JP2010280362A - 救命具 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡単な構成で、廉価な簡易浮上装置としても、あるいは、厳しい環境で本格的な海難救助用にも用いることも可能であり、収納時には水の抵抗を減らして運動性を高めることができ、膨張時には大きな浮力を得ることができるガス膨張式救命具を提供する。
【解決手段】装着者の人体に着装可能な装着部1と、膨張性または展開性を有する1または複数の浮き袋2と、開封機構32を介して封入ガスを放出可能なガスボンベ3とを備え、開封機構32を作動させてガスボンベ3内のガスを浮き袋2に送り込んで浮き袋2を膨張あるいは展開させることによって浮力を与える構造を有し、浮き袋2はその表面の一部の固定部21で装着部1に固着され、かつ、この固定部21以外の表面は自由であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水中で人体に浮力を与える救命具に関し、ことに、装着が容易で、収納時には行動に邪魔にならず、使用時には充分な浮力が得られるガス膨張式救命具に関するものである。
従来のガス膨張式救命具では一般に、胴体にベストのように着装する形式や、首や手足などに巻き付け装着する形式などがある。いずれも、人体に当接する装着部に対し、ガスを放出して膨張させる浮き袋を全体的に固着し、膨張力によって浮き袋が外側に全体的に突出して膨らみ、浮力を確保する仕組みになっている。
これらは、大きな浮力を得るために浮き袋を大きくしたい一方で、収納時において、装着部になるべく密着するよう平面的にコンパクトでなければ、着用者は動きづらく、救命具の着脱や運動性を阻害しやすい。
このような問題を解決するため、固体からガスを発生するように構成されたガス発生手段と、固体への点火手段と、膨張式部材とを備え、手首に装着する「浮上装置」(特許文献1参照)や、固定手段と、気嚢と,ボンベと、起動手段と、気嚢収納部とを備え、手首に装着する「救命気嚢収容構造」(特許文献2参照)が報告されている。
特表2005−517575号公報 特開2006−347435号公報
しかしながら、以上の特許文献に示された従来の救命具は、いずれも、構造、構成が複雑であって、当然のことながら高価なものになるという問題があった。また、同一の構成で、初心者の水泳教室での安全装置に用いたり、本格的な海難救助に用いたりすることができるというものではない。
本発明は、以上に述べた従来技術が備える課題を解決して、比較的簡単な構成で、同一の構成でも素材を選ぶことによって、廉価な簡易浮上装置としても、あるいは、厳しい環境で本格的な海難救助用にも用いることも可能であり、収納時には水の抵抗を減らして運動性を高めることができ、膨張時には大きな浮力を得ることができるガス膨張式救命具の実現を課題とする。
以上の課題を解決するため、本発明の第1の実施形態は、装着者の人体に着装して浮力を与える救命具であって、装着者の人体に着装可能な装着部と、膨張性または展開性を有する1または複数の浮き袋と、開封機構を介して封入ガスを放出可能なガスボンベとを備え、前記開封機構を作動させて前記ガスボンベ内のガスを前記浮き袋に送り込んで前記浮き袋を膨張あるいは展開させることによって浮力を与える構造を有し、前記浮き袋はその表面の一部の固定部で前記装着部に固着され、かつ、この固定部以外の表面は自由であることを特徴とする。
また、以上の課題を解決するため、本発明の第2の実施形態は、装着者の人体に着装して浮力を与える救命具であって、装着者の人体に着装可能な装着部と、膨張性または展開性を有する1または複数の浮き袋と、開封機構を介して封入ガスを放出可能なガスボンベとを備え、前記開封機構を作動させて前記ガスボンベ内のガスを前記浮き袋に送り込んで前記浮き袋を膨張あるいは展開させることによって浮力を与える構造を有し、前記浮き袋はその表面の一部の固定部で前記装着部に固着され、かつ、膨張または展開の前にはこの固定部を除く表面上に設けられた散開防止の仮止め手段で仮止めがなされることを特徴とする。
ここで、前記仮止め手段は、前記浮き袋が膨張あるいは展開する際にその膨張力によって自動的に開くよう適度に調整された固着強度で仮止めされることを特徴とする。
あるいは、前記仮止め手段は、装着者が意図的に引き剥がすことによって解放されるように仮止めされていることを特徴とする。
ここで、前記開封機構と、前記浮き袋と、前記仮止め手段とを相互に連結したことを特徴とする。
以上の課題を解決するため、本発明のさらに他の実施形態は、前記装着部に固着された前記浮き袋を収納する収納器を備え、この収納器は前記浮き袋が膨張または展開する際に前記収納器外に張り出し可能となるようにあらかじめ開放された開口部を有することを特徴とする。
あるいは、前記装着部に固着された前記浮き袋を収納する収納器を備え、この収納器は前記浮き袋が膨張または展開する際に前記収納器外に張り出し可能となるように仮止め手段で仮止めされた開口部を有することを特徴とする。
ここで、前記仮止め手段は、前記浮き袋が膨張あるいは展開する際にその膨張力によって自動的に開くよう適度に調整された固着強度で仮止めされていることを特徴とする。
あるいは、前記仮止め手段は、装着者が意図的に引き剥がすことによって解放されるように仮止されていることを特徴とする。
ここで、前記開封機構と、前記浮き袋と、前記収納器の開口部と、前記仮止め手段とを相互に連結したことを特徴とする。
以上の課題を解決するため、本発明のさらに他の実施形態は、前記装着部および前記浮き袋の表面を覆うカバーを備え、このカバーは前記浮き袋が膨張または展開する際に前記浮き袋を開放するように仮止め手段で仮止めされていることを特徴とする。
ここで、前記仮止め手段は、前記浮き袋が膨張あるいは展開する際にその膨張力によって自動的に前記浮き袋を開放するように適度に調整された固着強度で仮止めされていることを特徴とする。
あるいは、前記仮止め手段は、装着者が意図的に引き剥がすことによって解放されるように仮止されていることを特徴とする。
ここで、前記開封機構と、前記浮き袋と、前記カバーと、前記仮止め手段とを相互に連結したことを特徴とする。
以上の課題を解決するため、本発明のさらに他の発明は、前記浮き袋を束ねる結束帯を備え、この結束帯は前記浮き袋が膨張または展開する際に前記浮き袋を開放するように仮止め手段で仮止めされていることを特徴とする。
ここで、前記仮止め手段は、前記浮き袋が膨張あるいは展開する際にその膨張力によって自動的に前記浮き袋を開放するように適度に調整された固着強度で仮止めされていることを特徴とする。
あるいは、前記仮止め手段は、装着者が意図的に引き剥がすことによって解放されるように仮止されていることを特徴とする。
ここで、前記開封機構と、前記浮き袋と、前記結束帯と、前記仮止め手段とを相互に連結したことを特徴とする。
ここで、前記装着部の一端側に前記ガスボンベ、前記ガスボンベの開封機構、前記ガスボンベと前記浮き袋をつなぐ送気管および前記浮き袋の固定部を設けたことを特徴とする。
本発明は、以上のように構成したので、請求項1に示した本発明の第1の実施形態の発明によると、ガスボンベより膨張性または展開性のある浮き袋へガスを送り込むことで浮き袋を膨張させ浮力を得ることができる。
さらに、浮き袋が膨張した際、浮き袋は固定部を除き自由で固定されていないため、固定部を除く他の大部分の表面が他の構成物から分離され、浮き袋は自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第2の実施形態の請求項2と請求項3を組み合わせた発明によると、ガスボンベより膨張性または展開性のある浮き袋へガスを送り込むことで、ガス圧力に伴う浮き袋自身の膨張力によって自動的に仮止め手段が解除されて、浮き袋は自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第2の実施形態の請求項2と請求項4を組み合わせた発明によると、仮止め手段を装着者が引き剥がす操作によって意図的に仮止め手段が解除されて、浮き袋は自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第3の実施形態の請求項6に示す発明によると、浮き袋を収納器に収めることで、浮き袋が容易に離脱しないだけでなく、劣化や傷みを防ぐとともに外観の意匠品質を高め、また、収納器の形状および構造を工夫することにより救命具全体として凹凸のない滑らかな形状をつくり出すことで、浮き袋の収納時に水の抵抗を減らすなど運動性を高めることができる。
また、浮き袋が収納器内に収納されているにもかかわらず、収納器にあらかじめ開放された開口部を設けてあるので、ボンベより浮き袋へガスを送り込むことで浮き袋が開口部から突出して自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第3の実施形態の請求項7と請求項8を組み合わせた発明によると、ボンベより浮き袋へガスを送り込むことで、浮き袋自身の膨張力によって自動的に収納器の開口部に設けられた仮止め手段が解除されて、浮き袋は自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第3の実施形態の請求項7と請求項9を組み合わせた発明によると、収納器の開口部に設けられた仮止め手段を装着者が引き剥がす操作によって意図的に仮止め手段が解除されて、浮き袋は自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第4の実施形態の請求項11と請求項12を組み合わせた発明によると、浮き袋の外側をカバーで覆おうことで、浮き袋が容易に離脱しないだけでなく、劣化や傷みを防ぐとともに外観の意匠品質を高め、または、カバーの形状および構造を工夫することにより救命具全体として凹凸のない滑らかな形状をつくり出すことで、浮き袋の収納時に水の抵抗を減らすなど運動性を高めることができる。
加えて、浮き袋はカバーに覆われ仮止めされているが、ガスボンベより浮き袋へガスを送り込むことで、カバーで拘束した浮き袋を容易に開放できる程度に仮止め手段で仮着されているため、ガス圧力に伴う浮き袋の膨張力により、自動的に浮き袋を自由空間内でより大きく膨張させることでき、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第4の実施形態の請求項11と請求項13を組み合わせた発明によると、浮き袋はカバーに覆われているが、カバーに設けられた仮止め手段を装着者が引き剥がす操作によって意図的に仮止め手段が解除されて、浮き袋は自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第4の実施形態の請求項15と請求項16を組み合わせた発明によると、浮き袋は結束帯で束ねられているが、ガスボンベより浮き袋へガスを送り込むことで、浮き袋自身の膨張力によって自動的に結束帯の仮止め手段が解除されて、浮き袋は自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明の第4の実施形態の請求項15と請求項17を組み合わせた発明によると、浮き袋は結束帯で束ねられているが、結束帯に設けられた仮止め手段を装着者が引き剥がす操作によって意図的に仮止め手段が解除されて、浮き袋は自由空間に最大限に膨張することができ、最大限の浮力を発生することが可能になる。
また、本発明では、請求項5、請求項10、請求項14および請求項18で述べているように、開放機構と、浮き袋、または収納器の開口部、またはカバー、または結束帯、仮止め手段などを相互に連結することによって、仮止め手段の開放がガスボンベからガスを浮き袋に送り込む動作に連動され、浮き袋を最大限に膨張させる動作を確実にすることができる。
さらに、本発明では、装着部の一端側にガスボンベ、開封機構、ガスボンベと浮き袋をつなぐ送気管および浮き袋の固定部を設けているので、構成を簡略にすることができるとともに、浮き袋が膨張したときでも、浮力が安定して、装着者の姿勢を安定させることができる。
また、本発明では、以上に述べたことから結果的に、全体として小型で浮力の大きい高品質の救命具や、または伸縮性の低い浮き袋等廉価な材料で構成した救命具、または両者を組み合わせた救命具を具現化することができる。これにより、胴囲装着型、首装着型など大型で、収納時の運動性を損ないながらも海難救助等厳しい環境において使用できる本格的な救命具のみならず、プール等で水泳者が腕等に装着する、運動性の高い簡易型救命具をも同一の構成で提供することが可能になる。
本発明の第1の実施形態の浮き袋膨張前の外観斜視図である。 図1に示す実施形態の浮き袋膨張後の外観斜視図である。 図1に示す実施形態の浮き袋膨張前の断面図である。 図1に示す実施形態の浮き袋膨張後の断面図である。 本発明の第2の実施形態の浮き袋膨張前の断面図である。 本発明の第3の実施形態の浮き袋膨張前の断面図である。 本発明の第3の実施形態の浮き袋膨張後の断面図である。 本発明の第4の実施形態の浮き袋膨張前の断面図である。 本発明の第5の実施形態の浮き袋膨張前の断面図である。
以下、添付図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1〜図4は、請求項1に示した本発明の第1の実施形態に係るガス膨張式救命具であって、上腕部に着用する型の救命具に応用したものである。
図1および図2はその外観斜視図、図3および図4はその断面図である。また、図1および図3は浮き袋の膨張前の図を、図2および図4は浮き袋の膨張後の図を示す。
図1〜図4において、符号1は装着部、符号2は浮き袋、符号3はガスボンベ、符号10は救命具、符号21は固定部、符号22はガス放出口、符号31はガス、符号32は開封機構、符号33は送気管、符号34は引き紐である。
本実施形態では、救命具10は、上腕に巻き付けて係止するための装着部1と、固定部21において一部を装着部1に強固に固定した浮き袋2と、ガス31が充填されていてガス弁を開閉する開封機構32を備え、浮き袋2にガス31を送り込むための送気管33の一方の端部が連結され、装着部1に固着されたガスボンベ3からなる。
また、開封機構32には、機構を作動させるための引き紐34が設けられている。一方、送気管33の他方の端部は、ガス放出口22を通じて浮き袋2に連結されている。
浮き袋2は伸縮性のある素材からなり、この実施形態では2個の袋から構成されているが、袋は必ずしも2個とは限らず、1個ないし3個以上の複数であっても良く、それらが膨張時にバランス良く配置される様になっておれば数は問わない。
図1および図3に示すように、その収納時には装着部1の表面に添着した状態になっている。図2および図4にその膨張時を示すように、浮き袋2は高伸縮性の素材であることにより膨張時に高展伸性を有することが理想だが、比較低伸縮性の素材であっても、折りたたむことなどにより膨張時に高展開性を有していれば、大きく膨らませることができ、大きな浮力を得ることもできる。
本実施形態では、浮き袋2は、固定部21およびガス放出口22以外では、どの構成物にも固着しておらず、膨張時に自由空間に向け、ガス31の圧力によって最大限に膨らむことができる。これにより、上腕部着用型のガス膨張式救命具といった、比較小型の救命具の場合であっても、大きな浮力を実現することができる。例えば、子供用などに、より適する。
また、本実施形態では、特に大きな浮力を期待しない簡易救命補助具として使用した場合には、浮き袋を比較的小さくすることにより、膨張前に救命具全体をコンパクトに収めることができる。したがって、水泳などスポーツで利用する場合などで、着用者の動きを規制することも少なく、水の抵抗も減らすことが可能になる。例えば、子供の水泳教室などプールでの救命補助具としてなどに、より適したものである。
本実施形態では、送気管33をガスボンベ3と浮き袋2を連結する独立した構成物としたが、もちろん装着部1の内部に送気管を構成し、装着部1の表面に配したガス放出口を固定部21に兼用することで、よりコンパクトな形態にすることも可能である。
また、前記装着部の一端側にガスボンベ3、開封機構32、ガスボンベ3と浮き袋2をつなぐ送気管33および浮き袋2の固定部21を設けたことで、全体をコンパクトに構成でき、さらに、浮き袋2の膨張を容易にでき、且つ膨張後の姿勢を安定にすることができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の請求項2に係る別のガス膨張式救命具の概念断面図である。
図5において、図1〜図4に示す第1の実施の形態と同じ機能の要素には、便利のため同じ符号を付すようにした。なお、符号4は仮止め手段である。
本実施形態は第1の実施形態に対し、浮き袋2は、装着部1に添着するだけでなく、マジックテープ(登録商標)などからなる仮止め手段4を通じて仮着されている。
これにより、浮き袋2は、膨張前において一部が離脱して散開するようなことはなく、全体的に装着部1に密着させることができ、救命具全体をコンパクトに、また空気や水の抵抗になる表面の凹凸を減らすことができる。
このとき、仮止め手段4の種類および大きさは適度に調整しておき、浮き袋2の膨張力で無作為に自動的に、あるいは、浮き袋2や仮止め手段4の一部を装着者がつかんで引き剥がすなどの作為的行為により意図的に、浮き袋2の膨張部分を装着部1から分離し、図2および図4に示した第1の実施形態の場合と同様に、自由空間に向け最大限に膨らませることができる。
(第3の実施形態)
図6および図7は、本発明の第3の実施形態の請求項5に係る膨張式救命具の概念断面図である。ここで図6は浮き袋の収納時の断面図を、図7は膨張後の断面図を示す。図6および図7において、図1〜図4に示す第1の実施の形態と同じ機能の要素には、便利のため同じ符号を付すようにした。なお、符号5は収納器、符号51はその開口部である。
本実施形態は、第1の実施形態に対し、装着部1の表面に収納器5を固着し、収納器5の内部に浮き袋2を収納する構造を採っている。収納器5には開口部51が設けられており、収縮または折りたたまれた浮き袋2は、ガス31が送り込まれ膨張する過程で、開口部51を通じて突出させ、自由空間に向け最大限に膨らませることができる。このとき収納器5は、浮き袋2が膨張する作用を規制しないよう、開口部51が広がりやすい弾力性のある材料を使用するとなおよい。
本実施形態では、収納器5を装着部1と一体化することで、よりコンパクトで凹凸のない形態にすることが可能で、これにより、収納時に使用していても、運動の邪魔にならない。
また、本実施形態をさらに改良して、請求項7に示すようにさらに、開口部51に、種類および大きさを適度に調整した仮止め手段4を設けても良い。この場合、仮止め手段4は、収納時には仮着して閉塞しておき、浮き袋2の膨張力で自動的に、あるいは、開口部51付近の収納器5の一部を装着者がつかんで引き剥がすことなどにより作為的、意図的に、浮き袋2を開口部51から開放することで、膨張する過程の浮き袋2を外部へ突出させ、自由空間に向け最大限に膨らませることができる。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態である請求項11に係る膨張式救命具の概念断面図である。図8は、浮き袋2の収納時の断面を示す。図8において、図1〜図5に示す第1および第2の実施の形態と同じ機能の要素には、便利のため同じ符号を付すようにした。なお、符号6はカバーである。
本実施形態は、第1の実施形態に対し、装着部1および浮き袋2の外側にカバー6を配し、全体を覆っている。このため浮き袋2は、膨張前において一部が離脱するようなことがなく全体的に、装着部1に密着させることができ、前出の実施形態と同様、コンパクトかつ凹凸の少ない形態が得られ、収納時に使用していても、運動の邪魔にならない。
また、本実施形態では、カバー6は脱落しないよう、仮止め手段4でカバー6同士を仮着されている。このとき仮止め手段4の種類および大きさは適度に調整しおき、浮き袋2の膨張力で自動的に、あるいは、カバー6の一部を装着者がつかんで引き剥がすことにより作為的、意図的に、カバー6による覆いを開放することで、浮き袋2を自由空間に向け最大限に膨らませることができる。
本実施形態では、全体を覆うカバー6のような形態ではなく、帯状の結束帯によりカバー6と同様に浮き袋2の散開を部分的に規制することで、同様の作用および機能を果たすこともできる。
また、カバー6や結束帯におけるによる仮止め手段4による仮着は、カバー6や結束帯自身どうしではなく、装着部1に対し直接的に、または別の構成物を通じて間接的に行っても同じ作用および機能を果たすことができる。
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態である請求項14に係る膨張式救命具の概念断面図である。図9は浮き袋2の収納時を示す。図1〜図5および図8に示す第1、第2、第4の実施の形態と同じ機能の要素には、便利のため同じ符号を付すようにした。なお、符号35は連結紐である。
本実施形態では、図8に示す実施形態4の引き紐34の代わりに、浮き袋2の一部表面と開封機構32とを連結紐35で連結したものである。本実施形態では、仮止め手段4で仮着したカバー6の一部を装着者が引き剥がすことで、浮き袋2を自由に膨張できる状態にするとともに、連結紐35を通じて開封機構32を作動させ、ガス31を浮き袋2へ送り込む作用を同時に行うことができる。救命具にとって、こうした連動機能を採ることで、緊急時により高い救命効果を発揮する。
このような連結紐35は、本発明の第2、第3の実施形態へも適用することができ、各部を連動させてより動作を確実、安全にすることができる。
本発明は、以上に述べたように構成されているので、全体として小型で浮力の大きい救命具や、または廉価な救命具、または両者を組み合わせた救命具を具現化することが可能になり、海難救助等厳しい環境において使用する本格的な救命具のみならず、プール等で初心水泳者が腕等に装着する、運動性の高い簡易型救命具をも同一構成で提供することができ、スポーツ、海運、海難などの広い産業分野で広く利用される可能性を有している。
1 装着部
2 浮き袋
3 ガスボンベ
4 仮止め手段
5 収納器
6 カバー
10 救命具
21 固定部
22 ガス放出口
31 ガス
32 開封機構
33 送気管
34 引き紐
35 連結紐
51 開口部

Claims (19)

  1. 装着者の人体に着装して浮力を与える救命具であって、
    装着者の人体に着装可能な装着部と、膨張性または展開性を有する1または複数の浮き袋と、開封機構を介して封入ガスを放出可能なガスボンベとを備え、
    前記開封機構を作動させて前記ガスボンベ内のガスを前記浮き袋に送り込んで前記浮き袋を膨張あるいは展開させることによって浮力を与える構造を有し、
    前記浮き袋はその表面の一部の固定部で前記装着部に固着され、かつ、この固定部以外の表面は自由であることを特徴とするガス膨張式救命具。
  2. 装着者の人体に着装して浮力を与える救命具であって、
    装着者の人体に着装可能な装着部と、膨張性または展開性を有する1または複数の浮き袋と、開封機構を介して封入ガスを放出可能なガスボンベとを備え、
    前記開封機構を作動させて前記ガスボンベ内のガスを前記浮き袋に送り込んで前記浮き袋を膨張あるいは展開させることによって浮力を与える構造を有し、
    前記浮き袋はその表面の一部の固定部で前記装着部に固着され、かつ、膨張または展開の前にはこの固定部を除く表面上に設けられた散開防止の仮止め手段で仮止めがなされることを特徴とするガス膨張式救命具。
  3. 前記仮止め手段は、前記浮き袋が膨張あるいは展開する際にその膨張力によって自動的に開くよう適度に調整された固着強度で仮止めされていることを特徴とする請求項2に記載のガス膨張式救命具。
  4. 前記仮止め手段は、装着者が意図的に引き剥がすことによって解放されるように仮止されていることを特徴とする請求項2に記載のガス膨張式救命具。
  5. 前記開封機構と、前記浮き袋と、前記仮止め手段とを相互に連結したことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のガス膨張式救命具。
  6. 前記装着部に固着された前記浮き袋を収納する収納器を備え、この収納器は前記浮き袋が膨張または展開する際に前記収納器外に張り出し可能となるようにあらかじめ開放された開口部を有することを特徴とする請求項1に記載のガス膨張式救命具。
  7. 前記装着部に固着された前記浮き袋を収納する収納器を備え、この収納器は前記浮き袋が膨張または展開する際に前記収納器外に張り出し可能となるように仮止め手段で仮止めされた開口部を有することを特徴とする請求項1に記載のガス膨張式救命具。
  8. 前記仮止め手段は、前記浮き袋が膨張あるいは展開する際にその膨張力によって自動的に開くよう適度に調整された固着強度で仮止めされていることを特徴とする請求項7に記載のガス膨張式救命具。
  9. 前記仮止め手段は、装着者が意図的に引き剥がすことによって解放されるように仮止されていることを特徴とする請求項7に記載のガス膨張式救命具。
  10. 前記開封機構と、前記浮き袋と、前記収納器の開口部と、前記仮止め手段とを相互に連結したことを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載のガス膨張式救命具。
  11. 前記装着部および前記浮き袋の表面を覆うカバーを備え、このカバーは前記浮き袋が膨張または展開する際に前記浮き袋を開放するように仮止め手段で仮止めされていることを特徴とする請求項1に記載のガス膨張式救命具。
  12. 前記仮止め手段は、前記浮き袋が膨張あるいは展開する際にその膨張力によって自動的に前記浮き袋を開放するように適度に調整された固着強度で仮止めされていることを特徴とする請求項11に記載のガス膨張式救命具。
  13. 前記仮止め手段は、装着者が意図的に引き剥がすことによって解放されるように仮止されていることを特徴とする請求項11に記載のガス膨張式救命具。
  14. 前記開封機構と、前記浮き袋と、前記カバーと、前記仮止め手段とを相互に連結したことを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1項に記載のガス膨張式救命具。
  15. 前記浮き袋を束ねる結束帯を備え、この結束帯は前記浮き袋が膨張または展開する際に前記浮き袋を開放するように仮止め手段で仮止めされていることを特徴とする請求項1に記載のガス膨張式救命具。
  16. 前記仮止め手段は、前記浮き袋が膨張あるいは展開する際にその膨張力によって自動的に前記浮き袋を開放するように適度に調整された固着強度で仮止めされていることを特徴とする請求項15に記載のガス膨張式救命具。
  17. 前記仮止め手段は、装着者が意図的に引き剥がすことによって解放されるように仮止されていることを特徴とする請求項15に記載のガス膨張式救命具。
  18. 前記開封機構と、前記浮き袋と、前記結束帯と、前記仮止め手段とを相互に連結したことを特徴とする請求項15ないし17のいずれか1項に記載のガス膨張式救命具。
  19. 前記装着部の一端側に前記ガスボンベ、前記ガスボンベの開封機構、前記ガスボンベと前記浮き袋をつなぐ送気管および前記浮き袋の固定部を設けたことを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載のガス膨張式救命具。
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