付し、複層体110−接着層121−ガラス基板131−有機EL素子140の層構成を含む面光源装置を得た。接着層の厚さは25μmであった。
(1−3:評価)
得られた面光源装置について、比較例1の(C1−2)と同様に色ムラを測定した。各観察角度におけるx値及びy値を求めた結果を図18に示す。観察角度±80°の範囲内で、(Δx,Δy)=(0.011,0.013)であった。このことから、比較例1に比べて、色ムラが顕著に低減していることが分かる。
<比較例2>
上記(1−1)の複層体110の調製にあたり、凹凸構造層用の材料に拡散剤を添加しなかった他は、実施例1と同様にして、複層体110を調製し、さらに面光源装置を得た。
<光取り出し量>
比較例1、実施例1及び比較例2の面光源装置の光取り出し量を、三刺激値のY値の測定結果から求め、比較例1の光取り出し量を1とした場合の相対量を求めた。その結果、実施例1での光取り出し量は1.43であり、比較例2での光取り出し量は1.37であった。
実施例1の面光源装置は、光取り出し効率を高める凹凸構造を有しない比較例1の面光源装置に比べて、著しく向上した光取り出し効率を有していた。実施例1の面光源装置はさらに、実施例と同一の凹凸構造を有するが拡散部材を有しない比較例2の面光源装置に比べても、光取り出し量の大きな向上が認められた。
<実施例2>
下記の点を変更した他は、実施例1と同様にして、複層体110を調製し、さらに面光源装置を得た。
上記(1−1)の複層体110の調製にあたり、凹凸構造層用の材料に拡散剤を添加しなかった。一方、酸変性ポリオレフィン樹脂(屈折率1.49、日本シーマ社製 コルノバMPO−B130C)に上記(1−1)で用いたものと同一の拡散剤を、接着剤全量中10%(体積割合)で添加して、接着剤を調製し、これを上記(1−2)において、アクリル系接着剤に代わる接着剤として用いた。
得られた面光源装置について、比較例1の(C1−2)と同様に色ムラを測定した。各観察角度におけるx値及びy値を求めた結果を図19に示す。観察角度±80°の範囲内で、(Δx,Δy)=(0.024,0.034)であった。このことから、比較例1に比べて、色ムラが顕著に低減していることが分かる。
<比較例3>
上記(1−1)の複層体110の調製にあたり、接着剤に拡散剤を添加しなかった他は、実施例2と同様にして、複層体110を調製し、さらに面光源装置を得た。
得られた面光源装置について、比較例1の(C1−2)と同様に色ムラを測定した。各観察角度におけるx値及びy値を求めた。観察角度±80°の範囲内で、(Δx,Δy)=(0.027,0.041)であった。
<比較例4>
上記(1−1)の複層体110の調製にあたり、凹凸構造層の形成において金属型を圧接せずに紫外線の照射を行い、その結果、凹凸構造層の代わりに、凹凸構造層と同じ材料からなるが凹凸構造の無い(即ち平坦部割合100%)層(厚さ34μm)を形成した他は、実施例2と同様にして、複層体を調製し、さらに面光源装置を得た。
得られた面光源装置について、比較例1の(C1−2)と同様に色ムラを測定した。各観察角度におけるx値及びy値を求めた。観察角度±80°の範囲内で、(Δx,Δy)=(0.043,0.053)であった。
<光取り出し量>
実施例2、比較例3及び比較例4の面光源装置の光取り出し量を、三刺激値のY値の測定結果から求め、比較例1の光取り出し量を1とした場合の相対量を求めた。その結果、実施例2での光取り出し量は1.38であり、比較例3での光取り出し量は1.29であり、比較例4での光取り出し量は1.24であった。
実施例2の面光源装置は、光取り出し効率を高める凹凸構造を有しない比較例1の面光源装置に比べて、著しく向上した光取り出し効率を有していた。実施例2の面光源装置はさらに、実施例2と同一の凹凸構造を有するが拡散部材を有しない比較例3の面光源装置に比べても、また実施例2と同一の拡散部材を有するが凹凸構造を有しない比較例4の面光源装置に比べても、光取り出し量の大きな向上が認められた。
<参考例1:耐擦傷性>
金属型の形状を変更した他は実施例1の(1−1)と同様にして、凹凸構造の形状が異なるいくつかの複層体を得た。得られた複層体においては、凹部の形状はいずれも同一であったが、凹部間の間隔11J及び11Kを変化させることにより、平坦部割合を種々に変化させたものとした。
得られたいくつかの複層体を水平に載置し、これに、先端が直径2mmのサファイヤ針に、荷重をかけた状態で垂直に圧接させ、水平方向に動かした。動かした結果針による傷が発生したか否かを、目視で判定した。荷重を徐々に下げ、傷が発生しなくなる荷重(g)を判定した。傷が発生しなくなる荷重と平坦部割合との関係を図20にプロットした。図20の結果から、平坦部割合が増すほど、耐擦傷性が優れることが分かる。
<参考例2:光取り出し効率 角錐>
下記のような有機EL素子及び出光面構造層からなる面光源装置を想定して、光取り出し効率をシミュレーションにより計算した。
有機EL素子は、発光層、透明電極及び反射電極を有するものとした。反射電極反射率は85%とし、発光層の発光特性はランバート分布に従うものとした。
出光面構造層は、厚さは20μmの板状体で、屈折率1.53の透明な材料からなるか、又は、かかる材料に、粒子径2μmで屈折率1.43の拡散剤を全体積中7.5%の割合で添加したものからなるものとした。出光面構造層上の凹凸構造は、正四角錐形状(頂角60°、底辺20μm)の凹部を、図1の凹凸構造層と同様に配列したものとした。凹部間の間隔11J及び11Kを変化させ、平坦部割合を種々に変更した。
この出光面構造層を、前記有機EL素子の透明電極側の面上に置いて、面光源装置とした。
拡散剤なしでかつ平坦部割合が100%の場合を1.00とした、相対的な光取り出し効率を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2010287409
<参考例3:光取り出し効率 半球>
下記のような有機EL素子及び出光面構造層からなる面光源装置を想定して、光取り出し効率をシミュレーションにより計算した。
有機EL素子は、発光層、透明電極及び反射電極を有するものとした。反射電極反射率は85%とし、発光層の発光特性はランバート分布に従うものとした。
出光面構造層は、厚さは20μmの板状体で、屈折率1.53の透明な材料からなるか、又は、かかる材料に、粒子径2μmで屈折率1.43の拡散剤を全体積中7.5%の割合で添加したものからなるものとした。出光面構造層上の凹凸構造は、半球形状(直径20μm)の凹部を、図3の凹凸構造層と同様に配列したものとした。凹部間の間隔を変化させ、平坦部割合を種々に変更した。
この出光面構造層を、前記有機EL素子の透明電極側の面上に置いて、面光源装置とした。
拡散剤なしでかつ平坦部割合が100%の場合を1.00とした、相対的な光取り出し効率を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2010287409
表1及び表2の結果から、出光面構造層が拡散剤を含まない場合は、平坦部割合が増加すると光取り出し効率が著しく低下する一方、出光面構造層が拡散剤を含む場合は、そのような著しい光取り出し効率の低下が緩和され、その結果、高い光取り出し効率と、高い耐擦傷性を両立するすることができることが分かる。
<実施例3>
上記(1−1)の複層体110の調製にあたり、金属型の形状を変更した他は、実施例1と同様にして、複層体110を調製し、さらに面光源装置を得た。得られた複層体においては、凹部の形状は実施例1におけるものと略同一であったが、平坦部については、図15に示す平坦部914及び915のように、2種類の高さを有する平坦部からなるものとなっていた。2種の平坦部の高さの違いは、2μmであった。
得られた面光源装置を、点灯しない状態で表面の反射像を観察したところ、虹ムラが低減していることが観察された。
10 面光源装置
10U 装置出光面
100 出光面構造層
110 複層体
111 凹凸構造層
112 基材フィルム
113 凹部
114 平坦部
11A〜11D 斜面
11E〜11H 底辺
11P 頂点
121 接着層
131 ガラス基板
140 有機EL素子
141 電極層
142 発光層
143 電極層
151 封止基板
20 面光源装置
20U 装置出光面
200 出光面構造層
210 複層体
211 凹凸構造層
213 凹部
214 平坦部
30 面光源装置
30U 装置出光面
300 出光面構造層
310 複層体
311 凹凸構造層
313 凹部
314 平坦部
40 面光源装置
40U 装置出光面
400 出光面構造層
410 複層体
411 凹凸構造層
413 凹部
41T、41U、41V 斜面
414 平坦部
50 面光源装置
551 反射部材
552 反射部材基板
553 隙間
80 面光源装置
80U 装置出光面
800 出光面構造層
810 複層体
811 凹凸構造層
813 凹部
814 平坦部
90 面光源装置
90U 装置出光面
900 出光面構造層
910 複層体
911 凹凸構造層
913 凹部
914、915 平坦部

Claims (12)

  1. 発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子、および前記有機エレクトロルミネッセンス素子の一方の表面に接して設けられ、装置出光面側の表面の凹凸構造を規定する出光面構造層を備える面光源装置であって、
    前記凹凸構造は、斜面を含む複数の凹部と、各凹部の周囲に位置する平坦部とを有し、
    前記面光源装置は、前記発光層から出射された光を入射し、この入射した光を拡散して透過もしくは反射させる拡散部材を備え、
    前記面光源装置は、前記拡散部材を、
    前記出光面構造層内の一部もしくは全部を構成する層、および
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子よりも前記出光面構造層から遠い位置に設けられる層、の少なくとも一方の層を構成する部材として備える、面光源装置。
  2. 請求項1に記載の面光源装置であって、
    前記拡散部材は、前記出光面構造層内の一部もしくは全部を構成する層として設けられた部材であって、入射した光を拡散した態様で透過させる部材である、面光源装置。
  3. 請求項2に記載の面光源装置であって、
    前記拡散部材は、前記出光面構造層内の2つの層の間に介在する接着層である、面光源装置。
  4. 請求項3に記載の面光源装置であって、
    前記出光面構造層は、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子に接して設けられる基板と、
    前記基板よりも前記装置出光面に近い位置に設けられる凹凸構造層であって、その装置出光面に近い側の面上に前記凹凸構造を有する凹凸構造層と、
    前記基板および前記凹凸構造層を接着する接着層とを備え、
    前記面光源装置は、前記接着層を、前記拡散部材として備える面光源装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに1項に記載の面光源装置であって、
    前記拡散部材は、光拡散性を付与する粒子を含む材料により構成されている面光源装置。
  6. 請求項1に記載の面光源装置であって、
    前記拡散部材は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子よりも前記出光面構造層から遠い位置に設けられた部材であって、入射した光を拡散した態様で反射させる部材である、面光源装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の面光源装置であって、
    前記凹凸構造を前記装置出光面に垂直な方向から観察した場合における、前記平坦部が占める面積と前記凹部が占める面積との合計に対する、前記平坦部が占める面積の割合が、10〜75%である、面光源装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の面光源装置であって、
    前記凹部が角錐形状、円錐形状、球面の一部の形状、又はこれらの組み合わせの形状を有し、
    複数の前記凹部は、互いに交差する2以上の方向に沿って前記装置出光面上に配列され、
    隣り合う前記凹部の間には、前記2以上の方向のいずれの方向にも隙間が設けられ、前記隙間が前記平坦部を構成する、面光源装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の面光源装置であって、
    前記凹部が角錐形状、円錐形状、球面の一部の形状、又はこれらの組み合わせの形状を有し、
    複数の前記凹部は、互いに交差する2以上の方向に沿って前記装置出光面上に配列され、
    隣り合う前記凹部の間には、前記2以上の方向のうちの一方向にのみ隙間が設けられ、前記隙間が前記平坦部を構成する、面光源装置。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の面光源装置であって、
    前記凹部が溝状の形状を有し、
    複数の前記凹部は、前記装置出光面上に平行に配列され、
    隣り合う前記凹部の間には隙間が設けられ、前記隙間が前記平坦部を構成する、面光源装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の面光源装置を備える照明器具。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の面光源装置を備えるバックライト装置。
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