JP2010279654A - 血圧特定情報生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静脈血圧を含む血圧情報をより確実に生成することのできる装置を提供する。
【解決手段】生体の圧迫部位に収縮期血圧を超える圧迫力を付与する第1圧迫期間と、第1圧迫期間の後に圧迫力を漸減させる第2圧迫期間とを与え、第2圧迫期間において、圧迫部位より遠位に位置する生体の検査部位に近赤外光を照射し、検査部位を透過した光により形成される透過画像を撮影する。撮影された透過画像の輝度と当該透過画像が得られた時の圧迫力とが対応付けられたデータを記憶し、このデータを時系列的に繋げて輝度変移曲線を生成する。輝度変移曲線上には、輝度が特徴的に変化する点がいくつか現れる。その中には、圧迫力が収縮期血圧に対応し、又は圧迫力が静脈血圧に対応するものがある。
【選択図】図4

Description

本発明は、血圧を特定するのに有用な血圧情報を非侵襲的に生成できる装置に関する。
血圧測定を行うには、通常、カフ(Cuff)で局部を圧迫して動脈、静脈を閉塞させた後のカフ圧の微速減圧過程でコロトコフ音を検出する。このようにして測定される血圧は動脈の血圧のことであり、収縮期血圧(最高血圧)及び拡張期血圧(最低血圧)として知られている。これに対して、静脈の血圧はコロトコフ音を検出することにより測定することができないため、従来、カテーテルを用いて観血的(侵襲的)に静脈血圧は測定されていた(例えば、特許文献1)。観血的な血圧の測定は、資格保有者が行う必要があり、誰もが日常的にできるものではない。また、観血的な血圧の測定は、被験者に対する負担やリスクがある等の問題点があるため、静脈血圧は血圧測定に重要な影響を与える要素であることが理解されながら、ほとんど測定されることがなかった。
そこで特許文献2は、非侵襲的に、誰もが簡単に末梢静脈血圧を測定する手法を提案している。この提案は、腕帯を上腕に装着して、加圧後の微速減圧過程で腕帯圧を測定するとともに、腕帯装着部よりも末梢側に末梢静脈血圧センサを装着して、腕帯圧変化に対応して、末梢静脈血圧(相対値)を順次求め、さらにこの末梢静脈血圧(相対値)のピーク点を求め、ピーク点に対応する腕帯圧を最大末梢静脈血圧とするというものである。
特開平5−103763号公報 特開2001−309894号公報
特許文献2は、末梢静脈血圧センサとして、バンド状のストレインゲージタイプのセンサを用い、これを手首に巻いた状態で末梢静脈血圧を求めようとしている。しかし、手首にストレインゲージタイプのセンサを巻いているので、このセンサは静脈以外の圧力の変動をも検知するおそれがある。例えば、手首を動かすと、その動きに応じた圧力がこのセンサで検知される。したがって、特許文献2によれば、手首を静止させながら測定を行う必要があるか、そうでなければ静脈血圧を測定することが困難である。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、静脈血圧を含む血圧情報をより正確に生成することのできる装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明者は、上腕部に巻いたカフで圧迫させることにより一時的に静脈を閉塞させて手をうっ血状態として、カフ圧迫前後における手を透過する近赤外光の輝度、具体的には透過する近赤外光から形成される透過画像のグレースケール値を計測した。図1に示すように、透過画像から画面全体の平均グレースケール値を求めると、カフ圧迫によりグレースケール値が減少(画面が暗くなる)して、圧迫前後の変化量を求めることができる。そこで、カフ圧とグレースケール値の変化量の関係を調査した。その結果、図2に示すように、図2の中間血圧まではカフ圧の増加に伴いグレースケール値の変化量は増加し、100mmHgまではほぼ一定値となるが、150mmHgでグレースケール値は急減した。これは、カフ圧迫による静脈および動脈の閉塞と関連しており、以下のように考察される。つまり、カフ圧が低い場合、静脈は閉塞していないが、徐々にその断面積が閉塞するためにうっ血を生じてグレースケール値の変化量が増加する。静脈はカフ圧が50mmHg程度で完全閉塞するが、それより高いカフ圧ではほぼ一定なうっ血状態となるため、グレースケール値の変化量はほぼ一定値になる。そして、動脈が完全閉塞する収縮期血圧を超えるカフ圧において、静脈と動脈がほぼ同時に閉塞するために、うっ血が生じず変化量が急減する。つまり、透過した光により形成される像(透過画像)の輝度を時系列的に観察すれば、輝度に特徴的な変化が現れ、この変化に対応するカフ圧が収縮期血圧、静脈血圧を示す。
以上の知見に基づく本発明の血圧特定情報生成装置は、圧迫部、撮影部及び制御部を備えている。
圧迫部は、生体の圧迫部位に収縮期血圧を超える圧迫力を付与する第1圧迫期間と、第1圧迫期間の後に圧迫力を漸減させる第2圧迫期間とを与える。
撮影部は、第2圧迫期間において、圧迫部位より遠位に位置する生体の検査部位に近赤外光を照射する光源と、検査部位を透過した光により形成される透過画像を撮影するカメラとを備える。なお、近赤外光とは可視光(波長:約400〜700nm)よりも波長が700〜1200nmと長い赤外線の一種である。この波長領域の光は、生体透過性の高さと血中のヘモグロビンによる吸光度が高い性質を持っているため、近赤外光による透過画像の輝度を観察することにより血管とそれ以外の部分とを区別して認識することが可能である。
なお、ここでは第2圧迫期間について近赤外光の照射、透過画像の撮影を行うことを特定したが、第2圧迫期間以前、以後について近赤外光の照射、透過画像の撮影を行うことを本発明は否定するものではない。
また、遠位とは、ある基準位置から心臓に対して離れる方向にあることを示すものであり、本発明に当てはめると、圧迫部位(例えば、上腕部)を基準にして、検査部位(例えば、指)が心臓から遠ざかる方向にあれば、検査部位(たとえば、指)は「遠位」である。
制御部は、撮影された透過画像の輝度を求める。さらに制御部は、求められた輝度を時系列的に繋いで輝度変移曲線を生成する。輝度は、代表的には、グレースケール値で表すことができる。
また、制御部は、第2圧迫期間において、輝度変移曲線において輝度が急減した時の圧迫力を収縮期血圧と判断し、また、輝度が急減した後に、輝度が上昇に転じた時の圧迫力を静脈血圧と判断することができる。
本発明により求められる輝度変移曲線上には、輝度が特徴的に変化する点がいくつか現れる。その中には、圧迫力が収縮期血圧に対応し、又は圧迫力が静脈血圧に対応するものがある。したがって、本発明によれば、生成された輝度変移曲線を観察することにより、非侵襲的に静脈血圧を特定できる。しかも本発明は、直接画像で血管を可視化するものであり、加えて血中のヘモグロビンによる近赤外光の吸光度が高いという性質を利用するものであるから、より確実に血圧を測定できる。
カフ圧によるグレースケール値の変化を示すグラフである。 カフ圧とグレースケール値の変化量との関係を示すグラフである。 (a)は収縮期血圧、静脈血圧を測定するためのカフ圧の制御例を示し、(b)は(a)のカフ圧を加えた場合のグレースケール値の変化を示す。 本実施の形態に係る測定装置の構成を示す図である。 図4に示す測定装置の制御部の構成を具体的に示す図である。 図4の装置で撮影した透過画像の一例を示している。 撮影された透過画像全体のグレースケール値の平均を算出し、横軸を圧迫力[mmHg]、縦軸をグレースケール値でプロットしたグラフである。 末梢血管抵抗値を求めた結果を示す表である。
以下、本発明を実施の形態に基づいてより詳しく説明する。
前述したように、図1、図2は以下のことを示している。
1:静脈完全閉塞までのカフ圧迫力までは、グレースケール値の変化量は増加する。
2:動脈完全閉塞時に、グレースケール値の変化量は急減する。
以上のことを換言すると、上腕を150mmHg(圧縮期血圧超)まで圧迫させたのち、徐々に圧力を減少させながら透過画像のグレースケール値を計測すると、
A:グレースケール値が急減する時に動脈閉塞が解除され、この時のカフ圧は収縮期血圧である。
B:グレースケール値が増加し始める時に静脈閉塞が解除され、この時のカフ圧は静脈血圧である。
以上の知見A、知見Bに基づいて、収縮期血圧、静脈血圧を測定するために加えるカフ圧の制御例を図示したのが図3(a)である。図3(a)において、当初は近赤外光照射による影響を安定化させるために、カフを圧迫させることなく60秒間(期間A)だけ近赤外光を照射する。その後、カフ圧を150mmHgまで一気に上昇させて、20秒間一定に保つ(期間B=第1圧迫期間)。この期間Bにおいて、動脈及び静脈は完全に閉塞されるので、圧迫部位よりも末梢側の血流を止める。その後、例えば−1mmHg/s程度の減圧速度でカフ圧を減少させる(期間C=第2圧迫期間)。
以上のようにカフ圧を制御した場合のグレースケール値の変移が図3(b)に示されている。
期間Aはもちろん、期間Bにおいても、グレースケール値に変化は見られない。期間Bには、静脈、動脈は完全に閉塞するが、閉塞された閉路内に血液が留まるだけなので測定部位にうっ血は生じない。
期間Cにおいて、カフ圧が収縮期血圧と等しくなったとき、グレースケール値は急減する。これは、圧迫部における動脈閉塞が解除されることで末梢部へ血液が流入しはじめて、末梢部の静脈・動脈内に血液がうっ血することに起因する。なお、この時点では静脈の閉塞の解除はほとんど生じない。
末梢部の静脈・動脈内がうっ血した状態では、グレースケール値は一定となるが、カフ圧がさらに低下して静脈血圧がカフ圧に等しくなったとき、グレースケール値は徐々に回復する。これは、静脈閉塞の解除に伴ってうっ血が徐々に解消されることに起因する。
圧迫終了後には、グレースケール値は、元の状態に回復する。
以上の通りであるから、図3(a)に示すようなカフ圧を与えながら、照射された近赤外光による透過像を撮影し、その輝度、典型的にはグレースケール値を時系列的に観察し、グレースケール値が急減する時、その後にグレースケール値が増加に転じる時を特定すれば、収縮期血圧、静脈血圧を測定することができる。
さらに、この2つの血圧(収縮期血圧,静脈血圧)から血流によって生じる末梢血管抵抗を計測できる。この末梢血管抵抗は高血圧を引き起こす要因と考えられ、この値が日常的に計測できれば、重大疾病の予防に寄与する。
一般的に、末梢血管抵抗=平均血圧/心拍出量と言われている。ここで、平均血圧としては、経験的に、(収縮期血圧+拡張期血圧×2)/3が用いられている。しかし、血液は動脈から指先の毛細血管を通り静脈へと流れていくので、血管を一本の管と考えた場合、収縮期血圧と静脈血圧の圧力差を用いたほうがより正確な末梢血管抵抗値が得られると考えるべきである。
よって、末梢血管抵抗は、下記式により定義されるべきである。
末梢血管抵抗=(収縮期血圧−静脈血圧)/心拍出量
ここで、心拍出量は、脈拍×1回の拍出量で求められる。また、安静時の成人の1回(1stroke)拍出量は、60〜70(ml/stroke)であることが既知であるから、脈拍を測定することにより心拍出量を算出して、末梢血管抵抗値を求めることができる。
以上説明した収縮期血圧、静脈血圧の測定を行うことのできる測定装置1を、図4を参照して説明する。測定装置1は、図4に示すように、圧迫部20、撮影部30及び制御部40から構成される。
圧迫部20は、被験者の上腕部を圧迫するカフ2と、カフ2に圧迫力を生じさせるために空気を供給するポンプ3と、ポンプ3から供給される空気のカフ2への流入を制御する第1電磁開閉弁4と、カフ2からの空気の流出を制御する第2電磁開閉弁5と、第2電磁開閉弁5の上流側に設けられる流量計6と、第2電磁開閉弁5の下流に設けられるニードルバルブ7と、カフ2の圧迫力を測定する圧力センサ8とを備える。ポンプ3及び第1電磁開閉弁4は、カフ2に接続される第1管路9に設けられる。第2電磁開閉弁5、流量計6及びニードルバルブ7は、カフ2に接続される第2管路10に設けられる。圧力センサ8は、カフ2に接続される第3管路11に設けられる。
撮影部30は、近赤外光を発光し、被験者の手に向けて照射するLED(Light Emitting Diode)光源12と、手を載せるテーブル13と、手を透過した近赤外光により形成される透過画像を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラ14を備えている。テーブル13には、手を透過した近赤外光が通過するスリット13S(30[mm]×10[mm])が形成されている。
測定装置1は、圧迫部20及び撮影部30を制御する制御部40を備える。制御部40は、パーソナルコンピュータ(PC)から構成することができる。
制御部40は、圧迫部20のポンプ3の起動・停止、第1電磁開閉弁4及び第2電磁開閉弁5の開閉、ニードルバルブ7の開度調整を制御する。また、制御部40は、圧迫部20の流量計6及び圧力センサ8から得られる流量情報、圧力(カフ圧)情報に基づいて、上記制御を行う。
制御部40は、光源12の発光を制御する。また制御部40は、透過画像を撮影するようにCCDカメラ14に指示する。また、制御部40は、取得された透過画像をCCDカメラ14から取得する。制御部40が取得した透過画像の処理については、後述する。
図5を参照しながら、制御部40をより具体的に説明する。
制御部40は、動作制御部15、データ処理部16及び記憶部17を備えている。動作制御部15及びデータ処理部16は、記憶部17に記憶されているプログラムに従って所定の処理を行う。
動作制御部15は、圧迫部20及び撮影部30の動作を制御する。つまり、動作制御部15は、被験者の上腕部をカフ2で圧迫する場合、第1電磁開閉弁4を開くとともに、第2電磁開閉弁5を閉じるように指示する。そして、動作制御部15は、圧力センサ8からカフ2の圧力情報を取得しながら、ポンプ3を作動させてカフ2へ空気を供給する。また、被験者の上腕部の圧迫を解除する場合には、動作制御部15は第1電磁開閉弁4を閉じるとともに、第2電磁開閉弁5を開けるように指示する。そして動作制御部15は、ポンプ3の動作を停止させるとともに、ニードルバルブ7の開度を調整して、カフ2の圧迫力をカフ圧が0になるまで漸減させる。なお、第2電磁開閉弁5とニードルバルブ7を用いてカフ圧を制御しているが、流量制御弁を用いることもできる。
動作制御部15は、被験者の手に向けて近赤外光を照射するために、LED光源12を発光させる。LED光源12の発光は、カフ2による上腕部の圧迫開始前、圧迫中及び圧迫解除後の所定期間内に行われる。
動作制御部15は、被験者の手からの透過光から形成される透過画像を撮影するようにCCDカメラ14に指示する。また、動作制御部15は、撮影された透過画像を取り込み、カフ圧と対応付けて記憶部17に記憶させる。
データ処理部16は、記憶部17に記憶された透過画像を以下のように処理する。
データ処理部16は、記憶部17に記憶された透過画像の輝度を算出する。具体的には、透過画像のグレースケール値の平均値を求め、これを当該画像の輝度とする。透過画像はカフ圧及び撮影時刻と対応付けて逐次記憶されており、得られる輝度(グレースケール値)はカフ圧及び撮影時刻と対応付けて記憶される。このデータを、グレースケール値データという。
データ処理部16は、記憶部17に記憶されたグレースケール値データを時系列的に繋げて、図7に示すようなグレースケール値変移曲線(輝度変移曲線)を生成する。
データ処理部16は、生成されたグレースケール値変移曲線を、制御部40を構成するPCのディスプレイ上に表示させることができる。表示されたグレースケール値変移曲線から、収縮期血圧、静脈血圧を読み取ることができる。また、グレースケール値変移曲線上の接線の傾きから、収縮期血圧、静脈血圧を特定することもできる。
次に、ヒトの上腕部をカフで圧迫し指尖部にうっ血を生じさせ、指尖部の血液量の変化を画像として得て、この透過画像を解析することで収縮期血圧と静脈血圧を特定し、その値を用いて末梢血管抵抗値を求めた実験について説明する。
なお、健康な成人男性3名を被験者とし、実験を開始する前に、通常の血圧計を用いて血圧と脈拍を測定した。
また、LED光源12には、株式会社アイテックシステム社製の近赤外光面照明LEDライトLMC−61×61−10IR(中心波長:880nm)を用い、CCDカメラ14には、焦点距離が90[mm]であるTexas Instruments社製の MC−781Pを用いた。
被験者は、カフ2を上腕との間に指一本分が入る余裕を残して巻き、また、指が心臓の高さになるようにし、中指中央掌側皮膚線がスリット13Sのほぼ中央になるように指の位置を調節した。
実験開始と同時に、光源12による近赤外光の照射、CCDカメラ14による指尖部の撮影が始まる。まず設定された[圧迫前期間](30sec)では、カフ2による圧迫力がかからない状態で指尖部の撮影が行われる。透過画像の撮影間隔は、0.2secであり、以下も同様である。
圧迫前時間が経過すると、制御部40の指示により第1電磁開閉弁4が開き(第2電磁開閉弁5は閉)、ポンプ3から空気がカフ2に送られ、カフ圧が上昇する。これにより、被験者の上腕部は圧迫される。カフ圧は圧力センサ8で測定され、最高圧力(150mmHg)に到達すると第1電磁開閉弁4が制御部40の指示により閉じられので、カフ圧が一定に保たれる。なお、圧迫が開始してから最高圧力(150mmHg)に到達するまでに約5秒を要した。最高圧力を150mmHgとしたのは、カフ2による圧迫部位よりも遠位への血流を一時的に止めることができるからである。
最高圧力に達してから設定された[圧迫期間](30sec)が経過すると、制御部40の指示により第2電磁開閉弁5が開かれる(第1電磁開閉弁4は閉)。このときニードルバルブ7の開度を調整することにより、カフ2内の空気が第2電磁開閉弁5から徐々に排出される。このときの減圧速度は、−1mmHg/s程度とすればよい。
第2電磁開閉弁5を開いた後も、[圧迫後期間](120sec)は近赤外光の照射、透過画像の撮影を続ける。
以上の[圧迫前期間]、[圧迫期間]及び[圧迫後期間](合計180sec)に撮影された透過画像は、制御部40に記憶される。
得られた透過画像の一例を図6に示す。
近赤外光は血中ヘモグロビンにより吸収されるので、血管は他の部位に比べ黒く写る。図6では、点線で囲んだ部分に静脈が濃く写っている。骨の占める割合が高い関節部は近赤外光の透過性がよいので、図6中に白く写っている。なお、撮影領域内には動脈も存在するが、動脈は指の内部に位置する一方、静脈は皮膚近くに位置しているため、静脈は透過画像に明瞭に写るが、近赤外光の照射に対して静脈の影に隠れた動脈は透過画像にほとんど反映されないものと解される。
図7に、撮影された画像全体(600[pixel]×320[pixel])のグレースケール値の平均を算出し、横軸をカフ圧[mmHg]、縦軸をグレースケール値(輝度)でプロットしたグラフの一例を示す。なお、図7の曲線は、グレースケール値を時系列的に繋いだものであるから、本発明の輝度変移曲線に該当する。
本実験では、上腕圧迫力(カフ圧)を最高圧力(150mmHg)まで上げた後に、カフ圧を漸減させながら透過画像を撮影している。圧力を漸減させる過程でグレースケール値の特徴的な変化が生じるが、前述したように、この変化は動脈、静脈の閉塞、その解除に基づくものである。したがって、図7に示されたグレースケール値の特徴的な変化を観察することにより、収縮期血圧、静脈血圧を特定することができる。
図7において、グレースケール値が急に減少する点aが存在する。これは、動脈の閉塞が解除されたことで、測定部位に血液がより多く流入する一方、静脈は閉塞したままであるから、測定部位にうっ血が生じたためと解される。このことは、この点aにおけるカフ圧が収縮期血圧(最高血圧)と等しくなったことを意味している。
次に、点bを境にグレースケール値は増加し始める。これは、カフ圧に静脈血圧が等しくなったことにより、測定部位における静脈の血流が正常化して、うっ血が解消されたためと解される。したがって、点bにおけるカフ圧が静脈血圧を示している。
図8に末梢血管抵抗値を求めた結果を示す。なお、ここでは収縮期血圧を本実験(本発明)で求めた値としたが、一般的な血圧計で測定された収縮期血圧を用いることもできる。
また、図8には一般的な血圧計で測定した収縮期血圧、本実験(本発明)で求めた収縮期血圧を記載しているが、両者がほぼ一致していることがわかる。
以上説明した通りであり、本発明によれば、透過画像を撮影し、輝度変移曲線を生成することで、血圧を特定できるので、血圧、特に静脈血圧を非侵襲的に測定できる。しかも、この透過画像は、血中のヘモグロビンによる近赤外光の吸光度が高いという性質を利用しているので、他の要因により左右されない。したがって、より確実に血圧を測定できる。
以上では、カフ圧が最高圧力に到達する前にも透過画像の撮影を行っているが、これは必須ではなく、カフ圧が最高圧力に到達した後に撮影すれば収縮期血圧、静脈血圧を測定することができる。
また、以上では最高圧力を150mmHgとしているが、これはあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。圧迫部位の動脈、静脈を閉塞できると考えられる圧力を適宜採用することができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1…測定装置
20…圧迫部
2…カフ、3…ポンプ、4…第1電磁開閉弁、5…第2電磁開閉弁、7…ニードルバルブ
30…撮影部
12…光源、14…カメラ
40…制御部
15…動作制御部、16…データ処理部、17…記憶部

Claims (3)

  1. 生体の圧迫部位に収縮期血圧を超える圧迫力を付与する第1圧迫期間と、前記第1圧迫期間の後に前記圧迫力を漸減させる第2圧迫期間とを与える圧迫部と、
    前記第2圧迫期間において、前記圧迫部位より遠位に位置する前記生体の検査部位に近赤外光を照射する光源と、前記検査部位を透過した光により形成される透過画像を撮影するカメラとを備える撮影部と、
    撮影された前記透過画像の輝度を求めるとともに、求められた輝度を時系列的に繋いで輝度変移曲線を生成する制御部と、
    を備えることを特徴とする血圧特定情報生成装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第2圧迫期間において、前記輝度変移曲線において前記輝度が急減した時の圧迫力を収縮期血圧と判断することを特徴とする請求項1に記載の血圧特定情報生成装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第2圧迫期間において、前記輝度が急減した後に、前記輝度が上昇に転じた時の圧迫力を静脈血圧と判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の血圧特定情報生成装置。
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