JP2010284675A - 溶湯を用いた表面被覆方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属溶湯を用いてその熱によって表面被覆材を再溶融して緻密な層を形成することで、加工エネルギーを効率的に活用し、必要な部分に機能性を持たせる複合化の技法を提供する。
【解決手段】本発明は、砂型、金型などの鋳型内に、あらかじめ表面被覆すべき粉体を塗布、または溶射した金属の薄単板やプレス等にて加工したケースなどを設置し、その後、所定の溶湯を鋳型に鋳込み、緩衝材を介した高温の熱によって粉体、あるいは溶射皮膜を溶融することにより、金属溶湯を鋳込む際の熱を利用して表面被覆層を形成する。この方法により、粉体、あるいは皮膜は溶湯と直接触れないため、流されたり、過熱状態となることを阻止し、所定の厚さを維持した表面層を得ることを特長とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金属溶湯を鋳込む際の熱を利用して表面被覆層を形成する方法と、それによって得られる表面被覆に関するものである。
金属に耐食性、耐摩耗性等を付与するために、熱源を使って表面被覆する従来方法としては、肉盛溶接(粉体肉盛含む)、拡散被覆法、溶融めっき、溶射法などがある。溶射法は処理の簡便さ、適用材料の多さ、成膜の速さ、対象物の形状・面積に対する制限の少なさなどで、他の表面被覆法にない多くの利点がある。
この溶射法の一つに、自溶合金溶射法があり、多くの産業分野で利用されている。本法は、Ni、あるいはCoをベースにB、Siのフラックス成分等を含む合金粉末を溶射し、その後、皮膜の溶融温度まで加熱するものである。この溶融処理によって、皮膜は緻密な層となり、さらに、母材との境界部は強固な接合状態となる。通常、溶融処理には酸素−アセチレンガスによる還元炎を用いるが、その他ガス炎、加熱炉、高周波熱源などを用いる場合もある。この場合、皮膜が溶融する温度は合金組成や含有量で異なるが、Niベースでは1050℃前後である。
上記の通り、溶射法は、対象物の形状・面積に対する制限が少ない特長を有し、自溶合金溶射も大物、太物、厚物への適用がなされているが、対象物が大きくなるほど、溶融処理は煩雑となり、長時間を要し、費やすエネルギーが増大し、またエネルギーロスも増大する。大物をガス炎で溶融処理する場合、対象物周辺が開放状態では皮膜の溶融までに長時間かかるため、周辺をレンガ等で囲み、複数のガスバーナで加熱するなど工夫がされている。しかし、この場合でも消費エネルギー、時間のロスは莫大である。また、溶融までの加熱時間が増加することは、金属では結晶粒の粗大化を誘発し、母材の強度、靱性を損なう結果となる。一方、高周波や電気炉での溶融処理においては、複雑形状、大物には適用し難く、この場合も、処理に長時間を要するし、酸素が多い加熱雰囲気では、溶融した皮膜が酸化し、所望の層とならないため、アルゴン、窒素ガスなどを用いた中性、還元雰囲気にする必要があるなど、高コストとなっている。
一方、鋳鉄や鋳鋼の鉄系鋳物に耐食性、耐摩耗性、耐高温腐食性等を付与させるには、Ni、Cr、Mo、W、Vなどの合金元素を添加する必要があるが、鋳造による一体成形では不必要な部分まで高価な合金化をせざるを得ない。また、この場合、合金元素を添加することにより、鋳造方案が複雑になる、不均質な組成(偏析)、歪み等の欠陥が生じ易くなる。
以上のことから、鋳物においても必要な部分にのみ必要な特性を付与させることが有効となるが、その一手法として鋳造時の溶湯を用いて表面被覆する方法が従来から提案され、取り組まれている。事例として、金属溶射を利用した鋳物表面合金化、耐火物および金属溶射の鋳造への利用などや、鋳鉄溶湯によるサーメット粒子の鋳ぐるみ、超硬合金粉末の鋳ぐるみによる鋳鋼の表面改質などがある。これらは、鋳型の壁、底表面に溶射を施したり、硬質のサーメット、超硬合金等の粉体を塗布、あるいは充填し、その後、鋳鉄や鋳鋼を直接鋳込み、鋳物表面に異種材の被覆層を形成させるものである。また、鋳型に主材となる金属粉末と主材より融点が高い複材を塗布し、溶融金属を充填する方法などが知られている(特許文献1)。
特開2004−74202
自溶合金溶射法は上記の通り、対象物の形状・面積が大きくなると、溶融処理が煩雑となり、長時間を要し、費やすエネルギーおよびエネルギーロスが増大する。したがって、溶射後のガス炎等による溶融処理を無くするか、または減らすことが出来れば、その効果は極めて大きい。また、溶射そのものを無くし、粉末を塗布して溶融処理も施せるなら、更なる利点となる。鋳造材、特に炭素含有量が多い鋳鉄に自溶合金溶射を施す場合、溶融処理後の冷却が速ければ焼入れされ、マルテンサイト組織となる場合もある。したがって、これを阻止するためには長時間かけて冷却(徐冷)する必要がある。
以上の課題を解決する手法として、上記で示した金属溶湯を用いての表面被覆法が挙げられる。しかし、鋳型の壁、底表面に溶射被覆や粉体塗布、あるいは充填し、その後、鋳鉄や鋳鋼を直接鋳込み、鋳物表面に異種材の被覆層を形成させる従来方法では、皮膜や粉体が溶湯によって流されたり、剥がれたり、または、溶湯の温度に対して粉体、あるいは皮膜の溶融温度が低いために過熱や拡散が進み、被覆層が極端に薄くなったり、希釈されて消失してしまうなど、良質の表面被覆層とはなり難い。すなわち、溶湯が粉体、あるいは皮膜に直接当たる鋳込み法では良好な被覆層を得ることが極めて困難で、多くの条件に制約される。
本発明は、金属溶湯を鋳込む際の熱を利用して表面被覆層を形成する方法およびそれによって得られる表面被覆に関するものである。手法としては、砂型、金型などの鋳型内に、あらかじめ表面被覆すべき粉体を塗布、または溶射した金属の薄単板やプレス等にて加工したケースなど(以下「緩衝材」と称す場合がある。)を配置しておき、その後、所定の溶湯を鋳型に鋳込み、緩衝材を介した高温の熱によって粉体、あるいは溶射皮膜を溶融するものである。これによって、粉体、あるいは皮膜は溶湯と直接触れないため、流されたり、過熱状態となることを阻止でき、所定の厚さを維持した表面層を得ることができる。この場合、緩衝材の板厚、形状などを制御することによって、所望の温度で表面被覆層となる部分を加熱・溶融できる大きな特長がある。
また、緩衝材に粉体を塗布、または溶射した後に、コロイダルシリカ等のカバー材をその上に塗布しておく。これによって、砂型面の粗さや凹凸に起因する被覆層のバラツキや加熱・溶融における流動を防ぐことができる。
すなわち、本発明は、緩衝材の片方の面に表面被覆すべき粉体を塗布する工程、前記粉体を塗布した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、前記粉体の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法である。
また、本発明は、緩衝材の片方の面に表面被覆すべき粉体を塗布する工程、前記粉体が塗布された面に、さらにカバー材を接触させる工程、前記粉体を塗布した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、前記粉体の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法である。
また、本発明は、緩衝材の片方の面に表面被覆すべき粉体を溶射する工程、前記粉体を溶射した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、前記粉体の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法である。
また、本発明は、緩衝材の片方の面に表面被覆すべき粉体を溶射する工程、前記粉体が溶射された面に、さらにカバー材を接触させる工程、前記粉体を溶射した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材に鋳型に配置する工程、前記粉体の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、
を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法である。
また、本発明は、表面被覆すべき材料を圧縮形成により板状にする工程、前記板状の材料を緩衝材と接触させる工程、前記材料を接触した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、前記材料の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法である。
また、本発明は、表面被覆すべき材料を圧縮形成により板状にする工程、前記板状の材料を緩衝材と接触させる工程、前記材料を接触させた面に、さらにカバー材を接触させる工程、前記材料を接触した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、前記材料の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法である。
また、本発明は、前記カバー材が、コロイダルシリカであることを特徴とする、上記の表面被覆方法である。
また、本発明は、前記緩衝材がプレス加工されたものであることを特徴とする、上記の表面被覆方法である。
また、本発明は、上記の方法によって得られる表面被覆金属である。
本発明によって、耐摩耗性、耐食性などに優れた緻密な表面(被覆層)を有した鋳造品が得られる。鋳造母材と被覆層とは金属学的な接合によって強固な結合状態を呈する。上記のように、従来の溶射・溶融処理では膨大なエネルギーと処理時間を要するが、本法では、通常の鋳造工程で成形と表面被覆層の形成ができるため、エネルギーの無駄が少なく、処理に費やす時間も短い。さらに、通常の鋳造品を得た後、自溶合金溶射や肉盛溶接を施す場合のような局部加熱・冷却がないため、母材の高硬度化や割れなどの危険性が無く、また、長時間加熱が無いため母材の劣化も起こらない。
この場合、鋳造母材と緩衝材とは拡散接合、あるいは表層溶融による接合が望ましいが、接合がなされず機械的な結合となっていても、使用条件によっては問題ない。この場合、緩衝材に所望の穴を形成しておき、鋳造母材と接触する側にその穴のバリが張り出すようにすれば、結合の向上が更に図られる。また、接合性を向上させる手法として、鋳造母材と接触する側の緩衝材にろう材と成りうる材料を塗布、溶射、めっき等を施しておくことも考えられる。
また、コロイダルシリカ等のカバー材を用いることにより、砂型面の粗さや、凹凸に起因する被覆層のバラツキや、加熱、溶融における流動を防ぐことができる。
緩衝材に溶射粉末を塗布したものを鋳型内に設置した図である。 上下鋳型を設置して鋳造するときの図である。 鋳造によって複合化した製品の模式図である。
本発明は、鋳造品の表面に耐摩耗性、耐食性、耐高温腐食性などに優れた被覆層を付与することを目的としている。
本発明に用いる鋳造材としては、特に制限はないが、鋳鉄、あるいは鋳鋼を好ましい例として挙げることができる。
本発明に用いる緩衝材の材質としては、粉体を塗布または溶射でき、あるいは、圧縮成型により板状にされた材料と接触することができるものであれば、特に制限はないが、たとえば、鋼材等を用いることができる。また、鋳鉄を母材とする場合は、溶湯との親和性や接合性から共ガネとなる鋳鉄を用いるのも良い。
また、本発明に用いる緩衝材の形状としては、粉体を塗布または溶射でき、あるいは、圧縮成型により板状にされた材料と接触することができるものであれば、特に制限はないが、例えば薄単板やプレス等により加工したものをあげることができる。プレス加工した場合には、特にケース状にすることが好ましい。
本発明に用いる緩衝材の厚さとしては、注湯温度および被覆層の最適形成温度に応じて変化させる必要があるが、たとえば、0.1〜3.0mm程度のものをあげることができる。
本発明に用いる粉体あるいは表面被覆すべき材料としては、所望する性質を付与することができるものであれば特に制限はないが、たとえば、鋳鉄や鋳鋼の鉄系鋳物に耐食性、耐摩耗性、耐高温腐食性等を付与させるには、Ni、Co、Cr、Fe、Mo、W、V、B、Siなどによる合金を挙げることができる。
本発明に用いる粉体の粒径は、特に制限はないが、例えば、10〜100μm程度のものを挙げることができる。
また、本発明に用いるカバー材としては、砂型面の粗さや、凹凸に起因する被覆層のバラツキまたは、加熱、溶融における流動を防ぐものであれば特に制限はないが、たとえばコロイダルシリカを挙げることができる。
本発明に用いる緩衝材に粉体を塗布する場合には、粉体のみでは塗布し難い場合は、バインダを用いることができ、粉体とバインダを混ぜてスラリー状とするのが有効である。
ここで用いるバインダとしては、特に制限はないが、たとえば、PVA(ポリビニルアルコール)、水ガラス等を挙げることができる。
また本発明において、場合によっては、バインダを用いずに、粉体や表面被覆すべき材料をあらかじめ所望の形状、厚さに圧縮成形しておき、これらを緩衝材に接触させること、特に緩衝材に重ねる、あるいは接着させておくことが好ましい。この場合の圧縮成形された材料の厚さとしては、特に制限はないが、例えば、0.5〜3.0mm程度のものをあげることができる。
本発明に用いる鋳型としては、金属を所望の形状に製造することができるものであれば特に制限はないが、たとえば、金型、砂型等を挙げることができる。
以下、図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。図1は、砂型、金型などの鋳型(下型)の模式図である。図1の1に示す金属の薄単板やプレス等にて加工したケースなどにあらかじめ表面被覆すべき粉体を塗布、または溶射したものを用意しこれを下型3A内の所定の箇所に設置する。(図1中2は、粉体を塗布、溶出した緩衝材1の面、または表面被覆すべき材料を圧縮成型したのち、緩衝材1に接触させた面を示す。)
図2は、図1に示した下型に上型3Bを重ねた様子を示す。上型3Bには湯口2Cが設置され、ここから所定温度の溶湯を注ぐことができる。その後、溶湯を徐冷する。
図3に示すように、緩衝材は溶湯と接触して溶湯と一体化し、皮膜2Aが形成された鋳物4が得られる。緩衝材表面に塗布あるいは溶射された粉体または溶射合金粉末は、高温の溶湯によって緩衝材を介して加熱され、融点に達して溶融される。このとき、粉体あるいは溶射皮膜は溶湯と直接触れておらず、粉体あるいは溶射皮膜が融解して流されたり、過熱状態とならないので、所定の厚さを維持した表面層を得ることができる。
本発明において、溶湯の温度は、特に制限はないが、粉体あるいは表面被覆すべき材料の融点より高い温度であることが必要である。溶湯の温度は用いる粉体あるいは表面被覆すべき材料の性質および用いる鋳造材の融点等により適宜選択されるが、たとえば、1300〜1600℃を挙げることができる。
また、本発明は、溶湯温度、緩衝材の板厚および形状などを適切に設定することにより、表面被覆層となる部分を所望の温度で加熱・溶融できるという大きな特長がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
鋳造材として、ねずみ鋳鉄(FC)を用いた。鋳型は外寸280mm×380mm、板厚4.5mmの鋼板で金枠を製作し、上型の高さを125mm、下型の高さを60mmとして、この金枠内に生型で造型した。緩衝材としては、図1に示すようなプレス加工によってケース状に加工した鋼板を用いた。この緩衝材は、図1の1に示すように、下型の長軸方向に対し、約1/3の長さを有するものを用いた。そして、緩衝材に粉体として自溶合金粉末(住友金属鉱山株式会社製S−6M)を溶射し、粉体が溶射された面を鋳型の内側に向けて配置し、湯口を成型した上型をかぶせ、ねずみ鋳鉄の溶湯(約1,350℃)を注いだ。約120分後に、鋳鉄を型から外し、自溶合金の溶融被覆層により表面被覆されたねずみ鋳鉄を得ることができた。
本発明によって、耐摩耗性、耐食性などに優れた緻密な表面(被覆層)を有した鋳造品が得られる。鋳造母材と被覆層とは金属学的な接合によって強固な結合状態を呈する。上記のように、従来の溶射・溶融処理では膨大なエネルギーと処理時間を要するが、本法では、通常の鋳造工程で成形と表面被覆層の形成ができるため、エネルギーの無駄が少なく、処理に費やす時間も短い。さらに、鋳造品に対する局部加熱・冷却がないため、母材の高硬度化や割れなどの危険性が無く、ガス炎によるような長時間加熱が無いため母材の劣化も起こらない。
1 緩衝材基板(鋼板など)
2 溶射粉末塗布面
2A 溶射粉末の再溶融による機能性皮膜形成面
3 鋳型
3A 下型
3B 上型
3C 湯口
4 鋳物

Claims (9)

  1. 緩衝材の片方の面に表面被覆すべき粉体を塗布する工程、
    前記粉体を塗布した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、
    前記粉体の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、
    前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、
    を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法。
  2. 緩衝材の片方の面に表面被覆すべき粉体を塗布する工程、
    前記粉体が塗布された面に、さらにカバー材を接触させる工程、
    前記粉体を塗布した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、
    前記粉体の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、
    前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、
    を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法。
  3. 緩衝材の片方の面に表面被覆すべき粉体を溶射する工程、
    前記粉体を溶射した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、
    前記粉体の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、
    前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、
    を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法。
  4. 緩衝材の片方の面に表面被覆すべき粉体を溶射する工程、
    前記粉体が溶射された面に、さらにカバー材を接触させる工程、
    前記粉体を溶射した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材に鋳型に配置する工程、
    前記粉体の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、
    前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、
    を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法。
  5. 表面被覆すべき材料を圧縮形成により板状にする工程、
    前記板状の材料を緩衝材と接触させる工程、
    前記材料を接触した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、
    前記材料の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、
    前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、
    を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法。
  6. 表面被覆すべき材料を圧縮形成により板状にする工程、
    前記板状の材料を緩衝材と接触させる工程、
    前記材料を接触させた面に、さらにカバー材を接触させる工程、
    前記材料を接触した面を鋳型内側に向けて、前記緩衝材を鋳型に配置する工程、
    前記材料の溶解温度以上の温度の溶湯を、前記鋳型に流し込む工程、
    前記緩衝材を介して前記粉体に熱を伝え、粉体を溶融する工程、
    を含むことを特徴とする金属の表面被覆方法。
  7. 前記カバー材が、コロイダルシリカであることを特徴とする、請求項2、4、6、のいずれかに記載の表面被覆方法。
  8. 前記緩衝材がプレス加工されたものであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の表面被覆方法。
  9. 請求項1〜8に記載の方法によって得られる表面被覆金属。
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