[実施の形態1]
図1は、この発明に従う半導体装置の全体の構成を概略的に示す図である。図1において、半導体装置(CAMチップ)1は、複数のエントリERYを含むメモリアレイ2を含む。エントリERYは、一例として、256Kから512K個設けられる。各エントリERYにおいては、CAMセルが行方向に整列して配置される。1エントリERYには、一例として、40から80ビットのCAMセルが配置される。
メモリアレイ2に対し、サーチ線駆動回路3、アドレスデコーダ4および書込/読出アンプ回路5が設けられる。サーチ線駆動回路3は、検索動作時、アドレス/データ入出力回路7から与えられるデータDQを検索データとして受け、メモリアレイ2内に設けられるサーチ線に検索データビットを伝達する。
アドレスデコーダ4は、アドレス/データ入出力回路7からのアドレス信号ADDに従ってメモリアレイ2のエントリを選択する信号を生成する。アドレスデコーダ4によりメモリアレイのエントリを選択して、メモリアレイ2の選択エントリへのデータの書込および読出を行なう。書込/読出アンプ回路5は、アドレスデコーダ4により指定されたエントリに対するデータの書込またはデータの読出を実行する。書込時においては、アドレス/データ入出力回路7からの書込データが書込/読出アンプ回路5の書込アンプへ転送され、読出時においては、書込/読出アンプ回路5からの内部読出がアドレス/データ入出力回路7へ転送されて装置外部に読出される。
マッチアンプ回路6は、その構成は後に詳細に説明するが、エントリERYそれぞれに対応して設けられるマッチアンプを含み、検索動作時、各エントリに対して設けられたマッチ線の電位を検出し、その検出結果に従って検索データとエントリの記憶データ(参照データ)の一致/不一致を示す信号を生成する。
この検索動作および外部との間のデータの書込/読出の動作モードは、命令入力回路8が、外部からの動作モードを指示するコマンド(命令)CMDEに従って内部コマンドCMDを生成して指定される。内部コマンドCMDが制御回路9に与えられ、各動作モードが設定される。
制御回路9に対しては、クロック発生回路10からの内部クロック信号CLKが与えられ、各動作サイクルがこの内部クロックCLKにより規定される。クロック発生回路10は、外部からのクロック信号CLKEをバッファ処理および/または分周などをして、内部クロック信号CLKを生成する。
半導体装置1において、さらに、CAM固有のプライオリティエンコーダ11およびサーチ結果出力回路12が設けられる。プライオリティエンコーダ11は、マッチアンプ回路6からの各マッチアンプの出力信号に従って、一致を示すエントリが複数存在する場合、所定の優先順位に従って(たとえば最小アドレス)エントリを選択し、一致を示すエントリを指定するエントリアドレスを生成するとともに一致/不一致判定結果を示す信号を出力する。サーチ結果出力回路12は、プライオリティエンコーダ11からの一致/不一致結果およびエントリアドレスを外部へサーチ結果SRとして出力する。
マッチアンプ回路6におけるマッチ線プリチャージ電位等を生成するために電源回路14が設けられ、また、電源回路14の生成する電圧レベルのトリミングを固定的に行なうヒューズプログラム回路16が設けられる。また、マッチアンプ回路6内において、内部に配置されるローカル電源回路によりマッチ線参照電位が生成される。
さらに、この発明に従って、内部に設けられるモニタ用トランジスタのドレイン電流をモニタする電流モニタ回路18が設けられる。この電流モニタ回路18は、CAMチップ(半導体装置)内の各トランジスタ(MOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ))と同一製造工程で形成されるモニタ用トランジスタを含み、このモニタ用トランジスタのドレイン電流(Id)に応じた信号を生成する。電源回路14およびマッチアンプ回路6においては、この電流モニタ回路18の生成するモニタ信号に従って、それぞれの生成する電圧のレベルまたは動作電流が調整される。
この電流モニタ回路18を用いて、内部の構成要素のMOSトランジスタの動作特性および温度条件に応じて、生成する内部電圧レベルおよびまたは動作電流量を調整する。MOSトランジスタのワースト仕上がり条件およびベスト仕上がり条件などの仕上がり条件ならびに高温および低温動作などの動作温度条件に応じて動作状態を調整することができる。これにより、高速かつ低消費電流で安定に検索動作を行なうCAM(半導体装置)を実現することができる。
図2は、図1に示すメモリアレイ2に含まれるCAMセルの構成の一例を示す図である。図2に示すCAMセルは、参照データビットを記憶する記憶部SMCと、記憶データと検索データとを比較する検索部SRUと、マスク指示信号MASKに従ってCAMセルの検索動作を選択的にマスクするNチャネルMOSトランジスタNQ7とを含む。マスク用MOSトランジスタNQ7は、マッチ線MLと内部ノードND3との間に接続され、そのゲートにマスク指示信号MASKを受ける。
記憶部SMCは、実質的にSRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)セルであり、反並行に接続されるインバータIV1およびIV2と、ワード線WL上の信号電位に従って内部ノードND1およびND2をそれぞれビット線BLおよび/BLに結合するNチャネルMOSトランジスタNQ1およびNQ2を含む。反並行接続または交差結合されるインバータIV1およびIV2が、インバータラッチを構成し、ノードND1およびND2に相補データを保持する。
検索部SRUは、ノードND3と接地ノードの間に直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ3およびNQ4と、ノードND3と接地ノードの間に直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ5およびNQ6とを含む。MOSトランジスタNQ3は、そのゲートがノードND1に接続され、MOSトランジスタNQ4は、そのゲートが補のサーチ線/SLに結合される。MOSトランジスタNQ5はそのゲートがノードND2に接続され、そのゲートがサーチ線SLに接続される。サーチ線SLおよび/SLに互いに相補な検索データビットが伝達される。
NチャネルMOSトランジスタNQ7は、マスク指示信号MASKがLレベルのときに非導通状態となり、マッチ線MLとノードND3を分離する。これにより、検索部SRUの検索結果はマッチ線ML電位に影響を及ぼさず、検索データビットを「ドントケア」状態に設定する。
図2に示すCAMセルにおいては、記憶部SMCにおいてノードND1およびND2に相補データビットが格納される。検索データと記憶データの論理値は、ビット線BLおよびサーチ線SLを介して伝達されるデータビットを基準に考える。ビット線BLを介して伝達されるデータビットが、記憶部SMCのノードND1に格納され、ビット線/BLを介して伝達されるデータビットが、ノードND2に格納される。
マスク指示信号MASKがHレベルに設定された検索時、ノードND1の記憶データビットとサーチ線SLを介して伝達される記憶データビットが等しい場合、MOSトランジスタNQ3およびNQ4の少なくとも一方がオフ状態、MOSトランジスタNQ5およびNQ6の少なくとも一方がオフ状態となる。したがって、マッチ線MLはプリチャージ電位レベルに維持される。一方、ビット線BLを介して伝達されるデータビット(ノードND1に格納されるデータビット)とサーチ線SLを介して伝達される検索データビットの論理値が異なる場合、MOSトランジスタNQ3およびNQ4がともにオン状態となるかまたはMOSトランジスタNQ5およびNQ6がともにオン状態となる。したがって、検索データビットと記憶データビットが不一致の場合には、マッチ線MLの電位が、プリチャージ電位レベルから変化する。通常、プリチャージ電位は後に説明するように、接地電位よりも高い電位レベルであり、不一致のCAMセルが、対応のマッチ線MLを接地電位VSS方向に放電する。この図2に示すCAMセルは、したがって、一致および不一致の2値判定を行なうBCAMセル(バイナリCAMセル)である。
図3は、メモリアレイ2のCAMセルの変更例を示す図である。図3に示すCAMセルにおいては、マスク機能は設けられていない。図3において、CAMセルは、2つの記憶部SMC1およびSMC2と、これらの記憶部SMC1およびSMC2に格納されるデータと検索データを比較する検索部SRUTを含む。
記憶部SMC1は、相補データビットを記憶する反並行に接続されるインバータIV3およびIV4と、ワード線WL0上の信号に従ってインバータIV3の入力および出力ノードをそれぞれビット線BLnおよび/BLnに結合するNチャネルMOSトランジスタNQ8およびNQ9を含む。記憶部SMC2は、インバータラッチを構成するインバータIV5およびIV6と、ワード線WL1上の信号に従ってインバータIV5の入力ノードおよび出力ノードをそれぞれビット線BLn+1および/BLn+1に結合するNチャネルMOSトランジスタNQ10およびNQ11を含む。
これらの記憶部SMC1およびSMC2は、それぞれSRAMセルで構成され、個々に、その記憶データを設定することができる。
検索部SRUTは、マッチ線MLと接地ノードの間に直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ12および13と、マッチ線MLと接地線の間に直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ14およびNQ15を含む。MOSトランジスタNQ12のゲートは、インバータIV3の出力ノード(インバータIV4の入力ノード)に結合され、MOSトランジスタNQ13のゲートがサーチ線SLに結合される。MOSトランジスタNQ14のゲートが、記憶部SMC2のインバータIV5の出力ノード(インバータIV6の入力ノード)に結合され、MOSトランジスタ15のゲートが補のサーチ線/SLに結合される。
この図3に示すCAMセルにおいては、記憶部SMC1およびSMC2に格納されるデータビットの論理値は、ビット線BLnおよびBLn+1を介してそれぞれ伝達されるデータビットの論理値に対応する。記憶部SMC1およびSMC2の記憶ノードNDT1およびNDT2にそれぞれ“1”のデータビットが格納されている場合、検索部SRUにおいては、MOSトランジスタNQ12およびNQ14は常時オフ状態である。したがって、サーチ線SLおよび/SLを介して伝達される検索データビットの論理値にかかわらず、マッチ線MLはプリチャージ電位レベルに維持される。すなわちこの場合、CAMセルは、常時、一致状態(ドントケア状態)を表現する。
一方、記憶部SMC1およびSMC2の記憶ノードNDT1およびNDT2に、データビット“0”が格納されている場合、検索部SRUTにおいては、MOSトランジスタNQ12およびNQ14は、常時オン状態である。この場合、サーチ線SLおよび/SLに伝達される検索データビットの論理値にかかわらず、MOSトランジスタNQ12およびNQ13の経路およびMOSトランジスタNQ14およびNQ15の経路の一方が、導通し、マッチ線MLが放電される。したがって、この場合には、CAMセルは、常時不一致状態を表現する(通常、常時不一致状態は利用されない)。
一方、記憶部SMC1およびSMC2の記憶ノードNDT1およびNDT2にそれぞれデータビット“1”および“0”が格納されている場合、MOSトランジスタNQ12は、常時オフ状態、MOSトランジスタNQ14が、常時オン状態となる。この場合、サーチ線/SLにHレベルの電位(“1”)のデータが伝達されたとき、マッチ線MLが放電される。すなわち、記憶部SMC1およびSMC2にデータビット“1” および“0”が格納されているとき、検索部SRUTは、検索データビットが“0”のときにマッチ線MLを放電する。したがって、記憶部SMC1およびSMC2にデータビット“1”および“0”が格納されている場合、検索データが“1”のときには一致状態を示し、マッチ線MLがプリチャージ電位に保持され、検索データが“0”のときに不一致状態となり、マッチ線MLが放電される。
逆に、記憶部SMC1およびSMC2の記憶ノードNDT1およびNDT2に、それぞれ、“0”および“1”が格納されている場合、MOSトランジスタNQ12が常時オン状態、MOSトランジスタNQ14が常時オフ状態である。したがって、サーチ線SLにHレベルの電位のデータビット(“1”)が伝達されたときに、マッチ線MLが放電される。したがって、記憶部SMC1およびSMC2にデータビット“0”および“1”が格納されている場合、検索データが“0”のときには一致状態を示し、マッチ線MLがプリチャージ電位に保持され、検索データが“1”のときに不一致状態となり、マッチ線MLが放電される。
この図3に示すCAMセルは、したがって、一致状態、不一致状態に加えて「ドントケア」状態を実現することができ、3値状態を記憶することができるTCAM(ターナリCAM)セルである。
なお、CAMセルとしては、図2および図3に示す構成においては、SRAMセルが利用されている。しかしながら、このSRAMセルに代えて、DRAMセルまたはロジック回路を用いてCAMセルが構成されてもよい。
図4は、この発明の実施の形態1に従う半導体装置(CAM)の要部の構成を概略的に示す図である。図4において、メモリアレイ(CMアレイ)2においては、複数のエントリERY0−ERYnが設けられる。エントリERY0−ERYn各々において、CAMセルMCC0−MCCmが行方向に整列して配置される。CAMセルMCC0−MCCmとしては、図2に示す2値CAMセルおよび図3に示す3値CAMセルのいずれが用いられてもよい。
エントリERY0−ERYnそれぞれに対応してマッチ線ML0−MLnが設けられる。これらのマッチ線ML0−MLnの各々は対応のエントリERY0−ERYnに含まれるCAMセルMCC0−MCCmに共通に結合される。
エントリERY0−ERYnの列方向に整列するCAMセルに対しサーチ線の対SL0,/SL0、SL1,/SL1、…SLm,/SLmがそれぞれ設けられる。これらのサーチ線対SL0,/SL0−SLm,/SLmは、それぞれ対応の列のCAMセルMCC0−MCCmの検索部(SRUまたはSRUT)に共通に結合される。したがって、検索動作時においては、エントリERY0−ERYnに対し、共通にサーチ線駆動回路3からのサーチデータが並行して伝達され、エントリERY0−ERYnにおいて並行して検索動作が行なわれる。
図1に示すマッチアンプ回路6においては、マッチ線ML0−MLn各々に対応してマッチ線電位増幅/ラッチ回路MAP0−MAPnが設けられる。これらのマッチ線電位増幅/ラッチ回路MAP0−MAPnは、それぞれ同一構成を有し、プリチャージ回路20と、マッチ線電位判定回路22を含む。プリチャージ回路20は、対応のマッチ線ML0−MLnにマッチ線プリチャージ電圧VMPGを供給する。マッチ線電位判定回路22は、その構成は後に詳細に説明するが、対応のマッチ線ML0−MLnの電位を図示しない参照電位と比較し、その比較結果に基づいてマッチ線電位判定結果信号MLOUT0−MLOUTnを生成する。このマッチ線電位判定回路22は、また、内部にラッチ回路を含み、マッチ線電位判定結果信号MLOUT0−MLOUTnをラッチする機能を有する。
電源回路14は、マッチ線プリチャージ電圧VMPGを生成するMLプリチャージ電圧発生回路24と、サーチ線駆動時のハイレベル電圧を生成するSL電源電圧発生回路26を含む。MLプリチャージ電圧発生回路24が発生するマッチ線プリチャージ電圧VMPGは、電源電圧(VDD)よりも低い電圧の場合および電源電圧VDDレベルの場合がある。SL電源電圧発生回路26が生成する電圧は、電源電圧VDDよりも高い電圧レベルであり、サーチ線SL0,/SL0−SLm,/SLmをに高電圧を伝達して、CAMセルの検索部を高速で駆動する。
電流モニタ回路18は、CAMチップ内に形成されるMOSトランジスタを電流モニタ用トランジスタとして含み、このモニタ用MOSトランジスタを流れる電流Idを検知するId検知回路30と、Id検知回路30の検知するモニタ電流に応じたレベル調整信号を生成するId判定回路32を含む。Id判定回路32の出力信号に従って、MLプリチャージ電圧発生回路24の発生するマッチ線プリチャージ電圧VMPGまたは動作電流およびSL電源電圧発生回路26の発生する電圧のレベルの調整が行なわれ、また、SL電源電圧発生回路26の動作電流を調整する。このId判定回路32の出力信号はまた、マッチ線電位判定回路22へ供給され、その参照電位レベルの調整が行なわれる。
モニタ用トランジスタを流れる電流Idは、CAMチップ内に形成されるMOSトランジスタの製造条件(仕上り条件)および動作温度条件を反映している。したがって、このCAMチップのトランジスタの動作特性に応じて、生成するマッチ線のプリチャージ電圧レベルおよび/またはマッチ線参照電位の調整または動作電流の調整を行なうことにより、動作速度変動を補償して、正確かつ高速かつ安定にまた低消費電流で検索動作を行うことができる。
図5は、図4に示すマッチ線電位増幅/ラッチ回路MAP0−MAPnの構成の一例を示す図である。マッチ線電位増幅/ラッチ回路MAP0−MAPnは同一構成を有するため、図5においては、マッチ線MLiに対して設けられるマッチ線電位増幅/ラッチ回路MAPiの構成を代表的に示す。
図5において、プリチャージ回路20は、マッチ線MLiをマッチ線プリチャージ電圧VMPGにプリチャージするNチャネルMOSトランジスタNT1を含む。このプリチャージ用MOSトランジスタNT1は、マッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREの活性化時(Hレベルのとき)導通し、マッチ線プリチャージ電圧VMPGをマッチ線MLi上に伝達する。
マッチ線電位判定回路22は、マッチ線参照電位生成回路(ローカル電源回路)35と、分離回路34と、クロスカップル型マッチアンプ36と、クロスカップル型マッチアンプ36の出力信号をラッチするラッチ回路38とを含む。
ローカル電源回路(マッチ線参照電位生成回路)35は、容量素子C1と、マッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREに従って容量素子C1の主電極をプリチャージ電圧VMPG(=VML)レベルにプリチャージするNチャネルMOSトランジスタNT2と、参照電位低下指示信号REFDOWNに従って選択的に容量素子C1の主電極をノードND10に結合するNチャネルMOSトランジスタNT3と、ノードND10と接地ノードの間に結合される容量素子C2と、マッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREに従って内部ノードND10を接地電位レベルにプリチャージするNチャネルMOSトランジスタNT4と、容量素子C3−Ckを含む。
容量素子C2は内部ノードND10と接地ノードの間に結合され、容量素子C3−Ckは、それぞれスイッチングMOSトランジスタNN3−NNkを介して内部ノードND10に結合される。これらのMOSトランジスタNN3−NNkは、電流モニタ回路18の出力信号をゲートに受け、選択的にオン状態となる。
予め、マッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREが“1”と分離指示信号MLIが“1”との条件によってマッチ線プリチャージ電圧VMPGにプリチャージされていた容量素子C1の主電極またはノードND12と、マッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREによって接地されていたノードC2plusは、マッチ線電位判定直前にマッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREが“0”と参照電位低下指示信号REFDOWNが“1”との条件により、容量結合され、それぞれの電位差と容量差とによってノードND12は、マッチ線プリチャージ電圧VMPGより下降され、このノードND12のレヴェルは、マッチ線参照電位MLREFとして一致/不一致判定に用いられる。
なお、ノードC2plusの容量は、電流モニタ回路18によってスイッチングMOSトランジスタNN3−NNkがオンまたはオフ状態とされることにより調整される。すなわち、電流モニタ回路18は、マッチ線電位判定直前のマッチ線参照電位MLREFを最適な値にコントロールすることができる。
分離回路34は、分離指示信号MLIに従ってマッチ線MLiを内部ノードND11に結合するNチャネルMOSトランジスタNT5と、マッチ線分離指示信号MLIに従って容量素子C1の主電極を内部ノードND12に結合するNチャネルMOSトランジスタNT6を含む。内部ノードND11にマッチ線MLi上の電位に応じたマッチ線電位MLMAを閉込め、また、内部ノードND12に、容量素子C1の主電極電位に応じた参照電位MLREFを閉じ込める。このとき、参照電位MLREFは、分離指示信号MLIに従って閉じ込められる直前に、参照電位低下指示信号REFDOWNによってマッチ線プリチャージ電圧VMPGよりも下降されたレベルである。次に、クロスカップル型マッチアンプ36で、マッチ線電位MLMAおよびマッチ線参照電位MLREFを差動増幅する。このマッチ線プリチャージ電位VMPGは、電源電圧VDDの1/2倍から1/5倍の電圧レベルであり、以下、マッチ線プリチャージ電圧VMLと称す。
クロスカップル型マッチアンプ36は、交差結合されるPチャネルMOSトランジスタPT1およびPT2と、交差結合されるNチャネルMOSトランジスタNT8およびNT9と、マッチ線増幅イネーブル信号MAEの活性化時(Hレベルのとき)オン状態となり、MOSトランジスタPT1およびPT2のソースノードを電源電圧へ結合するPチャネルMOSトランジスタPT3と、マッチアンプイネーブル信号MAEの活性化に応答してMOSトランジスタNT8およびNT9のソースノードを接地ノードに結合するNチャネルMOSトランジスタNT10を含む。
このクロスカップル型マッチアンプ36は、MOSトランジスタPT1およびNT8により形成されるインバータと、MOSトランジスタPT2およびNT9により形成されるインバータとを含み、ラッチ型センスアンプを構成する。MOSトランジスタPT3およびNT10がオン状態のとき、クロスカップル型マッチアンプ36が活性化され、内部ノードND11およびND12上の電位MLMAおよびMLREFが差動増幅されてラッチされる。
この図5に示す構成において、ローカル電源回路(ラッチ線参照電位生成回路)35の容量素子C1およびC2−Ckにより、マッチ線プリチャージ電圧VMPG(=VML)を容量分割し、マッチ線プリチャージ電圧VMPG(=VML)よりも低い参照電位MLREFを生成する。一例として、この参照電位MLREFは、設計値(典型値)としてマッチ線プリチャージ電位VMLよりも100mV低い電圧レベルに設定される。
図6は、図5に示すラッチ回路38の構成の一例を示す図である。図6において、ラッチ回路38は、マッチ線ラッチ指示信号MLATを反転するインバータ43と、内部ノードND11の電圧MLMAを受けるトライステートインバータバッファ40と、内部ノードND12の電圧MLREFを受けるトライステートインバータバッファ42と、トライステートインバータバッファ40の出力信号をラッチするインバータラッチ44とを含む。インバータ43から、補のマッチ線ラッチ指示信号/MLATが出力される。
トライステートインバータバッファ40および42は、ラッチ指示信号MLATおよび/MLATの活性化時に活性化され、それぞれ内部ノードND11およびND12上の電位MLMAおよびMLREFを反転しかつ増幅する。インバータラッチ44は、トライステートインバータバッファ40の出力信号を反転しかつラッチして、マッチ線電位判定結果信号(検索結果判定信号)MLOUTiを生成する。参照電位MLREFに対してもトライステートインバータバッファ42が設けられているのは、内部ノードND11およびND12の負荷を互いに等しくするためである。
図7は、図4から図6に示す半導体装置(CAM)の検索動作を示すタイミング図である。以下、図7を参照して、図4から図6に示す半導体装置の検索動作について説明する。この検索動作のサイクルは、外部クロック信号CLKE(一例として500MHzから700MHz)に従って規定される。
検索動作には、外部クロック信号CLKEの2クロックサイクル必要とされる。マッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREは、外部クロック信号CLKEの1クロックサイクル置きごとの立上がりに同期して半クロックサイクル期間活性化される。時刻T1において、マッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREがHレベルに駆動される。応じて、図5に示すMOSトランジスタNT1およびNT2がオン状態となる。このとき、マッチ線分離指示信号MLIはHレベルであり、内部ノードND11およびND12上の電位MLMAおよびMLREFが、プリチャージ電圧VMPG(=VMLレベル)のレベルにプリチャージされる。ここで、プリチャージ電圧VMPGは、電源電圧VDDよりも低い電圧(=VML)であり、プリチャージ電圧VMLは、典型値がVDD/2からVDD/5の範囲の電圧である。
このマッチ線MLおよびローカル電源回路35における容量素子C1の主電極のプリチャージ電圧VMLレベルのプリチャージが完了すると、次いで、時刻T2において、外部クロック信号CLKEの立下がりに同期して、マッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREがLレベルに立下がり、一方、サーチ線SLおよび/SLが、検索データに応じてその電位レベルがHレベルおよびLレベルに駆動され、検索動作が実行される。この検索結果に従って、不一致(miss)のとき、マッチ線MLiの電位レベルが低下する。このマッチ線MLiの電位MLMAの低下に応じて、参照電位降下指示信号REFDOWNをHレベルに駆動する。応じて、図5に示すMOSトランジスタNT3がオン状態となり、内部ノードND12上の参照電位MLREFが、容量素子C1およびC2−Ckの容量分割により低下する。通常、この参照電位MREFは、約100mV程度、プリチャージ電圧VMLよりも低下した電位レベルに設定される。検索結果がミス(miss)の場合には、マッチ線の電位MLMAがプリチャージ電位から低下する。電位MLMAおよびMLREFの電位差が十分確保されると、時刻T3において、マッチ線分離指示信号MLIがLレベルとなり、MOSトランジスタNT5およびNT6がオフ状態となり、このマッチ線電位MLMAおよびマッチ線参照電位MLREFが内部ノードND11およびND12に保持される。マッチ線分離指示信号MLIによりマッチ線MLiと内部ノードND11が分離されると、参照電位効果指示信号REFDOWNがLレベルに駆動され、MOSトランジスタNT3がオフ状態となる。これにより、容量素子C1と容量素子C2−Ckが分離される。
次いで、内部ノードND11およびND12の電位レベルが安定化すると、マッチアンプイネーブル信号MAEが活性化され、クロスカップル型マッチアンプ36が活性化され、内部ノードND11およびND12の電位を差動的に増幅する。この不一致状態(miss)の場合には、マッチ線電位MLMAは、マッチ線参照電位MLREFよりも低いため、内部ノードND12上のマッチ線参照電位MLREFが、電源電圧VDDレベルに駆動され、一方、マッチ線電位MLMAは接地電位レベルに駆動される。
クロスカップル型マッチアンプ36の出力信号の振幅が十分に拡大されると、マッチ線ラッチ指示信号MLATが活性化され、ラッチ回路38がこのクロスカップル型マッチアンプ36の出力信号を出力ノードへ伝達するとともにラッチする。この検索結果が不一致の場合、検索結果判定信号MLOUTは、Lレベルに駆動される。
時刻T4において、このマッチアンプイネーブル信号MAEがラッチ指示信号MLATの非活性化後非活性化され、ラッチ回路38により、この検索結果判定信号MLOUTiはLレベルに維持される。
この後、マッチ線分離指示信号MLIがHレベルとなり、分離用MOSトランジスタNT5およびNT6がオン状態となり、マッチアンプ36により増幅された電位をマッチ線MLiおよび容量素子C1の主電極ノードへ伝達する。
1つの検索サイクルが完了し、次の検索サイクルに入ると、時刻T5において、再びマッチ線プリチャージイネーブル信号MLPREがHレベルに駆動され、マッチ線MLiが所定のプリチャージ電圧VMPG(=VML)レベルにプリチャージされ、また容量素子C1の主電極ノードの電位MLREFも、プリチャージ電圧VMPG(=VML)のレベルとなる。
時刻T6において、マッチ線プリチャージ指示信号MLPREがLレベルに駆動され、また、検索データに従ってサーチ線SLおよび/SLが駆動される。検索結果が一致状態の場合には、マッチ線MLiはプリチャージ電位レベルに維持される。この後、電圧降下指示信号REFDOWNをHレベルへ駆動し、MOSトランジスタNT3をオン状態とし、容量素子C1の主電極ノードと内部ノードND12の電位MLREFを容量分割により低下させる。
この後、時刻T7において、マッチ線分離指示信号MLIをLレベルに駆動し、内部ノードND11およびND12を、それぞれマッチ線MLiおよび容量素子C1の主電極ノードから分離する。続いて、マッチアンプイネーブル信号MAEを活性化し、クロスカップル型マッチアンプ36に増幅動作を行なわせる。続いて、ラッチ指示信号MLATをHレベルへ駆動して、ラッチ回路38によりマッチアンプ36の出力信号をラッチさせる。一致状態(match)の場合には、マッチ線電位MLMAは、マッチ線参照電位MLREFよりも高く、ラッチ回路38からの出力信号MLOUTは、電源電圧VDDレベルのHレベルとなる。
上述の一連の検索動作が、検索データが与えられるごとに繰返し実行される。
なお、マッチ線プリチャージ電位VMPGが電源電圧VDDレベルの場合には、プリチャージトランジスタNT1およびNT2に代えてPチャネルMOSトランジスタが用いられ、また分離トランジスタNT5およびNT6に代えてPチャネルMOSトランジスタが用いられる。電源電圧VDDを、振幅電源電圧レベルの制御信号MLPREおよびMLIに従って確実に伝達するためである(プリチャージ指示信号MLPREおよび分離指示信号MLIがPチャネルMOSトランジスタに与えられる場合、その論理レベルは、図7に示す論理値と反対の論理値となる。)。
図8は、図5に示す電流モニタ回路18の出力信号によるローカル電源回路35の生成するマッチ線参照電位MLREFの調整動作を示す図である。不一致(miss)時においては、マッチ線MLは、プリチャージ電位VMLから接地電位に向かって放電される。この場合、CAMセルの検索部のトランジスタ(サーチトランジスタ)は、その仕上がり条件により、駆動するドレイン電流の大きさが異なる。サーチトランジスタの仕上がり条件がベスト条件の場合、その放電電流(ドレイン電流)は大きく、1ビットミス電流Imiss(b)は、大きくマッチ線MLは高速で放電される。ここで、1ビットミス電流Imiss(b)またはImiss(w)とは、1エントリ内で1ビットのCAMセルのみ検索データが記憶データと異なる場合に、プリチャージ電位VMLにプリチャージされたマッチ線MLを接地ノードに放電する電流である。また、Imiss(b)は、ベスト仕上がり時の1ビットミス電流Imissは、ワースト仕上がり時の1ビットミス電流である。
検索時に複数ビットで不一致(miss)となったときには複数のCAMセルでプリチャージ電位VMLにプリチャージされたマッチ線MLを接地ノードに放電するので、マッチ線MLの電位下降速度は速い。しかしながら、1ビットのみ不一致(miss)の場合には、1ビットのCAMセルのみでプリチャージ電位VMLに充電されたマッチ線MLを接地ノードに放電するため、放電電流は小さく、マッチ線MLの電位下降は遅い。特に、サーチトランジスタの仕上がり条件が、ワースト条件の場合には、そのドレイン電流は小さくなり、1ビットミス電流Imiss(w)は最も小さく、マッチ線MLの放電電流は最も小さく、電位下降も最も遅い。このため、マッチアンプが不一致と判断するのが遅くなり、高速動作の妨げとなる。
マッチアンプにおいては、このマッチ線電位MLMAとマッチ線参照電位MLREFを差動増幅する。この場合、マッチアンプにより検出可能な差分値ΔVSとしては、最小値が存在する。通常、テスト工程後の最終工程において、ヒューズプログラミングなどによりマッチアンプ36の動作開始タイミングが、テスト結果に従って固定的に調整される。しかしながら、全チップ個々にテストを行ってタイミングの調整は行われないため、トランジスタの仕上がり条件がワースト条件の場合、設定されたアンプ動作タイミングでは、この電圧差分値ΔVSが小さく、図8において実線のマッチ線電位MLMA(エラー)に示すように、マッチアンプ36が誤判定を行ない、不一致状態を一致状態と判定する可能性がある。
したがって、正確な検索結果の判定のためには、ワーストケースを想定して、マッチ線電位MLMAとマッチ線参照電位MLREFの差ΔVSが所定値以上に到達する時点まで、マッチアンプを活性化する期間を遅くする必要がある。すなわち、サーチトランジスタがワースト仕上がり条件の場合、1ビットミス電流Imiss(w)が小さく、マッチ線参照電位MLREFとマッチ線電位MLMAの差分値が小さく、その差を十分に拡大するために、マッチアンプの活性化タイミングを遅らせる必要がある。この場合、マッチアンプ36の動作開始タイミングが遅くなり検索を高速で行なうことができなくなる。
一方、サーチトランジスタの仕上がり条件がベスト仕上がり条件の場合、ミス電流Imiss(b)により、マッチ線電位MLMAは速く変化する。この場合には、電圧差分値ΔVSは十分な大きさを有しており、マッチアンプ36は正確にセンス動作を行うことができる。
したがって、本実施の形態1においては、検索結果が不一致の状態に対処する場合、ワースト仕上がり条件を考慮して、マッチ線参照電位MLREFを高くし、差分値ΔVSCに十分に大きくする。これにより、マッチアンプの活性化タイミングを早くでき(早いタイミングでマッチ線分離指示信号MLIを活性化してマッチアンプとマッチ線とを分離することが可能で)、判定時間を短くすることができる。
一方、一致(HIT)状態においては、マッチ線MLは、対応のエントリのCAMセルのサーチトランジスタがすべてオフ状態であり、マッチ線MLは、対応のエントリのCAMセルのサーチトランジスタのオフリーク電流により放電される。サーチトランジスタの仕上がり条件が、ワースト仕上がり条件の場合、オフリーク電流Ioff(w)は小さく、マッチ線MLの電位低下は小さい。一方、サーチトランジスタの仕上がり条件がベスト仕上がり条件の場合、オフリーク電流Ioff(b)は大きく、マッチ線MLの電位が比較的大きく低下する。
マッチアンプ36においては、サーチトランジスタの仕上がり条件に応じて、マッチ線電位MLMAとマッチ線参照電位MLREFの差が異なる。サーチトランジスタの仕上がり条件がベスト条件の場合、マッチ線参照電位MLREFとマッチ線電位MLMAとの差がオフリーク電流により小さくなり、図8の実線MLMA(エラー)で示すように、マッチアンプが誤判定する可能性がある。また、この場合、マッチ線電位MLMAを一致状態を示すHレベルに維持する時間(保持時間)が短くなり、不一致状態のマッチ線電位が十分に拡大されないときに、マッチアンプを活性化することとなる。
したがって、本実施の形態1においては、不一致条件(MISS)に対しては、サーチトランジスタがワースト仕上がり条件の場合には、マッチ線参照電位MLREFを上昇させ、早くマッチ線電位MLMAがマッチ線参照電位MLREF以下に下降するようにする。これにより、サーチトランジスタの仕上がり条件に係わらず、早くマッチ線電位MLMAとマッチ線参照電位MLREFの差を発生させて、早いタイミングでマッチアンプを活性化させることができる。
なお、一致条件でかつサーチトランジスタがワースト仕上がり条件の場合には、サーチトランジスタのオフリーク電流が小さいため、マッチ線参照電位MLREFの下降が遅く、マッチ線電位MLMAとマッチ線参照電位MLREFとの差ΔVRを小さくしても、十分なデータ保持時間を確保することができる。
また、一致条件(HIT)に対しては、サーチトランジスタがベスト仕上がり条件の場合に、マッチ線参照電位を下降させ、マッチ線電位MLMAとマッチ線参照電位MLREFとの差ΔVRを大きくする。これにより、オフリーク電流によりマッチ線でにMLMAが下降しても、マッチ線電位MLMAがマッチ線参照電位MLREFよりも高く、マッチアンプが一致と判断することのできるデータ保持時間をより長くすることができる。
なお、不一致条件でかつサーチトランジスタがベスト仕上がり条件の場合には、サーチトランジスタの放電電流が大きいため、マッチ線参照電位MLREFを下降させても、短時間でマッチ線MLMAが低下し、マッチ線参照電位MLREF以下となるため、動作速度に対する影響はない。
すなわち、一致条件および不一致条件に対して、サーチトランジスタの仕上がり条件に応じて、トランジスタのワースト仕上がり条件の場合には、マッチ線参照電位MLREFを上昇させ、ベスト仕上がり条件の場合には、マッチ線参照電位MLREFを低下させる。この処置は、いずれか一方に対してのみ実行されてもよく、両条件について実行されてもよい。
以上のように、半導体装置個々に、作成されたトランジスタの実力に応じてレベルの調整を行うことにより、正確に、半導体装置を高速で動作させることができる。
[電流モニタ回路の構成1]
図9は、図4および図5に示す電流モニタ回路18の構成の一例を示す図である。図9に示す電流モニタ回路18において、Id検知回路30は、電源ノードと内部出力ノードの間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタPT30および抵抗素子R0と、内部出力ノードと接地ノードの間に接続されるモニタ用NチャネルMOSトランジスタNT30とを含む。
MOSトランジスタPT30は、そのゲートにインバータIV30を介して活性化信号ENAを受ける。MOSトランジスタNT30は、そのゲートが電源ノードに結合される。このMOSトランジスタNT30を、モニタ用トランジスタとして利用し、製造パラメータのばらつきに応じたドレイン電流を流す。この場合、抵抗素子R0とモニタ用MOSトランジスタNT30のオン抵抗の比に応じて検知電圧Vidnを生成する。
このモニタ用トランジスタNT30は、半導体装置内の内部回路の他のMOSトランジスタと同一製造工程で形成され、半導体チップ内のMOSトランジスタの製造仕上がり条件を反映する。従って、モニタ用トランジスタNT30を流れるドレイン電流Idを検知することにより、チップ内のトランジスタを仕上がり条件を検知することができる。
Id判定回路32は、電源ノードと接地ノードの間に直列に接続される抵抗素子RAおよびRBと、抵抗素子RAおよびRBの接続ノードからの参照電圧VrfとId検知回路30の出力電圧Vidnを比較する比較回路50aとを含む。
抵抗素子RAおよびRBによる電源電圧VDDの抵抗分割により、参照電圧Vrfとして、VDD・RB/(RA+RB)の電圧が生成される。比較回路50aは、この参照電圧Vrfが検知電圧Vidnよりも高い時には、その出力する切換信号SWをLレベルに設定し、参照電圧Vrfが検知電圧Vidnよりも低いときには、切換信号SWをHレベルに設定する。
図10は、図9に示す電流モニタ回路の判定動作を示す概略的に示す図である。以下、図10を参照して、図9に示す電流モニタ回路の動作について説明する。
今、MOSトランジスタPT30のオン抵抗は、抵抗素子R0の抵抗値に比べて無視できる値であるとする。この場合、モニタ用トランジスタNT30を流れるドレイン電流をIdとすると、検知電圧Vidnは、VDD−Id・R0で表わされる。モニタ用MOSトランジスタNT30は、CAMチップ(半導体装置)内におけるMOSトランジスタの製造パラメータのばらつき状態を反映している。この製造ばらつきにより、MOSトランジスタが典型値(設計値)よりも悪くワースト仕上がり条件の場合、ドレイン電流Idは小さくなり、検知電圧Vidnのレベルは、参照電圧Vrfよりも高くなる。この場合、比較回路50aからの切換信号SWはHレベルとなる。
ここで検知電圧Vidnおよび参照電圧Vrfは、接地電圧を基準値として測定している。以下の説明において、電圧レベルについては、電圧および電位を同じ意味で用いる。
一方、MOSトランジスタの仕上がり条件はベスト仕上がり条件である場合、モニタ用MOSトランジスタNT30のドレイン電流Idが大きくなる。この場合、検知電圧Vidnは、参照電圧Vrfよりも低くなり、比較回路50aからの切換信号SWはLレベルとなる。この切換信号SWの論理値により、トランジスタの仕上がり状態を識別することができる。
図5に示すように、マッチ線参照電位MLREFは、ローカル電源回路35において、容量素子の容量分割により生成される。内部ノードND10に接続される合成容量C2plusが大きくなれば、マッチ線参照電位MLREFは低下する。逆に、この内部ノードND10に接続される合成容量C2plusが小さくなれば、マッチ線参照電位MLREFが上昇する。したがって、電流モニタ回路18からの切換信号SWにより、図5に示すMOSトランジスタNN3−NN9を選択的にオン状態またはオフ常態とすることにより、MOSトランジスタ(サーチトランジスタ)の仕上がり条件に応じた電位レベルにマッチ線参照電位MLREFを設定することができる。
この場合、モニタ用MOSトランジスタNT30のドレイン電流の温度依存性も同様に検知電圧Vidnに反映されており、仕上がり条件および/または動作温度条件に応じた電位レベルにマッチ線参照電位MLREFを設定することができる。
なお、このマッチ線参照電位MLREFのレベル調整は、レベル上昇のみの調整、レベル低下のみの調整およびレベルの上昇/下降両者の調整のいずれの方法が行われても良い。
また、活性化信号ENAは、電源投入に応じて活性化されてもよく、また、スタンバイ時には非活性状態に維持され、検索動作などのCAMの動作時に活性状態とされてもよい。この場合には、外部からの動作モードを指定するコマンドに応じて活性化信号ENAの活性/非活性が制御される。
[電流モニタ回路の変更例1]
図11は、図4および図5に示す電流モニタ回路の変更例の構成を概略的に示す図である。この図11に示す電流モニタ回路18においては、Id検知回路30において、モニタ用トランジスタとしてPチャネルMOSトランジスタPT31が用いられる。モニタ用MOSトランジスタPT31が電源ノードと内部出力ノードの間に接続され、かつそのゲートが電源ノードに接続される。内部出力ノードと接地ノードの間に抵抗素子R0およびNチャネルMOSトランジスタNT31が直列に接続される。このMOSトランジスタNT31のゲートに活性化信号ENAが与えられる。
Id判定回路32の構成は、実質的に図9に示すId判定回路32の構成と同じである。ただし、比較回路50bは、その負入力にId検知回路30からの検知電圧Vidpを受け、正入力に参照電圧Vrfを受ける。
図12は、図11に示す電流モニタ回路18の判定動作を概略的に示す図である。以下、図12を参照して、この図11に示す電流モニタ回路18の判定動作について説明する。
図11に示すId検知回路30においても、検知電圧Vidpは、MOSトランジスタPT31のオン抵抗と抵抗素子R0の抵抗値に応じて決定される。MOSトランジスタNT31のオン抵抗は、抵抗素子R0の抵抗値に比べて無視することができる値であるとする。
この図11に示す構成の場合、検知電圧Vidpは、MOSトランジスタPT31を流れるドレイン電流Idと抵抗素子R0の抵抗値R0から、Id・R0で表わされる。一方、参照電圧Vrfは、VDD・RB/(RA+RB)で表わされる。検知電圧Vidpが参照電圧Vrfよりも高い状態は、モニタ用MOSトランジスタPT31を流れるドレイン電流Idが大きい状態である。この状態においては、比較回路50bからの切換信号SWは、Lレベルに設定される。
一方、検知電圧Vidpが参照電圧Vrfよりも低い場合には、モニタ用MOSトランジスタPT31のドレイン電流Idが小さい状態であり、仕上がり条件は、典型条件よりも悪い例えばワースト条件である。この場合には、比較回路50bからの切換信号SWはHレベルに設定される。
したがって、モニタ用MOSトランジスタPT31を流れるドレイン電流Idにより、MOSトランジスタの仕上がり条件を識別することができ、先の図9に示す電流モニタ回路と同様、ベスト仕上がり条件(良仕上がり条件)およびワースト仕上がり条件(不良仕上がり条件)に応じて切換信号SWの論理レベルを切換えることができる。これにより、マッチ線参照電圧MLREFの電圧レベルを、マッチ線参照電圧の容量分割比を調整することができ、正確にMOSトランジスタ(サーチトランジスタ)の仕上がり条件に応じたマッチ線参照電圧MLREFを生成することができる。
なお、この図11に示す電流モニタ回路18の構成においても、電圧レベルの調整は、上昇させる方向のみ、低下させる方向のみおよび上昇/低下両方向の調整のいずれの方法のレベル調整が用いられてもよい。図11に示す切換信号SWをインバータで反転させれば、図12に示す波形と逆の論理の切換信号を生成することができる。これは図9に示す電流モニタ回路の構成においても同様である。
[電流モニタ回路の変更例2]
図13は、電流モニタ回路の変更例2の構成を示す図である。図13に示す電流モニタ回路18においては、Id検知回路30におけるMOSトランジスタPT30に対し定電流回路55の出力電圧が与えられる。定電流回路55の流す定電流によりMOSトランジスタPT30を流れる電流を一定に保持する。
定電流回路55は、電源ノードに結合される抵抗素子RRと、抵抗素子RRと接地ノードの間に直列に接続されるMOSトランジスタPT41およびNT41と、電源ノードと接地ノードの間に直列に接続されるMOSトランジスタPT40およびNT40とを含む。MOSトランジスタPT40およびPT41のゲートが内部ノードND20に結合され、MOSトランジスタNT40およびNT41のゲートが相互接続される。NチャネルMOSトランジスタNT40およびNT41が、MOSトランジスタNT41をマスタとするカレントミラー回路を構成する。
定電流回路55は、さらに、ノードND20と接地ノードの間に直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNT42およびNT43と、電源ノードと接地ノードの間に直列に接続されるMOSトランジスタPT42およびNT44を含む。NチャネルMOSトランジスタNT42およびNT43は、それらのゲートが内部ノードND22に接続される。PチャネルMOSトランジスタPT42は、電源ノードと内部ノードND22の間に接続され、そのゲートが接地ノードに結合され、電流源トランジスタとして動作する。NチャネルMOSトランジスタNT44は、内部ノードND22と接地ノードの間に接続され、そのゲートがMOSトランジスタNT40およびNT41のゲートに接続される。従って、このMOSトランジスタNT44は、MOSトランジスタNT41とカレントミラー回路を構成する。
Id検知回路30においては、電源ノードと接地ノードの間にMOSトランジスタPT30およびNT30が直列に接続される。PチャネルMOSトランジスタPT30は、そのゲートに、定電流回路55の内部ノードND20の電位を受ける。NチャネルMOSトランジスタNT30は、そのゲートが電源ノードに結合され、電流モニタ用トランジスタとして動作する。
Id判定回路32は、電源ノードと接地ノードの間に直列に接続される抵抗素子Ra−Rcと、それぞれ切換信号SWAおよびSWBを生成する比較回路50Aおよび50Bを含む。比較回路50Aは、Id検知回路30の出力する検知電圧Vidnと抵抗素子RaおよびRbの間の接続ノードからの電圧Vr1と比較し、検知電圧Vidnが電圧Vr1よりも高いときに切換信号SWAをHレベルに設定する。比較回路50Bは、検知電圧Vidnと抵抗素子RbおよびRcの接続ノードからの電圧Vr2とを比較し、電圧Vr2が検知電圧Vidnよりも高いときに切換信号SWBをHレベルに設定する。
定電流回路55においては、電源投入時、MOSトランジスタPT42がオン状態となり、内部ノードND22の電位レベルを上昇させる。これにより、MOSトランジスタNT42およびNT43がオン状態となり、内部ノードND20の電位レベルを低下させる。MOSトランジスタNT42およびNT43のプルダウン動作により、電源投入時、MOSトランジスタPT40およびPT41のゲートが電源電圧レベルにプルアップされ、定電流動作が行なわれなくなるのを防止する。MOSトランジスタNT42およびNT43の電流駆動力は十分小さくされる。
電源投入後、電源電圧VDDのレベル上昇に応じて、内部ノードND20の電圧レベルが上昇し、応じて、MOSトランジスタNT41のドレイン電圧が、MOSトランジスタNT40およびNT41のしきい値電圧を超えると、これらのMOSトランジスタNT40およびNT41がカレントミラー動作を行なう。このとき、また、MOSトランジスタNT44がカレントミラー動作を行ない、内部ノードND22を放電する。この状態においてMOSトランジスタNT42およびNT43はオフ状態またはごく弱い反転領域で動作するだけであり、その放電電流はほぼ無視することができる。
定電流動作において、MOSトランジスタNT40およびNT41がカレントミラー回路を構成し、MOSトランジスタNT41を流れる電流のミラー電流がMOSトランジスタNT40を介して流れる。MOSトランジスタPT40を介して流れる電流が、MOSトランジスタNT41を介して流れる電流よりも大きくなると、内部ノードND20の電圧レベルが上昇し、MOSトランジスタPT40のゲート電圧が上昇し、そのソース−ゲート間電圧が小さくなり、MOSトランジスタPT40を流れる電流量が低減される。
また、MOSトランジスタPT40を介して流れる電流が、MOSトランジスタNT41を介して流れる電流よりも小さくなると、ノードND20の電圧レベルが低下し、MOSトランジスタPT40を介して流れる電流が増大する。したがって、MOSトランジスタPT40のフィードバック動作により、このMOSトランジスタPT41およびNT41およびMOSトランジスタPT40およびNT40の経路に同じ大きさの電流が流れる。この場合、電流値は、抵抗素子RRの抵抗値とMOSトランジスタPT40およびPT41のサイズ比とにより設定することができる。この関係は、MOSトランジスタPT40およびPT41が飽和領域で動作するときのドレイン電流の式から導出することができる。
Id検知回路30において、MOSトランジスタPT30が、MOSトランジスタPT40とカレントミラー回路を構成し、したがって定電流回路55を流れる電流と同じ大きさの電流を流す(MOSトランジスタPT30およびPT40が同じサイズのとき)。したがって、Id検知回路30においては、モニタ用MOSトランジスタNT30のオン抵抗が製造工程のばらつきによりばらついた場合および温度変動により変動した場合、正確に、そのばらつきの度合を示す電圧Vidnを生成することができる。また、図9に示す電流/電圧変換用の抵抗素子(R0)に代えて、定電流回路55を用いてMOSトランジスタPT30に定電流を流すことにより、抵抗素子をId検知回路30において利用する場合に比べて、回路のレイアウト面積を低減することができる。
Id判定回路32でモニタ用MOSトランジスタの仕上がり条件に応じた検知電圧Vidnのレベルに応じて参照電位Vr1およびVr2が発生するように、抵抗素子RaおよびRbの抵抗比を設定する。
比較回路50aは、この検知電圧Vidnが参照電圧Vr1よりも高いときに切換信号SWAをHレベルに設定する。比較回路50Bは、この検知電圧Vidnが参照電圧Vr2よりも低い場合に、切換信号SWBをHレベルに設定する。したがって、検知電圧Vidnが、参照電圧Vr1よりも高いとき、参照電圧Vr1およびVr2の間にある状態、参照電圧Vr2よりも低い状態に応じて、切換信号SWAおよびSWBの論理値を設定することができ、より細かく調整を行なうことができる。
この図13に示す電源モニタ回路18を利用する場合、定電流をモニタ用トランジスタに流しており、正確に、製造パラメータのばらつきおよび温度の影響を検出することができる。
なお、この電流モニタ回路18において、モニタ用MOSトランジスタとしてPチャネルMOSトランジスタを利用する構成が用いられてもよい。この場合には、図11に示す抵抗R0を取り去り、イネーブル用MOSトランジスタNT31のドレインを検知電圧Vidpを出力するノードに接続し、また、イネーブル用MOSトランジスタNT31を電流制限用NチャネルMOSトランジスタに代えて、そのゲートを図13に示す定電流回路55のMOSトランジスタNT40およびNT41のゲートに結合する。
[電流モニタ回路の変更例3]
図14は、図5に示す電流モニタ回路18の変更例3の構成を概略的に示す図である。図14に示す電流モニタ回路18においては、モニタ用NチャネルMOSトランジスタNT30と活性化用PチャネルMOSトランジスタPT30の間に、その抵抗値がチューニング可能な可変抵抗回路58が設けられる。可変抵抗回路58は、抵抗素子ZRmとNチャネルMOSトランジスタNT30の間に直列に接続される抵抗素子ZRn−ZR1と、これらの抵抗素子ZRn−ZR1それぞれと並列に接続されるCMOSトランスミッションゲートTXn−TX1を含む。
この可変抵抗回路58のCMOSトランスミッションゲートTX1からTXnそれぞれの導通を制御するために、チューニング信号TUn−TU1が、ヒューズプログラム回路16に含まれるヒューズFZn−FZ1の溶断/非溶断により生成される。ヒューズプログラム回路16においてヒューズ素子FZn−FZ1に直列に、それぞれ抵抗素子FRn−FR1が設けられている。ヒューズ素子FZiを溶断した場合、対応のチューニング信号TUiはHレベルとなり、ヒューズ素子FZiの非溶断時には対応のチューニング信号TUiはLレベルとなる。
Id検知回路30の他の構成は、図9に示すId検知回路30の構成と同じであり、またId判定回路32の構成は、図13に示すId判定回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
このチューニング機能付可変抵抗回路58において、チューニング信号TUiがHレベルのときには、対応のCMOSトランスミッションゲートTXiがオン状態となり、対応の抵抗素子ZRiを短絡する。一方、チューニング信号TUiがLレベルのときには、対応のCMOSトランスミッションゲートTXiはオフ状態であり、対応の抵抗素子ZRiの抵抗値は有効となる。したがって、チューニング信号TUn−TU1を選択的にHレベルに設定することにより、チューニング機能付可変抵抗回路58の抵抗値を調整することができる。抵抗素子にも仕上がりバラツキがあり、この抵抗値のバラツキは、抵抗素子を利用する電流モニタ回路においてMOSトランジスタの仕上がり条件の正確な検知に対する妨げとなる。しかしながら、この抵抗可変構成により、モニタ用トランジスタNT30のオン抵抗との比を与える抵抗素子(R0)の抵抗値を正確に設定することができ、モニタ用MOSトランジスタNT30のオン抵抗の変化をモニタすることが可能となり、正確にパラメータばらつきまたは温度変動に応じたレベルの検知電圧Vidnを生成することができる。
なお、この図14に示す電流モニタ回路18の構成においても、PチャネルMOSトランジスタを電流モニタ用トランジスタとして利用する構成が用いられてもよい。この場合には、図11に示す抵抗素子R0を図14に示す抵抗素子ZRmと、チューニング機能付可変抵抗回路58に代えてヒューズプログラム回路16を追加する。
[電流モニタ回路の変更例4]
図15は、電流モニタ回路18の変更例4の構成を概略的に示す図である。図15において、電流モニタ回路18のId検知回路30は、図9に示すId検知回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
Id判定回路32においては、電源ノードと接地の間に複数の抵抗素子RAm−RA0およびRBn−RB0およびRCが直列に接続される。抵抗素子RAm−RA0それぞれに対して比較回路50Am−50A0が設けられ、抵抗素子RBn−RB0それぞれに対応して比較回路50Bn−50B0が設けられる。
比較回路50Am−50A0は、それぞれ正入力にId変換回路30の出力電圧Vidnを受け、負入力に対応の抵抗素子の下側ノードの電圧を受ける。一方、比較回路50Bn−50B0においては、これらの比較回路50Am−50A0と逆に、負入力に検知電圧Vidnを受け、正入力に対応の抵抗素子の下側ノードの電圧を受ける。比較回路50Ai(i=0−m)は、正入力の電位が負入力の電位よりも高いときに対応の切換信号SWAiをHレベルに設定する。同様、比較回路50Bj(j=0−n)は、正入力の電位が負入力の電位よりも高いときに対応の切換信号SWBjをHレベルに設定する。
比較回路50Am−50A0から、それぞれ、切換信号SWAm−SWA0が出力され、比較回路50Bn−50B0から、それぞれ、切換信号SWA0−SWB0が出力される。これらの切換信号SWAm−SWA0およびSWBn−SWB0が図5に示すローカル電源回路35の容量素子C3−Ckに対して設けられるMOSトランジスタNN3−NNkのオン/オフを制御するために利用することにより、正確に合成容量C2plusの値を調整することができ、マッチ線参照電位MLREFを調整することができる。
複数の切換信号を生成することにより、より正確に、モニタ用MOSトランジスタNT30を流れる電流量に応じて内部環境(マッチ線参照電位MLREF等)を調整することができる。特に、後に説明するような動作電流および電圧レベルをより精密に調整することが可能となる。
また、これらの切換信号SWAm−SWA0を、電流または電圧を上昇させるための制御信号として使用し、また、切換信号SWBn−SWB0を電流または電圧レベルを低下させる切換信号として利用することもできる。
したがって、複数の切換信号を生成することにより、モニタ用MOSトランジスタNT30のドレイン電流の大きさに応じて内部動作環境を精密に調整することができる。
[電流モニタ回路の変更例5]
図16は、この電流モニタ回路18の変更例5の構成を概略的に示す図である。図16に示す電流モニタ回路18においては、Id検知回路30において、モニタ用PチャネルMOSトランジスタPT31が用いられる。Id判定回路32においては、図15に示すId判定回路32の構成と同様、抵抗素子RAm−RA0、RBn−RB0およびRCが直列に電源ノードと接地ノードの間に直列に接続される。この抵抗素子RAm−RA0およびRBn−RB0に対応して比較回路50Cm−50C0および50Dn−50D0が設けられる。比較回路50Cm−50C0は、負入力に、Id検知回路30からの変換電圧Vidpを受け、正入力に対応の抵抗素子の下側ノードの電圧を受ける。比較回路50Dn−50D0は、正入力に変換電圧Vidpを受け、負入力に対応の抵抗素子の下側ノードの電圧を受ける。比較回路50Cm−50C0から、それぞれ、切換信号SWAm−SWA0が出力され、比較回路50Dn−50D0から、それぞれ、切換信号SWBn−SWB0が出力される。これらの比較回路は、正入力の電位が負入力の電位よりも高いときに出力する切換信号をHレベルに設定する。
図16に示す電流モニタ回路18の構成においては、Id検知回路30においてモニタ用PチャネルMOSトランジスタPT31が用いられている。したがって、比較回路50Cm−50C0および50Dn−50D0から出力される切換信号SWAm−SWA0およびSWBn−SWB0の論理は、図15に示す電流モニタ回路18の切換信号の論理と同じである。この図16に示す構成を利用しても、図15に示す電流モニタ回路と同様、電圧/電流をきめ細かく調整することができる。
[電流モニタ回路の変更例6]
図17は、電流モニタ回路18の変更例6の構成を概略的に示す図である。図17に示す電流モニタ回路18においては、Id検知回路30において、活性化用のPチャネルMOSトランジスタPT30と内部出力ノードの間に可変抵抗素子60が設けられる。内部出力ノードと接地ノードの間に、そのゲートが電源電圧VDDを受けるNチャネルMOSトランジスタNT30が設けられる。可変抵抗素子60は、図14に示す可変抵抗回路の構成と同様の構成を有し、図示しないヒューズプログラム回路からのプログラムチューニング信号に従ってその抵抗値がチューニングされる。
Id判定回路32においては、温度参照電位を生成する温度参照電位発生回路62と、この温度参照電位発生回路の出力電位をId検知回路30の出力電圧Vidntのレベルと比較する比較回路50E0−50E3が設けられる。温度参照電位発生回路62は、電源ノードと接地ノードの間に直列に接続される抵抗素子RR4−RR0を含む。抵抗素子RR4−RR0の接続ノードから参照電位T120、T100、T80およびT60が生成される。これらの参照電位T120、T100、T80およびT60は、それぞれ、温度120℃、100℃、80℃および60℃に対応する参照電位である。なお、検知対象の温度は、抵抗素子RR0−RR4等の抵抗比によって任意に設定することができる。
比較回路50E0−50E3は、それぞれ、正入力に検知電圧Vidntを受け、負入力に、それぞれ対応の温度参照電位T120−T60を受ける。これらの比較回路50E0−50E3から、それぞれ、切換信号SW120、SW100、SW80およびSW60が出力される。
図18は、図17に示す電流モニタ回路の可変抵抗素子60の抵抗値チューニング前の検知電圧Vidntと温度との関係を示す図である。図18において、縦軸に、検知電圧Vidntを示し、横軸に温度Tjを示す。
CAMチップにおけるトランジスタの仕上がり条件がワースト仕上がり条件の場合、検知用MOSトランジスタNT30のドレイン電流Idは、典型(ティピカル仕上がり)条件に比べて、小さくオン抵抗が高く、検知電圧Vidntが高くなる。一方、仕上がり条件がベスト仕上がり条件の場合、典型条件に比べて、ドレイン電流Idが大きく、検知電圧Vidntが低くなる。
MOSトランジスタにおいては、図18において直線I、IIおよびIIIでそれぞれ示すように、温度Tjが上昇するにつれて、オン抵抗が高くなり、検知電圧Vidntのレベルが高くなる(MOSトランジスタのオン抵抗が正の温度依存性を有するため)。全温度範囲に渡って、仕上がり条件に応じて検知電圧Vidnのレベルが異なる。
仕様動作温度上限値には通常130℃が規定される。仕様で規定される動作温度の中間の温度80℃に注目する。図示しないヒューズプログラム回路のヒューズプログラムに応じて、可変抵抗素子60の抵抗値を80℃において仕上がり条件に関わらずすべて同じ値となるように、仕上がり条件に応じて抵抗値を設定する。この場合、図19に示すように、ワースト仕上がり条件、ベスト仕上がり条件および設計値に近いティピカル仕上がり条件それぞれについて検知電圧Vidntの温度依存性が等しくなる。
この図17に示す電流モニタ回路18においては、比較回路50E0−50E3からの切換信号SW120、SW100、SW80、SW60は、検知電圧Vidntが対応の温度参照電位T120−T60よりも高くなるとHレベルとなる。これにより、CAMチップ内部の温度を検出することが可能となる。図17に示すように、比較回路50F0−50F3の出力する切換信号SW120、SW100、SW80、およびSW60に従って内部の動作温度に応じて、その電圧レベル(または後に説明する電流値)を調整することにより、全温度範囲に渡って正確かつ高速に検索動作を行うことができる。
なお、この検出温度に応じたレベル調整およびトランジスタの仕上がり具合に応じたレベル調整が個々に用いられてもよく、また、組合わせて用いられてもよい。
[電流モニタ回路の変更例7]
図20は、電流モニタ回路18の変更例7の構成を概略的に示す図である。この図20に示す電流モニタ回路18は、以下の点で、図17に示す電流モニタ回路と、電流モニタ用トランジスタとしてPチャネルMOSトランジスタPT31が用いられる。すなわち、電源ノードと内部出力ノードの間に、モニタ用のPチャネルMOSトランジスタPT31が接続され、内部出力ノードと接地ノードの間に可変抵抗素子64およびNチャネルMOSトランジスタNT31が直列に接続される。この可変抵抗素子64は、その抵抗値が図示しないヒューズプログラム回路によりチューニング可能である。
Id判定回路32においては、比較回路50F0−50F3が、それぞれ、負入力にId検知回路からの検知電圧Vidptを受け、正入力に、それぞれ、温度参照電位発生回路62からの温度参照電位T60、T80、T100およびT120を受ける。比較回路50F0−50F3から、それぞれ、切換信号SW60、SW80、SW100およびSW120が出力される。
すなわち、この図20に示す電流モニタ回路18において、PチャネルMOSトランジスタPT31のドレイン電流の温度依存性に基づいて、切換信号SW60、SW80、SW100およびSW120を生成する。
PチャネルMOSトランジスタPT31も、オン抵抗が正の依存性を有しており、温度上昇とともに、そのドレイン電流が低下する。したがって、図21に示すように、可変抵抗素子64の抵抗値のチューニング前においては、CAMチップのトランジスタの仕上がり条件がベスト仕上がり条件、典型的な(ティピカル)仕上がり条件、およびワースト仕上がり条件の場合、それぞれ、温度Tjの上昇とともに、検知電圧Vidptの電圧レベルが低下する。検知電圧Vidptは、ワースト仕上がり条件の場合、ドレイン電流が最も小さく、検知電圧Vidptが低く、ベスト仕上がり条件の場合、MOSトランジスタPT31のドレイン電流が大きく、検知電圧Vidptの電圧レベルが最も高い。
この状態において、可変抵抗素子64の抵抗値を、たとえば温度80℃においてすべての仕上がり条件において一致するように調整する。温度80℃に着目するのは、図17に示す電流モニタ回路の調整の場合と同じ理由による。
この可変抵抗素子64の抵抗値のチューニング後、図22に示すように、仕上がり条件に関わらず、検知電圧Vidptの温度依存性が等しくなる。したがって、たとえば温度80℃において検知電圧Vidpのレベルを一致させることにより、CAMチップにおける動作温度を検出することができる。これにより、図20に示すように比較回路50F0−50F3の出力する切換信号SW60、SW80、SW100およびSW120に従って、内部の動作温度に応じて、その電圧レベル(または後に説明する電流量)を調整することにより、全温度範囲に渡って正確かつ高速に検索動作等を行なうことができる。
これまでに説明した電流モニタ回路の構成のいずれが用いられてもよい。また、温度検出によるレベル調整、仕上がり条件によるレベル調整および両者によるレベル調整のいずれが行われても良い。モニタ用MOSトランジスタのドレイン電流をモニタし、そのドレイン電流量に応じた検知電位に応じて内部動作環境を調整することにより、正確に各チップ毎に動作条件を設定することができ、低消費電流動作および高速動作を実現することができる。
[マッチ線プリチャージ電圧発生回路の構成]
図23は、マッチ線プリチャージ電圧(基準電位)VMLを発生する回路の構成の一例を概略的に示す図である。このマッチ線プリチャージ電圧発生回路は、図1に示す電源回路14に含まれる。図23において、このマッチ線プリチャージ電圧(基準電位)VMLを発生する回路は、参照電位Vturを生成するチューナブル参照電位発生回路66と、チューナブル参照電位Vturに従ってマッチ線プリチャージ電位VMLを生成するマッチ線基準電位発生回路68を含む。
チューナブル参照電位発生回路66は、ヒューズプログラム回路16に含まれるローカルヒューズプログラム回路16Mからのプログラム信号に従って参照電位Vturの電位レベルを固定的に調整する。
マッチ線基準電位発生回路68は、電流モニタ回路18に含まれるモニタ回路18Mからの切換信号SWIおよびSWDに従ってマッチ線プリチャージ電位VMLのレベルを調整する。このマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルは、電源電圧VDDの1/2倍から1/5倍のレベルの範囲である。
電流モニタ回路18Mとしては、先に説明した電流モニタ回路のいずれの構成が用いられてもよく、レベル上昇切換信号SWIおよびレベル降下切換信号SWDを生成する構成であればよい。
図24は、図23に示す回路のマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベル調整動作を模式的に示す図である。以下、図23を参照して、図23に示すマッチ線プリチャージ電位VMLの調整動作について説明する。
不一致時(MISS時)において、マッチ線が放電され、マッチ線電位MLMAは徐々に低下する。この場合、1ビットのCAMセルのみの放電電流(検索データと記憶データとが1ビットのみ異なる場合の最小放電電流)である1ビットミス電流Imissが、トランジスタ仕上がり条件または動作温度に応じて異なる。マッチ線電位MLMAが、ミス電流により、ッチ線参照電位MLREFよりも低下し、電位差ΔVが生じる。この電位差ΔVを、クロスカップル型マッチアンプで増幅する。
CAMチップのトランジスタの仕上がり条件が、ワースト条件であり、1ビットミス電流Imiss(w)が小さい場合、クロスカップル型マッチアンプのトランジスタにおいても、その仕上がり条件が悪く、ドレイン電流(Id)は小さい。クロスカップル型マッチアンプにおいて電位差ΔVが小さい場合、高速でセンス動作を行なうことができなくなる。
このとき、マッチ線プリチャージ電位VMLを高くし、応じてマッチ線参照電位MLREFを高くする(マッチ線参照電位MLREFは、マッチ線プリチャージ電圧VMLの容量分割により与えられる)。マッチ線プリチャージ電位VMLを上昇させ、マッチ線電位MLMAとマッチ線参照電位MLREFの電位差ΔVが小さい場合でも、クロスカップル型マッチアンプにおいて、これらの電位をゲートに受けるNチャネルMOSトランジスタのドレイン電流(Id)が増加し、高速でかつ高感度でセンス動作を行なって検索結果判定信号を生成することができる。
また、一致時(HIT時)においては、マッチ線MLは、プリチャージ電位VMLレベルに維持される。このとき、このマッチ線MLは、CAMセルのサーチトランジスタのオフリーク電流Ioffにより放電され、マッチ線電位MLMAが低下する。したがって、仕上がり条件がベストの場合、オフリーク電流Ioff(b)は大きくなり、消費電流が増大する。
このときには、マッチ線プリチャージ電位VMLを低下させて、オフリーク電流による消費電力を低減する。この調整の場合、クロスカップル型マッチアンプにおいて、このマッチ線プリチャージ電位MLREFが応じて低下するものの、トランジスタはベスト仕上がり条件であり、大きなドレイン電流を駆動することができ、マッチアンプは、高速で、センス増幅動作を行なうことができる。
また、マッチ線基準電位MLREFは、容量素子の容量分割によりマッチ線プリチャージ電圧VMLから生成される。この容量分割比を電流モニタ回路の出力信号に従って調整することにより、マッチアンプの誤動作(誤判定)を防止することができる。
また、この仕上がり条件が典型条件であっても、温度上昇時、ドレイン電流(Id)が減少するため、ワースト条件と同様の状態が生じ、また温度低下時において、ドレイン電流が増加するため、ベスト仕上がり条件と同様の状態が生じる。従って、温度に応じて同様の調整動作を行なって、マッチ線電位MLMAのプリチャージ時の電位を調整する。以下、図23に示す回路の各部の構成について説明する。
図25は、図23に示すローカルヒューズプログラム回路16Mおよびチューナブル参照電位発生回路66の構成の一例を示す図である。図25において、ローカルヒューズプログラム回路16Mは、ヒューズプログラム回路16内において、マッチ線プリチャージ電位VMLのプログラム専用に設けられ、一端が電源ノードにそれぞれ接続される抵抗素子RM0−RM3と、これらの抵抗素子RM0−RM3と接地ノードの間に接続されるヒューズ素子FM0−FM3を含む。ヒューズ素子FM0−FM3の溶断/非溶断の状態に応じて、チューニング信号TUNE<0>−TUNE<3>が生成される。チューニング信号TUNE<0>−TUNE<3>は、対応のヒューズ素子FM0−FM3が溶断状態のときにHレベルに設定され、非溶断状態のときにはLレベルに設定される。
チューナブル参照電位発生回路66は、ソースが電源ノードに接続される活性化PチャネルMOSトランジスタPT40と、MOSトランジスタPT40と接地ノードの間に直列に接続される抵抗素子R10−R1とを含む。MOSトランジスタPT40と出力ノードND40の間に抵抗素子R10−R6が直列に接続され、出力ノードND40と接地ノードの間に抵抗素子R5−R1が直列に接続される。抵抗素子R3、R4およびR5は、抵抗素子R2の抵抗値の1/2倍、1/4倍および1/8倍の抵抗値を有する。抵抗素子R6−R9は、それぞれ、抵抗素子R2の抵抗値の1/8倍、1/4場合、1/2倍、および1/1倍の抵抗値を有する。すなわち、内部出力ノードND40に関して同じ抵抗値を有する抵抗素子が対称的に配置される。
抵抗素子R2−R9と並列に、CMOSトランスミッションゲートTM2−TM9が設けられ、CMOSトランスミッションゲートTM2−TM9それぞれに対応してバッファBF2−BF5およびインバータVF6−VF9が設けられる。バッファBF5およびインバータVF6がチューニング信号TUNE<0>を受け、バッファBF4およびインバータVF7がチューニング信号TUNE<1>を受ける。バッファBF3およびインバータVF8がチューニング信号TUNE<2>を受け、バッファBF2およびインバータVF9がチューニング信号TUNE<3>を受ける。
バッファBF2−BF5およびインバータVF6−VF9により、CMOSトランスミッションゲートTM5−TM2およびTM6−TM9が相補的に導通状態となる。たとえば、チューニング信号TUNE<0>がHレベルのときには、CMOSトランスミッションゲートTM5がオン状態、CMOSトランスミッションゲートTM6がオフ状態となる。
抵抗素子R2−R9は、対応のトランスミッションゲートTM2−TM9がオン状態のとき短絡され、抵抗値は無効となる。チューニング参照電位Vturは、次式で洗わずことができる:
Vtur=VDD・(抵抗素子R1−R5のうちの有効な抵抗値の和)÷(抵抗素子R1−R10のうちの有効な抵抗値の和)
ここで、有効な抵抗値は、対応のトランスミッションゲートが非導通状態の抵抗素子の抵抗値である。
このヒューズプログラム回路16Mにおいては、製造工程最終工程のテスト工程完了後、この電圧レベルが最適値(設計値)に対応するようにヒューズ素子FM−FM3の溶断/非溶断がプログラムされる。
図26は、図23に示すマッチ線基準電位発生回路68の構成の一例を示す図で、いわゆる、PMOSドライバ型VDCの構成を示す。図26において、マッチ線基準電位発生回路68は、チューナブル参照電位発生回路66からのチューニング参照電位Vturをレベルシフトするレベルシフタ72と、マッチ線プリチャージ電位VMLをレベルシフトするレベルシフタ73と、このレベルシフタ72および73の出力電圧を比較する誤差増幅器70と、誤差増幅器70の出力信号に従ってマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルを出力するドライブ用PチャネルMOSトランジスタ74を含む。
レベルシフタ72は、電源ノードと接地ノードの間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQ40およびPQ41を含む。PチャネルMOSトランジスタPQ40はゲートに接地電圧を受けて、抵抗素子として動作する。MOSトランジスタPQ41は、チューニング参照電位Vturをそのゲートに受けソースフォロアモードで動作し、そのしきい値電圧の絶対値(Vthp)だけゲート電位をレベルシフトし、レベル調整後の参照電位を生成する。
レベルシフタ73は、同様、電源ノードと接地ノードとの間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQ42およびQ43を含む。MOSトランジスタPQ42は、そのゲートが接地ノードに接続されて、抵抗モードで動作する。MOSトランジスタPQ43はゲートにマッチ線基プリチャージ電圧VMLを受け、そのしきい値電圧の絶対値(Vthp)だけレベルシフトして出力する。このレベルシフタ72および73により、誤差増幅器70が検知できるレベルに、チューニング参照電位Vturおよびマッチ線プリチャージ電圧VMLを上昇させて、誤差増幅器70を動作させる。これにより、たとえばマッチ線プリチャージ電圧VMLが、たとえば0.5Vから0.25Vの低電位の場合でも、安定に増幅動作を行なうことができる。
誤差増幅器70は、電源ノードと内部ノードND42の間に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQ40と、ゲートおよびドレインがそれぞれ内部ノードND42に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQA10−PQA1mと、これらのMOSトランジスタPQA10−PQA1mと直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQA00−PQA0mを含む。このMOSトランジスタPQA00−PQA0mは、それぞれインバータIVA0−IVAmを介して減分切換信号SWD0−SWDmを受ける。
減分切換信号SWD0−SWDmは、図15に示す電流モニタ回路から生成される切換信号SWA0−SWAmに対応する。電流モニタ回路18においてモニタ用MOSトランジスタのドレイン電流が大きいとき、減分切換信号SWD0−SWDmを選択的に“1”に設定してマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルを低下させることができる。
誤差増幅器70は、さらに、電源ノードと内部ノードND44の間に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQ41と、ゲートおよびドレインが相互接続されるPチャネルMOSトランジスタPQB10−PQB1mと、これらのMOSトランジスタPQB10−PQB1mそれぞれと直列に電源ノードとの間に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQB00−PQB0mを含む。
MOSトランジスタPQB00−PQB0mは、インバータIVB0−IVBmを介して与えられる増分切換信号SWI0−SWImをゲートに受ける。増分切換信号SWI0−SWImは、図15に示す電流モニタ回路の出力する切換信号SWB0−SWBnに対応する。電流モニタ回路18内においてモニタ用MOSトランジスタのドレイン電流(Id)が小さいときに、ドレイン電流量に応じて、増分切換信号SWI0−SWInを選択的に“1”に設定することにより、マッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルを上昇させることができる。
誤差増幅器70は、さらに、コモンソースと内部ノードND42の間に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ40と、それぞれ互いに直列に接続されるMOSトランジスタNチャネルMOSトランジスタNQA00−NQA0mおよびNQA10−NQA1mと、コモンソースと内部ノードND44の間に設けられるNチャネルMOSトランジスタNQ41およびNQB0−NQBmおよびNQB10−NQB1mと、動作電流を調整するNチャネルMOSトランジスタNTA0−NTA2を含む。NチャネルMOSトランジスタNQ41およびNQB0−NQBmおよびNQB10−NQB1mは、それぞれ、互いに直列に接続される。
MOSトランジスタNQ40およびNQA10−NQA1mは、各々、ゲートにレベルシフタ72の出力電圧を受け、そのドレインが内部ノードND42に接続される。MOSトランジスタNQA00−NQA0mは、MOSトランジスタNQA10−NQA1mと直列に接続され、それぞれのゲートに増分切換信号SWI0−WSImを受ける。
MOSトランジスタNQB10−NQB1mは、各々のドレインが内部ノードND44に接続され、それぞれのゲートにレベルシフタ73の出力電圧を受ける。MOSトランジスタNQB00−NQB0mは、それぞれのゲートに減分切換信号SWD0−SWDmを受ける。
NチャネルMOSトランジスタNTA0は、そのゲートに活性化信号ENVDを受け、MOSトランジスタNTA1およびNTA2は、それぞれゲートにANDゲートGTaおよびGTbの出力信号を受ける。ANDゲートGTaは、活性化信号ENVDおよび増分切換信号SWAを受ける。活性化信号ENVDは、アサート時にマッチ線基準電位発生回路を活性化する信号である。ANDゲートGTbは、インバータIVCを介して与えられる減分切換信号SWBと活性化信号ENVDを受ける。
切換信号SWAおよびSWBは、上述の切換信号SWI0−SWImおよびSWD−SWDmと同一の電流モニタ回路から生成されてもよく、また、別の電流モニタ回路から生成されてもよい。切換信号SWAは、電流モニタ回路のモニタ用トランジスタのドレイン電流が設定された基準値よりも小さいときにアサートされ、誤差増幅器70の動作電流を増加させ、その動作速度を増加させる。切換信号SWBは、モニタ用トランジスタのドレイン電流が設定された基準値よりも大きいときにアサートされ、誤差増幅器70の動作電流を低減して、消費電流の低減およびエレクトロマイグレーション耐性を確保する。活性化信号ENVDは、図1に示す制御回路9から生成され、一例として、この半導体装置(CAMチップ)の電源投入に応じてアサートされる。
なお、図26においては、一例として、切換信号SWAおよびSWBの合計2種類の切換信号に対応するMOSトランジスタしか示していない。しかしながら、これらの切換信号SWAおよびSWBの一方のみと対応のMOSトランジスタのみが設けられる構成が利用されてもよい。
図15に示す電流モニタ回路のように複数の切換信号を生成する場合には、MOSトランジスタNTA1およびNTA2の数をそれぞれ複数個設けて、複数の切換信号に対応させることにより、より細かく動作速度および動作電流を制御することができる。
内部出力ノードには、さらに、このマッチ線プリチャージ電位を安定化するための容量素子76が設けられる。誤差増幅器70は、レベルシフタ72および73の出力電圧を比較し、その比較結果に応じてドライブ用PチャネルMOSトランジスタ74のゲート電位を調整する。
図26に示す切換信号SWI0−SWImは、Hレベルのときに、マッチ線プリチャージ電圧VMLの電位レベルを上昇させる指示を与える。すなわち、増分用切換信号SWI0−SWImがアサート(Hレベル)されるのは、電流モニタ回路のId検知回路におけるドレイン電流Idが少ない場合である。
増分切換信号SWI0−SWImが選択的にアサート(Hレベル)されると、MOSトランジスタPQB0m−PQB00が選択的にオン状態となり、また、MOSトランジスタNQA00−NQA0mが選択的にオン状態となる。この場合、MOSトランジスタPQ41およびPQB10−PQB1mに流れる電流量が増大し、内部ノードND41のDン圧レベルが上昇し、応じて、MOSトランジスタPQ40を流れる電流量が低減される。同時に、MOSトランジスタNQ40およびNQA10−NQA1mを流れる電流量が増大し、内部ノードND42の誤差増幅器70がスタンバイ状態のときの電位レベルを低下させる。
応じて、内部ノードND42の電位をゲートに受けるドライブ用PチャネルMOSトランジスタ74の出力するマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルを上昇させる。
なお、PチャネルMOSトランジスタPQB10−PQB1mおよびPQB00−PQB0m、およびインバータIVB0−IVBmの組合せと、NチャネルMOSトランジスタNQB10−NQB1mおよびNQB00−NQB0mの組合せの、いずれか一方のみが搭載されても、マッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルを上昇させる効果を得ることができる。
図26に示すVDC回路(基準電位発生回路)は、電流消費によりマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルが低下するとき、誤差増幅器70がレベル低下を検知してノードND42の出にレベルを低下させ、ドライブ用PチャネルMOSトランジスタ74をオンさせて電流の供給を行う。この電流供給によりマッチ線プリチャージ電圧VMLが所定のレベルに上昇すると、誤差増幅器70は、内部ノードND42の電位レベルを上昇させてドライブ用PチャネルMOSトランジスタ74をオフ状態として電流の供給を停止し、このVDC回路のスタンバイ状態に復帰する。通常は、このMOSトランジスタドライバ74の電流供給動作およびスタンバイ復帰が間歇的に繰返し実行される。一般に、出力電位が安定して見えるのは、安定化容量素子76の容量または電圧供給対象の負荷容量が十分に大きい場合に平均化されているためである。
また、内部ノードND42の誤差増幅器70のスタンバイ時の電位レベルを上昇させると、誤差増幅器70が動作を開始するまたはスタンバイ状態となるマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルは、参照電圧Vturに対して低くなる。逆に、内部ノードND42の電位レベルを低下させると、誤差増幅器70が動作を開始するまたは停止する(ドライバトランジスタ74が電流を供給するまたは供給を停止する)マッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルは、参照電圧Vturに対して高くなる。これにより、内部ノードND42の、誤差増幅器70がスタンバイ状態のときの電位レベルを制御することにより、マッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルを調整することができる。
電流モニタ回路のモニタ用MOSトランジスタのドレイン電流(Id)が少ないとき、すなわち、トランジスタ仕上がり条件が不良の場合または高温動作条件下においては、電流増分信号SWI0−SWImを、選択的に活性化してれ、マッチ線プリチャージ電圧VMLの電位レベルを上昇させ、マッチ線に対して設けられるクロスカップル型マッチアンプを高速動作させる。
一方、減分切換信号SWD0−SWDmが、選択的に活性化されると、MOSトランジスタPQA00−PQA0mが選択的にオン状態となり、内部ノードND42への供給電流が増加し、内部ノードND42のスタンバイ時の電位レベルを上昇させる。また、並行して、MOSトランジスタNQB00−NQB0mも選択的にオン状態となり、接地ノードへの放電電流量が増加し、内部ノードND44のスタンバイ時の電位レベルを低下させる。カレントミラー動作により、MOSトランジスタPQ40および選択されたMOSトランジスタPQA10−PQA1mの内部ノードND42への供給電流量が増大し、内部ノードND42の誤差増幅器70のスタンバイ時の電位レベルを上昇させる。この内部ノードND42のスタンバイ時の電位レベルの上昇に応じて、マッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルが低下する。
減分切換信号SWD0−SWDmが選択的にアサートされるのは、電流モニタ回路におけるモニタ用MOSトランジスタのドレイン(Id)が大きい場合である。
この条件下においては。マッチ線プリチャージ電位を低下させることにより、仕上がり条件不良のCAMセルにおけるオフリーク電流を低減でき、マッチ線の電位振幅を低減することができ、消費電流を低減することができる。また、低温動作時においては、電流モニタ回路内のモニタ用MOSトランジスタのドレイン電流が増加するため、マッチアンプのマッチ線電位MLMAおよびマッチ線参照電位MLREFがともに低下し、マッチアンプのトランジスタのドレイン電流が適度に低減され、検知動作特性を温度補償して安定に検知動作を行うことができる。
また、切換信号SWAおよびSWBを選択的に活性化することにより、MOSトランジスタNTA1およびNTA2が、選択的にオンおよびオフ状態となる。MOSトランジスタNTA1およびNTA2がともにオン状態のときには、誤差増幅器70の動作電流が最も大きい状態となる。減少切換信号SWBをアサートさせると、インバータIVCの出力信号はLレベルとなり、応じて、ANDゲートGTbの出力信号がLレベルとなり、MOSトランジスタNTA2がオフ状態となる。これにより、誤差増幅器70の動作電流を低減することができる。一方、切換信号SWAがHレベルにアサートされると、MOSトランジスタNTA1がオン状態となり、そのときには、切換制御信号SWBがLレベルであれば、MOSトランジスタNTA1およびNTA2がともにオン状態となり、動作電流が増加される。
したがって、誤差増幅器70を構成するMOSトランジスタの仕上がり条件に応じて電流モニタ回路の出力信号に従ってその動作電流を調整することにより、高速の増幅動作を行なうことができる。この場合、切換信号SWAおよびSWBは、MOSトランジスタの仕上がり条件でなく、温度検出信号であってもよく、また、切換信号SWI0−SWImおよびSWD0−SWDmも、温度検知信号であってもよい。高温時には、検知ドレイン電流が低下するため、プリチャージ電圧VMLのレベルを上昇させるとともに、誤差増幅器70の動作電流を増加させる。逆に低温時には、ドレイン電流Idが増加した状態に対応するのと同様の調整を行ない、誤差増幅器70の動作電流の低減およびマッチ線基プリチャージ電圧VMLのレベル低下を行なう。これにより、仕上がり条件および/または温度に応じたレベル調整を行なうことができる。
[基準電位発生回路の変更例1]
図27は、図23に示すマッチ線基準電位発生回路68の変更例の構成を概略的に示す図である。図27に示すマッチ線基準電位発生回路68は、NMOSドライバ型VDC(内部電圧発生回路)80と、PMOSドライバ型VDC82とを含む。このPMOSドライバ型VDC82は、図26に示す構成と同じ構成を有し、図27においては、単に、その構成をブロックで示す。
NMOSドライバ型VDC80は、チューナブル参照電位発生回路66からの参照電位Vturとマッチ線プリチャージ電圧VMLとを比較する誤差増幅器70を含む。誤差増幅器70は、内部ノードND45にドレインが結合されるPチャネルMOSトランジスタPQ45およびPチャネルMOSトランジスタPQC10−PQC1mと、これらのMOSトランジスタPQC10−PQC1mそれぞれと内部ノードND45との間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQC00−PQC0mと、内部ノードND47にドレインが結合されるPチャネルMOSトランジスタPQ46およびPチャネルMOSトランジスタPQD10−PQD1mと、これらのMOSトランジスタPQD10−PQD1mそれぞれと内部ノードND47との間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQD00−PQD0mとを含む。
MOSトランジスタPQC00−PQC0mは、それぞれゲートにインバータIVD0−IVDmを介して与えられる増分切換信号SWI0−SWImを受ける。MOSトランジスタPQD00−PQD0mは、それぞれ、インバータIVE0−IVEmを介して与えられる減分切換信号SWD0−SWDmをゲートに受ける。
誤差増幅器70は、さらに、内部ノードND45に各々ドレインおよびゲートが接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ47およびNQC10−NQC1mと、MOSトランジスタNQC10−NQC1mと接地ノードの間に直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQC00−NQC0mと、内部ノードND45にドレインおよびゲートが相互接続されるNチャネルMOSトランジスタNQD10−NQD1mと、これらのMOSトランジスタNQD10−NQD1mと接地ノードの間にそれぞれ直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQD00−NQD0mと、ゲートが内部ノードND45に接続され、ドレインが内部ノードND47に接続され、ソースが接地されるNチャネルMOSトランジスタNQ48を含む。
MOSトランジスタNQC00−NQC0mが、ゲートに減分切換信号SWD0−SWDmを受ける。MOSトランジスタNQD00−NQD0mは、それぞれゲートに増分切換信号SWI0−SWImを受ける。
誤差増幅器70は、さらに、電源ノードと内部ノードND46の間に接続されるPチャネルMOSトランジスタPTB0−PTB2を含む。MOSトランジスタPTB0は、そのゲートにインバータIVF0を介して活性化信号ENVDを受ける。この活性化信号ENVDは、誤差増幅器70を活性化する信号である。
MOSトランジスタPTB1およびPTB2は、それぞれのゲートにNANDゲートNGT1およびNGT2の出力信号を受ける。NANDゲートNGT1が、活性化信号ENVDとバッファBUF0を介して与えられる増分切換信号SWAとを受け、これらの信号のNAND処理をした信号を出力する。NANDゲートNGT2は、インバータIVF1を介して与えられる減分切換信号SWBと活性化信号ENVDとを受け、受けた信号の難所処理を行った信号を出力する。
さらに、内部出力ノードND48に対してNチャネルMOSトランジスタ84と、安定化容量素子76とが設けられる。NチャネルMOSトランジスタ84は、内部出力ノードND48と接地ノードの間に接続され、かつそのゲートが内部ノードND45に接続される。安定化容量素子76は、内部ノードND48上のマッチ線プリチャージ電位VMLを安定に保持する。
NMOSドライバ型VDC80は、図26に示すPMOSドライバ型VDCのMOSトランジスタのPチャネル型およびNチャネル型を反転し、かつ接地ノードおよび電源ノードを反対にしたものである。
すなわち、増分切換信号SWI0−SWImが選択的にアサートされると、同時にPチャネルMOSトランジスタPQC00−PQC0mが選択的にオン状態となり、またNチャネルMOSトランジスタNQD00−NQD0mが選択的にオン状態となる。MOSトランジスタNQ47およびNQC10−NQC1mとNチャネルMOSトランジスタNQ48、NQD10−NQD1mがカレントミラー回路を構成する。したがって、この場合、内部ノードND45の誤差増幅器70のスタンバイ時の電位レベルが下降し、応じて、マッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルが上昇する。
図27に示すNMOSドラバ型VDC回路80は、何らかのマッチ線プリチャージ電圧VMLへの電流供給によりマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルが上昇したとき、誤差増幅器70が動作を開始して、内部ノードND45の電位レベルを上昇させ、NチャネルMOSドライバトランジスタ84をオン状態として、接地ノードへの放電を行う。また、放電または電流消費によってマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルが所定レベルに低下すると、誤差増幅器70は、内部ノードND45のレベルを低下させて、NチャネルMOSドライバトランジスタ84をオフ状態として、放電動作を停止させて、スタンバイ状態に戻る。
通常は、これらの動作が繰返し間歇的に実行される。一般に、出力電位が安定化して見えるのは、安定化容量素子76の容量値または供給対象の負荷容量が大きい場合に、平均化されているからである。
また、内部ノードND45の誤差増幅器70のスタンバイ時の電位レベルを上昇させると、誤差増幅器70が動作を開始する(ドライバトランジスタによる電流の放電開始)またはスタンバイ復帰(電流放電の停止)の電位レベルが、参照電圧BVturに対して低くなる。逆に、内部ノードND45のスタンバイ時の低下させると、誤差増幅器70が動作を開始するまたはスタンバイに復帰するマッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルが参照電圧Vturに対して高くなる。このようにして、内部ノードND45の誤差増幅器70のスタンバイ時の電位レベルを制御することにより、マッチ線プリチャージ電圧VMLのレベルを調整することができる。
この図27に示すNMOSドライバ型VDC80においては、図26に示すようなレベルシフタは設けられていない。これは、参照電圧Vturおよびマッチ線プリチャージ電圧VMLを、PチャネルMOSトランジスタPQ45、PQC10−PQC1m、PQ46、およびPQD10−PQD1mのゲートに受けており、これらの電位レベルが低い場合でも、確実に、飽和領域で動作して、正確に電流変化を生じさせることができるためである。
図27に示すマッチ線基準電位発生回路の場合、PMOSドライバ型VDC82およびNMOSドライバ型VDC80両者を利用している。したがって、マッチ線プリチャージ電圧VMLが、設定電位レベル以下のときにはPMOSドライバ型VDC82によりプルアップされ、一方、設定電位レベルよりも高い場合には、NMOSドライバ型VDC80によりプルダウンされる。したがって、確実に、マッチ線プリチャージ電位VMLを、所望の電位レベルに維持することができる。
この図27に示すマッチ線基準電位発生回路の構成においても、正確に、電流モニタ回路の出力信号に従って、トランジスタ特性および動作温度に対応して、必要とされるマッチ線プリチャージ電位レベルを調整することができる。
[マッチ線基準電位生成部の変更例]
図28は、図23に示すマッチ線基準電位生成部の変更例の構成を概略的に示す図である。図23に示すチューナブル参照電位発生回路66は、ローカルヒューズプログラム回路16Mからのチューニング信号のみが与えられるのに対し、図28に示すチューニング機能付参照電位発生回路90に対しては、ローカルヒューズプログラム回路16Mからのチューニング信号とともに電流モニタ回路18Mからの切換信号SWIおよびSWDが与えられる。
図28に示すマッチ線基準電位発生回路68には、ローカルヒューズプログラム回路16Mからのチューニング信号および電流モニタ回路18Mからの切換信号SWIおよびBSWDは与えられない。マッチ線基準電位発生回路68は、チューニング機能付参照電位発生回路90の出力する参照チューニング電圧Vturのみに従って、マッチ線プリチャージ電圧(マッチ線基準電圧)VMLを生成する。
すなわち、図28に示す構成においては、参照電圧Vturの電位レベルが、電流モニタ回路18Mに含まれるモニタ用MOSトランジスタのドレイン電流(Id)の大きさに応じて調整される。
図29は、図28に示すチューニング機能付き参照電位発生回路90の構成の一例を概略的に示す図である。図29において、チューニング機能付き参照電位発生回路90は、固定値を生成する固定値生成回路92と、電流モニタ回路18Mの出力信号SWI<2:1>およびSWD<2:1>に従ってチューニング信号TUNEと固定値生成回路92の出力値との演算を行なう演算器94と、この演算器94の出力値Yに従って抵抗分割比が調整され、レベル調整された参照電位Vturを生成するチューナブル参照電位発生回路66とを含む。
チューニング信号TUNEは、ローカルヒューズプログラム回路16Mに含まれるヒューズ素子FM0−FM<n>の溶断/非溶断に応じて生成されるチューニング信号TUNE<0>−TUNE<n>により構成される。ローカルヒューズプログラム回路16Mのヒューズ素子FM<0>−FM<n>は、一端が電源ノードに接続される抵抗素子RM0−RMnと接地ノードの間に接続されている、従って、ヒューズ素子FMi(i=0−n)の溶断時、対応のチューニング信号TUNE<i>がHレベルに設定される。
固定値生成回路92は、一例として、4種類の固定値+2、+1、−1、および−2を生成する。固定値生成回路92の構成としては、一例として、配線により、電源ノードまたは接地ノードに固定値出力ノードが結合され、2ビットの固定値が生成される構成が用いられればよい。また、固定値生成回路92としては、スイッチング素子のオン/オフ状態に応じて固定値を生成する構成が用いられてもよく、また、レジスタ回路に固定値が格納される構成が用いられてもよい。
演算器(ALU)94は、ローカルヒューズプログラム回路16MM(ヒューズプログラム回路16に含まれる)からの演算活性化信号ZACTに従って選択的に固定値とチューニング信号との加算演算を実行する。
図30は、図29に示す演算器94の演算処理内容を一覧にして示す図である。図30に示すように、ローカルヒューズプログラム回路16MMのヒューズ素子FMMの溶断時、抵抗素子RMNにより、演算活性化信号ZACTがHレベル(“1”)に設定されると、演算器(ALU)94は、演算は実行せず、ローカルヒューズプログラム回路16Mからのチューニング信号TUNEを出力値Yとして出力する。
演算活性化信号ZACTがLレベルのとき(ヒューズ素子FMMの非溶断時)においては、演算器94は、電流モニタ回路18Mの出力信号SWI<2:1>およびSWD<2:1>に従って固定値生成回路92の出力値とチューニング信号TUNEに対し演算処理を行ない、変換後チューニング信号Yを生成する。この場合、切換信号SWI<2>およびSWI<1>が、それぞれ、Hレベル(“1”)のときには、演算器94は、このチューニング信号TUNEに対し、+2および+1の加算処理を実行して、変換後チューニング信号Yを生成する。減分切換信号SWD<2>およびSWD<1>が、それぞれ“1”のときには、演算器94は、このチューニング信号TUNEに対し−2および−1の減算操作を施して、変換後チューニング信号Yを生成する。
この加減算演算においては、チューニング信号TUNE<n:0>を(n+1)ビットデジタル値として加減算操作を行って、出力信号Yを生成する。この演算後のチューニング信号Yに従って、チューナブル参照電位発生回路66の出力する参照電位が、所定ステップ単位でそのレベルが上昇/低下される(図25参照)。
電流モニタ回路18Mの出力信号SWI<2:1>およびSWD<2:1>のうちの全ての切換信号のみが“0”となる条件の時には、演算器94は、ローカルヒューズプログラム回路16Mからのチューニング信号TUNEに0加算を行なって変換後チューニング信号Yを生成する(加減算操作は行わずにチューニング信号TUNEを変換チューニング信号として出力する)。
チューナブル参照電位発生回路66は、この変換後チューニング信号Yに従ってその分圧比が調整されて、マッチ線参照電圧Vturを生成する。この構成の場合においても、電流モニタ回路18Mに含まれるモニタ用MOSトランジスタのドレイン電流に応じて参照電圧Vturのレベルが調整され、ドレイン電流(Id)が大きいときには、この参照電圧Vturのレベルが低下され、ドレイン電流が小さい場合には、この参照電圧Vturの電位レベルが上昇される。これにより、CAMチップ内のMOSトランジスタの仕上がり条件または動作温度に応じてマッチ線プリチャージ電位VMLのレベルを調整することができる。
[チューニング機能付き参照電位発生回路の変更例]
図31は、図28に示すチューニング機能付き参照電位発生回路90の変更例の構成を概略的に示す図である。図31において、チューニング機能付き参照電位発生回路90は、チューナブル参照電位発生回路66と、チューナブル参照電位発生回路66からの参照電圧Vturfのレベルを調整してチューニング参照電圧Vturを生成するレベル調整用バッファ95を含む。
チューナブル参照電位発生回路66は、図25に示す構成と同様の構成を有し、その生成する参照電圧Vturfの電位レベルが、図31には示さないローカルヒューズプログラム回路(16M)からのチューニング信号(TUNE)に従って予め設定される。
レベル調整用バッファ95は、参照電圧Vturfのレベルを、電流モニタ回路18Mからの切換信号SWI<n:0>およびSWD<n:0>に従って調整して、チューニング参照電圧Vturを生成する。
図32は、図31に示すレベル調整用バッファ95の構成の一例を示す図である。図32において、レベル調整用バッファ95は、電源ノードと内部ノードND50とを接続するPチャネルMOSトランジスタPQE50と、減分切換信号SWD0−SWDnに従って選択的に電源ノードと内部ノードND50との間に電流を流すPチャネルMOSトランジスタPQE00−PQE0nと、電源ノードと内部ノードND52を接続するPチャネルMOSトランジスタPQF50と、増分切換信号SWI00−SWI0nに従って選択的に電源ノードと内部ノードND52の間に電流を流すPチャネルMOSトランジスタPPQF00−PQF0nおよびPQF10−PQF1nと、参照電圧Vturfをゲートに受け、内部ノードND50とコモンソースとを接続するNチャネルMOSトランジスタNQE50と、増分切換信号SWI00−SWI0nに従って選択的に内部ノードND50とコモンソース間に電流を流すNチャネルMOSトランジスタNQE00−NQE0nおよびNQE10−NQE1nと、チューニング参照電位Vturをゲートに受け、内部ノードND52とコモンソースノードとを接続するNチャネルMOSトランジスタNQF50と、減分切換信号SWD0−SWDnに従って選択的に内部ノードND52とコモンソース間に電流を流すNチャネルMOSトランジスタNQF00−NQF0nおよびNQF10−NQF1nとを含む。
PチャネルMOSトランジスタPQE00−PQE0nは、それぞれ、ゲートにインバータIVE0−IVEnを介して減分切換信号SWD0−SWDnを受ける。PチャネルMOSトランジスタPQE10−PQE1nは、それぞれ、MOSトランジスタPQE00−PQE0nと直列に接続され、かつそれぞれ、ゲートおよびドレインが相互接続される。PチャネルMOSトランジスタPQE50は、そのゲートおよびドレインがMOSトランジスタPQE10−PQE1nゲートおよびドレインに共通に接続されてる。
PチャネルMOSトランジスタPQF00−PQF0nは、それぞれ、インバータIVF0−IVFnを介して増分切換信号SWI0−SWInをゲートに受ける。PチャネルMOSトランジスタPQF10−PQF1nは、それぞれMOSトランジスタPQF00−PQF0nと直列に接続され、それぞれのゲートが、PチャネルMOSトランジスタPQF50およびPチャネルMOSトランジスタPQE50のゲートに接続される。
NチャネルMOSトランジスタNQE00−NQE0nは、それぞれ、ゲートに増分切換信号SWI0−SWInを受ける。NチャネルMOSトランジスタNQE10−NQE1nは、それぞれゲートにチューナブル参照電位発生回路66からの参照電圧Vturfを受け、内部ノードND50からコモンソースへ選択的に電流を流す。NチャネルMOSトランジスタNQF00−NQF0nは、減分切換信号SWD0−SWDnをそれぞれのゲートに受る。NチャネルMOSトランジスタNQF10−NQF1nは、それぞれ、ゲートにチューニング参照電圧Vturを受け、内部出力ノードND52からコモンソースへ選択的に電流を流す。NチャネルMOSトランジスタNQE50およびNQF50は、それぞれ、ゲートに参照電位VturfおよびVturを受けて、内部ノードND50およびND52からコモンソースへ電流を流す。
レベル調整用バッファ95において、さらに、バッファ活性化信号ENBFに従ってバッファの動作電流を供給するNチャネルMOSトランジスタNQEFが設けられる。このバッファ活性化信号ENBFは、図1に示す制御回路9から生成され、例えば電源投入に応じて活性化される。
図32に示すレベル調整用バッファ95において、バッファ活性化信号ENBFがアサートされてバッファ95が活性化されているときに、増分切換信号SWI0−SWInが選択的にアサートされると(“1”レベルに設定されると)、PチャネルMOSトランジスタPQF00−PQF0nが選択的にオン状態となり、電源ノードから内部ノードND52へ流れる電流量を選択的に増加させる。応じて、内部ノードND52の電位レベルが上昇することになる。また、NチャネルMOSトランジスタNQE00−NQE0nも選択的にオン状態となり、接地ノードへ流れる電流量を増加させt下、内部ノードND50の電位レベルを低下させる。これにより、内部ノードND50の電圧をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタPQF50と選択的にオン状態にあるPチャネルMOSトランジスタPQF00−PQF0nの電源ノードから内部ノードND52へ流れる電流量が増大し、さらに、内部ノードND52の電圧レベルであるチューニング参照j電圧Vturのレベルが上昇する。
一方、減分切換信号SWD0−SWDnが選択的にアサートされると、PチャネルMOSトランジスタPQE00−PQE0nが選択的にオン状態とされ、電源ノードから内部ノードND50へ流れる電流量が増加する。応じて、内部ノードND50の電位レベルが上昇し、これをゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタPQF50を流れる電流量が減少し、内部ノードND52の電位レベルが低下する。
また、内部ノードND52と接地ノードとの間に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQF00−NQF0nも、減分切換信号SWD00−SWD0nに従って選択的にオン状態となり、内部ノードND52と接地ノードとのあいだにながれるでんりゅうりょうも増加し、さらに、内部ノードND52の電位レベルであるチューニング参照電位Vturのレベルが低下する。
以上のようにして、チューニング参照電圧Vturの電位レベルを、電流モニタリング回路18Mの出力信号に従って調整することができ、応じてマッチ線プリチャージ電位を調整することができる。
なお、図32においては、レベル調整用バッファ95として、NチャネルMOSトランジスタでチューニング参照電圧vturfをゲート入力し、PチャネルMOSトランジスタがカレントミラー段を構成している。しかしながら、このレベル調整用バッファ95において、MOSトランジスタのPチャネル型またはNチャネル型を置き換え、かつ電源ノードおよび接地ノードを置き換えることにより、PチャネルMOSトランジスタが参照電圧Vturfをゲートに受け、NチャネルMOSトランジスタがカレントミラー段を構成するバッファ回路を実現できる。この構成の場合においても、同様の作用により、チューニング参照電圧Vturの電位レベルを調整することができる。
なお、電流モニタ回路18Mにおいては、このモニタ用MOSトランジスタのドレイン電流Idに応じて切換信号SWI0−SWInおよびSWD0−SWDnを生成している。しかしながら、この場合、電流モニタ回路18Mにおいて温度をモニタし、その温度条件に応じて、切換信号SWI0−SWInおよびSWD0−SWDnが生成されてもよい。
また、マッチ線プリチャージ電位を規定する参照電圧Vturの電位レベルを調整することにより、マッチ線プリチャージ電位をトランジスタ特性および動作温度を含む内部環境に応じてマッチ線プリチャージ電圧VMLを調整することができる。
また、内部環境に応じて参照電位のレベルを調整することができ、チューナブル参照電位発生回路の出力電圧をトリミングするローカルヒューズプログラム回路のヒューズ素子の数を低減しても、正確に調整することができ、ヒューズプログラムが簡略化される。
[サーチ線駆動回路に対する電源回路の構成]
図33は、図1に示すサーチ線駆動回路3に対する動作電源電圧を生成する回路の構成を概略的に示す図である。図33において、サーチ線駆動回路の動作電源電圧は、電源回路26内に配置される昇圧回路100により生成される。昇圧回路100は、サーチ線駆動回路電源電圧Vbsのレベルを検出するディテクタ102と、ディテクタ102の出力信号OSACTに従って選択的に発振動作を行なうオシレータ104と、オシレータ104からの発振信号PCLKに従ってチャージポンプ動作を行なって電源電圧Vbsを生成するチャージャポンプ106を含む。
ディテクタ102は、ディテクタイネーブル信号DETENの活性化時活性化され、チューナブル参照電位発生回路66からのチューニング参照電位VTUと昇圧電圧(サーチ線駆動回路電源電圧)Vbsのレベルを比較し、その比較結果に応じてオシレータ活性化信号OSACTをアサートする。
オシレータ104は、たとえばリングオシレータで構成され、ディテクタ102からのオシレータ活性化信号OSACTの活性化時、所定の周期で発振動作を行なって、ポンプクロック信号PCLKを生成する。
チャージャポンプ106は、ポンプイネーブル信号PUPENの活性化時、オシレータ104からのポンプクロック信号PCLKに従って容量素子のポンプ動作を行なって電源電圧VDDよりも高い昇圧電圧Vbsを生成する。ディテクタイネーブル信号DETENおよびポンプイネーブル信号PUPENは、図1に示す制御回路9から発生され、CAMチップが選択状態にあり、内部動作を行なうときに活性化される。
ディテクタ102は、その動作電流が、電流モニタ回路18Sの出力する増分および減分切換信号SWIおよびSWDに従って調整される。すなわち、電流モニタ回路18Sは、これまでにおいて説明した電流モニタ用MOSトランジスタを流れるドレイン電流に応じて切換信号SWIおよびSWDを生成する。このモニタ用MOSトランジスタのドレイン電流Idが小さく、仕上がり条件が悪い場合または動作温度が高い場合には、ディテクタ102は、切換信号SWIに従って動作電流が増大され、その動作速度を仕様値に近くする(またはそれより速くする)。
一方、モニタ用トランジスタのドレイン電流が大きい場合には、減分切換信号SWDに従ってディテクタ102はその動作電流が低減され、消費電流を低減する。
チューナブル参照電位発生回路66Aは、その構成としては、図25、図29および図31の構成のいずれが用いられてもよく、その生成する参照電位VTUのレベルが調整可能であればよい。この場合、チューナブル参照電位発生回路66Aの生成する参照電位VTUが、また電流モニタ回路(18S)の出力信号に従って調整されてもよい。仕上がり条件が悪い場合または動作温度が高い場合には、参照電圧VTUの電位レベルを高くし、昇圧電圧Vbsのレベルを高くし、サーチ線駆動回路の動作速度を速くする(または設計値に近づける)。
図34は、図33に示すディテクタ102の構成の一例を示す図である。図34において、ディテクタ102は、チューニング参照電圧VTUと昇圧電圧Vbsを比較する比較回路110と、比較回路110の出力信号をバッファ処理するトライステートインバータバッファ112と、トライステートインバータバッファ112の出力信号を反転してオシレータ活性化信号OSACTを生成するインバータIVG1を含む。
インバータIVG1の入力ノードには、PチャネルMOSトランジスタPQG4が設けられ、ディテクタ102がディテクタイネーブル信号DETENが“0”で非活性状態にあり、トライステートインバータバッファ112が出力ハイインピーダンス状態のときに、オン状態とされて、インバータIVG1の入力ノードを電源電位レベルに固定する。
比較回路110は、カレントミラー段を構成するPチャネルMOSトランジスタPQG0およびPQG1と、PチャネルMOSトランジスタPQG0およびPQG1それぞれと直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQG0およびNQG1と、これらのMOSトランジスタNQG0およびNQG1のソースノードと接地ノードの間に並列に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQH0、NQH1−NQHnを含む。PチャネルMOSトランジスタPQG0は、そのゲートおよびドレインが相互接続されてカレントミラー段のマスタとして機能する。
NチャネルMOSトランジスタNQG0およびNQG1は、それぞれゲートにチューニング参照電圧VTUおよび昇圧電圧Vbsを受ける。NチャネルMOSトランジスタNQH0は、そのゲートにディテクタイネーブル信号DETENを受ける。NチャネルMOSトランジスタNQH1は、ANDゲートGG1の出力信号をゲートに受け、MOSトランジスタNQHnは、そのゲートにANDゲートGG2の出力信号を受ける。ANDゲートGG1は、ディテクタイネーブル信号DETENとバッファBUFG0を介して増分切換信号SWIとを受ける。ANDゲートGG2は、インバータIVG2を通した減分切換信号SWDとディテクタイネーブル信号DETENとを受ける。ANDゲートGG1−GG2は、NチャネルMOSトランジスタNQH1−NQHnの数に応じて適宜設けられ、その個数は、増分切換信号SWIのビット数および減分切換信号SWDのビット数に応じて適切に定められる。
トライステートインバータバッファ112は、比較回路110の出力信号をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタPQG3およびNチャネルMOSトランジスタNQG2と、PチャネルMOSトランジスタPQG3と電源ノードの間に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQG2と、NチャネルMOSトランジスタNQG2と接地ノードの間に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQG3を含む。PチャネルMOSトランジスタPQG2のゲートにインバータIVG0を介してディテクタイネーブル信号DETENが与えられ、MOSトランジスタNQG3のゲートにディテクタイネーブル信号DETENが与えられる。
ディテクタイネーブル信号DETENが非活性状態のLレベルのときに、PチャネルMOSトランジスタPQG2およびNチャネルMOSトランジスタNQG3がオフ状態となり、トライステートインバータバッファ112は、出力ハイインピーダンス状態となる。このときには、PチャネルMOSトランジスタPQG4がオン状態となり、インバータIVG1の入力ノードを電源電圧レベルに維持する。この状態においては、オシレータ活性化信号OSACTは、Lレベルに維持され、次段のオシレータ104の発振動作が停止される。
一方、ディテクタイネーブル信号DETENがHレベルのときには、PチャネルMOSトランジスタPQG4は、オフ状態であり、トライステートインバータバッファ112の出力信号に対して何ら影響を及ぼさない。また、PチャネルMOSトランジスタPQG2およびNチャネルMOSトランジスタNQG3がオン状態となり、トライステートインバ−タバッファ112は、インバータとして動作し、比較回路110の出力信号を反転する。
図34に示す比較回路110において、PチャネルMOSトランジスタPQG0およびPQG1には、同じ大きさの電流が流れる(トランジスタサイズが等しい場合)。チューニング参照電圧VTUが昇圧電圧Vbsよりも高い場合には、NチャネルMOSトランジスタNQG0を介して流れる電流量が、NチャネルMOSトランジスタNQG1を流れる電流よりも多くなる。このNチャネルMOSトランジスタNQG0を介して流れる電流と同じ大きさの電流が、PチャネルMOSトランジスタPQG1を介してNチャネルMOSトランジスタNQG1へ与えられ、比較回路110の出力信号DOUTのレベルが上昇する。応じて、トライステートインバータバッファ112の出力信号がLレベルとなり、インバータIVG1の出力信号がオシレータ活性化信号OSACTがHレベルとなり、オシレータ104がイネーブルされ、発振動作を継続する。
一方、昇圧電圧Vbsが、チューニング参照電圧VTUよりも高い場合には、NチャネルMOSトランジスタNQG1を介して流れる電流量は、NチャネルMOSトランジスタNQG0を介して流れる電流量も多くなる。この場合には、PチャネルMOSトランジスタPQG1の電流は増加しないため、その出力信号DOUTの電位レベルが低下する。応じてトライステートインバータバッファ112およびインバータIVG1から出力されるオシレータ活性化信号OSACTはLレベルとなり、オシレータ104の発振動作が停止される。
動作時において、増分切換信号SWIがHレベルに設定されると、NチャネルMOSトランジスタNQH1がオン状態となり、比較回路110の動作電流が増大され、比較動作が高速化される。一方、減分切換信号SWDがHレベルに設定されると、ゲートGG2の出力信号がLレベルとなり、NチャネルMOSトランジスタNQHnがオフ状態となり、この比較回路110の動作電流が低減され、消費電流が低減される。
切換信号SWDおよびSWIの一方のみが用いられてもよく、また両者が用いられてもよい。仕上がり条件または動作温度に応じて異なるモニタ用トランジスタのドレイン電流に従って、比較回路110の動作電流を調整する。仕上がり条件の悪いまたは動作温度が高く、NチャネルMOSトランジスタNQH0の駆動電流量が小さい場合には、NチャネルMOSトランジスタNQH1およびNQH2をオン状態に設定し、比較回路110の動作電流を増大させ、高速動作させる。一方、仕上がり条件がよくまたは動作温度が低く、NチャネルMOSトランジスタNQH0の駆動電流が仕様値(典型値)よりも大きな場合には、NチャネルMOSトランジスタNQHnをオフ状態に設定し、その動作電流を低減し、消費電流を低減する。
なお、この図34に示すディテクタ102の構成において、比較回路110のMOSトランジスタのPチャネル型およびNチャネル型を切換え、電源ノードと接地ノードをまた切換えても、同様の効果を得ることができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、内部に設けられたモニタ用MOSトランジスタを流れるドレイン電流に応じて内部で生成する電圧のレベルまたは動作電流が調整されている。これにより、製造パラメータのばらつきにより、素子特性が異なる場合および使用環境により動作温度が異なる場合においても、正確かつ高速で動作する半導体装置を実現することができる。
[実施の形態2]
図35は、この発明の実施の形態2に従う半導体装置の要部の構成を概略的に示す図である。図35に示す構成においては、電流モニタ回路18の出力信号SWIおよびSWDを受ける遅延回路120Aおよび120Bが設けられる。この遅延回路120Aおよび120Bの出力遅延切換信号SWIDおよびSWDDが、調整対象回路125に与えられる。調整対象回路125は、参照電位Vtur、VTUを生成するチューニング機能つき参照電位発生回路、マッチ線参照電位MLREFを生成するローカル電源回路、マッチ線プリチャージ電圧VMLを生成するマッチ線プリチャージ電圧発生回路、サーチ線駆動回路の電源電圧Vbsを生成する電源回路、およびクロスカップル型マッチアンプのいずれかである。
遅延回路120Aおよび120Bの出力する遅延切換信号SWIDおよびSWDDに従って対象回路125の生成する電位レベルまたは動作電流が調整される。電流モニタ回路18は、先の実施の形態1において説明した回路のいずれかの構成を有する。
図35に示す構成において、遅延回路120Aおよび120Bは、等価的に、ローパスフィルタとして動作する。電流モニタ回路18は、これまでの実施の形態1において説明した電流モニタ回路の構成のいずれが用いられてもよい。
図36は、図35に示す遅延回路120Aおよび120Bの動作を示す信号波形図である。以下、図36を参照して、図35に示す構成の動作について説明する。
この電流モニタ回路18の出力する切換信号SWIおよびSWDは、内部の比較回路により、検知電圧(Vidb,Vidn)と比較基準電位とを比較している。したがって、これらの検知電圧と比較基準電位のレベルが近い場合、切換信号SWI/SWDが振動することが考えられる。遅延回路120A、120Bにより、電流モニタ回路18の出力する切換信号SWIおよびSWDを遅延させて遅延切換信号SWIDおよびSWDDを生成する。遅延回路120Aおよび120Bは、遅延動作時には、内部ノードの充放電が遅くされ、ローパスフィルタとして動作し、電流モニタ回路18の出力信号SWIおよびSWDの振動成分(高周波成分)を除去して、波形整形またはノイズ成分の抑制された信号を生成する。これにより、対象回路125における動作を安定化させることができる。
図37は、この図35に示す遅延回路120Aおよび120Bの構成の一例を示す図である。図37においては、遅延回路120によりこれらの遅延回路120Aおよび120Bのいずれかを参照する。図37において、遅延回路120は、入力信号INを所定時間τ遅延する遅延段127と、遅延段127の出力信号と入力信号INを受けるNAND回路130と、NAND回路130の出力信号を反転して出力信号OUTを生成するインバータ回路132を含む。入力信号INは切換信号SWIまたはSWDであり、出力信号OUTは、遅延切換信号SWID,SWDDのいずれかである。
遅延段127は、インバータIVHと容量素子CaおよびCbとで構成される単一演壇を複数含む。容量素子CaおよびCbにより、対応のインバータIVHの出力信号の充放電が遅延され、インバータIVHの出力信号の高周波成分が除去される。
図38は、図37に示す遅延回路120の動作を示すタイミング図である。以下、図38を参照して、図37に示す遅延回路120の動作について説明する。
遅延段127は、インバータIVHとハイ側容量素子Caおよびロー側容量素子Cbによるゲート遅延および容量素子の充放電遅延により、その遅延時間が設定され、入力信号INを所定時間τだけ遅延する。この遅延動作時においては、容量素子CaおよびCbにより信号の立上りおよび立ち下がりが遅くされる。この遅延段の出力信号の論理ハイレベルおよび論理ローレベルと判定される電圧レベルへの到達が、入力信号INに対して時間τ遅れる。従って、この遅延段127の出力信号においては高周波成分が除去され、ノイズ成分は十分に抑制される。
NAND回路130およびインバータ回路132により、AND回路が形成される。したがって、入力信号INと遅延段127の出力信号がともにHレベル(論理ハイレベル)の間だけ、出力信号OUTがHレベルとなる。これにより、入力信号INが振動しても、その出力信号OUTにおいてノイズ成分を除去することができ、対象回路125を安定に動作させることができる。この場合、入力信号INの立下りにおいてノイズ成分が存在する場合、出力信号の立下りにも同様のノイズ成分が存在する可能性が存在する。その場合、ノイズ成分がハイ/ロー判定レベルを超えない場合には、影響はない。入力信号INの立ち上がり時のノイズ成分はその振幅にかかわらず遅延段127により、除去することができる。
「遅延回路の変形例」
図39は、図35に示す遅延回路120Aまたは120Bの変更例の構成を概略的に示す図である。図39において、遅延回路120Aまたは120Bを、遅延回路120で示す。図39に示す遅延回路120は、入力信号INを受ける遅延段127と、遅延段127の出力信号と入力信号INを受けるNOR回路134と、NOR回路134の出力信号を反転するインバータ回路136を含む。
遅延段127は、図37に示す構成と同様、インバータIVHと、ハイ側容量素子Caおよびロー側容量素子Cbを含む。インバータ回路136から出力信号OUTが生成される。入力信号INは、モニタ回路18の出力する切換信号SWIまたはSWDに対応し、出力信号OUTは、図35に示す遅延切換信号SWIDまたはSWDDに対応する。
図40は、図39に示す遅延回路120の動作を示すタイミング図である。以下、図40を参照して、図39に示す遅延回路の動作について説明する。
遅延段127は、入力信号INを所定時間τ遅延して出力する。この遅延動作時においては、図37に示す構成と同様、入力信号INの遷移速度を、容量素子CaおよびCbとインバータIVHのゲート容量とにより遅くして、ローパスフィルタ処理を実現する。NOR回路134は、入力信号INおよび遅延段127の出力信号の一方がHレベルのときにLレベルの信号を出力し、インバータ回路136が、このNOR回路136の出力信号を反転する。したがって、出力信号OUTは、入力信号INおよび遅延段127の出力信号の一方がHレベルのときにHレベルとなる。
図39に示す遅延回路120は、入力信号INの立下がりを遅延する立下がり遅延回路である。入力信号INの立下り時においてノイズ成分を除去する。立下り時において入力信号INのノイズの振幅が大きい場合においても、遅延時間τ内の振動であれば、十分にノイズ成分を除去することができる。
したがって、図37および図39に示す立上がり遅延回路および立下がり遅延回路を選択的に利用することにより、いずれかの遷移タイミングを変更することができる。すなわち、対象回路125において、調整の開始および停止のいずれを優先するかに応じて遅延回路120Aおよび120Bの回路構成を利用することにより、優先される特性変化の方向を設定することができ、安定に対象回路125を動作させることができる。
また、遅延回路120Aおよび120Bとしては、高周波ノイズ成分をフィルタ処理するローパスフィルタが利用されてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、電流モニタ回路の出力信号を受ける遅延回路を通して対象回路に切換信号を伝達している。従って、電流モニタ回路のモニタ電流に対応する検知電位と比較対象電位とが近接する場合においても、安定に対象回路を動作させることができる。
[実施の形態3]
図41は、この発明の実施の形態3に従う半導体装置の要部の構成を概略的に示す図である。この図41に示す構成においては、対象回路140に与えられる切換信号SWIおよびSWDの有効/無効を、ヒューズプログラム回路16に含まれるローカルヒューズプログラム回路16Lからのプログラム信号に従って設定する。すなわち、電流モニタ回路18と対象回路140の間に、ゲート回路142iおよび142dが設けられる。ゲート回路142iは、電流モニタ回路18からの増分切換信号SWIFとローカルヒューズプログラム回路16Lからの増分活性化プログラム信号ACTIとを受け、増分切換信号SWIを生成して対象回路140へ与える。ゲート回路142dは、電流モニタ回路18からの減分切換信号SWDFとローカルヒューズプログラム回路16Lからの減分活性化プログラム信号ACTDとを受け、減分切換信号SWDを生成して対象回路140へ与える。
電流モニタ回路18は、先の実施の形態1において説明した構成を有し、内部に含まれるモニタ用トランジスタを流れるドレイン電流に応じて切換信号SWIFおよびSWDFを生成する。
ローカルヒューズプログラム回路16Lは、それぞれ抵抗素子RLIおよびRLDと設置ノードの間に接続されるヒューズ素子FZIおよびFZDの溶断/非溶断により、活性化プログラム信号ACTIおよびACTDの状態をプログラムする。増分活性化プログラム信号ACTIが非活性状態のとき(Lレベルのとき)、すなわちヒューズ素子FZIの非溶断時においては、ゲート回路120iは切換信号SWIを非活性状態のLレベルに維持し、対象回路140における電流/電位増分制御動作を停止させる。ヒューズ素子FZIの溶断時、増分活性化プログラム信号ACTIが抵抗素子RLIによりHレベルとなり、ゲート回路142iは、電流モニタ回路18からの増分切換信号SWIFに従って切換信号SWIを生成して対象回路140へ与える。
ゲート回路142dは、ヒューズ素子FZLが非溶断状態であり、減分活性化プログラム信号ACTDがLレベルのときに、対象回路140へ与えられる減分切換信号SWDをLレベルに維持する。この場合、対象回路140においては、電位/電流の減分調整動作は停止される。ヒューズ素子FZIの溶断時、増分活性化プログラム信号ACTDが抵抗素子RLDによりHレベルとなり、ゲート回路142dは、電流モニタ回路18からの増分切換信号SWDFに従って切換信号SWDを生成して対象回路140へ与える。
対象回路140は、これまでに説明した、マッチ線参照電位MLREFを生成する回路、またはマッチ線プリチャージ電圧VMLを生成する回路、マッチ線プリチャージ電位参照電圧Vturを生成するチューニング機能付き参照電位発生回路、クロスカップル型マッチアンプ、サーチ線電源電圧Vbsを生成する回路のいずれであってもよい。切換信号SWIおよびSWDにより生成する電圧のレベルまたは動作電流が調整される回路であればよい。
ヒューズプログラム回路16におけるローカルヒューズプログラム回路16Lにおいて、抵抗素子RLIおよびRLDとヒューズ素子FZIおよびFZDのプログラム(溶断/非溶断)を、製造工程終了後のテスト工程時において実行する。すなわち、通常のヒューズプログラム回路16に含まれるヒューズ素子のプログラムで、十分に動作特性を保証できない場合、ヒューズ素子FZIおよびFZLを溶断し、切換信号SWIおよびSWDを、電流モニタ回路18の出力する切換信号SWIFおよびSWDFに従って調整する。これにより、MOSトランジスタの仕上がり条件が、定型条件(設計値)よりも大きくずれている場合および動作温度が規定値よりも変動する場合においても、正確に動作特性を保証することができ、製品歩留まりを改善することができる。
この切換信号の調整については、増分切換信号SWIおよび減分切換信号SWDそれぞれに対して行なわれてもよい。また、複数の切換信号SWI<n:0>およびSWD<n:0>が存在する場合、切換信号の各ビットSWI<i>およびSWD<i>に対し個々に、活性化プログラム信号ACTI<i>およびACT<i>が生成されて、個々に、切換信号の有効/無効がプログラムされてもよい。
[変更例]
図42は、この発明の実施の形態3に従う半導体装置の要部の変更例の構成を概略的に示す図である。この図421に示す構成においては、図31に示すレベル調整用バッファ95に相当するレベル調整用バッファ145に対し、ゲート回路142iおよび142dからの切換信号SWIおよびSWDが与えられる。
レベル調整用バッファ145は、図31に示すチューナブル参照電位発生回路66からのチューニング参照電位Vrefのレベルを調整して、レベル調整後参照電位VREFを生成して対象回路148へ与える。この対象回路148は、マッチ線参照電位VMLを生成する回路およびサーチ線駆動回路の電源電圧Vbsを生成する回路に相当し、生成する出力電圧VOUTの電位レベルが、参照電位Vrefに応じて設定される。
ゲート回路142iおよび142dへは、図41に示す構成と同様、ヒューズプログラム回路16に含まれるローカルヒューズプログラム回路16Lからの活性化プログラム信号ACTIおよびACTDがそれぞれ与えられる。この図41に示す構成においては、電流モニタ回路18からの切換信号SWIFおよびSWDF<i>それぞれについて、切換信号SWI<i>およびSWD<i>を生成し、各切換制御単位でその活性/非活性がヒューズ素子FZIおよびFZDの溶断/非溶断に応じて設定される。この場合、図41に示す構成と同様、活性化プログラム信号ACTI<i>は、切換信号SWI<n:0>に対し共通に生成され、また、切換信号SWD<n:0>に共通に、活性化プログラム信号ACTDが生成されてもよい。
この図42に示す構成においても、MOSトランジスタの仕上がり条件に応じてローカルヒューズプログラム回路16Lのプログラムにより選択的に、このレベル調整動作を有効状態に設定することができ、製品歩留まりが改善される。
[変更例2]
図43は、この発明の実施の形態3に従う半導体装置の要部の変更例2の構成を概略的に示す図である。図42に示す構成においては、活性化プログラム信号ACTIおよびACTDが、パッドPDIおよびPDDの電位を配線プログラム回路150iおよび150dにより電源電圧VDDまたは接地電位に固定される。配線プログラム回路150iおよび150dは、ボンディングワイヤで通常構成される。テスト工程後、MOSトランジスタの仕上がり具合に応じて、レベル調整機能の有効/無効をワイヤの接続により決定する。
この構成においては、パッドPDIおよびPDDは、信号数および/または機能に応じて、複数配置されてもよく、特にパッド数は限定されない。
この図42に示す構成は、図41または図42に示す構成のローカルヒューズプログラム回路16Lの代わりに利用される。
[変更例3]
図44は、この発明の実施の形態3に従う半導体装置の要部の変更例3の構成を概略的に示す図である。この図44に示す構成においては、レジスタファイル155に含まれるレジスタ回路157iおよび157dに、活性化プログラム信号ACTIおよびACTDが格納されて生成される。これらのレジスタ回路157iおよび157dに対しては、図1に示す制御回路9の制御の下に、外部からのデータDINaおよびDINbが格納され、活性化プログラム信号ACTIおよびACTDの状態(論理値)が設定される。
この図44に示すレジスタファイル155において、外部からアクセス可能なレジスタ回路157iおよび157dに格納されるデータに応じて活性化プログラム信号ACTIおよびACTDの状態を設定する。回路動作解析などにおいて、外部から選択的にレベル調整動作を有効状態に設定することができる。
なお、この図44に示す構成において、レジスタ回路157iおよび157dは、電流モニタ回路(図41参照)の出力する切換信号SWIF<i>およびSWDF<i>それぞれに対応して設けられてもよく、また、共通に増分切換制御および/または減分切換制御を実行するように減分切換制御用および増分切換制御用に対してそれぞれ設けられてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、MOSトランジスタの仕上がり具合または動作温度に応じた調整動作を選択的に有効状態に設定している。これにより、調整動作について、必要とされる半導体装置(チップ)に対してのみレベル調整動作を有効とすることができ、ワースト条件の半導体チップの救済を行なうことができる。また、各半導体チップにおけるトランジスタの動作特性のばらつきの場合に応じて動作条件を設定でき、信頼性を改善することができる。