JP2010278528A - 電気分散補償回路制御方法および光受信機 - Google Patents

電気分散補償回路制御方法および光受信機 Download PDF

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敏洋 伊藤
Koichi Murata
浩一 村田
Hiroto Kawakami
広人 川上
Eiji Yoshida
英二 吉田
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Abstract

【課題】高速な偏波変動があっても偏波分散によるBER劣化を一定値以下に抑え、かつ、伝送経路の変更や温度等の環境パラメータの変動にも対応することが可能な光受信機を提供する。
【解決手段】光電変換器11にて光電変換した電気信号をN個(N:正整数)のタップ電圧の制御により分散補償して出力するフィードフォワード型の電気分散補償回路12を備えた光受信機10において、制御回路15は、一定時間間隔が経過した時点ごとに、所定の環境パラメータの変化が、設定閾値を超えたか否かを確認し、該設定閾値を超えて変化した環境パラメータの現在値と、あらかじめ備えた制御テーブルもしくは制御式とにより、N個のタップ電圧を求めて設定する。前記環境パラメータは、光電変換器11および電気分散補償回路12のモジュール温度、動作時間、光電変換器11における光入力強度、光受信機10が接続される伝送経路のうち、1ないし複数からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気分散補償回路制御方法および光受信機に関し、特に、伝送されてきた光信号の乱れた波形を整形する光受信機における電気分散補償回路の制御方法の分野に属する。
近年、ブロードバンドアクセス技術の普及に伴い、基幹系の光通信ネットワークにおいても、伝送容量の増大が強く求められ、波長多重伝送によって大容量の伝送が行われている。
そこで、更なる伝送容量の増大のために、1波長当たりの伝送速度も増大する傾向にあり、最近では、1波長当たり40Gbit/sという高速の伝送速度も用いられるようになってきている。
このように、1波長当たりの伝送速度が増大するにつれ、光ファイバ中を伝播するパルスが次第に広がる分散の影響がより大きくなるために、長距離の光伝送が困難になるという状況が生じている。
光ファイバアンプの利用により、光強度の減衰については、電気に変換することなく、光信号のまま増幅を行って伝送距離を延伸することができるが、分散によって波形が歪んでくると、如何に光強度を増幅しても、光受信機において信号を正しく再生することができなくなる。
かくのごとき問題を解決するために、例えば、非特許文献1の中村 誠らによる“40G光伝送用電気分散補償IC”(電子情報通信学会 BS−7−7)に記載されているような分散補償法が用いられる。
分散補償法には、一般に、光信号のまま補償する光学的な方法と、光信号を電気信号に変換した後に補償を行う電気的な方法との二つに大別することができる。光学的な方法では補償量が大きいという利点があるが、電気的な方法の場合は、前記特許文献1に記載されているように、小型・低価格が可能であり、かつ、光学的な方法と比較して、光信号に対する補償をより速く行うことができるという利点がある。したがって、最近では、光信号を電気信号に変換した後において、電気的に補償を行う方法が主流になりつつある。
また、分散のうちでも、偏波分散は、時間的に高速で変動することが知られている。これは、特に長距離を伝送する際に、光ファイバの温度変動などによって高速で偏波の状態が変化し、これに伴って偏波分散も変動するためである。高速に変動する偏波分散に対応して、出力波形の特性を最適化するために、一般に、分散補償の結果として得られた出力波形やBER (Bit Error Rate:ビットエラー率)に関する情報を逐次フィードバックして、補償用のパラメータを最適化するという適応タップ型の分散補償方法が用いられる場合がある。機械的な動作が必要な光学的方法と比較すると、電気的な方法を用いる電気分散補償(EDC:Electronic Dispersion Compensation)技術においては、より高速に偏波分散の状況に応じた適応タップ型の補償を行うことができるからである。
電気分散補償の回路構成としては、主に、以下の3種類の回路構成が用いられている。すなわち、FF(Feed Forward:フィードフォワード)型、DF(Decision Feedback:判定帰還)型、MLSE(Maximum Likelihood Sequence Estimation:最尤系列推定法)型の3種類である。このうち、前2者は、アナログ電気分散補償回路であり、最後のMLSE型は、デジタル電気分散補償回路である。
なかでも、フィードフォワード型の電気分散補償回路は、構成が比較的容易であることのみならず、各種のISI(Inter-Symbol Interference:符号間干渉)の中でも、或るビットの波形が後ろのビットに影響を与えているISIについてのみ等化し、それ以外については等化することができないという判定帰還型の電気分散補償回路とは異なり、ビットの前・後ろの両方の信号のISIを等化することができる。また、最尤系列推定法型の電気分散補償回路では、一般に、信号のビット伝送速度の2倍程度以上のサンプリング速度のA/D変換器が必要になり、10Gbit/s以上の高速の信号を取り扱うためには、精度や消費電力の面から、まだ実用上の困難が伴う点が多い技術である。これに対して、フィードフォワード型の電気分散等化回路は、高速信号に対しても、実用性が高く、現状でも最も広く用いられている。
フィードフォワード型の電気分散等化回路は、外部からのN個のタップ電圧を入力するためのNタップ(N:正整数)付きの回路構成とされていて、入力されてくる入力信号を、あらかじめ定めた一定の遅延時間ずつ順次遅延させる(N−1)個の遅延回路と、該入力信号および遅延回路で順次遅延させた(N−1)個の遅延信号のそれぞれを外部から入力されたN個のタップ電圧それぞれと乗算して重み付けを行うN個の乗算回路と、該重み付けされた各信号を重ね合わせるために加算する(N−1)個の加算回路とから構成されている。N個のタップ電圧の値を適切に制御することによって、入力信号に含まれる分散を補償して、最適な出力波形を出力することができる。
かくのごときフィードフォワード型の電気分散補償回路のタップ電圧の制御を行う仕組みとして、補償後の出力波形やBERのモニタ結果を逐次フィードバックする動作を繰り返すことにより、最適な出力波形を得るという前述のような適応タップ型の電気分散補償方法がある。
図4は、適応タップ型の電気分散補償を用いた光受信機の従来技術を説明するためのブロック構成図である。図4において、光受信機10aに入力される光信号は、光電変換器11aによって電気信号に変換される。変換された電気信号は、電気分散補償回路(EDC)12aによって分散補償されることにより波形整形され、(CDR/DMX+アイモニタ)13aによってデータとして再生して、低速信号に分離され、受信データとして伝送装置20aに転送されて、次の伝送経路へと転送される。なお、(CDR/DMX+アイモニタ)13aは、CDRがClock and Data Recovery(クロック・データ再生回路)であり、DMXがDemultiplexer(信号分離装置)であり、アイモニタが出力波形のアイ開口情報をモニタして制御回路15に出力するものである。
つまり、図4の光受信機においては、電源14aから電気分散補償回路(EDC)12aに供給されるタップ電圧は、(CDR/DMX+アイモニタ)13aが出力する出力波形情報(アイ開口情報)を制御回路15aへフィードバックすることによって、制御回路15aによって出力波形が最適になるように電源14aに対して設定される。しかし、このようなフィードバック信号を利用した制御は、複数のタップを変化させて、出力波形が最適になるまで、何回も改善(フィードバック)を繰り返す必要があり、高速化することが難しいという難点がある。
例えば、非特許文献2のBulowらによる“Measurement of the Maximum Speed of PMD Fluctuation in Installed Field Fiber”(OFC1999,WE4−1〜WE4−3)に記載されているように、偏波はmsecオーダの高速で分散変動し得ることが知られている。
したがって、前述のようなアイモニタのアイ開口度出力や、FEC(Forward Error Correction)素子のエラー率出力等からのフィードバックを用いた適応補償の場合は、図4に示すように、フィードバックを何回も繰り返して最適化を行うことが必要であるため、偏波分散のような高速の変動に追随して適応タップ型の電気分散補償方法を適用することは難しい。
かかる問題を回避する方法として、非特許文献3のE. Yoshidaらによる“Enlargement of PMD tolerance in 43Gbit/s RZ-DQPSK signal using electrical dispersion compensation without adaptive control”(ECOC 2007)に記載されているように、適応的な補償を行う代わりに、固定的な補償を行うことにより、特性が最悪になる場合のみを救済するという固定タップを用いる方法が提案されている。
図5は、非特許文献3で提案されている固定タップ型の電気分散補償を用いた光受信機の従来技術を説明するためのブロック構成図である。図5において、光受信機10bに入力される光信号は、図4と同様に、光電変換器11bによって電気信号に変換される。変換された電気信号は、電気分散補償回路(EDC)12bによって分散が補償されることにより波形整形され、CDR(Clock and Data Recovery: クロック・データ再生回路)/DMX(Demultiplexer:信号分離装置)13bによってデータとして再生して、低速信号に分離され、受信データとして伝送装置20bに転送されて、次の伝送経路へと転送される。
この際、電源14bから電気分散補償回路(EDC)12bに供給されるタップ電圧は、図5の固定タップ方式の場合は、図4の適応タップ型のようにフィードバック信号によって出力波形を最適化するために順次変化させるのではなく、光受信機10bのインストール時点で設定された或る初期値で常に固定されている。
図5のような固定タップ方式の電気分散補償を用いる場合、タップ電圧が固定値であるにも関わらず、特性を改善することができる理由について、例えば、43Gbit/sのRZ−DQPSK(Return to Zero Differential Quadrature Phase Shift Keying)伝送システムに適用する電気分散補償回路を例にとって、図6、図7を用いて以降に説明する。
ここで、図6は、43Gbit/sのRZ−DQPSK伝送システムにおいて電気分散補償回路(EDC)の伝送特性を評価する評価系の構成図であり、従来の固定タップ方式の評価を行うために、本発明において用いている評価系を適用することにして、RZ−DQPSK送信機からの光信号の偏波をスクランブルさせて平均化した後、DGD(Differential Group Delay:群遅延時間差)を変化させて、DGD耐力を測定するという評価系を示している。
つまり、図6の評価系においては、RZ−DQPSK送信機31から出力する光信号に対して、偏波スクランブラ32によって偏波をスクランブルさせて平均化することができ、また、PMD(Polarization-Mode Dispersion:偏波モード分散)エミュレータ33によってDGDを変化させることができる。
PMDエミュレータ33からの出力は、遅延干渉計34により4値位相変調の復調を行った後、バランスOEコンバータ35により電気信号に変換され、しかる後に、電気分散補償回路(EDC)36に入力される。最終的に、電気分散補償回路(EDC)36からの出力をCDR/DMX/エラー検出器37に入力して、DGDの変化に応じた、それぞれのBER(Bit Error Rate:ビットエラー率)を測定することにより、Q値のDGD依存性を求めることができる。ここで、Q値は、BERと一対一に対応しており、以下の式で記述され、BERが低いほどQ値は大きくなる。
BER=1/2erfc(q/sqrt(2))
Q(dB)=20logq
ただし、erfc:相補誤差関数の積分値
図7は、図5のような固定タップ型の電気分散補償を用いた従来技術のQ値に対する影響を評価した特性図であり、DGD=0psの時のQ値に対して、DGDを変化させた場合のQ値の劣化(減少)分を、図6に示した評価系によって評価し、Qペナルティとして、各DGD(群遅延時間差)の値に対してプロットした特性図である。
図7に示すように、分散量を規定することになるDGD(群遅延時間差)の値が大きくなればなるほど、Qペナルティは大きくなって、出力波形の特性が劣化していく。図7において、電気分散補償回路(EDC)がない場合の曲線Aを参照すると、特にこの傾向が顕著になっている。
一方、電気分散補償回路(EDC)がある場合には、図7の曲線Bに示すように、この電気分散補償回路(EDC)のタップ電圧を或るDGD(群遅延時間差)の値例えばDGD=30psにおいて最適化(Opt(30ps))すると、DGD=30psにおけるQペナルティを、電気分散補償回路(EDC)がない場合と比較して、大幅に改善することができる。しかし、その結果として、DGD<20psの領域においては、図7の曲線Bに示すように、DGD=30psで最適化した場合(Opt(30ps))の電気分散補償回路(EDC)が存在する場合は、曲線Aに示す電気分散補償回路(EDC)がない場合よりも、反って、Qペナルティが劣化して、出力波形の特性が悪くなってしまう。
なお、光ファイバの偏波分散量を規定するDGD(群遅延時間差)の値は、偏波の変動によって時間的に変動しているが、非特許文献4のP.J.Winzerらによる“System Impacts of Digital Electronic Signal Processing”(MTT−S IMS 2006,WMJ03)に記載されているように、統計的には、使用する光ファイバによって定まるDGD(群遅延時間差)の平均値の周辺でMaxwell分布を採ることが知られている。
例えば、或る長さの光ファイバのDGD(群遅延時間差)の平均値が10psであると仮定すれば、殆どの場合、DGD(群遅延時間差)は、この平均値の3倍以内である30ps以内に抑えられることが分かっている。つまり、設計上、DGD≦30psの範囲において、必要なレベルまでBER(ビットエラー率)を下げることができれば、通常の場合、当該光ファイバを使用して光信号を伝送することが可能になる。必要なレベルは状況によって異なる。例えば、現在の光ファイバ通信では、通常、FEC(前方エラー訂正)が採用されているが、最も一般的な7%の冗長度を持つ第二世代のFECを用いた場合、BERが2E−4以下(Q値で表現すると11dB以上)であれば、エラー訂正機能によって、BERを1E−12まで下げることができる。つまり、BERを2E−4以下に下げさえすれば、伝送に問題は生じない。
伝送システムのシステム設計では、一般に、Q値を伝送可能な範囲に収めるために、種々のペナルティや要因に対してダイナミックレンジの配分が行われる。このダイナミックレンジの配分として、例えば、偏波分散によるQペナルティへのダイナミックレンジの配分が2dBであった場合、Qペナルティを2dB以下に抑えることが必要になる。
かかる配分の場合においては、前述の光ファイバの例の場合、DGD≦30psにおいて、Qペナルティを2dB以下に抑えれば良いことになる。しかし、図7を参照すると、電気分散補償回路(EDC)なしの場合には、Q値ペナルティが2dB以下に抑えられる範囲は、0≦DGD≦24ps程度であり、DGD≦30psの条件を満たすことはできない。
これに対して、電気分散補償回路(EDC)を固定タップ方式として使用した場合であっても、DGD=30psにおいて最適化を行った場合(Opt(30ps))、図7の曲線Bに示すように、Qペナルティは、0<DGD<20psの範囲では、電気分散補償回路(EDC)なしの場合と比較して、Q値が0〜1dB劣化するものの、2dB以内に抑えられており、また、DGD=30psでは、逆に、1dB程度Qペナルティが改善している。
この結果、Qペナルティが2dB以下に抑えられる範囲は、0≦DGD≦30psの範囲となり、電気分散補償回路(EDC)なしの場合の0≦DGD≦24psと比較して、DGD(群遅延時間差)の適用可能範囲を20%程度拡大することができる。このように、固定タップ方式の電気分散補償回路(EDC)を採用する場合であっても、DGD(群遅延時間差)の許容範囲を拡大することができ、光ファイバの距離の延伸を図ることが可能である。
さらに、電気分散補償回路(EDC)として、固定タップ方式であるため、偏波変動に追随する必要はなく、高速な偏波変動があっても、DGD(群遅延時間差)の変動の範囲が0≦DGD≦30psの範囲であれば、Qペナルティは、例えば所望の2dB以下に抑えることができる。
中村 誠、伊藤 敏洋:"40G光伝送用電気分散補償IC",電子情報通信学会 BS−7−7、2008年春 H.Bulow et al.:"Measurement of the Maximum Speed of PMD Fluctuation in Installed Field Fiber",OFC1999,WE4-1〜WE4−3 E. Yoshida et al.:"Enlargement of PMD tolerance in 43Gbit/s RZ-DQPSK signal using electrical dispersion compensation without adaptive control",ECOC 2007 3.1.3,(2007) P.J.Winzer et al.:"System Impacts of Digital Electronic Signal Processing"MTT−S,IMS 2006,WMJ03
前述のように、固定タップ方式の電気分散補償回路(EDC)に関する従来技術においては、常に、あらかじめ最適化しようとする値にタップ電圧を固定することにしていた。しかし、電気分散補償回路(EDC)前段の光電変換器(OEコンバータ)や電気分散補償回路(EDC)自身にも、モジュール温度による特性の変動があり、モジュール温度によって最適なタップ電圧が変動する。
また、OADM(Optical Add-Drop Multiplexer:光分岐挿入装置)等を使用したネットワークの場合において発生する伝送経路の切り替えによって、光伝送システムとしてのマージンが変化し、偏波分散にマージンを割いた方が良い場合と、例えば光ファイバアンプの増加によるOSNR(Optical Signal to Noise Ratio)の悪化や波長分散などの他の要因にマージンを割いた方が良い場合、というように異なる状況が発生するため、それぞれの要因に対するマージンを必ずしも一定とする必要はない。
また、前述のような適応タップ方式の電気分散補償回路(EDC)では、伝送経路の変更や温度等の変動に対しても、出力波形の特性が常に最適になるように、出力波形に関する情報やBER(ビットエラー率)に関する情報をフィードバックして、電気分散補償回路(EDC)に供給すべきタップ電圧を逐次変更するように制御しているので、電気分散補償回路(EDC)における環境パラメータの変動に対しても自動的に最適化される。しかし、偏波変動のような高速な変動要因には追随することができないという課題があった。
これに対して、固定タップ方式の電気分散補償回路(EDC)の場合は、高速な偏波変動があっても、常に、BERの劣化を一定値以下に保つことが可能であるものの、前述のような伝送経路の変更や温度等の環境パラメータの変動のすべてが加算的な特性劣化要因となってしまうという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、高速な偏波変動があっても偏波分散によるBER劣化を一定値以下に抑え、かつ、伝送経路の変更や温度等の環境パラメータの変動にも対応することが可能な電気分散補償回路制御方法および光受信機を提供することにある。
本発明は、前述の課題を解決するために、フィードフォワード型の電気分散補償回路のタップ電圧を、半固定タップ方式とし、あらかじめ定めた一定時間間隔における光受信機のあらかじめ定めた環境パラメータの変化(例えば、伝送経路の変更、あるいは、電気分散補償回路や該電気分散補償回路の前段に配置する光電変換器のモジュール温度および/または動作時間、光電変換器の光入力強度等の変化等)が、あらかじめ設定した設定閾値を超えた場合に限って、少なくとも該設定閾値を超えて変化した環境パラメータの現在値に応じた各電圧値、例えば、あらかじめ設定している制御テーブルまたは制御式を用いて求められる各電圧値に、電気分散補償回路のタップ電圧を設定し直すように制御する。
つまり、電気分散補償回路による補償後の出力波形に関する情報やBERに関する情報をフィードバックして電気分散補償回路のタップ電圧を逐次変更することによって、出力特性を最適化するという適応タップ型とは根本的に異なり、本発明は、あらかじめ定めた一定時間間隔が経過した時点における、光受信機のあらかじめ定めた環境パラメータの変化のみに応じて、電気分散補償回路のタップ電圧を変更することを特徴としている。より具体的には、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、光ファイバからの光信号を受信して電気信号に変換する光電変換器と該光電変換器からの電気信号をN個(N:正整数)のタップ電圧の制御により分散補償して出力するフィードフォワード型のNタップ付きの電気分散補償回路とを少なくとも備えた光受信機における、前記電気分散補償回路を制御する電気分散補償回路制御方法であって、あらかじめ定めた一定時間間隔が経過した時点ごとに、当該光受信機の環境を示すパラメータとしてあらかじめ定めた環境パラメータの変化が、あらかじめ設定した設定閾値を超えたか否かを確認し、少なくとも該設定閾値を超えて変化した前記環境パラメータの現在値に応じた各電圧値に、前記電気分散補償回路のN個の前記タップ電圧を設定し直すことを特徴とする。
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の電気分散補償回路制御方法において、前記設定閾値を超えて変化した前記環境パラメータの現在値と設定し直すべき前記タップ電圧との関係を制御テーブルもしくは制御式として、あらかじめ備えていることを特徴とする。
第3の技術手段は、前記第2の技術手段に記載の電気分散補償回路制御方法において、前記電気分散補償回路を導入する実際の伝送系もしくは該伝送系と同等の実験伝送系に前記電気分散補償回路をあらかじめ接続し、偏波スクランブラを用いて偏波をスクランブルさせ、かつ、前記環境パラメータのいずれか1ないし複数をそれぞれに指定した値に変化させた系において、BER(Bit Error Rate:ビットエラー率)を最適化することができるタップ電圧を求めることにより、あらかじめ備える前記制御テーブルもしくは前記制御式を作成することを特徴とする。
第4の技術手段は、前記第1ないし第3の技術手段のいずれかに記載の電気分散補償回路制御方法において、前記環境パラメータとして、前記電気分散補償回路のモジュール温度および/または動作時間、前記光電変換器のモジュール温度および/または動作時間、前記光電変換器における光入力強度、当該光受信機が接続される伝送経路または該伝送経路のDGD(Differential Group Delay:群遅延時間差)のうち、1ないし複数を用いることを特徴とする。
第5の技術手段は、前記第1ないし第4の技術手段のいずれかに記載の電気分散補償回路制御方法において、前記環境パラメータに応じて、前記電気分散補償回路のN個の前記タップ電圧を設定し直す代わりに、N個の前記タップ電圧のうち、あらかじめ限定された(N−i)個(i:正整数)の前記タップ電圧のみを設定し直すことを特徴とする。
第6の技術手段は、前記第1ないし第5の技術手段のいずれかに記載の電気分散補償回路制御方法において、前記電気分散補償回路に対してタップ電圧の基準になるタップ参照電圧を供給し、N個の前記タップ電圧と前記タップ参照電圧との差によってN個のタップ係数を決定することを特徴とする。
第7の技術手段は、光ファイバからの光信号を受信して電気信号に変換する光電変換器と該光電変換器からの電気信号をN個(N:正整数)のタップ電圧の制御により分散補償して出力するフィードフォワード型のNタップ付きの電気分散補償回路とを少なくとも備えた光受信機において、あらかじめ定めた一定時間間隔が経過した時点ごとに、当該光受信機の環境を示すパラメータとしてあらかじめ定めた環境パラメータの変化が、あらかじめ設定した設定閾値を超えたか否かを確認し、少なくとも該設定閾値を超えて変化した前記環境パラメータの現在値に応じた各電圧値に、前記電気分散補償回路のN個の前記タップ電圧を設定し直すことを特徴とする。
第8の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の光受信機において、前記設定閾値を超えて変化した前記環境パラメータの現在値と設定し直すべき前記タップ電圧との関係を制御テーブルもしくは制御式として、あらかじめ備えていることを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第8の技術手段に記載の光受信機において、前記電気分散補償回路を導入する実際の伝送系もしくは該伝送系と同等の実験伝送系に前記電気分散補償回路をあらかじめ接続し、偏波スクランブラを用いて偏波をスクランブルさせ、かつ、前記環境パラメータのいずれか1ないし複数をそれぞれに指定した値に変化させた系において、BER(Bit Error Rate:ビットエラー率)を最適化することができるタップ電圧を求めることにより、あらかじめ備える前記制御テーブルもしくは前記制御式を作成することを特徴とする。
第10の技術手段は、前記第7ないし第9の技術手段のいずれかに記載の光受信機において、前記環境パラメータとして、前記電気分散補償回路のモジュール温度および/または動作時間、前記光電変換器のモジュール温度および/または動作時間、前記光電変換器における光入力強度、当該光受信機が接続される伝送経路または該伝送経路のDGD(Differential Group Delay:群遅延時間差)のうち、1ないし複数を用いることを特徴とする。
本発明の電気分散補償回路制御方法および光受信機によれば、以下のごとき効果を奏することができる。
本発明においては、フィードフォワード型の電気分散補償回路のタップ電圧を半固定方式として、あらかじめ定めた一定時間間隔が経過する時点ごとの環境パラメータの変化の有無を確認し、環境パラメータの変化があらかじめ設定した設定閾値を超えた場合に、少なくとも該設定閾値を超えて変化した環境パラメータの現在値に応じた各電圧値に、タップ電圧を設定し直すことにより、適応タップ方式を採用しなくても、環境パラメータの変動に対する出力波形の変化分について、タップ電圧の変更により吸収することが可能となり、結果として、出力波形の特性が改善し、而して、伝送経路への適用範囲を拡大することができるという効果が得られる。
また、適応タップ方式とは異なり、あらかじめ定めた一定時間間隔が経過する時点ごとの環境パラメータの変化があらかじめ設定した設定閾値を超えた場合にのみ、少なくとも該設定閾値を超えて変化した環境パラメータの現在値に応じた各電圧値、例えば、あらかじめ設定している制御テーブルまたは制御式を用いて求められる各電圧値に、電気分散補償回路のタップ電圧を設定し直すことにしているので、出力波形の変化を伴う偏波の変動が生じたとしても、追随して、タップ電圧を変更させない方式としている。而して、高速な偏波変動に対する応答として、固定タップ方式の利点をそのまま有することになり、高速な偏波変動があっても、所望の特性を確保することができる。
本発明に係る光受信機の実施形態のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図1に示す光受信機における電源のタップ電圧の設定手順の一例を説明するためのフローチャートである。 図1の半固定タップ方式の電気分散補償を用いた場合のQ値に対する影響を評価した特性図である。 適応タップ型の電気分散補償を用いた光受信機の従来技術を説明するためのブロック構成図である。 固定タップ型の電気分散補償を用いた光受信機の従来技術を説明するためのブロック構成図である。 43Gbit/sのRZ−DQPSK伝送システムにおいて電気分散補償回路(EDC)の伝送特性を評価する場合の評価系の構成図である。 固定タップ型の電気分散補償を用いた従来技術のQ値に対する影響を評価した特性図である。
以下に、本発明に係る電気分散補償回路制御方法および光受信機の好適な実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の概要)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、高速光通信における光信号の分散の補償を、光信号の電気信号への変換後にタップ電圧を制御することによって行う光受信機におけるフィードフォワード型の電気分散補償回路の制御方法として、半固定タップ方式の制御方法を採用することを主要な特徴としている。つまり、本発明は、あらかじめ定めた一定時間間隔の経過ごとに、電気分散補償回路および該電気分散補償回路の前段に配置される光電変換器それぞれのモジュール温度や動作時間、光電変換器における光入力強度、伝送経路などの環境パラメータの変化を確認し、該環境パラメータの変化があらかじめ設定された設定閾値を超えたときにのみ、少なくとも該設定閾値を超えて変化した環境パラメータの現在値に応じた各電圧値、例えば、あらかじめ設定している制御テーブルまたは制御式を用いて求められる各電圧値に、電気分散補償回路のタップ電圧を設定し直すことを主要な特徴としている。
(実施形態の構成例)
次に、本発明に係る光受信機の実施形態について、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る光受信機の実施形態のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図1に示す光受信機10の光電変換器11、電気分散補償回路(EDC)12、CDR(Clock and Data Recovery: クロック・データ再生回路)/DMX(Demultiplexer:信号分離装置)13までの構成は、従来の固定タップ方式により電気分散補償回路(EDC)12bの制御を行う図5に示した光受信機10bと同様である。ここで、電気分散補償回路(EDC)12は、図5の場合と同様、N個(N:正整数)のタップ電圧またはタップ係数を制御回路15から制御するNタップ付きのフィードフォワード型の電気分散補償回路である。
つまり、図1に示す光受信機10は、図5に示した光受信機10bと同様、光受信機10に入力されてくる光信号は、光電変換器11によって電気信号に変換される。変換された電気信号は、電気分散補償回路(EDC)12によって分散補償されることにより波形整形される。しかる後、CDR(Clock and Data Recovery: クロック・データ再生回路)/DMX(Demultiplexer:信号分離装置)13によってデータとして再生して、低速信号に分離され、受信データとして伝送装置20に転送されて、次の伝送経路へと転送される。
この際、電源14から電気分散補償回路(EDC)12に供給されるN個のタップ電圧は、図5の従来の固定タップ方式の場合のように常に固定されたものではなく、また、図4の従来の適応タップ方式のように出力波形を最適化するようにタップ電圧を適応的に逐次変化させるものでもなく、半固定タップ方式として、光受信機10の環境を示すパラメータとしてあらかじめ定めた環境パラメータの変化があらかじめ設定している設定閾値を超えたことが一定時間間隔の経過時点で確認された場合に限って再設定するように制御している。
つまり、あらかじめ定めた一定時間間隔ごとに、あらかじめ定めた環境パラメータ(光電変換器11および電気分散補償回路12それぞれのモジュール温度や動作時間、光受信機10への光入力強度、伝送経路または該伝送経路のDGD(Differential Group Delay:群遅延時間差)等のうち、1ないし複数)の変化が、あらかじめ設定している設定閾値を超えたか否かを確認し、超えたことを検知した場合に限って、少なくとも該設定閾値を超えて変化した環境パラメータの現在値に応じた各電圧値、例えば、あらかじめ設定している制御テーブルまたは制御式を用いて与えられる各電圧値に、電気分散補償回路(EDC)12のタップ電圧もしくはタップ係数を設定し直すように制御している。
言い換えれば、図1の光受信機10においては、電気分散補償回路(EDC)12に供給されるタップ電圧は、完全には固定されているものではなく、あらかじめ定めた環境の変化に応じて、制御回路15によって再設定される点が、図5に示した従来技術の固定タップ方式の場合とは異なっている。すなわち、制御回路15は、伝送装置20からは伝送経路の変化に関する情報を受け取り、さらに、光電変換器11からは光入力強度やモジュール温度や動作時間に関する情報を、また、電気分散補償回路(EDC)12からもモジュール温度や動作時間や動作電圧に関する情報等を受け取る。
制御回路15は、受け取った前述のような環境パラメータに関して、あらかじめ定めた一定時間間隔が経過した時点において、あらかじめ設定された設定閾値を超える変化があった場合に限って、少なくとも該設定閾値を超えて変化した環境パラメータの現在値を用いて、例えば、あらかじめ設定された制御テーブルや制御式などに基づいて、適切な固定電圧を算出し、該固定電圧を電源14から電気分散補償回路(EDC)12に供給すべきN個のタップ電圧として指示するタップ電圧制御信号を電源14に送出する。これにより、伝送経路の変化等の前述のような環境パラメータごとに最適な固定電圧をタップ電圧として設定することができる。
以上のようなタップ電圧の設定手順について、図2のフローチャートを用いてさらに説明する。図2は、図1に示す光受信機10における電源14のタップ電圧の設定手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図2のフローチャートにおいて、制御回路15は、まず、伝送装置20から伝送経路に関する情報を受け取る(ステップS1)。制御回路15は、受け取った伝送経路に関する情報に基づいて、伝送経路の変更があったか否かを判定する(ステップS2)。なお、伝送装置20から受け取る情報は、伝送経路に関する情報であり、受信データとは無関係である。
伝送経路の変更があった場合は(ステップS2のYES)、制御回路15は、変更した伝送経路に付随するQペナルティの配分情報を伝送装置20から入手する(ステップS3)。制御回路15は、伝送装置20から入手したQペナルティの配分情報に基づいて、当該制御回路15にあらかじめ設定されている制御テーブルを検索して、最適なタップ電圧を読み取るか、もしくは、当該制御回路15にあらかじめ設定されている制御式を用いて最適なタップ電圧を算出して(ステップS4)、該タップ電圧の出力を指示するタップ電圧制御信号を電源14に送出する(ステップS5)。しかる後、ステップS9へ移行する。
なお、前記制御テーブルや前記制御式は、場合によっては、伝送装置20側に備えるようにして、伝送装置20は、伝送経路に関する情報を制御回路15に送信したり、伝送経路の変化が発生した場合に伝送経路に関するQペナルティの配分情報を制御回路15に送信したりする代わりに、伝送装置20において伝送経路の変化を検出した際に、前記制御テーブルや前記制御式によって求めたタップ電圧を、制御回路15に送信するようにしても良い。
一方、伝送経路の変更がなかった場合は(ステップS2のNO)、制御回路15は、光電変換器(OEコンバータ)11および電気分散補償回路(EDC)12それぞれのモジュール温度や動作時間、光電変換器(OEコンバータ)11の光入力強度等のあらかじめ定めた環境パラメータに関する情報を受け取る(ステップS6)。次いで、光電変換器(OEコンバータ)11および/または電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度等の環境パラメータの変化が、あらかじめ設定されている設定閾値を超えているか否かを確認する(ステップS7)。
光電変換器(OEコンバータ)11および/または電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度等の環境パラメータの変化が前記設定閾値を超えていた場合は(ステップS7のYES)、制御回路15は、現在のモジュール温度等の環境パラメータに最適なタップ電圧を、当該制御回路15にあらかじめ設定されている制御テーブルを検索して読み取るか、もしくは、当該制御回路15にあらかじめ設定されている制御式を用いて算出して(ステップS8)、該タップ電圧の出力を指示するタップ電圧制御信号を電源14に送出する(ステップS5)。しかる後、ステップS9へ移行する。
ステップS5においてタップ電圧の電源14への送出を終了するか、あるいは、ステップS7において、光電変換器(OEコンバータ)11および電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度等の環境パラメータの変化が前記設定閾値を超えていなかった場合は(ステップS7のNO)、ステップS9へ移行して、あらかじめ定めた一定時間が経過するまで、待ち合わせて(ステップS9)、該一定時間が経過した時点で、ステップS1に復帰して、伝送装置20から伝送経路に関する情報を受け取る動作を繰り返す。
以上のような手順に基づいて、電源14から電気分散補償回路(EDC)12へ供給するタップ電圧を制御することによって、タップ電圧の設定変更は、伝送環境として伝送経路が変化した場合や他の環境パラメータ(光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度や光電変換器11への光入力強度や光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12の動作時間等)の変化があらかじめ設定された設定閾値を超えた場合にのみ、それぞれの変化に応じて、一回だけ実施すれば良く、さらには、一回設定変更を行った後は、あらかじめ定めた一定時間が経過するまでは、たとえ、伝送経路の変化や他の環境パラメータの変化が発生していても、タップ電圧の設定変更を実施しない。
かくのごとき決定プロセスは、適応タップ方式による電気分散補償方法の場合のように、タップ電圧を変更した結果として得られる出力波形やBERを常時モニタして再設定を繰り返す必要はない。また、光受信機10において感知することができる環境パラメータに応じて、タップ電圧の変更を行うだけであり、さらに、伝送経路中で変化する偏波に追随してタップ電圧を変更するものではないので、偏波変動に対しても、従来の固定タップ方式による電気分散補償方法の場合と同等に、BER劣化を一定値以下に抑えることができる。
次に、前述した実施形態の具体的な実現例として、43Gbit/s RZ−DQPSK方式伝送システムにおける光受信機に搭載されるNタップ(N:正整数)付きのフィードフォワード型の電気分散補償回路(EDC)に対する制御方法について、いくつかの例を挙げて説明する。
本実施例1においては、光送受信システムの送信側つまり図1に示すような光受信機10において伝送装置20側で伝送経路の切り替えが発生した場合に、伝送経路の特性に応じて、電気分散補償回路(EDC)12へ供給するタップ電圧セット(N個のタップ電圧の組合せ)を変更させるように制御する場合について説明する。
まず、図3は、本発明の一実施形態として図1に示した半固定タップ方式の電気分散補償を用いた場合のQ値に対する影響を評価した特性図であり、DGD=0psの時のQ値に対して、DGDを変化させた場合のQ値の劣化(減少)分を、図6に示したような評価系によって評価し、Qペナルティとして、各DGD(群遅延時間差)の値に対してプロットした特性図である。
図3の特性図において、電気分散補償回路(EDC)12のN個のタップ電圧からなるタップ電圧セットとして、DGD(群遅延時間差)がDGD=30psで最適化した場合(Opt(30ps))のタップ電圧セットを用いた場合は、図7において従来技術として説明した場合と同様に、図3の曲線Bのような特性になる。したがって、図3の電気分散補償回路(EDC)がない場合の図3の曲線Aに比較して、図7においても説明したように、DGD=30psの値では、1dB程度Qペナルティが改善し、Qペナルティが2dB以下に抑えられる範囲を、0≦DGD≦30psの範囲に拡大することができる。
しかし、その結果として、DGD<20psの領域においては、図3の曲線Bに示すように、DGD=30psで最適化した場合(Opt(30ps))の電気分散補償回路(EDC)が存在する場合は、曲線Aに示す電気分散補償回路(EDC)がない場合よりも、反って、Qペナルティが劣化して、出力特性が悪くなっている。
一方、さらに、DGD=20psで最適化した場合(Opt(20ps))のタップ電圧セットを用いるように制御すると、例えば、図3のOpt(20ps)の電気分散補償回路(EDC)ありの場合の曲線Cのようになり、DGD=30psの部分では、QペナルティはDGD=30psで最適化した場合(Opt(30ps))に比し悪化するものの、DGD≦20psの領域では、Qペナルティが1dB以下となり、DGD=30psで最適化した場合(Opt(30ps))に比し、出力特性を大幅に改善することができる。
以上のことから、伝送経路における偏波分散特性が比較的良好であって、偏波分散に対するダイナミックレンジの配分を例えば1dBと低くすることができる伝送経路に対しては、図3の曲線Cの特性が得られるDGD=20psで最適化した場合(Opt(20ps))のタップ電圧セットを適用し、また、偏波分散が悪い伝送経路に対しては、図3の曲線Bの特性が得られるDGD=30psで最適化した場合(Opt(30ps))のタップ電圧セットを適用するように、使用する伝送経路に応じて、電気分散補償回路(EDC)12へ供給するタップ電圧セットを切り替えることにより、出力特性の改善を図ることができる。
これにより、図3の曲線Bの特性が得られるDGD=30psで最適化した場合(Opt(30ps))のタップ電圧セットに固定した場合には、常に、偏波分散に対するダイナミックレンジの配分を2dB確保することが必要であったのに対して、本実施例1においては、前述のように、偏波分散の比較的少ない伝送経路の場合には、図3の曲線Cの特性が得られるDGD=20psで最適化した場合(Opt(20ps))のタップ電圧セットに切り替えるように制御する。
かかる制御を行うことによって、偏波分散によるダイナミックレンジの配分を1dBに減らし、その分のダイナミックレンジを、例えば波長分散や、ASEノイズ(Amplified Spontaneous Emission Noise)によるダイナミックレンジ等に振り分けることにより、完全な固定タップ方式の電気分散補償回路(EDC)であった場合に比較して、偏波分散の少ない伝送経路については、実質的に適用可能な距離を延伸させることができる。
次に、本実施例2においては、環境パラメータの一つである伝送経路の変化(伝送経路のDGDの変化や偏波分散に対するダイナミックレンジの割り当ての違い)に応じたタップ係数の決定方法つまり電気分散補償回路(EDC)へ供給するタップ電圧の決定方法について説明する。
タップ係数の決定方法(タップ電圧の決定方法)としては、図6の評価系として前述したように、以下のような決定方法を用いる。
すなわち、作成した電気分散補償回路(EDC)の伝送特性を、実際の伝送系もしくは実際の伝送系と同等の実験系を用いて、PMDエミュレータでDGD(群遅延時間差)を付加し、DGD耐力を評価する方法であり、具体的には、作成した電気分散補償回路(EDC)を導入する実際の伝送系例えば43Gbit/s RZ−DQPSK伝送系もしくは実際の伝送系と同等の実験伝送系に接続して、偏波スクランブラを用いて偏波をスクランブルさせて平均化した後、PMエミュレータによりDGD(群遅延時間差)を指定した値に変化させた系において、BER(Bit Error Rate)を最適化することができるタップ電圧セット(N個のタップ電圧の組合せ)を選択することにより決定する方法である。
例えば、DGD=0ps,10ps,20ps,30psのそれぞれの場合において最適化したタップ電圧セットを求める場合、光送信機からの光信号に対して偏波スクランブラを用いて偏波をスクランブルして平均化しておき、その状態でPMエミュレータによりDGD(群遅延時間差)をDGD=0ps,10ps,20ps,30psに変化させ、それぞれのDGDの値でBER(Bit Error Rate)を測定することにより、最適のタップ電圧セットとして、Q値が最善になるようにN個のタップ電圧すべてを最適化する。
これにより、例えば、N=4のタップ数の電気分散補償回路(EDC)として、第1〜第4の4個のタップ電圧T1〜T4のセットからなる電気分散補償回路(EDC)の場合、DGD=0ps,10ps,20ps,30psそれぞれにおいて最適化されたタップ電圧T1〜T4の組合せとして、次のタップ電圧セットTset0〜Tset3に示すように、
Tset0=(T1_0,T2_0,T3_0,T4_0),
Tset10=(T1_10,T2_10,T3_10,T4_10),
Tset20=(T1_20,T2_20,T3_20,T4_20),
Tset30=(T1_30,T2_30,T3_30,T4_30),
と、DGDに応じた4種類のタップ電圧セットを有する制御テーブルを作成することができ、かかる制御テーブルを図1に示す制御回路15にあらかじめ設定しておく。なお、このような制御テーブルの代わりに、最適化しようとするDGDの値に応じて、かかるタップ電圧セットTset0〜Tset3を導出することができる制御式として用意して、図1に示す制御回路15にあらかじめ設定するようにしても良い。
ここで、DGD=30psで最適化した場合のタップ電圧セットTset30の場合、0≦DGD≦30psの領域において、Qペナルティの最大値が、偏波スクランブラを用いた場合には1.8dBであり、偏波スクランブラを用いない場合には2dBであり、また、DGD=20psで最適化した場合のタップ電圧セットTset20の場合には、0≦DGD≦20psの領域において、偏波スクランブラを用いない場合でも1dBであるものと仮定する。
かかる場合において、電気分散補償回路(EDC)を導入した或る伝送経路が、偏波分散に対するダイナミックレンジの配分が2dBであり、また、平均DGDが10psの伝送経路であった場合には、制御テーブルのタップ電圧セットTset30のタップ電圧を適用すれば、0≦DGD≦30psの範囲でQペナルティ2dB以下を満たすことができる。したがって、かかる伝送経路を使用する場合には、図1に示す制御回路15は、前述した制御テーブルからタップ電圧セットTset30を読み出して、タップ電圧セットTset30が示す4個のタップ電圧T1_30〜T4_30の組合せを電気分散補償回路(EDC)12に供給するように、電源14に対してタップ電圧制御信号を出力するようにすれば良い。
また、異なる伝送経路で、偏波が少ない代わりに、偏波分散に対するダイナミックレンジの配分が少なく、1dBしかない場合には、D=20psで最適化した場合のタップ電圧セットTset20を採用すれば、0≦DGD≦20psの範囲でQペナルティ1dB以下を満たすことができる。したがって、かかる伝送経路を使用する場合には、図1に示す制御回路15は、前述した制御テーブルからタップ電圧セットTset20を読み出して、タップ電圧セットTset20が示す4個のタップ電圧T1_20〜T4_20の組合せを電気分散補償回路(EDC)12に供給するように、電源14に対してタップ電圧制御信号を出力するようにすれば良い。
つまり、偏波分散に対するダイナミックレンジの配分が1dBしかない伝送経路であった場合、D=30psで最適化した場合のタップ電圧セットTset30を固定したままの固定タップ方式の電気分散補償回路(EDC)を適用しようとしても、図3に示す例のように、0≦DGD≦20psの領域においては、ペナルティ1dB以下を満たすことができないので、適用することが不可能である。
かくのごとく、DGDに応じてQペナルティを最適化することができる異なるタップ電圧セットをあらかじめ設定した制御テーブルまたは制御式を参照して、環境パラメータが異なる伝送経路に応じて、異なるタップ電圧セットを適用することを可能とする半固定タップ方式の電気分散補償回路(EDC)を用いることによって、初めて、伝送経路のような環境パラメータの変化に対応することができる電気分散補償回路を提供することができる。
なお、N個のタップ電圧の組合せを用いるNタップのフィードフォワード型の電気分散補償回路(EDC)12の場合、前述の説明においては、第1のタップから第NのタップまでのN個のタップすべてに対して、Qペナルティを最適化するためのN個のタップ電圧を設定し直す場合について説明したが、場合によっては、設定したタップ電圧の効果が最も期待することができる一部のタップ電圧のみについて再設定するようにしても良い。つまり、N個のタップ電圧のうち、あらかじめ限定した(N−i)個(i:正整数)のタップ電圧のみを再設定するようにしても良い。
また、電気分散補償回路(EDC)12の各タップに対して電源14からタップ電圧を供給する場合について説明したが、電源14からは、電気分散補償回路(EDC)12に対して、N個のタップ電圧に加えて、タップ電圧の基準となる一つのタップ参照電圧をさらに供給することとし、電気分散補償回路(EDC)12におけるタップ係数が、N個の各タップ電圧とタップ参照電圧との差によって決定されるようにしても良い。
通常、タップ電圧としての電圧値については精度が必要であるが、電流が数mA以下であるタップ電源の場合であれば、ディジタルポテンショメータのように電圧精度を高めることができる電源からタップ電圧を取得することが可能である。しかし、電源として例えば数百mAの電流を要するような場合には、電圧精度が不要な電気分散補償回路(EDC)12のパワー電源とは異なる電源からタップ電圧が取られる。かかる場合には、タップ係数は、電気分散補償回路(EDC)12のパワー電源の電圧値が変動した場合に、その変動を直接受けてしまう。適応タップ方式の場合には、このような電圧変動があっても、常に、BERをモニタして最適なタップ電圧に変化させているため、問題にはならない。しかし、固定タップ方式や半固定タップ方式の場合は、この電圧変動は、特性劣化要因に繋がってしまう。ここで、タップ参照電圧は、タップ電圧と同様に電流が少ないので、高精度電源から取得することができる。したがって、電気分散補償回路(EDC)12のタップ係数を、各タップ電圧とタップ参照電圧との差から決定するようにすることによって、たとえ、電気分散補償回路(EDC)12のパワー電源が変動したとしても、影響を受けることがなく、常に、安定したタップ係数を決定することができる。
次に、本実施例3においては、前述の実施例2とは異なり、電気分散補償回路(EDC)へ供給するタップ電圧を決定するための他の環境パラメータとして、電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度や動作時間、電気分散補償回路(EDC)12の前段に接続される光電変換器11のモジュール温度や光入力強度や動作時間を用いて、電気分散補償回路(EDC)12へ供給するタップ電圧を決定する決定方法について説明する。
一般に、光受信機10は、図1に示すような構成になっており、光電変換器11および電気分散補償回路(EDC)12の周波数特性は、それぞれのモジュール温度によって変化し、電気分散補償回路(EDC)12へ供給すべき最適なタップ電圧の値はモジュール温度によって少しずつ異なってくる。
また、光電変換器11の光入力強度や動作時間、電気分散補償回路(EDC)12の動作時間が違う場合にも、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12の周波数特性が変化し、これによっても、電気分散補償回路(EDC)12へ供給すべき最適なタップ電圧の値が変化する。
このため、実施例2で説明した場合と同様に、本実施例3においては、作成した電気分散補償回路(EDC)を導入する実際の伝送系例えば43Gbit/s RZ−DQPSK伝送系もしくは実際の伝送系と同等の実験伝送系に接続して、偏波スクランブラを用いて偏波をスクランブルさせて平均化し、かつ、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度や動作時間を変化させた評価系または光電変換器11の光入力強度を変化させた評価系において、BER(Bit Error Rate)を最適化することができるタップ電圧セット(N個のタップ電圧の組合せ)を選択する方法を用いて、タップ電圧セットを決定する。
例えば、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度が0℃,25℃,50℃,75℃のそれぞれの場合において最適化したタップ電圧セットを求める場合、光送信機からの光信号に対して偏波スクランブラを用いて偏波をスクランブルして平均化しておき、その状態で光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度を0℃,25℃,50℃,75℃に変化させ、それぞれの温度でBER(Bit Error Rate)を測定することにより、最適のタップ電圧セットとして、Q値が最善になるようにN個のタップ電圧すべてを最適化する。
これにより、例えば、N=4のタップ数の電気分散補償回路(EDC)として、第1〜第4の4個のタップ電圧T1〜T4のセットからなる電気分散補償回路(EDC)12の場合、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度が例えば0℃,25℃,50℃,75℃となるそれぞれにおいて最適化されたタップ電圧T1〜T4の組合せを求めることにより、それぞれのモジュール温度におけるタップ電圧T1〜T4の組合せを算出することができる制御式を作成して、図1に示す制御回路15にあらかじめ設定しておく。
ここで、0℃,25℃,50℃,75℃それぞれの中間的な温度の場合についても、該制御式により、各モジュール温度に対する関数として例えば線形補完して算出することができるようにする。なお、このような制御式の代わりに、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度に応じて最適なタップ電圧T1〜T4の組合せを設定登録した制御テーブルとして用意するようにして、図1に示す制御回路15にあらかじめ設定しておいても良い。
また、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度は、偏波のように高速に変動することはなく、外部の気温などに応じて、ゆっくりとした変化となることから、モジュール温度に応じて、電気分散補償回路(EDC)12へ供給すべき最適なタップ電圧あるいはタップ参照電圧に対するタップ係数を、例えばマイクロコントローラなどの演算装置を用いても容易に制御することができる。すなわち、マイクロコントローラなどによってポテンシォメータを制御することにより、電気分散補償回路(EDC)12へ供給すべき最適なタップ電圧を変化させることで、それぞれのモジュール温度に応じて最適なタップ電圧の値に設定することができる。タップ係数を設定する場合も、同様であり、マイクロコントローラなどの演算装置を用いることができる。
なお、環境パラメータのいずれか1ないし複数の組合せを用いる場合、例えば、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度の変動以外に、光電変換器11の光入力強度、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12の動作時間に対する変動も含める場合は、例えば、光電変換器11や電気分散補償回路(EDC)12のモジュール温度の複数種類と光入力強度の複数種類や動作時間の複数種類とに関するすべての組合せに対して、前述のような評価系を用いて、複数の環境パラメータそれぞれに指定した値に設定して最適となるタップ電圧を求めて、制御式や制御テーブルを作成し、中間的な温度や中間的な光入力強度や中間的な動作時間に対しては、前記制御式においては例えば線形補間する式とし、前記制御テーブルにおいては設定登録している値を線形補間するようにすれば良い。
また、前述の各実施例においては、電気分散補償回路(EDC)のタップ制御方法の説明として、光受信機の構成のみについて記載している。また、評価系の構成として、図6には、光送信側に偏波スクランブラ32を用いた場合について説明しているが、同じ光受信機を用いる範囲においては、光送信側に偏波スクランブラを用いる場合であっても、用いない場合であっても、いずれでも良い。
偏波スクランブラを用いない場合、偏波を変動させると、Qペナルティは、最悪値と最善値との間を不規則に変化する。一方、偏波スクランブラを用いる場合は、偏波状態が平均化されるため、用いない場合の前記最悪値よりも少し良い程度のQペナルティが得られる。しかし、偏波スクランブラを用いない場合の前記最悪値は、偏波スクランブラを用いた場合の平均化された値よりも少し悪化する程度であって、DGDに対するQペナルティの最悪値のカーブは、偏波スクランブラを用いた場合の平均値と大差はない。
したがって、光送信側に偏波スクランブラを用いない場合であっても、電気分散補償回路(EDC)による最悪のBERの値の改善に関するDGD耐力の改善は、前述した説明とまったく同様に行われ、固定タップ係数に関する議論もまったく同様に行うことができる。
10,10a,10b…光受信機、11,11a,11b…光電変換器、12,12a,12b…電気分散補償回路(EDC)、13a…CDR(クロック・データ再生回路)/DMX(信号分離装置)+アイモニタ、13,13b…CDR(クロック・データ再生回路)/DMX(信号分離装置)、14,14a,14b…電源、15,15a…制御回路、20,20a,20b…伝送装置、31…RZ−DQPSK送信機、32…偏波スクランブラ、33…PMD(偏波モード分散)エミュレータ、34…遅延干渉計、35…バランスOEコンバータ、36…電気分散補償回路(EDC)、37…CDR/DMX/エラー検出器。

Claims (10)

  1. 光ファイバからの光信号を受信して電気信号に変換する光電変換器と該光電変換器からの電気信号をN個(N:正整数)のタップ電圧の制御により分散補償して出力するフィードフォワード型のNタップ付きの電気分散補償回路とを少なくとも備えた光受信機における、前記電気分散補償回路を制御する電気分散補償回路制御方法であって、あらかじめ定めた一定時間間隔が経過した時点ごとに、当該光受信機の環境を示すパラメータとしてあらかじめ定めた環境パラメータの変化が、あらかじめ設定した設定閾値を超えたか否かを確認し、少なくとも該設定閾値を超えて変化した前記環境パラメータの現在値に応じた各電圧値に、前記電気分散補償回路のN個の前記タップ電圧を設定し直すことを特徴とする電気分散補償回路制御方法。
  2. 請求項1に記載の電気分散補償回路制御方法において、前記設定閾値を超えて変化した前記環境パラメータの現在値と設定し直すべき前記タップ電圧との関係を制御テーブルもしくは制御式として、あらかじめ備えていることを特徴とする電気分散補償回路制御方法。
  3. 請求項2に記載の電気分散補償回路制御方法において、前記電気分散補償回路を導入する実際の伝送系もしくは該伝送系と同等の実験伝送系に前記電気分散補償回路をあらかじめ接続し、偏波スクランブラを用いて偏波をスクランブルさせ、かつ、前記環境パラメータのいずれか1ないし複数をそれぞれに指定した値に変化させた系において、BER(Bit Error Rate:ビットエラー率)を最適化することができるタップ電圧を求めることにより、あらかじめ備える前記制御テーブルもしくは前記制御式を作成することを特徴とする電気分散補償回路制御方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の電気分散補償回路制御方法において、前記環境パラメータとして、前記電気分散補償回路のモジュール温度および/または動作時間、前記光電変換器のモジュール温度および/または動作時間、前記光電変換器における光入力強度、当該光受信機が接続される伝送経路または該伝送経路のDGD(Differential Group Delay:群遅延時間差)のうち、1ないし複数を用いることを特徴とする電気分散補償回路制御方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の電気分散補償回路制御方法において、前記環境パラメータに応じて、前記電気分散補償回路のN個の前記タップ電圧を設定し直す代わりに、N個の前記タップ電圧のうち、あらかじめ限定された(N−i)個(i:正整数)の前記タップ電圧のみを設定し直すことを特徴とする電気分散補償回路制御方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の電気分散補償回路制御方法において、前記電気分散補償回路に対してタップ電圧の基準になるタップ参照電圧を供給し、N個の前記タップ電圧と前記タップ参照電圧との差によってN個のタップ係数を決定することを特徴とする電気分散補償回路制御方法。
  7. 光ファイバからの光信号を受信して電気信号に変換する光電変換器と該光電変換器からの電気信号をN個(N:正整数)のタップ電圧の制御により分散補償して出力するフィードフォワード型のNタップ付きの電気分散補償回路とを少なくとも備えた光受信機において、あらかじめ定めた一定時間間隔が経過した時点ごとに、当該光受信機の環境を示すパラメータとしてあらかじめ定めた環境パラメータの変化が、あらかじめ設定した設定閾値を超えたか否かを確認し、少なくとも該設定閾値を超えて変化した前記環境パラメータの現在値に応じた各電圧値に、前記電気分散補償回路のN個の前記タップ電圧を設定し直すことを特徴とする光受信機。
  8. 請求項7に記載の光受信機において、前記設定閾値を超えて変化した前記環境パラメータの現在値と設定し直すべき前記タップ電圧との関係を制御テーブルもしくは制御式として、あらかじめ備えていることを特徴とする光受信機。
  9. 請求項8に記載の光受信機において、前記電気分散補償回路を導入する実際の伝送系もしくは該伝送系と同等の実験伝送系に前記電気分散補償回路をあらかじめ接続し、偏波スクランブラを用いて偏波をスクランブルさせ、かつ、前記環境パラメータのいずれか1ないし複数をそれぞれに指定した値に変化させた系において、BER(Bit Error Rate:ビットエラー率)を最適化することができるタップ電圧を求めることにより、あらかじめ備える前記制御テーブルもしくは前記制御式を作成することを特徴とする光受信機。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の光受信機において、前記環境パラメータとして、前記電気分散補償回路のモジュール温度および/または動作時間、前記光電変換器のモジュール温度および/または動作時間、前記光電変換器における光入力強度、当該光受信機が接続される伝送経路または該伝送経路のDGD(Differential Group Delay:群遅延時間差)のうち、1ないし複数を用いることを特徴とする光受信機。
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